外囲体
【課題】 壁,屋根等の外囲体であって、並設された複数の建築用板の隣接箇所にカバー材を被覆する構成としたものであり、特に隣接する建築用板間におけるカバー材の装着作業を簡単で確実且つ極めて強固に装着すること。
【解決手段】 主板1の幅方向の一方側に被挿入空隙部Sが形成され,他方側に被嵌合部4が形成された建築用板A,A,…が母屋,胴縁等の下地部12上に並設されること。前記建築用板Aの被挿入空隙部Sにカバー材Bの幅方向他方側の挿入部9が挿入されるとともに、前記カバー材Bの一方側に形成された嵌合部8が前記建築用板Aに隣接する次位の建築用板Aの被嵌合部4に嵌合されてなること。
【解決手段】 主板1の幅方向の一方側に被挿入空隙部Sが形成され,他方側に被嵌合部4が形成された建築用板A,A,…が母屋,胴縁等の下地部12上に並設されること。前記建築用板Aの被挿入空隙部Sにカバー材Bの幅方向他方側の挿入部9が挿入されるとともに、前記カバー材Bの一方側に形成された嵌合部8が前記建築用板Aに隣接する次位の建築用板Aの被嵌合部4に嵌合されてなること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並設された複数の建築用板の隣接箇所にカバー材を被覆する構成としたものであって、特に隣接する建築用板間におけるカバー材の装着作業を簡単で確実且つ極めて強固に装着することができる外囲体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の壁,屋根等の外囲体が存在している。この種のものにおいて、多数の建築用板が並設され、その隣接する建築用板の対向する箇所にカバー材を被覆して、建築用板の固定箇所を保護するタイプのものが存在する。その多くのものでは、隣接する建築用板とカバー材とを相互に嵌合させて、装着するタイプである。これは、ビス等の固着具を使用しないで、カバー材を装着することができるので、施工が簡単であり、施工効率が良好で、工期を短くすることができる。
【特許文献1】特開2000−320080
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示されていタイプでは、記載されている符号とともに説明すると、化粧カバーは、幅方向両側に被係止部(14,14) が形成され、該被係止部(14,14) を取付け金具(5) のカバー係止片に係止させて、化粧カバーを装着するものである。ところで、その化粧カバーを装着するのは、カバー材を所定位置の上方より取付け金具(5) に押さえつけるようにして被係止部(14,14) を係止させようとするものである。しかし、その化粧カバーを装着箇所に押さえつける際に、両被係止部(14,14) が充分にカバー係止片(9,9) の位置を越えるとともに拡開するが、その被係止部(14,14) が係止するよりも前に、その被係止部(14,14) の下端が屋根板材表面に当接してしまい、両被係止部(14,14) がより深く下方に移動することができず、カバー係止片(9,9) に確実に係止しないおそれがある。
【0004】
そのために、前記化粧カバーの被係止部(14,14) をカバー係止片(9,9) に係止するために、被係止部(14,14) と屋根板材表面とが当接しない程度に、化粧カバーの押し込みによる充分な余裕を持たせる必要があるが、このようにすると、化粧カバーの装着部分が必要以上にサイズが大きくなってしまう。また、化粧カバーの頂部裏面側と取付け金具(5) との接触が緩いと、被係止部(14,14) とカバー係止片(9,9) との係止状態も緩くなってしまい、化粧カバーにはガタが発生するおそれもある。さらに、屋根板材及び化粧カバーは、熱伸縮によって、形状が変形し、ひいては嵌合装着箇所が外れてしまうおそれも充分にありうる。本発明の目的は、このような化粧カバー等のカバー材の装着を極めて簡単で且つ確実に行なうことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、主板の幅方向の一方側に被挿入空隙部が形成され,他方側に被嵌合部が形成された建築用板が母屋,胴縁等の下地部上に並設され、前記建築用板の被挿入空隙部にカバー材の幅方向他方側の挿入部が挿入されるとともに、前記カバー材の一方側に形成された嵌合部が前記建築用板に隣接する次位の建築用板の被嵌合部に嵌合されてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。
【0006】
次に請求項2の発明は、複数の山形部が並列してなる主板と,該主板の幅方向の一方側より内方に向かって形成された折返し部と,該折返し部とともに被挿入空隙部を形成し,且つ前記主板から外方に突出する第1取付部と,前記主板の幅方向他方側より外方に形成された被嵌合部と,該被嵌合部の外端から形成された第2取付部とからなる建築用板と、山形状のカバー主板部の幅方向一方側から内方に向かって形成された嵌合部と,カバー主板部の幅方向一端側より外方に突出形成された挿入部とからなるカバー材と、母屋,胴縁等の下地部からなり、前記下地部上に前記複数の建築用板が並設され、前記建築用板の被挿入空隙部に、前記カバー材の挿入部が挿入されるとともに、前記建築用板に隣接する次位の建築用板の被嵌合部にカバー材の嵌合部が嵌合されてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。
【0007】
次に、請求項3の発明は、前述の構成において、 前記建築用板の被挿入空隙部に挿入された前記カバー材の挿入部は、前記折返し部と第1取付部に押圧接触されてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。次に、請求項4の発明は、前述の構成において、前記カバー材の挿入部は、略平坦状の挿入板片と、該挿入板片の先端から折返して形成された弾性板片とからなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。さらに、請求項5の発明は、前述の構成において、前記建築用板の主板及びカバー材のカバー主板部は、多数の平坦面が連続して断面略多角形状のアーチとしてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。
【0008】
請求項6の発明は、前述の構成において、前記建築用板の隣接する山形部間には連結底面が形成され、該連結底面は、前記下地部との間に適宜に間隔を有してなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。請求項7の発明は、前述の構成において、前記建築用板の折返し部は主板の外端から内方に向かって主板側に傾斜してなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。請求項8の発明は、前述の構成において、前記被挿入空隙部と挿入部との適正な挿入状態で前記被挿入空隙部の内端と挿入部の先端との間に適宜の隙間が存在するようにしてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。
【0009】
次に、請求項9の発明は、前述の構成において、前記建築用板の幅方向の一方側端部には、前記第1取付部に対して略垂直状の立上り片と該立上り片の頂部から外方に略水平状に形成された水平状頂片とからなる第1終端立上り部が形成され、前記建築用板の幅方向の他方側端部には前記第2取付部に対して略垂直状の立上り片と該立上り片の頂部から内方に略水平状に形成された水平状頂片とからなる第2終端立上り部が形成され、前記第1終端立上り部は前記第2終端立上り部よりも高く形成されてなる外囲体としたことにより上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、カバー材の幅方向の一方側を嵌合部とし、他方側を挿入部としたので、下地部上に並設された建築用板において、隣接の一方の建築用板の被挿入空隙部に前記カバー材の挿入部を挿入することで、カバー材の幅方向一方側の固定ができ、カバー材の幅方向のもう一方側は、前記挿入部側に沿ってカバー材をスライド状に移動させるように押し付けることで、極めて簡易且つ迅速にカバー材の嵌合部を建築用板の被嵌合部に嵌合することができるものである。また、カバー材の幅方向の一方側を嵌合部とし、他方側を挿入部としており、その他方側を建築用板の被挿入空隙部に挿入して他方側を建築用板の被嵌合部に嵌合するものであるから、カバー材の挿入部が弾性体となってスプリングバック特性を有するものとなり、カバー材の嵌合部と建築用板の被嵌合部との嵌合状態を極めて強固にすることができるものである。
【0011】
次に、請求項2の発明によって、建築用板の被挿入空隙部は、主板の幅方向の一方側より内方に向かって形成された折返し部と、前記主板から外方に突出する第1取付部とによって形成されたものであり、前記カバー材の挿入部が前記被挿入空隙部に挿入されることにより、カバー材の幅方向の一方側が容易に固定され、そのカバー材の幅方向の他方側を前記建築用板の被嵌合部に押さえつけるようにするのみで簡単にカバー材を隣接する建築用板間に装着することがでる。
【0012】
このように、カバー材の幅方向両側を隣接する建築用板に対して嵌合構造で固定するものではなく、カバー材の一方が挿入構造で固定され、他方側のみを嵌合構造による固定としているので、嵌合作業における力も少なく、且つカバー材の嵌合時における押圧力も、カバー材の幅方向の一方に集中的にかけることができ、嵌合部の弾性変形を容易にさせ、嵌合作業を容易にすることができるものである。
【0013】
次に、請求項3の発明は、前記カバー材の挿入部は、前記建築用板の被挿入空隙部に対して前記折返し部と第1取付部に押圧接触した状態で挿入するので、この箇所における雨水等の水の浸入を防止することができる。次に、請求項4の発明は、前記カバー材の挿入部は、略平坦状の挿入板片と、該挿入板片の先端から折返して形成された弾性板片とからなるので、挿入部は、建築用板の被挿入空隙部に挿入された状態で、該被挿入空隙部の折返し部と第1取付板との間で前記挿入板片と弾性板片とが適宜の圧力を有して接触することになり、これによって、挿入部は、被挿入空隙部内に強固に固定することができるものである。また、挿入部は挿入板片と弾性板片とから構成され、前記挿入板片と弾性板片とが被挿入空隙部を構成する折返し部及び第1取付部に接触し、これによって、カバー材の挿入部と、建築用板の被挿入空隙部との間における水密性を良好にしている。
【0014】
請求項5の発明によって、前記建築用板の主板及びカバー材のカバー主板部は、多数の平坦面が連続して断面略多角形状のアーチとしているので、主板及びカバー主板部は、その断面係数が増加し、力学的強度が向上し、極めて強固な外囲体を施工することができ、また、多角形状のアーチとしたことにより、多面体となり、特に太陽光の反射等により、その外観が微妙に変化し、優れたデザインにすることができる。次に請求項6の発明によって、主板の山形部間に形成された連結底面は、前記下地部との間に適宜に間隔を有しているので、強風等によって生じる建築用板の振動に対して、下地部と連結底面とが当接しにくい状態となり、衝突音等の騒音を発生することを防止できるものである。
【0015】
請求項7の発明は、前記建築用板の折返し部は主板の外端から内方に向かって主板側に傾斜しているので、被挿入空隙部は、その内部に向かうにしたがい次第に広くなる構造となっている。すなわち、被挿入空隙部に入り口が狭く、内部に向かって広くなっているので、挿入部を被挿入空隙部に挿入し易く、作業を容易にしている。また、被挿入空隙部に挿入された挿入部を主板と折返し部との屈曲箇所で挿入部を強固に押さえつけることができ、挿入部を被挿入空隙部内に強固に固定することができる。請求項8の発明によって、前記建築用板の挿入空隙部に対してカバー材の挿入部が適正な挿入状態からさらに幅方向に移動可能となり、下地部が不陸状態であっても、カバー材は隣接する建築用板間に良好に装着できる。また、建築用板及びカバー材の幅方向における熱伸縮にも良好に対応することができる。
【0016】
次に、請求項9の発明は、前記建築用板を上下方向に施工するときに、上下に隣接する下部の建築用板の第1終端立上り部が上方に隣接する次位の建築用板の第2取付部を支持することができ、施工作業を安全且つ容易にできる。さらに、下地部が不陸面であって、その隣接する建築用板の第1終端立上り部と第2終端部立上り部と段違い面が生じていても、第1終端立上り部が第2終端部立上り部よりも高く形成されているので、前記第2終端部立上り部は段違いを第1終端立上り部内で上下方向に位置を移動でき、隣接する建築用板同士の接合性及び防水性等を良好にでき、不陸面に対して充分且つ良好に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の構成は、図1に示すように、建築用板Aとカバー材Bとから構成される。その建築用板A及びカバー材Bは、金属板材により成形されたものであって、図2に示すように、主に主板1と、被挿入空隙部Sと被嵌合部4とから構成される。その被挿入空隙部Sは、図2(B)において右側に示されており、被嵌合部4は図2(B)において左側に形成されている。また、前記被挿入空隙部Sは、図2(A),(B)に示すように、折返し部2と第1取付部3とから構成される。その主板1は、断面略円弧アーチ形状とした複数の山形部1a,1a,…が並列して形成されたものである。図2(A),(B)の実施形態では、主板1は二つの山形部1a,1aから構成されたものである。
【0018】
また、各山形部1aの形状は、前述したように略円弧アーチ状であるが、必ずしも真円の弧とするものではなく、非真円又は適当な曲線によるアーチ形状でも構わない。前記被挿入空隙部Sは、前記主板1の山形部1aの高さ方向において略最低位置に位置することになる。すなわち、前記折返し部2は、主板1の山形部1aの高さ方向において最低位置に位置するものであり、前記第1取付部3は、前記折返し部2よりもさらに低い位置に設定されるものであり、これによって前記被挿入空隙部Sは、必然的に主板1の最低位置に位置することになるものである。その山形部1aは、図2(A),図4(A),(B)等に示すように、多数の平坦面1a1 ,1a1 ,…が連続して断面略多角形状のアーチとして形成されている。この断面多角アーチ形状とした実施例では、隣接する平坦面1a1 ,1a1 同士は適宜の角度で折れ線形状を構成している。また、その平坦面1a1 は、山形部1aの幅方向寸法に対して狭幅に形成されたものである。
【0019】
その主板1において、並列する複数の山形部1a,1a同士の間には、連結底面1bが形成されている。該連結底面1bは、僅かの幅で且つ平坦状に形成されたものであり、隣接する山形部1a,1aが直接連続するものではなく、連結底面1bを介して連続するようにしたものである。この連結底面1bは、図1(A),図7(A),(B)等に示すように、建築用板Aにて壁,屋根等の外囲体を施工したときに、下地部12から適宜の間隔Tを有するようになっている。このように、前記下地部12との間に適宜に間隔Tを有しているので、強風等によって生じる建築用板Aの振動に対して、図7(B)に示すように、下地部12と連結底面1bとが当接しにくい状態であり、騒音を発生することを防止できるものである。
【0020】
その建築用板Aの幅方向一端側には、図2(A)に示すように、折返し部2が形成される。該折返し部2は、具体的には、建築用板Aの主板1の幅方向一端側から、該主板1の内方側に向かって折り返し形成されたものであり、且つその内端側が前記主板1の形成側に向かって傾斜する傾斜面状に形成されている。その折返し部2の主板1における幅方向の内方側端部から前記主板1の幅方向の外方に突出するようにして第1取付部3が形成される。該第1取付部3は、前記折返し部2に対して、連結屈曲片2aによって連続形成されたものである。
【0021】
そして、前述したように、前記折返し部2と第1取付部3とは、前記連結屈曲片2aによって、適宜に間隔をおいて対向し、前述の被挿入空隙部Sを形成する。その被挿入空隙部Sは、図2(B)に示すように、前記主板1の内方側(奥側),すなわち前記折返し部2の内端側に向かうにしたがい、前記折返し部2と第1取付部3との間隔が次第に大きくなるように構成されている。換言すると、前記被挿入空隙部Sは、その内端部側(主板1側)に向かうに従い、次第にその空間が広くなるように形成されたものである。
【0022】
前記第1取付部3は、前記主板1に形成された前記折返し部2の内端から、主板1の外方に向かって形成されたもので、前記折返し部2と重なる領域と、前記主板1の外方に突出する領域とが存在する。そして、図2(B)に示すように、前記第1取付部3における折返し部2との重なる領域が被挿入支持領域3aと称する。また前記第1取付部3が主板1の外方に突出する領域を突出領域3bと称する。前記被挿入支持領域3a及び突出領域3bともに平坦状である。前記被挿入支持領域3aは、前記折返し部2とともに、被挿入空隙部Sを構成する部分である。
【0023】
また、前記突出領域3bは、前記下地部に固定するためのドリルビス等の固着具11を装着するものであり、第1取付部3を下地部に固定する役目をなすものである。この突出領域3bには、図2(A),(B),(D)に示すように、前記固着具11を正確な位置に装着するための目印部3b1 が形成されている。該目印部3b1 は、建築用板Aの長手方向に沿って、線又は筋形状の溝としてにプレス成形されたものである。図2(D)は、その目印部3b1 の形状を示すものであって、図2(B)のイ部拡大断面図である。
【0024】
その固着具11の先端を目印部3b1 を目指してねじ込むことで、正確な位置決めができ、良好な施工ができる〔図2(B)において固着具11を示す想像線参照〕。また、前記目印部3b1 は、単にケガキ線にて記入されることもある。この目印部3b1 は、必ずしも形成される必要はない。その第1取付部3の外端には、第1終端立上り部5が形成されている〔図2(B)の右端部参照〕。該第1終端立上り部5は、前記第1取付部3の外端から略垂直状に形成された立上り片5aと、該立上り片5aの頂部から建築用板Aの外方に水平状に形成板片として形成された水平状頂片5bとから構成されている。
【0025】
次に、前記主板1の幅方向他方側には、被嵌合部4が形成されている〔図2(B)左側参照〕。該被嵌合部4は、図2(C)に示すように、被嵌合立上り片4aと、被嵌合頂片4bとから構成されている。また、被嵌合部4は、主板1の山形部1aの幅方向端部から直接形成されず、水平状端片1cを介して連続形成されている。該水平状端片1cは、適宜の幅を有しており、前記連結底面1bと同様に外囲体を施工したときに、下地部12から適宜の間隔Tを有するようになっている(図1参照)。そして、その間隔Tによって、建築用板Aが強風等により振動しても水平状端片1c箇所が下地部12に当接することなく、騒音の発生を防止するものである。
【0026】
その被嵌合部4は、図2(B),(C)に示すように、建築用板Aを成形する金属板を略逆U字形状に折り返して、垂直状の立上り部位として被嵌合立上り部4aを形成し、該被嵌合立上り部4aの頂部から主板1側に向かって傾斜状に形成された被嵌合突片4bが形成されている。また被嵌合立上り部4aの下端には、被嵌合底片4cが形成されている。その被嵌合底片4cと主板1との間には被嵌合傾斜片4dが形成されている。該被嵌合傾斜片4dは、前記建築用板Aの端部に形成された水平状端片1cに連続して形成されたものであり、該水平状端片1cの外端から下向き傾斜状となるように形成されている。換言すると、前記被嵌合傾斜片4dは、建築用板Aの外方且つ下向きに形成されたものである。
【0027】
さらに、前記被被嵌合部4の外方、すなわち被嵌合立上り部4aの下端から前記主板1の外方に向かって第2取付部6が形成されている〔図2(A),(B)参照〕。その第2取付部6の外端には、第2終端部立上り部7が形成されている。その第2取付部6は、平坦面の適宜幅の底面部6aを有しており、該底面部6aは、前記第1取付部3の被挿入支持領域3a,突出領域3bと同一面上(略同一面上も含む)に位置する。そして、この第2取付部6の底面部6aにも、図2(B),(D)に示すように、前記固着具11を装着するための目印部6a1 が形成されている。その目印部6a1 は、線状又は筋状の溝としてプレス成形されたものや、単にケガキ線にて記入されたものである。また、この目印部6a1 は、必ずしも形成される必要はない。
【0028】
次に、第2終端部立上り部7は、前記第2取付部6の外端から略垂直状の立上り片7aが形成され、該立上り片7aの頂部から建築用板Aの内方(主板1側)に向かって、水平状頂片7bが形成されたものである。そして、前記第1終端立上り部5は、この第2終端部立上り部7よりも高く形成されている〔図1(B)参照〕。すなわち、第1終端立上り部5の立上り片5aが、第2終端部立上り部7の立上り片7aよりも高く形成されている。そして、隣接する建築用板Aの第1終端立上り部5の立上り片5aと、次位の建築用板Aの第2終端部立上り部7の立上り片7aとを当接すると、第1終端立上り部5の立上り片5aの下方に、第2終端部立上り部7の立上り片7aが位置することになる。このように、建築用板Aに第1終端立上り部5と第2終端部立上り部7は、複数の建築用板A,A,…を下地部12上に配置したときの位置決めの役目をなすものである。
【0029】
また、壁,屋根等の施工において、複数の建築用板A,A,…を上下方向(屋根施工の場合には、傾斜下地部の水上から水下)に配置するときには、その建築用板Aの第1終端立上り部5を上方側とし、第2終端部立上り部7を下方側として下地部12に固着することで、前記第1終端立上り部5は、前記下地部12とによって、樋形又は溝形のポケット形状部が構成される〔図12(A),(C)参照〕。そして、前記建築用板Aの第1終端立上り部5のポケット形状部がその上方に隣接して下地部12に設置しようとする次位の建築用板Aの第2終端部立上り部7を収納支持することによって、その次位の建築用板Aの第1終端立上り部5及び第2終端部立上り部7を下地部12に固着具によって固定する作業を行い易くすることができるものである〔図12(B)参照〕。
【0030】
さらに、前記第1終端立上り部5は前記第2終端立上り部7よりも高く形成することにより、図11(A)に示すように、前述したように下地部12が不陸状態の場合に、その不陸による影響で第2終端部立上り部7の上下に位置が変動しても、第2終端部立上り部7よりも高く形成された第1終端立上り部5がその第2終端部立上り部7の変動に対して充分に対応することができる不陸による不都合を防止できる。
【0031】
すなわち、前記下地部12が不陸面であって、その隣接する建築用板A,Aの第1終端立上り部5と第2終端部立上り部7とが相互に段違いとなっても、前記第1終端立上り部5が第2終端部立上り部7よりも高く形成されたものであるため、前記第2終端部立上り部7は段違いによる段差Hを第1終端立上り部内で上下方向に位置の移動が可能である。そのために、段差Hによる段違いを吸収しつつ前記第1終端立上り部5と第2終端立上り部7との接合状態を良好に維持し、不陸面に充分に対応することができるものである〔図11(A)参照〕。
【0032】
ここで、前述した主板1の山形部1a,1a間に形成されている連結底面1bは、前記第1取付部3と第2取付部6よりも上方側に位置するように形成されている。これによって、前記建築用板Aが前記下地部12上に配置されたときには、連結底面1bは、必然的に下地部12との間に間隔Tとした隙間を生じさせることができ、建築用板Aが強風等により振動しても連結底面1b箇所が下地部12に当接することなく、騒音の発生を防止するものである。また、前記山形部1a,1a,…は、前述したように円弧状に形成されるものとしたが、図10に示すように、山形部1aのその他の形状の実施例として、台形山形状に形成されることもある。
【0033】
本発明では、複数の建築用板A,A,…にて壁を施工する場合において、その建築用板Aの幅方向を横方向にして施工する場合には、複数の建築用板A,A,…を建築物の壁下地部の左端から右端に向かって配置したり、又は右端から左端に向かって配置することが可能であり、いずれの方向からでも施工ができるものである。これは、本発明における外囲体を屋根とした場合でも同様であり、複数の建築用板A,A,…を屋根下地部の左端から右端に向かって配置したり、又は右端から左端に向かって配置することができる。
【0034】
また、複数の建築用板A,A,…を下地部12に並設してから、隣接する建築用板A,A同士にカバー材Bを装着してもよいし、建築用板Aを下地部12上にするごとに、隣接する建築用板A,Aにカバー材Bを装着してゆくこともできる。これは、カバー材Bの幅方向の一方側を嵌合部8とし、他方側を挿入部9としたもので、僅かな寸法誤差又は施工位置の誤差は、建築用板Aの被挿入空隙部Sとカバー材Bの挿入部9との挿入箇所で吸収することができるからである。このように、本発明における建築用板Aは、その施工の方向及び順序が限定されるものではない。
【0035】
次に、カバー材Bは、図3(A),(B)に示すように、カバー主板部10の幅方向一端側より外方に突出形成された嵌合部8と、前記カバー主板部10の幅方向他端側から内方に向かって形成された挿入部9とから構成されている。前記カバー主板部10の形状は、前述の建築用板Aに形成されている山形部1aと同等形状とした山形カバー面10aを有しもので、断面略円弧アーチ形状をなしている。このカバー主板部10の山形カバー面10aには、前述した建築用板Aの山形部1aと同様に、多数の平坦面10a1 ,10a1 ,…が連続して断面略多角形状のアーチが構成される実施例とすることもある〔図4(A),(B)参照〕。また、前記山形カバー面10aは、前述したように円弧状に形成されるものとしたが、図10に示すように、山形カバー面10aのその他の形状の実施例として、台形山形状に形成されることもある。これは、前述したように、建築用板Aの山形部1aを台形山形状としたものに対応させるものである。
【0036】
前記嵌合部8は、図3(A),(B)に示すように、前記カバー主板部10の幅方向一端から内方に向かって僅かな幅の平坦状な面となる嵌合平坦面8aが形成されている。そして、該嵌合平坦面8aから第1嵌合片8bが形成されている。該第1嵌合片8bは、カバー主板部10の反対側(カバー主板部10の幅方向一方側)に向かって突出し、且つカバー主板部10の裏面から離れるようにして傾斜状に形成されている。そして、その第1嵌合片8bの端部から第2嵌合片8cが形成され、該第2嵌合片8cの端部から第3嵌合片8dが形成されている。
【0037】
その第2嵌合片8cは、前記第1嵌合片8bの端部から前記カバー主板部10の裏面側に近づくように屈曲形成されたものである。さらに第2嵌合片8cの先端から前記カバー主板部10の裏面側且つ前記嵌合平坦面8a及びカバー主板部10の裏面側に近づくようにして第3嵌合片8dが傾斜形成されている。その第3嵌合片8dの先端から嵌合端縁8eがカバー主板部10の幅方向端部に向かって傾斜状に形成されている。
【0038】
上記第1嵌合片8b,第2嵌合片8c,第3嵌合片8d及び嵌合端縁8eは、図3(B)に示すように、略四辺形を構成している。前記嵌合部8を構成する嵌合平坦面8a,第1嵌合片8b,第2嵌合片8c,第3嵌合片8d及び嵌合端縁8eは、それぞれの隣り合う屈曲箇所が前記建築用板Aの被嵌合部4に押圧力を有して当接し、強固な嵌合状態にすることができる(図6参照)。また、前記被嵌合部4と前記嵌合部8との嵌合状態において、第1嵌合片8b,第2嵌合片8c,第3嵌合片8dが被嵌合部4とともに複数の当接箇所と空隙室を構成し、これらが相乗的に作用して水密性を有し、雨水の浸入を遮断することができる。
【0039】
前記挿入部9は、図3(B)に示すように、平坦状に形成された挿入板片9aを有している。そして、その挿入板片9aの外端から裏面側又は表面側で主板1側に向かって折り返されるようにして弾性板片9bが形成されている。該弾性板片9bは、挿入部9から拡開するように弾性力が与えられたものである。該挿入部9は、前記建築用板Aの被挿入空隙部Sに挿入される部位である。
【0040】
また、弾性板片9bは、挿入部9が被挿入空隙部Sに挿入された状態で、該被挿入空隙部Sの折返し部2と被挿入支持領域3aとの間で前記挿入板片9aと弾性板片9bとが適宜の押圧力を有して押圧接触するようにしたものである(図5参照)。これによって、挿入部9は、被挿入空隙部S内に強固に固定することができる。また、挿入部9の挿入板片9aと弾性板片9bとが被挿入空隙部Sを構成する折返し部2と第1取付部3とにそれぞれ当接することで、被挿入空隙部Sと挿入部9とが2箇所の当接部分を形成し、さらにその2箇所の当接部分間で空隙室を構成することにより、水密性を有し、雨水の浸入を遮断することができる。
【0041】
また、前記被挿入空隙部Sと、該被挿入空隙部Sに挿入された挿入部9の先端との間には隙間tが存在するようにしている。この隙間tは、被挿入空隙部Sに挿入部9が適正に挿入された状態(適正な挿入状態)で、該挿入部9の幅方向に移動することができるようにしたものである。これによって、カバー材B及び建築用板Aの寸法誤差を吸収することができるし、建築用板A及びカバー材Bのそれぞれの幅方向における熱伸縮に対しても、前記被挿入空隙部Sに対して前記挿入部9が挿入領域にて移動することで、充分に対応することができる〔図11(B)参照〕。さらに、下地部12が不陸状態のときに、建築用板Aとカバー材Bとが、その不陸面にしたがって、略折れ線状態となっても、前述したように、前記挿入部9が被挿入空隙部S内に存在する隙間tの範囲を移動し、建築用板Aとカバー材Bとを不陸面に馴染むように設置することができるものである〔図11(A)参照〕。
【0042】
次に、前記建築用板A及びカバー材Bにて壁、屋根等の外囲体を施工することについて説明する。まず、胴縁,母屋等の下地部12に複数の前記建築用板A,A,…が並列に配置される。そして、各建築用板Aの第1取付部3及び第2取付部6にドリルビス等の固着具11にて、前記建築用板Aが下地部12に固着される〔図9(A)参照〕。このとき、隣接する建築用板A,Aの第1取付部3の第1終端立上り部5と、第2取付部6の第2終端部7とが当接するようにして設置される。次に、カバー材Bの挿入部9が隣接する建築用板A,A間に配置され〔図9(B)参照〕、その隣接する一方の建築用板Aの被挿入空隙部Sにカバー材Bの挿入部9が挿入される〔図9(C)参照〕。そして、次にその被挿入空隙部Sに挿入された挿入部9箇所とともに、前記カバー材Bをスライド状に移動させるようにして他方側の嵌合部8を前記建築用板Aに隣接する次位の建築用板Aの被嵌合部4側に押しつけるようにする。
【0043】
前記カバー材Bは、そのカバー主板部10及び嵌合部8が被嵌合部4に当接するとともに、前記カバー主板部10が押さえつけられることにより、嵌合部8は弾性範囲内で適宜に変形して、被嵌合部4と嵌合部8との嵌合が行われる。具体的には、カバー材Bの嵌合部8が被嵌合部4に向かって押圧されて、その嵌合部8の第2嵌合片8cが被嵌合部4の被嵌合頂片4bの外面側に当接し、嵌合部8が被嵌合部4に嵌合可能な程度に扁平状態に弾性的に変形する。そして、前記被嵌合部4に対して嵌合部8は、嵌りやすい形状となり、前記嵌合部8が被嵌合部4の被嵌合頂片4bの内部にスライドするようにして入り込む〔図9(D)参照〕。
【0044】
その被嵌合部4に入り込んだ嵌合部8は、図6に示すように、弾性復元力によって、形状が復元し、前記第2嵌合片8cの先端が被嵌合立上り片4aに押圧力を有して当接し、第3嵌合片8dが被嵌合頂片4bの裏面に押圧力を有して当接する。さらに、第1嵌合片8bは、被嵌合頂片4bの被嵌合傾斜片4dに当接することによって、嵌合部8は被嵌合部4に抱持状態で嵌合されることになる。そして、嵌合部8の第1嵌合片8bは被嵌合部4の被嵌合傾斜片4dに押さえつけられた状態となり、嵌合部8が被嵌合部4から外れにくい状態を構成することができる。
【0045】
さらに、嵌合部8を被嵌合部4に嵌合する際に、被嵌合傾斜片4dが嵌合部8の第1嵌合片8bを被嵌合部4の内部に送り込むガイドの役目をなすものとなり、嵌合作業を効率の良いものにすることができる。さらに、前記カバー材Bの挿入部9は、建築用板Aの被挿入空隙部Sに挿入して、その挿入部9とともに嵌合部8を被嵌合部4に向かって押さえつけるようにしつつ、スライド状に移動させて被嵌合部4に嵌合することで、前記挿入部9の弾性によるスプリングバック特性により、嵌合部8と被嵌合部4とが相互に押圧力を生じて当接し、より強固なる嵌合状態を発揮するものである(図5,図6参照)。
【0046】
本発明は、このように、カバー材Bの幅方向の一方側を嵌合部8とし、他方側を挿入部9としたので、隣接する建築用板A,Aにカバー材Bを装着するときに、カバー材Bの挿入部9を建築用板Aの被挿入空隙部Sに挿入することで、カバー材Bの幅方向一方側の固定ができる。すなわち、建築用板Aとカバー材Bとからなる壁,屋根等の外囲体として、横張り工法に好適なものである。そして、カバー材Bの幅方向のもう一方側は、前記挿入部9側とともにカバー材Bの嵌合部8をスライド状に移動させて、前記建築用板Aに隣接する次位の建築用板Aの被嵌合部4に押し付けることにより、極めて簡単に嵌合部8を被嵌合部4に嵌合することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(A)は本発明における外囲体の正面略示図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【図2】(A)は建築用板の斜視図、(B)は建築用板の縦断正面図、(C)は被嵌合部の拡大断面図、(D)は(B)のイ部拡大断面である。
【図3】(A)はカバー材の斜視図、(B)はカバー材の縦断正面図である。
【図4】(A)は建築用板の山形部(カバー材の山形カバー面)の要部拡大断面図、(B)は(A)の平坦面の拡大図である。
【図5】被挿入空隙部に挿入部が適正状態で挿入された拡大断面図である。
【図6】被嵌合部に嵌合部が嵌合された状態を示す拡大断面図である。
【図7】(A)は建築用板の連結底面及び水平状端片と下地部との間に適宜の間隔が形成された状態を示す略示図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【図8】(A)は山形部に平坦面が形成されない実施例の建築用板の斜視図、(B)は山形カバー面に平坦面が形成されない実施例のカバー材の斜視図である。
【図9】(A)乃至(D)は隣接する建築用板間にカバー材を装着する工程図である。
【図10】(A)は建築用板の山形部及びカバー材の山形カバー面を台形状とした外囲体の正面略示図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【図11】(A)は建築用板とカバー材とが下地部が不陸状態に対応する状態を示す要部拡大断面図、(B)は被挿入空隙部に挿入した挿入部が熱伸縮に対応する状態を示す作用図である。
【図12】(A)は建築用板を上下方向に施工する工程を示す略示図、(B)は下地部に固着した建築用板の第1終端立上り部箇所で次位の建築用板を支持している工程を示す略示図、(C)は下地部と建築用板の第1終端立上り部によってポケット状の溝が形成された状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0048】
A…建築用板、B…カバー材、S…被挿入空隙部、1…主板、1a…山形部、
2…折返し部、3…第1取付部、4…被嵌合部、5…第1終端立上り部、
5a…立上り片、5b…水平状頂片、6…第2取付部、7…第2終端立上り部、
7a…立上り片、7b…水平状頂片、8…嵌合部、9…挿入部、9a…挿入板片、
9b…弾性板片、10…カバー主板部、12…下地部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、並設された複数の建築用板の隣接箇所にカバー材を被覆する構成としたものであって、特に隣接する建築用板間におけるカバー材の装着作業を簡単で確実且つ極めて強固に装着することができる外囲体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の壁,屋根等の外囲体が存在している。この種のものにおいて、多数の建築用板が並設され、その隣接する建築用板の対向する箇所にカバー材を被覆して、建築用板の固定箇所を保護するタイプのものが存在する。その多くのものでは、隣接する建築用板とカバー材とを相互に嵌合させて、装着するタイプである。これは、ビス等の固着具を使用しないで、カバー材を装着することができるので、施工が簡単であり、施工効率が良好で、工期を短くすることができる。
【特許文献1】特開2000−320080
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示されていタイプでは、記載されている符号とともに説明すると、化粧カバーは、幅方向両側に被係止部(14,14) が形成され、該被係止部(14,14) を取付け金具(5) のカバー係止片に係止させて、化粧カバーを装着するものである。ところで、その化粧カバーを装着するのは、カバー材を所定位置の上方より取付け金具(5) に押さえつけるようにして被係止部(14,14) を係止させようとするものである。しかし、その化粧カバーを装着箇所に押さえつける際に、両被係止部(14,14) が充分にカバー係止片(9,9) の位置を越えるとともに拡開するが、その被係止部(14,14) が係止するよりも前に、その被係止部(14,14) の下端が屋根板材表面に当接してしまい、両被係止部(14,14) がより深く下方に移動することができず、カバー係止片(9,9) に確実に係止しないおそれがある。
【0004】
そのために、前記化粧カバーの被係止部(14,14) をカバー係止片(9,9) に係止するために、被係止部(14,14) と屋根板材表面とが当接しない程度に、化粧カバーの押し込みによる充分な余裕を持たせる必要があるが、このようにすると、化粧カバーの装着部分が必要以上にサイズが大きくなってしまう。また、化粧カバーの頂部裏面側と取付け金具(5) との接触が緩いと、被係止部(14,14) とカバー係止片(9,9) との係止状態も緩くなってしまい、化粧カバーにはガタが発生するおそれもある。さらに、屋根板材及び化粧カバーは、熱伸縮によって、形状が変形し、ひいては嵌合装着箇所が外れてしまうおそれも充分にありうる。本発明の目的は、このような化粧カバー等のカバー材の装着を極めて簡単で且つ確実に行なうことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、主板の幅方向の一方側に被挿入空隙部が形成され,他方側に被嵌合部が形成された建築用板が母屋,胴縁等の下地部上に並設され、前記建築用板の被挿入空隙部にカバー材の幅方向他方側の挿入部が挿入されるとともに、前記カバー材の一方側に形成された嵌合部が前記建築用板に隣接する次位の建築用板の被嵌合部に嵌合されてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。
【0006】
次に請求項2の発明は、複数の山形部が並列してなる主板と,該主板の幅方向の一方側より内方に向かって形成された折返し部と,該折返し部とともに被挿入空隙部を形成し,且つ前記主板から外方に突出する第1取付部と,前記主板の幅方向他方側より外方に形成された被嵌合部と,該被嵌合部の外端から形成された第2取付部とからなる建築用板と、山形状のカバー主板部の幅方向一方側から内方に向かって形成された嵌合部と,カバー主板部の幅方向一端側より外方に突出形成された挿入部とからなるカバー材と、母屋,胴縁等の下地部からなり、前記下地部上に前記複数の建築用板が並設され、前記建築用板の被挿入空隙部に、前記カバー材の挿入部が挿入されるとともに、前記建築用板に隣接する次位の建築用板の被嵌合部にカバー材の嵌合部が嵌合されてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。
【0007】
次に、請求項3の発明は、前述の構成において、 前記建築用板の被挿入空隙部に挿入された前記カバー材の挿入部は、前記折返し部と第1取付部に押圧接触されてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。次に、請求項4の発明は、前述の構成において、前記カバー材の挿入部は、略平坦状の挿入板片と、該挿入板片の先端から折返して形成された弾性板片とからなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。さらに、請求項5の発明は、前述の構成において、前記建築用板の主板及びカバー材のカバー主板部は、多数の平坦面が連続して断面略多角形状のアーチとしてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。
【0008】
請求項6の発明は、前述の構成において、前記建築用板の隣接する山形部間には連結底面が形成され、該連結底面は、前記下地部との間に適宜に間隔を有してなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。請求項7の発明は、前述の構成において、前記建築用板の折返し部は主板の外端から内方に向かって主板側に傾斜してなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。請求項8の発明は、前述の構成において、前記被挿入空隙部と挿入部との適正な挿入状態で前記被挿入空隙部の内端と挿入部の先端との間に適宜の隙間が存在するようにしてなる外囲体としたことにより、上記課題を解決したものである。
【0009】
次に、請求項9の発明は、前述の構成において、前記建築用板の幅方向の一方側端部には、前記第1取付部に対して略垂直状の立上り片と該立上り片の頂部から外方に略水平状に形成された水平状頂片とからなる第1終端立上り部が形成され、前記建築用板の幅方向の他方側端部には前記第2取付部に対して略垂直状の立上り片と該立上り片の頂部から内方に略水平状に形成された水平状頂片とからなる第2終端立上り部が形成され、前記第1終端立上り部は前記第2終端立上り部よりも高く形成されてなる外囲体としたことにより上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、カバー材の幅方向の一方側を嵌合部とし、他方側を挿入部としたので、下地部上に並設された建築用板において、隣接の一方の建築用板の被挿入空隙部に前記カバー材の挿入部を挿入することで、カバー材の幅方向一方側の固定ができ、カバー材の幅方向のもう一方側は、前記挿入部側に沿ってカバー材をスライド状に移動させるように押し付けることで、極めて簡易且つ迅速にカバー材の嵌合部を建築用板の被嵌合部に嵌合することができるものである。また、カバー材の幅方向の一方側を嵌合部とし、他方側を挿入部としており、その他方側を建築用板の被挿入空隙部に挿入して他方側を建築用板の被嵌合部に嵌合するものであるから、カバー材の挿入部が弾性体となってスプリングバック特性を有するものとなり、カバー材の嵌合部と建築用板の被嵌合部との嵌合状態を極めて強固にすることができるものである。
【0011】
次に、請求項2の発明によって、建築用板の被挿入空隙部は、主板の幅方向の一方側より内方に向かって形成された折返し部と、前記主板から外方に突出する第1取付部とによって形成されたものであり、前記カバー材の挿入部が前記被挿入空隙部に挿入されることにより、カバー材の幅方向の一方側が容易に固定され、そのカバー材の幅方向の他方側を前記建築用板の被嵌合部に押さえつけるようにするのみで簡単にカバー材を隣接する建築用板間に装着することがでる。
【0012】
このように、カバー材の幅方向両側を隣接する建築用板に対して嵌合構造で固定するものではなく、カバー材の一方が挿入構造で固定され、他方側のみを嵌合構造による固定としているので、嵌合作業における力も少なく、且つカバー材の嵌合時における押圧力も、カバー材の幅方向の一方に集中的にかけることができ、嵌合部の弾性変形を容易にさせ、嵌合作業を容易にすることができるものである。
【0013】
次に、請求項3の発明は、前記カバー材の挿入部は、前記建築用板の被挿入空隙部に対して前記折返し部と第1取付部に押圧接触した状態で挿入するので、この箇所における雨水等の水の浸入を防止することができる。次に、請求項4の発明は、前記カバー材の挿入部は、略平坦状の挿入板片と、該挿入板片の先端から折返して形成された弾性板片とからなるので、挿入部は、建築用板の被挿入空隙部に挿入された状態で、該被挿入空隙部の折返し部と第1取付板との間で前記挿入板片と弾性板片とが適宜の圧力を有して接触することになり、これによって、挿入部は、被挿入空隙部内に強固に固定することができるものである。また、挿入部は挿入板片と弾性板片とから構成され、前記挿入板片と弾性板片とが被挿入空隙部を構成する折返し部及び第1取付部に接触し、これによって、カバー材の挿入部と、建築用板の被挿入空隙部との間における水密性を良好にしている。
【0014】
請求項5の発明によって、前記建築用板の主板及びカバー材のカバー主板部は、多数の平坦面が連続して断面略多角形状のアーチとしているので、主板及びカバー主板部は、その断面係数が増加し、力学的強度が向上し、極めて強固な外囲体を施工することができ、また、多角形状のアーチとしたことにより、多面体となり、特に太陽光の反射等により、その外観が微妙に変化し、優れたデザインにすることができる。次に請求項6の発明によって、主板の山形部間に形成された連結底面は、前記下地部との間に適宜に間隔を有しているので、強風等によって生じる建築用板の振動に対して、下地部と連結底面とが当接しにくい状態となり、衝突音等の騒音を発生することを防止できるものである。
【0015】
請求項7の発明は、前記建築用板の折返し部は主板の外端から内方に向かって主板側に傾斜しているので、被挿入空隙部は、その内部に向かうにしたがい次第に広くなる構造となっている。すなわち、被挿入空隙部に入り口が狭く、内部に向かって広くなっているので、挿入部を被挿入空隙部に挿入し易く、作業を容易にしている。また、被挿入空隙部に挿入された挿入部を主板と折返し部との屈曲箇所で挿入部を強固に押さえつけることができ、挿入部を被挿入空隙部内に強固に固定することができる。請求項8の発明によって、前記建築用板の挿入空隙部に対してカバー材の挿入部が適正な挿入状態からさらに幅方向に移動可能となり、下地部が不陸状態であっても、カバー材は隣接する建築用板間に良好に装着できる。また、建築用板及びカバー材の幅方向における熱伸縮にも良好に対応することができる。
【0016】
次に、請求項9の発明は、前記建築用板を上下方向に施工するときに、上下に隣接する下部の建築用板の第1終端立上り部が上方に隣接する次位の建築用板の第2取付部を支持することができ、施工作業を安全且つ容易にできる。さらに、下地部が不陸面であって、その隣接する建築用板の第1終端立上り部と第2終端部立上り部と段違い面が生じていても、第1終端立上り部が第2終端部立上り部よりも高く形成されているので、前記第2終端部立上り部は段違いを第1終端立上り部内で上下方向に位置を移動でき、隣接する建築用板同士の接合性及び防水性等を良好にでき、不陸面に対して充分且つ良好に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の構成は、図1に示すように、建築用板Aとカバー材Bとから構成される。その建築用板A及びカバー材Bは、金属板材により成形されたものであって、図2に示すように、主に主板1と、被挿入空隙部Sと被嵌合部4とから構成される。その被挿入空隙部Sは、図2(B)において右側に示されており、被嵌合部4は図2(B)において左側に形成されている。また、前記被挿入空隙部Sは、図2(A),(B)に示すように、折返し部2と第1取付部3とから構成される。その主板1は、断面略円弧アーチ形状とした複数の山形部1a,1a,…が並列して形成されたものである。図2(A),(B)の実施形態では、主板1は二つの山形部1a,1aから構成されたものである。
【0018】
また、各山形部1aの形状は、前述したように略円弧アーチ状であるが、必ずしも真円の弧とするものではなく、非真円又は適当な曲線によるアーチ形状でも構わない。前記被挿入空隙部Sは、前記主板1の山形部1aの高さ方向において略最低位置に位置することになる。すなわち、前記折返し部2は、主板1の山形部1aの高さ方向において最低位置に位置するものであり、前記第1取付部3は、前記折返し部2よりもさらに低い位置に設定されるものであり、これによって前記被挿入空隙部Sは、必然的に主板1の最低位置に位置することになるものである。その山形部1aは、図2(A),図4(A),(B)等に示すように、多数の平坦面1a1 ,1a1 ,…が連続して断面略多角形状のアーチとして形成されている。この断面多角アーチ形状とした実施例では、隣接する平坦面1a1 ,1a1 同士は適宜の角度で折れ線形状を構成している。また、その平坦面1a1 は、山形部1aの幅方向寸法に対して狭幅に形成されたものである。
【0019】
その主板1において、並列する複数の山形部1a,1a同士の間には、連結底面1bが形成されている。該連結底面1bは、僅かの幅で且つ平坦状に形成されたものであり、隣接する山形部1a,1aが直接連続するものではなく、連結底面1bを介して連続するようにしたものである。この連結底面1bは、図1(A),図7(A),(B)等に示すように、建築用板Aにて壁,屋根等の外囲体を施工したときに、下地部12から適宜の間隔Tを有するようになっている。このように、前記下地部12との間に適宜に間隔Tを有しているので、強風等によって生じる建築用板Aの振動に対して、図7(B)に示すように、下地部12と連結底面1bとが当接しにくい状態であり、騒音を発生することを防止できるものである。
【0020】
その建築用板Aの幅方向一端側には、図2(A)に示すように、折返し部2が形成される。該折返し部2は、具体的には、建築用板Aの主板1の幅方向一端側から、該主板1の内方側に向かって折り返し形成されたものであり、且つその内端側が前記主板1の形成側に向かって傾斜する傾斜面状に形成されている。その折返し部2の主板1における幅方向の内方側端部から前記主板1の幅方向の外方に突出するようにして第1取付部3が形成される。該第1取付部3は、前記折返し部2に対して、連結屈曲片2aによって連続形成されたものである。
【0021】
そして、前述したように、前記折返し部2と第1取付部3とは、前記連結屈曲片2aによって、適宜に間隔をおいて対向し、前述の被挿入空隙部Sを形成する。その被挿入空隙部Sは、図2(B)に示すように、前記主板1の内方側(奥側),すなわち前記折返し部2の内端側に向かうにしたがい、前記折返し部2と第1取付部3との間隔が次第に大きくなるように構成されている。換言すると、前記被挿入空隙部Sは、その内端部側(主板1側)に向かうに従い、次第にその空間が広くなるように形成されたものである。
【0022】
前記第1取付部3は、前記主板1に形成された前記折返し部2の内端から、主板1の外方に向かって形成されたもので、前記折返し部2と重なる領域と、前記主板1の外方に突出する領域とが存在する。そして、図2(B)に示すように、前記第1取付部3における折返し部2との重なる領域が被挿入支持領域3aと称する。また前記第1取付部3が主板1の外方に突出する領域を突出領域3bと称する。前記被挿入支持領域3a及び突出領域3bともに平坦状である。前記被挿入支持領域3aは、前記折返し部2とともに、被挿入空隙部Sを構成する部分である。
【0023】
また、前記突出領域3bは、前記下地部に固定するためのドリルビス等の固着具11を装着するものであり、第1取付部3を下地部に固定する役目をなすものである。この突出領域3bには、図2(A),(B),(D)に示すように、前記固着具11を正確な位置に装着するための目印部3b1 が形成されている。該目印部3b1 は、建築用板Aの長手方向に沿って、線又は筋形状の溝としてにプレス成形されたものである。図2(D)は、その目印部3b1 の形状を示すものであって、図2(B)のイ部拡大断面図である。
【0024】
その固着具11の先端を目印部3b1 を目指してねじ込むことで、正確な位置決めができ、良好な施工ができる〔図2(B)において固着具11を示す想像線参照〕。また、前記目印部3b1 は、単にケガキ線にて記入されることもある。この目印部3b1 は、必ずしも形成される必要はない。その第1取付部3の外端には、第1終端立上り部5が形成されている〔図2(B)の右端部参照〕。該第1終端立上り部5は、前記第1取付部3の外端から略垂直状に形成された立上り片5aと、該立上り片5aの頂部から建築用板Aの外方に水平状に形成板片として形成された水平状頂片5bとから構成されている。
【0025】
次に、前記主板1の幅方向他方側には、被嵌合部4が形成されている〔図2(B)左側参照〕。該被嵌合部4は、図2(C)に示すように、被嵌合立上り片4aと、被嵌合頂片4bとから構成されている。また、被嵌合部4は、主板1の山形部1aの幅方向端部から直接形成されず、水平状端片1cを介して連続形成されている。該水平状端片1cは、適宜の幅を有しており、前記連結底面1bと同様に外囲体を施工したときに、下地部12から適宜の間隔Tを有するようになっている(図1参照)。そして、その間隔Tによって、建築用板Aが強風等により振動しても水平状端片1c箇所が下地部12に当接することなく、騒音の発生を防止するものである。
【0026】
その被嵌合部4は、図2(B),(C)に示すように、建築用板Aを成形する金属板を略逆U字形状に折り返して、垂直状の立上り部位として被嵌合立上り部4aを形成し、該被嵌合立上り部4aの頂部から主板1側に向かって傾斜状に形成された被嵌合突片4bが形成されている。また被嵌合立上り部4aの下端には、被嵌合底片4cが形成されている。その被嵌合底片4cと主板1との間には被嵌合傾斜片4dが形成されている。該被嵌合傾斜片4dは、前記建築用板Aの端部に形成された水平状端片1cに連続して形成されたものであり、該水平状端片1cの外端から下向き傾斜状となるように形成されている。換言すると、前記被嵌合傾斜片4dは、建築用板Aの外方且つ下向きに形成されたものである。
【0027】
さらに、前記被被嵌合部4の外方、すなわち被嵌合立上り部4aの下端から前記主板1の外方に向かって第2取付部6が形成されている〔図2(A),(B)参照〕。その第2取付部6の外端には、第2終端部立上り部7が形成されている。その第2取付部6は、平坦面の適宜幅の底面部6aを有しており、該底面部6aは、前記第1取付部3の被挿入支持領域3a,突出領域3bと同一面上(略同一面上も含む)に位置する。そして、この第2取付部6の底面部6aにも、図2(B),(D)に示すように、前記固着具11を装着するための目印部6a1 が形成されている。その目印部6a1 は、線状又は筋状の溝としてプレス成形されたものや、単にケガキ線にて記入されたものである。また、この目印部6a1 は、必ずしも形成される必要はない。
【0028】
次に、第2終端部立上り部7は、前記第2取付部6の外端から略垂直状の立上り片7aが形成され、該立上り片7aの頂部から建築用板Aの内方(主板1側)に向かって、水平状頂片7bが形成されたものである。そして、前記第1終端立上り部5は、この第2終端部立上り部7よりも高く形成されている〔図1(B)参照〕。すなわち、第1終端立上り部5の立上り片5aが、第2終端部立上り部7の立上り片7aよりも高く形成されている。そして、隣接する建築用板Aの第1終端立上り部5の立上り片5aと、次位の建築用板Aの第2終端部立上り部7の立上り片7aとを当接すると、第1終端立上り部5の立上り片5aの下方に、第2終端部立上り部7の立上り片7aが位置することになる。このように、建築用板Aに第1終端立上り部5と第2終端部立上り部7は、複数の建築用板A,A,…を下地部12上に配置したときの位置決めの役目をなすものである。
【0029】
また、壁,屋根等の施工において、複数の建築用板A,A,…を上下方向(屋根施工の場合には、傾斜下地部の水上から水下)に配置するときには、その建築用板Aの第1終端立上り部5を上方側とし、第2終端部立上り部7を下方側として下地部12に固着することで、前記第1終端立上り部5は、前記下地部12とによって、樋形又は溝形のポケット形状部が構成される〔図12(A),(C)参照〕。そして、前記建築用板Aの第1終端立上り部5のポケット形状部がその上方に隣接して下地部12に設置しようとする次位の建築用板Aの第2終端部立上り部7を収納支持することによって、その次位の建築用板Aの第1終端立上り部5及び第2終端部立上り部7を下地部12に固着具によって固定する作業を行い易くすることができるものである〔図12(B)参照〕。
【0030】
さらに、前記第1終端立上り部5は前記第2終端立上り部7よりも高く形成することにより、図11(A)に示すように、前述したように下地部12が不陸状態の場合に、その不陸による影響で第2終端部立上り部7の上下に位置が変動しても、第2終端部立上り部7よりも高く形成された第1終端立上り部5がその第2終端部立上り部7の変動に対して充分に対応することができる不陸による不都合を防止できる。
【0031】
すなわち、前記下地部12が不陸面であって、その隣接する建築用板A,Aの第1終端立上り部5と第2終端部立上り部7とが相互に段違いとなっても、前記第1終端立上り部5が第2終端部立上り部7よりも高く形成されたものであるため、前記第2終端部立上り部7は段違いによる段差Hを第1終端立上り部内で上下方向に位置の移動が可能である。そのために、段差Hによる段違いを吸収しつつ前記第1終端立上り部5と第2終端立上り部7との接合状態を良好に維持し、不陸面に充分に対応することができるものである〔図11(A)参照〕。
【0032】
ここで、前述した主板1の山形部1a,1a間に形成されている連結底面1bは、前記第1取付部3と第2取付部6よりも上方側に位置するように形成されている。これによって、前記建築用板Aが前記下地部12上に配置されたときには、連結底面1bは、必然的に下地部12との間に間隔Tとした隙間を生じさせることができ、建築用板Aが強風等により振動しても連結底面1b箇所が下地部12に当接することなく、騒音の発生を防止するものである。また、前記山形部1a,1a,…は、前述したように円弧状に形成されるものとしたが、図10に示すように、山形部1aのその他の形状の実施例として、台形山形状に形成されることもある。
【0033】
本発明では、複数の建築用板A,A,…にて壁を施工する場合において、その建築用板Aの幅方向を横方向にして施工する場合には、複数の建築用板A,A,…を建築物の壁下地部の左端から右端に向かって配置したり、又は右端から左端に向かって配置することが可能であり、いずれの方向からでも施工ができるものである。これは、本発明における外囲体を屋根とした場合でも同様であり、複数の建築用板A,A,…を屋根下地部の左端から右端に向かって配置したり、又は右端から左端に向かって配置することができる。
【0034】
また、複数の建築用板A,A,…を下地部12に並設してから、隣接する建築用板A,A同士にカバー材Bを装着してもよいし、建築用板Aを下地部12上にするごとに、隣接する建築用板A,Aにカバー材Bを装着してゆくこともできる。これは、カバー材Bの幅方向の一方側を嵌合部8とし、他方側を挿入部9としたもので、僅かな寸法誤差又は施工位置の誤差は、建築用板Aの被挿入空隙部Sとカバー材Bの挿入部9との挿入箇所で吸収することができるからである。このように、本発明における建築用板Aは、その施工の方向及び順序が限定されるものではない。
【0035】
次に、カバー材Bは、図3(A),(B)に示すように、カバー主板部10の幅方向一端側より外方に突出形成された嵌合部8と、前記カバー主板部10の幅方向他端側から内方に向かって形成された挿入部9とから構成されている。前記カバー主板部10の形状は、前述の建築用板Aに形成されている山形部1aと同等形状とした山形カバー面10aを有しもので、断面略円弧アーチ形状をなしている。このカバー主板部10の山形カバー面10aには、前述した建築用板Aの山形部1aと同様に、多数の平坦面10a1 ,10a1 ,…が連続して断面略多角形状のアーチが構成される実施例とすることもある〔図4(A),(B)参照〕。また、前記山形カバー面10aは、前述したように円弧状に形成されるものとしたが、図10に示すように、山形カバー面10aのその他の形状の実施例として、台形山形状に形成されることもある。これは、前述したように、建築用板Aの山形部1aを台形山形状としたものに対応させるものである。
【0036】
前記嵌合部8は、図3(A),(B)に示すように、前記カバー主板部10の幅方向一端から内方に向かって僅かな幅の平坦状な面となる嵌合平坦面8aが形成されている。そして、該嵌合平坦面8aから第1嵌合片8bが形成されている。該第1嵌合片8bは、カバー主板部10の反対側(カバー主板部10の幅方向一方側)に向かって突出し、且つカバー主板部10の裏面から離れるようにして傾斜状に形成されている。そして、その第1嵌合片8bの端部から第2嵌合片8cが形成され、該第2嵌合片8cの端部から第3嵌合片8dが形成されている。
【0037】
その第2嵌合片8cは、前記第1嵌合片8bの端部から前記カバー主板部10の裏面側に近づくように屈曲形成されたものである。さらに第2嵌合片8cの先端から前記カバー主板部10の裏面側且つ前記嵌合平坦面8a及びカバー主板部10の裏面側に近づくようにして第3嵌合片8dが傾斜形成されている。その第3嵌合片8dの先端から嵌合端縁8eがカバー主板部10の幅方向端部に向かって傾斜状に形成されている。
【0038】
上記第1嵌合片8b,第2嵌合片8c,第3嵌合片8d及び嵌合端縁8eは、図3(B)に示すように、略四辺形を構成している。前記嵌合部8を構成する嵌合平坦面8a,第1嵌合片8b,第2嵌合片8c,第3嵌合片8d及び嵌合端縁8eは、それぞれの隣り合う屈曲箇所が前記建築用板Aの被嵌合部4に押圧力を有して当接し、強固な嵌合状態にすることができる(図6参照)。また、前記被嵌合部4と前記嵌合部8との嵌合状態において、第1嵌合片8b,第2嵌合片8c,第3嵌合片8dが被嵌合部4とともに複数の当接箇所と空隙室を構成し、これらが相乗的に作用して水密性を有し、雨水の浸入を遮断することができる。
【0039】
前記挿入部9は、図3(B)に示すように、平坦状に形成された挿入板片9aを有している。そして、その挿入板片9aの外端から裏面側又は表面側で主板1側に向かって折り返されるようにして弾性板片9bが形成されている。該弾性板片9bは、挿入部9から拡開するように弾性力が与えられたものである。該挿入部9は、前記建築用板Aの被挿入空隙部Sに挿入される部位である。
【0040】
また、弾性板片9bは、挿入部9が被挿入空隙部Sに挿入された状態で、該被挿入空隙部Sの折返し部2と被挿入支持領域3aとの間で前記挿入板片9aと弾性板片9bとが適宜の押圧力を有して押圧接触するようにしたものである(図5参照)。これによって、挿入部9は、被挿入空隙部S内に強固に固定することができる。また、挿入部9の挿入板片9aと弾性板片9bとが被挿入空隙部Sを構成する折返し部2と第1取付部3とにそれぞれ当接することで、被挿入空隙部Sと挿入部9とが2箇所の当接部分を形成し、さらにその2箇所の当接部分間で空隙室を構成することにより、水密性を有し、雨水の浸入を遮断することができる。
【0041】
また、前記被挿入空隙部Sと、該被挿入空隙部Sに挿入された挿入部9の先端との間には隙間tが存在するようにしている。この隙間tは、被挿入空隙部Sに挿入部9が適正に挿入された状態(適正な挿入状態)で、該挿入部9の幅方向に移動することができるようにしたものである。これによって、カバー材B及び建築用板Aの寸法誤差を吸収することができるし、建築用板A及びカバー材Bのそれぞれの幅方向における熱伸縮に対しても、前記被挿入空隙部Sに対して前記挿入部9が挿入領域にて移動することで、充分に対応することができる〔図11(B)参照〕。さらに、下地部12が不陸状態のときに、建築用板Aとカバー材Bとが、その不陸面にしたがって、略折れ線状態となっても、前述したように、前記挿入部9が被挿入空隙部S内に存在する隙間tの範囲を移動し、建築用板Aとカバー材Bとを不陸面に馴染むように設置することができるものである〔図11(A)参照〕。
【0042】
次に、前記建築用板A及びカバー材Bにて壁、屋根等の外囲体を施工することについて説明する。まず、胴縁,母屋等の下地部12に複数の前記建築用板A,A,…が並列に配置される。そして、各建築用板Aの第1取付部3及び第2取付部6にドリルビス等の固着具11にて、前記建築用板Aが下地部12に固着される〔図9(A)参照〕。このとき、隣接する建築用板A,Aの第1取付部3の第1終端立上り部5と、第2取付部6の第2終端部7とが当接するようにして設置される。次に、カバー材Bの挿入部9が隣接する建築用板A,A間に配置され〔図9(B)参照〕、その隣接する一方の建築用板Aの被挿入空隙部Sにカバー材Bの挿入部9が挿入される〔図9(C)参照〕。そして、次にその被挿入空隙部Sに挿入された挿入部9箇所とともに、前記カバー材Bをスライド状に移動させるようにして他方側の嵌合部8を前記建築用板Aに隣接する次位の建築用板Aの被嵌合部4側に押しつけるようにする。
【0043】
前記カバー材Bは、そのカバー主板部10及び嵌合部8が被嵌合部4に当接するとともに、前記カバー主板部10が押さえつけられることにより、嵌合部8は弾性範囲内で適宜に変形して、被嵌合部4と嵌合部8との嵌合が行われる。具体的には、カバー材Bの嵌合部8が被嵌合部4に向かって押圧されて、その嵌合部8の第2嵌合片8cが被嵌合部4の被嵌合頂片4bの外面側に当接し、嵌合部8が被嵌合部4に嵌合可能な程度に扁平状態に弾性的に変形する。そして、前記被嵌合部4に対して嵌合部8は、嵌りやすい形状となり、前記嵌合部8が被嵌合部4の被嵌合頂片4bの内部にスライドするようにして入り込む〔図9(D)参照〕。
【0044】
その被嵌合部4に入り込んだ嵌合部8は、図6に示すように、弾性復元力によって、形状が復元し、前記第2嵌合片8cの先端が被嵌合立上り片4aに押圧力を有して当接し、第3嵌合片8dが被嵌合頂片4bの裏面に押圧力を有して当接する。さらに、第1嵌合片8bは、被嵌合頂片4bの被嵌合傾斜片4dに当接することによって、嵌合部8は被嵌合部4に抱持状態で嵌合されることになる。そして、嵌合部8の第1嵌合片8bは被嵌合部4の被嵌合傾斜片4dに押さえつけられた状態となり、嵌合部8が被嵌合部4から外れにくい状態を構成することができる。
【0045】
さらに、嵌合部8を被嵌合部4に嵌合する際に、被嵌合傾斜片4dが嵌合部8の第1嵌合片8bを被嵌合部4の内部に送り込むガイドの役目をなすものとなり、嵌合作業を効率の良いものにすることができる。さらに、前記カバー材Bの挿入部9は、建築用板Aの被挿入空隙部Sに挿入して、その挿入部9とともに嵌合部8を被嵌合部4に向かって押さえつけるようにしつつ、スライド状に移動させて被嵌合部4に嵌合することで、前記挿入部9の弾性によるスプリングバック特性により、嵌合部8と被嵌合部4とが相互に押圧力を生じて当接し、より強固なる嵌合状態を発揮するものである(図5,図6参照)。
【0046】
本発明は、このように、カバー材Bの幅方向の一方側を嵌合部8とし、他方側を挿入部9としたので、隣接する建築用板A,Aにカバー材Bを装着するときに、カバー材Bの挿入部9を建築用板Aの被挿入空隙部Sに挿入することで、カバー材Bの幅方向一方側の固定ができる。すなわち、建築用板Aとカバー材Bとからなる壁,屋根等の外囲体として、横張り工法に好適なものである。そして、カバー材Bの幅方向のもう一方側は、前記挿入部9側とともにカバー材Bの嵌合部8をスライド状に移動させて、前記建築用板Aに隣接する次位の建築用板Aの被嵌合部4に押し付けることにより、極めて簡単に嵌合部8を被嵌合部4に嵌合することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(A)は本発明における外囲体の正面略示図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【図2】(A)は建築用板の斜視図、(B)は建築用板の縦断正面図、(C)は被嵌合部の拡大断面図、(D)は(B)のイ部拡大断面である。
【図3】(A)はカバー材の斜視図、(B)はカバー材の縦断正面図である。
【図4】(A)は建築用板の山形部(カバー材の山形カバー面)の要部拡大断面図、(B)は(A)の平坦面の拡大図である。
【図5】被挿入空隙部に挿入部が適正状態で挿入された拡大断面図である。
【図6】被嵌合部に嵌合部が嵌合された状態を示す拡大断面図である。
【図7】(A)は建築用板の連結底面及び水平状端片と下地部との間に適宜の間隔が形成された状態を示す略示図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【図8】(A)は山形部に平坦面が形成されない実施例の建築用板の斜視図、(B)は山形カバー面に平坦面が形成されない実施例のカバー材の斜視図である。
【図9】(A)乃至(D)は隣接する建築用板間にカバー材を装着する工程図である。
【図10】(A)は建築用板の山形部及びカバー材の山形カバー面を台形状とした外囲体の正面略示図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【図11】(A)は建築用板とカバー材とが下地部が不陸状態に対応する状態を示す要部拡大断面図、(B)は被挿入空隙部に挿入した挿入部が熱伸縮に対応する状態を示す作用図である。
【図12】(A)は建築用板を上下方向に施工する工程を示す略示図、(B)は下地部に固着した建築用板の第1終端立上り部箇所で次位の建築用板を支持している工程を示す略示図、(C)は下地部と建築用板の第1終端立上り部によってポケット状の溝が形成された状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0048】
A…建築用板、B…カバー材、S…被挿入空隙部、1…主板、1a…山形部、
2…折返し部、3…第1取付部、4…被嵌合部、5…第1終端立上り部、
5a…立上り片、5b…水平状頂片、6…第2取付部、7…第2終端立上り部、
7a…立上り片、7b…水平状頂片、8…嵌合部、9…挿入部、9a…挿入板片、
9b…弾性板片、10…カバー主板部、12…下地部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主板の幅方向の一方側に被挿入空隙部が形成され,他方側に被嵌合部が形成された建築用板が母屋,胴縁等の下地部上に並設され、前記建築用板の被挿入空隙部にカバー材の幅方向他方側の挿入部が挿入されるとともに、前記カバー材の一方側に形成された嵌合部が前記建築用板に隣接する次位の建築用板の被嵌合部に嵌合されてなることを特徴とする外囲体。
【請求項2】
複数の山形部が並列してなる主板と,該主板の幅方向の一方側より内方に向かって形成された折返し部と,該折返し部とともに被挿入空隙部を形成し,且つ前記主板から外方に突出する第1取付部と,前記主板の幅方向他方側より外方に形成された被嵌合部と,該被嵌合部の外端から形成された第2取付部とからなる建築用板と、山形状のカバー主板部の幅方向一方側から内方に向かって形成された嵌合部と,カバー主板部の幅方向一端側より外方に突出形成された挿入部とからなるカバー材と、母屋,胴縁等の下地部からなり、前記下地部上に前記複数の建築用板が並設され、前記建築用板の被挿入空隙部に、前記カバー材の挿入部8が挿入されるとともに、前記建築用板に隣接する次位の建築用板の被嵌合部にカバー材の嵌合部が嵌合されてなることを特徴とする外囲体。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記建築用板の被挿入空隙部に挿入された前記カバー材の挿入部は、前記折返し部と第1取付部に押圧接触されてなることを特徴とする外囲体。
【請求項4】
請求項1,2又は3において、前記カバー材の挿入部は、略平坦状の挿入板片と、該挿入板片の先端から折返して形成された弾性板片とからなることを特徴とする外囲体。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4において、前記建築用板の主板及びカバー材のカバー主板部は、多数の平坦面が連続して断面略多角形状のアーチとしてなることを特徴とする外囲体。
【請求項6】
請求項2,3,4又は5において、前記建築用板の隣接する山形部間には連結底面が形成され、該連結底面は、前記下地部との間に適宜に間隔を有してなることを特徴とする外囲体。
【請求項7】
請求項2,3,4,5又は6において、前記建築用板の折返し部は主板の外端から内方に向かって主板側に傾斜してなることを特徴とする外囲体。
【請求項8】
請求項1,2,3,4,5,6又は7において、前記被挿入空隙部と挿入部との適正な挿入状態で前記被挿入空隙部の内端と挿入部の先端との間に適宜の隙間が存在するようにしてなることを特徴とする外囲体。
【請求項9】
請求項1,2,3,4,5,6,7又は8において、前記建築用板の幅方向の一方側端部には、前記第1取付部に対して略垂直状の立上り片と該立上り片の頂部から外方に略水平状に形成された水平状頂片とからなる第1終端立上り部が形成され、前記建築用板の幅方向の他方側端部には前記第2取付部に対して略垂直状の立上り片と該立上り片の頂部から内方に略水平状に形成された水平状頂片とからなる第2終端立上り部が形成され、前記第1終端立上り部は前記第2終端立上り部よりも高く形成されてなることを特徴とする外囲体。
【請求項1】
主板の幅方向の一方側に被挿入空隙部が形成され,他方側に被嵌合部が形成された建築用板が母屋,胴縁等の下地部上に並設され、前記建築用板の被挿入空隙部にカバー材の幅方向他方側の挿入部が挿入されるとともに、前記カバー材の一方側に形成された嵌合部が前記建築用板に隣接する次位の建築用板の被嵌合部に嵌合されてなることを特徴とする外囲体。
【請求項2】
複数の山形部が並列してなる主板と,該主板の幅方向の一方側より内方に向かって形成された折返し部と,該折返し部とともに被挿入空隙部を形成し,且つ前記主板から外方に突出する第1取付部と,前記主板の幅方向他方側より外方に形成された被嵌合部と,該被嵌合部の外端から形成された第2取付部とからなる建築用板と、山形状のカバー主板部の幅方向一方側から内方に向かって形成された嵌合部と,カバー主板部の幅方向一端側より外方に突出形成された挿入部とからなるカバー材と、母屋,胴縁等の下地部からなり、前記下地部上に前記複数の建築用板が並設され、前記建築用板の被挿入空隙部に、前記カバー材の挿入部8が挿入されるとともに、前記建築用板に隣接する次位の建築用板の被嵌合部にカバー材の嵌合部が嵌合されてなることを特徴とする外囲体。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記建築用板の被挿入空隙部に挿入された前記カバー材の挿入部は、前記折返し部と第1取付部に押圧接触されてなることを特徴とする外囲体。
【請求項4】
請求項1,2又は3において、前記カバー材の挿入部は、略平坦状の挿入板片と、該挿入板片の先端から折返して形成された弾性板片とからなることを特徴とする外囲体。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4において、前記建築用板の主板及びカバー材のカバー主板部は、多数の平坦面が連続して断面略多角形状のアーチとしてなることを特徴とする外囲体。
【請求項6】
請求項2,3,4又は5において、前記建築用板の隣接する山形部間には連結底面が形成され、該連結底面は、前記下地部との間に適宜に間隔を有してなることを特徴とする外囲体。
【請求項7】
請求項2,3,4,5又は6において、前記建築用板の折返し部は主板の外端から内方に向かって主板側に傾斜してなることを特徴とする外囲体。
【請求項8】
請求項1,2,3,4,5,6又は7において、前記被挿入空隙部と挿入部との適正な挿入状態で前記被挿入空隙部の内端と挿入部の先端との間に適宜の隙間が存在するようにしてなることを特徴とする外囲体。
【請求項9】
請求項1,2,3,4,5,6,7又は8において、前記建築用板の幅方向の一方側端部には、前記第1取付部に対して略垂直状の立上り片と該立上り片の頂部から外方に略水平状に形成された水平状頂片とからなる第1終端立上り部が形成され、前記建築用板の幅方向の他方側端部には前記第2取付部に対して略垂直状の立上り片と該立上り片の頂部から内方に略水平状に形成された水平状頂片とからなる第2終端立上り部が形成され、前記第1終端立上り部は前記第2終端立上り部よりも高く形成されてなることを特徴とする外囲体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−161422(P2006−161422A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354731(P2004−354731)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000175973)三晃金属工業株式会社 (85)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000175973)三晃金属工業株式会社 (85)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]