説明

壁面ブロック

【課題】直線部分とカーブ部分といった場所を問わずに設置可能な壁面ブロックを提供すること。
【解決手段】長手方向の一方の端部20aに上側突出部21が形成され、他方の端部20bに下側突出部24とが形成されて、これらの両端部20a、20bが円弧状に形成された基礎ブロック20の上面に、この基礎ブロック20の長手方向の直線部分の長さ範囲に収まる横幅長さに設定された壁面部14が形成された壁面ブロック10を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路や敷地等の区画に用いることができる壁面ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、道路や敷地の区画や、工事現場等の作業帯と非作業帯とを区画するとともに、その区画された領域を保護するための手段として、ガードレールを設置することが行われている。ガードレールの代表的な形態としては、波形断面のビームと支柱とから構成されるものがある。このガードレールは、地中にコンクリートを打設するか基礎ブロックを埋設するかして構築した基礎に支柱を固定して設置される固定型の他に、必要に応じて設置及び撤去が可能な仮設型のものがある。
【0003】
仮設型のガードレールとしては、図24に示すような略立方体型に形成された基礎ブロックを地面に載置し、これに支柱を差し込んで設置する形態のものが広く知られている。このような略立方体型の基礎を備える仮設型ガードレールとしては、例えば、ガードレールの支柱が保持される基礎を、支柱が挿入される縦穴を通る垂直断面で複数個に切断した形状の複数個の分割ブロックから構成し、各分割ブロックを連結、離別自在の緊結具で連結して組み立てるようにしたものがある(特許文献1参照)。しかし、略立方体型の基礎ブロックを用いた仮設型ガードレールでは、設置安定性に乏しいという問題があった。つまり、このような形態の仮設型ガードレールでは、図24に示すように基礎ブロックの一個一個がそれぞれ独立しているために、基礎ブロック一個あたりの重量が軽く、また地面への接地面積も小さいことから、例えば自転車や歩行者が転倒を避けるために寄りかかった場合や、突風が吹いた場合等に容易に倒れてしまったり、あるいは自動車が衝突したときに容易に跳ね飛ばされて、路側帯や作業帯等の保護されるべき領域に自動車の侵入を許してしまうことがあった。また、設置作業の際には、支柱の一本ずつに対して、基礎ブロックの位置を一個ずつ微調整しながら行う必要があり、作業が煩雑となっていた。
【0004】
このような事情に鑑み、本発明者は、設置安定性と作業性に優れたガードレールの基礎ブロックに適用可能な基礎構築用プレキャストコンクリートブロックを提案している(特許文献2参照)。この基礎構築用プレキャストコンクリートブロックは、ブロック本体の長手方向の両端部が円弧状に形成されてなるとともに、この両端部のうち一方の端部の上側が側方に突出してなる上側突出部と、他方の端部の下側が側方に突出してなる下側突出部とを備えており、それぞれ隣接するプレキャストコンクリートブロックの下側突出部又は上側突出部と嵌合させることにより、隣接するプレキャストコンクリートブロックとの間で回動自在となるようにしたものである。この基礎構築用プレキャストコンクリートブロックを、ガードレールを設置する際の基礎ブロックとして用いると、従来の略立方体型の基礎ブロックとは異なり基礎ブロック同士が連結されて一体化されるので、優れた設置安定性が得られるとともに、位置決めも容易に行うことができる。また、隣接する基礎ブロックとの間で自在に回動するので、道路のカーブ等の曲線部分であっても、現場でその曲率に合わせて設置することができるので、複数形状の基礎ブロックを用意する必要もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−291736号公報
【特許文献2】特許第3814682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記に挙げた基礎構築用プレキャストコンクリートブロックを用いてガードレールを設置する場合においても、道路のカーブに沿って設置する場合には、そのカーブの曲率に併せて専用に形成されたガードレールを用意する必要があった。つまり、現場での設置作業に取りかかる前に、設置場所のカーブの曲率を計測しておき、その曲率に合った曲げ加工を施した専用形状のガードレールを調達しておく必要があったのである。このため、複数のカーブを含む道路に設置する場合等には、直線部分用とカーブ部分用というように複数形状のガードレールが必要となるため、現場における資材管理が煩雑となっていた。また、専用に曲げ加工されたガードレールであっても、その曲げ精度が低いときには現場に設置した支柱と位置が合わないこともあった。このような場合には、現場の作業員が数人で体重を掛けてしならせながら支柱に固定して対処する等しており、設置作業も煩雑となっていた。こうした問題は、仮設型のものに限らず、固定型のものにおいても同様に生じていた。
【0007】
本発明は、従来のガードレールが抱える上記問題に鑑みてなされたものであって、直線部分とカーブ部分とを問わず、あらゆる場所に対応することができる壁面ブロックを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために本発明が採った手段は、長手方向の両端部が円弧状に形成されるとともに、一方の端部の上側が側方に突出して形成される上側突出部と、他方の端部の下側が側方に突出して形成される下側突出部とを備えて、該上側突出部及び該下側突出部が、隣接する他の基礎ブロックの下側突出部又は上側突出部と嵌合するように形成された基礎ブロックの上面に固定される壁面ブロックであって、底板部と、前記基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、前記上側突出部の円弧の弦から前記他方の端部の円弧の弦の間に収まる横幅長さに形成される壁面部とを備えることを特徴とする壁面ブロック、である。
【0009】
本発明に係る壁面ブロックは、隣接する基礎ブロックの下側突出部又は上側突出部を嵌合させて連設されたときに、円弧状に形成された両端部によって隣接する基礎ブロックとの間で自在に回動できるようにした基礎ブロックと組み合わせて用いられる壁面ブロックである。
【0010】
この壁面ブロックは、底板部と、壁面部とを有する。壁面部は、従来のガードレールにおけるビームに相当する部分である。そして、基礎ブロックが回動自在に連設できるという利点を十分に生かすために、壁面部の横幅長さを、基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、上側突出部の円弧の弦から他方の端部の円弧の弦の間に収まる長さ、すなわち、基礎ブロックの両端部の円弧をなす部分にかからない長さに設定される。横幅長さが当該長さ範囲を超えて設定されると、隣接する基礎ブロックとの間で回動を行う際に、壁面部の端部同士が接触して回動範囲を狭めてしまうため、壁面部の横幅長さを基礎ブロックの回動範囲に影響を及ぼさない「上側突出部の円弧の弦から他方の端部の円弧の弦の間に収まる長さ範囲」としている。また、壁面部の横幅長さを当該長さに設定することにより、隣接する壁面ブロックの壁面部との間には空間が形成されるので、手前側から壁面ブロックの向こう側の視界を確保することもできる。
【0011】
この壁面ブロックには、基礎ブロックの上側突出部又は下側突出部に、隣接する基礎ブロックの下側突出部又は上側突出部を嵌合させた後に互いを固定するボルトが挿通されるボルト孔が形成されているとき、底板部に前記上側突出部の前記ボルト孔を露出させる切欠窓が形成されてもよい。
【0012】
複数の基礎ブロック間で嵌合される上側突出部と下側突出部とを互いに固定する手段にボルトを用いることで、基礎ブロック同士を強固かつ簡単に固定することができる。一方で、仮設型として用いる場合には、固定された基礎ブロックを分離できるようにしておく必要があるが、ボルトを用いることでその分離も簡単に行うことができる。基礎ブロックに、このようなボルトによる固定手段が採用される場合、基礎ブロックの上側突出部と下側突出部とにはボルト孔が形成されるが、壁面ブロックを基礎ブロックの上面に載置した状態で壁面ブロックの底板部が上側突出部のボルト孔を塞いでしまうと、ボルトの緩締操作を行う際にわざわざ壁面ブロックを取り外すか、位置をずらすかしてボルト孔を露出させなくてはならない。そこで、底板部がボルト孔を塞がないようにするために、底板部に切欠窓を設けてボルト孔を常に露出させておくとよい。
【0013】
また、本発明に係る壁面ブロックは、長手方向の少なくとも一方の端部が円弧状に形成されるとともに、前記一方の端部の上側が側方に突出してなる上側突出部を備え、該上側突出部が、隣接する他の基礎ブロックの下側突出部と嵌合するように形成された基礎ブロックの上面に固定される壁面ブロックであって、底板部と、前記基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、前記上側突出部の円弧の弦から他方の端部までの間に収まる横幅長さに形成される壁面部とを備える壁面ブロックとしてもよい。
【0014】
この壁面ブロックは、一方の端部に形成された上側突出部が、隣接する基礎ブロックの下側突出部と嵌合して、連設された一連の基礎ブロックの最端部に配置される基礎ブロックに固定される壁面ブロックである。この壁面ブロックにおいては、壁面部の横幅長さを、基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、前記上側突出部の円弧の弦から他方の端部までの間に収まる長さ、すなわち、上側突出部における円弧にかからない長さに設定される。また、基礎ブロックの上側突出部にボルト孔が形成される場合には、このボルト孔を露出させる切欠窓を形成してもよい。
【0015】
また、本発明に係る壁面ブロックは、長手方向の少なくとも一方の端部が円弧状に形成されるとともに、前記一方の端部の下側が側方に突出してなる下側突出部を備え、該下側突出部が、隣接する他の基礎ブロックの上側突出部と嵌合するように形成された基礎ブロックの上面に固定される壁面ブロックであって、底板部と、前記基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、前記一方の端部の円弧の弦から他方の端部までの間に収まる横幅長さに形成される壁面部とを備える壁面ブロックとしてもよい。
【0016】
この壁面ブロックは、一方の端部に形成された下側突出部が、隣接する基礎ブロックの上側突出部と嵌合して、連設された一連の基礎ブロックの最端部に配置される基礎ブロックに固定される壁面ブロックである。この壁面ブロックおいては、壁面部の横幅長さを、基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、一方の端部の円弧の弦から他方の端部までの間に収まる長さ、すなわち、下側突出部が形成される側の端部における円弧にかからない長さに設定される。
【0017】
また、本発明に係る壁面ブロックの底板部の底面には、基礎ブロックの上面に形成される孔部と嵌合する位置決め凸部が形成されるようにしてもよい。基礎ブロックに孔部を形成し、壁面ブロックに位置決め凸部を形成することで、基礎ブロックに対する壁面ブロックの固定位置を一定に定めることができるだけでなく、横方向から強い衝撃を受けた場合等に、壁面ブロックがずれることを防止することができる。また、壁面ブロックの固定手段としてボルトが用いられる場合には、ボルト孔の位置合わせの手間も省くことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る壁面ブロックによれば、隣接する基礎ブロックの下側突出部又は上側突出部を嵌合させて連設できるとともに、両端部が円弧状に形成されて回動自在に連設可能な基礎ブロックに固定したときに、回動の際に隣接する壁面ブロック同士が干渉しないように、壁面ブロックの壁面部の横幅長さを、基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、上側突出部の円弧の弦から他方の端部の円弧の弦までの間に収まる長さ、或いは一方の端部の円弧の弦から他方の端部までの間に収まる長さに設定している。このように壁面部の横幅長さを設定することで、隣接する壁面ブロックとの間に空間が形成されて、回動を行う際に壁面ブロック同士が干渉することがなくなる。これにより、回動範囲が十分に確保されるので、道路のカーブ等の曲線部分に設置する場合であっても、従来のガードレールのように専用形状のものを用意しなくとも、直線部分、カーブ部分を問わずに一種類の壁面ブロックで全ての場所に対応することができるので、現場での資材管理や設置作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1に係る壁面ブロックが、基礎ブロックに固定された状態を示す斜視図である。
【図2】実施例1に係る壁面ブロックが、基礎ブロックに固定された状態を示す平面図である。
【図3】実施例1に係る壁面ブロックが固定される基礎ブロックの斜視図である。
【図4】実施例1に係る壁面ブロックが固定される基礎ブロックの嵌合方法を説明する図である。
【図5】実施例1に係る壁面ブロックの斜視図である。
【図6】実施例1に係る壁面ブロックが連設された状態を示す正面図である。
【図7】実施例1に係る壁面ブロックが連設された状態を示す平面図である。
【図8】図7において鎖線で囲まれた部分の拡大図である。
【図9】実施例2に係る壁面ブロックが、基礎ブロックに固定された状態を示す斜視図である。
【図10】実施例2に係る壁面ブロックが固定される基礎ブロックの斜視図である。
【図11】実施例2に係る壁面ブロックを底面側からみた斜視図である。
【図12】実施例2に係る壁面ブロックの底面図である。
【図13】図12に示すB−B断面図である。
【図14】実施例2に係る壁面ブロックが連設された状態を、図9に示すA−A断面からみた図である。
【図15】実施例3に係る壁面ブロックが、基礎ブロックに固定された状態を示す斜視図である。
【図16】実施例1から3に係る壁面ブロックに適用可能な基礎ブロックであって、連設される基礎ブロックの最端部に設置される基礎ブロックの斜視図である。
【図17】実施例1から3に係る壁面ブロックに適用可能な基礎ブロックであって、連設される基礎ブロックの最端部に設置される基礎ブロックの斜視図である。
【図18】本発明に係る壁面ブロックを仮設型として用いたときの設置態様を説明する図である。
【図19】本発明に係る壁面ブロックを固定型として用いたときの設置態様を説明する図である。
【図20】本発明に係る壁面ブロックを仮設型として用いた場合であって、各壁面ブロックの間に標示物を設置した状態を説明する図である。
【図21】本発明に係る壁面ブロックの間の空間に、標示物を設置した状態を説明する図である。
【図22】本発明に係る壁面ブロックの間の空間に、植栽を設置した状態を説明する図である。
【図23】本発明に係る壁面ブロックに改良を加えたものが連設された状態を示す正面図である。
【図24】従来のガードレールの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る壁面ブロックは、道路や敷地等の区画に用いることができる壁面ブロックである。この壁面ブロックが設置される場所としては、例えば、道路においては中央分離帯、路側帯と車両通行帯との間、分岐・合流車線と走行車線との間等が考えられ、敷地においては立ち入り可能区域と禁止区域との間、工事区域と非工事区域との間、駐車場の駐車区域と走行区域との間等が考えられるが、特定の場所に限定されるものではなく、区画を要する場所であればどこでも設置することができる。
【0021】
本発明に係る壁面ブロックは、長手方向の両端部が円弧状に形成され、その両端部のうちの一方の端部の上側が側方に突出して形成される上側突出部と、他方の端部の下側が側方に突出して形成される下側突出部とを備える基礎ブロックに固定されるものである。まずは、この基礎ブロックの形態について説明する。
【0022】
基礎ブロックは、十分な安定性が得られる重量に形成できるプレキャストコンクリートブロックとして作製するとよいが、自動車が衝突する等の大きな衝撃が加わることが想定されないような場所に設置される場合には、例えば硬質プラスチックにより内部を空洞に形成して、その内部に水や砂等を充填して作製してもよい。この基礎ブロックは、長手方向の両端部が円弧状に形成されるとともに、一方の端部には、その上側部分が側方に突出してなる上側突出部が形成され、他方の端部には、その下側部分が側方に突出してなる下側突出部が形成される。上側突出部は、一方に隣接する基礎ブロックの下側突出部と嵌合する部分であり、下側突出部は他方に隣接する基礎ブロックの上側突出部と嵌合する部分である。すなわち、基礎ブロックが連設されるときには、基礎ブロックの上側突出部が隣接する基礎ブロックの下側突出部に重なるようにして嵌合し、上側突出部が下側突出部を上から押さえるような形となる。このような嵌合形態を採ることで、基礎ブロック同士の一体化が図られ、優れた設置安定性を得ることができるのである。そして、両端部を円弧状に形成して、いわば「面取り」をすることにより、隣接する基礎ブロックとの間で広い回動範囲を確保することができるとともに、回動動作を円滑に行えるようにしている。
尚、上側突出部は、基礎ブロックの高さの上側略半分の部分が突出して形成されることが好ましく、下側突出部は、基礎ブロックの高さの下側略半分の部分が突出して形成されることが好ましい。また、基礎ブロックの両端部に形成される円弧形状は、回動範囲及び回動動作を損ねない形状であれば特に限定されるものではないが、半円形状をなす円弧に形成することが好ましい。
【0023】
また、上側突出部には嵌合凸部又は嵌合凹部を設け、下側突出部には上側突出部に設けられた嵌合凸部又は嵌合凹部に対応する嵌合凹部又は嵌合凸部を設けてもよい。上記のように、上側突出部又は下側突出部は、隣接する基礎ブロックの下側突出部又は上側突出部と嵌合するのであるが、このときに嵌合凸部と嵌合凹部とが設けられていると、両者の位置合わせを容易に行うことができる。嵌合凸部と嵌合凹部とは円形に形成されることが好ましい。嵌合凸部と嵌合凹部とを円形に形成すると、上側突出部と下側突出部との嵌合位置合わせが容易になるだけでなく、基礎ブロックを回動させる際には両者の嵌合部分が支点となって回動操作を円滑に行うことができるからである。
【0024】
さらに、上側突出部と下側突出部とには、隣接する基礎ブロックの下側突出部と上側突出部とを嵌合させた状態で互いを固定するための手段にボルトを用いてもよい。固定手段にボルトを用いることで強固に固定することができるだけでなく、その固定の解除も自在に行うことができるからである。また、基礎ブロックを回動させる際には、ボルトを軸にして回動を行うことも可能となる。この場合においては、上側突出部と下側突出部とにボルト孔が形成されることとなるが、円形の嵌合凸部又は嵌合凹部が形成される場合には、この嵌合凸部と嵌合凹部の中央位置にボルト孔を形成するとよい。
【0025】
また、基礎ブロックは、その長手方向の一方の端部にのみ下側突出部又は上側突出部を形成してもよい。このように形成される基礎ブロックは、連設された基礎ブロックの最端部に配置されるのに適するからである。
【0026】
次に、本発明に係る壁面ブロックについて説明する。壁面ブロックは、上記の基礎ブロックの上面に固定されて、設置された場所に壁面を形成するものである。壁面ブロックは、特にその材質は限定されるものではないが、横方向から強い衝撃を受けた場合でも容易に移動しない重量に作製できる点から、プレキャストコンクリートブロックとして作製することが好ましい。この壁面ブロックは、底板部と、壁面部とを有してなる。底板部は、基礎ブロックの上面に載置される面をなす部分である。壁面ブロックを基礎ブロックに固定する手段は特には限定されないが、ボルトを用いることが好ましい。ボルトを用いることで強固に固定できるとともに、基礎ブロックへの着脱も自在に行えるので、作業性の面だけでなく運搬性の面からも好ましい。この場合、底板部及び基礎ブロックには、それぞれ対応する位置にボルト孔が形成される。
【0027】
底板部の形状は、基礎ブロックの上面内に収まる大きさであれば特には限定されない。しかし、基礎ブロックの上側突出部にボルト孔が形成される場合には、基礎ブロックに固定されたときに、底板部がこのボルト孔を塞がないように切欠窓を設けるとよい。底板部がボルト孔を塞いでしまうと、ボルトの緩締を行う際に、わざわざ壁面ブロックを取り外すか位置をずらすかしなければならない。このため、壁面ブロックの底板部に切欠窓を設けて、壁面ブロックが固定された状態でもボルト孔が常に露出するようにするとよい。この切欠窓の形状は、ボルト孔を露出させるという機能を発揮できる形状であれば特に限定されず、例えば、底板部の端部を切り落としたような形状としてもよいし、ボルト孔に重なる部分を切り抜いたような形状としてもよい。
【0028】
また、底板部の底面には、位置決め凸部を形成してもよい。この位置決め凸部は、壁面ブロックを基礎ブロックの定位置に固定できるようするとともに、壁面ブロックの位置ずれを防止するものである。位置決め凸部の形状や大きさは、当該機能を発揮することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば円形凸部、楕円形凸部、四角形凸部として形成することが考えられる。尚、底板部に位置決め凸部を形成した場合には、基礎ブロックの上面に、この位置決め凸部に対応する位置及び形状の孔部を形成しておく必要がある。
【0029】
壁面部は、壁面ブロックにおいて、まさしく「壁」として機能するものである。壁面部の形状は、当該機能を発揮することができる形状であれば特に限定されず、例えば、壁面ブロックの断面が略L字型をなすように底板部の側面から上方に立ち上がるように形成してもよいし、壁面ブロックの断面が略逆T字型をなすように底板部の平面から上方に立ち上がるように形成してもよいし、壁面ブロックの断面が台形状又は三角形状の山形をなすように形成してもよい。
【0030】
壁面部の高さは、設置される場所に応じて適宜設定することができるが、横幅長さは、基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲であって、基礎ブロックの両端部のうち、回動に係る側の端部における円弧をなす部分にかからない長さ範囲に設定される。具体的には、基礎ブロックの一方の端部に上側突出部が形成される場合には、その上側突出部の円弧の弦から他方の端部の円弧の弦までの間に収まる長さに設定される。横幅長さが当該長さ範囲を超えて設定されると、隣接する壁面ブロックとの間で回動を行う際に、壁面部の端部同士が接触して回動範囲を狭めてしまうため、これを回避すべく隣接する壁面ブロックとの間に空間を形成されるようにしている。また、このような空間を設けることで、例えば道路のカーブに設置するような場合には、進行方向の見通しを確保することもできる。さらに、区画される場所が壁面ブロックにより隙間なく囲われてしまうと圧迫感を感じることがあるが、隣接する壁面部の間に空間が形成されることにより、壁面部の向こう側を見ることができるので開放感が得られ、壁面部がもたらす圧迫感を低減させることもできる。このように構成される壁面ブロックは一個ずつ基礎ブロックに固定されるので、例えば、壁面が必要な区間と必要でない区間とを短い間隔で交互に形成する場合等には、小刻みに設置することができる。
【0031】
上記のように構成される壁面ブロックは、基礎ブロックと組み合わせて用いることができ、例えば道路の路側帯と車道との間や、高速道路等の自動車専用道路における走行車線と分岐・合流車線との間の地面に載置して仮設型として用いることもできるし、基礎ブロックを地中に埋設して固定型として用いることもできる。
【0032】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0033】
図1及び図2には、本実施例に係る壁面ブロック10を基礎ブロック20に固定した状態が示されている。図1及び図2に示すように、壁面ブロック10は、基礎ブロック20の上面に固定される。基礎ブロック20は、図3に示すように、長尺のプレキャストコンクリートブロックとして形成されており、その長手方向の両端部20a、20bは、それぞれ略半円形の円弧形状に形成されている。
【0034】
そして、基礎ブロック20の一方の端部20aには、基礎ブロック20の高さの上側略半分の部分が側方に突出してなる上側突出部21が形成されている。この上側突出部21の下面には、略半円形の円弧の中心位置に、円形凹状の嵌合凹部22が形成されている。さらに、この嵌合凹部22の中心には、ボルト孔23が形成されている。
【0035】
また、基礎ブロック20の他方の端部20bには、基礎ブロック20の高さの下側略半分の部分が側方に突出してなる下側突出部24が形成されている。この下側突出部24の上面には、略半円形の円弧の中心位置に、円形凸状の嵌合凸部25が形成されている。さらに、この嵌合凸部25の中心には、ボルト孔26が形成されている。
【0036】
また、基礎ブロック20の上面には、後述する壁面ブロック10を固定するためのボルト孔27が形成されている。
【0037】
図4には、一の基礎ブロック20Aと、他の基礎ブロック20Bとを連設する方法が示されている。図4に示すように、一の基礎ブロック20Aと他の基礎ブロック20Bとを連設するには、基礎ブロック20Aにおける上側突出部21を、基礎ブロック20Bの下側突出部24に重ね合わせるようにして嵌合させるとともに、基礎ブロック20Bの下側突出部24に形成される嵌合凸部25を、基礎ブロック20Aの上側突出部21に形成される嵌合凹部22に嵌合させる。このとき、嵌合凸部25の中心に位置するボルト孔26と、嵌合凹部22の中心に位置するボルト孔23とが重なって、一のボルト孔として連通することとなる。そして、連通したボルト孔23、26にボルト30を仮止めした後、基礎ブロック20Aと基礎ブロック20Bとを回動させて所望の角度に設定し、最後にボルト30を本締めすることにより連設作業が完了する。このように、上側突出部21を下側突出部24に嵌合させ、さらに嵌合凹部22と嵌合凸部25とを嵌合させることにより嵌合凹部22と嵌合凸部25との嵌合部分を支点として基礎ブロック20A、20Bを回動させることができ、また、ボルト30により、互いを強固に固定することができるのである。尚、回動操作を行う際には、必ずしもボルトの仮止めは必要ではなく、角度設定が完了した後にボルトを締め付けるようにしても構わない。
【0038】
図5には、実施例1に係る壁面ブロック10が示されている。壁面ブロック10は、プレキャストコンクリートブロックとして作製されており、底板部11と、壁面部14とを備えている。底板部11は、基礎ブロック20の上面に載置される面を形成する部分であり、その平面には、基礎ブロック20の上面に形成されたボルト孔27に連通するボルト孔12が形成されている。壁面部14は、底板部11の長手方向側面から上方に向かって略垂直に立ち上がる面として形成されている。そして、底板部11が位置する面と反対側の面には、長手方向に沿って溝部15が形成されている。
【0039】
このように形成される壁面ブロック10は、図1及び図2に示すように、基礎ブロック20の上面に載置され、図示しないボルトを底板部のボルト孔12及び基礎ブロックのボルト孔27に挿通することにより固定される。ここで、壁面部14は、図1に示すように、基礎ブロック20の上面における一方の端部20aの円弧の弦と、他方の端部20bの円弧の弦との間に収まる長さ範囲内、すなわち、基礎ブロック20の上面の円弧部分を含まない直線部分L−Lの長さ範囲内に収まる横幅長さに形成される。これは、壁面ブロック10を連設したときに、隣接する壁面ブロック10の壁面部14と干渉して、基礎ブロック20の回動が妨げられないよう両者間に十分な空間を設けるためである。また、図2及び図5に示すように、底板部11は、上側突出部21に形成されるボルト孔23を塞がないように、端部を切り落としたように形成された切欠窓13が形成されている。この切欠窓13を設けることにより、基礎ブロック20に壁面ブロック10を固定した状態でも、ボルト孔23を露出させておくことができる。
【0040】
図6から図8には、本実施例に係る壁面ブロック10を連設した状態が示されている。図6に示すように、壁面ブロック10A、10B及び10Cは、それぞれ基礎ブロック20A、20B及び20Cの上面に固定されている。これらの基礎ブロック20A、20B及び20Cは、基礎ブロック20Aの上側突出部21が基礎ブロック20Bの下側突出部24と嵌合し、さらに基礎ブロック20Bの上側突出部21と基礎ブロック20Cの下側突出部24とが嵌合して連設されている。そして、図7及び図8に示すように、基礎ブロック20Aと基礎ブロック20Bとの間、及び基礎ブロック20Bと基礎ブロック20Cとの間は、いずれも嵌合凹部22と嵌合凸部25との嵌合部を支点として回動することができる。このように連設された基礎ブロック20A、20B及び20Cに、壁面ブロック10A、10B及び10Cがそれぞれ固定されたとき、壁面ブロック10Aと10Bとの間、及び壁面ブロック10Bと10Cとの間には空間αが形成される。この空間αによって、基礎ブロック20Aと20B及び基礎ブロック20Bと20Cを回動させる際に、壁面ブロック10Aと10B及び壁面ブロック10Bと10Cが干渉しないようにしている。
【0041】
このようにして形成される壁面ブロック10は、基礎ブロック20と組み合わせることにより、例えば、図18に示すように、地面に載置されて設置と撤去とが自在に行える、いわゆる「仮設型」として用いることもでき、また、図19に示すように基礎ブロック20を地中に埋設して、いわゆる「固定型」として用いることが可能である。
【0042】
実施例1に係る壁面ブロック10によれば、両端部20a、20bが円弧形状に形成され、長手方向の一方の端部20aに上側突出部21を備え、他方の端部20bに下側突出部24を備えた基礎ブロック20の上面に固定されたとき、回動させる際に隣接する壁面ブロック10と干渉しないように、壁面ブロック10の壁面部14の横幅長さを基礎ブロック20の長手方向の直線部分の長さ範囲に収まるように設定したので、隣接する壁面ブロック10との間で回動範囲を十分に確保することができる。これにより、設置場所に応じた態様で連設することが可能となる。また、壁面ブロック10の底板部11に、切欠窓13を形成したことにより、壁面ブロック10を固定したままでも基礎ブロック20のボルト孔23を露出させておくことができるので、壁面ブロック10を取り外したりせずにボルト30の緩締操作を行うことができる。
【実施例2】
【0043】
図9には、実施例2に係る壁面ブロック10を基礎ブロック20に固定した状態が示されており、図10には、その基礎ブロック20が示されている。また、図11から図13には、実施例2に係る壁面ブロック10が示されている。実施例2に係る壁面ブロック10は、実施例1に係る壁面ブロック10に改良を加えたものであり、壁面ブロック10に位置決め凸部16を有し、これが固定される基礎ブロック20の上面に孔部28が形成される点で相違するが、それ以外の構成については実施例1と共通する。よって、実施例2においては、実施例1と共通する構成について具体的な説明を省略する。
【0044】
図10に示すように、基礎ブロック20は、その上面の略中央位置に孔部28が穿設されている。そして、図11から図13に示すように、壁面ブロック10の底板部11の底面11aの略中央には、孔部28と対応するように円形凸状に形成された位置決め凸部16が形成されている。
【0045】
図14には、実施例2に係る壁面ブロック10を連設した状態が示されている。位置決め凸部16は、壁面ブロック10が基礎ブロック20の上面に固定されるとき、孔部28と嵌合する。これによって、壁面ブロック10を基礎ブロック20の上面の定位置に配置可能となる。また、壁面ブロック10に自動車等が衝突した場合等、横方向からの強い衝撃を受けた場合には、位置決め凸部16と孔部28との嵌合部分が壁面ブロック10の「止め」として機能するので、横方向への位置ずれを効果的に防止することができる。
【実施例3】
【0046】
図15には、実施例3に係る壁面ブロック10を基礎ブロック20に固定した状態が示されている。図15において、基礎ブロック20は、実施例1における基礎ブロック10と同様に構成されるものである。壁面ブロック10は、プレキャストコンクリートブロックとして作製されており、底板部11と、壁面部14とを備えている。底板部11は、基礎ブロック20の上面に載置される面を形成する部分である。
【0047】
壁面部14は、底板部11の平面から立ち上がる略縦長台形状の側断面を有して形成される。そして、この壁面部14の横幅長さは、基礎ブロック20の上面端部における円弧部分を含まない直線部分の長さ範囲内に収まる横幅長さに形成される。この壁面ブロック10には、壁面部14の上端から底板部11にかけて連通するボルト孔12が形成されている。このボルト孔12と、基礎ブロック20のボルト孔27とにボルトを挿通することにより、壁面ブロック10が基礎ブロック20に固定される。
【0048】
図16には、本発明に係る壁面ブロックに適用される基礎ブロック20であって、上記実施例1から3に示した基礎ブロック20と異なる形態のものが示されている。実施例1から3に示した基礎ブロック20は、その長手方向の一方の端部20aに上側突出部21が形成され、他方の端部20bに下側突出部24が形成されたものであるが、図16に示す基礎ブロック20は、一方の端部20aに上側突出部が形成され、他方の端部20bが単に円弧形状に形成されたものである。この基礎ブロック20は、図18を用いて説明すると、両端部にそれぞれ下側突出部24と上側突出部21とを備える基礎ブロック20A、20B及び20Cが連設されたときに、その最端部に配置される基礎ブロック20Dとして用いられる。この基礎ブロック20Dは、上側突出部21が、隣接する基礎ブロック20Cの下側突出部24と嵌合することにより連設される。このとき、基礎ブロック20Dの上側突出部21が形成される側の反対側となる端部20bは、連設された一連の基礎ブロック20A、20B及び20Cの末端を形成することとなる。このため、基礎ブロック20Dでは下側突出部が不要なのである。また、この基礎ブロック20に固定される壁面ブロックに関しては、壁面部の横幅長さを基礎ブロック20の上面長手方向の長さ範囲内であって、上側突出部21の円弧の弦から他方の端部20bまでの間に収まるように設定すればよい。このように、基礎ブロック20Dを用いることにより、連設された一連の基礎ブロックの末端の美観を整えることができる。
【0049】
図17には、本発明に係る壁面ブロックに適用される基礎ブロック20であって、図16に示されている基礎ブロック20の反対側の最端部に配置される基礎ブロックが示されている。この基礎ブロック20は、連設された一連の基礎ブロックにおいて、図18に示されている基礎ブロック20Dが連設される側と反対側の最端部に配置される基礎ブロック20である。すなわち、基礎ブロック20の一方の端部20aが単に円弧形状に形成され、他方の端部20bに下側突出部24を形成したものである。また、この基礎ブロック20に固定される壁面ブロックに関しては、壁面部の横幅長さを基礎ブロック20の上面長手方向の長さ範囲内であって、一方の端部20aの円弧の弦から他方の端部20bまでの間に収まるように設定すればよい。この基礎ブロック20を用いることにより、図16に示されている基礎ブロック20と同様に、連設された一連の基礎ブロックの末端の美観を整えることができる。
【0050】
図18及び図19には、壁面ブロック10の設置態様が示されている。まず、図18には、壁面ブロック10を、いわゆる「仮設型」として車道と路側帯との間に設置する場合の一例が示されている。ここでは、基礎ブロック20A、20B、20C及び20Dは、カーブの曲率に沿う角度に連設され、上側突出部21と下側突出部24とがボルトで固定されている。そして、壁面ブロック10A、10B、10C及び10Dは、それぞれ基礎ブロック20A、20B、20C及び20Dの上面に固定されている。このように「仮設型」として用いる場合には、壁面ブロック10は、基礎ブロック20と共に必要に応じて設置及び撤去を行うことが可能である。
【0051】
図19には、壁面ブロック10を、いわゆる「固定型」として車道と路側帯との間に設置する場合の一例が示されている。この場合において、壁面ブロック10A、10B、10C及び10Dと、基礎ブロック20A、20B、20C及び20Dは、上記の「仮設型」として設置する場合と同様にして連設されるが、基礎ブロック10が地中に埋設されて、固定されている。
【0052】
このように、壁面ブロック10は、基礎ブロック20と組み合わせることによって「仮設型」としても「固定型」としても用いることができる。また、図18及び図19に示すようなカーブを有する場所に設置する場合でも、そのカーブに沿って連設することができる。つまり、直線部分にもカーブ部分にも、一種類の壁面ブロックで対応することができるのである。これによって、現場での資材管理及び設置作業が容易に行えるようになる。
【0053】
また、壁面ブロック10の壁面部14を、基礎ブロック20の上面の長手方向における直線部分の長さ範囲内に収まる横幅長さに形成しているので、隣接する壁面ブロック10との間には空間αが形成されることとなる。このように形成される空間αは、壁面ブロック同士の干渉を防止するためだけでなく、壁面としての体裁を維持しながら、その向こう側を視認しやすくできるという効果も奏する。具体的には、道路の路側帯と車道との間に設置した場合には、路側帯にいる歩行者や自転車が確認しやすくなり、道路のカーブでは、進行方向の見通しを良くすることができる。さらに、空間αから壁面部の向こう側を視認することができるので設置された場所に開放感が得られて、壁面部がもたらす圧迫感を低減させることもできる。この空間αは、図19から図22に示すように、例えば、周囲の状況に対して注意を促すような標示物を設置したり、美観を向上させるために植栽を設置する等して利用することもできる。
【0054】
また、実施例1及び実施例2の壁面ブロック10では、壁面部14に溝部15が形成されているが、この溝部15には、例えば図20に示すように視線誘導標を取り付けることもできる。
【0055】
図23には、本発明に係る壁面ブロックの改良例が示されている。図23に示す壁面ブロック10は、二つの基礎ブロック20A、20Bに対して、一つの壁面部14を有して形成されるものである。このように二つの基礎ブロック10A、10Bに跨るように壁面部14を形成した場合、二つの基礎ブロック20A、20Bの間で回動させることは出来ないが、直線部分が長く続くような場所等に設置する場合には、部品点数を減らすことができるので資材管理が行いやすくなる。
【符号の説明】
【0056】
10 壁面ブロック
11 底板部
13 切欠窓
14 壁面部
16 位置決め凸部
20 基礎ブロック
21 上側突出部
22 嵌合凹部
23 ボルト孔
24 下側突出部
25 嵌合凸部
26 ボルト孔
28 孔部
30 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の両端部が円弧状に形成されるとともに、一方の端部の上側が側方に突出して形成される上側突出部と、他方の端部の下側が側方に突出して形成される下側突出部とを備えて、該上側突出部及び該下側突出部が、隣接する他の基礎ブロックの下側突出部又は上側突出部と嵌合するように形成された基礎ブロックの上面に固定される壁面ブロックであって、
底板部と、前記基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、前記上側突出部の円弧の弦から前記他方の端部の円弧の弦の間に収まる横幅長さに形成される壁面部とを備えることを特徴とする壁面ブロック。
【請求項2】
基礎ブロックの上側突出部又は下側突出部に、隣接する他の基礎ブロックの下側突出部又は上側突出部を嵌合させた後に互いを固定するボルトが挿通されるボルト孔が形成されているとき、底板部に前記上側突出部の前記ボルト孔を露出させる切欠窓が形成されることを特徴とする請求項1に記載の壁面ブロック。
【請求項3】
長手方向の少なくとも一方の端部が円弧状に形成されるとともに、前記一方の端部の上側が側方に突出してなる上側突出部を備え、該上側突出部が、隣接する他の基礎ブロックの下側突出部と嵌合するように形成された基礎ブロックの上面に固定される壁面ブロックであって、
底板部と、前記基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、前記上側突出部の円弧の弦から他方の端部までの間に収まる横幅長さに形成される壁面部とを備えることを特徴とする壁面ブロック。
【請求項4】
基礎ブロックの上側突出部に、隣接する他の基礎ブロックの下側突出部を嵌合させた後に互いを固定するボルトが挿通されるボルト孔が形成されているとき、底板部に前記上側突出部の前記ボルト孔を露出させる切欠窓が形成されることを特徴とする請求項3に記載の壁面ブロック。
【請求項5】
長手方向の少なくとも一方の端部が円弧状に形成されるとともに、前記一方の端部の下側が側方に突出してなる下側突出部を備え、該下側突出部が、隣接する他の基礎ブロックの上側突出部と嵌合するように形成された基礎ブロックの上面に固定される壁面ブロックであって、
底板部と、前記基礎ブロックの上面長手方向の長さ範囲内であって、前記一方の端部の円弧の弦から他方の端部までの間に収まる横幅長さに形成される壁面部とを備えることを特徴とする壁面ブロック。
【請求項6】
壁面ブロックの底板部の底面には、基礎ブロックの上面に形成される孔部と嵌合する位置決め凸部が形成されることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の壁面ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−222865(P2010−222865A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72204(P2009−72204)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000246343)揖斐川コンクリート工業株式会社 (31)
【Fターム(参考)】