説明

塩酸ドネペジルの多形結晶およびその製造法

【課題】アセチルコリン・エステラーゼ阻害作用を有する各種老人性痴呆症治療薬であり、特にアルツハイマー型老年痴呆の予防・治療・改善剤として極めて有用性が高い、塩酸ドネペジル(1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン・塩酸塩)の5種類の新規多形結晶、およびそれらの工業的製造法を提供する。
【解決手段】粉末X線回折パターンおよび赤外吸収スペクトルにおいて特徴付けられる、下記化学式で表される塩酸ドネペジルの多形結晶(I)〜(IV)と(V)。該多形結晶は、優れた熱安定性および低吸湿性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特開昭64-79151号公報の実施例4に開示された、医薬として優れた作用を有する塩酸ドネペジル(Donepezil Hydrochloride、化学名; 1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン・塩酸塩)の安定性に優れた新規多形結晶(I)〜(IV)と(V)およびそれらの工業的製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
塩酸ドネペジルはアセチルコリン・エステラーゼ阻害作用を有する各種老人性痴呆症治療薬であり、特にアルツハイマー型老年痴呆の予防・治療・改善剤として極めて有用性が高い。塩酸ドネペジルは、通常経口剤として利用されるが、製剤後、実際に服用されるまでに流通・保管過程があり、また対象疾患の性格上、最大限1ヶ月分程度まとめて処方され、家庭等においてもさらに保管される。従って、原薬の熱あるいは湿度等に対する保存安定性は極めて重要かつ必要であり、より安定性の高い原薬が求められていた。しかし、塩酸ドネペジルに多形結晶が存在することは、これまで全く知られておらず、十分な安定性を有する原薬が得られたとは言えなかった。
【0003】
特開昭64-79151号公報の実施例4に記載された方法では、塩酸ドネペジル粗成物をエタノール/イソプロピルエーテルから再結晶して精製塩酸ドネペジルを得ている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来法で得られた原薬結晶よりも、さらに保存安定性に優れた結晶形があれば、流通・保管上より好ましいことは言うまでもない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記問題点の改善を目指して鋭意研究を進めてきた。その結果、以下の新規多形結晶(I)〜(IV)と(V)が、極めて安定性が優れていることを見出し本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、塩酸ドネペジルの安定性に優れた5種類の新規多形結晶、およびそれらの工業的製造法を提供するものである。
【0006】
本発明は、より具体的には、下記化学式で表される塩酸ドネペジルの、
【0007】
【化1】

粉末X線回折パターンにおけるピークと、臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収によって特徴付けられる、以下の新規多形結晶(I)〜(IV)である。
【0008】
粉末X線回折パターン測定方法および条件
(1) 測定方法
試料約100mgにつき、以下の測定条件にて粉末X線回折パターンを測定した。
(2) 測定条件
Target:Cu
Filter:monochro
Voltage:40KV
Current:20mA
Slit:DS 1, RS 0.15, SS 1
Scan speed:2deg/min.
Range:5-30#
【0009】
赤外吸収スペクトル測定方法および条件
日本薬局方、一般試験法、赤外吸収スペクトル、臭化カリウム錠剤法に従って測定した。
【0010】
【表5】

【0011】
臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収波数(cm-1);463、502、563、589、604、701、750、759、799、860、922、947、972、1012、1038、1104、1120、1128、1175、1192、1218、1250、1267、1316、1368、1410、1433、1440、1455、1472、1502、1591、1606、1644、1684、2412、2530、2559、2595、2620、2717、2840、2858、2924、3004、3074、3259、3373、3547、3589cm-1
【0012】
【表6】

【0013】
臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収波数(cm-1);699、748、762、845、947、1009、1035、1067、1103、1118、1129、1174、1193、1206、1222、1247、1267、1317、1365、1422、1436、1456、1465、1502、1592、1607、1688、2412、2489、2627、2846、2868、2913、2928、3435cm-1
【0014】
【表7】

【0015】
臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収波数(cm-1);559、641、648、702、749、765、786、807、851、872、927、949、966、975、982、1007、1034、1071、1080、1111、1119、1131、1177、1190、1205、1217、1230、1250、1265、1292、1313、1367、1389、1420、1438、1453、1461、1470、1500、1589、1605、1697、2407、2419、2461、2624、2641、2651、2667、2837、2848、2873、2924、2954、2961、2993、3007、3377、3433cm-1
【0016】
【表8】

【0017】
臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収波数(cm-1);401、431、459、467、490、506、518、561、586、606、631、651、709、758、766、857、944、1009、1041、1106、1119、1132、1213、1225、1265、1304、1318、1429、1458、1470、1500、1589、1605、1630、1647、1683、2562、2577、2608、2634、2689、2717、2836、2924、2949、2989、3007、3032、3061、3322、3376、3422cm-1
【0018】
さらに本発明にかかる多形結晶は、再測定の結果、以下の粉末X線回折パターンにおけるピークと、臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収によっても特徴付けられる新規多形結晶(I)〜(IV)と(V)である。
【0019】
【表9】

【0020】
臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収波数(cm-1);562.7, 603.2, 700.4, 749.6, 798.1, 859.2, 896.0, 921.3, 946.3, 971.8, 1038.0, 1119.3, 1216.8, 1266.0, 1315.4, 1367.7, 1454.1, 1501.5, 1537.8, 1555.9, 1590.7, 1643.7, 1681.9, 2350.9, 2534.0, 2922.1, 3381.8, 3585.2 cm-1
【0021】
【表10】

【0022】
臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収波数(cm-1);560.1, 698.9, 749.1, 846.2, 947.6, 1036.1, 1119.3, 1222.7, 1266.4, 1318.7, 1364.1, 1458.3, 1500.9, 1522.3, 1534.0, 1542.6, 1560.2, 1570.3, 1592.0, 1637.0, 1647.9, 1654.4, 1689.5, 1718.3, 1734.7, 1751.7, 1773.9, 1793.8, 1830.7, 1846.0, 1870.1, 2345.1, 2489.9, 2927.9, 3448.1 cm-1
【0023】
【表11】

【0024】
臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収波数(cm-1);558.3, 641.1, 702.4, 748.5, 765.0, 786.1, 807.3, 850.8, 872.0, 926.8, 974.9, 1034.1, 1071.5, 1111.6, 1190.1, 1216.6, 1265.4, 1291.9, 1312.9, 1364.4, 1420.2, 1438.1, 1458.8, 1499.1, 1522.2, 1542.6, 1560.1, 1570.2, 1589.1, 1638.8, 1647.8, 1654.3, 1697.3, 1718.1, 1734.5, 1751.4, 1773.7, 1793.5, 1845.8, 2345.3, 2461.6, 2924.2, 3447.9 cm-1
【0025】
【表12】

【0026】
臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収波数(cm-1);561.5, 709.0, 766.2, 786.3, 804.9, 857.0, 944.3, 979.3, 1041.5, 1118.7,1264.6, 1318.7, 1364.1, 1458.1, 1499.2, 1542.5, 1560.1, 1588.1, 1636.6,1647.8, 1654.3, 1684.3, 1718.2, 1734.4, 1751.4, 1773.7, 1793.5, 1830.5,1845.8, 1870.1, 2344.8, 2369.3, 2719.2, 2922.9, 3324.0 cm-1
【0027】
【表13】

【0028】
臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおける吸収波数(cm-1);506.5, 559.7, 594.4, 698.0, 740.8, 805.1, 861.9, 948.5, 972.1, 1039.9, 1120.8, 1220.7, 1264.8, 1314.6, 1364.1, 1458.0, 1499.5, 1542.5, 1560.2, 1592.1, 1692.9, 2500.1, 2924.2, 2998.9, 3422.1 cm-1
【0029】
なお、特開昭64-79151号公報の実施例4に開示された塩酸ドネペジル結晶と、本発明にかかる塩酸ドネペジル新規多形結晶(I)〜(IV)と(V)は、以下の通り融点が異なり、これまで知られていなかった新規結晶である。
特開昭64-79151号公報の塩酸ドネペジル、
融点; 211-212℃(分解)
本発明多形結晶(I)、 融点; 225-226℃(分解)
本発明多形結晶(II)、 融点; 224-226℃(分解)
本発明多形結晶(III)、融点; 229-231℃(分解)
本発明多形結晶(IV)、 融点; 226-228℃(分解)
本発明多形結晶(V)、 融点; 218-220℃(分解)
[非晶質、 融点; 220-222℃(分解)]
【0030】
また本発明にかかる塩酸ドネペジル新規多形結晶(I)〜(IV)と(V)は、以下の条件において測定した熱重量−示差熱分析(TG-DTA)も異なり、全く別の結晶形である。(図11〜14参照)
【0031】
熱重量−示差熱分析(TG-DTA)測定方法および条件
試料約3〜6mgを秤取し、下記の条件にて熱分析を行った。
Reffernce:empty
Scan speed:5℃/min.
Sampling:0.7sec
Upper limit:300℃
Lower limit:Room temperature
【0032】
次に、これらの新規多形結晶を実際に製造する方法について、具体的に述べる。なお、本発明におけるドネペジルとは、塩酸ドネペジルの遊離体、すなわち1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンを意味する。
(1) 多形結晶(I)
1-1) 塩酸ドネペジルをメタノールから結晶化する。
1-2) 塩酸ドネペジルをメタノールに溶解し、ジエチルエーテルまたはイソプロピルエーテルを加える。
1-3) ドネペジルをメタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
1-4) ドネペジルをエタノールに溶解し、イソプロピルエーテルを加え、続いて塩酸または塩化水素を加える。
1-5) ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでイソプロピルエーテルを加え、結晶析出後直ちに濾取する。
【0033】
これらの中でも1-5)がより好ましい、本製法は実施例7に具体的に記載されている。
【0034】
(2) 多形結晶(II)
2-1) 塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、ジエチルエーテルまたはイソプロピルエーテルを加える。
2-2) 塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、イソプロピルエーテルを加え、結晶析出10〜30分後濾取する。
2-3) ドネペジルと塩酸または塩化水素をエタノールに溶解し、ジエチルエーテルを加える。
2-4) ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え濃縮する。
2-5) ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでイソプロピルエーテルを加える。
2-6) ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでイソプロピルエーテルを加え、結晶析出10〜60分後、好ましくは10〜30分後に濾取する。
【0035】
これらの中でも2-6)がより好ましい、本製法は実施例14に具体的に記載されている。
【0036】
(3) 多形結晶(III)
3-1) 塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、ジエチルエーテルを加える。
3-2) 塩酸ドネペジルを塩化メチレンに溶解し、n-ヘキサンを加える。
3-3) ドネペジルをアセトンに溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
3-4) ドネペジルを酢酸エチルに溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
3-5) ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでジエチルエーテル、イソプロピルエーテルまたはn-ヘキサンから選ばれた溶媒1種を加える。
3-6) 前記3-5)において溶媒がイソプロピルエーテルの場合、結晶析出1時間以上後、より好ましくは2時間以上後、さらに好ましくは6時間以上後に濾取する。
3-7) 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)または(II)を加熱する。
【0037】
これらの中でも3-5)および3-6)がより好ましい、本製法は実施例23および18に具体的に記載されている。
【0038】
(4) 多形結晶(IV)
4-1) 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)を加湿する。
【0039】
製法4-1)は実施例24に具体的に記載されている。
【0040】
なお、多形結晶(I)、(II)あるいは(III)は、いずれもドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでイソプロピルエーテルを加えて製造することができるが[前記、1-5)、2-6)、3-6)参照]、結晶化後に結晶を濾取するまでの時間の差により、それぞれのタイプが別々に得られる。この時間差は、温度、撹拌速度、溶媒量等の結晶化条件によって異なり、一概には決定されないが、通常は、
(1) 結晶析出後直ちに濾取すると、多形結晶(I)が得られる。
(2) 結晶析出後10〜60分後、より好ましくは10〜30分後に濾取すると、多形結晶(II)が得られる。
(3) 結晶析出後1時間以上後、より好ましくは2時間以上後、さらに好ましくは6時間以上後に濾取すると、多形結晶(III)が得られる。
【0041】
さらに、本発明にかかる新規な多形結晶の製法について、以下に追加して詳述する。
(1) 多形結晶(I)
1-6) ドネペジルをメタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
1-7) ドネペジルをメタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでt-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテルまたは酢酸エチルを加える。
1-8) ドネペジルをエタノール、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルに溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
1-9) 塩酸ドネペジルをメタノールに溶解し、t-ブチルメチルエーテル、酢酸エチルまたはn-ヘキサンを加える。
1-10) 塩酸ドネペジルをエタノールから再結晶する。
1-11) 塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、t-ブチルメチルエーテルを加える。
これらの中でも1-7)がより好ましい。本製法は実施例30、31および32に具体的に記載されている。1-9)もまた好ましい。本製法は実施例39、40および41に具体的に記載されている。
【0042】
(2) 多形結晶(II)
2-7) ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでt-ブチルメチルエーテルを加える。
2-8) ドネペジルをイソプロピルアルコール、アセトンまたはテトラヒドロフランに溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
2-9) ドネペジルを塩化メチレンに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでジイソプロピルエーテルを加える。
2-10) 塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、t-ブチルメチルエーテルまたはジイソプロピルエーテルを加え、10℃未満で撹拌する。
2-11) 塩酸ドネペジルを塩化メチレンに溶解し、t-ブチルメチルエーテルまたはジイソプロピルエーテルを加える。
2-12) 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)または非晶質を加熱する。
これらの中でも2-7)が好ましい、本製法は実施例45に具体的に記載されている。2-10)もまた好ましい。本製法は実施例52、53および54に具体的に記載されている。
【0043】
(3) 多形結晶(III)
3-8) ドネペジルをメタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでアセトンを加える。
3-9) ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでt-ブチルメチルエーテルを加える。
3-10) ドネペジルをアセトニトリル、アセトン、含水アセトン、テトラヒドロフランまたはN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
3-11) ドネペジルを酢酸エチルに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでt-ブチルメチルエーテルを加える。
3-12) ドネペジルをジメチルスルホキシドに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでt-ブチルメチルエーテル加える。
3-13) ドネペジルをトルエンに溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
3-14) 塩酸ドネペジルをメタノールから、10℃以上で再結晶する。
3-15) 塩酸ドネペジルをメタノールに溶解し、t-ブチルメチルエーテルまたはアセトニトリルを加える。
3-16) 塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、t-ブチルメチルエーテルまたはアセトニトリルを加え、10℃以上で撹拌する。
3-17) 塩酸ドネペジルをN,N-ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドに溶解し、次いでt-ブチルメチルエーテルを加える。
3-18) 塩酸ドネペジルをイソプロピルアルコールから再結晶する。
3-19) 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)、(II)、(IV)、(V)または非晶質を溶媒中で撹拌し変換する。
3-20) 製法3-19において、溶媒としてメタノール、エタノール酢酸エチルまたはアセトンを用いて行う。
これらの中でも3-11)が好ましい。本製法は実施例59に具体的に記載されている。3-16)もまた好ましい。本製法は実施例72に具体的に記載されている。3-19)もまた好ましい。本製法は実施例76-95に具体的に記載されている。
【0044】
(4) 多形結晶(IV)
4-2) ドネペジルを塩酸に溶解し、析出した結晶を濾取する。
4-3) ドネペジルを塩酸に溶解し、テトラヒドロフランを加える。
4-4) ドネペジルを含水テトラヒドロフランに溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
4-5) ドネペジルをメタノール、トルエンまたはn-ヘキサンに溶解し、塩酸を加える。
4-6) ドネペジルをメタノール/塩酸混合物に溶解する。
4-7) ドネペジルを水に溶解し、塩酸または塩化水素を加える。
4-8) 塩酸ドネペジルを水から再結晶する。
4-9) 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)を加湿する。
4-10) 塩酸ドネペジルの非晶質を加湿する。
これらの中でも4-4)が好ましい。本製法は実施例101に具体的に記載されている。4-8)もまた好ましい。本製法は実施例106に具体的に記載されている。
【0045】
(5) 多形結晶(V)
5-1) 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)を加熱する。
本製法は実施例109に具体的に記載されている。
【0046】
多形結晶(III)を得るための、上記製法3-6)はドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでジイソプロピルエーテルを加えることよりなる。ここで結晶化にかける好ましい時間は、撹拌速度、溶媒の使用量等によって異なる。しかし、より高い温度条件により結晶化時間は短縮される。この変化は実施例96-98に記載されている。
【0047】
従って本発明は、アセチルコリンエステラーゼ活性阻害を目的として、上記塩酸ドネペジル多形結晶の薬理学的に有効な量をヒトに投与することにより、アセチルコリンエステラーゼ活性に伴う疾患の治療方法を提供するものである。さらに本発明は、上記塩酸ドネペジル多形結晶の薬理学的に有効な量および薬理学的に許容される賦形剤からなる、治療用組成物をも提供するものである。
【0048】
本発明にかかる化合物の多形結晶は、各種老人性痴呆症;特にアルツハイマー型老年痴呆、脳卒中(脳出血、脳梗塞)、脳動脈硬化症、頭部外傷などに伴う脳血管障害;脳炎後遺症、脳性麻痺などに伴う注意力低下、言語障害、意欲低下、注意欠陥/多動障害、情緒障害、記銘障害、幻覚−妄想状態、行動異常などの治療、予防、緩解、改善などに有効である。
【0049】
更に、本発明にかかる多形結晶は、強力かつ選択性の高い抗コリンエステラーゼ作用を有するので、これらの作用に基づく医薬としても有用である。特に本発明にかかる多形結晶は、アルツハイマー型老年痴呆のほか、例えばハンチントン舞踏病、ピック病、晩発性異常症などにも有用である。
【0050】
本発明にかかる多形結晶をこれらの医薬として使用する場合は、経口投与若しくは非経口投与により投与されるが、通常は静脈内、皮下、筋肉内など注射剤、経皮剤、坐薬若しくは舌下錠など非経口投与により投与される。投与量は、症状の程度;患者の年令、性別、体重、感受性差;投与方法;投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類;有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、通常成人1日あたり約0.1〜300mg、好ましくは約1〜100mgであり、これを通常1日1〜4回に分けて投与する。
【0051】
本発明にかかる多形結晶を製剤化するためには、製剤の技術分野における通常の方法で注射剤、坐薬、舌下錠、錠剤、カプセル剤、経皮剤などの剤型とする。注射剤を調製する場合には、主薬に必要によりpH調製剤、緩衝剤、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、保存剤などを添加し、常法により静脈、皮下、筋肉内注射剤とする。その際必要により常法により凍結乾燥物とすることも可能である。
【0052】
懸濁剤としての例を挙げれば、例えばメチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどを挙げることができる。
【0053】
溶解補助剤としては、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マグロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステルなどを挙げることができる。
【0054】
また安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、エーテル等が、保存剤としては、例えばパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾールなどを挙げることができる。
【発明の効果】
【0055】
(1)安定性
(実験方法)塩酸ドネペジルの多形結晶(I)〜(IV)および非晶質塩酸ドネペジルを、それぞれ10mlスピッツロール中に10mgづつ2本秤取し、以下の条件にて保存し、不純物濃度(%)を経時的に追跡測定した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
続いて本発明をさらに具体的に説明するため、以下に実施例を掲げるが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。
【実施例】
【0057】
実施例1〜8 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
実施例9〜15 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
実施例16〜27 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
実施例28 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
参考例1 非晶質塩酸ドネペジルの製造
実施例29〜44 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
実施例45〜57 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
実施例58〜98 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
実施例99〜108 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
実施例109 塩酸ドネペジルの多形結晶(V)の製造
【0058】
実施例1 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 1gをメタノール 5mlに溶解した。ここにイソプロピルエーテル 10mlを加え、氷冷撹拌下、析出した結晶を濾別・風乾し、標題化合物の結晶0.9gを得た。
【0059】
実施例2 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 1gをメタノール 5mlに加熱溶解した。室温に戻した後、イソプロピルエーテル 10mlを加えた。室温にてそのまま30分間撹拌して析出した結晶を濾別・風乾し、標題化合物の結晶 0.9gを得た。
【0060】
実施例3 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 1gをメタノール 5mlに加熱溶解した。氷冷を始めると、内温15℃で結晶が析出開始した。10分後にイソプロピルエーテル 10mlを加え、室温にてさらに1時間撹拌した。結晶を濾別・風乾し、標題化合物の結晶 0.9gを得た。
【0061】
実施例4 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 5gをメタノール 25mlに加熱溶解した。氷冷して析出した結晶を濾別・風乾し、標題化合物の結晶 4.6gを得た。
【0062】
実施例5 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 0.3gをメタノール 1.5mlに溶解した。ここに10%-塩酸/メタノール混合液 0.79mlを加えた。析出した結晶を濾別・風乾し、標題化合物の結晶 0.2gを得た。
【0063】
実施例6 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 0.3gをエタノール 3mlに加熱溶解した。ここに、イソプロピルエーテル 3mlを加えた後、10%-塩酸/メタノール混合液 0.79mlを加えた。析出した結晶を濾別・風乾し、標題化合物の結晶 0.2gを得た。
【0064】
実施例7 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 10gをエタノール 100mlに加熱溶解した。撹拌下、ここに濃塩酸(3.1g)/エタノール(28ml)混合液を加え、次にイソプロピルエーテル 150mlを加えた。結晶が析出してから10秒後に結晶を濾取し、風乾して標題化合物の結晶 9.36gを得た。(収率;85.4%、水分含量;5.17%)
【0065】
融点; 225-226℃(分解)
【0066】
実施例8 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 10.0gをメタノール 50mlに加熱溶解し、氷冷・撹拌下、ジエチルエーテル 600ml中に滴下した。そのまま1時間撹拌を続け、析出した結晶を濾別・風乾し、標題化合物の結晶 10.0gを得た。
【0067】
実施例9 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 13.7gと塩酸 4.4mlをエタノール 100mlに加熱溶解した。室温にて撹拌下、ここにジエチルエーテル 200mlを加えた。析出した結晶を濾別し、80℃で真空乾燥して標題化合物の結晶 11.2gを得た。
【0068】
実施例10 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 50gをエタノール 200mlに加熱溶解し、室温に戻した後、18%-塩化水素/エタノール 27.3gを加えた。1時間静置後、減圧濃縮し、得られた結晶を風乾して標題化合物の結晶 55.0gを得た。
【0069】
実施例11 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 0.5gをエタノール 5mlに加熱溶解した。撹拌下、ここに10%-塩酸/エタノール混合液 1.31mlを加え、次いでイソプロピルエーテル 5mlを加えた。結晶析出10分後に濾別・風乾し、標題化合物の結晶 0.4gを得た。
【0070】
実施例12 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
塩酸ドネペジル 5.6gをエタノール 30mlに溶解した。ここにイソプロピルエーテル 100mlを加えて氷冷し、析出した結晶を濾別し、50℃で3日間乾燥して標題化合物の結晶 4.9gを得た。
【0071】
実施例13 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
塩酸ドネペジル 23.3gをエタノール 250mlに加え加熱溶解した。氷冷・撹拌下、ここにジエチルエーテル 600mlを加えた。3時間静置した後、析出した結晶を濾別し、85℃で22時間乾燥して標題化合物の結晶 22.7gを得た。
【0072】
実施例14 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 10gをエタノール 100mlに加熱溶解した。撹拌下、ここに濃塩酸(3.1g)/エタノール(28ml)混合液を加え、次にイソプロピルエーテル 150mlを加えた。結晶が析出してから15分後に結晶を濾取、風乾して標題化合物の結晶 9.0gを得た。(収率;82.1%)
【0073】
融点; 224-226℃(分解)
【0074】
実施例15 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
塩酸ドネペジル 40.0gをエタノール 700mlに加熱溶解した。氷冷下、イソプロピルエーテル 500mlを滴下し、容器の内壁をこすって結晶を析出させた。そのまま1時間静置後、析出した結晶を濾別し、50℃で12時間乾燥して標題化合物の結晶 31.4gを得た。
【0075】
実施例16 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 161gをエタノール 2000mlに加熱溶解した。室温に戻し、撹拌下、ここにジエチルエーテル 5000mlを加えた。析出した結晶を濾別し、35℃で12時間乾燥して標題化合物の結晶 120gを得た。(収率;74.5%、水分;0.15%)
【0076】
実施例17 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 308gをエタノール 700mlに溶解した。撹拌下、ここに10%-塩化水素/エタノール 230mlを加え、次いでジエチルエーテル 5000mlを加えた。析出した結晶を濾別し、50℃で1時間、60℃で30分間、次いで85℃で12時間乾燥して標題化合物の結晶 269gを得た。
【0077】
実施例18 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 59gをエタノール 590mlに溶解した。冷却下、ここに濃塩酸 17.8gを加え、次いでイソプロピルエーテル 885mlを加えた。室温にて一晩撹拌を続けた後、析出した結晶を濾取し、50℃で22時間乾燥して標題化合物の結晶 62gを得た。
【0078】
実施例19 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 5gをエタノール 100mlに加熱溶解し、室温に戻した。撹拌下、ここにn-ヘキサン 100mlを加えた。その後氷冷し1時間撹拌を続けた後、析出した結晶を濾取・風乾して標題化合物の結晶 4gを得た。
【0079】
実施例20 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 1gを塩化メチレン 15mlに加熱溶解し、室温に戻した。撹拌下、ここにn-ヘキサン 15mlを加えた。その後氷冷し1時間撹拌を続けた後、析出した結晶を濾取・風乾して標題化合物の結晶 0.9gを得た。
【0080】
実施例21 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 0.5gをアセトン 10mlに加熱溶解し、室温にて撹拌下、濃塩酸 0.13mlを加えた。そのまま撹拌を続け、30分後に、析出した結晶を濾取し、85℃で16時間乾燥して標題化合物の結晶 0.5gを得た。
【0081】
実施例22 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 0.3gを酢酸エチル 3mlに加熱溶解した。室温にて撹拌下、10%-塩化水素/エタノール 0.79mlを加えた。析出した結晶を濾取し、85℃で3時間、次いで70℃で16時間乾燥して標題化合物の結晶 0.3gを得た。
【0082】
実施例23 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 10gをエタノール 100mlに加熱溶解した。撹拌下、ここに濃塩酸(3.1g)/エタノール(28ml)混合液を加え、次にイソプロピルエーテル 150mlを加えた。結晶が析出してから1時間撹拌を続けた後、析出した結晶を濾取、風乾して標題化合物の結晶 9.86gを得た。(収率;90.0%、水分;0.26%)
【0083】
融点; 229-231℃(分解)
【0084】
実施例24 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジルの多形結晶(I) 5.0gをシャーレに広げ、85℃送風下において7日間放置し、標題化合物の結晶 4.9gを得た。
【0085】
実施例25 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジルの多形結晶(I) 5.0gをシャーレに広げ、85℃送風下において2日間、次いで105℃送風下で3日間放置し、標題化合物の結晶 4.8gを得た。
【0086】
実施例26 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジルの多形結晶(II) 5.0gをシャーレに広げ、85℃送風下において5日間放置し、標題化合物の結晶 4.9gを得た。
【0087】
実施例27 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジルの多形結晶(II) 5.0gをシャーレに広げ、105℃送風下において3日間放置し、標題化合物の結晶 4.9gを得た。
【0088】
実施例28 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
塩酸ドネペジルの多形結晶(II) 15.0gをシャーレに広げ、室温、相対湿度100%において2週間放置し、標題化合物の結晶 14.8gを得た。
【0089】
融点; 226-228℃(分解)
【0090】
参考例1 非晶質塩酸ドネペジルの製造
塩酸ドネペジル 15.0gを水 300mlに溶解し、ドライアイス/アセトン浴中にて凍結させた後、4日間凍結乾燥(-82℃)して標題化合物 14.8gを得た。
【0091】
実施例29 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 1.0gにメタノール 4mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに内温10℃で濃塩酸(0.31g)/メタノール(1ml)溶液を加え、氷冷下90分間攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.43gを得た。(水分含量;5.33%)
【0092】
実施例30 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 1.0gにメタノール 4mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/メタノール(1ml)溶液を加え、更に5分後、内温3℃でt-ブチルメチルエーテル(以下、TBME) 30mlを加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.10gを得た。(水分含量;5.60%)
【0093】
実施例31 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 1.0gにメタノール 4mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/メタノール(1ml)溶液を加え、更に5分後、内温3℃でジイソプロピルエーテル(以下、IPE) 30mlを加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.13gを得た。(水分含量;5.50%)
【0094】
実施例32 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 1.0gにメタノール 4mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに内温12℃で濃塩酸(0.31g)/メタノール(1ml)溶液を加え、更に7分後、内温3℃で酢酸エチル 30mlを加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.71gを得た。(水分含量;5.22%)
【0095】
実施例33 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 1.0gにエタノール 4mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/エタノール(1ml)溶液を加えた。氷冷下30分間攪拌した後、少量の多形結晶(I)を添加した。同温で30分間攪拌後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.70gを得た。(水分含量;5.33%)
【0096】
実施例34 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 1.0gにテトラヒドロフラン(以下、THF) 4mlを加え、24℃にて溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/THF(1ml)溶液を加えた。氷冷下40分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.00gを得た。(水分含量;5.67%)
【0097】
実施例35 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 1.0gにアセトニトリル 9mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/アセトニトリル(1ml)溶液を加えた。氷冷下50分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.63gを得た。(水分含量;5.59%)
【0098】
実施例36 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
ドネペジル 4.0gにメタノール 20mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに内温3℃で、塩酸ガスを反応容器空間が酸性を示すまで吹き込んだ。氷冷下20分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 3.40gを得た。(水分含量;5.19%)
【0099】
実施例37 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 10.0gにメタノール 60mlを加え、加熱還流下溶解後、放冷し、ここに内温60℃でIPE 120mlを加えた。氷冷下20分間攪拌し、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 9.80gを得た。(水分含量;5.87%)
【0100】
実施例38 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 3.0gにメタノール 18mlを加え、加熱還流下溶解後、放冷し、ここに内温54℃でIPE 36mlを加えた。氷冷下20分間攪拌し、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 2.95gを得た。(水分含量;5.55%)
元素分析値(%) C;65.55 H;7.53 N;3.05 Cl;8.16
【0101】
実施例39 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにメタノール 5mlを加え、加熱還流下溶解後、氷冷した。ここに内温3℃でTBME 30mlを加えた。氷冷下30分間攪拌し、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.00gを得た。(水分含量;5.40%)
【0102】
実施例40 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにメタノール 5mlを加え、加熱還流下溶解後、氷冷した。結晶析出開始1分後、酢酸エチル 30mlを加え、氷冷下30分間攪拌後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.00gを得た。(水分含量;5.60%)
【0103】
実施例41 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにメタノール 5mlを加え、加熱還流下溶解後、氷冷した。ここに内温3℃で n-Hexane 30mlを加え、氷冷下70分間撹拌後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.89gを得た。(水分含量;5.66%)
【0104】
実施例42 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにエタノール 20mlを加え、加熱還流下溶解後、氷冷した。氷冷下70分間攪拌後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.48gを得た。
【0105】
(水分含量;5.72%)
【0106】
実施例43 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにエタノール 25mlを加え、加熱還流下溶解後、氷冷した。内温3℃でIPE 50mlを加え、氷冷下5分間攪拌後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.86gを得た。(水分含量;5.32%)
【0107】
実施例44 塩酸ドネペジルの多形結晶(I)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにエタノール 20mlを加え、加熱還流下溶解後、氷冷した。ここに内温3℃でTBME 30mlを加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.00gを得た。(水分含量;5.33%)
【0108】
実施例45 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 1.0gにエタノール 4mlを加え、40℃加温溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/エタノール(1ml)溶液を加え、3分後TBME 30mlを加えた。氷冷下50分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.08gを得た。(水分含量;1.78%)
【0109】
実施例46 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 1.0gにイソプロピルアルコール(以下、IPA) 9mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/IPA(1ml)溶液を加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.87gを得た。(水分含量;1.10%)
【0110】
実施例47 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 1.0gにアセトン 9mlを加え、19℃で溶解した。ここに濃塩酸(0.31g)/アセトン(1ml)溶液を投入した。室温で5分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.87gを得た。(水分含量;0.83%)
【0111】
実施例48 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 1.0gにアセトン 9mlを加え、24℃で溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/アセトン(1ml)溶液を加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.92gを得た。(水分含量;0.61%)
【0112】
実施例49 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 1.0gにTHF 9mlを加え、24℃で溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/THF(1ml)溶液を加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.09gを得た。(水分含量;0.78%)
【0113】
実施例50 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 3.0gにアセトン 30mlを加え、21℃で溶解した。ここに同温で、塩酸ガスを反応容器空間が酸性を示すまで吹き込んだ。3分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 2.80gを得た。(水分含量;2.78%)
【0114】
実施例51 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
ドネペジル 4.0gに塩化メチレン 20mlを加え、18℃で溶解後、氷冷した。ここに内温4℃で、塩酸ガスを反応容器空間が酸性を示すまで吹き込んだ。アルゴンガスを吹き込んだ後、IPE 30mlを加えた。氷冷下2時間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 4.09gを得た。(水分含量;0.81%)
【0115】
実施例52 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにエタノール 20mlを加え、加熱還流下溶解後、氷冷した。ここに、内温20℃でTBME 30mlを加えた。氷冷下3時間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.92gを得た。(水分含量;0.79%)
【0116】
実施例53 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにエタノール 20mlを加え、加熱還流下溶解後、氷冷した。内温20℃でTBME 30mlを加えた。同温で20分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.80gを得た。(水分含量;0.52%)
【0117】
実施例54 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
塩酸ドネペジル 10.0gにエタノール 100mlを加え、加熱還流下溶解した。この溶液を、あらかじめ氷冷しておいたIPE 200ml中に、攪拌下加えた。同温で5分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 9.40gを得た。(水分含量;0.19%)
元素分析値(%) C;69.12 H;7.20 N;3.32 Cl;8.61
【0118】
実施例55 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gに塩化メチレン 20mlを加え、18℃で溶解後、氷冷した。ここにTBME 30mlを加えた。氷冷下3分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.88gを得た。(水分含量;2.33%)
【0119】
実施例56 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
塩酸ドネペジル多形結晶(I) 2.0gをシャーレ上に広げ、減圧乾燥機中にて、80℃一晩乾燥して、標題化合物 1.89gを得た。(水分含量;0.22%)
【0120】
実施例57 塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造
塩酸ドネペジル(非晶質) 2.0gをシャーレ上に広げ、減圧乾燥機中にて、80℃一晩乾燥して、標題化合物 1.98gを得た。(水分含量;1.15%)
【0121】
実施例58 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 1.0gにメタノール 4mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに内温7℃で濃塩酸(0.31g)/メタノール(1ml)溶液を加え、更に5分後、内温3℃でアセトン 30mlを加えた。同温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.44gを得た。(水分含量;0.11%)
【0122】
実施例59 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル1.0gにエタノール4mlを加え、40℃で加温溶解後氷冷し室温まで戻した。22℃でエタノール1mlに濃塩酸0.31gを加えた溶液を投入し、更に5分後、内温22℃でTBME 30ml投入した。投入途中結晶析出。室温で一夜攪拌した後、濾取・乾燥し標題化合物 1.09gを得た。(水分含量;0.19%)
元素分析値(%) C;69.27 H;7.23 N;3.34 Cl;8.58
【0123】
実施例60 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 1.0gに酢酸エチル 9mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに5℃で濃塩酸(0.31g)/酢酸エチル(1ml)溶液を加え、室温で30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.08gを得た。(水分含量;0.21%)
【0124】
実施例61 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 1.0gにアセトニトリル 9mlを加え、21℃で攪拌下ほぼ溶解した。ここに濃塩酸(0.31g)/アセトニトリル(1ml)溶液を加えたところ均一となった。室温で一晩攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.05gを得た。(水分含量;0.05%)
【0125】
実施例62 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 1.0gにアセトン 9mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。内温22℃で濃塩酸(0.31g)/アセトン(1ml)溶液を加えた。室温で一晩攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.08gを得た。(水分含量;0.03%)
【0126】
実施例63 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 1.0gにアセトン 29mlとイオン交換水 1mlを加え、20℃で溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/アセトン(1ml)溶液を加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.83gを得た。(水分含量;0.56%)
【0127】
実施例64 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 1.0gにTHF 9mlを加え、24℃で溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.31g)/THF(1ml)溶液を加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.09gを得た。(水分含量;0.54%)
【0128】
実施例65 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 1.0gにDMF 4mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。ここに5℃で濃塩酸(0.31g)/DMF(1ml)溶液を加えた。氷冷下30分間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.08gを得た。(水分含量;0.72%)
【0129】
実施例66 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 1.0gにDMSO 9mlを加え、20℃で攪拌下ほぼ溶解した。ここに濃塩酸(0.31g)/DMSO(1ml)溶液を加えた。同温で1時間攪拌した後、TBME 30mlを加えた。室温で一晩攪拌し、析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.97gを得た。(水分含量;0.25%)
【0130】
実施例67 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 2.0gにエタノール 20mlを加え、40℃で加温溶解後、氷冷した。内温24℃で、塩酸ガスを反応容器空間が酸性を示すまで吹き込んだ。更に5分後TBME 50mlを加え、室温で一晩攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 2.11gを得た。(水分含量;0.07%)
【0131】
実施例68 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 2.0gにトルエン 30mlを加え、20℃で溶解した。同温で塩酸ガスを反応容器空間が酸性を示すまで吹き込んだ。アルゴンガスを吹き込んだ後、同温で30分間攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 2.21gを得た。(水分含量;0.65%)
【0132】
実施例69 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにメタノール 5mlを加え、加熱還流下溶解後、室温で一晩攪拌後、氷冷下2時間撹拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物0.90gを得た。(水分含量;0.05%)
【0133】
実施例70 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにメタノール 5mlを加え、加熱還流下溶解後、40℃のオイルバス中に移し、内温40℃でTBME 30mlを加えた。同温で3時間攪拌後、氷冷下45分間撹拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.94gを得た。(水分含量;0.13%)
【0134】
実施例71 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにメタノール 5mlを加え、加熱還流下溶解後、氷冷した。内温2℃でアセトニトリル 30mlを加えた後、室温に戻し、同温で一晩攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.10gを得た。(水分含量;0.09%)
【0135】
実施例72 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにエタノール 20mlを加え、加熱還流下溶解後、40℃オイルバス中に移し、内温が40℃でTBME 30mlを加えた、同温で3時間攪拌後、氷冷下20分間撹拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.97gを得た。(水分含量;0.14%)
【0136】
実施例73 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにIPA 120mlを加え、加熱還流下溶解後、放冷した。そのまま室温で一晩攪拌後、氷冷し1時間撹拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.92gを得た。(水分含量;0.21%)
【0137】
実施例74 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにDMF 15mlを加え、100℃で加温溶解後、放冷した。そのまま室温で一晩攪拌した。内温20℃でTBME 30mlを加えて、氷冷下3時間攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.90gを得た。(水分含量;0.10%)
【0138】
実施例75 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにDMSO 15mlを加え、80℃で加温溶解後、氷冷した。ここに内温20℃でTBME 30mlを加え、同温で一晩攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.01gを得た。(水分含量;0.08%)
【0139】
実施例76〜95 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
下表に従い、室温にて、塩酸ドネペジル 1.0gを溶媒 10ml中に縣濁し、そのまま一晩撹拌を続けた。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物を得た。結果を下表に示す。
【0140】
【表14】

【0141】
実施例96 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 10.0gにエタノール 100mlを加え、40℃で加熱溶解した。室温まで冷却後、内温20℃で濃塩酸 3.01gを加えた。氷水中で冷却し、9分間撹拌した後、内温3℃でIPE 150mlを加え、氷冷下300分間撹拌を続けた。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物を得た。
【0142】
実施例97 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 10.0gにエタノール 100mlを加え、40℃で加熱溶解した。室温まで冷却後、内温20℃で濃塩酸 3.01gを加えた。9分間撹拌した後、内温20℃でIPE 150mlを加え、室温にて120分間撹拌を続けた。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物を得た。
【0143】
実施例98 塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造
ドネペジル 10.0gにエタノール 100mlを加え、40℃で加熱溶解した。室温まで冷却後、内温20℃で濃塩酸 3.01gを加えた。オイルバス中に移し、撹拌下内温40℃まで加熱した後、IPE 150mlを加え、続いて60℃で20分間撹拌を続けた。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物を得た。
【0144】
実施例99 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
イオン交換水 10mlに濃塩酸 0.65gを加え、22℃で攪拌下、ドネペジル 2.0gを加えた。そのまま1時間攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物1.80gを得た。(水分含量;11.00%)
【0145】
実施例100 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
イオン交換水 4mlに濃塩酸 0.31gを加え、22℃で攪拌下、ドネペジル 1.0gを加え溶解後、氷冷した。ここにTHF 100mlを加え、30分間攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.06gを得た。(水分含量;11.14%)
【0146】
実施例101 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
ドネペジル 3.0gにTHF 88ml、イオン交換水 3mlを加え、20℃で溶解後、氷冷した。ここに濃塩酸(0.93g)/THF(2ml)溶液を加え、氷冷下30分間攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 3.21gを得た。(水分含量;11.34%)
元素分析値(%) C;61.30 H;7.76 N;2.86 Cl;7.68
【0147】
実施例102 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
ドネペジル 1.0gにトルエン 9mlを加え、22℃で溶解した。ここに濃塩酸(0.31g)/トルエン(1ml)溶液を加え、室温で一晩撹拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.23gを得た。(水分含量;11.40%)
【0148】
実施例103 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
ドネペジル 1.0gにn-ヘキサン 9mlを加え、21℃で溶解した。ここに濃塩酸(0.31g)/n-ヘキサン(1ml)溶液を加え、室温で一晩撹拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.23gを得た。(水分含量;11.24%)
【0149】
実施例104 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
メタノール 1ml、イオン交換水 3mlおよび濃塩酸 0.93gの混合液にドネペジル1.0 gを加え、20℃で溶解した。そのまま3日間攪拌を続けた。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.83gを得た。(水分含量;11.04%)
【0150】
実施例105 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
ドネペジル 2.0gにイオン交換水 10mlを加え、23℃で懸濁状態とし、ここに塩酸ガスを全ての結晶が溶解するまで吹き込んだ。そのまま室温で2時間攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 1.77gを得た。(水分含量;11.10%)
【0151】
実施例106 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
塩酸ドネペジル 1.0gにイオン交換水 5mlを加え、60℃で加温溶解後、放冷した。室温で一晩攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥して、標題化合物 0.92gを得た。(水分含量;11.12%)
【0152】
実施例107 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
塩酸ドネペジルの多形結晶(II) 1.0gを50mmφシャーレに取り、相対湿度90%以上で24時間静置して、標題化合物 1.15gを得た。(水分含量;12.33%)
【0153】
実施例108 塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造
塩酸ドネペジルの多形結晶(III) 10gを250mmφシャーレに取り、イオン交換水300mlを加えて21℃で溶解した。これを凍結乾燥装置に移し、3日間かけて乾燥し非晶質を得た。これを相対湿度90%以上で24時間静置して、標題化合物 11.20gを得た。(水分含量;11.21%)
【0154】
実施例109 塩酸ドネペジルの多形結晶(V)の製造
塩酸ドネペジルの多形結晶(IV) 2.0gをシャーレに取り、減圧乾燥機中にて一晩、80℃減圧乾燥して、標題化合物 1.75gを得た。(水分含量;0.28%)
【0155】
最後に、本発明の効果を示すため、以下に本発明にかかる塩酸ドネペジルの新規多形結晶の安定性および吸湿性を、非晶質と比較した結果を掲げる。
発明の効果
(1)安定性
(実験方法)塩酸ドネペジルの多形結晶(I)〜(IV)および非晶質塩酸ドネペジルを、それぞれ10mlスピッツロール中に10mgづつ2本秤取し、以下の条件にて保存し、不純物濃度(%)を経時的に追加測定した。
【0156】
【表15】

【0157】
(HPLC純度測定方法および条件)各スピッツロールに下記移動相 10mlを加えて溶解し、下記HPLC条件にて不純物濃度(%)を測定し、それぞれについて2本の平均値を求めた。
【0158】
【表16】

【0159】
【表17】

【0160】
【表18】

【0161】
【表19】

【0162】
【表20】

【0163】
上記実験結果から、塩酸ドネペジルの多形結晶(I)〜(IV)は非晶質塩酸ドネペジルに対し、熱安定性に優れていることが明らかである。
【0164】
(2)吸湿性
(実験方法)塩酸ドネペジルの多形結晶(I)〜(IV)および非晶質塩酸ドネペジルを、25℃において下表に示す相対湿度中に2週間保存し、日本薬局方、一般試験法、水分測定法(カール・フィッシャー法)に従って水分含量を測定した。
【0165】
【表21】

【0166】
上記実験結果において、塩酸ドネペジルの多形結晶(I)は相対湿度96.6%まで、多形結晶(II)は相対湿度75.0%まで、多形結晶(III)は相対湿度96.6%まで、さらに多形結晶(IV)は相対湿度100%まで吸湿性を示さなかったが、非晶質塩酸ドネペジルは実験を開始した相対湿度10.6%から吸湿性が認められた。従って、塩酸ドネペジルの多形結晶(I)〜(IV)は、非晶質塩酸ドネペジルに対し、吸湿安定性に優れることが明らかである。
【0167】
以上の実験結果から、本発明にかかる塩酸ドネペジルの新規多形結晶(I)〜(IV)が有する、優れた熱安定性および低吸湿性が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】塩酸ドネペジル多形結晶(I)の粉末X線回折パターンである。
【図2】塩酸ドネペジル多形結晶(II)の粉末X線回折パターンである。
【図3】塩酸ドネペジル多形結晶(III)の粉末X線回折パターンである。
【図4】塩酸ドネペジル多形結晶(IV)の粉末X線回折パターンである。
【図5】非晶質塩酸ドネペジルの粉末X線回折パターンである。
【図6】塩酸ドネペジル多形結晶(I)の臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルである。
【図7】塩酸ドネペジル多形結晶(II)の臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルである。
【図8】塩酸ドネペジル多形結晶(III)の臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルである
【図9】塩酸ドネペジル多形結晶(IV)の臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルである。
【図10】非晶質塩酸ドネペジルの臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルである。
【図11】塩酸ドネペジル多形結晶(I)の熱重量−示差熱分析(TG-DTA)である。
【図12】塩酸ドネペジル多形結晶(II)の熱重量−示差熱分析(TG-DTA)である。
【図13】塩酸ドネペジル多形結晶(III)の熱重量−示差熱分析(TG-DTA)である。
【図14】塩酸ドネペジル多形結塩晶(IV)の熱重量−示差熱分析(TG-DTA)である。
【図15】非晶質塩酸ドネペジルの熱重量−示差熱分析(TG-DTA)である。
【図16】-20℃において保存した際の、各多形結晶および非晶質中の不純物の経時変化を示したグラフである。
【図17】40℃において保存した際の、各多形結晶および非晶質中の不純物の経時変化を示したグラフである。
【図18】60℃において保存した際の、各多形結晶および非晶質中の不純物の経時変化を示したグラフである。
【図19】80℃において保存した際の、各多形結晶および非晶質中の不純物の経時変化を示したグラフである。
【図20】25℃において、各相対湿度中で保存した際の、各多形結晶および非晶質中の水分含量を示したグラフである。
【図21】塩酸ドネペジル多形結晶(I)の再測定粉末X線回折パターンである。
【図22】塩酸ドネペジル多形結晶(II)の再測定粉末X線回折パターンである。
【図23】塩酸ドネペジル多形結晶(III)の再測定粉末X線回折パターンである。
【図24】塩酸ドネペジル多形結晶(IV)の再測定粉末X線回折パターンである。
【図25】塩酸ドネペジル多形結晶(V)の粉末X線回折パターンである。
【図26】非晶質塩酸ドネペジルの再測定粉末X線回折パターンである。
【図27】塩酸ドネペジル多形結晶(I)の臭化カリウム中の再測定赤外吸収スペクトルである。
【図28】塩酸ドネペジル多形結晶(II)の臭化カリウム中の再測定赤外吸収スペクトルである。
【図29】塩酸ドネペジル多形結晶(III)の臭化カリウム中の再測定赤外吸収スペクトルである
【図30】塩酸ドネペジル多形結晶(IV)の臭化カリウム中の再測定赤外吸収スペクトルである。
【図31】塩酸ドネペジル多形結晶(V)の臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルである。
【図32】非晶質塩酸ドネペジルの臭化カリウム中の再測定赤外吸収スペクトルである。
【図33】塩酸ドネペジル多形結晶(I)の再測定示差熱分析(DSC)である。
【図34】塩酸ドネペジル多形結晶(II)の再測定示差熱分析(DSC)である。
【図35】塩酸ドネペジル多形結晶(III)の再測定示差熱分析(DSC)である。
【図36】塩酸ドネペジル多形結塩晶(IV)の再測定示差熱分析(DSC)である。
【図37】塩酸ドネペジル多形結塩晶(V)の示差熱分析(DSC)である。
【図38】非晶質塩酸ドネペジルの再測定示差熱分析(DSC)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末X線回折パターンにおいて、2θで表される下記回折角度にピークを有し、
【表1】

臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数 699、748、762、845、947、1009、1035、1067、1103、1118、1129、1174、1193、1206、1222、1247、1267、1317、1365、1422、1436、1456、1465、1502、1592、1607、1688、2412、2489、2627、2846、2868、2913、2928、3435cm-1に吸収を有することを特徴とする、下記化学式で表される塩酸ドネペジルの多形結晶(II)。
【化1】

【請求項2】
粉末X線回折パターンにおいて、2θで表される下記回折角度にピークを有し、
【表2】

臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数 559、641、648、702、749、765、786、807、851、872、927、949、966、975、982、1007、1034、1071、1080、1111、1119、1131、1177、1190、1205、1217、1230、1250、1265、1292、1313、1367、1389、1420、1438、1453、1461、1470、1500、1589、1605、1697、2407、2419、2461、2624、2641、2651、2667、2837、2848、2873、2924、2954、2961、2993、3007、3377、3433cm-1に吸収を有することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)。
【請求項3】
粉末X線回折パターンにおいて、2θで表される下記回折角度にピークを有し、
【表3】

臭化カリウム中の赤外吸収スペクトルにおいて、波数 401、431、459、467、490、506、518、561、586、606、631、651、709、758、766、857、944、1009、1041、1106、1119、1132、1213、1225、1265、1304、1318、1429、1458、1470、1500、1589、1605、1630、1647、1683、2562、2577、2608、2634、2689、2717、2836、2924、2949、2989、3007、3032、3061、3322、3376、3422cm-1に吸収を有することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)。
【請求項4】
塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、ジエチルエーテルまたはイソプロピルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項5】
塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、イソプロピルエーテルを加え、結晶析出後10〜30分間撹拌した後濾取することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項6】
ドネペジルと塩酸または塩化水素をエタノールに溶解し、ジエチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項7】
ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え濃縮することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項8】
ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでイソプロピルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項9】
結晶析出10〜60分後に濾取することを特徴とする請求項8記載の塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項10】
塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、ジエチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項11】
塩酸ドネペジルを塩化メチレンに溶解し、n-ヘキサンを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項12】
ドネペジルをアセトンに溶解し、塩酸または塩化水素を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項13】
ドネペジルを酢酸エチルに溶解し、塩酸または塩化水素を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項14】
ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでジエチルエーテル、イソプロピルエーテルまたはn-ヘキサンから選ばれた溶媒1種を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項15】
溶媒がイソプロピルエーテルであり、結晶析出1時間以上後に濾取することを特徴とする請求項14記載の塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項16】
塩酸ドネペジルの多形結晶(II)を加熱することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項17】
塩酸ドネペジルの多形結晶(II)を加湿することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造法。
【請求項18】
粉末X線回折パターンにおいて、2θで表される下記回折角度にピークを有し、
【表4】

波数 506.5, 559.7, 594.4, 698.0, 740.8, 805.1, 861.9, 948.5, 972.1, 1039.9, 1120.8, 1220.7, 1264.8, 1314.6, 1364.1, 1458.0, 1499.5, 1542.5, 1560.2, 1592.1, 1692.9, 2500.1, 2924.2, 2998.9, 3422.1 cm-1に吸収を有することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(V)。
【請求項19】
ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでt-ブチルメチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項20】
ドネペジルをイソプロピルアルコールまたは塩化メチレンに溶解し、塩酸または塩化水素を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項21】
ドネペジルをアセトンに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、結晶析出開始後30分以内に濾取することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項22】
塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、10〜30℃でt-ブチルメチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項23】
塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、この溶液をジイソプロピルエーテル中に加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項24】
塩酸ドネペジルを塩化メチレンに溶解し、t-ブチルメチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項25】
塩酸ドネペジルの多形結晶(I)または非晶質を乾燥することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(II)の製造法。
【請求項26】
ドネペジルをメタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでアセトンを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項27】
ドネペジルをエタノールに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでt-ブチルメチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項28】
ドネペジルをアセトニトリルに溶解し、塩酸または塩化水素を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項29】
ドネペジルを6倍容量以上のテトラヒドロフランに溶解し、塩酸または塩化水素を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項30】
ドネペジルを含水アセトンに溶解し、塩酸または塩化水素を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項31】
ドネペジルをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、塩酸または塩化水素を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項32】
ドネペジルをジメチルスルホキシドに溶解し、塩酸または塩化水素を加え、次いでt-ブチルメチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項33】
ドネペジルをトルエンに溶解し、塩酸または塩化水素を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項34】
塩酸ドネペジルを10℃未満でメタノールから結晶化することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項35】
塩酸ドネペジルをメタノールに溶解し、均一な溶液中にt-ブチルメチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項36】
塩酸ドネペジルをメタノールに溶解し、アセトニトリルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項37】
塩酸ドネペジルをエタノールに溶解し、30℃以上でt-ブチルメチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項38】
塩酸ドネペジルをイソプロピルアルコールから結晶化することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項39】
塩酸ドネペジルをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、t-ブチルメチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項40】
塩酸ドネペジルをジメチルスルホキシドに溶解し、t-ブチルメチルエーテルを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項41】
塩酸ドネペジルの多形結晶(I)、(II)、(IV)、(V)または非晶質を溶媒中で撹拌し変換することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項42】
溶媒がメタノール、エタノール、酢酸エチルまたはアセトンから選ばれた1種以上である、請求項41記載の塩酸ドネペジルの多形結晶(III)の製造法。
【請求項43】
ドネペジルを水または含水テトラヒドロフランに溶解し、塩酸または塩化水素を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造法。
【請求項44】
ドネペジルを塩酸に溶解し、テトラヒドロフランを加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造法。
【請求項45】
ドネペジルをトルエンに溶解し、塩酸を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造法。
【請求項46】
ドネペジルをn-ヘキサンに溶解し、塩酸を加えることを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造法。
【請求項47】
ドネペジルをメタノール/塩酸混合液から結晶化することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造法。
【請求項48】
塩酸ドネペジルを水から結晶化することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造法。
【請求項49】
塩酸ドネペジルの多形結晶(II)または非晶質を加湿することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)の製造法。
【請求項50】
塩酸ドネペジルの多形結晶(IV)を乾燥することを特徴とする塩酸ドネペジルの多形結晶(V)の製造法。
【請求項51】
塩酸ドネペジルの多形結晶(II)、(III)、(IV)または(V)からなる医薬。
【請求項52】
塩酸ドネペジルの多形結晶(II)、(III)、(IV)または(V)を有効成分とするアセチルコリンエステラーゼ阻害作用が有効な疾患の予防・治療・改善剤。
【請求項53】
塩酸ドネペジルの多形結晶(II)、(III)、(IV)または(V)を有効成分とする老年性痴呆予防・治療・改善剤。
【請求項54】
塩酸ドネペジルの多形結晶(II)、(III)、(IV)または(V)を有効成分とするアルツハイマー病予防・治療・改善剤。
【請求項55】
塩酸ドネペジルの多形結晶(II)、(III)、(IV)または(V)を含有する医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2009−40783(P2009−40783A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201060(P2008−201060)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【分割の表示】特願2004−205012(P2004−205012)の分割
【原出願日】平成9年6月9日(1997.6.9)
【出願人】(506137147)エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 (215)
【Fターム(参考)】