塗布装置及び塗布方法
【課題】材料の供給状態を正確に調整して高精度に膜圧形状を制御することが可能な塗布装置及び塗布方法の提供。
【解決手段】実施形態の塗布装置は、塗布対象物に材料を吐出して塗布するノズルと、前記ノズルに供給される材料を貯留する貯留部と、前記貯留部と前記ノズルとを連通する流路と、前記流路の開閉状態を切り替える吐出用ダイヤフラムバルブと、前記流路に接続され前記流路における材料の流量を調整するとともに、そのサックバック量が調節可能なサックバック部と、を有する吐出弁と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】実施形態の塗布装置は、塗布対象物に材料を吐出して塗布するノズルと、前記ノズルに供給される材料を貯留する貯留部と、前記貯留部と前記ノズルとを連通する流路と、前記流路の開閉状態を切り替える吐出用ダイヤフラムバルブと、前記流路に接続され前記流路における材料の流量を調整するとともに、そのサックバック量が調節可能なサックバック部と、を有する吐出弁と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置及び塗布方法に関し、例えば、塗布対象物上に材料を塗布して塗布膜を形成する塗布装置及び塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体などの分野において基板に円形状の膜を形成する方法としてスパイラル塗布方法がある。このスパイラル塗布方法は、円形状の回転ステージ上に円盤状の基板を固定し、塗布ノズルの吐出面と基板表面の距離(ギャップ)を所定の値に保ち、その回転ステージを回転させ、流量を制御可能な定量ポンプで塗布ノズルから材料を吐出させながら、その塗布ノズルを基板中央から基板外周に向かって直線状に移動させ、らせん状(渦巻き状)の塗布軌跡を描くことで基板全面に膜形成を行う方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなスパイラル塗布による塗布装置及び塗布方法では、材料の供給状態を正確に調整して高精度に膜厚形状を制御することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−279932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の実施形態は、材料の供給状態を正確に調整して高精度に膜圧形状を制御することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の塗布装置は、塗布対象物に材料を吐出して塗布するノズルと、前記ノズルに供給される材料を貯留する貯留部と、前記貯留部と前記ノズルとを連通する流路と、前記流路の開閉状態を切り替える吐出用ダイヤフラムバルブと、前記流路に接続され前記流路における材料の流量を調整するとともに、そのサックバック量が調節可能なサックバック部と、を有する吐出弁と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態にかかる塗布装置の構成を示す概略説明図。
【図2】同塗布装置の一部を示す概略説明図。
【図3】同塗布装置の吐出弁の構成を示す平面図。
【図4】図3のA−A’断面を示す説明図。
【図5】図3のB−B’断面を示す説明図。
【図6】同実施形態にかかる塗布方法を示すフローチャート。
【図7】同塗布方法の塗布開始時の状態を示す概略説明図。
【図8】同塗布方法の塗布開始時の状態を示す概略説明図。
【図9】同塗布方法のメニスカス調整を示す説明図。
【図10】同塗布方法の塗布開始時のサックバック量とメニスカスの関係を示す説明図。
【図11】同塗布方法の塗布終了時の状態を示す概略説明図。
【図12】同塗布方法の塗布終了時のサックバック量とメニスカスの関係を示す説明図。
【図13】同塗布方法の塗布終了時の状態を示す概略説明図。
【図14】他の一実施形態にかかる塗布装置の構成を示す概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、第1実施形態かかる塗布装置1及び塗布方法について、図1乃至13を参照して説明する。各図中矢印X,Y,Zはそれぞれ互いに直交する3方向を示す。また、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
【0009】
図1に示す塗布装置1は、塗布対象物としてのウエハWが載置されるステージ2と、そのステージ2を水平面内で回転させる回転機構3と、ステージ2上のウエハWに先端から材料を吐出して塗布する塗布ノズル4と、その塗布ノズル4とステージ2とを水平面方向に相対移動させる移動機構5と、チューブやパイプなどで構成され内部に材料の流路6a〜6fを形成する連通管6と、塗布材料を貯留するタンク7(貯留部)と、タンク7とノズル4の間の連通管6に接続されるポンプ8(送液部)と、連通管6の排液側に接続された廃液ポッド9(排出部)と、連通管6の開閉状態を切り替える供給弁11及び吐出弁12と、ノズル4のメニスカスの位置を検出するメニスカス検出部15と、各部を制御する制御部10と、を備えている。さらに、ウエハW上の塗布膜Mの膜面を観察する観察装置なども設けられている。
【0010】
ステージ2は、例えば円形状に形成されており、回転機構3により水平面内で回転可能に構成されている。このステージ2は、載置されたウエハWを吸着する吸着機構を備えており、その吸着機構によりステージ2の載置面2a上にウエハWを固定して保持する。この吸着機構としては、例えばエアー吸着機構などが用いられる。
【0011】
回転機構3は、ステージ2を水平面内で回転可能に支持しており、ステージ中心を回転中心としてステージ2をモータなどの駆動源により水平面内で回転させる機構である。これにより、ステージ2上に載置されたウエハWは水平面内で回転することになる。
【0012】
塗布ノズル4は、塗布膜Mとなる材料を吐出するノズルであり先端4aにノズル孔4bを有している。この塗布ノズル4は、圧力によりその先端のノズル孔4bから材料を連続的に吐出し、その材料をステージ2上のウエハWに塗布する。
【0013】
連通管6はたとえばチューブやパイプから構成され、塗布ノズル4と、供給タンク7と、供給ポンプ8と、廃液ポッド9とを連通している。連通管6は供給タンク7から塗布ノズル4に至る供給路6aと、塗布ノズル4から廃液ポッド9に至る排出路6bを構成している。具体的には、供給タンク7から吐出弁12に至る供給流路6cと、吐出弁12からノズル4に至る共通流路6dと、吐出弁12から廃液ポッド9に至る排出流路6eと、を備えている。共通流路6d及び供給流路6cは供給路6aを構成し、共通流路6d及び排出流路6eは排出路6bを構成する。さらに供給流路6cの途中に設けられた供給弁11から供給ポンプ8に至るポンプ流路6fを備えて構成されている。
【0014】
図1及び図2に示すように、供給弁11はダイヤフラム式の3方弁である供給ダイヤフラムバルブ21を備えて構成されている。供給弁11は三方弁であり、タンク側の第1ポート11aと、ポンプ側の第2ポート11bと、ノズル側の第3ポートと11cと、を備える。制御部10によりこれらのポートの開閉状態を切り替えることにより材料の供給状態を切り替える。
【0015】
図3乃至図5に示すように、吐出弁12はダイヤフラム式の3方弁である吐出ダイヤフラムバルブ22と、サックバックバルブ23とを備えて構成されている。吐出ダイヤフラムバルブ22は排出側(廃液ポッド9側)の流路を開閉する排出側弁部22Aと、吐出側(ノズル4側)の流路を開閉する吐出側弁部22Bと、を有している。吐出弁12は、タンク側のインポート12aと、廃液ポッド9側の廃液側アウトポート12b(第2のアウトポート)と、ノズル側の吐出側アウトポート12c(第1のアウトポート)と、を備える三方弁である。ダイヤフラムバルブ22のノズル側の流路にサックバック部としてのサックバックバルブ23が接続されている。
【0016】
吐出ダイヤフラムバルブ22は排出側及び吐出側の2つの弁室25、26と、弁室25、26に対してそれぞれ進退移動する弁体27,28と、を有し、制御部10の制御により弁体27,28を進退動させることにより、開閉状態を切替え、流路がタンク7からノズル4に連通する吐出状態と、タンク7から廃液ポッド9に連通する排出状態とが、切り替え可能になっている。この開閉に伴い流路の体積(容積)が変化する。
【0017】
サックバックバルブ23は流路に通じる弁室31と、弁室31に対して進退移動する弁体32と、を有し、制御部10の制御により弁体32を進退動させることによりサックバック状態が切り替え可能である。このサックバック状態の切替に応じて流路の体積が可変になっている。さらに弁体32にはサックバック量を調整可能とする調整ねじ33が設けられ調整ねじ33の調整に応じてサックバック量が調整可能になっている。
【0018】
ダイヤフラムバルブ22とサックバックバルブ23の弁体27、28,32にはそれぞれエア供給管34a,34b,34cと、エア供給状態調整用のレギュレータ35a,35b,35cと、エア供給状態切り替え用の操作バルブ36a,36b,36c、流速調整用のスピードコントローラ37a,37b,37cが設けられている。レギュレータ35a,35b,35c、操作バルブ36a,36b,36c、及びスピードコントローラ37a,37b,37cは制御部10に接続され、制御部10の制御に応じて動作する。
【0019】
図1に示す移動機構5は、塗布ノズル4を支持してZ軸方向に移動させるZ軸移動機構5aと、そのZ軸移動機構5aを介して塗布ノズル4を支持しX軸方向に移動させるX軸移動機構5bとを備えている。この移動機構5は塗布ノズル4をステージ2の上方に位置付け、その塗布ノズル4をステージ2に対して相対移動させる。Z軸移動機構5a及びX軸移動機構5bとしては、例えば、リニアモータを駆動源とするリニアモータ移動機構やモータを駆動源とする送りネジ移動機構などが用いられる。
【0020】
Z軸移動機構5aには、例えば反射型レーザセンサなどの距離測定部5cが設けられている。距離測定部5cは、Z軸移動機構5aと共にX軸移動機構5bによりX軸方向に移動し、ステージ2上のウエハWとの離間距離を測定する。これにより、ウエハWの塗布面の表面粗さ、すなわち、その塗布面の高さプロファイルを取得することが可能である。
【0021】
この塗布装置1でスパイラル塗布を行う際、塗布ノズル4はX軸方向、すなわちウエハWの中心から外周に向かって移動しながら、回転しているステージ2上のウエハWに向けて材料を吐出し、その材料をウエハWの表面上に渦巻状に塗布する。
【0022】
メニスカス検出部15は、ノズル4の先端4aに対向配置されたレーザ変位計センサ部41、コントローラ部42、及びモニタ43を備えて構成されている。レーザ変位計41はノズル4内の材料の表面のメニスカスの状態を検出し、制御部10に検出結果を送信する。なおレーザ変位計41のレーザの波長は材料等の条件によって設定されるが例えば感光材料に対しては光源の波長は650nm以上とする。コントローラ部42は、センサ部の計測条件を設定する。モニタ43には検出結果としてのメニスカスの状態が映し出される。
【0023】
制御部10は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータと、各種プログラムや各種情報などを記憶する記憶部とを備えている。記憶部としては、メモリやハードディスクドライブ(HDD)などが用いられる。
【0024】
制御部10は、各種プログラムや各種情報(塗布条件情報など)に基づいて、回転機構3、移動機構5、ポンプ8、各種弁11,12を制御し、ウエハWが載置されたステージ2を回転させ、バルブ21〜23の動作を切り替えて塗布ノズル4の先端4aから材料を吐出させながら、その塗布ノズル4を基板中央(あるいは基板外周)から基板外周(あるいは基板中央)に向かって直線状に移動させ、渦巻き状の塗布軌跡を描くことで基板全面に膜形成を行う(スパイラル塗布)。
【0025】
制御部10は、メニスカス検出部15の検出結果に応じて、ダイヤフラムバルブ22の開閉時にサックバックバルブ23を切替制御する。また制御部10はメニスカス検出部15の検出結果に応じて、ポンプ8を動作させることにより材料を押しまたは引き、メニスカス状態を調整する。
【0026】
以下、塗布装置1が行う成膜処理(塗布方法)について図6乃至図13を参照して説明する。塗布装置1の制御部10は各種プログラムや各種情報(塗布条件情報など)に基づいて成膜処理を実行する。
【0027】
図6に示すように、まず原点復帰などの初期動作が行われる(ST1)。このとき、図2及び図5に示すように、供給弁11は閉状態にセットされ、吐出弁12は排出状態にセットされている。
【0028】
次に、基板であるウエハWがロボットハンドリングなどの搬送機構によりステージ2上に搬入される(ST2)。ウエハWはステージ2上に吸着機構により固定される。
【0029】
この状態で吐出弁12を開放する(ST3)。すなわち、図7に示すようにダイヤフラムバルブ22の流路を廃液側から吐出側に切り替えて吐出状態にセットする。このとき、図8に示すように、排出側弁部22Aの弁体27は下降させて弁室25を閉じ、第2の弁部22Bにおいて弁体28を上昇させて弁室26を開くとともに、サックバックバルブ23の弁体32を流路に対して進入する方向に下降動作させる。
【0030】
ダイヤフラムバルブ開閉時には弁体を移動して流路を開く動作に伴い流路内の体積が増加する。ノズル4のメニスカスの状態が変化することになるが、吐出開始時にダイヤフラムバルブ22の開き動作と同時にサックバックバルブ23の弁体32を下降させて体積を減少させることで体積変化を相殺させることができる。
【0031】
さらに制御部10は図9に示すように所定のタイミングでメニスカス検出部15によってメニスカスの時状態として例えばノズル孔4b内の材料の表面の位置や形状を検出する(ST4)。
【0032】
ステップST4におけるメニスカスの検出結果に基づいてメニスカス位置を調整する(ST5)例えばポンプ8を制御して材料を押し引きすることで、ノズル4内の材料の量を調整することにより、メニスカス状態を適正状態に調整する(ST6)。なお図10に示すように、吐出開始時(バルブを開く際)にはサックバック量が多いほどノズル4の先端部において材料の表面位置が下降するようにメニスカス状態が変化する。
【0033】
その後、例えば塗布前に取得された高さプロファイルを用いて、塗布ノズル4とウエハWの塗布面との垂直方向の距離(ギャップ)が設定値となるように補正量が算出され、その補正量だけ塗布ノズル4がZ軸移動機構5aによりZ軸方向に移動する。このようにして、塗布ノズル4とウエハWの塗布面とのギャップが所望のギャップに調整される(ステップS7)。
【0034】
ついで、塗布処理が行われる(ST8)。塗布処理においては、ポンプ8を作動させ、ノズル4から塗布材料を吐出しながら、ステージ22を回転機構3により回転させ、ステージ2上のウエハWが回転している状態で、塗布ノズル4がウエハWの中央である原点位置からZ軸移動機構5aと共にX軸移動機構5bによりX軸方向に、すなわちウエハWの中心から外周に向かって等速で移動する。塗布ノズル4は移動しながら先端4aから材料を連続してウエハWの塗布面に吐出し、その塗布面上に渦巻状に材料を塗布する(スパイラル塗布)。ウエハWの塗布面上に塗布膜Mが形成される。
【0035】
次に、あらかじめ設定された塗布完了直前の所定位置または所定時間に達した時点で、制御部10によりダイヤフラムバルブ22の開閉状態が切り替えられるとともに供給用ポンプ8による供給が停止され、塗布が停止される(ST9)。塗布完了直前の位置または時間は、たとえば材料の粘性や連通管6の条件などに基づいて決定され、塗布完了の数秒程度前あるいは塗布完了位置の1〜2mm手前に設定される。
【0036】
図11に示すように、吐出終了時には、ポンプ8を停止させるとともに、供給弁11及び吐出弁12を閉じる。すなわち、図11に示すようにダイヤフラムバルブ22の流路を吐出側から廃液側に切り替える。これにより材料が共通流路6c及び排出流路6eを通って廃液ポッド9に排出される。
【0037】
このとき、図13に示すように吐出側弁部22Bにおいて弁体28を下降させて弁室26を閉じるとともに、サックバックバルブ23の弁体32を流路に対して退避する方向に上昇動作させる。ダイヤフラムバルブ開閉時には弁体を移動して流路を開く動作に伴い流路内の体積が減少しノズル4のメニスカスの状態が変化することになるが、吐出終了時にダイヤフラムバルブ22の閉じ動作と同時にサックバックバルブ23の弁体32を上昇させて体積を減少させることで体積変化を相殺させることができる。
【0038】
図12に示すようにバルブ21,22を閉じて吐出を終了する際にはサックバック量が多いほどノズル4の先端4aにおいて材料の表面位置が上昇するようにメニスカス状態が変化する。以上の動作によりメニスカス位置を適正位置に調整しながら吐出終了することで連通管6の塗布材料の残圧がすばやく減少するとともに流量の変動が相殺されるので、所望の塗布膜Mのエッジを形成することが可能となる。
【0039】
その後、塗布ノズル4をZ軸移動機構5aにより上昇させる(ST10)。そして、ウエハW上の塗布膜Mが観察装置により観察、すなわち検査し(ST11)、塗布膜Mに抜けが発生したか否か、塗布膜Mの異物の有無、膜厚異常の有無、塗布膜Mのエッジ部Meの形状等が監視され、必要な場合には部分塗布を行うリペア処理が成され、処理が終了する。
【0040】
本発明によれば、ダイヤフラムバルブ21,22の切り替えと同時にサックバックバルブ23を動作させてダイヤフラムバルブ21,22の切り替えに伴う体積変化を調整して適性メニスカスを維持して吐出量を調整することが可能となる。このため、塗布処理開始時及び終了時の材料の供給量を高精度に調整することができる。また、制御部10はサックバックバルブ23のサックバック量をメニスカス状態の検出結果に基づいて調整するため常に適正なメニスカスに設定できる。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。上記実施形態においては先端4aに対向配置されたレーザ変位計41を用いて先端4aのメニスカス状態を検出するメニスカス検出部15を例示したが、これに限られるものではない。例えば図14に示すように、ノズル4を透明なガラスやプラスチック材で構成して内部を透過して観察可能に構成するとともに、ノズル4の側方からノズル4を撮像するCCDカメラなどの撮像部44を備えるメニスカス検出部15を用いることも可能である。この場合取得した画像からメニスカス状態を検出することができる。
【0042】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0043】
W…ウエハ、M…塗布膜、1…塗布装置、2…ステージ、2a…載置面、3…回転機構、4…塗布ノズル、4a…先端、4b…ノズル孔、5…移動機構、5a…Z軸移動機構、5b…X軸移動機構、5c…距離測定部、6…連通管、6a…供給路、6b…排出路、6c…供給流路、6d…共通流路、6e…排出流路、6f…ポンプ流路、7…供給タンク(貯留部)、8…供給ポンプ、9…廃液ポッド(排出部)、10…制御部、11…供給弁、12…吐出弁、15…メニスカス検出部、21…供給ダイヤフラムバルブ、22…吐出ダイヤフラムバルブ、22A…排出側弁部、22B…吐出側弁部、23…サックバックバルブ(サックバック部)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置及び塗布方法に関し、例えば、塗布対象物上に材料を塗布して塗布膜を形成する塗布装置及び塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体などの分野において基板に円形状の膜を形成する方法としてスパイラル塗布方法がある。このスパイラル塗布方法は、円形状の回転ステージ上に円盤状の基板を固定し、塗布ノズルの吐出面と基板表面の距離(ギャップ)を所定の値に保ち、その回転ステージを回転させ、流量を制御可能な定量ポンプで塗布ノズルから材料を吐出させながら、その塗布ノズルを基板中央から基板外周に向かって直線状に移動させ、らせん状(渦巻き状)の塗布軌跡を描くことで基板全面に膜形成を行う方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなスパイラル塗布による塗布装置及び塗布方法では、材料の供給状態を正確に調整して高精度に膜厚形状を制御することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−279932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の実施形態は、材料の供給状態を正確に調整して高精度に膜圧形状を制御することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の塗布装置は、塗布対象物に材料を吐出して塗布するノズルと、前記ノズルに供給される材料を貯留する貯留部と、前記貯留部と前記ノズルとを連通する流路と、前記流路の開閉状態を切り替える吐出用ダイヤフラムバルブと、前記流路に接続され前記流路における材料の流量を調整するとともに、そのサックバック量が調節可能なサックバック部と、を有する吐出弁と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態にかかる塗布装置の構成を示す概略説明図。
【図2】同塗布装置の一部を示す概略説明図。
【図3】同塗布装置の吐出弁の構成を示す平面図。
【図4】図3のA−A’断面を示す説明図。
【図5】図3のB−B’断面を示す説明図。
【図6】同実施形態にかかる塗布方法を示すフローチャート。
【図7】同塗布方法の塗布開始時の状態を示す概略説明図。
【図8】同塗布方法の塗布開始時の状態を示す概略説明図。
【図9】同塗布方法のメニスカス調整を示す説明図。
【図10】同塗布方法の塗布開始時のサックバック量とメニスカスの関係を示す説明図。
【図11】同塗布方法の塗布終了時の状態を示す概略説明図。
【図12】同塗布方法の塗布終了時のサックバック量とメニスカスの関係を示す説明図。
【図13】同塗布方法の塗布終了時の状態を示す概略説明図。
【図14】他の一実施形態にかかる塗布装置の構成を示す概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、第1実施形態かかる塗布装置1及び塗布方法について、図1乃至13を参照して説明する。各図中矢印X,Y,Zはそれぞれ互いに直交する3方向を示す。また、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
【0009】
図1に示す塗布装置1は、塗布対象物としてのウエハWが載置されるステージ2と、そのステージ2を水平面内で回転させる回転機構3と、ステージ2上のウエハWに先端から材料を吐出して塗布する塗布ノズル4と、その塗布ノズル4とステージ2とを水平面方向に相対移動させる移動機構5と、チューブやパイプなどで構成され内部に材料の流路6a〜6fを形成する連通管6と、塗布材料を貯留するタンク7(貯留部)と、タンク7とノズル4の間の連通管6に接続されるポンプ8(送液部)と、連通管6の排液側に接続された廃液ポッド9(排出部)と、連通管6の開閉状態を切り替える供給弁11及び吐出弁12と、ノズル4のメニスカスの位置を検出するメニスカス検出部15と、各部を制御する制御部10と、を備えている。さらに、ウエハW上の塗布膜Mの膜面を観察する観察装置なども設けられている。
【0010】
ステージ2は、例えば円形状に形成されており、回転機構3により水平面内で回転可能に構成されている。このステージ2は、載置されたウエハWを吸着する吸着機構を備えており、その吸着機構によりステージ2の載置面2a上にウエハWを固定して保持する。この吸着機構としては、例えばエアー吸着機構などが用いられる。
【0011】
回転機構3は、ステージ2を水平面内で回転可能に支持しており、ステージ中心を回転中心としてステージ2をモータなどの駆動源により水平面内で回転させる機構である。これにより、ステージ2上に載置されたウエハWは水平面内で回転することになる。
【0012】
塗布ノズル4は、塗布膜Mとなる材料を吐出するノズルであり先端4aにノズル孔4bを有している。この塗布ノズル4は、圧力によりその先端のノズル孔4bから材料を連続的に吐出し、その材料をステージ2上のウエハWに塗布する。
【0013】
連通管6はたとえばチューブやパイプから構成され、塗布ノズル4と、供給タンク7と、供給ポンプ8と、廃液ポッド9とを連通している。連通管6は供給タンク7から塗布ノズル4に至る供給路6aと、塗布ノズル4から廃液ポッド9に至る排出路6bを構成している。具体的には、供給タンク7から吐出弁12に至る供給流路6cと、吐出弁12からノズル4に至る共通流路6dと、吐出弁12から廃液ポッド9に至る排出流路6eと、を備えている。共通流路6d及び供給流路6cは供給路6aを構成し、共通流路6d及び排出流路6eは排出路6bを構成する。さらに供給流路6cの途中に設けられた供給弁11から供給ポンプ8に至るポンプ流路6fを備えて構成されている。
【0014】
図1及び図2に示すように、供給弁11はダイヤフラム式の3方弁である供給ダイヤフラムバルブ21を備えて構成されている。供給弁11は三方弁であり、タンク側の第1ポート11aと、ポンプ側の第2ポート11bと、ノズル側の第3ポートと11cと、を備える。制御部10によりこれらのポートの開閉状態を切り替えることにより材料の供給状態を切り替える。
【0015】
図3乃至図5に示すように、吐出弁12はダイヤフラム式の3方弁である吐出ダイヤフラムバルブ22と、サックバックバルブ23とを備えて構成されている。吐出ダイヤフラムバルブ22は排出側(廃液ポッド9側)の流路を開閉する排出側弁部22Aと、吐出側(ノズル4側)の流路を開閉する吐出側弁部22Bと、を有している。吐出弁12は、タンク側のインポート12aと、廃液ポッド9側の廃液側アウトポート12b(第2のアウトポート)と、ノズル側の吐出側アウトポート12c(第1のアウトポート)と、を備える三方弁である。ダイヤフラムバルブ22のノズル側の流路にサックバック部としてのサックバックバルブ23が接続されている。
【0016】
吐出ダイヤフラムバルブ22は排出側及び吐出側の2つの弁室25、26と、弁室25、26に対してそれぞれ進退移動する弁体27,28と、を有し、制御部10の制御により弁体27,28を進退動させることにより、開閉状態を切替え、流路がタンク7からノズル4に連通する吐出状態と、タンク7から廃液ポッド9に連通する排出状態とが、切り替え可能になっている。この開閉に伴い流路の体積(容積)が変化する。
【0017】
サックバックバルブ23は流路に通じる弁室31と、弁室31に対して進退移動する弁体32と、を有し、制御部10の制御により弁体32を進退動させることによりサックバック状態が切り替え可能である。このサックバック状態の切替に応じて流路の体積が可変になっている。さらに弁体32にはサックバック量を調整可能とする調整ねじ33が設けられ調整ねじ33の調整に応じてサックバック量が調整可能になっている。
【0018】
ダイヤフラムバルブ22とサックバックバルブ23の弁体27、28,32にはそれぞれエア供給管34a,34b,34cと、エア供給状態調整用のレギュレータ35a,35b,35cと、エア供給状態切り替え用の操作バルブ36a,36b,36c、流速調整用のスピードコントローラ37a,37b,37cが設けられている。レギュレータ35a,35b,35c、操作バルブ36a,36b,36c、及びスピードコントローラ37a,37b,37cは制御部10に接続され、制御部10の制御に応じて動作する。
【0019】
図1に示す移動機構5は、塗布ノズル4を支持してZ軸方向に移動させるZ軸移動機構5aと、そのZ軸移動機構5aを介して塗布ノズル4を支持しX軸方向に移動させるX軸移動機構5bとを備えている。この移動機構5は塗布ノズル4をステージ2の上方に位置付け、その塗布ノズル4をステージ2に対して相対移動させる。Z軸移動機構5a及びX軸移動機構5bとしては、例えば、リニアモータを駆動源とするリニアモータ移動機構やモータを駆動源とする送りネジ移動機構などが用いられる。
【0020】
Z軸移動機構5aには、例えば反射型レーザセンサなどの距離測定部5cが設けられている。距離測定部5cは、Z軸移動機構5aと共にX軸移動機構5bによりX軸方向に移動し、ステージ2上のウエハWとの離間距離を測定する。これにより、ウエハWの塗布面の表面粗さ、すなわち、その塗布面の高さプロファイルを取得することが可能である。
【0021】
この塗布装置1でスパイラル塗布を行う際、塗布ノズル4はX軸方向、すなわちウエハWの中心から外周に向かって移動しながら、回転しているステージ2上のウエハWに向けて材料を吐出し、その材料をウエハWの表面上に渦巻状に塗布する。
【0022】
メニスカス検出部15は、ノズル4の先端4aに対向配置されたレーザ変位計センサ部41、コントローラ部42、及びモニタ43を備えて構成されている。レーザ変位計41はノズル4内の材料の表面のメニスカスの状態を検出し、制御部10に検出結果を送信する。なおレーザ変位計41のレーザの波長は材料等の条件によって設定されるが例えば感光材料に対しては光源の波長は650nm以上とする。コントローラ部42は、センサ部の計測条件を設定する。モニタ43には検出結果としてのメニスカスの状態が映し出される。
【0023】
制御部10は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータと、各種プログラムや各種情報などを記憶する記憶部とを備えている。記憶部としては、メモリやハードディスクドライブ(HDD)などが用いられる。
【0024】
制御部10は、各種プログラムや各種情報(塗布条件情報など)に基づいて、回転機構3、移動機構5、ポンプ8、各種弁11,12を制御し、ウエハWが載置されたステージ2を回転させ、バルブ21〜23の動作を切り替えて塗布ノズル4の先端4aから材料を吐出させながら、その塗布ノズル4を基板中央(あるいは基板外周)から基板外周(あるいは基板中央)に向かって直線状に移動させ、渦巻き状の塗布軌跡を描くことで基板全面に膜形成を行う(スパイラル塗布)。
【0025】
制御部10は、メニスカス検出部15の検出結果に応じて、ダイヤフラムバルブ22の開閉時にサックバックバルブ23を切替制御する。また制御部10はメニスカス検出部15の検出結果に応じて、ポンプ8を動作させることにより材料を押しまたは引き、メニスカス状態を調整する。
【0026】
以下、塗布装置1が行う成膜処理(塗布方法)について図6乃至図13を参照して説明する。塗布装置1の制御部10は各種プログラムや各種情報(塗布条件情報など)に基づいて成膜処理を実行する。
【0027】
図6に示すように、まず原点復帰などの初期動作が行われる(ST1)。このとき、図2及び図5に示すように、供給弁11は閉状態にセットされ、吐出弁12は排出状態にセットされている。
【0028】
次に、基板であるウエハWがロボットハンドリングなどの搬送機構によりステージ2上に搬入される(ST2)。ウエハWはステージ2上に吸着機構により固定される。
【0029】
この状態で吐出弁12を開放する(ST3)。すなわち、図7に示すようにダイヤフラムバルブ22の流路を廃液側から吐出側に切り替えて吐出状態にセットする。このとき、図8に示すように、排出側弁部22Aの弁体27は下降させて弁室25を閉じ、第2の弁部22Bにおいて弁体28を上昇させて弁室26を開くとともに、サックバックバルブ23の弁体32を流路に対して進入する方向に下降動作させる。
【0030】
ダイヤフラムバルブ開閉時には弁体を移動して流路を開く動作に伴い流路内の体積が増加する。ノズル4のメニスカスの状態が変化することになるが、吐出開始時にダイヤフラムバルブ22の開き動作と同時にサックバックバルブ23の弁体32を下降させて体積を減少させることで体積変化を相殺させることができる。
【0031】
さらに制御部10は図9に示すように所定のタイミングでメニスカス検出部15によってメニスカスの時状態として例えばノズル孔4b内の材料の表面の位置や形状を検出する(ST4)。
【0032】
ステップST4におけるメニスカスの検出結果に基づいてメニスカス位置を調整する(ST5)例えばポンプ8を制御して材料を押し引きすることで、ノズル4内の材料の量を調整することにより、メニスカス状態を適正状態に調整する(ST6)。なお図10に示すように、吐出開始時(バルブを開く際)にはサックバック量が多いほどノズル4の先端部において材料の表面位置が下降するようにメニスカス状態が変化する。
【0033】
その後、例えば塗布前に取得された高さプロファイルを用いて、塗布ノズル4とウエハWの塗布面との垂直方向の距離(ギャップ)が設定値となるように補正量が算出され、その補正量だけ塗布ノズル4がZ軸移動機構5aによりZ軸方向に移動する。このようにして、塗布ノズル4とウエハWの塗布面とのギャップが所望のギャップに調整される(ステップS7)。
【0034】
ついで、塗布処理が行われる(ST8)。塗布処理においては、ポンプ8を作動させ、ノズル4から塗布材料を吐出しながら、ステージ22を回転機構3により回転させ、ステージ2上のウエハWが回転している状態で、塗布ノズル4がウエハWの中央である原点位置からZ軸移動機構5aと共にX軸移動機構5bによりX軸方向に、すなわちウエハWの中心から外周に向かって等速で移動する。塗布ノズル4は移動しながら先端4aから材料を連続してウエハWの塗布面に吐出し、その塗布面上に渦巻状に材料を塗布する(スパイラル塗布)。ウエハWの塗布面上に塗布膜Mが形成される。
【0035】
次に、あらかじめ設定された塗布完了直前の所定位置または所定時間に達した時点で、制御部10によりダイヤフラムバルブ22の開閉状態が切り替えられるとともに供給用ポンプ8による供給が停止され、塗布が停止される(ST9)。塗布完了直前の位置または時間は、たとえば材料の粘性や連通管6の条件などに基づいて決定され、塗布完了の数秒程度前あるいは塗布完了位置の1〜2mm手前に設定される。
【0036】
図11に示すように、吐出終了時には、ポンプ8を停止させるとともに、供給弁11及び吐出弁12を閉じる。すなわち、図11に示すようにダイヤフラムバルブ22の流路を吐出側から廃液側に切り替える。これにより材料が共通流路6c及び排出流路6eを通って廃液ポッド9に排出される。
【0037】
このとき、図13に示すように吐出側弁部22Bにおいて弁体28を下降させて弁室26を閉じるとともに、サックバックバルブ23の弁体32を流路に対して退避する方向に上昇動作させる。ダイヤフラムバルブ開閉時には弁体を移動して流路を開く動作に伴い流路内の体積が減少しノズル4のメニスカスの状態が変化することになるが、吐出終了時にダイヤフラムバルブ22の閉じ動作と同時にサックバックバルブ23の弁体32を上昇させて体積を減少させることで体積変化を相殺させることができる。
【0038】
図12に示すようにバルブ21,22を閉じて吐出を終了する際にはサックバック量が多いほどノズル4の先端4aにおいて材料の表面位置が上昇するようにメニスカス状態が変化する。以上の動作によりメニスカス位置を適正位置に調整しながら吐出終了することで連通管6の塗布材料の残圧がすばやく減少するとともに流量の変動が相殺されるので、所望の塗布膜Mのエッジを形成することが可能となる。
【0039】
その後、塗布ノズル4をZ軸移動機構5aにより上昇させる(ST10)。そして、ウエハW上の塗布膜Mが観察装置により観察、すなわち検査し(ST11)、塗布膜Mに抜けが発生したか否か、塗布膜Mの異物の有無、膜厚異常の有無、塗布膜Mのエッジ部Meの形状等が監視され、必要な場合には部分塗布を行うリペア処理が成され、処理が終了する。
【0040】
本発明によれば、ダイヤフラムバルブ21,22の切り替えと同時にサックバックバルブ23を動作させてダイヤフラムバルブ21,22の切り替えに伴う体積変化を調整して適性メニスカスを維持して吐出量を調整することが可能となる。このため、塗布処理開始時及び終了時の材料の供給量を高精度に調整することができる。また、制御部10はサックバックバルブ23のサックバック量をメニスカス状態の検出結果に基づいて調整するため常に適正なメニスカスに設定できる。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。上記実施形態においては先端4aに対向配置されたレーザ変位計41を用いて先端4aのメニスカス状態を検出するメニスカス検出部15を例示したが、これに限られるものではない。例えば図14に示すように、ノズル4を透明なガラスやプラスチック材で構成して内部を透過して観察可能に構成するとともに、ノズル4の側方からノズル4を撮像するCCDカメラなどの撮像部44を備えるメニスカス検出部15を用いることも可能である。この場合取得した画像からメニスカス状態を検出することができる。
【0042】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0043】
W…ウエハ、M…塗布膜、1…塗布装置、2…ステージ、2a…載置面、3…回転機構、4…塗布ノズル、4a…先端、4b…ノズル孔、5…移動機構、5a…Z軸移動機構、5b…X軸移動機構、5c…距離測定部、6…連通管、6a…供給路、6b…排出路、6c…供給流路、6d…共通流路、6e…排出流路、6f…ポンプ流路、7…供給タンク(貯留部)、8…供給ポンプ、9…廃液ポッド(排出部)、10…制御部、11…供給弁、12…吐出弁、15…メニスカス検出部、21…供給ダイヤフラムバルブ、22…吐出ダイヤフラムバルブ、22A…排出側弁部、22B…吐出側弁部、23…サックバックバルブ(サックバック部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布対象物に材料を吐出して塗布するノズルと、
前記ノズルに供給される材料を貯留する貯留部と、
前記貯留部と前記ノズルとを連通する流路と、
前記流路の開閉状態を切り替える吐出用ダイヤフラムバルブと、前記流路に接続され前記流路における材料の流量を調整するとともに、そのサックバック量が調節可能なサックバック部と、を有する吐出弁と、を備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記吐出用ダイヤフラムバルブは、前記タンクに連通するインポートと、前記ノズルに連通する第1のアウトポートと、材料を排出する排出部に連通する第2のアウトポートと、を有する三方式であり、
前記サックバック部は、前記流路に接続されたサックバックバルブであり、
前記吐出用ダイヤフラムバルブの切替制御を行う際にサックバックバルブの動作を制御することにより前記流路における材料の流量を調整する制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項3】
前記吐出弁と前記貯留部との間の流路に接続され、前記材料を前記ノズルに送り出す供給ポンプと、
前記吐出弁と前記貯留部との間の流路の開閉状態を切り替える供給弁と、
前記塗布ノズルのメニスカスの状態を検出するメニスカス検出部と、を備え、
前記制御部は、前記メニスカスの状態に基づいて前記供給ポンプを作動させて前記塗布ノズルのメニスカスの状態を調整することを特徴とする請求項2記載の塗布装置。
【請求項4】
塗布対象物が載置される載置面を有するステージと、
前記ステージを回転させる回転機構と、
前記ステージと前記塗布ノズルとを前記回転の方向に交わる交差方向に相対移動させる移動機構と、を備え
前記制御部は、前記塗布対象物が載置された前記ステージを前記回転機構により回転させながら、前記移動機構により前記ステージと前記塗布ノズルとを前記載置面に沿って相対移動させ、前記塗布ノズルにより前記ステージ上の塗布対象物に前記材料を塗布する制御を行うとともに、前記吐出弁を制御して前記材料の流れを制御することを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項5】
塗布対象物が載置されたステージと対向配置された塗布ノズルとを相対的に移動させ、
前記塗布ノズルに連通する流路の開閉状態を切り替える吐出用ダイヤフラムバルブの動作を制御して前記塗布ノズルに前記ステージ上の塗布対象物に前記材料を吐出させるとともに、前記流路に接続され前記流路における材料の流量を調整するサックバック部の動作を制御して前記塗布ノズルのメニスカスを調整することを特徴とする塗布方法。
【請求項1】
塗布対象物に材料を吐出して塗布するノズルと、
前記ノズルに供給される材料を貯留する貯留部と、
前記貯留部と前記ノズルとを連通する流路と、
前記流路の開閉状態を切り替える吐出用ダイヤフラムバルブと、前記流路に接続され前記流路における材料の流量を調整するとともに、そのサックバック量が調節可能なサックバック部と、を有する吐出弁と、を備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記吐出用ダイヤフラムバルブは、前記タンクに連通するインポートと、前記ノズルに連通する第1のアウトポートと、材料を排出する排出部に連通する第2のアウトポートと、を有する三方式であり、
前記サックバック部は、前記流路に接続されたサックバックバルブであり、
前記吐出用ダイヤフラムバルブの切替制御を行う際にサックバックバルブの動作を制御することにより前記流路における材料の流量を調整する制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項3】
前記吐出弁と前記貯留部との間の流路に接続され、前記材料を前記ノズルに送り出す供給ポンプと、
前記吐出弁と前記貯留部との間の流路の開閉状態を切り替える供給弁と、
前記塗布ノズルのメニスカスの状態を検出するメニスカス検出部と、を備え、
前記制御部は、前記メニスカスの状態に基づいて前記供給ポンプを作動させて前記塗布ノズルのメニスカスの状態を調整することを特徴とする請求項2記載の塗布装置。
【請求項4】
塗布対象物が載置される載置面を有するステージと、
前記ステージを回転させる回転機構と、
前記ステージと前記塗布ノズルとを前記回転の方向に交わる交差方向に相対移動させる移動機構と、を備え
前記制御部は、前記塗布対象物が載置された前記ステージを前記回転機構により回転させながら、前記移動機構により前記ステージと前記塗布ノズルとを前記載置面に沿って相対移動させ、前記塗布ノズルにより前記ステージ上の塗布対象物に前記材料を塗布する制御を行うとともに、前記吐出弁を制御して前記材料の流れを制御することを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項5】
塗布対象物が載置されたステージと対向配置された塗布ノズルとを相対的に移動させ、
前記塗布ノズルに連通する流路の開閉状態を切り替える吐出用ダイヤフラムバルブの動作を制御して前記塗布ノズルに前記ステージ上の塗布対象物に前記材料を吐出させるとともに、前記流路に接続され前記流路における材料の流量を調整するサックバック部の動作を制御して前記塗布ノズルのメニスカスを調整することを特徴とする塗布方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−71026(P2013−71026A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209713(P2011−209713)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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