説明

変速機の同期噛合装置

【課題】従来品よりもよりスムーズに同期を行うことができる同期噛合装置を提供する。
【解決手段】同期噛合装置のブロッキングリングは、アウターリング68とインナーリング69とで構成される。アウターリング68の凸部68aの周方向側面は、変速ギヤ37側からシンクロハブ63側に向って周方向内側に傾く傾斜面68dとされている。凸部68aの傾斜面68dに対向するインナーリング69の切欠部69aの周方向内側面も、変速ギヤ37側からシンクロハブ63側に向って周方向内側に傾く傾斜面69bとされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の同期噛合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周にドグ歯を有して回転軸に相対回転自在に軸支された変速ギヤと、回転軸に固定されたシンクロハブと、シンクロハブの外周に軸方向に摺動自在にスプライン結合されたシンクロスリーブと、変速ギヤと相対回転不能に連結されるシンクロコーンと、シンクロスリーブの内周面に形成されたスプライン歯に噛合自在なドグ歯を外周面に有すると共に、シンクロコーンと摩擦係合可能でありシンクロハブと変速ギヤとの間に配置されたブロッキングリングとを備えた変速機の同期噛合装置(シンクロメッシュ機構)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のものでは、ブロッキングリングを、ドグ歯を有するアウターリングと、アウターリングの径方向内側に位置するインナーリングとで構成している。そして、インナーリングとアウターリングとの間にシンクロコーンが挟まれ、これにより、摩擦係合可能としている。
【0004】
そして、アウターリングのシンクロハブ側の端部に、径方向内方に突出する凸部を設け、インナーリングのシンクロハブ側の端部に、凸部を受け入れる切欠部を設けて、アウターリングとインナーリングとを相対回転不能に連結している。
【0005】
これによれば、摩擦係合による同期を行う際に、シンクロスリーブが実質的にアウターリングのみを押圧することとなる。このため、シンクロスリーブを変速ギヤ側に移動させる際に必要なシンクロ荷重(シフト操作荷重)を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−132646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の同期噛合装置によれば、同期を行うときにシンクロコーンがアウターリング及びインナーリングにより挟まれるため、接触面積が増加して摩擦力が増加しスムーズに同期を行うことができる。しかしながら、よりスムーズに同期を行うことができる同期噛合装置が望まれる。
【0008】
本発明は、従来品よりもよりスムーズに同期を行うことができる同期噛合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、外周にドグ歯を有して回転軸に相対回転自在に軸支された変速ギヤと、前記回転軸に固定されたシンクロハブと、該シンクロハブの外周に軸方向に摺動自在にスプライン結合されたシンクロスリーブと、前記シンクロハブと前記変速ギヤとの間に配置されると共に、前記変速ギヤと相対回転不能に連結されるシンクロコーンと、該シンクロスリーブの内周面に形成されたスプライン歯に噛合自在なドグ歯を外周面に有すると共に、前記シンクロコーンと摩擦係合可能であり前記シンクロハブと前記変速ギヤとの間に配置されたブロッキングリングとを備え、前記ブロッキングリングは、前記ドグ歯を有するアウターリングと、該アウターリングの径方向内側に位置するインナーリングとで構成され、該インナーリングと前記アウターリングとの間に前記シンクロコーンが挟まれ、前記アウターリングの前記シンクロハブ側の端部には、径方向内方に突出する凸部が設けられ、前記インナーリングの前記シンクロハブ側の端部には、前記凸部を受け入れる切欠部が設けられ、該切欠部と前記凸部とが嵌合することにより、前記インナーリングと前記アウターリングとが相対回転不能に連結される自動変速機の同期噛合装置において、前記凸部の周方向側面は、前記変速ギヤ側から前記シンクロハブ側に向って周方向内側に傾く傾斜面とされ、該凸部の傾斜面に対向する前記切欠部の周方向内側面も前記変速ギヤ側から前記シンクロハブ側に向って周方向内側に傾く傾斜面とされることを特徴とする。
【0010】
アウターリングとシンクロコーンとの間で発生する外周側同期トルクと、インナーリングとシンクロコーンとの間で発生する内周同期トルクとは、テーパ角度及び摩擦係数が同一である限り、径の違いから外周側同期トルクの方が内周側同期トルクよりも大きくなる。従って、アウターリングに設けられた凸部の周方向側面は、インナーリングに設けられた切欠部の周方向内側面に接触する。そして、外側同期トルクと内側同期トルクの差の分だけ、アウターリングの凸部の周方向側面からインナーリングの切欠部の周方向内側面にトルクが加わる。
【0011】
本発明の同期噛合装置は、アウターリングの凸部の周方向側面を変速ギヤ側からシンクロハブ側に向って周方向内側に傾く傾斜面とし、インナーリングの切欠部の周方向内側面も変速ギヤ側からシンクロハブ側に向って周方向内側に傾く傾斜面としている。このため、アウターリングの凸部からインナーリングの切欠部に加わる周方向のトルクが、インナーリングの切欠部の傾斜面に沿うようにして、アウターリングが変速ギヤ側に引寄せられる力に変換される。
【0012】
これにより、アウターリングのシンクロコーンへの押し付け荷重を自己増幅(セルフサーボ)させることができ、従来のものに比し、スムーズに同期を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の同期噛合装置の実施形態を示す断面図。
【図2】図1の2点鎖線部分の拡大図。
【図3】図2のIII−III線で切断した状態を示す断面図。
【図4】実施形態のブロッキングリングをシンクロハブ側から示す説明図。
【図5】図2のV−V線で切断した状態を示す断面図。
【図6】参考例の同期噛合装置の図5に対応する状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態の同期噛合装置S1(シンクロメッシュ装置)を説明する。図2は、図1の2点鎖線で囲まれた領域2を拡大して示している。同期噛合装置S1は、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)に用いられるものであり、主に次の3つの状態に切換自在に構成される。
【0015】
1つ目の状態は、ニードルベアリング62を介して回転軸たるカウンターシャフトScに回転自在に軸支される2速駆動ギヤ36をカウンターシャフトScに連結させる状態である。2つ目の状態は、ニードルベアリング62を介してカウンターシャフトScに回転自在に軸支される4速駆動ギヤ37をカウンターシャフトScに連結させる状態である。3つ目の状態は、2速駆動ギヤ36及び4速駆動ギヤ37とカウンターシャフトScとの連結を断つニュートラル状態である。
【0016】
同期噛合装置S1は、カウンターシャフトScに固定された環状のシンクロハブ63と、シンクロハブ63の外周に軸方向に摺動自在にスプライン結合されたシンクロスリーブ45とを備えている。シンクロスリーブ45は、フォーク44を介して図外のアクチュエータにより、図1に示すニュートラル位置から左右に移動される。シンクロスリーブ45が左側に移動すると2速段が確立され、シンクロスリーブ45が右側に移動すると4速段が確立される。
【0017】
同期噛合装置S1は、機能的に左右対称であるため、2速段側は4速段を確立させる場合と同様に行うことができる。そこで、本実施形態においては、4速段を確立する場合についてのみ説明する。
【0018】
シンクロハブ63の外周には、複数のスプライン歯64が形成されている。シンクロスリーブ45の内周には、シンクロハブ63のスプライン歯64に噛合する複数のスプライン歯66が形成されている。
【0019】
シンクロスリーブ45の複数のスプライン歯66のうち、周方向に120度位相をずらした3箇所に位置する2本づつで合計6本のスプライン歯66の軸方向両端部には、径方向内方に突出する突起部66aが形成されている。
【0020】
シンクロハブ63の軸方向両端面には、環状の凹部63a,63aが形成されている。この凹部63aには、ブロッキングリング67が配置されている。このブロッキングリング67は、環状のアウターリング68と、アウターリング68の径方向内方に位置する環状のインナーリング69とで構成される。
【0021】
アウターリング68のシンクロハブ63側の端部には、径方向内方に突出する凸部68aが設けられている。インナーリング69のシンクロハブ63側の端部には、アウターリング68の凸部68aを受け入れる切欠部69aが設けられている。凸部68aと切欠部69aとが嵌合することにより、アウターリング68とインナーリング69とが互いに相対回転不能となっている。
【0022】
図5に示すように、アウターリング68の凸部68aの周方向両側面は、4速駆動ギヤ37側からシンクロハブ63側に向って周方向内側に傾く傾斜面68dとされている。又、インナーリング69の切欠部69aの周方向両内側面は、4速駆動ギヤ37側からシンクロハブ63側に向って周方向内側に傾く傾斜面69bとされている。
【0023】
アウターリング68とインナーリング69の間には、環状のシンクロコーン70(テーパコーン)が挟まれるように配置されている。シンクロコーン70は、4速駆動ギヤ37側からシンクロハブ63側に向って次第に縮径しており、テーパ状の外周面70aとテーパ状の内周面70bとを備えている。シンクロコーン70の外周面70aはアウターリング68の内周面に接触し、内周面70bはインナーリング69の外周面に接触する。
【0024】
アウターリング68の4速駆動ギヤ37側の端部には、径方向外方に突出する複数のドグ歯68bが設けられている。又、4速従動ギヤ37のシンクロハブ63側の端部には、アウターリング68のドグ歯68bに対応させて複数のドグ歯37aが設けられている。
【0025】
アウターリング68の外周面には、ドグ歯68bのシンクロハブ63側に隣接させて環状のシンクロスプリング71が配置されている。アウターリング68の外周面には、120度位相をずらした箇所に径方向外方に張り出しシンクロスプリング71を支持する支持部68cが形成されている。
【0026】
シンクロコーン70の4速駆動ギヤ37側の端部には、120度位相をずらして3箇所に4速駆動ギヤ37側に突出する突片部70cが設けられている。4速駆動ギヤ37のシンクロハブ63側の端面には、シンクロコーン70の突片部70cを受け入れる凹部37bが設けられている。この凹部37bと突片部70cの嵌合によりシンクロコーン70と4速駆動ギヤ37が相対回転不能に連結される。
【0027】
図3に図2のIII−III線で切断した断面図を示す。図3から明らかなように、シンクロスリーブ45のスプライン歯66の軸方向両端部にはテーパ状のチャンファC1が形成されている。アウターリング68のドグ歯68bのシンクロハブ63側の端部にはチャンファC1と対向するチャンファC2が形成されている。4速駆動ギヤ37のドグ歯37aのシンクロハブ63側の端部には、チャンファC1と対向するチャンファC3が形成されている。
【0028】
シンクロハブ63には、アウターリング68の支持部68cを受け入れる図示省略した受入部が設けられている。シンクロハブ63の受入部とアウターリング68の支持部68cとの周方向間には隙間が形成されており、シンクロハブ63とアウターリング68とが少なくともドグ歯68bのピッチ分だけ相対回転自在となるようにしている。
【0029】
又、アウターリング68の支持部68cとシンクロハブ63の受入部(図示省略)とが周方向で接触している場合に、スプライン歯66のチャンファC1がアウターリング68のドグ歯68bのチャンファC2に接触する位相となり、スプライン歯66がドグ歯68bの間に入り込む位相のときには、シンクロハブ63の受入部(図示省略)とアウターリング68の支持部68cとの周方向間に隙間が発生するように、アウターリング68の支持部68cとシンクロハブ63の受入部(図示省略)とが構成されている。
【0030】
次に、上記の如く構成される同期噛合装置S1の作動について説明する。
【0031】
4速段を確立すべく、シンクロスリーブ45を、図1及び図2に示すニュートラル位置から右側に移動させると、シンクロスリーブ45の突起部66aがシンクロスプリング71を径方向内側に押圧し、シンクロスリーブ45とシンクロスプリング71間の摩擦力が増加する。
【0032】
この摩擦力の増加により、シンクロスリーブ45が突起部66a及びシンクロスプリング71を介してアウターリング68を4速駆動ギヤ37側に押圧する。そして、シンクロコーン70がアウターリング68とインナーリング69とに挟みつけられ、アウターリング68とシンクロコーン70の外周面70aとの間、及びインナーリング69とシンクロコーン70の内周面70bとの間の摩擦力が増加する。
【0033】
このとき、アウターリング68の支持部とシンクロハブ63の受入部とが周方向で接触し、スプライン歯66のチャンファC1がアウターリング68のドグ歯68bのチャンファC2に接触する位相となっている。そして、チャンファC1がチャンファC2に接触しチャンファC2を軸方向に押圧することにより、アウターリング68とシンクロコーン70の外周面70aとの間、及びインナーリング69とシンクロコーン70の内周面70bとの間の摩擦力が更に増加する。
【0034】
ここで、アウターリング68とシンクロコーン70の外周面70aとの間で発生する外周側同期トルクと、インナーリング69とシンクロコーン70の内周面70bとの間で発生する内側同期トルクとを比較すると、テーパ角度及び摩擦係数が同一である限り、外周面と内周面の径の違いから、外側同期トルクが内側同期トルクよりも大きくなる。従って、アウターリング68の凸部68aの周方向一方の側面が、インナーリング69の切欠部69aの周方向内側面に接触する。
【0035】
本実施形態の同期噛合装置S1では、アウターリング68の凸部68aの周方向両側面が4速駆動ギヤ37側からシンクロハブ63側に向って周方向内側に傾く傾斜面68dとされている。又、インナーリング69の切欠部69aの周方向両内側面が4速駆動ギヤ37側からシンクロハブ63側に向って周方向内側に傾く傾斜面69bとされている。
【0036】
これにより、アウターリング68の凸部68aからインナーリング69の切欠部69aに加わる周方向のトルクが、切欠部69aの傾斜面69bに沿うようにして、4速駆動ギヤ37側への押し付け荷重に変換される。
【0037】
従って、アウターリング68とシンクロコーン70との間の摩擦力をより一層増加させることができ(セルフサーボ)、従来のものに比し、スムーズに同期を行うことができる。
【0038】
シンクロスリーブ45が更に右側に移動すると、スプライン歯66のチャンファC1とアウターリング68のドグ歯68bのチャンファC2との係合が外れ、スプライン歯66とドグ歯68aとが完全に噛み合う。
【0039】
このとき、チャンファC1とチャンファC2との係合による押し付け荷重がアウターリング68に伝わらなくなるが、突起部66a及びシンクロスプリング71を介した押し付け荷重により所定の摩擦力は維持され、同期状態が保たれる。
【0040】
その後、更にシンクロスリーブ45が右側に移動すると、チャンファC1がチャンファC3に接触する。このとき、突起部66aの軸方向内側の傾斜面β(図2参照)にシンクロスプリング71が接触した状態となっており、アウターシング68及びインナーリング69とシンクロコーン70との間の摩擦力が低下した状態となる。
【0041】
そして、チャンファC3に案内されるようにして、シンクロスリーブ45が4速駆動ギヤ37に対して相対回転し、スプライン歯66がドグ歯37a間に入り込む。このようにして、スプライン歯66がドグ歯37aに噛み合い、4速段が確立される。
【0042】
尚、実施形態の同期噛合装置S1はDCTに用いられるものとして説明したが、これに限らず、他の変速機(例えば、手動変速機)に用いても同様に本発明の作用効果を得ることができる。手動変速機の同期噛合装置として用いる場合には、例えば、同期噛合装置S1を、1速駆動ギヤ(変速ギヤ)とメインシャフト(回転軸)とを連結する状態、2速駆動ギヤ(変速ギヤ)とメインシャフトとを連結する状態、1速駆動ギヤ及び2速駆動ギヤとメインシャフトとの連結を断つ状態の何れかの状態に切換自在に構成することができる。
【0043】
次に、図6を参照して、参考例の同期噛合装置S1を説明する。図6は、参考例の同期噛合装置S1における本発明の実施形態の図5に対応するものであり、アウターリング68の凸部68aの周方向両側面が4速駆動ギヤ37側からシンクロハブ63側に向って周方向外側に傾く傾斜面68d’とされている。
【0044】
又、インナーリング69の切欠部69aの周方向両内側面が4速駆動ギヤ37側からシンクロハブ63側に向って周方向外側に傾く傾斜面69b’とされている。他の構成は、本発明の実施形態の同期噛合装置S1と同一である。
【0045】
参考例の同期噛合装置S1によれば、アウターリング68の凸部68aからインナーリング69の切欠部69aに加わる周方向のトルクが、切欠部69aの傾斜面69b’に沿うようにして、シンクロハブ63側への力に変換される。
【0046】
従って、シンクロスリーブ45がニュートラル位置に存する場合には、アウターリング68がブロッキングリング67とシンクロコーン70との間で発生する比較的小さい摩擦力により、常にアウターリング68がシンクロコーン70から離隔する方向(シンクロハブ73側への方向)の力を受ける。このため、ニュートラル状態におけるブロッキングリング67とシンクロコーン70との間のフリクションを減少させることができる。
【符号の説明】
【0047】
S1…同期噛合装置、2…2点鎖線領域、36…2速駆動ギヤ(変速ギヤ)、36a…ドグ歯、37…4速駆動ギヤ(変速ギヤ)、37a…ドグ歯、37b…凹部、44…フォーク、45…シンクロスリーブ、62…ニードルベアリング、63…シンクロハブ、63a…凹部、64…シンクロハブのスプライン歯、66…シンクロスリーブのスプライン歯、66a…突起部、67…ブロッキングリング、68…アウターリング、68a…凸部、68b…ドグ歯、68c…支持部、68d…傾斜面、69…インナーリング、69a…切欠部、69b…傾斜面、70…シンクロコーン(テーパコーン)、70c…突片部、71…シンクロスプリング、Sc…カウンターシャフト(回転軸)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周にドグ歯を有して回転軸に相対回転自在に軸支された変速ギヤと、
前記回転軸に固定されたシンクロハブと、
該シンクロハブの外周に軸方向に摺動自在にスプライン結合されたシンクロスリーブと、
前記シンクロハブと前記変速ギヤとの間に配置されると共に、前記変速ギヤと相対回転不能に連結されるシンクロコーンと、
該シンクロスリーブの内周面に形成されたスプライン歯に噛合自在なドグ歯を外周面に有すると共に、前記シンクロコーンと摩擦係合可能であり前記シンクロハブと前記変速ギヤとの間に配置されたブロッキングリングとを備え、
前記ブロッキングリングは、前記ドグ歯を有するアウターリングと、該アウターリングの径方向内側に位置するインナーリングとで構成され、
該インナーリングと前記アウターリングとの間に前記シンクロコーンが挟まれ、
前記アウターリングの前記シンクロハブ側の端部には、径方向内方に突出する凸部が設けられ、前記インナーリングの前記シンクロハブ側の端部には、前記凸部を受け入れる切欠部が設けられ、
該切欠部と前記凸部とが嵌合することにより、前記インナーリングと前記アウターリングとが相対回転不能に連結される自動変速機の同期噛合装置において、
前記凸部の周方向側面は、前記変速ギヤ側から前記シンクロハブ側に向って周方向内側に傾く傾斜面とされ、
該凸部の傾斜面に対向する前記切欠部の周方向内側面も前記変速ギヤ側から前記シンクロハブ側に向って周方向内側に傾く傾斜面とされることを特徴とする変速機の同期噛合装置。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−33134(P2011−33134A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180590(P2009−180590)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】