変更されたレーザビームによる埋込み式医療デバイスの製造方法
埋込み式医療デバイスの製造において、基板(200)をレーザ加工するための方法およびシステムの実施形態が開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工による埋込み式医療デバイスの製造方法に関する。特に、本発明は、変更されたレーザビームによる埋込み式医療デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ステントなどの埋込み式医療デバイスのレーザ加工に関する。レーザ加工は、レーザを通じて行われる材料の除去、および目標材料の相互作用を意味する。概して、これらのプロセスは、レーザ穿孔、レーザ切削、およびレーザ溝切、マーキング、またはスクライビングを含む。レーザ加工プロセスは、光子エネルギーを、熱エネルギーまたは光化学エネルギーの形態で目標材料内へ移送する。材料が、融解および吹飛しによって、または直接蒸発/融除させることによって除去される。
【0003】
高品質レーザ材料処理に対する超短波パルスレーザの適用は、極めて高い強度(>1012W/cm2)、超短波パルスの継続時間(<1ピコ秒)、および処理の非接触の性質のため、特に有用である。超短波レーザは、特に微小スケールでの、正確かつ効率的な処理を可能にする。長波パルスレーザおよびその他の従来の製造技術と比較すると、超短波レーザは、材料除去の正確な制御を提供し、極めて広い範囲の材料とともに使用することができ、無視できる熱的損傷を生じさせ、極めて清潔な小さい形状に対する可能性を提供する。これらの特徴は、超短波パルスレーザをマイクロ製造、薄膜形成、レーザ洗浄、ならびに医学的および生物学的な適用のための有望なツールにする。
【0004】
レーザ加工に対する多くの医学的適用例の1つは、体の内腔内に埋め込まれるように構成された、半径方向に拡張可能な内部人工器官の製造を含む。「内部人工器官」は、体の内部に配置される人工的なデバイスに相当する。「内腔」とは、血管などの管状の器官の空洞を意味する。
【0005】
ステントは、このような内部人工器官の例である。ステントは、血管、または尿路および胆管などの他の解剖学的内腔のセグメントを開放して保持し、ときどき拡張させるように機能する、ほぼ円筒形形状のデバイスである。ステントは、血管内のアテローム硬化性狭窄の治療にしばしば使用される。「狭窄」とは、体の通路または開口部の直径の狭化または収縮を意味する。このような治療では、ステントが体管を補強し、脈管系での血管形成術後の再狭窄を防止する。「再狭窄」とは、(バルーン血管形成術、ステンィング、または弁膜切開術によるような)治療に明らかに成功した後の、血管または心臓弁内での狭窄の再発生を意味する。
【0006】
ステントによる疾患部位または病変の治療は、ステントの移送および展開の両方を含む。「移送」とは、体の内腔を通って治療を必要とする血管内の病変などの領域へ、ステントを導入および輸送することを意味する。「展開」は、治療領域での内腔内のステントの拡張に相当する。ステントの移送および展開は、ステントをカテーテルの一方の端部の周囲に配置すること、カテーテルの端部を皮膚を通って体の内腔へ挿入すること、体の内腔内のカテーテルを所望の治療位置へ進行させること、ステントを治療位置で拡張させること、およびカテーテルを内腔から取り外すことによって達成される。
【0007】
バルーン拡張可能なステントの場合、ステントが、カテーテル上に配置されたバルーンの周囲に装着される。ステントを装着することは、ステントをバルーン上に圧迫または圧着することを通常含む。ステントが次いで、バルーンを膨張させることによって拡張される。バルーンが次いで、収縮され、カテーテルが引き出されてもよい。自己拡張式ステントの場合、ステントが、引込み可能なシースまたはソックスを介してカテーテルに固定されてもよい。ステントが所望の体の位置にあるとき、シースが引き出され、ステントが自己拡張することを許す。
【0008】
ステントは、いくつかの機械的要件を満たすことが可能でなければならない。第1に、ステントは、構造的荷重、すなわち、ステントが血管の壁を支持するときにステントに賦与される、半径方向圧縮力に耐えることが可能でなければならない。このため、ステントは、十分な半径方向強度を有さなければならない。半径方向強度は、ステントが半径方向圧縮力に耐える能力であり、ステントの円周方向の強度および剛性によるものである。したがって、半径方向強度および剛性はまた、フープまたは円周方向強度および剛性として記載されてもよい。
【0009】
いったん拡張した後、ステントは、鼓動する心臓によって誘発される周期的な荷重を含むそれが耐えることになる様々な力に関わらず、その耐用年数全体を通じて、そのサイズおよび形状を十分な維持しなければならない。たとえば、半径方向に方向付けられた力は、ステントを内向きに反動させる傾向があり得る。一般に、反動を最小にすることが望ましい。
【0010】
また、ステントは、圧着、拡張、および周期的な荷重を許すために十分な可撓性を有さなければならない。長手方向の可撓性は、ステントが曲がりくねった脈管経路を通って操縦されることを可能にするために、および直線状でない、または曲げを受けるかもしれない展開部位に適合することを可能にするために重要である。最後に、ステントは、いずれの悪い脈管の応答も起動させないように生体的適合性でなければならない。
【0011】
ステントの構造は通常、当技術分野でストラットまたはバーアームとしばしば称される、相互に接続している構造要素のパターンまたはネットワークを備える足場から成る。足場は、ワイヤ、チューブまたは円筒形状に巻かれた材料シートから形成されてもよい。足場は、ステントが(圧着を可能にするために)半径方向に圧縮されること、および(展開を可能にするために)半径方向に拡張されることができるように設計される。
【0012】
ステントは、金属、および生物分解性ポリマー材料を含むポリマーなどの多くの材料で作製されている。生物分解性のステントは、たとえば、脈管開存性を達成および維持すること、および/または薬剤移送というその意図された機能が達成されるまでの制限された期間、体内でのステントの存在が必要である多くの治療用途で望ましい。
【0013】
ステントは、レーザ加工を使用してチューブまたはシート上にパターンを形成することによって製造されてもよい。レーザ加工は、ステント内の構造要素の精細複雑なパターンを形成するために良く適している。
【0014】
しかし、特にポリマーでのレーザ加工での問題は、基板上での熱影響ゾーンの形成の傾向である。熱影響ゾーンは、除去されないが、レーザビームによる熱によって影響される目標材料上の領域である。ゾーン内の材料の特性は、レーザビームによる熱によって悪い影響を与えられることがある。したがって、除去された材料上への熱入力を減少または除去させ、このようにして熱影響ゾーンを減少させる、または除去することが、一般に望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明のある実施形態は、光学系によりガウス形状の半径方向強度プロファイルを有するレーザビームを、上部の平らな半径方向強度プロファイルを有するように変更することを含む、埋込み式医療デバイスを製造する方法を目的とする。この方法は、埋込み式医療デバイスを形成するために、変更されたビームによって基板から材料を除去することをさらに含んでもよい。
【0016】
本発明のさらなる実施形態は、変更された強度が、変更されたビームの半径方向の断面の大部分にわたって一様、またはほぼ一様であるように、光学系によりレーザビームの強度を変更することを含む、埋込み式医療デバイスを製造する方法を目的とする。この方法は、埋込み式医療デバイスを形成するために、変更されたビームによって基板から材料を除去することをさらに含んでもよい。
【0017】
本発明の追加の実施形態は、選択された値よりも大きい強度を有するビームの半径方向断面の一部分が増加するように、光学系によりレーザビームの強度を変更することを含んでもよい、埋込み式医療デバイスを製造する方法を目的とする。方法は、埋込み式医療デバイスを形成するために、変更されたビームによって基板から材料を除去することをさらに含んでもよい。
【0018】
本発明の追加の実施形態は、一様でない半径方向強度プロファイルを有するビームを発生させるレーザビーム発生源を備えてもよい、埋込み式医療デバイスを製造するためのシステムを目的とする。このシステムは、屈折式の光学系が、より一様な半径方向強度プロファイルを有するようにビームを変更することが可能であるように、ビームを変更するための屈折式の光学系をさらに含んでもよい。このシステムはまた、基板を保持するための固定具を備えてもよい。レーザビーム発生源は、変更されたビームが固定具によって保持された基板から材料を除去するように、レーザビーム発生源から光学系を通ってビームを方向付けるように配置されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態は、レーザ加工を使用して、ステントなどの埋込み式医療デバイスを製造することに関する。これらの実施形態は、バルーン拡張可能なステント、自己拡張可能なステント、ステントグラフト、およびグラフト(たとえば、大動脈グラフト)を含むがそれに限定されない、埋込み式医療デバイスを製造するために使用されてもよい。
【0020】
上記に示したように、ステントは、血管またはその他の解剖学的内腔のセグメントを開放して保持する、およびときどき拡張させるように機能する、ほぼ円筒形形状のデバイスである。一般に、ステントは、それが中に埋め込まれる体の内腔に適合可能であるいずれかの構造的なパターンを、事実上有してもよい。通常、ステントは、円周方向のリングおよび長手方向に延びる、相互に接続しているストラットまたはバーアームの構造要素のパターンまたはネットワークから成る。一般に、ストラットは、血管の内腔壁面と接触するように、および脈管開存性を維持するように設計されているパターンで配置されている。無数のストラットパターンが、特定の設計目標を達成するために当技術分野で公知である。より重要なステントの設計特性のいくつかは、半径方向またはフープ強度、拡張率またはカバレッジエリア、および長手方向の可撓性である。
【0021】
図1は、結合ストラット8によって接続された円筒形のリング12を形成するストラット4を有する、円筒形形状のステント1の例示的な実施形態の3次元図を示している。ステント1内のストラットの断面は、矩形形状である。ストラットは、管腔でない面14、管腔の面16、および側壁面18を有する。ストラットの断面は、図示したものに限定されず、したがって、他の断面形状が、本発明の実施形態に適用可能である。他のステントパターンが本発明の実施形態に容易に適用可能であるため、パターンは、図示したものに限定されない。
【0022】
一般に、ステントパターンは、ステントが、(展開を許すために)半径方向に拡張されること、および(移送を許すために)圧着されることができるように設計されている。低いプロファイルから拡張されたプロファイルへの拡張中に伴われる応力は、ステントパターンの様々な構造要素全体を通じてほぼ分散される。ステントが拡張するとき、ステントの様々な部分が、半径方向の拡張を達成するために変形してもよい。
【0023】
ステントおよび同様のステント構造は、様々な方式で作製されてもよい。ステントは、薄い壁の管状の部材をレーザによって加工することによって製造されてもよい。管の選択された領域が、所望のパターンを有するステントを得るために、レーザ加工によって除去されてもよい。別法として、ステントが、シートを同様な方式で加工し、その後ステントを形成するために切削されたシートを丸めて接合することによって、製造されてもよい。管は、図9に概略的に示すような機械制御されたレーザを使用して切削されてもよい。レーザ加工が、様々な材料からステントを製造するために使用されてもよい。たとえば、ステントパターンが、ポリマー、金属、またはそれらの組合せを含む材料内に切削されてもよい。
【0024】
多くの治療の適用例では、体内でのステントの存在が、たとえば、脈管開存性を維持することおよび/または薬剤移送などのその意図された機能が達成されるまでの制限された期間、必要とされることがある。したがって、ステントが生物分解性であることが望ましいことがある。生体吸収性ポリマーなどの生物分解性、生体吸収性、および/または生体腐食性の材料から製造されたステントが、それらに対する臨床的な要求が終了した後にのみ完全に腐食するように構成されてもよい。
【0025】
一般に、ポリマーは、生体安定性、生体吸収性、生物分解性または生体腐食性であってよい。生体安定性は、生物分解性でないポリマーを意味する。生物分解性、生体吸収性、および生体腐食性、ならびに分解される、腐食される、および吸収されるという用語は、互換可能に使用され、血液などの体液に曝露されたとき、完全に腐食されるまたは吸収されることが可能であり、体によって徐々に再吸収、吸収および/または除去されることが可能なポリマーを意味する。また、活性の薬もしくは薬剤、または活性の薬もしくは薬剤を含むポリマー製のキャリアでステントの表面を被覆することによって薬剤付きステントが、製造されてもよい。活性の薬はまた、ステントの足場内に組み込まれてもよい。
【0026】
生物分解性のポリマーで作製されたステントは、その意図された機能、たとえば、脈管開存性を維持することおよび/または薬剤移送が達成されるまでのある継続時間の間、体内に留まるように意図されている。分解、腐食、吸収、および/または再吸収のプロセスが完了した後、生物分解性のステントの部分、またはステントの生物分解性の部分は、留まらない。いくつかの実施形態では、極めて無視できる微量物または残存物が残されてもよい。継続時間は、約1カ月から数年の範囲であってよい。しかし、継続時間は、通常約1カ月から12カ月、またはいくつかの実施形態では、6から12カ月の範囲である。
【0027】
本発明の実施形態は、エキシマ、炭酸ガス、およびYAGを含むがそれに限定されない、事実上いずれかのタイプのレーザによる、レーザ加工に適用可能である。また、実施形態は、いかなる特定のパルス長のレーザにも限定されない。たとえば、「超短波パルスレーザ」とは、約1ピコ秒(=10−12)よりも短い継続時間を有するパルスを有するレーザを意味する。超短波パルスレーザは、ピコ秒およびフェムト秒(=10−15)レーザの両方を含んでもよい。超短波パルスレーザは、かなり長いパルスを有する従来の連続波および長波パルスレーザ(ナノ秒(10−9)レーザ)と明らかに区別可能である。ある実施形態は、約10−13秒よりも短いパルスを有し得るフェムト秒レーザを採用してもよい。
【0028】
超短波パルスレーザは、当業者に公知である。たとえば、これらは、Ultrashort−Pulse Laser Machining、Section K−ICALEO、1998、1〜20頁で、M.D.Perryらによって、全体にわたって開示されている。フェムト秒レーザの代表的な例には、チタンサファイアレーザ(735nm〜1035nm)およびエキシマダイレーザ(220nm〜300nm、380nm〜760nm)が含まれるが、それに限定されない。超短波パルスレーザの、長いパルスレーザに対する利点は、超短波パルスが、入射ビームを歪めたり曲げたりして、ざらざらした切り口を作るであろう気化された材料の水柱と相互作用しない程高速に、そのエネルギーを堆積するということである。
【0029】
超短波パルスレーザ加工でさえも、目標基板の一部分が除去されず、ビームによってまだ加熱される、熱影響ゾーンを作る傾向がある。加熱は、熱的または非熱的機構のいずれかを通じて基板材料を除去するのに十分大きくない強度を有するビームの一部分から基板への曝露による。熱影響ゾーンの主な原因は、加工された基板の一様でない照射である。したがって、基板の領域のより一様な照射を可能にするレーザビームによって基板をレーザ加工することが、有利である。
【0030】
レーザビームの典型的な強度分布が一様ではないことは、レーザおよびレーザ加工の当業者に一般に公知である。多くのレーザによって放出されるビームは、ガウスプロファイルに追従する半径方向強度依存性を有する。たとえば、半径方向強度依存性は、exp(−2r2/w02)に比例する。ここで、rは半径方向距離であり、w0は、ビームのサイズを決定するビームウェストパラメータである。
【0031】
図2は、矢印32によって示されるような「z」方向に移動している、例示的なレーザビーム30の軸方向断面を示している。ガウスビームプロファイルの形態でのビーム強度の数学的表現34が、ビーム30上に重ねて示されている。プロファイルは、ビーム中央(x=0)で最大強度(Imax)を有し、次いで、最大値の両側で距離とともに徐々に減少する。限界強度レベル(Ic)すなわち強度範囲未満では、ビームの強度は、基板から材料を除去するために十分大きくない。その縁部に近いビームの部分(−xeおよびxe)は、基板から材料を除去することができない。
【0032】
図2に示すように、材料は、約xcを上回る、および約−xcを下回るところでは除去されない。しかし、材料を除去するために十分強くはないビームの部分が、材料内にエネルギーをまだ堆積させ、これが望ましくない熱的影響を有する可能性がある。また、基板の一部分が、伝導を通じて加熱されてもよい。たとえば、xeを上回る、および−xeを下回る基板の一部分が、伝導によって加熱されてもよい。このように、熱影響ゾーンの幅は、xcとxeの間の差に伝導によって加熱される基板の幅を足したものであってよい。
【0033】
図3〜5は、基板をレーザ加工することの概略図である。図3は、焦点44を有する集束レンズ42を通るレーザビーム40の平行化された2次元表現を示している。「平行化された光のビーム」とは、平行な光の線を有するビームを意味する。合焦されたレーザビーム46は、レンズ42からの距離とともに直径が減少する。ビーム46は、基板48に当たる。領域50は、レーザの直接の相互作用領域に相当する。
【0034】
図4は、直径52を有する領域50を示す、基板48の表面の上から見た図を示している。レーザビーム40が、領域50内の材料を除去する。直径50は、図2による2xcの幅に相当する。図5は、レーザビーム、基板、またはその両方の移動が、レーザビームが直径52と同じである幅56を有する溝または切り溝54を切削することを、可能にすることを示している。領域58または60内の材料は、除去されない、またはほとんど除去されない。しかし、除去されていない少なくともいくらかの材料が、ビームの直接の相互作用を通じて(たとえば、図2においてxcとxeおよび−xcと−xeの間)、および伝導によって加熱される。領域58および60は、熱影響ゾーンに相当する。
【0035】
目標基板内の熱影響ゾーンは、いくつかの理由で望ましくない。金属およびポリマーの両方で、熱が、加工された表面での熱的な歪みおよび粗さを生じさせる可能性がある。熱はまた、機械的強度および分解速度などのポリマーの特性を変更する可能性がある。熱は、機械的特性および分解速度に影響を与えることがある化学的な分解を生じさせる可能性がある。
【0036】
また、熱は、結晶化度の程度およびポリマーチェーン配列などのポリマーの分子構造を変更する可能性がある。機械的特性は、分子構造に強く依存する。たとえば、高度の結晶化度および/またはポリマーチェーン配列は、剛性の高分子材料に関連する。ポリマーをその融点を超えて加熱することは、ポリマーが再凝固した後、望ましくない結晶化度の増加または減少を結果として生じさせることがある。ポリマーを融解させることはまた、機械的特性に悪影響を与える可能性があるポリマーチェーン配列の損失を結果として生じさせることがある。
【0037】
また、レーザによる熱が、基板の特性を局所的に変更し、機械的特性が空間的に一様でないことがある。このような非一様性は、亀裂などの機械的不安定性をもたらす。
図2に示すように、ビームの中心から遠ざかると強度が緩やかに減少することは、熱影響ゾーンの原因となる。xcとxeの間で、強度が緩やかに減少するほど、熱影響ゾーンはより大きくなる。逆に、xcとxeの間で、強度が緩やかでなく、すなわちより急激に減少するほど、熱影響ゾーンはより小さくなる。
【0038】
レーザビームの強度を変更または再分配することによって、熱影響ゾーンを減少または除去することができる。埋込み式医療デバイスを製造する方法の様々な実施形態は、光学系によってレーザビームの強度を変更することを含んでもよい。ビームは、ビームによって加工される基板から除去される材料に隣接する熱影響ゾーンが、減少または除去されるように変更されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、ビームが、選択された値よりも大きい強度を有するビームの半径方向断面の一部分が増加するように変更されてもよい。強度の選択された値は、所望の基板からの材料の除去のために必要とされる最小強度であってよい。いくつかの実施形態では、変更された強度は、変更されたビームの半径方向断面の大部分にわたって一様、またはほぼ一様であってよい。一実施形態では、半径方向断面の大部分にわたる変更された強度が、所望の基板から材料を除去することが可能であってもよい。方法は、埋込み式医療デバイスを形成するために、変更されたビームによって基板から材料を除去することをさらに含んでもよい。
【0040】
一実施形態では、ビームの縁部に隣接する強度が、未変更のビームに対してよりもゼロに向かってより急激に減少するように、ビームが変更される。ある実施形態では、変更されたレーザビームと未変更のレーザビームの直径が、等しいまたは近似的に等しくてよい。
【0041】
一実施形態では、方法が、「上部の平らな」または「トップハット」半径方向強度プロファイルを有するように、光学系によってガウス形状の半径方向強度プロファイルを有するレーザビームを変更することを含んでもよい。「上部の平らな」または「トップハット」半径方向強度プロファイルは、ビームの半径方向断面の大部分にわたって一様またはほぼ一様な強度を意味する。このようなプロファイルはまた、ビームの縁部に隣接するゼロに向かって急激に減少する強度を有する。
【0042】
図6は、ガウス半径方向強度プロファイル70、および上部の平らな半径方向強度プロファイル74を示している。上部の平らなプロファイル74の中央部分78を横切る強度は、強度IFでほぼ一様である。上部の平らなプロファイル74の縁部領域82は、ゼロに向かって急激に減少する。上部の平らなプロファイル74によって基板をレーザ加工することは、ガウスプロファイル70よりも小さい熱影響ゾーンをもたらす。図2に示すように、ICは、所望の基板から材料を除去するために必要とされるビームの最小強度に相当する。ガウスプロファイル70によるビームの熱影響ゾーンは、上部の平らなプロファイル74によるビームの結果として生じる熱影響ゾーンの最小幅90よりも大きい最小幅86を有する。2つのプロファイルに対する熱影響ゾーンは、ビームによる直接の相互作用を有さない基板の領域への伝導による熱の伝達によって、幅86および90よりも大きくなり得る。
【0043】
また、変更されたレーザビーム、たとえば上部の平らなビームを発生させる方法は、上記で説明したように、レーザおよびレーザ加工の当業者に公知である。多くの方法およびデバイスが、ガウスビームから上部の平らなビームを作成するために使用可能である。J.HoffnagleおよびC.M.Jefferson、Appl.Opt.39、5488〜5499(2000)。上部の平らなビームは、屈折式または反射式の光学系および回折式の要素を使用して作成されてもよい。ガウスビームを上部の平らなビームに変換することはまた、吸収性の要素によって行われてもよい。たとえば、ビームが、半径方向に変化する吸収プロファイルを有するフィルタを通過してもよい。
【0044】
回折式の要素を使用する方法は、波長の感受性、低い効率、および位相板またはホログラムの極めて厳密な位置合わせ公差の必要性などのいくつかの欠点を有する。吸収性の方法もまた、欠点を有する。これらは、比較的控えめな効率を有し、吸収性の要素での製造公差に敏感であり、比較的低いレーザパワーに制限される。また、反射式の光学系の設計は、製造上の問題を有する複雑な非対称表面を有することがある。
【0045】
他方では、一様でないビームをより一様なプロファイルに変換するための屈折式の方法は、効率、位置合わせ問題、製造および適用可能範囲に関する他の方法に対して利点を有する。J.HoffnagleおよびC.M.Jefferson、Appl.Opt.39、5488〜5499(2000)。屈折式の方法は、高い効率が可能である。入力ビーム強度の99.7%を有する上部の平らなビームを作成することができる、屈折式の方法が開示されている。
【0046】
また、屈折式のシステムは、位置合わせ問題を最小にする、簡単な、同軸の光学的配置を有することができる。レンズの設計は、非球面であってよいが、回転対称、かつ単調であり、このことは製造の難しさを大いに減少させる。屈折式の方法での低散乱光学材料の使用は、単一の設計が紫外線から赤外線波長まで良好に機能することを可能にする。したがって、単一の研削および研磨ステップが、広範囲の用途のために使用することができる光学系をもたらすことができる。
【0047】
ガウスビームを上部の平らなビームに変換するための屈折式のビームリシェイパは、カリフォルニア州マウンテンビューのNewport Corporation−Spectra−Physics Lasers Divisionから得ることができる。
【0048】
ある実施形態では、屈折式の光学系が、少なくとも1つのレンズを備えてもよい。レーザビームが、ビームを変更するために、1つ、2つ、3つまたはそれ以上のレンズを通って方向付けられてもよい。ある実施形態では、光学系が、変更されたビームを形成するように、レーザビームの強度を再分配してもよい。光学系は、変更されたビームの全体強度が、未変更のビームの50%、60、70%、80%、90%、95%、98%、99%、または99.7%よりも大きいように、ビームを変更することができる。
【0049】
図7は、ガウスビームを上部の平らなビームに再形成するための、屈折式の光学系100の例示的な実施形態を示す図である。光学系100は、第1の非球面レンズ104、および距離DLだけ離された第2の非球面レンズ108を備える。光線114として示されている平行化されたビーム112が、第1の非球面レンズ104で方向付けられる。光線114は、非球面レンズ104によって屈折する。光線114が次に、第2の非球面レンズ108を通過するときに、再平行化される。第1の非球面レンズ104の軸116の近くの光線114はレンズ104の縁部の近くのものよりも大きな半径方向の拡大を受けるため、ビームを横切る照射が、一様またはほぼ一様な上部の平らなプロファイルが作成されるように、非線形に再分配される。
【0050】
上記に示したように、屈折式の光学系は、2つのレンズまたは光学的要素の使用に限定されない。ある実施形態では、本明細書に記載されている実施形態に従ってレーザビームを変更するための光学系が、1つまたは複数のレンズまたは光学要素を備えてもよい。単一の要素レーザビームシェイパが、S.Zhang他、Optics Express、11、1942〜1948(2003)に記載されている。単一の要素設計の全体厚さが最小化されることができ、このことが、超パルス適用例の利点である。
【0051】
図8は、単一の非球面レンズ134によってガウスビームを上部の平らなビームに再形成するための、屈折式の光学系の例示的な実施形態130を示す図である。光線142として示されている平行化されたビーム138は、一様でない空間的な分散を有する。光線142が、レンズ134によって、一様な上部の平らな分散を有する平行化されたビームに変換される。
【0052】
本明細書に開示されている埋込み式医療デバイスの実施形態を製造するために使用することができるポリマーの代表的な例には、ポリ(Nアセチルグルコサミン)(キチン)、キトサン、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−コ−D,L−ラクチド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(L−ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−コ−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリエステルアミド、ポリ(グリコール酸−コ−トリメチレンカーボネート)、コ−ポリ(エーテル−エステル)(たとえば、PEO/PLA)、ポリホスファゼン、生体分子(フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、スターチ、コラーゲンおよびヒアルロン酸など)、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイソブチレンおよびエチレン−アルファオレフィンコポリマー、アクリルポリマーおよびコポリマー、ビニルハロゲン化物ポリマーおよびコポリマー(ポリ塩化ビニルなど)、ポリビニルエーテル(ポリビニルメチルエーテルなど)、ポリビニリデンハロゲン化物(ポリ塩化ビニリデンなど)、ポリアクロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物(ポリスチレンなど)、ポリビニルエステル(ポリビニルアセテートなど)、アクリロニトリルスチレンコポリマー、ABS樹脂、ポリアミド(ナイロン66およびポリカプロラクタムなど)、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、レーヨン、レーヨントリアセテート、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、セロハン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、およびカルボキシメチルセルロースが含まれるが、それに限定されない。本明細書に開示されている実施形態の埋込み式医療デバイスを製造することにおける使用のために特に良く適している可能性のあるポリマーの追加の代表的な例には、エチレンビニルアルコールコポリマー(一般名EVOHによってまたは、商標名EVALによって一般に公知である)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンフルオリド−コ−ヘキサフルオロプロペン)(たとえば、ニュージャージー州ソロフェアのSolvay Solexis PVDFから入手可能であるSOLEF21508)、ポリビニリデンフルオリド(もしくは、ペンシルベニア州フィラデルフィアのATOFINA Chemicalsから入手可能であるKYNARとして公知である)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、ポリ(ビニルアセテート)、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロックコポリマー、およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0053】
また、デバイスは、生体安定性または生体腐食性の金属で部分的にまたは完全に構成されてもよい。いくつかの金属は、体液に曝露されたとき、比較的迅速に腐食または侵食する傾向があるため、生体腐食性であるとみなされている。生体安定性の金属は、生体腐食性ではない金属を意味する。生体安定性の金属は、体液に曝露されたとき、無視できる腐食または侵食速度を有する。デバイスを製造するために使用することができる生物分解性の金属の代表的な例には、マグネシウム、亜鉛および鉄が含まれることがあるが、それに限定されない。生物分解性の金属は、生物分解性のポリマーと組み合わせて使用されてもよい。
【0054】
埋込み式医療デバイスを製造するために使用することができ金属材料または合金の代表的な例には、コバルトクロム合金(ELGILOY)、ステンレス鋼(316L)、たとえば、BIODUR 108などの高窒素ステンレス鋼、コバルトクロム合金L−605、「MP35N」、「MP20N」、ELASTINITE(ニチノール)、タンタル、ニッケル−チタニウム合金、プラチナ−イリジウム合金、金、マグネシウム、またはそれらの組合せが含まれるが、それに限定されない。「MP35N」および「MP20N」は、ペンシルベニア州ジェンキンタウンのStandard Press Steel Co.,から入手可能であるコバルト、ニッケル、クロムおよびモリブデンの合金に対する商標名である。「MP35N」は、35%コバルト、35%ニッケル、20%クロム、および10%モリブデンから成る。「MP20N」は、50%コバルト、20%ニッケル、20%クロム、および10%モリブデンから成る。
【0055】
たとえば、ステンレス鋼のチューブまたはシートは、ASTM規格F138−92またはASTM規格F139−92のグレード2に準拠したSpecial Chemistryである316L SSの合金タイプとすることができる。重量パーセントでの医療インプラント用ASTM規格F138−92またはASTM規格F139−92に準拠したタイプ316Lステンレス鋼のSpecial Chemistry。例示的な重量パーセントは、以下のとおりとすることができる。
【0056】
炭素(C):0.03最大%、マンガン(Mn):2.00最大%、リン(P):0.025最大%、硫黄(S):0.010最大%、シリコン(Si):0.75最大%、クロム(Cr):17.00〜19.00%、ニッケル(Ni):13.00〜15.50%、モリブデン(Mo):2.00〜3.00%、窒素(N):0.10最大%、銅(Cu):0.50最大%、鉄(Fe):残部。
ある実施形態では、埋込み式医療デバイスを製造するためのシステムは、一様でない半径方向強度プロファイルを有するビームを発生させる、レーザビーム発生源を備えてもよい。システムはまた、ビームを変更するための屈折式の光学系を備えてもよい。屈折式の光学系は、より一様な半径方向強度プロファイルを有するようにビームを変更することが可能である。ある実施形態では、システムはまた、基板を保持するための固定具を備えてもよい。レーザビーム発生源は、変更されたビームが、固定具によって保持された基板から材料を除去するように、レーザビーム発生源から光学系を通ってビームを方向付けるように配置されてもよい。
【0057】
図9は、チューブをレーザ加工するための機械制御されたシステムの一部分の実施形態を示している。図9では、チューブ200が、レーザ212に対してチューブ200を配置するために、機械制御された装置208の回転自在なコレット固定具204内に配置されている。機械符号化された命令に従って、チューブ200が回転され、かつこれも機械制御されているレーザ212に対して軸方向に移動される。レーザが、チューブから材料を選択的に除去し、結果として、パターンがチューブ内に切削される。チューブはこのようにして、仕上げられたステントの離散したパターンに切削される。
【0058】
ステントのためのパターンをチューブに切削するプロセスは、ある長さのチューブを装填および装填解除することを除いて自動化されている。図9を再び参照すると、これは、たとえば、ある長さのチューブの軸方向回転のためのCNC対向コレット固定具204を使用して、行われてもよい。コレット固定具204は、上記で説明したような機械制御されたレーザに対して、チューブの長さを軸方向に移動させるために、CNC X/Yテーブル216とともに作用してもよい。コレットの間の全空間が、前の例のレーザ設定を使用してパターン形成されてもよい。装置の制御に対するプログラムは、使用される特定の構成および形成されるパターンに依存する。
【0059】
精細な構造を機械加工することはまた、チューブを正確に操作する能力を必要とする。ニューヨーク、ハッポージ(Hauppauge)のAnorad Corporationによって製造販売されているCNC装置が、チューブを配置するために使用されてもよい。また、パターンがあたかも平坦なシートから機械加工されるかのようにコンピュータプログラムが書かれることを可能にする、独自のロータリ機構が、使用されてもよい。このことは、円形および直線状の両方の補間が、プログラミングで使用されることを可能にする。ステントの仕上げられる構造は極めて小さいため、管状の構造の両端を、それが切削されるときに支持し、かつ駆動する、正確な駆動機構が必要とされる。両端が駆動されるため、これらは、位置合わせされ、かつ正確に同期化されなければならない。そうでない場合、ステント構造が、それが切削されているとき、ねじれ、歪むことになる。
【0060】
図10は、ステントのレーザ加工のために使用されるレーザシステムの一般的な概略図を示している。図10は、レーザ空洞254内に活性の媒体250を備える。活性の媒体は、刺激されると、刺激された放出で電磁放射を放出することができる反転分布になる、原子または分子の集まりを備える。鏡の間でレーザパルスを反射および吸収する活性の媒体250が、極めて反射性の鏡258と出力鏡262の間に位置されている。矢印260および266は、空洞254によって反射されるレーザパルスを示している。矢印274は、出力鏡262を通って送信されるレーザパルスを示している。動力発生源276が、活性の媒体250が、それを通過する光の強度を増幅することができるように、矢印278によって示されるように活性の媒体250にエネルギーを供給する、すなわちポンピングする。
【0061】
レーザは、たとえば、光学的、電気的、または化学的になど、いくつかの方式でポンピングされてもよい。光学的ポンピングは、強力なランプまたはレーザビームによって放出される、連続的なまたはパルス化された光のいずれかを使用してもよい。ダイオードポンピングは、1つのタイプの光学的ポンピングである。レーザダイオードは、ゲインまたは振幅が、p−n結合を通って流れる電流によって生成される、半導体レーザである。効率的かつ高出力のダイオードレーザが、開発されており、多くの波長において広く入手可能であるため、レーザダイオードポンピングが、望ましいことがある。
【0062】
図11〜13は、小直径の薄壁の円筒形のチューブから切削された精細で正確な構造を有するステントを作成するための、本実施形態によるプロセスおよび装置を示している。図11は、レーザ加工装置300の側面図を示しており、図12は、装置300の上から見た図を示している。精細な構造を切削すること(たとえば、0.0035インチストラット幅(0.889mm))は、正確なレーザ合焦および熱入力の最小化を必要とする。これらの要件を満足するために、改良型のレーザ技術が、本実施形態によるこのマイクロマシニング適用例に適応されている。
【0063】
図11および12は、装置300上に一体に装着された(たとえば、図10に示すような)レーザ304を示している。パルス発生器(図示せず)が、ダイオードポンプをゲーティングすることによって、制限され、かつより正確なレーザの出力の制御を提供する。パルス発生器を採用することによって、10から500フェムト秒の間のパルス長を有するレーザパルスが、100から5000Hzの範囲の周波数で達成される。パルス発生器は、いくつかの製造業者から得ることができ、標準電圧110ボルトACで動作する従来のモデルである。
【0064】
レーザ304は、ステント構造内への熱入力を最小にするために、低い周波数、パルス化された波長で動作し、このことは、滑らか、くずのない切削をもたらすために、過度の熱による熱的歪み、ステント材料の制御されない焼きつき、および熱的損傷を防止する。使用中、ダイオードポンプが、レーザ304の近端部で、光エネルギーを発生させる。最初に、光エネルギーが、パルス発生器によってパルス化される。パルス化された光エネルギー送信が、ビームチューブ316を通過し、最終的に加工品に当たる。
【0065】
また、図11および12は、装置300が、単眼ののぞき窓、合焦器および切削ヘッド320を組み込んでいることを示している。加工品を回転および並進運動させるための回転軸324およびX−Yステージ328もまた、示されている。CNCコントローラ332も、装置300内に組み込まれている。
【0066】
図13は、レーザビームが基板目標材料と相互作用する領域の軸方向拡大図を示している。レーザビーム336が、レンズ338をチューブ348上に合焦させることによって合焦される。チューブ348は、ある端部ではCNC制御されたロータリコレット337によって、別の端部ではチューブ支持ピン339によって支持される。
【0067】
図13によって示すように、レーザは、ビームが切削し、基板を蒸発させるとき、切り溝からくずを除去することを助け、ビームが材料と相互作用するところの領域を冷却する、同軸のガスジェット342およびノズル344を有する同軸のガスジェット組立体340を組み込んでもよい。同軸のガスジェットノズル344(たとえば、0.018インチ直径(0.457mm))が、ノズル344の先端356とチューブ348の間を約0.010インチ(2.54mm)にして、合焦されたビーム352の周りに中心付けされる。ある実施形態では、本明細書に記載された実施形態によるレーザビームを変更するための光学系が、切削ヘッド320と基板目標材料間に配置されてもよい。
【0068】
レーザビームがチューブの上部表面を通って切削するとき、ビームが、溶融した材料および切削によるくずを伴って、チューブ348の反対側の内部表面上の当たることを防止するために、レーザビーム352をブロックすることも必要なことがある。この目的のために、マンドレルビームブロック362によって支持されたマンドレル360(たとえば、約0.034インチ直径(0.864mm))が、チューブの内部に配置され、パターンが切削されるとき、チューブ348の底部に巻きつくことを許される。これは、遠い壁の内直径を保護するビーム/くずブロックとして作用する。マンドレルビームブロック362に沿った拡大端面図が、図14でチューブ348に当たるレーザビーム352を示している。
【0069】
このようにして、本発明のレーザは、材料への熱入力を最小化しながら、狭い切り溝幅を加工することを可能にする。したがって、ステント構造を構成する狭いストラットを損傷することなく、極めて精細な幾何形状を有するチューブ内で滑らかな、狭い切り口を作製することが可能である。
【0070】
本発明の特定の実施形態が示され、説明されてきたが、変更および変更が、そのより広い態様において本発明から逸脱することなく行うことができることは、当業者なら明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の本質および範囲内にあるようなすべてのこのような変更および修正を、それらの範囲内に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】ステントの3次元表現を示す図である。
【図2】ガウスレーザビームプロファイルを示す図である。
【図3】レーザビームの平行化された2次元表現を示す図である。
【図4】基板の表面の上から見た図である。
【図5】レーザによって加工された切り溝を示す図である。
【図6】ガウス上の半径方向強度プロファイルおよび上部の平らな半径方向強度プロファイルを示す図である。
【図7】屈折式の光学系の例示的な実施形態を示す図である。
【図8】単一の非球面レンズを備える屈折式の光学系の例示的な実施形態を示す図である。
【図9】チューブをレーザ加工するための機械制御されたシステムの一部分の実施形態を示す図である。
【図10】レーザシステムの一般的な概略図である。
【図11】レーザ加工装置の側面図である。
【図12】レーザ加工装置の上から見た図である。
【図13】レーザビームがチューブと相互作用する領域の拡大軸方向図である。
【図14】レーザビームがチューブと相互作用する領域の拡大端面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工による埋込み式医療デバイスの製造方法に関する。特に、本発明は、変更されたレーザビームによる埋込み式医療デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ステントなどの埋込み式医療デバイスのレーザ加工に関する。レーザ加工は、レーザを通じて行われる材料の除去、および目標材料の相互作用を意味する。概して、これらのプロセスは、レーザ穿孔、レーザ切削、およびレーザ溝切、マーキング、またはスクライビングを含む。レーザ加工プロセスは、光子エネルギーを、熱エネルギーまたは光化学エネルギーの形態で目標材料内へ移送する。材料が、融解および吹飛しによって、または直接蒸発/融除させることによって除去される。
【0003】
高品質レーザ材料処理に対する超短波パルスレーザの適用は、極めて高い強度(>1012W/cm2)、超短波パルスの継続時間(<1ピコ秒)、および処理の非接触の性質のため、特に有用である。超短波レーザは、特に微小スケールでの、正確かつ効率的な処理を可能にする。長波パルスレーザおよびその他の従来の製造技術と比較すると、超短波レーザは、材料除去の正確な制御を提供し、極めて広い範囲の材料とともに使用することができ、無視できる熱的損傷を生じさせ、極めて清潔な小さい形状に対する可能性を提供する。これらの特徴は、超短波パルスレーザをマイクロ製造、薄膜形成、レーザ洗浄、ならびに医学的および生物学的な適用のための有望なツールにする。
【0004】
レーザ加工に対する多くの医学的適用例の1つは、体の内腔内に埋め込まれるように構成された、半径方向に拡張可能な内部人工器官の製造を含む。「内部人工器官」は、体の内部に配置される人工的なデバイスに相当する。「内腔」とは、血管などの管状の器官の空洞を意味する。
【0005】
ステントは、このような内部人工器官の例である。ステントは、血管、または尿路および胆管などの他の解剖学的内腔のセグメントを開放して保持し、ときどき拡張させるように機能する、ほぼ円筒形形状のデバイスである。ステントは、血管内のアテローム硬化性狭窄の治療にしばしば使用される。「狭窄」とは、体の通路または開口部の直径の狭化または収縮を意味する。このような治療では、ステントが体管を補強し、脈管系での血管形成術後の再狭窄を防止する。「再狭窄」とは、(バルーン血管形成術、ステンィング、または弁膜切開術によるような)治療に明らかに成功した後の、血管または心臓弁内での狭窄の再発生を意味する。
【0006】
ステントによる疾患部位または病変の治療は、ステントの移送および展開の両方を含む。「移送」とは、体の内腔を通って治療を必要とする血管内の病変などの領域へ、ステントを導入および輸送することを意味する。「展開」は、治療領域での内腔内のステントの拡張に相当する。ステントの移送および展開は、ステントをカテーテルの一方の端部の周囲に配置すること、カテーテルの端部を皮膚を通って体の内腔へ挿入すること、体の内腔内のカテーテルを所望の治療位置へ進行させること、ステントを治療位置で拡張させること、およびカテーテルを内腔から取り外すことによって達成される。
【0007】
バルーン拡張可能なステントの場合、ステントが、カテーテル上に配置されたバルーンの周囲に装着される。ステントを装着することは、ステントをバルーン上に圧迫または圧着することを通常含む。ステントが次いで、バルーンを膨張させることによって拡張される。バルーンが次いで、収縮され、カテーテルが引き出されてもよい。自己拡張式ステントの場合、ステントが、引込み可能なシースまたはソックスを介してカテーテルに固定されてもよい。ステントが所望の体の位置にあるとき、シースが引き出され、ステントが自己拡張することを許す。
【0008】
ステントは、いくつかの機械的要件を満たすことが可能でなければならない。第1に、ステントは、構造的荷重、すなわち、ステントが血管の壁を支持するときにステントに賦与される、半径方向圧縮力に耐えることが可能でなければならない。このため、ステントは、十分な半径方向強度を有さなければならない。半径方向強度は、ステントが半径方向圧縮力に耐える能力であり、ステントの円周方向の強度および剛性によるものである。したがって、半径方向強度および剛性はまた、フープまたは円周方向強度および剛性として記載されてもよい。
【0009】
いったん拡張した後、ステントは、鼓動する心臓によって誘発される周期的な荷重を含むそれが耐えることになる様々な力に関わらず、その耐用年数全体を通じて、そのサイズおよび形状を十分な維持しなければならない。たとえば、半径方向に方向付けられた力は、ステントを内向きに反動させる傾向があり得る。一般に、反動を最小にすることが望ましい。
【0010】
また、ステントは、圧着、拡張、および周期的な荷重を許すために十分な可撓性を有さなければならない。長手方向の可撓性は、ステントが曲がりくねった脈管経路を通って操縦されることを可能にするために、および直線状でない、または曲げを受けるかもしれない展開部位に適合することを可能にするために重要である。最後に、ステントは、いずれの悪い脈管の応答も起動させないように生体的適合性でなければならない。
【0011】
ステントの構造は通常、当技術分野でストラットまたはバーアームとしばしば称される、相互に接続している構造要素のパターンまたはネットワークを備える足場から成る。足場は、ワイヤ、チューブまたは円筒形状に巻かれた材料シートから形成されてもよい。足場は、ステントが(圧着を可能にするために)半径方向に圧縮されること、および(展開を可能にするために)半径方向に拡張されることができるように設計される。
【0012】
ステントは、金属、および生物分解性ポリマー材料を含むポリマーなどの多くの材料で作製されている。生物分解性のステントは、たとえば、脈管開存性を達成および維持すること、および/または薬剤移送というその意図された機能が達成されるまでの制限された期間、体内でのステントの存在が必要である多くの治療用途で望ましい。
【0013】
ステントは、レーザ加工を使用してチューブまたはシート上にパターンを形成することによって製造されてもよい。レーザ加工は、ステント内の構造要素の精細複雑なパターンを形成するために良く適している。
【0014】
しかし、特にポリマーでのレーザ加工での問題は、基板上での熱影響ゾーンの形成の傾向である。熱影響ゾーンは、除去されないが、レーザビームによる熱によって影響される目標材料上の領域である。ゾーン内の材料の特性は、レーザビームによる熱によって悪い影響を与えられることがある。したがって、除去された材料上への熱入力を減少または除去させ、このようにして熱影響ゾーンを減少させる、または除去することが、一般に望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明のある実施形態は、光学系によりガウス形状の半径方向強度プロファイルを有するレーザビームを、上部の平らな半径方向強度プロファイルを有するように変更することを含む、埋込み式医療デバイスを製造する方法を目的とする。この方法は、埋込み式医療デバイスを形成するために、変更されたビームによって基板から材料を除去することをさらに含んでもよい。
【0016】
本発明のさらなる実施形態は、変更された強度が、変更されたビームの半径方向の断面の大部分にわたって一様、またはほぼ一様であるように、光学系によりレーザビームの強度を変更することを含む、埋込み式医療デバイスを製造する方法を目的とする。この方法は、埋込み式医療デバイスを形成するために、変更されたビームによって基板から材料を除去することをさらに含んでもよい。
【0017】
本発明の追加の実施形態は、選択された値よりも大きい強度を有するビームの半径方向断面の一部分が増加するように、光学系によりレーザビームの強度を変更することを含んでもよい、埋込み式医療デバイスを製造する方法を目的とする。方法は、埋込み式医療デバイスを形成するために、変更されたビームによって基板から材料を除去することをさらに含んでもよい。
【0018】
本発明の追加の実施形態は、一様でない半径方向強度プロファイルを有するビームを発生させるレーザビーム発生源を備えてもよい、埋込み式医療デバイスを製造するためのシステムを目的とする。このシステムは、屈折式の光学系が、より一様な半径方向強度プロファイルを有するようにビームを変更することが可能であるように、ビームを変更するための屈折式の光学系をさらに含んでもよい。このシステムはまた、基板を保持するための固定具を備えてもよい。レーザビーム発生源は、変更されたビームが固定具によって保持された基板から材料を除去するように、レーザビーム発生源から光学系を通ってビームを方向付けるように配置されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態は、レーザ加工を使用して、ステントなどの埋込み式医療デバイスを製造することに関する。これらの実施形態は、バルーン拡張可能なステント、自己拡張可能なステント、ステントグラフト、およびグラフト(たとえば、大動脈グラフト)を含むがそれに限定されない、埋込み式医療デバイスを製造するために使用されてもよい。
【0020】
上記に示したように、ステントは、血管またはその他の解剖学的内腔のセグメントを開放して保持する、およびときどき拡張させるように機能する、ほぼ円筒形形状のデバイスである。一般に、ステントは、それが中に埋め込まれる体の内腔に適合可能であるいずれかの構造的なパターンを、事実上有してもよい。通常、ステントは、円周方向のリングおよび長手方向に延びる、相互に接続しているストラットまたはバーアームの構造要素のパターンまたはネットワークから成る。一般に、ストラットは、血管の内腔壁面と接触するように、および脈管開存性を維持するように設計されているパターンで配置されている。無数のストラットパターンが、特定の設計目標を達成するために当技術分野で公知である。より重要なステントの設計特性のいくつかは、半径方向またはフープ強度、拡張率またはカバレッジエリア、および長手方向の可撓性である。
【0021】
図1は、結合ストラット8によって接続された円筒形のリング12を形成するストラット4を有する、円筒形形状のステント1の例示的な実施形態の3次元図を示している。ステント1内のストラットの断面は、矩形形状である。ストラットは、管腔でない面14、管腔の面16、および側壁面18を有する。ストラットの断面は、図示したものに限定されず、したがって、他の断面形状が、本発明の実施形態に適用可能である。他のステントパターンが本発明の実施形態に容易に適用可能であるため、パターンは、図示したものに限定されない。
【0022】
一般に、ステントパターンは、ステントが、(展開を許すために)半径方向に拡張されること、および(移送を許すために)圧着されることができるように設計されている。低いプロファイルから拡張されたプロファイルへの拡張中に伴われる応力は、ステントパターンの様々な構造要素全体を通じてほぼ分散される。ステントが拡張するとき、ステントの様々な部分が、半径方向の拡張を達成するために変形してもよい。
【0023】
ステントおよび同様のステント構造は、様々な方式で作製されてもよい。ステントは、薄い壁の管状の部材をレーザによって加工することによって製造されてもよい。管の選択された領域が、所望のパターンを有するステントを得るために、レーザ加工によって除去されてもよい。別法として、ステントが、シートを同様な方式で加工し、その後ステントを形成するために切削されたシートを丸めて接合することによって、製造されてもよい。管は、図9に概略的に示すような機械制御されたレーザを使用して切削されてもよい。レーザ加工が、様々な材料からステントを製造するために使用されてもよい。たとえば、ステントパターンが、ポリマー、金属、またはそれらの組合せを含む材料内に切削されてもよい。
【0024】
多くの治療の適用例では、体内でのステントの存在が、たとえば、脈管開存性を維持することおよび/または薬剤移送などのその意図された機能が達成されるまでの制限された期間、必要とされることがある。したがって、ステントが生物分解性であることが望ましいことがある。生体吸収性ポリマーなどの生物分解性、生体吸収性、および/または生体腐食性の材料から製造されたステントが、それらに対する臨床的な要求が終了した後にのみ完全に腐食するように構成されてもよい。
【0025】
一般に、ポリマーは、生体安定性、生体吸収性、生物分解性または生体腐食性であってよい。生体安定性は、生物分解性でないポリマーを意味する。生物分解性、生体吸収性、および生体腐食性、ならびに分解される、腐食される、および吸収されるという用語は、互換可能に使用され、血液などの体液に曝露されたとき、完全に腐食されるまたは吸収されることが可能であり、体によって徐々に再吸収、吸収および/または除去されることが可能なポリマーを意味する。また、活性の薬もしくは薬剤、または活性の薬もしくは薬剤を含むポリマー製のキャリアでステントの表面を被覆することによって薬剤付きステントが、製造されてもよい。活性の薬はまた、ステントの足場内に組み込まれてもよい。
【0026】
生物分解性のポリマーで作製されたステントは、その意図された機能、たとえば、脈管開存性を維持することおよび/または薬剤移送が達成されるまでのある継続時間の間、体内に留まるように意図されている。分解、腐食、吸収、および/または再吸収のプロセスが完了した後、生物分解性のステントの部分、またはステントの生物分解性の部分は、留まらない。いくつかの実施形態では、極めて無視できる微量物または残存物が残されてもよい。継続時間は、約1カ月から数年の範囲であってよい。しかし、継続時間は、通常約1カ月から12カ月、またはいくつかの実施形態では、6から12カ月の範囲である。
【0027】
本発明の実施形態は、エキシマ、炭酸ガス、およびYAGを含むがそれに限定されない、事実上いずれかのタイプのレーザによる、レーザ加工に適用可能である。また、実施形態は、いかなる特定のパルス長のレーザにも限定されない。たとえば、「超短波パルスレーザ」とは、約1ピコ秒(=10−12)よりも短い継続時間を有するパルスを有するレーザを意味する。超短波パルスレーザは、ピコ秒およびフェムト秒(=10−15)レーザの両方を含んでもよい。超短波パルスレーザは、かなり長いパルスを有する従来の連続波および長波パルスレーザ(ナノ秒(10−9)レーザ)と明らかに区別可能である。ある実施形態は、約10−13秒よりも短いパルスを有し得るフェムト秒レーザを採用してもよい。
【0028】
超短波パルスレーザは、当業者に公知である。たとえば、これらは、Ultrashort−Pulse Laser Machining、Section K−ICALEO、1998、1〜20頁で、M.D.Perryらによって、全体にわたって開示されている。フェムト秒レーザの代表的な例には、チタンサファイアレーザ(735nm〜1035nm)およびエキシマダイレーザ(220nm〜300nm、380nm〜760nm)が含まれるが、それに限定されない。超短波パルスレーザの、長いパルスレーザに対する利点は、超短波パルスが、入射ビームを歪めたり曲げたりして、ざらざらした切り口を作るであろう気化された材料の水柱と相互作用しない程高速に、そのエネルギーを堆積するということである。
【0029】
超短波パルスレーザ加工でさえも、目標基板の一部分が除去されず、ビームによってまだ加熱される、熱影響ゾーンを作る傾向がある。加熱は、熱的または非熱的機構のいずれかを通じて基板材料を除去するのに十分大きくない強度を有するビームの一部分から基板への曝露による。熱影響ゾーンの主な原因は、加工された基板の一様でない照射である。したがって、基板の領域のより一様な照射を可能にするレーザビームによって基板をレーザ加工することが、有利である。
【0030】
レーザビームの典型的な強度分布が一様ではないことは、レーザおよびレーザ加工の当業者に一般に公知である。多くのレーザによって放出されるビームは、ガウスプロファイルに追従する半径方向強度依存性を有する。たとえば、半径方向強度依存性は、exp(−2r2/w02)に比例する。ここで、rは半径方向距離であり、w0は、ビームのサイズを決定するビームウェストパラメータである。
【0031】
図2は、矢印32によって示されるような「z」方向に移動している、例示的なレーザビーム30の軸方向断面を示している。ガウスビームプロファイルの形態でのビーム強度の数学的表現34が、ビーム30上に重ねて示されている。プロファイルは、ビーム中央(x=0)で最大強度(Imax)を有し、次いで、最大値の両側で距離とともに徐々に減少する。限界強度レベル(Ic)すなわち強度範囲未満では、ビームの強度は、基板から材料を除去するために十分大きくない。その縁部に近いビームの部分(−xeおよびxe)は、基板から材料を除去することができない。
【0032】
図2に示すように、材料は、約xcを上回る、および約−xcを下回るところでは除去されない。しかし、材料を除去するために十分強くはないビームの部分が、材料内にエネルギーをまだ堆積させ、これが望ましくない熱的影響を有する可能性がある。また、基板の一部分が、伝導を通じて加熱されてもよい。たとえば、xeを上回る、および−xeを下回る基板の一部分が、伝導によって加熱されてもよい。このように、熱影響ゾーンの幅は、xcとxeの間の差に伝導によって加熱される基板の幅を足したものであってよい。
【0033】
図3〜5は、基板をレーザ加工することの概略図である。図3は、焦点44を有する集束レンズ42を通るレーザビーム40の平行化された2次元表現を示している。「平行化された光のビーム」とは、平行な光の線を有するビームを意味する。合焦されたレーザビーム46は、レンズ42からの距離とともに直径が減少する。ビーム46は、基板48に当たる。領域50は、レーザの直接の相互作用領域に相当する。
【0034】
図4は、直径52を有する領域50を示す、基板48の表面の上から見た図を示している。レーザビーム40が、領域50内の材料を除去する。直径50は、図2による2xcの幅に相当する。図5は、レーザビーム、基板、またはその両方の移動が、レーザビームが直径52と同じである幅56を有する溝または切り溝54を切削することを、可能にすることを示している。領域58または60内の材料は、除去されない、またはほとんど除去されない。しかし、除去されていない少なくともいくらかの材料が、ビームの直接の相互作用を通じて(たとえば、図2においてxcとxeおよび−xcと−xeの間)、および伝導によって加熱される。領域58および60は、熱影響ゾーンに相当する。
【0035】
目標基板内の熱影響ゾーンは、いくつかの理由で望ましくない。金属およびポリマーの両方で、熱が、加工された表面での熱的な歪みおよび粗さを生じさせる可能性がある。熱はまた、機械的強度および分解速度などのポリマーの特性を変更する可能性がある。熱は、機械的特性および分解速度に影響を与えることがある化学的な分解を生じさせる可能性がある。
【0036】
また、熱は、結晶化度の程度およびポリマーチェーン配列などのポリマーの分子構造を変更する可能性がある。機械的特性は、分子構造に強く依存する。たとえば、高度の結晶化度および/またはポリマーチェーン配列は、剛性の高分子材料に関連する。ポリマーをその融点を超えて加熱することは、ポリマーが再凝固した後、望ましくない結晶化度の増加または減少を結果として生じさせることがある。ポリマーを融解させることはまた、機械的特性に悪影響を与える可能性があるポリマーチェーン配列の損失を結果として生じさせることがある。
【0037】
また、レーザによる熱が、基板の特性を局所的に変更し、機械的特性が空間的に一様でないことがある。このような非一様性は、亀裂などの機械的不安定性をもたらす。
図2に示すように、ビームの中心から遠ざかると強度が緩やかに減少することは、熱影響ゾーンの原因となる。xcとxeの間で、強度が緩やかに減少するほど、熱影響ゾーンはより大きくなる。逆に、xcとxeの間で、強度が緩やかでなく、すなわちより急激に減少するほど、熱影響ゾーンはより小さくなる。
【0038】
レーザビームの強度を変更または再分配することによって、熱影響ゾーンを減少または除去することができる。埋込み式医療デバイスを製造する方法の様々な実施形態は、光学系によってレーザビームの強度を変更することを含んでもよい。ビームは、ビームによって加工される基板から除去される材料に隣接する熱影響ゾーンが、減少または除去されるように変更されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、ビームが、選択された値よりも大きい強度を有するビームの半径方向断面の一部分が増加するように変更されてもよい。強度の選択された値は、所望の基板からの材料の除去のために必要とされる最小強度であってよい。いくつかの実施形態では、変更された強度は、変更されたビームの半径方向断面の大部分にわたって一様、またはほぼ一様であってよい。一実施形態では、半径方向断面の大部分にわたる変更された強度が、所望の基板から材料を除去することが可能であってもよい。方法は、埋込み式医療デバイスを形成するために、変更されたビームによって基板から材料を除去することをさらに含んでもよい。
【0040】
一実施形態では、ビームの縁部に隣接する強度が、未変更のビームに対してよりもゼロに向かってより急激に減少するように、ビームが変更される。ある実施形態では、変更されたレーザビームと未変更のレーザビームの直径が、等しいまたは近似的に等しくてよい。
【0041】
一実施形態では、方法が、「上部の平らな」または「トップハット」半径方向強度プロファイルを有するように、光学系によってガウス形状の半径方向強度プロファイルを有するレーザビームを変更することを含んでもよい。「上部の平らな」または「トップハット」半径方向強度プロファイルは、ビームの半径方向断面の大部分にわたって一様またはほぼ一様な強度を意味する。このようなプロファイルはまた、ビームの縁部に隣接するゼロに向かって急激に減少する強度を有する。
【0042】
図6は、ガウス半径方向強度プロファイル70、および上部の平らな半径方向強度プロファイル74を示している。上部の平らなプロファイル74の中央部分78を横切る強度は、強度IFでほぼ一様である。上部の平らなプロファイル74の縁部領域82は、ゼロに向かって急激に減少する。上部の平らなプロファイル74によって基板をレーザ加工することは、ガウスプロファイル70よりも小さい熱影響ゾーンをもたらす。図2に示すように、ICは、所望の基板から材料を除去するために必要とされるビームの最小強度に相当する。ガウスプロファイル70によるビームの熱影響ゾーンは、上部の平らなプロファイル74によるビームの結果として生じる熱影響ゾーンの最小幅90よりも大きい最小幅86を有する。2つのプロファイルに対する熱影響ゾーンは、ビームによる直接の相互作用を有さない基板の領域への伝導による熱の伝達によって、幅86および90よりも大きくなり得る。
【0043】
また、変更されたレーザビーム、たとえば上部の平らなビームを発生させる方法は、上記で説明したように、レーザおよびレーザ加工の当業者に公知である。多くの方法およびデバイスが、ガウスビームから上部の平らなビームを作成するために使用可能である。J.HoffnagleおよびC.M.Jefferson、Appl.Opt.39、5488〜5499(2000)。上部の平らなビームは、屈折式または反射式の光学系および回折式の要素を使用して作成されてもよい。ガウスビームを上部の平らなビームに変換することはまた、吸収性の要素によって行われてもよい。たとえば、ビームが、半径方向に変化する吸収プロファイルを有するフィルタを通過してもよい。
【0044】
回折式の要素を使用する方法は、波長の感受性、低い効率、および位相板またはホログラムの極めて厳密な位置合わせ公差の必要性などのいくつかの欠点を有する。吸収性の方法もまた、欠点を有する。これらは、比較的控えめな効率を有し、吸収性の要素での製造公差に敏感であり、比較的低いレーザパワーに制限される。また、反射式の光学系の設計は、製造上の問題を有する複雑な非対称表面を有することがある。
【0045】
他方では、一様でないビームをより一様なプロファイルに変換するための屈折式の方法は、効率、位置合わせ問題、製造および適用可能範囲に関する他の方法に対して利点を有する。J.HoffnagleおよびC.M.Jefferson、Appl.Opt.39、5488〜5499(2000)。屈折式の方法は、高い効率が可能である。入力ビーム強度の99.7%を有する上部の平らなビームを作成することができる、屈折式の方法が開示されている。
【0046】
また、屈折式のシステムは、位置合わせ問題を最小にする、簡単な、同軸の光学的配置を有することができる。レンズの設計は、非球面であってよいが、回転対称、かつ単調であり、このことは製造の難しさを大いに減少させる。屈折式の方法での低散乱光学材料の使用は、単一の設計が紫外線から赤外線波長まで良好に機能することを可能にする。したがって、単一の研削および研磨ステップが、広範囲の用途のために使用することができる光学系をもたらすことができる。
【0047】
ガウスビームを上部の平らなビームに変換するための屈折式のビームリシェイパは、カリフォルニア州マウンテンビューのNewport Corporation−Spectra−Physics Lasers Divisionから得ることができる。
【0048】
ある実施形態では、屈折式の光学系が、少なくとも1つのレンズを備えてもよい。レーザビームが、ビームを変更するために、1つ、2つ、3つまたはそれ以上のレンズを通って方向付けられてもよい。ある実施形態では、光学系が、変更されたビームを形成するように、レーザビームの強度を再分配してもよい。光学系は、変更されたビームの全体強度が、未変更のビームの50%、60、70%、80%、90%、95%、98%、99%、または99.7%よりも大きいように、ビームを変更することができる。
【0049】
図7は、ガウスビームを上部の平らなビームに再形成するための、屈折式の光学系100の例示的な実施形態を示す図である。光学系100は、第1の非球面レンズ104、および距離DLだけ離された第2の非球面レンズ108を備える。光線114として示されている平行化されたビーム112が、第1の非球面レンズ104で方向付けられる。光線114は、非球面レンズ104によって屈折する。光線114が次に、第2の非球面レンズ108を通過するときに、再平行化される。第1の非球面レンズ104の軸116の近くの光線114はレンズ104の縁部の近くのものよりも大きな半径方向の拡大を受けるため、ビームを横切る照射が、一様またはほぼ一様な上部の平らなプロファイルが作成されるように、非線形に再分配される。
【0050】
上記に示したように、屈折式の光学系は、2つのレンズまたは光学的要素の使用に限定されない。ある実施形態では、本明細書に記載されている実施形態に従ってレーザビームを変更するための光学系が、1つまたは複数のレンズまたは光学要素を備えてもよい。単一の要素レーザビームシェイパが、S.Zhang他、Optics Express、11、1942〜1948(2003)に記載されている。単一の要素設計の全体厚さが最小化されることができ、このことが、超パルス適用例の利点である。
【0051】
図8は、単一の非球面レンズ134によってガウスビームを上部の平らなビームに再形成するための、屈折式の光学系の例示的な実施形態130を示す図である。光線142として示されている平行化されたビーム138は、一様でない空間的な分散を有する。光線142が、レンズ134によって、一様な上部の平らな分散を有する平行化されたビームに変換される。
【0052】
本明細書に開示されている埋込み式医療デバイスの実施形態を製造するために使用することができるポリマーの代表的な例には、ポリ(Nアセチルグルコサミン)(キチン)、キトサン、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−コ−D,L−ラクチド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(L−ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−コ−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリエステルアミド、ポリ(グリコール酸−コ−トリメチレンカーボネート)、コ−ポリ(エーテル−エステル)(たとえば、PEO/PLA)、ポリホスファゼン、生体分子(フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、スターチ、コラーゲンおよびヒアルロン酸など)、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイソブチレンおよびエチレン−アルファオレフィンコポリマー、アクリルポリマーおよびコポリマー、ビニルハロゲン化物ポリマーおよびコポリマー(ポリ塩化ビニルなど)、ポリビニルエーテル(ポリビニルメチルエーテルなど)、ポリビニリデンハロゲン化物(ポリ塩化ビニリデンなど)、ポリアクロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物(ポリスチレンなど)、ポリビニルエステル(ポリビニルアセテートなど)、アクリロニトリルスチレンコポリマー、ABS樹脂、ポリアミド(ナイロン66およびポリカプロラクタムなど)、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、レーヨン、レーヨントリアセテート、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、セロハン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、およびカルボキシメチルセルロースが含まれるが、それに限定されない。本明細書に開示されている実施形態の埋込み式医療デバイスを製造することにおける使用のために特に良く適している可能性のあるポリマーの追加の代表的な例には、エチレンビニルアルコールコポリマー(一般名EVOHによってまたは、商標名EVALによって一般に公知である)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンフルオリド−コ−ヘキサフルオロプロペン)(たとえば、ニュージャージー州ソロフェアのSolvay Solexis PVDFから入手可能であるSOLEF21508)、ポリビニリデンフルオリド(もしくは、ペンシルベニア州フィラデルフィアのATOFINA Chemicalsから入手可能であるKYNARとして公知である)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、ポリ(ビニルアセテート)、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロックコポリマー、およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0053】
また、デバイスは、生体安定性または生体腐食性の金属で部分的にまたは完全に構成されてもよい。いくつかの金属は、体液に曝露されたとき、比較的迅速に腐食または侵食する傾向があるため、生体腐食性であるとみなされている。生体安定性の金属は、生体腐食性ではない金属を意味する。生体安定性の金属は、体液に曝露されたとき、無視できる腐食または侵食速度を有する。デバイスを製造するために使用することができる生物分解性の金属の代表的な例には、マグネシウム、亜鉛および鉄が含まれることがあるが、それに限定されない。生物分解性の金属は、生物分解性のポリマーと組み合わせて使用されてもよい。
【0054】
埋込み式医療デバイスを製造するために使用することができ金属材料または合金の代表的な例には、コバルトクロム合金(ELGILOY)、ステンレス鋼(316L)、たとえば、BIODUR 108などの高窒素ステンレス鋼、コバルトクロム合金L−605、「MP35N」、「MP20N」、ELASTINITE(ニチノール)、タンタル、ニッケル−チタニウム合金、プラチナ−イリジウム合金、金、マグネシウム、またはそれらの組合せが含まれるが、それに限定されない。「MP35N」および「MP20N」は、ペンシルベニア州ジェンキンタウンのStandard Press Steel Co.,から入手可能であるコバルト、ニッケル、クロムおよびモリブデンの合金に対する商標名である。「MP35N」は、35%コバルト、35%ニッケル、20%クロム、および10%モリブデンから成る。「MP20N」は、50%コバルト、20%ニッケル、20%クロム、および10%モリブデンから成る。
【0055】
たとえば、ステンレス鋼のチューブまたはシートは、ASTM規格F138−92またはASTM規格F139−92のグレード2に準拠したSpecial Chemistryである316L SSの合金タイプとすることができる。重量パーセントでの医療インプラント用ASTM規格F138−92またはASTM規格F139−92に準拠したタイプ316Lステンレス鋼のSpecial Chemistry。例示的な重量パーセントは、以下のとおりとすることができる。
【0056】
炭素(C):0.03最大%、マンガン(Mn):2.00最大%、リン(P):0.025最大%、硫黄(S):0.010最大%、シリコン(Si):0.75最大%、クロム(Cr):17.00〜19.00%、ニッケル(Ni):13.00〜15.50%、モリブデン(Mo):2.00〜3.00%、窒素(N):0.10最大%、銅(Cu):0.50最大%、鉄(Fe):残部。
ある実施形態では、埋込み式医療デバイスを製造するためのシステムは、一様でない半径方向強度プロファイルを有するビームを発生させる、レーザビーム発生源を備えてもよい。システムはまた、ビームを変更するための屈折式の光学系を備えてもよい。屈折式の光学系は、より一様な半径方向強度プロファイルを有するようにビームを変更することが可能である。ある実施形態では、システムはまた、基板を保持するための固定具を備えてもよい。レーザビーム発生源は、変更されたビームが、固定具によって保持された基板から材料を除去するように、レーザビーム発生源から光学系を通ってビームを方向付けるように配置されてもよい。
【0057】
図9は、チューブをレーザ加工するための機械制御されたシステムの一部分の実施形態を示している。図9では、チューブ200が、レーザ212に対してチューブ200を配置するために、機械制御された装置208の回転自在なコレット固定具204内に配置されている。機械符号化された命令に従って、チューブ200が回転され、かつこれも機械制御されているレーザ212に対して軸方向に移動される。レーザが、チューブから材料を選択的に除去し、結果として、パターンがチューブ内に切削される。チューブはこのようにして、仕上げられたステントの離散したパターンに切削される。
【0058】
ステントのためのパターンをチューブに切削するプロセスは、ある長さのチューブを装填および装填解除することを除いて自動化されている。図9を再び参照すると、これは、たとえば、ある長さのチューブの軸方向回転のためのCNC対向コレット固定具204を使用して、行われてもよい。コレット固定具204は、上記で説明したような機械制御されたレーザに対して、チューブの長さを軸方向に移動させるために、CNC X/Yテーブル216とともに作用してもよい。コレットの間の全空間が、前の例のレーザ設定を使用してパターン形成されてもよい。装置の制御に対するプログラムは、使用される特定の構成および形成されるパターンに依存する。
【0059】
精細な構造を機械加工することはまた、チューブを正確に操作する能力を必要とする。ニューヨーク、ハッポージ(Hauppauge)のAnorad Corporationによって製造販売されているCNC装置が、チューブを配置するために使用されてもよい。また、パターンがあたかも平坦なシートから機械加工されるかのようにコンピュータプログラムが書かれることを可能にする、独自のロータリ機構が、使用されてもよい。このことは、円形および直線状の両方の補間が、プログラミングで使用されることを可能にする。ステントの仕上げられる構造は極めて小さいため、管状の構造の両端を、それが切削されるときに支持し、かつ駆動する、正確な駆動機構が必要とされる。両端が駆動されるため、これらは、位置合わせされ、かつ正確に同期化されなければならない。そうでない場合、ステント構造が、それが切削されているとき、ねじれ、歪むことになる。
【0060】
図10は、ステントのレーザ加工のために使用されるレーザシステムの一般的な概略図を示している。図10は、レーザ空洞254内に活性の媒体250を備える。活性の媒体は、刺激されると、刺激された放出で電磁放射を放出することができる反転分布になる、原子または分子の集まりを備える。鏡の間でレーザパルスを反射および吸収する活性の媒体250が、極めて反射性の鏡258と出力鏡262の間に位置されている。矢印260および266は、空洞254によって反射されるレーザパルスを示している。矢印274は、出力鏡262を通って送信されるレーザパルスを示している。動力発生源276が、活性の媒体250が、それを通過する光の強度を増幅することができるように、矢印278によって示されるように活性の媒体250にエネルギーを供給する、すなわちポンピングする。
【0061】
レーザは、たとえば、光学的、電気的、または化学的になど、いくつかの方式でポンピングされてもよい。光学的ポンピングは、強力なランプまたはレーザビームによって放出される、連続的なまたはパルス化された光のいずれかを使用してもよい。ダイオードポンピングは、1つのタイプの光学的ポンピングである。レーザダイオードは、ゲインまたは振幅が、p−n結合を通って流れる電流によって生成される、半導体レーザである。効率的かつ高出力のダイオードレーザが、開発されており、多くの波長において広く入手可能であるため、レーザダイオードポンピングが、望ましいことがある。
【0062】
図11〜13は、小直径の薄壁の円筒形のチューブから切削された精細で正確な構造を有するステントを作成するための、本実施形態によるプロセスおよび装置を示している。図11は、レーザ加工装置300の側面図を示しており、図12は、装置300の上から見た図を示している。精細な構造を切削すること(たとえば、0.0035インチストラット幅(0.889mm))は、正確なレーザ合焦および熱入力の最小化を必要とする。これらの要件を満足するために、改良型のレーザ技術が、本実施形態によるこのマイクロマシニング適用例に適応されている。
【0063】
図11および12は、装置300上に一体に装着された(たとえば、図10に示すような)レーザ304を示している。パルス発生器(図示せず)が、ダイオードポンプをゲーティングすることによって、制限され、かつより正確なレーザの出力の制御を提供する。パルス発生器を採用することによって、10から500フェムト秒の間のパルス長を有するレーザパルスが、100から5000Hzの範囲の周波数で達成される。パルス発生器は、いくつかの製造業者から得ることができ、標準電圧110ボルトACで動作する従来のモデルである。
【0064】
レーザ304は、ステント構造内への熱入力を最小にするために、低い周波数、パルス化された波長で動作し、このことは、滑らか、くずのない切削をもたらすために、過度の熱による熱的歪み、ステント材料の制御されない焼きつき、および熱的損傷を防止する。使用中、ダイオードポンプが、レーザ304の近端部で、光エネルギーを発生させる。最初に、光エネルギーが、パルス発生器によってパルス化される。パルス化された光エネルギー送信が、ビームチューブ316を通過し、最終的に加工品に当たる。
【0065】
また、図11および12は、装置300が、単眼ののぞき窓、合焦器および切削ヘッド320を組み込んでいることを示している。加工品を回転および並進運動させるための回転軸324およびX−Yステージ328もまた、示されている。CNCコントローラ332も、装置300内に組み込まれている。
【0066】
図13は、レーザビームが基板目標材料と相互作用する領域の軸方向拡大図を示している。レーザビーム336が、レンズ338をチューブ348上に合焦させることによって合焦される。チューブ348は、ある端部ではCNC制御されたロータリコレット337によって、別の端部ではチューブ支持ピン339によって支持される。
【0067】
図13によって示すように、レーザは、ビームが切削し、基板を蒸発させるとき、切り溝からくずを除去することを助け、ビームが材料と相互作用するところの領域を冷却する、同軸のガスジェット342およびノズル344を有する同軸のガスジェット組立体340を組み込んでもよい。同軸のガスジェットノズル344(たとえば、0.018インチ直径(0.457mm))が、ノズル344の先端356とチューブ348の間を約0.010インチ(2.54mm)にして、合焦されたビーム352の周りに中心付けされる。ある実施形態では、本明細書に記載された実施形態によるレーザビームを変更するための光学系が、切削ヘッド320と基板目標材料間に配置されてもよい。
【0068】
レーザビームがチューブの上部表面を通って切削するとき、ビームが、溶融した材料および切削によるくずを伴って、チューブ348の反対側の内部表面上の当たることを防止するために、レーザビーム352をブロックすることも必要なことがある。この目的のために、マンドレルビームブロック362によって支持されたマンドレル360(たとえば、約0.034インチ直径(0.864mm))が、チューブの内部に配置され、パターンが切削されるとき、チューブ348の底部に巻きつくことを許される。これは、遠い壁の内直径を保護するビーム/くずブロックとして作用する。マンドレルビームブロック362に沿った拡大端面図が、図14でチューブ348に当たるレーザビーム352を示している。
【0069】
このようにして、本発明のレーザは、材料への熱入力を最小化しながら、狭い切り溝幅を加工することを可能にする。したがって、ステント構造を構成する狭いストラットを損傷することなく、極めて精細な幾何形状を有するチューブ内で滑らかな、狭い切り口を作製することが可能である。
【0070】
本発明の特定の実施形態が示され、説明されてきたが、変更および変更が、そのより広い態様において本発明から逸脱することなく行うことができることは、当業者なら明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の本質および範囲内にあるようなすべてのこのような変更および修正を、それらの範囲内に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】ステントの3次元表現を示す図である。
【図2】ガウスレーザビームプロファイルを示す図である。
【図3】レーザビームの平行化された2次元表現を示す図である。
【図4】基板の表面の上から見た図である。
【図5】レーザによって加工された切り溝を示す図である。
【図6】ガウス上の半径方向強度プロファイルおよび上部の平らな半径方向強度プロファイルを示す図である。
【図7】屈折式の光学系の例示的な実施形態を示す図である。
【図8】単一の非球面レンズを備える屈折式の光学系の例示的な実施形態を示す図である。
【図9】チューブをレーザ加工するための機械制御されたシステムの一部分の実施形態を示す図である。
【図10】レーザシステムの一般的な概略図である。
【図11】レーザ加工装置の側面図である。
【図12】レーザ加工装置の上から見た図である。
【図13】レーザビームがチューブと相互作用する領域の拡大軸方向図である。
【図14】レーザビームがチューブと相互作用する領域の拡大端面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガウス形状の半径方向強度プロファイルを有するレーザビームを、上部の平らな半径方向強度プロファイルを有するように、光学系により変更するレーザビーム変更ステップと、
埋込み式医療デバイスを形成するために、前記レーザビーム変更ステップにより変更されたビームによって基板から材料を除去する材料除去ステップと、を含むことを特徴とする埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記埋込み式医療デバイスが、ステントであることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記光学系が、屈折式の光学系を含むことを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記基板が、生物分解性および/または生体安定性のポリマーを備えることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記プロファイルの大部分を横切る前記上部の平らなプロファイルの強度が、前記基板から材料を除去することが可能な強度であることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記レーザビームが、フェムト秒レーザビームであることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記基板が管状の部材を備え、前記材料除去ステップにより複数の構造要素を備えるステントを形成することを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記基板上の前記除去された材料に隣接する熱影響ゾーンが減少または除去されるように、前記ビームが変更されることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記レーザビーム変更ステップが、前記光学系を通って前記レーザビームを方向付けるステップを含み、前記光学系が、前記上部の平らな半径方向強度プロファイルを形成するように前記レーザビームの強度を再分配することを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記光学系が、前記上部の平らな半径方向強度プロファイルを有する前記変更されたビームを形成するように、前記レーザビームの前記強度を再分配する少なくとも1つのレンズを備えることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項11】
光学系によりレーザビームの強度を変更するステップであって、前記変更された強度が、変更されたビームの半径方向断面の大部分にわたって一様、またはほぼ一様であるレーザビーム強度変更ステップと、
埋込み式医療デバイスを形成するために、前記レーザビーム強度変更ステップにより変更されたビームによって基板から材料を除去する材料除去ステップと、を含むことを特徴とする埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項12】
前記埋込み式医療デバイスが、ステントであることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項13】
前記光学系が、屈折式の光学系を含むことを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項14】
前記基板が、生物分解性および/または生体安定性のポリマーを備えることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項15】
前記半径方向断面の大部分を横切る前記変更された強度が、前記基板から材料を除去することが可能な強度であることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項16】
前記レーザビームが、フェムト秒レーザビームであることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項17】
前記基板が管状の部材を備え、前記材料除去ステップにより複数の構造要素を備えるステントを形成することを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項18】
前記光学系が、前記変更されたビームを形成するために前記レーザビームの前記強度を再分配する少なくとも1つのレンズを備えることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項19】
前記変更されたビームの縁部に隣接する強度が、未変更のビームよりもゼロに向かってより急激に減少することを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項20】
前記未変更のレーザビームの半径方向強度プロファイルが、ガウス形状の半径方向プロファイルを有することを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項21】
前記変更されたレーザビームの半径方向プロファイルが、上部の平らな形状の半径方向プロファイルを有することを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項22】
前記基板上の前記除去された材料に隣接する熱影響ゾーンが減少または除去されるように、前記ビームが変更されることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項23】
選択された値よりも大きい強度を有するレーザビームの半径方向断面の一部分が増加するように、光学系により前記ビームの強度を変更するレーザビーム強度変更ステップと、
埋込み式医療デバイスを形成するために、前記レーザビーム強度変更ステップにより変更されたビームによって基板から材料を除去する材料除去ステップと、を含むことを特徴とする埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項24】
前記埋込み式医療デバイスが、ステントであることを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項25】
前記光学系が、屈折式の光学系を含むことを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項26】
前記基板が、生物分解性および/または生体安定性のポリマーを備えることを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項27】
前記強度の選択された値が、前記基板から材料を除去することが可能な最小強度であることを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項28】
前記変更されたビームの一部分が、前記変更されたビームの半径方向断面の大部分を含むことを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項29】
前記変更されたビームの一部分が、一様またはほぼ一様な強度を備えることを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項30】
一様でない半径方向強度プロファイルを有するビームを発生させるレーザビーム発生源と、
前記ビームを変更するための屈折式の光学系であって、より一様な半径方向強度プロファイルを有するように前記ビームを変更することが可能である屈折式の光学系と、
基板を保持するための固定具と、を備え、
前記レーザビーム発生源が、前記変更されたビームが前記固定具によって保持された基板から材料を除去するように、前記レーザビーム発生源から前記光学系を通って前記ビームを方向付けるように配置されることを特徴とする埋込み式医療デバイスの製造システム。
【請求項31】
前記レーザビーム発生源が、フェムト秒レーザであることを特徴とする請求項30に記載の埋込み式医療デバイスの製造システム。
【請求項32】
前記レーザ発生源によって発生された前記レーザビームが、ガウス半径方向強度プロファイルを有し、前記変更されたレーザビームが、上部の平らな半径方向強度プロファイルを有することを特徴とする請求項30に記載の埋込み式医療デバイスの製造システム。
【請求項1】
ガウス形状の半径方向強度プロファイルを有するレーザビームを、上部の平らな半径方向強度プロファイルを有するように、光学系により変更するレーザビーム変更ステップと、
埋込み式医療デバイスを形成するために、前記レーザビーム変更ステップにより変更されたビームによって基板から材料を除去する材料除去ステップと、を含むことを特徴とする埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記埋込み式医療デバイスが、ステントであることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記光学系が、屈折式の光学系を含むことを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記基板が、生物分解性および/または生体安定性のポリマーを備えることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記プロファイルの大部分を横切る前記上部の平らなプロファイルの強度が、前記基板から材料を除去することが可能な強度であることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記レーザビームが、フェムト秒レーザビームであることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記基板が管状の部材を備え、前記材料除去ステップにより複数の構造要素を備えるステントを形成することを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記基板上の前記除去された材料に隣接する熱影響ゾーンが減少または除去されるように、前記ビームが変更されることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記レーザビーム変更ステップが、前記光学系を通って前記レーザビームを方向付けるステップを含み、前記光学系が、前記上部の平らな半径方向強度プロファイルを形成するように前記レーザビームの強度を再分配することを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記光学系が、前記上部の平らな半径方向強度プロファイルを有する前記変更されたビームを形成するように、前記レーザビームの前記強度を再分配する少なくとも1つのレンズを備えることを特徴とする請求項1に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項11】
光学系によりレーザビームの強度を変更するステップであって、前記変更された強度が、変更されたビームの半径方向断面の大部分にわたって一様、またはほぼ一様であるレーザビーム強度変更ステップと、
埋込み式医療デバイスを形成するために、前記レーザビーム強度変更ステップにより変更されたビームによって基板から材料を除去する材料除去ステップと、を含むことを特徴とする埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項12】
前記埋込み式医療デバイスが、ステントであることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項13】
前記光学系が、屈折式の光学系を含むことを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項14】
前記基板が、生物分解性および/または生体安定性のポリマーを備えることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項15】
前記半径方向断面の大部分を横切る前記変更された強度が、前記基板から材料を除去することが可能な強度であることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項16】
前記レーザビームが、フェムト秒レーザビームであることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項17】
前記基板が管状の部材を備え、前記材料除去ステップにより複数の構造要素を備えるステントを形成することを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項18】
前記光学系が、前記変更されたビームを形成するために前記レーザビームの前記強度を再分配する少なくとも1つのレンズを備えることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項19】
前記変更されたビームの縁部に隣接する強度が、未変更のビームよりもゼロに向かってより急激に減少することを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項20】
前記未変更のレーザビームの半径方向強度プロファイルが、ガウス形状の半径方向プロファイルを有することを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項21】
前記変更されたレーザビームの半径方向プロファイルが、上部の平らな形状の半径方向プロファイルを有することを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項22】
前記基板上の前記除去された材料に隣接する熱影響ゾーンが減少または除去されるように、前記ビームが変更されることを特徴とする請求項11に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項23】
選択された値よりも大きい強度を有するレーザビームの半径方向断面の一部分が増加するように、光学系により前記ビームの強度を変更するレーザビーム強度変更ステップと、
埋込み式医療デバイスを形成するために、前記レーザビーム強度変更ステップにより変更されたビームによって基板から材料を除去する材料除去ステップと、を含むことを特徴とする埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項24】
前記埋込み式医療デバイスが、ステントであることを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項25】
前記光学系が、屈折式の光学系を含むことを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項26】
前記基板が、生物分解性および/または生体安定性のポリマーを備えることを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項27】
前記強度の選択された値が、前記基板から材料を除去することが可能な最小強度であることを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項28】
前記変更されたビームの一部分が、前記変更されたビームの半径方向断面の大部分を含むことを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項29】
前記変更されたビームの一部分が、一様またはほぼ一様な強度を備えることを特徴とする請求項23に記載の埋込み式医療デバイスの製造方法。
【請求項30】
一様でない半径方向強度プロファイルを有するビームを発生させるレーザビーム発生源と、
前記ビームを変更するための屈折式の光学系であって、より一様な半径方向強度プロファイルを有するように前記ビームを変更することが可能である屈折式の光学系と、
基板を保持するための固定具と、を備え、
前記レーザビーム発生源が、前記変更されたビームが前記固定具によって保持された基板から材料を除去するように、前記レーザビーム発生源から前記光学系を通って前記ビームを方向付けるように配置されることを特徴とする埋込み式医療デバイスの製造システム。
【請求項31】
前記レーザビーム発生源が、フェムト秒レーザであることを特徴とする請求項30に記載の埋込み式医療デバイスの製造システム。
【請求項32】
前記レーザ発生源によって発生された前記レーザビームが、ガウス半径方向強度プロファイルを有し、前記変更されたレーザビームが、上部の平らな半径方向強度プロファイルを有することを特徴とする請求項30に記載の埋込み式医療デバイスの製造システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−522049(P2009−522049A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549503(P2008−549503)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/049267
【国際公開番号】WO2007/081550
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(507135788)アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド (92)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/049267
【国際公開番号】WO2007/081550
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(507135788)アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド (92)
【Fターム(参考)】
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