説明

多水酸基化合物脱水システム、触媒組成物及び方法

本発明は、化学生産で使用するための設備、システム、方法及び/又は触媒に関する。詳細には、本発明は、グリセロールのような多水酸基化合物を脱水し、アクロレインを形成するための革新的技術を提供する。これらの革新的技術には、連続反応システム、並びに、長期間生産を可能にするシステムパラメータが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2009年12月18日に提出した米国仮特許出願第61/288,158号の優先権を主張し、その全記載は、この参照により本願に含まれる。
【0002】
本発明は、化学品を生産するための化学生産設備及び方法に関する。詳細には、本発明は、グリセロールのような多水酸基化合物の脱水のためのシステム及び方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
化学生産プロセス及び/又はシステムは、望ましい又は望ましくない様々な属性を有する可能性がある。例えば、相当量の反応物が転換されるという点で、あるプロセス又はシステムが比較的優れた転換率を示すことがある。相当量の生成物が所望の生成物であるという点で、あるプロセス又はシステムが比較的優れた選択性を示すことがある。さらに、反応炉、導管又は触媒のようなプロセス又はシステムインフラ設備を破壊又は損傷せずに、比較的長期間にわたって比較的優れた転換率及び/又は選択性を実現できるという点で、そのプロセス又はシステムがロバスト性が高いことが分かる。
【0004】
実例としてグリセロールの脱水処理に関しては、プロセス又はシステムインフラ設備の交換及び/又は修理調整の目的でプロセス又はシステムを度々停止させずにグリセロールからアクロレインへの相当量の転換を行うような、グリセロールのアクロレインへの脱水のプロセス又はシステムを用いることが望ましい。生産プロセスにおいてグリセロールのような多水酸基反応物を用いることによって、少なくとも、反応物と生成物が複合的な反応点を含むという理由から、連続的なプロセスの実現が困難になる場合がある。
【0005】
化学処理において用いられるインフラ設備を交換又は修理調整することは、安全上の観点から並びに経済的観点からも、コストがかかることになる。安全上の観点からは、少なくとも反応炉、導管及び/又は触媒の交換又は修理調整を行うことにより化学設備オペレータが有毒な化学物質及び/又は危険な状況に曝される可能性があるという理由から、オペレータにこれらの設備の交換又は修理調整を要求することは望ましくない。
【0006】
さらに、操業中のシステムを停止することは、所望の生成物を経済的に生産するのにとても費用効果の高い方法とは言えない。設備システム及び/又はプロセスは、連続的及び/又は定常状態で運転するのが望ましい。非常に経済的なモデルにおいては、システムを停止させずに試剤を連続的に供給することが、最も収益性の高い生産方法をもたらすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、アクロレインのような化学組成物の生産で用いることができる設備、システム、方法及び触媒組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
化学合成脱水プロセスを実施するための生産設備を提供する。幾つかの実施例によれば、生産設備は、反応物リザーバ及び生産物リザーバの両方に連結された反応ゾーンが含まれ、反応ゾーンにはリン含有触媒が収容されており、生産設備は、脱水物を循環的に生産し、反応ゾーンを再生するように構成されている。脱水物の生産は、ある生産速度で脱水物を形成するために反応物リザーバからの反応物を反応ゾーンの内部で触媒に曝すことから成る。反応ゾーンの再生は、その生産速度の少なくとも70%の速度で脱水物を生産するために反応ゾーンを戻すことから成る。
【0009】
脱水物を形成するために、反応炉の内部で多水酸基反応物を脱水触媒に曝すこと、反応炉へ反応物の供給を停止すること、反応物の供給停止後に、触媒の温度を800℃以下に維持しながら、反応炉にガスを供給すること、そしてガスの供給後に、反応炉に反応物を再度供給することを含む化学合成脱水プロセスを提供する。
【0010】
また、化学合成脱水プロセスは、脱水物を形成するために、反応炉の内部で水性の反応性混合物を脱水触媒に曝して、反応性混合物が水及び多水酸基反応物を含み、反応炉へ多水酸基反応物の供給を停止して、多水酸基反応物の供給停止後に、反応炉にガス状の水を供給して、そして反応炉に反応性混合物を再度曝すことを含むこともできる。
【0011】
また、化学合成脱水プロセスは、その内部に脱水触媒を有する反応炉にグリセロールを供給して、触媒がグリセロールの少なくとも一部を脱水物に転換して、反応炉へのグリセロールの供給を停止して、グリセロールの供給停止後に、触媒の温度を800℃以下に維持しながら反応炉に酸化剤を供給して、そして酸化剤の供給後に、反応炉にグリセロールを再度供給することを含むこともできる。
【0012】
また、化学合成脱水プロセスは、反応炉内部に脱水触媒を供給して、第1の導管を介して反応炉にグリセロールを供給して、第2の導管を介して反応炉に水を供給して、脱水物を形成するために触媒をグリセロールに曝して、グリセロールへ触媒を曝すことを停止して、グリセロールへ触媒を曝すことの停止後に、概ねガス状の水に触媒を曝して、そして触媒へガス状の水を曝した後に、脱水物を形成するために反応炉にグリセロールを供給することを含むこともできる。
【0013】
化学合成脱水プロセスは、その内部に脱水触媒床を有する反応炉を供給して、グリセロールから脱水物を形成するために、グリセロールを触媒床に曝して、反応炉内部に炭素副生成物を形成して、触媒床へのグリセロールの供給を停止して、供給停止後に、反応炉をガスに曝して、そして炭素副生成物の少なくとも一部を反応炉から放出するのに十分な温度まで反応炉の内容物を加熱して、そして反応炉の内容物の加熱後に、反応炉内部にグリセロールを再度供給することが含まれる。ヒュームド支持材、リン酸塩、及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRb、K及びCsが含まれるグリセロール脱水触媒を提供する。
【0014】
グリセロールを触媒に曝すことが含まれ、触媒が、ヒュームド支持材、リン酸塩、及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRb、K及びCsからなり、触媒に曝すことにより、アクロレイン及びアセトールの一方又は両方が形成されるグリセロール脱水法を提供する。
【0015】
使用済みグリセロール脱水触媒を供給し、触媒が、ヒュームド支持材、リン酸塩、及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRb、K及びCsからなり、そして使用済み触媒から炭素を除去するために、触媒の温度を200℃以上に維持しながら、使用済み触媒をNのみ又は空気に曝すことが含まれるグリセロール脱水触媒再生法を提供する。
【0016】
一方が反応物を反応炉に運ぶように搬送するように構成され、他方が生成物を反応炉から搬出するように構成された少なくとも2つの導管に連結された反応炉と、ヒュームド支持材、リン酸塩、及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRbからなる反応炉内部の触媒と、が含まれるグリセロール脱水システムを提供する。
【0017】
脱水物を形成するために、反応炉内部で多水酸基反応物をリン含有触媒に曝すことが含まれる化学合成脱水プロセスを提供する。これらのプロセスは、さらに、反応炉へ反応物の供給を停止して、そして反応物の供給停止後に、脱水触媒中のリンの量を増やすリン含有材料を反応炉に供給することが含まれる。また、これらのプロセスは、リン含有材料の供給後に、再度反応物を反応炉へ提供できることが含まれる。
【0018】
多水酸基化合物の脱水物を形成するために、多水酸基化合物をRb−リン酸触媒に曝すことが含まれる化学合成脱水プロセスを提供する。
以下、本発明の幾つかの実施形態を、後続する添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる化学生産システムである。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかる化学生産システムである。
【図3】図3は、本発明の一実施形態にかかる化学生産システムである。
【図4】図4は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図4A】図4Aは、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図4B】図4Bは、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図5】図5は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図6】図6は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図7】図7は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図8】図8は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図9】図9は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図10】図10は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図11】図11は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図12】図12は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図13】図13は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図14】図14は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図15】図15は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図16】図16は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図17】図17は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図18】図18は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図19】図19は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図20】図20は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図21】図21は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図22】図22は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図23】図23は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図24】図24は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図25】図25は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【図26】図26は、本発明のシステム、組成物及び/又は方法の幾つかの実施形態を用いて得られたデータのプロット図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のグリセロール脱水システム、触媒、及び方法の幾つかの実施例を、図1〜10を参照して説明する。まず、図1を参照すると、流体接続された取入口14及び流体接続された排出口16を有する反応炉12を含むシステム10が示されている。実施例によれば、反応炉12及び/又は排出口16の一部の両方を反応ゾーンと考えることができる。反応炉12は、例えば、Inconel(登録商標)のような合金を含んでおり、合金及び/又はステンレス鋼材料のような比較的不活性の及び/又は安定した材料で構成することができる。反応炉は、例えば、ガラス、セラミック及び/又はチタンで構成することもできる。反応炉12の鋼構成材には、なおコーティングを施しても良い。例えば、鋼構成材は、Silcossteel(登録商標)及び/又はSiltek(登録商標)(Restek Corporation)で構成することができる。取入口14及び/又は排出口16は、反応炉と同一又は異なる材料で構成しても良い。また、反応炉12は、所定の温度をその中にある内容物に設定するように構成しても良い。
【0021】
図1及び3に表わされるように、提示したシステム内の材料の流れは底部から頂部に向かっている。図2に表わされるように、材料の流れは頂部から底部に向かっている。請求した発明は、図面に表わされたものに限定されるべきではない。システムの幾つかの実施形態は、何れの構成からも利益を得られる。さらに、不活性パッキング又はトレー20がシステム反応炉の底部に提示されている。パッキングは反応炉の底部及び頂部の両方又は反応炉内部の任意の所望位置又は複数の位置に存在できるものと理解すべきである。
【0022】
反応炉12は、パッキング又はトレー20によって支持できる触媒18を収容することができる。反応炉12内部の触媒18は、リン酸又はリン酸塩成分が含まれる。幾つかの実施例によれば、触媒18はリン含有触媒と呼ばれても良い。触媒18のリン酸塩成分は、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、二リン酸塩、ポリリン酸塩及び/又はメタリン酸塩が挙げられる。特定の実施形態では、触媒18のリン酸塩成分はリン酸二水素である。
【0023】
また、触媒18は、周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRb、K及びCsを含んでも良い。幾つかの実施例によれば、触媒18は、例えば、コバルト、Fe、K、Cs又はRbを含んでも良い。金属は、酸化状態の異なるものを供給しても良い。例えば、コバルトはコバルト(II)及び/又はコバルト(III)として供給しても良い。触媒のコバルトは、硝酸コバルト(II)六水和物及び/又は炭酸コバルトとして供給しても良い。金属とリン酸二水素との割合は約1:2としても良い。支持材はヒュームド支持材であっても良く、例えば、Si、Al、Ti及び/又はZrの1つ以上を含んでも良い。また、その他の安定した支持形態は、ガンマアルミナ、シリカ構造(SBA−16)又はその混合物等を使用しても良い。
【0024】
一実施例によれば、ヒュームド支持材を供給し、次に、支持材、リン酸塩材料(例えば、リン酸、P及び/又は二塩基リン酸塩)、及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRb、K及びCsからなる混合物を調製することによって、触媒18を調製しても良い。支持材、リン酸塩材料及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRb、K及びCsからなる混合物を調製する前に、支持材を酸性溶液に曝す又は熱処理することができる。この酸性溶液は、例えば、硝酸が含まれ、別の実施例によれば、酸性溶液は少なくとも5%v/vの硝酸を備えることができ、酸性溶液に曝すことは、支持材への溶液の還流が含まれる。支持材の熱処理は、少なくとも800℃まで支持材を加熱することが含まれる。一実施例によれば、調製された支持材、リン酸塩及び金属混合物を乾燥させるか、又は少なくとも60℃〜800℃で熱処理することができる。
【0025】
幾つかの特定の実施例によれば、リン酸と金属の混合物を調製することができる。例えば、リン酸約2モルに対して硝酸コバルト(II)約1モルのモル比で、85%(wt/wt)溶液(Aldrich)のようなリン酸水溶液を硝酸コバルト(II)(Aldrich)と混合して、次に、水で希釈し、混合物を形成することができる。別の混合物を形成するために、ゲル化又はスラリー懸濁状態になるまで、この混合物には、ヒュームドシリカ(例えば、Cabot Hs−5合成、アモルファス、コロイド状高表面ヒュームドシリカ)のようなシリカを添加することができる(スラリー法)。固形混合物を形成するために、例えば、ロタバップ乾燥によって、この別の混合物を真空下において約60℃〜約80℃で乾燥させることができる。この固形混合物を熱処理して、次に、30〜70の篩目を使用して予備成形又は調製ペレットを縮小することによって、分粒することができる。Co(HPOを含むバルク溶液を使用し、59.62gのCo(NO×6HO、47.35gのHPO及び193.74gの水を添加することによって調製される触媒調製物のより詳細な実施例を以下に開示する。
【0026】
1つの触媒調製物は、100.23gの上記バルク溶液及び83.3302gのシリカゾル(Nalco 1034)を撹拌中に溶液への滴下が生じるように載置することによって、500mL丸底フラスコの中で調製することができる。シリカゾルの添加中には、溶液の外観が明るいピンク色から乳白状赤紫色に変化することがある。シリカゾルの添加後には、ゲル化(スラリー)を容易にするために、pHを9まで高めることができる。pH9でゲル化が生じなかった場合は、溶液をゲル化させるために、水をロータリーエバポレーションさせ、次に、乾燥するまで水を除去することができる。次に、触媒を熱処理工程中に乾燥させ、熱処理し、希望どおりにサイズを縮小することができる。
【0027】
別の触媒調製物は、100.24gの上記バルク溶液及び70.8379gのシリカゾル(Ludox AS−40)を撹拌中に溶液へ滴下が生じるように載置することによって、500mL丸底フラスコ中で調製することができる。シリカゾルの添加中には、溶液が明るいピンクから乳白状紫色に変化することがある。シリカゾルの添加後には、ゲル化(スラリー)を容易にするために、溶液を加熱することができる。ゲル化が生じなかった場合は、溶液をゲル化するために、水をロータリーエバポレーションさせ、次に、乾燥するまで水を除去することができる、そして、触媒を熱処理工程中に乾燥させ、熱処理し、所望のサイズに縮小することができる。
【0028】
さらに別の触媒調製物は、100.23gの上記バルク溶液及び28.3gのHS−5シリカ(Cabot)を載置することによって、500mL丸底フラスコ中で調製することができる。HS−5の添加中には、溶液がゲル化することがあり、均質な溶液(スラリー)を得るために、水を添加しても良い。溶液を一晩撹拌し、乾燥するまで水をロータリーエバポレーションさせる。次に、触媒を熱処理工程中に乾燥させ、熱処理し、サイズを縮小できる。
【0029】
また、触媒は、14.9gのHS−5シリカ(Cabot HS−5)を載置し、6.5gのCo(NO−6HO、5.06gのHPO及び26.3gのHOを含む溶液を滴下添加することによって、400mL瓶の中で調製することもできる。混合中には、初期湿潤度に達するまで、上記バルク溶液が滴下添加される(「初期湿潤度含浸」法 別名"IWI")。次に、溶液を乾燥するまでオーブンの中で一晩乾燥させることができる。次に、触媒を熱処理工程中に乾燥させ、熱処理し、所望のサイズに選択できる。
【0030】
別の実施形態によれば、Rb触媒を調製し、グリセロールのような多水酸基化合物の脱水に利用できる。実施例として、RbCO及びHPOを上述のHS−5ヒュームドシリカスラリーと併用することによって、RbHPO触媒を調製することができる。水はロータリーエバポレーションによって調整物から除去することができ、残りの固形物は乾燥させ、次に、600℃で4時間熱処理する。幾つかのさらに具体的な実施形態によれば、それぞれ9.99gのシリカ(HS−5ヒュームドシリカ)、3.22gの炭酸ルビジウム(RbCO)及び4.63gのリン酸(HPO)を500mL瓶の中の100gの水に添加し、一晩撹拌することによって、その溶液を調製することができる。その場合、ある程度の量のCOが溶液から発生することがある。次に、溶液をロータリーエバポレータの上に載置して、水を除去することができる。残りの固形物は、熱処理の前に、乾燥室の中に一晩置くことができる。
【0031】
熱処理工程は、ロータリーエバポレーションされた混合物を0.5℃/分で100℃に加熱して、混合物をその温度に2時間維持して、その後に、混合物の温度を2℃/分で600℃に上昇させ、その温度を4時間維持し、次に、調製済触媒を得るために、サイズ縮小の前後に室温まで冷却することができる。
【0032】
図1を参照すると、石英及び/又はスチールウール(鋼綿)のようなパッキング20を反応炉12に備えることができる。パッキングは反応炉12内部での触媒の支持だけでなく、取入口材料及び排出口材料の両方のより一様分布も容易にできる。パッキング20自体は、反応炉12中に装入できる触媒18の上下両方に備えることができる。触媒18及びパッキング20の両方は、反応炉12によって定義された容量の略全てを費やすことができ、それによって、残りの空隙容量は殆どなくなる。さらに、必要に応じて、触媒は、石英又はアルファアルミナのような比較的不活性な材料によって希釈しても良い。幾つかの実施例によれば、比較的不活性な材料による触媒の希釈は、触媒床全体にわたって熱移動及び物質移動を向上できる。
【0033】
取入口14は、不図示の反応物リザーバ又は反応性混合物リザーバに連結することができる。取入口14は、反応炉12を反応物リザーバに連結する導管であると言うこともできる。生成物24を反応物22から形成するために、システム10は、反応物リザーバからの反応物を触媒18に曝すように構成することができる。反応物22を触媒18に曝す前に、触媒18は触媒反応を準備完了状態とすることができる。触媒18を触媒反応の準備完了状態にすることは、反応炉内部の触媒の温度を250℃〜350℃の間に維持しながら、取入口14を介して窒素及び/又は空気を触媒18に供給することを含むことになる。窒素及び/又は空気へ触媒を曝した後に、反応炉内部の触媒の温度を250℃〜350℃の間に維持しながら、取入口14を介して、触媒を水及び窒素及び/又は空気に曝すことができる。水は、この下準備段階中に触媒に曝されている混合物の約95%にすることができ、一方、窒素及び/又は空気は5%となる。触媒18の下準備後に、取入口14を介して、反応物22を触媒18に曝すことができる。
【0034】
反応物22は、混合物及び/又は純反応物流の形とすることができる。混合物としては、反応22は、1つ以上の多水酸基化合物、単一の多水酸基化合物、及び/又は、水のような希釈剤及び/又は窒素のような気体が挙げられる。反応物22は粗バイオ燃料生成物が挙げられる。反応物22は、例えば、グリセロールのような多水酸基化合物からなる。グリセロールはバイオ燃料生産時の副生成物を使用することができる。幾つかの実施例によれば、反応物22のグリセロールは、精製グリセロール及び/又は粗グリセロール副生成物の形であっても良い。反応物22は、3%〜70%(wt/wt)、約8%〜10%(wt/wt)、約25%〜30%(wt/wt)の量のグリセロールが含まれ、幾つかの具体的な実施形態では、反応物22は、少なくとも約25%(wt/wt)及び/又は70%(wt/wt)未満のグリセロールからなる。
【0035】
反応物22はキャリア材料を含むこともできる。幾つかの実施例によれば、反応物22にはグリセロール、水、N及び/又はCOが含まれる。反応物は97%(wt/wt)の量の水が含まれる。幾つかの実施例によれば、反応物22は3%〜70%(wt/wt)の量のグリセロール、97%(wt/wt)の量の水、並びに、1%〜5%(wt/wt)の量(各単独又は合算重量)のCO及び/又はNが含まれる。
【0036】
幾つかの実施例によれば、触媒18に曝される前に、反応物22は少なくとも約110℃の温度を有することができる。幾つかのその他の実施例によれば、反応物22は反応炉内の触媒の温度と略同じ温度に加熱することができる。別の実施例として、反応物22は反応炉12に入る前に約300℃に加熱することができる。
【0037】
反応炉12に対する取入口14の全域での圧力差を促進することによって、取入口14を介して反応物22を反応ゾーン及び触媒18に曝すことができる。排出口16からの生成物の排出を容易にするために、排出口16までの圧力差を促進することができる。この圧力差は、例えば、取入口14の上流又は排出口16の下流に配置されたポンプを介して促進することができる。ポンプは、反応炉12を通る材料の流れを促進することができ、この流れは、重量空間速度(WHSV、多水酸基反応物グラム数/触媒グラム数/時間)及び/又はガス空間速度(GHSV、総ガス供給量/触媒量/時間)として定量化することができる。反応物の滞留時間はGHSVの逆数から計算することができる。
【0038】
反応物22は約0.02〜約12の範囲のWHSVでシステム10に供給することができる。反応物22は約500〜約60,000のGHSVでシステム10に供給することもできる。反応物22は、触媒18に曝される際には約0.001〜約7秒の滞留時間を有している。幾つかの実施例によれば、滞留時間は約0.45秒である。例えば、流動ポンプを用いてシステム10全域の圧力差を操作することによって、システム10のこれらの流動パラメータを促進することができる。幾つかの具体的な構成によれば、反応炉12に供給される反応物22の背圧は5psig未満とすることができる。
【0039】
図2を参照すると、システム30が示されている。取入口36は1つ以上の導管に、例えば、ドライエア導管40、水路44、導管48及び/又はグリセロール導管52に連結することができる。常に、これらの更なる導管はリザーバに連結することができ、例えば、ドライエア導管40はドライエアリザーバ42に連結でき、水路44は貯水器46に連結でき、導管48はリザーバ50に連結でき、グリセロール導管52はグリセロールリザーバ54に連結することができる。例えば、代表的リザーバからの材料の制御及び/又は流動を容易にするために、これらの導管はバルブ、ブロワ及び/又はポンプを介して取入口36に連結することができる。取入口36は、触媒34及び排出口38を含む反応炉アセンブリ32にも連結することができる。図2に表わされるように、システム30は、反応炉アセンブリ32に入るコンポーネントの個別制御を容易にするように構成できる。さらに、排出口38を介して回収するために、これらのコンポーネントは頂部から底部に向かって反応炉アセンブリ32に入ることができる。
【0040】
図1を参照すると、生成物24を形成するために、グリセロールを含む反応物22を触媒18に曝しても良い。生成物24は、多水酸基化合物の脱水物が含まれる。例えば、生成物24は、多水酸基化合物グリセロールの脱水物アクロレインが含まれる。アクロレイン及び/又はtの一方又は両方を、グリセロールの脱水物並びに副生成物とすることができる。
【0041】
システム10には、反応炉12から生成物24を受けるように構成された排出口16が含まれる。排出口16は、図示せぬ生成物リザーバに連結でき、及び/又は、図示せぬ生成物精製アセンブリに連結することができる。生成物精製アセンブリには、例えば、蒸留アセンブリ及び/又は乾燥アセンブリが含まれる。排出口16は、図示せぬ生成物リザーバに反応炉12を連結する導管であると考えることができる。
【0042】
幾つかの実施例によれば、触媒は、支持材なしよりはむしろ支持材ありとすることができる。したがって、バルク(支持材なし)Co(HPOよりはNalco製シリカゾルのCo(HPOの方が好ましい。本明細書の文脈における「触媒」に言及すると、触媒はその前駆体物質及びそれらのモル比の観点から参照されると理解すべきである。決定可能な反応中の触媒の実際の化学組成物は、完了した各分析に対して決定されてはいない。一例として、シリカのCo(HPOを化学組成物とすることは良いが、熱処理後に、この組成物はCoになることがある。以下の表1を参照すると、(前駆体物質によって参照され、上記説明に従って調製された)支持材あり触媒と支持材なし触媒の比較を示している。
【表1】

一実施例によれば、以下の表2のパラメータによるグリセロールからアクロレインへの脱水を容易にするために、反応ゾーンを有するNalco製シリカゾルのCo(HPOを使用できる。
【表2】

【0043】
幾つかの実施例によれば、生成物24内部の副生成物は、コークスのような炭素系副生成物となることがある。炭素副生成物は、平均燃焼温度(純酸素中)が250℃〜800℃の共役炭素化合物を含んでいることがある。これらの副生成物が、生成物24を反応物22から生産するためのシステム10の連続使用を妨げることが既に分かっている。一例として、炭素系副生成物が、反応物22から生成物24への転換を容易にする触媒の能力を抑制し、さらに、例えば、システム10を詰まらせることによって、反応物及び/又は生成物がシステム10の全体を通過するのを妨げることが既に分かっている。
【0044】
例えば、図4を参照すると、本発明のシステム、方法及び触媒を用いて得られるデータのプロット図が示されている。幾つかの実施例によれば、GHSVは1時間当り約7,600とすることができる。実施例で定めているように、グリセロールの分圧は約0.084にでき、一方、水の分圧は約0.891にでき、窒素の分圧は約0.026にできる。プロセスは、総圧が1気圧、温度約280℃で実施できる。このデータによれば、システムの圧力差が約1.5psigから22psigに拡大するにつれて、システムの転換率が低下し、システム内で詰まりが生じていることが明らかとなる。
【0045】
プロセス中に、タイプの異なる炭素副生成物が発生することが既に分かっている。炭素副生成物は軟質又は硬質炭素副生成物の形をとることがある。軟質炭素副生成物とは、温度約250℃〜400℃でシステムから除去できる炭素副生成物であり、硬質炭素副生成物は、温度約400℃〜800℃の温度でシステムから除去される。た図4Aを参照すると、使用済み触媒床の一部がサンプリングされ、上部(即ち、供給口に最も近い)が主として軟質炭素副生成物を含み、一方、下部(即ち、生成物出口に最も近い)が主として硬質炭素副生成物を含んでいることが分かった。
【0046】
次に図4Bを参照すると、3回のグリセロール脱水プロセスが実施され、反応炉コンポーネントから炭素副生成物がサンプリングされた。図示のように、詰まりが生じた反応炉セグメントについては、燃焼温度が780℃と高く、多量の硬質炭素副生成物を含んでいた。反応炉内部の生成物保持が生成物の除去を妨げ、触媒上の炭素の形成を順番に引き起こしたので、反応ゾーンの内側であるが触媒床の外側に形成された炭素副生成物が、圧力上昇の主原因であろうということが既に分かっている。
【0047】
少なくとも、より低温での除去が可能であるという理由から、硬質炭素副生成物よりも軟質炭素副生成物の形成の方がより望ましいということが既に分かっている。軟質炭素副生成物をシステムから除去するためには、約250℃〜約350℃という開示プロセスの反応温度と同様の低温を使用しても良い。幾つかの実施例によれば、生産プロセス中に発生した軟質炭素副生成物は、システムの再生の有無に関わらず、除去することができる。
【0048】
幾つかの実施例によれば、本発明のシステム及び方法は、形成される炭素副生成物を受け入れ可能な量及び/又はタイプの炭素副生成物に限定し、それによって、生産速度の点で十分に満足できる生成物24の形成を提供できるパラメータを含んでいる。そして生産速度には、反応物選択性及び/又は反応物転換率の一方又は両方が含まれる。
【0049】
一実施例では、アクロレインを形成するために、グリセロールがリン含有触媒に曝される。一例として、脱水物生産速度は、反応物がグリセロールである場合のアクロレイン生産性が含まれる。これは、単位時間当りの触媒重量単位当りに生産されるアクロレインの重量(例えば、アクロレイングラム数/触媒グラム数/時間)とすることができる。グリセロールの変換率は、反応させられたグリセロールのパーセンテージの形で報告できる。ある別の生成物というよりはアクロレインを形成するためのプロセスの選択性も同様にパーセンテージの形で報告できる。
【0050】
プロセスの開始時には、初期速度を記録することができる。例えば、初期生産速度、初期転換率及び/又は初期選択性を記録することができる。さらに、取入口14に供給される背圧もプロセスの開始時に初期背圧として記録することもできる。脱水プロセス中にシステムを用いる際に、これらの全てのパラメータの1つ又は組み合わせが相当程度低下した場合、生成物24の形成はもはや満足できるものとは考えられない。例えば、選択性及び/又は転換率が10〜15%低下し、及び/又は、背圧が4〜5倍上昇し、例えば、1psigから4〜5psigに、4〜5psigから20又は25psigになり、及び/又は、5psigから50psigにというように10倍上昇した場合は、過剰な炭素副生成物が触媒の上、又は反応炉の内部に堆積している。これらのパラメータは、炭素副生成物の生産によるシステムの詰まりのようなシステム不具合の目安となる。図4はシステムの不具合を例証するものである。
【0051】
生成物の生成がもはや満足できない場合は、1つには、システム自体及び/又はシステム内部の触媒を再生することによって、本発明のシステムを再生できることが既に発見されている。幾つかの実施例によれば、システムの再生は、炭素系副生成物を含めた副生成物をシステムから除去することが含まれる。
【0052】
図3を参照すると、構成配置A及びBで同じシステムとなっているシステム60が示されている。システム60は、脱水物を循環的に生産し、反応ゾーンを再生するように構成されたシステムとすることができる。構成配置Aは、本明細書記載のシステム10の構成配置と同じにできるし、反応ゾーン内部から多水酸基化合物の脱水物を生産するように構成されたシステムとすることもできる。構成配置Bは、脱水を実施するために用いられた後の、それによって、使用済みグリセロール脱水触媒が収容されているシステム10の構成配置である。一例として、構成配置Aでは、脱水物の生産は、ある生産速度で脱水物を形成するために、反応物リザーバからの反応物を反応ゾーン内部で触媒に曝される。構成配置Bでは、反応ゾーンの再生は、サイクル開始時の生産速度の少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%で脱水物を生産するため、反応ゾーンに戻される。
【0053】
幾つかの実施例によれば、プロセスは、反応物の供給停止後に、リン含有材料を反応炉に供給することが含まれる。リン含有材料は脱水触媒中のリンの量を増やすことになる。幾つかの構成配置では、多水酸基化合物への触媒の露出中及び/又は再生中に、その量及び/又はタイプの触媒のリンを使い尽くす場合がある。触媒を反応ゾーンから除去せずに、例えば、触媒の補充又は再リン酸塩化を行なえる。リン含有材料の供給後に、反応物を再度触媒に曝すことができる。この再リン酸塩化は、必要に応じて、生産設備のオペレータが、露出、再生及び再リン酸塩化の1つ以上を含む循環型生産方式に統合できる。再リン酸塩化に用いられるリン含有材料は、例えば、リン酸トリブチル及び/又はリン酸トリメチルのような有機リン酸塩が挙げられる。例えば、この材料を触媒に曝し、次に触媒を空気のもとで乾燥させ、その後、反応物へ触媒を再度曝す前に、触媒は水に曝される。
【0054】
この程度まで再生できる触媒を維持することにより、触媒の除去及び調整又は交換によってしか改善できない収率損失を避ける。それにより好ましくは、システムは、プロセス条件下で任意の触媒充填物の場合には、少なくとも1000時間、より好ましくは少なくとも2000時間、さらにより好ましくは少なくとも4000時間のオンライン後に、通常操業条件下でその初期ピーク生産性実績と比較して経済的に持続可能なレベルの生産性を保ち続ける。
【0055】
生産及び再生は多数のパラメータに従って実施できる。図3に反応炉12に入る単一の導管を示しているが、この単一の導管は、例えば、反応炉12に直接入る複数の導管、及び/又は取入口14よりも前にユニオン継手を介して複数の導管を受け取る単一の導管の何れかを表していると理解する。一例として、グリセロールは一方の導管を介して反応炉12に供給でき、水は他方の導管を介して反応炉に供給することができる。脱水物を形成するために、触媒をグリセロールに曝し、グリセロールへの触媒の露出を中断でき、グリセロールへの触媒の露出中断後に、概ねガス状の水に触媒が曝される。脱水物を形成するために、しばらくしてから、グリセロールは反応炉に再度供給される。
【0056】
このプロセスを実施するための選択的な方法に関しては、脱水触媒へ多水酸基反応物を曝すことによる生成物24の調製中に、炭素副生成物が形成されることがある。脱水触媒へ多水酸基反応物を曝すことは停止でき、そして露出の停止後に、システム自体並びに触媒を流動ガスに曝し、システムの内容物は炭素副生成物の少なくとも一部を反応炉から放出するのに十分な温度に加熱される。生成物24を形成するために、反応炉の内容物を加熱した後に、多水酸基反応物が反応炉に再度供給される。
【0057】
本発明の幾つかのプロセスは、反応炉12へ反応物22の供給を中断して、反応物の供給中断後に、反応炉の触媒の温度を800℃以下に維持しながら、ガス62が反応炉に供給される。ガスは、例えば、再生混合物のコンポーネントとされる。かかる再生混合物は、例えば、水単独、ドライエア、N及び/又はCOを単独又は組み合わせが含まれる。一実施例によれば、再生混合物は、例えば、酸化剤が含まれ、グリセロールのような多水酸基反応物の供給中断後に、この再生混合物を反応炉に供給できる。この酸化剤の供給中には、触媒の温度は800℃以下に維持でき、酸化剤の供給後には、反応炉へグリセロールが再度供給される。ガス62の供給時に、排出口16を介して副生成物64をシステム60から除去しても良い。
【0058】
上述した幾つかの実施例によれば、反応物22は、グリセロールのような多水酸基反応物、並びに水が含まれる。再生への遷移は、反応炉へ水の供給を維持しながら多水酸基反応物の供給中断が含まれる。反応炉へ供給中の水は、例えば、ガス状とすることができ、十分な量のガス状の水が供給されると、反応性混合物が反応炉に再度供給される。
【0059】
一例として、反応物22がグリセロールのような多水酸基反応物、水及びNを含む場合は、多水酸基反応物を停止させ、水及びNを構成配置Bの一部である反応炉12に送り、その中を通過させる。幾つかの実施例によれば、これはシステムから反応物を洗浄することと考えられる。この反応物の洗浄は所定の時間だけ続けられ、及び/又は排出口16の反応物、生成物及び/又は副生成物はモニタされる。モニタリング中は、排出口16の中の反応物、生成物及び/又は副生成物の量が時間と共に安定し、例えば、量の変化が5%/分未満である場合は、システムの洗浄が完全であったと考えられる。システムの洗浄が完全に行われたかを検証するためのモニタリング中は、その上で背圧をモニタしても良い。
【0060】
再生の完了後には、システムは、システムへの反応物の供給が行われる生産又はオンラインモードに戻すのが望ましいであろう。例えば、背圧が洗浄中に相当程度上昇し、初期背圧に戻ってしまった場合は、反応物をシステムに供給し続けることが望ましいであろう。背圧の変化がない場合は、再生を継続することが望ましい。
【0061】
システムに供給される水の量を減らし、及び/又は、Nの量を増やすことによって、システムの再生を継続しても良い。システムへの水の供給量の減少及び/又は供給中断後に、空気をシステムに提供しても良い。幾つかの実施例によれば、5〜500sccmのN及び/又は約5〜1,000sccmの空気がシステムに供給される。システムへのN及び/又は空気の供給中には、システムは反応温度(又はそれ以下)から温度550℃〜800℃に加熱される。システムの加熱は温度勾配に基づいて行なえる。例えば、勾配は1℃/分〜約40℃/分、1℃/分〜約10℃/分、1℃/分〜約5℃/分、5℃/分〜約10℃/分、及び/又は、10℃/分〜約40℃/分とすることができる。再生プロセスでの加熱中には、多量の副生成物及び/又はその分解生成物をシステムから除去しても良い。排出口16から出てくる副生成物によるシステムの詰まり、又はその除去中に生じる過剰な熱勾配を回避するために、これらの副生成物を迅速というよりは徐々に除去するのが望ましいことが既に分かっている。
【0062】
幾つかの実施例によれば、加熱は、システムを介して供給されるN及び/又は空気の量に基づいて、周期的に行なわれる。本実施例及びその他の幾つかの実施例によれば、COのような、副生成物及び/又は副生成物残渣の量をモニタでき、モニタされた量の減少が時間と共に安定した場合は、加熱プロセスは中止される。一例として、COの量の変化が5%/分未満である場合は、システムは再生されたと考えられる。さらに一例として、COの量を、プロセス中及び/又は前回の再生後に記録された量のような、閾値と比較することができ、この量が加熱中にモニタされた量と略同じである場合は、システムは再生されたと考えられる。
【0063】
副生成物の除去には好都合であるものの、システムをただ単に800℃超の温度に加熱することによって、触媒が分解されて、現実的に不活性になる場合があることが既に分かっている。例えば、触媒自体から結晶性ピロリン酸塩の形成によって、触媒の活性が低下する場合があることが既に分かっている。M(ここでMは、コバルトのような、2〜12族の1つ以上の金属)の形の結晶性ピロリン酸塩の存在は、触媒が多水酸基化合物の選択性及び/又は転換率に関しての性能劣化を起こしていることと関連があると考えられている。さらに、このことは、上述の硬質炭素副生成物を作りにくいパラメータでのシステム運転の重要性を強く指摘している。例えば、Nalco製シリカゾル上のCo(HPO及びHS−5ヒュームドシリカ上のCo(HPOとしての26wt%POの再生が実施された。再生は以下のパラメータに基づいて実施された。
1. 窒素中での室温から280℃への初期加熱
2. 30分間の蒸気導入
3. 30分間のグリセロール/蒸気/窒素導入
4. 5〜10分間のグリセロール循環、蒸気/窒素循環終了
5. 5分間のみの蒸気循環、窒素循環中止
6. 空気循環及び20分間で540℃への温度勾配開始
7. 45〜60分間保持
8. 280℃への冷却
9. 30分間の蒸気開始
10. グリセロール供給開始(サイクル2)
11. ステップ4〜9繰り返し
12. グリセロール供給開始(サイクル3)
以下の表3を参照すると、表の指定生産パラメータと共に上記指定再生パラメータを用いて、非ヒュームドシリカ支持体触媒の生産速度が示されている。
【表3】

以下の表4を参照すると、表の指定生産パラメータと共に上記指定再生パラメータを用いて、ヒュームドシリカ支持体触媒の生産速度が示されている。
【表4】

【0064】
以上のように、ヒュームドシリカ支持体は非ヒュームドシリカ支持体から大幅な改善を実証している。
【0065】
硬質炭素副生成物を作るプロセスパラメータが用いられた場合は、400℃以下の再生温度は一般的には硬質炭素副生成物の除去には有効ではない。硬質炭素副生成物を除去するために、再生温度を400℃以上に上げた場合は、Mの形のピロリン酸塩が作られ、この手段により触媒が不活性になることがある。
【0066】
本明細書記載の脱水法及び本発明の再生法の両方の幾つかの実施形態は、有効かつ活性な触媒を維持できる生産設備を提供する。含まれているのは、550℃のような、生成物除去のために硬質炭素に要求される温度でさえ過剰な量のピロリン酸塩を形成することのない材料を提供するための触媒形成及び触媒調製法である。
【0067】
再生後に、システムは約250℃から約350℃に冷却でき、次に、触媒18へ反応物22を曝す前に、触媒18は触媒反応準備完了状態にされる。触媒18を触媒準備完了状態にすることは、反応炉内部の触媒の温度を250℃〜350℃に維持しながら、取入口14を介してN及び/又は空気を触媒18に供給することが含まれる。N及び/又は空気へ触媒18を曝した後に、反応炉内部の触媒の温度を250℃〜350℃に維持しながら、取入口14を介して触媒を水及びN及び/又は空気に曝す。水は、この準備完了段階中に触媒に曝されている混合物の約95%とすることができ、一方、N及び/又は空気は5%とすることができる。触媒18の準備完了後に、取入口14を介して反応物22は触媒18に曝される。この準備完了状態を容易にするのが、図3の構成配置Aである。
【0068】
システム10、30及び/又は60は、化学合成脱水プロセスを実施するための全生産設備の一部である。例えば、図1に表わされるように、システム10は単一の反応炉12を含んでいるが、例えばシステム10を、連続脱水プロセスを実施するように構成された複数の反応炉を含むより大型のシステムの一部であると考えられる。例えば、一方の反応炉を「オンライン」に、もう一方の反応炉を「オフライン」にしても良い。本実施形態によれば、オンラインの反応炉は脱水の実施のために用い、一方、オフラインの反応炉は、触媒を再生又は新しい触媒を調製し、脱水プロセスを実施するために用いても良い。
【0069】
図5を参照すると、反応性混合物が21,664のGHSVでシステムに供給され、1時間当り触媒1グラム当り2.43グラムのグリセロールを、グリセロールの18.8wt%である反応性混合物と共に転換するシステムの再生を実証するプロット図が示されている。システムへのグリセロールの供給が中断され、システムの再生のために、水及び/又は空気が供給される。さらに、触媒床の下流に詰まった炭素の除去が行われた。グリセロールは21,184のGHSVでシステムに戻され、1時間当り触媒1グラム当り2.43グラムのグリセロールが転換される。
【0070】
図6及び7を参照すると、同じシステムにおいて、2回の追加グリセロール脱水/反応及び再生サイクルが示されている。それによれば、"J11"及び"J11再生"として参照される第1のサイクルでは、WHSVは1時間当り触媒1グラム当り12グラムのグリセロールであり、GHSVは1時間当り37,000であった。グリセロールの分圧は0.086、水の分圧は0.888、窒素の分圧は0.026であった。触媒は空気中で545℃において1時間再生された。第2のサイクル(J11、J15再生2)の場合、グリセロールは、1時間当り触媒1グラム当り2.4グラムのグリセロールのWHSV及び1時間当り8,994のGHSVで供給された。グリセロールの分圧は0.086、水の分圧は0.888、窒素の分圧は0.026であった。
【0071】
図6を参照して上に説明した再生が、以下の表5に表の形で示されている。
【表5】

【0072】
図8及び9を参照すると、再生を含む多数のサイクルが、サイクル時間32分間で、550℃で空気を使用する再生と共に実施されている。サイクル1〜6及び6〜20が示されているが、サイクル1〜6のGHSVは1時間当り34,192で、グリセロールの圧力は0.046、水の圧力は0.848、窒素の圧力は0.014であり、サイクルは280℃で実施された。サイクル6〜20のGHSVは1時間当り34,192であり、グリセロール、水及び窒素の圧力はサイクル1〜6の場合と同じであった。
図8及び9を参照して上に示した再生が、以下の表6に表の形で示されている。
【表6】



【0073】
図10には、多数の再生が示されている。示されているサイクルNo.1〜20は、1時間当り触媒1グラム当り6.04グラムのグリセロールの空間速度及び1時間当り34,192のGHSVで実施された。グリセロールの圧力は0.046、水の圧力は0.848、そして窒素の圧力は0.014に維持された。サイクル時間32分間で、550℃にて空気を使用して、再生は実施された。
【0074】
図11及び12を参照すると、相安定性を実証する触媒のXRD分析結果が示されている。図11は、スラリーの調整を含む本明細書記載の手順に従って調製された触媒の相安定性を実証している。図12は、支持体の含浸を含む本明細書記載の手順に従って調製された触媒の相安定性を実証している。スラリー調製触媒に関しては、相安定性は、ピロリン酸塩及び/又は環状テトラメタリン酸塩への相変態が発生したことを明示している。この相変態は、例えば、再リン酸塩化なしでは触媒を何回も再生できないという結果につながる触媒被毒と合致している。或いは、図12の相変態は相変態を明示しているわけではない。したがって、図12の触媒は何回でも再生できることになる。
【0075】
次に図13を参照すると、含浸触媒を使用する脱水がグラフによって示されている。より具体的には、Co(HPO/f−シリカ(15wt%PO)触媒が調製され、以下の条件で、即ち、GHSV=9,387/時間、WHSV=1.266gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.476m/秒、供給グリセロール 11.5wt%、2.25mol% グリセロール、88.65mol% HO、9.11mol% N、初期圧力低下3.5psigで、グリセロールに曝された。
【0076】
図14を参照すると、含浸触媒として調製されたCo(PO/HS−5としての22wt%POのCo(III)触媒を使用する脱水がグラフによって示されている。触媒を調製するために、Co(POがHS−5上の20%硝酸IWIに溶解され、乾燥され、次に600℃で熱処理された。脱水は、以下の条件で、即ち、GHSV=10,176/時間(1気圧)、WHSV=0.893gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.695m/秒、Pgly=0.029気圧、PHO=0.854気圧、PN=0.117気圧、Wt%gly=14.7%、DP=8.5psiで実施された。触媒床は以下のように、即ち、3.4g触媒(5.2cm実測)、30〜60メッシュ(Dp=0.595〜0.25mm)、長さ=27.1cm、ID=5.19mmに構成された。
【0077】
図15を参照すると、HS−5(スラリー)上の23wt%POリン酸Co(III)のCo(III)触媒を使用するグリセロールの脱水を図示されたように実施し、再生される。アセチルアセトン酸Co(III)をHPO(70wt%)(P/Co=5)に添加することによって、触媒を調製することができ、この触媒がHS−5支持体に添加され、得られたゲルが乾燥され、次に熱処理される。反応炉床は、1.57gの触媒、30〜60メッシュ(Dp=0.595〜0.25mm)を含み、長さ=27.1cm、内径=5.19mmとされる。以下の条件で、即ち、GHSV=10,395/時間(1気圧)、WHSV=1.93gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.682m/秒、グリセロール圧力=0.029気圧、HO圧力=0.854気圧、N圧力=0.117気圧、Wt%グリセロール=14.7%、圧力差=8.9psi(初期)で、反応物が反応炉に供給される。分析結果は、初期材料のP/Co=4.45、使用後はP/Co=3.08であることを示していた。
【0078】
図16を参照すると、リン酸鉄系触媒(リン酸鉄系/HS−5シリカ(スラリー)としての25wt%PO)によるグリセロールの脱水中に得られたデータが示されている。反応炉は、2.00gの触媒、30〜60メッシュ(Dp=0.595〜0.25mm)を含み、長さ=27.2cm、内径=5.19mmで構成される。第1の条件は、GHSV=10,395/時間(1気圧)、WHSV=1.517gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.695m/秒、グリセロール圧力=0.029気圧、HO圧力=0.854気圧、N圧力=0.117気圧、Wt%グリセロール=14.7%、圧力差=9.4psi(初期)とされる。記録された第2の条件は、GHSV=10,669/時間(1気圧)、WHSV=1.517gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.712m/秒、グリセロール圧力=0.028気圧、HO圧力=0.826気圧、空気圧=0.146気圧、Wt%グリセロール=14.7%、圧力差=14.0psi(初期)とされる。
【0079】
図17を参照すると、リン酸鉄系触媒及び希釈剤としてのCOによるグリセロールの脱水中に得られたデータが示されている(リン酸鉄系/HS−5シリカ(スラリー)としての25wt%PO)。反応炉は、2.00gの触媒、30〜60メッシュ(Dp=0.595〜0.25mm)を含み、長さ=27.2cm、内径=5.19mmで構成される。初期反応条件は、GHSV=10,395/時間(1気圧)、WHSV=1.517gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.682m/秒、グリセロール圧力=0.029気圧、HO圧力=0.854気圧、CO圧力=0.117気圧、Wt%グリセロール=14.7%、圧力差=9.4psiとすることができる。記録された第2の条件は、GHSV=10,669/時間(1気圧)、WHSV=1.517gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.712m/秒、グリセロール圧力=0.028気圧、HO圧力=0.826気圧、空気圧=0.146気圧、Wt%グリセロール=14.7%、とされる。記録された第3の条件は、GHSV=10,074/時間(1気圧)、WHSV=1.517gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.677m/秒、グリセロール圧力=0.030気圧、HO圧力=0.897気圧、空気圧=0.093気圧、Wt%グリセロール=14.7%、とされる。
【0080】
図18を参照すると、過剰なPOを使用して得られたデータが示されている。触媒は、P/Co=〜4のCo(HPO/f−シリカ−スラリーである15wt%POとして26%POと等価とされる。この触媒は、2.25gの触媒(5.5cm実測)、30〜60メッシュ(Dp=0.595〜0.25mm)が入る内径=5.19mm、長さ=26.1cmの反応炉の中で使用される。脱水は、以下の条件で、即ち、GHSV=4,712/時間、WHSV=1.384gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.34m/秒、グリセロール圧力=0.0593気圧、HO圧力=0.7065気圧、N圧力=0.2342気圧、Wt%グリセロール=30%、初期圧力差(床)=9.8psi、初期圧力差(合計)=13.4psiで実施される。データは、最初の7時間は安定した能力を有する他のHS−5ヒュームドシリカ上のスラリー調製15wt%POとの比較での転換率及び選択性の改善や、活性を回復させる600℃での空気再生を実証してはいない。図19を参照すると、上記図18に示したデータの継続であるCo(HPO/f−シリカ(P/Co=〜4のスラリー)としての15wt%POによる第2の空気再生を実証するデータが得られる。第2の再生中には、グリセロール流を停止させ、蒸気流中に20分間保持して、空気を(〜250sccmで)供給し、5分間保持して、反応ゾーンを30分間で600℃に昇温し、2時間保持して、次に、(空気流中で)3時間で280℃に冷却される。グリセロール供給開始の20分前に、蒸気流が開始される。
【0081】
図20を参照すると、Co(HPO/f−シリカ(P/Co=〜4のスラリー)としての15wt%POの再リン酸塩化による触媒の再生中に得られたデータが示されている。反応炉及び触媒の負荷は、ここで調製されたCo/P触媒並びに反応流量及び条件と合致している。例えば、Co(HPOの形で〜15wt%POのHS−5ヒュームドシリカ(Cabot)上の最終負荷に使用されるものとして、Co/P触媒は、上記スラリー法に従い、リン酸(HPO)の水溶液を作り、次に、3.5〜5のモル比をもつ炭酸コバルトに対してHPOを炭酸コバルトにゆっくり添加することによって調製できる。反応炉では、総床容量〜5.5mLの場合、2.25gの触媒(直径0.25〜0.6mm、30〜60メッシュ)をステンレス鋼製反応塔(内径5.2mm)中に充填し、窒素流中で280℃に加熱し、次に、蒸気が30分間導入される。反応物質グリセロールは、GHSV=4,712/時間、WHSV=1.384gグリセロール/g触媒/時間、グリセロール分圧=0.0593気圧、蒸気分圧=0.7065気圧、窒素分圧=0.2342気圧で供給される。
【0082】
触媒は16〜24時間で再生される。即ち、グリセロール供給を15分間停止する(窒素及び蒸気のみ)。空気を導入し、窒素及び蒸気をオフにする。30分間で600℃に昇温して2時間保持する。空気中で280℃に冷却する(〜3時間)。グリセロール供給前に、空気をオフにし、窒素蒸気を15〜30分間オンにする。グリセロールは、GHSV=4,712/時間、WHSV=1.384gグリセロール/g触媒/時間、グリセロール分圧=0.0593気圧、蒸気分圧=0.7065気圧、窒素分圧=0.2342気圧で再度供給される。
【0083】
触媒は再度再生でき、グリセロールを、GHSV=4,712/時間、WHSV=1.384gグリセロール/g触媒/時間、グリセロール分圧=0.0593気圧、蒸気分圧=0.7065気圧、窒素分圧=0.2342気圧で供給される − 急速不活性化。
【0084】
活性の損失時には、グリセロール流を停止し、触媒が入った反応炉を蒸気流の中に20分間保持して、水流をオフにした後に、N流を10分間で150sccmに増やすことができる。次に、リン酸トリブチルが1mL/時間で1時間反応炉に供給される。次に、反応炉を空気流(〜250sccm)の中に一晩〜8時間保持し、グリセロール供給開始の前に、蒸気流が20分間供給される。触媒の活性を「通常不活性化パターン」の前に〜1時間回復させて、変換率〜20%で安定させても良い。
【0085】
図21を参照すると、Co(HPO/f−シリカ(P/Co=〜4のスラリー)である15wt%POの再リン酸塩化による触媒の再生中に得られたデータが示されている。反応炉及び触媒の負荷は、ここで調製されたCo/P触媒並びに反応流量及び条件と合致している。活性の損失が認められると、反応炉及び触媒を600℃で約10時間空気に曝し、N流(150sccm)中で280℃に冷却し、1時間保持される。次に、リン酸トリブチルが1mL/時間で1.75時間触媒に曝され、次に、触媒を空気流(〜250sccm)中に1時間保持される。グリセロール供給開始前30分間(又はリン酸トリブチルが検出されなくなるまで)、蒸気流は反応炉及び反応炉に存在する触媒に供給される。触媒の活性を回復させ、同時に、選択性を僅かに改善できる(93%対91%)。
【0086】
図22を参照すると、脱水を実施するためにRb触媒、即ち、28%RbHPO w/過剰HPO/f−シリカ(HS−5)を使用して得られたデータが示されている。反応炉は、長さ=26.0cm、内径=5.19mmであり、30〜60メッシュ(Dp=0.595〜0.25mm)を有する2.81gの触媒(5.5cm実測)が添加される。第1の条件では、反応炉は以下の条件で、即ち、GHSV=9,451/時間(1気圧)、WHSV=1.079gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.683m/秒、グリセロール圧力=0.029気圧、HO圧力=0.855気圧、N圧力=0.117気圧、Wt%グリセロール=14.7%、圧力差=8.0psiで実施される。上記のように、第2の条件が提供され、この条件は、以下のもの、即ち、290℃の反応炉、GHSV=2,766/時間(1気圧)、WHSV=1.079gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.2m/秒、グリセロール圧力=0.098気圧、HO圧力=0.503気圧、N圧力=0.399気圧、Wt%グリセロール=50%、圧力差=6.5psi(初期)が含まれる。記録された第3の条件では、反応炉は、290℃、GHSV=6,409/時間(1気圧)、WHSV=1.079gグリセロール/g触媒/時間、空塔速度=0.463m/秒、グリセロール圧力=0.042気圧、HO圧力=0.217気圧、N圧力=0.741気圧、Wt%グリセロール=50%、圧力差=6.5psiに維持される。Rb触媒は相当程度のローバスト性を実証した。
【0087】
図23を参照すると、未使用Rb触媒のXRDデータが示されており、図24には使用済みRb触媒のXRDデータが示されている。このXRDは、脱水及びその後の再生中に生じるリン酸塩浸出の不足を実証するものである。
【0088】
図25を参照すると、脱水を実施するためにRb触媒、即ち、28%RbHPOw/過剰HPO/f−シリカ(HS−5)を使用して得られたデータを示しており、プロセスが継続されるにつれて得られた追加データを図26に示している。30〜60メッシュ(Dp=0.595〜0.25mm)を有する約2.76gの触媒(5.7cm実測)を、長さ=27cm、内径=5.19mmを有する反応炉に充填できる。記録された第1の条件は、290℃の反応炉で実施され、GHSV=4,756/時間(1気圧)、WHSV=1.80gグリセロール/g触媒/時間、グリセロール圧力=0.09気圧、HO圧力=0.462気圧、N圧力=0.448気圧、Wt%グリセロール=30wt%、圧力差=6.2psiである。
【0089】
記録された第2の条件は、300℃の反応炉で実施され、GHSV=3,734/時間(1気圧)、WHSV=1.10gグリセロール/g触媒/時間、グリセロール圧力=0.07気圧、HO圧力=0.36気圧、N圧力=0.57気圧、Wt%グリセロール=50wt%、圧力差=4・5psiとされる。条件2aでは、反応炉は300℃に、GHSV=5,886/時間(1気圧)、WHSV=1.1gグリセロール/g触媒/時間、グリセロール圧力=0.045気圧、HO圧力=0.228気圧、N圧力=0.728気圧、Wt%グリセロール=50%とされる。
【0090】
記録された第3の条件は、300℃の反応炉で実施され、GHSV=5,822/時間(1気圧)、WHSV=1.1gグリセロール/g触媒/時間、グリセロール圧力=0.045気圧、HO圧力=0.231気圧、N圧力=0.365気圧、空気圧=0.359気圧、Wt%グリセロール=50%とされる。
【0091】
記録された第4の条件は、300℃の反応炉で実施され、GHSV=5,822/時間(1気圧)、WHSV=1.1gグリセロール/g触媒/時間、グリセロール圧力=0.045気圧、HO圧力=0.229気圧、N圧力=0.637気圧、空気圧=0.089気圧、Wt%グリセロール=50%とされる。
【0092】
記録された第5の条件は、300℃の反応炉で実施され、GHSV=9,099/時間(1気圧)、WHSV=1.1gグリセロール/g触媒/時間、グリセロール圧力=0.029気圧、HO圧力=0.856気圧、空気圧=0.115気圧、Wt%グリセロール=50%とされる。
【0093】
図25及び26を参照すると、脱水プロセスは、アクロレイン選択性78%、アセトール選択性15%で不活性化するまで>60時間継続された。空気を加えることによって、転換率の改善(100%)及び選択性の改善(最大70%)と、アセトール形成及び二量体形成の減少が見られた。触媒は再生された。
【符号の説明】
【0094】
10,30,60 システム
12 反応炉
14,36 取入口
16,38 排出口
18 触媒(反応を発生・促進・遅滞させるもの)
20 パッキング又はトレー
22 反応物
24 生成物
32 反応炉アセンブリ
34 触媒
36 取入口
38 排出口
40 ドライエア導管
42 ドライエアリザーバ
44 水路
46 水リザーバ
48 導管
50 リザーバ
52 グリセロール導管
54 グリセロールリザーバ
62 ガス
64 副生成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学合成脱水プロセスを実施するための生産設備であって、前記生産設備が、反応物リザーバ及び生成物リザーバの両方に流体連通する反応ゾーンを含み、前記反応ゾーンにはリン含有触媒が収容され、そして前記生産設備が、脱水物を循環的に生産し、前記反応ゾーンを再生するように構成されており、前記脱水物の生産が、ある生産速度で前記脱水物を形成するために前記反応物リザーバから反応物を前記反応ゾーン内部で前記触媒に曝すことを含み、そして前記反応ゾーンの再生が、前記生産速度の少なくとも70%の速度で前記脱水物を生産するために前記反応ゾーンを戻すことを特徴とする生産設備。
【請求項2】
請求項1に記載の生産設備において、前記触媒がリン酸塩を含むことを特徴とする生産設備。
【請求項3】
請求項1に記載の生産設備において、前記触媒が、周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属を含むことを特徴とする生産設備。
【請求項4】
請求項1に記載の生産設備において、前記触媒がシリカ支持体を含むことを特徴とする生産設備。
【請求項5】
請求項1に記載の生産設備において、前記触媒がヒュームドシリカ支持体を含むことを特徴とする生産設備。
【請求項6】
請求項1に記載の生産設備において、前記反応ゾーン内部で反応物を触媒に曝して、反応ゾーン及び/又は反応ゾーンから出ていく導管内部に炭素副生成物が形成され、再生によって、炭素副生成物の少なくとも一部が反応ゾーン及び/又は導管から除去されることを特徴とする生産設備。
【請求項7】
請求項6に記載の生産設備において、前記炭素副生成物が、約400℃以下の燃焼によって除去される軟質炭素副生成物を含むことを特徴とする生産設備。
【請求項8】
請求項6に記載の生産設備において、前記炭素副生成物が、約250℃〜約400℃の平均燃焼ポイントを有する共役炭素副生成物を含むことを特徴とする生産設備。
【請求項9】
請求項6に記載の生産設備において、前記炭素副生成物が、軟質炭素副生成物、並びに、約400℃以上の燃焼でなければ除去が略不可能である硬質炭素副生成物を含み、軟質炭素副生成物が硬質炭素副生成物よりも全炭素副生成物のより多くの比率を構成することを特徴とする生産設備。
【請求項10】
化学合成脱水プロセスは、
脱水物を形成するために、反応炉内部で多水酸基反応物を脱水触媒に曝すこと、
前記反応炉へ反応物の供給を中断すること、
前記反応物の供給中断後に、触媒の温度を800℃以下に維持しながら、ガスを反応炉に供給すること、及び
前記ガスの供給後に、反応物を反応炉に再度供給すること、
を具備することを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項11】
請求項10に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記ガスが酸化剤であることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項12】
請求項10に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記ガスが還元剤であることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項13】
請求項10に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記ガスが水を含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項14】
請求項10に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記ガスが二酸化炭素を含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項15】
請求項10に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記ガスが窒素を含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項16】
請求項10に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記ガスが水及び窒素の両方を含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項17】
請求項10に記載の化学合成脱水プロセスであって、さらに、前記反応炉へ反応物を再度供給の前に、脱水触媒にリン含有材料を補充することを含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項18】
請求項17に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記リン含有材料が有機リン酸塩材料であることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項19】
請求項18に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記リン含有材料がリン酸トリメチルであることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項20】
化学合成脱水プロセスは、
脱水物を形成するために、反応炉内部で水性反応性混合物を脱水触媒に曝して、前記反応性混合物が水及び多水酸基反応物からなること、
前記反応炉へ多水酸基反応物の供給を中断すること、
前記多水酸基反応物の供給中断後に、ガス状の水を反応炉に供給すること、及び
前記反応性混合物を反応炉に再度曝すこと、
を具備することを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項21】
請求項20に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記プロセスが、炭素副生成物を反応炉から除去することをさらに含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項22】
請求項21に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記炭素副生成物が触媒の表面から除去されることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項23】
請求項21に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記炭素副生成物が反応炉の内部から除去されることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項24】
請求項21に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記炭素副生成物が主として軟質炭素副生成物であることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項25】
化学合成脱水プロセスは、
内部に脱水触媒を有する反応炉にグリセロールを供給して、前記触媒がグリセロールの少なくとも一部を脱水物に転換すること、
前記反応炉へグリセロールの供給を中断すること、
前記グリセロールの供給中断後に、触媒の温度を800℃以下に維持しながら、酸化剤を反応炉に供給すること、及び
前記酸化剤の供給後に、グリセロールを反応炉に再度供給すること、
を具備することを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項26】
請求項25に記載の化学合成脱水プロセスであって、さらに、酸化剤の供給中に、触媒を活性化させることを含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項27】
請求項26に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記活性化触媒がピロリン酸塩を略含んでいないことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項28】
化学合成脱水プロセスは、
脱水触媒を反応炉内部に供給すること、
第1の導管を介してグリセロールを反応炉に供給すること、
第2の導管を介して水を反応炉に供給すること、
脱水物を形成するために、触媒をグリセロールに曝すこと、
前記グリセロールへ触媒を曝すことを中断すること、
前記グリセロールへ触媒を曝すことの中断後に、触媒を概ねガス状の水に曝すこと、及び
脱水物を形成するために、触媒をガス状の水に曝した後に、グリセロールを反応炉に供給すること、
を具備することを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項29】
化学合成脱水プロセスは、
脱水触媒床をその内部に有する反応炉を提供することと、
脱水物をグリセロールから形成するために、グリセロールを触媒床に曝すこと、
炭素副生成物を反応炉内部に形成すること、
前記触媒床へグリセロールの供給を中断すること、
前記供給中断後に、反応炉をガスに曝して、炭素副生成物の少なくとも一部を反応炉から放出するのに十分な温度に反応炉の内容物を加熱すること、
前記反応炉の内容物の加熱後に、グリセロールを反応炉内部に再度供給すること、
を具備することを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項30】
グリセロール脱水触媒は、
ヒュームド支持材と、
リン酸塩と、及び
周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRbと、
を具備することを特徴とするグリセロール脱水触媒。
【請求項31】
請求項30に記載のグリセロール脱水触媒において、前記ヒュームド支持材がSi、Al、Ti及びZrの1つ以上を含むことを特徴とするグリセロール脱水触媒。
【請求項32】
請求項30に記載のグリセロール脱水触媒において、前記ヒュームド支持材がSiを含むことを特徴とするグリセロール脱水触媒。
【請求項33】
請求項30に記載のグリセロール脱水触媒において、前記リン酸塩がリン酸二水素であることを特徴とするグリセロール脱水触媒。
【請求項34】
請求項30に記載のグリセロール脱水触媒において、前記1つ以上の金属とリン酸塩との割合が約1:2であることを特徴とするグリセロール脱水触媒。
【請求項35】
請求項30に記載のグリセロール脱水触媒において、前記1つ以上の金属がCoを含むことを特徴とするグリセロール脱水触媒。
【請求項36】
請求項30に記載のグリセロール脱水触媒において、前記支持材がヒュームドシリカを含むことを特徴とするグリセロール脱水触媒。
【請求項37】
グリセロール脱水方法は、グリセロールを触媒に曝して、前記触媒が、ヒユームド支持材、リン酸塩、及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属又はK、Cs又はRbからなり、曝すことは、アクロレイン及びアセトールの一方又は両方を形成することを特徴とするグリセロール脱水方法。
【請求項38】
請求項37に記載のグリセロール脱水方法において、前記グリセロールがバイオ燃料生産の副生成物であることを特徴とする記載のグリセロール脱水方法。
【請求項39】
請求項37に記載のグリセロール脱水方法において、前記グリセロールが反応性混合物に含まれ、混合物が3〜70%(wt/wt)のグリセロールを含むことを特徴とするグリセロール脱水方法。
【請求項40】
請求項39に記載のグリセロール脱水方法において、前記混合物が少なくとも約30%(wt/wt)のグリセロールを含むことを特徴とするグリセロール脱水方法。
【請求項41】
請求項39に記載のグリセロール脱水方法において、前記反応性混合物がN、CO及びHOの少なくとも1つ以上をさらに含むことを特徴とするグリセロール脱水方法。
【請求項42】
請求項41に記載のグリセロール脱水方法において、N及びCOの一方又は両方が反応性混合物の1%(wt/wt)未満であることを特徴とするグリセロール脱水方法。
【請求項43】
請求項39に記載のグリセロール脱水方法において、前記反応性混合物の温度が、触媒へ曝す前には、少なくとも約100℃であることを特徴とするグリセロール脱水方法。
【請求項44】
請求項37に記載のグリセロール脱水方法において、前記触媒を曝す間は250℃〜350℃の温度に維持されることを特徴とするグリセロール脱水方法。
【請求項45】
請求項37に記載のグリセロール脱水方法において、前記ヒュームド支持材がSiを含むことを特徴とするグリセロール脱水方法。
【請求項46】
請求項37に記載のグリセロール脱水方法において、前記1つ以上の金属がCoを含み、リン酸塩がリン酸二水素の形であることを特徴とするグリセロール脱水方法。
【請求項47】
グリセロール脱水触媒再生方法は、
使用済みグリセロール脱水触媒を供給して、前記触媒が、ヒュームド支持材、リン酸塩、及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRb、K及びCsからなること、及び
前記触媒を再生するために、触媒の温度を200℃以上に維持しながら、使用済み触媒をNのみ及び/又は空気の何れかに曝すこと、
を具備することを特徴とするグリセロール脱水触媒再生方法。
【請求項48】
請求項47に記載のグリセロール脱水触媒再生方法において、前記曝すことが、触媒の温度を550℃以上に維持しながら、触媒を覆うようにNのみ及び/又は空気の何れかを通過させることを特徴とするグリセロール脱水触媒再生方法。
【請求項49】
請求項47に記載のグリセロール脱水触媒再生方法において、前記曝すことが、
前記触媒の温度を200℃以上に維持しながら、使用済み触媒を覆うようにNのみを通過させること、及び
前記触媒の温度を550℃以上に維持しながら、使用済み触媒を覆うように空気を通過させること、
を具備することを特徴とするグリセロール脱水触媒再生方法。
【請求項50】
請求項49に記載のグリセロール脱水触媒再生方法において、前記使用済み触媒を覆うように空気を通過させる前に、使用済み触媒を覆うようにNのみを通過させることを特徴とするグリセロール脱水触媒再生方法。
【請求項51】
請求項47に記載のグリセロール脱水触媒再生方法であって、さらに、前記触媒からのCO発生をモニタリングすることを含むことを特徴とするグリセロール脱水触媒再生方法。
【請求項52】
グリセロール脱水システムは、
少なくとも2つの導管に連結された反応炉であって、前記2つの導管の一方が、反応物を反応炉に搬送するように構成され、2つの導管の他方が、生成物を反応炉から搬送するように構成される、反応炉と、
前記反応炉内部の触媒であって、該触媒が、ヒュームド支持材、リン酸塩、及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRb、K及びCsからなる、触媒と、
を具備することを特徴とするグリセロール脱水システム。
【請求項53】
請求項52に記載のグリセロール脱水システムにおいて、前記触媒がヒュームドSi、リン酸二水素及びCoを含むことを特徴とするグリセロール脱水システム。
【請求項54】
請求項52に記載のグリセロール脱水システムにおいて、前記一方の導管が、反応炉へその内容物を同時搬送する前に、内容物を気化するように構成されることを特徴とするグリセロール脱水システム。
【請求項55】
請求項52に記載のグリセロール脱水システムにおいて、前記反応炉が、100℃〜600℃の間の温度でプログラマブル加熱されるように構成されることを特徴とするグリセロール脱水システム。
【請求項56】
化学合成脱水プロセスは、
脱水物を形成するために、反応炉内部で多水酸基反応物をリン含有触媒に曝すこと、
前記反応炉へ反応物の供給を中断すること、及び
前記反応物の供給中断後に、リン含有材料を反応炉に供給して、リン含有材料が脱水触媒中のリンの量を増やすこと、及び
前記リン含有材料の供給後に、反応物を反応炉に再度供給すること、
を具備することを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項57】
請求項56に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記多水酸基反応物がグリセロールを含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項58】
請求項56に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記脱水物がアクロレイン及びアセトールの一方又は両方を含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項59】
請求項56に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記リン含有触媒が、ヒュームド支持材、リン酸塩、及び周期表の2〜12族の少なくとも1つ以上の金属及び/又はRb、K及びCsを含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項60】
請求項56に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記リン含有材料が有機リン酸塩を含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項61】
請求項60に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記有機リン酸塩がリン酸トリメチルを含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項62】
化学合成脱水プロセスは、多水酸基化合物の脱水物を形成するために、前記多水酸基化合物をリン酸Rb触媒に曝すことを具備することを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項63】
請求項62に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記多水酸基化合物がグリセロールを含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項64】
請求項63に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記グリセロールがバイオ燃料製造プロセスの副生成物であることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項65】
請求項62に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記多水酸基化合物の脱水物がアクロレイン及びアセトールの一方又は両方を含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項66】
請求項62に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記リン酸塩Rb触媒がSiによって支持されることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項67】
請求項62に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記リン酸塩Rb触媒がヒュームド支持体によって支持されることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項68】
請求項62に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記リン酸塩Rb触媒がヒュームドSi支持体によって支持されることを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項69】
請求項62に記載の化学合成脱水プロセスであって、さらに、
前記触媒へ多水酸基化合物を曝すことを中断すること、
前記触媒を再生すること、及び
前記多水酸基化合物の脱水物を形成するために、多水酸基化合物を触媒に再度曝すこと、
を具備することを特徴とする化学合成脱水プロセス。
【請求項70】
請求項69に記載の化学合成脱水プロセスにおいて、前記触媒の再生が、炭素副生成物の除去に十分な温度に触媒を加熱しながら、触媒をガスに曝すことを含むことを特徴とする化学合成脱水プロセス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公表番号】特表2013−515010(P2013−515010A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544949(P2012−544949)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061373
【国際公開番号】WO2011/075743
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512159487)バテル・メモリアル・インスティテュート (1)
【Fターム(参考)】