多層プラスチック部品の射出成形方法及び多層プラスチック部品
本発明は射出成形多層プラスチック部品の構造及び製作工程に関する。第1の製作工程ではリブ付き突起(12)を有する第1の層(1)を射出成形させる。密閉構造の場合、第1の層(1)のセグメント(1’、1’’)は、固体コア又は他の既知の方法により形成される開口(11)を有し、結合又は他の既知の方法で入口(13)を介して骨格を結合される。第1の層(1)は次の金型において正確に位置が合わされ、その外面全体又は一部に別の層(2)が射出成形され、この層の対峙するリブ(21)がリブ(12)間の孔を塞ぎ、新たなリブ(22)が層(2)の表面から突出する。層(2)に被覆成形された層(1)は、次の金型に設置される。全工程は所望の層(n)が射出成形されるまで繰り返され、層(n)のリブ(n1)は直前の層の孔又は凹部を塞ぎ、層(n)の表面には溝(nu)が形成される。層(n)は全ての前段の層を含んだ状態で、最後の金型に設置され、被覆/仕上げ薄層(p)が射出成形され、この薄層の突起(pi)は層(n)の溝(nu)を塞ぐ。一方層(p)の外表面、すなわち部品の外表面は平滑、あるいは必要であれば荒れた状態にされ、又は所望のパターン若しくは模様が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック塊及びプラスチック状態にある材料の製作工程及び処理に関する。本発明はさらに多層部品に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許分類(IPC)によれば、本発明はB29C45/14の挿入物の射出成形、B29C45/16の多層又は多色物品の射出成形、B29C63/00の予備形成層の被覆成形、B23B33/00の多層物品に分類される。
【0003】
本発明は多層射出成形法の問題を解決し、この方法で製作された物品が、衝撃抵抗、引っかき抵抗、破断抵抗等の良好な機械的特性、表面の美しい光沢や手触りの良さのような審美的及び装飾的特性、及び経済的な製造コストを有するようにするものである。これは、個々の層の構造及び設計、1層からなる構成物の構造的結合、薄膜と厚膜の組み合わせを最適化することにより可能となる。この場合、何回もの連続射出成形に適合した材料の適切な選択によって、層同士のリブ、溝、凹部、突起又は平滑な接触面を利用して、射出成形工程が定められる。
【0004】
技術的課題は最初の特許出願P-571/02に詳細に示されている。さらに以下に掲げる米国特許には関連する内容が示されている。
【0005】
1第3947177-06/09/1974号、熱プラスチック多層体の射出成形装置
2第4840553-20/09/1988号、多層樹脂成形の金型構造
3第4931246-19/09/1986号、多層物品の射出成形方法
4第5141695-08/09/1987号、多層有底パリソンの射出成形方法
5第5667819-04/11/1994号、多層物品の射出成形装置
6第5851456-28/03/1997号、多層部品を製作する方法
7第6129960-10/10/2000号、多層プラスチックの射出成形及びブロー式射出成形の方法と装置、並びに多層プラスチック。
欧州特許
1第EP1 227 5567A1号、局部隆起を有するプラスチック筐体を射出成型によって製造する方法。
【0006】
これら全ての米国特許には、多層材料の同時射出成形の装置及び処理工程が示されている。そのような多層材料を成形する方法は、極めて複雑な装置、金型及び多管ノズルが必要である。さらにその方法は、多層成形材料の粘性、流量、温度に対して極めて複雑な制御を必要とするため、全工程はさらに複雑となり、精度が悪く非効率的かつ非経済的である。幾つかの周知の工程では射出成形とブロー成形の両方を組み合わせる場合がある。
【特許文献1】米国特許第3947177号明細書
【特許文献2】米国特許第4840553号明細書
【特許文献3】米国特許第4931246号明細書
【特許文献4】米国特許第5141695号明細書
【特許文献5】米国特許第5667819号明細書
【特許文献6】米国特許第5851456号明細書
【特許文献7】米国特許第6129960号明細書
【特許文献8】欧州特許第12275567号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に上述の工程ではほとんどの場合、各種材料の数層の射出成形またはブロー成形が可能であるが、膜厚はおおよそ均一である。従来の周知技術ではいずれの場合も、処理工程において工業的技術的要求を犠牲にしなければ、断面積(多層膜の厚さ)を数倍から数十倍増大させることは実際上、不可能である。犠牲となる技術的特性としては、開口寸法、もしあれば部品寸法、美観、機械的特性、層を構成する材料密度の均一性、及びプラスチック塊処理技術(射出成形層の処理及び冷却時間)がある。
【0008】
本発明は多層プラスチック部品の射出成形工程に関する。最初の特許出願P-571/02によると、技術的工程は、材料及び層の組み合わせの観点で定められ、衛生、特に防水衛生器具に対する技術的要求に依存する。前記出願はさらに他の工業的技術的構成物、及び防水衛生部品技術の製造工程には利用されないものの、精密性に関して工業的技術的要求がされるような完成部品に関する。
【0009】
本発明は、P-571/02出願の記載に適式に基づくものであり、使用材料及びその組み合わせの点では同一の技術的処理工程を有するが、本願は多層部品の設計とその製造工程を正確に定めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、予め成形された層への単一の(薄い又は厚い)層の連続射出成形についての処理工程が定められ、第1の層はその部品が密閉構造部分を有する場合には、固体コアを有する金型で射出成形され、開放構造部分を有する場合には、コアのない金型、又は既知の方法で射出成形される。この処理工程は、完成部品の工業的技術的要求に応じて射出成形層を「n」層にすることを可能にする。
【0011】
部品の構造自体は完成部品に対する要求に基づいて、層数、各層の厚さ、各層(接触面)同士の構造的結合、第1の層構造と他の層間の接触面の性質(粗さ)によって定められる。射出成形層と被覆された層との間の接触面は、平滑であっても粗くても良い。表面粗さは、層が薄膜であるときには突起または溝で定めることができ、厚膜であるときにはリブ構造で定めることができる。
【0012】
対象が密閉部品構造である場合、それらの大部分は、密封性(シール性及び耐水性)が要求されるため複雑な形状となり、第1の層は、セグメントを何らかの方法で結合して構成する必要があり、その後、別の層で別の金型を用いて被覆成形される。
【0013】
最初の出願P-571/02に詳細に示されている最新技術に対して、本発明では射出成形多層プラスチック部品の構造と処理工程に利点があることは明らかである。
【0014】
さらに本発明は極めて難しい技術的、衛生的要求に合致し、無限に広がる可能性を有し、個々の又は部品全体の層厚には、実際上制約は無いことに留意する必要がある。さらに技術開口寸法、もしあれば部分寸法、美観、機械的特性、層を構成する材料の密度の均一性、及びプラスチック塊処理技術(射出成形層の処理及び冷却時間)のような工業的技術的要求を犠牲にすることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
射出成形多層プラスチック部品の処理工程によって、層1が射出成形される(図1)。密閉構造を有する部品の場合、実質上部品のセグメント1’、1’’が射出成形される。層1の外表面にはリブ12が形成される。セグメント1’、1’’の開口11は通常、輸液を用いて金型内の固体コアによって、又は別の方法によって形成される。セグメント1’、1’’は防水機能を発揮するような材料で構成され、セグメント1’、1’’の結合部は密閉シールされる。これらのセグメントは分離可能な、あるいは分離不可能な多くの方法で結合することができ、いかなる場合も密閉状態にある。セグメント1’、1’’間の分離可能な結合は、入口13に沿ってOリング14を挿入することでなされ、あるいはファスナー/結合によってなされる。分離不可能な結合は、入口13での接着剤、溶融、抵抗溶接又は超音波溶接による結合によってなされる(図32、33)。
【0016】
このようにして形成された層1は、部品の骨格を構成し、次の成形の際の精密な位置決めに用いられる。層1の表面には別の層2が射出成形され、層1の孔12間にあるリブ21及び溝が塞がれる。この方法では層1、2間の小型構造化が可能となる(図1乃至4)。リブ22は、層2の表面から突出している。一体化部品を構成する層1、2は次の型に設置され、層3が射出成形される。処理は数回繰り返され、所望の「n」層の射出成形層が得られ、その外表面は「ni」のリブ又は「nu」の溝のいずれかを有することになる。「n」層の上には最後の薄層「p」が射出成形され、その溝「pi」又は突起「pu」は「n」層の突起「nu」又は溝「ni」で塞がれる。従って最終厚層「n」と被覆薄層「p」の間に均一構造が得られる。外部最終層「p」はいかなる色であっても良く、あるいは直前の層「n」の色が見えるような透明であっても良い。表面を平滑性や光沢性のある状態となるように設計しても良く、あるいは目的や要求設計に応じて、荒れた又は所望のパターンが形成された表面にしても良い。
【0017】
開放構造部品(図2)の場合も射出成形工程は同様であるが、第1の層はセグメント化されておらず、1部品である。さらに必ずしも必要ではないが目的に応じて、第1の層表面のうち別の層で被覆されない部分が完成面を構成するようにしても良い。
【0018】
層1乃至nは薄層「ts」(図5乃至8)若しくは厚層「ds」(図9乃至12)、あるいはこれらを組み合わせて構成しても良い。一方被覆層は通常、薄膜で形成される。薄層「ts」は厚さ約0.5乃至6mmであり、厚層「ds」は厚さ約4乃至30mmである。
【0019】
薄層「ts」の表面は、突起「tsi」及び溝「tsu」を有する平滑面であっても、これらのいかなる組み合わせによる平滑面であっても良い(図13乃至28)。突起「tsi」及び溝「tsu」は、円、四角形、その他いかなる形状であっても良く、表面にチェス盤状パターンで、又は他のいかなる対称若しくは非対称位置で形成しても良い。
【0020】
厚層「ds」の表面は、突起「dsi」及び溝「dsu」を有する平滑面(図13乃至28)、リブ付き突起「ds1」、「ds2」(図29乃至31)を有する面、又はこれらを組み合わせたいかなる種類の平滑面であっても良い。リブ付き突起「ds1」、「ds2」は円、正方形、長方形三角形、台形、半円、又は他の適当ないかなる形状であっても良い。リブ付き突起は層の表面に相互に平行な直線として若しくは湾曲させて設置しても良く、又はネット状パターン「m」のように、あるいは他のいかなる表面配置で設置しても良い。
【0021】
上述の工程は本発明の範囲を逸脱しないで、実質上制限無く、形状、厚さ、層数、及び材料種類を組み合わせて、多層部品を製造することができることは明確であろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】密閉構造多層部品の断面図である。
【図2】開放構造多層部品の断面図である。
【図3】3層部品の断面図である。
【図4】2層部品の断面図である。
【図5】平滑面を有する薄層の断面図である。
【図6】突起及び凹部を有する薄層の断面図である。
【図7】突起を有する薄層の断面図である。
【図8】凹部を有する薄層の断面図である。
【図9】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図10】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図11】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図12】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図13】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図14】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図15】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図16】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図17】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図18】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図19】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図20】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図21】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図22】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図23】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図24】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図25】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図26】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図27】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図28】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図29】直線リブを有するリブ構造の図である。
【図30】湾曲リブを有するリブ構造の図である。
【図31】ネット状リブ構造の図である。
【図32】Oリングを用いて結合された第1の層を有する構成物からなる部品の断面図である。
【図33】Oリングを用いずに結合された第1の層を有する構成物からなる部品の断面図である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック塊及びプラスチック状態にある材料の製作工程及び処理に関する。本発明はさらに多層部品に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許分類(IPC)によれば、本発明はB29C45/14の挿入物の射出成形、B29C45/16の多層又は多色物品の射出成形、B29C63/00の予備形成層の被覆成形、B23B33/00の多層物品に分類される。
【0003】
本発明は多層射出成形法の問題を解決し、この方法で製作された物品が、衝撃抵抗、引っかき抵抗、破断抵抗等の良好な機械的特性、表面の美しい光沢や手触りの良さのような審美的及び装飾的特性、及び経済的な製造コストを有するようにするものである。これは、個々の層の構造及び設計、1層からなる構成物の構造的結合、薄膜と厚膜の組み合わせを最適化することにより可能となる。この場合、何回もの連続射出成形に適合した材料の適切な選択によって、層同士のリブ、溝、凹部、突起又は平滑な接触面を利用して、射出成形工程が定められる。
【0004】
技術的課題は最初の特許出願P-571/02に詳細に示されている。さらに以下に掲げる米国特許には関連する内容が示されている。
【0005】
1第3947177-06/09/1974号、熱プラスチック多層体の射出成形装置
2第4840553-20/09/1988号、多層樹脂成形の金型構造
3第4931246-19/09/1986号、多層物品の射出成形方法
4第5141695-08/09/1987号、多層有底パリソンの射出成形方法
5第5667819-04/11/1994号、多層物品の射出成形装置
6第5851456-28/03/1997号、多層部品を製作する方法
7第6129960-10/10/2000号、多層プラスチックの射出成形及びブロー式射出成形の方法と装置、並びに多層プラスチック。
欧州特許
1第EP1 227 5567A1号、局部隆起を有するプラスチック筐体を射出成型によって製造する方法。
【0006】
これら全ての米国特許には、多層材料の同時射出成形の装置及び処理工程が示されている。そのような多層材料を成形する方法は、極めて複雑な装置、金型及び多管ノズルが必要である。さらにその方法は、多層成形材料の粘性、流量、温度に対して極めて複雑な制御を必要とするため、全工程はさらに複雑となり、精度が悪く非効率的かつ非経済的である。幾つかの周知の工程では射出成形とブロー成形の両方を組み合わせる場合がある。
【特許文献1】米国特許第3947177号明細書
【特許文献2】米国特許第4840553号明細書
【特許文献3】米国特許第4931246号明細書
【特許文献4】米国特許第5141695号明細書
【特許文献5】米国特許第5667819号明細書
【特許文献6】米国特許第5851456号明細書
【特許文献7】米国特許第6129960号明細書
【特許文献8】欧州特許第12275567号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に上述の工程ではほとんどの場合、各種材料の数層の射出成形またはブロー成形が可能であるが、膜厚はおおよそ均一である。従来の周知技術ではいずれの場合も、処理工程において工業的技術的要求を犠牲にしなければ、断面積(多層膜の厚さ)を数倍から数十倍増大させることは実際上、不可能である。犠牲となる技術的特性としては、開口寸法、もしあれば部品寸法、美観、機械的特性、層を構成する材料密度の均一性、及びプラスチック塊処理技術(射出成形層の処理及び冷却時間)がある。
【0008】
本発明は多層プラスチック部品の射出成形工程に関する。最初の特許出願P-571/02によると、技術的工程は、材料及び層の組み合わせの観点で定められ、衛生、特に防水衛生器具に対する技術的要求に依存する。前記出願はさらに他の工業的技術的構成物、及び防水衛生部品技術の製造工程には利用されないものの、精密性に関して工業的技術的要求がされるような完成部品に関する。
【0009】
本発明は、P-571/02出願の記載に適式に基づくものであり、使用材料及びその組み合わせの点では同一の技術的処理工程を有するが、本願は多層部品の設計とその製造工程を正確に定めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、予め成形された層への単一の(薄い又は厚い)層の連続射出成形についての処理工程が定められ、第1の層はその部品が密閉構造部分を有する場合には、固体コアを有する金型で射出成形され、開放構造部分を有する場合には、コアのない金型、又は既知の方法で射出成形される。この処理工程は、完成部品の工業的技術的要求に応じて射出成形層を「n」層にすることを可能にする。
【0011】
部品の構造自体は完成部品に対する要求に基づいて、層数、各層の厚さ、各層(接触面)同士の構造的結合、第1の層構造と他の層間の接触面の性質(粗さ)によって定められる。射出成形層と被覆された層との間の接触面は、平滑であっても粗くても良い。表面粗さは、層が薄膜であるときには突起または溝で定めることができ、厚膜であるときにはリブ構造で定めることができる。
【0012】
対象が密閉部品構造である場合、それらの大部分は、密封性(シール性及び耐水性)が要求されるため複雑な形状となり、第1の層は、セグメントを何らかの方法で結合して構成する必要があり、その後、別の層で別の金型を用いて被覆成形される。
【0013】
最初の出願P-571/02に詳細に示されている最新技術に対して、本発明では射出成形多層プラスチック部品の構造と処理工程に利点があることは明らかである。
【0014】
さらに本発明は極めて難しい技術的、衛生的要求に合致し、無限に広がる可能性を有し、個々の又は部品全体の層厚には、実際上制約は無いことに留意する必要がある。さらに技術開口寸法、もしあれば部分寸法、美観、機械的特性、層を構成する材料の密度の均一性、及びプラスチック塊処理技術(射出成形層の処理及び冷却時間)のような工業的技術的要求を犠牲にすることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
多層プラスチック部品の射出成形処理は、製作部品が密閉構造(図1及び図32)であるかどうかに関わらず、まず第1の層1、より正確にはそのセグメント1’及び1’’が射出成形される。第1の層1の外表面にはリブ付き突起12が形成される。各セグメント1’及び1’’には、金型の堅いコア又は他の手段により孔11が形成され、この孔11は通常そこに流体を流すために設けられ、これにより部品は流体密封材料で構成され、セグメント1’、1’’は密閉式に結合される。この目的のため、これらのセグメントは、分離可能な状態であるいは分離不可能な状態で相互に接続されるが、いずれの場合も密封状態を確保する必要がある。セグメント1’及び1’’間の分離可能な接合は、Oリングの取り付けられた適当な溝を有するスリーブ13、あるいはスナップファスナ(図には示されていない)によって行うことができる。分離不可能な接続はスリーブ13を介した接着、加熱、圧着又は超音波溶接によってなされる。
【0016】
製作部品の支持を有するように形成された第1の層1は、別の金型に極めて正確に設置され、その外表面には射出成形によって第2の層が形成される。第2の層のリブ付き突起21は第1の層1のリブ付き突起12間の孔を塞ぐ。第2の層のリブ付き突起22は第2の層2の外表面から突出する。第1及び第2の層(1、2)は今度は一体部品として、別の金型に設置され、リブ付き突起「n1」及び凹部「nu」を外表面に有する第3の「n」の射出成形が行われる。第3の層「n」の突起n1は、第2の層「2」のリブ付き突起「22」間の孔を塞ぐ。層「n」の上には装飾用層「p」が射出成形により形成され、この層の突起「pi」は、第3の層「n」と装飾層「p」との間が均一構造となるように、層「n」の凹部「nu」と合体する。
【0017】
装飾層「p」の外表面は任意で着色したり、透明にしたりすることができ、美観点理由で前記表面を研磨された平滑面又は荒れた面に、より正確には所望のパターンの模様を形成するようにすることができる。
【0018】
対象部品が開放構造(図2)を有する場合も射出成形処理は上述の場合と同様であるが、第1の層(1)はセグメント1’、1’’ではなく一体品として構成され、表面の一部は、そこが第2の層で被覆されない場合、最終完成表面となる。
【0019】
層1乃至「n」は薄層「ts」若しくは厚層「ds」として、又はこれらの組み合わせで形成することができる。装飾層「p」は薄層「ds」として形成されることが好ましい。薄層「ts」の厚さは0.5から6mmの範囲であり、厚層の厚さは4乃至30mmの範囲である。
【0020】
薄層「ts」の表面は平滑にも、突起「tsi」及び凹部「tsu」を有するようにもでき、あるいはリブ付き突起を有する平滑面又はこれらの組み合わせを有する平滑面にすることもできる。突起「tsi」と凹部「tsu」(図6)は円、四角形又は他の適当な幾何形状を有し、それらは格子縞状にあるいは他の適当な対称若しくは非対称配置で設置することができる(図13乃至28)。
【0021】
厚層「ds」の表面は平滑にも突起「dsi」及び凹部「ds1」、「ds2」を有するようにもでき(図9乃至12)、あるいはこれらの組み合わせを有する平滑表面にすることもできる。厚層「ds」の断面は正方形、長方形、三角形、台形、半円、又は他のあらゆる適当な幾何形状を有する。厚層「ds」は、層1乃至nの表面に平行なリブを形成するように配置することができる。この平行なリブは直線状又は凸状にすることができ、あるいはこれらをクモの巣「m」状又は他の適当な配置で形成することも可能である(図29乃至31)。
【0022】
本発明の処理工程は多層部品の製作に対する広範な可能性を有し、請求項の範囲から逸脱しないで、形状、配置、層厚及び使用材料の種類の多くの組み合わせを実際上、制限なく利用できることは当業者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】密閉構造多層部品の断面図である。
【図2】開放構造多層部品の断面図である。
【図3】3層部品の断面図である。
【図4】2層部品の断面図である。
【図5】平滑面を有する薄層の断面図である。
【図6】突起及び凹部を有する薄層の断面図である。
【図7】突起を有する薄層の断面図である。
【図8】凹部を有する薄層の断面図である。
【図9】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図10】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図11】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図12】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図13】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図14】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図15】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図16】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図17】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図18】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図19】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図20】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図21】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図22】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図23】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図24】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図25】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図26】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図27】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図28】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図29】直線リブを有するリブ構造の図である。
【図30】湾曲リブを有するリブ構造の図である。
【図31】ネット状リブ構造の図である。
【図32】Oリングを用いて結合された第1の層を有する構成物からなる部品の断面図である。
【図33】Oリングを用いずに結合された第1の層を有する構成物からなる部品の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック塊及びプラスチック状態にある材料の製作工程及び処理に関する。本発明はさらに多層部品に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許分類(IPC)によれば、本発明はB29C45/14の挿入物の射出成形、B29C45/16の多層又は多色物品の射出成形、B29C63/00の予備形成層の被覆成形、B23B33/00の多層物品に分類される。
【0003】
本発明は多層射出成形法の問題を解決し、この方法で製作された物品が、衝撃抵抗、引っかき抵抗、破断抵抗等の良好な機械的特性、表面の美しい光沢や手触りの良さのような審美的及び装飾的特性、及び経済的な製造コストを有するようにするものである。これは、個々の層の構造及び設計、1層からなる構成物の構造的結合、薄膜と厚膜の組み合わせを最適化することにより可能となる。この場合、何回もの連続射出成形に適合した材料の適切な選択によって、層同士のリブ、溝、凹部、突起又は平滑な接触面を利用して、射出成形工程が定められる。
【0004】
技術的課題は最初の特許出願P-571/02に詳細に示されている。さらに以下に掲げる米国特許には関連する内容が示されている。
【0005】
1第3947177-06/09/1974号、熱プラスチック多層体の射出成形装置
2第4840553-20/09/1988号、多層樹脂成形の金型構造
3第4931246-19/09/1986号、多層物品の射出成形方法
4第5141695-08/09/1987号、多層有底パリソンの射出成形方法
5第5667819-04/11/1994号、多層物品の射出成形装置
6第5851456-28/03/1997号、多層部品を製作する方法
7第6129960-10/10/2000号、多層プラスチックの射出成形及びブロー式射出成形の方法と装置、並びに多層プラスチック。
欧州特許
1第EP1 227 5567A1号、局部隆起を有するプラスチック筐体を射出成型によって製造する方法。
【0006】
これら全ての米国特許には、多層材料の同時射出成形の装置及び処理工程が示されている。そのような多層材料を成形する方法は、極めて複雑な装置、金型及び多管ノズルが必要である。さらにその方法は、多層成形材料の粘性、流量、温度に対して極めて複雑な制御を必要とするため、全工程はさらに複雑となり、精度が悪く非効率的かつ非経済的である。幾つかの周知の工程では射出成形とブロー成形の両方を組み合わせる場合がある。
【特許文献1】米国特許第3947177号明細書
【特許文献2】米国特許第4840553号明細書
【特許文献3】米国特許第4931246号明細書
【特許文献4】米国特許第5141695号明細書
【特許文献5】米国特許第5667819号明細書
【特許文献6】米国特許第5851456号明細書
【特許文献7】米国特許第6129960号明細書
【特許文献8】欧州特許第12275567号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に上述の工程ではほとんどの場合、各種材料の数層の射出成形またはブロー成形が可能であるが、膜厚はおおよそ均一である。従来の周知技術ではいずれの場合も、処理工程において工業的技術的要求を犠牲にしなければ、断面積(多層膜の厚さ)を数倍から数十倍増大させることは実際上、不可能である。犠牲となる技術的特性としては、開口寸法、もしあれば部品寸法、美観、機械的特性、層を構成する材料密度の均一性、及びプラスチック塊処理技術(射出成形層の処理及び冷却時間)がある。
【0008】
本発明は多層プラスチック部品の射出成形工程に関する。最初の特許出願P-571/02によると、技術的工程は、材料及び層の組み合わせの観点で定められ、衛生、特に防水衛生器具に対する技術的要求に依存する。前記出願はさらに他の工業的技術的構成物、及び防水衛生部品技術の製造工程には利用されないものの、精密性に関して工業的技術的要求がされるような完成部品に関する。
【0009】
本発明は、P-571/02出願の記載に適式に基づくものであり、使用材料及びその組み合わせの点では同一の技術的処理工程を有するが、本願は多層部品の設計とその製造工程を正確に定めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、予め成形された層への単一の(薄い又は厚い)層の連続射出成形についての処理工程が定められ、第1の層はその部品が密閉構造部分を有する場合には、固体コアを有する金型で射出成形され、開放構造部分を有する場合には、コアのない金型、又は既知の方法で射出成形される。この処理工程は、完成部品の工業的技術的要求に応じて射出成形層を「n」層にすることを可能にする。
【0011】
部品の構造自体は完成部品に対する要求に基づいて、層数、各層の厚さ、各層(接触面)同士の構造的結合、第1の層構造と他の層間の接触面の性質(粗さ)によって定められる。射出成形層と被覆された層との間の接触面は、平滑であっても粗くても良い。表面粗さは、層が薄膜であるときには突起または溝で定めることができ、厚膜であるときにはリブ構造で定めることができる。
【0012】
対象が密閉部品構造である場合、それらの大部分は、密封性(シール性及び耐水性)が要求されるため複雑な形状となり、第1の層は、セグメントを何らかの方法で結合して構成する必要があり、その後、別の層で別の金型を用いて被覆成形される。
【0013】
最初の出願P-571/02に詳細に示されている最新技術に対して、本発明では射出成形多層プラスチック部品の構造と処理工程に利点があることは明らかである。
【0014】
さらに本発明は極めて難しい技術的、衛生的要求に合致し、無限に広がる可能性を有し、個々の又は部品全体の層厚には、実際上制約は無いことに留意する必要がある。さらに技術開口寸法、もしあれば部分寸法、美観、機械的特性、層を構成する材料の密度の均一性、及びプラスチック塊処理技術(射出成形層の処理及び冷却時間)のような工業的技術的要求を犠牲にすることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
射出成形多層プラスチック部品の処理工程によって、層1が射出成形される(図1)。密閉構造を有する部品の場合、実質上部品のセグメント1’、1’’が射出成形される。層1の外表面にはリブ12が形成される。セグメント1’、1’’の開口11は通常、輸液を用いて金型内の固体コアによって、又は別の方法によって形成される。セグメント1’、1’’は防水機能を発揮するような材料で構成され、セグメント1’、1’’の結合部は密閉シールされる。これらのセグメントは分離可能な、あるいは分離不可能な多くの方法で結合することができ、いかなる場合も密閉状態にある。セグメント1’、1’’間の分離可能な結合は、入口13に沿ってOリング14を挿入することでなされ、あるいはファスナー/結合によってなされる。分離不可能な結合は、入口13での接着剤、溶融、抵抗溶接又は超音波溶接による結合によってなされる(図32、33)。
【0016】
このようにして形成された層1は、部品の骨格を構成し、次の成形の際の精密な位置決めに用いられる。層1の表面には別の層2が射出成形され、層1の孔12間にあるリブ21及び溝が塞がれる。この方法では層1、2間の小型構造化が可能となる(図1乃至4)。リブ22は、層2の表面から突出している。一体化部品を構成する層1、2は次の型に設置され、層3が射出成形される。処理は数回繰り返され、所望の「n」層の射出成形層が得られ、その外表面は「ni」のリブ又は「nu」の溝のいずれかを有することになる。「n」層の上には最後の薄層「p」が射出成形され、その溝「pi」又は突起「pu」は「n」層の突起「nu」又は溝「ni」で塞がれる。従って最終厚層「n」と被覆薄層「p」の間に均一構造が得られる。外部最終層「p」はいかなる色であっても良く、あるいは直前の層「n」の色が見えるような透明であっても良い。表面を平滑性や光沢性のある状態となるように設計しても良く、あるいは目的や要求設計に応じて、荒れた又は所望のパターンが形成された表面にしても良い。
【0017】
開放構造部品(図2)の場合も射出成形工程は同様であるが、第1の層はセグメント化されておらず、1部品である。さらに必ずしも必要ではないが目的に応じて、第1の層表面のうち別の層で被覆されない部分が完成面を構成するようにしても良い。
【0018】
層1乃至nは薄層「ts」(図5乃至8)若しくは厚層「ds」(図9乃至12)、あるいはこれらを組み合わせて構成しても良い。一方被覆層は通常、薄膜で形成される。薄層「ts」は厚さ約0.5乃至6mmであり、厚層「ds」は厚さ約4乃至30mmである。
【0019】
薄層「ts」の表面は、突起「tsi」及び溝「tsu」を有する平滑面であっても、これらのいかなる組み合わせによる平滑面であっても良い(図13乃至28)。突起「tsi」及び溝「tsu」は、円、四角形、その他いかなる形状であっても良く、表面にチェス盤状パターンで、又は他のいかなる対称若しくは非対称位置で形成しても良い。
【0020】
厚層「ds」の表面は、突起「dsi」及び溝「dsu」を有する平滑面(図13乃至28)、リブ付き突起「ds1」、「ds2」(図29乃至31)を有する面、又はこれらを組み合わせたいかなる種類の平滑面であっても良い。リブ付き突起「ds1」、「ds2」は円、正方形、長方形三角形、台形、半円、又は他の適当ないかなる形状であっても良い。リブ付き突起は層の表面に相互に平行な直線として若しくは湾曲させて設置しても良く、又はネット状パターン「m」のように、あるいは他のいかなる表面配置で設置しても良い。
【0021】
上述の工程は本発明の範囲を逸脱しないで、実質上制限無く、形状、厚さ、層数、及び材料種類を組み合わせて、多層部品を製造することができることは明確であろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】密閉構造多層部品の断面図である。
【図2】開放構造多層部品の断面図である。
【図3】3層部品の断面図である。
【図4】2層部品の断面図である。
【図5】平滑面を有する薄層の断面図である。
【図6】突起及び凹部を有する薄層の断面図である。
【図7】突起を有する薄層の断面図である。
【図8】凹部を有する薄層の断面図である。
【図9】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図10】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図11】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図12】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図13】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図14】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図15】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図16】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図17】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図18】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図19】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図20】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図21】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図22】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図23】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図24】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図25】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図26】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図27】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図28】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図29】直線リブを有するリブ構造の図である。
【図30】湾曲リブを有するリブ構造の図である。
【図31】ネット状リブ構造の図である。
【図32】Oリングを用いて結合された第1の層を有する構成物からなる部品の断面図である。
【図33】Oリングを用いずに結合された第1の層を有する構成物からなる部品の断面図である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック塊及びプラスチック状態にある材料の製作工程及び処理に関する。本発明はさらに多層部品に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許分類(IPC)によれば、本発明はB29C45/14の挿入物の射出成形、B29C45/16の多層又は多色物品の射出成形、B29C63/00の予備形成層の被覆成形、B23B33/00の多層物品に分類される。
【0003】
本発明は多層射出成形法の問題を解決し、この方法で製作された物品が、衝撃抵抗、引っかき抵抗、破断抵抗等の良好な機械的特性、表面の美しい光沢や手触りの良さのような審美的及び装飾的特性、及び経済的な製造コストを有するようにするものである。これは、個々の層の構造及び設計、1層からなる構成物の構造的結合、薄膜と厚膜の組み合わせを最適化することにより可能となる。この場合、何回もの連続射出成形に適合した材料の適切な選択によって、層同士のリブ、溝、凹部、突起又は平滑な接触面を利用して、射出成形工程が定められる。
【0004】
技術的課題は最初の特許出願P-571/02に詳細に示されている。さらに以下に掲げる米国特許には関連する内容が示されている。
【0005】
1第3947177-06/09/1974号、熱プラスチック多層体の射出成形装置
2第4840553-20/09/1988号、多層樹脂成形の金型構造
3第4931246-19/09/1986号、多層物品の射出成形方法
4第5141695-08/09/1987号、多層有底パリソンの射出成形方法
5第5667819-04/11/1994号、多層物品の射出成形装置
6第5851456-28/03/1997号、多層部品を製作する方法
7第6129960-10/10/2000号、多層プラスチックの射出成形及びブロー式射出成形の方法と装置、並びに多層プラスチック。
欧州特許
1第EP1 227 5567A1号、局部隆起を有するプラスチック筐体を射出成型によって製造する方法。
【0006】
これら全ての米国特許には、多層材料の同時射出成形の装置及び処理工程が示されている。そのような多層材料を成形する方法は、極めて複雑な装置、金型及び多管ノズルが必要である。さらにその方法は、多層成形材料の粘性、流量、温度に対して極めて複雑な制御を必要とするため、全工程はさらに複雑となり、精度が悪く非効率的かつ非経済的である。幾つかの周知の工程では射出成形とブロー成形の両方を組み合わせる場合がある。
【特許文献1】米国特許第3947177号明細書
【特許文献2】米国特許第4840553号明細書
【特許文献3】米国特許第4931246号明細書
【特許文献4】米国特許第5141695号明細書
【特許文献5】米国特許第5667819号明細書
【特許文献6】米国特許第5851456号明細書
【特許文献7】米国特許第6129960号明細書
【特許文献8】欧州特許第12275567号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に上述の工程ではほとんどの場合、各種材料の数層の射出成形またはブロー成形が可能であるが、膜厚はおおよそ均一である。従来の周知技術ではいずれの場合も、処理工程において工業的技術的要求を犠牲にしなければ、断面積(多層膜の厚さ)を数倍から数十倍増大させることは実際上、不可能である。犠牲となる技術的特性としては、開口寸法、もしあれば部品寸法、美観、機械的特性、層を構成する材料密度の均一性、及びプラスチック塊処理技術(射出成形層の処理及び冷却時間)がある。
【0008】
本発明は多層プラスチック部品の射出成形工程に関する。最初の特許出願P-571/02によると、技術的工程は、材料及び層の組み合わせの観点で定められ、衛生、特に防水衛生器具に対する技術的要求に依存する。前記出願はさらに他の工業的技術的構成物、及び防水衛生部品技術の製造工程には利用されないものの、精密性に関して工業的技術的要求がされるような完成部品に関する。
【0009】
本発明は、P-571/02出願の記載に適式に基づくものであり、使用材料及びその組み合わせの点では同一の技術的処理工程を有するが、本願は多層部品の設計とその製造工程を正確に定めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、予め成形された層への単一の(薄い又は厚い)層の連続射出成形についての処理工程が定められ、第1の層はその部品が密閉構造部分を有する場合には、固体コアを有する金型で射出成形され、開放構造部分を有する場合には、コアのない金型、又は既知の方法で射出成形される。この処理工程は、完成部品の工業的技術的要求に応じて射出成形層を「n」層にすることを可能にする。
【0011】
部品の構造自体は完成部品に対する要求に基づいて、層数、各層の厚さ、各層(接触面)同士の構造的結合、第1の層構造と他の層間の接触面の性質(粗さ)によって定められる。射出成形層と被覆された層との間の接触面は、平滑であっても粗くても良い。表面粗さは、層が薄膜であるときには突起または溝で定めることができ、厚膜であるときにはリブ構造で定めることができる。
【0012】
対象が密閉部品構造である場合、それらの大部分は、密封性(シール性及び耐水性)が要求されるため複雑な形状となり、第1の層は、セグメントを何らかの方法で結合して構成する必要があり、その後、別の層で別の金型を用いて被覆成形される。
【0013】
最初の出願P-571/02に詳細に示されている最新技術に対して、本発明では射出成形多層プラスチック部品の構造と処理工程に利点があることは明らかである。
【0014】
さらに本発明は極めて難しい技術的、衛生的要求に合致し、無限に広がる可能性を有し、個々の又は部品全体の層厚には、実際上制約は無いことに留意する必要がある。さらに技術開口寸法、もしあれば部分寸法、美観、機械的特性、層を構成する材料の密度の均一性、及びプラスチック塊処理技術(射出成形層の処理及び冷却時間)のような工業的技術的要求を犠牲にすることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
多層プラスチック部品の射出成形処理は、製作部品が密閉構造(図1及び図32)であるかどうかに関わらず、まず第1の層1、より正確にはそのセグメント1’及び1’’が射出成形される。第1の層1の外表面にはリブ付き突起12が形成される。各セグメント1’及び1’’には、金型の堅いコア又は他の手段により孔11が形成され、この孔11は通常そこに流体を流すために設けられ、これにより部品は流体密封材料で構成され、セグメント1’、1’’は密閉式に結合される。この目的のため、これらのセグメントは、分離可能な状態であるいは分離不可能な状態で相互に接続されるが、いずれの場合も密封状態を確保する必要がある。セグメント1’及び1’’間の分離可能な接合は、Oリングの取り付けられた適当な溝を有するスリーブ13、あるいはスナップファスナ(図には示されていない)によって行うことができる。分離不可能な接続はスリーブ13を介した接着、加熱、圧着又は超音波溶接によってなされる。
【0016】
製作部品の支持を有するように形成された第1の層1は、別の金型に極めて正確に設置され、その外表面には射出成形によって第2の層が形成される。第2の層のリブ付き突起21は第1の層1のリブ付き突起12間の孔を塞ぐ。第2の層のリブ付き突起22は第2の層2の外表面から突出する。第1及び第2の層(1、2)は今度は一体部品として、別の金型に設置され、リブ付き突起「n1」及び凹部「nu」を外表面に有する第3の「n」の射出成形が行われる。第3の層「n」の突起n1は、第2の層「2」のリブ付き突起「22」間の孔を塞ぐ。層「n」の上には装飾用層「p」が射出成形により形成され、この層の突起「pi」は、第3の層「n」と装飾層「p」との間が均一構造となるように、層「n」の凹部「nu」と合体する。
【0017】
装飾層「p」の外表面は任意で着色したり、透明にしたりすることができ、美観点理由で前記表面を研磨された平滑面又は荒れた面に、より正確には所望のパターンの模様を形成するようにすることができる。
【0018】
対象部品が開放構造(図2)を有する場合も射出成形処理は上述の場合と同様であるが、第1の層(1)はセグメント1’、1’’ではなく一体品として構成され、表面の一部は、そこが第2の層で被覆されない場合、最終完成表面となる。
【0019】
層1乃至「n」は薄層「ts」若しくは厚層「ds」として、又はこれらの組み合わせで形成することができる。装飾層「p」は薄層「ds」として形成されることが好ましい。薄層「ts」の厚さは0.5から6mmの範囲であり、厚層の厚さは4乃至30mmの範囲である。
【0020】
薄層「ts」の表面は平滑にも、突起「tsi」及び凹部「tsu」を有するようにもでき、あるいはリブ付き突起を有する平滑面又はこれらの組み合わせを有する平滑面にすることもできる。突起「tsi」と凹部「tsu」(図6)は円、四角形又は他の適当な幾何形状を有し、それらは格子縞状にあるいは他の適当な対称若しくは非対称配置で設置することができる(図13乃至28)。
【0021】
厚層「ds」の表面は平滑にも突起「dsi」及び凹部「ds1」、「ds2」を有するようにもでき(図9乃至12)、あるいはこれらの組み合わせを有する平滑表面にすることもできる。厚層「ds」の断面は正方形、長方形、三角形、台形、半円、又は他のあらゆる適当な幾何形状を有する。厚層「ds」は、層1乃至nの表面に平行なリブを形成するように配置することができる。この平行なリブは直線状又は凸状にすることができ、あるいはこれらをクモの巣「m」状又は他の適当な配置で形成することも可能である(図29乃至31)。
【0022】
本発明の処理工程は多層部品の製作に対する広範な可能性を有し、請求項の範囲から逸脱しないで、形状、配置、層厚及び使用材料の種類の多くの組み合わせを実際上、制限なく利用できることは当業者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】密閉構造多層部品の断面図である。
【図2】開放構造多層部品の断面図である。
【図3】3層部品の断面図である。
【図4】2層部品の断面図である。
【図5】平滑面を有する薄層の断面図である。
【図6】突起及び凹部を有する薄層の断面図である。
【図7】突起を有する薄層の断面図である。
【図8】凹部を有する薄層の断面図である。
【図9】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図10】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図11】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図12】リブ構造(リブ間の溝)を有する厚層の断面図である。
【図13】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図14】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図15】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図16】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図17】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図18】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図19】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図20】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図21】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図22】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図23】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図24】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図25】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図26】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図27】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図28】薄層及び厚層にある突起又は凹部の可能な形状、並びにこれらの表面配置を示す図である。
【図29】直線リブを有するリブ構造の図である。
【図30】湾曲リブを有するリブ構造の図である。
【図31】ネット状リブ構造の図である。
【図32】Oリングを用いて結合された第1の層を有する構成物からなる部品の断面図である。
【図33】Oリングを用いずに結合された第1の層を有する構成物からなる部品の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最初の特許出願P-571/02に示されている、多層プラスチック部品を射出成形する方法であって、第1の層(1)はリブ付き突起(12)を有するように射出成形され、密閉構造において、前記第1の層(1)のセグメント(1’、1’’)は、固体コア又は他の既知の方法で形成された開口(11)を有し、結合又は他の既知の方法で入口部(13)を介して骨格を結合され、前記第1の層(1)はそれにより、次の金型において正確に位置が合わされ、前記第1の層の全体又は一部の外表面には別の第2の層(2)が射出成形され、対峙するリブ(21)は前記リブ(12)間の穴を塞ぎ、層(2)表面からリブ(22)が突出し、それにより前記第1の層(1)は前記第2の層(2)によって被覆成形された後、次の金型に設置され、全工程は所望の層(n)が射出成形されるまで繰り返され、層(n)のリブ(n1)は直前の層の孔又は凹部を塞ぎ、層(n)の表面には溝(nu)が形成され、既に形成された全ての層を含む層(n)は、最後の金型に設置され、仕上げ被覆薄層(p)が射出成形され、仕上げ被覆薄層(p)の突起(pi)は層(n)の溝(nu)を塞ぎ、層(p)の外表面、すなわち部品の外表面は、平滑若しくは必要であれば荒れた状態にされ、又は所望のパターン若しくは模様を形成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
リブ付き突起(12)を有する前記第1の層(1)は前記第2の(2)により被覆成形され、工程は所望の層(n)又は被覆/仕上げ層(p)が付与されるまで繰り返され、(1乃至n)層は、工業的、技術的及び特性からの要求によって定まる薄層(ts)又は厚層(ds)として形成され、前記被覆/仕上げ層(p)は美的要求に応じて成形されることを特徴とする請求項1に記載の開放構造の多層プラスチック部品の射出成形方法。
【請求項3】
薄層(ts)の上部表面と底部表面は平滑に成形され、あるいは突起(tsi)若しくは溝(tsu)及び/又は突起と溝を組み合わせた表面を有するように成形されることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層プラスチック部品の設計。
【請求項4】
厚層(ds)の上部表面と底部表面は平滑に成形され、あるいは突起(dsi)、溝(dsu)、リブ(ds1、ds2)又は突起、溝、リブのあらゆる組み合わせを有するように成形されることを特徴とする請求項1乃至3に記載の多層プラスチック部品の設計。
【請求項5】
円、四角形若しくは他のあらゆる形状で形成された突起又はリブ(tsi、dsi)及び凹部又は溝(tsu、dsu)は、チェス盤状、対角線状又は他のあらゆる形状、構造若しくは種類で配置されることを特徴とする請求項4に記載の多層プラスチック部品の設計。
【請求項6】
前記リブ付き突起(ds1、ds2)は正方形、長方形又は層(1乃至n)の表面に設置された他のあらゆる形状の断面であり、直線平行リブ、任意形状、ネット状パターン(m)の十字状、又は他のあらゆる表面配置で設置されることを特徴とする請求項5に記載の多層プラスチック部品の設計。
【請求項7】
前記第1の層(1)のセグメント(1’、1’’)は入口(13)に沿って、挿入されたOリング(14)により若しくは結合により分離可能な状態で結合され、又は入口(13)結合部における接着、溶融、抵抗溶接若しくは超音波溶接によって分離不可能な状態で結合されることを特徴とする請求項1に記載の多層プラスチック部品の設計。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として衛生用部品及び他の部品向けの多層プラスチック部品の射出成形処理工程であって、最初の射出成形によって、厚さ(ds)のリブ付き突起(12)を有する第1の層が形成され、成形された部品が開口状態であるか密閉状態であるかに関わらず、前記第1の層は別の金型に正確に設置され、前記第1の層の全外表面又は前記第1の層の一部に射出成形によって第2の層が被覆され、リブ付き突起(22)を有する前記第2の層が上部に成形された前記第1の層は次の金型に設置され、第3の層が多段射出成形によって形成され、前記リブ付き突起(n1)は前記第2の層の前記リブ付き突起(22)間の孔を塞ぎ、前記第3の層の外表面には凹部(nu)が形成され、前記第3の層の凹部(nu)と合体する突起(pi)を有する装飾層(p)を形成するため、層構造体が最後の金型に設置されることを特徴とする射出成形処理工程。
【請求項2】
前記第1の層はセグメント(1’、1’’)で構成され、Oリング(14)のスリーブ(13)により分離可能状態で、又は接着、加熱、圧着若しくは超音波溶接によってスリーブ(13)の外表面の領域に分離不可能な状態で相互接続されることを特徴とする請求項1に記載の多層プラスチック部品の構造。
【請求項1】
最初の特許出願P-571/02に示されている、多層プラスチック部品を射出成形する方法であって、第1の層(1)はリブ付き突起(12)を有するように射出成形され、密閉構造において、前記第1の層(1)のセグメント(1’、1’’)は、固体コア又は他の既知の方法で形成された開口(11)を有し、結合又は他の既知の方法で入口部(13)を介して骨格を結合され、前記第1の層(1)はそれにより、次の金型において正確に位置が合わされ、前記第1の層の全体又は一部の外表面には別の第2の層(2)が射出成形され、対峙するリブ(21)は前記リブ(12)間の穴を塞ぎ、層(2)表面からリブ(22)が突出し、それにより前記第1の層(1)は前記第2の層(2)によって被覆成形された後、次の金型に設置され、全工程は所望の層(n)が射出成形されるまで繰り返され、層(n)のリブ(n1)は直前の層の孔又は凹部を塞ぎ、層(n)の表面には溝(nu)が形成され、既に形成された全ての層を含む層(n)は、最後の金型に設置され、仕上げ被覆薄層(p)が射出成形され、仕上げ被覆薄層(p)の突起(pi)は層(n)の溝(nu)を塞ぎ、層(p)の外表面、すなわち部品の外表面は、平滑若しくは必要であれば荒れた状態にされ、又は所望のパターン若しくは模様を形成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
リブ付き突起(12)を有する前記第1の層(1)は前記第2の(2)により被覆成形され、工程は所望の層(n)又は被覆/仕上げ層(p)が付与されるまで繰り返され、(1乃至n)層は、工業的、技術的及び特性からの要求によって定まる薄層(ts)又は厚層(ds)として形成され、前記被覆/仕上げ層(p)は美的要求に応じて成形されることを特徴とする請求項1に記載の開放構造の多層プラスチック部品の射出成形方法。
【請求項3】
薄層(ts)の上部表面と底部表面は平滑に成形され、あるいは突起(tsi)若しくは溝(tsu)及び/又は突起と溝を組み合わせた表面を有するように成形されることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層プラスチック部品の設計。
【請求項4】
厚層(ds)の上部表面と底部表面は平滑に成形され、あるいは突起(dsi)、溝(dsu)、リブ(ds1、ds2)又は突起、溝、リブのあらゆる組み合わせを有するように成形されることを特徴とする請求項1乃至3に記載の多層プラスチック部品の設計。
【請求項5】
円、四角形若しくは他のあらゆる形状で形成された突起又はリブ(tsi、dsi)及び凹部又は溝(tsu、dsu)は、チェス盤状、対角線状又は他のあらゆる形状、構造若しくは種類で配置されることを特徴とする請求項4に記載の多層プラスチック部品の設計。
【請求項6】
前記リブ付き突起(ds1、ds2)は正方形、長方形又は層(1乃至n)の表面に設置された他のあらゆる形状の断面であり、直線平行リブ、任意形状、ネット状パターン(m)の十字状、又は他のあらゆる表面配置で設置されることを特徴とする請求項5に記載の多層プラスチック部品の設計。
【請求項7】
前記第1の層(1)のセグメント(1’、1’’)は入口(13)に沿って、挿入されたOリング(14)により若しくは結合により分離可能な状態で結合され、又は入口(13)結合部における接着、溶融、抵抗溶接若しくは超音波溶接によって分離不可能な状態で結合されることを特徴とする請求項1に記載の多層プラスチック部品の設計。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として衛生用部品及び他の部品向けの多層プラスチック部品の射出成形処理工程であって、最初の射出成形によって、厚さ(ds)のリブ付き突起(12)を有する第1の層が形成され、成形された部品が開口状態であるか密閉状態であるかに関わらず、前記第1の層は別の金型に正確に設置され、前記第1の層の全外表面又は前記第1の層の一部に射出成形によって第2の層が被覆され、リブ付き突起(22)を有する前記第2の層が上部に成形された前記第1の層は次の金型に設置され、第3の層が多段射出成形によって形成され、前記リブ付き突起(n1)は前記第2の層の前記リブ付き突起(22)間の孔を塞ぎ、前記第3の層の外表面には凹部(nu)が形成され、前記第3の層の凹部(nu)と合体する突起(pi)を有する装飾層(p)を形成するため、層構造体が最後の金型に設置されることを特徴とする射出成形処理工程。
【請求項2】
前記第1の層はセグメント(1’、1’’)で構成され、Oリング(14)のスリーブ(13)により分離可能状態で、又は接着、加熱、圧着若しくは超音波溶接によってスリーブ(13)の外表面の領域に分離不可能な状態で相互接続されることを特徴とする請求項1に記載の多層プラスチック部品の構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公表番号】特表2006−501082(P2006−501082A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−524304(P2004−524304)
【出願日】平成15年7月28日(2003.7.28)
【国際出願番号】PCT/YU2003/000020
【国際公開番号】WO2004/011225
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(505041313)
【出願人】(505041324)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年7月28日(2003.7.28)
【国際出願番号】PCT/YU2003/000020
【国際公開番号】WO2004/011225
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(505041313)
【出願人】(505041324)
【Fターム(参考)】
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