説明

外観検査装置および外観検査方法

【課題】半導体ウエハの周縁部分を効率良く検査することが可能な外観検査装置および外観検査方法を提供すること。
【解決手段】半導体ウエハに処理を施すことにより半導体基板を製造するための各プロセスを実行する1つ以上の半導体製造装置とともに半導体製造システムを構成し、製造過程において半導体基板の外観を検査する。半導体製造装置が半導体ウエハを保持する際の半導体ウエハの保持位置に関するウエハ保持位置情報を、半導体製造装置を特定するための装置識別子と対応付けて取得する手段と、装置識別子と対応付けて取得されたウエハ保持位置情報に基づいて、半導体ウエハの周縁部分を検査するための検査レシピを作成する手段と、作成された検査レシピを格納する手段と、格納された検査レシピに基づいて、半導体ウエハの周縁部分を撮像する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板の外観を検査する外観検査装置に関し、特に、ネットワークを介した複数の装置によって構成される半導体製造システムにおいて、前記半導体製造システムの1構成装置として半導体基板の外観を検査する外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板の製造プロセスにおいては、適宜欠陥検査が行われている。この欠陥検査は、例えば、半導体ウエハの表面上の傷、塵の付着、クラック、汚れ、膜むらなどの欠陥の検査が主流である。特に、半導体ウエハの周縁部分にクラック等があると、これが原因で半導体ウエハが割れてしまうこともあり、製造工程のより初期の段階で周縁部分におけるクラック等の有無を検出して、不良な半導体ウエハを排除するなどの処置をする必要がある。
【0003】
このような周縁部分の欠陥を検査する第1の従来技術として、回転するステージの上に半導体ウエハを搭載し、半導体ウエハの周端面に弾性体を当接させて半導体ウエハの位置を規制した状態で周縁部分の全周の画像を取得して検査を実施する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この第1の従来技術では、半導体ウエハの周縁部分の近傍に、周縁部分の上面を撮像するカメラと、側面を撮像するカメラと、下面を撮像するカメラとが同一平面上で配置されている。そして、周縁部分を撮像する際には、半導体ウエハのノッチ位置を特定した後に、半導体ウエハを回転させ、1周分の周縁部分の画像を各カメラから取り込む。各カメラの画像は、撮像データ処理部で処理され、ノッチ位置の部分を除いて欠陥抽出処理が行われる。
【0005】
また、半導体ウエハの周縁部分のレジスト除去の状態を確認することを目的として、半導体ウエハの周縁部分を連続して撮像する代わりに、周方向を等分した多数地点で撮像を行う第2の従来技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
この第2の従来技術では、例えば、周方向に60°ごとに6回撮像を行い、それぞれの画像に対して分析を行う。そして、何れか1つの画像の測定値がしきい値を外れた場合に、レジストの除去不良が生じたものとみなしている。
【特許文献1】特開2003−243465号公報
【特許文献2】特表2004−518293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、第1の従来技術においては、半導体ウエハの周縁部分の全周を撮像すると、検査に時間がかかってしまう、という問題点があった。
また、第2の従来技術は、半導体ウエハの周縁部分のレジストを除去した場合に、残ったレジストが半導体ウエハの中心からずれているか否かを調べることを目的としているので、周方向に等分した検査点を調べれば足りるが、半導体ウエハの欠陥は周方向に等分した位置に現れるとは限らないため、半導体ウエハの周縁部分の欠陥の発生する可能性の高い部分を効率良く検査することはできない、という問題点があった。
【0008】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、半導体ウエハの周縁部分を効率良く検査することが可能な外観検査装置および外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の外観検査装置は、半導体基板を製造するための各プロセスを実行する1つ以上の半導体製造装置とともに半導体製造システムを構成し、製造過程において前記半導体基板の外観を検査する外観検査装置である。そして、本発明の外観検査装置は、前記半導体製造装置が前記半導体ウエハを保持する際の前記半導体ウエハの保持位置に関するウエハ保持位置情報を、前記半導体製造装置を特定するための装置識別子と対応付けて取得するウエハ保持位置情報取得手段と、前記ウエハ保持位置情報取得手段によって前記装置識別子と対応付けて取得されたウエハ保持位置情報に基づいて、前記半導体ウエハの周縁部分を検査するための検査レシピを作成する検査レシピ作成手段と、前記検査レシピ作成手段によって作成された検査レシピを格納する検査レシピ格納手段と、前記検査レシピ格納手段によって格納された検査レシピに基づいて、前記半導体ウエハの周縁部分を撮像する撮像手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、半導体ウエハの周縁部分の一部、それも周縁部分に欠陥を発生させやすいウエハ保持位置について検査を行うことが可能になる。例えば、半導体ウエハの直径が300mmの場合には、周縁部分の周長は950mm程度になる。従来の外観検査装置では、このように長い領域の検査を常に行っていたが、本発明の外観検査装置ではウエハ保持部分のみを検査することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各半導体製造装置が半導体ウエハを保持する際のウエハ保持位置情報に基づいて検査レシピを作成し、その検査レシピに基づいて前記半導体ウエハの周縁部分を撮像するので、半導体ウエハの周縁部分を効率良く検査することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適用した外観検査装置を含む半導体製造システムの概要を示す図である。
【0013】
図1において、外観検査装置1は、不図示のフレームなどに固定されたベース部2を有し、ベース部2の上に検査部3が搭載されている。検査部3は、検査対象である半導体ウエハWが載置されるウエハ保持部4と、ウエハ保持部4に近接して配置され、半導体ウエハWの周縁部分の画像を取得する周縁撮像部5と有する。ウエハ保持部4と周縁撮像部5(撮像手段)は、装置制御部6で制御されている。なお、周縁撮像部5に加えて半導体ウエハWの全面を観察可能な顕微鏡などの表面検査部を設けても良い。また、周縁撮像部5の代わりに顕微鏡を設置して、周縁部も観察する検査部としてもよい。但しこのときは表面の上方からの観察のみとなる。
【0014】
ウエハ保持部4は、ベース部2に固定され、図1にX軸として示す水平方向に移動可能なXステージ11を有し、Xステージ11上にはX軸に直交する水平方向であるY軸に移動可能なYステージ12が搭載されている。さらに、Yステージ12の上には、XY方向に直交する高さ方向であるZ軸方向に移動可能なZステージ13が搭載されている。これらのXステージ11、Yステージ12およびZステージ13によって、ウエハ保持部4は、周縁撮像部5に対して半導体ウエハWを相対的に3次元に移動させることができる。さらに、Zステージ13の上には、回転部14が設けられている。回転部14は、Z軸回りに回転可能な回転軸15を有する。これらのXステージ11、Yステージ12、Zステージ13および回転軸15の駆動は、サーボモータや、ボールネジ、減速機構を用いて行われる。駆動源は、ステッピングモータや、リニアモータを使用できる。
【0015】
回転軸15の上端には、回転プレート16が設けられている。回転プレート16の上面には、半導体ウエハWを真空吸着によって保持する不図示の吸着部が設けられている。
周縁撮像部5は、ベース部2に固定されたアーム部21で支えられている。周縁撮像部5は、側面視で半導体ウエハWの周縁部分を受け入れ可能な凹部22を有する略C字形状を有し、半導体ウエハWの周縁部分を複数の角度方向から撮像可能な不図示のカメラが配設されている。なお、カメラの数は、1つ又は3つ、5つなど、任意に変更できる。カメラを1つだけ使用するときは、カメラを移動自在に支持することで撮像位置を変更可能にするか、カメラを固定して可動式のミラーで撮像位置を変更可能にする。また、半導体ウエハWの周縁部分を照らす不図示の照明装置は、1つ又は複数設けても良い。照明装置にて、明視野または暗視野、または明暗視野両方で観察できるようにする。
【0016】
装置制御部6は、ウエハ保持部4の各ステージ11、12、13および回転部14の駆動制御や、吸着用の真空引きの制御と、周縁撮像部5の不図示のカメラのズーム調整、フォーカス調整、不図示の照明装置の調光と、カメラの画像信号の受け取りを行う。例えば、モータのドライバ回路や、真空引き用のバルブの開閉を制御するドライバ回路などから構成されている。さらに、装置制御部6は、コンピュータ41にも接続されている。
【0017】
コンピュータ41は、マウス42やキーボード43などの入力装置と、各種の設定や、半導体ウエハWの周縁部分の画像を表示するモニタ44とが接続された汎用コンピュータである。マウス42、キーボード43、モニタ44は、検査者が操作できるインターフェイスである。コンピュータ41は、装置制御部6やマウス42、キーボード43、モニタ44が接続されるI/O(Input/Output)装置45と、制御部46と、検査レシピなどのデータを記憶する記憶装置47とを有する。制御部46は、CPU(中央演算装置)などから構成され、検査レシピに従って検査を実施する検査制御部51と、検査レシピを記憶装置47に登録するレシピ登録部52とに機能分割することができる。なお、コンピュータ41は、外観検査装置1に搭載されても良いし、外観検査装置1とは別に設けられても良い。また、コンピュータ41と装置制御部6で1つの制御装置を形成しても良い。
【0018】
コンピュータ41と工場などにある上位ネットワークホスト100は、コンピュータ41のI/O装置45を介して、市中に存在するネットワークシステム(例えばLAN)で接続され、データや情報のやりとりが可能になっている。
【0019】
また、外観検査装置1は、装置A101、装置B102、装置C103、装置D104および装置E105等、各種製造装置と互いに接続することにより、半導体製造システムを構成している。装置A101、装置B102、装置C103、装置D104および装置E105は、半導体ウエハWに対する回路の焼き付け、研磨、検査等の各種の処理プロセスを施すことにより、半導体基板を製造するためのコーター、デベロッパー、ステッパー等、各種の半導体製造装置であり、外観検査装置1の検査対象となる各製造工程を行う。すなわち、外観検査装置1は、半導体ウエハWに処理を施すことにより半導体基板を製造するための各プロセスを実行する1つ以上の半導体製造装置とともに半導体製造システムを構成し、製造過程において半導体基板の外観を検査する。
【0020】
外観を検査するための事前準備として、外観検査装置1は、装置A101等の半導体製造装置が半導体ウエハWを保持する際の保持位置に関するウエハ保持位置情報を、装置A101等の何れかを特定するための装置識別子と対応付けて取得する。
【0021】
ここで、装置識別子は、製造装置毎に決められた番号であり、その番号に対応した製造装置のウエハ保持位置情報は、基板のノッチやオリエンテーションフラット(以下、オリフラ)などの基準位置を基準とした保持位置を製造装置の保持(把持)部の設計データ等から入力されたものであり、上位ネットワークホスト100に予め登録されている。
【0022】
さらに、各製造装置は、ウエハの基準位置を検出し、ウエハの回転角度を検出し一定方向とするアライメント装置を備えていることが望ましい。常にカセットから取り出したウエハをこのアライメント装置で基準位置を検出し、回転方向を一定方向にして製造装置に投入できるので、カセット内に収納されたウエハの基準位置の回転方向がズレていた場合でも製造装置内の保持装置によるウエハの保持位置を一定にすることができる。
【0023】
また、スピンコータなど製造装置にウエハの中心位置を回転軸として回転する回転テーブルなどの保持部を持つ場合は、上記アライメント装置に加え、回転角度を管理できるように回転角度検知装置を設けることが望ましい。すなわち、ウエハを収納するカセット内には常に基準位置を一定方向にそろえて収納し、製造装置で処理後もカセットに基準位置を一定方向に向けて収納されるように回転する保持部にエンコーダ等を取り付けたり、回転駆動部の回転角度を検知できるステッピングモータとしたりすることが望ましい。これにより回転する保持部がある場合でも常にウエハの保持部の保持位置を一定にすることができる。
【0024】
外観検査装置1は、この装置識別子と対応付けて取得されたウエハ保持位置情報に基づいて、半導体ウエハWの周縁部分を検査するための検査レシピを作成する。ここでできあがった検査レシピを確認するため、モニタ44上に検査領域指定画面を表示し、検査者が、撮像位置や撮像方向の微調整を必要により行う。作成された検査レシピは、記憶装置47に格納される。
【0025】
そして、外観検査装置1は、記憶装置47に格納された検査レシピに基づいて、半導体ウエハWの周縁部分を撮像する。
次に、このような外観検査装置1が実行する外観検査方法について説明する。
【0026】
まず、外観検査装置1が外観検査を実行する場合、まず、装置A101、装置B102、装置C103、装置D104および装置E105等によって様々な処理プロセスが施された半導体ウエハWが、不図示のロボットなどで搬送されてくる。半導体ウエハWは、不図示のアライメント装置でアライメントされノッチ位置を検出してから、回転プレート16の回転中心に半導体ウエハWの中心を合わせて載置される。そして、装置制御部6によって吸着部が半導体ウエハWの裏面の中心付近を真空吸着する。
【0027】
ウエハ保持部4の位置決めが実行されて載置された半導体ウエハWは、記憶装置47に予め登録されている検査レシピに従って周縁部分の検査が行われる。コンピュータ41は、検査対象のウエハに合わせて選択された検査レシピを記憶装置47から読み込んで、検査制御部51に実行させる。すると、半導体ウエハWが所定速度で回転し、検査レシピ、必要により検査領域指定画面で設定された撮像形態や撮像位置で、一時停止するか、または、所定範囲を動画としてカメラが半導体ウエハWの周縁部分の静止画または動画の画像を順次取得し、モニタ44に表示させる。取得した周縁部分の画像は、モニタ44の略中央に表示されるようにウエハ保持部4のXYZが調整されているので、検査者は、モニタ44を目視で確認して傷などの欠陥の有無を検査する。
【0028】
半導体ウエハWの周縁部分の傷や欠陥は、外観検査処理の前工程である装置A101、装置B102、装置C103、装置D104および装置E105等の各種処理において発生し、その傷や欠陥が発生する場所は、装置A101等が半導体ウエハWの周縁部分を把持する保持位置であることが多い。よって、これらの保持位置を検査することにより、傷や欠陥が発見される可能性が高くなる。
【0029】
一方、上位ネットワークホスト100には、同じ生産ラインにある装置A101等が半導体ウエハWを把持する保持位置を示す保持位置情報が存在している。そこで、コンピュータ41は、この上位ネットワークホスト100に保管されている保持位置情報を利用して、座標や角度を算出し、保持位置情報に基づいて検査レシピを作成している。
【0030】
半導体ウエハWの円周上のノッチ位置に対する保持位置の座標や角度、長さなどの情報があれば、座標変換を実行することにより、装置A101等の保持位置を再現し検査することが可能になる。
【0031】
ここで、上位ネットワークホスト100に保存されている情報は、半導体ウエハWに対する保持位置を示した図面データで良い。すなわち、ノッチ位置に対して、保持位置の関係がわかるデータであればよい。
【0032】
図2は、半導体ウエハWを把持する保持位置を示す図である。
図2において、例えば、半導体ウエハWのノッチ位置と呼ばれる凹部を下にとり、半導体ウエハWの中心を(0,0)座標とする。ここで、X方向右がプラス、Y方向上がプラスとする。
【0033】
第1の保持位置201の座標を(X1,Y1)、第2の保持位置202の座標を(−X2、Y2)、第3の保持位置203の座標を(X3、−Y3)とすることにより、半導体ウエハWの円周方向の保持位置が各座標で示される。なお、ノッチ位置は上でも右でも左でもよい。また、ノッチ位置は、外観検査装置1においてノッチがどの向きを向くかで決めた方が、検査者にとってイメージを掴みやすい。
【0034】
図3は、半導体ウエハWを把持する保持位置を原点からの角度を用いて示す図である。
図3において、第1の保持位置201(X1,Y1)、第2の保持位置202(−X2、Y2)および第3の保持位置203(X3、−Y3)は、半導体ウエハWの中心座標(0,0)からの角度で示されている。例えば、第1の保持位置201(X1,Y1)は、原点(0,0)を中心としてノッチ位置から半導体ウエハWの円周を130°回転した位置であり、この位置に座標変換することにより示すことができる。
【0035】
図4は、半導体ウエハWの保持位置の断面を示す図である。
通常、半導体ウエハWの周縁部分の形状は、SEMI規格で規定されていて砥石などで、ラウンド加工されている。したがって、半導体ウエハWの保持位置は、装置A101、装置B102、装置C103、装置D104または装置E105等の各半導体製造装置の違いによって、円周方向の位置の違いが存在するように断面方向でも違いが存在する。図4に示すように、半導体ウエハWの厚さ方向の中心に線を引き、ここを0°位置とする。保持位置の断面方向は保持部の形状などにより、+R1°、−R2°などが各半導体製造装置の違いによって存在する。
【0036】
このような装置A101等の各半導体製造装置の断面方向における保持位置も、上位ネットワークホスト100に保管されているので、これらの情報を外観検査装置1で使用できるように換算し、保持位置を検査する検査レシピを作成する。これにより、保持位置の円周方向、断面方向を検査することができる。
【0037】
そして、装置A101等の各半導体製造装置の保持位置情報より自動作成された検査レシピを行い、欠陥の有無を検査できた場合には、半導体ウエハWの回転を停止させ、吸着を解除してからロボットで半導体ウエハWを搬出する。
【0038】
上述したような第1の実施の形態によれば、あらかじめ保有する保持位置のデータを利用して、半導体ウエハWが装置A101等の各半導体製造装置の保持部に把持される保持位置の検査を自動的に行うことが可能になる。よって、周縁部分の全周を検査する場合に比べて、傷や欠陥の発生しやすい保持位置を検査することができるので、検査時間を大幅に短縮でき、傷や欠陥の見落としなどが減少する。また、検査レシピの作成を自動的に行うので、作業が容易である。
【0039】
本発明は、上述の第1の実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、ウエハ保持部4は、半導体ウエハWをXYZの3方向に移動可能で、かつ半導体ウエハWを回転させることができるものであれば良く、上述した第1の実施の形態の構成に限定されない。また、半導体ウエハWをXYZに移動させる代わりに、周縁撮像部5をXステージ11、Yステージ12、Zステージ13に搭載させて、XYZの3方向に移動可能にしても良い。
【0040】
さらに、XYZの少なくとも1方向に移動可能な機構をウエハ保持部4側に設け、残りの2方向に移動可能な機構を周縁撮像部5側に設けても良い。
また、上位ネットワークホスト100ではなく、上位ネットワークホスト100が指定するフォルダなど、保持位置のデータが保存されているところであれば、どこでも良い。ネットワークでなく、市販されているメモリを使って外観検査装置1に、保持位置のデータを供給しても良い。
【0041】
また、ノッチ位置との関係を示すことが可能な座標や角度の情報があれば、外観検査装置1のモニタ44上で、数字データを入力して直接入力することも可能である。
(第2の実施の形態)
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
【0042】
上述したように、第1の実施の形態において、コンピュータ41は、上位ネットワークホスト100が保存する保持位置のデータに基づいて検査レシピを作成し、半導体ウエハWの周縁部分の検査を実行するが、第2の実施の形態においては、その検査結果から得た傷や欠陥データを照合することができる。
【0043】
検査レシピを用いた半導体ウエハWの周縁部分の検査終了後、半導体ウエハWの周縁部分の全ての傷や欠陥データと、装置A101、装置B102、装置C103、装置D104または装置E105等の各半導体製造装置の保持位置のデータを照合するか、または、各検査レシピによる検査後に、その検査レシピの検査で得た傷や欠陥データと照合しても良い。
【0044】
すなわち、周縁撮像部5によって撮像された周縁部分の撮像画像に基づいて、検査者が周縁部分の欠陥を検査し、欠陥が検出された場合、検査に用いた検査レシピに基づいて、コンピュータ41は、その画像の位置に対応したウエハ保持位置情報の対応する装置識別子からその欠陥を生じさせた半導体製造装置を特定する。
【0045】
さらに、装置A101等の何れの半導体製造装置の基板を搬送したり、保持したりする保持部で傷や欠陥を発生させている可能性が高いかを、上位ネットワークホスト100へフィードバックする。上位ネットワークホスト100は、その該当する製造装置を点検するよう警告を検査者が分かるようにモニタ44等に表示する。
【0046】
このように、半導体ウエハWの周縁部分の傷や欠陥を発見し、即座に、上位ネットワークホスト100にフィードバックをかけることにより、傷や欠陥を出している半導体製造装置の改善を行うことができる。これにより、半導体ウエハWの歩留まりが向上する。
【0047】
以上、本発明の各実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明が適用される外観検査装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の各実施の形態等に限定されることなく、それぞれ単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0048】
すなわち、本発明は、以上に述べた各実施の形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を適用した外観検査装置を含む半導体製造システムの概要を示す図である。
【図2】半導体ウエハWを把持する保持位置を示す図である。
【図3】半導体ウエハWを把持する保持位置を原点からの角度を用いて示す図である。
【図4】半導体ウエハWの保持位置の断面を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 外観検査装置
2 ベース部
3 検査部
4 ウエハ保持部
5 周縁撮像部
6 装置制御部
11 Xステージ
12 Yステージ
13 Zステージ
14 回転部
15 回転軸
16 回転プレート
21 アーム部
22 凹部
41 コンピュータ
42 マウス
43 キーボード
44 モニタ
45 I/O(Input/Output)装置
46 制御部
47 記憶装置
51 検査制御部
52 レシピ登録部
100 上位ネットワークホスト
101 装置A(半導体製造装置)
102 装置B(半導体製造装置)
103 装置C(半導体製造装置)
104 装置D(半導体製造装置)
105 装置E(半導体製造装置)
201 第1の保持位置
202 第2の保持位置
203 第3の保持位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を製造するための各プロセスを実行する1つ以上の半導体製造装置とともに半導体製造システムを構成し、製造過程において前記半導体基板の外観を検査する外観検査装置であって、
前記半導体製造装置が前記半導体ウエハを保持する際の前記半導体ウエハの保持位置に関するウエハ保持位置情報を、前記半導体製造装置を特定するための装置識別子と対応付けて取得するウエハ保持位置情報取得手段と、
前記ウエハ保持位置情報取得手段によって前記装置識別子と対応付けて取得されたウエハ保持位置情報に基づいて、前記半導体ウエハの周縁部分を検査するための検査レシピを作成する検査レシピ作成手段と、
前記検査レシピ作成手段によって作成された検査レシピを格納する検査レシピ格納手段と、
前記検査レシピ格納手段によって格納された検査レシピに基づいて、前記半導体ウエハの周縁部分を撮像する撮像手段と、
を備えることを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
さらに、
前記撮像手段によって撮像された周縁部分の撮像画像に基づいて、前記周縁部分の欠陥を検出する欠陥検出手段と、
前記欠陥検出手段によって欠陥が検出された場合、前記検査レシピに基づいて、前記欠陥を生じさせた半導体製造装置を特定する欠陥発生装置特定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記ウエハ保持位置情報取得手段は、前記装置識別子と対応付けて取得するウエハ保持位置情報を、各半導体製造装置と互いに接続されたネットワークを介して取得することを特徴とする請求項1または2に記載の外観検査装置。
【請求項4】
前記ウエハ保持位置情報は、前記半導体製造システムを管理するネットワークホストコンピュータまたはネットワークフォルダに前記装置識別子と対応付けられて格納されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の外観検査装置。
【請求項5】
さらに、
前記欠陥検出手段によって検出された欠陥に関する欠陥情報および前記欠陥発生装置特定手段によって特定された半導体製造装置に関する装置情報を、前記ネットワークホストコンピュータまたはネットワークフォルダにフィードバックするフィードバック手段、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の外観検査装置。
【請求項6】
前記ウエハ保持位置情報は、前記半導体ウエハに設けられた基準位置を基準にして定められていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の外観検査装置。
【請求項7】
前記基準位置は、前記半導体ウエハのノッチ位置またはオリフラ位置であることを特徴とする請求項6に記載の外観検査装置。
【請求項8】
半導体基板を製造するための各プロセスを実行する1つ以上の半導体製造装置とともに半導体製造システムを構成し、製造過程において前記半導体基板の外観を検査する外観検査方法であって、
前記半導体製造装置が前記半導体ウエハを保持する際の前記半導体ウエハの保持位置に関するウエハ保持位置情報を、前記半導体製造装置を特定するための装置識別子と対応付けて取得し、
前記装置識別子と対応付けて取得されたウエハ保持位置情報に基づいて、前記半導体ウエハの周縁部分を検査するための検査レシピを作成し、
前記作成された検査レシピを記録媒体に格納し、
前記記録媒体に格納された検査レシピに基づいて、前記半導体ウエハの周縁部分を撮像する、
ことを特徴とする外観検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−188226(P2009−188226A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27282(P2008−27282)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】