説明

基質処理用ポリオルガノシロキサン組成物

本発明は、構造的に異なるアミノポリシロキサンおよび/またはアンモニウムポリシロキサン化合物a1)とa2)を含有させたポリオルガノシロキサン組成物、これの製造方法、これを基質、特に繊維型基質を親水性または柔らかにする処理で用いること、そしてそれを含んで成る製品、特に紙製品、例えばマット、紙パルプ、紙布、ペーパーサポートまたは紙層などに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリオルガノシロキサン(polyorganosiloxane)組成物、それらの製造方法、それらを基質、特に繊維状基質の処理で用いること、そしてそれらを含有させた製品、特に不織紙布(nonwoven paper fabrics)、紙パルプ、織紙布、紙担体または紙層などの紙製品に関する。
【背景技術】
【0002】
柔軟性はいろいろな用途の吸収性紙にとって有利である。例えば、皮膚と接触する紙組織、例えばメーキャップ除去用ティッシュまたは紙製ハンカチなどが未処理であると、それを頻繁に使用すると物理的損傷が理由で皮膚の発赤がもたらされ、実際、皮膚のかぶれさえもたらされる可能性がある。
【0003】
紙組織自身を変えるか或は繊維または組織を化学物質で処理することで柔軟性の向上を得ることができる。紙繊維または紙組織を処理する目的でしばしばポリジメチルシロキサン(シリコーン)が用いられる。
【0004】
ポリジメチルシロキサンは疎水性を有することから、それで紙繊維もしくは紙組織の仕上げを行うと、結果として、そのような紙組織は撥水性を示す。それは一般に望ましいことではない、と言うのは、組織が水を迅速に吸収する能力が低下するからである。
【0005】
従って、親水性を保持しながら柔軟仕上げを達成しようとする方法がいろいろ記述されている。
【0006】
紙用2成分柔軟剤組成物の使用が特許文献1に記述されており、それは、エステル官能の第四級アンモニウム化合物と有機官能のポリオルガノシロキサンを含んで成る。
【0007】
アミノ変性ポリオルガノシロキサン化合物およびこれの混合物が特許文献2に開示されているが、そのアミノ変性が成されたのは排他的にポリオルガノシロキサン主鎖の側鎖に対してである。織布を皮膚に優しく用いることができるように、それの表面にアミノ変性ポリオルガノシロキサン化合物による処理を受けさせている。
【0008】
同様にアミノ変性を受けたアミノ側鎖と場合により末端アミノ基を持っていてもよいポリオルガノシロキサンを含有させた紙組織が特許文献3に開示されている。
【0009】
ポリエーテルアンモニウム側鎖を持つアンモニウム変性ポリオルガノシロキサンを含有させた軟質紙組織が特許文献4に開示されている。
【0010】
紙の処理では、柔軟用化学品が使用者の皮膚に移るのも移行するのも望ましくない。従って、柔軟成分、特に親水化成分を強力に結合させるのが望ましい。ポリエーテルシロキサンは基質表面に対して強力な親水化効果を示しはするが、紙表面と強力に結合する基が存在せず、その上、多少とも顕著な水溶性も示し、このことは、直接性が低いことが理由であまり適切でないことを意味する。
【0011】
ヒドロキシル基を含有するセルロース表面との結合を向上させようとする時、例えば、アミノアルキルシロキサン、特にテトラオルガノ置換アンモニウム基、即ち第四級基(これはpHから独立して存在し、そして負の紙繊維表面とシリコン分子の第四級アンモニウム基が有する永久的に正の電荷の間の電荷相互作用が強力なことから、そのような結合を
与え得る)を有するシロキサンなどを用いてそれを達成することができる。
【0012】
そのような洗剤系を用いた洗浄を行っている過程中に織物を柔らかにするシリコン材料が特許文献5、6および7に請求されている。前記シリコン材料を織物ケア(textile care)配合で用いることが特許文献8に考察されている。
【特許文献1】米国特許第5,538,595号
【特許文献2】米国特許第6,054,020号
【特許文献3】米国特許第6,432,270号
【特許文献4】米国特許第6,030,675号
【特許文献5】WO 02/10256
【特許文献6】WO 02/10257
【特許文献7】WO 02/10259
【特許文献8】米国公開明細書 2002/0103094
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、特に繊維と良好に結合し(直接性であり)、紙を有意には疎水性にすることなく紙を感知できるほど柔らかくしかつ紙生産工程中の紙に容易に用いることができる、即ち例えば液状であるシリコン組成物を提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、処理を受けさせた繊維が達成し得る柔らかさ、特に親水性および直接性(シロキサン系と繊維の接着)の持続または向上、シロキサン系と剤形の配合物の柔軟性、特に使用量低減および材料コスト低減の方向の柔軟性に関するさらなる向上を達成するシリコン組成物を提供することにある。
【0015】
本発明のさらなる目的は、本組成物に存在させる成分の比率を単に変えることで処理を受けさせるべき基質の種類および処理条件に対して柔軟に調整可能なポリシロキサンが基になった組成物を提供することにある。その上、そのような配合物は、処理を受けさせるべき基質に望まれる特性、例えば柔らかさおよび親水性などを全く悪化させることなく処理を受けさせるべき基質に望まれる特性の達成に要する量を低くしそして/または高価なポリシロキサン成分、例えば有機官能基をα,ω位置に有するいわゆるポリシロキサン第四級品(quats)(RMeSiO0.5)などの使用量を低くすることを可能にすべきである。
【0016】
さらなる目的は、硬質表面の処理、特に帯電防止処理に適した組成物を提供することにある。
【0017】
驚くべきことに、いろいろなポリシロキサン含有化合物を含有させた特定の組成物を用いると前記目的を達成することができかつそのような組成物は特定材料、例えば特に繊維材料ばかりでなくまた硬質表面の処理、特に表面処理にとって経済的であるにも拘らず極めて有効な組成物であることを見いだした。
【課題を解決するための手段】
【0018】
従って、本発明は、ポリオルガノシロキサン組成物およびこれの酸付加塩を提供し、これは、
少なくとも1個の有機基Vがポリジオルガノシロキサン基含有有機基VSi1であることを条件としてアミノおよび/またはアンモニウム基Qを少なくとも1個と有機基Vを少なくとも1個含有していて前記基Qと前記基VSi1の結合が構成要素(I)
【0019】
【化1】

【0020】
[ここで、V*は、各場合とも炭素原子を介して前記ポリジオルガノシロキサン基のケイ素原子と結合しかつ前記アミノもしくはアンモニウム基Qの窒素原子と結合している二価の有機基であり、そしてRは一価有機基である]
によって生じている少なくとも1種のアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)、および
少なくとも1個の有機基Vがポリジオルガノシロキサン基含有有機基VSi2であることを条件としてアミノもしくはアンモニウム基Qを少なくとも1個と有機基Vを少なくとも1個含有していて前記基Qと前記基VSi2の結合が式(II)および(III)
【0021】
【化2】

【0022】
[ここで、V*は、各々、各場合とも炭素原子を介して前記オルガノシロキサン基のケイ素原子と結合しかつ前記アミノもしくはアンモニウム基Qの窒素原子と結合している二価の有機基であり、そしてRは一価有機基である]
から選択される構成要素によって生じている少なくとも1種のアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)、
を含有するが、但し、
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)が式(I)で表される構成要素を持たないことを条件とし、かつ
前記基Qがカルボニルの炭素原子と結合していないことを条件とし、そして、ここで、
アンモニウム基の結果としてもたらされる正電荷は有機もしくは無機酸アニオンで中和されている。
【0023】
好適な態様における本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物は、無窒素(nitrogen−free)ポリシロキサン化合物を含有しないことを特徴とする。
【0024】
好適な態様における本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物は、
− この上で定義した如き成分a1)、
− この上で定義した如き成分a2)、
− 場合により、1種以上の無シリコン(silicone−free)界面活性剤b)、
− 場合により、1種以上の助剤c)、および
− 場合により、1種以上の担体物質d)、
から成ることを特徴とする。
【0025】
好適な態様における本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物は、成分a1)とa2)が30:1から1:90の重量比で存在することを特徴とする。特に好適には、成分a1)とa2)を1:0.1から1:10の重量比、好適には1:0.2から1:7の重量比で存在させる。特に好適な範囲は1:1の混合比である。
【0026】
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)は、便宜上、アミノおよび/またはアンモニウム基Qを少なくとも1個および/または有機基Vを少なくとも1個含有する。少なくとも1個の基Vがポリオルガノシロキサン基を含有し、これをVSiと表示する。この基VSiは、これが基Qと結合している時、式(I)
【0027】
【化3】

【0028】
[ここで、V*およびRは、この上で定義した通りである]
で表される構成要素(I)を有する。
【0029】
本発明の好適な態様における式(I)で表される構成要素は、下記の式(Ia):
【0030】
【化4】

【0031】
[式中、V*、Rおよびn≧1]
で表される。分枝ポリジオルガノシロキサン単位を用いる態様では、以下に更に記述するように、式(I)で表される構成単位に隣接して位置するポリオルガノシロキサン単位中の成分Rはシロキサン単位に置き換わっていてもよい。
【0032】
好適な態様における本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物は、式(IV)
【0033】
【化5】

【0034】
[式中、QおよびVは、この上で定義した通りであり、Rは、各場合とも、一価有機基または水素であり、xは≧1であり、基Rは互いに同一または異なってもよく、そしてxが>1の場合、基Q、Vは各場合とも互いに同一もしくは異なってもよい]
で表されるアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)を有する。
【0035】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物の更に好適な態様では、アミノもしくはアンモニウム基Qを
−NR−,
−N−,
場合によりさらなる置換基で置換されていてもよい式:
【0036】
【化6】

【0037】
で表されるジアミノ官能の飽和もしくは不飽和複素環、および
場合により置換されていてもよい式:
【0038】
【化7】

【0039】
で表されるジアミノ官能芳香複素環、式:
【0040】
【化8】

【0041】
で表される三価基、式:
【0042】
【化9】

【0043】
で表される三価基、または式
【0044】
【化10】

【0045】
で表される四価基
[前記式中、Rは、各場合とも、水素または一価有機基である]
から成る群から選択するが、Qはカルボニルの炭素原子と結合していない。
【0046】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物のさらなる好適な態様では、単位Vを、場合により−O−,−C(O)−,−C(S)−,−NR−[ここで、Rは、水素、または−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される1個以上の基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、ポリエーテル基、ポリエーテルエステル基、ポリオルガノシロキサニル基および−Si(OR)3−a(R)(ここで、aは、0から2の整数であり、そしてRは、この上で定義した通りである)から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が300以下の一価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基であるが、基−NR−が複数存在する場合には、それらは同一もしくは異なっていてもよく、そして基−NH−がカルボニルおよび/またはチオカルボニル炭素原子と結合していることを条件とする]、
【0047】
【化11】

【0048】
から選択される1個以上の基を含有していてもよくかつポリオルガノシロキサン基を含有していてもよくかつ場合により1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数(場合により存在していてもよいポリオルガノシロキサン基の炭素原子の数は数えな
い)が1000以下の少なくとも1種の多価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基から選択するが、但し基
【0049】
【化12】

【0050】
および−NR−が少なくとも1個のカルボニルおよび/またはチオカルボニル炭素原子と結合していることを条件としかつ少なくとも1個の基Vがポリオルガノシロキサン基を少なくとも1個含有することを条件とする。
【0051】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物のさらなる好適な態様では、前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)に単位QおよびV[ここで、Qは、Vとの結合がカルボニルの炭素原子を介してではない少なくとも1種の二価、三価および/または四価アミノおよび/またはアンモニウム基であり、そしてVは、炭素を介してQ単位と連結している少なくとも1種の有機基であるが、但し単位Vの少なくとも1つがポリジオルガノシロキサン基を含有することを条件とする]から選択した単位を少なくとも3単位持たせる。
【0052】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物のさらなる好適な態様では、前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)に単位Qを少なくとも2単位持たせる。
【0053】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物のさらなる好適な態様では、前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)に単位Qを少なくとも2単位および単位VSiを2単位以上持たせる。
【0054】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物のさらなる好適な態様では、前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)に単位Qを少なくとも2単位および単位VSiを3単位以上持たせる。
【0055】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物のさらなる好適な態様において、前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)中の有機基Vは、V、VおよびV[ここで、
は、場合により−O−,−CONH−,−CONR−(ここで、Rは、水素、または−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される1個以上の基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ポリエーテル基およびポリエーテルエステル基から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の一価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基であるが、基−CONR−が複数存在する場合には、それらは同一もしくは異なっていてもよい)
−C(O)−および−C(S)−
から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数(以下に定義するポリシロキサン基Zの炭素原子の数は数えない)が1000以下の二価、直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基から選択されるが、
基Vは、場合により、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよく、そして
基Vは、式
【0056】
【化13】

【0057】
(式中、Rは、同一もしくは異なってもよく、CからC22のアルキル、フルオロ(C−C10)アルキル、C−C10−アリールから成る群から選択され、そしてn1は20から1000である)
で表される基−Z−を少なくとも1個含有し、
は、場合により−O−, −CONH−,−CONR−(ここで、Rは、この上で定義した通りであり、基V中の基Rと基V中の基Rは同一もしくは異なってもよい)、
−C(O)−、−C(S)−および−Z−(ここで、−Z−は、式
【0058】
【化14】

【0059】
(式中、Rは、この上で定義した通りであり、基V中の基Rと基V中の基Rは同一もしくは異なってもよく、そしてn2は0から19である)
で表される基である)
から選択される1個以上の基を含有していてもよい、炭素原子数が1000以下の二価直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香炭化水素基から選択され、そして
基Vは、場合により、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよく、そして
は、場合により−O−,−CONH−,−CONR−(ここで、Rは、この上で定義した通りである)、−C(O)−、−C(S)−、−Z−(この上で定義した通りである)、−Z−(この上で定義した通りである)およびZ(ここで、Zは、三価以上のオルガノポリシロキサン単位である)から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数(挙げるシロキサン基Z、ZおよびZの炭素原子の数は数えない)が1000以下の三価以上の直鎖、環状もしくは分枝飽和、不飽和もしくは芳香炭化水素基であり、これは、場合により、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよく、ここで、各場合とも、前記ポリシロキサン化合物中に基Vが1個以上、基Vが1個以上および/または基Vが1個以上存在していてもよいが、但し
前記ポリシロキサン化合物が基−Z−、−Z−または−Z−を少なくとも1個含有する基V、VまたはVを少なくとも1個含有することを条件とする]
から成る群から選択した少なくとも1種の成分である。
【0060】
三価および四価の基Qは、主鎖中の結合に役立たない原子価が−[Q−V]−単位から生じたさらなる分枝を持つようにQとVから生じた主鎖に分枝を持たせるに役立つか、或
は三価および四価基Qは、分枝を形成しないで環状構造を形成することで線状主鎖内を基Vで飽和状態にする。
【0061】
この上で定義したアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)は、好適には、式(VII):
−[Q−V]− (VII)
{式中、Qは、
−NR−,
−N
式:
【0062】
【化15】

【0063】
で表されるジアミノ官能飽和もしくは不飽和複素環、および式
【0064】
【化16】

【0065】
(前記式中、Rは、水素または一価有機基である)
で表されるジアミノ官能芳香複素環、
から成る二価基から選択されるが、ここで、Qはカルボニルの炭素原子と結合しておらず、
Vは、V、VおよびV[ここで、
は、場合により−O−,−CONR−(ここで、Rは、水素、または−O−、−
NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される1個以上の基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ポリエーテル基およびポリエーテルエステル基から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の一価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基であるが、基−CONR−が複数存在する場合には、それらは同一もしくは異なっていてもよい)
−C(O)−および−C(S)−
から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数(以下に記述するシロキサン基Zの炭素原子の数は数えない)が1000以下の二価の、直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基から選択されるが、
基Vは、場合により、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよく、そして
基Vは、式
【0066】
【化17】

【0067】
(式中、Rは、同一もしくは異なってもよく、CからC22のアルキル、フルオロ(C−C10)アルキルおよびC−C10アリールから成る群から選択され、そしてn1は20から1000である)
で表される基−Z−を少なくとも1個含有し、
は、場合により−O−,−CONR−(ここで、Rは、この上で定義した通りであり、基V中の基Rと基V中の基Rは同一もしくは異なってもよい)、
−C(O)−、−C(S)−および−Z−(ここで、−Z−は、式
【0068】
【化18】

【0069】
(式中、Rは、この上で定義した通りであり、基V中の基Rと基V中の基Rは同一もしくは異なってもよく、そしてn2は0から19である)
で表される基である)
から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数が1000以下の二価の、直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基から選択され、そして基Vは、場合により、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよく、そして
基V、VまたはVの中の1つが基−Z−、−Z−または−Z−の中の1つを含有する場合、それは上述した基VSiであり、これと基Qの結合は、この上に説明した式(I)で表される構成要素によって生じている]
から成る群から選択した少なくとも1種の成分である}
で表される単位を少なくとも1単位含有するポリシロキサン化合物を含んで成る。
【0070】
式(VII)で表される単位を少なくとも1個含有する好適なポリシロキサン化合物a1)は、一官能基−Q−Rおよび/またはV−R[ここで、Rは、例えば前記式(IV)で表される化合物a1)などで示したように、この上で定義した通りである]で終結している。
【0071】
本発明に関連して、式(VII)で表される単位を少なくとも1個含有する好適なポリシロキサン化合物a1)には、また、存在する単位−[Q−V]−が1個のみの場合も含まれるべきであり、その結果として、また、式R−V−[Q−V]−RまたはR−[Q−V]−Q−Rで表される化合物も含まれる。
【0072】
適切なポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)は、例えばWO 02/10257、WO 02/10259、DE−OS(ドイツ公開明細)100 36 522、DE−OS(ドイツ公開明細)100 36 532、WO 02/18528、DE−OS(ドイツ公開明細)100 36 533および公開されていないドイツ出願102 12 470.1などに記述されている。それらは更に米国特許第6,240,929号に従う化合物であってもよい。
【0073】
式(VII)で表される単位を少なくとも1単位含有するポリシロキサン化合物は、例えば一般式(VII’):
−[Q−V]− (VII’)
[式中、Qは、この上で定義した通りであり、
Vは、少なくとも1種の基Vおよび少なくとも1種の基Vであり、ここで、
およびVは、この上で定義した通りである]
で表される線状ポリシロキサン共重合体などである。
【0074】
一般式(VII)および(VII’)に関して、ポリシロキサン化合物V/V中の基VとVのモル比が取る値は本質的に如何なる所望値であってもよい。本発明に従い、また、式(VII)または(VII’)で表されるポリシロキサン化合物がV単位のみを含有する場合も含まれる、即ちそのようなポリシロキサン化合物は式−[Q−V]−で表される。本発明に従い、また、前記ポリシロキサン化合物がV単位のみを含有する場合も含まれる。しかしながら、この場合にはV単位がZシロキサン単位を含有すべきである。
【0075】
しかしながら、本発明の好適な態様において、式(VII)または(VII’)で表されるポリシロキサン化合物はVとV単位の両方を含有する。
【0076】
本発明の化合物a1)の好適なさらなる態様において、一般式(VII)または(VII’)で表されるポリシロキサン化合物中の基VとVのモル比は下記である:
/V=1
成分a1)としてのそのような線状のアミン−もしくはテトラオルガノ−アンモニウム化合物は、例えばWO 02/10257、WO 02/10259、EP 282720または米国特許第5,981,681号などに記述されている。特に、WO 02/10259およびWO 02/10257のポリシロキサンが好適であり、それらの請求項1に定義されているポリシロキサン重合体は引用することによって明らかに本明細書に組み入れられかつ本出願の開示の一部である。
【0077】
式(VII)または(VII’)で表される線状ポリシロキサン化合物のさらなる態様
において、V/Vは1に等しくなく、V/Vは、好適には<1、より好適には<0.9、更により好適には、V/Vは関係
0.005<V/V<0.5
を満足させる。
【0078】
基Rを好適には基Rから選択する。
【0079】
本発明の好適な態様では、式(VII)または(VII’)中の二価の基Qを構造
【0080】
【化19】

【0081】
で表される第四級化イミダゾール単位、構造
【0082】
【化20】

【0083】
で表される第四級化ピラゾール単位、構造
【0084】
【化21】

【0085】
で表されるジ第四級化ピペラジン単位、構造
【0086】
【化22】

【0087】
で表されるモノ第四級化ピペラジン単位、構造
【0088】
【化23】

【0089】
で表されるモノ第四級化ピペラジン単位、構造
【0090】
【化24】

【0091】
で表されるジ第四級化単位、構造
【0092】
【化25】

【0093】
で表されるモノ第四級化単位、構造
【0094】
【化26】

【0095】
で表されるモノ第四級化単位、構造
【0096】
【化27】

【0097】
で表されるジ第四級化単位、構造
【0098】
【化28】

【0099】
で表されるモノ第四級化単位、および構造
【0100】
【化29】

【0101】
で表されるモノ第四級化単位から成る群から選択し、ここで、
tは、2から10であり、
は、この上で定義した通りであり、そしてRの意味は前記基Rの意味と同じまたは異なってもよく、そして上述した構成要素の中の1つにRが複数存在する場合、それらは互いに同じまたは異なってもよく、2つの基Rが正帯電窒素原子と一緒になって、場合により追加的に窒素、酸素および/または硫黄原子を1個以上有していてもよい5員から7員の複素環を形成していてもよく、
、R、Rは、同一もしくは異なり、H、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、チオール基、カルボキシル基、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アセチルオキシ基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基および−NHR型の基(ここで、Rは、H、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、アセチル基またはウレイド基である)から成る群から選択され、そして基R、RおよびRの中の2つが隣接している場合、各場合とも、それらはそれらを複素環と結合させている炭素原子と一緒になって5から7員の芳香環を形成していてもよく
、RはRの意味を有するが、RとRは同一または異なってもよい。
【0102】
成分a1)としての式(VII)または(VII’)で表されるポリシロキサン化合物の好適な態様におけるVは、式
−V*−Z−V*−
[式中、ZおよびV*は、この上で定義した通りであり、V*は、好適には、場合により−O−、−CONH−、−CONR−(ここで、Rは、この上で定義した通りである)、−C(O)−および−C(S)−から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数が100以下、好適には40の二価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基であり、そしてこの基V*は場合により1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい]
で表される基である。最後に述べた好適な態様V*は、また、この上に定義した如き構成要素(I)の好適な態様でもあると考えている。
【0103】
従って、上述した態様における本発明に従う線状ポリシロキサン共重合体は、下記の繰り返し単位
−[V*−Z−V*−Q]−
を好適には−[V−Q]−と一緒に持ち得る。
【0104】
繰り返し単位−[V*−Z−V*−Q]−と−[V−Q]−のモル比、即ちV/Vの比率は、この上で述べたように、1であってもよいが、1つの態様では、好適には1に等しくなく、より好適には<0.5である。後者の場合の前記線状ポリシロキサン共重合体−[Q−V]−は、互いに結合している2個以上の−[V−Q]−単位を含有するブロックを含有すべきである。
【0105】
この上に成分a1)として記述した線状ポリシロキサン共重合体の製造方法に関して以下に更により詳細に説明するように、互いに結合している2個以上の−[V−Q]−単位を有するブロック様配列は、製造方法に応じて、V−Q単位と規則様式でか或はV−Q単位と不規則な様式で連結している可能性がある。
【0106】
このことは下記を意味する:
規則的連結の場合、例えば基−Q[V−Q]−に相当するプレポリマーとVに相当する単量体単位を1:1のモル比で反応させた時の線状ポリシロキサン共重合体は下記:
−{{V−Q−[V−Q]−}−
[ここで、xは2から2000であってもよく、これは平均分布値である]
で描写可能である。前記式−{{V−Q−[V−Q]−}−で表される線状ポリシロキサン共重合体は、互いに結合している−V−Q−単位を実質的に持たない、言い換えれば、2個の−V−Q単位に必ず少なくとも1個の−V−Q−単位が割り込んでいることで特徴づけられる。
【0107】
不規則な連結の場合、例えばQ単位に相当する単量体とVに相当する単量体単位とVに相当する単量体単位をQ/(V+V)の比率が1:1で例えばV/V<1、好適には<0.5になるように反応させた時の線状ポリシロキサン共重合体は下記:
−Q−(V,V)−
[ここで、Vは比率V/V<1または<0.5である]
で描写可能である。基VとVは共重合体鎖全体に渡ってランダムに分布している。この共重合体は、また、規則的連結で生じさせた線状ポリシロキサン共重合体とは対照的に、隣接して位置する−Q−V−単位も持ち得る。
【0108】
本発明に従って成分a1)として用いる式(VII)または(VII’)で表されるポリシロキサン化合物の好適な態様では、基Vを、場合により−O−、−CONH−、−CONR−(ここで、Rは、この上で定義した通りである)、−C(O)−、−C(S)−および−Z−[ここで、−Z−は、式(VI)
【0109】
【化30】

【0110】
(式中、Rは、場合により1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC−C18−アルキル、またはフェニルであり、そしてn2は、この上で定義した通りである)
で表される基である]から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数が400以下の二価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基から選択する。
【0111】
成分a1)としての式(VII)または(VII’)で表されるポリシロキサン化合物の好適なさらなる態様では、基Qを、
【0112】
【化31】

【0113】
構造
【0114】
【化32】

【0115】
で表される第四級化イミダゾール単位、構造
【0116】
【化33】

【0117】
で表される第四級化ピラゾール単位、構造
【0118】
【化34】

【0119】
で表されるジ第四級化ピペラジン単位、構造
【0120】
【化35】

【0121】
で表されるモノ第四級化ピペラジン単位、構造
【0122】
【化36】

【0123】
で表されるモノ第四級化ピペラジン単位、構造
【0124】
【化37】

【0125】
で表されるモノ第四級化ピペラジン単位、
から選択し、ここで、R、R、R、RおよびRは、この上で定義した通りである。
【0126】
本発明の成分a1)としての式(VII’)で表される線状ポリシロキサン化合物の好適なさらなる態様におけるモル比V/Vは、関係
0.0005<V/V<0.5,(=2<V/V<2000)
より好適には、関係
0.005<V/V<0.4,(=2.5<V/V<200)
更により好適には、関係
0.01<V/V<0.3,(=3.3<V/V<100)
を満たす。
【0127】
前記式(VII)および(VII’)に関して、好適には、
=CからC18アルキル、特にメチル、エチル、トリフルオロプロピルおよびフェニル、
=20から400、特に好適には20から300、特に20から200。更に好適な態様におけるnは20から50の範囲、または80から200の範囲である。数値nは、基Z中のジオルガノシリルオキシ単位の平均重合度Mである。
=0から15、特に好適には0から10、特に0から5、より特別には0。数値nは、基Z中のジオルガノシリルオキシ単位の平均重合度Mである。
V*=場合により−O−、−CONH−、−CONR−、−C(O)−、−C(S)−から選択される1個以上の基を含有していてもよくかつ1個以上のOH基で置換されていてもよい二価の、直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和CからC16炭化水素基もしくは芳香CからC20炭化水素基[ここで、Rは、この上で定義した通りである。
【0128】
【化38】

【0129】
構造
【0130】
【化39】

【0131】
で表される第四級化イミダゾール単位、構造
【0132】
【化40】

【0133】
で表されるジ第四級化ピペラジン単位、構造
【0134】
【化41】

【0135】
で表されるモノ第四級化ピペラジン単位、構造
【0136】
【化42】

【0137】
で表されるモノ第四級化ピペラジン単位、構造
【0138】
【化43】

【0139】
で表されるモノ第四級化単位
[ここで、R、R、R、RおよびRは、この上で定義した通りである]。
【0140】
特に好適には、
V*は、−O−、−CONH−、−CONR−(ここで、Rは、この上で定義した通りである)から選択される1個以上の基を含有していてもよく、−C(O)−、−C(S)−を含有していてもよくかつ1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が16以下の二価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基である。更により好適には、−V*−を、下記の式から選択する:
【0141】
【化44】

【0142】
【化45】

【0143】
ここで、v+w0、
は、好適には下記である:H,−CH,−CHCH,−(CHCH−,−(CHCH,−(CHCH,-CHCHOH、
【0144】
【化46】

【0145】
ここで、
=−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される1個以上の基を含有していてもよくかつ1個以上のOH基で置換されていてもよい直鎖、環状もしくは分枝の、CからC18炭化水素基、特に置換されていないCからC17炭化水素基(これは対応する脂肪酸に由来する)、またはヒドロキシル化CからC17基(これはヒドロキシル化カルボン酸、特に糖カルボン酸に起因し得る)、非常に特別には下記である

【0146】
【化47】

【0147】
その上、Rは下記であってもよい:
【0148】
【化48】

【0149】
[ここで、t,RからRは、この上で定義した通りである]
【0150】
【化49】

【0151】
[ここで、t,RからRは、この上で定義した通りである]
【0152】
【化50】

[ここで、t,R,RおよびRは、この上で定義した通りである]。
【0153】
は、好適には下記である:
・ −R−[ここで、Rは炭素原子数が2から25の二価の飽和または一不飽和もしくは多不飽和、直鎖、もしくは分枝の炭化水素基である]、
・ −(CHC(O)O−[(CHCHO)−(CHCH(CH)O]−C(O)(CH
・ −(CHC(O)O−R−O−C(O)(CH−[ここで、Rは、この上で定義した通りである]、
・ −(CH10−(CH−[ここで、R10は、芳香基である]、
・ −[CHCHO]−[CHCH(CH(O)]−CHCH−,
・ −CH(CH)CHO[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−CHCH(CH)−
・ −CHCH(OH)CH−,
・ −CHCH(OH)(CHCH(OH)CH−,
・ −CHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CH−および
・ −CHCH(OH)CHO−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−CHCH(OH)CH
ここで、
uは、1から3であり、
qおよびrは、0から200、好適には0から100、より好適には0から70、特に好適には0から40であり、そして
q+rは>0である。
【0154】
好適なV基は、炭素原子を11個以上有しかつ更に好適には−O−または−S−原子をV単位1単位当たり2個以上有する二価有機基である。
【0155】
の好適な変形は下記の式で表される構造である:
−CHC(O)O−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−C(O)CH−,
−CHCHC(O)O−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−C(O)CHCH−,
−CHCHCHC(O)O−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−C(O)CHCH−,
エステル化アルキレン、アルケニレン、アルキニレン単位、特に下記の構造で表されるそれら:
−CHC(O)−[CH−OC(O)CH−,
−CHCHC(O)O−[CH−OC(O)CHCH−,
−CHCHCHC(O)O−[CHOC(O)CHCHCH−,
−CHC(O)O−CHC≡CCH−OC(O)CH−,
−CHCHC(O)O−CHC≡CCH−OC(O)CHCH−,
−CHCHCHC(O)O−CHC≡CCH−OC(O)CHCHCH−,
−CHC(O)O−CHCH=CHCH−OC(O)CH−,
−CHCHC(O)O−CHCH=CHCH−OC(O)CHCH−,
−CHCHCHC(O)O−CHCH=CHCH−OC(O)CHCHCH−,
アルキレン、アルケニレン、アルキニレンおよびアリーレン単位、特に下記の構造で表されるそれら:
−[CH
[ここで、o=2から6]、
−CHC≡CCH−,−CHCH=CHCH−,−CH(CH)CHCH−,
【0156】
【化51】

【0157】
ポリアルキレンオキサイド単位、特に下記の構造で表されるそれら:
−CHCHO]−[CHCH(CH)O]−CHCH−,
−CH(CH)CHO[CHCHO]−[LCHCH(CH)O]−CHCH(CH)−
モノ、ジもしくはポリヒドロキシ官能単位、特に下記の構造を有するもの:
−CHCH(OH)CH−, −CHCH(OH)(CHCH(OH)CH−,
−CHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CH−,
−CHCH(OH)CHO−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−CHCH(OH)CH
ここで、
q=0から200、
r=0から200。
【0158】
好適には、q=1から50、特に2から50、特別には1から20、非常に特別には1から10、そして1または2、r=0から100、特に0から50、特別には0から20、非常に特別には0から10、そして0または1または2。
【0159】
前記式(VII)または(VII’)で表される線状ポリシロキサンの調製は例えば下記:
a)ジアミン化合物および/または第一級もしくは第二級モノアミン化合物から選択した少なくとも1種のアミン化合物とこのアミン化合物のアミノ官能と反応し得る少なくとも2種類の二官能有機化合物をV/Vの所望比率が得られるように前記有機化合物のモル比を選択して反応させる、
b)ジアミン化合物および/または第一級もしくは第二級モノアミン化合物から選択した少なくとも2モルのアミン化合物とこのアミン化合物のアミノ官能と反応し得る1モルの二官能有機化合物を反応させることでジアミン化合物(単量体)を生じさせた後、それをジアミン化合物および/または第一級もしくは第二級モノアミン化合物から選択した少なくとも1種のアミン化合物およびこのアミン化合物のアミノ官能と反応し得る少なくとも1種のさらなる二官能有機化合物と反応させる、
c)ジアミン化合物および/または第一級もしくは第二級モノアミン化合物から選択したアミン化合物とこのアミン化合物のアミノ官能と反応し得る二官能有機化合物を反応させることでジアミン化合物(アミノ末端オリゴマー)を生じさせた後、それを前記ジアミン化合物のアミノ官能と反応し得る少なくとも1種の二官能有機化合物と反応させる、
d)ジアミン化合物および/または第一級もしくは第二級モノアミン化合物から選択したアミン化合物とこのアミン化合物のアミノ官能と反応し得る二官能有機化合物を反応させることでアミノ官能と反応し得る二官能化合物(二官能オリゴマー)を生じさせた後、それをジアミン化合物および/または第一級もしくは第二級モノアミン化合物から選択した
少なくとも1種のアミン化合物およびアミノ官能と反応し得る少なくとも1種のさらなる化合物と反応させる、
方法を用いて実施可能であるが、場合により、
一官能、好適には第三級モノアミンまたは鎖を成長させる能力を持たない適切なモノアミンおよび/またはアミノ官能と反応し得る一官能化合物を連鎖停止剤として添加してもよく、かつこの反応の最終段階におけるアミノ官能の化学量とアミノ官能と反応し得る官能基の化学量を常に約1:1にしてもよく、かつその存在するアミノ官能のいずれもプロトン化または第四級化されていてもよい。
【0160】
ジアミン化合物および/または第一級もしくは第二級モノアミン化合物から選択した少なくとも1種のジアミン化合物とこのアミン化合物のアミノ官能と反応し得る少なくとも2種類の二官能有機化合物をV/Vの所望比率、例えば<0.5などが満足されるように、従って図式的に例えば下記:
−[N−N]−+−[V]−+−[V]−→−[Q−(V,V)]−または
−[N]−+−[V]−+−[V]−→−[Q−(V,V)]−
で表され得るように前記有機化合物のモル比を選択して反応させる変法a)では、−[N−N]−に、Qの定義に相当する環状ジアミンまたはV含有ジアミン−[N−V−N]−またはV含有ジアミン−[N−V−N]−、例えば特に−[N−V*−Z−V*−N]−を含めてもよく、各場合とも、2個のQ単位および1個のVまたは2個のV単位は後者に由来するものであってもよく、そして−[V]−および−[V]−は、繰り返し単位VおよびVに相当する単量体であることを意図し、かつ−[N]−は鎖成長に適した第一級もしくは第二級モノアミンである。
【0161】
比較的高度にアルキル置換されている少なくとも1種のアミンまたは少なくとも1種の第四級アンモニウム単位Qを−[N−N]−および/または−[N]−単位から生じさせる場合、重合で生じた第二級もしくは第三級アミノ官能に場合によりプロトン化または第四級化を重合後の個別の段階で受けさせることも可能である。第四級アンモニウム単位を生じさせるのが好適である。
【0162】
−[N−N]−の好適な例は、以下により詳細に記述するように、下記である:ピペラジンおよびイミダゾール。好適なジアミン単位−[N−V−N]−には、例えばポリメチレンジアミン、例えばテトラメチルヘキサメチレンジアミン、α,ω−ジアミノ末端ポリエーテル、例えばジェファミン(Jeffamines)などが含まれる。
【0163】
好適なジアミン単位−[N−V*−Z−V*−N]−には、例えばα,ω−二水素ポリジアルキルシロキサンとアリルアミンの反応生成物などが含まれる。
【0164】
−[N]−の好適な例は、以下により詳細に記述するように、例えばジメチルアミンである。
【0165】
ジアミン−[N−N]−の使用が本質的に好適である。
【0166】
また、好適な−[V]単量体には、例えばエピクロロヒドリン、ビスクロロアルキルエステル、ビスエポキシドまたはビスアクリレートなどが含まれる。前記−[V]−単量体の混合物、例えばエピクロロヒドリンとビスクロロアルキルエステルまたはビスエポキシドの混合物なども好適に反応し得る。
【0167】
好適な−[V]−単量体は、式−[V*−Z−V*]−[式中、Zは、この上で定義した通りであり、そして−[V*]は、繰り返し単位V*に相当する官能基である]で表される単量体である。V繰り返し単位を生じさせるに好適な−[V]−単量体は
、特にα,ω−ジエポキシ末端ポリジアルキルシロキサンである。
【0168】
変法b1)は、ジアミン−[N−N]−と適切なモノアミン−[N]−の両方を用いて実施可能であり、これは図式的に例えば下記で描写可能である:
変法b)
段階1):2−[N−N]−+−[V]−または−[V]−→−[N−N−V−N−N]−または-[N−N−V−N−N]−
段階2.1.):−[N−N−V−N−N]−+−[V]−+−[N−N]−→,
段階2.2):−[N−N−V−N−N]−+−[V]−+−[N−N]−→,
ここで、化学量論的V/Vを所望通り確立する。
好適に用いる単量体単位−[N−N]−,−[V]−および−[V]−に関しては、段階a)で行った記述が当てはまる。
変法a2)
段階1):2−[N]−+−[V]−または−[V]−→−[N−V−N]−または-[N−V−N]−
段階2.1.):−[N−V−N]−+−[V]−+−[N]−→,
段階2.2):−[N−V−N]−+−[V]−+−[N]−→,
この変法は、上述したように、第一級もしくは第二級モノアミンのみを用いて実施可能であり、好適に用いる単量体単位-[N]-,-[V]-および-[V]-に関しては、段階a)で行った記述が当てはまる。
【0169】
変法c)は図式的に例えば下記で描写可能である:
変法c1)
段階1):x+1−[N−N]−+x−[V]−→−[N−N−(V−N−N)]−
段階2):−[N−N−(V−N−N)]−+−[V]−→,
好適に用いる単量体単位−[N−N]−,−[V]−および−[V]−に関しては、段階a)で行った記述が当てはまる。
変法c2)
段階1):1+x−[N]−+x−[V]−→−[N−(VN)]−
段階2):−[N−(V−N)]−+−[V]−→
好適に用いる単量体単位−[N]−,−[V]−および−[V]−に関しては、段階a)で行った記述が当てはまる。
変法d)は図式的に例えば下記で描写可能である:
変法d1)
段階1):1+x−[V]−+x−[N−N]−→−[V−(N−N−V]−
段階2):−[V−(N−N−V]−+−[V]−+−[N]−または−[N−N]−→
好適に用いる単量体単位−[N−N]−,−[V]−および−[V]−に関しては、段階a)で行った記述が当てはまる。
変法d2)
段階1):1+x−[V]−+x−[N]−→−[V−(N−V]−
段階2):−[V−(N−V]−+−[V]−+−[N]−または−[N−N]−→
好適に用いる単量体単位−[N]−,−[N−N]−,−[V]−および−[V]−に関しては、段階a)で行った記述が当てはまる。
【0170】
この上に図式的に描写した変法の全部に関して、また、モノアミン−[N]−とジアミン−[N−N]−の混合物を用いることも可能であることが当てはまる。
【0171】
特に好適には、アミノ官能と反応し得る二官能化合物の官能基をエポキシ基およびハロアルキル基から成る群から選択する。
【0172】
成分a1)として用いる本発明に従う式(VII)および(VII’)で表されるポリシロキサン共重合体を合成する時の出発点としては、一般構造
【0173】
【化52】

【0174】
[ここで、Rは、上述した意味を有し、そしてnは、所望の繰り返し単位VまたはVに応じて、この上で定義した如きnまたはnである]
で表されるα,ωSi−H官能化シロキサンが好適である。それらを商業的に入手することができない場合、公知方法、例えば平衡(Silicone,Chemie und Technologie[シリコン、化学および技術]、Vulkan−Verlag、Essen 1989、82−84頁)などでそのようなシロキサンを調製することができる。
【0175】
構成要素V*およびQの前駆体の調製は例えば下記の2経路で実施可能である:
1番目として、最初に第三級アミノ官能を持つ不飽和構造物、例えばN,N−ジメチルアリルアミンなどを当該シロキサンのα,ω位にヒドロシリル化で直接結合させてもよい。この方法は一般に公知である(B.Marciniec、Comprehensive
Handbook on Hydrosilylation、Pergamon Press、Oxford 1992、122−124頁)。
【0176】
2番目として、最初に反応性α,ω−官能化中間体をヒドロシリル化で生じさせた後、その中間体をα,ω−ジ第三級アミノ構造物に変化させてもよいか或は本発明に従う第四級アンモニウム構造物を直接生じさせるのが好適である。そのような反応性中間体を生じさせる時に用いるに適した出発物質は、例えばハロゲン置換アルケンもしくはアルキン、特に塩化アリル、臭化アリル、クロロプロピンおよびクロロブチンなど、不飽和ハロカルボン酸エステル、特にクロロ酢酸アリル、クロロ酢酸プロパルギル、3−クロロプロピオン酸アリルおよび3−クロロプロピオン酸プロパルギルなど、およびエポキシ官能アルケン、例えばビニルシクロヘキセンオキサイドおよびアリルグリシジルエーテルなどである。前記物質群の一員を用いたヒドロシリル化の一般的手順も同様に公知である(B.Marciniec、Comprehensive Handbook on Hydrosilylation、Pergamon Press、Oxford 1992、116−121、127−130、134−137、151−155頁)。
【0177】
その後、次の段階で、その反応性中間体を第二級アミノ官能を持つ化合物と反応させてもよい。適切な員はN,N−ジアルキルアミン、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルカミンなど、環状の第二級アミン、例えばモルホリンおよびピペリジンなど、第二級アミノ官能を持つアミノアミド、例えばジエチレントリアミンまたはジプロピレントリアミンとラクトン、例えばγ−ブチロラクトン、グルコン酸δ−ラクトンおよびグルコピラノシルアラボン酸(arabonic acid)ラクトンなどの反応生成物[DE−OS(ドイツ公開明細)43 18 536、実施例11a、12a、13a]など、または第二級−第三級ジアミン、例えばN−メチルピペラジンなどである。第三級アミノ官能を導入しようとする場合、特に相当するイミダゾールもしくはピラゾール誘導体、特にイミダゾールおよびピラゾールの使用が好適である。
【0178】
1つの態様で好適に用いるエポキシド誘導体にとって特に適切な相手は、前記第二級−第三級ジアミンおよびまたイミダゾールおよびピラゾールである。このようにして、アルキル置換は追加的努力を行うことなく水素原子を持つ窒素原子の所で位置選択的に起こり得る。
【0179】
そのような反応性基が第三級アミノ構造物に定量的に変化することを確保する目的で、そのようなアミンを1≦Σ第二級アミノ基:反応性基の比率が≦10、好適には1から3、特に1から2、非常に特別には1になるように用いる。過剰量のアミンを除去してもよい。
【0180】
この上に記述したα,ω−ジ第三級アミノシロキサンとVに相当する単量体単位−[V]−またはプレポリマー単位−[V−(Q−V]−の結合によって、更により高度にアルキル置換されたアミノ単位または第四級アンモニウム単位の生成がもたらされるが、それは、逆に、下記の有利な2経路で実施可能である。
【0181】
1番目として、強親水性のポリ第四級二官能予縮合物−[V−(Q−V]−を別途生じさせて、それを適切な時にα,ω−ジ第三級アミノシロキサンと一緒にして反応させることでポリアミノシロキサンまたはポリ第四級シロキサン共重合体を生じさせるのが好適である。
【0182】
いろいろな鎖長を有する高度に帯電した二官能プレポリマー−[V−(Q−V]−の調製は、例として、WO 99/14300(実施例1から7、表11)に記述されている。VとQの基になるアミンのモル比に応じて、それの性質に従い、アミノ基で終結しているプレポリマーまたは他の反応性基で終結しているプレポリマーのいずれかが生じ得る。
【0183】
アミノ基で終結しているプレポリマー−[N−(V−N)]−とα,ω−ジ第三級アミノシロキサン構造物のアミン官能の結合、例えばアルキル置換または第四級化などの場合、繰り返し単位Vに相当する二官能単量体−[V]−を例えばビスエポキシド、エピクロロヒドリンおよびビスハロアルキル化合物などから選択して、それらを用いてもよい。基Vが異なると結果としてプレポリマーがもたらされる可能性がありかつプレポリマーとα,ω−ジ第三級アミノシロキサン構造物の間の結合がもたらされる可能性があることは説明する必要がないであろう。
【0184】
反応性基で終結しているプレポリマー、例えば−[V−(Q−V]−などの場合、α,ω−ジ第三級アミノシロキサン構造物が有するアミン官能との直接的な結合がさらなる結合剤(linker)無しに生じる可能性があり、その結果として、そのようなプレポリマーを合成する時、Vをもたらす成分を既に過剰量で用いた。
【0185】
予縮合物−[V−(Q−V]−を別途に生じさせる変法として、高度に帯電しているブロックの合成を共重合体への取り込みと並行して実施することも可能である。このことは、−[V−(Q−V]−を合成する時の開始剤成分、例えば−[V]−および上述した−[N]−および/または−[N−N]−の意味を有するモノ−もしくはジアミンと一緒にα,ω−ジ第三級アミノシロキサンを最初に導入して反応させること
を意味する。
【0186】
最後に、−[V−(Q−V]−を合成する目的で最初に導入しておいた成分に長鎖シロキサン単位Zまたは短鎖シロキサン単位Zを有するα,ω−ジ第三級アミノシロキサンまたはα,ω−二官能シロキサン−[N−V*−Z−V*−N]−または−[N−V−N]−を段階的に計量してある時間かけて入れるか、或は逆に、そのような成分をα,ω−ジ第三級アミノシロキサンまたはα,ω−二官能シロキサンに段階的に加えてもよい。
【0187】
アミノ基で終結しているプレポリマー、例えば−[N−(V)−N)]−などを前以て準備しておくと、適切な反応性中間体、例えばエポキシ誘導体などを用いた前記共重合体の直接的生成を実施する可能性が生じる。
【0188】
最初に−[V−(Q−V]−合成用反応性中間体および開始剤成分を一緒に導入した後にそれらを反応させることも同様に好適である。最後に、−[V−(Q−V]−を合成する目的で最初に導入しておいた成分に反応性中間体を段階的に計量してある時間かけて入れるか、或は逆に、そのような成分を前記反応性中間体に段階的に加えてもよい。
【0189】
この上に挙げた反応経路の中の1つの選択およびアミノ単位で最初にシロキサンを終結させるか或はプレポリマーを終結させるかに関する密に関係した課題の選択に関係無く、アミノ官能の合計とそれらと反応し得る基の合計が約1:1になるように全体的化学量を選択する。本発明の範囲内でそのような好適な全体的化学量から逸脱させることも可能である。しかしながら、その場合には、高度に帯電している親水性ブロック−[V−(Q−V]−の意図した長さを持たない生成物が得られることに加えて未反応の開始剤成分が過剰量で残存する。
【0190】
この上で考察した反応の全体的化学量に加えて、繰り返し単位Vを生じる成分1種または2種以上の選択も生成物の特性プロファイルにとってかなり重要である。
【0191】
繰り返し単位Vの基になる適切な二官能単量体−[V]−は、例えばポリアルキレンオキサイドジオールのハロカルボン酸エステルなどである。それを合成する時の好適な出発材料は、一般的組成
HO[CHCHO]−[CHCH(CH)O)
[ここで、qおよびrは、上述した意味を有する]
で表される低分子量のオリゴマー状およびポリマー状のアルキレンオキサイドであり、その単位はランダムまたはブロック様であり得る。アルキレンオキサイドブロックに関する好適な員はエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量が200から10000g/モル、特に300から800のオリゴエチレングリコール、そして1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールおよびジプロピレングリコールである。
【0192】
そのようなアルキレンオキサイドのエステル化では、本質的に公知様式(Organikum,Organisch−chemisches Grundpraktikum[実用有機化学の基本]、17版、VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften、ベルリン、1988、402−408頁)で、それをCからC−ハロカルボン酸またはこれの無水物もしくは酸クロライドと反応させることでエステル化を実施する。好適には、クロロ酢酸の酸クロライドおよび3−クロロプロピオン酸の酸クロライドを用いて、反応を無溶媒で実施する。
【0193】
類似した様式でアルカンジオール、アルケンジオールおよびアルキンジオールを相当する反応性エステル誘導体に変化させることができる。典型的なアルコールは1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブテ(−2−)エノールおよび1,4−ブチ(−2−)イノールである。
【0194】
アルキレン、アルケニレン、アルキニレンおよびアリール単位の導入を好適には相当するハロゲン化物、特に塩化物および臭化物から出発して実施する。典型的な員は1,6−ジクロロヘキサン、1,4−ジクロロブテ(−2−)エン、1,4−ジクロロブチ(−2−)インおよび1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼンである。
【0195】
ポリアルキレンオキサイド単位も同様にα,ω−ジハロゲン化合物を介して導入可能である。それらは、一般的組成
HO[CHCHO]−[CHCH(CH)O]
[ここで、qおよびrは、上述した意味を有する]
を有するオリゴマー状およびポリマー状アルキレンオキサイドから、例えばヒドロキシル基にSOClによる塩素置換を受けさせることなどで得ることができる(Organikum,Organisch−chemisches Grundpraktikum[実用有機化学の基本]、17版、VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften、ベルリン、1988、189−190頁)。
【0196】
エポキシド誘導体から出発することでモノ−、ジ−もしくはポリヒドロキシ官能単位を基Vとして導入することも可能である。
【0197】
商業的例は1−クロロ−2,3−エポキシプロパン、グリセロールの1,3−ビスグリシジルエーテルおよびジエチレングリコールのジグリシジルエーテルおよびネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルである。
【0198】
それらを商業的に入手することができない場合、例えば相当するジオールと1−クロロ−2,3−エポキシプロパンをアルカリ条件下で反応させることなどで、所望のジエポキシドを合成することができる。
【0199】
シロキサン鎖ZをVの構造に導入することは本発明の範囲内である。それによって、とりわけ、分子全体の合成でいろいろな長さを有するシロキサン鎖の使用が可能になる。好適な変法は、鎖長の範囲n=0から19、好適には0から15、特に好適には0から10、特に0から5、より特別には0のシロキサン鎖ZをVの中に取り込ませることを含んで成る。その取り込ませるに適した出発材料は、例えば相当するα,ω−ジエポキシドまたはα,ω−ジ(モノハロカルボン酸)エステル構造物である。
【0200】
エポキシドを第一級、第二級もしくは第三級アミンと反応させる時、第三級アミノ基にアルキル置換を受けさせようとする場合にはH+をエポキシド/第三級アミン1モル当たり1モル加える必要があることを注目すべきである。
【0201】
繰り返し単位−[V−(Q−V]−の中のQを生じさせる時の出発成分として適切なアミンの選択によって、同様に、分子構造が高い度合で決定される。ジ第三級アミン(−[N−N]−に相当)、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジンなどを用いると、繰り返し単位が有する窒素原子の各々が第四級化された生成物がもたらされる。第二級−第三級ジアミン、例えばN−メチルピペラジンなどを用いると、第三級アミンと第四級アミンもしくはアンモニウム構造が1:1の比率で存在する繰り返し単位−[V−(Q−
]−をもたらす経路がもたらされる。第四級アンモニウム基の所望の高密度を達成しようとする場合には、残存する第三級アミノ構造物に後で第四級化をある程度または完全に受けさせるのが好適な変法である。相当する芳香族アミンであるイミダゾールおよびピラゾールを用いると非局在化した電荷を有する生成物がもたらされる。
【0202】
第一級−第三級ジアミン、例えばN,N−ジメチルプロピレンジアミンおよび1−(3−アミノプロピル)イミダゾールなどを特にジエポキシドと組み合わせて用いることによって櫛形構造物を合成することができるが、それの第四級化度は最終的なアルキル置換を行っている時に選択可能である。また、原則として、繰り返し単位−[V−(Q−V]−当たりの第四級アンモニウム基が平均で1未満である第四級化度が得られるようにアルキル置換を調整することも可能である。しかしながら、繰り返し単位1単位当たり少なくとも1個の窒素原子に第四級化を受けさせるのが好適である。
【0203】
また、ジ第二級アミン、例えばピペラジン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ヘキサメチレンジアミンなどから出発することで、原則として、第四級アンモニウム基の平均含有量が1未満の繰り返し単位−[V−(Q−V]−を合成することができる。この場合、ジ第二級アミンを用いて最初にポリ第三級になるようにアミノ変性されたシロキサン共重合体、即ち最終的な反応である程度または完全な第四級化を受けて−[V−(Q−V]−を生じ得るプレポリマーを生じさせる。しかしながら、このような変法でも、また、繰り返し単位1単位当たり少なくとも1個の窒素原子に第四級化を受けさせるのが好適である。
【0204】
適切な第四級化剤は一般に公知の群の物質、例えばハロゲン化アルキル、ハロカルボン酸エステル、エポキシド誘導体(Hの存在下)および硫酸ジアルキル、特に硫酸ジメチルなどである。
【0205】
ジ第二級アミンを商業的に入手することができない場合、好適な態様では、相当するジ第一級アミン、例えばヘキサメチレンジアミンなどから出発してそれにエポキシド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、イソプロピルグリシジルエーテルなどによるアルキル置換を受けさせることでそれの調製を行うが、この場合、第一級アミンと第二級アミンをいろいろな反応割合で用いる。
【0206】
本発明の範囲内でシロキサン鎖ZをVの構造に導入することができることは既に述べた。適切な出発材料として、反応性中間体であるα,ω−ジエポキシドおよびα,ω−ジ(モノハロカルボン酸)エステルを例として挙げた。
【0207】
アンモニウム基に由来する正電荷を利用する適切なアニオンAは、好適には、第四級化中に生じるイオン、例えばハロゲン化物イオン、特に塩化物および臭化物、アルキル硫酸塩、特にメト硫酸塩、カルボン酸塩、特に酢酸塩、プロピオン酸塩、オクタン酸塩、デカン酸塩、ドデカン酸塩、テトラデカン酸塩、ヘキサデカン酸塩またはオクタデカン酸塩、オレイン酸塩およびスルホン酸塩、特にトルエンスルホン酸塩などである。しかしながら、また、他のアニオンをイオン交換で導入することも可能である。有機アニオン、例えばポリエーテルカルボン酸塩およびポリエーテル硫酸塩などを例として挙げることができる。
【0208】
第四級化反応を好適には水、極性有機溶媒または前記2成分の混合物中で実施する。例えばアルコール、特にメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノール、グリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、前記グリコールのメチル、エチルおよびブチルエーテル、1,2−プロピレングリコールおよび1,3−プロピレングリコールなど、ケトン、例えばアセトンおよびメチルエチルケトンなど、エステル、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルおよび酢酸2−エチルヘキシルなど、エーテル、例えばテトラヒドロフランなど、およびニトロ化合物、例えばニトロメタンなどが適切である。そのような溶媒の選択は、実質的に、当該反応体の溶解性、意図する反応温度、そして反応を妨害する何らかの反応性が存在するか否かに依存する。
【0209】
この反応を20℃から130℃、好適には40℃から100℃の範囲内で実施する。
【0210】
完全には溶解しないゲル様の線状ポリオルガノシロキサン重合体が生じないようにする目的で、便宜上、分子量に上限を設ける。
【0211】
反応系に存在し得る水もしくはアルコールとエポキシドの反応で結果としてもたらされる終点で分子量が制限されるか、或は別法として、第三級アミン、例えばトリアルキルアミンなどまたはアミノ基と反応する一官能化合物などを追加的に用いることで分子量を制限する。
【0212】
このことは、結果としてもたらされるポリオルガノシロキサン重合体は単量体である出発材料が反応する結果として当然もたらされる末端基に加えてまた例えば一官能連鎖停止剤、例えばトリアルキルアミンなどの結果としてもたらされる末端のアンモニウム、アミノ、エーテルまたはヒドロキシル基なども持ち得ることを意味する。あらゆるケースの終点は上述した定義−Q−Rおよび/または−V−R[ここで、Q、VおよびRは、この上で定義した通りである]に含まれるはずである。
【0213】
本発明に従って成分a1)として用いる一般式(VII)で表されるポリシロキサンにまた分枝単位Vも含有させることも可能である。Vは、場合により−O−, −CONH−,−CONR−(ここで、Rは、この上で定義した通りである)、−C(O)−、−C(S)−、−Z−(この上で定義した通りである)、−Z−(この上で定義した通りである)およびZ(ここで、Zは、三価以上のオルガノポリシロキサン単位である)から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数が1000以下の三価以上の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基である。この分枝単位Vはシリコンを含有していなくてもよい。その例には下記が含まれる:
【0214】
【化53】

【0215】
【化54】

【0216】
ここで、v+w0。
【0217】
この分枝単位Vに三価以上のオルガノポリシロキサン単位、例えば
【0218】
【化55】

【0219】
[ここで、Rは、この上で定義した通りであり、m1=0から1000およびm21]
【0220】
【化56】

【0221】
[ここで、Rは、各場合とも、この上で定義した通りである]
などを含有させてもよい。
【0222】
含有分枝単位Vの例は、例えば:
【0223】
【化57】

【0224】
である。
【0225】
用いるポリアミノ−および/またはポリアンモニウム/ポリシロキサン化合物a1)は25℃で固体または液体であり得る。それらが25℃で液体の場合、前記ポリシロキサンa1)がD=1秒−1のせん断速度勾配において25℃で示す粘度が好適には500から50000000mPa.s、25℃で示す粘度が好ましくは1000から2500000mPa.sであるようにする。それらが水溶性または水分散性であるならば、それの融点は250℃に及んでもよい。それらが25℃で示す溶解度は好適には1g/l以上である。
【0226】
上述したアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)を本発明に従ってアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)と一緒に用いる。しかしながら、前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)をまた前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)無しに場合により単独で用いるか或は基質、例えば特に繊維基質または繊維様基質、例えば紙、セルロース、羊毛、毛などの処理、特に表面処理用のさらなる成分との組成物において用いることも可能であり、前記使用も本開示の範囲内である。しかしながら、成分a1)とa2)の組み合わせ使用が本発明の範囲内である。
【0227】
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)は、好適には、アミノおよび/またはアンモニウム繰り返し単位とポリシロキサン繰り返し単位を重合体主鎖中に有する共重合体化合物である。前記アミノ単位は、便宜上、第二級および/または第三級窒素原子(中性の窒素原子上に有機基が2または3個存在する)を含有する。アンモニウム単位は正に帯電している第二級、第三級および第四級窒素原子(窒素上に有機基が2、3または4個存在)を含有する。この上で説明したように、また、2個の窒素原子を介して重合体鎖の中に取り込まれている複素環式基もアミノおよび/またはアンモニウム繰り返し単位として働き得る。典型的には、遊離のトリアルキルシリルで末端が終結しているオルガノシロキサン鎖を前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)中に存在させない。
【0228】
ポリオルガノシロキサン基を含有する基VSi2が式(II)および(III)で表される構成要素によって基Qと結合していることから、成分a2)は、一般に、ポリオルガノシロキサン主鎖の側基の中にアミノおよび/またはアンモニウム基を含有するポリシロキサン化合物を含んで成る。このことは、ポリオルガノシロキサン繰り返し単位を含んで成る主鎖の中にアミノおよび/またはアンモニウム基が存在しないことを意味する。
【0229】
成分a1)の好適な線状態様に関して成分a1)と比較した時の差は下記の如くであると説明することができる:線状ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1):
−アミノ/アンモニウム−[−ポリオルガノシロキサン−アミノ/アンモニウム−]−ポリオルガノシロキサン−
アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2):
−ポリオルガノシロキサン鎖−

アミノ/アンモニウム含有基−。
【0230】
ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)もまた原則として基Vが存在することによる分枝を持ち得るが、それらは、成分a2)が持たない式(I)で表される構成単位を持つべきである。
【0231】
本発明に従う組成物に含まれる成分a1)およびa2)は、これらに特に第四級アンモニウム基、即ちテトラオルガノ置換アンモニウム基が存在することから、直接性(substantivity)を与える成分として働く。
【0232】
本発明に従う組成物に含有させるアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)は、アミノまたはアンモニウム基Qを少なくとも1個と有機基Vを少なくとも1個含有するが、但し少なくとも1個の有機基Vがポリジオルガノシロキサン基を含有する有機基VSi2であることを条件とし、ここでは、基Qと基VSi2の結合を式(II)および(III)
【0233】
【化58】

【0234】
[ここで、V*は、各々、各場合とも炭素原子を介して前記オルガノシロキサン基のケイ素原子と結合しかつ前記アミノおよびアンモニウム基Qの窒素原子と結合している二価の有機基であり、Rは一価有機基である]
から選択した構成要素によって生じさせるが、但し、
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)が式(I)で表される構成要素を持たないことを条件とし、かつ前記基Qがカルボニルの炭素原子と結合していないことを条件とする。
【0235】
基Qと基VSi2の結合を好適には式(IIa)および(IIIa)
【0236】
【化59】

【0237】
[ここで、V*は、各々、各場合とも炭素原子を介して前記オルガノシロキサン基のケイ素原子と結合しかつ前記アミノもしくはアンモニウム基Qの窒素原子と結合している二価の有機基であり、Rは一価有機基であり、そしてmは、各場合とも、平均重合度であり、各場合とも0から2000である]
から選択した構成単位によって生じさせる。
【0238】
Q、R、V*の好適な意味に関しては、この上で行った成分a1)の説明を参考にすることができる。
【0239】
成分a2)として、1種以上のアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)を用いてもよい。それらは、この上に記述したように、アミノまたはアンモニウム基を含有するが、それらは、式(II)および(III)、または好適には(IIa)および(IIIa)で表される構成要素によって前記ポリジオルガノシロキサン鎖の側基として存在する。そのようなアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)は、好適には、側基中に第一級および/または第二級および/または第三級アミノ基(前記アミノ基は場合によりプロトン化または第四級されていてもよい)を持ちかつ場合により追加的親水性基、例えばポリエーテル基などを含有していていてもよいポリシロキサンである。前記アミノまたはアンモニウム基は炭素を介してシロキサン骨格のケイ素に結合している。前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合
物a2)は、好適には、アミノアルキル−もしくはアミノアリールシロキサン単位を有するポリアルキルシロキサンである。前記アミノアルキル単位は両方ともが二官能、三官能もしくは一官能末端基と結合しかつ他の酸素含有側基、特にポリエーテル側基の一部と結合していてもよい。
【0240】
親水性を与える場合により存在させてもよい追加的基は、好適には、ポリアルキレンオキサイドおよび糖に由来する基である。
【0241】
前記アミノポリシロキサンは、
【0242】
【化60】

【0243】
[ここで、R11は有機基でありそしてRはこの上で定義した通りであるが、これらは各場合とも互いに同一または異なってもよいが、但し基R11の中の少なくとも1つが窒素原子を少なくとも1個含有することを条件とする]
から成る群から選択されるシリルオキシ単位を含有する線状もしくは分枝ポリシロキサンである。
【0244】
前記置換基R11を好適には場合により下記:
− −O−、
−NR−[ここで、Rは、この上で定義した通りである]
【0245】
【化61】

【0246】
−C(O)−および−C(S)−,
から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数が200以下の直鎖、 環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基[ここで、前記基は、 場合により、ヒドロキシル、アルキルスルフェート、ジアルキルホスホネート、ジア ルキルホス フェートおよび
【0247】
【化62】

【0248】
(ここで、Rおよびm1は、この上で定義した通りであり、そしてm3≦1)
から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい]
− ヒドロキシル、
− 場合によりアミノ、モノ−もしくはジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルス ルフェート、ジアルキルホスホネートまたはジアルキルホスフェート基を1個以上持
っていてもよい炭素原子数が20000以下のポリエーテル基、
− 糖含有有機基、
から成る群から選択するか、或は
− 異なるシリルオキシ単位を含有する2個の置換基R11が一緒になって2個のケイ素 原子の間に炭素原子を2から12個有する直鎖、分枝もしくは環状アルカンジイル基 を形成しているが、但し1分子当たり少なくとも1個の置換基R11が窒素を含有す ること、即ち窒素含有基R11であることを条件とする。それは、例えばアミドの窒 素原子などとは対照的に、少なくとも第四級化可能な窒素原子であるべきである。
【0249】
11は、好適にはアルキル、特にメチルである。
【0250】
窒素を持つ好適な基R11は例えば下記である:
【0251】
【化63】

【0252】
好適なさらなるアミノ−もしくはアンモニウム含有基R11は例えば下記である:
【0253】
【化64】

【0254】
そのような基R11を持つ相当するアミノポリシロキサンがWO 02/10256(これの開示は本出願の一部を構成する)に開示されている。
【0255】
そのような窒素含有基R11は、好適には、アミノプロピルまたはアミノエチル−アミノプロピルである。好適なさらなる窒素含有基R11は、グリシジルオキシプロピルシロキサンとモノ−もしくはジアルキルアミンの反応で生じさせた基である。従って、成分a2)として好適な化合物は、例えばエポキシアルキルシロキサンとアンモニアまたは第一級もしくは第二級アミンの反応で生じさせたアミノポリシロキサン、例えば記述したグリシジルオキシプロピルシロキサンとモノ−もしくはジアルキルアミンの反応で得たそれらなどである。R11用の好適なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシおよびシクロヘキシルオキシである。
【0256】
11用の好適な炭素原子数が20000以下のポリエーテル基(これは場合により1個以上のアミノ、モノ−もしくはジアルキルアミノまたはアリールアミノ基を持っていてもよい)には例えば下記が含まれる:
【0257】
【化65】

【0258】
ここで、v+w1。
【0259】
11用の糖含有有機基は例えば下記である:
【0260】
【化66】

【0261】
そのような糖含有ポリシロキサンの調製は、例えばDE 4 318 536およびDE 4 318 537などに記述されている。
【0262】
本発明に従って用いるアミノポリシロキサンa2)が有するポリシロキサン部分の平均重合度(Mnから算出)は、便宜上、1から3000、好適には200から1000である。
【0263】
窒素を含有しないポリオルガノシロキサン単位と本発明に従って用いるアミノポリシロキサンa2)中の窒素含有ポリオルガノシロキサン単位の比率を便宜上1:1から500:1にする。
【0264】
他のポリオルガノシロキサン単位に対するポリエーテル含有もしくは多糖類含有ポリオルガノシロキサン単位の比率を0から1にしてもよい。
【0265】
本発明に従って用いるアミノポリシロキサンa2)の典型的な窒素含有量は、例えば0.005重量%から18重量%、好適には0.02重量%から5重量%、特に好適には0.02重量%から1.5重量%である。好適には、窒素含有量を制限しそして/またはシロキサンの鎖長を長くすることで、親水性が成分a1)のそれよりも低くなるように調整する。この方策はまたa2)のコストを制限することにもなる。
【0266】
用いるアミノポリシロキサンa2)は25℃で固体または液体であり得る。本発明に従
って用いるアミノポリシロキサンa2)が25℃で液体の場合、それがD=1秒−1のせん断速度勾配において25℃で示す粘度が好適には500から500000mPa.s、好ましくはそれが25℃で示す粘度が1000から25000mPa.sであるようにする。
【0267】
それらが水溶性または水分散性であるならば、それの融点は250℃に及んでもよい。それらが25℃で示す溶解度は好適には1g/l以上である。
【0268】
本発明に従って用いる上述したアミノポリシロキサンa2)は、例えばWacker Finish(商標)WR 1100およびGeneral Electric(商標)SF 1923などとして入手可能である。
【0269】
本発明に従って成分a2)として使用可能なアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物はまた例えば特許である米国特許第5098979号、米国特許第6030675号、米国特許第6054020号、米国特許第6136215号、米国特許第6432270号、米国特許第6511580号などにも記述されている。
【0270】
そのようなアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)およびa2)中のアミノ基はプロトン化した形態で存在していてもよい、即ちアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)およびa2)は酸付加塩として存在する。アンモニウム基の結果であるアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)およびa2)が示す正電荷を有機もしくは無機酸アニオンで中和させる。例えば、アンモニウム基の結果としてもたらされる正電荷を中和するアニオンとして下記を存在させてもよい:ハロゲン化物イオン、特に塩化物および臭化物、アルキル硫酸塩、特にメト硫酸塩、カルボン酸塩、特に酢酸塩、プロピオン酸塩、オクタン酸塩、デカン酸塩、ドデカン酸塩、テトラデカン酸塩、ヘキサデカン酸塩およびオクタデカン酸塩、オレイン酸塩およびスルホン酸塩、特にトルエンスルホン酸塩。また、第四級化化合物を中和しない適切なアニオンはOHアニオンである。また、イオン交換を用いることで他のアニオンを導入することも可能である。例として、有機アニオン、例えばポリエーテルカルボン酸塩およびポリエーテル硫酸塩などを挙げることができる。
【0271】
場合により用いてもよい成分b)、即ちシリコンを含有しない界面活性剤b)は、シリコンを含有しない1種以上の界面活性剤、好適にはカチオン性もしくは非イオン性界面活性剤を含んで成っていてもよい。好適なカチオン性界面活性剤は、重合していない有機第四級アンモニウム化合物から選択した少なくとも1種の成分である。それらは好適には炭化水素基を含有する第四級アンモニウム塩もしくはアミン塩であるが、前記炭化水素基が含有する炭素原子の数は好適には8から28であってもよい。
【0272】
成分c)の例は下記の式:
12131415
[式中、R12,R13,R14およびR15は、互いに独立して、C−C28−アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ベンジル、アルキルベンジル、アルケニルベンジル、ベンジルアルキルおよびベンジルアルケニルから成る群から選択され、そしてXはアニオンである]
で表される化合物である。炭化水素基R12, R13, R14およびR15は、互いに独立して、ポリアルコキシル化されていてもよく、好適には一般式(CO)H[式中、y=1から15、好適には2から5]で表される基でポリアルコキシル化されていてもよく、好適にはポリエトキシル化またはポリプロポキシル化されていてもよい。ベンジル基であるのは基R12,R13,R14およびR15の中の1個以下であるべきである。基R12,R13,R14およびR15は、互いに独立して、エステル(−[−O
−C(O)−];−[−C(O)−O−])および/またはアミド基(−[CO−N(R12)−];−[−N(R12)−CO−])[ここで、R12は、この上で定義した通りである]を1個以上、好適には2個含有していてもよい。アニオンXはハロゲン化物、メト硫酸塩、酢酸塩および燐酸塩、好適にはハロゲン化物およびメト硫酸塩から選択可能である。成分b)のさらなる例は、長鎖CからC28炭化水素基を1個または2個と短鎖CからC炭化水素基を2または3個有するテトラ有機置換第四級アンモニウム化合物である。前記長鎖基は好適にはC12からC20鎖であり、そして短鎖基はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、フェニルおよびヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピルである。好適な反対イオン(opposite ion)はCl-,Br-,CHOSO-,COSO-,NO,HCOO-およびCHCOO-である。
【0273】
下記を例として挙げることができる:
ドデシル−エチル−ジメチル−アンモニウムブロマイド
ジドデシル−ジメチル−アンモニウムブロマイド。
【0274】
長鎖炭化水素基R12を1個のみ含有するカチオン性界面活性剤の場合には、長鎖炭化水素基の鎖長を好適には炭素原子12から15個分にしそして短鎖基R13,R14およびR15を好適にはメチルおよびヒドロキシエチルにする。
【0275】
長鎖炭化水素基を2個、3個または4個さえ含有するカチオン性界面活性剤の場合には、長鎖炭化水素基の鎖長を好適には炭素原子12から28個分にする。
【0276】
好適なエステル含有界面活性剤は式:
{(R16N[(CHER17-
[式中、R16は、独立して、C1−4アルキル、ヒドロキシアルキルまたはC1−4アルケニルから選択され、そしてR17は、独立して、C8−28アルキルまたはアルケニル基から選択され、Eはエステル基、即ち−OC(O)−または−C(O)O−であり、zは0から8の整数であり、そしてXは、この上で定義した通りである]
で表される。それらは短鎖C1からC6炭化水素基を2または3個含有する。1分子当たり1または2個の長鎖アルキル基は、長さがC8からC26、好適にはC10からC20、特にC12からC18の脂肪酸に由来するアルキル基である。前記鎖長範囲の脂肪酸または部分は飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシル置換脂肪酸またはこれらの混合物であってもよい。前記酸の例はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびリシノール酸である。さらなる例は獣脂脂肪酸およびヤシ脂肪酸部分である。それらと第四級化窒素の結合を好適にはオキシエチル、2−オキシプロピルまたは1,2−ジオキシプロピルまたはオリゴオキシエチレンであるスペーサーによって生じさせる。前記短鎖基は好適にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、フェニルおよびヒドロキシルエチル、2−ヒドロキシルプロピルである。好適な反対イオンはCl-,Br-,CHOSO-,COSO-,NO-,HCOO-およびCHCOO-である。
【0277】
下記を例として挙げることができる:
メト硫酸(獣脂脂肪酸−オキシエチル)−トリメチル−アンモニウム
メト硫酸(ヤシ脂肪酸−ペンタエトキシ)−トリメチル−アンモニウム
塩化ジ(獣脂脂肪酸−オキシエチル)−ジメチルアンモニウム
メト硫酸ジ(獣脂脂肪酸−オキシエチル)−ヒドロキシルエチル−メチル−アンモニウムメト硫酸ジ(獣脂脂肪酸−2−オキシプロピル)−ジメチル−アンモニウム
塩化1,2−ジ獣脂脂肪酸−オキシ−3−トリメチル−プロパン−アンモニウム。
【0278】
さらなる種類の好適なエステル含有カチオン性界面活性剤は下記の式で表され得る:
{(R16N(CHCH[O(O)CHR17] [CHO(O)CR17]}-
ここで、R16、R17、Xおよびzは、この上で定義した通りである。
【0279】
カチオン性界面活性剤c)のさらなる群には、式R18A(CH2−4NR1920,[式中、R18はC−C12アルキルであり、Aは、−NH−、−CONH−、−COO−または−O−から選択される二価基であるか、或はAは存在していなくてもよく、R19およびR20は、独立して、H、C−C14アルキルまたは(CH−CH−O(R21))(ここで、R21はHまたはメチルである)から成る群から選択される]で表される界面活性剤が含まれる。
【0280】
この種類の特に好適な界面活性剤は、デシルアミン、ドデシルアミン、C−C12ビス(ヒドロキシエチル)アミン、C−C12ビス(ヒドロキシプロピル)アミン、C−C12アミドプロピルジメチルアミンまたはこれらの塩である。
【0281】
さらなる界面活性剤には下記が含まれる:式R22C(O)N(R23[式中、R22は、炭素原子数が8から28のアルキル基であり、そしてR23は、各場合とも、好適には水素、C−Cアルキルおよびヒドロキシアルキルから選択される短鎖基である]で表される脂肪酸アミド。また、C−C28N−アルキルポリヒドロキシ−脂肪酸アミドも使用可能である。典型的な例にはC12−C18N−メチルグルカミド(WO 92/06154を参照)が含まれる。他の糖誘導体には、例えばC−C28N−(3−メトキシプロピル)グルカミドが含まれる。それらも同様に短鎖CからC炭化水素基を2または3個持つ。1分子当たり1または2個の長鎖アルキル基は、長さがC8からC26、好適にはC10からC20、特にC12からC18の脂肪酸に由来するアルキル基である。前記鎖長範囲の脂肪酸または部分も同様に飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシル置換脂肪酸またはこれらの混合物であってもよい。前記酸の例はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびリシノール酸である。さらなる例は獣脂脂肪酸およびヤシ脂肪酸部分である。それらと第四級化窒素の結合を好適にはアミドエチルまたは3−アミドプロピルであるスペーサーによって生じさせる。前記短鎖基は好適にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、フェニルおよびヒドロキシルエチル、2−ヒドロキシルプロピルである。別法として、それらは環状基、例えばイミダゾリニウム基であってもよく、これに場合により脂肪アルキル置換基が追加的に組み込まれていてもよい。好適な反対イオンはCl-,Br-,CHOSO-,COSO-,NO-,HCOO-およびCHCOO-である。
【0282】
下記を例として挙げることができる:
メト硫酸(ウンデシレン酸−アミドプロピル)−トリメチル−アンモニウム
メト硫酸(リシノール酸−アミドプロピル)−トリメチル−アンモニウム
メト硫酸1−メチル−1−獣脂脂肪酸−アミドエチル−2−獣脂アルキル−イミダゾリニウム
メト硫酸1−メチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイル−イミダゾリニウム
メト硫酸1,1−エチレン−ビス−(1−メチル−2−獣脂アルキル−イミダゾリニウム)
第四級アンモニウム化合物に加えて、またアミン塩も使用可能である。それらは第一級、第二級もしくは第三級アミンと無機もしくは有機酸の塩である。
【0283】
前記アミン塩の窒素は1個または2個の長鎖C8からC28炭化水素基、1から3個の水素原子および場合により1または2個の短鎖C1からC6炭化水素基で置換されている。1分子当たり1または2個の長鎖アルキル基は、例えば長さがC8からC26、好適にはC10からC20、特にC12からC18の脂肪アミンまたは脂肪酸に由来する。好適な反対イオンはCl-,Br-,CHOSO-,COSO-,NO-,HCOO-およびCHCOO-である。
【0284】
用いる脂肪アミンにエトキシル化を受けさせることで親水性を向上させることも可能である。一例はエトキシル化ステアリルアミン誘導体CH(CH17H[(CHCHO)H]Cl-である。
【0285】
前記鎖長範囲の脂肪酸もしくは部分は、この上に既に記述した飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシ置換脂肪酸またはこれらの混合物であり得る。前記酸の例は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびリシノール酸である。さらなる例は獣脂脂肪酸およびヤシ脂肪酸部分である。それらとアミン塩窒素の結合をエステルの場合には好適にはオキシエチル、2−オキシプロピルおよび1,2−ジオキシプロピルであるスペーサーによって生じさせそしてアミドの場合には好適にはアミドエチルおよび3−アミドプロピルであるスペーサーによって生じさせる。短鎖基は好適にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、フェニルおよびヒドロキシルエチル、2−ヒドロキシルプロピルである。好適な反対イオンはCl-,Br-,CHOSO-,COSO-,NO-,HCOO-およびCHCOO-である。
【0286】
下記を例として挙げることができる:
ステアリン酸のトリエタノールアミン誘導体:
CH(CH16C(O)OCHCH(CHCHOH)Cl-
ステアリン酸のアミド誘導体CH(CH16CONHCHCHCHCH2Cl
ステアリン酸のアミド誘導体CH(CH16CONHCHCHCHCHOHCl
パルミチン酸のアミド誘導体CH(CH14CONHCHCHCHH(CHCl
【0287】
場合により用いてもよい成分b)の量は、本配合物の総量を基準にして、0から30重量%、好適には0から10重量%である。成分b)を本配合物に存在させる場合、その量を好適には0.01重量%から15重量%、より好適には1から10重量%にする。
【0288】
本発明に従う配合物に入れる成分b)は、特に、成分a2)が示す乳化性を向上させかつ場合により直接性を向上させる機能を有する。
【0289】
本発明の好適な態様におけるポリオルガノシロキサン組成物は、成分b)としてのシリコンを含有しない界面活性剤が重合していない有機第四級アンモニウム化合物から選択した少なくとも1種の成分であることを特徴とする。
【0290】
本発明の別の好適な態様におけるポリオルガノシロキサン組成物は、成分b)としてのシリコンを含有しない界面活性剤が非イオン性乳化剤から選択した界面活性剤であることを特徴とする。非イオン性界面活性剤の例には、アルコキシル化アルコール、エチレンオキサイド(EO)−プロピレンオキサイド(PO)ブロック重合体、ポリヒドロキシ−脂肪酸アミド、アルキル多糖類などが含まれる。そのような通常は液状の界面活性剤には、好適には、HLBが3から20の範囲の界面活性剤が含まれる。そのような非イオン性界面活性剤は好適にはアルコールアルコキシレート界面活性剤である。また、エチレンオキサイド単位を1分子当たり約2から20個、好適にはエチレンオキサイド単位を1分子当たり約3から15個含有するアルコキシル化脂肪アルコールも好適である。本組成物の非水性液相に入れるに有用であるか或はそのまま使用可能な液状の脂肪アルコールアルコキシレートの例には、炭素原子数が12から15のアルコールを用いて作られかつエチレン
オキサイドを約7モル含有するアルコキシレートが含まれる。そのような材料をShell Chemical Companyが商品名Neodol 25−7およびNeodol 23−6.5の下で商業的に販売している。そのような種類のアルコールエトキシレートも同様にShell Chemical Companyが商品名Dobanolの下で販売している。適切なエトキシル化アルコールの他の例には、Union Carbide Corporationが販売しているTergitol 15−S−7およびTergitol 15S−9が含まれるが、これらは両方とも線状の第二級アルコールエトキシレートである。本組成物で使用可能な他の種類のアルコールエトキシレートには、比較的高分子量の非イオン種、例えばNeodol 45−11(Shell Chemical Company)などが含まれる。さらなるアルコールエトキシレートは、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテルおよびポリオキシエチレン(10)オレイルエーテルである。それらは商品名、例えばALFONIC(商標)、ARLACEL、BRIJ、GENAPOL(商標)、LUTENSOL、NEODOL(商標)、RENEX、SOFTANOL、USRFONIC(商標)、TERGITOL(商標)、TRLCOLおよびVOLPOなどの下で公知である。
【0291】
別の種類の非イオン性界面活性剤には、エチレンオキサイド(EO)−プロピレンオキサイド(PO)ブロック重合体が含まれる。この種類の材料は良く知られている非イオン性界面活性剤であり、商品名Pluronicの下で市場に出ている。この種類のEOとPOの非イオン性ブロック重合体はDavidsohnおよびMilwidsky、Synthetic Detergents、第7版、Langman Scientific and Technical (1987)の34−36頁および189−191頁、そして米国特許第2,674,619号および2,677,700号に詳述されている。可能な別の種類にはポリヒドロキシ−脂肪酸アミド界面活性剤が含まれる。
【0292】
PENEXシリーズ(商標)のアルコールエトキシレートが好適である。
【0293】
本発明に従う配合物で用いる成分d)は1種以上の担体物質を含んで成る。それらを好適には固体状担体物質e)および/または液状担体物質f)から選択する。このことは、本発明の文脈において、液状担体は40℃で液体でありそして固体状担体は40℃で固体であることを意味する。
【0294】
本発明の好適な態様におけるポリオルガノシロキサン組成物は、液状担体物質F)が水および水混和性有機溶媒から成る群から選択した少なくとも1種の成分であることを特徴とする。
【0295】
本発明の好適なさらなる態様におけるポリオルガノシロキサン組成物は水を含有する。
【0296】
好適な液状担体f)には、水性および非水性担体が含まれ、それには下記が含まれる:水単独または有機溶媒、好適には水溶性有機溶媒単独および/またはそれらの混合物、また水との混合物。好適な有機溶媒にはモノアルコール、ジオール、ポリオール、例えばグリセロール、グリコールなど、ポリエーテル、例えばポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコールなどおよびこれらの混合物、また水との混合物が含まれる。特に溶媒の混合物が好適であり、特に低級脂肪アルコール、例えばエタノール、プロパノール
、ブタノールまたはイソプロパノールなどおよび/またはジオール、例えば1,2−プロパンジオールまたは1,3−プロパンジオールなどの混合物、またはそれらとグリセロールの混合物が好適である。適切なアルコールには特にC−Cアルコールが含まれる。1,2−プロパンジオールおよび水が好適である。
【0297】
液状担体f)を、便宜上、本発明に従う配合物に本配合物の総量を基準にして0から99.95重量%、好適には0から95重量%、より好適には0から65重量%、更により好適には0から55重量%の量で存在させる。液状担体f)を本発明に従う配合物に存在させる場合、それの好適な量は5重量%以上、より好適には10重量%以上、最も好適には30から70重量%、より好適には60重量%以下である。
【0298】
成分e)として用いる固体状担体を好適には40℃で固体である化合物から選択する。固体状担体の例には、水溶性および水不溶性固体状担体、例えば無機もしくは有機塩、ポリヒドロキシ化合物、糖類、アミド、例えば尿素など、および比較的高分子量のポリエチレンオキサイドなどが含まれる。そのような固体状担体e)は、好適には、界面活性剤の意味で実質的に表面活性効果を持たない化合物である。無機塩の例は塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、チョーク、炭酸マグネシウム、カオリン、硫酸バリウムおよび酸化亜鉛である。有機塩の例は酢酸ナトリウムである。本発明に従って使用可能なポリヒドロキシ化合物および糖類の例はセルロース、澱粉、セルロースエステル、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グルカミンおよびN−メチルグルカミンである。本発明に従って使用可能なアミド誘導体は、例えば尿素および強親水性の糖変性アミド誘導体、例えばエチレンジアミン−ビスグルコンアミド、1,3−プロピレンジアミン−ビスグルコンアミド、1,2−プロピレンジアミン−ビスグルコンアミド、ジエチルトリアミン−ビスグルコンアミド、ジプロピレントリアミンビスグルコンアミド、N−メチル−ジプロピレントリアミン−ビスグルコンアミド、N,N−ジメチル−エチレンジアミン−グルコンアミドおよびN,N−ジメチル−プロピレンジアミン−グルコンアミドなどである。最後に挙げた糖変性アミド誘導体は、相当するアミンの第一級アミノ基を糖カルボン酸ラクトン、例えばグルコン酸ラクトンまたはグルコピラノシルアラビノン酸ラクトンなどとレジオ選択的に反応させることで入手可能である(DE 4 318 536、DE 4 318 537)。
【0299】
固体状担体e)を、便宜上、本発明に従う配合物に本配合物の総量を基準にして0から99.95重量%、好適には0から95重量%、より好適には0から65重量%、更により好適には0から55重量%の量で含有させる。固体状担体e)を本発明に従う配合物に含有させる場合、それの好適な量は5重量%以上、より好適には10重量%以上、より好適には60重量%以下である。
【0300】
固体状担体e)と液状担体f)を互いに所望の如何なる比率で存在させてもよい。その比率の選択は望まれる本配合物の組成が液状であるか、ペースト状であるか或は固体状であるかに依存する。
【0301】
本発明に従う組成物に、この上に記述した成分a1)、a2)、b)およびd)に加えて、用途分野に応じて他のさらなる材料または助剤c)も含有させてもよい。
【0302】
水性用途、例えば洗剤、パルプ、織物仕上げなどの場合、例えばいわゆるビルダー、殺菌剤、レオロジー変成、例えばゼオライト、ケイ酸塩、シリカ(大きな表面積を有する)、ポリ燐酸塩、アルカリ金属のクエン酸塩、2,2−オキシジこはく酸塩、カルボキシメチルオキシこはく酸塩およびニトリロトリ酢酸塩、およびナトリウムの炭酸塩など、酵素、消泡剤、例えばシリコン化合物などおよび安定剤を存在させてもよい。安定剤は例えば成分a)およびb)の凝固および沈降を防止することでそれらを安定化するのに役立つ。
そのような安定剤は例えばゴムおよび他の多糖類、例えばカラゲーニンゴムなど、他の増粘剤またはレオロジー添加剤である。そのような安定剤は好適には結晶性ヒドロキシル含有化合物、例えばトリヒドロキシステアリン、水添油またはこれらの誘導体である。
【0303】
本発明に従う組成物に含有させてもよい他の助剤は、製紙で用いられる典型的な助剤、例えば湿潤強度用樹脂、綿毛状物の形成を抑制する添加剤、乾燥強度用添加剤、充填材および接着剤、結合剤、平滑剤などである。
【0304】
特に洗剤に含有させてもよいさらなる助剤は、連成剤、例えばヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、それらの第二級もしくは第三級C1−C3類似物およびアルカンジオールなどである。
【0305】
特に洗剤に含有させてもよいさらなる助剤は、香料、キレート剤および他の表面活性物質(基質に接着する)である。
【0306】
さらなる助剤は、例えば殺生物剤、例えばUltrafresh(商標)DM25、DM50、UF40、Amical flowable(商標)またはKaton(商標)誘導体などである。
【0307】
本発明は、更に、本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物を製造する方法にも関し、この方法は、成分a1)とa2)と場合によりさらなる成分を混合することを含んで成る。
【0308】
本発明に従う組成物の製造は、例えばあらゆる公知種類の混合装置、例えば撹拌装置、混合用ノズルまたは任意形態のニーダーまたはミルなどを用いて均一な基礎混合物a1)+a2)を製造しそして任意成分b)およびd)を導入することなどを含んで成る。
【0309】
本発明の有利な態様では、最初に成分a1)とa2)を均一に混合することで予備混合物を生じさせるが、それと一緒に場合により担体物質d)の一部を添加してもよい。本発明の文脈において、均一は、微細な透明形態で実質的に溶解または分散していることを意味する。例えば、そのような均一な予備混合物に任意の成分b)を後で導入してもよい。予備混合物の成分a1)とa2)または成分b)の構造に応じて、そのような導入によって、今度は、均一な混合物、または予備混合物a1)+a2)の中に目で見てより粗く分散している分散物b)がもたらされ得る。意図した用途に応じて、その混合物にc)およびまたはd)を導入してもよい。
【0310】
その混合手段が異なると当該成分が系全体の中に顕微的に分散している状態、従って生成物の特性が影響を受け得る。
【0311】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物は、好適には、40℃で液状であることを特徴とするが、担体物質を存在させることがそれの前提条件にはなっていない。
【0312】
好適なポリオルガノシロキサン組成物は下記で構成させた組成物である:
成分a1)およびa2)が0.05から90重量%、
シリコンを含有しない1種以上の界面活性剤b)が0から30重量%、
助剤c)、例えば
1種以上の殺生物剤が0から0.5重量%、
1種以上のレオロジー変性剤が0から10重量%、
1種以上のさらなる助剤が0から5重量%、および
1種以上の担体d)が0から99.95重量%。
【0313】
本発明に従う組成物を好適には基質、特に繊維基質または繊維状基質の表面処理で用いる。それらを特に好適には天然もしくは合成繊維、毛、織物、不織紙布、紙パルプ、織紙布、紙層、例えば乾燥もしくは湿潤トイレットペーパー、顔用紙、清掃用ティッシュ(cleaning tissues)、ふき取り紙および紙製ハンカチなどを仕上げまたは処理する目的で用いる。
【0314】
好適な態様における本発明に従う組成物は、ティッシュペーパーの被覆に役立つが、そのようなティッシュペーパーには、通常の様式で、これらに限定するものでないが、フェルトプレスティッシュペーパー(felt−pressed tissue paper)、嵩高くて模様が緻密化された(high−bulk pattern−densified)ティッシュペーパーおよび嵩高くて圧縮されていないティッシュペーパーが含まれる。そのようなティッシュペーパーは均一または多層構造を持ち得、そしてそれらから作られたティッシュペーパー製品は単層づきまたは多層づき構造を持ち得る。そのようなティッシュペーパーの坪量は好適には約10g/mから約65g/mで密度は約0.6g/m以下である[米国特許第5,059,282(Ampulski他)のコラム13の61−67行(ティッシュペーパーの密度を測定する方法が記述されている)を参照](特に明記しない限り、紙に関する量および重量は全部乾燥基準に関する)。通常様式でプレスされたティッシュペーパーおよびそのようなペーパーを製造する方法は本分野の技術者に一般に公知である。そのようなペーパーの製造は、一般に、紙完成紙料(paper furnish)を多孔質フォーミングワイヤー(forming wire)(これを本分野の技術者はしばしば長網と呼ぶ)の上に置くことにより行われる。その完成紙料を前記フォーミングワイヤーの上に置いた直後のそれはウエブ(web)と呼ばれる。そのウエブを圧縮しそしてそれを高温で乾燥させることで、前記ウエブの水を除去する。この直ぐ上に記述した工程に従うウエブ製造に適した特殊な方法および典型的な装置は一般にこの分野の技術者に公知である。典型的な工程では、低濃度のパルプ完成紙料をヘッドボックスから加圧下で供給する。そのヘッドボックスにはパルプ完成紙料を薄い状態で長網に供給して湿った状態のウエブを生じさせるための開口部が備わっている。次に、一般的には、そのウエブの水を真空脱水で除去することで繊維の濃度が約7%から約25%(ウエブの総重量を基準)の範囲になるようにし、そして加圧工程(この工程では前記ウエブに互いに向かい合って位置する機械的構成要素、例えばシリンダーロールなどで生じさせる圧力を受けさせる)で更に乾燥させる。次に、蒸気ドラム装置(本分野の技術者にヤンキードライヤーとして知られる)を用いて、その水分を除去しておいたウエブを更に圧縮しかつ乾燥させる。さらなる詳細は製紙分野の技術者に良く知られている。
【0315】
本発明で用いることを意図する紙繊維には、一般に、化学ウッドパルプに由来する繊維が含まれるであろう。また、セルロースが基になった他のパルプ繊維、例えばリンター、バガスなどを用いることも可能である。また、合成繊維、例えばレーヨン、ポリエチレンおよびポリプロピレン繊維などを天然のセルロースが基になった繊維と組み合わせて用いることも可能である。使用可能な典型的なポリエチレン繊維は、Hercules,Inc.(Wilmington、デラウエア)から入手可能なPulpex(商標)である。使用可能な化学ウッドパルプには、化学パルプ、例えばクラフト、亜硫酸パルプおよび硫酸塩パルプおよび機械パルプなどが含まれ、これらには、例えば砕木パルプ、サーモメカニカルパルプおよび化学的変性を受けたサーモメカニカルパルプが含まれる。しかしながら、化学パルプが好適である、と言うのは、それらはそれらから生じさせるティッシュシートに優れた触知可能柔らかさを与えるからである。落葉樹(または「ハードウッド」とも呼ばれる)および針葉樹(また「ソフトウッド」とも呼ばれる)の両方に由来するパルプを用いることができる。本発明では、また、再生紙に由来する繊維[上述した分類のいくつかまたは全部ばかりでなく繊維ではない他の材料、例えば充填材および接着剤(これらは元々の製紙を容易にする目的で用いられる)なども入っている可能性がある]の使用も可能である。本分野の技術者に公知のように、ティッシュペーパー構造物を生じさせる目的で用いられる紙完成紙料には、紙繊維に加えて、また、それに添加されている他の成分または材料も入っている可能性がある。望ましい添加剤の種類は、考えられるティッシュシートの意図される特定の最終用途に依存する。例えば、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、化粧用ティッシュおよび他の同様な製品などの如き製品の場合には高い湿潤強度が望ましい特徴である。従って、本分野の技術者に従来技術で公知の「湿潤強度」用樹脂として知られる化学物質を紙完成紙料に添加するのがしばしば望ましい。湿潤強度用添加剤に加えて、また、本分野の技術者に公知の特定の乾燥強度用添加剤および綿毛状物形成抑制用添加剤を紙繊維に添加するのも望ましい可能性がある。
【0316】
その上、本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物を、好適には、天然もしくは合成繊維もしくは紙、例えば毛、綿または合成布など用の柔軟化剤または帯電防止剤としても用いる。
【0317】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物を繊維基質または繊維状基質に加える時、本発明に従う組成物の非揮発性成分の量が未処理基質の重量を基準にして好適には0.01重量%から10重量%、より好適には0.2から2重量%になるような量で加える。その加える量を未処理の乾燥基質の重量を測定することで決める。その後、本発明に従う組成物を加えた後、その処理を受けさせた湿った状態の基質を強制循環オーブンに入れて80℃で5分間乾燥させる。水のみを用いて処理した紙を用いて乾燥時間を検査することで充分であるか否かを確認した。その処理そして乾燥を受けさせた基質(製品)の重量を測定する。従って、本組成物の非揮発性成分は、80℃で5分間の間に蒸発し得なかった本発明の配合物の画分である。成分a)およびb)が非揮発性成分の実質的部分、好適には90重量%以上を構成する。
【0318】
加える非揮発性成分の量を下記の如く計算する:
未処理の乾燥した基質の重量と処理を受けさせた乾燥した基質の重量の差が絶対的添加量である。添加パーセント量は、その絶対的添加量を未処理紙の重量で割った値に100を掛けた値である。
【0319】
本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物は、更に、硬質表面用の洗浄剤、湿潤剤、腐食抑制剤、下塗り剤、接着促進剤、防霧剤または帯電防止剤としても使用可能であり、そして洗剤またはアイロンかけ助剤としても使用可能である。
【0320】
本発明は、更に、本発明に従う少なくとも1種のポリオルガノシロキサン組成物を含有させた製品にも関する。
【0321】
それらは、好適には、本発明に従うポリオルガノシロキサン組成物による処理を受けさせた紙製品である。この上で既に説明したように、本発明に従う組成物の非揮発性成分をそのような製品に好適には0.03重量%から30重量%、好ましくは0.3重量%から10重量%存在させる。
【0322】
当該繊維に付着させる前記シリコン含有成分a1)およびa2)の比率を、一方では、揮発性を考慮に入れて、使用する配合a)からd)の重量比から計算しそして他方では有機溶媒による抽出で計算するが、より好適にはケイ素含有量をX線蛍光測定で計算し、そしてa1)またはa2)の比率をa1)またはa2)の下に位置する構造物の中のケイ素の比率を適切に特定することで計算する。そのようなX線蛍光測定は米国特許第2002−0127412 A1号の中のセクション[0057]に示されているようにして実施可能であり、そこでは、前以て較正を受けさせておいた後、限定した幾何形状を持たせた基質盤に強い光を透過させている。
【0323】
本発明に従う組成物は紙パルプに添加可能であるか或は湿った状態の紙にか或は生じさせておいた紙ウエブに添加可能である。従って、本発明に従う組成物を、本質的に公知の様式、例えば紙パルプに噴霧するか、浸漬するか、導入するか、カレンダー加工するか、或は転写印刷する(例えば米国特許第5,538,595号に記述されているように)ことなどで、基質、例えば特に紙などに加えてもよい。
【0324】
紙の仕上げおよび織物の仕上げにおいて、その仕上げを受けさせた基質の疎水性がかなり低くなると同時に優れた柔らかい手触りが与えられることを驚くべきことに見いだした。その上、繊維の仕上げで本発明に従う組成物を用いると驚くべきことにa2)をかなり高い比率で存在させた時でも優れた柔らかさと向上した親水性の組み合わせが達成されることも見いだした。従って、柔らかさが一定であるか或は向上することに加えて向上した親水性が維持されるようにしようとする時に用いることができる成分a1)とa2)の混合比のさらなる範囲は驚くべきことにa2)の比率が90重量%以下、好適には70重量%以下の範囲である[本発明の文脈において、親水性または疎水性は、液滴吸収時間方法を用いた評価を意味しそして柔らかさは試験グループ(実施例に記述する如き)で評価したいわゆる手触りを意味する]。驚くべきことに、特に好適な特性に遭遇する混合比の範囲は狭い。従って、特に好適な範囲はa1)が50重量%でa2)が50重量%の混合比である。
【0325】
一定の基質について、特に成分a1)および/またはa2)の親水性第四級基とオルガノポリシロキサンブロックの種類およびモル比を最適にしかつ成分a1)とa2)の混合比を所定構造に関して最適にすることで、本発明に従う組成物に望まれる特性を柔らかさ(手触り)、親水性および直接性に関して最適にすることができる。費用の理由で、成分a1)の比率ができるだけ低くなるように調整するのが好適である。
【実施例】
【0326】
本発明に従う水性および溶媒含有組成物を以下の実施例に記述する。
【0327】
本発明に従う組成物の評価を以下の試験方法で実施した。
紙および織物の評価:
Metsa Tissue Corp.(フィンランド)の顔用ティッシュ(未処理でありかつシリコンを含有しない)を用いて、本発明に従うシリコン組成物に乳液の形態で評価を受けさせた。前記紙の寸法は29cmx20.5cmでありそして平均紙重量は31.96g/mであった。本乳液(仕上げ剤)を加える時、前記紙の後方に前記種類の紙を更に1枚置きそしてその2枚を粗いメッシュの金属網の上に滑らかな形態で置いて固定した。
【0328】
実施例8から20に従う配合物を脱塩水で希釈してシリコン含有活性物質の含有量[成分a1)、a2)またはa1)+a2)の合計または一般的には比較実施例も包含する表2のX1からX3の合計の量を基準に計算]が2重量%になるようにした後、スプレーガンを用いて均一に塗布した。ノズルおよび空気を用いて試験を受けさせるべき本発明に従う組成物の乳液/溶液を35cmの距離から噴霧することで仕上げを実施したが、ここでは、実施例1から7のシリコン含有物質およびこれらの混合物の計算量(即ち表2のX1からX3の合計)が被膜として1重量%以下の量で存在するような一定のノズル設定で実施した。非揮発性成分a)からd)の比率を用いて前記量を計算した。この目的で、非揮発性成分をこの上に定義した如き量で紙に加えた後、以下に示す如く測定した。本発明に従う非揮発性成分の量的に所望の付着が紙または織布の完全な湿りが起こることなく約15秒間の噴霧時間で高い再現性を伴って起こるように、噴霧する乳液の濃度およびノズルの設定を一連の測定手段で最適にした。
【0329】
以下の図1に、噴霧時間と使用処理剤の塗布量の間の関係を示す。表1に、基礎となる相当する測定値を示す。
【0330】
【表1】

【0331】
【表2】

【0332】
仕上げでは、前記紙の各々を抽出口が備わっている強制循環オーブンに入れて80℃で5分間乾燥させそして前記オーブンから取り出した直後に重量を測定した(4個の重量の平均を取ることで質量を計算した)。最初に、未処理紙の重量と処理を受けさせた乾燥紙の重量の間の差から非揮発性成分の絶対的塗布量を得る。塗布パーセント量は、絶対的塗布量を未処理紙の重量で割った値に100を掛けた値である。
【0333】
この上に説明したように、非揮発性成分から計算したシリコン化合物X1からX3の合計として1重量%が被膜の形態で存在するように噴霧時間を選択した。
【0334】
各場合とも試験毎に1つの組成物を用いて6個の単層ずき紙組織(single−ply paper tissues)に仕上げを受けさせた。これらの中の5組織を用いて手触りおよび柔らかさを評価しそして1組織を用いて親水性/疎水性を評価した。触診または手触り試験では、2層ずき紙が得られるように紙サンプルを1回折り畳んだ。
織布
織布の試験では、シリコンを含有しない未処理の沸騰綿シングルジャージ布[既に着色(130g/m)(Gola Werkeの)]を用いて、本発明に従うシリコン組成物に乳液の形態で評価を受けさせた。パッド方法(Lexikon fur Textilveredelung[Lexicon of Textile Finishing]、Prof.Dr.rer.nat.Hans−Karl Rouette、Laumann−Verlag Dulmen 1995、第1巻、699−701頁)を用いて、シリコン含有成分を0.4重量%[本配合中の成分a1)とa2)の量を基準]入れておいた液体の中で30gの布に仕上げを受けさせた。仕上げでは、製造実施例2の化合物a1)および製造実施例5の化合物a2)を用いそして前記2種類の材料の乳液が1:1の混合物を用いた。紙試験と同様にして柔らかさの評価および親水性の考察を行った。
疎水性または親水性:
この上に「紙および織物の評価」の章で記述した如き紙を各々1枚用いて、それを磁石で金属製トレーの上に単層ずきとしてぴんと引き伸ばされた状態に置いた。この紙の上に水滴をピペットで1cmの高さから導入した後、その滴が接触してから吸収されるまでの時間(秒で表す)を測定した。滴吸収時間が長ければ長いほど疎水性が高くて親水性が低い。この試験をいろいろの地点で試験紙1枚当たり5回繰り返した。5個の測定の平均値を表2に示す(試験の説明:association TEGEWA e.V.の「Textile pretreatment」の作業部会:The TEGEWA−Tropftest−eine Methode zur schnellen Bestimmung der Saugfahigkeit an textilen Flachengebilen[TEGEWA滴試験−織物シート様構造物が示す吸収性を迅速に測定する方法];Melliand Textilberichte 68(1987)、581−583)。
柔らかさまたは手触り:
この目的で、各場合とも、この上に記述したようにして得た紙サンプルの1つを試験グループ内で各場合とも他の実施例のさらなるシリコン組成物を用いて仕上げを受けさせた他の5紙サンプルと比較した。このようにして、各場合とも、試験人の指および手のひらによる触感によって、各々が異なる6個のサンプルを包含する5試験グループ/シリーズに手触りに関する評価を受けさせることができた。個々の紙の等級分けを0から10の等級で実施した。「0」の評価は未処理紙に相当し、手触りまたは柔らかさは数値が高ければ高いほど良好である。
【0335】
試験グループまたは試験パネルを5人で構成させる。
製造実施例1[成分a1)QP1の製造]:
a) 最初に238g(2.24モル)のジエチレングリコールを窒素下室温で導入する。徹底的な撹拌を行いながら558g(4.93モル)の塩化クロロアセチルを1時間かけて滴下して加える。この滴下中に温度が82℃にまで上昇してHClの強力な発生が始まる。この滴下が終了した後のバッチを130℃に30分間加熱する。最後に、130℃/20hPa以下で沸騰するあらゆる成分を留出させる。組成
ClCHC(O)OCHCHOCHCHOC(O)CHCl
を有する淡黄色の油を566g得る。
【0336】
このエステルをガスクロで測定した純度は99.2%である。
13C−NMR:
基礎構造 シフト(ppm)
Cl− 40.7
ClCH(O)− 167.1
ClCH−C(O)−O− 65.2
ClCH−C(O)−OCH− 68.6
b) 104.4gの脱塩水と51.4gの2−プロパノールと104.4g(522ミ
リモル)のラウリン酸と50g(580ミリモルのN)のN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミンを混合した後、撹拌を行いながら50℃に加熱する。この透明な溶液に構造
【0337】
【化67】

【0338】
で表されるエポキシシロキサンが721g(エポキシ基が522ミリモル)とa)に従うジエチレングリコールが基になったエステルが7.5g(Clが58ミリモル)の混合物を加える。このバッチを還流温度に6時間加熱する。冷却後に透明な黄褐色の溶液を1003g得る。その中に存在する重合体は下記の構成要素を含有する:
【0339】
【化68】

【0340】
製造実施例2[成分a1)QP2の製造]:
最初に1リットルの3つ口フラスコに室温で水を24g、2−プロパノールを30ml、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンを4.18g(第三級アミノ基を48ミリモル)および商標名Jeffamin(商標)ED 600の下で入手可能な構造
NCH(CH)CH[OCHCH(CH)](OCHCH[OCHCH(CH)]NH
[ここで、a+b=3.6]
で表されるアルキレンオキサイド誘導体を3.8g(第一級アミノ基を12ミリモル)導入する。6.0g(30ミリモル)のドデカン酸(2−プロパノール中50%濃度の溶液の形態)および1.8g(30ミリモル)の酢酸を5分かけて加える。このバッチを50℃に加熱した後、30分かけて平均組成
【0341】
【化69】

【0342】
を有するエポキシシロキサンを194.1g(エポキシ基を60ミリモル)滴下して加える。その濁った黄色混合物を還流温度に8時間加熱する。100℃/2mmHg以下で揮発するあらゆる成分を真空下で除去することで、下記の構造
【0343】
【化70】

【0344】
で表される濁ったベージュ色の材料を204g得る。
製造実施例3[成分a1)QP3の製造]:
12.5gの脱塩水と87gの2−プロパノールと1.02g(17ミリモル)の酢酸と3.4g(17ミリモル)のラウリン酸と2.34g(27.2ミリモルのN)のN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミンと1.67g(5.28ミリモルのN)
の組成
【0345】
【化71】

【0346】
[ここで、w1+w2=2.5およびv=8.5]
を有するアミンと0.63g(1.53ミリモルのN)の組成
【0347】
【化72】

【0348】
[ここで、w3+w4+w5=5−6]
を有するアミンの40%濃度溶液を混合して50℃に加熱する。この透明な溶液に平均組成
【0349】
【化73】

【0350】
を有するエポキシシロキサンを90.8g(エポキシ基を34ミリモル)滴下して加えた後、この反応混合物を82℃に10時間加熱する。冷却後、濁った灰色の液を197g得る。その中に存在する重合体は下記の構成要素
【0351】
【化74】

【0352】
を含有する。
製造実施例4[成分a2)AP1の製造]:
タイプMDAEAP-D557M[単位DAEAPはCH(AEAP)SiOを表し、ここで、AEAP=2−アミノエチルアミノプロピル]で表されるアミノエチルアミノプロピル官能ポリオルガノシロキサンの調製では、米国特許第3576779号に類似した様式で、SiOH末端のポリジメチルシロキサンとM2D10とアミノエチルアミノプロピル−メチルジメトキシシランの混合物を水酸化テトラブチルアンモニウムの存在下80℃で平衡状態にし、生じたメタノールを蒸発させそして触媒を熱で失活させた後に沸点が250℃以下の揮発性シクロシロキサンを0.5重量%未満になるまで除去することで調製を行う。生じた生成物は下記の組成を有する:
【0353】
【化75】

【0354】
AP 1:x=9.2;y=557
製造実施例5[成分a2)AP2の製造]:
ここに、本発明に従う手触り向上剤または柔軟剤が織布を親水性にするか否かを評価する比較実験で用いるタイプMDAEAP1.5-D100Mで表されるアミノエチルアミノプロピル官能ポリオルガノシロキサンを実施例4に類似した様式で調製した4(x=1.5;y=100)。
製造実施例6[比較シロキサン成分AP3の製造]:
ここに、本発明に従う手触り向上剤または柔軟剤が紙を親水性にするか否かを評価する比較実験で用いるポリエーテル官能ポリオルガノシロキサンMDPO15EO2020Mの調製を米国特許第3980688号の実施例7と同様にして実施した。単位DPO15EO20はCH(PO15EO20)SiOを表し、ここで、PO15EO20、即ちランダムに分布しているポリエーテル基HO-CO)15(CO)20-C-はプロピレン単位を介してSiと結合している。数値は数平均分子量Mによる平均重合度を示す。
製造実施例7[成分a2)AP4の製造]:
ここで用いるアミノエチルアミノプロピル−およびポリエーテル官能ポリオルガノシロキサンMDAEAPPO16EO20OBu200Mの調製では、タイプMDPO16EO20OBu100Mで表されるポリエーテルシロキサンとアミノエチルアミノプロピルメチルジエトキシシランと追加的ポリジメチルシロキサンジオールから出発して水酸化テトラブチルアンモニウムの存在下80℃でアルカリ平衡状態(20ppmの水酸化テトラブチルアンモニウム)にし、生じたメタノールを蒸発させそして触媒を熱で失活させた後、沸点が250℃以下の揮発性シクロシロキサンを0.5重量%未満になるまで除去することで調製を行った。
【0355】
単位DPO16EO20OBuはCH(PO16EO20OBu)SiOを表し、ここで、PO16EO20OBu、即ちランダムに分布しているポリエーテル基C−O−(CO)16(CO)20−C−はプロピレン単位を介してSiと結合している。数値は数平均分子量Mによる平均重合度を示す。
配合実施例8−23
製造実施例1から7の化合物を用い、錨型撹拌機を用いて25℃で混合することで、下記の組成を有する乳液を生じさせる:成分a)または比較成分として前記化合物またはこれらの混合物を40重量%、成分b)としてRenex 36を23.7重量%、同様に成分b)としてRenex 30を4.1重量%。この混合物に酢酸が0.9重量%で酢酸ナトリウムが0.695重量%で水が30.61重量%の溶液を5分かけて加える。無
色から若干黄色がかった透明な配合物が生じる。成分b)の界面活性剤をここで用いる場合、タイプRenex 30の非イオン性界面活性剤、国際的な短い形態のPOE(12)−トリデシルアルコール、およびICIのRenex 36[タイプPOE(6)−トリデシルアルコール]を選択した。
【0356】
前記配合物の正確な組成を以下の表2に示す。表2に、また、この上に記述したように紙組織に組成物を1重量%(この上で定義したように非揮発性成分を基準)を用いた仕上げを受けさせかつ条件付けを受けさせた時の紙および織物評価の結果も示す。
【0357】
【表3】

【0358】
これらの実験は、実施例9−11でもまた本発明に従う組成物が良好な手触りまたは良好な柔らかさを与えると同様に良好な親水性(短い滴吸収時間)を与え、その度合は、表2に示したより高価な成分a1)、即ちX1が100%である実施例8のそれと同様であることを示している。表2に示した実施例11および12に従って成分a2)、即ちX2
の比率を更に高くすると疎水性が非常に高くなりかつ滴吸収時間が長くなり、その度合は、化合物a2)が100%の時よりも高くさえあり得る。実施例14および17は、本発明に従う組成物は製造実施例2の組成を有する成分a1)と成分a2)としての実施例4を1:1で混合すると実に有効であることを示している。
【0359】
比較実施例18の場合のように成分a1)の代わりに従来技術に従う化合物を用いることでも充分な親水性がもたらされはするが、柔らかさおよび手触りは実施例9−12のそれよりも劣っている。その上、実施例18で用いた製造実施例6および4のポリシロキサンが示した直接性は、第四級シロキサン、例えば実施例8−11などのレベルには到達しない。製造実施例7に従う成分a2)[分子中にアミノアルキル基に加えて親水性ポリエーテル基を有する]に評価を受けさせた比較実施例19で示すように、その評価は劣っている。この化合物もまた良好な柔らかさをもたらさなかった(>4.4)、即ち手触りの評価は本発明に従う実施例のそれ、特に9−11および14のそれよりも劣る。その上、その化合物が示した直接性も例えば実施例8から11の第四級化合物のそれよりも低い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオルガノシロキサン組成物であって、
少なくとも1個の有機基Vがポリジオルガノシロキサン基含有有機基VSi1であることを条件としてアミノおよび/またはアンモニウム基Qを少なくとも1個と有機基Vを少なくとも1個含有していて前記基Qと前記基VSi1の結合が構成要素(I)
【化1】

[ここで、V*は、各場合とも炭素原子を介して前記ポリジオルガノシロキサン基のケイ素原子と結合しかつ前記アミノもしくはアンモニウム基Qの窒素原子と結合している二価の有機基であり、そしてRは一価有機基である]
によって生じている少なくとも1種のアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)、および
少なくとも1個の有機基Vがポリジオルガノシロキサン基含有有機基VSi2であることを条件としてアミノもしくはアンモニウム基Qを少なくとも1個と有機基Vを少なくとも1個含有していて前記基Qと前記基VSi2の結合が式(II)および(III)
【化2】

[ここで、Vは、各々、各場合とも炭素原子を介して前記オルガノシロキサン基のケイ素原子と結合しかつ前記アミノもしくはアンモニウム基Qの窒素原子と結合している二価の有機基であり、そしてRは一価有機基である]
から選択される構成要素によって生じている少なくとも1種のアミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)、
を含有するが、但し、
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a2)が式(I)で表される構成要素を持たないことを条件とし、かつ
前記基Qがカルボニルの炭素原子と結合していないことを条件として、
アンモニウム基の結果としてもたらされる正電荷が有機もしくは無機酸アニオンで中和されているポリオルガノシロキサン組成物およびこれの酸付加塩。
【請求項2】
無窒素ポリシロキサン化合物を含有しないことを特徴とする請求項1記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項3】
請求項1記載の成分a1)、
請求項1記載の成分a2)、
場合により、1種以上の無シリコン界面活性剤b)、
場合により、1種以上の助剤c)、および
場合により、1種以上の担体物質d)、
から成る請求項1または2記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項4】
成分a1)とa2)が30:1から1:90の重量比で存在する請求項1から3のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項5】
成分a1)とa2)が1:0.1から1:10の重量比、好適には1:0.2から1:7の重量比で存在する請求項1から4のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項6】
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)が式(IV)
【化3】

[式中、QおよびVは、この上で定義した通りであり、Rは、各場合とも、一価有機基または水素であり、xは≧1であり、基Rは互いに同一または異なってもよく、そしてxが>1の場合、基Q、Vは各場合とも互いに同一もしくは異なってもよい]
で表されることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項7】
Qが
−NR−,
−N−,
場合によりさらなる置換基で置換されていてもよい式:
【化4】

で表されるジアミノ官能の飽和もしくは不飽和複素環、および
場合により置換されていてもよい式:
【化5】

で表されるジアミノ官能芳香複素環、式:
【化6】

で表される三価基、式:
【化7】

で表される三価基、または式
【化8】

で表される四価基
[前記式中、Rは、各場合とも、水素または一価有機基である]
から成る群から選択されて、Qがカルボニルの炭素原子と結合していない請求項1から6のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項8】
単位Vが、場合により−O−,−C(O)−,−C(S)−,−NR−[ここで、Rは、水素、または−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される1個以上の基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、ポリエーテル基、ポリエーテルエステル基、ポリオルガノシロキサニル基および−Si(OR)3−a(R)(ここで、aは、0から2の整数であり、そしてRは、この上で定義した通りである)から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が300以下の一価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基であるが、基−NR−が複数存在する場合には、それらは同一もしくは異なっていてもよく、そして基−NH−がカルボニルおよび/またはチオカルボニル炭素原子と結合していることを条件とする]、
【化9】

から選択される1個以上の基を含有していてもよくかつポリオルガノシロキサン基を含有していてもよくかつ場合により1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数(場合により存在していてもよいポリオルガノシロキサン基の炭素原子の数は数えない)が1000以下の少なくとも1種の多価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香炭化水素基から選択されるが、但し基
【化10】

および−NR−が少なくとも1個のカルボニルおよび/またはチオカルボニル炭素原子と結合していることを条件としかつ少なくとも1個の基Vがポリオルガノシロキサン基を少なくとも1個含有することを条件とする請求項1から7のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項9】
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)が単位QおよびV[ここで、Qは、カルボニルの炭素原子を介してVと結合していない少なくとも1種の二価、三価および/または四価アミノおよび/またはアンモニウム基であり、そしてVは、炭素を介してQ単位と連結している少なくとも1種の有機基であるが、但し単位Vの中の少なくとも1つがポリジオルガノシロキサン基を含有することを条件とする]から選
択される単位を少なくとも3単位有する請求項1から8のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項10】
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)が単位Qを少なくとも2単位有する請求項1から9のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項11】
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)が単位Qを少なくとも2単位および単位VSiを2単位以上有する請求項1から10のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項12】
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)が単位Qを少なくとも2単位および単位VSiを3単位以上有する請求項1から11のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項13】
前記アミノ−および/またはアンモニウム−ポリシロキサン化合物a1)中の有機基VがV、VおよびV[ここで、
は、場合により−O−,−CONH−,−CONR−(ここで、Rは、水素、または−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される1個以上の基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ポリエーテル基およびポリエーテルエステル基から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の一価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香族炭化水素基であるが、基−CONR−が複数存在する場合には、それらは同一もしくは異なっていてもよい)
−C(O)−および−C(S)−
から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数(以下に定義するポリシロキサン基Zの炭素原子の数は数えない)が1000以下の二価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香炭化水素基から選択されるが、
基Vは、場合により、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよく、そして
基Vは、式
【化11】

(式中、Rは、同一もしくは異なってもよく、CからC22のアルキル、フルオロ(C−C10)アルキル、C−C10−アリールから成る群から選択され、そしてn1=20から1000である)
で表される基−Z−を少なくとも1個含有し、
は、場合により−O−, −CONH−,−CONR−(ここで、Rは、この上で定義した通りであり、基V中の基Rと基V中の基Rは同一もしくは異なってもよい)、から選択される1個以上の基を含有していても良く、
−C(O)−、−C(S)−および−Z−(ここで、−Z−は、式
【化12】

(式中、Rは、この上で定義した通りであり、基V中の基Rと基V中の基Rは同一もしくは異なってもよく、そしてn2=0から19である)
で表される基である)
を含有していてもよい、炭素原子数が1000以下の二価の直鎖、環状もしくは分枝の、飽和、不飽和もしくは芳香炭化水素基から選択され、そして
基Vは、場合により、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよく、そして
は、場合により−O−, −CONH−,−CONR−(ここで、Rは、この上で定義した通りである)、−C(O)−、−C(S)−、−Z−(この上で定義した通りである)、−Z−(この上で定義した通りである)およびZ(ここで、Zは、三価以上のオルガノポリシロキサン単位である)から選択される1個以上の基を含有していてもよい炭素原子数が1000以下の三価以上の直鎖、環状もしくは分枝飽和、不飽和もしくは芳香炭化水素基であり、これは、場合により、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよく、
ここで、各場合とも、前記ポリシロキサン化合物中に基Vが1個以上、基Vが1個以上および/または基Vが1個以上存在していてもよいが、但し
前記ポリシロキサン化合物が基−Z−、−Z−または−Z−を少なくとも1個含有する基V、VまたはVを少なくとも1個含有することを条件とする]
から成る群から選択される少なくとも1種の成分である請求項1から12のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項14】
40℃で液体であることを特徴とする請求項1から13のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項15】
0.05から90重量%の量の成分a1)およびa2)、
0から30重量%の量の1種以上の無シリコン界面活性剤b)、
下記:
0から0.5重量%の量の1種以上の殺生物剤、
0から10重量%の量の10以上のレオロジー変性剤、
0から5重量%の量の1種以上のさらなる助剤、
から選択される助剤c)、および
99.95重量%以下の量の1種以上の担体d)、
から成る請求項1から14のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項16】
成分b)としての無シリコン界面活性剤が重合していない有機第四級アンモニウム化合物から選択される少なくとも1種の成分であることを特徴とする請求項3から15のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項17】
担体物質d)が水および水混和性有機溶媒から成る群から選択される少なくとも1種の成分であることを特徴とする請求項3から16のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項18】
成分b)としての無シリコン界面活性剤が非イオン性乳化剤から選択されることを特徴
とする請求項3から17のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項19】
水を含有する請求項1から18のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物を製造する方法であって、成分a1)とa2)と場合によりさらなる成分を混合することを含んで成る方法。
【請求項21】
請求項1から19のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物を基質の表面処理で使用する方法。
【請求項22】
繊維基質または繊維状基質を処理するための請求項21記載の使用方法。
【請求項23】
天然もしくは合成繊維、毛、織物、不織紙布、紙パルプ、織紙布、紙層、例えば乾燥もしくは湿潤トイレットペーパー、顔用紙、清掃用布、ふき取り紙および紙製ハンカチなどを仕上げまたは処理するための請求項21または22記載の使用方法。
【請求項24】
請求項1から19のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物を天然もしくは合成繊維もしくは紙、例えば毛、綿もしくは合成布など用の柔軟剤または帯電防止剤として使用する方法。
【請求項25】
前請求項記載のポリオルガノシロキサン組成物の非揮発性成分を乾燥繊維もしくは紙質量を基準にして0.03重量%から30重量%存在させる請求項21から24のいずれか記載の使用方法。
【請求項26】
成分a1)およびa2)を乾燥繊維もしくは紙質量を基準にして0.01重量%から10重量%存在させる請求項21から25のいずれか記載の使用方法。
【請求項27】
請求項1から19のいずれか記載のポリオルガノシロキサン組成物を硬質表面用の洗浄剤、湿潤剤、腐食防止剤、下塗り剤、接着促進剤、防霧剤または帯電防止剤として用いる使用する方法。
【請求項28】
請求項1から19のいずれか記載の少なくとも1種のポリオルガノシロキサン組成物を含有する製品。
【請求項29】
紙製品である請求項28記載の製品。
【請求項30】
請求項1から19のいずれか記載の組成物の非揮発性成分が乾燥製品を基準にして0.03重量%から30重量%存在する請求項28または29記載の製品。

【公表番号】特表2007−504344(P2007−504344A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530191(P2006−530191)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050797
【国際公開番号】WO2004/101684
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(503269542)ジーイー・バイエル・シリコーンズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツトゲゼルシヤフト (7)
【Fターム(参考)】