説明

多段過給システム

【課題】バイパス流路を流れる排気ガスの流量を安定化させ、内燃機関に性能ばらつきが生じ難い、多段過給システムを提供する。
【解決手段】内燃機関から排出される排気ガスが供給される第1過給機と、当該第1過給機よりも上記排気ガスの流れの上流側に配置される第2過給機と、上記内燃機関から排出される上記排気ガスを上記第2過給機のタービンインペラをバイパスして上記第1過給機に供給するバイパス流路の開度を調節する弁体51aとを備える多段過給システムであって、弁体51aの最大開度を規定するストッパ10を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段過給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、2つ(複数)の過給機を備える二段過給システム(多段過給システム)が提案されている。このような二段過給システムは、容量の異なる2つの過給機を備えており、内燃機関から供給される排気ガスの流量に応じて、2つの過給機に対する排気ガスの供給状態を変化させることで効率的に圧縮空気を生成する。
【0003】
より詳細には、二段過給システムは、例えば、内燃機関から排出される排気ガスが供給される低圧段過給機(第1過給機)と、当該低圧段過給機よりも上流側に配置される高圧段過給機(第2過給機)と、内燃機関から排出される排気ガスを高圧段過給機のタービンインペラをバイパスして低圧段過給機に供給するバイパス流路の開閉を行う排気バイパスバルブ装置とを備えている。
このような排気バイパスバルブ装置としては、例えば、特許文献2に開示された排気バイパスバルブ装置を応用することができる。
【0004】
そして、排気バイパスバルブ装置によってバイパス流路を閉鎖する場合には排気ガスが高圧段過給機に供給され、排気バイパスバルブ装置によってバイパス流路を開放する場合には排気ガスが低圧段過給機に供給されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−92026号公報
【特許文献2】特表2002−508473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、排気バイパスバルブ装置は、バイパス流路の開閉を直接的に行う弁体を備えている。そして、この弁体は、リンク板や取付部等の仲介部材を介してアクチュエータと接続されており、アクチュエータの動力が伝達されることによって開閉するように構成されている。
【0007】
従来、二段過給システムを組み立てる際には、例えば仲介部材同士を溶接接合等することによって弁体をアクチュエータに対して接続している。
ところが、アクチュエータにおける個体差や、弁体や仲介部材の取付誤差によって、弁体設置後における、アクチュエータの最大変位量と弁体の最大開度との関係にばらつきが生じる場合がある。
このようにアクチュエータの最大変位量と弁体の最大開度との関係がばらつくと、弁体の最大開度にばらつきが生じることになるため、二段過給システムの個体ごとにバイパス流路を流れる排気ガスの流量、すなわち低圧段過給機に供給される排気ガスの流量が変化し、内燃機関に性能ばらつきを生じさせることとなる。
【0008】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、多段過給システムにおいて、バイパス流路を流れる排気ガスの流量を安定化させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0010】
第1の発明は、内燃機関から排出される排気ガスが供給される第1過給機と、当該第1過給機よりも上記排気ガスの流れの上流側に配置される第2過給機と、上記内燃機関から排出される上記排気ガスを上記第2過給機のタービンインペラをバイパスして上記第1過給機に供給するバイパス流路の開度を調節する弁体とを備える多段過給システムであって、上記弁体の最大開度を規定するストッパを備えるという構成を採用する。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記ストッパが、タービンハウジングに対して取り付けられると共に上記タービンハウジングに対する取付位置を調節可能とされているという構成を採用する。
【0012】
第3の発明は、上記第2の発明において、アクチュエータの動力を上記弁体に伝達するリンク板を備え、上記ストッパが、上記タービンハウジングに対して螺合されると共に上記リンク板に当接するネジ部材であるという構成を採用する。
【0013】
第4の発明は、上記第1の発明において、アクチュエータによって回動されると共に上記弁体が取り付けられる取付部を備え、上記ストッパが、上記取付部に設けられると共に上記タービンハウジングに当接する突起部であるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、弁体の最大開度を規定するためのストッパが別途設けられている。このストッパは、弁体の最大開度を規定するためのみに用いられるものであることから、他の機能に影響を与えることなく、弁体の最大開度を規定することができる。
よって、本発明によれば、アクチュエータの個体差や弁体の取付誤差がキャンセルされるようにストッパを設置することができ、アクチュエータの最大変位量と弁体の最大開度と関係にばらつきが生じることを防止することができる。したがって、アクチュエータを最大変位させた際の弁体の最大開度が常に同一となり、バイパス流路を流れる排気ガスの流量を安定化させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態における二段過給システムを含む模式図及び要部断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における二段過給システムが備えるバルブアッセンブリ及び取付板を含む分解斜視図及び側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態における二段過給システムが備えるバルブアッセンブリ及び取付板を含む斜視図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る多段過給システムの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下の説明においては、多段過給システムの一例として、2つの過給機を備える二段過給システムについて説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1(a)は、本実施形態の二段過給システム1を備えるエンジンシステム100の概略構成を示す模式図である。
エンジンシステム100は、車両等に搭載されるものであり、二段過給システム1と、
エンジン101(内燃機関)と、インタークーラ102と、EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブ103と、EGRクーラ104と、ECU(Engine Control Unit)105とを備えている。
【0018】
二段過給システム1は、エンジン101から排出される排気ガスに含まれるエネルギを回転動力として回収し、当該回転動力によってエンジン101に供給する圧縮空気を生成するものである。
この二段過給システム1については、本発明の特徴を有するものであり、後に図面を参照して詳説する。
【0019】
エンジン101は、搭載された車両の動力源として機能するものであり、二段過給システム1から供給される圧縮空気と燃料との混合気を燃焼して動力を生成すると共に、混合気の燃焼により発生した排気ガスを二段過給システム1に供給する。
【0020】
インタークーラ102は、二段過給システム1からエンジン101に供給される圧縮空気を冷却するものであり、二段過給システム1とエンジン101の吸気口との間に配設されている。
【0021】
EGRバルブ103は、エンジン101から排出された排気ガスの一部をエンジン101の吸気側に戻す返流流路の開閉を行うものであり、ECU105によってその開度が調節される。
【0022】
EGRクーラ104は、返流流路を介してエンジン101の吸気側に戻される排気ガスを冷却するものであり、EGRバルブ103の上流側に配置されている。
【0023】
ECU105は、エンジンシステム100の全体を制御するものである。
そして、本エンジンシステム100においてECU105は、エンジン101の回転数(すなわち排気ガスの流量)に応じて、上述のEGRバルブ103と、後述の排気バイパスバルブ装置5を制御する。
【0024】
このような構成を有するエンジンシステム100においては、エンジン101にて混合気が燃焼された排気ガスが排気されると、排気ガスの一部がEGRクーラ104を介してエンジン101の吸気側に返送され、排気ガスの多くが二段過給システム1に供給される。そして、二段過給システム1において圧縮空気が生成され、当該圧縮空気がインタークーラ102で冷却された後にエンジン101に供給される。
【0025】
次に、二段過給システム1について詳説する。
図(a)1に示すように、二段過給システム1は、低圧段過給機2(第1過給機)と、高圧段過給機3(第2過給機)と、逆止弁4と、排気バイパスバルブ装置5と、ウエストゲートバルブ6とを備えている。
【0026】
低圧段過給機2は、排気ガスの流れ方向において高圧段過給機3よりも下流側に配置されており、高圧段過給機3よりも大きく構成されている。
この低圧段過給機2は、低圧段コンプレッサ2aと、低圧段タービン2bとを備えている。
そして、低圧段コンプレッサ2aは、コンプレッサインペラと、当該コンプレッサインペラを囲うと共に内部に空気流路が形成されたコンプレッサハウジングとを備えている。
また、低圧段タービン2bは、タービンインペラと、当該タービンインペラを囲うと共に内部に排気ガス流路が形成されたタービンハウジングとを備えている。
そして、コンプレッサインペラとタービンインペラとが軸によって連結され、タービンインペラが排気ガスで回転駆動されることによってコンプレッサインペラが回転駆動されて圧縮空気が生成される。
【0027】
高圧段過給機3は、排気ガスの流れ方向において低圧段過給機2よりも上流側に配置されている。
この高圧段過給機3は、高圧段コンプレッサ3aと、高圧段タービン3bとを備えている。
そして、高圧段コンプレッサ3aは、コンプレッサインペラと、当該コンプレッサインペラを囲うと共に内部に空気流路が形成されたコンプレッサハウジングとを備えている。
また、高圧段タービン3bは、タービンインペラと、当該タービンインペラを囲うと共に内部に排気ガス流路が形成されたタービンハウジングとを備えている。
そして、コンプレッサインペラとタービンインペラとが軸によって連結され、タービンインペラが排気ガスで回転駆動されることによってコンプレッサインペラが回転駆動されて圧縮空気が生成される。
【0028】
なお、図1(b)に示すように、低圧段タービン2bのタービンハウジング2cと、高圧段タービン3bのタービンハウジング3cとは、互いが有するフランジを突き合わせて接合されている。
【0029】
高圧段タービン3bのタービンハウジング3cの内部には、高圧段タービン3bのタービンインペラを通過した排気ガスを排出する排気流路3dと、当該タービンインペラを介さずに低圧段タービン2bに供給するためのバイパス流路3eとが設けられている。
【0030】
また、低圧段タービン2bのタービンハウジング2cの内部には、低圧段タービン2bのタービンインペラ2dに排気ガスを供給するための供給流路2eが設けられている。
【0031】
そして、低圧段タービン2bのタービンハウジング2cと高圧段タービン3bのタービンハウジング3cとが接合されることによって、排気流路3d及びバイパス流路3eと供給流路2eとが接続される。
【0032】
図1(a)に戻り、逆止弁4は、高圧段過給機3の高圧段コンプレッサ3aが駆動されていない場合に、低圧段過給機2の低圧段コンプレッサ2aから排出された圧縮空気を、高圧段コンプレッサ3aを介さずにエンジン101の吸気側に供給するバイパス流路に設けられている。そして、図1(a)に示すように、逆止弁4は、低圧段コンプレッサ2a側からエンジン101側への圧縮空気の流れを許容すると共に、エンジン101側から低圧段コンプレッサ2a側への圧縮空気の逆流を防止するように構成されている。
【0033】
排気バイパスバルブ装置5は、エンジン101から排出される排気ガスを高圧段過給機3のタービンインペラをバイパスして低圧段過給機2に供給するためのバイパス流路3eの開閉を行うものである。
そして、排気バイパスバルブ装置5は、図1(b)に示すように、バルブアッセンブリ51と、取付板52(取付部)と、リンク板アッセンブリ53と、アクチュエータ54とを備えている。
【0034】
図2(a)は、バルブアッセンブリ51と取付板52とリンク板アッセンブリ53とを含む分解斜視図である。
また、図2(b)は、バルブアッセンブリ51と取付板52とリンク板アッセンブリ53とを含むタービンハウジング3cの要部拡大図である。
【0035】
図2(a)に示すように、バルブアッセンブリ51は、バイパス流路3e開口を開閉する弁体51aと当該弁体51aを取付板52に対して固定する座金51bとが軸部51cを介して連結された構成を有している。
このバルブアッセンブリ51は、図1(b)に示すように、低圧段タービン2bのタービンハウジング2cと高圧段タービン3bのタービンハウジング3cとの境界領域において、バイパス流路3e開口を開閉するように回動可能とされている。
【0036】
なお、座金51bの中央部に貫通孔が設けられており、軸部51cが弁体51aの上部から座金51bの貫通孔に挿通されることで、軸部51cの先端が座金51bから突出して配置されている。
そして、軸部51cの先端と座金51bとが溶接接合されることによって、軸部51cと座金51bとが固定されている。
【0037】
取付板52は、軸部51cが挿通される貫通孔を有しており、当該貫通孔に軸部51cが挿通され、弁体51aと座金51bとで狭持されている。
また、図2(a)に示すように、取付板52には、後述するリンク板アッセンブリ53のステム53bが挿入される嵌合穴52aを備えている。
【0038】
リンク板アッセンブリ53は、図2(a)に示すように、一端側が回動可能にアクチュエータロッド54aに接続されるリンク板53aと、当該リンク板53aの他端側に固定 されるステム53bとを備えている。
そして、ステム53bは、タービンハウジング3cを貫通して先端がバルブアッセンブリ51の取付板52に溶接されている。
【0039】
ここで、アクチュエータロッド54aが図2(b)に示す左右方向に移動すると、アクチュエータロッド54aに回動可能に接続されたリンク板53aがステム53bを中心として回動し、リンク板53aの回動によってステム53b及び取付板52が回動され、さらにバルブアッセンブリ51も回動される。
【0040】
そして、本実施形態の二段過給システム1は、図2(b)に示すように、タービンハウジング3cに対して取り付けられるストッパ10を備えている。
ストッパ10は、リンク板53aの最大回動角度を規定し、これによって弁体51aの最大開度を規定するものである。
本実施形態においてストッパ10は、図2(b)に示すように、タービンハウジング3cに螺合されることによって固定されるネジ部材によって構成されており、先端がリンク板53aに当接してリンク板53aの回動を規制することによって、リンク板53aの最大回動角度(すなわち弁体51aの最大開度)を規定する。
【0041】
なお、ストッパ10は、タービンハウジング3cにナット11を介して螺合されており、ナット11を回転させることによって、図2(b)における左右方向に移動可能とされている。
つまり、本実施形態においては、ストッパ10は、タービンハウジング3cに対して取り付けられると共にタービンハウジング3cに対する取付位置が調節可能とされている。
このストッパ10のタービンハウジング3cに対する取付位置が変化することによって、ストッパ10とリンク板53aとの当接位置が変化し、弁体51aの最大開度を調節することが可能となる。
【0042】
なお、アクチュエータ54として負圧作動アクチュエータを用いる場合には、本実施形態の二段過給システム1を組み立てる際に、まずアクチュエータ54に対して弁体51aを全閉とするためのセット圧を印加した後に、バルブアッセンブリ51、取付板52及びリンク板アッセンブリ53を溶接等によって接続する。その後、アクチュエータ54に印加した圧力を徐々に開放し、弁体51aの回動角度が予め要求される最大角度となるようにストッパ10の取付位置を調節する。
【0043】
図1(a)に戻り、ウエストゲートバルブ6は、高圧段過給機3から排出された排気ガスあるいはバイパス流路3eを介して排出された排気ガスの一部を、低圧段過給機2のタービンインペラ2dを介することなくバイパスするものであり、ECU105または、低圧段コンプレッサ2aの過給圧によって開度を調節される。
【0044】
以上のような本実施形態の二段過給システム1によれば、弁体51aの最大開度を規定するためのストッパ10が別体として設けられている。このストッパ10は、弁体51aの最大開度を規定するためのみに用いられるものであることから、他の機能に影響を与えることなく、弁体51aの最大開度を規定することができる。
よって、本実施形態の二段過給システム1によれば、アクチュエータ54の個体差や弁体51aの取付誤差がキャンセルされるようにストッパ10を設置することができ、アクチュエータ54の最大変位量(アクチュエータロッド54aのストローク量)と弁体51aの最大開度と関係にばらつきが生じることを防止することができる。したがって、アクチュエータ54を最大変位させた際の弁体51aの最大開度が常に同一となり、バイパス流路3eを流れる排気ガスの流量を安定化させることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態の二段過給システム1においては、ストッパ10のタービンハウジング3cに対する取付位置を調節可能とされている。
このため、組立て時にストッパ10の位置を微調整することによって、アクチュエータ54の最大変位量と弁体51aの最大開度と関係にばらつきが生じることをより確実に防止することができる。
【0046】
また、本実施形態の二段過給システム1においては、ストッパ10がボルト部材からなる構成を採用した。
このため、ナット11を回転させることによって、容易にストッパ10の位置調節を行うことが可能となる。
【0047】
また、本実施形態の二段過給システム1においては、ストッパ10がタービンハウジング3cの外側に取り付けられていることから、ストッパ10が排気ガスに触れることを防止し、ストッパ10の腐食を防止することができる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0049】
図3(a)は、本実施形態の二段過給システムが備えるバルブアッセンブリ51と取付板52の斜視図である。
また、図3(b)は、本実施形態の二段過給システムが備えるバルブアッセンブリ51と取付板52とタービンハウジング3cの一部とを含む側面図である。
【0050】
これらの図に示すように、本実施形態の二段過給システムは、上記第1実施形態のストッパ10に換えて、取付板52に設けられるストッパ20を備えている。
本実施形態においてストッパ20は、タービンハウジング3cに設けられた肉盛部3c1に当接する突起部からなっており、肉盛部3c1に当接することによって弁体51aの最大開度を規定する。
【0051】
このような構成を有する本実施形態の二段過給システムにおいても、弁体51aの最大開度を規定するためのストッパ20が別体として設けられている。このストッパ20は、弁体51aの最大開度を規定するためのみに用いられるものであることから、他の機能に影響を与えることなく、弁体51aの最大開度を規定することができる。
よって、本実施形態の二段過給システムによれば、アクチュエータ54の個体差や弁体51aの取付誤差がキャンセルされるようにストッパ20を設置することができ、アクチュエータ54の最大変位量(アクチュエータロッド54aのストローク量)と弁体51aの最大開度と関係にばらつきが生じることを防止することができる。したがって、アクチュエータ54を最大変位させた際の弁体51aの最大開度が常に同一となり、バイパス流路3eを流れる排気ガスの流量を安定化させることが可能となる。
【0052】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0053】
例えば、上記実施形態においては、過給機を2つ備える構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに複数の過給機を備える構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0054】
1……二段過給システム(多段過給システム)、2……低圧段過給機(第1過給機)、2c……タービンハウジング、2d……タービンインペラ、3……高圧段過給機(第2過給機)、3c……タービンハウジング、3e……バイパス流路、5……排気バイパスバルブ装置、51……バルブアッセンブリ、51a……弁体、51b……座金、51c……軸部、52……取付板(取付部)、53……リンク板アッセンブリ、53a……リンク板、10,20……ストッパ、11……ナット、101……エンジン(内燃機関)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関から排出される排気ガスが供給される第1過給機と、当該第1過給機よりも前記排気ガスの流れの上流側に配置される第2過給機と、前記内燃機関から排出される前記排気ガスを前記第2過給機のタービンインペラをバイパスして前記第1過給機に供給するバイパス流路の開度を調節する弁体とを備える多段過給システムであって、
前記弁体の最大開度を規定するストッパを備えることを特徴とする多段過給システム。
【請求項2】
前記ストッパは、タービンハウジングに対して取り付けられると共に前記タービンハウジングに対する取付位置を調節可能とされていることを特徴とする請求項1記載の多段過給システム。
【請求項3】
アクチュエータの動力を前記弁体に伝達するリンク板を備え、
前記ストッパは、前記タービンハウジングに対して螺合されると共に前記リンク板に当接するネジ部材であることを特徴とする請求項2記載の多段過給システム。
【請求項4】
アクチュエータによって回動されると共に前記弁体が取り付けられる取付部を備え、
前記ストッパは、前記取付部に設けられると共に前記タービンハウジングに当接する突起部である
ことを特徴とする請求項1記載の多段過給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−7265(P2013−7265A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138310(P2011−138310)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】