説明

多層段ボール製梱包箱及びその製造方法

【課題】三層以上の多層段ボールシートからなる梱包箱を、ブランク成形現場へ扁平状に折り畳んだ状態で出荷でき、容易に組み立てることが出来る、梱包箱を提供する。
【解決手段】扁平状の折畳み状態に自在な多層段ボール製スリーブaの底部を、オートロック式の底壁部bで塞ぐようにし、スリーブaは、縦罫線を介して並列連設状となる四枚の側壁部a〜aが五層段ボールシートからなり、組立て状態において対角に位置する一対の縦罫線a,aに沿って扁平状に折り畳み可能に形成される。底壁部bは、スリーブaにおける一対の縦罫線a,aの各々において左右に隣り合せる側壁部の下縁4a,4bに貼り付けた一方及び他方の底壁構成板3,3’で形成される。スリーブaを扁平状に折り畳んだ際、各底壁構成板3,3’も斜め折線35に沿って折り畳まれる。スリーブaを組み立てた際、各底壁構成板3,3’が拡開してスリーブaの底部を塞ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば重量物などの保管、搬送などに好適に用いることができる多層段ボール製梱包箱とその製造方法に関し、詳しくは、四層以上の多層段ボールからなる四角筒状のスリーブを有し、その底部がオートロック式に塞がれるようにしたオートロックボトム式の段ボール製梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1、2などに開示されるような、包装箱形成基材としての二層段ボールシートや三層段ボールシートが知られている。これら段ボールシートは、例えば、4枚の側壁が縦罫線(折線)を介して並列状に連続すると共に、横罫線(折線)を介して底フラップと蓋フラップが形成され、各折線の折曲げと所要箇所の貼り付けにより箱状に組み立て可能な包装材として提供される。
【0003】
【特許文献1】特開2003−181957号公報
【特許文献2】特開2006−44142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
処で、従来においては、例えば大画面テレビや大型コンピュータなどの重量物の梱包には、木材,硬質合成樹脂,金属等からなる梱包箱が用いられ、化学材料などの保管、搬送にはフレキシブルコンテナ等が主に用いられてきた。
しかし、これら従来の梱包箱やフレキシブルコンテナは廃棄後の処理,再利用が容易ではなく、且つ、フレキシブルコンテナにおいては保形性が低く型崩れするため、保管,搬送のためのスペースの利用効率,積載効率に劣るという問題があった。
よって、近年においては、廃棄後の処理,再利用が容易で、保形性にも優れる多層段ボールシートからなる梱包箱が注目され、従来の二層段ボールや三層段ボールよりも強度、耐久性に優れた四層以上の多層段ボールシートからなる大型(容量1m程度)の梱包箱の提供が望まれている。
【0005】
そこで、本出願人は、特許文献2に開示されるような、四層以上の多層段ボールシートからなる梱包箱形成ブランクを提案したが、当該技術内容についてより詳細に検討したところ、以下の点に改良の余地を残していた。
【0006】
すなわち、特許文献2に係る多層段ボール製梱包箱用ブランクは、縦罫線を介して並列連設状となる四枚の側壁部で形成されるスリーブが、四層以上の多層段ボールシートからなると共に、夫々の側壁部の下縁に、横罫線を介して底壁(底フラップ)が連設され、該底フラップは二層段ボールシート製としたものである。
この梱包箱用ブランクは、ブランク成形現場において、一端側の側壁部の外縁に折線を介して連設された糊代片を、他端側の側壁部の外縁に貼り付け、組立て状態において対角に位置する一対の縦罫線に沿って扁平状に折り畳み可能な四角筒状のスリーブを形成し、その折り畳み状態で使用現場(梱包現場)に出荷される。
使用現場においては、天地を逆にした状態で、スリーブを四角筒状に組立てる(拡げる)と共に、各側壁部の下縁に連設された底フラップを折線に沿って内側に折曲げ、且つ夫々の底フラップの要所を貼り付けたり粘着テープで封緘するなどして、スリーブ底面を塞いで梱包箱を組み立て、その後、該梱包箱をひっくり返して天地を正常に戻し、上面開口部から被梱包物,被収容物を内部に収容している。
【0007】
しかし、この種梱包箱は前述したように、大型の製品や重量物を保管,搬送するために用いられるので、これに対応し得る強度、耐久性を備えたスリーブが相当の重量になり、例えば、スリーブが五層段ボールからなる容量1m程度の大きさの梱包箱の場合、ブランクの重量は10〜15kg程度になる。よって、使用現場における前記した箱組立て作業は相当の重労働になる。
【0008】
本発明はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、三層以上の多層段ボールシートからなるスリーブを備えた梱包箱であって、ブランク成形現場においては扁平状に折り畳んだ状態で出荷することができ、且つ、使用現場(梱包現場)においては容易に組み立てることが出来る、新規な段ボール製梱包箱およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の目的を達成するために、本発明に係る段ボール製梱包箱は、四角筒状の組立て状態と扁平状の折畳み状態に変形自在な多層段ボール製スリーブの底部を、オートロック式の底壁部で塞ぐようにしたオートロックボトム式の段ボール製梱包箱であって、
前記スリーブは、縦罫線を介して並列連設状となる四枚の側壁部が三層以上の多層段ボールシートからなると共に、組立て状態において対角に位置する一対の縦罫線に沿って扁平状に折り畳み可能に形成され、
前記オートロック式の底壁部は、前記スリーブにおける前記一対の縦罫線の各々において左右に隣り合せる側壁部の下縁に貼り付けた一方及び他方の底壁構成板で形成され、
前記スリーブを扁平状に折り畳んだ際に前記各底壁構成板も折り畳まれる一方、前記スリーブを四角筒状に組み立てた際に前記各底壁構成板が拡開して該スリーブの底部を塞ぐよう形成したことを特徴とする、四層以上の多層段ボールからなるスリーブを備えたワンタッチ組立て式段ボール製梱包箱である。
【0010】
すなわち、本発明は、三層以上、好ましくは四層以上の多層段ボールシートからなるスリーブの下縁に、オートロック式の底壁部を構成するための底壁構成板を別途貼り付けたことを特徴とし、これにより、重量物の梱包,収容が可能な所望の強度、耐久性を備え、且つ、ワンタッチ式で容易に組み立てることが可能な新規な段ボール製梱包箱として提供することができる。
【0011】
本発明において、スリーブは、三層以上の多層段ボールシートからなるものであるが、本出願人による先提案の発明(特許文献2)に開示されるように、三層以上の多層段ボールシートを製造することは容易ではなく、コスト高になるという問題がある。
一方、前記した大型の製品や重量物を保管,搬送するために用いるには、少なくとも三層以上、好ましくは四層以上の多層段ボールシートを用いることが必要である。
よって、前記スリーブは、縦罫線を介して並列連設状となる四枚の外面板を備えた段ボール製外装スリーブの内側に、縦罫線を介して並列連設状となる四枚の内面板を備えた段ボール製内装スリーブを貼り付けて形成することが好ましい。
【0012】
すなわち、本発明において、三層以上の多層段ボールシートは、三層段ボールシートを用いても良いし、一層、二層、三層の段ボールシートを適宜選択しこれらを貼り合せて得ることができる。
前記したように、製造コスト、要求される強度,耐久性などを考慮すれば、既存の製造装置で成形された二層段ボールシート同士を貼り合せた四層段ボールシート、二層のものと三層のものを貼り合せた五層段ボールシート、三層のもの同士を貼り合せた六層段ボールシートを用いることが好ましい。
【0013】
本発明において、底壁構成板は、一層又は二層以上の段ボールシートからなるものや、それら段ボールシートを貼り合せた多層段ボールシートからなるものを用いることができる。また、底壁構成板としては、前記スリーブにおける左右の側壁部の下縁に貼り付けた糊代片に折線を介して連設されるものを好ましく用いることができる。
【0014】
底壁構成板の具体的態様として、前記左右の側壁部の下縁に対して所定の角度をなす斜め折線の左右に、三角形状面部と台形状面部が連設されていると共に、該台形状面部が、他方の底壁構成板における三角形状面部と重なる差込部と、該他方の底壁構成板に係脱可能に係合する係合切欠部を有し、且つ前記三角形状面部と台形状面部は、前記糊代片に前記折線を介して連設されたものをあげることができる。
このような構成の底壁構成板は、前記スリーブを扁平状に折り畳んだ際に前記斜め折線に沿って折り畳まれる一方、前記スリーブを四角筒状に組み立てた際に、前記各台形状面部の差込部が、対応する三角形状面部の内側に差し込まれ、且つ、前記係合切欠部の係合により前記組立て状態が維持されるようになる。
【0015】
前記斜め折線は、前記左右の側壁部の下縁に対して45度の角度をなすことが好ましい。
【0016】
本発明に係る段ボール製梱包箱の製造方法の一態様として、四角筒状の組立て状態と扁平状の折畳み状態に変形自在な多層段ボール製スリーブの底部を、オートロック式の底壁部で塞ぐようにしたオートロックボトム式の段ボール製梱包箱の製造方法であって、
縦罫線を介して並列状に連設された四枚の外面板を備えた二層段ボール製外装スリーブの内側に、縦罫線を介して並列状に連設された四枚の内面板を備えた二層以上の段ボール製内装スリーブを貼り付けて、四層以上の多層段ボールからなるスリーブ構成部材を形成する工程と、
前記スリーブ構成部材の一側縁に備えた糊代片を他側縁に貼り付けて、組立て状態において対角に位置する一対の縦罫線に沿って扁平状に折り畳み可能な四角筒状の多層段ボール製スリーブを形成する工程と、
前記スリーブにおける前記一対の縦罫線の各々において左右に隣り合せる側壁部の各々の下縁に、一方及び他方の底壁構成板を貼り付けて前記オートロック式の底壁部を形成する工程と、を含む製造方法をあげることができる。
【0017】
より具体的には、前記各底壁構成板は、前記左右の側壁部の下縁に対して所定の角度をなす斜め折線の左右に、三角形状面部と台形状面部が連設されていると共に、該台形状面部が、他方の底壁構成板における三角形状面部と重なる差込部と、該他方の底壁構成板に係脱可能に係合する係合切欠部を有しており、
前記底壁部を形成する工程が、前記三角形状面部と台形状面部に折線を介して連設された糊代片を、前記左右の側壁部の下縁に貼り付ける工程であることが好ましい。
【0018】
このような方法によれば、本発明に係る段ボール製梱包箱を容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明は、三層以上、好ましくは四層以上の多層段ボールからなるスリーブに、オートロック式の底壁部を構成する底壁構成板を別途貼り付けてなる新規な段ボール製梱包箱であって、重量物の梱包,収容が可能な所望の強度、耐久性を備える。且つ、段ボールブランクの製造工場などから扁平な折り畳み状態で出荷できるため輸送コストを低減し得、梱包現場においてはワンタッチ式で容易に組み立てることができるので作業性を大幅に改善することができる。
よって、木材,硬質合成樹脂,金属等からなる梱包箱やフレキシブルコンテナ等の代替品として、大型の電化製品,機械装置の梱包用、化学材料などの保管,搬送用などの各種用途に好適に用いることができる。
【0020】
また、多層段ボール製スリーブとして、二層又は三層の段ボール製外装スリーブと、二層又は三層の段ボール製内装スリーブを貼り合わせた構成とした場合、既存の装置を有効に利用して低コストでの提供を可能としながら、重量物の梱包,保管,搬送の要望に対応することができる。
さらに、本発明に係る製造方法によれば、前記した効果を有する新規な段ボール製梱包箱を、容易に製造することができるなど、多くの効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本例のオートロックボトム式の段ボール製梱包箱Aの組立て状態を表し、該梱包箱Aは、外装スリーブ1の内側に内装スリーブ2を貼り付けてなるスリーブaと、このスリーブaの下縁に貼り付けた底壁構成板3,3’で形成されるオートロック式の底壁部bからなり、スリーブaを扁平状に折り畳んだ際に夫々の底壁構成板3,3’も折り畳まれ、スリーブaを四角筒状に組み立てた際に各底壁構成板3,3’が拡開して、該スリーブaの底部を塞ぐように形成されている。
【0022】
外装スリーブ1は、図5(イ)に示すように、縦罫線(折線)1a,1b,1cを介して連設された四枚の外面板11,12,13,14と、夫々の外面板11〜14の上縁に各々横罫線(折線)1d,1e,1f,1gを介して連設された蓋フラップ15,16,17,18と、一端側の外面板11の外縁に縦罫線(折線)1hを介して連設された糊代片19を備えている。また、外装スリーブ1は二層段ボールシートからなり、図6(イ)に示すように、所要箇所を所定の圧力でもって押圧して圧潰することで、夫々の折線1a〜1hが形成されている。
【0023】
内装スリーブ2は、図5(ロ)に示すように、縦罫線(折線)2a,2b,2cを介して連設された四枚の内面板21,22,23,24を備えている。また、内装スリーブ2は三層段ボールシートからなり、図6(ロ)に示すように、所要箇所を所定の圧力でもって押圧して圧潰することで、夫々の折線2a〜2cが形成されている。
【0024】
スリーブaは、前記夫々の外面板11〜14の内側に、夫々の内面板21〜24が重なり、且つ対応する折線1a〜1cと折線2a〜2c同士が重なるよう、外装スリーブ1の内側に内装スリーブ2を貼り付けて、縦罫線a,a,a,aを介して並列連設状となる四枚の側壁部a5,a6,a7,a8が五層段ボールシートからなると共に、組立て状態において対角に位置する一対の縦罫線a,aに沿って扁平状に折り畳み可能に形成されている。
【0025】
底壁部bは、スリーブaにおける前記した一対の縦罫線a,aの各々において左右に隣り合せる側壁部aとa、aとaの夫々の下縁4a,4bに貼り付けた一方及び他方の底壁構成板3,3’で形成されている。
【0026】
底壁構成板3,3’は、前記した左右の側壁部の夫々の下縁4a,4bに貼り付けた糊代片31a,31bと、その糊代片31a,31bに折線32を介して連設した三角形状面部33、台形状面部34を備え、三角形状面部33と台形状面部34は、前記した下縁4a,4bに対して45度の角度をなす斜め折線35を挟むように左右に連設されている。
【0027】
台形状面部34は、他方の底壁構成板における三角形状面部33と重なる差込部36と、該他方の底壁構成板に係脱可能に係合する係合切欠部37を備えている。
【0028】
そして、これら底壁構成板3,3’が、スリーブaを扁平状に折り畳んだ際に前記斜め折線35に沿って内側に折り畳まれる一方、スリーブaを四角筒状に組み立てた際に、前記した各台形状面部34の差込部36が、対応する三角形状面部33の内側に差し込まれ、且つ、これら底壁構成板3,3’における係合切欠部37同士の係合により、スリーブaの組立て状態が維持されるようになっている。
【0029】
以上の構成になる本例の段ボール製梱包箱Aは、段ボールブランク製造現場において、外装スリーブ1の内側に内装スリーブ2を貼り付けて五層段ボールシートからなるスリーブ構成部材を形成し、次に、そのスリーブ構成部材の一側縁に備えた糊代片19を他側縁に貼り付けて四角筒状のスリーブaを形成し、次いで、このスリーブaにおける一対の縦罫線a,aの各々において左右に隣り合せる側壁部の各々の下縁4a,4bに、一方及び他方の底壁構成板3,3’を貼り付けることで、五層段ボールシートからなるスリーブaの下縁にオートロック式の底壁部bを備えた梱包箱として形成される。そして、図3に示すような扁平状の折り畳み状態で、使用現場(梱包現場)に出荷される。
【0030】
使用現場では、スリーブaを四角筒状に組み立て(拡げ)れば、夫々の底壁構成板3,3’も拡開すると共に、各台形状面部34の差込部36が、対応する三角形状面部33の内側に差し込まれ、且つ、係合切欠部37,37同士の係合により、前記組立て状態が維持される。この状態で、スリーブaの上面開口から被梱包物を入れ、夫々の蓋フラップ15〜18を折線1d〜1gに沿って折曲げ、それらを接着または粘着テープなどで封緘すれば、梱包が完了する。
使用後は、スリーブaを一対の縦罫線a,aに沿って扁平状に折り畳めば、夫々の底壁構成板3,3’も斜め折線35に沿って内側に折り畳まれ、初期の扁平状態で搬送することができる。
一定回数又は一定期間使用した後は、古紙原料などとして再利用することができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態例を図面に基づいて説明したが、本発明は図示例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る段ボール製梱包箱の一例を示す斜視図で、組立て状態を表す。
【図2】図1に示す段ボール製梱包箱の底面図。
【図3】図1に示す段ボール製梱包箱の折り畳み状態を表す斜視図。
【図4】図1に示す段ボール製梱包箱の角部を表す拡大平面図。
【図5】図1に示す段ボール製梱包箱の構成要素で、(イ)は外装スリーブの正面図、(ロ)は内装スリーブの正面図、(ハ),(ニ)は底壁構成板の正面図を夫々表す。
【図6】図5における各スリーブの罫線(折線)の形成部分を示す拡大断面図で、(イ)は外装スリーブを、(ロ)は内装スリーブを夫々表す。
【符号の説明】
【0033】
A:段ボール製梱包箱
a:スリーブ
〜a:縦罫線(折線)
〜a:側壁部
1:外装スリーブ
11〜14:外面板
2:内装スリーブ
21〜24:内面板
4a,4b:下縁
b:底壁部
3,3’:底壁構成板
31a,31b:糊代片
32:糊代片
33:三角形状面部
34:台形状面部
35:斜め折線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角筒状の組立て状態と扁平状の折畳み状態に変形自在な多層段ボール製スリーブ(a)の底部を、オートロック式の底壁部(b)で塞ぐようにしたオートロックボトム式の段ボール製梱包箱であって、
前記スリーブ(a)は、縦罫線を介して並列連設状となる四枚の側壁部(a,a,a,a)が三層以上の多層段ボールシートからなると共に、組立て状態において対角に位置する一対の縦罫線(a,a)に沿って扁平状に折り畳み可能に形成され、
前記オートロック式の底壁部(b)は、前記スリーブにおける前記一対の縦罫線(a,a)の各々において左右に隣り合せる側壁部(a,a、a,a)の下縁(4a,4b)に貼り付けた一方及び他方の底壁構成板(3,3’)で形成され、
前記スリーブ(a)を扁平状に折り畳んだ際に前記各底壁構成板(3,3’)も折り畳まれる一方、前記スリーブ(a)を四角筒状に組み立てた際に前記各底壁構成板(3,3’)が拡開して該スリーブの底部を塞ぐよう形成したことを特徴とする、多層段ボールからなるスリーブを備えたワンタッチ組立て式段ボール製梱包箱。
【請求項2】
前記スリーブは、縦罫線を介して並列連設状となる四枚の外面板を備えた二層又は三層段ボール製外装スリーブ(1)の内側に、縦罫線を介して並列連設状となる四枚の内面板を備えた二層又は三層段ボール製内装スリーブ(2)を貼り付けてなり、
前記各底壁構成板は、前記左右の側壁部の下縁(4a,4b)に貼り付けた糊代片(31a,31b)に折線(32)を介して連設されていることを特徴とする請求項1記載のワンタッチ組立て式段ボール製梱包箱。
【請求項3】
前記各底壁構成板(3,3’)は、前記左右の側壁部の下縁(4a,4b)に対して所定の角度をなす斜め折線(35)の左右に、三角形状面部(33)と台形状面部(34)が連設されていると共に、該台形状面部(34)が、他方の底壁構成板における三角形状面部(33)と重なる差込部(36)と、該他方の底壁構成板に係脱可能に係合する係合切欠部(37)を有し、且つ前記三角形状面部(33)と台形状面部(34)は、前記糊代片(31a,31b)に前記折線(32)を介して連設されており、
これら底壁構成板が、前記スリーブ(a)を扁平状に折り畳んだ際に前記斜め折線(35)に沿って折り畳まれる一方、前記スリーブ(a)を四角筒状に組み立てた際に、前記各台形状面部の差込部(36)が、対応する三角形状面部(33)の内側に差し込まれ、且つ、これら底壁構成板における前記係合切欠部(37)の係合により前記組立て状態が維持されるよう形成したことを特徴とする請求項2記載のワンタッチ組立て式段ボール製梱包箱。
【請求項4】
前記斜め折線(35)は、前記左右の側壁部の下縁(4a,4b)に対して45度の角度をなすことを特徴とする請求項3記載のワンタッチ組立て式段ボール製梱包箱。
【請求項5】
四角筒状の組立て状態と扁平状の折畳み状態に変形自在な多層段ボール製スリーブ(a)の底部を、オートロック式の底壁部(b)で塞ぐようにしたオートロックボトム式の段ボール製梱包箱の製造方法であって、
縦罫線を介して並列状に連設された四枚の外面板を備えた段ボール製外装スリーブ(1)の内側に、縦罫線を介して並列状に連設された四枚の内面板を備えた段ボール製内装スリーブ(2)を貼り付けて、三層以上の多層段ボールシートからなるスリーブ構成部材を形成する工程と、
前記スリーブ構成部材の一側縁に備えた糊代片(19)を他側縁に貼り付けて、組立て状態において対角に位置する一対の縦罫線(a,a)に沿って扁平状に折り畳み可能な四角筒状の多層段ボール製スリーブ(a)を形成する工程と、
前記スリーブ(a)における前記一対の縦罫線(a,a)の各々において左右に隣り合せる側壁部の各々の下縁(4a,4b)に、一方及び他方の底壁構成板(3,3’)を貼り付けて前記オートロック式の底壁部(b)を形成する工程と、を含むことを特徴とする段ボール製梱包箱の製造方法。
【請求項6】
前記各底壁構成板は、前記左右の側壁部の下縁(4a,4b)に対して所定の角度をなす斜め折線(35)の左右に、三角形状面部(33)と台形状面部(34)が連設されていると共に、該台形状面部(34)が、他方の底壁構成板における三角形状面部(33)と重なる差込部(36)と、該他方の底壁構成板に係脱可能に係合する係合切欠部(37)を有しており、
前記底壁部を形成する工程が、前記三角形状面部(33)と台形状面部(34)に折線(32)を介して連設された糊代片(31a,31b)を、前記左右の側壁部の下縁(4a,4b)に貼り付ける工程であることを特徴とする請求項5記載の段ボール製梱包箱の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−94434(P2008−94434A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−278553(P2006−278553)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(000110332)王子インターパック株式会社 (17)
【Fターム(参考)】