説明

多光軸光電センサの中間部保持構造及び多光軸光電センサの中間部保持部材

【課題】取り付け作業性に優れる構成を提供する。
【解決手段】多光軸光電センサ10の本体ケース70は、光軸が構成される側の面とは異なる外面に中間保持具80と係合する突条75が形成されており、係合部材90の係合部93は、この突条75に対し相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該被係合部材と係合する係合位置へと変位する構成をなしている。そして、係合部93と突条75とが係合した状態で、端部固定具20,20と、ベース部100が取付け面に取り付けられることで、突条75に対する係合部93の回動が規制され、本体ケース70の中間部が係合状態で保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多光軸光電センサの中間部保持構造及び多光軸光電センサの中間部保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、収納ケース内に複数の投光素子が配列された投光器と、それらの複数の投光素子とそれぞれと対をなす複数の受光素子が配列された受光器とを備え、これら投光並びに受光器を所定の検出領域を挟んで対向した状態で配置して、検出領域内を通過する物体を検出する多光軸光電センサが知られている(特許文献1)。このものは投光並びに受光側の各収納ケースを、その両端に設けられた断面L字状の1対の取付板によって、所要の取付部に固定するようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−74433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような多光軸光電センサは、検出領域の拡大に伴って(投光・受光素子のチャンネル数の増加に伴って)、収納ケースの全長が長くなるから、両端の取付具のみでは十分に収納ケースを保持することができない場合がある。このような場合、収納ケースの全長が長くても、収納ケースの支持が安定するように、長手方向に中間金具を配置することが有効である。しかしこのような中間金具の構成としては、例えば、収納ケースの左右両側面を挟み込む一対の保持片を設け、両保持片の対向間隔を収納ケース側方からの操作によって調整するように締め付けることが考えられる。例えば、一方側の保持片の側方に横向きにねじを配置しておき、このねじを側方から閉めこむことで保持片の対向間隔を狭めてゆく構成などが挙げられる。
【0005】
しかし、上記構造では、複数の保持片を取付け面に固定しなければならず、取り付け作業が面倒である。また、取付け面において、複数の保持片を固定するためのスペースを確保しなければならず、改善の余地があった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、取り付け作業性に優れる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、
複数の光軸を構成する光電素子を内部に収容する長手状の本体ケースを備え、当該本体ケースの長手方向両端部が端部固定部材を介して取付け面に取り付けられる多光軸光電センサの前記長手方向の中間部を、中間部保持部材により取り付けて保持する多光軸光電センサの中間部保持構造であって、
前記本体ケースは、前記光軸が構成される側の面とは異なる外面に前記中間保持部材と係合する被係合部が形成されており、
前記中間保持部材は、前記取付け面に固定される基部と、この基部と一体的に構成されると共に前記被係合部と係合する係合部とを備え、
前記係合部は、前記被係合部に対し、前記長手方向と交差する係合操作回動軸を中心として相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該被係合部材と係合する係合位置へと変位する構成をなし、
前記係合部と前記被係合部とが係合されるとともに、前記端部固定部材と、前記基部とが取付け面に取り付けられることで、前記被係合部に対する前記係合部の相対的な回動が規制され、前記本体ケースの中間部が前記中間部保持部材に係合状態で保持されることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記中間保持部材は、板金加工によって形成されるものであることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、
複数の光軸を構成する光電素子を内部に収容する長手状の本体ケースを備え、当該本体ケースの長手方向両端部が端部固定部材を介して取付け面に取り付けられる多光軸光電センサの前記長手方向の中間部を、中間部保持部材により取り付けて保持する多光軸光電センサの中間部保持構造であって、
前記本体ケースは、前記光軸が構成される側の面とは異なる外面に前記中間保持部材と係合する被係合部が形成され、
前記端部固定部材は、前記本体ケースを前記長手方向と略平行に構成される光軸調整用回動軸を中心として回動可能に保持し、
前記中間保持部材は、
基部と、前記被係合部と係合する係合部とが一体的に形成されてなる係合部材と、
前記係合部材の前記基部を、前記長手方向と略平行に構成される光軸調整用回動軸を中心として回動可能に保持するベース部材と、
を有し、
前記係合部は、前記被係合部に対し、前記長手方向と交差する係合操作回動軸を中心として相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該被係合部材と係合する係合位置へと変位する構成をなし、
前記係合部と前記被係合部とが係合されるとともに、前記端部固定部材と、前記ベース部とが取付け面に取り付けられることで、前記被係合部に対する前記係合部の相対的な回動が規制され、前記本体ケースの中間部が前記中間部保持部材に係合状態で保持されることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記係合部材は、板金加工によって形成されるものであることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記光軸調整用回動軸の位置が、前記光学ユニットにおける前記光軸を形成する側の外面の位置と略一致するように、前記端部固定部材及び前記中間部保持部材が配されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記多光軸光電センサは、前記光軸が構成される側の前面と、一対の側面と、前記前面と反対側に構成される背面とを有し、
前記被係合部は、前記側面と前記背面との間の角部に形成されるとともに、前記ベース部材は、前記被係合部を回動方向の中心に配した状態で前記光軸の延長線を横切らないように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6に記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記被係合部は、複数の角部に形成されており、それら前記被係合部に前記係合部材がそれぞれ係合されていることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記被係合部は、前記長手方向に延びると共に外方に突出する突条からなり、
前記係合部は、前記突条に対して交差する方向の両側にそれぞれ位置して前記突条を両側から挟む一対の爪状部を備え、
前記突条は、前記長手方向に直交する断面において、前記本体ケースの本体部に連結する基端部側の小幅部と、前記小幅部よりも幅の大きい先端部側の大幅部と、を有し、両爪状部間の距離は前記大幅部の幅よりも大きくされ、両爪状部の挟持方向の距離は、前記大幅部より小さくされていることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記基部には、前記係合部と前記被係合部とが係合状態にあるときにその先端が前記被係合部の外面と当接する凸部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項9に記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記凸部は、前記一対の爪状部間の中央に設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明は、請求項9又は請求項10のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記凸部は半球状をなすことを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造において、
前記係合部及び前記被係合部の少なくとも一方には、前記係合部と前記被係合部とを係合させる際に他方を押圧するテーパ部が形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項13の発明は、
複数の光軸を構成する光電素子を内部に収容する長手状の本体ケースを備え、当該本体ケースの長手方向両端部が端部固定部材を介して取付け面に取り付けられる多光軸光電センサの中間部を保持する中間部保持部材であって、
前記中間保持部材は、前記本体ケースにおける前記光軸が構成される側の面とは異なる外面に係合された被係合部と係合する係合部と、前記係合部と一体的に形成されると共に取付け面に取り付けられる基部と、を備え、
前記係合部は、前記被係合部に対し、前記長手方向と交差する係合操作回動軸を中心として相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該被係合部材と係合する係合位置へと変位する構成をなし、
前記端部固定部材によって取付け面に固定される前記多光軸光電センサの前記被係合部に対して前記係合部が係合されるとともに、前記基部が取付け面に取り付けられることで、前記被係合部に対する前記係合部の相対的な回動が規制されるようになっていることを特徴とする。
【0020】
請求項14の発明は、
複数の光軸を構成する光電素子を内部に収容する長手状の本体ケースを備え、当該本体ケースの長手方向両端部が端部固定部材を介して取付け面に取り付けられる多光軸光電センサの中間部を保持する中間部保持部材であって、
前記本体ケースにおける前記光軸が構成される側の面とは異なる外面に係合された被係合部と係合する係合部と、前記係合部と一体的に形成された基部と、を備えた係合部材と、
前記係合部材の前記基部を前記長手方向と略平行に構成される光軸調整用回動軸を中心として回動可能に保持するベース部材と、
を有し、
前記係合部は、前記被係合部に対し、前記長手方向と交差する係合操作回動軸を中心として相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該被係合部材と係合する係合位置へと変位する構成をなし、
前記端部固定部材によって取付け面に固定される前記多光軸光電センサの前記被係合部に対して前記係合部が係合されるとともに、前記係合部材を保持する前記ベース部が取付け面に取り付けられることで、前記被係合部に対する前記係合部の相対的な回動が規制されるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
<請求項1、13の発明>
請求項1、13の発明によれば、中間保持部品の部品点数削減を効果的に図ることができ、かつ着脱の際の作業性に優れた構造となる。
【0022】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、中間保持部品の製造コストを効果的に低減できる。
【0023】
<請求項3、14の発明>
請求項3、14の発明によれば、本体ケース及び光学ユニットを回動可能に保持できる構成を実現しつつ、中間保持部品の部品点数を効果的に低減できる。
【0024】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、本体ケース及び光学ユニットを回動可能に保持できる構成において、中間保持部品の製造コストを効果的に低減できる。
【0025】
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、本体ケース及び光学ユニットが、出射側の面の所定位置を中心として回動することとなる。従って、微妙な光軸調整を行いやすくなる。
【0026】
<請求項6の発明>
請求項6の発明によれば、被係合部は、本体ケースの角部に形成されるため、デットスペースの少ない構成を採りやすくなる。
【0027】
<請求項7の発明>
請求項7の発明によれば、取付性をより一層向上できることとなる。
【0028】
<請求項8の発明>
請求項8の発明によれば、中間部保持部材を本体ケースに組み付ける際に、長距離のスライド操作などを行わずとも容易にかつ良好に取り付けることのできる好適な構成となる。
【0029】
<請求項9の発明>
請求項9の発明によれば、係合状態において、がたつきを効果的に抑制できる。また、凸部と被係合部との当接により、摩擦力の低減が図られ、解除位置と係合位置との間を相対移動させる際に、小さい力でスムーズに移動できることとなる。
【0030】
<請求項10の発明>
請求項10の発明によれば、凸部が係合部を係合位置と解除位置とで相対移動させる際の回転中心として機能し、回転操作が良好に行われる好適例となる。
【0031】
<請求項11の発明>
請求項11の発明によれば、凸部と被係合部との接触面積がより小さくなり、移動の際に係合部と被係合部との間に生じる摩擦力をより一層低減できる構成となる。その結果、解除位置と係合位置との間を相対移動させる際に、極めて小さい力で移動できることとなる。
【0032】
<請求項12の発明>
請求項12の発明によれば、係合部及び被係合部の少なくともいずれかの弾性力により、係合部と被係合部とが強固に係合されることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図面を参照して説明する。
図1は、実施形態1における多光軸光電センサの取り付け状態を示す斜視図であり、図2は投光器の正面図である。図3は、端部保持具の分解斜視図であり、図4は、端部保持具の斜視図である。なお、図1では、中間部保持部材に相当する中間部保持具80を省略して示している。
【0034】
1.全体構成
図1に示す10は多光軸光電センサであって投光器12、受光器13を主体として構成されている。これら、投光器12並びに受光器13は天井壁とともに作業エリアを囲む左右の縦壁Wの壁面(壁面は本発明の取付け面に相当する)の前端部において縦向きに対向配置される。そのため、両間に物体が存在すると、その物体により投光器12から出射され受光器13に向う光が遮られるため、物体が存在しないときに比べて受光器13での受光量レベルが低下する。従って、受光器13での受光量レベルを測定することで検出領域内を通過する物体(作業者の手等)の有無について検出することが可能になる。以下、これらの構成について投光器12側を例に挙げて説明する。
【0035】
投光器12は、例えば8つの投光素子(本発明の光電素子に相当する)11が一列状に配された投光ユニット15を断面コの字状をなす長尺の本体ケース70内に収容してなる。図2に示すように、投光ユニット15は一側面に投光窓(透光部材によって封鎖されている)16Aが開口された収容ケース16を備えてなる。収容ケース16内には投光窓16Aに投光先を向けた状態で投光素子11が収容されている。そして、投光ユニット15の一端部(図2における下側の端部)には光軸調整用の表示灯19が設けられている。この表示灯19は受光素子の全てが、対応する各投光素子からの光を受光したときにON(点灯)し、それ以外では各受光素子の受光状態に応じてOFF(消灯)或いは点灯するようになっている。
【0036】
また、上記本体ケース70の上下両開放端には1対のキャップ部材17A、17Bが嵌着されている。このキャップ部材17A、17Bはブロック状をなすとともに、その端面には次述する端部保持具20がそれぞれ取り付けられるようになっている。
【0037】
次に、投光器12を縦壁Wに取り付けるための金具について説明する。投光器12は本体ケース70の上下両端部を保持する端部保持具20と、本体ケース70の長手方向に関する中間部分の側面を保持する後述する中間部保持具(本発明の中間部保持部材に相当する)90によって保持されている。
【0038】
2.端部保持具
まず、端部保持具20について説明する。
図3に示すように、端部保持具20は縦壁Wに対して固定される板状のベースプレート21と、キャップ部材17A、17Bに対して固定されるブロック状の連結ブロック30とを主体として構成される。尚、上下のキャップ部材17A、17Bに対する端部保持具20の取り付け構造は同じであるため、以下、キャップ部材17Bを例にとって説明する。
【0039】
ベースプレート21には板面を上下に貫通するように3個の貫通孔21A、21Bが形成されている。これら貫通孔21A、21Bのうちベースプレート21のキャップ部材17B側に形成される一対の貫通孔21Aは、本体ケース70の長手方向に沿う長孔とされており、これは縦壁Wに対する取り付け用の孔である。ベースプレート21の上面奥端部には、連結ブロック30に向かって突出する受け部22が形成されている。この受け部22のうち連結ブロック30に対する対向面は緩やかな曲率をもって湾曲する凹面23とされている。
【0040】
連結ブロック30は、図3における上面側に本体ケース70の長手方向に沿って貫通する挿通溝31を設けている。この挿通溝31はキャップ部材17Bから引き出された信号ケーブル18が嵌合されるようになっている。また、連結ブロック30には挿通溝31の左右両側に挿通溝31と平行にねじ孔32が一対形成されている。一方、キャップ部材17Bの端面のうち、ねじ孔32と対向する部分には同じくねじ孔19Aが形成されている。そのため、両ねじ孔19A、32を整合させた状態から取付ねじ27によって共締めしてやることで、連結ブロック30をキャップ部材17Bに対して固定することができる。
【0041】
連結ブロック30のうちベースプレート21の受け部22と対向する位置には、受け部22の曲率に倣った弧状をなす摺動片33が突設されている。この摺動片33の内周側には断面が半円形の押圧ブロック35が嵌合されるようになっている。押圧ブロック35の上端面、受け部22の凹面23にはそれぞれ一対の取り付け孔35A、23Aが設けられるとともに、摺動片33にはこれら取り付け孔35A、23Aと対応する位置に、凹面23の周方向に沿った長孔33Aが形成されている。そのため、各孔23A、33A、35Aを貫くように取付ねじ38を締めこむことで、受け部22と押圧ブロック35とによって摺動片33を挟持することができる。これにより、ベースプレート21と連結ブロック30が固定されるから、本体ケース70の上下両端部を縦壁Wの壁面に対して固定することができる。
【0042】
尚、取付ねじ38の締め込みを緩めてやれば、受け部22と押圧ブロック35による挟持状態が解かれるため、この状態から本体ケース70を光軸調整用回動軸P1(図1,図5)を中心に回動方向に押してやれば、受け部22と摺動片33とのあわせ面並びに、摺動片33と押圧ブロック35とのあわせ面が摺接面となって、本体ケース70は滑らかに回動する。なお、図3等に示す、外面35B、33B、33C、凹面23の曲面形状(即ち、あわせ面の形状)は一例であり、これら曲面の曲率を変更すれば、後述する光軸調整用回動軸P1の位置が変更されるようになる。本実施形態では、後述する位置にて光軸調整用回動軸P1が設定されるように、これら外面35B、33B、33C、凹面23の曲面形状が設定されている。
【0043】
3.中間部保持具
次に、本体ケース70の中間部を保持する中間部保持具80について説明する。図5は、多光軸光電センサ10及び中間保持具80を例示する断面図であり、図6は、中間保持具80について、ベース部100から係合部材90を取り外した状態を例示する斜視図である。なお、本実施形態の多光軸光電センサ10における本体ケース70は、図1に示す領域C1全体が、図5と同様の断面形状となっている。図7は、多光軸光電センサ10及び係合部材90をベース部材100から取り外した状態を示す断面図であり、図8は、係合部材90を示す平面図(凸部と対向する方向から見た図)である。また、図9は、図5から多光軸光電センサ10及び係合部材90が所定角度回動した状態を例示する断面図である。なお、図9において、回動前の前面位置(図5における前面位置)を符号10A’で示している。
【0044】
上述したように、多光軸光電センサ10は、複数の光電素子11を有すると共に、その複数の光電素子11により複数の光軸B1を構成する光学ユニットと、光学ユニットを内部に収容する長手状の本体ケース70と、を備え、その長手方向両端部が端部固定具20,20を介して縦壁Wの壁面に取り付けられるようになっている。本発明に係る中間部保持構造は、このような多光軸光電センサ10の長手方向の中間部を、中間部保持具80により取り付けて保持する構造である。
【0045】
本実施形態の中間部保持具80は、係合部材90とベース部材100とを有している。
係合部材90は、基部95と、後述する本体ケース70の突条75(突条75は被係合部に相当する)と係合する係合部93とが一体的に形成されている。なお、係合部材90の詳細については後述する。
【0046】
ベース部材100は、係合部材90の基部95を、長手方向と略平行に構成される光軸調整用回動軸P1を中心として回動可能に保持するものである。ベース部材100は図5,図6に示すように、基板部104と、この基板部104の一端部から起立形成される起立壁105とを備えてなる。起立壁105は基板部104の全長(多光軸光電センサ10の長手方向に沿う方向の全長)に亘って形成されている。
【0047】
基板部104並びに起立壁105両端寄りの位置にはそれぞれ一対の取付孔104A、105Aが開口しており、このうちの基板部104に開口される取付孔104Aが縦壁Wに対するものである。一方、起立壁105に設けられる取付孔105Aは本実施形態においては使用されないが、例えば、投光器12を壁同士が交わるコーナ部に装着する際に使用されるものである。
【0048】
図5,図6に示すように、ベース部材100には、一対の摺動動作案内溝101が形成されている。これら一対の摺動動作案内溝101は、光軸調整用回動軸P1を中心とする弧状形態をなしている。この摺動動作案内溝101に対して係合部材90の両端部98、99が嵌合されるようになっており、係合部材90は、ベース部材100に対して光軸調整用回動軸P1を中心として回動可能に連結される。
【0049】
係合部材90は、板金加工によって形成されるものであり、基部95は、湾曲した板状形態をなしている。係合部93は、後述する突条75を両側から挟む一対の爪状部91,92からなり、図5、図6、図8に示すように、板片を折り曲げた構成をなしている。
【0050】
本体ケース70は、光軸B1(図1)が構成される側の面とは異なる外面に中間保持具80と係合する突条75(突状部75は被係合部に相当する)が形成されている。この突条75は、本体ケース70の上下両開放端間を長手方向の全体にわたって連続して形成されている。なお、突条75は、本体ケース70の押出成形と同時に成形される。このため、突条75の長手方向の一部を部分的に除去するための加工等を行わなくてもよく、コストや工数の増大が抑制される。
【0051】
係合部93は、この突条75に対し、長手方向と交差する方向に沿って構成される係合操作回動軸P2を中心として相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該突条75と係合する係合位置へと変位する構成をなしている。なお、「長手方向と交差する方向」とは、長手方向と平行ではない方向を意味している。本実施形態では、凸部97の突出方向に沿って係合操作回動軸P2が設定されている。
【0052】
そして、係合部93と突条75とが係合した状態で、端部固定具20と、ベース部100が壁部Wの壁面(取付け面)に取り付けられることで、突条75に対する係合部93の相対的に回動が規制され(即ち、係合部材90は、位置保持される摺動動作案内溝101の拘束により、光軸調整用回動軸P1を中心として回動し、係合操作用回動軸P2を中心とした回動が不能となり)、本体ケース70の中間部10Eが中間部保持具80に係合状態で保持される。
【0053】
図5に示すように、多光軸光電センサ10は、光軸B1(図1)が構成される側の前面10Aと、一対の側面10B,10Cと、前面10Aと反対側に構成される背面10Dとを有し、突条75は、側面10B,10Cと背面10Dの間の角部10Gに形成されている。この突条75は、長手方向に延びると共に外方に突出しており、図5のような多光軸光電センサ10の長手方向に直交する断面において、本体ケース70の本体部71(本体部71は、本体ケース70における突条75以外の部分)に連結する基端部側の小幅部75Aと、小幅部75Aよりも幅の大きい先端部側の大幅部75Bとを有している。また、ベース部材100は、突条75を回動方向の中心に配した状態で光軸B1(図1)の延長線を横切らないように構成されている
【0054】
一方、各爪状部91,92は、図8に示すように、突条75に対して交差する方向の両側にそれぞれ位置している(図8では、一点鎖線にて突条75を図示)。両爪状部91,92間の距離L1は大幅部75Bの幅D1よりも大きくされ、両爪状部91,92の挟持方向の距離L2は、大幅部75Bの幅D1より小さくされている。従って、係合部材90を突条75に対し斜めに傾ければ当該突条75を爪状部91,92の間に容易に進入させることができ、かつその状態で、係合操作用回動軸P2を中心として係合部材90を突条75に対し相対的に回動させるようにすれば、図8のように係合状態となる。上述したように、大幅部75Bの幅D1は、挟持方向の距離L2よりも大きいため、良好に抜け止めがなされる。
【0055】
また、基部95には、係合部93と突条75とが係合状態にあるときにその先端が被係合部の外面と当接する半球状の凸部97が形成されている。この凸部97は、一対の爪状部91,92間の中央に設けられている。
【0056】
係合部93及び突条75のうち、係合部93(爪状部91,92)は弾性変形可能に構成されており、係合部93と突条75の係合状態において、係合部93の弾性復帰力により、係合部93が突条75に対して押圧されるようになっている。具体的には、突条75に形成されたテーパ面によって爪状部91,92が外側に押し広げられ、弾性力が発生するようになっている。即ち、係合部93と突条75とが係合する際にに、テーパ面75C,75Dによって、爪状部91,92が変形する方向に案内され、この爪状部91,92の弾性復帰力により、係合部93(爪状部91,92)が突条75に対して押圧する
【0057】
また、光軸調整用回動軸P1の位置が、光学ユニット(投光ユニット15)における光軸を形成する側の外面(即ち前面10A)の位置と略一致するように、端部固定部材20及び中間部保持部材80が配されるようになっている。
【0058】
<実施形態2>
図10は、実施形態2に係る多光軸光電センサ及び係合部材を例示する断面図であり、図11は、実施形態2の中間部保持構造を例示する断面図である。また、図12は、実施形態2の係合部材を例示する斜視図である。
本実施形態では、係合部と被係合部の構造が上記実施形態と異なっており、他の構成は同一であるの係合部と被係合部以外については同一の符号を付し、詳細な説明については省略する。本実施形態の係合部193は、図12のように、基部195から突出し、一対の係合片193A,193Aが突出方向に対する直交方向に延出する構成をなしている。係合部175は、溝状に構成されており、奥側が広く、入り口付近が狭く構成されている。図10のように、係合部193を横にした状態で、被係合部175に挿入し、挿入後回動させることにより、図11のような係合状態となる。また、一対の係合片193A,193Aには、対角の位置に、側面が湾曲した形態をなす一対の湾曲部193B,193Bが形成されている。この湾曲部193B,193Bが形成されているため、図10のように係合部193を被係合部175に挿入した後、当該係合部193を被係合部175に対し、相対的に良好に回動させることができるようになる。また、湾曲でない一対の角部193C,193Cにより、図11のような係合状態で一方の方向にそれ以上回動しないようになり(即ち、角部193C,193Cは回動止め機能を有し)、かつ係合状態で本体ケース70の本体部が係合部材190に安定的に保持されることとなる。なお、このような湾曲部193Bや角部193Cは、後述する実施形態3、4においても同様に形成できる(即ち、係合部293(図15)や、被係合部375(図17)も、テーパ状に構成される部分以外は係合部193と同様の形状とすることができる。
【0059】
本実施形態においても、実施形態1と同様に、多光軸光電センサ10は、複数の光電素子11を有すると共に、その複数の光電素子11により複数の光軸B1を構成する光学ユニットと、光学ユニットを内部に収容して保持する長手状の本体ケース70と、を備え、その長手方向両端部が端部固定具20,20を介して縦壁Wの壁面に取り付けられるようになっている。そして、本発明に係る中間部保持構造も、このような多光軸光電センサ10の長手方向の中間部を、中間部保持具80により取り付けて保持する構造である。
【0060】
本実施形態の係合部193も、この突条175に対し相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該突条175と係合する係合位置へと変位する構成をなしている。
【0061】
そして、係合部193と突条175とが係合した状態で、端部固定具20と、ベース部100が壁部Wの壁面(取付け面)に取り付けられることで、突条175に対する係合部193の相対的に回動が規制され、本体ケース70の中間部10Eが中間部保持具80に係合状態で保持される。
【0062】
<実施形態3>
図13は、実施形態3に係る多光軸光電センサ及び係合部材を例示する断面図であり、図14は、実施形態3の中間部保持構造を例示する断面図である。図15は、実施形態3の係合部材を例示する側面図である。
本実施形態では、係合部と被係合部の構造が上記実施形態と異なっており、他の構成は同一であるの係合部と被係合部以外については同一の符号を付し、詳細な説明については省略する。
【0063】
本実施形態の係合部293も、図15のように、基部295から突出し、一対の係合片293A,293Aが突出方向に対する直交方向に延出する構成をなしている。係合部275は、実施形態2と同様に、溝状に構成されており、奥側が広く、入り口付近が狭く構成されている。図13のように、係合部293を横にした状態で、被係合部275に挿入し、挿入後回動させることにより、図14のような係合状態となる。本実施形態は、係合片293A,293Aの基部側の面において、テーパ部が形成される点が実施形態2と異なっており、挿入後の回動により、被係合部275の保持片275A,275Aが案内されて図14のような撓み状態となり、これら保持片275A,275Aにより弾性力が付与されるようになっている。
【0064】
本実施形態においても、実施形態1と同様に、多光軸光電センサ10は、複数の光電素子11を有すると共に、その複数の光電素子11により複数の光軸B1を構成する光学ユニットと、光学ユニットを内部に収容して保持する長手状の本体ケース70と、を備え、その長手方向両端部が端部固定具20,20を介して縦壁Wの壁面に取り付けられるようになっている。そして、本発明に係る中間部保持構造も、このような多光軸光電センサ10の長手方向の中間部を、中間部保持具80により取り付けて保持する構造である。
【0065】
本実施形態の係合部293も、この突条275に対し相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該突条275と係合する係合位置へと変位する構成をなしている。
【0066】
そして、係合部293と突条275とが係合した状態で、端部固定具20と、ベース部100が壁部Wの壁面(取付け面)に取り付けられることで、突条275に対する係合部293の相対的に回動が規制され、本体ケース70の中間部10Eが中間部保持具80に係合状態で保持される。
【0067】
<実施形態4>
図16は、実施形態4に係る多光軸光電センサ及び係合部材を例示する断面図であり、図17は、実施形態4の中間部保持構造を例示する断面図である。また、図18は、実施形態4の係合部材を例示する斜視図である。
本実施形態では、係合部と被係合部の構造が上記実施形態と異なっており、他の構成は同一であるので係合部と被係合部以外については同一の符号を付し、詳細な説明については省略する。
【0068】
実施形態4は、実施形態3の係合部と被係合部の形状をほぼ逆にした構成となっている。即ち、被係合部375が突出した構成となしており、一対の係合片375A,375Aを備えている。一方、係合部393が溝状に構成され、奥側が幅広に構成され、入り口側が狭く構成されている。そして、係合部373に保持片393A,393Aが形成されている。被係合部375の係合片375A,375Aにはテーパ部が形成されており、実施形態3と同様に、係合状態では、保持片393A,393Aが撓んで弾性力が付与されるようになっている。
【0069】
本実施形態においても、実施形態1と同様に、多光軸光電センサ10は、複数の光電素子11を有すると共に、その複数の光電素子11により複数の光軸B1を構成する光学ユニットと、光学ユニットを内部に収容して保持する長手状の本体ケース70と、を備え、その長手方向両端部が端部固定具20,20を介して縦壁Wの壁面に取り付けられるようになっている。そして、本発明に係る中間部保持構造も、このような多光軸光電センサ10の長手方向の中間部を、中間部保持具80により取り付けて保持する構造である。
【0070】
本実施形態の係合部393も、この突条375に対し相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該突条375と係合する係合位置へと変位する構成をなしている。
【0071】
そして、係合部393と突条375とが係合した状態で、端部固定具20と、ベース部100が壁部Wの壁面(取付け面)に取り付けられることで、突条375に対する係合部393の相対的に回動が規制され、本体ケース70の中間部10Eが中間部保持具80に係合状態で保持される。
【0072】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0073】
(1)被係合部を、複数の角部に形成し、それら被係合部に係合部材をそれぞれ係合させてもよい。
【0074】
(2)上記実施形態でいう係合部材を取付け面に直接固定するようにしてもよい。この場合、係合部材が中間部保持部材に相当することとなる。具体的には、実施形態1の構成からベース部材を省略し、かつ基部95を平板状に構成して、取付け面に取り付けるようにするとよい。この場合、本体ケース70側の被係合部を実施形態1のような角部に形成される突条としてもよいが、背面10Dの位置に実施形態1の突条75と同様の突条を形成し、これに上記の平板状の係合部材を取り付けるようにしてもよい。また、このように係合部材を取付け面に直接取り付ける場合、基部にねじ等を挿通するための孔を設け、ねじ等の締結部材によって係合部材を取り付け面に取り付けるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施形態1における多光軸光電センサの取り付け状態を示す斜視図
【図2】投光器の正面図
【図3】端部保持具の分解斜視図
【図4】端部保持具の斜視図
【図5】多光軸光電センサ10及び中間保持具80を例示する断面図
【図6】中間保持具について、ベース部から係合部材を取り外した状態を例示する斜視図
【図7】多光軸光電センサ及び係合部材をベース部材から取り外した状態を示す断面図
【図8】係合部材を示す図
【図9】図5から多光軸光電センサ及び係合部材が所定角度回動した状態を例示する断面図
【図10】実施形態2に係る多光軸光電センサ及び係合部材を例示する断面図
【図11】実施形態2の中間部保持構造を例示する断面図
【図12】実施形態2の係合部材を例示する斜視図
【図13】実施形態3に係る多光軸光電センサ及び係合部材を例示する断面図
【図14】実施形態3の中間部保持構造を例示する断面図
【図15】実施形態3の係合部材を例示する側面図
【図16】実施形態4に係る多光軸光電センサ及び係合部材を例示する断面図
【図17】実施形態4の中間部保持構造を例示する断面図
【図18】実施形態4の係合部材を例示する斜視図
【符号の説明】
【0076】
10…多光軸光電センサ
10A…前面(光軸が形成される側の外面)
10B,10C…側面
10D…背面
10E…中間部
10F,10G…角部
11…光電素子
15…投光ユニット(光学ユニット)
20…端部固定具(端部保持部材)
70…本体ケース
75…突条(被係合部)
75A…小幅部
75B…大幅部
75C,75D…テーパ面
80…中間部保持具(中間部保持部材)
90…係合部材
91,92…爪状部
93…係合部
95…基部
97…凸部
100…ベース部材
B1…光軸
L1…両爪状部間の距離
L2…両爪状部の挟持方向の距離
P1…光軸調整用回動軸
P2…係合操作回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光軸を構成する光電素子を内部に収容する長手状の本体ケースを備え、当該本体ケースの長手方向両端部が端部固定部材を介して取付け面に取り付けられる多光軸光電センサの前記長手方向の中間部を、中間部保持部材により取り付けて保持する多光軸光電センサの中間部保持構造であって、
前記本体ケースは、前記光軸が構成される側の面とは異なる外面に前記中間保持部材と係合する被係合部が形成されており、
前記中間保持部材は、前記取付け面に固定される基部と、この基部と一体的に構成されると共に前記被係合部と係合する係合部とを備え、
前記係合部は、前記被係合部に対し、前記長手方向と交差する係合操作回動軸を中心として相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該被係合部材と係合する係合位置へと変位する構成をなし、
前記係合部と前記被係合部とが係合されるとともに、前記端部固定部材と、前記基部とが取付け面に取り付けられることで、前記被係合部に対する前記係合部の相対的な回動が規制され、前記本体ケースの中間部が前記中間部保持部材に係合状態で保持されることを特徴とする多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項2】
前記中間保持部材は、板金加工によって形成されるものであることを特徴とする請求項1記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項3】
複数の光軸を構成する光電素子を内部に収容する長手状の本体ケースを備え、当該本体ケースの長手方向両端部が端部固定部材を介して取付け面に取り付けられる多光軸光電センサの前記長手方向の中間部を、中間部保持部材により取り付けて保持する多光軸光電センサの中間部保持構造であって、
前記本体ケースは、前記光軸が構成される側の面とは異なる外面に前記中間保持部材と係合する被係合部が形成され、
前記端部固定部材は、前記本体ケースを前記長手方向と略平行に構成される光軸調整用回動軸を中心として回動可能に保持し、
前記中間保持部材は、
基部と、前記被係合部と係合する係合部とが一体的に形成されてなる係合部材と、
前記係合部材の前記基部を、前記長手方向と略平行に構成される光軸調整用回動軸を中心として回動可能に保持するベース部材と、
を有し、
前記係合部は、前記被係合部に対し、前記長手方向と交差する係合操作回動軸を中心として相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該被係合部材と係合する係合位置へと変位する構成をなし、
前記係合部と前記被係合部とが係合されるとともに、前記端部固定部材と、前記ベース部とが取付け面に取り付けられることで、前記被係合部に対する前記係合部の相対的な回動が規制され、前記本体ケースの中間部が前記中間部保持部材に係合状態で保持されることを特徴とする多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項4】
前記係合部材は、板金加工によって形成されるものであることを特徴とする請求項3記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項5】
前記光軸調整用回動軸の位置が、前記光学ユニットにおける前記光軸を形成する側の外面の位置と略一致するように、前記端部固定部材及び前記中間部保持部材が配されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項6】
前記多光軸光電センサは、前記光軸が構成される側の前面と、一対の側面と、前記前面と反対側に構成される背面とを有し、
前記被係合部は、前記側面と前記背面との間の角部に形成されるとともに、前記ベース部材は、前記被係合部を回動方向の中心に配した状態で前記光軸の延長線を横切らないように構成されていることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項7】
前記被係合部は、複数の角部に形成されており、それら前記被係合部に前記係合部材がそれぞれ係合されていることを特徴とする請求項6に記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項8】
前記被係合部は、前記長手方向に延びると共に外方に突出する突条からなり、
前記係合部は、前記突条に対して交差する方向の両側にそれぞれ位置して前記突条を両側から挟む一対の爪状部を備え、
前記突条は、前記長手方向に直交する断面において、前記本体ケースの本体部に連結する基端部側の小幅部と、前記小幅部よりも幅の大きい先端部側の大幅部と、を有し、両爪状部間の距離は前記大幅部の幅よりも大きくされ、両爪状部の挟持方向の距離は、前記大幅部より小さくされていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項9】
前記基部には、前記係合部と前記被係合部とが係合状態にあるときにその先端が前記被係合部の外面と当接する凸部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項10】
前記凸部は、前記一対の爪状部間の中央に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項11】
前記凸部は半球状をなすことを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項12】
前記係合部及び前記被係合部の少なくとも一方には、前記係合部と前記被係合部とを係合させる際に他方を押圧するテーパ部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の多光軸光電センサの中間部保持構造。
【請求項13】
複数の光軸を構成する光電素子を内部に収容する長手状の本体ケースを備え、当該本体ケースの長手方向両端部が端部固定部材を介して取付け面に取り付けられる多光軸光電センサの中間部を保持する中間部保持部材であって、
前記中間保持部材は、前記本体ケースにおける前記光軸が構成される側の面とは異なる外面に係合された被係合部と係合する係合部と、前記係合部と一体的に形成されると共に取付け面に取り付けられる基部と、を備え、
前記係合部は、前記被係合部に対し、前記長手方向と交差する係合操作回動軸を中心として相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該被係合部材と係合する係合位置へと変位する構成をなし、
前記端部固定部材によって取付け面に固定される前記多光軸光電センサの前記被係合部に対して前記係合部が係合されるとともに、前記基部が取付け面に取り付けられることで、前記被係合部に対する前記係合部の相対的な回動が規制されるようになっていることを特徴とする多光軸光電センサの中間部保持部材。
【請求項14】
複数の光軸を構成する光電素子を内部に収容する長手状の本体ケースを備え、当該本体ケースの長手方向両端部が端部固定部材を介して取付け面に取り付けられる多光軸光電センサの中間部を保持する中間部保持部材であって、
前記本体ケースにおける前記光軸が構成される側の面とは異なる外面に係合された被係合部と係合する係合部と、前記係合部と一体的に形成された基部と、を備えた係合部材と、
前記係合部材の前記基部を前記長手方向と略平行に構成される光軸調整用回動軸を中心として回動可能に保持するベース部材と、
を有し、
前記係合部は、前記被係合部に対し、前記長手方向と交差する係合操作回動軸を中心として相対的に回動することで、係合が解除される解除位置から、当該被係合部材と係合する係合位置へと変位する構成をなし、
前記端部固定部材によって取付け面に固定される前記多光軸光電センサの前記被係合部に対して前記係合部が係合されるとともに、前記係合部材を保持する前記ベース部が取付け面に取り付けられることで、前記被係合部に対する前記係合部の相対的な回動が規制されるようになっていることを特徴とする多光軸光電センサの中間部保持部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−123200(P2007−123200A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−317436(P2005−317436)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】