説明

変更可能な一括調理用の自動焼き機

特にクイックサービスおよびファーストフードサービスレストランにおいて有用な、変更可能な一括調理用の柔軟な自動焼き機および使用の方法である。自動調理装置は、食品を並べて放出するためのコンベヤ式調理面と、変化/パルスする赤外線エネルギー放射熱源と、制御システムとを含む。装置および方法は、ファーストフードサンドウィッチの一括調理と受注生産の組み合わせを容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変更可能な一括調理用の自動焼き機に関する。本発明の自動焼き機は、特に、クイックサービスおよびファーストフードサービスレストランにおいて有用である。より詳細には、本発明は、焼かれる食品の下方の放射バーナーを利用し、かつ焼かれる食品の上方の熱源から放射される赤外線エネルギーを変化させることにより、様々な食品の群を焼くための柔軟な自動焼き機に関する。
【背景技術】
【0002】
ファーストフード業界では、様々な食品のコンベヤ式の連続調理が知られている。典型的には、コンベヤ式の連続調理装置は、発熱体に隣接して移動される連続して動くコンベヤ式調理面を備える。このようなコンベヤ式の連続調理装置は、ビーフパテなどの食品を、連続的に順次調理することを可能にし、これにより、ファーストフードレストランにおける高い需要期間に対処する。コンベヤ式の調理装置は、また、料理人が絶えず注意を向けることなしに、類似の食品を均一に調理することによって、厨房作業の効率を高める。
【0003】
しかし、このようなコンベヤ式の連続調理装置は、装置が1つの個別の食品または食品の群を均一に調理し、その後続いて異なる製品または製品の群を均一に調理することが可能であるような、調理プロファイルの迅速かつ効率的な変更が可能でないなどの大きな不利益を有する。例えば、コンベヤ式の連続調理装置は、熱源の熱出力を迅速かつ効率的に変化させて、異なる種類の肉または異なる大きさの食品を適切に調理することができなかった。
【0004】
米国特許第4,924,767号は、異なる食品に対応する、可変負荷の低熱量発熱体を有するコンベヤ式調理装置を教示している。これらの発熱体は、調理領域を迅速に冷却して、続いて調理される食品を焦がすのを防ぐことを可能にする。しかし不利なことに、熱エネルギーが浪費される。コンベヤ動作と可変負荷の結果として、発熱体は、熱を連続して均一に直接食品へと放射しない。囲われた調理領域がないことにより、さらなる熱が浪費される。加えて、電熱体のみが開示されており、よって、ガスバーナーやあぶり焼きを用いて異なる食品に対応するために、調理負荷の変化を提供するという課題には、対処していない。
【0005】
典型的なコンベヤ式調理装置には、余計な問題もこうむる。例えば、このような装置は、食品の連続的な順次調理を可能にする一方で、厨房作業の効率は最大化されない。一括したローディングは促進されない。代わりに操作者は、コンベヤ式調理面の入口端において、個別の製品を装入しなければならない。加えて、コンベヤ式調理面および関連するドライブトレインの構成部品の一定した動作は、このような装置を洗いにくくし、維持を困難かつ高価(部品、労力および中断時間の面で)にし、より故障しやすくする。さらに、このような装置は、一般に、完全に囲われた調理室を用いず、よってゴミの侵入や熱効率の喪失を助長する。
【0006】
さらに他の問題が、典型的な従来の制御システムについても存在する。これらの既知のサーモスタット等の制御システムは、調理装置内の温度調整を制御する。従来の制御は、フィードバックループシステムを基とし、これは、特に調理プロセスにおいて、不正確な調理温度や温度勾配を含む問題をもたらす。その結果、調理された製品は、生焼けか焼き過ぎとなることがあり、よって、完成した製品の質を低下させる。さらに、典型的な調理装置は、冷たい状態からの予熱、熱い状態からの予熱、調理中、またはアイドル段階などの、異なる温度段階の区別ができない。加えて、典型的な調理装置は、これらの段階で動作する際、またはこのような段階の間を遷移する際に、装置の効率を最大化することができない。
【0007】
さらなる問題が、米国特許第4,924,767号に示されているようなコンベヤ式調理装置に関連する制御システムにおいて存在する。ここで、調理装置は、サーモスタット装置のみによって制御される。その結果、不正確な調理温度や温度勾配を含む様々な問題を生じ、低品質な完成品をもたらす。これらの問題は、コンベヤ化された装置の特質や、商用環境におけるその使用によって複雑化する。さらに、開示された制御器はプログラム不可であり、システムチェックの実行やシステム障害の検出ができず、統計データを追跡できず、音声または映像システム状況表示を提供しない。
【0008】
当業者が容易に理解できるように、直火焼き(broiling)と天火焼き(baking)の間には違いがある。直火焼きは、一般に約500°F以上の調理温度を必要とする。加えて直火焼きは、汁気および風味を閉じ込める、最初の焼き動作をともなう。その結果、調理された製品は、魅力的な焼き色の外面に加え、よりジューシーで風味の良いものとなる。一方で天火焼きは、一般に約450°F以下の調理温度を必要とする。天火焼きは、最初の焼き動作のない調理をともない、魅力的でない外面と色の、乾いた味気のない製品をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
天火焼きと対照的に、直火焼きした肉の望ましさは、従来のコンベヤ式の連続調理装置の上述の問題の多くを、複雑にする。例えば、そのような装置は、熱源の熱出力を迅速かつ効率的に変更して、まず肉製品を適切に焼き、次に鳥の胸肉を焼く、ということはできなかった。柔軟性の欠如の同様の問題は、一群の個別製品が、次の群の個別製品と大きさが異なる、例えば大きなビーフパテの群に対する小さなビーフパテの群など、肉製品の群の連続調理の際にも存在する。さらに、火炎での直火焼きが特に望まれる場合、後続の食品の群の間で熱強度を変化させることは、不十分な動作および熱効率の損失を生じる。
【0010】
よって、従来技術での上述の問題を回避する一方で、焼かれる食品の種類および群の規模に応じて、食品に放射される赤外線エネルギーを変化させることが可能な自動放出焼き機を提供することが望ましいことが見出されている。
【0011】
上記では、メニュー上の異なる食品の群に迅速かつ効率的に対応するために、食品が容易に載置されかつ取り出される、赤外線強度が変化する焼き機およびこのような焼き機の使用方法の必要性を述べた。また、このような焼き機および方法は、使用が簡単でなければならず、かつ既存のファーストフードレストランに組み込むことを可能にする関連コストを有していなければならない。
【0012】
したがって、本発明の目的は、一括調理用の放出焼き機、および従来技術の上述の欠点を回避する使用の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の他の目的は、コンベヤ式調理面と、下部熱源と、パルスする上部熱源と、上部熱源から放射された赤外線エネルギーの強度を変化させるための制御システムとを備え、制御システムは、所定の調理プロファイルに従って調理時間を制御し、コンベヤ式調理面を適切に作動させる焼き機を提供することである。
また、本発明の目的は、ユーザが所望の食品のための正しいプロファイルを選択できるような、事前選択された食品のための所定の調理プロファイルを有する制御部を含む焼き機を提供することである。
また、本発明の目的は、上部および下部発熱体を独立して作動させ、焼き機の状態に応じて、焼き機への食品の導入を許可または防止する制御部を含む焼き機を提供することである。
また、本発明の目的は、調理温度、時間、および赤外線放射要素のサイクルを迅速かつ自動的に調整し、これにより、特定の食品タイプのための特定の調理プロファイルを確立する制御部を含む焼き機を提供することである。
本発明の他の目的は、現在の調理プロファイルを示す出力信号を供給する制御部を備える焼き機を提供することである。
また、本発明の目的は、焼き機の状況を示す出力信号を供給する制御部を備える焼き機を提供することである。
また、本発明の目的は、焼き機の性能および動作状態を示す統計データを保存および表示することができる制御部を備える焼き機を提供することである。
また、本発明の目的は、様々な焼き機の機能不良を検出し、これらの不良を診断および修正する能力を提供する制御部を備える焼き機を提供することである。
また、本発明の目的は、調理温度、時間、および赤外線放射要素のサイクルを迅速かつ自動的に調整し、これにより、特定の食品タイプのための特定の調理プロファイルを確立する制御部を含む柔軟な自動放出焼き機を提供することである。
また、本発明の目的は、動作および熱効率を増加させるハウジングを備える焼き機を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、食品の群を載置するための前面パネルの開口部と、焼かれた食品の群を放出するための側部パネルの第2の開口部と、熱の境界を維持し、コンベヤ式調理面への食品群の適切な配置を確実にするための自動ドア/ローディングアセンブリと、をさらに備え、焼かれた食品の群を保持トレイに移すための放出スライドをさらに提供する焼き機を提供することである。
本発明のさらなる目的は、コンベヤ式調理面に食品の群を載置するステップと、コンベヤ式調理面を動かさずに、食品を調理するステップと、調理プロセスが完了した際に、コンベヤ式調理面を作動させて食品を放出させるステップと、を含む調理の方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、コンベヤ式調理面に食品の群を載置するステップと、調理中にコンベヤ式調理面を往復させて食品調理の均一性を最適化するステップと、調理プロセスが完了した際に、コンベヤ式調理面を作動させて食品を放出させるステップと、を含む調理の方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、コンベヤ式調理面に食品の群を載置するステップと、コンベヤ式調理面を横方向に調整して食品の調理位置を最適化するステップと、コンベヤ式調理面を動かさずに食品を調理するステップと、調理プロセスが完了した際に、コンベヤ式調理面を作動させて食品を放出させるステップと、を含む調理の方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、自動制御手段内に、選択可能な調理プロファイルを保存するステップと、調理プロファイルを選択するステップと、コンベヤ式調理面に食品の群を載置するステップと、コンベヤ式調理面の下の下部熱源によって、食品の群を加熱するステップと、コンベヤ式調理面の上の可変の制御可能にパルスする上部熱源によって、食品の群を加熱するステップと、選択された調理プロファイルに応じて、自動制御手段により上部および下部熱源の熱出力を制御するステップと、選択された調理プロファイルに従って、コンベヤ式調理面から食品の群を放出するステップと、を含む調理の方法を提供することである。
本発明の様々な他の目的、利点および特徴が、続く詳細な説明から容易に明らかとなるであろう。添付の特許請求の範囲において、新規な特徴が詳しく述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の教示に従った、その様々な外部構成要素を具体的に示す、本発明の自動焼き機の好適な実施形態の前面斜視図である。
【図2】図2は、放出スライド覆いを有する、図1の自動焼き機の前面斜視図である。
【図3】図3は、図1の自動焼き機の等角投影図であり、その様々な内部構成要素を具体的に示し、コンベヤアセンブリを展開した形態で示している。
【図4】図4は、展開したローディングアセンブリ、フレームアレスタ、および放出シュートを有する、図1の自動焼き機の等角投影図である。
【図5】図5は、展開した形態のローディングアセンブリを具体的に示す、図1の自動焼き機の等角投影図である。
【図6】図6は、閉位置にあるドア/ローダアセンブリと、放出/収集アセンブリとを具体的に示す、図1の自動焼き機の左側面図である。
【図7】図7は、開位置にあるドア/ローダアセンブリと、放出/収集アセンブリとを具体的に示す、図1の自動焼き機の左側面図である。
【図8】図8は、制御アセンブリと放出/収集アセンブリとを具体的に示す図1の自動焼き機の正面図である。
【図9】図9は、図1の自動焼き機の上面図である。
【図10】図10は、図9のD−D線に沿った断面図である。
【図11】図11は、図10に示される放出および収集アセンブリの拡大図である。
【図12】図12は、デューティサイクルの動作モードの実施形態の時間対熱源作動曲線である。
【図13】図13は、事前プログラム済の変則シーケンスの動作モードの実施形態の時間対熱源作動曲線である。
【図14】図14は、図1の自動焼き機と連動して使用されるパルスするIR発熱体制御システムの実施形態の回路図である。
【図15】図15は、操作者入力装置、ディスプレイ、およびインジケータライトを具体的に示す、制御機構の一実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明は、例として示されるが、説明される特定の実施形態のみに対して本発明を限定することは意図しておらず、添付の図面と併せて最良に理解されるであろう。
【0016】
ここで図面をより詳しく参照すると、本発明の自動焼き機は、ファーストフードおよびクイックサービスのサービス業界において、広範囲にわたる適用を有する。図1〜13、および15は、本発明の一実施形態を示している。
【0017】
図1に見られるように、自動焼き機10は、概して、ドア/ローダアセンブリ60と、食品保持パン25と、放出スライド28と、制御ディスプレイ243と、制御キーパッド242とを備える。図2には、放出スライド覆い29を加えた同様の図が見られる。
【0018】
ここで図3および4を参照すると、コンベヤ式調理面22を支持するシャーシ20が示されている。コンベヤ式調理面22の下に、下部熱源46が配置され、コンベヤ式調理面22の上に、上部熱源146が配置されている。放出スライド28は、コンベヤ式調理面22の上面23の近傍および下にあり、コンベヤ式調理面22から放出された食品を受け取り、これらの食品を保持パンに向かわせる。
【0019】
好ましくは、コンベヤ式調理面22は、様々な食品を焼くことに適しており、より好ましくは、様々な食品を火炎で焼くことに適している。コンベヤ式調理面22は、同様の食品の複数の列を受ける大きさにして、これらの食品の一括調理を促進するようにしてもよい。コンベヤ式調理面22は、好ましくは、調理中は静止したままであり、調理または焼くプロセスが完了した際にのみ、食品を前進させる。コンベヤ式調理面22から食品が放出されると、コンベヤ式調理面22は、次の食品の群の調理プロセスが完了するまで動きを止める。
【0020】
他の実施形態において、コンベヤ式調理面22は、食品を装入する間および装入を前方または後方に調整した後は、静止したままとなり、食品に対する発熱体の最良の位置合わせを容易にする。この位置合わせは、均一な調理と熱効率の上昇の両方を促進する。本実施形態においては、以下にさらに述べるように、制御機構によって位置合わせが促進される。好ましくは、本実施形態では、最初の横移動の完了後、コンベヤ式調理面は、調理中は静止したままであり、調理または焼くプロセスが完了した際にのみ、食品を前進させる。コンベヤ式調理面22から食品が放出されると、コンベヤ式調理面22は、次の食品の群の調理プロセスが完了するまで動きを止める。
【0021】
さらに他の実施形態において、コンベヤ式調理面22は、食品を装入する間および装入を往復した後、調理プロセス中は静止したままとなり、食品のより均一な調理を促進する。本実施形態において、往復は、以下にさらに述べるように、制御機構によって促進される。調理サイクルを完了すると、往復が停止される。その後、コンベヤ式調理面が食品を前進させ、調理または焼くプロセスが完了すると、食品を放出する。コンベヤ式調理面22から食品が放出されると、コンベヤ式調理面22は、次の食品の群が完了するまで動きを止める。
【0022】
下部熱源46は、好ましくは、食品を火炎で焼くガスバーナーであってもよいが、当該技術分野で知られている、電熱体などの、食品を焼くための他の適切な手段を含んでもよい。下部熱源46は、好ましくは、コンベヤ式調理面22に配置された食品に、熱エネルギーを直接放射して、熱点、冷点、不均一な焦げ目、特定の群の個別食品間での不整合性を作ることなく様々な食品を均一に焼くように構成されている。一実施形態において、焼き機の長さに沿って伸びる複数の細長いガスバーナーが、並列して配置され、コンベヤ式調理面22の下に配置されている。他の実施形態において、1つのみの下部バーナーが、コンベヤ式調理面22の下に配置されている。当業者が理解するように、例示であって限定ではないが、大気型バーナー、電動型バーナー、誘引通風バーナー、一次空気誘引バーナー、または予混合バーナーを含む、様々な種類の異なるバーナーを用いることができる。
【0023】
図4に示されるように、フレームアレスタ(flame arrestor)30を、コンベヤ式調理面22と下部熱源46の間に組み込んでもよい。シャーシ20は、フレームアレスタ30を支持する引き出し受け32、トレイサポート、タブ、または他のサポート機構を含んでもよい。フレームアレスタは、さらに、脂、汁、および他の流出物が、調理されるにつれて食品から出てきて下部熱源46に落ちることにより生じる炎の燃え上がりから食品を保護する。フレームアレスタ30は、好ましくは、ここに参照のために組み込まれる米国特許第5,727,451号に開示されているフレームアレスタと同様であってもよく、低熱量および比較的薄い構造で、全シート面積の約25%から約75%の間の開口面積を有する複数の多孔シートを備える。多孔シートは、食品の群を受けることを目的とするコンベヤ式調理面22の領域よりも下に配置される。焼かれる食品から脂肪が流れ出ると、脂肪は多孔シートに落ちて蒸発し、熱分解される前に迅速かつ清潔に燃える。
【0024】
上部熱源146は、好ましくは、特定の食品と関連する所定のサイクルに従って、食品に直接赤外線(IR)エネルギーを放射する。上部熱源146からのIR放射の強度をサイクルすることによって、正確な調理プロファイルを確立し、ビーフパテとチキンカツレツなどの様々な食品の群の間で、自動焼き機を迅速に適合させることができる。上部熱源146の周期的なIR放射は、オン−オフサイクルから、高強度のIR放射の期間によって割り込まれた低強度のサイクル、または低強度のIR放射の期間によって割り込まれた高強度のIR放射のサイクル、あるいはこれらの任意の組み合わせまで変化してもよい。このようなサイクルおよびそれらの持続期間は、自動焼き機10で焼かれる特定の種類の食品および群の規模に対して理想的に最適化され、これにより、所望の食品の調理プロファイルを確立する。
【0025】
上部熱源146は、最も好ましくは、互いに平行して配置される2つ以上の長手方向のIR放射発熱体を含んで配置されるが、単一のIR放射発熱体を含むこともできる。発熱体157は、好ましくは、側面パネル14および15の間で延び、コンベヤ式調理面22の上に配置される。発熱体とコンベヤ式調理面22との間の好ましい距離は、2〜6インチ(5.1〜15.2cm)の範囲であり、最も好ましくは、3インチ(7.6cm)である。IR放射発熱体157は、下部熱源46からの燃焼ガスおよびコンベヤ式調理面22上の食品から来る調理煙を、通路158を通して逃がして換気するために、十分に間が離されている。当業者が理解するように、下部熱源と同様に、例示であって限定ではないが、大気型バーナー、電動型バーナー、誘引通風バーナー、一次空気誘引バーナー、または予混合バーナーを含む、様々な種類の異なるバーナーを、上部熱源146に用いることができる。また、下部熱源と同様に、上部熱源も電気式であってもよい。
【0026】
図5に示されるように、さらに効率を上げるために、自動焼き機10は、前面パネル13、右側面パネル14、左側面パネル15、上面パネル16、底面パネル17、および後面パネル18を備える断熱ハウジング12によって囲んでもよい。上記パネルの組み合わせは、密閉または半密閉環境を作り、周囲環境への熱損失を大きく減少させ、調理面においてより高度な温度の制御を提供する。また、自動焼き機を囲むことは、焼き機から厨房環境へ熱が逃げることを防ぐことにより、厨房温度の制御も助ける。
【0027】
好適な実施形態において、前面パネル13は、第1の開口部(載置開口部)19を含み、これを通して食品の群がコンベヤ式調理面22に載置される。また、左側面パネル15は、好ましくは、図1に最良に示されるように、第2の開口部(放出開口部)20を含み、これを通して食品の群がコンベヤ式調理面22から放出スライド28に放出される。なお、第1の開口部19は、左側面パネル15、右側面パネル14または後面パネル18に含ませてもよいことに留意すべきである。図2〜4に示されている実施形態において、前面パネル13は、ドア/ローダアセンブリ60が開かれると、食品のバッチがコンベヤ式調理面22に載置可能となり、ドアアセンブリ60が閉じられると、前面パネル13が、第1の開口部19を通した熱エネルギーの損失を実質的に防止するようにして、ドア/ローダアセンブリ60を受けるように構成されている。
【0028】
一般に、ドア/ローダアセンブリ60は、5つの概略的特徴を有する。第1に、食品の群の全体または一部を、調理室に迅速かつ効率的に装入することを可能にする。第2に、製品を加熱室内で迅速かつ正確に配置する。第3に、調理プロセス中は、折り畳まれて脇に寄せられる。第4に、調理室を密閉して、調理室内で、均一な熱の分布を確実にし、熱効率を増加させる。第5に、工具を使用せずに取り外し可能であり、洗浄および修理を容易にする。
【0029】
図5〜7に示されるように、一実施形態において、ドア/ローダアセンブリ60は、好ましくは、スライド上棚61と、下棚62とを備える。スライド上棚61は、スライド支持トレイ65と、ストッパアーム63とを備える。作動中は、ドア/ローダアセンブリ60は、水平のローディング位置に置かれる。ここで操作者は、スライド支持トレイ65に食品の群を置く。ひとたび完全に載置すると、操作者は、支持トレイ65とストッパアーム63とを、支持トレイ65全体によって食品が、調理室に完全に装入されるまでスライドさせる。次いで、ストッパアーム63を、パネル13と同一平面の位置に同時に保持しながら、スライド支持トレイ65は取り出され、これにより、支持トレイ65からコンベヤ式調理面22への食品の除去を容易にする。最後に、ストッパアーム63は、図4に示されるように、その元の位置にスライドして戻る。ドア/ローダアセンブリ60は、ドア/ローダアセンブリを、水平の開いたローディング位置から閉じたまたは部分的に閉じた調理位置まで操作可能に構成された取り付けポイント64で、前面パネル13に取り付けられる。加えて、ドア/ローダアセンブリは、載置された食品の群が、コンベヤ式調理面上の適切な位置を維持することを確実にするために、支持トレイ65に、スラットまたはレールなどの機構を含んでもよい。
【0030】
なお、他の実施形態において、本発明のドア/ローダアセンブリは、食品の載置が調理プロセスおよび調理済製品の放出と同期されている、自動ローディング機構を含んでもよいことに留意すべきである。
【0031】
右側面パネル14は、好ましくは、ガス、電気、および制御システムを含む、自動焼き機への様々な供給、戻り、および制御ラインを受けて収容するように構成されている。上面パネル16は、好ましくは、燃焼ガスおよび調理煙を換気させるように構成されている。後面パネル18は、好ましくは、整備および掃除をしやすいように、容易に取り外せるように構成されている。底面パネル17は、シャーシ20が載る基礎を提供する。
【0032】
図1、4、6〜8、10および11に最良に示されるように、左側面パネル15は、好ましくは、傾斜した放出スライド28と、放出スライド28の下に位置する流出物収集容器24とを受けるように構成されている。前述のように、放出スライド28は、好ましくは、コンベヤ式調理面22の放出ポイント32の少し下にある。この配置は、食品を放出スライドに向けて下方に傾かせ、食品の表面の脂、汁、または他の流出物が放出スライドにこぼれ落ち、最終的に流出物収集容器24に集まることを可能にする。放出スライド28は、流出物が放出スライド28を通過して収集容器24へと入るようにする貫通孔、スリット、または溝などを含んでもよい。放出スライド28の正確な傾斜は、動作中に予想される特定の食品に対して、適切な流出物の放出と除去を確実にするように最適化してもよい。
【0033】
取り外し可能な食品保持パン25は、好ましくは、放出スライド28の下側に隣接して配置され、パン支持部材27によって支持される。保持パン支持部材27は、簡素な棚または保持パン25に適合した標準的なマウントとしてもよい。好ましくは、放出保持パン25は、保持キャビネット、スチームキャビネット、および製品集合キャビネットなどの他の厨房設備と適合しており、焼いた食品をトレイ間で移動する必要性を最小化し、かつ未管理の環境条件への焼いた食品の露出を最小化する。
【0034】
自動焼き機10は、自動焼き機10の動作を制御するための制御機構200を含む。好ましくは、制御機構200は、操作者入力装置を有し、これは一実施形態においては、キーパッド242とディスプレイ243とを備え、操作者が制御機構と対話して、様々な調理プロファイルを入力し、かつ/または様々な調理プロファイルを選ぶことを選択的に可能にし、バーナーレベル、温度、グリル時間、および放出速度などの焼き環境を制御することを容易にする。あるいは、操作者の入力は、当業者に知られているダイヤル、スイッチ等を含んでもよい。例えば、前面パネル13に取り付けられ、押して回すやり方で、任意のユーザ選択位置まで動かせる、回転可能に取り付けられた制御ダイヤルが、制御機構200への操作者入力を可能にしてもよい。また、制御機構200は、選択された調理プロファイル、自動焼き機の状態、および焼き機内の食品の状態を操作者に通知する、関連するインジケータライト(図1〜14には図示せず)および/またはディスプレイ243を含んでもよい。
【0035】
図15は、プログラムキーセット操作者入力装置502と、複数桁の文字数字の表示装置504と、複数の製品キー506とを備えた制御部200の好適な実施形態を示している。加えて、複数の多色の情報インジケータライト508が、製品キー506に対応して隣接し、または組み込まれている。
【0036】
好適な実施形態において、焼き機の最初の起動の際に、制御部200は、焼き機キャビティ内の温度を検知し、この温度を予熱設定温度と比較し、2つの予熱サイクルのうちの1つを起動する。予熱設定温度は、好ましくは300°Fに設定されている。測定された焼き機キャビティ温度が、予熱設定温度よりも低い場合、制御部200は下部熱源を起動する。この場合、予熱サイクルは、制御器200が初めて下部熱源をオフにサイクルしたとき、加えて追加の時間、好ましくは10分が経過したときに、完了される。測定された焼き機キャビティ温度が、予熱設定温度よりも高い場合、制御部200は、キャビティ温度を測定し続けるが、測定された焼き機キャビティ温度が予熱設定温度よりも低くなるまで下部熱源を起動しない。この場合、予熱サイクルは、制御器200が初めて下部熱源をオフにサイクルしたときに完了する。
【0037】
どちらの場合でも、制御部200は、下部熱源および要求されるどのようなサイクルも制御し、焼き機キャビティの温度を達成および維持する。好適な実施形態において、ひとたび焼き機キャビティが所定の温度に達すると、制御部200は上部熱源を起動する。上部熱源は、予熱サイクルの間、作動状態のままとなる。
【0038】
加えて、予熱サイクルの間、制御部200は、ユーザが焼き機に装入または調理サイクルを開始することを防止する。デジタル表示装置504は、所定のメッセージを表示し、LEDインジケータが、このサイクルの間、焼き機への装入をすべきでないこと、または装入ができないことを示す。また、制御器200は、所定の選ばれた色およびパターンでインジケータライト508を点灯することにより予熱状態を示す。デジタル表示装置504は、ひとたび予熱サイクルが完了すると、焼き機状態を示す所定のメッセージを表示する。好適な実施形態において、焼き機制御部200は、予熱サイクルの間に、効率を最大化するようにプログラムしてもよい。焼き機が、上述したものなどの予熱段階の完了を示す事前設定された条件のセットを満足すると、予熱サイクルは完了し、制御器は次のサイクル、アイドルサイクルを示す。
【0039】
ひとたび予熱が完了すると、制御システムは、焼き機を準備位置、すなわちアイドルサイクルに維持する。アイドルサイクルの間、制御器200は、焼き機キャビティを設定温度、アイドル設定温度に維持する。好適な実施形態において、アイドル設定温度は、予熱設定温度と同じである。ひとたび制御器200がアイドルサイクルを開始すると、下部熱源46は、まだオフでなければ止められ、一方で、上部熱源146は動作状態のままとなる。このアイドルサイクルでは、制御器200は焼き機キャビティ温度を監視する。オーブンが、プログラムされた下限温度まで冷えた場合、下部熱源46は、オンとオフをサイクルし、温度キャビティをアイドル設定温度に維持する。アイドルサイクルでのオーブン状態は、予熱サイクルのそれとは異なる所定の選ばれた色および「準備よし」「RDY」などのパターンでインジケータライト508を点灯することによって示される。
【0040】
アイドルサイクルから、ユーザは調理サイクルに入ることができる。調理サイクルの間は、制御器200は、事前定義されたプロファイルを通して上部熱源146をサイクルさせ、かつ、下部熱源46をオンおよびオフにサイクルすることによってキャビティ温度を制御する。調理サイクルが完了すると、制御器200は、コンベヤ式調理面を起動し、調理済み食品を放出する。好適な実施形態において、制御器200は、調理サイクルの完了時に可聴アラームを起動する。
【0041】
調理サイクルのための所望の調理プロファイルの選択は、所望の製品キー506を押すことによってなされる。操作者の選択は、対応するインジケータライト508によって所定の色で点灯することで確認され、一方で残りのインジケータライトは消灯したままとなる。焼き機が、事前プログラム済の調理プロファイルを実行する間、選択された調理プロファイルに対応するインジケータライトは、点滅などの所定のやり方で点灯することによって焼き機の調理状態を示す。加えて、表示装置は、選択された調理プロファイルに対応する所定のメッセージと、焼き機が調理サイクルを完了するのに必要な残り時間とを交互に表示する。調理サイクルの完了は、表示装置504のカウントダウン時間が、残り時間ゼロを示すことで示される。調理サイクルの完了時に、可聴のアラームが鳴る。調理サイクルが完了すると、コンベヤ式調理面22は、所定の距離を割送りされ、調理済み食品を放出する。放出手順の間、表示装置504は、残り時間ゼロを示し続ける。同時に、選択された調理サイクルと関連するインジケータライト508は、点灯されたままであるが、調理サイクルと放出手順とを区別する特徴的なパターンで点灯される。他の全てのインジケータライト508は消灯したままとなる。放出手順が完了すると、コンベヤ式調理面22の割送りの完了によって示され、焼き機は適切な表示によってアイドル状態となる。
【0042】
好適な実施形態において、制御部または機構200は、3つの主なプログラム可能な機能を有する。第1に、制御部200は、特定の製品に対する調理プロファイルの制御―レシピ機能を実行する。以下により詳細に述べるように、調理プロファイルは、上部熱源オン時間およびオフ時間の規則的または不規則なシーケンスから成る。第2に、制御部200は、基本的なシステムパラメータの制御を行う。第3に、制御部200は、統計データの追跡を行う。
【0043】
第2のプログラム可能な機能に関して、制御部200は、基本的なシステムパラメータの制御を行う。好適な実施形態において、制御部は、(1)アイドル温度パラメータ、(2)オフセットパラメータ、(3)°Fまたは℃パラメータ、(4)チェーン駆動時間パラメータ、(5)過熱アラーム、(6)温度不足アラーム、(7)温度ヒステリシス、(8)可聴アラーム/無効、および(9)予熱IR温度、を制御する。
【0044】
アイドル温度パラメータは、予熱およびアイドルサイクルの間の、焼き機の設定点温度である。好ましくは、温度は500〜900°F、最も好ましくは680°Fである。
【0045】
オフセットパラメータは、測定温度と表示温度の差を規定する。正のオフセットパラメータは、表示温度が、オフセットパラメータによって測定温度よりも低くなることを意味する。負のオフセットパラメータは、表示温度が、オフセットパラメータによって設定温度よりも高くなることを意味する。好ましくは、オフセットパラメータは、−100〜+100°Fで、最も好ましくは0°Fに設定される。
【0046】
°Fまたは℃パラメータは、温度の表示を華氏(F)と摂氏(C)の間で変更する。好ましくは、このパラメータの既定値は華氏(F)である。
チェーン駆動時間パラメータは、コンベヤ式調理面へのチェーンを設定値、好ましくは完全な回転の半分だけ駆動するのに必要な時間を定義する。好ましくは、このパラメータは1〜10秒の間で設定され、最も好ましくは6秒である。
過熱アラームパラメータは、過熱アラームが生じる設定点よりも高い温度である。好ましくは、このパラメータは、0〜200°Fの間で、最も好ましくは200°Fに設定される。
温度不足アラームパラメータは、温度不足アラームが生じる設定点よりも低い温度である。好ましくは、このパラメータは、0〜200°Fの間で、最も好ましくは100°Fに設定される。
【0047】
制御は、ON−OFF型の制御を有する。制御は、設定点温度で、温度出力をオフにサイクルし、設定点温度よりも設定度数低い温度で、オンにサイクルバックする。この設定度数、好ましくは10°Fは、温度ヒステリシスとして定義される。好適な実施形態において、これは、2〜50°Fの間で、最も好ましくは2°Fに設定される。
可聴アラーム/無効は、制御器に、可聴アラームをオフにする能力を与える。ブザーがオフにされていても、ブザーは温度センサおよび点火不良については音を発する。
予熱IR温度は、予熱サイクル中にIRバーナーがオンになる温度である。この温度は、好ましくは、301〜900°Fの間で、最も好ましくは500°Fに設定される。
【0048】
第3のプログラム可能な機能に関して、制御部200は、統計データを追跡する。好適な実施形態において、制御部200は、以下の追跡を行う。
・製品カウント―製品が実行された回数を追跡する。
・ランタイム―焼き機の電源が入っていた時間数を追跡する。
・IR点火試み―制御がIRバーナー向けの出力信号を供給した回数を追跡する。
・IR初期化不良―制御が予熱サイクルの間にIRバーナー向けの出力および入力信号の差を検出した回数を追跡する。
・調理中のIR不良―制御が調理サイクルの間にIRバーナー向けの出力および入力信号の差を検出した回数を追跡する。
・他の全てのモード中のIR不良―制御がIR初期化不良および調理中のIR不良でカバーされない期間中に、IRバーナー向けの出力および入力信号の差を検出した回数を追跡する。
・IRガスロックアウト不良―制御がIRバーナーに関連するGAS不良を有した回数を追跡する。
・下部バーナー点火試み―制御が下部バーナー向けの出力信号を供給した回数を追跡する。
・下部バーナー初期化不良(“LbIf”)―制御が予熱サイクルの間に下部バーナー向けの出力および入力信号の差を検出した回数を追跡する。
・調理中の下部バーナー不良(“LbCf”)―制御が調理サイクルの間に下部バーナー向けの出力および入力信号の差を検出した回数を追跡する。
・他の全てのモードの下部バーナー不良―制御がLbIfおよびLbCfでカバーされない期間中に、下部バーナー向けの出力および入力信号の差を検出した回数を追跡する。
・下部バーナーガスロックアウト不良―制御が下部バーナーに関連するGAS不良を有した回数を追跡する。
【0049】
好適な実施形態において、制御部200は、様々な焼き機の機能不良を検出するように設計されており、これらの不良を診断および修正する能力を提供する。例えば、制御部200は、好ましくは、温度不良、温度センサ不良、および点火不良を検出する。制御器が、このような不良を検出すると、ディスプレイが一意の不良識別子を表示する。不良は、好ましくは、4つの主なカテゴリを含む。
【0050】
1つめは、過熱不良である。測定された温度が、設定された連続する秒数にわたって、アイドル設定温度よりも設定された度数高いことを、制御部が検知すると、過熱不良が生じる。好ましくは、この温度はアイドル設定温度の100°F上に設定され、設定秒数は、30秒に設定される。好ましくは、この不良は、調理サイクルの間はチェックされない。好適な実施形態において、この条件が検出されると、(1)ディスプレイは“HI”または同等の一意の不良インジケータを示し、(2)制御は、ユーザが調理サイクルをロードまたはスタートすることを許可し、(3)下部バーナー出力は、測定温度がアイドル設定点まで下がるまでオフのままとなるか、または調理が開始される。好ましくは、この不良は、温度が下がると自動消去される。
【0051】
2つめは、温度不足不良である。ユニットが、設定された連続する秒数、好ましくは30秒にわたって、アイドル設定温度よりも設定された度数低いことを、制御が検知すると、温度不足不良が生じる。好ましくは、この不良は、アイドルおよび調理サイクルの間にチェックされる。好適な実施形態において、アイドルモードの間にこの条件が検出されると、(1)ディスプレイは“LO"または類似の一意の不良インジケータを示し、(2)制御は、ユーザが調理サイクルをロードまたはスタートすることを許可しない。この不良は、温度が上がると自動消去される。好適な実施形態において、調理サイクルの間にこの条件が検出されると、制御は、通常通り調理を続け、調理の終了時にアラームを鳴らす。好ましくは、このアラームは、可聴および可視アラームから成る。このアラームは、調理およびチェーン回転の終了後も継続し、操作者によって任意のキーを押すことによりキャンセルする必要がある。
【0052】
3つめは、センサ不良である。センサ回路で短絡または開回路を検知すると、センサ不良が生じる。好ましくは、制御は、プローブエラーを示すかそれに反応する前に、最も好ましくは10秒の設定された遅延を有する。この条件が検出されると、ディスプレイは“PROB”または類似の一意の不良インジケータを示し、アラームが鳴る。ユニットが調理サイクルの途中でなければ、上部および下部ガス弁出力は遮断される。ユニットが調理サイクルの途中であれば、制御は通常通り調理を続け、次いで調理サイクルの終了時にアラームを鳴らす。
【0053】
4つめは、点火不良である。ここで制御は、点火制御モジュールからの入力信号を、対応する点火制御出力と比較する。点火不良に関して、焼き機が予熱サイクル中の場合、制御は、設定時間、好ましくは連続する15秒よりも長く続くIRまたは下部信号のいずれかでの差を探す。最初の発生では、制御は、設定時間、好ましくは4秒にわたって出力をオフにサイクルし、次いでオンにサイクルバックすることによって、不良のあるバーナー出力(すなわちIRまたは下部バーナー出力)をサイクルさせる。制御が、最初の発生から5分以内に同じバーナーで2度目の発生を検出した場合、制御は(1)アラームを鳴らし、(2)両方のガス弁出力を遮断する。焼き機がアイドルモードにある場合、制御は、設定時間、好ましくは連続する15秒よりも長く続くIRまたは下部信号のいずれかでの差を探す。最初の発生では、制御は、設定時間、好ましくは4秒にわたって、不良のあるバーナー出力(すなわちIRまたは下部バーナー出力)をオフにサイクルし、次いでオンにサイクルバックする。制御が、最初の発生から設定時間、好ましくは5分以内に同じバーナーで2度目の発生を検出した場合、制御は(1)アラームを鳴らし、(2)不良条件に関連するガス弁出力を遮断する。焼き機が調理サイクル中の場合、制御が、上部または下部信号のいずれかの差を検出すると、制御は、これらの信号に差がある際にはいつでも(点火モジュール開始の遅延を無視して)、調理時間のカウントダウンを直ちに中止する。制御は、最大で5分にわたって、時間カウントダウンの停止を許可する。5分がたつと、制御は、通常通りのカウントダウンに進む。制御は、通常通り調理を続け、次いで調理の終了時にアラームを鳴らす。
【0054】
制御機構200を用いて、所望の調理プロファイルが入力および選択され、自動焼き機の動作および環境が制御される。制御機構200は、所望の食品を正しく調理し、好ましくは焼くために、必要に応じて放射熱の量を変化させるように動作可能である。一実施形態において、制御機構は、上部熱源146のデューティサイクルの長さを制御するための、適切なタイマおよびデューティサイクル制御を備えており、用語“デューティサイクル”は、上部熱源オン時間(作動状態)の、上部熱源オン時間+オフ時間(非作動状態)に対する比率を意味する。加えて、制御機構200は、コンベヤ式調理面23の動作および移動を制御して、任意の初期前方または後方移動の制御を提供し、食品の発熱体との位置合わせおよび/または最終動作よって調理済み食品の放出を容易にする。制御機構200は、適切なマイクロプロセッサおよび適切なソフトウェアを使用して、コンベヤ式調理面と、上部熱源146を起動するリレー248(図13)とを制御する。上部熱源は、それらの構成に応じて、異なる方法で起動および停止される。当業者が容易に理解するように、例えば電熱体を、加熱回路への電力を制御することによって、起動および停止することができる。ガスバーナーは、電子ソレノイド弁を制御することによって起動または停止することができる。本発明に従って、他の発熱体を、当該技術分野で知られている他のやり方で制御してもよい。
【0055】
図12は、Gで示される制御された周期的シーケンスすなわちデューティサイクルで、熱源146が連続的に作動および停止され、所望の食品を正しく調理し、好ましくは焼くために、必要に応じて放射熱の量を変化させる実施形態を示している。この特定の実施形態において、各デューティサイクルGは、その時間中は熱源146が作動している加熱インターバルEを備え、その後、その時間中は熱源が停止しているインターバルFが続く。上部熱源146からの赤外線放射の周期的サイクルの強度および持続期間は、経験的に決定され、所望の焼かれる食品の群に依存する。
【0056】
他の実施形態において、周期的デューティサイクル機能は、上部熱源オン時間およびオフ時間の事前プログラム済の変則シーケンスに置き換えられる。図13は、このような事前プログラム済の変則シーケンスの例である。図13は、熱源146が連続的に作動および停止され、所望の食品を正しく調理し、好ましくは焼くために、必要に応じて放射熱の量を変化させる、制御された事前プログラム済の変則シーケンスの実施形態を示している。この特定の実施形態において、AおよびCは、1つまたは複数の上部IR発熱体のオン時間の長さを表し、一方でBおよびDは、1つまたは複数の上部IR発熱体のオフ時間の長さを表す。Eは調理プログラムにおける全てのオンおよびオフ時間の合計である。A、B、C、およびDは、任意の長さの時間にプログラム可能であり、追加のオフまたはオン期間を加えることができる。これらの実施形態において、周期的デューティサイクルとは対照的な変則シーケンスを用いて、所望の食品を正しく調理し、好ましくは焼くために、必要に応じて放射熱の量を変化させる。上部熱源146からの赤外線放射の変則シーケンスの強度および持続期間は、経験的に決定され、所望の焼かれる食品の群に依存する。
【0057】
図13は、制御機構200によって制御されるオーブン制御回路240の一実施形態の一部の、簡素化された概略である。回路240は、自動焼き機10の上部熱源146を操作する。図13に示される実施形態において、回路240は、ソレノイド246を操作する。通電されると、ソレノイド246はガスフロー弁を開き、これにより上部熱源へのガスの流れを制御する。他の実施形態は、従来のリレーを通電するなどの、当該技術分野で知られた他の加熱制御機構を使用することができる。キーパッド242およびディスプレイ243または他の適切な操作者入力装置を用いて、制御機構200は、所望の食品のための選択された調理プロファイルに従って上部熱源146を制御するようにプログラム可能である。同様に、制御機構200は、下部熱源46およびコンベヤ式調理面22を制御してもよいが、好適な実施形態においては、下部熱源は、デューティサイクルを通じてサイクルするよりもむしろ、コンベヤ式調理面22に連続する均一な熱を供給する。一実施形態において、コンベヤ式調理面22は、装入および焼く間は静止したままであり、食品の調理の終了後にのみ、食品の群を放出するために前進する。他の実施形態では、コンベヤ式調理面22は、製品調理の均一性を促進し、最も直接的なIR熱が食品に加えられることを確実にすることで熱の非効率性を防止するために、最初に横方向に調整(前方または後方)してもよい。
【0058】
使用に際して、本発明の好適な実施形態は、自動制御部200内に、調理プロファイルすなわちレシピを保存しており、これは、調理温度、下部熱源46および上部熱源146の熱出力、上部熱源146からの赤外線放射のサイクルの期間、強度および持続期間、ならびにコンベヤ式調理面22の起動を設定する。操作者は、所望の焼かれる食品の群に応じて、保存された調理プロファイルを選択する。食品は、次いで、ドア/ローダアセンブリ60に配置され、ドア/ローダアセンブリ60は、第1の開口部19を通して装入され、食品の群がコンベヤ式調理面に配置される。好ましくは、装入および調理の間、コンベヤ式調理面は静止している。操作者は、次いで、第1の開口部19からドア/ローダアセンブリ60を取り外し、ドア/ローダアセンブリを閉位置に配置して、焼き機の熱効率を向上させ、前面開口部19を通した熱損失を防止する。
【0059】
加えて、好適な実施形態における自動制御部200は、調理プロファイルおよびオペレーティングソフトウェアを、外部ソースから制御部200にダウンロード可能にするインターフェイスを備えることができる。好適な実施形態は、動作データ、電気機械的データ、および不良情報を維持し、同一のインターフェイスを通してアップロードするための記憶装置を備えてもよい。
【0060】
好ましくは、下部熱源46は、コンベヤ式調理面22上の食品の群に、連続する熱を供給する。あるいは、焼かれる特定の食品および群の規模に従って、下部熱源46から放射された熱の強度を変化させてもよい。しかし、上部熱源146は、好ましくは、選択された調理プロファイルに応じた、高強度の赤外線放射および低強度の赤外線放射の期間を通じて、パルスまたはサイクルする。上部熱源146の周期的なIR放射は、オン−オフサイクルから、高強度のIR放射の期間によって割り込まれた低強度のサイクル、または低強度のIR放射の期間によって割り込まれた高強度のIR放射のサイクル、あるいはこれらの任意の組み合わせまで変化してもよい。このようなサイクルおよびそれらの持続期間は、自動焼き機10で焼かれる特定の種類の食品および群の規模に対して理想的に最適化され、これにより、所望の食品の調理プロファイルを確立する。
【0061】
上部熱源からのサイクルの期間が終了すると、食品の群が完全に調理され、放出の準備が整う。次いで、コンベヤ式調理面が起動し、食品の群を放出端32に向けて進める。放出端32に達した食品は、放出スライド28に向けて下方に傾けられて、食品の表面の脂、汁、または他の流出物が放出スライド28にこぼれ落ち、最終的に流出物収集容器24に集まることを可能にする。次いで、食品は、放出スライドから保持パン25へと滑り落ちる。
【0062】
以上、本発明を特定の好適な実施形態を参照して示し説明したが、当業者には、本発明の要旨および範囲から逸脱することなしに、様々な変更および変形を行ってもよいことが、容易に理解されるであろう。特許請求の範囲は、上記および様々な他のそのような変更および修正を含むものとして、解釈されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一括調理用の自動焼き機であって、
コンベヤ式調理面と、
前記コンベヤ式調理面の下に配置された下部熱源と、
前記コンベヤ式調理面の上に配置された上部熱源と、
制御手段であって、食品の複数の調理プロファイルを選択的に保存し、
選択された調理プロファイルに応じて、前記上部および下部熱源の熱出力を調整し、
前記下部熱源から独立して、前記上部熱源の熱出力をパルスし、選択された前記調理プロファイルに応じて適切な熱出力を供給し、
選択された前記調理プロファイルに応じて、前記上部および下部熱源の熱出力のタイミングをとり、
前記コンベヤ式調理面を作動させることにより、選択された前記調理プロファイルに従って食品の群を放出するための制御手段と、
を備える自動焼き機。
【請求項2】
前記上部熱源は、発熱体の各列の間にガスを換気させるための通気孔が介在する、少なくとも2つの長手方向の発熱体に配置されている請求項1記載の自動焼き機。
【請求項3】
前記下部熱源は、直火を有する請求項1記載の自動焼き機。
【請求項4】
前記下部熱源の上で前記コンベヤ式調理面の下に、フレームアレスタが配置されている請求項3記載の自動焼き機。
【請求項5】
前記下部熱源は、少なくとも2つの長手方向の発熱体を備える請求項3記載の自動焼き機。
【請求項6】
前記コンベヤ式調理面および熱源を囲む断熱ハウジングと、
前記コンベヤ式調理面に食品の群を載置するための、前記断熱ハウジングの載置開口部と、
選択された前記調理プロファイルが完了した際に、前記コンベヤ式調理面から食品の群を放出するための、前記断熱ハウジングの放出開口部と、をさらに備える請求項1記載の自動焼き機。
【請求項7】
前記コンベヤ式調理面および熱源を囲む断熱ハウジングをさらに備え、
前記断熱ハウジングは、
前記コンベヤ式調理面に食品の群を載置するための開口部を有する断熱前壁と、
断熱後壁と、
前記コンベヤ式調理面で焼かれる食品からの流出物を受けるように適合された断熱底壁と、
ガスを換気させるように適合された断熱上面と、
断熱側壁であって、前記側壁の少なくとも1つは、選択された前記調理プロファイルが完了した際に前記コンベヤ式調理面から食品の群を放出するための開口部を含む断熱側壁と、をさらに備える請求項1記載の自動焼き機。
【請求項8】
前記断熱ハウジングの開口部を通して、前記コンベヤ式調理面に食品の群を自動的に載置するための一体型のドア/ローダアセンブリをさらに備え、前記ドア/ローダアセンブリは、食品の群が載置された後に、前記断熱ハウジングからの熱損失を最小化する請求項6記載の自動焼き機。
【請求項9】
載置された食品の群が、前記コンベヤ式調理面上の正しい位置を維持することを確実にするための食品配置手段をさらに備える請求項8記載の自動焼き機。
【請求項10】
食品の群を放出するための前記断熱ハウジングの放出開口部は、放出スライドと、前記連続調理面からの放出後に食品の群を集めるための収集パンとを含む請求項6記載の自動焼き機。
【請求項11】
食品の群を自動調理する方法であって、
コンベヤ式調理面に食品の群を載置するステップと、
前記コンベヤ式調理面を動かさずに、静止位置で前記食品を調理するステップと、
調理プロセスが完了した際に、前記コンベヤ式調理面を作動させて前記食品を放出させるステップと、を備える方法。
【請求項12】
食品の群を自動調理する方法であって、
コンベヤ式調理面に食品の群を載置するステップと、
前記コンベヤ式調理面を作動させて前記食品の調理位置を最適化するステップと、
前記コンベヤ式調理面を動かさずに、静止位置で前記食品を調理するステップと、
調理プロセスが完了した際に、前記コンベヤ式調理面を作動させて前記食品を放出させるステップと、を備える方法。
【請求項13】
食品の群を自動で焼く方法であって、
自動制御手段内に、選択可能な調理プロファイルを保存するステップと、
調理プロファイルを選択するステップと、
コンベヤ式調理面に食品の群を載置するステップと、
前記コンベヤ式調理面の下の下部熱源によって、前記食品の群を加熱するステップと、
前記コンベヤ式調理面の上の可変の制御可能にパルスする上部熱源によって、前記食品の群を加熱するステップと、
選択された前記調理プロファイルに応じて、前記自動制御手段により前記上部および下部熱源の熱出力を制御するステップと、
選択された前記調理プロファイルに従って、前記コンベヤ式調理面から前記食品の群を放出するステップと、を備える方法。
【請求項14】
前記食品の群を載置するステップは、自動ローダポジショナによって行われる請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記下部熱源は、少なくとも2つの平行する長手方向のガス火炎バーナーを備える請求項13記載の食品の群を自動で焼く方法。
【請求項16】
パルスする前記上部熱源は、各発熱体の間にガスを換気させるための通気孔が介在する、少なくとも2つの長手方向の発熱体をさらに備える請求項13記載の食品の群を自動で焼く方法。
【請求項17】
前記コンベヤ式調理面の下で前記下部熱源の上に、フレームアレスタが配置されている請求項13記載の食品の群を自動で焼く方法。
【請求項18】
前記食品を放出するステップは、前記コンベヤ式調理面からスライドに食品を放出するステップと、食品を保持パンに集める前に、前記食品からの余分な流出物のかなりの量を除去するステップと、をさらに備える請求項13記載の食品の群を自動で焼く方法。
【請求項19】
前記食品の群を載置するステップは、前記コンベヤ式調理面と下部熱源および上部熱源とを囲む断熱ハウジングの開口部を通して、前記食品を載置するステップをさらに備える請求項13記載の食品の群を自動で焼く方法。
【請求項20】
前記開口部は、ドアローディングアセンブリを含む請求項19記載の食品の群を自動で焼く方法。
【請求項21】
前記断熱ハウジングは、
前記コンベヤ式調理面に食品の群を載置するための第1の開口部を有する断熱前壁と、
断熱後壁と、
流出物を収集するための流出物収集容器を受けるように適合された断熱底壁と、
ガスを換気させるように適合された断熱上面と、
断熱側壁であって、前記側壁の少なくとも1つは、選択された前記調理プロファイルが完了した際に前記コンベヤ式調理面から食品の群を放出するための第2の開口部を含む断熱側壁と、をさらに備える請求項19記載の食品の群を自動で焼く方法。
【請求項22】
前記制御手段は、選択された食品のための、一揃いの所定の調理プロファイルを含む請求項1記載の自動焼き機。
【請求項23】
前記制御手段は、前記上部および下部発熱体を独立して作動させることができる請求項1記載の自動焼き機。
【請求項24】
前記制御手段は、焼き機状態を示す出力信号を供給する請求項1記載の自動焼き機。
【請求項25】
前記制御手段は、焼き機性能および動作状態についての統計データを収集および保存する請求項1記載の自動焼き機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−538613(P2010−538613A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524226(P2010−524226)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/075619
【国際公開番号】WO2009/033169
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(510062309)
【Fターム(参考)】