説明

外科手術用アンテナおよびそれを用いる電気外科手術用システム

外科手術用スパチュラ(10,34)は、平面パドル(38,62)と、平面パドル(38,62)の第1の端部から離れて延在するハンドルとを有する。ハンドルは、マイクロ波電源からのエネルギを受けるように接続可能な、同軸電力給電部(64,130)を有する。パドル(38,62)は、同軸電力給電部(64,130)に接続されるマイクロ波搬送構造を含む。マイクロ波搬送構造は、マイクロ波放射が前端部から照射されることを妨げるように、第1の端部の反対のパドル(38,62)の前端部に囲まれている。マイクロ波搬送構造は、第1の端部から離れて延在するパドル(38,62)の側面に沿って開放されており、マイクロ波放射場がその側面から照射されることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、生物組織の治療におけるマイクロ波放射に用いるための装置に関する。たとえば、本発明は、人または動物の体内に含まれる生物組織構造へマイクロ波エネルギを搬送するための外科手術用アンテナとして適用され得る。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
特定の周波数において、マイクロ波エネルギは、生物組織の制御された焼灼を実行することができる。たとえば、14〜15GHzの間の周波数を有するマイクロ波エネルギは、生物組織への浸透の相対的に制限された深さを有し、このことは焼灼制御には有益である。
【0003】
国際公開WO2004/047659およびWO2005/115235は、生物組織の制御可能な焼灼、ならびにマイクロ波放射を用いた組織のタイプおよび/または状態についての情報の測定の双方を行なうための装置および方法を開示する。これらの文献は、エネルギ源と組織との間のダイナミックなインピーダンスマッチングを実行することの利点を開示する。
【0004】
国際公開2008/044000は、上述の焼灼装置の使用に適した放射メスを開示する。そのメスは、メスの切創端(すなわち、刃(blade))に沿って実質的に均一なマイクロ波放射場を照射するように配置されたアンテナを備える。照射されたマイクロ波放射は、切創中に生物組織を焼灼することができ、それは、肝臓のような血管の多い(vascularised)臓器について実行される侵襲的な外科手術を容易にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要約
最も一般的には、本発明は、外科手術用スパチュラについて、1つまたはより多くの放射側面端部、および/または、1つまたはより多くの放射面(上部および/または下部)を提供し、特に、内視鏡または直腸鏡、あるいは、(たとえば、腹腔鏡敵手法でまたは自然開口部を通して)電気外科手術用器具を導入することができるチャネルまたはフレキシブルチューブを含む任意の他の検査装置によって侵襲的に挿入可能とされる大きさのスパチュラを提供する。
【0006】
スパチュラは、国際公開WO2008/044000に開示されるメスとは異なるタイプの外科手術用器具である。スパチュラは、ハンドルから離れて延在する平面パドルによって典型的に特徴付けられる。本発明においては、パドルの前端部(すなわち、ハンドルと反対側の端部)は丸みを帯びており(すなわち、とがっておらず)、たとえば、適当な開口部を通してまたは内視鏡の器具チャネルに沿って、体内にスパチュラを安全に挿入することを容易にする。放射側面端部は、組織を焼灼するため、および/または、切創および、スパチュラがその目的地に到達したときの同時に組織の同時封止を補助するために用いられ得る。
【0007】
第1の局面に従えば、本発明は、平面パドルと、その第1の端部から離れて延在するハンドルとを備える外科手術用スパチュラを提供する。ハンドルは、マイクロ波電源からのエネルギを受けるように接続可能な同軸電力給電部を含み、パドルは、同軸電力給電部に接続されるマイクロ波搬送構造を含む。マイクロ波搬送構造は、第1の端部の反対のパドルの前端部に囲まれるとともに、第1の端部から離れて延在するパドルの側面に沿って開放されており、マイクロ波放射場がその側面から照射されることを可能にする。したがって、本発明は、ハンドルと同じ方向に実質的に延在する一方または両側面に沿って、マイクロ波エネルギを放射するように配列されたスパチュラを提供し得る。スパチュラのこれらの側面は、たとえば、狭い側面端部と、パドルの平たい表面(以下、「面」と称する。)とを含む。1つまたはより多くのこれらの側面または面は、本発明においては、マイクロ波エネルギを放射し得る。マイクロ波エネルギの周波数およびマイクロ波搬送構造の構成は、治療(焼灼)されるべき組織の既知の特性に基づいて、スパチュラが実質的に均一に集束されかつ制御される態様でマイクロ波エネルギを照射するように配置され得る。集束挙動は、マイクロ波エネルギが、1mm〜5mmの間の浸透深さで組織内に放射されるが、実質的には自由空間(空気)へは放射されないように、周波数を選択しかつ構造を構成することからもたらされ得る。これらの特徴を有するスパチュラのための可能性のある使用が、以下で議論される。
【0008】
マイクロ波搬送構造は、ストリップライン(すなわち、トリプレート)構造であり得る。ストリップライン構造は、パドルの(各)開放側面端部に配置された複数の放射素子を有するマイクロ波回路を含み得る。各放射素子は、開放側面端部に隣接する導電材料のパッチ(patch)を含み得る。各放射素子は、自由空間への放射を禁止するが生物組織内への放射を促進するように選択された、所定のインピーダンスを有し得る。所定のインピーダンスは、治療されるべき生物組織のインピーダンスと実質的に同じ、またはその複素共役であり得る。マイクロ波回路は、同軸電力給電部のインピーダンスを所定のインピーダンスにマッチングするように配置されたインピーダンス変換器を含み得る。この構成は、自由空間への放射線放出を最小化し得る。この特徴は、両側面端部が開放されているスパチュラにおいて実際的に重要であり得る。任意の時点において1つの端部のみが組織に接触し得、放射は自由空間に露出した開放端部において禁止(意図しない影響が防止)されるが、組織に接触している端部においては発生する。
【0009】
マイクロ波放射場は、500MHz〜100GHzの間の周波数を有し得る。たとえば、スパチュラは、1つまたはより多くの以下の周波数帯域でマイクロ波放射を放出する:900MHz〜1.5GHz、2.2GHz〜2.45GHz、5.725GHz〜5.875GHz、14GHz〜15GHz、24GHz〜24.25GHz。2.45GHz、5.8GHz、14.5GHzまたは24GHzのスポット周波数が用いられてもよい。周波数帯域にわたり動作する周波数源よりもスポット周波数源を用いることに関連する第1の利点は、正確にインピーダンス変換器構造またはマッチング変換器構造を作り上げる能力であり、すなわち、1/4波長(またはその奇数倍)または半波長(またはその倍数)である変換器についての物理形状が、1つの周波数においてのみ正確に実現され得ることである。第2の利点は、より高い「Q」構造(または共振器)が、1/4波長または半波長を正確に定義および作り上げることができるときに実現され得ることである。
【0010】
たとえば、24GHz、31GHzまたはより高い高周波数マイクロ波放射を用いることは、より高いマイクロ波周波数に関連したより短い波長によって、放射スパチュラがマイクロ波場および関連する組織効果が均一であることを補償することを助けるのを実現するために有利であり得る。これは、人体における内部の小さい開口部にまたはさまざまな腹腔鏡に含まれる内蔵の器具チャネルに、それをフィットさせるために、刃のサイズが最小化されなくてはいけないという、特別な関心点である。高マイクロ波周波数エネルギは、放射によるエネルギの小さな浸透深さも示し、それは、組織効果を制御可能とでき、またはエネルギを関心のある組織に集束できるようにする。
【0011】
スパチュラの開放側面端部は、切創に適するように鋭利であり得る。逆に、(ハンドルの反対の)前端部は、切創に不適であるように滑らかであり得る。この特徴は、スパチュラの挿入時の予想外の切創を防止し得る。
【0012】
スパチュラは、侵襲的に用いられ得る。他の局面においては、本発明は、内視鏡と上述のスパチュラとを備える外科手術用器具を提供し、それにおいては、内視鏡の器具チャネルは同軸電力ケーブルを支持し、スパチュラのハンドルは、器具チャネルの遠位端に取り付けられ、同軸電力給電部を同軸電力ケーブルに接続する。スパチュラは、したがって、内視鏡の端部から突出し、そのため、たとえば器具の近位端に配置された操縦機構を介した、内視鏡の制御を通して操作することができる。
【0013】
アクセスが制限される人体の領域に用いることができるように、スパチュラの幅は4mm未満であり得る。実際には、スパチュラの全体寸法は、侵襲的な使用に適するように選択される必要がある。たとえば、スパチュラは、内視鏡の器具チャネルを通して移動できるような大きさであり得る。内視鏡の器具チャネルの内径は、典型的には3mmである。スパチュラは、したがって、3mm未満の最大幅、たとえば2.8mmを有し、内視鏡の器具チャネルの近位端を通してその遠位端へ挿入することによって、内視鏡内に導入されることを可能にする。他の実施形態においては、スパチュラは、内視鏡が体内に挿入される前に、器具チャネルの遠位端内に挿入され得る。そのような実施形態においては、パドルの幅は、器具チャネルの直径よりも大きく、たとえば、6mmまたは8mmのような、3mmよりも大きい最大幅を有してもよい。
【0014】
スパチュラの長さおよび厚みは、パドル状の形状を与えるように、幅に対して選択され得る。たとえば、最大幅2.8mmの場合は、長さ10mm以下で厚みは1.5mm以下としてもよい。
【0015】
ハンドルは、内視鏡の近位端に配置された機構制御を用いて操縦または操作することができるように、器具チャネルの遠位端にしっかりと固定するように適合され得る。ハンドルは、2つの機能を行なうための絶縁材料(たとえば、プラスティック)でできた分離したアダプタ、たとえばスリーブを含み、その機能は、器具チャネルを通してマイクロ波エネルギ源からエネルギを搬送する軟性または準軟性マイクロ波給電ケーブルに、放射構造を固定すること、および、マイクロ波電力給電ケーブルとスパチュラ上の同軸電力給電部との間の接触面における、(たとえば、分岐点放射による)内視鏡からのエネルギ漏洩を防止することである。たとえば、ハンドルは、器具チャネルの遠位入力口において締まりばめを形成するようにテーパー状とされ得る。代替的には、アダプタは、ハンドル上の形成された対応するキーを固定するためにその中に形成されるキー溝を有し、体内での使用または操作を容易にするために、内視鏡に対してスパチュラを係止する。キーおよび固定機構は、器具を器具チャネルの下方に容易に挿入する能力を提供し、器具が遠位端に到達すると、放射セクションを所定位置に係止または固定する。
【0016】
軟性または準軟性マイクロ波給電ケーブルは、2.5mまでの長さであり得る。1つの実施形態においては、ケーブルは、2つのセクションを備え、第1のセクションは、マイクロ波生成器から内視鏡に近接する領域までマイクロ波エネルギを搬送するための第1の直径を有し、第2のセクションは内視鏡の器具チャネル内にフィットさせるための第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。
【0017】
ストリップライン構造は、たとえば、制御された組織破壊を引き起こすためにマイクロ波場が選択された端部から放出することができるように配置された、導電層(たとえば、金属化層)および絶縁層(たとえば、誘電材料層)のサンドイッチを備え得る。マイクロ波放射場は、パドルの開放端部に位置された複数の放射器(たとえば、複数の放射素子)からのフリンジ領域の形態であり得る。
【0018】
ハンドルは、パドルから分離および取り付け可能な剛体の同軸ケーブルを含んでもよい。代替的には、ハンドルおよびパドルの双方は、単一のストリップライン構造によって形成されてもよい。
【0019】
ストリップライン構造は、スパチュラパドルに物理的に似ている。ストリップラインランチャー、たとえばSMAストリップラインランチャーが一方端に含まれ、同軸ケーブルをパドルに接続することを可能にし得る。ストリップラインランチャーは、一方端にメス型またはオス型のSMAマイクロ波コネクタを有するとともに他方端に平面タブを有し、ストリップラインサンドイッチ構造内部にフィットするように配置されて中央の導電層(マイクロ波回路)と接するようにし、それは、マイクロストリップライン、ストリップラインなどであり得る。タブ/ストリップライン接触面は、好ましくは、良好なインピーダンスマッチングを形成し(または、1:1に近い電圧定在波比を有し)、たとえばマイクロ波生成器から同軸ケーブルによって搬送されるエネルギの大部分が、ストリップライン構造内に放出できるようにする。本発明は、SMAランチャーを使用することには限定されず、すなわち、他の一般的に利用可能なマイクロ波コネクタが使用されてもよく、たとえば、MCX,3.5mm,2.4mm,SMB,BMA,SMC,SMS,MMBX,MMCX,MMPX 1.0/2.3QNAなどがある。
【0020】
詳細には、ストリップライン構造は、以下の連続した層を有する平面形状を備え得る:第1の導電層、(たとえば、誘電材料から形成された)第1の絶縁層、マイクロ波回路(たとえば、第1の絶縁層上の金属化パターン)、(第1の絶縁層と同じまたは異なる誘電材料の)第2の絶縁層、および第2の導電層。
【0021】
マイクロ波回路は、第1または第2の誘電材料の一方の側面上に形成された、または、両方の材料上に形成された金属化の層からエッチングされ、それは、それらが共に挟まれる場合は、金属化の厚みが二倍にされるようにされる。
【0022】
第1のおよび/または第2の導電層は、第1および第2の絶縁層の外側表面上に形成される金属化層であり得る。第1および第2の導電層は、そこからのマイクロ波放射の放出を回避する態様で、パドルの側面に沿って電気的に接続される。
【0023】
ストリップラインの代替として、マイクロ波搬送構造は、スパチュラパドルの形状をした、金属化セラミックのモノリシック片を備えてもよい。パドルは、たとえば、電界モノポール(E-field monopole)または磁界ループ(H-field loop)のように、たとえば給電部の外側導電部に接続するための金属化外表面と同軸給電部の内側導電部を受けるための通路とを有することによって同軸給電部から電力を受けるように構成され得る。この構成においては、マイクロ波エネルギは、セラミック内に供給されて、電磁界が金属化されていない外表面の領域に放射されるようにする。たとえば、その構造は、同軸給電部が接続される端部に直交する端部の一方もしくは両方のいずれかに沿って放射するように構成され得る。セラミックは、銀、銅、金、または真ちゅうを用いて金属化され得る。
【0024】
この構成においては、セラミックパドルは、剛体の同軸ケーブル構造の内部にフィットすることができるように、給電端において円柱状に作られる。セラミック同軸構造は、適当な電磁界シミュレーションツールを用いてモデル化され、放射端が生物組織(負荷)に接する場合に、放射セラミックが、同軸給電線のインピーダンスとインピーダンスマッチングできるようにする。同様に、放射セラミックは、空気または他のタイプの組織とはマッチングしないように配置され得る。同軸構造内部に配置されるセラミックセクションは、インピーダンスマッチング変換器、たとえば、1/4波長(またはその基数倍)変換器を形成し、低誘電率材料を用いる同軸構造が高誘電率の生物組織とマッチングできるようにする。
【0025】
セラミックパドルは、サファイアから形成されてもよい。他の材料は、アルミナ(ガラス含有サファイア)、または、ジルコニアのような、関心の周波数において低散逸率(または損失)および高誘電率を示す他のセラミック材料を含み得る。
【0026】
達成されるべき効果的なカップリングについて、セラミックパドルの長さは1mm以下であり得る。
【0027】
マイクロ波搬送構造は、パドルの各開放側面または開放面に制御可能なエネルギ供給を提供し得る。たとえば、スパチュラが1つより多くの開放側面または開放面を有する場合、各開放側面または開放面は、たとえばハンドルまたはパドル内の電力分割ネットワークを介してマイクロ波エネルギを受信するように接続された、個別のストリップライン構造を有し得る。マイクロ波生成器は、スパチュラからの反射信号を検出して、ミスマッチ状態(空気への開放側面)またはマッチング状態(組織内の開放側面)のいずれかを検出するように構成され得る。マイクロ波生成器は、その検出状態に基づいて、個別に制御可能な各マイクロ波エネルギ供給源の電力レベルを制御するように構成され得る。たとえば、マイクロ波生成器は、ミスマッチ端またはミスマッチ面へエネルギを供給するマイクロ波エネルギ供給源をオフに切換え得る。代替的には、マイクロ波生成器は、ミスマッチ端またはミスマッチ面へのエネルギ供給源についてのエネルギを、マッチングされた端または面に転用し得る。この効果も、ストリップライン構造の複数の放射素子についてのバランスされた給電構造を提供することによって達成され得る。
【0028】
スパチュラは、非切開手術(incisionless surgery)、および、腹腔内手術についての経胃的(transgastric)または経大腸的(transcolonic)アプローチに基づいた、
経管腔的内視鏡手術(natural orifice translumenal endosurgery:NOTES)技術を用いたキーホール手術を実行するために用いられ得る。
【0029】
本発明は、添付の図面を参照して、以下において詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態である放射スパチュラのさまざまな断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態である放射スパチュラを通した断面図であり、生物組織に接触するアンテナを示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態である放射スパチュラのさまざまな図である。
【図4】本発明の他の実施形態である放射スパチュラを含む外科手術用器具の概略図である。
【図5】本発明の実施形態である放射スパチュラによって放出されるマイクロ波放射場の概略的な平面図および側面図である。
【図6】本発明の他の実施形態である放射スパチュラのさまざまな外略図である。
【図7】本発明の他の実施形態である放射スパチュラについての、マイクロ波回路、スイッチ、および検出器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明;さらなるオプションおよび選択
図1は、ストリップライン構造を含むパドルを備える外科手術用スパチュラ10を示し、ストリップライン構造は、パドルの両側面に沿ってマイクロ波放射場を放出するように構成される。図1における最上位段のパネルは、ストリップライン構造のサンドイッチ状の層を示すスパチュラの概略断面図である。図1における残余のパネルA〜Eは、最上段のパネルにおける矢印A〜Eによって示される方向から見た各層の平面図である。
【0032】
図1のスパチュラ10は、層状のストリップライン構造で構成される。ストリップライン構造は、その順序で互いにその上面に積層される、第1の導電層12と、第1の絶縁層14と、マイクロ波回路層16と、第2の絶縁層18と、第2の導電層20とを含む。導電層12,20および絶縁層14,18は、各々、短い側面の一方の中央から延在する細長いハンドルを有する、平らな矩形のパドルのようなおよその形状を有する。マイクロ波回路層16は、以下に詳細に説明される、放射機能およびエネルギカップリング機能を実行するようにパターン化される。
【0033】
ハンドルの反対側の矩形パドルの短い側面において、ストリップライン構造は、そこから放射が放出されるのを防ぐように閉止されている。この実施形態においては、この閉止は、第1の絶縁層14および第2の絶縁層18と、第1の導電部12および第2の導電部20を覆うとともに電気的に接続する導電リンク部24(たとえば、金属フィルタ)とを接続する絶縁リンク部22を提供することによって達成され得る。
【0034】
パドルの形状は、図1に示されるものには制限されない。たとえば、パドルは、丸みを帯びた端部を有する平面でもよいし、テーパー状の刃を有する平面でもよいし、またはトラフ形状を有してもよい。関心のある他の形状は、トゥルーラ(Trulla)およびチャッタウェイ(Chattaway)(または他の標準のスパチュラ形状)を含む。
【0035】
実際に使用するための最適なストリップライン構造を考慮すると、以下の要因間での妥協がなされなくてはならない。
【0036】
(1)スパチュラの放射端が必要とされるレベルのマイクロ波電力を搬送し、制御された組織焼灼を引き起こすようにすること、たとえばポリープの軸(stem)を焼灼してそれらの除去を容易にするまたはさらなる成長を妨害することができることを保障するような方法で、インピーダンスマッチング変換器、給電線、および放射線のようなサブ要素を有する、マイクロ波回路を適合することができるトラック幅。
【0037】
(2)適当なスパチュラ寸法を維持するような範囲内、すなわち装置が臨床的に有用であることを保障するような範囲内の誘電材料厚み。
【0038】
(3)マイクロ波エネルギの大部分が誘電材料内で損失または消費、すなわち、熱および材料による吸収としての損失されないことを補償するのに十分低い(動作周波数における)誘電材料損失正接(tanδ)または散逸率。この損失は、構造の過熱をもたらし、それは健常な組織構造にダメージを与え、したがって、最も望ましくないことであり得る。
【0039】
誘電材料は、好ましくは、低誘電率を有する。なぜならば、誘電率が増加するにつれてライン幅が減少するからである。適当な材料は、ロジャーズ社(Rogers Corporation)からのRT/duroid材料(たとえば、RT/duroid 5880)であり得る。誘電材料は、たとえば、10GHzの動作周波数において、2.2以下の誘電率および0.0009以下の損失因子(tanδ)を有し得る。RT/duroid 5880材料は、たとえば、0.127mmから3.175mmの標準的な誘電厚さの範囲に入る。本実施形態における第1および第2の絶縁層に用いられる厚みは、0.05mmと0.5mmとの間であり、好ましくは、0.175mmと0.254mmとの間であり得る。
【0040】
マイクロ波回路16の設計について、たとえば、50Ω未満の特性インピーダンスを有する線のような、低インピーダンス線を用いることが好ましく、それによって、低厚充電材料が用いられること、および、マイクロ波エネルギが端部に沿ってスパチュラの外部に放射するときに生成されるべき所望の組織効果に必要なマイクロ波電力のレベルを搬送することが可能となるような幅であることを確保する。所与の材料で作られる線の特性インピーダンスが減少するにつれて、線の幅は増加する。ストリップライン構造は、遮蔽構造であり、スプリアス放射または漏洩放射は無視できる。本発明においては、この特徴は、生成されるEM場について望ましくない場合は構造の領域から外部へ放射が漏洩するのを防止するが、場が生成されることが必要とされる場合は端部に沿った特定の場所への放射は許可される。特定の誘電厚み、金属マイクロ波回路の厚さ変化、および誘電材料の誘電率の変化についてのライン幅を計算することができるようなストリップライン構造を構成するための合成式は公知であり、実際のマイクロ波技術者によって一般に用いられている。
【0041】
どのように上記の原理が適用されるかの3つの例は以下のとおりである。
(1)2.2の誘電率および0.254mmの誘電厚さを有するRT/duroid 5880材料の層間に挟まれた2.95mmのライン幅によって与えられる10Ωのストリップライン構造。
【0042】
(2)2.2の誘電率および0.254mmの誘電厚さを有するRT/duroid 5880材料の層間に挟まれた6.18mmのライン幅によって与えられる5Ωのストリップライン構造。
【0043】
(3)2.2の誘電率および0.127mmの誘電厚さを有するRT/duroid 5880材料の層間に挟まれた3.07mmのライン幅によって与えられる5Ωのストリップライン構造。
【0044】
従来の外科手術用スパチュラは、医療グレードステンレス鋼でできている。本発明においては、第1の導電層12および第2の導電層20は、各々、ステンレス鋼の本体の部品であり得る。たとえば、2つの同一のステンレス鋼のスパチュラが、半分よりやや少ない構造が残るまで(誘電材料およびマイクロ波回路の2つの層を含むことができるようにやや少なく)削り落とされ得、または、誘電材料およびマイクロ波回路の2つの層を受容することができる特別目的の半分のスパチュラが作られる。ステンレス鋼は良好な導電体ではないという事実のために、第1および第2の導電層は、ステンレス鋼本体の内面にめっきされた金属化層であり得る。金属化層は、銅、金、銀、アルミニウム、または真ちゅうであり得る。ステンレス鋼をめっきすることが不可能な場合は、(薄い(10μm未満)低損失接着層を用いて)2つの誘電材料の外表面に金属化層を接着することが可能であり、またはより望まれ得る。代替的には、低損失材料が、ステンレス鋼にめっきされてもよい。第1および第2の導電層を支持するステンレス鋼部分の厚みは、0.25mmと1mmとの間であり得る。代替的には、導電層およびスパチュラパドルの外部筐体のために、アルミニウムが用いられ得る。この場合、追加的な金属化層は必要とされない。
【0045】
マイクロ波回路16は、自己支持型の個別の層、あるいは、たとえば、第1または第2の絶縁層もしくは両絶縁層の内面に形成される金属化層にエッチングされて作られる。絶縁層は、マイクロ波セラミック材料、PCB基板などであり得る。
【0046】
金属化層は、1μmと100μmとの間の厚みを有し得る。適切な電力レベル(たとえば、14.5GHzにおける120Wまでの連続波)を搬送するために、本明細書で言及した金属化層は、たとえば35μm(1ozft-2)以上の厚みであり、たとえば、70μm(2ozft-2)以上の電着銅箔であり得る。
【0047】
生体適合材料(たとえば、パリレンCまたはPTFE)の層が、スパチュラの放射端部に適用され得る。生体適合層は、10μm以下の厚みであり得る。
【0048】
絶縁層14,18は、同じ材料で作られてもよいし、または異なる材料で作られてもよい。たとえば、ロジャーズ社によって作られたRT/duroid 5870/5880の高周波数積層、RO3000シリーズまたはRO4000の高周波数回路材料、あるいは、ダイナロックス(Dynallox)のような、10GHzにおいて誘電率9.0および0.00045の散逸率を有するマイクロ波セラミック材料が用いられてもよい。RT/duroid 5870/5880材料は、ストリップラインおよびマイクロストリップ回路用途のために開発された、超微細ガラス繊維で強化されたPTFE合成物を含む。これらの材料は、Kuバンド内および上記で動作する用途において有用である低散逸率を有する。これらの材料は、各表面上に形成(たとえば、電着)された(たとえば、8μmから70μmの厚みの)金属層であり得る。その層の一方は、導電層12,20として使用され、他方はエッチングされたマイクロ波回路16を提供するようにしてもよい。
【0049】
マイクロ波回路16は、インピーダンスマッチング変換器26、給電線28,30のネットワーク、および、複数の放射構造で構成され、複数の放射構造は、本実施形態においては放射パッチ32である。他の実施形態においては、マイクロ波回路は、スロットアンテナの形態をとってもよく、たとえば、部分的に金属化されたセラミック片、もしくは、部分的に金属化されたマイクロ波基板材料片であり得る。
【0050】
上述のように、マイクロ波回路16は、自己支持型である個別のセクションまたは層として形成され得、すなわち、たとえば銅またはアルミニウムの適切な導電材料のシートから切り出されまたはレーザエッチングされ得る。代替的には、第1、第2または両絶縁層14,18に取り付けられる金属化層から、剥離(etched out)(または除去(routed out))されてもよい。マイクロ波回路16の一部分を形成する金属材料に必要とされる最小厚みは、関心のある周波数における皮膚深さ、およびマイクロ波電力要件によって定められる。
【0051】
放射場と代表的な生物組織との間の相互作用を確立するため、たとえば、放射場がスパチュラの側面に沿って実質的に均一であること、および関心のある生物組織に効果的に結合されていること、すなわちスパチュラアンテナから放射または放出されるマイクロ波電力の少なくとも90%が組織内に搬送されることを保障するために、放射パッチの構造は、たとえば、CSTマイクロ波スタジオ(CST Microwave Studio(R))(登録商標)のような適当なマイクロ波シミュレーションツールを用いてモデル化され得る。
【0052】
図1に示される層は、ともに取り付けられてスパチュラを形成する。層は、適当な医療グレード接着剤を用いてともに接着されてもよいし、たとえば、ネジ、ダボ、または小型リベットを用いて機械的に接続されてもよい。これらの固定手段の中央間の間隔は、構造内部に形成されるマイクロ波場が影響を受けないようにされなくてはならない。
【0053】
上述のように、スパチュラの非放射端部のすべては、そのような放出が望ましくないパドルまたはハンドルの領域からの、マイクロ波放射の放出を防止するために遮蔽される。このような遮蔽の例は、導電リンク部24である。リンク部は、はんだ、銀ペイント、銅テープ、または、他の適当な低損失導電材料を含み得る。代替的には、非放射端部は、スパチュラの端部に沿って導電性のポストまたはピンを配置することによって効果的に遮蔽することができ、隣接するピンまたはポスト間の間隔は、動作周波数の1/8波長よりも短いような態様とされる。
【0054】
図2は、本発明の他の実施形態である外科手術用スパチュラを通る断面図を示す。この実施形態においては、スパチュラ34は、パドル38の一方の側面端部のみから放射する。示されるように、放射端部36は、生物組織40のセクションと接する。スパチュラ内のマイクロ波回路42は、スパチュラの放射セクションのインピーダンスが、組織のインピーダンスの複素共役であるように構成される。たとえば、生物組織のインピーダンスがRt+jXtの場合、スパチュラの放射セクションのインピーダンスはRt−jXtに等しくなるようにされることが必要とされ、これは、放射スパチュラの端部から放出するエネルギが生物組織内に効率的に発射されまたは結合されることを保障するため、すなわち、組織内に搬送されるエネルギの損失または減少を引き起こすインピーダンスのミスマッチまたは反射を最小にするためである。図2は、放射端部36に配置された4つの放射素子44を有するマイクロ波回路42を示す。マイクロ波エネルギが素子44に供給されると、マイクロ波放射場が、フリンジ場の形態で放出される(図5参照)。これらのフリンジ場は、放射端部36において生物組織40を焼灼または選択的に破壊するために用いられる。
【0055】
本発明におけるマイクロ波回路42の給電線46は、5Ωの特性インピーダンスを有し得る。1/4波長インピーダンス変換器48が、給電端に配置され、たとえば50Ωのインピーダンスを有するマイクロ波エネルギ生成器(図示せず)を5Ωの構造とマッチングさせる。伝送給電線46についての5Ωの値は、線が比較的幅広くかつ低インピーダンスの組織との直接インピーダンスマッチングを提供し、それによって、追加的なインピーダンス変換器を実現する必要性なく、生成器からのエネルギの大部分が組織40内へと効率的に発射することができる低い値の例として選択される。幅の広い線の使用は、パドルの長さに沿った大きな電磁場範囲を保障するという点でも有利である。なぜなら、力線がスパチュラの端部に沿って終端し、かつこれらの線によって生成されるフリンジ場が所望の組織効果を生成するように組織に放射するために用いられ、それによって、ライン幅が広いほど、より大きな場の範囲が生じるからである。さらに、ストリップライン構造として具現化される場合は、給電線は、マイクロストリップの同等物におけるものよりも狭くなる。
【0056】
パドルの側面端部に沿って配置される放射素子44間の隙間50は、側面端に沿って均一場分布を保障するために、(たとえば誘電材料で)満たされなくてはならない。
【0057】
【数1】

【0058】
当業者にとっては、公知のライン合成技術を用いて、ストリップライン構造において上記理論を容易に実現できる。
【0059】
たとえば、0.254mmの厚みを有するRT/duroid 5880材料(誘電率:2.2,散逸率:0.0009)の層が、各々が0.034mmの厚みを有する上部および下部金属化層とともに用いられ、14.5GHzの動作周波数において、1.7676mmの内部ストリップライン幅で15.8オームのラインインピーダンスが達成され得る。そのような構造の解析は、そのような線のトータル損失が6.6dBm-1(すなわち、0.066dBcm-1)であることを示している。
【0060】
14.5GHzの動作周波数において5Ωのラインインピーダンスを達成するために同じ構成が用いられる場合、6.1774mmのストリップライン幅が必要とされ、それは、15.8Ωのインピーダンス変換器を実現するのに必要とされるライン幅から、およそ350%の増加となる。1.7676mmのライン幅を有するインピーダンス変換器と6.1774mmのライン幅を有する5Ωの給電線との間で滑らかな遷移を実現するために、5Ωの線を15.8Ωの変換器にむけてテーパー状とすることが好ましい。これは、45°のテーパーを用いることによって達成され得る。
【0061】
上述の5Ωの線の解析は、そのような線のトータル損失が6.18dBm-1(0.0618dBcm-1)であることを示している。この特定のライン幅を用いて完全な構造が作られる、すなわち、第1のインピーダンス変換器が無視されると想定され、かつ、近位給電点と放射端部との間のストリップラインのトータル長さが200mmであると想定される場合、トータル損失は、1.236dBとなる。構造内に47dbm(50W)を発射するとした場合は、結局45.764dBm(37.705W)のトータルマイクロ波電力が構造の端部から放出されることになるであろう。この電力は、パドルの端部に沿って配置された4つの線の間で共有され、したがって、各線は、14.5GHzにおいておよそ9.4Wのマイクロ波電力を提供する。構造が、インピーダンス不連続を最小化する点において最適化され、かつ低損失マイクロ波基板を用いて製造される場合、この電力レベルは、所望の組織効果を達成することができるのに十分であり得る。
【0062】
スパチュラを通して搬送される電力のいくらかはその中で消費され得、それは不所望にも器具を加熱させるかもしれない。この望ましくない加熱は、装置をパルスモードで動作することによって低減または最小化され得る。パルスモードは、準連続動作モードであり、たとえば、マイクロ波源が、治療の間、非常に短い時間周期でオフに切換えられ得る。これは、放射端部において一貫した組織効果を生成しながら、スパチュラの望ましくない加熱を低減または最小化し得る。準連続モードの1つの実施形態においては、100msのエネルギ搬送時間ごとに、エネルギ源が15ms間オフに切換えられ、オフ周期は、100msの継続期間内に均等に分配される、1.5msの10周期を含む。他の波形を用いてもよく、それは、非矩形や正三角形すなわち傾斜、擬似ランダム連続パルスなどである。波形形状および継続期間(エネルギ搬送プロファイル)は、反射電力の測定または組織内へ搬送される正味電力に基づいてもよい。
【0063】
図3は、2つの部分62,64を備える放射スパチュラ60の実施形態を示す。第1の部分は、剛体同軸給電線64であり、上述のようなストリップライン構成を用いる放射スパチュラパドル62に接続することができる。図3の上段のパネルはパドル62の側面図であり、それにおいては、マイクロ波回路72を含む誘電材料70を挟む金属層66,68を見ることができる。4つの放射素子74が、放射端部76において露出している。この実施形態においては、マイクロ波回路72は、上述と同じ態様で、50Ω入力を組織負荷とマッチングさせるように構成される。
【0064】
剛体同軸給電線64は、たとえば50Ω(または、75Ω、35Ω、25Ωなど)の予め定められた特性インピーダンスおよび近位端に接続されたSMAメス型コネクタ80を有するケーブル78と、遠位端に接続されたSMAオス型コネクタ82とを備える。パドル62内のマイクロ波回路72は、SMAメス型コネクタ80で受けられるSMAランチャー84内で、その遠位端において終端する。
【0065】
剛体同軸給電線64は、50mmから200mmまたはより長い長さを有し得る。フレキシブルケーブルアッセンブリ(図示せず)は、給電線の近位端においてSMAコネクタ82と接続され、マイクロ波エネルギを、生成器から放射スパチュラパドル62まで搬送することができるようにする。
【0066】
第1の部分64は、剛体同軸給電線を用いることには限定されない。各端部の適当なコネクタ、(軟性のまたはフレキシブルに捻回可能な)矩形または円柱型導波管構造、あるいは、軟性のまたは半剛体の同軸ケーブルアッセンブリを有するストリップライン構造またはマイクロストリップ構造を用いて実現されてもよい。たとえば、50Ωの給電線は、上述のRT/duroid 5880材料を用いるストリップライン構造で構成されてもよく、そのRT/duroid 5880材料は、その上に形成される各々が0.034mmの厚みを有する上部および下部の金属化層とともに0.254mmの厚みを有する。14.5GHzの動作周波数において、誘電材料に含まれるライン幅は、0.3729mmと計算することができる。そのような線からのトータル損失は、7.93dBm-1(0.0793dBcm-1)と計算することができ、それは、第1のセクションの長さが100mmである場合、このセクション内の損失は0.793dBであり、したがって、47dBm(50W)の発射電力について、伝送線のこの長さに沿った電力損失がおよそ8Wであることを意味している。
【0067】
特定の実施形態においては、スパチュラは、10mm幅および1.575mm厚であり、一方の側壁上の最後9mmについて開放したスロットと、スパチュラの終端部から8mmのセンターライン上にある直径0.5mmのマッチングピンとを有する。スパチュラボードは、スロットを除いた全ての面を銅でコーティングしたロジャーズ製のRT5880(εr=2.2)としてもよい。設計は、放射が27の誘電率および0.61のtanδを有する肝臓に行なわれ、動作周波数は14.5GHzであることを想定している。
【0068】
構造をたとえば3mmのようにより薄くするために、構造の大幅な変更を行なうことが必要となり、すなわち、たとえば10のようなより高い誘電率を有する材料で作る場合には、構造は約半分の幅とされ得る。また、より狭く、すなわち4mmと同程度とされ得る。
【0069】
マイクロストリップが用いられる場合、構造はより薄くされ得るが、肝臓が線の先端に接触している場合には電力はそのままの状態とはなり得ない。トリプレート構造が可能であり、これは吸収体から場を遮蔽するためである。
【0070】
8GHzにおいては、開始点は約18mmの幅であり、圧縮された高誘電バージョンを用いると7mmまで低下することが可能である。
【0071】
上述の実施形態の設計におけるさらなる考慮点は、放射端部/空気インターフェースから反射する電力が、組織にマッチングされた構造のセクション内、すなわち組織に接触している放射端部および/または放射面のセクションへ向けられることを保障することである。固定スタブまたはフィルタ配列が、ミスマッチ部から反射されるエネルギが放射セクションへ向けられ、給電ケーブルに沿って生成器まで戻ってこないことを保障するように実現され得る。このスタブ配列は、反射エネルギの分布が対称的であること、すなわち、各放射端部セクションがそれに結合される同量のマイクロ波電力を有するべきであることも保障し得る。給電構造の設計に用いられる線の長さは、マイクロ波エネルギをマイクロ波回路内の所望の場所へ向けるように構成され得る。ミスマッチが生じているセクションからの反射エネルギを効果的に除去または迂回することを保障するために、平衡電力スプリッタまたはカプラが設計において用いられ得る。
【0072】
他の実施形態においては、PINダイオードまたはバラクタスイッチまたは同軸スイッチまたは導波管スイッチが構造内に含まれ、共通の給電線を2組の放射素子間で切換える。本発明は、2組の放射素子の使用には限定されず、すなわち、4組または6組としてもよい。切換動作は、器具のハンドピースに接続されたスイッチを用いて実行されてもよいし、あるいは、反射電力のレベルを検出することによって、設定しきい値を上回る反射電力のレベルが検出または検知されたときに、自動的にソースをオフまたはマイクロ波電力への再配向のいずれかに切換えてもよい。この配列によって、組織に接している放射端部のみが、マイクロ波エネルギを放出することが可能となる。
【0073】
マイクロ波回路の放射素子は、漏れやすい給電線または固定特性インピーダンスが放射セクションの設計において用いられる前進波アンテナ構成を用いて実現されてもよい。たとえば、複数のスロットが50Ωの伝送線に作られてもよいし、または非50Ωの伝送線が、非50Ωの線を50Ωの生成器にマッチングするようなインピーダンスマッチング変換器とともに用いられてもよい。この前進波構造によって、構造の一方または両方の面(上部、または下部、または上部および下部)が、均一かつ集束されたマイクロ波エネルギを組織内に放射することを可能にする。組織に接している面だけがマイクロ波エネルギを放射または放出することを保障するために、たとえば、小型マイクロストリップまたは電界(E-field)プローブカプラ、および、電力PINスイッチまたは小型同軸スイッチを用いる検出および切換構成がスパチュラ内に実現されてもよい。
【0074】
図4は、本発明の他の実施形態の概略図であり、それにおいては、放射スパチュラが内視鏡を含む外科手術用器具の一部として用いられる。図4は、半剛体のフレキシブルに制御可能な内視鏡の器具チャネル92を示す。チャネル92は、同軸給電線94を支持する。同軸給電線94は、50Ωなど、たとえば25Ω、35Ω、または75Ωの特性インピーダンスを有し、生成器(図示せず)から、50Ω(同様に、すなわち25Ω、35Ω、または75Ω)の給電線98と、器具90の近位端において器具チャネル92の外側に配置されるインピーダンス変換器96とを介して、マイクロ波電力を受信する。この構造は、インピーダンス変換器を用いることには限定されず、すなわち、その構造は、たとえば、生成器および搬送ケーブルが35Ωかつ組織が35Ωであるように、変換器を用いずに組織とよくマッチングさせてもよい。放射スパチュラ100は、器具チャネルの遠位端から突出している。スパチュラは、その遠位端に(その構造が上述であるような)1つ、2つ、または3つの放射端部および/または1つまたは2つの放射面を有するパドル102と、器具チャネル92内にぴったりとフィットさせるためのテーパー状のプラグ部104とを有し、内視鏡の近位端における制御がパドルを操作または操縦するために使用できるように、スパチュラを定位置に物理的に固定または係止する。コネクタ106は、プラグ部104の近位端に設けられ、スパチュラ100内のマイクロ波回路と同軸給電線94との間のインターフェースを提供する。非金属アダプタ(図示せず)、たとえば円筒形スリーブが、同軸給電線94とプラグ部104との間のインターフェースの周囲に取り付けられてもよい。アダプタは、(不所望な漏洩を防止するために)、接続点における絶縁を提供する。アダプタは、また、器具チャネル92の遠位端に、スパチュラ100を固定または係止または位置決めする手段も提供する。操作の容易性のために放射スパチュラが器具チャネル内の所定位置に係止されることを保障するために、ネジ溝(groove)または特別な係止機構が設けられてもよい。
【0075】
図5は、本発明に従うスパチュラ100によって放射されるマイクロ波場を概略的に示す。矢印112によって概略的に示されるように、マイクロ波エネルギは、第1の方向でスパチュラ内へ受容される。このエネルギは、誘電材料を通ってマイクロ波回路に沿って放射素子114まで搬送される。放射端部において、もともとの電力給電方向(すなわち、第1の方向)と直交する方向118でその端部から突出するフリンジ場116が設定される。
【0076】
図6は、本発明に従う放射スパチュラ120についての代替的な構成を示し、それは、装置を小さな開口部に挿入することができるように小型ブレード形状が必要とされる医療用装置、または人体構造の制限された領域内部でスパチュラブレードを操作することが必要とされる医療用装置における使用に特によく適し得る。これらの特定の例においては、ブレードの幅は5mm以下であり、長さは20mm未満であり得る。
【0077】
図6において、スパチュラ120は、パドルの側面の領域126を除いて導電層124でコーティングされたセラミックパドル122を備える。この実施形態においては、完全なスパチュラは、構造が、マイクロ波エネルギを放射することが望ましくない領域が金属材料で覆われたアルミナまたはジルコニアのような、硬質マイクロ波セラミック材料で作られ得る。設計のシミュレーションおよび形状の最適化のために、CSTマイクロ波スタジオ(CST Microwave Studio)(登録商標)またはアンソフトHFSS(Ansoft HFSS)のような、適当な電磁場シミュレーションパッケージが用いられてもよく、それらは、統合インピーダンスマッチング変換器、すなわち1/4負荷または無負荷波長(またはその奇数倍)変換器を含み得る。
【0078】
図6の上段パネルは、コーティング前のセラミックパドル120の上断面図を示す。下段パネルは、コーティング後の側面図である。この実施形態においては、セラミックパドル122は、一方の側面端部128以外、完全に金属化で覆われている。他の実施形態においては、パドルは、一方または両方の側面端部に沿って、および/または、一方または両方(上部および下部)の表面から放射するように構成されてもよい。
【0079】
セラミック材料は、純粋なサファイア、ジルコニアまたはアルミナ(ガラス含有サファイア)であり得、それらは、動作周波数における低散逸率(たとえば、0.0005未満)および高誘電率(たとえば、4以上、すなわち10)を有し、低誘電率を有する同軸線を、高誘電率を有する生物組織にマッチングさせることができるようにする。パドルは、生体適合材料、たとえばPTETまたはパリレンCでコーティングされ、完全な構造が生体適合性を有することを保障する。生体適合材料の絶縁保護コーティングが適用されてもよい。構造(部分的または全体)を覆う生体適合コーティングの使用によって、その構図が1つまたはより多くの生態非適合材料を含むことができるようにする。
【0080】
スパチュラ120は、誘電材料136(たとえば、低密度PTFE)によって外部導電体134から分離された内部導電体132を有する同軸給電線130をさらに備える。給電線130の近位端は、スパチュラ120を生成器(図示せず)に接続してマイクロ波電力を受けるためのコネクタ138(たとえば、SMAオス型コネクタ)で終端される。セラミックパドル122は、その近位端で給電線130を受けるように構成される。放射側面端部128は、給電線130と実質的に同じ(すなわち、近位端においてセラミックパドルの端部に直交する)方向に延在する。
【0081】
内部導電体132および外部導電体134は、給電線の遠位端において誘電材料136を超えて延在する。これによって、セラミックの部分を給電線の長さの内部にフィットさせることができる。給電線内にフィットするセラミックパドルのセクションは接地され、あるいは、内部導電体132を内部に挿入できるように中央部に小さな孔を有する円筒形状に成形される。このセクションは、2つの機能を実行し得る。第1の機能はセラミックパドル122を同軸給電ケーブル130に固定することができるようにすることである。第2の機能は静的インピーダンス変換器として動作することであり、治療されるべき生物組織構造に接触しているときに、給電ケーブルまたは生成器の特性インピーダンス(通常は50Ω)が、セラミックブレードによって示されるインピーダンスとマッチしたインピーダンスとできるようにする。50Ωの生成器と組織によって示されるより低いインピーダンス負荷との間のインピーダンス変換器を実行するために、円筒の物理的長さは、動作周波数における1/4の電気波長の奇数倍であり得る。たとえば、同軸構造内に用いられる外部導電体の内径が1.9mmであり、かつ内部導電体の外形が0.51mmである場合、10の誘電率を有するセラミックについては、同軸ケーブル内へ挿入されるセラミックシリンダで形成されるインピーダンスは、以下の式によって与えられる。
【0082】
【数2】

【0083】
動作周波数が14.5GHzの場合、このセクションが変換器として動作するために、実際的な物理的長さは、
【0084】
【数3】

【0085】
(すなわち、負荷されたλ/4)または4.9mm(負荷された3λ/4)でなくてはならない。第2のセクションが同軸ケーブルとの良好な物理的接触をつくるために、3λ/4変換器長さが好ましい。
【0086】
この変換器は、その構造が(24.93)2/50Ω=12.42Ωの組織インピーダンスにマッチングできるようにする。セラミックシリンダ上へネジ山を形成し、同軸ケーブルの内壁にネジ溝を形成して、放射パドルを同軸構造に固定することが望ましい。
【0087】
放射端部128において生成されるフィールド分布は、セラミックパドル122内部の内部導電体130の長さおよび構成に依存し得る。たとえば、導電体の直線長さが同軸ケーブルの端部の後に存在するセラミックセクションに入ると、電界('E' field)モノポールアンテナが生成される。この例においては、同軸環境の端部からセラミック内へと突出する導電体の長さは、関心のある周波数における負荷波長の1/4の奇数倍の長さであるべきである。たとえば、10の誘電率のセラミックが用いられる場合、14.5GHzにおける効率的なモノポールアンテナを生成するためには、同軸ケーブルの端部から突出すべき中央導電体の長さは、1.64mm(λ/4)または4.91mm(3λ/4)のいずれかである。同軸ケーブルの外部のセラミックセクション内の中央導電体が配線のループ内に形成され、かつ、ループ(または、外周)の長さが関心のある周波数(または、その任意の倍数)における負荷波長の1/2の倍数である場合、磁界('H' field)アンテナがセラミックセクション内部に形成される。
【0088】
マイクロ波エネルギをより効果的に伝送させ、または物理的寸法について開口部もしくはカニューレへの導入の容易さという点でより好ましくすることができるために、同軸給電ケーブルまたは給電線について、非標準の特性インピーダンス、すなわち50Ωまたは75Ωではない、あるいはマイクロ波生成器のインピーダンスと同じでないようにすることも望ましいかもしれず、すなわち、特性インピーダンスが20Ωまたは120Ωとしてもよい。そのような構成において、第1の給電ケーブルの遠位端(生成器と本体内に導入されるケーブルとの間)または本体へ入り込む同軸給電ケーブル130の近位端と、マイクロ波生成器との間に、マッチング変換器を含むことが望ましいかもしれない。その構成において、マッチング変換器は、1/4波長(またはその奇数倍)の変換器であり、内部導電体の外形に対する外部導電体の内径の比率、および2つの導電体を分離するために用いられる材料の誘電率は、変換器の特性インピーダンスを決定する。
【0089】
図7は、スパチュラの対向する側面端部のそれぞれについて選択的に動作可能な2つのアレイ154を有するストリップライン構造についての、他のマイクロ波回路層152の概略平面図を示す。各アレイ154は、スイッチ156(たとえば、PINダイオードまたはバラクタスイッチ)のそれぞれの出力端子に接続される。スイッチの入力端子は、スパチュラのハンドルに接続される同軸ケーブル(図示せず)から電力を受電するように接続される給電線158に接続される。前進電力カプラ160および反転(反射)電力カプラ162が給電線158に接続され、給電線上の前進信号および反射信号の一部を、検出器164に結合する。検出器164は、前進および反射電力カプラからの振幅および/または位相情報を検出して、どのアレイへマイクロ波エネルギを供給するかを決定するように構成され得る。決定は、(図7において制御信号166によって示されるように)自動であってもよいし、手動であってもよく、たとえば、検出器164からの表示情報に基づいてユーザによってなされてもよい。検出器164は、ダイオード検出器(すなわち、トンネルダイオード、ショットキーダイオード、またはゼロバイアスショットキーダイオード)、ホモダイン検出器、またはヘテロダイン検出器の形態をとり得る。
【0090】
本発明の医療用途の原理は、人体の任意の部分に存在するポリープの治療におけるものである。より具体的には、本発明は、腸(特に結腸)、子宮頸部、または膀胱の内膜に存在するポリープを治療するために用いられ得る。
【0091】
ポリープは、粘膜から突き出た組織の異常成長である。ポリープは、(呼吸困難を引き起こす)鼻腔内、および、(ガラガラ声を与える)声帯結節に関連する声帯上にも生じる。結腸ポリープは、結腸癌の源であるので、心配すべきことである。通常、ポリープは、ポリープ切除スネア(polypectomy snare)または生検鉗子のいずれかを用いて、大腸内視鏡検査のときに日常的に切除されている。本発明は、出血を伴わずにポリープを切除することができるとともに、制御されたマイクロ波エネルギが、癌細胞を破壊しその拡大を防止し得る。多くの結腸直腸癌は、現状では、腫瘤を低減する能力を有していない、ずっとより低い無線周波数エネルギベースの装置またはシステムを用いて、緩和的に治療されている。それらは、腫瘍の生の表面を凝固させて、直腸内への出血を止める。
【0092】
同様に、本発明は、膀胱癌の治療においても用いられ、たとえば、癌が進展し得る膀胱の内膜における細胞を切除する。初期段階の診断で、膀胱壁からポリープを切除することができ、この技術は、非手術室環境における「診察と治療(see and treat)」モダリティに役立ち、装置はフレキシブルな膀胱鏡とともに用いられる。癌が膀胱壁に進展すると、より広範な手術が必要になる。
【0093】
ここで提示された構造は、子宮頸癌の効果的な治療にも有用であり得る。この特定の例においては、放射スパチュラ構造は、内視鏡を用いて導入されなくてもよく、子宮頸部の内壁に直接導入されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用スパチュラであって、
平面パドルと、
前記平面パドルの第1の端部から離れて延在するハンドルとを備え、
前記ハンドルは、マイクロ波電源からのエネルギを受けるように接続可能な同軸電力給電部を含み、
前記パドルは、前記同軸電力給電部に接続されるマイクロ波搬送構造を含み、
前記マイクロ波搬送構造は、前記第1の端部の反対の前記パドルの前端部において囲まれるとともに、前記第1の端部から離れて延在する前記パドルの側面に沿って開放されており、マイクロ波放射場がその側面から照射されることを可能にする、外科手術用スパチュラ。
【請求項2】
前記マイクロ波搬送構造は、前記同軸電力給電部に接続されるストリップライン構造を有し、
前記ストリップライン構造は、前記パドルの開放側面端部に配置される複数の放射素子を有するマイクロ波回路を含む、請求項1に記載の外科手術用スパチュラ。
【請求項3】
前記マイクロ波回路は、前記同軸電力給電部のインピーダンスを、自由空間への放射を禁止するが生物組織内への放射を促進するように選択された所定のインピーダンスにマッチングするように構成されたインピーダンス変換器を含む、請求項2に記載の外科手術用スパチュラ。
【請求項4】
前記前端部は、スライシングに不適であるように平滑である、先行する請求項のいずれかに記載の外科手術用スパチュラ。
【請求項5】
内視鏡および先行する請求項のいずれかに記載の外科手術用スパチュラを備える外科手術用器具であって、
前記内視鏡の器具チャネルは、同軸電力ケーブルを支え、
前記スパチュラの前記ハンドルは、前記同軸電力給電部を前記同軸電力ケーブルに接続するように前記器具チャネルの先端部に取り付け可能である、外科手術用器具。
【請求項6】
前記パドルの幅は4mmよりも狭い、請求項5に記載の外科手術用器具。
【請求項7】
前記マイクロ波搬送構造は、前記ハンドルの第1の端部に接続される一片のセラミックを含み、前記一片のセラミックは、前記第1の端部に直交する前記パドルの前記開放側面端部に沿った非金属化領域を除いて金属化された外表面を有し、
前記一片のセラミックの前記金属化された外表面は、前記同軸給電部の外部導体に接続され、
前記一片のセラミックは、前記同軸給電部の内部導体を受けるための通路を有し、前記非金属化領域からマイクロ波放射場が照射されることを可能にする、請求項1に記載の外科手術用スパチュラ。
【請求項8】
1つまたはより多くの上面および/または下面、および/または、一方または両方の側面は、そこからマイクロ波放射場が照射されることを可能にするように開放している、先行する請求項のいずれかに記載の外科手術用スパチュラ。
【請求項9】
外科手術用器具であって、
先行する請求項のいずれかに記載の外科手術用スパチュラと、
内視鏡と、
前記内視鏡の器具チャネルを通って延びるマイクロ波給電ケーブルを介して、前記スパチュラへマイクロ波エネルギを搬送するように接続されたマイクロ波生成器とを備え、
前記外科手術用スパチュラのハンドルは、前記パドルがそこから突出するように前記器具チャネルの遠位端に固定され、
前記ハンドルの前記同軸電力供給部は、前記マイクロ波給電ケーブルに接続される、外科手術用器具。
【請求項10】
前記ハンドルは、前記器具チャネルと締まりばめを形成するようにテーパー状とされる、請求項9に記載の外科手術用器具。
【請求項11】
前記ハンドルは、前記器具チャネルにおける対応するキー溝によって係止するためのキーを含む、請求項9に記載の外科手術用器具。
【請求項12】
前記マイクロ波給電ケーブルと前記ハンドルの前記同軸電力給電部との間の接触面を囲むように取り付けられる絶縁スリーブをさらに含む、請求項9〜11のいずれかに記載の外科手術用器具。
【請求項13】
前記開放側面端部におけるインピーダンスマッチングを表わす反射信号情報を検出して、前記スパチュラに搬送される電力レベルを制御するように構成された検出器をさらに含む、請求項9〜12のいずれかに記載の外科手術用器具。
【請求項14】
前記スパチュラは、複数の開放側面端部および/または開放側面を有し、
各開放側面端部または開放側面は、前記検出された反射信号情報に基づいて選択的に動作可能な、個別のマイクロ波搬送構造を有する、請求項13に記載の外科手術用器具。
【請求項15】
前記スパチュラは、前記マイクロ波生成器からの電力を受けるための個別のマイクロ波搬送構造を選択するように構成された、電子的に制御されるスイッチをさらに含む、請求項14に記載の外科手術用器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−533379(P2012−533379A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521093(P2012−521093)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001376
【国際公開番号】WO2011/010089
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512008495)クレオ・メディカル・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】CREO MEDICAL LIMITED
【Fターム(参考)】