説明

多方向人間工学的制御ユニット

【課題】人間工学的に向上された設計を有する多方向制御ユニットを提案する。
【解決手段】本発明は、主軸線(A)の下側ボディ(12)と、中間部(26)と、この中間部の径方向の変位を案内する手段(40)と、中間部により支持された第2の軸線Bのハンドル(54)と、少なくとも1つのスイッチ(92a,92b)と、ハンドルと協働する弾性的に変形可能なバー(82)とを有している。ハンドルは、非動作の上方軸位置と動作の下方軸位置との間で軸方向に摺動するように装着され、スイッチは、ハンドルが下方軸位置に向けて変位されたとき状態を変え得る。ハンドルは、また、これの径方向の変位を表す電気信号を発生し得る少なくとも1つの歪みゲージを支持している。ハンドルは、多方向制御ユニット(10)のボディに対して第2の軸線Bを中心として自由に回動するように装着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多方向制御ユニットに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、
主軸線Aの下側ボディと、
ラジアル平面内でボディに関して移動するように装着されている中間部と、
この中間部の径方向の変位を案内する手段と、
前記中間部により支持されている第2の軸線Bのハンドルと、
少なくとも1つの電気スイッチと、
前記ハンドルと協働する上側ヘッド部を有し、ボディから軸方向に延びている弾性的に変形可能なバーとを有し、
案内する手段は、中間部の第1のラジアル下面と、ボディの第2のラジアル上面と協働し、また、ハンドルは、中立の中央位置と複数の動作の径方向位置との間での径方向の変位の際に中間部にリンクされ、中央位置では、ハンドルの第2の軸線は、ボディの主軸線とほぼ同軸的に延び、動作の径方向位置の各々では、ハンドルの第2の軸線とボディの主軸とは、互いに平行であり、径方向でオフセットされ、また、ハンドルは、ハンドルが弾性的に戻されている非動作の上方軸位置と、動作の下方軸位置との間で第2の軸線B上を軸方向に摺動するように装着され、また、前記電気スイッチは、ハンドルが動作の下方軸位置に向けて変位されたときに、状態を変えることができ、また、バーが、ハンドルが径方向に駆動されたときに曲がって、少なくとも1つの歪みゲージが、ハンドルの径方向の変位を表す電気信号を発生するように、少なくとも1つの歪みゲージを支持している多方向制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
「ジョイスティック」と称される多くの多方向制御ユニットがある。このような多方向制御ユニットは、例えば、医療用ラジオグラフィー装置若しくはスキャナーの電動式ベッドのような1つ以上の付属品を制御するように、様々な応用分野で使用されている。
【発明の開示】
【0004】
このようなタイプの多方向制御ユニットは、軸方向に延びる下側ボディと、上側の手動操作装置、即ち操作ハンドルとを有するもとのとして知られている。このハンドルは、ボディに対する非動作の中央位置と複数の動作の径方向位置との間で、ボディに対して径方向に摺動するように装着されている。
【0005】
この多方向制御ユニットは、ボディから軸方向に延びた弾性的に変形可能なバーを有している。このバーは、ハンドルと協働する上側ヘッド部を有し、例えば変形ゲージとして称される2つの歪みゲージを支持している。これら歪みゲージは、互いに直角をなすように配置されている。
【0006】
かくして、各ゲージは、関連したバーの曲げに応じたハンドルの径方向の変位を表す電気信号を発生させることができる。
【0007】
これらゲージの各々は、移動ユニットを変位させるように駆動部を制御することを可能にする電気処理装置に信号を伝達する。
【0008】
さらに、従来技術のこのような多方向制御ユニットの設計によれば、上側ハンドルは、非動作の上方軸位置と、ハンドルが他の機能の制御に関連した電気スイッチを動作させ得る動作の下方軸位置との間で、軸方向に摺動するように装着されている。
【0009】
しかし、ユーザは、例えば、ベッドの変位を様々な角度から目で確認するために、多方向制御ユニットを操作しながら、これの周りを移動しなければならない。
【0010】
多方向制御ユニットのハンドルは、ボディに対して回動するようにリンクされており、ユーザは、多方向制御ユニットの周りを移動するとき、手首をひねりたくない場合にハンドルを放さなければならない。
【0011】
本発明の主な目的は、ユーザがハンドルを操作しているときの腕や手首の動きを限定することができる、人間工学的に向上された設計を有する多方向制御ユニットを提案することである。
【0012】
この目的のために、本発明は、ハンドルが、多方向制御ユニットのボディに対して第2の軸線Bを中心として自由に回動するように装着されていることを特徴とする、上述されたタイプの多方向制御ユニットを提案している。
【0013】
本発明の他の特徴に従えば、
ハンドルは、中間部と一緒に回動するようにリンクされ、中間部の径方向の変位を案内する手段は、第2の軸線を中心としたハンドルの回動を案内することができ、
前記径方向の変位を案内する手段は、少なくとも1つの第1のセットのボールを有し、この第1のセットの各ボールは、中間部の第1のラジアル下面とボディの第2のラジアル上面との間に軸方向で挿入され、
前記径方向の変位を案内する手段は、第1の円形のケージを有し、このケージ内に、第1のセットのボールは、回転するように装着され、ハンドルの第2の軸線の周りに角度をなして配置され、
多方向制御ユニットは、ハンドルの第2の軸線上の中央位置に案内する手段を戻す手段を有し、
前記中間部は、中間部の前記第1のラジアル下面と、第3のラジアル上面とにより軸方向が規定された環状のラジアルプレートを有し、径方向の変位を案内する手段は、第2のセットのボールを有し、各ボールは、中間部の第3のラジアル上面とボディの第4のラジアル下面との間に軸方向で挿入され、
ボディは、このボディに対するハンドルの径方向の変位を制限するように、中間部の凹型円筒形状の軸壁に面するように配置された内側の凹型円筒形の軸端のストッパー壁を有し、
前記スイッチは、多方向制御ユニットのボディにより支持され、
バーのヘッド部は、ハンドルの第2の軸線上を軸方向に延びる円筒形のハウジング内で軸方向に摺動することにより受けられる。
【0014】
本発明の他の特徴並びに利点は、本発明の理解のために添付図面を参照して説明される以下の詳細な記載を読むことにより明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の説明と請求項の理解のために、垂直方向、長手方向、並びに横方向が、複数の図で示されるV,L,Tに応じて非限定的な形態で用いられている。垂直方向は、重力に関係なく、図1の垂直方向に対応している。
【0016】
用語「上」、「下」、「上側」、並びに「下側」は、また、図1の垂直方向に関連して用いられている。
【0017】
以下の説明では、同一の部材、類似した部材、若しくは同様の部材が、同じ参照符号により示されている。
【0018】
図1は、「ジョイスティック」としても称される多方向制御ユニット10を示している。この制御ユニットは、使用者が所定の機器(図示されず)、例えば医療用ラジオグラフィー装置(図示されず)の電動式ベッドを制御するのを可能にしている。
【0019】
この多方向制御ユニット10は、垂直の主軸線Aの下側ボディ12を有している。この下側ボディにより、多方向制御ユニット10は、例えば、ラジオグラフィー装置の制御コンソール(図示されず)に装着される。
【0020】
前記下側ボディ12は、前記主軸線Aを中心として延びた円筒形状であり、軸方向に延びた円筒形の内側オリフィス14を規定している。
【0021】
前記下側ボディ12は、下側の支持部16を有し、この支持部中には、相補的な円筒形の上側の座部18が取着されている。この座部18は、ねじ込みにより、ボディ12中に取着されている。
【0022】
前記下側ボディ12の座部18は、ラジアルショルダー部24を有している。そして、このショルダー部からは、第1の円筒形の下側軸部分20が下方に延び、第2の円筒形の上側軸部分22が上方に延びている。この下側軸部分は、下側ボディ12中に取着され、また、上側軸部分は、第1の部分20よりも大きな直径を有している。
【0023】
前記座部18は、第2の垂直軸線Bを中心として延びた円筒形状の中間部26を受け入れている。
【0024】
この中間部26は、前記下側ボディ12に対する中間部の変位を案内するための上側の手動操作装置、即ちハンドル54を支持している。
【0025】
前記中間部26は、円筒形の軸部分28と、この円筒形の軸部分28の外側凹面32から延びた案内用の環状のラジアルプレート30とからなる形状をしている。
【0026】
前記案内用のラジアルプレート30は、カラーの形状をし、ラジアル上面34とラジアル下面36とにより軸方向が規定されている。
【0027】
前記中間部26は、ラジアル平面内で下側ボディ12に対して移動するように、案内手段40に装着されている。
【0028】
この案内手段40は、1セット42のボール44を有し、各ボール44は、案内用のラジアルプレート30のラジアル下面36と、座部18のラジアルショルダー部24のラジアル上面38との間に径方向に挿入されている。
【0029】
これらボール44は、円形のケージ46内に回転するように装着され、前記第2の軸線Bの周りに通常の方法で角度をなして配置されている。
【0030】
このような案内手段40の設計は、中間部26が、第2の軸線Bを中心として回動することと、正確な方法と減じられた摩擦とで径方向に摺動することとを、可能にしている。
【0031】
図3に見られ得るように、中間部26は、径方向の変位が制限されている。
【0032】
このために、前記座部18の円筒形の上側部分22は、案内用のラジアルプレート30の凹型円筒形の軸壁49に面するように配置された内側の凹型円筒形の軸端のストッパー壁(axial end-stop wall)47を有している。
【0033】
多方向制御ユニット10は、前記第2の軸線B上の中央位置に案内手段40を永久的に押圧し得る、案内手段40の弾性戻し(elastic return)手段41を有している。
【0034】
このために、弾性戻し手段41は、この場合、上端が開いたチューリップ形状である。
【0035】
より詳細には、弾性戻し手段41は、下側のリング43の形状である。この下側のリングから、複数の戻しブレード45が、上方並びに径方向外方に延びている。これら戻しブレードは、第2の軸線Bを中心として角度をなして規則的に配置され、各々が弾性的に変形可能である。
【0036】
前記下側のリング43は、中間部26の軸部分28の凹面32を囲むように取着されている。例えば、下側のリング43は、取着される前に、最初に、軸部分28の周りに巻かれた弾性的に変形可能な金属ストリップの形態である。
【0037】
各戻しブレード45は、戻しブレード45が案内手段40を第2の軸線Bに向けて弾性的に戻すように、径方向の圧力により、ボール44を有したケージ46の内側凹面と共働する。
【0038】
前記下側ボディ12は、上端が開いている環状のカプセル48を有している。このカプセルは、案内手段40と中間部26とが取着された後に、座部18の円筒形の上側部分22の周りに固定の状態で取着される。このカプセル48は、この場合、座部18の円筒形の上側部分22に溶接されている。
【0039】
前記カプセル48は、上側の環状のラジアル部分50を有している。このラジアル部分の下面52は、ラジアルプレート30をボール44に軸方向で接触し続けるように、案内用のラジアルプレート30のラジアル上面34上に支持されている。
【0040】
非限定的な例として、前記下面52とラジアル上面34とは、中間部26が径方向に移動されたときにこれら下面と上面との間に生じる摩擦を防止するために、これら面間に軸方向の遊びを形成することができる。
【0041】
中間部26により支持された前記上側のハンドル54は、第2の垂直軸線Bを中心として回動するベルの形態であり、上方に突出した凸面を有している。ユーザは、多方向制御ユニット10を操作するために、この凸面を把持する。
【0042】
前記ハンドル54は、多方向制御ユニット10を覆い、下方に延びた円筒形の外周部、即ちスカート部56を有している。このスカート部は、特に、部材を汚染する物質が多方向制御ユニット10中に進入するのを防止するように、下側ボディ12の上部とカプセル48とを覆っている。
【0043】
前記ハンドル54は、図2に示されている中立の中央位置(neutral central position)と、図3に1つが示されている複数の動作の径方向位置(radial actuation positions)との間で移動するように配設されている。前記中央位置では、ハンドル54の第2の軸線Bは、下側ボディ12の主軸線Aとほぼ同軸的に延びている。また、前記径方向位置の各々では、ハンドル54の第2の軸線Bと下側ボディ12の主軸線Aとは、互いに平行であり径方向でオフセットされている。
【0044】
更に、前記ハンドル54は、ハンドル54が弾性的に戻されている非動作の上方軸位置(top idle axial position)と、図4に示されている動作の下方軸位置(bottom active axial position)との間で、第2の軸線B上を軸方向に摺動するように配設されている。
【0045】
このために、ハンドル54は、このハンドル54のラジアル内面59から第2の垂直軸線Bに対して軸方向下方に延びている円筒形の内部58を有している。
【0046】
この内部58は、中間部26の軸部分28と相補的な軸孔60中で、第2の軸線B上を軸方向に摺動するように配設されている。
【0047】
前記ハンドル54と中間部26とは、この場合、ピン62により、第2の軸線Bを中心とした回動の際にリンクされる。
【0048】
このために、このピン62は、ハンドル54の内部58から、中間部26の軸部分28の壁部68中を軸方向に延びている開口部66へと、径方向外方に突出している。
【0049】
さらに、前記内部58の下端部は、中間部26の凸状の外面から径方向に突出した環状のカラー70を有している。
【0050】
このカラー70は、ハンドル54が非動作の上方軸位置にあるときに、中間部26の軸部分28の下端のエッジ74が上に置かれる上面72を有している。
【0051】
ハンドル54の内部58は、この場合、第1の取外し可能な部分78を含む2つの部分からできている。この取外し可能な部分は、中間部26をハンドル54の内部58に装着し得るように、この場合はねじ込み装着により、第2の相補的な固定部分80に取着されている。
【0052】
図5は、前記主軸線Aに対して垂直方向上方に延びている弾性的に変形可能なバー82を示している。このバーは、ハンドル54を中立の中央位置に戻すための弾性手段を構成している。
【0053】
前記バー82は、前記下側ボディ12に固定されたフット部81から、上側ヘッド部83まで軸方向に延びている。
【0054】
この上側ヘッド部83は、全体が球形であり、ハンドル54の内部58の円筒形のアキシアルスリーブ部85内を軸方向に摺動するように配設されている。
【0055】
前記バー82は、互いに平行な2つの第1のアキシアル平面86a,86bにより規定された第1の中間部分84aを有している。
【0056】
同様に、バー82は、互いに平行な2つの第2のアキシアル平面86c,86dにより規定された第2の下側部分84bを有している。前記2つの第1の平面86a,86bは、2つの第2の平面86c,86dに対して90°(主軸線Aを中心として)角度をなして夫々オフセットされている。
【0057】
軸対称の形態で、前記平面86a,86b,86c,86dの各々は、歪みゲージ88a,88b,88c,88dをそれぞれ支持している。そして、これら歪ゲージの各々は、電子処理装置(図示されず)に電気的に接続されている。
【0058】
かくして、ハンドル54が、使用者により、図3に示されているように動作の径方向位置の1つへと径方向に駆動されると、ハンドル54が、前記バー82に曲げ応力を与えて、歪みゲージ88a,88b,88c,88dを変形させる。そして、各歪みゲージは、バー82の変形を表す電気信号を処理装置に送る。
【0059】
前記処理装置は、例えば、第1の方向にベッドを駆動するように第1のモータ(図示されず)を制御し、また、例えば第1の方向に直交する第2の方向にベッドを駆動するように第2のモータ(図示されず)を制御する。
【0060】
かくして、ベッドの変位は、増幅された形態(amplified way)で、ハンドル54の径方向のわずかな移動に対応する。
【0061】
更に、前記処理装置は、中立かつ非動作の中央位置に対するハンドル54の径方向の移動の大きさ応じて、言い換えれば、ユーザによりハンドル54に加えられる径方向の力に応じて、ベッドの移動速度を制御することができる。
【0062】
また、多方向制御ユニット10は、2つの電気スイッチ92a,92bを有している。各電気スイッチは、垂直軸線Aの一側で下側ボディ12に固定されている。これら電気スイッチは、また、ハンドル54の内部58より下に配設され、各電気スイッチは、処理装置に電気的に接続されている。
【0063】
かくして、ハンドル54が、図4に示されている動作の下方軸位置に達したとき、前記カラー70のアキシアル下面94が、状態を変えた2つの電気スイッチ92a,92bの各々に軸方向で支持される。
【0064】
前記2つのスイッチ92a,92bは、例えば、「全か無か(all or nothing)」のタイプであり、多方向制御ユニット10のオン並びにオフ状態を制御することを可能にしている。
【0065】
非限定的な例として、2つのスイッチ92a,92bは、例えば、変位の間に複数の状態を得ることができる。各変位の状態で、2つのスイッチ92a,92bは、多方向制御ユニット10の操作にリンクされた、多方向制御ユニットに関連したベッド若しくは装置の制御に関連付けられている。
【0066】
最後に、前記ハンドル54は、螺旋形状の第1のばね76aと第2の戻しばね76bとにより、上方軸位置に弾性的に戻される。
【0067】
各ばね76a,76bは、ハンドル54と中間部26との間に軸方向で挿入されている。
【0068】
また、ばね76a,76bは、第1の下面と第2の上面とをそれぞれ有している。これら第1の下面は、中間部26の軸部分28のラジアル上面79にそれぞれ形成されたドリルホール77a,77b内に配設され、また、第2の上面は、ハンドル54の下面59に軸方向でそれぞれ当接されている。
【0069】
図6に示されている多方向制御ユニット10の第2の実施形態によれば、中間部26の径方向の変位を案内する手段40が、ラジアル平面に対して第1のセット42のボール44に対称的に配設された上側の第2のセット96のボール98を有している。
【0070】
前記第2のセット96のボール98は、第2の円形ケージ100内に回転するように装着されている。これらボールは、この場合、第2の軸線Bの周りに角度をなして配設されている。
【0071】
図示されていない第3の実施形態によれば、多方向制御ユニット10は、2つの電気スイッチ92a,92bを保護する環状の保護シールを有している。
【0072】
この保護シールは、主軸線Aに対して円筒形状に広がる部分を有している。この部分は、前記ボディ12に相補的な円筒形のハウジング内で軸方向に摺動するように配設され、バー82が中を貫通した環状のラジアル部分を有している。このラジアル部分は、各電気スイッチ92a,92bの上面により支持されている。
【0073】
かくして、この保護シールのラジアル部分は、カラー70のアキシアル下面94と電気スイッチ92a,92bとの間に軸方向で挿入されている。
【0074】
便宜的に、前記保護シールのラジアル上面は、オイルのような汚染要素を留めるために、環状の溝部を有している。
【0075】
図示されていない第4の実施形態によれば、多方向制御ユニット10は、ハンドル54の回動を検出する手段を有している。
【0076】
この検出する手段は、例えば、第2の軸線Bを中心としたハンドル54の角度をなした移動若しくは回動を表す信号を発生させることができるホール効果のタイプのセンサ、若しくは、光学センサである。
【0077】
この信号は、例えば、ベッドの移動スピードを調節するための機能、若しくは、この他の機能を制御するように、処理装置に送られる。
【0078】
便宜的に、多方向制御ユニット10の部品、特に、ハンドル54並びに案内用の中間部26により形成されたアッセンブリと、下側ボディ12とは、金属で形成されている。このため、多方向制御ユニットは、衝撃に強い。
【0079】
実際に、例えば、ハンドル54が偶発的な衝撃を受けた場合、この衝撃は、中間部26のラジアルプレート30と、座部18の内側の凹型円筒形の軸端のストッパー壁47とにより吸収され、バー82がダメージを受けるのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に従った多方向制御ユニットを軸方向の断面で示している分解斜視図であり、この制御ユニットには、このユニットのボディに対して移動するように装着された上部ハンドルが設けられている。
【図2】図1の多方向制御ユニットを示している軸方向の断面図であり、ハンドルが、中立の中央位置にある。
【図3】図2に類似した図であり、動作の径方向位置にある上側のハンドルを示している。
【図4】図2に類似した図であり、動作の下方軸位置にある上側のハンドルを示している。
【図5】ハンドルと協働し、歪みゲージを支持している弾性的に変形可能なバーを示している斜視図である。
【図6】図2に類似した図であり、本発明に従った多方向制御ユニットの別の実施形態を示している。
【符号の説明】
【0081】
A…主軸線、B…第2の軸線、10…多方向制御ユニット、12…ボディ、26…中間部、36…第1のラジアル下面、38…第2のラジアル上面、40…径方向の変位を案内する手段、54…ハンドル、82…バー、83…上側ヘッド部、88a,88b,88c,88d…ゲージ、92a,92b…電気スイッチ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸線(A)を有する下側ボディ(12)と、
ラジアル平面内で前記ボディ(12)に関して移動するように装着されている中間部(26)と、
前記中間部(26)のために、前記中間部(26)の第1のラジアル下面(36)と、前記ボディ(12)の第2のラジアル上面(38)とに共働する径方向の変位を案内する手段(40)と、
第2の軸線Bを有するハンドル(54)であって、前記ハンドル(54)は、前記中間部(26)により支持されており、前記ハンドル(54)の前記第2の軸線(B)が前記ボディ(12)の前記主軸線(A)とほぼ同軸的に延びている中立の中央位置と径方向位置の各々では、ハンドル(54)の第2の軸線(B)とボディ(12)の主軸線(A)とが、互いに平行であり、径方向でオフセットされている複数の動作の径方向位置との間で径方向の変位の際に、前記中間部にリンクされ、また、前記ハンドル(54)は、前記ハンドル(54)が弾性的に戻されている非動作の上方軸位置と、動作の下方軸位置との間で、前記第2の軸線(B)上を軸方向に摺動するように装着されているハンドル(54)と、
前記ハンドル(54)が下方の動作軸位置に向けて変位されたとき状態を変えることができる少なくとも1つの電気スイッチ(92a,92b)と、
前記ボディから軸方向に延びている弾性的に変形可能なバー(82)であって、前記バー(82)は、前記ハンドル(54)と協働する上側ヘッド部(83)を有すると共に、少なくとも1つの歪みゲージ(88a,88b,88c,88d)を支持し、前記ハンドル(54)が径方向に駆動されたときに、前記少なくとも1つのゲージ(88a,88b,88c,88d)が前記ハンドル(54)の径方向の変位を表す電気信号を発生するように、曲がることができるバー(82)と、
を備える多方向制御ユニットにおいて、
前記ハンドル(54)は、前記第2の軸線(B)のまわりに、前記多方向制御ユニット(10)の前記ボディ(12)に関して自由に回動するように装着されていることを特徴とする多方向制御ユニット。
【請求項2】
前記ハンドル(54)は、前記中間部と一緒に駆動するようにリンクされていることと、前記中間部(26)の径方向の変位を案内する手段(40)は、前記第2の軸線(B)を中心とした前記ハンドル(54)の回動を案内し得ることとを特徴とする請求項1の多方向制御ユニット(10)。
【請求項3】
前記径方向の変位を案内する手段(40)は、少なくとも1つの第1のセット(42)のボール(44)を有し、各ボール(44)は、中間部(26)の前記第1のラジアル下面(36)と、ボディ(12)の前記第2のラジアル上面(38)との間に軸方向で挿入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の多方向制御ユニット(10)。
【請求項4】
前記径方向の変位を案内する手段(40)は、第1の円形のケージ(46)を有し、このケージ中に、前記第1のセット(42)のボール(44)が、回転するように装着され、ハンドル(54)の前記第2の軸線(B)を中心として角度をなして配置されていることを特徴とする請求項3に記載の多方向制御ユニット(10)。
【請求項5】
前記ハンドル(54)の第2の軸線上の中央位置に前記案内する手段(40)を戻す手段(41)を具備することを特徴とする請求項1に記載の多方向制御ユニット(10)。
【請求項6】
前記中間部(26)は、中間部(26)の前記第1のラジアル下面(36)と第3のラジアル上面(34)とにより軸方向が規定された環状のラジアルプレート(30)を有し、また、前記径方向の変位を案内する手段(40)は、第2のセット(96)のボール(98)を有し、各ボール(98)は、中間部(26)の前記第3のラジアル上面(34)と、前記ボディ(12)の第4のラジアル下面(52)との間に軸方向で挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の多方向制御ユニット(10)。
【請求項7】
前記ボディ(12)は、ボディ(12)に対する前記ハンドル(54)の径方向の変位を制限するように、中間部(26)の凸型円筒形の軸壁(49)に面するように配置された内側の凹型円筒形の軸端のストッパー壁(47)を有していることを特徴とする請求項1に記載の多方向制御ユニット(10)。
【請求項8】
前記スイッチ(92a,92b)は、多方向制御ユニット(10)の前記ボディ(12)により支持されていることを特徴とする請求項1に記載の多方向制御ユニット(10)。
【請求項9】
バー(82)の前記ヘッド部(83)は、前記ハンドル(54)の第2の軸線(B)を中心として軸方向に延びている円筒形のハウジング中に軸方向に摺動することにより受け入れられていることを特徴とする請求項1に記載の多方向制御ユニット(10)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−4358(P2009−4358A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−60501(P2008−60501)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(508074354)コアクティブ・テクノロジーズ、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】