説明

多層ボンディング構造の半導体デバイスのワイヤスイープを低減又は除去する方法とその方法によって製造された装置

【課題】 低い製造コストと高い信頼性で半導体デバイスを製作する方法を提供する。
【解決手段】 多層ワイヤボンディング半導体デバイスをパッケージ化する方法は、多層ワイヤボンディング半導体デバイスにおいて各層で素子間の接続をする複数の導線の少なくとも2本の一部のみを横切って絶縁材料を適用することを含む。その方法は、又、導線と素子を封止することにより、半導体デバイスをパッケージ化することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスのパッケージ化に関し、より詳しくは、パッケージ化された半導体デバイスにおけるワイヤスイープとワイヤスエーを低減又は除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製作において、半導体デバイスの素子の間の接続をするために、導線(例えば、ボンディングワイヤ)がしばしば利用される。例えば、図1は、従来の半導体デバイス100の一部を図示する。半導体デバイス100は、リードフレーム102とリードフレーム接点102aを含む。半導体素子(例えば、ダイ)104がリードフレーム102に装着される。ボンディングワイヤ106が、半導体素子104とリードフレーム接点102aの間の接続をする。オーバーモールド108(即ち、成形コンパウンド)が、ボンディングワイヤ106、半導体素子104とリードフレーム接点102aの上に設けられる。図1に図示する構造において、半導体素子104上の各種の接続点と対応するリードフレーム接点102aの間の接続をするように、多数のボンディグワイヤ106が半導体デバイス100に含まれる。
【0003】
半導体デバイス100を製作する工程中に、近傍のボンディングワイヤ106間の短絡間又は1本以上のボンディングワイヤ106との開路が発生し得る。例えば、製作中、ボンディングワイヤ106の動き(スエー、スイープ等)が、近傍のボンディングワイヤ106間の短絡を生じる。更に、ボンディングワイヤのこのような動きが、1本以上のボンディングワイヤ106を破断させることにより、開路を発生させる。
【0004】
図2は、ボンディングワイヤ106上に封入剤210を含む従来の半導体デバイス200を図示する。封入剤210は、又、ボンディングワイヤ106と半導体素子104の各々及びリードフレーム接点102aの間の接続点を覆う。換言すれば、図2に図示する素子は、図1に図示して上記したものと非常に類似している。
【0005】
図3は、図1に図示する装置に類似の従来の半導体デバイス100の斜視図である。半導体素子104がリードフレーム102に装着されている。複数のボンディグワイヤ106が、半導体素子104と対応するリードフレーム接点102aの間の接続をする。オーバーモールド108(図3で部分破断)が、半導体素子104とボンディングワイヤ106の上に設けられている。
【0006】
図4は、従来の半導体デバイス400の破断側面図である。図1乃至図3のように、半導体素子104がリードフレーム102に装着されると共に、ボンディングワイヤ106が、半導体素子104とリードフレーム接点102aの間の接続をする。封入剤410が、半導体素子104とボンディングワイヤ106の上に設けられる。図4において、オーバーモールド108は、半導体素子104の上下に設けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
色々の問題が、図1乃至図4に図示する従来の半導体デバイス構造では生じる。上記したように、半導体デバイスの製作及び動きの間に、ボンディングワイヤ106が、接続点の一つで(即ち、半導体素子104又はリードフレーム接点102aにおいて)解放される(即ち、開路となる)。更に、近傍のボンディングワイヤ106が互いに接近する方向に移動(例えば、スエー)することにより、半導体デバイスにおいて短絡を生じる。これらの点は、半導体デバイスの寸法を低減するという願望(並びに半導体デバイスにおける導線密度を増大するという対応する願望)を考慮する時に特に問題となる。これらの製作欠点は、半導体ロット内の不良部品となることにより、より高い製造コストと低い信頼性に帰結する。よって、半導体デバイスを製作する改良された方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来技術の欠点を解消するために、本発明の一実施の形態は、多層ワイヤボンディング半導体デバイスをパッケージ化する方法を提供する。その方法は、多層ワイヤボンディング半導体デバイスにおいて各層で素子間の接続をする複数の導線の少なくとも2本の一部のみを横切って絶縁材料を適用することを含む。
【0009】
本発明の別の態様によれば、封入剤が導線と素子に適用されることにより、半導体デバイスがパッケージ化される。
【0010】
本発明の更に別の態様によれば、絶縁コンパウンドは、複数の導線の隣合うものの間に所定の分離を維持するように、球状シリカ粒子を含む。
【0011】
本発明の他の態様によれば、絶縁コンパウンドは、少なくとも1個の半導体素子の近くで大略円周状に適用される。
【0012】
本発明の更に他の態様によれば、絶縁コンパウンドが、少なくとも2個の幾何学形状構造で適用されると共に、幾何学形状構造の各々が、少なくとも1個の半導体素子を円周状に大略囲む。
【0013】
本発明の別の態様によれば、絶縁材料が、少なくとも1個の半導体素子の周辺部の回りに少なくとも2個の異なる構造で適用されると共に、該2個の構造が互いに当接しない。
【0014】
本発明の更に別の態様によれば、半導体デバイスは、複数の半導体素子と、多層構造に配置されて半導体素子の間の接続をする複数の導線と、多層の内の少なくとも2層において複数の導線の少なくとも2本の一部のみを横切って適用される絶縁材料とを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の各実施の形態の好ましい特徴を図面を参照して説明する。本発明の精神と範囲は、例示のために選択された実施の形態に限定されないことが認識されるであろう。又、図面は、特定の尺度又は比率に設定されていないことを注目すべきである。以下に記載する構造及び材料のいずれも本発明の範囲内で修正できることを考慮すべきである。
【0016】
本明細書で使用される用語「半導体デバイス」は、集積回路、記憶装置、デジタル信号プロセッサ(DSP)、クウォッド・フラット・パッケージ(QFD)、プラスチック・ボール・グリッド・アレイ(PBGA)、ボード・オン・チップ(BOC)、チップ・オン・ボード(COB)、チップ・アレイ・ボール・グリッド・アレイ(CABGA)等のパッケージ化された半導体デバイスと個別素子(即ち、非パッケージ化素子)を含む広い範疇のデバイスに関する。更に、用語「半導体素子」は、基板、ダイ、チップ、リードフレーム、リードフレーム接点等を含む半導体デバイスのいずれかの部分を指す。
【0017】
一般的に、本発明は、半導体デバイス内の各種の半導体素子の間の接続をするボンディング導線(即ち、ボンディングワイヤ)を横切って(例えば、ポリマービード、ストリップ又はプリフォーム形状から成る)絶縁材料を配置することに関する。
【0018】
絶縁材料(例えば、ポリマーブリッジ)は、以後の加工(例えば、トランスファー成形)中に導線が分離される(即ち、短絡されない)ように、導線に更なる安定性を付与する格子(又は格子ブリッジ)又は構造物を作る。更に、もし絶縁材料が、少なくとも部分的に流動的に用いられると、絶縁材料は、半導体デバイスの成形中に接続された導線ネットワーク中を流体力により分布される。これは、ワイヤスイープとワイヤスエーを低減すると共に、オーバーモールド工程に起因する短絡を低減又は除去する。
【0019】
絶縁材料(例えば、エポキシ樹脂等のポリマー材料)の適用後、その樹脂は、熱又は紫外線エネルギーの少なくとも一方を使用して硬化される。次に、ワイヤが互いに接近する方向に移動又は「スイープ」しないパッケージ化半導体デバイスを得るように、オーバーモールドが適用される。
【0020】
本発明のある実施の形態によれば、本明細書に開示する方法とデバイスは、請負い及び一貫生産のデバイスメーカーによって製作されるワイヤボンディング半導体デバイスの組立てに特に適している。本発明のある実施の形態は、長い導線/ボンディングワイヤを有したり、複雑なワイヤボンディング構成(例えば、QFP、積層ダイデバイス、BGA)を有する半導体デバイスに特に有用である。
【0021】
従来の製作方法と違って、本発明の各種の実施の形態は、半導体デバイス内の半導体素子の回り又は近くに環状、矩形状及び/又は任意の適当な形状で非常に僅かの絶縁材料(例えば、ポリマー材料)しか使用しない。
【0022】
後述するように、本発明のある実施の形態は、製作工程におけるより大きい融通性、導線を安定化するのに使用する高価なポリマーの最小化とユニバーサル半導体デバイス適用を含む追加の利点を従来の製作技術に対してもたらす。本発明の実施の形態は、複雑な半導体デバイス型式(例えば、積層ダイデバイス)上のスイープを低減すると共に、例えば、QFPとBGAにおける導線長の延長を許容する。
【0023】
図5は、本発明の一実施の形態にかかる半導体デバイス500の破断側面図である。半導体デバイス500は、リードフレーム502に装着された半導体素子504(例えば、ダイ)を含む。例えば、半導体素子504は、接着剤を用いてリードフレーム502に装着される。ボンディングワイヤ506は、半導体素子504とリードフレーム接点502aの間の接続をする。オーバーモールド508がデバイスに適用される前に、絶縁材料512がボンディングワイヤ506の一部に適用される。例えば、絶縁材料512は、半導体素子504の回り又は近くに矩形状、環状及び/又は任意の適当な形状で適用される。更に、ボンディングワイヤ506は、リードフレーム接点502aにおけるよりも半導体素子504においてより近接したピッチを有する(即ち、隣合うボンディングワイヤ506により近接している)から、ボンディングワイヤ506は、リードフレーム接点502aにおけるよりも絶縁材料512は、リードフレーム接点502aよりも半導体素子504に近くに位置決めされている。別のやり方として、絶縁材料512を、半導体素子504とリードフレーム接点502aの間の中間に位置決めしてもよい。更に、所定デバイスで望ましい場合は、絶縁材料512は、半導体素子504とリードフレーム接点502aの間の多数の位置のどれに位置決めしてもよい。
【0024】
絶縁材料512をボンディングワイヤ506を横切って設けることにより、各ボンディングワイヤの相対位置が安定させられる。絶縁材料512を用いてボンディングワイヤ506を互いに安定させることにより、オーバーモールド508の適用中の近傍のボンディングワイヤ506間の短絡の危険が、大幅に低減又は解消される。それに加えて、ボンディングワイヤ506の位置を安定させることにより、製作中のボンディングワイヤ506の開路も大幅に低減される。
【0025】
絶縁材料512は、例えば、エポキシ樹脂等のポリマー材料でよい。それに加えて、絶縁材料512は、ボンディングワイヤ506に対する絶縁材料512の適用中にボンディングワイヤ506間に分布される絶縁粒子又は絶縁ビードを含んでもよい。このような絶縁ビードは、ボンディングワイヤ506を互いに更に安定させる。本発明の一実施の形態によれば、絶縁材料内で分布される絶縁ビードは、約4.1μmの平均粒度、4.5μmのメジアン粒度と20μmの最大粒度を有する。これらの絶縁ビードは、例えば、球状シリカ粒子である。
【0026】
図6は、図5に図示する半導体デバイス500に類似する半導体デバイス600の破断側面図である。図5に図示する本発明の実施の形態と同様に、図6は、ボンディングワイヤ506の一部を横切って設けられた絶縁材料512を図示する。しかしながら、絶縁材料512に加えて、図6は、ボンディングワイヤ506の他の部分を横切って設けられた絶縁材料514を図示する。絶縁材料514は、絶縁材料512と同様の構造(例えば、半導体素子504の回り又は近くに矩形状、環状及び/又は任意の適当な形状)で設けてもよい。それに加えて、絶縁材料514は、エポキシ樹脂等のポリマー材料であると共に、図5で上述したように絶縁ビードを含んでもよい。
【0027】
図7は、リードフレーム702に装着された半導体素子704を含む半導体デバイス700を図示する。ボンディングワイヤ706は、半導体素子704とリードフレーム接点702aの間の接続をする。絶縁材料712は、ボンディングワイヤ706を互いに安定させるために、ボンディングワイヤ706の一部を横切って設けられる。図7に図示する本発明の実施の形態では、絶縁材料712は、半導体素子704の回り又は近くに大略環状(及び/又は任意の適当な形状)に設けられる。絶縁材料712をボンディングワイヤ706の一部を横切って設けることにより、オーバーモールド708の適用の前及び間においてボンディングワイヤ706の開路又は短絡が大幅に低減される。
【0028】
図8は、図7に図示するデバイスと類似の半導体デバイス800の斜視図である。図7に設けられた環状絶縁材料712に加えて、図8は、ボンディングワイヤ706の一部を横切って設けられた絶縁材料814を図示する。絶縁材料712に加えて絶縁材料814を設けることにより、ボンディングワイヤ706は互いに更に安定させられる。
【0029】
図7は、単一の絶縁材料リング712を含む半導体デバイス700を図示し、又、図8は、絶縁材料リング712と絶縁材料リング814を含む半導体デバイス800を図示するけれども、絶縁材料の追加のリング(又は他の形状部分)を設けてもよい。よって、望みに応じて、1本、2本、3本又は任意の本数の絶縁材料のリング/ビーズを所定の半導体デバイスに適用してもよい。
【0030】
図9は、ボンディングワイヤ906a、906bと906cの破断図である。例えば、ボンディングワイヤ906a、906bと906cは、半導体デバイスにおける半導体素子(図9に不図示)とリードフレーム接点(図9に不図示)の間の接続をする。絶縁材料912が、ボンディングワイヤ906a、906bと906cの一部を横切って設けられる。図9に図示する本発明の実施の形態において、絶縁材料912は絶縁ビーズを含む。絶縁ビーズは各種の異なる寸法でよいと共に、絶縁ビーズは、隣合うボンディングワイヤの間(例えば、ボンディングワイヤ906aと906bの間)の距離より小さいので、絶縁ビーズは、隣合うボンディングワイヤの間の位置に分散させられることにより、隣合うボンディングワイヤ間の安定性と絶縁が高められる。
【0031】
図9は、ボンディングワイヤ906aと906bの中心間距離(即ち、ピッチ)を表す距離d1を図示する。更に、図9は、ボンディングワイヤ906aと906bの間の間隔を表す距離d2を図示する。本発明の一実施の形態によれば、絶縁材料は、ウルトラファインピッチ・ワイヤボンディング半導体デバイスに適用される。例えば、このようなデバイスにおける距離d1は約35μm以下であり、又、このようなデバイスにおける距離d2は約15μm以下である。ボンディングワイヤの一部を横切って絶縁材料(例えば、分散させた絶縁ビーズを有する)を設けることにより、本発明の改良されたボンディングワイヤの安定性が、小さい値の距離d1とd2を有するウルトラファインピッチ・ワイヤボンディング半導体デバイスに適用される。
【0032】
本明細書に記載の方法で半導体デバイスを製作することによって、半導体デバイス内の導線密度が増大することにより、望ましくは、小寸法の半導体デバイスが得られる。
【0033】
本発明に従って半導体デバイスを製作する追加の利点は、ボンディングワイヤの一部を横切って絶縁材料を含めることにより、ボンディングワイヤを安定させるのに必ずしも封入剤を必要としないので、デバイスを封止するのに使用されるオーバーモールド/封止材料が、より安価な材料とプロセス(例えば、グロブトップ方式と反対のモールド型封止)で作製される。
【0034】
本発明の各種の実施の形態で使用される絶縁材料に含まれるビーズは、多数の型式の絶縁ビーズのいずれでもよい。例えば、ビーズは、シリカ充填剤で作製される。更に、絶縁ビーズは、異なる寸法と形状の各種の型式でよい。
【0035】
本発明の絶縁材料は、高粘性・紫外線硬化型シリカを含む。例えば、50−85重量%のシリカが絶縁材料に充填される。
【0036】
図10は、本発明の一実施の形態にかかる絶縁材料で使用される2個の異なるシリカ充填剤(例えば、SiO)の例示粒度(即ち、粒径)分布を図示する棒グラフである。図10に図示される例示分布において、シリカ2粒度ビーズは、約0.05ミクロンから約0.5ミクロンまで及ぶ。更に、シリカ1粒度ビーズの分布は、約0.5ミクロンから約20ミクロンまで及ぶ。図10の棒グラフのy軸は、シリカ1粒子とシリカ2粒子の各々の各寸法の百分率を図示する。
【0037】
本発明のある実施の形態によれば、図10に示すシリカ充填剤は、絶縁材料(例えば、エポキシ樹脂)内に分散させた時に特に有用であることが判明した。シリカ1として指定された球状シリカの型式のシリカ直径寸法の個々の分布は次の通り:0%は24ミクロンより大きく、1.1%は24ミクロンより小さいと共に16ミクロンより大きく、4.0%は16ミクロンより小さいと共に12ミクロンより大きく、11.5%は12ミクロンより小さいと共に8ミクロンより大きく、12.8%は8ミクロンより小さいと共に6ミクロンより大きく、35.8%は6ミクロンより小さいと共に3ミクロンより大きく、13.3%は3ミクロンより小さいと共に2ミクロンより大きく、12.5%は2ミクロンより小さいと共に1ミクロンより大きく、7.0%は1ミクロンより小さいと共に0.5ミクロンより大きく、2.0%は0.5ミクロンより小さいと共に0ミクロンより大きい。シリカ2として指定された球状シリカの型式のシリカ直径寸法の個々の分布は以下の通り:0%は0.6ミクロンより大きく、0.5%は0.6ミクロンより小さいと共に0.5ミクロンより大きく、7.03%は0.5ミクロンより小さいと共に0.45ミクロンより大きく、9.13%は0.45ミクロンより小さいと共に0.4ミクロンより大きく、12.83%は0.4ミクロンより小さいと共に0.35ミクロンより大きく、13.43%は0.35ミクロンより小さいと共に0.3ミクロンより大きく、13.33%は0.3ミクロンより小さいと共に0.25ミクロンより大きく、9.33%は0.25ミクロンより小さいと共に0.2ミクロンより大きく、4.33%は0.15ミクロンより小さいと共に0.1ミクロンより大きく、5.83%は0.1ミクロンより小さいと共に0.09ミクロンより大きく、5.93%は0.09ミクロンより小さいと共に0.08ミクロンより大きく、5.53%は0.08ミクロンより小さいと共に0.07ミクロンより大きく、4.93%は0.07ミクロンより小さいと共に0.06ミクロンより大きく、1.73%は0.06ミクロンより小さいと共に0.05ミクロンより大きく、0.31%が0.05ミクロンより小さい。
【0038】
本発明の更に別の実施の形態によれば、多層ワイヤボンディング半導体デバイスにおいて、絶縁材料が複数のボンディングワイヤ層を横切って適用される。よって、ワイヤスイープとワイヤスエーに関連する短絡と他の問題が多層ワイヤボンディング半導体デバイスにおいて低減及び/又は除去される。本発明のある実施の形態では、上記したように絶縁材料を隣合う導線を横切って印加することに加えて、絶縁材料が多数のボンディングワイヤ層を横切って適用される。
【0039】
図13Aは、本発明の一実施の形態にかかる半導体デバイス1300の破断側面図であり、図13Bはその平面図である。半導体デバイス1300は、リードフレーム1302に装着された半導体素子1304(例えば、ダイ)を含む。例えば、半導体素子1304は、接着剤を用いてリードフレーム1302に装着される。ボンディングワイヤ1306は、半導体素子1304と半導体デバイス1300の別の部分、例えば、図13Aに不図示のリードフレーム接点の間の接続をする。オーバーモールドがデバイスに適用される前に、絶縁材料1312がボンディングワイヤ1306の一部に適用される。例えば、絶縁材料1312は、半導体素子1304の回り又は近くに矩形状、環状及び/又は任意の適当な形状で適用される。上述したように、絶縁材料1312は、所定デバイスで望ましい場合は、半導体素子1304とボンディングワイヤ1306の他方の接続点の間の多数の位置のいずれに位置決めしてもよい。
【0040】
図14Aと図14Bに図示するように、デバイス1400では、絶縁材料1312は、所定デバイスで望ましい場合は、半導体素子1304とボンディングワイヤ1306の他方の接続点の間の多数の位置のいずれかに位置決めされる。
【0041】
又、単一の半導体デバイス上の異なる位置に絶縁材料を2個以上配置すること、より詳しくは、絶縁材料1312を、所定デバイスで望ましい場合は、半導体素子1304とボンディングワイヤ1306の他方の接続点の間の任意の個数の位置及び任意の回数で配置することも考慮される。又、図14Aに示すように、絶縁材料1312が半導体素子1304及び/又はリードフレーム1302に当接又は当接しないことも考慮される。
【0042】
図13Aを再び参照すると、ボンディングワイヤ1306が多層に設けられている(即ち、デバイス1300は、多層ワイヤボンディング半導体デバイスである)。絶縁材料1312が各ボンディングワイヤ層を横切って設けられることにより、ワイヤスイープや本明細書に記載の他の関連する問題に基づく短絡が低減又は大略除去される。勿論、絶縁材料1312は、必ずしも各ボンディングワイヤ層を横切って設けられない。例えば、図13Aに示すように、ボンディングワイヤの4個の層を有するある構成では、特定の用途で望ましい場合は、絶縁材料1312は2層、3層又は全ての4層を横切って設けてもよい。
【0043】
ボンディングワイヤ1306を横切って絶縁材料1312を設けることにより、ボンディングワイヤ1306の各層の互いの位置が安定させられる。絶縁材料1312を使用してボンディングワイヤの層を互いに安定させることにより、ボンディングワイヤ1306の隣合う層の短絡(例えば、オーバーモールドの適用中)の危険が大幅に低減又は除去される。それに加えて、ボンディングワイヤ1306の層の位置を安定させることにより、制作中のボンディグワイヤ1306の開路が大幅に低減される。
【0044】
本発明の別の実施の形態に関して上述したように、絶縁材料1312は、例えば、エポキシ樹脂等のポリマー材料である。それに加えて、絶縁材料1312は、絶縁材料1312の適用中にボンディングワイヤ1306の層の間に分布される絶縁粒子又は絶縁ビーズを含む。このような絶縁ビーズは、更に、ボンディングワイヤ1306の層を互いに更に安定させる。これらの絶縁ビーズは、例えば、球状シリカ粒子でよい。
【0045】
上記したように、本発明のある実施の形態によれば、絶縁ビーズ(例えば、シリカ粒子)又は各種の型式と寸法を絶縁材料に混入してもよい。例えば、シリカ1分布の粒子をシリカ2分布の粒子と混合してもよい。一実施の形態において、シリカ1分布の粒子の10部がシリカ2分布の粒子の3部と混合される。このような混合物のSiO粒度分布を図示する棒グラフが図11に与えられる。
【0046】
図11に図示する球状シリカの混合物のシリカ直径寸法の個々の分布は以下の通り:0%は24ミクロンより大きく、0.85%は24ミクロンより小さいと共に16ミクロンより大きく、3.08%は16ミクロンより小さいと共に12ミクロンより大きく、8.85%は12ミクロンより小さいと共に8ミクロンより大きく、9.85%は8ミクロンより小さいと共に6ミクロンより大きく、27.54%は6ミクロンより小さいと共に3ミクロンより大きく、10.23%は3ミクロンより小さいと共に2ミクロンより大きく、9.62%は2ミクロンより小さいと共に1ミクロンより大きく、5.5%は1ミクロンより小さいと共に0.6ミクロンより大きく、3.16%は0.6ミクロンより小さいと共に0.5ミクロンより大きく、2.11%は0.5ミクロンより小さいと共に0.45ミクロンより大きく、2.96%は0.45ミクロンより小さいと共に0.4ミクロンより大きく、3.1%は0.4ミクロンより小さいと共に0.35ミクロンより大きく、3.08%は0.35ミクロンより小さいと共に0.3ミクロンより大きく、2.15%は0.3ミクロンより小さいと共に0.25ミクロンより大きく、1.35%は0.25ミクロンより小さいと共に0.2ミクロンより大きく、1.0%は0.2ミクロンより小さいと共に0.15ミクロンより大きく、1.35%は0.15ミクロンより小さいと共に0.1ミクロンより大きく、1.37%は0.1ミクロンより小さいと共に0.09ミクロンより大きく、1.28%は0.09ミクロンより小さいと共に0.08ミクロンより大きく、1.14%は0.08ミクロンより小さいと共に0.07ミクロンより大きく、0.4%は0.07ミクロンより小さいと共に0.06ミクロンより大きく、0.07%は0.06ミクロンより小さいと共に0.05ミクロンより大きく、0%は0.05ミクロンより小さい。
【0047】
本発明にかかる絶縁材料の適用は、最長ボンディングワイヤの長さ・直径比が250より大きい製作中(例えば、絶縁材料の適用の後のオーバーモールド工程中)に半導体パッケージのボンディングワイヤをワイヤスイープから保護するのに特に有用である。ある実施の形態では、その工程は、(例えば、半導体デバイスがまだワイヤボンディング機械上にある間に)絶縁材料を計量分配することを含み、その後、絶縁材料の流動時間が設けられる。半導体デバイスの寸法、半導体デバイスの温度、計量分配中の絶縁材料の温度と素子間の接続をする導線の密度等のいくつかの条件に応じて、流動時間は、例えば、2〜50秒(より詳しくは7〜25秒)である。その後、絶縁材料は、熱、紫外線、可視線と赤外線のいくつかの組合せを用いて硬化させられる。
【0048】
本明細書に記載されているように、特定の寸法と量の絶縁粒子を含む絶縁材料の適用は、別個の短絡ボンディングワイヤ対間を絶縁材料が流動する能力を改善するのに特に有用である。例えば、小径無機粒子をボンディングワイヤ間に充填するのに使用してもよい。更に、使用される絶縁材料の型式(例えば、ポリマー樹脂)は、短絡を防止及び低減する特性を最大化するように、絶縁材料/封入剤の表面エネルギー特性を増強する。
【0049】
例えば、絶縁粒子(即ち、充填剤粒子)の尺度は、隣合うボンディングワイヤの所望間隙より明白に小さいと共に、絶縁材料の流動を改善するために特定の寸法と量で添加される。絶縁材料/封入剤は、紫外線源又は紫外線、可視線と赤外線の組合せに暴露することにより迅速に硬化される。本明細書に開示の方法は、絶縁材料がワイヤボンディングの直後又は少し後に適用される時と、ボンディングワイヤ長さがボンディングワイヤ直径の少なくとも250倍大きい時に、特に有用である。
【0050】
本明細書に開示の各種の実施の形態により、本発明は、より長く、より細いボンディングワイヤと、より小さいパッドピッチにおけるI/O結線のより高い密度とを有するパッケージ化半導体デバイスを提供する。半導体デバイスの歩留りは、特に、ボンディング後の基板取扱い、オーバーモールディングとグロブトップ封止に関して増大させられる。小寸法及び中間寸法の絶縁粒子(例えば、球状シリカ粒子)の組合せを含む絶縁材料を隣合うボンディングワイヤ間の分散及び分布用装置に適用することにより、ファインピッチ、小径ワイヤボンディング半導体デバイスの短絡を防止し、次に、熱と輻射線(紫外線、可視線及び/又は赤外線)への暴露の使用及び/又は熱回分操作により、(例えば、ワイヤボンダー上で)絶縁材料を硬化/ゲル化することにより、半導体デバイスの歩留りは増大させられる。本発明の一実施の形態によれば、小寸法及び中間寸法の球状シリカの組合せを含む絶縁材料が、ワイヤボンディング後できるだけ早く自動計量分配装置を使用して適用される。
【0051】
絶縁材料の硬化及び/又はゲル化は、用いられる本発明の実施の形態によって変動する。例えば、絶縁材料は、熱と紫外線への暴露を使用してワイヤボンダー上で直接硬化/ゲル化される。本発明の別の実施の形態によれば、絶縁材料は、熱と、紫外線、可視線と赤外線のいずれかへの暴露とを使用してワイヤボンダー上で直接硬化/ゲル化される。本発明の更に別の実施の形態によれば、絶縁材料は熱回分操作を用いて硬化/ゲル化される。
【0052】
絶縁材料は、ウルトラファインピッチ・ワイヤボンディング半導体デバイスにおいて隣合うボンディングワイヤ間の所望スペースより少なくとも部分的に小さい大略球状のシリカ粒子を含むエポキシ封入剤材料でよい。このような実施の形態において、封入剤材料は、紫外線、可視線及び/又は赤外線の特定の強度、時間と波長分布が封入剤材料を迅速にゲル化又は少なくとも部分的に硬化させるように設計される。更に、絶縁材料の特性とその適用プロセスパラメータは、絶縁材料がワイヤボンディング半導体デバイス上に計量分配される時、絶縁材料がボンディングワイヤ全体又はボンディングワイヤの一部を覆うように設計される。
【0053】
更に、絶縁材料は多数の方向のいずれに適用してもよい。例えば、絶縁材料は、リードフレーム接点から半導体デバイスの内方半導体素子(例えば、ダイ)に向けて適用してもよい。別のやり方として、絶縁材料は、半導体デバイスの内方半導体素子(例えば、ダイ)から半導体デバイスのリードフレーム接点に向けて適用してもよい。更に別のやり方は、絶縁材料をボンディングワイヤの真上(又は真下)から適用することである。
【0054】
絶縁材料の適用前に、半導体デバイスは好ましくは、例えば、50℃と125℃の間の温度、より詳しくは、80℃と100℃の間の温度に加熱される。更に、絶縁材料ディスペンサーも好ましくは、例えば、35℃と85℃の間の温度、より詳しくは、50℃と70℃の間の温度に加熱される。絶縁材料ディスペンサー内の絶縁材料を加熱することにより、絶縁材料を計量分配することがより容易となる。
【0055】
上述したように、絶縁材料は、好ましくは、絶縁粒子を有する充填剤材料を含む。例えば、その充填剤材料は、各種の基準に基づいて決定された寸法分布のシリカの組合せから成る。例えば、寸法分布は以下の方針に基づく:(1)隣合うボンディングワイヤ間の狭いスペースに小さなシリカ粒子を導入することにより、ボンディングワイヤを離隔させること、(2)隣合うボンディングワイヤ間で相対的に高レベルの電気絶縁をするように、シリカ(例えば、毛管力で)を押圧すること、(3)ボンディングワイヤを安定させるように、絶縁材料(例えば、ポリマー)のシリカと残りを所定位置に固定することにより、絶縁材料の電気絶縁能力を維持すること、(4)絶縁材料の適用中に脆いワイヤループとの干渉を最小化すること、(5)低い熱膨張率(CTE)を得るように、シリカ粒子の充填密度を増大することと、(6)絶縁材料の滑らかな流動能力を付与することである。
【0056】
絶縁材料を適用する工程は、絶縁材料を計量分配することと、ワイヤボンディング工程の完了の直後(又は、少し後)に細いボンディングワイヤのこわれやすいループが安定及び維持されるように、半導体デバイスがワイヤボンディング機械上にある間に絶縁材料を硬化させることとを含む。
【0057】
更に、相対的に迅速で効率的な製作プロセスが達成されるように、半導体デバイスが連続的にワイヤボンディングされている間に、絶縁材料の計量分配が行われる。例えば、第1半導体デバイスが絶縁材料ディスペンサーから絶縁材料を受けている(次に、硬化/ゲル化されている)間に、第2半導体デバイスがワイヤボンディングされている。このような操作(即ち、絶縁材料の適用と絶縁材料の硬化/ゲル化)は、同じワイヤボンディング機械上の第1及び第2半導体デバイスの両方に適用してもよい。
【0058】
上述したように、絶縁材料/封入剤は、ワイヤボンディングの直後(又は、自動計量分配装置を用いてワイヤボンディングの殆ど直後かワイヤボンディングの後できるだけ早く)に適用し、硬化/ゲル化が、熱と輻射エネルギー暴露(例えば、紫外線、可視線又は赤外線)の少なくとも1個の適用又は熱回分操作により行われる。例えば、絶縁材料を硬化させるのに使用される熱操作は、(1)温度のランプアップ、(2)ソーク時間と(3)温度のランプダウンを含む。
【0059】
絶縁材料(絶縁粒子を含む)を加熱及び計量分配する計量分配手段は、既存のワイヤボンディング機械に追加される新しいサブシステムとして設けても、スタンドアロンシステムとして設けてもよい。
【0060】
本明細書に開示された本発明の各種実施の形態により、以下の長所が得られる:(1)絶縁粒子が、絶縁材料をボンディングワイヤ間に充填させる(これは、ウルトラファインピッチ・ワイヤボンディングを用いる半導体デバイスにおいて特に有益である)、(2)パッケージ全体が同一材料で成形される半導体デバイスと異なり、潜在的に高価な封止材料に必要な体積が大幅に低減される半導体デバイスが提供される、と(3)相対的に低コストの従来の成形コンパウンド又はグロブトップ封止材料(及び関連する装置)が、パッケージをオーバーモールドするのに使用される。
【0061】
本発明の各種の実施の形態を容易にする適用システムは、パッケージ化工程が、絶縁材料の適用を包含することにより生産性の低下を受けないことを確実にするように、設計される。例えば、ソフトウエア制御とセンサー融解の使用により、システムは、同時にワイヤボンディング操作を行いながら、絶縁材料を計量分配及び硬化させる機能を統合することができる。更に、絶縁材料の適用後に、パッケージ化工程が続くにつれて(例えば、樹脂トランスファー成形、グロブトップ封止等により)、細いボンディングワイヤが、隣あうボンディングワイヤの短絡を誘起する動きから保護される。これは、少なくとも部分的に絶縁材料(例えば、成形コンパウンド又は封入剤)の迅速な流動による。
【0062】
図12は、半導体デバイスをパッケージ化する方法を示すフローチャートである。ステップ1202で、絶縁材料が、半導体デバイスの素子間の接続をする複数の導線の少なくとも2本の一部を横切って適用される。ステップ1204で、導線と半導体素子が封止されることにより、半導体デバイスがパッケージ化される。オプションのステップ1206で、絶縁材料がステップ1202の後でステップ1204の前に硬化させられる。
【0063】
本発明は、半導体デバイスに含まれる半導体素子の回り又は近くの環状又は矩形状の絶縁材料について主に説明したが、それに限定されるものではない。ワイヤスイープを低減するように導線が安定される限り、絶縁材料は、多数の構造(例えば、絶縁材料の線形ブリッジ)で設けてもよい。
【0064】
更に、絶縁コンパウンドは、半導体デバイスの内方素子の近くの大略円周形状に適用してもよい。大略円周形状は、リング、円、卵形、正方形又は長方形等の多数の幾何学形状のいずれでもよい。更に、その幾何学形状は大略円周状であるので、それは、必ずしも半導体デバイスの内方素子を完全に囲むものではない。
【0065】
本発明は、絶縁材料がエポキシ樹脂等のポリマー材料であるとして主に説明したが、それに限定されるものではない。各種の代わりの絶縁材料が、半導体デバイスの素子間の接続をする導線に安定性を付与する限り、用いられてもよい。
【0066】
絶縁材料に絶縁粒子を含む本発明の実施の形態において、粒子は、主にシリカ粒子について説明したけれども、それに限定されるものではない。各種の代わりの粒子又はビーズが、その粒子が半導体デバイスの素子間の接続をする隣合う導線の間に分散される限り、用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】従来の半導体デバイスにおける半導体素子間の接続を示す破断側面図である。
【図2】従来の半導体デバイスにおける半導体素子間の封止接続を示す破断側面図である。
【図3】従来の半導体デバイスにおける半導体素子間の複数の接続を示す斜視図である。
【図4】従来の半導体デバイスにおける半導体素子間の封止接続を示す破断側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態にかかる半導体デバイスにおける半導体素子間の接続を示す破断側面図である。
【図6】本発明の別の実施の形態にかかる半導体デバイスにおける半導体素子間の接続を示す破断側面図である。
【図7】本発明の一実施の形態にかかる半導体デバイスにおける半導体素子間の接続を示す斜視図である。
【図8】本発明の別の実施の形態にかかる半導体デバイスにおける半導体素子間の接続を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施の形態において絶縁材料によって分離された導線を示す破断図である。
【図10】本発明の一実施の形態において絶縁材料内のシリカの粒度分布を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施の形態において絶縁材料内のシリカの粒度分布を示す別のグラフである。
【図12】本発明の一実施の形態に従って半導体デバイスをパッケージ化する方法を示すフローチャートである。
【図13A】本発明の一実施の形態にかかる多層ワイヤボンディング半導体デバイスにおける半導体素子間の接続を示す破断側面図である。
【図13B】図13Aに示す半導体デバイスの平面図である。
【図14A】本発明の別の実施の形態にかかる多層ワイヤボンディング半導体デバイスにおける半導体素子間の接続を示す破断側面図である。
【図14B】図14Aに示す半導体デバイスの平面図である。
【符号の説明】
【0068】
500 半導体デバイス
502 リードフレーム
504 半導体素子
506 ボンディングワイヤ
508 オーバーモールド
512 絶縁材料
514 絶縁材料
600 半導体デバイス
700 半導体デバイス
702 リードフレーム
704 半導体素子
706 ボンディングワイヤ
708 オーバーモールド
712 絶縁材料
800 半導体デバイス
814 絶縁材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の半導体素子と、キャリアと、多層構造で半導体素子とキャリアの間の接続をする複数の導線とを含む半導体デバイスをパッケージ化する方法において、
多層ワイヤボンディング半導体デバイスにおいて各層で素子間の接続をする複数の導線の少なくとも2本の一部のみを横切って絶縁材料の少なくとも1個のビーズを適用するステップと、導線と素子を封止することにより、半導体デバイスをパッケージ化するステップとを備える方法。
【請求項2】
前記適用ステップの後に絶縁材料を硬化させるステップを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化ステップが、絶縁材料を加熱することと、絶縁材料を紫外線に暴露することとの少なくとも一方を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記適用ステップが、球状シリカ粒子を含む絶縁コンパウンドを複数の導線の一部に適用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
絶縁コンパウンドが、少なくとも1個の半導体素子の近くに大略円周状に適用される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
絶縁コンパウンドが、少なくとも2個の幾何学形状構造で適用されると共に、幾何学形状構造の各々が、少なくとも1個の半導体素子を円周状に大略囲む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記適用ステップが、複数の導線の一部に加えて少なくとも1個の半導体素子の少なくとも一部に絶縁材料を適用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記適用ステップが、複数の導線の一部に加えてキャリアの少なくとも一部に絶縁材料を適用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記適用ステップが、少なくとも1個の半導体素子の周辺部の回りに絶縁材料を少なくとも2個の異なる構造で適用することを含むと共に、該2個の構造が互いに当接しない請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数の半導体素子と、多層構造に配置されて半導体素子の間の接続をする複数の導線と、多層の内の少なくとも2層において複数の導線の少なくとも2本の一部のみを横切って適用される絶縁材料とを備える半導体デバイス。
【請求項11】
半導体デバイスをパッケージ化するように、導線と素子を封止する封止層を更に備える請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
複数の半導体素子が、複数の第1接点を有する少なくとも1個の半導体ダイと、複数の第2接点を有するリードフレームとを含み、又、複数の導線が、複数の第1接点と複数の第2接点の間の接続をする請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
絶縁材料を、半導体ダイの近傍で複数の導線の少なくとも2本の一部を横切って配置した請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
絶縁材料を、半導体ダイとリードフレームの間の略中間で複数の導線の少なくとも2本の一部を横切って配置した請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
絶縁材料が硬化性絶縁材料である請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
絶縁材料が、ビーズ成形品又はビーズ状成形品を有する請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
絶縁材料が、熱硬化性絶縁材料と紫外線硬化性絶縁材料の少なくとも一方である請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
絶縁材料が、複数の球状シリカ粒子から成る請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
絶縁材料が、半導体デバイスの内方素子の周辺部の回りに適用される請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
絶縁材料が、半導体デバイスの内方素子の周辺部の回りの少なくとも2個の異なる大略円周状の構造物であると共に、該2個の構造物が互いに当接しない請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項21】
前記構造物の第1のものが内方素子の一部に当接し、及び/又は前記構造物の第2のものが、内方素子を支持するキャリアの一部に当接する請求項20に記載の半導体デバイス。
【請求項22】
少なくとも1個の半導体素子と、キャリアと、多層構造で半導体素子とキャリアの間の接続をする複数の導線とを含む半導体デバイスをパッケージ化する方法において、
導線の隣合うものの間の間隙より小さい直径を有する絶縁粒子を含む絶縁材料を、各層で複数の導線の少なくとも2本の一部のみを横切って適用することにより、隣合う導線間の短絡電位を低減するステップと、絶縁材料を硬化させるステップとを備える方法。
【請求項23】
前記適用ステップが、シリカ粒子とポリマー樹脂を含む絶縁材料を適用することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記硬化ステップが、紫外線、可視線と赤外線の少なくとも1個に絶縁材料を暴露することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記硬化ステップが、絶縁材料を加熱することと、紫外線、可視線と赤外線の少なくとも1個に絶縁材料を暴露することとを含む請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記硬化ステップが、温度のランプアップ、温度のソークと温度のランプダウンを含む熱工程を絶縁材料に印加することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記適用ステップが、絶縁粒子が絶縁材料の50重量%と85重量%の間を占める絶縁材料を半導体デバイスに適用することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記適用ステップが、絶縁粒子が20ミクロンの最大直径を有する絶縁材料を半導体デバイスに適用することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記適用ステップが、絶縁粒子が約4.5ミクロンのメジアン直径を有する絶縁材料を半導体デバイスに適用することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記適用ステップが、絶縁粒子が約4.1ミクロンの平均直径を有する絶縁材料を半導体デバイスに適用することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記適用ステップで、絶縁粒子が導線の隣合うものの間に分散させられることにより、導線の隣合うものの間が絶縁分離される請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記適用ステップの前に、半導体デバイスを50℃と125℃の間の温度に加熱するステップを更に備える請求項22に記載の方法。
【請求項33】
前記適用ステップの前に、半導体デバイスを80℃と100℃の間の温度に加熱するステップを更に備える請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記適用ステップの前に、絶縁材料を35℃と85℃の間の温度に加熱するステップを更に備える請求項22に記載の方法。
【請求項35】
前記適用ステップの前に、絶縁材料を50℃と70℃の間の温度に加熱するステップを更に備える請求項22に記載の方法。
【請求項36】
半導体デバイスを封止するステップを更に備える請求項22に記載の方法。
【請求項37】
前記封止ステップが、半導体デバイスをオーバーモールド封入剤で封止することを含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記封止ステップが、半導体デバイスをグロブトップ封入剤で封止することを含む請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記適用ステップが、複数の導線の一部に加えて少なくとも1個の半導体素子の少なくとも一部に絶縁材料を適用することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項40】
前記適用ステップが、複数の導線の一部に加えてキャリアの少なくとも一部に絶縁材料を適用することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1個の半導体素子と、半導体素子を支持するキャリアと、多層構造に配置されて半導体素子とキャリアの間の接続をする複数の導線と、導線の隣合うものの間の所望の所定間隙より小さい直径を有する絶縁粒子を含む絶縁材料とを備え、又、導線の隣合うものの間の短絡電位を低減するように、絶縁材料が、多層の内の少なくとも2層において複数の導線の少なくとも2本の一部のみを横切って適用された半導体デバイス。
【請求項42】
絶縁材料がポリマー樹脂を含むと共に、絶縁粒子がシリカ粒子である請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項43】
絶縁材料が、紫外線、可視線と赤外線の少なくとも1個によって少なくとも部分的に硬化させられる請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項44】
絶縁粒子が絶縁材料の50重量%と85重量%の間を占める請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項45】
絶縁粒子が20ミクロンの最大直径を有する請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項46】
絶縁粒子が約4.5ミクロンのメジアン直径を有する請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項47】
絶縁粒子が約4.1ミクロンの平均直径を有する請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項48】
絶縁粒子が、複数の導線の少なくとも2本の間を絶縁分離する請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項49】
半導体素子、キャリア、導線と絶縁材料を封止する封止層を更に備える請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項50】
封止層がオーバーモールド封入剤を含む請求項49に記載の半導体デバイス。
【請求項51】
封止層がグロブトップ封入剤を含む請求項49に記載の半導体デバイス。
【請求項52】
各々の導線が、各々の導線の直径より少なくとも250倍大きい長さを有する請求項49に記載の半導体デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【公開番号】特開2006−32955(P2006−32955A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−202548(P2005−202548)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(591084908)キューリック・アンド・ソファ・インダストリーズ・インコーポレーテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】KULICKE AND SOFFA INDUSTRIES,INCORPORATED
【Fターム(参考)】