説明

外用剤組成物

【課題】薬物、クロロブタノールを含有する外用剤組成物において、安全性を損なうことなく薬物及びクロロブタノールの安定性を向上させた外用剤組成物を提供する。
【解決手段】マレイン酸クロルフェニラミン及びε−アミノカプロン酸から選ばれる薬物、クロロブタノール及びトロメタモールを含有してなることを特徴とする外用剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用剤組成物に関し、より詳しくは、薬物、ポリビニルアルコール及びトロメタモールを含有し、該薬物の安定性が向上した外用剤組成物に関する。また、薬物、クロロブタノール及びトロメタモールを含有し、薬物及びクロロブタノールの安定性が向上した外用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医薬品等に使用される外用剤組成物には、増粘剤としてポリビニルアルコールが用いられており、例えば、点眼剤に配合される場合、薬物の結膜嚢内滞留時間、即ち、角膜接触時間を延長させて、薬物の有効性を向上させることができる。しかし、ポリビニルアルコールは、熱、光などの環境下において経時的に点眼剤中の薬物の分解を促進したり、眼刺激を引き起こすなどの問題点があった。
【0003】
また、クロロブタノールは、局所麻酔剤や防腐剤として医薬品等の外用剤組成物に用いられている。例えば、局所麻酔剤として点眼剤に用いる場合、眼に対して刺激性のある成分(例えばメントールなど)と同時にクロロブタノールを配合することにより、刺激を緩和することができる。しかし、クロロブタノールは、熱、光などの環境下において経時的に分解し、点眼剤中の他の成分、例えば有効成分の分解を促進したり、眼刺激を生じさせる原因になるなどの間題点があった。
【0004】
一方、外用剤組成物中の薬物の分解を抑制する通常の手段としては、可溶化剤、キレート剤、抗酸化剤などの安定化剤の配合が有効であることが知られている。
【0005】
しかしながら、上述したように他の配合成分に起因して薬物が分解する場合、これらの安定化剤では薬物の安定性を顕著に高めることは困難であった。また、薬物の安定化効果を高めるためにこれらの安定化剤を大量に配合すると、例えば眼科用剤として使用する際に眼刺激を生じるなど、生体への安全性に対して間題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、医薬品用、医薬部外品用、化粧品用などの外用剤組成物、特に眼科用医薬品として好適に使用され、薬物、ポリビニルアルコールを含有する外用剤組成物において、安全性を損なうことなく薬物の安定性を向上させた外用剤組成物、及び薬物、クロロブタノールを含有する外用剤組成物において、安全性を損なうことなく薬物及びクロロブタノールの安定性を向上させた外用剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、後述する実施例に示すように、薬物と共にポリビニルアルコールを含有する製剤に、トロメタモールを配合すると、トロメタモールが生体に対する安全性を損なうことなく、ポリビニルアルコールとの共存による薬物の分解を顕著に抑制して、製剤中の該薬物の安定性を格段に向上させ、従って、薬物の安定性を損なうことなく、ポリビニルアルコールを配合することでき、例えば点眼剤等の眼科用剤として調製することによって、薬物の安定性に優れ、且つその有効性がより向上された眼科用組成物を得ることが可能となることを見出した。
【0008】
一方、トロメタモールをクロロブタノールと他の薬物とを併用した製剤に配合すると、トロメタモールが生体に対する安全性を損なうことなく、クロロブタノールの分解を抑制すると共に、併用する薬物の分解も顕著に抑制して、製剤中のクロロブタノール及び併用薬物の安定性を格段に向上させ、従って、クロロブタノール及び併用薬物の安定性を損なうことなく、これらを共存させることができ、例えば眼刺激のある薬物であっても、クロロブタノールとの併用によって刺激を緩和することができるので、該薬物による治療効果を充分に得ることが可能となることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
即ち、本発明は、薬物、ポリビニルアルコール及びトロメタモールを含有してなることを特徴とする外用剤組成物、及び薬物、クロロブタノール及びトロメタモールを含有してなることを特徴とする外用剤組成物を提供する。ここで、上記外用剤組成物が眼科用剤であれば、より好適である。また、上記薬物がパルミチン酸レチノール、ε−アミノカプロン酸、酢酸d−α−トコフェロール、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ピリドキシン、メチル硫酸ネオスチグミン、グリチルリチン酸及びその塩、アズレンスルホン酸及びその塩、アラントイン、塩化リゾチーム、スルファメトキサゾール及びその塩、L−アスパラギン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩からなる群から選ばれる1種以上のものであれば、更に好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、薬物及びポリビニルアルコールを含有した外用剤組成物において、安全性を損なうことなく薬物の安定性を向上させることができ、一方、クロロブタノール及び薬物を含有した外用剤組成物の場合、安全性を損なうことなくクロロブタノール及び併用薬物の安定性を向上させることができる。従って、本発明の外用剤組成物は、薬物とポリビニルアルコールとを含有した製剤及びクロロブタノールと薬物とを含有した製剤であって、医薬品用、医薬部外品用、化粧品用などとして使用される外用剤組成物として好適であり、特に眼科用医薬品として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明につき、更に詳しく説明すると、本発明の外用剤組成物は、薬物及びポリビニルアルコール又はクロロブタノールの少なくとも一方を含有し、更に、トロメタモールを含有するものである。ここで、本発明に用いられる薬物は、外用剤組成物に配合可能なものであれば、その種類が特に制限されるものではないが、眼科用剤等の粘膜用製剤に配合される薬物が好適である。
【0012】
このような薬物としては、例えば、充血除去剤(塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン等)、消炎・収斂剤(メチル硫酸ネオスチグミン、グリチルリチン酸二カリウム、アズレンスルホン酸ナトリウム、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸亜鉛、塩化リゾチーム等)、抗ヒスタミン剤(塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イソチペンジル、マレイン酸クロルフェニラミン等)、脂溶性ビタミン類[ビタミンA類(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、ビタミンE類(酢酸d−α−トコフェロール等)など]、水溶性ビタミン類(活性型ビタミンB2、ビタミンB6(塩酸ピリドキシン)、ビタミンB12、ビタミンC等)、アミノ酸類(L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等)、サルファ剤、殺菌剤(スルファメトキサゾールナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール等)、局所麻酔剤(リドカイン、塩酸リドカイン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン等)を挙げることができる。
【0013】
また、皮膚外用剤に配合される消炎、収斂剤(イブプロフェン、インドメタシン、メフェナム酸、トラネキサム酸、ケトプロフェン、スプロフェン、ピロキシカム、ブフェキサマク、プレドニゾロン、ハイドロコルチゾン、デキサメタゾン等)、抗生物質(テトラサイクリン、エリスロマイシン、硫酸ゲンタマイシン等)、抗ヒスタミン剤(塩酸イソチペンジル等)、鎮痒剤(クロタミトン等)なども挙げられる。
【0014】
上記薬物は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。本発明の場合、上記薬物の中でも、特にパルミチン酸レチノール、ε−アミノカプロン酸、酢酸d−α−トコフェロール、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、メチル硫酸ネオスチグミン、グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸二カリウム等のグリチルリチン酸塩、アズレンスルホン酸及びアズレンスルホン酸ナトリウム等のアズレンスルホン酸塩、アラントイン、塩化リゾチーム、スルファメトキサゾール及びスルファメトキサゾールナトリウム等のスルファメトキサゾール塩、L−アスパラギン酸及びL−アスパラギン酸カリウム等のL−アスパラギン酸塩、コンドロイチン硫酸及びコンドロイチン硫酸ナトリウム等のコンドロイチン硫酸塩などがより好適である。
【0015】
また、ポリビニルアルコール、クロロブタノールとの組み合わせにおいては、ポリビニルアルコールと併用する薬物としては、特にパルミチン酸レチノール、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩化リゾチーム、スルファメトキサゾールナトリウム等が特に効果的であり、クロロブタノールと併用する薬物としては、特にマレイン酸クロルフェニラミン、ε−アミノカプロン酸等が特に効果的である。
【0016】
本発明の外用剤組成物における上記薬物の配合量は、特に制限されるものではなく、薬物の種類、剤型などによって、適宜選定することができ、通常、組成物全体に対して0.001〜5w/v%(質量/容量%)、特に0.005〜4w/v%とすると、好適である。薬物の配合量が多すぎると、充分な安定化効果が得られ難くなる場合があり、少なすぎると充分な薬効が得られない場合がある。
【0017】
本発明に用いられるポリビニルアルコールは、外用剤組成物に配合し得るものであれば、その種類が特に制限されるものではなく、このようなポリビニルアルコールとしては、例えば、重量平均分子量20000〜120000、けん化度78〜96モル%の部分けん化物等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0018】
本発明の外用剤組成物における上記ポリビニルアルコールの配合量は、特に制限されるものではなく、その種類、剤型などによって、適宜選定することができ、通常、組成物全体に対して0.1〜20w/v%、特に0.5〜10w/v%とすると、好適である。配合量が多すぎると、上記薬物を充分に安定化することが困難となる場合があり、少なすぎるとポリビニルアルコール配合の効果が充分に得られない場合がある。
【0019】
本発明に用いられるクロロブタノールは、その配合量が特に制限されるものではなく、剤型などによって、適宜選定することができ、通常、組成物全体に対して0.001〜2w/v%、特に0.1〜1w/v%とすると、好適である。配合量が多すぎると、クロロブタノール及び共存薬物を充分に安定化することが困難となる場合があり、少なすぎるとクロロブタノール配合の効果が充分に得られない場合がある。
【0020】
本発明に用いられるトロメタモールは、その配合量が特に制限されるものではなく、剤型などによって、適宜選定することができ、通常、組成物全体に対して0.1〜5w/v%、特に0.5〜3w/v%とすると、好適である。配合量が多すぎると、使用感が損なわれる場合があり、少なすぎると充分な安定性が得られない場合がある。
【0021】
なお、同様の理由により、上記薬物、ポリビニルアルコール、クロロブタノールに対するトロメタモールの配合割合は、薬物:トロメタモール(質量比)=10:1〜1:1000、特に1:1〜1:500、ポリビニルアルコール:トロメタモール(質量比)=10:1〜1:50、特に2:1〜1:10、クロロブタノール:トロメタモール(質量比)=10:1〜1:500、特に2:1〜1:30とすると、好適である。
【0022】
本発明の外用剤組成物は、その剤型、用法等が特に制限されるものではなく、例えば点眼剤、洗眼剤等の眼科用剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏等の皮膚用製剤等の医薬品又は医薬部外品など、各種剤型とすることができ、これらの中でもより好ましくは眼科用剤、更に好ましくは点眼剤、洗眼剤等の眼科用液剤の形態である。
【0023】
本発明の外用剤組成物は、本発明の効果を妨げない限り、前述した必須成分の他に前記した点眼剤、洗眼剤、ゲル剤等の製剤の調製に通常使用する全ての緩衝剤、溶解補助剤、等張化剤、安定化剤、粘稠剤、キレート剤、pH調整剤、清涼化剤等の各種の添加剤を通常使用量において配合することができる。
【0024】
緩衝剤としては、例えば、ホウ酸又はその塩(ホウ砂等)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム等)、リン酸又はその塩(リン酸一水素ナトリウム等)、酒石酸又はその塩(酒石酸ナトリウム等)、グルコン酸又はその塩(グルコン酸ナトリウム等)、酢酸又はその塩(酢酸ナトリウム等)、各種アミノ酸等又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0025】
溶解補助剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(p=60)硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(p=20)ソルビタンモノオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0026】
等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が拳げられる。安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、亜硫酸塩、クエン酸又はその塩等が挙げられる。
【0027】
粘稠剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0028】
キレート剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。pH調整剤としては、例えば、塩酸、クエン酸又はその塩、ホウ酸又その塩、リン酸又はその塩、酢酸又はその塩、酒石酸又はその塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0029】
本発明の外用剤組成物は、そのpH範囲が特に制限されるものではなく、その用途などに合わせて適宜選定することができ、例えば、眼科用剤であれば、通常、pH4〜9の範囲が好適であり、より好ましくはpH6.5〜8.5である。
【0030】
また、本発明の外用剤組成物は、その浸透圧が特に制限されるものではなく、その用途などに合わせて適宜選定することができ、例えば、眼科用剤であれば、通常、0.5〜5圧比に調整すると好適であり、0.8〜2圧比に調整すると、より好適である。なお、浸透圧を調整する場合、調整方法は、例えば点眼剤において通常行われる方法によって調整することができる。
【0031】
本発明の外用剤組成物は、その調製方法が特に制限されるものではなく、その剤型、形態の常法に準じて調製することができる。また、本発明の外用剤組成物は、その用法が特に制限されるものではなく、その用途、剤型の常法により使用することができる。
【実施例】
【0032】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって何ら限定されるものではない。
【0033】
[実施例1及び比較例1,2]
表1に示す組成に従って常法に準じて実施例1及び比較例1,2の点眼剤を調製し、これらを70℃、4日間の苛酷条件で保存した。保存後に、薬物(パルミチン酸レチノール)の含量を該薬物の定量法に従って定量し、初期値に対する残存率を算出した。結果を表1に併記する。
【0034】
【表1】

ポリビニルアルコール:EG−05(日本合成化学工業(株)製)
【0035】
表1の結果から明らかなように、トロメタモールを含有した実施例1の点眼剤におけるパルミチン酸レチノールの安定性は、比較例1の点眼剤より顕著に向上し、ポリビニルアルコールを含有しない比較例2の点眼剤に比べても安定性が向上していることが認められる。また、これらの点眼剤をウサギ眼に対し、15分おきに6回ずつそれぞれ点眼し、眼に対する刺激性を観察した。その結果、充血が生じた比較例1の点眼剤に対して、トロメタモールを含有した実施例1の点眼剤では眼刺激がなく、安全性も高いことが示された。なお、比較例2は、実施例1、比較例1に比べて点眼剤としての粘性が低く、薬物と角膜との十分な接触時間を期待できなかった。
【0036】
[実施例2〜8]
表2に示す組成に従って常法に準じて実施例2〜8の点眼剤を調製し、これらを上記実施例1と同様にして、70℃、4日間の苛酷条件で保存した後、各点眼剤中の薬物の含量をそれぞれの薬物の定量法に従って定量し、初期値に対する残存率を算出した。その結果、トロメタモールを含有した実施例2〜8の点眼剤は、いずれも上記薬物の安定性がトロメタモールを配合しない組成に比べて顕著に向上した。なお、実施例4〜8の場合、クロロブタノールの安定性もトロメタモールを配合しない組成に比べて顕著に向上した。
【0037】
【表2】

【0038】
[実施例9] 洗眼剤
パルミチン酸レチノール0.003g、酢酸d−α−トコフェロール0.005g、マレイン酸クロルフェニラミン0.003g、グリチルリチン酸二カリウム0.025g、トロメタモール1.0g、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60)0.05g、エデト酸ナトリウム0.01g、塩化ベンザルコニウム0.003gを70℃に加温した滅菌精製水に加え、攪拌、混合した後、室温まで冷却した。更に、予めプロピレングリコール0.5gにクロロブタノール0.3g、メントール0.005g、dl−カンフル0.001gを溶解しておいたものを投入し、全量を滅菌精製水で100mLとし、ろ過して洗眼剤とした。
【0039】
[実施例10] 点鼻剤
ポリビニルアルコール2.0g、トロメタモール1.0g、塩酸テトラヒドロゾリン0.1g、マレイン酸クロルフェニラミン0.5g、塩酸リドカイン0.5g、塩化リゾチーム0.1g、塩化ベンザルコニウム0.02gを70℃に加温した滅菌精製水に加え、攪拌、混合した後、全量を滅菌精製水で100mLとし、ろ過して点鼻剤とした。
【0040】
[実施例11] 喉治療剤
ポリビニルアルコール2.0g、トロメタモール1.0g、アズレンスルホン酸ナトリウム0.02g、塩化ベンザルコニウム0.02gを70℃に加温した滅菌精製水に加え、攪拌、混合した後、全量を滅菌精製水で100mLとし、ろ過して喉治療剤とした。
【0041】
上記実施例9〜11の外用剤組成物(粘膜用組成物)を上記実施例1と同様にして、70℃、4日間の苛酷条件で保存した後、各組成物中の上記薬物の含量をそれぞれの薬物の定量法に従って定量し、初期値に対する残存率を算出した。その結果、トロメタモールを含有した実施例9〜11の外用剤組成物は、いずれも上記薬物の安定性がトロメタモールを配合しない組成に比べて顕著に向上した。なお、実施例9については、クロロブタノールの安定性もトロメタモールを配合しない組成に比べて顕著に向上した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マレイン酸クロルフェニラミン及びε−アミノカプロン酸から選ばれる薬物、クロロブタノール及びトロメタモールを含有してなることを特徴とする外用剤組成物。

【公開番号】特開2011−105764(P2011−105764A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37339(P2011−37339)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【分割の表示】特願2000−311506(P2000−311506)の分割
【原出願日】平成12年10月12日(2000.10.12)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】