説明

変形制御内嵌め蓋を有する圧力調理容器および蓋

ボウル(2)と、蓋(3)と、固定手段(5)と、蓋(3)および固定手段(5)の間に配置される支持手段と、からなり、第一に、前記蓋(3)は前記ボウル(2)内に入り込んで内嵌め蓋を形づくり、第二に、前記支持手段(11)は、前記蓋(3)を、一つ以上の固定角領域(3F)および一つ以上の自由角領域(3L)に分け、前記蓋(3)の自由角領域(3L)が前記ボウル(2)内にかかる圧力の影響下でコントロールされた方法で変形できるような方法で前記支持手段(11)および前記蓋(3)は、形づくられることを特徴とする、加圧下での調理用の調理容器に本発明は関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ボウル及び蓋と、蓋をボウルの上に固定するために半径方向に可動するあご状部あるいは垂直に可動するロッキングバーのような固定手段と、で構成される容器のような、圧力調理型の加圧下での調理用の容器の一般的な技術分野に、本発明は関する。
【0002】
更に詳細には、蓋を覆ってほぼ半径方向に伸び、ボウル上の蓋を固定/開放するために動かすのに適した固定手段と協動するのに適した咬合手段を有するボウルと、蓋と、蓋と固定手段の間に配置され、蓋がボウルの上に固定されるとき、固定手段がもたれる支持手段と、からなる加圧下で調理するための調理用容器に本発明は関する。
【0003】
本発明は、上述した圧力調理容器で使用されるように設計された蓋にも関する。
【背景技術】
【0004】
加圧下での調理用の一般的に目にする調理容器は、ロッキングバー又はあご状部を有する型である。シーリングガスケットを介在させる方法でボウルを密閉するために、このような固定部品は、蓋に取付けられている。
【0005】
このような調理容器はしばしば、金属の部品(蓋、施錠手段、等)を有する。これらは、堅く、重く、丈夫で、厚く、強度が良く、ボウル内にかかる圧力の影響ではほとんど変形しない。
【0006】
たとえ機械的観点から、上述の調理容器が一般的に良い結果を与えたとしても、これらには、無視することのできない欠点がある。
【0007】
このような圧力調理容器を製造するには、一般的に大量の原料が必要となり、従って、しばしば製造コストが高い。
【0008】
加えて、大量の金属が使用されているため、このような調理容器とこれらの部品は、しばしば重く、そのことにより作業者にこれらを扱い難くさせている。
【発明の開示】
【0009】
本発明の概要
従って、本発明に与えられた目的は、上に記載した種々の欠点を改善することと、蓋の変形全体に改善されたコントロールを与えることにより、製造時に使用される材料の量を削減する、新規な圧力調理容器を提案することである。
【0010】
本発明の他の目的は、申し分のない魅力的な外観を示す新規な調理容器を提案することである。
【0011】
本発明の他の目的は、全体で良い強度を示す、新規な圧力調理容器を提案することである。
【0012】
本発明のその他の目的は、機械的な観点から良く釣り合いのとれた、新規な圧力調理容器を提案することである。
【0013】
上述の圧力調理容器で使用されるように設計された、新規な蓋を提案することも本発明に与えられた目的である。
【0014】
本発明に与えられた目的は、ボウルと、蓋と、前記ボウルに備えられた咬合手段と協動するのに適し、前記蓋を固定/開放するために動かすのに適した、前記蓋を覆いほぼ半径方向に伸びる固定手段と、前記蓋および前記固定手段の間に配置され、蓋がボウル上に固定されたとき、固定手段がもたれる支持手段と、からなり、第一に、前記蓋が前記ボウル上に置かれたとき、前記固定手段が前記咬合手段にもたれ、その結果、前記固定手段が前記蓋の取付手段を形づくるまで、前記蓋は前記ボウル内に入り込んで内嵌め蓋を形づくり、第二に、前記支持手段は、前記蓋を、前記固定手段により支えられる一つ以上の固定角領域および前記固定手段により支えられない一つ以上の自由角領域に分割し、蓋の自由角領域がボウル内にかかる圧力の影響下でコントロールされた方法で変形できるような方法で、前記支持手段および蓋は、形づくられることを特徴とする、加圧下での調理用の調理容器を用いて、成し遂げられる。
【0015】
本発明に与えられた目的は、前述の容器で使用されるように設計された蓋を用いて、達成することもできる。
【0016】
図面の簡単な説明
本発明の他の特徴及び利点は、限定されない、説明に有用な実例により与えられる添付図面を参照して、以下の記載でより詳細に表す。
【0017】
図1は、本発明の圧力調理容器1の斜視図である。
【0018】
図2は、本発明の圧力調理容器1の細部の断面図である。
【0019】
図3は、図2で示された部品が、お互いに関連してどのように配置されているかを示す詳細な断面図である。
【0020】
図4は、圧力のかかっていないときに、蓋とボウルがお互いにどのような位置にあるかを示す、図2のA−Aに沿う断面図である。
【0021】
図5は、圧力下で、蓋とボウルがお互いにどのような位置にあるかを示す、図2のA‐Aに沿う断面図である。
【0022】
図6は、本発明の調理容器1の使用のために設計された蓋の平面図である。
【0023】
発明を実施するための最良の形態
図1は、調理用ボウル2および蓋3からなる圧力調理容器1を示す。
【0024】
本発明の調理容器1は、大気圧よりも約20kPa程高い相対圧力レベル、すなわち、一般的に圧力調理器が動作する55kPaから90kPaの範囲よりも低い圧力レベルで動作することが好ましい。
【0025】
当然ながら、例えば、本発明の範囲を超えない、55kPaから90kPaの範囲の、より高い圧力で、本発明の圧力調理容器1は動作するように設計することもできる。
【0026】
本発明では、ボウル2は、咬合手段12を有する。咬合手段12は、蓋3を覆いほぼ半径方向に広がりボウル2上へ蓋3を固定/開放するための動きに適した固定手段5と協動するのに適する。
【0027】
本発明の第一実施形態において、固定手段5は、好ましくはあご状部6、7により形成される。ボウル2は、好ましくは縁4を有し、縁4の一部分は、ほぼ垂直で、あご状部6、7と一致し、固定手段5とかみ合わさるための咬合手段12を形成する(図1、図2)。蓋を固定するために、あご状部6、7は、好ましくは縁4にもたれる。
【0028】
本発明の第二実施形態(図示せず)においては、固定手段は、本発明の範囲を超えない、ロッキングバーの形でもよい。この場合、蓋とロッキングバーの間にくさび手段があり、ロッキングバーは垂直に動くように蓋上に取付けられる。前記くさび手段は、蓋とロッキングバーの間の所定の距離を保ち、漏れ止めを保証している。ロッキングバーの端とかみ合うためのボウル上に取付けられた咬合手段12を形づくる突起と協動するように、ロッキングバーの両端は、好ましくは形づくられる。蓋およびロッキングバーに対し回転するように取付けられたつまみを回すことで、作業者は、ロッキングバーが端で前記突起に備えられた各座面にもたれるまで、前記ロッキングバーを上方(または下方)に動かすことができる。本発明のこの実施形態においては、ボウル2に縁を備えることもできる。しかし、この縁は、固定手段とかみ合わせるための咬合手段の形成にはならない
以下の記載は上記の両実施形態に適用される。
【0029】
図1に示すように、好ましくは、固定手段5および、例えば、あご状部6、7は、ほぼ半径方向の主軸X‐X’に沿って広がる。
【0030】
好ましい変形例では、ボウル2は、第一にほぼ円筒形の上部21を有し、第二に、ボウルの底23で途切れるほぼ切頭円錐状の下部22を有する(図2)。また、ボウル2は、調理の使用に適したボウルの内部体積を決める内壁2Iも有する(図3)。
【0031】
ボウル2は、好ましくは2つの取っ手24、25を有する。これらは、好ましくは、お互いに反対に位置し、かつ、例えば、ほぼ固定手段5の主軸X‐X’上に位置する。取っ手24、25は固定手段5の機能とは独立して機能するため、前記固定手段と一直線に取っ手を配置する必要はない。従って、前記取っ手24、25は、ボウル2の周囲全体のどこにでも配置することができる。
【0032】
調理容器1は操作手段26も有する。この操作手段26は、第一実施形態において、あご状部6、7(図1)を半径方向に動かすために回される操作つまみ27を有する。
【0033】
操作手段26は、好ましくは、蓋3の中央に形づくられる凹部28に取り付けられる。特に、これらは、操作つまみ27の回転運動をあご状部6、7の半径方向の外向き、あるいは内向きの動きに変える作動装置機構(図示せず)を有する。本発明の調理容器1は、また、蒸気を排出するためのバルブ型の排出手段29も有する。
【0034】
本発明において、ボウル2に蓋3が導入されるとすぐに、蓋3はボウル2に入り込み、内嵌め蓋を形づくるように、蓋3及びボウル2は形づくられる(図3、図4、図5)。
【0035】
従って、固定手段5が咬合手段12、例を挙げるとボウル2の縁4にもたれるまで、蓋3は、ボウル内に入り込むことができ、従って、ボウル2内での固定又は取付位置の決定を目的として、蓋3の取付手段を形づくることもできる。
【0036】
ボウル2の開口を閉じ、かつ環状外端9を決定し、又は、例えば、蓋3が円形のとき円形の環状外端9により終わるボウル覆い部8から、好ましくは、蓋3はなる。
【0037】
特に好ましくは、ボウル覆い部8は側壁10により延長される。側壁10は下方へ延び、わずかな隙間Rをあけて、ボウル2の内壁2Iの形に合う(図3)。
【0038】
従って、図3で示した本発明の好ましい変形例において、あご状部6、7がボウル2の縁4と接触するまで、側壁10はボウル2に入り込む。
【0039】
その結果、固定手段5、例を挙げるとあご状部6、7は、蓋3の取付手段を形づくり、蓋3を固定する前に、蓋3を閉位置に到達させることができる。
【0040】
蓋3がボウル2上で閉じられている閉位置にあるとき、ボウル2の縁4と、あご状部6、7の内側に延びている端7Iとの間に、好ましくは、隙間Jは存在する。
【0041】
隙間Jは、特に、操作つまみ27を回すのに必要な力の軽減および蓋3の固定を容易にすることを可能にする。
【0042】
調理容器1に圧力がかかったとき、蓋3およびこれに関連したあご状部6、7は大きく上がり、あご状部6、7は、好ましくは、縁4にもたれる。この結果、ボウル2の上に蓋3はより安全に固定される。この構造において、隙間Jは、好ましくほぼ0である。
【0043】
本発明の第一および第二実施形態において、蓋3の側壁10の下端は、好ましくは、シーリングガスケット40を受けるように配置された折れ曲がり部30を有する(図3、図4、図5)。従って、蓋3がボウル2上に位置するとき、および、側壁10が前記ボウルへ入り込むとき、ガスケット40は、好ましくは、ボウルの切頭円錐状部22の内壁2Iに対してぴったりとくっつく。
【0044】
従って、固定手段5、例えばあご状部6、7が咬合手段12(例えば、ボウルの縁4に対し)にもたれるとすぐに調理容器1は漏れを止めるように、ボウル2、蓋3、およびガスケット40は、形づくられる。
【0045】
蓋3がボウル2上に固定され、調理容器1に圧力のかかっていないとき、蓋3は、固定手段5に対応した静止位置、例を挙げると、あご状部6、7は、ボウルの縁4に接触するように支えられる。
【0046】
本発明では、調理容器1の半分の断面図である図2に示すように、支持手段11は蓋3と固定手段5、例を挙げるとあご状部6、7の間に配置される。そのため、蓋3がボウル2の上に固定されているとき、固定手段5は支持手段11にもたれる。
【0047】
支持手段11は、好ましくは、蓋の中心から離れて配置され、蓋3を一つ以上の固定角領域3Fに分割する。固定角領域3Fは、固定手段5により支えられ、固定手段5、例を挙げると、あご状部6、7のほぼ下に位置する。自由角領域3Lは、固定手段5により支えられず、例えばあご状部6、7の間に位置する(図1)。
【0048】
固定手段5は、好ましくは、同時に、第一にボウル2の縁4にもたれかかり、第二に支持手段11にもたれる。その結果、調理容器1に全体で良い強度を与える(図2)。
【0049】
本発明では、支持手段11および蓋3は、固定手段5により支えられない自由角領域3Lを、ボウル2内にかかる圧力の影響で変形できるように、形づくられる。
【0050】
蓋3と前記固定手段5の間に介在する支持手段11を通じ、固定手段5により固定されるため、圧力の影響の下では、固定角領域3Fは変形できない。逆に、固定手段5により固定されない自由角領域3Lは、変形できる。
【0051】
従って、第一に支持手段11の形成、特に高さに作用し、第二に蓋3の形成、特に高さに作用することにより、ボウルの縁4に対する蓋3の自由角領域3Lの変形をコントロールすることができる。
【0052】
蓋の変形をコントロールすることにより、より薄い厚さであるが、一般的な蓋よりもより大きく変形できる蓋を設計、製造することができ、従って多量の必要な原料と調理容器のコストを削減することができる。
【0053】
好ましい実施形態においては、蓋3は、好ましくはステンレスで製造され、好ましくは、0.8mmから1.2mmの範囲の厚さを有する。
【0054】
より好ましくは、蓋3の厚さは、ボウル覆い部8全体でほぼ一定で、約1mmである。蓋3の厚さは直径と調理容器1の呼び圧力に応じて、当然ながら変えることができる。
【0055】
ボウル2の縁4は、好ましくは、上端境界4Sを有する(図3、図4、図5)。特に好ましくは、蓋3がボウル2上に固定され、調理容器1に圧力がかかっていないとき、上端境界4Sと自由角領域3Lを決める環状外端9の一部の間に、最初に所定量の垂直方向の隙間D1を生じさせるように、支持手段11は形づくられる。
【0056】
蓋3が静止位置にあるとき、すなわち調理容器1に圧力がかかっていないときの、環状外端9とボウル2の縁4の上端境界4Sの間の垂直方向の隙間D1の第一の量は、調理容器1の周囲全体に、あご状部6、7(または、ロッキングバー)の下においても広がっている(図3)。
【0057】
調理容器1に圧力がかかり、蓋3がボウル2上に固定されているとき、自由角領域3Lを決める環状外端9の一部と上端境界4Sとの間の垂直方向の隙間の第二の量D2を生じるように、支持手段11は、好ましくは、形づくられる。垂直方向の隙間の第二の量D2は、垂直方向の隙間の第一の量D1と異なり、これよりも小さい。垂直方向の隙間の第二の量D2と垂直方向の隙間の第一の量D1の差は、ボウル2へかかる圧力の影響で自由角領域3Lが変形することから生ずる(図4、図5)。
【0058】
反対に、あご状部6、7(または、ロッキングバー)の下に位置する固定角領域3Fは圧力の影響でもほんの僅かしか変形しないため、上端境界4Sと固定角領域3Fを決める環状外端9の一部の間の隙間は、第一の隙間の量D1とほとんど変わらない(図3)。
【0059】
従って、熱源が始動された後で蓋3がボウル2上に固定されたとき、圧力は、調理容器1内で徐々に上昇し、蓋の自由角領域3Lを変形させる傾向があり、そのため、ボウル2へ最初に戻る自由角領域3Lは、持ち上がる傾向がある。その結果、環状外端9をボウル2の縁4へ向かって動かす。
【0060】
本発明のより好ましい変形例では、調理容器1に定格の圧力、すなわち、標準の圧力がかかる(例えば、バルブの性能により予め決められた)とき、隙間の第二の量D2は、最も大きく変化する自由角領域3Lでほぼ0となるように、支持手段11および蓋3は、好ましくは、形づくられる。
【0061】
言い換えれば、支持手段11および蓋3は、定格の圧力がボウル2にかかったとき、蓋3の環状外端9は持ち上がり、ボウルの縁4と同一平面になる、すなわち、同じ位置になるように、好ましくは、形づくられる。
【0062】
最も大きく変形する蓋の領域において、蓋3の環状外端9は、好ましくは、ボウル2の縁4の上端境界4Sとほぼ同一平面になる。
【0063】
好ましくは、上述した定格の圧力は、ボウル内で約20kPaほど大気圧より高い相対圧力にほぼ一致する。当然、もし調理容器1内の圧力が定格作動圧力を超えると、蓋3の環状外端9は、ボウル2から外へ突出し、上端境界4Sを越える。
【0064】
その他としては、蓋3の環状外端9と同一平面にある、ボウルの縁4の上端境界4Sは、特に、調理容器1に十分魅力的な外観を与える。
【0065】
本発明の調理容器1の外観を改良するために、ボウル2の縁4は、好ましくは、蓋3のボウル覆い部とほぼ同じ曲率を示す、環状上端縁(annular top margin)Tを有する(図5)。
【0066】
従って、調理容器1が定格圧力状態にあるときは、蓋3は、自然に、ボウル2の環状上端縁Tと一直線に位置することになる。
【0067】
本発明のより好ましい第一実施形態の変形例では、固定手段5は、2つのあご状部6、7により形成される。あご状部6、7は、調理容器1の蓋の中心でお互いに対称で(この中心は、対称軸Z−Z’上に位置する)、正反対な主軸X−X’に沿い、ほぼ半径方向に広がる。
【0068】
より改善された剛性を与え、より良い弾性係数を得るために、あご状部6、7は、好ましくは、ステンレスで形成される。
【0069】
できるだけ少ない使用される金属の量と良い機械的剛性の良い折衷を得るために、あご状部6、7の厚さは、好ましくは、1.5mmから2mmの範囲にある。さらに、良い機械的釣り合いを調理容器1に与えられるように、あご状部6、7は、好ましくは、お互い反対に取付けられる。
【0070】
圧力調理器の全体での良い強度を得るために、蓋3およびあご状部6、7の各厚さは、好ましくは、お互いに独立して決定されない。
【0071】
蓋を固定(または開放)するためのあご状部6、7の動きは、好ましくは、半径方向で内向き(または外向き)である。
【0072】
この構造において、調理容器1に圧力がかかっているときに最も大きな変化を受ける自由角領域3Lの領域は、あご状部6、7が沿って広がる主軸X−X’に直角な第2軸Y−Y’に沿って配置される(図1)。
【0073】
調理容器1内の圧力が定格値のとき、隙間の第2の量D2は、従って、好ましくは、主軸X−X’に垂直な中央平面(すなわち、蓋3を半分の蓋に分割する平面)の周辺で、ほぼ0に縮小する。
【0074】
当然ながら、2つ以上のあご状部、例えば、お互いに90°に取付けられた4つのあご状部を有する調理容器1を形成することを検討することが可能である。
【0075】
この場合、変形が最大となる領域は、一連のあご状部から幾何学的に等距離の場所に位置する。
【0076】
固定手段5と接触する改良された領域を提供するために支持手段11は、好ましくは長円の支持湾曲部15により、好ましくは形成される(図6)。
【0077】
支持湾曲部の高さを調整することにより、ボウル2内に定格作動圧力がかかるとき、蓋3の環状外端9を、ボウルの縁4の上端境界4Sに同一にするか、あるいは上にするか、 下にするか決めることが可能である。
【0078】
支持手段11、および特に支持湾曲部15の高さを形づくることは、好ましくは、蓋3の変形量に関係して決められる。そのため、支持手段11と蓋3の変形の複合的な効果により、調理容器1に定格圧力がかかっているときに、隙間の第二の量D2が0に縮小し、蓋3の環状外端9がボウルの縁と同一平面になる。
【0079】
好ましい変形例においては、支持湾曲部15は、蓋3上に備えられた突起16により形成される。突起16は、蓋3の外側表面から、ほぼ垂直に突出し固定手段5と一致する(図3)。突起16は、好ましくは、蓋3を金型で形成することで得ることができる。
【0080】
当然ながら、支持湾曲部15は、蓋3への溶接、または接着剤による接着、またはリベットで留めることのできる別々の部品(図示せず)で形成することもできる。
【0081】
このような方法で形成された支持湾曲部15は、好ましくは、蓋3の環状外端9から蓋の中心、すなわち半径方向に延びる(図6)。
【0082】
変形例においては(図示せず)、あご状部6、7に形成または取付けた支持湾曲部15を備えること、好ましくは、支持湾曲部15は、あご状部6、7の下に備えた突起の形であることを検討することも可能である。
【0083】
固定手段5があご状部6、7からなる本発明の好ましい変形例において、支持手段11は、好ましくは2対の支持湾曲部15により形成される(図6)。支持湾曲部15の各々の対は、好ましくは対応するあご状部6、7の下に位置づけられる。従って、このような構造は、蓋3とあご状部6、7の間のよりよい接触を保証し、機械的に釣り合いの取れた調理容器1を得ることを可能にする。
【0084】
支持湾曲部15は蓋3とあご状部6、7の間にすき間を設けることも可能にする。
【0085】
従って、いずれかの対の2つの支持湾曲部15は、好ましくは、対称なZ−Z’軸にほぼ垂直な同じ平面に位置し(図2)、あご状部6、7の下で、力の配分を改善できるように十分離した方法で、配置する。
【0086】
当然ながら、本発明の範囲を超えることなく、各あご状部6、7の下の支持湾曲部15の数をさらに増やすこと、あるいは各あご状部6、7の下に幅の広い一つの支持湾曲部15を備えることも可能である。
【0087】
支持湾曲部15と固定手段5の間の接触領域を更に改良するために、固定手段は、好ましくは、約15mmの十分な幅を示す。この幅の選択は、第一に、あご状部6、7と支持湾曲部15の間の良好な接触を得る必要性、および第二に、使用される原料の削減と十分に軽い蓋3の製作への関心に起因する。
【0088】
支持湾曲部15の高さは、好ましくは、約4mmである。当然ながら、これら全ての寸法は、限定するために与えられたものではなく、本発明の範囲を超えることなく、他の値を考えることもできる。
【0089】
本発明の調理容器1の全体の強度を更に改善するために、2対の支持湾曲部15は、好ましくは蓋3の中心から離して、対称なZ−Z’軸上またはZ−Z’軸周辺に中心が位置する幾何学的に同円であるC上に位置する(図6)。
【0090】
従って、本発明の調理容器1により、支持手段11を通じ、蓋の変形をコントロールすることが可能である。このため、良い作動上の安全性を保証する一方で、これらの製造のために限られた量の原料しか必要とせず、低価格であり、厚みの小さな蓋を作成することが可能となる。
【0091】
本発明の調理容器1の他の利点は、使用者の安全を保証する良い全体の強度を有することである。
【0092】
本発明の調理容器1の動作は、図1ないし図6を参照して、本発明の第一実施形態に関し下に記載する。
【0093】
蓋3をボウル2上に置くために、あご状部6、7を開ける必要がある。このために、使用者は、あご状部6、7が半径方向に外側に動くように中心操作つまみ27を回す。蓋3がボウル2の上に置かれ、あご状部6、7がボウルの縁4と接触するまで蓋3の側壁10がボウル2の中へ挿入された後、あご状部6、7は固定されなければならない。
【0094】
このために、ボウル2の縁4をあご状部6,7が固定するまで、あご状部6、7が半径方向に内側に向かって動くように、使用者は、開方向と反対方向に操作つまみ27を回す。一旦固定されると、ボウル内にかかる圧力を上昇させるために、調理容器1は、熱源上に置かれる。調理容器1の圧力上昇に付随し、自由角領域3L、例えばあご状部6、7の間に位置する二つの自由角領域3Lは著しく変形する。
【0095】
調理容器1が定格圧力に達したとき、例えば、ボウル内で約20kPa大気圧よりも高い相対圧力に相当するとき、あご状部6、7が沿って広がる主軸X−X’に垂直な平面付近に位置する蓋の変形が最大となる領域で、隙間の第二の量D2は、0に縮小する傾向がある。
【0096】
反対に、ボウルの縁4の上端境界4Sと固定角領域3Fを決める環状外端9の間の隙間の量は、調理容器1に圧力がかかっていない時の蓋3の静止位置に対応する、第一の隙間の量D1にほぼ等しいままである。
【0097】
定格作動圧力は、蒸気排出手段29を用いて、ほぼ一定に保たれる。熱源が動作を停止し、調理容器1内に含まれる蒸気が排出され、相対圧力が0に縮小するとき、蓋3は静止位置に再び戻り、第一の隙間の量D1は、蓋3の環状外端9とボウルの縁4の上端境界4Sの間で、蓋3のほぼ外周全体に再現する。
【0098】
産業上の利用可能性
本発明は、家庭用の圧力調理用具を設計、製造する分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の圧力調理容器1の斜視図である。
【図2】本発明の圧力調理容器1の細部の断面図である。
【図3】図2で示された部品が、お互いに関連してどのように配置されているかを示す詳細な断面図である。
【図4】圧力のかかっていないときに、蓋とボウルがお互いにどのような位置にあるかを示す、図2のA−Aに沿う断面図である。
【図5】圧力下で、蓋とボウルがお互いにどのような位置にあるかを示す、図2のA‐Aに沿う断面図である。
【図6】本発明の調理容器1の使用のために設計された蓋の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル(2)と、
蓋(3)と、
前記ボウル(2)に備えられた咬合手段(12)と協動するのに適し、前記蓋(3)を固定/開放するために動かすのに適した、前記蓋(3)を覆いほぼ半径方向に伸びる固定手段(5)と、
前記蓋(3)および前記固定手段(5)の間に配置され、前記蓋(3)が前記ボウル(2)上に固定されたとき、前記固定手段(5)がもたれる支持手段(11)と、からなり、
第一に、前記蓋(3)が前記ボウル(2)上に置かれたとき、前記固定手段(5)が前記咬合手段(12)にもたれ、その結果、前記固定手段(5)が前記蓋(3)の取付手段を形づくるまで、前記蓋(3)は前記ボウル(2)内に入り込んで内嵌め蓋を形づくり、
第二に、前記支持手段(11)は、前記蓋(3)を、前記固定手段(5)により支えられる一つ以上の固定角領域(3F)および前記固定手段(5)により支えられない一つ以上の自由角領域(3L)に分け、前記蓋(3)の自由角領域(3L)が前記ボウル(2)内にかかる圧力の影響下でコントロールされた方法で変形できるような方法で、前記支持手段(11)および前記蓋(3)は、形づくられることを特徴とする調理容器(1)。
【請求項2】
前記蓋(3)のボウル覆い部(8)は環状外端(9)を決め、
前記ボウルは上端境界(4S)を有する縁(4)を備え、
前記蓋(3)が前記ボウル(2)上に固定され、前記調理容器に圧力がかかっていないとき、前記上端境界(4S)および前記自由角領域(3L)を決める前記環状外端(9)の間に、垂直方向の隙間の所定の第一の量(D1)を生じ、
前記蓋(3)が前記ボウル(2)上に固定され、前記調理容器に圧力がかかるとき、前記上端境界(4S)と前記環状外端(9)の間に、垂直方向の隙間の第二の量(D2)を生じ、
前記垂直方向の隙間の第一の量(D1)と前記垂直方向の隙間の第二の量(D2)の差は、前記ボウル(2)内にかかる圧力の影響下で変形する前記自由角領域(3L)に起因する、ことを特徴とする請求項1に記載の調理容器。
【請求項3】
前記調理容器(1)に定格圧力がかかるとき、前記垂直方向の隙間の第二の量(D2)は、前記自由角領域(3L)のこれらの領域でほぼ0で、前記ボウル(2)の前記縁(4)の前記上端境界(4S)と前記環状外端(9)はほぼそろうように、支持手段(11)および前記蓋(3)は形づくられることを特徴とする請求項2に記載の調理容器。
【請求項4】
前記支持手段(11)は、支持湾曲部(15)により形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の調理容器。
【請求項5】
前記支持湾曲部(15)は、前記蓋(3)に備えられる突起(16)により形成され、前記固定手段(5)にほぼ一致することを特徴とする、請求項4に記載の調理容器。
【請求項6】
前記支持湾曲部(15)は、例えば、前記蓋(3)へ溶接または接着される別々の部品により形成されることを特徴とする、請求項4に記載の調理容器。
【請求項7】
前記蓋(3)の中心についてお互いにほぼ対称で、ほぼ半径方向に伸びる2つのあご状部(6、7)により、前記固定手段(5)は形成されることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の調理容器。
【請求項8】
前記蓋(3)を固定するために前記縁(4)にもたれる前記あご状部(6、7)に一致して、ほぼ垂直に配置される前記ボウル(2)の前記縁(4)により、前記咬合手段(12)は、形成されることを特徴とする、請求項2または請求項7に記載の調理容器。
【請求項9】
前記支持手段(11)は、2対の前記支持湾曲部(15)により形成され、前記支持湾曲部(15)の各対は、対応する前記あご状部(6、7)の下に配置されることを特徴とする、請求項4ないし請求項6、および請求項8のいずれか1項に記載の調理容器。
【請求項10】
2対の前記支持湾曲部(15)は、同じ幾何学的な円(C)上に位置することを特徴とする請求項9に記載の調理容器。
【請求項11】
前記ボウル(2)上へ取付けられた突起と協動するのに適したロッキングバーにより、前記固定手段(5)は形成され、前記突起は、前記固定手段(5)にかみ合うのに適した前記咬合手段(12)を形成することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の調理容器。
【請求項12】
前記蓋(3)の前記ボウル覆い部(8)は、小さな半径方向の隙間(R)を開けて、内壁(2I)の形に沿うように下方向に広がる側壁(10)により、延長されていることを特徴とする請求項2、および請求項3ないし請求項11のうちのいずれか1項に記載の調理容器。
【請求項13】
前記蓋(3)の前記側壁(10)の下端は、シーリングガスケット(40)を受けるように配置された折れ曲がり部(30)を有することを特徴とする、請求項12に記載の調理容器。
【請求項14】
前記ボウル(2)の前記縁(4)は、前記蓋(3)とほぼ同じ外側の曲率を示す、環状上端縁(T)を有することを特徴とする、請求項2に記載の調理容器。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の前記調理容器(1)の使用のために設計された前記蓋(3)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−513646(P2007−513646A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540541(P2006−540541)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【国際出願番号】PCT/FR2004/003033
【国際公開番号】WO2005/053479
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(503269690)セブ ソシエテ アノニム (5)
【Fターム(参考)】