説明

増大した接着性および耐久性を有する多層バリア容器

共射出によって形成される多層容器の層間剥離を減少するための技術が提供される。該多層容器は、少なくとも親水性コポリマーの層およびポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドを含む層を含む。親水性コポリマーは、コア層を形成し、ポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドは、外側のスキン層を形成することが望ましい。この容器は、採血に適しているが、それらは他の用途についても同様に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共射出により形成された多層容器の層間剥離を減少し、それによって水蒸気および酸素等の様々なガスに対する容器の透過性を減少することに関する。これらの容器は、食品、飲料、化粧品等の様々な品目のため、ならびに血液等の体液の収集および収納のために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2004年5月4日に出願した米国仮出願第60/567918号の優先権を主張するものである。
【0003】
すべての容器は、意図したそれらの用途を問わず、使用に合った性能基準を満たさなければならない。様々な熱可塑性物質から容器を構成することは、当技術分野ではよく知られている。容器に特定の性質を付与するために多層構造の容器を使用することもまたよく知られている。異なるタイプの熱可塑性物質の層が、それによって、様々な層によって付与される特性から異なる利点を得ることができるように、一般に使用されている。たとえば、1つの層は水蒸気に対して耐性であってもよく、もう1つの層はガス透過性に対して耐性であってもよい。
【0004】
たとえば、ポリプロピレン(PP)は、プラスチック製医療用容器および食品包装産業用フィルムなどの様々な物品の成形作業や押出作業で使用されている。しかしながら、PPは、窒素、酸素および他のガス、ならびに蒸気に対してある程度の透過性がある。このガスの透過性が、PP容器に入れた試料の時間の経過に伴う劣化の原因となり得る。
【0005】
このようなガスの透過性は、医療業界で重大な関心を引き起こしている。たとえば、真空採血管は、所定の性能基準を満たさなければならない。一般に、こうした性能基準には、12から18ヶ月にわたって当初の吸込み量の約90%を超えて維持する能力が含まれている。したがって、容器構成に選択した材料が高レベルのガス透過性を有することは極めて好ましくなく、長期間にわたって容器中で真空を効果的に維持することができない。
【0006】
これには、吸込み量を減少し、保存寿命を短縮することがあり得るポリマー壁の大気ガスおよび水蒸気の通過を阻止するバリアが必要である。しばしば製造時に管に導入される乾燥した血液分析用添加剤の劣化を抑制し、または重要な液状添加剤を保持するために、管壁を液体蒸気が透過することも同様に阻止しなければならない。
【0007】
ガス透過性に対抗する1つの方法は、プラスチックの第1の層が第2の層のガス透過性を償うことができ、第2の層が第1の層の水蒸気透過性を償うことができるように異なるプラスチック層を使用することである。たとえば、エチルビニルアルコール(EVOH)材料は、ヒドロキシル基の存在により良好なガスバリア性を示す。しかしながら、このような材料は上記のヒドロキシル基の存在にもより、水蒸気劣化を受けやすい。
【0008】
別の関心は、容器材料の内容物との反応性である。ポリマーの異なる層から構成された多層容器は、不活性表面を保持し、採血等の用途に必要なバリア特性を得ることができる。
【0009】
内層としてのEVOHおよび外部スキン層としてのPPを用いた多層構造は、ガスおよび水蒸気両方のバリア特性を有する容器を提供することが当技術分野では一般に知られている。しかしながら、EVOH層およびPP層の化学構造の不相溶性および差異が、上記多層構造を特に分離および層間剥離し易いものにしている。熱可塑性層の層間剥離は、熱応力および/または機械的応力にさらされるとさらに促進され、それによって多層構造の相乗効果が破壊される。
【0010】
層の層間剥離と対抗するために、特許文献1に記載されているような、つなぎ(tie)層または接着層の追加等の様々な方法が採用されている。そのつなぎ層は、2つの隣接している層と相溶性であり、層間剥離を防止する。しかしながら、つなぎ層を使用することにより、コストが上昇し、容器を製造する機械装置の複雑さが増す。
【0011】
多層フィルムの層間剥離作用を減少させるために添加剤が使用されている。たとえば、特許文献2には、マレイン酸変性ポリプロピレンをポリプロピレン層に添加し、それを次にポリ(ビニルアルコール)との層のあわせ面にコーティングして別のポリプロピレン層と接合することによって創作された包装フィルムが開示されている。上記フィルムは、柔軟な包装の需要に対しては有用であるが、剛構造の容器を生産するためには有用ではない。
【0012】
効果的なガスおよび水蒸気のバリア特性を示し、機械的耐久力があり、経済的に製造される耐久性のある頑丈な容器が要求されている。
【0013】
【特許文献1】米国特許第4707389号明細書
【特許文献2】米国特許第5230963号明細書
【特許文献3】国際公開第02/102571号パンフレット
【特許文献4】米国特許第5914138号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、従来技術の課題に取り組み、上記の要求を満たす改良された容器の製造プロセスを提供する。こうした容器としては、これらに限定されないが、採血管、真空採血管、遠心分離管、培養びん、および注射器の筒が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態によれば、プロセスまたは方法は、2つの異なる非相溶性の層を結合するステップ、より詳しくは、エチレンビニルアルコール等の親水性オレフィンコポリマー層をポリプロピレン等のポリオレフィン層と接着するステップを含む。その方法は、相溶化剤としての酸無水物変性ポリオレフィン樹脂を、親水性オレフィンコポリマー樹脂か、より望ましくは、ポリオレフィン樹脂のいずれかとブレンドするステップを含む。たとえば、ポリオレフィン樹脂は、ポリプロピレンをマレイン酸変性ポリプロピレンとブレンドするなど酸無水物変性ポリオレフィン樹脂とブレンドすることができ、次いでそのブレンドした樹脂は、その後共射出プロセスによって親水性オレフィンコポリマー樹脂(エチレンビニルアルコールなど)と共射出することができる。その方法により、ブレンドしたポリオレフィン層と接着した親水性オレフィンコポリマー層を含む多層構造体が生産され、その構造体は、優れたガスおよび水蒸気のバリア特性を示し、耐久性を有しており、かつ、層間剥離を生じにくい。
【0016】
本発明のさらなる実施形態においては、多層構造体が上記方法によって調製される。したがって、その構造は、少なくとも親水性オレフィンコポリマーを含む第1の層と、この第1の層と直接接しておりポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドを含む第2の層とを含んでいる。第3の層は、同様にポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドを含んでおり、さらに第2の層の反対側で第1の層と接して施すことができる。上記配列において、第1の層はコア層を形成し、一方、第2の層および第3の層はそのコア層を封入する内部および外部スキン層を形成しており、その構造体にはコア層とスキン層の間に接着層またはつなぎ層がない。
【0017】
望ましくは、該多層構造体は、容器、より望ましくは、管の形態をしており、底壁、上縁、および底壁と上縁の間の側壁を含む。少なくともその側壁は、内部および外部のポリマースキン層を、その内部および外部のポリマースキン層の間に位置して直接接しているポリマーコア層を伴って含む。スキン層とコア層は、非相溶性ポリマーから形成されているが、上記のように樹脂層の1つに酸無水物変性ポリオレフィンを組み込むことによって互いによく接着し層間剥離に耐える。コア層は、そのコア層がスキン層によって内部封入されながら、底壁および側壁の両方を通して実質的に連続な被覆域を示すことが望ましい。そのようにして、非相溶性ポリマーを有していながら、別個のポリマー間に接着層またはつなぎ層の必要ない、共射出管がそれによって得られる。
【0018】
本発明のなおさらなる実施形態において、多層容器を製造するプロセスまたは方法は、親水性オレフィンコポリマーを含む第1のポリマー材料およびポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのドライブレンドを含む第2のポリマー材料を供給するステップを含む。第1および第2の溶融ポリマー材料は、ノズル部を通して、容器の底壁を一体で形成する領域を含む金型キャビティ内へ送られる。第1および第2の溶融ポリマー材料は、この製造プロセスの少なくとも一部で、金型キャビティ内を共流する。その共流する間に、ノズル部は、第1および第2の溶融ポリマー層を第1の溶融ポリマー材料の内部スキン層および外部スキン層として内部スキン層と外部スキン層の間の第2の溶融ポリマー材料のコア層と共に金型キャビティ内に送り込む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
一般的に、本発明の一実施形態によれば、多層容器構造体は、2つの異なる非相溶性層から製造される。(非相溶性とは、マクロ的には良好な接着性に欠けることを指し、2種のポリマーの2層フィルムが形成されたとき、それらがフィルム形成過程直後に層間剥離する傾向があるか、それらが、通常の取扱い、曲げ、目的とする使用、環境条件の変化(たとえば温度変化)または同様の外部要因によってその後の力の作用が生じたとき層間剥離する傾向がある場合、上記ポリマー同士は非相溶性であると考えられる。)特に、本発明の一実施形態は、層間の層間剥離を防止または減少する改良された多層容器構造体を対象としている。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、多層容器構造体は、少なくとも1層のオレフィン層と、接着性およびラミネーションに関してそのオレフィン層と非相溶性であるポリマーの少なくとも1層とを含む。その多層容器構造体は、一般に、互いに直接接している第1の層および第2の層を少なくとも含み、第1の層は、親水性オレフィンコポリマーで形成され、第2の層はポリオレフィンで形成されている。その多層容器構造体は、共射出プロセスによって形成され、その構造体の層を形成するポリマー材料が所望の形状の金型に同時に流れ込んで多層構造体を形成する。上記の共射出プロセスは、共流共射出プロセスによって製造される多層採血管を開示している特許文献3に教示されており、その全体を本明細書に組み込む。
【0021】
酸無水物変性ポリオレフィン樹脂を上記多層構造体のポリオレフィン層か親水性オレフィンコポリマーのいずれか一方に組み込むことによって、上記非相溶性の層間の層間剥離の減少および接着性の改良を達成することができる。望ましい結果は、共射出プロセスにおいて層が形成される前に、たとえば、酸無水物変性ポリオレフィン樹脂をポリオレフィン樹脂中にドライブレンドすることによって、酸無水物変性ポリオレフィンをポリオレフィン層中に組み込む場合に達成してもよい。
【0022】
本発明の実施形態の多層容器の個々の層は、その容器の意図された用途に基づいて選択される。本発明による容器としては、これらに限定はされないが、管、びん、ボール、バイアル、フラスコ、注射器、および単回使用のための使い捨て容器が挙げられる。特に有用なものは、血液採取に使用される管である。本発明の実施形態は、真空採血管について以下で説明するが、当分野の技術者には、この説明が他の容器にも等しく適用できることが明らかであろう。記載されている実施形態は、採血管等の管に特に有用であり、一般に事実上円筒形であり、1個の丸い閉鎖末端と連続した管状の柱面を備えている。上記の例において、完成した容器には、実質的な形状全体に連続表面が含まれており、吹込み成形した容器で従来見られた雄ねじ模様または外部形状はない。
【0023】
採血管に対して、ガスおよび液体蒸気の透過性を阻止する材料の組合せは特に有用である。バリア層に適する材料は、様々な直鎖または多分岐分子構造もしくは立体構造を有する未使用(virgin)ポリマーまたはコポリマーを含む。多層容器は、本発明の実施形態によれば、1層が親水性オレフィンコポリマーであり、他の層がポリオレフィン層である少なくとも2層を含む。ポリオレフィン層は液体蒸気バリア特性を与えることが望ましく、一方親水性オレフィンコポリマー層はガスバリア特性を与えることが望ましい。
【0024】
第1の層に有用な親水性オレフィンコポリマーは、オレフィンと、ビニルアルコールのコポリマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートから選択される1種または複数のモノマーとのコポリマーであってもよい。望ましくは、オレフィンはエチレンであり、より望ましくは、親水性オレフィンコポリマーはエチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)である。EVOHポリマーは、望ましくは約27〜48%のビニルアルコールを含み、含量がこの範囲内のポリマーは市販されている。
【0025】
第2の層として有用なポリオレフィンは、HDPE、LDPEおよびLLDPE等のポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ならびに環状オレフィンコポリマー(COC)から選択されてもよい。望ましくは、ポリオレフィンはポリプロピレンである。
【0026】
既に示したように、酸無水物変性ポリオレフィンは、容器の層の1つの中、望ましくはポリオレフィン層中に組み込まれる。その酸無水物変性ポリオレフィンは、望ましくは、マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリ(エチレン−コ−プロピレン)等のマレイン酸変性ポリオレフィンまたは類似の変性プロピレンポリマーまたはコポリマーである。
【0027】
一例において、親水性オレフィンコポリマーは、EVOHであり、ポリオレフィンはPPであり、酸無水物変性ポリオレフィンはマレイン酸変性PPである。そのように、多層構造体の第1の層はEVOH層を含んでよく、第2の層はEVOHの第1の層と直接接しているPPとマレイン酸変性PPとのブレンド層を含むことができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、多層構造としては、材料の1つが他の材料の2層の間にはさまれたコア層を形成している3層構造が含まれる。たとえば、EVOHのコア層は2つの別々のスキン層の間にはさまれてもよく、それらの層は両方共、コア層とその反対側で直接接しているPPとマレイン酸変性PPとのブレンドである。また、EVOHのスキン層の間にはさんだPP/マレイン酸変性PPのブレンドのコア層を提供してもよい。その構造体は、コア層と第1および第2スキン層のいずれかの間につなぎ層を含んでもよいと考えられるが、PP/マレイン酸変性PPのブレンドの層はEVOH層と十分に結合してそれらの層間剥離を防ぐので、そのようなつなぎ層は必要ないかまたは望ましくない。
【0029】
ポリオレフィン層は、ポリオレフィンおよび酸無水物ポリオレフィンを以下の量で含むことが望ましい。ポリオレフィンは、約90〜約98重量パーセントの量で存在し、酸無水物変性ポリオレフィンはそれぞれのスキン層中に約2〜約10重量パーセント存在する。その重量パーセントは、ポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとの組合せたものの全体重量を基準としている。10重量パーセントを超える酸無水物変性ポリオレフィンを加えることもできるが、10重量パーセントの下にとどめておくのが最も費用効率が高い。
【0030】
有機または無機充填剤、染料、可塑剤、滑剤、加工助剤、安定剤およびその他の低分子添加剤を添加して、容器の層を構成する1種または複数のベースポリマーに改良された特性を付与してもよく、そこで本明細書で使用する場合、ポリマー材料という用語には、こうした添加剤を含有したポリマーも含めることとする。役に立つと思われるその他の材料としては、紫外(UV)線バリア、分子スカベンジャー材料、放射線バリア材料、荷電性染料(たとえば、感温性)、温度および/または圧力変化に反応する材料、ならびに構造添加剤が挙げられる。上記ベースポリマーのナノコンポジットを使用することも可能である。少量の粘土(1〜5%)を含有するナノコンポジットは、バリア特性を大きく改善することが示されている。これらのナノコンポジットに一般に使用される粘土は、有機変性モンモリロナイト、雲母型シリケートであり、層構造に配列された多層からなる。ナノ粘土が使用されるのは、これらが、高いカチオン交換能、高い表面積および小板厚みが100nmの大きなアスペクト比を有するからである。シリケート層の大きなアスペクト比は、気体や液体蒸気の分子を、シリケート層の周りのポリマーマトリックス内のより曲がりくねった通路を通らせて、拡散距離を長くし、それにより透過性を低下させる。ポリマーマトリックス自体の配向効果も、マトリックスを通る気体や液体蒸気の分子の透過性を低下させるものと思われる。本明細書に記載の実施形態の容器では、材料の組合せも数多く可能であり、任意の多層構造に処理される。
【0031】
記載されている実施形態、特に真空採血管についての多層容器の特徴は、各材料の被覆域(coverage)である。(ここで、被覆域とは、容器の断面に材料があることを示す。)たとえば、液体蒸気バリア材料が容器の一部にないと、液体蒸気は逃げる可能性がある。したがって、用途によっては、底壁全体および側壁全体にわたって、液体蒸気バリア材料と気体バリア材料両方の実質的に連続した被覆域を有することが重要である(側壁全体とは、一実施形態において上縁のほぼ0.1インチ以内までを意味しており、別の実施形態においては、被覆域は上縁のほぼ0.02インチ以内である)。代わりに、容器が栓と接触(たとえば、密封)する領域までのみ、側壁に両材料の実質的に連続した被覆域を形成することも可能である。栓の存在が十分なバリア性を提供することができるからである。(実質的に連続な被覆域とは、本発明の一実施形態において、規定された区域の断面の少なくとも98%に材料があることを示す。)所望の被覆域を形成するように成形プロセスを実施することができる。
【0032】
使用する材料によっては、外部環境に露出するコア材料の量が低く保持されるように、コア材料を内部封入することが望ましいことがある。たとえば、コア材料の特定の性質が空気中に存在する湿気の影響を受ける場合は、スキン材料が実質的にコア材料を内部に封じ込めるように成形プロセスを制御することによって、コア材料の外部環境への露出を低減または防止するべきである。上記内部封入は、さらにコアの層間剥離の防止を助ける。内部封入と実質的に連続した被覆域とが望ましいスキン−コア−スキンの実施形態においては、コア材料は容器の上縁以外のすべてに存在し、この上縁は代わりにスキン材料のみの断面を有することになろう。酸無水物変性ポリオレフィンを層の1つに組み込むことによって、層間の化学的相溶性が付与され、コア層とスキン層の界面におけるコア材料の層間剥離が防止され、一方で、内部封入はさらに機械的構造を提供してさらに層間剥離を防止する。
【0033】
本発明の一実施形態において、多層容器構造体は、管の形状、特に、採血に有用な管をしている。
【0034】
本発明の実施形態によれば、容器は、一般に、共射出成形によって製造される。これは、少なくとも2種の別個の射出成形性材料を金型ゲートの直前で、秩序立った1段階成形動作で合体させ、材料が、この動作の少なくとも一部で共流するプロセスであるこのような共流、共射出プロセスは特許文献3および4に記載され、その開示は両方とも本明細書に参照により組み込まれる。とりわけ共射出成形により、コア層の所望の被覆域および所望の内部封入を伴い、閉じた丸い底を含めて管全体を1段階で成形することが可能になる。予備成形の必要はない。底壁は、閉じた底壁を成形する領域を有する金型キャビティを、金型キャビティにポリマーを流すステップと一体で使用することにより提供することができる。所望の被覆域および/または内部封入は、様々な材料の流れを制御することにより達成される。
【0035】
容器構造体は、もっぱらポリマーの多層から構成してもよい。言い換えると、底壁および容器の底壁から上縁まで広がる側壁は、もっぱら多層から構成してもよい。別の構造体の実施形態は、多層からなる側壁のみを含むことができる。さらに別の実施形態においては、その容器は、側壁が上縁から下に広がって捕集管の丸底部分を形成している捕集管である。この捕集管の丸底部分は、もっぱら多層からなっていてもいなくてもよい。この多層は、少なくともポリオレフィンおよび酸無水物変性ポリオレフィンの内部と外部のスキン層(すなわち、管の内側と管の外側)ならびに少なくとも親水性オレフィンコポリマーを含むコア層を含むことが望ましい。
【0036】
上記のように、多層容器を構成する1方法としては、共射出成形法が含まれる。そのようなプロセスにおいては、親水性オレフィンおよびポリオレフィン/酸無水物変性ポリオレフィンブレンドが、共射出されて多層を形成する。ポリオレフィンおよび酸無水物変性ポリオレフィンは、共射出プロセスに先立ってドライブレンドされる。親水性オレフィン樹脂をドライブレンドしたポリオレフィン/酸無水物変性ポリオレフィン樹脂ブレンドと共に共射出することにより、2種類の異なる材料の接着が可能となる。これは、材料が十分に高い温度であって、分子が構造中を幾分動き回ることがまだ可能であることによる。したがって、酸無水物変性ポリオレフィンは、それ自身がポリオレフィン層内で配列し、2つの接合された層の境界内でからみ合いを生じる機会を持ち、このようにして2つの異なる層の間の結合または接着を生み出す。
【0037】
たとえば、ポリプロピレンは疎水性であり、エチレンビニルアルコールは親水性である。両方の性質を有するマレイン酸変性ポリプロピレンの添加により、ポリプロピレン層がエチレンビニルアルコール層により強固に接着することが可能となる。共射出プロセスの温度が高いほど、マレイン酸変性ポリプロピレンはポリプロピレン層全体に移動し、エチレンビニルアルコール層との接着を形成することが可能となる。これにより、ガス透過および水蒸気透過に耐え、内容物の完全性を保護する不活性表面を有する、より耐久性のある容器が生み出される。
【0038】
本発明の実施形態によれば、たとえ2つの異なる材料が接着されても、酸無水物変性ポリオレフィンがポリオレフィン層に添加されているために、つなぎ層は必要としない。
【0039】
記載されている実施形態の多層容器は、望ましくは特許文献3に詳細に示されている共射出技術によって管として形成してもよい。たとえば、底壁、上縁、およびその底壁と上縁の間の側壁を有する多層容器を製造するための特定の方法は、親水性オレフィンコポリマーを含む第1の溶融ポリマー材料を供給するステップと、ポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドを含む第2の溶融ポリマー材料を供給するステップとを含んでもよい。該第1および第2の溶融ポリマー材料は、ノズル部を通って、容器の底壁を一体で形成する領域を含む金型キャビティ内へ送られ、その結果、第1の溶融ポリマー材料および第2の溶融ポリマー材料は、この製造プロセスの少なくとも一部で金型キャビティ内を共流する。
【0040】
記載されている実施形態の容器は、所望される任意の大きさで形成することができる。たとえば、本発明による管は、長さが50〜150mmと内径が10〜20mmの通常の真空管を形成することができる。特に、長さが75〜100mmと内径が13〜16mmの標準真空管、または長さが43.18mmで内径が6.17mmの標準のマイクロ採取管が可能である。従来の採血管の一般的な肉厚、たとえば、約25ミル(0.625mm)から約80ミル(2.032mm)、より一般的には約30ミル(0.762mm)から約40ミル(1.016mm)は、記載されている実施形態による管で可能である。本発明の3層管では、たとえば、厚み約0.1ミル(0.00254mm)から約20ミル(0.508mm)、一般的には厚み約1ミル(0.0254mm)から約3ミル(0.0762mm)のコア層と、厚み約8ミル(0.2032mm)から約40ミル(1.016mm)、一般的には厚み約10ミル(0.254mm)から約30ミル(0.762mm)の各スキン層を有することが可能である。
【0041】
検体採取分野での使用については、記載されている実施形態の容器は、一般に、追加の加工ステップを経ることが必要である。たとえば、血液または尿の分析に有用な添加剤、たとえば、凝血促進剤または抗凝血剤を管の中に入れることが多い。当技術分野で知られているように、血液の分析は、血清で行われることが多く、凝固速度を上げるために凝血促進剤が一般的に用いられる。こうした凝血促進剤としては、シリカ粒子またはエラグ酸(elagic acid)、フィブリノーゲン、およびトロンビンなどの酵素凝固活性化剤が含まれる。血漿の分析が所望される場合は、遠心分離によって血液細胞が分離できるように、一般に抗凝血剤を用いて凝固を防止する。こうした抗凝血剤としては、シュウ酸塩、クエン酸塩、およびEDTAなどのキレート化剤ならびにヘパリンなどの酵素が含まれる。
【0042】
添加剤は、溶媒へ溶解すること、あるいは粉末状態、結晶状態、または凍結乾燥状態で配置することを含めて、液体または固体の任意の適切な方法で容器内に配置される。また、容器内に、セパレータ、たとえば、力学的または非力学的形態の密度勾配セパレータ(たとえば、チキソトロピーゲル)を含めることも可能である。こうしたセパレータにより、たとえば、細胞分離または血漿分離が提供される。
【0043】
加えて、容器のアセンブリとしては、容器の開口端の上にエラストマー系クロージャーを置くこと、及びその容器を真空チャンバ中に置いて容器中の内部の空気圧を大気圧より低いレベルまで減少させること等により、容器の内圧を減少させることがさらに含まれてもよい。
【0044】
本発明の一実施形態に基づき、マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸無水物変性ポリオレフィンを上記のやり方で添加することにより、容器は、荷重をかけられたとき、ならびに輸送中および保存中に起こり得るもの等の極端なかつ/または急速な温度変化にさらされたときに層間剥離に耐えることが可能となる。たとえば、PP/EVOH管は、極端な温度変化、たとえば約12時間に満たない時間にわたって約50°Fを超える温度変化にさらされたとき、層間剥離する可能性がある。極端な温度変化によって引き起こされるこうした層間剥離、ならびにその他のたとえば加圧による層間剥離の懸念は、EVOHコア層を包み込むスキン層として使用するためのPPにマレイン酸変性PPを添加するなど、酸無水物変性ポリオレフィンをスキン層またはコア層の1つに組み込むことによって防ぐことができる。
【0045】
本発明の実施形態は、以下の実施例によってさらに実証されよう。実施例中ならびにほかに明細書および特許請求の範囲中で特に明示されていない限り、部および百分率はすべて重量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧またはその近辺である。
【実施例1】
【0046】
EVOHコア材料およびPPスキン材料の3層管を、その層のいずれにも相溶化剤としてのマレイン酸変性PPを一切添加しないで、上述の共射出プロセスによって作製した。この管は、厚さが2.032mmすなわち0.080インチの壁を有する13mm×75mm、2.0mlの吸込み管であった。この管は、管の全体構造を基準として変化する量(体積百分率)のEVOHで構成された。
【0047】
側面からの荷重に耐える管の能力を試験するため、管をその側面をつけて横たえ(栓なしで)、インストロン試験機を用いて管の中心と管の先端の間の点で管と直角に力をかけた。栓の力を模倣するラジアル荷重に耐える管の能力を試験するため、プローブを管の内側に挿入し、これで管の先端(開口端)に圧力をかけた。層間剥離は、管の目視検査をすることによって判定した。詳細には、管の層が層間剥離した時点で、管は不透明になった。
【0048】
下の表により結果をまとめる。管の材料組成は、コア層であるEVOHの割合と、PPスキン層である残りが以下に列挙されている。
【0049】
【表1】

【0050】
上の結果からわかるように、相溶化剤を一切添加しないで組み立てた管は、それぞれ、側面荷重をかけたときは、17ポンド未満の力で層間剥離し、ラジアル荷重をかけたときは、85ポンド未満の力で層間剥離した。
【0051】
その上、両極端の気温に耐える管の能力を試験するため、管を、保存中等の急速な温度変化を模倣して、21℃の環境(室温)から取り出して約−60℃の環境に約12時間置いた。約12時間後に視覚により観察すると、管はそれぞれ、層の層間剥離を示した。
【実施例2】
【0052】
PP樹脂とマレイン酸変性PP樹脂とのドライブレンドを様々なレベルで用意した。上記の共射出プロセスにより、EVOH樹脂がコア材料として供給され、PP樹脂/マレイン酸変性PP樹脂のブレンドがスキン材料として供給され、マレイン酸変性PP樹脂が相溶化剤として作用する3層管を作製した。試験した各管の材料組成は、以下の表2に記載されており、管の全体構造を基準として5%のEVOHが存在し、スキン層に組み込まれたマレイン酸変性PPの量(スキン層の体積を基準とする体積百分率で表している)を変化させている。この管は、厚さが0.080インチすなわち2.032mmの壁を有する13mm×75mm、2.0mlの吸込み管であった。
【0053】
適用された荷重および温度試験は、各管について実施例1と同じ方法で行い、結果を表2に示した。
【0054】
【表2】

【0055】
実施例1と2の結果を比較すると、この管が、実施例1における管と比較して著しく高い側面荷重およびラジアル荷重がかけられたときに層間剥離した点において、相溶化剤としてマレイン酸変性PPをポリプロピレンへの添加することにより、改良された特性をもたらされることを示している。詳細には、実施例1における5%EVOHからなる管と比較して、実施例2における管は、層間剥離する前に著しく高い荷重に耐えている。さらに、PPスキン層に添加された10%のマレイン酸変性PPを含む実施例2の管は、層間剥離が検出されることなくラジアル方向にかけた228.8ポンドの圧力に耐えた。
【0056】
加えて、実施例2の管が実施例1におけるのと同様の方式で極端な温度変化を受けたとき、層の間の剥離は検出されなかった。
【実施例3】
【0057】
EVOHとマレイン酸変性PP樹脂とのドライブレンドを用意した。上記の共射出プロセスにより、PP樹脂がスキン材料として供給され、EVOH樹脂/マレイン酸変性PP樹脂がコア材料として供給され、マレイン酸変性PP樹脂が相溶化剤として作用する3層管を作製した。試験した各管の材料組成は、以下の表3に記載されており、管の全体構造を基準として5%のEVOHが存在し、スキン層に組み込まれたマレイン酸変性PPの量(スキン層の体積を基準とする体積百分率で表わしている)は変化している。この管は、厚さが0.080インチすなわち2.032mmの壁を有する13mm×75mm、2.0mlの吸込み管であった。実施例1および2と同様の方法でこれら管を試験した結果を以下の表3にまとめる。
【0058】
【表3】

【0059】
実施例1と3の結果を比較すると、EVOHコア層へのマレイン酸変性PPの添加によって、実施例1における5%EVOHの管と比較して、ラジアル方向にかけられたより高い荷重に管が耐えることが可能となったことを示している。側面荷重試験においては、10%レベルでのマレイン酸変性PPの添加により、実施例1における5%EVOHの管より性能が優れていた。
【0060】
加えて、容器が実施例1および2におけるのと同様の温度の極端な変化を受けたとき、実施例3の管は層間剥離しなかった。
【0061】
本発明の実例となる実施形態を実施例に関して本明細書で説明したが、本発明はこれらの実施形態に厳密に限定されることはなく、本発明の範囲および精神から逸脱することなく様々なその他の変化および修正が加えられ得ることは当業者であれば理解できることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも親水性オレフィンコポリマーを含む第1の層、および
第1の層に直接接する第2の層を含み、前記第2の層は、少なくともポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドを含むことを特徴とする多層構造。
【請求項2】
前記第2の層の反対側で第1の層に直接接する第3の層をさらに含み、前記第3の層は、ポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドを含むことを特徴とする請求項1に記載の多層構造。
【請求項3】
第1の層はコア層を含み、第2の層および第3の層は、該コア層に直接接する内部スキン層および外部スキン層を含むことを特徴とする請求項2に記載の多層構造。
【請求項4】
コア層とスキン層の間に接着層またはつなぎ層がない構造であることを特徴とする請求項3に記載の多層構造。
【請求項5】
第1の層はエチレンビニルアルコールを含むコア層を含み、第2の層および第3の層は、該コア層に直接接する内部スキン層および外部スキン層を含み、それぞれのスキン層は、ポリプロピレンとマレイン酸変性ポリプロピレンとのブレンドを含むことを特徴とする請求項4に記載の多層構造。
【請求項6】
ポリオレフィンは、ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1に記載の多層構造。
【請求項7】
酸無水物変性ポリオレフィンは、マレイン酸変性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1に記載の多層構造。
【請求項8】
親水性オレフィンコポリマーは、オレフィンと、ビニルアルコールのコポリマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択された1種または複数のモノマーとのコポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の多層構造。
【請求項9】
オレフィンは、エチレンであることを特徴とする請求項8に記載の多層構造。
【請求項10】
親水性オレフィンコポリマーは、エチレンビニルアルコールであることを特徴とする請求項9に記載の多層構造。
【請求項11】
ポリオレフィンは第2の層中に第2の層の全重量を基準として約90〜約98重量パーセント存在し、酸無水物変性ポリオレフィンは、第2の層中に第2の層の全重量を基準として約2〜約10重量パーセント存在することを特徴とする請求項1に記載の多層構造。
【請求項12】
底壁、上縁、および底壁と上縁の間の側壁を含む多層容器であって、
少なくとも該側壁は、ポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドを含む内部ポリマースキン層および外部ポリマースキン層を含み、該内部ポリマースキン層と該外部ポリマースキン層の間に直接接して位置している親水性オレフィンコポリマーを含むポリマーコア層を有することを特徴とする多層容器。
【請求項13】
前記底壁、前記上縁、および前記側壁にはコア層とスキン層の間に接着層またはつなぎ層がないことを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項14】
ポリオレフィンは、ポリプロピレンであることを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項15】
酸無水物変性ポリオレフィンは、マレイン酸変性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項16】
親水性オレフィンコポリマーは、オレフィンと、ビニルアルコールのコポリマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択された1種または複数のモノマーとのコポリマーであることを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項17】
オレフィンは、エチレンであることを特徴とする請求項16に記載の多層容器。
【請求項18】
親水性オレフィンコポリマーは、エチレンビニルアルコールであることを特徴とする請求項17に記載の多層容器。
【請求項19】
ポリオレフィンはそれぞれのスキン層中に該スキン層の全重量を基準として約90〜約98重量パーセント存在し、酸無水物変性ポリオレフィンは、それぞれのスキン層中に該スキン層の全重量を基準として約2〜約10重量パーセント存在することを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項20】
コア層はエチレンビニルアルコールを含み、それぞれの内部スキン層および外部スキン層は、ポリプロピレンとマレイン酸変性ポリプロピレンとのブレンドを含むことを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項21】
容器は、共射出プロセスにより形成されることを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項22】
側壁および底壁は、ポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドを含む内部ポリマースキン層および外部ポリマースキン層を含み、該内部ポリマースキン層と該外部ポリマースキン層の間に直接接して位置している親水性オレフィンコポリマーを含むポリマーコア層を有することを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項23】
コア層は、底壁と側壁両方の全面に実質的に連続した被覆域を示すことを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項24】
コア層は、スキン層によって封入されていることを特徴とする請求項23に記載の多層容器。
【請求項25】
コア層は、底壁および側壁内で栓によって接するように設計されている容器の領域までの全面にわたる実質的に連続した被覆域を示すことを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項26】
容器は、管であることを特徴とする請求項12に記載の多層容器。
【請求項27】
管は、エラストマー領域を有するキャップをさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の多層容器。
【請求項28】
管は、真空採血管であることを特徴とする請求項27に記載の多層容器。
【請求項29】
親水性コポリマー層をポリオレフィン層と共射出プロセスで結合する方法であって、ポリオレフィン樹脂を酸無水物変性ポリオレフィン樹脂とブレンドし、該ブレンド樹脂を親水性オレフィンコポリマー樹脂と共射出プロセスにより共射出することを特徴とする方法。
【請求項30】
親水性オレフィンコポリマーは、オレフィンと、ビニルアルコールのコポリマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択された1種または複数のモノマーとのコポリマーであることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
オレフィンは、エチレンであることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
親水性オレフィンコポリマーは、エチレンビニルアルコールであることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項33】
ポリオレフィンは、ポリプロピレンであることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項34】
酸無水物変性ポリオレフィンは、マレイン酸変性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項35】
底壁、上縁、および底壁と上縁の間の側壁を有する多層容器を製造する方法であって、
親水性オレフィンコポリマーを含む第1の溶融ポリマー材料を供給するステップと、
ポリオレフィンと酸無水物変性ポリオレフィンとのブレンドを含む第2の溶融ポリマー材料を供給するステップと、
該第1および第2の溶融ポリマー材料を、ノズル部を通して、容器の底壁を一体で形成する領域を含む金型キャビティ内へ送るステップとを含み、該第1の溶融ポリマー材料および該第2の溶融ポリマー材料は、この製造プロセスの少なくとも一部で金型キャビティ内を共流することを特徴とする方法。
【請求項36】
内部スキン層および外部スキン層は、コア層に直接接していることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
親水性オレフィンコポリマーは、オレフィンと、ビニルアルコールのコポリマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択された1種または複数のモノマーとのコポリマーであることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項38】
オレフィンは、エチレンであることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
親水性オレフィンコポリマーは、エチレンビニルアルコールであることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
ポリオレフィンは、ポリプロピレンであることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項41】
酸無水物変性ポリオレフィンは、マレイン酸変性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2007−536114(P2007−536114A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511498(P2007−511498)
【出願日】平成17年4月29日(2005.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/015309
【国際公開番号】WO2005/108070
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】