説明

多孔質体および方法

流体を物体によって処理するためのシステムおよび方法が開示される。種々の態様が、流体の多孔質体による処理を伴う。最良の実施形態においては、物体がアッシュ粒子を含んでおり、物体を形成するために使用されるアッシュ粒子を、それらが所与の処理にもたらす1つ以上の所望の特性にもとづいて選択してよい。種々の物体が、多くの場合はアッシュ粒子を有する多孔質体を使用して、流体内の物質の反応および/または除去をもたらす。原材料を用途に適合させるためのコンピュータで実行可能な方法が開示される。特定の態様は、アッシュ粒子を有する多孔質体を特徴とし、アッシュ粒子が、ある孔サイズ分布および孔の連結性を有する複数の孔を生じさせる粒子サイズ分布および粒子間接続を有しており、これらの孔サイズ分布および孔の連結性は、第1の流体が実質的に孔を通過できるようなものである。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2007年8月3日に出願された米国仮特許出願第60/963,088号の優先権の利益を主張し、この米国仮特許出願の開示内容は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
技術分野
本発明は、概して流体の物体との反応に関し、より詳細には、流体との反応のための物体に関する。
【0003】
関連技術の説明
流体(例えば、気体、液体、など)は、反応を促進する目的で、さまざまな物質の上または内を通って渡すことが可能である。流体内の種の反応、流体からの種の除去、ならびに何らかの化学的または物理的様相での流体の変換を、流体を適切な物体に接触させることによって促進することが可能である。いくつかの事例では、反応が流体と物体の表面との間の界面で生じ、そのような場合には、この表面積を(例えば、多孔質体を使用することによって)最大にすることが好都合であり得る。流体と物体との間の反応を、物体そのものを改質するために使用することも可能である。
【0004】
多くの適切な物体は、実質的に多孔的である(5%、10%、20%、40%、60%、または80%を超え、場合によっては90%を超える多孔性)。多孔は、連続的であってよく、そのような場合、流体が、物体を実質的に満たすことが可能である。適切な駆動力(例えば、圧力、電圧、磁界、または他の熱力学的ポテンシャルの勾配)によって押されるとき、流体が物体を通過することができる。いくつかの事例において、種の通過を阻止する微細孔に流体を通すことによって、種を流体から除去することが可能である(例えば、ろ過)。他の事例では、種を、除去または他の種を形成すべく反応させることが可能であり(例えば、不均一触媒作用において)、さらには/あるいは物体そのものと結合させることができる(例えば、ゲッタリング)。また、種を、物体によって実質的に吸着または吸収することも可能である。
【0005】
多くの物体は、比較的純粋な出発材料を選択し、それらを混合することによって作製されてきたが、ますます複雑になる物体が、さらに多くの出発材料の追加を必要としている。例えば、触媒コンバータの基材は、特定の熱的特性、機械的特性、および表面積の特性を有する必要があると考えられ、MgO、Al2O3、およびSiO2という出発材料を混合することによって製造可能なコーディエライト(MgAlSi18)で製造することができる。鉄を含有するコーディエライト(Mg,Fe)AlSi18は、いくつかの改善された特性を有することが可能であり、上述の混合物にFeOまたはFeを加えることによって製造し得る。焼結助剤、粒界相、および触媒種を、同様に加えることができ、多くの材料の改善は、一般的に、さらなる成分の追加を必要とする。
【0006】
多くの有用な物体、特に高温用途のための物体は、複数の成分を含んでおり、さらなる成分によって特性を改善することが可能である場合がある。例えば、ムライト(3Al−2SiO)材料は、多くの場合に、かなり高い温度(例えば、1300℃)において高い強度を有しており、米国特許第3,954,672号が、ムライトを超えるいくつかの改善された特性を有する特定のコーディエライト−ムライト組成物(すなわち、より複雑な組成物)を特定している。このように、ある用途において全般的に改善された特性を有する材料は、多くの場合、当該用途に典型的に使用される公知の材料よりも複雑であると考えられる。
【0007】
多くの有用な物体は、SiO、Al、FeO、MgO、CaO、TiO、および他の材料の組み合わせから作製され、多くの場合、いくつかの成分をそれぞれ含むことが可能な1つ以上の有用な相(例えば、ムライト、コーディエライト、スピネル、ペロブスカイト、非晶質)を含む。したがって、種々の用途のための優れた物体の発見は、有用な特性を有することが知られている組成をそれらの物体の基礎とし、それらの組成の周囲で複雑さを増すことによって促進される。
【0008】
多孔質体を、深層ろ過、壁流ろ過、ケークろ過、および他の方法などのろ過に、これらに制限されることなく使用することが可能である。一般に、ろ過に使用するための適切な物体を、必要とされる流量、流体の粘性、流体の相組成(例えば、液体中に懸濁する固形物、乳濁液)、流体内の(処理対象の)種の濃度、所望の圧力差(圧力による駆動によって流体に物体を通過させる場合)、適用温度、化学反応性(または、化学反応性がないこと)、および他の因子など、さまざまな因子にもとづいて選択することが可能である。利用可能な幾何学的制約または量の制約も、適切なろ過方法を決定する。例えば、深層ろ過用の物体の大きな「池」を、大量の廃水のろ過に使用することが可能である一方で、自動車の排気ガス流中の汚染物質の触媒除去は、小型の可搬な物体を必要とするであろう。
【0009】
いくつかの用途においては、物体の機械的な挙動が重要になる可能性がある。多くの場合、物体に流体を通すために使用される駆動力が、物体そのものに機械的な応力をもたらし、物体がこの機械的な応力に耐えることが、多くの用途における要件である。用途によっては、物体が、(例えば、フィルタにおいて)流体によって加えられる印加圧力に耐えるための充分な機械的強度を有することを必要とする。小さな熱膨張係数(CTE)、良好な耐熱衝撃性、または良好な耐熱衝撃損傷性が必要とされ得る用途もある。
【0010】
多くの用途においては、物体のチャネルまたは他の実質的に「開いた」領域(流体の流れに対する妨げが最小限である)が、反応またはろ過のための面積を大幅に増やすために使用される(例えば、米国特許第4,253,992号および第4,276,071号のように)。そのような用途においては、比較的薄い壁が、流体の流れに対する妨げが実質的に最小限である領域を隔てている。チャネルを隔てる壁は、表面積または浸透性を最大にしつつも、機械的な特性を損なわない程度に高い多孔を有さなければならず、所望の処理をもたらす(例えば、除去すべき種を実際にろ過する)孔サイズ分布でなければならない。
【0011】
いくつかの用途(例えば、フィルタ床)においては、物体を、動作の最中に基本的に流体静力学的に支持することが可能であり、したがってろ過の際には機械的強度(例えば、せん断または引張強度)をほとんど必要としない。また、いくつかの用途は、ろ過の際に生じる機械的応力とは異なる機械的応力を生じさせることが多い逆洗浄を含む。そのような場合には、ある程度の機械的強度または適切な抑止が必要とされる可能性がある。熱応力、熱膨張の不整合、結晶構造の変化、物理的な衝撃、および他の因子も、所与の用途において、物体の特定の要件を生じさせる可能性がある。
【0012】
これまでにも増して、コストが、所与の用途における重要な因子となる可能性がある。コストには、物体および関連の流体制御システム自体の作製に伴う資本経費が含まれるであろう。また、コストには、運転コストも含まれるであろう。さらに、コストには、廃棄コスト、環境コスト、「ゆりかごから墓場まで」のコスト、および特定の処理の技術的解決策の実施に伴う他のコストも含まれるであろう。特定の物体の生成および実施に必要なエネルギーが、重要なコスト因子となる可能性があり、そのような場合、特定の装置の製造および使用に必要なエネルギーを少なくすることが好都合であり得る。コストには、地球温暖化ガス、環境汚染物質、または他の汚染物質の排出に伴うコストが含まれ得る。多くの場合、製品に関連する具現化エネルギー(例えば、製品の生成および実施に必要なエネルギー)を最小にし、さらには/あるいは製品の総ライフサイクルコストを最小にすることが、好都合であろう。処理方法に関連する実施、流体を物体で処理する方法、処理済みの物質および/または物体そのものの廃棄、ならびに他のライフサイクルコストは、一般に、資本経費(原材料コストを含む)、運転コスト(寿命を含む)、および廃棄/再生利用コストの双方を含むであろう。
【発明の概要】
【0013】
流体を物体によって処理するためのシステムおよび方法が開示される。種々の態様が、流体を多孔質体で処理することを含む。特定の態様は、流体を物体と反応させるためのシステムを含む。システムは、入り口および出口を有する容器、ならびにアッシュ粒子を有する前記容器内の物体を含む。物体は、流体が入り口から出口へと(すなわち、容器を通って)通過する際に当該物体と反応する充分な多孔率を有してよい。場合によっては、物体を、第1の流体が入り口から出口へと通過する際に当該物体を通過しなければならないように容器内に配置してよく、孔サイズ分布および孔の連結を、そのように配置された物体の一部位を第1の流体が通過できるように構成してよい。いくつかの物体は、フィルタであってよい。種々の物体が、化学反応の速度を高めるための触媒を含む。いくつかの物体は、4〜98%の範囲の多孔率を有する。いくつかの物体は、チャネルを備えており、チャネルを通って流体が実質的に妨げられることなく通過することが可能である。いくつかのチャネルは、(例えば、入り口付近の物体の第1の側から、出口付近の物体の第2の側まで)物体を完全に貫いていてよい。
【0014】
多孔は、孔サイズ分布を備えてよく、少なくとも部分的に、一過性相の除去からもたらすことが可能である。一過性相を、アッシュ源に付随する残留物として、内在的にもたらすことが可能である。一過性相を、別途追加してもよい。いくつかの物体は、緩い粒子を含んでいる。他の物体は、結合した粒子を含んでおり、いくつかの場合には、結合が粒子間のネックを含む。ネックを、酸化物成分(例えば、Ca、Si、P、Mg、Fe、Al、および他の酸化物)の間の水和反応を含むことが可能であり、かつCS、CS、CA、CAF、リン酸塩、および/または石膏相の形成を含むことが可能なセメント質の結合から形成してよい。ネックの形成は、焼結および/または他の高温反応を含んでよい。
【0015】
方法は、流体を処理するために種々の物体を使用する方法を提供する。いくつかの場合においては、流体が、炭化水素、NOx、CO、Hg、硫黄種、および/または粒子状物質などの物質を含むことが可能な排気ガスであってよい。液体金属などの液体をろ過することも可能である。
【0016】
種々の方法が、多孔質体を必要とする用途を選択すること、物体を作製するためのアッシュ源を選択すること、およびアッシュ源を前記用途のための多孔質体へと形成することを含む。種々の粒子サイズ分布のうちの1つ以上の部分集合を選択してよい。特定の実施形態は、アッシュ粒子を有するろ床を含む。
【0017】
アッシュ源を用途に適合させることは、用途を記述する用途ベクトルを決定し、当該用途にとって適切な物体を記述する目標物体ベクトルを計算し、原材料(アッシュ源を含み得る)を選択し、この原材料にもとづいて物体ベクトルを計算し、計算した物体ベクトルを目標物体ベクトルと比較することを含んでよい。いくつかの場合においては、種々のパラメータが、計算による物体ベクトルおよび目標物体ベクトルが、ある質の互いの一致または適合を達成するまで、繰り返し調節される。物体パラメータおよび用途パラメータを調節してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】典型的な実施形態の概略図である。
【0019】
【図2】典型的な実施形態の概略図である。
【0020】
【図3】典型的な実施形態の概略図である。
【0021】
【図4】チャネルの実施形態の代表的な断面の概略図を示している。
【0022】
【図5】特定の開示の実施形態による交互のチャネルの設計を示す概略図である。
【0023】
【図6】典型的な実施形態の概略図である。
【0024】
【図7】典型的な実施形態の概略図である。
【0025】
【図8】特定の実施形態によるプロセスのフロー図である。
【0026】
【図9】特定の実施形態による典型的なアッシュ源について、粒子サイズおよび組成の情報を示している。
【0027】
【図10】別の典型的なアッシュ源について、粒子サイズおよび組成の情報を示している。
【0028】
【図11】特定の実施形態によるさらなる典型的なアッシュ源について、粒子サイズの情報を示している。
【0029】
【図12】特定の実施形態によるさらなる典型的なアッシュ源について、粒子サイズの情報を示している。
【0030】
【図13】特定の実施形態による試料1の異なる倍率の2つの断面電子顕微鏡写真を示している。
【0031】
【図14】特定の実施形態によるいくつかの典型的な物体に関連する孔サイズの情報を示している。
【0032】
【図15】特定の実施形態によるいくつかの典型的な物体に関連する孔サイズの情報を示している。
【0033】
【図16】特定の実施形態によるいくつかの典型的な物体に関連する孔サイズの情報を示している。
【0034】
【図17】いくつかの焼成済み試料の多孔率を記述するCPFT(横軸の孔サイズよりも微細な孔の累積パーセント)データを示している。
【0035】
【図18】特定の実施形態によるいくつかの物体について、平均多孔率−対−孔径中央値のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
流体を、多孔質体で処理することが可能である。所与の実施例において、物体はアッシュ粒子を含み、物体を形成するために使用されるアッシュ粒子を、それらがもたらす所与の処理のための1つ以上の所望の特性にもとづいて選択することが可能である。処理は、典型的には、流体と物体との相互作用に向けられた用途またはプロセスの状況において生じる。流体とは、気体、液体、およびそれらの混合物を指し得る。流体は、複数の成分を含んでよく、いくつかの場合には、流体が別個の固体相および/または液体相を含む(例えば、煙または霧)。処理または用途として、流体および/または物体内の物質または種の反応、除去、および/または変成を挙げることができる。物質または種は、固体、液体、気体、溶質、あるいは流体そのものであってよい。アッシュ粒子は、通常は、高温プロセスからもたらされることが多い実質的に無機な種を含む。一般に、アッシュ粒子は、燃焼プロセスと結び付けられてよく(例えば、燃焼プロセスから得られ)、したがって酸化物を含み得る。物体とは、一般に、複数の粒子を有する物体を指す。物体は、物体(作製後)そのものを「粒子状物質」とみなし得るか否かにかかわらず、粒子から作られた物体を含むことが可能である。多孔とは、一般に、物体が少なくとも多少の(例えば、1%超の)多孔率を有することを指す。種々の実施形態として、ある用途にとって適切な特性を有する物体を特定することが挙げられ、いくつかの場合には、物体を低コストな材料から作製することが可能である。
【0037】
物質または種の反応または除去を達成するために流体が多孔質体上または多孔質体内を通される用途に鑑み、ユーザが物体の所望の特性一式を決定できるさまざまな文献が存在している。典型的なテキストとして、Rules of Thumb for Chemical Engineers(C. R. Branan、Gulf Professional Publishing)、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook(D. W. Green & R. H. Perry、McGraw−Hill)、Transport Phenomena(Bird、Stewart & Lightfoot、Wiley)が挙げられる。所望の流量、流体の組成、相互作用系の形状、圧力降下、などといった用途の特性を、当該用途のための物体の望ましい特性を含み得る用途ベクトルを定めるために使用してよい。このベクトルは、目標であってよく、物体の特性一式を有する物体をこの目標に向けることができる。さまざまなモデルを、粒子サイズ、多孔率、密度、および孔サイズ分布などといった微視的パラメータを使用して巨視的な物体の特性を計算するために使用してよい。同様に、化学反応(例えば、物体の表面における触媒作用)の促進を教示する文献を、所与の用途において所望の化学反応をもたらすために使用してもよく、他の文献は、(物体を製造するための)処理方法、機械的特性の改善方法、清浄化方法、などを教示するであろう。多くの反応を、触媒によって可能にすることができ、適切な触媒の選択が、反応に適する触媒または触媒条件を選択して基材内、基材上、または基材とともに取り入れることによって、幅広い範囲の反応に「汎用の」基材を使用する効果的な方途となりうる。
【0038】
流体および多孔質体が関与するいくつかの反応は、物体を流体中に浸漬し、物体への拡散または物体の表面上の通過によって反応を可能にすることを伴い得る。流体の流れを、物体上、物体の周囲、物体の構成要素の間、あるいは物体を貫いて通過させてよく、物体は、固体、粉末、流動床、または他の粒子の集まりであってよい。いくつかの物体は、触媒コンバータの基材など、実質的に固体であってよい。他の物体は、流動床など、機械的に弱くてもよく、容器内に配置可能であり、さらには/あるいは適切な包装によって配置可能である。いくつかの物体は、流体通過の際の「フィルタ下」基材への材料の堆積によって形成されるいわゆるケーキ層など、その場で形成することが可能である。そのような場合、ケーキ層を通過するろ過によりろ過が増大するため、ろ過は経時的に改善し得る。
【0039】
処理は、低温(例えば、77K以下)、中温(例えば、室温)、高温(例えば、700C超、1000C超、1300C超、あるいは1600C超)、およびその間の温度を伴ってよい。反応としては、ろ過、1つ以上の種の変換、ガス吸着、脱硫、NOx除去反応、炭化水素、Hg、またはCOの除去、ならびに他の化学反応を挙げることができる。処理としては、排気の流れからのすす粒子の除去など、流体からの粒子または粒子状物質の除去や、液体金属からの混入物質の除去を挙げることができる。処理としては、水の浄化を挙げることができる。いくつかの用途においては、処理が、流体よりもむしろ物体を改質することを目的とする流体と物体との間の相互作用を含む。
【0040】
物体および/または流体が、反応を触媒するための手段を含んでよい。そのような手段として、物体の表面に配置された触媒、粒子の表面に配置された触媒、流体内に配置された触媒、物体に関連する特定の表面処理または状態、ならびに/あるいはこれらの組み合わせを挙げることができる。触媒は、VIII属の金属、白金族の金属、希土類酸化物、Fe、Ni、Co、Mn、Cr、W、Mo、V、Nb、Ta、Re、およびCuの酸化物、ならびにこれらの混合物を含み得る。例えば、適切な触媒を選択することによって、NOxの分解、COおよび/または炭化水素の燃焼、すす粒子の燃焼、ならびに他の高温気体相反応を触媒することが好都合かもしれない。触媒は、ゼオライトおよびメソ多孔性材料などの、Ce、Zr、Ti、Ba、Sr、Ca、および/またはこれらの酸化物を含み得る。触媒は、硫化物、特に遷移金属または希土類の硫化物を含み得る。触媒は、不均一系または均一系触媒を含み得る。いくつかの態様においては、触媒が、有機および/または有機金属である。触媒のウォッシュコーティング(wash coating)を、物体に触媒を塗布するために使用することが可能である。また、触媒を液体中に分散または溶解させ、触媒を物体によって流体からろ過することにより物体に付着させてもよい。いくつかの態様においては、触媒が、処理されている流体へと加えられる。
【0041】
用途は、用途の化学的、物理的、熱的、時間的、および他の特性を定める複数の特性を有し得る。典型的な特性として、処理対象の流体、粘性、反応または除去対象の物質、温度、圧力、流量、化学反応性の要件(所望の反応の促進および望ましくない反応の防止の両方)、寿命、ならびに多孔質体および関連の構成要素そのものの物理的なプラントの要件(例えば、質量、サイズ、密度、形状、損傷への耐性)などの因子が挙げられる。所与の用途について、種々の重要な因子を記述する用途ベクトルを生成することが可能である。用途ベクトルは、入力記述子(例えば、処理対象の流体)および出力記述子(例えば、処理後の流体中のある種の最大濃度)を含むことができる。原材料コスト、作製コスト、設置コスト、交換コスト、プロセスコスト、および廃棄コストなど、用途のコストに寄与する種々の構成要素も、含めることができる。特定の特性が、特定の用途に関してとくに重要であり得る。可搬の用途においては、固定の用途に比べて、サイズおよび重量がより重要であるかもしれない。遠方での用途においては、容易にアクセスできる用途に比べ、寿命がより重要であるかもしれない。「耐障害性」または「フェイルセーフ」の要件が、故障が許されない用途(例えば、病院またはデータセンターの予備の発電機)においてはより重要かもしれないが、故障の結果が限られている場合には、あまり重要でないかもしれない。用途の知識を、用途ベクトルにおいて得ることが可能であり、用途に使用される物体の好ましい値を特定するために使用することができる。
【0042】
用途ベクトルまたは用途の他の記述子に鑑み、当該用途において使用されるべき物体の所望の特徴を記述する目標物体ベクトルを定めることが可能である。典型的な特徴として、巨視的特徴(サイズ、重量、表面積、浸透性、熱膨張係数、弾性係数、熱容量、熱伝導率)、微視的特徴(多孔率、孔形状、孔サイズ分布)、化学反応性、触媒要件、および他の因子が挙げられる。いくつかの態様においては、原材料および処理条件の多様なセットが評価され、物体ベクトルが、セットの各々の構成要素について計算され、物体ベクトルが、好ましい物体ベクトルを見出すために用途の目標物体ベクトルと比較される。実験データを、評価に取り入れることができる。いくつかの態様においては、アッシュ源の組成、相の集まり、および粒子サイズ分布を、アッシュ源を物体の所望の特性に関連付け、さらに拡張によって用途に関連付けるために使用し得る。
【0043】
例えば、ディーゼル排気の処理の特徴を、流量、温度、最大背圧、寿命、および他の因子を含む用途ベクトルに関して記述することが可能である。ディーゼル粒子フィルタは、多孔質体を備えてよく、そのような多孔質体が、この物体のこの用途における使用をもたらす物体ベクトル(例えば、サイズ、重量、浸透性、温度範囲)を有する。いくつかの態様においては、物体の構成要素(例えば、組成、粒子サイズ、形成方法)を、物体ベクトルを計算するために使用することが可能であり、計算された物体ベクトルを、(用途からの)目標物体ベクトルに一致させてよい。このようにして、ディーゼル粒子フィルタの用途が、特定の浸透性を有する物体を必要とする可能性があり、これを、適切な物体について提供が期待される物理的因子(例えば、壁厚)および多孔率(例えば、40〜70%の多孔率、10〜40ミクロンの範囲の孔サイズ分布、および25ミクロンという平均孔サイズ)の組み合わせを計算するために使用することができる。原材料粒子データ(例えば、粒子サイズ)および粒子充てんモデルを取り入れることによって、仮定の多孔率、孔サイズ分布、および平均孔サイズを計算することができる。入力パラメータ(例えば、種々の粒子サイズの量)を変化させることによって、多孔率の計算を、目標の多孔率に向かって反復することができる。種々の仮定の組成を、物体を作製するための実験の出発点として使用することができる。
【0044】
アッシュ源は、化学的組成、相の集まり、LOI(強熱減量)、粒子サイズ、および他の因子においてさまざまであってよい。アッシュ粒子のサイズは、100nm未満〜1cm超にわたってよい。所与の態様においては、アッシュ粒子のサイズが、約1ミクロン〜約70ミクロンの範囲である。いくつかの場合には、より大きなアッシュ粒子(例えば、20ミクロン超)を、より大きな孔サイズを得るために使用することが可能であり、より小さなアッシュ粒子(例えば、5ミクロン未満)を、より小さな孔サイズを得るために使用することが可能である。特定の例では、物体が、異なるサイズの粒子を有するいくつかの領域を含んでおり、各々の領域が、相補的な特徴を提供する。いくつかの例では、第1の領域が構造的な特性を提供し、第2の領域が流体の処理の特性を提供する。特定の実施形態においては、小さな粒子が流体の処理の特性を提供し、より大きな粒子が、より小さな粒子を支持する。種々の実施形態が、機械的な特性を提供する第1の粒子と、大きな表面積(例えば、30m^2/g超)をもたらす第2の粒子とを含む。
【0045】
多くの場合に、アッシュ粒子は、かなりの量(例えば、1%超、10%超、30%超、40%超、50%超、あるいは60%超)の有機または他の炭素質の種をさらに含み得る。多くの燃焼プロセスは、燃料源の完全燃焼をもたらさず、結果として、アッシュ粒子が、1つ以上の「不完全燃焼」または「未燃焼」の有機種を含む可能性がある。多くのアッシュ材料において、無機の種の炭素質の種に対する相対割合を、LOIを使用して表すことができ、このLOIは、生成されたままのアッシュ材料からその後の酸化雰囲気での完全な焼成において除去される炭素質の種の量にほぼ相当する。アッシュ粒子の典型的な種類として、フライアッシュ、廃棄物焼却炉アッシュ、ボトムアッシュ、火山灰、石炭ガス化アッシュ、燃焼アッシュ、バイオマスの燃焼またはガス化によるアッシュ、冶金プロセスによるアッシュ、スラグ、および他のアッシュを挙げることができる。アッシュ粒子は、一般的に、球形、回転楕円形、角形、板状、ウィスカ、中空、セノスフェア状、繊維状、および他の形状など、任意の形状であってよいが、これらに限定されない。アッシュ粒子は、クラスCのフライアッシュ、クラスFのフライアッシュ、および他のクラスのフライアッシュを含み得る。
【0046】
アッシュ粒子は、さまざまな原材料から得られ、粒子の組成は、おおむねアッシュ粒子を生成するために使用されたプロセス(および、このプロセスへの入力)の関数である。例えば、都市固形廃棄物の燃焼は、その特定の廃棄物の流れ(例えば、家庭ゴミ、紙くず、下水固形物、など)に関係する組成を有するアッシュ粒子を生み出すであろう。石炭の燃焼は、フライアッシュ、ボトムアッシュ、ボイラスラグ、煙道ガス脱硫アッシュ、ガス化アッシュ、および流動床燃焼アッシュなどの、さまざまなアッシュ源を生み出す可能性がある。燃焼からもたらされるアッシュは、燃料源、特に化学組成(例えば、硫黄成分)、原材料の地理的場所(例えば、Wyoming州のPowder River Basin)、石炭の品質(例えば、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭)、および他の因子による特徴を有し得る。アッシュは、それらのそれぞれの燃焼条件(例えば、温度、酸素分圧)による特徴を有し得る。アッシュの特徴を、粒子サイズ分布、化学組成、結晶および/または非晶質構造、反応性、LOI、などによって記述することができる。
【0047】
ただ1つの燃焼器および燃料源からのいくつかのアッシュ源は、種々の多様な組成および相を含み得る。例えば、Gottschalkらが、中空セノスフェア、回転楕円形マグネタイト粒子、ケイ酸塩類、種々の炭素質の種、および種々の形状の粒子を、ある粒子サイズの範囲に加えて含んでいるアッシュを説明している(Ceram. Trans.[119](2001)125〜134)。他のアッシュ源は、かなり均質であってよい。世界中のアッシュ粒子を生じさせる様々な種類の処理や投入のゆえに、多様な特性を有するアッシュ粒子を得ることができる。石油化学産業が、原材料(例えば、原油)のさまざまな供給および品質を標準化された一式の要件を満足する生成製品(例えば、ガソリン)へと仕上げているのと同様に、種々の実施形態は、多様なアッシュ源を入手し、評価し、選択し、さらに任意に改質し、原材料の1つ以上の部分集合を選択し、選択されたアッシュを物体へと形成し、選択された用途への適合を判断すべく特性を試験することを伴う。
【0048】
アッシュは、1つ以上の成分を有する1つ以上の相を含み得る。一部のアッシュは、実質的に結晶質であってよく、一部のアッシュは、実質的に非晶質であってよく、一部の粒子は、中空であってよい。アッシュ粒子は、磁性であってよい。多くのアッシュの原材料は、比較的低コストである。いくつかの場合には、アッシュ粒子は、通常であれば(その後の用途に使用されないのであれば)廃棄されなければならず、したがってアッシュ粒子を(例えば、本明細書に記載の用途に)利用することで、廃棄のコストを削減することができる。粒子の特徴を、粒子の形状、粒子サイズ分布、および(例えば、物体における)粒子間の連結性によって記述することができる。
【0049】
流体を制御された仕方で物体へと曝すことができるような様相で、物体を形成、包装、あるいは収容してよい。物体は、用途の構造的な要件を満足するための充分な機械的一体性(例えば、強度、弾性応答)を有することが可能である。いくつかの実施形態においては、物体が、1MPa超、好ましくは10MPa超、より好ましくは100MPa超の引張強度を有している。物体は、粒子の深層、固定床、流動床、または粒子の他の集まりを含むことが可能である。一部の物体は、1kPa超、好ましくは10kPa超のせん断強度を備えている。
【0050】
多孔率は、閉多孔率および/または開多孔率を指し得る。多孔率を、孔サイズ分布、平均孔サイズ、中間孔サイズ、孔形状、孔の連結性、および他の「孔スケール」因子によって特徴付けることができる。さらに、物体の多孔率を、パーセント多孔率(例えば、同様の組成の密な物質との比較)、浸透率、浸透値、表面積、などによって特徴付けることができる。
【0051】
用途は、処理の際の力(例えば、磁性粒子を含む物体を安定化させ、あるいは整列させる磁界)の使用を伴い得る。特定の態様は、低い多孔率(例えば、10%未満、5%未満、2%未満)を有する物体を含む。他の態様は、中程度の多孔率(例えば、10〜60%の間)を有する物体を含む。いくつかの実施形態は、高い多孔率(例えば、60%超、70%超、80%超、あるいは90%超)を有することができる。種々の実施形態は、20〜80%の間の開多孔率を有する物体を含み、特定の態様は、実質的に開いた領域またはチャネルまたは経路を取り入れ、そのような取り入れが、そのような領域を持たない物体よりもはるかに低い全体としての密度(例えば、そのような領域を持たない物体の10%、1%、または0.1%未満)をもたらし得る。浸透性などの巨視的因子と孔サイズなどの微視的因子との間の関係を、計算することが可能である。孔サイズ分布を、粒子の充てんについての標準的なモデルを使用し、あるいはそのような関係を教示する文献を使用して、粒子サイズ分布から(任意で粒子形状のデータによって)予測することができる。多くの場合、第1の特性を第2の特性から計算でき、あるいは少なくとも推測できる。そのようなデータを、特定の用途のための物体を作製するための適切なアッシュ源を選択するために使用することができる。種々の実施形態を、比表面積によって特徴付けることができ、いくつかの場合において、比表面積は、グラム当たり10、100、1000、10,000、100,000、または1E6平方インチよりも大きくてよい。特定の実施形態は、サイズが5ミクロンよりも大きい孔を含み、これらの孔が、物体の0.1〜0.8cm^/gの間を構成することができる。好ましい実施例は、8E−6/℃未満、好ましくは4E−6/℃未満、より好ましくは2E−6/℃未満の熱膨張係数を備える。
【0052】
多くの場合、多孔率の特性を、透過度−対−機械的特性など、相反する要件の中で最適化しなければならない。さらに、物体の形成に使用されるいくつかのプロセス(成型、押し出し、スリップ鋳造、ゲル鋳造、ドクターブレード法、および他の成形作業)は、特定の粘弾性特性を有する入力ペースト、スリップ、または材料を必要とし、そのような粘弾性特性は、該当のアッシュ粒子および/または有機結合剤(多孔率にも影響を及ぼしうる)の粒子サイズ分布に影響されることが多い。
【0053】
いくつかの実施形態においては、多孔率を、適切な粒子サイズ分布を使用することによって制御することができ、それらは、粒子間の間隔および/または配置を左右または制御する界面活性剤、安定剤、ステアリン部分(例えば、脂質)、および他の化合物の使用を含み得る。多孔率を、制御された粒子サイズの多様な組を使用することによって制御することが可能である。多孔率を、加えられる圧力、焼結プロセス、またはエッチングプロセスなどの成形作業によって制御することが可能である。特定の態様においては、多孔率が、成型または形成プロセスにおいて粒子に広く影響を及ぼす一過性相を形成時に導入することによって少なくとも部分的に制御される。成型後に、一過性相を、所望の多孔率の特性を残しつつ除去することが可能である。
【0054】
一過性相は、有機材料(例えば、炭化水素、炭水化物、グラファイト)および/または無機材料(例えば、氷)を含んでよい。一過性相を、個別の粒子として、実質的に連続な相として、あるいは粒子に付随するコーティングまたは他の付着相として、含ませることが可能である。一過性相は、アッシュを得るプロセスによって生成されたときのアッシュ粒子の成分(例えば、ある種のフライアッシュに付随する残余のすすまたは炭素質の種)であってよい。一過性相を、別途加えてもよい。代表的な一過性相として、カーボンブラック、でんぷん、およびポリマー(ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、PET、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、など)が挙げられる。ウィスカ、繊維、プレートレット、および他の異方性の形状も、一過性相として使用することができる。いくつかの態様においては、サイズが10nm〜500ミクロンの範囲にある粒子を一過性相が含んでよく、いくつかの実施形態は、サイズが100nm〜100ミクロンの範囲にある一過性相を含む。典型的な一過性相は、44〜200ミクロンの間のグラファイト粒子、44ミクロン未満のグラファイト粒子、および100nm〜3ミクロンの間の平均粒子サイズを有するカーボンブラックを含む。特定の実施形態は、大きな(例えば、>1mmまたは>1cm)の一過性相を含む。一過性相は、セルロース、木炭、石炭、および他の種を含んでよい。流動性、形成、脱型、および他の形成の態様を制御するために使用される種々の有機添加剤が、一過性相であってもよい。
【0055】
一過性相の除去は、燃焼を含んでよい。特定の態様においては、この燃焼からもたらされる熱を、焼成または他の処理工程を促進するために使用することが可能である。物体を通過する気体の流れを、一過性相の燃焼を制御するために使用することが可能である。
【0056】
多くの用途において、特定のアッシュが、望ましい組成を有する「あらかじめ混合された」原材料をもたらすことが可能である。すなわち、コーディエライト製の物体を、コーディエライトの形成に必要な元素の少なくとも一部(好ましくは、大部分)をすでに有するアッシュを選択することによって作製することができる。特定の実施形態は、アッシュ源、形成プロセス、および物体を必要とする用途を整合させて、当該プロセスに従って当該アッシュ源から形成される物体が当該用途に対して適切となるようにすることを含む。
【0057】
アッシュ粒子は、かなりの量のSiO2およびAl2O3を含むことが可能である。一部のアッシュは、かなりの量のFe種をさらに含むことが可能であり、他の一部のアッシュは、多くの場合、Ca、Mg、または他の材料を含む。典型的には、これらの種は、酸化物として存在する。多くの場合、アッシュ粒子は、混合酸化物および/または混合相を含むが、それらを化学的な方法(例えば、エネルギー分散分光法、x線蛍光法、プラズマ発光分光法、など)および物理的な方法(x線回折、粒子サイズ分析、粒子形状分析)の組み合わせによって容易に特定可能である。いくつかの態様においては、第1の用途に適さないかもしれない組成を有するアッシュが、第2の用途については優れた選択肢である。表1が、例示の目的で、いかなる特定のアッシュ源または用途にも限定されることなく、数種類のアッシュ源の組成を、数種類の有用な材料の同様の組成とともに列挙している。
(表1) 特定のアッシュおよび特定のセラミックの化学組成
【表1】

【0058】
例えば、表1のElk Creek瀝青炭のアッシュの組成は、コーディエライトの組成に比較的近く、特にFeをドープしたコーディエライトに近い。このアッシュは、Feドープのコーディエライト材料の基礎として適した選択肢となりうる。表1のElk Creek瀝青炭から出発し、およそ8重量%のAl2O3および8重量%のMgOを追加すると、Feドープのコーディエライトの組成に近い51%のSiO2、34%のAl2O3、8%のMgO、および7%のFe2O3という組成(繰り込み後)が生じ得る。同様に、Wyodak PRB石炭アッシュは、ゲーレナイト(2CaO−Al2O3−SiO2)を形成するための有用な材料であり得、数種類のアッシュの組成は、好都合な特性を有する物体のムライト−コーディエライト組成物に近い(表1に組成物B、C、およびEとして示されている)。
【0059】
特定の実施形態は、アッシュ特性、形成プロセス、およびそれらにもとづいて物体ベクトルを計算するための方法のデータベースを含む。アッシュ源を、用途のための物体へと発展させることができる可能性を記述する確率または他の指数にもとづいて、当該アッシュ源を所望の用途に適合させることができる。
【0060】
特定の態様は、粒子の原材料を所望の用途に適合させることを含む。例えば、第1の直噴エンジンが、より多くの量の燃料の低圧での噴射を使用し、「PMIO」の型(すなわち、約10ミクロン)の大量のすす粒子を生成する可能性があるが、これは、除去のために特定のサイズの気孔を必要とする可能性があり、これを第1の粒子サイズ分布および/または第1の一過性相を使用して生成することができる。第2の直噴エンジンは、より高い噴射圧力、多数の小さな噴射、およびより分子量の小さい燃料(例えば、ガソリン)を使用することができる。この第2のエンジンは、より小さな粒子を生成する可能性があり、その多くは、2.5ミクロン未満(例えば、PM2.5)である可能性があり、それらの除去は、第1のエンジンに比べてより微細な気孔を有する物体を必要とする可能性がある。第2の粒子サイズ分布、サイズカット、一過性相、形成方法、または他の因子を、このより微細な気孔を生成するために使用することができる。種々の実施形態は、種々の原材料を含む複数のサンプルを合成し、それらを用途に関連する特性について選別する(多くの場合は、当該用途に関する要件のベクトルにもとづいて)ことに向けられた高処理能力の実験のためのシステムおよび方法を含む。
【0061】
実測などの種々の方法を、物体の特性を計算および/または評価するために使用することが可能である。最適化方法(例えば、最小二乗、モンテカルロ、最急降下、パラレルテンパリング)を、用途ベクトルに一致する物体ベクトルを見つけるために使用することが可能である。所与のアッシュ源について、組成、粒子サイズ分布、粒子形状、LOI、および結晶構造(あるいは、その集まり)などのデータを、形成作業時および形成作業後のアッシュの挙動を予測するために、熱データ(示差熱分析、膨張計測(DTA)、熱重量分析(TGA)、示差走査熱分析(DSC))と組み合わせることができる。いくつかの実施形態は、材料源の特性を記述し、仮定の物体について物体ベクトルを推定するためのデータを形成するパラメータベクトルを生成する。これらのデータを、流体の流れおよび物体との相互作用を記述するモデルと組み合わせ、特定のアッシュ源(任意で、成形、焼成、焼却、などの特定の形成プロセスが加えられる)にもとづく物体の特性を予測することが可能である。これらの物体ベクトルを、1つ以上の用途ベクトルに適合させて、一致を評価することができ、いくつかの場合には、物体ベクトルの入力のうちの調節可能なパラメータが、物体ベクトルを用途ベクトルによりよく一致させるために繰り返し最適化される。また、アッシュ源、処理方法、一式の幾何学的および他の制約、ならびに他の因子を用途の制約一式に最もよく合致させる計算において、用途ベクトルを物体ベクトルによって繰り返し修正することもできる。
【0062】
典型的なアッシュ源、粒子サイズ、相、組成、および他のアッシュ特性が、本明細書において例示の目的で開示される。同様に、形状、サイズ、熱特性、浸透性、多孔率、密度、などといった種々の物体の特性も、例示のためのものである。液体金属のろ過、排気ガスの軽減、煙道ガスの清浄化、水処理、ディーゼルまたは直噴粒子状物質の除去、種(例えば、NOx、炭化水素、CO、および他の種)の触媒除去、水銀の除去、硫黄の除去、などといった用途も、例示のためのものである。
【0063】
所与の態様は、演算装置、ネットワーク構成要素、データベース、記憶装置、サーバ、などを含み、一般的には、少なくともプロセッサ、メモリ、記憶媒体、入力、出力、表示装置、通信回路を含み、さらにアッシュデータ、材料特性、マッチング方法、形成データ、およびアプリケーションデータを含むデータベースを含む。特定の実施形態は、ある方法を実行するためにプロセッサによって動作させることが可能なプログラムが具現化されてなるコンピュータ読取可能な記憶媒体を含む。特定の方法は、物体を必要とする用途を選択し、所望の物体をもたらすであろうアッシュ源および、任意により、処理パラメータを割り出すことを含む。物体を作製し、測定し、測定された特性を、予測の特性と比較してよい。
【0064】
多数の産業規模の燃焼プロセス(例えば、発電、工業加熱、石炭燃焼、都市ゴミの焼却、など)は、政府によって規制されており、したがってアッシュ源のリストを容易に入手することができる。例えば、米国のPennsylvania州は、現在のところ、州西部のNew Castle and Bruce Mansfieldのプラントから州東部のPortland, Martins Creek and Eddystrokeのプラントにわたる20を超える石炭火力発電プラントを備えている。米国は、そのエネルギーの50%超を石炭から得ており、他の多くの国々も、かなりの量の石炭フライアッシュ、廃棄物焼却アッシュ、または両方を生み出している。したがって、多くの国々にアッシュの大量供給が存在し、その規模は、幅広い範囲のアッシュ組成物をもたらし、各々の特定の組成物をかなりの量でもたらす。アッシュ製品は、1ミクロン未満〜1mm超の範囲にわたる粒子サイズにて入手可能である。一部の物体においては、好ましいアッシュ粒子サイズ分布が、5〜50ミクロンの範囲の平均粒子サイズを有する0.1ミクロン〜100ミクロンの範囲であってよい。いくつかの実施形態においては、幅広い粒子サイズ分布を有する1つ以上のアッシュ源が特定され、このアッシュ源が、種々の粒子サイズ範囲の順次の「カット」を生成すべくふるいにかけられ、1つ以上のカットが選択される。同じおよび/または異なる材料源からの異なるカットを、組み合わせることが可能である。
【0065】
図1は、典型的な実施形態の概略図である。流体100が、アッシュ粒子120を有する多孔質体110に実質的に浸透している。一般に、流体と物体との間の相互作用は、物体を収容し、入り口および出口を有しており、流体を所望の流路へと閉じ込めるように構成された容器または包装を伴い得る。わかりやすくするために、そのような容器は、図からはおおむね省略されている。アッシュ粒子は、比較的狭い粒子サイズ分布、幅広い粒子サイズ分布、双峰または多峰の粒子サイズ分布、あるいは所望の他の分布を有してよい。アッシュ粒子は、実質的に単分散であってよい。粒子は、連結されていても、結合していても、あるいは分離していてもよい。アッシュ粒子は、1つ以上の異なるアッシュ源に由来してよく、いくつかの態様においては、第1のサイズ分布が第1の源から選択され、第2のサイズ分布が第2の源から選択され、それら分布が組み合わせられる。
【0066】
粒子は、粒子間結合130によって互いに結合していてよい。粒子間結合130は、ネックまたは他の連結構造あるいは粒子間の力(例えば、ファンデルワールス力)などであってよい。粒子間結合130の形成は、セメント質の結合、水性化学結合、あるいは粒子間および/または粒子との他の比較的低温の反応の使用を伴ってよい。粒子間結合130の形成は、拡散、焼結、あるいは粒子間および/または粒子との他のより高い反応を伴ってよい。いくつかの用途においては、一部の粒子が結合し、一部の粒子は結合していない。特定の態様においては、粒子間結合の制御を、追従性、耐熱衝撃性、耐熱衝撃損傷性、および他の因子を制御するために使用してよい。特定の態様は、所望の粒子間結合130の形成を助ける成分の追加を含み、いくつかの場合には、それらの成分が、アッシュ粒子120の材料とは異なる。好ましい実施形態においては、第1のアッシュ源が所望の浸透性をもたらし、第2のアッシュ源が結合を促進する。他の実施形態においては、第1のアッシュ源が所望の浸透性をもたらし、第2のアッシュ源が、物体の形成に使用されるペーストの粘弾性特性を向上させる。
【0067】
気孔を、孔サイズ分布、孔の連結性、および/または孔の形状を含む因子によって特徴付けることができる。孔の連結性および/または孔の形状は、等方的または異方的であってよい。いくつかの態様においては、孔の連結性を、流体の相互作用および機械的特性の両方を最適化するように設計することが可能である。一部の気孔は、(例えば)物体の種々の寸法に対して異方的であってよい。孔サイズ分布は、ガウス、正規、対数正規、多峰、双峰、三峰、歪み、ワイブル、または他の任意の所望の分布などのさまざまな形態をとることが可能である。気孔を、巨視的因子(例えば、パーセント多孔率、表面積、浸透性、など)によって特徴付けることも可能である。種々の用途は、さまざまに組み合わせられた平均孔径およびパーセンテージ開多孔率を必要とするであろう。
【0068】
図2は、典型的な実施形態の概略図である。図2は、流れる流体200が多孔質体210と相互作用する用途を示している。典型的な用途は、物体210が流体200における反応を触媒する用途であってよい。一般に、そのような用途は、流体の移動が表面付近の層流または乱流から物体内への実質的に拡散的な移動へと変化し得る遷移領域220を含むことができる。種々の実施形態は、ポンプ、ファン、重力、圧力ヘッド、電気化学的勾配、などの流体を移動させるための手段を含んでよい。物体を過ぎる流体の通過の特徴を、流体/物体の界面におけるせん断力230によって表現することも可能である。流体200が物体210を過ぎる大きな線速度を有する場合でも、物体210の気孔が、遷移領域220において、通常は物体への深さにつれて減少する幅広い範囲の局所的流速を生じさせることができる。このようにして、幅広い範囲の滞留時間、拡散反応、および触媒プロセスを、物体内の深さに応じて作り出すことが可能である。
【0069】
反応は、2つ以上の流体と物体との間の反応(例えば、気相および液相が関係する反応)を含んでよい。種々の実施形態は、電気化学的または同種の反応(イオン、電子、および他の種を含んでよい)を含む。
【0070】
いくつかの態様においては、流体200に露出される物体の表面積を最適化する(例えば、機械的な要件の制約下で最大にする)孔サイズ分布を選択することが好都合であると考えられ、物体のかなりの部分を巨視的に流体に露出させるチャネルを物体内に形成することも好都合であると考えられる。特定の態様においては、チャネルを、構造的特性をもたらす材料(例えば、第1のアッシュ源)によって形成してよく、物体内の第2の材料(例えば、第2のアッシュ源)が、流体の処理の特性(例えば、所望の反応性)をもたらす。いくつかの態様においては、物体が、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ以上の相の複合体である。いくつかの実施形態においては、物体が2つの相を含んでおり、そのそれぞれが、アッシュ粒子を含んでよい。第1の相が、200メッシュ未満の第1の粒子を含んでよく、第2の相が、0.2ミクロン未満の第2の粒子を含んでよい。第2の相が、20m^2/gよりも大きく、好ましくは100m^2/gよりも大きい表面積を有してよく、典型的な粒子は、遷移金属または希土類(例えば、Mo、Ce、La、Zr)の硫化物および/または酸化物を含み、ゼオライトを含み得る。好ましい用途においては、第1の相が50〜90質量%を構成し、第2の相が10〜50質量%を構成する。
【0071】
図3は、典型的な実施形態の概略図である。図3は、流体300が(例えば、ろ過またはスパージングにおいて)物体310を通過する用途を示している。多くの場合、そのような用途は、流体300の通過は許すが、流体300内に取り込まれている種の通過を実質的に阻止する気孔を使用することによって、種を除去することを含む。典型的には、本体310を、1つ以上の長さ320によって特徴付けることが可能である。長さ320は、流体が物体を通過するときに横切らなければならない最小の長さを指してよい。流体300の物体310の通過を、力330によって生じさせてよい。いくつかの用途においては、力330が、長さ320に実質的に平行な成分を含み、(力330に関係する圧力および物体310の機械的特性にもとづき)比較的短い長さ320においては、物体310が、使用時に機械的な完全性を保つために充分に強くなければならない。そのような用途は、物体が力330によってもたらされる圧力に機械的に耐えつつ、流体300の通過を許すように、包装、閉じ込め、粒子間結合、または他の態様を必要とするかもしれない。特定の用途において、長さ320は、約50〜1000ミクロンである。他の用途においては、長さ320が、およそ1〜5mmである。さらに別の用途においては、長さ320が約1cmであり、さらなる用途においては、長さ320が10cmよりも大きく、一部の用途においては、長さ320が0.1mよりも大きい。特定の実施形態においては、長さ320が、約800ミクロンであり、物体310が、5〜50ミクロンの間の孔サイズ中央値を有している。
【0072】
種々の用途が、平均孔径、パーセンテージ開多孔率、および長さ320のさまざまな組み合わせを必要とする可能性がある。除去すべき種のサイズ、流体300内の該種の濃度、物体310を通過する流体300の所望の流量、物体310の(特に力330に対する)強度、反応種の物体310への影響(例えば、詰まり)の傾向、および他の因子などの因子を、物体310の所望の特性を決定するために使用してよい。いくつかの実施形態においては、物体310が、100〜900ミクロンの間の長さ320を含み、流体300が気体であり、物体310が、直噴燃焼に伴う実質的に固体の粒子状物質を除去している。いくつかの実施形態においては、開多孔率の割合(OP%)と平均孔径(MPD、単位はミクロン)との間の関係が、OP%=75−1.46*MPDによって与えられる。いくつかの例では、OP%が、この関係の上方および/または下方に最大30%まで変化し得る(すなわち、この関係が「帯」であってよい)。特定の実施形態においては、多孔率が30〜70%の間であってよく、MPDが5〜60ミクロンの間であってよい。
【0073】
図4は、チャネルの実施形態の代表的な断面の概略図を示している。チャネル、チューブ、平面通路、などは、チャネルの壁への流体の暴露を増やしつつ、内部に実質的に妨げのない流体の流れをもたらすことが可能である。この例では、チャネルが行き止まりであり、(例えば、壁を貫いて隣のチャネルへと)物体の材料そのものを強制的に通過させている。他の実施形態においては、チャネルが行き止まりではなく、流体がチャネルによって物体を通って自由に流れる。図4においては、流体の流れ400が、物体410に取り入れられた1つ以上のチャネル405におおむね平行な第1の方向にて物体410へと流れている。長さ420を有する領域として示されている流体の流れ400が通過できる物体410の領域を最大化するために、交互のチャネル405および407を生成してよい。流体の流れ400は、第1のチャネル405を通り、チャネル間の(長さ420の)壁を介して隣のチャネル407へと通過することができる。物体410は、流体の流れ400の通過を許す一方で、気体の流れ400に含まれる物質440を阻止する孔サイズ分布を有する気孔を含んでよい。特定の態様においては、物質440を、実質的に物体410の「内部」において(例えば、壁の内部において)阻止してよい。他の態様においては、物質440を、実質的に物体410とチャネル405との間の界面において阻止してよい。特定の場合においては、物質440が、物体410の浸透性を左右する層を形成してよい。いくつかの態様においては、各々のチャネルの断面積(すなわち、流体の流れに面するチャネルの面積)が同じである。他の態様においては、別々のチャネルが異なる断面積を有している。かなりの量の物質440がチャネル405上またはチャネル405内に付着すると予想される実施形態においては、チャネル405を隣接するチャネル(例えば、チャネル407)よりも大きく作って、チャネル405が阻止された物質440によって「満たされ」るときに、2つのチャネルの有効流量をよりよく一致させることができる。チャネルは、円形、矩形、六角形、八角形、三角形、および/または他の形状の断面を有してよい。
【0074】
さまざまな幾何学的設計が、物体内のチャネルに関する「壁強度」を増しつつ、流体へと曝される面積を最大にするために使用可能である。これらの設計の多くは、薄い壁(例えば、小さな長さ420)を、流体の流れ400によって加えられる圧力に対してチャネルを補強する規則的な間隔の支持部に組み合わせる。
【0075】
図5が、特定の態様による交互のチャネルの設計を示す概略図である。物体510は、アッシュ粒子を有する多孔質体であってよく、一般的には、容器(不図示)に収容されてよい。この例では、物体510が、交互に閉鎖された平行なチャネル505および507を備えており、チャネル505が、物体の第1の側において閉鎖され、チャネル507が、第2の側において閉鎖されている。交互のチャネルを、両端において栓520で閉鎖してよい。一般に、チャネル507を、物体510の第1の端部において閉鎖してよく、したがって流体は、チャネル505を介して物体510に進入する。同様に、流体がチャネル507によって物体510から出るように、チャネル505を第2の端部において閉鎖してよい。このように、物体510を通過する流体を、物体の中実領域(例えば、チャネル505をチャネル507から隔てている壁)を強制的に通してよい。物体510などの物体に求められる特性(例えば、断面積、長さ、チャネルの寸法、チャネルの数、壁の厚さ、浸透性、動作温度の可能性、熱的特性、機械的特性、化学的特性、など)は、通常は、個々の用途によって定められる。例えば、400度超で動作を維持でき、1000度超に繰り返し達し、30〜60%の間の多孔率を有しており、2〜30ミクロンの間の孔サイズ中央値を有する材料を、ディーゼル粒子状物質フィルタが含んでよく、このフィルタは少なくとも0.5E−12/m^2(好ましくは、1E−12/m^2超)の浸透性、10MPaを超える(好ましくは、100MPaを超える)破壊係数、および1E−5/℃未満の熱膨張係数を有してよい。
【0076】
壁を通過する流れが必要でない用途(例えば、触媒コンバータ)においては、端部の栓は不要かもしれず、物体510のチャネルの形状(端部の栓520がない)を、反応に利用できる表面積を最大にするために使用することが可能である。いくつかの態様においては、物体が1m^2/gよりも大きく、10m^2/gよりも大きく、40m^2/gよりも大きく、あるいは100m^2/gよりも大きい表面積を有するように気孔を組み込むことが好都合かもしれない。
【0077】
物体を、用途に応じて、1つ以上の所望の相を含み、あるいは1つ以上の所望の相をもたらすアッシュ源から作製することが可能である。所望の相として、コーディエライト(2MgO−2Al2O3−5SiO2)、ムライト(3Al2O3−2SiO2)、β−リチア輝石(Li2O−Al2O3)2−8SiO2、チタン酸アルミニウム(Al2TiO5)、チタン酸アルミニウム−ムライト、マグネタイト、磁赤鉄鉱、スピネル、ガーネット、珪灰石、ペロブスカイト、およびこれらの他の混合物を挙げることができる。種々の物体は、Fe2O3および/または希土類酸化物(La2O3、Nd2O3)でドープされたチタン酸アルミニウムを含んでよい。さらなる成分(焼結助剤、触媒、など)を、所望に応じて組成を変更するために、アッシュ粒子を含む混合物へと加えてよい。
【0078】
物体510などの物体を、さまざまな方法から製造することが可能であるが、物体510を押し出しすることが好都合かもしれない。そのような場合には、非ニュートンの粘弾性特性を有するペーストを押し出しすることが好都合である可能性があり、いくつかの場合には、剪断減粘性ペーストを使用することが好都合かもしれない。ペースト、スラリ、などのレオロジ特性を調節するさまざまな方法が存在しており、これらの方法は、アッシュ粒子を取り入れてなるペースト、スラリ、などに広く適応する。混合物(例えば、セメントレオロジに使用される)を、0.01〜10%の間で追加してよい。リグノスルホン酸塩および/または他のリグニン含有化合物を、おおむね0.01〜5%の間で使用することが可能である。典型的なリグノスルホン酸塩の原料として、セルロース処理プラントからの使用済み亜硫酸塩溶液が挙げられる。メチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、酢酸ビニル、およびビニルピロリドンなどの種々の有機材料も、レオロジを変更するために使用することが可能である。典型的な処方は、アッシュ源、アッシュ源の約10〜50重量%の液体キャリア(例えば、水)、1〜20重量%の範囲のメチルセルロースなどのセルロース結合剤、ならびに任意で0〜3重量%の範囲の洗浄剤および/または界面活性剤を含む。いくつかの実施形態は、おおむね0〜10重量%の範囲のエチレングリコール、脂肪酸、ポリビニルアルコール、および/または他の有機種の追加を含む。
【0079】
特定の実施形態においては、多孔率を高めるために、一過性相が、多くの場合には10〜80重量%の範囲で使用される。一過性相は、かなりの量の残留の炭素質の種を有しているフライアッシュなど、受け取り時のままのアッシュ源に存在してよい。一過性相を、別途追加してもよい。形成プロセスを変更するために追加される種々の物質(例えば、メチルセルロース)が、さらに一過性相であってもよい。典型的な一過性相は、グラファイト、ジャガイモでんぷん、ポリエチレン粒子、ポリ酢酸ビニル粒子、または物体から除去される前に最終的なマイクロ構造に影響を及ぼすことができる他の材料を含む。
【0080】
特定の態様においては、組成を、アッシュと反応するように設計された1つ以上の成分を追加することによって変更してよい。そのような成分として、MgO、SiO2、コロイド状SiO2、TiO2、FeO、タルク、カオリン、ベーマイト、種々のAl2O3種(例えば、γ−Al2O3、α−Al2O3)、石膏、リン含有化合物、SiC、Al、Co、Fe、Ni、Ba、Pb、ランタニド、硫化物、ゼオライト、希土類化合物、などを挙げることができるが、これらに限られない。
【0081】
レオロジ特性を、多峰の粒子サイズ分布を使用することによって改善することが可能である。特定の場合には、大きな粒子サイズカット(例えば、10、20、30、40、または50ミクロン以上の粒子)の30〜90%の間の混合物を、相補的な量の小さな粒子サイズカット(例えば、10、5、3、1、または0.1ミクロン未満)と組み合わせることができる。特定の実施形態においては、双峰の粒子サイズ分布が使用され、第1および第2の分布が、ほぼ等しい量にて混合され、第2の分布が、第1の分布の平均粒子サイズの5%以下から25%までの平均粒子サイズを有している。
【0082】
さらなる処理(例えば、チャネルの栓)を必要とする押し出しによる物体においては、濃いペースト(典型的には、同様の組成である)を、それを必要とするチャネルへと注入することが好都合かもしれない。1つ以上の実質的に平坦な片を組み立てることによって作製される物体については、ドクターブレード法または平坦な物体を合成するための他の方法を使用することが可能であり、平坦な片をペーストまたはスリップによって接合することができる。
【0083】
いくつかの実施形態においては、チャネルに伴う壁が、実質的に平坦であってよい。他の実施形態においては、壁が湾曲していてもよい。
【0084】
物体の形成は、粒子間にセメント質または他の水和結合を形成することを含んでよい。一部のアッシュ組成物は、追加の成分を必要とせずにセメント質の結合を形成することができる。特定の場合には、相補的な成分(例えば、CaO、MgO、または他の成分)がアッシュ組成物へと追加され、混合後の組成物が,実質的にセメント質の結合を形成する。いくつかの物体は、ポゾラン材料を含んでよく、それらの一部は、所望の相の形成を可能にするための相補的な材料の追加を伴ってよい。
【0085】
一部の物体は、焼成が可能である。焼成を利用して、一過性相を(例えば、炭素質の一過性相の燃焼によって)除去してよい。また、焼成を、粒子間結合(例えば、ネック)の形成を助けるためにも使用してよい。さらに、焼成を、組成、結晶構造、粒子サイズ、粒度、および物体の他の態様を変化させるためにも使用してもよい。所与の実施形態は、物体を形成するための第1の相を選択し、形成作業において第2の相を形成すべく第1の相を反応させ、場合によっては焼成作業において第3の相を形成することを含む。
【0086】
焼成時間および温度は、一般に、所望の用途および当該用途に向けられた物体の特性に依存してよい。一般に、より耐火性の高い物体を必要とする用途は、相応に高い焼成温度を必要とし得る。いくつかの態様においては、物体が、400〜800℃の間の温度で焼成される。物体を、800〜1200℃の間の温度で焼成してよい。一部の物体を、1200〜1800度の間の温度で焼成してもよい。コーディエライトを含んでいる一部の物体を、1000〜1600度の間の温度で焼成してもよい。ムライトを含んでいる一部の物体を、1000〜1950度の間の温度で焼成してもよい。低温での焼成を必要とする物体を、K2OおよびNa2Oなどの網目修飾剤を含有するアッシュを使用することによって、あるいはこれらの成分を追加することによって、強化することができる。500℃を超える温度で使用される物体は、K2OおよびNa2Oなどの耐火性の低い材料の量が少ない(好ましくは、無視できる)アッシュ源を選択することによってよりよく機能し得る。特定の組成物は、最初に結合を促進し、次いで反応によって固相を(例えば、反応焼結にて)形成する液相を形成し得る。
【0087】
特定の態様は、石炭燃料の炉、ガス燃料の炉、マイクロ波強化炉、および/または電気炉における焼成を含む。いくつかの場合には、焼成が、制御された雰囲気を含み、制御された雰囲気としては、酸化、還元、フォーミングガス、チッ素、および他の雰囲気を挙げることができる。焼成を、大気中で行うことも可能である。一部の物質は、焼成を必要としない。焼成雰囲気は、焼成時の望ましくない物質の発生を防止するための気体成分の追加を含んでよい(例えば、ガスの超過圧力)。
【0088】
物体510は、ろ過に適する可能性がある。実質的に無機のアッシュ材料、特にコーディエライト、スピネル、ムライト、インド石、コランダム、チタン酸アルミニウム、および/またはこれらの組み合わせなどの耐火相を形成する傾向にある組成物を選択することによって、物体510を耐火性にすることができ、溶融金属または高温ガスなどの高温流体のろ過に有用とし得る。所与の実施形態においては、動作の温度が、200〜1200℃の間の範囲を含む。いくつかの実施形態においては、第1の孔サイズ分布を有する物体が形成され、この物体が、この物体によって実質的にろ過される粒子を含有する流体で処理され、流体が(粒子を残して)除去され、物体および粒子が処理(例えば、焼成)されて、第2の孔サイズ分布を有する物体が生成される。典型的な流体は、空気であってよく、典型的な粒子は、物体の組成と同様の組成(あるいは、物体の組成に対して相補的な組成)をもたらす微細粒子であってよい。特定の場合には、物体および/または粒子が、アッシュ粒子を含む。いくつかの物体は、セルシアン相を含む。
【0089】
いくつかの態様においては、物体が、60〜95%の多孔率を持ってよく、100〜10,000E−7cm^2の空気透過性を有してよく、1インチ当たりに5〜70個の気孔を有してよく、0.1〜10インチの間の厚さであってよい。
【0090】
物体510を、燃焼に伴う粒子状物質のろ過に使用することが可能であり、いくつかの場合には、物体510を、ディーゼルエンジンの燃焼に関係する用途に使用することが可能である。典型的な用途においては、物体510が、(チャネルに直角な)面積1平方インチ当たり4〜500のチャネルを有してよい。他の実施形態においては、物体510において、1平方インチ当たりのチャネルの数が5つ未満であってよく、いくつかの実施形態においては、1平方インチ当たりのチャネルの数が0.1未満であってよい。特定の実施形態においては、物体510において、1平方インチ当たりのチャネルの数が600超、800超、あるいは1000超である。物体510のいくつかの変種は、ディーゼルの排気の流れから、PM10および/またはPM2.5および/または他の物質として特徴付けられる粒子状物質などの粒子状物質を除去し得る。いくつかの例では、物体によって関連の排気ガスの流れから除去される粒子状物質を生成する特定のブレーキ馬力のエンジンへと正規化したときに、1、0.5、0.1、0.05、または0.01g/bhp−hrを下回るレベルまで粒子状物質を減らすことが可能である。特定の実施形態は、エンジンの排気の流れの中の少なくとも一部の汚染物質を、USEPA Tier 2 Bin 10、US 2007 HDおよび/またはEuro Vのレベルを下回り、好ましくはUSEPA Tier 2 Bin 5(あるいは、Bin 2)、US 2010 HDおよび/またはEuro VIのレベルを下回るレベルまで除去するための物体を含む。
【0091】
いくつかの実施形態においては、物体510が、約50ミクロン〜2mmの間の壁の厚さを有してよく、10〜90%の間、好ましくは20〜80%の間の多孔率を有してよく、1〜60ミクロンの間の平均孔サイズを有してよい。いくつかの態様においては、物体510が、4〜22ミクロンの間の孔サイズ中央値を有してよい。特定の実施形態において、物体510は、少なくとも0.2E−12/m^2、好ましくは少なくとも0.8E−12/m^2の浸透性によって特徴付けられる。特定の実施形態においては、物体510が、3ジュール/(cm^3−K)よりも大きい熱容量を有してよい。いくつかの場合においては、微細なアッシュ粒子(例えば、325メッシュ未満)を凝集させ、あるいは部分的に密なペレットへとペレット化させてよく、次いで物体がペレットから作製され、物体の気孔が、前記凝集塊の気孔から少なくとも部分的にもたらされる。
【0092】
特定の態様において、物体510は、気体の流体を0.01フィート/秒よりも大きく、好ましくは0.1フィート/秒を上回り、好ましくは0.5フィート/秒よりも大きく、より好ましくは3フィート/秒を上回り、さらにより好ましくは10フィート/秒を上回る線速度で通過させることができるのに充分な浸透性および寸法(例えば、壁の厚さ、チャネルの表面積、断面)を有する。
【0093】
物体510は、使い捨てであってよく、必要とされる処理の寿命を達成できる充分に大きなサイズであってよい。自動車、列車、船舶、またはトラックにおける交換サイクル、オフロードのディーゼル装置における可使時間、鉄道機関車または船舶に関する行路の長さ、港湾船舶または関連の積み込み/荷下ろし/搬送設備に関するデューティサイクル、農機具に関する収穫シーズン、エンジンに関するオイル交換間隔、および他の寿命など、さまざまな寿命が適切であり得る。寿命は、性能を確認するための予備設備の部品の検査に関する「始動−停止」動作の特定の回数を含んでよい。一部の物体は、0.1m^3未満の体積を有してよい。他の物体は、0.1〜1m^3の間であってよい。特定の物体は、1〜10m^3の間であってよく、一部の物体の体積は、10m^3よりも大きくてよく、あるいは100m^3よりも大きくてよい。一部の物体は、ほぼ輸送容器のサイズである。
【0094】
特定の用途においては、物体510を、使用の最中に再生することができ、いくつかの場合には、再生が、物体510を通過する流体の流れからろ過された粒子の燃焼を含む。再生は、酸化環境を伴ってよく、400、500、600、700、800、900、1000、あるいは1100度を超える温度を関与させることが可能である。いくつかの態様においては、再生温度が、600〜1100度の間の範囲を含む。そのような用途において、物体510を、物体510が暴露される流体の温度および化学的性質に適した組成および結晶構造をもたらすアッシュ粒子から作製することができる。再生を含むいくつかの用途においては、物体510を、能動的な再生サイクルおよび/または再生に伴う熱弾性応力の状況において導入されるあらゆる種など、再生に伴う温度および環境に耐えることができる材料をさらに有してよい。再生は、バックフラッシュを含んでよい。
【0095】
特定の態様は、処理プロセスに関する寿命またはデューティサイクルの計算をもたらすプロセッサの使用を含み、特定の場合においては、デューティサイクルが、再生プロセスが生じるまでの時間を含んでよい。特定の実施形態においては、データが収集および保存(例えば、RAMまたは他の記憶媒体に)され、デューティサイクルの終わりまでの時間の計算が、多くの場合には繰り返し行われる。いくつかの場合には、用途における物体の動作または使用が、デューティサイクルの終わりまでの予想時間を計算することを含み、いくつかの場合には、それに応じて動作を調節することを含む。特定の場合においては、デューティサイクルが、推定される移動時間、経路の距離、動作時間、あるいは他の時間および/または負荷依存の特性を含み、特定の態様においては、この推定時間が、物体が関与するプロセスを調節するために使用される。特定の場合においては、予測される経路(例えば、ごみを届ける経路または「経路マッピング」ソフトウェアから計算された経路)が、動作条件一式を推定するために使用される。例えば、物体を第1の方途(例えば、ディーゼル粒子状物質フィルタの再生)または第2の方途(非再生)で動作させる決定に、予測される経路またはデューティサイクルを組み入れてよい。所与の実施形態において、予測時間または移動距離が、再生工程を含むことができるプロセスの調節を判断するために使用される。予測されるデューティサイクルを、物体が使用温度に達すると予想される時期を予測するために使用することが可能であり、特定の場合においては、予測に従って再生プロセスの開始点を制御するために使用することが可能である。いくつかの場合には、再生プロセスを、推定されたデューティサイクル時間が完全な再生をもたらすためには短すぎるという理由で、遅延させることができる。他の場合には、デューティサイクルの終わりよりも前に再生を完了するために、再生を、(例えば、物体のさらなる加熱によって)「早期に」開始させてよい。エンジンデータを、これらの計算のいずれにおいても使用することが可能であり、特定の態様は、エンジン制御パラメータ(例えば、噴射タイミング、噴射後、排気ガス再循環の量)の制御を含んでよい。
【0096】
図6は、典型的な実施形態の概略図である。図6は、不連続な粒子を有する多孔質体が包装によって実質的に収容されている装置600を示している。種々の実施形態において、不連続な粒子は、アッシュ粒子を含んでおり、物体が、10%、30%、70%、あるいは90%を超えるアッシュ粒子を含み得る。物体610は、流体602が入り口620から出口640へと(あるいは、反対の方向に)物体610を通過できるような粒子サイズ分布を有するアッシュ粒子を含んでいる。典型的には、物体610が、物体610を収容するための充分な強度および流体602の通過を可能にする充分な浸透性の両方を有する層を備えている包装650によって収容されている。いくつかの態様においては、流体602が、重力によって物体610を通って流れる。別の態様においては、流体602を、圧力を加えることによって駆動して物体610を通過させてよい。
【0097】
物体610は、1種類または数種類の粒子を含んでよい。特定の場合においては、物体610を、異なる粒子の層が(流体の流れの方向に関して)異なる地点に配置されるように、層状としてもよい。特定の場合においては、層が、入り口620から出口640へと、粗い層から細かい層へと形成される。典型的な粗い粒子は、100ミクロン超、500ミクロン超、1mm超、あるいは1cm超であってよく、典型的な細かい粒子は、100ミクロン未満、50ミクロン未満、10ミクロン未満、1ミクロン未満、あるいは100nm未満であってよい。特定の態様は、複数(2つ、3つ、5つ、あるいは10)の不連続な粒子サイズ分布を提供し、いくつかの場合においては、各々の分布を構成する層を、大きいものから小さいものへと並べることができる。特定の実施形態は、サイズが0.2〜5mmの範囲のアッシュ粒子を使用することが可能である。
【0098】
異なる密度を有する粒子を、特に図6のような実質的に垂直な流れの場合に、異なる垂直位置に分布させることが可能である。すなわち、「上部」に近い粒子ほど、より低い密度を有してよく、「下部」に近い粒子ほど、より大きな密度を有してよい。多くの態様において、バックフラッシュを物体610を清掃するために使用してよく、バックフラッシュに起因する破損に対する物体610の耐性を、密度の低い粒子を上部/入り口の付近に使用し、より密度の大きい粒子を下部/出口の付近に使用することによって高めることができる。同様に、ろ過の効率を、より粗い粒子を入り口620の付近に位置させ、より細かい粒子を出口640の付近に位置させることによって、改善することが可能である。異なる化学組成を有する異なるアッシュ源を、適切な粒子源を選択するために使用してよい。さらに、多くのアッシュ源は幅広い範囲の粒子を有しているため、粒子の部分集合の任意のカットを、受け取った粒子サイズ分布から選び出すことが可能である。好ましい実施形態においては、物体610が層を成し、第1の層が、上部付近のより大きくて密度の低い粒子を含み、少なくとも1つの第2の層が、下部の付近のより密度が高くてより小さい粒子を含む。
【0099】
いくつかの実施形態においては、図6に示したような装置を、流動床として動作させてよい(例えば、物体610を支持するが、流体602の通過は可能である穴開き/透過性の底660を通って「上方」へと流体602を駆動することによって)。特定の実施形態においては、物体610の特性(および/または流体602の処理)を、適切な機械(例えば、振動)、電磁気、音響、および他の力を加えることによって改善し得る。
【0100】
図7は、典型的な実施形態の概略図を示している。図7は、流体702と相互作用することができる装置700を示している。装置700は、包装によって収容された実質的に緩い粒子を有する多孔質体710を含む。種々の実施形態において、緩い粒子は、アッシュ粒子を含み、物体は、10%超、30%超、70%超、あるいは90%超のアッシュ粒子を含んでよい。この例では、物体710が、複数の傾斜部品752を含む包装750によって実質的に収容されたアッシュ粒子を含んでいる。傾斜部品752の設計(例えば、角度、長さ)を、物体710に含まれるアッシュ粒子のさまざまな特性(例えば、粒子サイズ分布、密度、粒子間引力)に合わせて選択して、いくつかの態様において、実質的に「緩い」アッシュ粒子を、傾斜部品752に対するアッシュ粒子の沈降に関する「安息角」にて動かぬように保持して、実質的に垂直な包装750に配置できるようにする。そのような例において、流体702を、図示のように水平に導入して、物体710を通過させてよい。特定の態様においては、アッシュ粒子が、使用の最中に継続的に包装750へと送り込まれる。粒子は、使用時に(例えば物体710の上部において)継続的に補充してよく、いくつかの場合には、物体(例えば、物体710)の浸透性を、使用の最中に物体710に関する粒子サイズ分布を変化させることによって動的に変化させてよい。
【0101】
物体710は、交差流のガス接触器として機能してよい。特定の態様において、物体710の特性を、静電力および/または電磁力を印加することによって改善することが可能であり、いくつかの場合には、磁性粒子を物体710へと取り入れることによって特性の改善が可能である。磁性粒子は、磁鉄鉱(Fe3O4)、磁赤鉄鉱(Fe2O3)、などを含むアッシュ粒子など、磁性アッシュ粒子を含んでよい。磁性のFe、Ni、Co、およびこれらの混合物も、物体710に含まれてよい。処理対象の流体702の温度を上回るキュリー温度を有する粒子を使用することが好都合であり得る。
【0102】
装置700を、燃焼プロセスからの排気の流れを処理するために使用してよく、いくつかの場合には、電力(おそらくは、燃焼プロセスからの)が、物体710に関する電磁界を生成するために使用される。特定の変種においては、「正常」動作が、排気の流れのろ過を含み、正常なろ過が、物体710に作用する電磁界によって可能にされる。「異常」動作を使用してフェイルセーフ動作をもたらす(例えば、非常時に弱いろ過をもたらす)ことが可能であり、電磁界の制御によって制御することが可能である。特定の実施形態においては、異常動作が、流体702の物体710の実質的なバイパスにつながる。他の実施形態においては、異常動作が、流体702の物体710によって生成される浸透性バリアの「突破」につながる。
【0103】
図8は、特定の実施形態によるプロセスのフロー図を示している。このようなプロセスを、方法800を実行するプロセッサによって実行することが可能である。ステップ810において、用途ベクトルが決定される。用途ベクトルは、流体および物体が相互作用する用途の様々な特性を記述することが可能である。用途ベクトルは、当該用途にとって適切な物体に関する所望または目標物体ベクトルをさらに含んでよい。ステップ820において、1つ以上の原材料が選択される。選択は、アッシュ源、非アッシュ源、利用可能な粒子サイズ、LOI、XRDデータ、化学組成、などを含み得る原材料のデータベースを照会することを含んでよい。いくつかの材料については、材料源からの粒子の部分集合を選択してよく、これは、ふるい分け、ろ過、浮選、磁気分離、密度による分離、などを含んでよい。いくつかの材料源においては、「部分集合」が、その材料源の全体を含んでよい。任意のステップ830も実行してよく、その場合、形成プロセス(形成パラメータを含む)を定めることが可能である。形成プロセスは、鋳造、振動鋳造、射出成型、押し出し、および他の作業を含む。形成プロセスは、ペーストまたはクレイの処方、焼却スケジュール、焼成サイクル、熱処理、周囲雰囲気、および他のプロセスを含むことが可能である。物体ベクトルが、ステップ840において計算され、ステップ840は、第1の組成および第1の形成条件を選択して、それによって形成される物体の特性を計算することを含んでよい。ステップ850において、物体ベクトルが用途ベクトルと比較され、ステップ860において、物体ベクトルと用途ベクトルとの間の適合の質(例えば、物体がその用途においてどれほど上手く機能すると予想されるか)が判断される。適合の質に応じて、ステップ820/830とステップ860との間の繰り返しのループを実行してよい。典型的には、1つ以上の入力パラメータ(例えば、組成、粒子カット、アッシュ源、結合剤の量、押し出し圧力、焼成サイクル、滞留時間、など)を、各々の繰り返しにおいて変更してよく、適合の質についての繰り返しの結果が記録される。このようにして、多次元パラメータ空間をサンプリングすることが可能であり、空間内の各々の点が、(例えば、物体ベクトルまたは用途ベクトルの)1つ以上のパラメータの異なる値に相当する。いくつかの場合には、入力パラメータが、満足できる適合が得られるまで調節される。ステップ810、830、840、850、および860を、実験データによって補うことが可能であり、実験結果を、計算による結果に置き換えることが可能である。いくつかの態様は、ネットワーク通信を含んでおり、自動実験設備との通信を含んでよい。特定の実施形態においては、化学、物理、構造、相、および他のパラメータを含んでいる多次元パラメータ空間をサンプリングしてよく、サンプリングされた点を、用途への適用可能性について評価することができる。
【0104】
例示のためのいくつかの実施例を、以下のとおり説明するが、これらは例示を目的とするものであって、特許請求の範囲の限定を意図するものではない。
【0105】
図9は、典型的なアッシュ源について、粒子サイズおよび組成の情報を示している。本明細書においてBoral 35と記載されるこの原料は、Texas州San AntonioのBoral Material Technologiesによってもたらされたものである。レーザ光散乱(California州IrvineのHoriba LaboratoryのHoriba LA910)によって、1ミクロン未満から500ミクロン超までであって、約35ミクロンという平均粒子サイズ、ならびに以下の統計値、すなわちD10=3.3ミクロン、D50=22ミクロン、D90=98ミクロンを有するこの試料中の粒子サイズの範囲が明らかになった。この材料の空気中での10°/分でのDTA/TGA分析(New Jersey州RobbinsvilleのLinseis, Inc.のLinseis L81/1550)によって、1250Cまでにおいて、重量の喪失が1%未満であり、目に見える溶融がないことが示された。この原料内の多数の粒子は、球形または回転楕円形であり、いくつかの実施形態において、ペーストの特性(例えば、押し出し性)および/またはこれらの粒子を含む材料の成型の容易さを改善するために使用することができる。化学組成(定性SEM/EDS、Jeol JSM S610/EDAX検出器)は、SiおよびAlの酸化物と、少量のFe、Mg、Ca、K、Na、およびTiを示した。
【0106】
図10は、別の典型的なアッシュソースについて、粒子サイズおよび組成の情報を示している。本明細書においてBoral 3と記載されるこの原料は、テキサス州RockdaleのBoral Material Technologiesによってもたらされ、おそらくはSandow Power Plant(テキサス州)からもたらされたものである。レーザ光散乱によって、〜800nmから10ミクロンまでであって、約3ミクロンという平均粒子サイズを有し、おおむね球形の粒子であって、以下の統計値、すなわちD10=1.6ミクロン、D50=2.8ミクロン、D90=4.6ミクロンを有する粒子サイズの分布が明らかになった。この材料のDTA/TGA分析は、1250Cまでにおいて、重量の喪失が1%未満であり、目に見える溶融がないことを示した。
【0107】
図11は、さらなる典型的なアッシュ源について、粒子サイズの情報を示している。この材料(Virgina州TroutvilleのSeparation Technologies/Titan AmericaのProAsh)。この原料は、聞くところによるとBrunner Island Power Plant(Pennsylvania州)由来であり、おおむね54%のSiO2、28%のAl2O3、9%のFe2O3という主要組成が報告されている。この材料は、図示のとおりの粒子サイズ分布を有し、D10=4.5ミクロン、D50=45ミクロン、D90=341ミクロンであり、LOI=1.5%と報告されている。この材料のDTA/TGA分析は、1250Cまでにおいて、約1.8%の重量喪失を示し、目に見える溶融がないことを示した。
【0108】
図12は、さらなる典型的なアッシュ源について、粒子サイズの情報を示している。この材料(Virgina州TroutvilleのSeparation Technologies/Titan AmericaのEcotherm)は、本明細書においてPro−Ash Hi Carbonと記載される。この原料は、おそらくはBrunner Island Power Plant(Pennsylvania州)からの瀝青炭フライアッシュであり、かなりの量の残存の炭素質の種を含むと報告されている。この材料は、「内在の」一過性相を提供するアッシュ源の例である。この材料は、図示のとおりの粒子サイズ分布を有し、D10=9.6ミクロン、D50=36ミクロン、D90=105ミクロンであった。DTA/TGA分析は、約500℃において重量の喪失が始まり、数百度にわたって続き、試料の質量のうちの約40%の喪失を示した。また、この試料は、1130℃において相転移(おそらくは、溶融)も示した。
【0109】
外来の一過性相として、Asbury Graphite Mills(New Jersey州Asbury)の2つのグラファイト源を用意した。微細な粒子サイズ(A99)のグラファイトは、D10=6.1ミクロン、D50=23ミクロン、およびD90=51ミクロンであり、粗い粒子サイズ(4012)のグラファイトは、以下の粒子サイズの統計値を有している。すなわち、0.22%が180ミクロン超であり、0.9%が150ミクロン超であり、72%が75ミクロン超であり、24%が44ミクロン超であり、2.8%が44ミクロン未満である。
【0110】
いくつかの異なる混合物(すなわち、クレイまたはペースト)を、物体へと製造するために作成した。表2が、それらに関する処方を列挙しており、それらのペーストを形態へと成形するために用いた方法も、表2に含まれている。いくつかの試料は、押し出しを使用して形成され、一過性相としても機能し得るレオロジ調節剤(Michigan州NoviのYuken AmericaのYB−155およびYB−113C)を含んだ。他の試料は、試料をセラミックるつぼへと流し込み、試料を落ち着かせるためにるつぼを約20回軽く叩き、試料を硬化させることによって形成された(本明細書においては、振動鋳造と記載される)。
【表2】

【0111】
試料1について、TGA/DTA分析を実行した。この試料は、125Cにおいて重量喪失の開始を示し、277Cにおいて重量喪失のピークおよび発熱を示し、目に見える溶融は(1250C/実行の最大Tまで)示さなかった。いくつかの実施形態において、さまざまな一過性相が、相の焼損が異なる温度において生じるように選択された。
【0112】
表2の試料に、以下の焼成サイクルを加えた。焼成サイクル#1:550Cまで150C/hの傾斜、2hにわたり550Cに保持、1050Cまで150C/hの傾斜、0.5hにわたり1050Cに保持、200C/hで室温まで冷却。焼成サイクル#2:93Cまで17C/hの傾斜、2hにわたり93Cに保持、500Cまで93C/hの傾斜、4hにわたり500Cに保持、800Cまで93C/hの傾斜、2hにわたり800Cに保持、1050Cまで150C/hの傾斜、0.5hにわたり1050Cに保持、150C/hで室温まで冷却。焼成サイクル#3:93Cまで17C/hの傾斜、2hにわたり93Cに保持、500Cまで93C/hの傾斜、4hにわたり500Cに保持、800Cまで93C/hの傾斜、2hにわたり800Cに保持、1050Cまで150C/hの傾斜、5.0hにわたり1050Cに保持、150C/hで室温まで冷却。焼成後の試料は、おおむね固体であり、容易に取り扱えるように充分に丈夫であった。
【0113】
焼成後の試料1のX線回折は、大部分が石英およびムライトであり、曹長石(カルシアン)と、おそらくはクリストバライトと、ヘマタイトとが少量であることを示した。熱膨張を、室温と1000℃との間で、3℃/分にて測定(New Jersey州RobbinsvilleのLinseis,Inc.のLinseis L75D/1550)したところ、約5E−6/℃というCTEであった。
【0114】
図13は、試料1の異なる倍率の2つの断面電子顕微鏡写真を示している。この例は、約0.75cmの直径および約1mmの肉厚を有する筒状の物体であった。この試料は、セラミックの処理に典型的な通常の取り扱い操作に充分な機械的一体性を示した。
【0115】
多孔率を、水銀ポロシメトリ(Micromeritics Autopore IV 9500、ペンシルベニア州North HuntingdonのDelta Labsによって実行)を使用して測定した。
【0116】
図14は、いくつかの典型的な物体に関する孔サイズの情報を示している。この図は、有機結合剤なしの振動鋳造による試料、および有機結合剤を有する2つの押し出しによる試料を含んでいる。試料1は、高圧の自動押出機を使用して押し出しされた。試料2は、手動押出機を使用して押し出しされた。マイクロ構造は、おおむね混合物の組成によって制御可能であり、粒子から物体を形成するために使用可能なさまざまな形成方法を、さまざまな実施形態において使用することができる。いくつかの混合物は、いくつかの異なる方法によって成形可能である。
【0117】
図15は、いくつかの典型的な物体に関する孔サイズの情報を示している。この図は、外来の一過性相(アッシュ源に追加される)を取り入れてなる物体を、アッシュ源に付随し、アッシュ粒子を生成するプロセスから一般的にもたらされる内在の一過性相を取り入れてなる物体(すなわち、試料3)と比較している。試料3および7Cは、異なる一過性相を同様の濃度で有している(Pro−Ash High Carbonの質量の〜40%として内在−対−外来のAsbury 4012)。多孔率を、1つ以上の一過性相を使用することによって制御可能であり、一過性相は、内在および/または外来の一過性相であってよく、同様および/または異なる粒子サイズを有してよい。
【0118】
図16は、いくつかの典型的な物体に関する孔サイズの情報を示している。この図は、種々の実施形態に従って生成することが可能な孔サイズ分布の範囲を示している。より広い範囲、より狭い範囲、異なる孔サイズ分布、および他の特性を、処理パラメータを適切に変更することによって一般的に生み出すことができ、多孔率および孔サイズ分布を、おおむね制御することができる。穴の連結性を、種々のせん断、圧縮、および引張力を取り入れている形成方法を使用して制御してよく、異方性の粒子、特に異方性の形状の一過性粒子(例えば、ウィスカ、プレートレット)を使用することから利益を得ることも可能である。
【0119】
図17は、いくつかの焼成済み試料の多孔率を記述するCPFT(横軸の孔サイズよりも微細な孔の累積パーセント)データを示している。
【0120】
表3が、種々の試料についての多孔率の測定値を要約している。
【表3】

【0121】
図18は、特定の実施形態によるいくつかの物体について、平均多孔率−対−平均孔径のプロットである。孔径の中央値およびパーセンテージ多孔率を、独立に制御することが可能である。いくつかの実施形態においては、用途ベクトルが、所望の孔径中央値および%多孔率を含んでよく、さまざまな試料が計算/予測および/または作製/測定され、種々のパラメータが、得られる物体に関する物体ベクトルが用途ベクトルに充分に適合するまで調節される。
【0122】
以上の説明は、例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の多数の変形が、本明細書の開示を検討することによって、当業者にとって明らかになるであろう。したがって、本発明の技術的範囲を上述の説明を参照して決定してはならず、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲ならびにその均等物の全範囲に鑑みて決定されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体を物体と反応させるためのシステムであって、
入り口および出口を有する容器と、
前記入り口と前記出口との間に配置された物体と、
を備え、
前記物体は、アッシュ粒子を有し、かつ前記第1の流体が前記入り口から前記出口へと通過する際に当該物体と反応する充分な多孔率を有するシステム。
【請求項2】
前記物体の少なくとも一部位が、前記第1の流体が当該部位を通過できるように構成された孔サイズ分布、孔の連結性、および長さを備え、前記第1の流体が前記入り口から前記出口への通過の際に前記部位を通過しなければならないように、前記物体が前記容器に配置される請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記多孔率が、少なくとも部分的に、前記本体の作製時の一過性相の除去からもたらされる請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記一過性相が、炭素質の相を含む請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記一過性相が、前記アッシュ粒子を製造したプロセスによる前記アッシュ粒子に付随する残留物を含む請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記孔サイズ分布が、前記部位を通過する際に前記第1の流体から物質をろ過するように構成される請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の流体が関与する反応を触媒するための触媒をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記物体が、少なくとも1MPaの引張強度を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記多孔率が、4%〜97%の間である請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記多孔率が、10%〜85%の間である請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記物体が、前記第1の流体の流れに対して実質的に開いた1つ以上のチャネルを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記物体が、前記第1の流体の流れに対して実質的に開いたチャネルを含み、前記第1の流体が通過する前記物体の前記部位が、前記チャネルに付随している請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
前記アッシュ粒子の少なくとも一部が、セメント質の反応に伴う結合によって互いに結合している請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記アッシュ粒子の少なくとも一部が、焼成作業から少なくとも部分的にもたらされる結合によって互いに結合している請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記焼成作業が、摂氏900度を超える温度を含む請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
第1の流体を反応させる方法であって、
請求項1に記載のシステムを選択するステップと、
前記第1の流体を前記物体を通って前記入り口から前記出口へと通過させるステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記第1の流体が、燃焼プロセスからの排気ガスを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1の流体から物質をろ過する方法であって、
請求項2に記載のシステムを選択するステップと、
前記第1の流体を前記部位を通って前記入り口から前記出口へと通過させるステップと、
を含む方法。
【請求項19】
前記第1の流体が、燃焼プロセスからの排気ガスを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の流体が、液体金属を含む請求項18に記載の方法。
【請求項21】
第1の流体を処理するための物体の製造方法であって、
前記物体によって処理される第1の流体を選択するステップと、
前記処理に関する1つ以上の特性を有するアッシュ源を選択するステップと、
前記アッシュ源を、前記第1の流体の処理用に構成された物体へと形成するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
処理がろ過を含み、前記物体が、前記流体のろ過に適した浸透性を備える請求項21に記載の方法。
【請求項23】
形成ステップが、前記物体に1つ以上のチャネルを作製するステップを含み、各々のチャネルが、当該チャネルに付随する壁を通過する流れに比べて実質的に小さい妨げで、前記第1の流体が当該チャネルを通過して流れることができるように構成されている請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記アッシュ源が、後の工程において除去される一過性相を含み、形成ステップが、前記一過性相を除去する工程を含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
形成ステップが、前記アッシュ源に後の工程において除去される一過性相を混ぜるステップを含み、当該方法が、前記一過性相を除去する工程をさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項26】
形成ステップが、処理の際に前記第1の流体が通過する容器に、前記アッシュ源を配置するステップを含む請求項21に記載の方法。
【請求項27】
形成ステップが、前記物体の焼成ステップを含む請求項21に記載の方法。
【請求項28】
焼成に先立って、前記物体が一過性相を含んでおり、該一過性相が焼成の際に除去される請求項27に記載の方法。
【請求項29】
形成ステップが、セメント質の結合の使用を含む請求項21に記載の方法。
【請求項30】
複数の粒子を収容するように構成され、かつ入り口および出口を有し、前記複数の粒子を流動床として挙動させるように前記複数の粒子に流体を供給すべく前記入り口が構成される容器と、
前記容器内で前記入り口および出口の間に配置された複数のアッシュ粒子と、
を備える流動床システム。
【請求項31】
入り口および出口を有し、複数の粒子を収容するように構成された容器と、
前記容器内で前記入り口および出口の間に配置された複数のアッシュ粒子と、
を備えるろ床。
【請求項32】
排気ガスを処理するための物体であって、複数の結合したアッシュ粒子を含むとともに、複数のチャネルを備える物体。
【請求項33】
入り口および出口を有する容器と、
排気ガスが前記入り口から前記出口への通過において前記チャネルを通過するように、前記入り口および出口の間に配置された請求項32に記載の物体と、
を備える排気ガス処理システム。
【請求項34】
第1組のチャネルが、前記入り口に流体的に連通し、第2組のチャネルが、前記出口に流体的に連通し、排気ガスが、前記入り口から前記出口への通過において、前記物体の気孔を通って前記第1組から前記第2組へと通過しなければならない請求項33に記載の排気ガス処理システム。
【請求項35】
用途ベクトルを決定するステップと、
原材料を選択するステップと、
前記原材料の1つ以上の特性に従って物体ベクトルを計算するステップと、
前記物体ベクトルを前記用途ベクトルと比較するステップと、
前記本体ベクトルと前記用途ベクトルとの間の適合の質を判断するステップと、
を含む方法を実行すべくプロセッサによって実行可能なプログラムを具現化させているコンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項36】
前記方法が、形成プロセスを選択するステップをさらに含み、
前記物体ベクトルの計算が、前記形成プロセスの1つ以上の特性を含む請求項35に記載のコンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項37】
前記原材料が、アッシュ源を含む請求項35に記載のコンピュータ読取可能記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−535696(P2010−535696A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520197(P2010−520197)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/071793
【国際公開番号】WO2009/020835
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(510029818)エアシブ・インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ERRCIVE, INC.
【Fターム(参考)】