説明

多機能液晶視差バリアーの装置

【課題】多機能液晶視差バリアーの装置を提供する。
【解決手段】多機能液晶視差バリアーの装置は、2個の独立したバリアー電極108、110により構成される液晶視差バリアー装置で、2個の独立したバリアー電極108、110に対して個別に駆動でき、双方向、異なるバリアー構造、及び異なるシーン数で、三次元画像表示の目的を達成可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多機能液晶視差バリアーの装置に関し、特に2個の独立したバリアー電極により構成される液晶視差バリアー装置で、該2個の独立したバリアー電極に対して個別に駆動でき、双方向、異なるバリアー構造、及び異なるシーン数で、三次元画像表示の目的を達成可能な多機能液晶視差バリアーの装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の液晶視差バリアー構造の模式図である。
該従来の液晶視差バリアー50は、2個のリニア偏光板51、2個の透明基板(ガラスなど)52、共電極層53、バリアー電極層56、2個の配向膜層54、液晶分子層55等部品により構成する。
該液晶分子層55は、一般にはTN型の液晶材料を使用する。
該2個のリニア偏光板51は、それぞれ偏光方向を備え、しかも両者間は、相互に垂直な状態を呈する。
該共電極層53と該バリアー電極層56は、ITOにより構成する透明導電極(以下、電極と略称)である。
該バリアー電極層56の電極構造は、垂直ストリップ状式視差バリアー、傾斜ストリップ状式視差バリアー、或いは傾斜格子状式視差バリアー等バリアー構造により構成し、上記のバリアー構造を通して、マルチシーン3D画像表示の目的を達成する。
【0003】
従来の液晶視差バリアーの構造に関しては、特許文献1に開示されている。
視差バリアー関連の原理、各視差バリアー構造の設計、光学作用とマルチシーン三次元画像の構成に関しては、非特許文献1、及び特許文献2、3、4に開示する。
以下では、図示を単純化するため、垂直ストリップ状式視差バリアーの構造及びデュアルシーン3D画像の表示により、従来の技術と本発明の効果について説明する。
【0004】
図2は、垂直ストリップ状式視差バリアー電極構造の模式図である。
該バリアー電極層56上には、多数のストリップ状式の電極57を設置し、しかも該多数の電極57は、すべて電気的に連接し、電源58に連接する。
また、該共電極層53は、単一の電極で、また該電源58に連接する。
該電源58は、適当な駆動電圧 を発生し、該液晶視差バリアー50の光学作用を制御する。
通常、該液晶分子層55が、TN型液晶材料により構成される時、該駆動電圧 は、適当な振幅と周期の方形波電気信号を備える。
【0005】
該各電極57と該共電極層53間の電圧が、ゼロである時(以下、液晶視差バリアーがOFFの状態、と略称する)、図1に示すように、該液晶分子層55のすべての液晶分子は、螺旋状配列を呈し、これによりすべての入射光59は、該液晶視差バリアー50を通過する。
こうして、該液晶視差バリアー50は、透明の状態を呈する。
【0006】
また、該各電極57と該共電極層53との間に、駆動電圧 を加えると(以下、これを、液晶視差バリアーがONの状態と略称する)、図3に示すように、該各電極57と該共電極層53間の液晶分子は、直立状配列を呈し、これにより、入射光59遮蔽の効果を達成する(以下の説明において、黒色により該電極構造を図示する時は、該電極位置が遮光の効果を備えることを示す)。
こうして、該液晶視差バリアー50は、図4示すような垂直ストリップ状式視差バリアーの効果を達成することができる。
すなわち、該各電極57は、視差バリアーの遮光部品となり、該各電極構造57以外の区域は、視差バリアーの光透過部品と見なされる。
よって、外部駆動電圧の制御により、該従来の液晶視差バリアーは、2D/3D切換えの効果を達成することができる。
【0007】
図5は、液晶視差バリアー3D画像表示構造の模式図である。
フラットディスプレースクリーン60上に表示するデュアルシーン合成画像V+Vにおいて、ON状態にある液晶視差バリアー50は、最適可視距離Z上において、しかも多数の最適視点位置P、Pにおいて(2個の最適視点位置のみを図示する)、該デュアルシーン合成画像(V+V)に対して、シーン分離の作用を行うことができる。
よって、該最適視点位置P、P位置は、単一シーン画像V、Vを個別に表示することができる。
また、該多数の最適視点位置は、横方向(すなわち、X軸方向)に分布し、しかも任意の2個の最適視点位置間の距離Lは、両目間の平均距離に設定する。
よって、観賞者の両目61、62がP、Pにある時、3D画像を観賞することができる。
該液晶視差バリアー50は、該フラットディスプレースクリーン60に設置し、しかも固定するため、該フラットディスプレースクリーン60を、90度回転させると、該多数の最適視点位置P、Pもまた、90度回転する。
すなわち、該多数の最適視点位置P、Pは、縦方向(すなわち、Y軸方向)に分布する。
よって、観賞者の両目も、これに従い90度回転しなければならず、さもなければ、正確な立体画像を観賞ることはできない。
このように、従来の液晶視差バリアーは、3D画像双方向表示の効果を達成することはできない。
【0008】
また、該バリアー電極層56上の電極57は、固定の電極構造であるため、同時に異なるバリアー構造、或いは異なるシーン数により、3D画像表示の効果を達成することはできない。
すなわち、該電極57は、垂直ストリップ状式視差バリアーとして設計されると、傾斜ストリップ状式視差バリアー、或いは傾斜格子状式視差バリアーなどの構造に切り換えることはできない。
また、該電極57が、デュアルシーン3D画像表示に設計されると、他のシーン数のマルチシーン3D画像を表示することはできない。
すなわち、上記のように、従来の液晶視差バリアー50は、単一の3D画像表示の機能だけを備えるのである。
【0009】
上記した回転使用ができないという問題に対する解決法は、最初に非特許文献2の携帯電話に開示された。
該携帯電話は、90度回転可能なディスプレースクリーンを備え、該スクリーン上には、3D画像双方向表示が可能な液晶視差バリアーを設置する。
該3D画像双方向表示が可能な液晶視差バリアーは、従来の液晶視差バリアーの構造に類似しているが、唯一異なる点は、共電極とバリアー電極層の構造にある。
【0010】
図6に示すように、原バリアー電極層と共電極層の上に、多数の縦方向電極
【数1】

と横方向電極
【数2】

をそれぞれ設置する。
内、i、jは、電極の通し番号で、縦方向とは、Y軸方向を、横方向とは、X軸方向を指す。
該縦方向電極
【数3】

と該横方向電極
【数4】

は、直交の幾何関係を備える。
従来の液晶視差バリアーに比較し、双方向表示が可能な3D画像液晶視差バリアー電極構造の相違点を、明確に示すため、以下では、原バリアー電極層を、上バリアー電極層66と呼ぶ。
原共電極層については、別に下バリアー電極層63と呼ぶ。
上と下の関係は、説明の便のため、その上と下の設置関係を特に限定しない。
【0011】
また、該各電極の電気連結は、以下の特徴を備える。
該偶数の通し番号を備える縦方向電極
【数5】

(縦方向偶電極と略称)は、電気の連結を行い、電源70に連接する(縦方向偶電源と略称)。
該奇数の通し番号を備える縦方向電極
【数6】

(縦方向奇電極と略称)は、電気の連結を行い、電源71に連接する(縦方向奇電源と略称)。
該偶数の通し番号を備える横方向電極
【数7】

(横方向偶電極と略称)は、電気の連結を行い、電源72に連接する(横方向偶電源と略称)。
該奇数の通し番号を備える横方向電極
【数8】

(横方向奇電極と略称)は、電気の連結を行い、電源73に連接する(横方向奇電源と略称)。
該縦方向偶電源70、該縦方向奇電源71、該横方向偶電源72、該横方向奇電源73は、駆動電圧
【数9】

【数10】

【数11】

【数12】

をそれぞれ出力する。
また、該各縦方向電極間は、微小な間隙δ(縦電極間隙と略称)を備え、しかも該各横方向電極間は、微小な間隙δ(横電極間隙と略称)を備える。
これにより、該各奇、偶電極間に、ショート現象が生じることを回避する。
【0012】
図7は、該双方向に3D画像を表示可能な液晶視差バリアーが生じる縦方向バリアーの模式図である。
該各電源70、71、72、73がそれぞれ出力する駆動電圧は、
【数13】

【数14】

【数15】

【数16】

である。
すなわち、該縦方向偶電極
【数17】

の駆動を通して、すべての横方向電極の駆動電圧がゼロなら、縦方向バリアー80の効果を発揮することができる。
横電極間隙δの存在により、該縦方向偶電極
【数18】

と該横電極間隙δの間は、無電圧駆動の状態となる。
よって、図8に示すように、該縦方向バリアー80上で、しかも該縦方向偶電極と該横電極間隙とが重なる位置では、該縦方向バリアー80は、光透過の状態を呈する。
すなわち、該縦方向バリアー80は、従来の液晶視差バリアーが生じるような完全なストリップ状バリアーではなく、幅がδである多くの光透過間隙81が存在する。
【0013】
図9は、該双方向に3D画像を表示可能な液晶視差バリアーが生じる横方向バリアーの模式図である。
該各電源70、71、72、73がそれぞれ出力する駆動電圧は、
【数19】

【数20】

【数21】

【数22】

である。
すなわち、該横方向偶電極
【数23】

の駆動を通して、すべての縦方向電極の駆動電圧がゼロなら、横方向バリアー90の効果を発揮することができる。
縦電極間隙δの存在により、該横方向偶電極
【数24】

と該縦電極間隙δの間は、無電圧駆動の状態となる。
よって、図10に示すように、該横方向バリアー90上で、しかも該横方向偶電極と該縦電極間隙とが重なる位置では、該横方向バリアー90は、光透過の状態を呈する。
すなわち、該横方向バリアー90は、従来の液晶視差バリアーが生じるような完全なストリップ状バリアーではなく、幅がδの多くの光透過間隙91が存在する。
【0014】
上記したように、該従来の3D画像双方向表示が可能な液晶視差バリアーは、3D画像双方向表示の効果を達成することができるが、完全な共電極層を提供できないため、光透過間隙81、91の現象を招いており、これにより間隙露光という欠点を引き起こし、こうして画像の明晰度を落とし、最終的には、3D画像品質低下の問題が生じている。
また、前記のように、従来の単一3D画像表示機能を備える液晶視差バリアーは、独立した共電極を欠くため、同時に異なるバリアー構造、或いは異なるシーン数により、3D画像を表示する効果を達成することができない。
本発明は、従来の多機能液晶視差バリアーの装置の上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第 5,315,377号明細書
【特許文献2】台灣特許第097135421号明細書
【特許文献3】台灣特許第098113625号明細書
【特許文献4】台灣特許第098128986号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Theory of Parallax Barriers(Sam H. Kaplan, Vol. 59, Journal of the SMPTE, 1952)
【非特許文献2】日立の携帯電話「WOOO ケータイH001」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明が解決しようとする課題は、2個の独立したバリアー電極により構成される液晶視差バリアー装置で、該2個の独立したバリアー電極に対して個別に駆動でき、双方向、異なるバリアー構造、及び異なるシーン数で、三次元画像表示の目的を達成可能な多機能液晶視差バリアーの装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明は下記の多機能液晶視差バリアーの装置を提供する。
多機能液晶視差バリアーの装置は、2個の独立したバリアー電極により構成される液晶視差バリアー装置で、
該2個の独立したバリアー電極に対して個別に駆動でき、双方向、異なるバリアー構造、及び異なるシーン数で、三次元画像表示の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の多機能液晶視差バリアーの装置は、2個の独立したバリアー電極により構成される液晶視差バリアー装置で、該2個の独立したバリアー電極に対して個別に駆動でき、双方向、異なるバリアー構造、及び異なるシーン数で、三次元画像表示の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の液晶視差バリアー構造の模式図である。
【図2】垂直ストリップ状式視差バリアー電極構造の模式図である。
【図3】液晶視差バリアーが遮光効果を達成する様子を示す模式図である。
【図4】液晶視差バリアーが垂直ストリップ状式視差バリアー効果を達成する様子を示す模式図である。
【図5】液晶視差バリアーにより3D画像を呈する構造の模式図である。
【図6】縦方向電極と横方向電極構造の模式図である。
【図7】液晶視差バリアーが縦方向バリアーとなる様子を示す模式図である。
【図8】横方向光透過間隙の模式図である。
【図9】液晶視差バリアーが横方向バリアーとなる様子を示す模式図である。
【図10】縦方向光透過間隙の模式図である。
【図11】本発明第一実施例構造の模式図である。
【図12】上、下バリアー電極層構造の模式図である。
【図13】縦方向バリアーの構成を示す模式図である。
【図14】横方向バリアーの構成を示す模式図である。
【図15】本発明第二実施例構造の模式図である。
【図16】縦方向バリアーの構成を示す模式図である。
【図17】横方向バリアーの構成を示す模式図である。
【図18】上、下バリアー電極層に、それぞれ異なる視差バリアー構造を設置する様子を示す模式図である。
【図19】上、下バリアー電極層に、それぞれ異なる視差バリアー構造を設置する様子を示す模式図である。
【図20】上、下バリアー電極層に、それぞれ異なる視差バリアー構造を設置する様子を示す模式図である。
【図21】上、下バリアー電極層に、それぞれ異なるシーン数のバリアー構造を設置する様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、先ず従来の双方向に3D画像を表示可能な液晶視差バリアーが生じる間隙露光の欠点に対して、解決の方案を提出する。
最後に、本発明が、異なるバリアー構造及び異なるシーン数により、三次元画像を表示する効果について説明する。
【実施例】
【0022】
[第一実施例]
図11は、本発明多機能液晶視差バリアー装置第一実施例構造の模式図である。
多機能液晶視差バリアーの装置100は、上リニア偏光板101、上透明基材102、共電極層103、上配向膜層104、液晶分子層105、下配向膜層106、一対のバリアー電極層107、下透明基材111、下リニア偏光板112により構成する。
【0023】
該上リニア偏光板101、該上透明基材102、該共電極層103、該上配向膜層104、該液晶分子層105、該下配向膜層106、該下透明基材111、該下リニア偏光板112は、前記した従来の液晶視差バリアーの構造と効果を備えるため、以下では再記述しない。
該一対のバリアー電極層107は、該下透明基材111の上に設置し、2個のバリアー電極層108、110と絶縁層109により構成する。
該絶縁層109は、該2個のバリアー電極層108、110の電気を隔絶し、2個のバリアー電極層108、110の間に、電気ショート現象が起きることを防止する。
【0024】
図12に示すように、該2個のバリアー電極層は、上バリアー電極層108、と下バリアー電極層110により構成する。
該上バリアー電極層108上は、多数の縦方向電極131を設置し、しかもすべての縦方向電極131を電気的に連接し、縦方向電源120に連接する。

該下バリアー電極層110上には、多数の横方向電極132を設置し、しかもすべての横方向電極132を電気的に連接し、横方向電源121に連接する。
該縦方向電極131と該横方向電極132とは、直交の幾何関係を備え、すなわち、相互に90度回転の関係を備える。
【0025】
図13に示すように、該縦方向電源120が、駆動電圧v=vを出力し、しかも該横方向電源121が、駆動電圧v=0を出力する時、該縦方向電極131は、縦方向バリアーの効果を発揮する。
【0026】
図14に示すように、該横方向電源121が、駆動電圧v=vを出力し、しかも該縦方向電源120が、開路状態を呈する時、該横方向電極132は、横方向バリアーの効果を発揮する。
本発明中で使用する共電極は、完全な電極面であるため、光透過間隙の現象は生じない。
【0027】
[第二実施例]
図15は、本発明多機能液晶視差バリアー装置第二実施例構造の模式図である。
該多機能液晶視差バリアーの装置200は、上リニア偏光板201、上透明基材202、上共電極層203、上絶縁層204、上バリアー電極層205、上配向膜層206、液晶分子層207、下配向膜層208、下バリアー電極層209、下絶縁層210、下共電極層211、下透明基材212、下リニア偏光板213により構成する。
本第二実施例は、上記した第一実施例と完全に相同の効果を備えるが、両者の異なる点は、該上バリアー電極層205と該下バリアー電極層209を、異なる透明基材上にそれぞれ設置することである。
また、上下電極電圧の駆動のため、共電極層と絶縁層を増設する。
【0028】
図16に示すように、該上バリアー電極層205上には、多数の縦方向電極231を設置し、しかもすべての縦方向電極231を電気的に連接し、縦方向電源220に連接する。
該下バリアー電極層209上には、多数の横方向電極232を設置し、しかもすべての横方向電極232を電気的に連接し、横方向電源221に連接する。
該縦方向電極231と該横方向電極232とは、直交の幾何関係を備える。
すなわち、相互に90度回転の関係を備える。
また、該縦方向電源220が、駆動電圧v=vを出力し、しかも該横方向電源221が、駆動電圧v=0を出力する時、該縦方向電極231は、縦方向バリアーの効果を発揮する。
【0029】
図17に示すように、該横方向電源221が、駆動電圧v=vを出力し、しかも該縦方向電源120が、駆動電圧v=0を出力する時、該横方向電極232は、横方向バリアーの効果を発揮する。
本発明中で使用する共電極は、完全な電極面であるため、光透過間隙の現象を発生することはない。
【0030】
上記したように、本発明多機能液晶視差バリアーの装置は、従来の双方向に3D画像を表示可能な液晶視差バリアーが生じる光透過間隙の現象に対して、2個の単独のバリアー電極層と完全な共電極層の構造を提出し、光透過間隙の問題を完全に解決し、双方向表示による三次元画像表示の目的を達成することができる。
【0031】
また、上記本発明実施例の説明と図示は、みな垂直ストリップ状式視差バリアーを例とするが、該上、下バリアー電極層上には、傾斜ストリップ状式視差バリアー、或いは傾斜格子状式視差バリアー構造の電極を設置することもできる。
すなわち、該上、下バリアー電極層上の電極の構造は、垂直ストリップ状式視差バリアー、傾斜ストリップ状式視差バリアー、或いは傾斜格子状式視差バリアー構造中の任意の構造により構成する。
【0032】
図18に示すように、該上バリアー電極層108、205上には、垂直ストリップ状式視差バリアー構造の電極を設置することができる。
該下バリアー電極層110、209上には、傾斜ストリップ状式視差バリアー構造の電極を設置することができる。
【0033】
図19に示すように、該上バリアー電極層108、205上には、垂直ストリップ状式視差バリアー構造の電極を設置することができる。
該下バリアー電極層110、209上には、傾斜格子状式視差バリアー構造の電極を設置することができる。
【0034】
図20に示すように、該上バリアー電極層108、205上には、傾斜ストリップ状式視差バリアー構造の電極を設置することができる。
該下バリアー電極層110、209上には、傾斜格子状式視差バリアー構造の電極を設置することができる。
よって、本発明はまた、異なるバリアー構造により、三次元画像を表示する目的を達成することができる。
【0035】
しかも、該上、下バリアー電極層上の電極構造を通して、異なるシーン数表示の設計を行い、異なるシーン数により、三次元画像を表示する目的を達成することができる。
以下に、図示を単純化するため、垂直ストリップ状式視差バリアーを例として、この異なるシーン数表示のバリアー構造について説明する。
図21に示すように、該上バリアー電極層108、205には、デュアルシーンを表示可能な電極構造(デュアルシーン視差バリアーと略称)を設置する。
該下バリアー電極層110、209には、N個のシーンを表示可能な電極構造(N個のシーン視差バリアーと略称)を設置する。
Nは、二以上のシーン数である。
【0036】
特許文献4に開示するバリアー設計の公式(7)に基づき、該デュアルシーン視差バリアーにおいて、その光透過部品150の幅bと遮光部品151の幅
【数25】

の設計は、
【数26】

の関係を備える。
該N個のシーン視差バリアーにおいて、その光透過部品152の幅bと遮光部品153の幅
【数27】

は、
【数28】

の関係を備える。
当然、特許文献4に開示する式(20)、(21)に基づき、光透過、遮光部品の幅を計算することができる。
よって、異なるシーン数表示を利用し、上、下バリアー電極層上の電極構造を設計することができ、本発明は、異なるシーン数により、三次元画像を表示する目的を達成することができる。
【0037】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は特許登録の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0039】
50 液晶視差バリアー
51 リニア偏光板
52 透明基板
53 共電極層
54 配向膜層
55 液晶分子層
56 バリアー電極層
57、131、132、231、232 電極
58 電源
59、113 入射光
60 スクリーン
61 左目
62 右目
63 下バリアー電極層
66 上バリアー電極層
70、71、72、73、120、121、220、221 電源
80 縦方向バリアー
81、91 光透過間隙
90 横方向バリアー
100、200 多機能液晶視差バリアー装置
101、201 上リニア偏光板
102、202 上透明基材
103、203、211 共電極層
104、206 上配向膜層
105、207 液晶分子層
106、208 下配向膜層
107 一対のバリアー電極層
108、205 上バリアー電極層
109 絶縁層
204 上絶縁層
210 下絶縁層
110、209 下バリアー電極層
111、212 下透明基材
112、213 下リニア偏光板
150、152 光透過部品
151、153 遮光部品
+V デュアルシーン合成画像
【数29】

【数30】

縦方向電極
【数31】

【数32】

横方向電極
最適可視距離
、P 最適視点位置
両目間の平均距離
【数33】

【数34】

電極幅
、b 非電極幅
N シーン数
v 駆動電圧
【数35】

【数36】

【数37】

【数38】

駆動電圧
δ 縦電極間隙
δ 横電極間隙
X、Y、Z 座標軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶構造の装置を備え、適当な駆動電圧の制御を通して、双方向三次元画像を表示し、異なるバリアー構造を通して、三次元画像を表示し、異なるシーン数により、三次元画像を表示することを特徴とする多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項2】
前記液晶構造の装置は、上リニア偏光板、上透明基材、共電極層、上配向膜層、液晶分子層、下配向膜層、一対のバリアー電極層、下透明基材、下リニア偏光板により構成することを特徴とする請求項1に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項3】
前記一対のバリアー電極層は、上バリアー電極層、下バリアー電極層と絶縁層により構成し、
該絶縁層は、該上、下バリアー電極層の電気を隔絶し、該2個のバリアー電極層間に、電気ショート現象が起きることを防止することを特徴とする請求項2に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項4】
前記上バリアー電極層と該下バリアー電極層上には、多数の電極をそれぞれ設置することを特徴とする請求項3に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項5】
前記上、下バリアー電極層上の電極は、該駆動電圧の制御を通して、遮光或いは光透過を行うことを特徴とする請求項4に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項6】
前記上、下バリアー電極層上の電極の構造は、垂直ストリップ状式視差バリアー、傾斜ストリップ状式視差バリアー、或いは傾斜格子状式視差バリアー構造中の任意の構造により構成することを特徴とする請求項4に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項7】
前記上、下バリアー電極層上の電極は、相互に90度回転可能な関係を備え、これにより縦方向バリアーと横方向バリアーの機能を発揮することを特徴とする請求項4に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項8】
前記上、下バリアー電極層上の電極は、任意のシーン数のマルチシーン3D画像をそれぞれ表示可能であることを特徴とする請求項4に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項9】
前記液晶構造の装置は、上リニア偏光板、上透明基材、上共電極層、上絶縁層、上バリアー電極層、上配向膜層、液晶分子層、下配向膜層、下バリアー電極層、下絶縁層、下共電極層、下透明基材、下リニア偏光板により構成することを特徴とする請求項1に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項10】
前記上バリアー電極層と該下バリアー電極層上には、多数の電極をそれぞれ設置することを特徴とする請求項9に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項11】
前記上、下バリアー電極層上の電極は、該駆動電圧の制御を通して、遮光或いは光透過を行うことを特徴とする請求項10に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項12】
前記上、下バリアー電極層上の電極の構造は、垂直ストリップ状式視差バリアー、傾斜ストリップ状式視差バリアー、或いは傾斜格子状式視差バリアー構造中の任意の構造により構成することを特徴とする請求項10に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項13】
前記上、下バリアー電極層上に設置する電極は、相互に90度回転可能な関係を備え、
これにより縦方向バリアーと横方向バリアーの機能を発揮することを特徴とする請求項10に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項14】
前記上、下バリアー電極層上の電極は、任意のシーン数のマルチシーン3D画像をそれぞれ表示可能であることを特徴とする請求項10に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−141546(P2011−141546A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2825(P2011−2825)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(508232633)原創奈米科技股▲ふん▼有限公司 (9)
【Fターム(参考)】