説明

塗布装置

【課題】接続される配管からの外力による塗布ずれを防止する塗布装置を提供する。
【解決手段】ノズルは、その先端部から塗布液を吐出する。ステージは、基板をその上面に載置する。ノズル移動機構は、ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向にノズルを往復移動させる。第1ガイド部材は、ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に延設される。スライド支持部材は、ノズルを支持し、第1ガイド部材に沿って横断する方向に移動可能である。駆動機構は、スライド支持部材を第1ガイド部材に沿って往復移動させる。可撓性の配管または配線は、スライド支持部材の往復移動方向に沿って張設され、スライド支持部材の往復移動に伴って当該スライド支持部材と共に当該往復移動方向に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置に関し、より特定的には、基板にノズルから有機EL材料等の塗布液を吐出して塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板等の被処理体に塗布液を塗布する塗布装置が各種開発されている。例えば、有機EL(Electro Luminescence)表示装置を製造する装置では、ステージ上に載置されたガラス基板等の基板の主面に所定のパターン形状で正孔輸送材料や有機EL材料をノズル塗布する塗布装置が用いられる。この塗布装置では、ノズルから塗布液(有機EL材料や正孔輸送材料)が所定の圧力で吐出される。具体的には、塗布装置に備えられたタンク等の供給源に塗布液が貯留され、供給源から供給される塗布液をポンプで増圧し、配管内に設けられたフィルタで異物を除去した後、ノズルから吐出される。例えば、ノズルから塗布液を吐出しつつ、連続して一筆書きのようにウェハに塗布液を塗布する塗布装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1で開示された塗布装置では、ステージ上面に基板を載置する。そして、当該塗布装置は、上記基板上の空間において塗布液を吐出する複数のノズルを上記ステージ面を横断する方向に往復移動させることによって、基板に塗布液を塗布する。具体的には、当該塗布装置は、ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向にガイド部材が延設されており、上記ノズルを支持するスライド支持部材が当該ガイド部材に沿ってスライド移動する。
【0004】
ここで、上記特許文献1で開示された塗布装置では、基板上でのノズルの高速移動を可能にするために、例えば、スライド支持部材とガイド部材との間に静圧軸受(例えば、空気静圧軸受)が構成される。したがって、スライド支持部材には、外部からエアーを供給することが必要となる。また、スライド支持部材が支持している複数のノズルに対して、それぞれ塗布液を供給することも必要となる。
【0005】
図16Aは、上記塗布装置においてエアーおよび塗布液を供給する構造例を示す概略側面図である。図16Bは、上記塗布装置においてエアーおよび塗布液を供給する構造例を示す概略正面図である。図16Aおよび図16Bに示すように、上記塗布装置は、ガイド部材101、スライド支持部材102、ノズルホルダ103、複数のノズル104、ウェイト105、塗布液配管106、およびエアー配管107を備えている。
【0006】
ノズル104は、例えば16本で構成され(図16においては、その代表として3本のノズル104が図示されている)、それぞれノズルホルダ103を介してスライド支持部材102に支持される。そして、各ノズル104には、16本の塗布液配管106を介して塗布液が供給される。塗布液は、ポンプ(図示せず)で増圧されて塗布装置の外面に設けられた塗布液供給口(図示G点)へ供給されており、塗布液配管106が当該塗布液供給口とノズルホルダ103との間に渡設される。なお、塗布液配管106は、スライド支持部材102がガイド部材101の両端に配置されたとき(図16Bの状態)であっても、塗布液供給口とノズルホルダ103との間の距離以上となる長さになるように調整される。
【0007】
また、スライド支持部材102は、ステージ(図示せず)上に架設されたガイド部材101に沿ってスライド移動可能に構成されており、スライド支持部材102とガイド部材101との間に空気静圧軸受が構成される。そして、当該空気静圧軸受に用いられるエアーが、エアー配管107を介して供給される。上記エアーは、ポンプ(図示せず)で増圧されて塗布装置の外面に設けられたエアー供給口(図示G点)へ供給されており、エアー配管107が当該エアー供給口とスライド支持部材102との間に渡設される。なお、エアー配管107も、スライド支持部材102がガイド部材101の両端に配置されたときであっても、エアー供給口とスライド支持部材102との間の距離以上となる長さになるように調整される。また、スライド支持部材102には、一方側に付設されたノズルホルダ103およびノズル104との重量バランスをとるために、他方側にウェイト105が付設されている。
【特許文献1】特開2007−144312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1で開示された塗布装置では、塗布液配管106および/またはエアー配管107から受ける外力がスライド支持部材102に作用して、スライド支持部材102の駆動に影響を与えることがある。例えば、図17Aおよび図17Bに示すように、スライド支持部材102がガイド部材101の中央付近に配置された場合、ガイド部材101の両端と比較するとスライド支持部材102が図示G点に接近するため、塗布液配管106および/またはエアー配管107に余剰が生じる。そして、塗布液配管106および/またはエアー配管107にたわみや振動等が生じて、それらの復元力や振動等がスライド支持部材102に加わる。一方、スライド支持部材102とガイド部材101との間には、上記空気静圧軸受を構成するためのエアーギャップが形成されている。したがって、スライド支持部材102は、塗布液配管106および/またはエアー配管107から受ける力によって、上記エアーギャップが一方に片寄る方向にずれることがある。このスライド支持部材102の位置ずれによって、スライド支持部材102に支持されているノズル104の位置もずれるため、ノズル104から吐出する塗布液の塗布位置もずれてしまう。このように、上記塗布装置では、塗布液配管106および/またはエアー配管107の挙動を原因とする塗布液の塗布ずれが問題となることがある。
【0009】
それ故に、本発明の目的は、接続される配管からの外力による塗布ずれを防止する塗布装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、基板上に塗布液を塗布する塗布装置である。塗布装置は、ノズル、ステージ、およびノズル移動機構を備える。ノズルは、その先端部から塗布液を吐出する。ステージは、基板をその上面に載置する。ノズル移動機構は、ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向にノズルを往復移動させる。ノズル移動機構は、第1ガイド部材と、スライド支持部材と、駆動機構と、可撓性の配管または配線とを含む。第1ガイド部材は、ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に延設される。スライド支持部材は、ノズルを支持し、第1ガイド部材に沿って横断する方向に移動可能である。駆動機構は、スライド支持部材を第1ガイド部材に沿って往復移動させる。可撓性の配管または配線は、スライド支持部材の往復移動方向に沿って張設され、スライド支持部材の往復移動に伴って当該スライド支持部材と共に当該往復移動方向に移動する。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、配管または配線は、ノズルへ塗布液を供給する塗布液配管を少なくとも含む。
【0012】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、スライド支持部材と第1ガイド部材との間には、静圧軸受が構成される。配管または配線は、静圧軸受で用いられる気体をスライド支持部材に供給する気体配管を少なくとも含む。
【0013】
第4の発明は、上記第1または第2の発明において、スライド支持部材と第1ガイド部材との間には、磁気軸受が構成される。配管または配線は、磁気軸受で用いられる電力をスライド支持部材に供給する配線を少なくとも含む。
【0014】
第5の発明は、上記第1または第2の発明において、ノズル移動機構は、第2ガイド部材、スライド部材、および駆動ベルトとを含む。第2ガイド部材は、ステージ上の空間において、第1ガイド部材と平行に当該ステージ面を横断する方向に延設される。スライド部材は、第2ガイド部材との間に静圧軸受を構成し、第2ガイド部材に沿って移動可能である。駆動ベルトは、一対のプーリに掛け渡されて対称となる位置にスライド支持部材およびスライド部材をそれぞれ連結し、所定の駆動源からの駆動力を伝動することによって、スライド支持部材を第1ガイド部材に沿って往復移動させ、スライド支持部材が移動する方向とは相反する方向にスライド部材を第2ガイド部材に沿って往復移動させる。駆動機構は、プーリを回転させることによって駆動ベルトを駆動させる。
【0015】
第6の発明は、上記第5の発明において、ノズル移動機構は、定滑車を、さらに含む。定滑車は、第1ガイド部材および第2ガイド部材が延設されている空間の外側に設けられ、所定の回転軸を中心に回転自在である。配管または配線は、定滑車を介してスライド支持部材とスライド部材との間に張設される。
【0016】
第7の発明は、上記第6の発明において、スライド支持部材と第1ガイド部材との間には、静圧軸受が構成される。配管または配線は、塗布装置の塗布液および気体供給口からスライド部材まで渡設された後、定滑車を介してスライド支持部材まで張設される。塗布液および気体供給口からスライド部材まで渡設される配管または配線は、ノズルへ塗布液を供給する塗布液配管と、スライド支持部材の静圧軸受で用いられる気体を供給する気体配管と、スライド部材の静圧軸受で用いられる気体を供給する気体配管とを含む。スライド支持部材とスライド部材との間に張設される配管または配線は、塗布液配管と、スライド支持部材の静圧軸受で用いられる気体を供給する気体配管とを含む。
【0017】
第8の発明は、上記第6の発明において、定滑車は、鉛直方向の回転軸を中心に水平方向に回転自在である。
【0018】
第9の発明は、上記第6の発明において、ノズル移動機構は、一対のガイドローラを、さらに含む。一対のガイドローラは、第1ガイド部材および第2ガイド部材が延設されている空間と定滑車との間に設けられる。配管または配線は、スライド部材から、一方のガイドローラ、定滑車、および他方のガイドローラの順に掛け渡されて、スライド支持部材まで張設される。定滑車は、配管または配線と接触する円周面の直径が、一対のガイドローラの間隔より大きい。
【0019】
第10の発明は、上記第2の発明において、スライド支持部材と第1ガイド部材との間には、静圧軸受が構成される。配管または配線は、塗布液配管と、静圧軸受で用いられる気体をスライド支持部材に供給する気体配管とを、一体的に束ねた配管群で構成される。
【0020】
第11の発明は、上記第1または第2の発明において、ノズル移動機構は、定滑車および張力調整機構を、さらに含む。定滑車は、第1ガイド部材が延設されている空間の外側に設けられ、所定の回転軸を中心に回転自在である。張力調整機構は、定滑車を介して、配管または配線に加わるスライド支持部材の往復移動方向の張力を一定に調整する。配管または配線は、定滑車を介してスライド支持部材から張力調整機構まで張設される。
【0021】
第12の発明は、上記第1または第2の発明において、ノズル移動機構は、動滑車および動滑車移動機構を、さらに含む。動滑車は、第1ガイド部材が延設されている空間の外側に設けられ、所定の回転軸を中心に回転自在である。動滑車移動機構は、スライド支持部材の往復移動方向に対して垂直な方向に動滑車の回転軸を移動させる。配管または配線は、動滑車を介してスライド支持部材の往復移動方向に沿って張設される。動滑車移動機構は、スライド支持部材が往復移動する速度の半分の速度で動滑車の回転軸を移動する。
【発明の効果】
【0022】
上記第1の発明によれば、スライド支持部材が往復移動する際、スライド支持部材に接続される配管または配線がその移動方向に沿って張設された状態を常に保つため、配管または配線のたわみや振動等による影響がスライド支持部材に生じない。つまり、スライド支持部材に支持されるノズルの位置が安定するため、配管または配線の挙動を原因とする塗布液の塗布ずれを防止することができ、高精度な塗布作業が可能となる。
【0023】
上記第2の発明によれば、ノズルに塗布液を供給する塗布液配管の挙動を原因とする塗布液の塗布ずれを防止することができ、高精度な塗布作業が可能となる。例えば、複数のノズルが塗布装置に設けられている場合、それら塗布液配管のたわみや振動等による影響が大きくなって塗布不良が生じやすくなるが、このような塗布不良も防止することができる。
【0024】
上記第3の発明によれば、静圧軸受に空気や窒素ガス等の気体を供給する気体配管の挙動を原因とする塗布液の塗布ずれを防止することができ、高精度な塗布作業が可能となる。
【0025】
上記第4の発明によれば、リニアモータ等の磁気軸受に電力を供給する配線の挙動を原因とする塗布液の塗布ずれを防止することができ、高精度な塗布作業が可能となる。
【0026】
上記第5の発明によれば、スライド支持部材の移動方向と相反する方向に同期して移動するスライド部材を設けることによって、スライド支持部材の移動位置を安定するため、塗布液の塗布ずれを防止することができる。
【0027】
上記第6の発明によれば、スライド支持部材の移動方向と相反する方向に同期して移動するスライド部材を利用して、スライド支持部材に接続される配管または配線を移動方向に沿って容易に一定の張力で張設することができる。
【0028】
上記第7の発明によれば、ノズルへ塗布液を供給する塗布液配管、スライド支持部材の静圧軸受に気体を供給する気体配管、およびスライド部材の静圧軸受に気体を供給する気体配管に挙動を原因とする塗布液の塗布ずれを防止することができ、高精度な塗布作業が可能となる。
【0029】
上記第8の発明によれば、配管内を伝搬される塗布液や気体等の内部搬送物質の状態を安定させることができる。
【0030】
上記第9の発明によれば、スライド部材とスライド支持部材との間に張設される際の配管の曲率半径を大きくすることができ、配管が滑車と接面する際に曲がることによる塗布液や気体等の内部搬送物質への影響を軽減することができる。
【0031】
上記第10の発明によれば、塗布液配管の変形が抑制されるため、均一な塗布液塗布が可能になる。
【0032】
上記第11の発明によれば、一般的なエアシリンダー、油圧シリンダー、バネ等に代表される張力調整機構を用いて、スライド支持部材に接続される配管または配線を移動方向に沿って容易に張設することができる。
【0033】
上記第12の発明によれば、動滑車をスライド支持部材の移動速度の1/2で移動させることによって、配管または配線に加わるスライド支持部材の往復移動方向の張力を一定に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る塗布装置について説明する。説明を具体的にするために、当該塗布装置が有機EL材料や正孔輸送材料等を塗布液として用いる有機EL表示装置を製造する塗布装置に適用された例を用いて、以下の説明を行う。当該塗布装置は、ステージ上に載置されたガラス基板上に有機EL材料や正孔輸送材料等を所定のパターン形状に塗布して有機EL表示装置を製造するものである。図1は、塗布装置1の要部概略構成を示す平面図および正面図である。なお、塗布装置1は、上述したように有機EL材料や正孔輸送材料等の複数の塗布液を用いるが、それらの代表として有機EL材料を塗布液として説明を行う。
【0035】
図1において、塗布装置1は、大略的に、基板載置装置2および有機EL塗布機構5を備えている。有機EL塗布機構5は、ノズル移動機構部51と、ノズルユニット50と、液受部53Lおよび53Rとを有している。ノズルユニット50は、赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料を吐出する複数のノズル52を並設した状態で保持する。例えば、ノズルユニット50は、16本のノズル52で構成され、図1では3本のノズル52a、52b、および52cがその代表として示されている。各ノズル52a〜52cへは、それぞれ供給部(図2参照)から赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料が供給される。このように、複数のノズル52から同じ色の有機EL材料が吐出されるが、説明を具体的にするために赤色の有機EL材料が3本のノズル52a〜52cから吐出される例を用いる。なお、ノズル52a〜52cはそれぞれ同一の構造であるため、総称して説明する場合は参照符号「52」を付して説明を行う。
【0036】
ノズル移動機構部51は、その両端にプーリカバー514Lおよび514Rを有しており、当該プーリカバー514Lおよび514Rの間に1つの凹状ガイド部材511および2つの丸棒ガイド部材512が水平方向(図示X軸方向)に延設されている。そして、ノズルユニット50を支持するスライド支持部材510が凹状ガイド部材511に沿って図示X軸方向に往復移動し、カウンタ513が丸棒ガイド部材512に沿って図示X軸方向に往復移動する。なお、後述する説明においては、スライド支持部材510が往復する水平方向をX軸方向とし、プーリカバー514Lからプーリカバー514Rへ向かう方向(図示右方向)をX軸正方向とする。
【0037】
基板載置装置2は、ステージ21、旋回部22、平行移動テーブル23、ガイド受け部24、およびガイド部材25を有している。ステージ21は、被塗布体となるガラス基板等の基板Pをそのステージ上面に載置する。ステージ21の下部は、旋回部22によって支持されており、旋回部22の回動動作によって図示θ方向にステージ21が回動可能に構成されている。また、ステージ21の内部には、有機EL材料が塗布された基板Pをステージ面上で予備加熱処理するための加熱機構や基板Pの吸着機構や受け渡しピン機構等が設けられている。
【0038】
ノズル移動機構部51の下方を通るように、ガイド部材25が上記X軸方向と垂直の図示Y軸方向に延設されて固定される。平行移動テーブル23の下面にはガイド部材25と当接してガイド部材25上を滑動するガイド受け部24が固設されている。また、平行移動テーブル23の上面には、旋回部22が固設される。これによって、平行移動テーブル23が、例えばリニアモータ(図示せず)からの駆動力を受けてガイド部材25に沿った図示Y軸方向に移動可能になり、旋回部22に支持されたステージ21の移動も可能になる。
【0039】
受け渡しピン機構を介してステージ21上に基板Pを載置し、当該基板Pを吸着固定して、平行移動テーブル23がノズル移動機構部51の下方まで移動したとき、当該基板Pが赤色の有機EL材料の塗布をノズル52a〜52cから受ける位置となる。そして、制御部(図2参照)がノズルユニット50をX軸方向に往復移動させるようにノズル移動機構部51を制御し、ステージ21をY軸方向へ当該直線移動毎に所定ピッチだけ移動させるように平行移動テーブル23を制御し、ノズル52a〜52cから所定流量の有機EL材料を吐出する。また、ノズル52a〜52cのX軸方向吐出位置において、ステージ21に載置された基板Pから逸脱する両サイド空間には、基板Pから外れて吐出された有機EL材料を受ける液受部53Lおよび53Rがそれぞれ固設されている。ノズル移動機構部51は、基板Pの一方サイド外側に配設されている液受部53の上部空間から、基板Pを横断して基板Pの他方サイド外側に配設されている液受部53の上部空間まで、ノズルユニット50を往復移動させる。また、平行移動テーブル23は、ノズルユニット50が液受部53の上部空間に配置されている際、ノズル往復移動方向とは垂直の所定方向(図示Y軸方向)に所定ピッチだけステージ21を移動させる。このようなノズル移動機構部51および平行移動テーブル23の動作と同時にノズル52a〜52cから有機EL材料を液柱状態で吐出することによって、赤色の有機EL材料が基板Pに形成されたストライプ状の溝毎に配列された、いわゆる、ストライプ配列が基板P上に形成される。
【0040】
次に、図2を参照して、塗布装置1における制御機能、塗布液供給部、およびエアー供給部の概略構成について説明する。なお、図2は、塗布装置1の制御機能、塗布液供給部、およびエアー供給部を示すブロック図である。
【0041】
図2において、塗布装置1は、上述した構成部の他に、制御部3、塗布液供給部54、エアー供給部55、エアー配管5222、および塗布液配管5223を備えている。塗布液供給部54は、塗布液配管5223を介して、赤色の有機EL材料をそれぞれ複数のノズル52に供給する。また、エアー供給部55は、エアー配管5222を介して、カウンタ513およびスライド支持部材510にエアーを供給する。そして、制御部3は、塗布液供給部54、エアー供給部55、旋回部22、平行移動テーブル23、およびノズル移動機構部51のそれぞれの動作を制御する。
【0042】
塗布液供給部54は、有機EL材料の供給源541と、供給源541から有機EL材料を取り出すためのポンプ542と、ノズル52に供給する有機EL材料の流量を検出する流量計543とを備えている。なお、塗布液供給部54は、ノズル52毎に、それぞれ供給源541、ポンプ542、および流量計543を別に設けてもかまわない。
【0043】
エアー供給部55は、エアーを増圧するポンプ551と、ポンプ551が増圧してカウンタ513およびスライド支持部材510に供給するエアー圧力を検出する圧力計552とを備えている。
【0044】
複数のノズル52は、それぞれ塗布液供給部54から供給された有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ521を有している。
【0045】
ここで、赤色の有機EL材料の塗布を受ける基板Pの表面には、有機EL材料を塗布すべき所定のパターン形状に応じたストライプ状の溝が複数本並設されるように形成されている。有機EL材料としては、例えば、基板P上の溝内に拡がるように流動する程度の粘性を有する有機性のEL材料が用いられ、具体的には各色毎の高分子タイプの有機EL材料が用いられる。ノズルユニット50は、所定の支持軸周りに回動自在に支持されており、制御部3の制御によって当該支持軸周りに回動させることで、保持する複数のノズル52の並設方向を変化させることができるので、複数のノズル52による塗布ピッチ間隔を調整することができる。
【0046】
制御部3は、ステージ21に載置された基板Pの位置や方向に基づいて、基板Pに形成された溝の方向が上記X軸方向になるように旋回部22の角度を調整し、塗布のスタートポイント、すなわち、基板Pに形成された溝の一方の端部側で塗布を開始する塗布開始位置を算出する。なお、上記塗布開始位置は、一方の液受部53の上部空間となる。そして、制御部3は、上述したように平行移動テーブル23およびノズル移動機構部51を駆動させる。
【0047】
上記塗布開始位置において、制御部3は、各ノズル52から有機EL材料の吐出開始をポンプ542に指示する。このとき、制御部3は、ストライプ状の溝の各ポイントにおける有機EL材料の塗布量が均一となり、液柱状態で有機EL材料が吐出されるように、ノズル52の移動速度に応じてその塗布量を制御しており、流量計543からの流量情報をフィードバックして制御する。そして、制御部3は、基板P上の溝内への有機EL材料の流し込むために、有機EL材料を基板P上の溝に沿わせながらこの溝内に流し込むようにノズルユニット50を凹状ガイド部材511に沿わせて移動させるように制御する。この動作によって、液柱状態で各ノズル52から吐出される赤色の有機EL材料が同時にそれぞれの溝に流し込まれていく。
【0048】
制御部3は、基板P上をノズルユニット50が横断して溝の他方端部の外側に固設されている他方の液受部53上に位置すると、複数のノズル52からの有機EL材料の吐出を継続したまま、ノズル移動機構部51によるノズルユニット50の移動を停止する。この1回の移動によって、ノズル52の本数分の溝への有機EL材料の塗布が完了する。具体的には、同色の有機EL材料を各ノズル52から吐出しているので、3列毎に1列の溝を塗布対象とした合計ノズル本数分の溝に有機EL材料が塗布される。
【0049】
次に、制御部3は、平行移動テーブル23をY軸方向に所定距離(例えば、溝48列分)だけピッチ送りして、次に塗布対象となる溝への有機EL材料の塗布を行えるようにする。そして、制御部3は、他方の液受部53の上部空間からノズルユニット50を逆の方向へ基板P上を横断させて一方の液受部53上に位置すると、ノズル52からの有機EL材料の吐出を継続したまま、ノズル移動機構部51によるノズルユニット50の移動を停止する。この2回目の移動によって、次のノズル本数分の溝への有機EL材料の塗布が完了する。このような動作を繰り返すことによって、赤色の有機EL材料が赤色を塗布対象とした溝に流し込まれる。なお、制御部3は、ノズルユニット50を凹状ガイド部材511に沿わせて移動させるように制御する際、ノズル移動機構部51が備える駆動プーリ517を駆動する駆動源の回転動作を制御する。
【0050】
以下、図3〜図9を参照して、ノズル移動機構部51の構造について説明する。なお、図3は、ノズル移動機構部51の概略構成を示す斜視図である。図4は、図1の断面AAをB方向から見たノズル移動機構部51の断面図である。図5は、図1の断面CCをD方向から見たノズル移動機構部51の断面図である。図6は、ノズル移動機構部51の動作を模式的に示したノズル移動機構部51の正面概要図である。図7〜図9は、ノズル移動機構部51の動作を模式的に示したノズル移動機構部51の上面概要図である。
【0051】
図3において、ノズル移動機構部51は、スライド支持部材510と、凹状ガイド部材511と、2つの丸棒ガイド部材512と、カウンタ513と、プーリカバー514Lおよび514Rと、駆動ベルト515と、配管群522と、滑車523とを備えている。プーリカバー514Lおよび514Rは、ノズル移動機構部51の固定部材上の両端に固設されており、それぞれの内部に駆動プーリ517および従動プーリ518(図6参照)が設けられている。
【0052】
凹状ガイド部材511は、プーリカバー514Lおよび514Rの間に図示X軸方向へ延設される。2つの丸棒ガイド部材512は、プーリカバー514Lおよび514Rの間に図示X軸方向へ凹状ガイド部材511の上方に並設して延設される。駆動ベルト515は、一対の駆動プーリ517および従動プーリ518の間に図示X軸方向に掛け渡される。具体的には、駆動プーリ517および従動プーリ518の回転軸が図示Y軸方向に設けられるため、当該回転軸に対する下側部分の駆動ベルト515は、当該回転軸に対する上側部分の直下となる位置(つまり、駆動ベルト515全体が図示XZ平面に平行)になるように掛け渡される。以下、一対の駆動プーリ517および従動プーリ518を上下(図示Z軸方向)位置で掛け渡される駆動ベルト515において、上記回転軸の下側で掛け渡される駆動ベルト515の部分を下側の駆動ベルト515と記載する。また、上記回転軸の上側で掛け渡される駆動ベルト515の部分を上側の駆動ベルト515と記載する。なお、後述により明らかとなるが、スライド支持部材510が図示X軸正方向に移動する場合、下側の駆動ベルト515がベルトの張り側を意味し、上側の駆動ベルト515がベルトのゆるみ側を意味する。また、駆動ベルト515は、本発明の帯状部材に相当し、例えば回動方向に対して垂直に複数の山が形成されたタイミングベルト(歯付きベルト)で構成される。
【0053】
スライド支持部材510は、ノズルユニット50(ノズル52a〜52c)を支持する。また、スライド支持部材510は、下側の駆動ベルト515の一部に接続され、凹状ガイド部材511に沿って移動可能に構成されている。つまり、駆動プーリ517が回転することに応じて駆動ベルト515が回動すると、当該駆動ベルト515の移動に応じてスライド支持部材510も凹状ガイド部材511に沿って図示X軸方向へ往復移動する。スライド支持部材510が凹状ガイド部材511に沿って往復移動する際、配管群522に含まれる塗布液配管5223を介して各ノズル52へ塗布液が供給される。なお、配管群522の構成や接続方法については、後述する。
【0054】
カウンタ513は、駆動ベルト515においてスライド支持部材510が接続される位置の対称位置に接続され、2つの丸棒ガイド部材512に貫装される。つまり、カウンタ513は、上側の駆動ベルト515の一部と接続される。したがって、駆動プーリ517が回転することに応じて駆動ベルト515が回動すると、当該駆動ベルト515の移動に応じてカウンタ513も2つの丸棒ガイド部材512に沿ってスライド支持部材510とは逆方向の図示X軸方向へ往復移動する。
【0055】
図4において、凹状ガイド部材511は、その長軸方向に上面を開口した条溝Gが形成されており、その断面が上面を開口とした略コの字形状(Π(パイ)型形状)となる。スライド支持部材510は、凹状ガイド部材511の条溝Gを除いた外側面と所定の隙間を有した状態で覆うように嵌合して配置される。そして、スライド支持部材510の一方の外側面は、ノズルユニット50を支持する。また、スライド支持部材510の他方の外側面は、凹状ガイド部材511を基準とした図示Y軸方向に対して、ノズルユニット50との重量バランスをとるためのウェイト525が付設される。
【0056】
凹状ガイド部材511と対向するスライド支持部材510の内側面には、複数箇所(例えば、6箇所)にエアー供給口Ahが設けられる。スライド支持部材510が凹状ガイド部材511に沿って往復移動する際、配管群522に含まれるエアー配管5222を介してスライド支持部材510へエアーが供給される。そして、エアー供給口Ahから上記隙間に当該エアーを供給することによって、スライド支持部材510と凹状ガイド部材511との間に空気静圧軸受が構成される。
【0057】
下側の駆動ベルト515は、凹状ガイド部材511に形成された条溝G内の空間に配設される。そして、下側の駆動ベルト515とスライド支持部材510とは、連結部材519を介して接続される。これらの構成によって、駆動ベルト515が回動すると連結部材519を介してスライド支持部材510が凹状ガイド部材511に沿って移動し、当該スライド支持部材510で支持されたノズルユニット50が移動する。
【0058】
図5において、カウンタ513は、例えば2つの部材によって構成される。以下、それらの部材をカウンタ513aとカウンタ513bとして区別する。カウンタ513aおよび513bは、それぞれ貫通穴が形成されている。そして、カウンタ513aが一方の丸棒ガイド部材512に所定の隙間を有した状態で貫装され、カウンタ513bが他方の丸棒ガイド部材512に所定の隙間を有した状態で貫装される。カウンタ513aおよび513bの貫通穴内周面には、エアー供給口Ahがそれぞれ設けられる。カウンタ513aおよび513bが丸棒ガイド部材512に沿って往復移動する際、配管群522に含まれるエアー配管5222を介してカウンタ513aおよび513bへエアーが供給される。そして、エアー供給口Ahから上記隙間にそれぞれ当該エアーを供給することによって、カウンタ513aおよび513bと丸棒ガイド部材512との間に空気静圧軸受が構成される。
【0059】
カウンタ513aとカウンタ513bとは、連結部材516で接続される。また、上側の駆動ベルト515は、2つの丸棒ガイド部材512の間の空間に配設され、その一部が連結部材516と接続する。これらの構成によって、駆動ベルト515が回動すると連結部材516を介してカウンタ513aおよび513bが丸棒ガイド部材512に沿って移動する。
【0060】
図6において、プーリカバー514Rの内部には、図示Y軸方向を回転軸とした駆動プーリ517が設けられる。また、プーリカバー514Lの内部には、図示Y軸方向を回転軸とした従動プーリ518が設けられ、一対の駆動プーリ517と従動プーリ518との間に駆動ベルト515が掛け渡される。駆動プーリ517は、サーボモータ等の駆動源(図示せず)からの駆動力を受けて、上記回転軸を中心とした双方向(図示両矢印方向)へ回転する。ここで、駆動プーリ517の回転方向、回転速度、および回転角度の制御は、駆動源が駆動プーリ517を回転させる動作を制御部3が制御することによって行われる。なお、スライド支持部材510が最もプーリカバー514Lに接近する位置(つまり、上述した往復移動において図示X軸負方向側で引き返す点)は、一方の液受部53L(図1参照)の上部空間となるように制御部3が制御する。また、スライド支持部材510が最もプーリカバー514Rに接近する位置(つまり、上述した往復移動において図示X軸正方向側で引き返す点)は、一方の液受部53R(図1参照)の上部空間となるように制御部3が制御する。
【0061】
スライド支持部材510およびカウンタ513は、駆動ベルト515において対称となる位置に接続されている。駆動プーリ517が図6の反時計方向に回転した場合、駆動ベルト515も同位相で反時計方向に回動する。そして、スライド支持部材510がX軸正方向へ凹状ガイド部材511に沿ってプーリカバー514Lおよび514R間を移動し、カウンタ513がX軸負方向へ丸棒ガイド部材512に沿ってプーリカバー514Lおよび514R間を移動する。一方、駆動プーリ517が図6の時計方向に回転した場合、駆動ベルト515も同位相で時計方向に回動する。そして、スライド支持部材510がX軸負方向へ凹状ガイド部材511に沿ってプーリカバー514Lおよび514R間を移動し、カウンタ513がX軸正方向へ丸棒ガイド部材512に沿ってプーリカバー514Lおよび514R間を移動する。このように、スライド支持部材510およびカウンタ513は、駆動ベルト515の駆動に応じて、対称となる位置を保った状態でX軸方向にスライド移動する。
【0062】
図3および図6〜図9に示すように、配管群522は、塗布装置1の外面に設けられた塗布液/エアー供給口とカウンタ513との間に渡設されて、カウンタ513に固定して接続される。そして、カウンタ513は、接続された配管群522に含まれるエアー配管5222から供給されるエアーを用いて、丸棒ガイド部材512との間に空気静圧軸受を構成する。
【0063】
プーリカバー514Lの左方外側には、水平方向に回転自在の滑車523が設けられている。そして、カウンタ513に接続された配管群522は、カウンタ513からX軸負方向(カウンタ513のスライド移動方向)に滑車523まで所定の張力を加えた状態で張設され、さらに滑車523からX軸正方向(スライド支持部材510のスライド移動方向)にスライド支持部材510まで所定の張力を加えた状態で張設されて、スライド支持部材510に固定して接続される。これによって、カウンタ513とスライド支持部材510との間には、滑車523を介して所定の張力で配管群522が張設される。そして、スライド支持部材510は、接続された配管群522に含まれるエアー配管5222から供給されるエアーを用いて、凹状ガイド部材511との間に空気静圧軸受を構成する。また、スライド支持部材510で支持される複数のノズル52(図3および図6〜図9では、ノズル52a〜52cのみ図示)は、接続された配管群522に含まれる塗布液配管5223から供給される塗布液をそれぞれ用いて、塗布液を吐出する。
【0064】
ここで、図7〜図9を参照して、スライド支持部材510およびカウンタ513がスライド移動した際の、配管群522の動きについて説明する。例えば、スライド支持部材510が凹状ガイド部材511上の最もX軸負方向側(プーリカバー514L側)に配置され、カウンタ513が丸棒ガイド部材512上の最もX軸正方向側(プーリカバー514R側)に配置されている状態を考える(図7の状態)。このとき、カウンタ513に接続された配管群522は、滑車523を介してカウンタ513とスライド支持部材510との間に所定の張力で張設されている。この状態においてカウンタ513とスライド支持部材510との間に張設された配管群522の長さを長さLとする。
【0065】
図7に示した状態から、スライド支持部材510がX軸正方向へ凹状ガイド部材511に沿って移動し、カウンタ513がX軸負方向へ丸棒ガイド部材512に沿って移動する。このとき、スライド支持部材510およびカウンタ513は、同じ駆動ベルト515に接続されて移動しているため、スライド支持部材510がX軸正方向へ移動する距離とカウンタ513がX軸負方向へ移動する距離とは同じである。また、カウンタ513の移動に応じて、カウンタ513に接続されている部位から滑車523に捲設されている部位までの配管群522は、カウンタ513と共にX軸負方向へ移動する。また、スライド支持部材510の移動に応じて、滑車523に捲設されている部位からスライド支持部材510に接続されている部位までの配管群522は、スライド支持部材510と共にX軸正方向へ移動する。一方、配管群522を張設している滑車523は、回転自在にその位置が固定されているため、配管群522の移動に応じて図示反時計方向に回転して、配管群522を順送りする。したがって、カウンタ513とスライド支持部材510との間の配管群522の長さを長さLで保った状態で配管群522が移動することになる。つまり、配管群522は、滑車523を介してカウンタ513とスライド支持部材510との間に所定の張力で張設された状態を保ちながら移動することになる(図8の状態)。
【0066】
図8に示した状態から、スライド支持部材510がX軸正方向へ凹状ガイド部材511に沿ってさらに移動し、カウンタ513がX軸負方向へ丸棒ガイド部材512に沿ってさらに移動する。そして、スライド支持部材510が凹状ガイド部材511上の最もX軸正方向側(プーリカバー514R側)に配置され、カウンタ513が丸棒ガイド部材512上の最もX軸負方向側(プーリカバー514L側)に配置される(図9の状態)。この配置状態までの移動に関しても、上述した動きと同様に、配管群522は、滑車523を介してカウンタ513とスライド支持部材510との間に所定の張力で張設された状態を保ちながら移動することになる。また、スライド支持部材510およびカウンタ513が逆方向へ移動する際も、配管群522は、滑車523を介してカウンタ513とスライド支持部材510との間に所定の張力で張設された状態を保ちながら移動することになることは言うまでもない。つまり、スライド支持部材510がスライド移動する際、配管群522は、スライド支持部材510に対してそのスライド移動方向に沿って張設された状態を常に保つことになる。
【0067】
次に、図10〜図12を参照して、配管群522の構成例について説明する。なお、図10は、配管群522の第1の構成例の断面を示す斜視図である。図11は、配管群522の第2の構成例の断面を示す斜視図である。図12は、配管群522の第3の構成例の断面を示す斜視図である。
【0068】
図10において、配管群522の第1の構成例は、外膜配管5221、エアー配管5222a、および塗布液配管5223を含んでいる。エアー配管5222aは、可撓性を有する材質で構成された管材であり、例えば、ウレタン樹脂等で構成される。そして、エアー配管5222aは、塗布装置1の外面に設けられたエアー供給口から供給されたエアーを、カウンタ513およびスライド支持部材510に供給する。塗布液配管5223は、可撓性を有する材質で構成された管材であり、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等の材料で構成される。塗布液配管5223は、塗布装置1に設置されているノズル52の本数分設けられており、図10の構成例では16本の塗布液配管5223が設けられている。また、複数の塗布液配管5223は、エアー配管5222aの管外周面に沿って等角度間隔で密に配設される。そして、塗布液配管5223は、塗布装置1の外面に設けられた塗布液供給口から供給された塗布液を、それぞれノズル52に供給する。さらに、外膜配管5221は、エアー配管5222aおよび塗布液配管5223で構成される管束を束ねて、その外周を覆うように設けられて、配管群522の第1の構成例が形成される。外膜配管5221は、可撓性を有する材質で構成された熱収縮チューブ等で構成される。
【0069】
図11において、配管群522の第2の構成例は、エアー配管5222b、塗布液配管5223、および連結配管5224を含んでいる。エアー配管5222bは、エアー配管5222aと同様に可撓性を有する材質で構成された管材であり、例えば、ウレタン樹脂等で構成される。そして、エアー配管5222bは、塗布装置1の外面に設けられたエアー供給口から供給されたエアーを、カウンタ513およびスライド支持部材510に供給する。そして、連結配管5224も、エアー配管5222aと同形状および同材質で構成された管材であり、その内部に複数本の塗布液配管5223が束ねて挿入される。図11の構成例では、連結配管5224の内部に4本の塗布液配管5223が挿入されるため、配管群522に16本の塗布液配管5223を含めるために、連結配管5224に4本の塗布液配管5223が挿入された組が4組(連結配管5224a〜5224d)設けられている。そして、連結配管5224a〜5224dおよびエアー配管5222bが平面状に並設されて互いに接着固定されて、配管群522の第2の構成例が形成される。
【0070】
図12において、配管群522の第3の構成例は、エアー配管5222cおよび5222dと、塗布液配管5223と、連結配管5224とを含んでいる。エアー配管5222cおよび5222dは、それぞれエアー配管5222aと同様に可撓性を有する材質で構成された管材であり、例えば、ウレタン樹脂等で構成される。そして、エアー配管5222cは、塗布装置1の外面に設けられたエアー供給口から供給されたエアーを、カウンタ513に供給する。また、エアー配管5222dは、塗布装置1の外面に設けられたエアー供給口から供給されたエアーを、スライド支持部材510に供給する。そして、第3の構成例における連結配管5224も、エアー配管5222cおよび5222dと同形状および同材質で構成された管材であり、その内部に複数本の塗布液配管5223が束ねて挿入される。図12の構成例では、連結配管5224の内部に4本の塗布液配管5223が挿入されるため、配管群522に16本の塗布液配管5223を含めるために、連結配管5224に4本の塗布液配管5223が挿入された組が4組(連結配管5224e〜5224h)設けられている。そして、連結配管5224e〜5224hと、エアー配管5222cおよび5222dとが、1段あたり3本を2段(3×2)に並設されて互いに接着固定されて、配管群522の第3の構成例が形成される。
【0071】
このように、当該実施形態に係る塗布装置によれば、スライド支持部材510がスライド移動する際、スライド支持部材510に対してそのスライド移動方向に沿って張設された状態を配管群522が常に保つため、配管群522のたわみや振動等による影響がスライド支持部材510に生じない。つまり、配管群522の挙動を原因とする塗布液の塗布ずれを防止することができ、高精度な塗布作業が可能となる。また、塗布装置1の外面に設けられた塗布液/エアー供給口からノズル移動機構部51へ渡設される配管数が1本の配管群522となるため、塗布装置1の組み立て作業が容易になると共に、配管の挙動を原因とする装置内部の粉塵の発生を低減したり、配管自体の耐久性向上やコストを低減したりする効果が期待できる。
【0072】
なお、上述した説明では、カウンタ513とスライド支持部材510との間に、滑車523を介して配管群522を張設したが、他の要素をさらに間に介在させて配管群522を張設してもかまわない。例えば、図13に示すように、1対のガイドローラ5231および滑車523を介して、カウンタ513とスライド支持部材510との間に配管群522を張設してもかまわない。
【0073】
図13において、プーリカバー514Lの左方外側と滑車523との間に、図示Z軸方向をそれぞれ回転軸としてそれら円筒面(ローラ面)が回転自在な1対のガイドローラ5231が、所定間隔で対向して設けられる。具体的には、1対のガイドローラ5231の一方は、他方と対向する側の円筒面が、カウンタ513からX軸負方向に張設した配管群522と接する位置となるように配置される。また、1対のガイドローラ5231の他方は、一方と対向する側の円筒面が、スライド支持部材510からX軸負方向に張設した配管群522と接する位置となるように配置される。
【0074】
配管群522は、塗布装置1の外面に設けられた塗布液/エアー供給口とカウンタ513との間に渡設されて、カウンタ513に固定して接続される。そして、カウンタ513に接続された配管群522は、カウンタ513からX軸負方向に一方のガイドローラ5231まで所定の張力を加えた状態で張設され、当該ガイドローラ5231の円筒面と接した後、滑車523まで張設される。さらに、配管群522は、滑車523から他方のガイドローラ5231の円筒面と接した後、X軸正方向にスライド支持部材510まで所定の張力を加えた状態で張設されて、スライド支持部材510に固定して接続される。これによって、カウンタ513とスライド支持部材510との間には、滑車523および一対のガイドローラ5231を介して所定の張力で配管群522が張設される。
【0075】
このように、一対のガイドローラ5231を加えることによって、カウンタ513と配管群522との接続部位と、スライド支持部材510と配管群522との接続部位との間の図示Y軸方向間隔よりも直径が大きい滑車523を用いることができる。したがって、配管群522は、カウンタ513とスライド支持部材510との間に張設される際の曲率半径を大きくすることができ、配管群522が滑車523と接面する際に曲がることによる内部搬送物質(塗布液やエアー)への影響を軽減することができる。
【0076】
また、上述した説明では、配管群522をカウンタ513に接続した後、滑車523を介してスライド支持部材510に張設したが、スライド支持部材510に対してそのスライド移動方向に沿って張設された状態を配管群522が常に保つ状態であればカウンタ513に接続しなくてもかまわない。一例として、図14に示すように、一般的なエアシリンダー、油圧シリンダー、バネ等に代表される張力調整機構524を用いて、配管群522が上記張設された状態を保つようにしてもかまわない。例えば、配管群522は、滑車523からX軸正方向にスライド支持部材510まで張設されて、スライド支持部材510に固定して接続されるが、その張力は、張力調整機構524によって一定に調整される。
【0077】
また、他の例として、図15Aおよび図15Bに示すように、Y軸方向へ往復移動可能に構成された滑車523mを用いて、配管群522が上記張設された状態を保つようにしてもかまわない。例えば、滑車523mは、水平方向に回転自在に構成され、制御部3(図2参照)の制御に応じて図示Y軸方向に往復移動可能に構成されている。また、ガイドローラ5232は、その円筒面が、スライド支持部材510からX軸負方向に張設した配管群522と接する位置となるように配置される。そして、配管群522は、塗布装置1の外面に設けられた塗布液/エアー供給口から滑車523mの円周面およびガイドローラ5232の円筒面と接した後、X軸正方向にスライド支持部材510まで張設されて、スライド支持部材510に固定して接続される。
【0078】
このような配管群522の接続状態において、スライド支持部材510がX軸正方向に移動速度2Vでスライド移動することに応じて、滑車523mが図示Y軸正方向(ガイドローラ5232に近づく方向)に移動速度Vで移動する(図15Aの状態から図15Bの状態へ移動)。また、スライド支持部材510がX軸負方向に移動速度2Vでスライド移動することに応じて、滑車523mが図示Y軸負方向(ガイドローラ5232から離れる方向)に移動速度Vで移動する(図15Bの状態から図15Aの状態へ移動)。このように、スライド支持部材510のスライド移動速度の1/2の速度で滑車523mを移動させることによって、配管群522がスライド支持部材510に対してそのスライド移動方向に沿って張設された状態に保たれる。
【0079】
また、上述した説明では、スライド支持部材510と凹状ガイド部材511との間に空気静圧軸受を構成して、スライド支持部材510を凹状ガイド部材511に沿ってスライド移動させているが、スライド支持部材とガイド部材との間に他の方式の軸受を構成してもかまわない。例えば、内部から磁束を発生するガイド部材(例えば、丸棒形状)を、凹状ガイド部材511と同様にプーリカバー514Lおよび514Rの間にX軸方向(図3参照)へ延設する。そして、上記ガイド部材に対してスライド支持部材を磁力で浮遊させて、上記ガイド部材に沿ってスライド移動させるリニアモータを用いて磁力軸受を構成してもかまわない。この場合、スライド支持部材は、内蔵されたコイルによって駆動するため、駆動ベルト515や駆動ベルト515を駆動するための機構が不要となる。また、カウンタ513も不要となり、スライド支持部材510やカウンタ513にエアーを供給するエアー配管5222も不要となる。しかしながら、図14、図15A、および図15Bに例示した配管群522の張設方式を用いることによって、リニアモータ等の他の軸受方式で構成されたスライド支持部材と上記ガイド部材とであっても、同様に本発明を適用することができる。なお、リニアモータを用いてスライド支持部材をスライド移動させる場合、スライド支持部材に接続される配管群522には複数の塗布液配管5223および/またはリニアモータを駆動制御するための電源/制御配線が含まれることになる。
【0080】
また、上述した説明では、スライド支持部材510と凹状ガイド部材511との間およびカウンタ513と2つの丸棒ガイド部材512との間に空気静圧軸受を構成して、それぞれエアー(空気)を供給しているが、他の気体をスライド支持部材510およびカウンタ513に供給する静圧軸受を構成してもかまわない。例えば、窒素ガス等の他の気体をスライド支持部材510およびカウンタ513に供給して、それぞれ静圧軸受を構成してもかまわない。
【0081】
また、上述した説明では、スライド支持部材510にエアー配管5222および塗布液配管5223を含んだ配管群522を接続したが、配管群522に含まれる配管種は他の構成でもかまわない。例えば、複数の塗布液配管5223のみを含んだ配管群522をスライド支持部材510に接続し、エアー配管5222を他の方式を用いてスライド支持部材510に接続してもかまわない。この場合、従来の接続方式と比較すると複数の塗布液配管5223から受けていた外力が低減されるため、塗布ずれに対する効果が期待できる。また、エアー配管5222のみをスライド支持部材510に接続し、複数の塗布液配管5223を他の方式を用いてスライド支持部材510に接続してもかまわない。この場合も、従来の接続方式と比較するとエアー配管5222から受けていた外力が低減されるため、塗布ずれに対する効果が期待できる。
【0082】
また、上述した説明では、滑車523の回転軸を鉛直方向として、配管群522が水平に張設される例を説明したが、これによって配管群522内を伝搬される塗布液やエアーの状態を安定させることができる。しかしながら、このような効果を期待しない場合、滑車523の回転方向は、他の方向でもかまわない。例えば、スライド支持部材510およびカウンタ513にそれぞれ接続する配管群522の接続位置に応じて、滑車523の回転方向が鉛直方向(つまり、滑車523の回転軸が水平)でもいいし、滑車523の回転方向が水平方向と鉛直方向との間の斜め方向でもかまわない。スライド支持部材510がスライド移動方向に沿って配管群522が張設された状態を常に保つならば、滑車523の回転方向はどのような方向でもかまわない。
【0083】
また、上述した説明では、駆動プーリ517および従動プーリ518を覆うようにプーリカバー514Lおよび514Rを設けたが、スライド支持部材510等が往復移動する空間や滑車523が設けられる空間にもカバーを設けてもかまわない。また、塗布装置1にプーリカバー514Lおよび514Rを設けなくてもかまわない。
【0084】
また、上述した実施形態では、赤、緑、および青色のうち、赤色の有機EL材料を複数のノズル52から基板Pの溝内に流し込んでいるが、この塗布工程は、有機EL表示装置を製造する途中工程である。例えば、有機EL表示装置を製造するときの処理手順は、正孔輸送材料(PEDOT)塗布→乾燥→赤色の有機EL材料塗布→乾燥→緑色の有機EL材料塗布→乾燥→青色の有機EL材料塗布→乾燥という手順となる。この場合、本発明の塗布装置は、正孔輸送材料、赤色の有機EL材料、緑色の有機EL材料、および青色の有機EL材料をそれぞれ塗布する工程に用いることができる。
【0085】
また、複数のノズル52から赤、緑、および青色の有機EL材料をそれぞれ吐出してもかまわない。この場合、赤、緑、および青色の順に配列された、いわゆる、ストライプ配列が1つの塗布工程で形成される。
【0086】
また、上述した説明では、基板Pの表面に、有機EL材料を塗布すべき所定のパターン形状に応じたストライプ状の溝が複数本並設されるように形成されている例を用いたが、ストライプ状の溝が形成されていない基板を被塗布体にしてもかまわない。
【0087】
また、上述した実施形態では、塗布液として有機EL材料や正孔輸送材料を塗布液とした有機EL表示装置の製造装置を一例にして説明したが、本発明は他の塗布装置にも適用できる。例えば、レジスト液やSOG(Spin On Glass)液やPDP(プラズマディスプレイパネル)を製造するのに使用される蛍光材料を塗布する装置にも適用することができる。また、液晶カラーディスプレイをカラー表示するために液晶セル内に構成されるカラーフィルタを製造するために使用される色材を塗布する装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明に係る塗布装置は、ノズルを駆動する部材に接続される配管からの外力による塗布ずれを防止することができ、ノズルから塗布液を吐出して基板に塗布する装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗布装置1の要部概略構成を示す平面図および正面図
【図2】塗布装置1の制御機能、塗布液供給部、およびエアー供給部を示すブロック図
【図3】図1のノズル移動機構部51の概略構成を示す斜視図
【図4】図1の断面AAをB方向から見たノズル移動機構部51の断面図
【図5】図1の断面CCをD方向から見たノズル移動機構部51の断面図
【図6】図1のノズル移動機構部51の動作を模式的に示したノズル移動機構部51の正面概要図
【図7】図1のノズル移動機構部51の動作を模式的に示したノズル移動機構部51の上面概要図
【図8】図1のノズル移動機構部51の動作を模式的に示したノズル移動機構部51の上面概要図
【図9】図1のノズル移動機構部51の動作を模式的に示したノズル移動機構部51の上面概要図
【図10】図3の配管群522の第1の構成例の断面を示す斜視図
【図11】図3の配管群522の第2の構成例の断面を示す斜視図
【図12】図3の配管群522の第3の構成例の断面を示す斜視図
【図13】1対のガイドローラ5231および滑車523を介して配管群522を張設した例を模式的に示したノズル移動機構部51の上面概要図
【図14】張力調整機構524を用いて配管群522を張設した例を模式的に示したノズル移動機構部51の上面概要図
【図15A】滑車523mを用いて配管群522を張設した例を模式的に示したノズル移動機構部51の上面概要図
【図15B】滑車523mを用いて配管群522を張設した例を模式的に示したノズル移動機構部51の上面概要図
【図16A】従来の塗布装置においてエアーおよび塗布液を供給する構造例を示す概略側面図
【図16B】従来の塗布装置においてエアーおよび塗布液を供給する構造例を示す概略正面図
【図17A】従来の塗布装置においてスライド支持部材102がガイド部材101の中央付近に配置された場合の構造例を示す概略側面図
【図17B】従来の塗布装置においてスライド支持部材102がガイド部材101の中央付近に配置された場合の構造例を示す概略正面図
【符号の説明】
【0090】
1…塗布装置
2…基板載置装置
21…ステージ
22…旋回部
23…平行移動テーブル
24…ガイド受け部
25、511…ガイド部材
3…制御部
5…有機EL塗布機構
50…ノズルユニット
51…ノズル移動機構部
510…スライド支持部材
511…凹状ガイド部材
512…丸棒ガイド部材
513…カウンタ
514…プーリカバー
515…駆動ベルト
516、519…連結部材
517…駆動プーリ
518…従動プーリ
52…ノズル
521…フィルタ
522…配管群
5221…外膜配管
5222…エアー配管
5223…塗布液配管
5224…連結配管
523…滑車
5231、5232…ガイドローラ
524…張力調整機構
525…ウェイト
53…液受部
54…塗布液供給部
55…エアー供給部
541…供給源
542、551…ポンプ
543…流量計
552…圧力計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に塗布液を塗布する塗布装置であって、
その先端部から前記塗布液を吐出するノズルと、
前記基板をその上面に載置するステージと、
前記ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に前記ノズルを往復移動させるノズル移動機構とを備え、
前記ノズル移動機構は、
前記ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に延設された第1ガイド部材と、
前記ノズルを支持し、前記第1ガイド部材に沿って前記横断する方向に移動可能なスライド支持部材と、
前記スライド支持部材を前記第1ガイド部材に沿って往復移動させる駆動機構と、
前記スライド支持部材の往復移動方向に沿って張設され、前記スライド支持部材の往復移動に伴って当該スライド支持部材と共に当該往復移動方向に移動する可撓性の配管または配線とを含む、塗布装置。
【請求項2】
前記配管または配線は、前記ノズルへ前記塗布液を供給する塗布液配管を少なくとも含む、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記スライド支持部材と前記第1ガイド部材との間には、静圧軸受が構成され、
前記配管または配線は、前記静圧軸受で用いられる気体を前記スライド支持部材に供給する気体配管を少なくとも含む、請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記スライド支持部材と前記第1ガイド部材との間には、磁気軸受が構成され、
前記配管または配線は、前記磁気軸受で用いられる電力を前記スライド支持部材に供給する配線を少なくとも含む、請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記ノズル移動機構は、
前記ステージ上の空間において、前記第1ガイド部材と平行に当該ステージ面を横断する方向に延設された第2ガイド部材と、
前記第2ガイド部材との間に静圧軸受を構成し、前記第2ガイド部材に沿って移動可能なスライド部材と、
一対のプーリに掛け渡されて対称となる位置に前記スライド支持部材および前記スライド部材をそれぞれ連結し、所定の駆動源からの駆動力を伝動することによって、前記スライド支持部材を前記第1ガイド部材に沿って往復移動させ、前記スライド支持部材が移動する方向とは相反する方向に前記スライド部材を前記第2ガイド部材に沿って往復移動させる駆動ベルトとを含み、
前記駆動機構は、前記プーリを回転させることによって前記駆動ベルトを駆動させる、請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記ノズル移動機構は、前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材が延設されている空間の外側に設けられ、所定の回転軸を中心に回転自在の定滑車を、さらに含み、
前記配管または配線は、前記定滑車を介して前記スライド支持部材と前記スライド部材との間に張設される、請求項5に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記スライド支持部材と前記第1ガイド部材との間には、静圧軸受が構成され、
前記配管または配線は、前記塗布装置の塗布液および気体供給口から前記スライド部材まで渡設された後、前記定滑車を介して前記スライド支持部材まで張設され、
前記塗布液および気体供給口から前記スライド部材まで渡設される前記配管または配線は、前記ノズルへ前記塗布液を供給する塗布液配管と、前記スライド支持部材の静圧軸受で用いられる気体を供給する気体配管と、前記スライド部材の静圧軸受で用いられる気体を供給する気体配管とを含み、
前記スライド支持部材と前記スライド部材との間に張設される前記配管または配線は、前記塗布液配管と、前記スライド支持部材の静圧軸受で用いられる気体を供給する気体配管とを含む、請求項6に記載の塗布装置。
【請求項8】
前記定滑車は、鉛直方向の回転軸を中心に水平方向に回転自在である、請求項6に記載の塗布装置。
【請求項9】
前記ノズル移動機構は、前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材が延設されている空間と前記定滑車との間に、一対のガイドローラを、さらに含み、
前記配管または配線は、前記スライド部材から、前記一方のガイドローラ、前記定滑車、および前記他方のガイドローラの順に掛け渡されて、前記スライド支持部材まで張設され、
前記定滑車は、前記配管または配線と接触する円周面の直径が、前記一対のガイドローラの間隔より大きい、請求項6に記載の塗布装置。
【請求項10】
前記スライド支持部材と前記第1ガイド部材との間には、静圧軸受が構成され、
前記配管または配線は、前記塗布液配管と、前記静圧軸受で用いられる気体を前記スライド支持部材に供給する気体配管とを、一体的に束ねた配管群で構成される、請求項2に記載の塗布装置。
【請求項11】
前記ノズル移動機構は、
前記第1ガイド部材が延設されている空間の外側に設けられ、所定の回転軸を中心に回転自在の定滑車と、
前記定滑車を介して、前記配管または配線に加わる前記スライド支持部材の往復移動方向の張力を一定に調整する張力調整機構とを、さらに含み、
前記配管または配線は、前記定滑車を介して前記スライド支持部材から前記張力調整機構まで張設される、請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項12】
前記ノズル移動機構は、
前記第1ガイド部材が延設されている空間の外側に設けられ、所定の回転軸を中心に回転自在の動滑車と、
前記スライド支持部材の往復移動方向に対して垂直な方向に前記動滑車の回転軸を移動させる動滑車移動機構とを、さらに含み、
前記配管または配線は、前記動滑車を介して前記スライド支持部材の往復移動方向に沿って張設され、
前記動滑車移動機構は、前記スライド支持部材が往復移動する速度の半分の速度で前記動滑車の回転軸を移動する、請求項1または2に記載の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【公開番号】特開2009−195851(P2009−195851A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41901(P2008−41901)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】