説明

多重視野反射望遠鏡内へのレーザー経路の挿入

本明細書中では、レーザー(118)および付随する構成要素(106、108、110、112、114、116)が内部に挿入されている多重視野反射望遠鏡(101、101’)が記載されている。さらに、本明細書では、目標(例えば標的)を測距するかまたは目標(例えば標的)を指定−ハイライト表示する目的で多重視野反射望遠鏡を使用する方法(400、500)が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【先行する提出済み米国出願の利益主張】
【0001】
本出願は、内容が参照により本明細書に援用されている2008年7月23日付けの「多重視野反射望遠鏡内へのレーザー経路の挿入」という題の米国仮特許出願第61/082,973号の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般に、レーザーおよび付随する構成要素が内部に挿入されている多重視野反射望遠鏡に関する。一実施形態において、多重視野反射望遠鏡は、目標(例えば標的)を測距するためおよび/または目標(例えば標的)を指定−ハイライト表示するために使用することができる。
【背景技術】
【0003】
望遠鏡のメーカーおよび設計者は、つねに望遠鏡の特徴および機能性の高度化に努めている。機能が強化された望遠鏡およびその使用方法が本発明の主題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様において、本発明は、(a)第1の入射瞳と;(b)第2の入射瞳と;(c)それぞれ第1の入射瞳と第2の入射瞳を通過した第1の光ビームと第2の光ビームを受光し反射する一次鏡と;(d)一次鏡から反射された第1および第2の光ビームを受光し反射する二次鏡と;(e)二次鏡から反射された第1および第2の光ビームを通過させるビームスプリッタと;(f)ビームスプリッタを通過した第1および第2の光ビームを受光し反射する三次鏡と;(g)射出瞳と;(h)三次鏡から反射された第1および第2の光ビームを受光し、射出瞳に第1および第2の光ビームを反射する四次鏡と;(i)少なくとも1つの光学部品により受光され、次にビームスプリッタにより受光されそこから第2の鏡に向かって反射されるレーザービームを発出するレーザーであって、第2の鏡がレーザービームを受光しそれを一次鏡に向かって反射し、一次鏡がレーザービームを受光し反射し視準する、レーザーと;(j)レーザーが使用されている非バイパスモードからレーザーが使用されていないバイパスモードまで移動させられることのできる可動折畳み鏡であって、バイパスモードにある場合に第3の光ビームと第4の光ビームを受光し、第3の光ビームおよび第4の光ビームが、射出瞳に向かって一次鏡、二次鏡、三次鏡および四次鏡により反射される代りに、射出瞳に向かって第3の光ビームおよび第4の光ビームを直接反射する、可動折畳み鏡と;を含む反射望遠鏡を提供する。本発明のその他の態様において、反射望遠鏡は、アセット(asset)(例えばレーザー誘導型兵器)について目標(例えば標的)を測距するためおよび/または目標(例えば標的)を指定−ハイライト表示するために使用することができる。
【0005】
別の態様において、本発明は、(a)第1の入射瞳と;(b)第2の入射瞳と;(c)それぞれ第1の入射瞳と第2の入射瞳を通過した第1の光ビームと第2の光ビームを受光し反射する一次鏡と;(d)一次鏡から反射された第1および第2の光ビームを受光し反射する二次鏡と;(e)二次鏡から反射された第1および第2の光ビームを通過させるビームスプリッタと;(f)ビームスプリッタを通過した第1および第2の光ビームを受光し反射する三次鏡と;(g)射出瞳と;(h)三次鏡から反射された第1および第2の光ビームを受光し、射出瞳に第1および第2の光ビームを反射する四次鏡と;(i)少なくとも1つの光学部品により受光され、次にビームスプリッタにより受光されそこから第2の鏡に向かって反射されるレーザービームを発出するレーザーであって、第2の鏡がレーザービームを受光しそれを一次鏡に向かって反射し、一次鏡がレーザービームを受光し反射し視準する、レーザーと;を含む反射望遠鏡を提供する。本発明のその他の態様において、反射望遠鏡は、アセット(例えばレーザー誘導型兵器)について目標(例えば標的)を測距するためおよび/または目標(例えば標的)を指定−ハイライト表示するために使用することができる。
【0006】
本発明の追加の態様は、一部には以下の詳細な説明、図面およびいずれかのクレームの中で規定され、一部には詳細な説明から導出され、あるいは本発明を実践することによって学びとることができる。以上の一般的記述および以下の詳細な説明が共に例示および説明を目的とするものであり、開示されている通りの本発明を限定するものではないということを理解すべきである。
【0007】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、より完全に理解できるかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る反射望遠鏡の基本的構成要素を示す線図である。
【図2A】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により超狭視野(図2A)および中視野(図2B)を分析することができるようにする非バイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされた場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図2B】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により超狭視野(図2A)および中視野(図2B)を分析することができるようにする非バイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされた場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図2C】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により超狭視野(図2A)および中視野(図2B)を分析することができるようにする非バイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされた場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図2D】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により超狭視野(図2A)および中視野(図2B)を分析することができるようにする非バイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされた場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図2E】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により超狭視野(図2A)および中視野(図2B)を分析することができるようにする非バイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされた場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図2F】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により超狭視野(図2A)および中視野(図2B)を分析することができるようにする非バイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされた場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図2G】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により超狭視野(図2A)および中視野(図2B)を分析することができるようにする非バイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされた場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図3A】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により狭視野(図3A)および広視野(図3B)を分析することができるようにするバイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされている場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図3B】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により狭視野(図3A)および広視野(図3B)を分析することができるようにするバイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされている場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図3C】本発明の一実施形態に係る1つまたは複数の多重視野結像装置により狭視野(図3A)および広視野(図3B)を分析することができるようにするバイパスモードに可動折畳み鏡が位置づけされている場合の反射望遠鏡を示す線図である。
【図4】本発明の一実施形態にしたがって目標(例えば標的)を測距するために図1に示された反射望遠鏡を使用する方法の基本ステップを示す流れ図である。
【図5】本発明の一実施形態にしたがって目標(例えば標的)を指定−ハイライト表示するために図1に示された反射望遠鏡を使用する別の方法の基本ステップを示す流れ図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る可動折畳み鏡を含まない反射望遠鏡の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜3を参照すると、本発明の一実施形態に係る多重視野反射望遠鏡100の複数の線図が示されている。図1に示されているように、反射望遠鏡100は、第1の(大型)入射瞳102、第2の(小型)入射瞳104、一次鏡106、二次鏡108、ビームスプリッタ110(例えばダイクロイックビームスプリッタ110)、三次鏡112、四次鏡114、可動折畳み鏡116(例えば可動折畳み平面鏡116)、レーザー118、1つ以上の光学部品120(レーザー118に付随するもの)および射出瞳122を含んでいる。反射望遠鏡100は、射出瞳122と結合されている1つ以上の多重視野結像装置124とインタフェース接続している。望まれる場合、反射望遠鏡100は電気光学ジンバルアセンブリ101の内部に実装され得る。反射望遠鏡100は、図2〜5に関して以下で詳述するように目標(例えば標的)を結像するために多重視野を対応させることができると同時に、目標(例えば標的)を測距しかつ/または目標(例えば標的)を指定しハイライト表示するためにレーザー118を使用できるようにすることから望ましいものである。
【0010】
図2A〜2Gを参照すると、本発明にしたがって可動折畳み鏡116が超狭視野200a(図2A)または中視野200b(図2B)に対応する非バイパスモードで位置づけされている、反射望遠鏡100の線図が示されている。図2Aでは、反射望遠鏡100は、超狭視野200aに結びつけられた第1の(大型)入射瞳102内を通過する目標(図示せず)からの入射ビーム201a(光ビーム201a)を受光している状態で示されている。ビーム201aは次に、一次鏡106(例えば一次非球面凹面鏡106)により反射され、この一次鏡はビーム201aをビーム202aへと収束させる。ビーム202aは、二次鏡108(例えば二次非球面凸面鏡108)上に入射し、この二次鏡は収束ビーム203aを反射する。ビーム203aは、ビームスプリッタ110を通過し、三次鏡112(例えば三次非球面鏡112)上に入射し、この三次鏡は収束ビーム204aを反射して中間画像206aを形成する。中間画像206aから、ビーム204aは発散し、四次鏡114(例えば四次非球面凹面鏡114)上に入射し、この四次鏡は実質的にビーム205aを視準し、これを射出瞳122へと反射する。射出瞳122は、1つまたは複数の多重視野結像装置のための適切な結合を提供するのに充分なほどのクリアランスを四次鏡114との間に有する。1つまたは複数の多重視野結像装置124は、ビーム205aを分析し、目標を結像することができるように、狭視野で作動するように設定されている。この例においては、三次鏡112は、入射ビーム201aと大きな傾動角(例えば43°)を成して配置され、こうして反射されたビーム204aおよび205aが一次鏡106の前を通過するビーム折畳み構成が提供される。こうして、入射ビームと射出ビーム201aおよび205aの間のビーム折畳み機能が提供され、これにより、極めてコンパクトなシステム構成が可能になる。図2Aには、明確さを期して、中視野200bに付随する入射ビーム201bを示さず、レーザー118が発出するレーザービーム201c’、201c’’および201c’’’も示さなかった(図2B〜2Eを参照のこと)。
【0011】
図2Bでは、反射望遠鏡100は、中視野200bに結びつけられた第2の入射瞳104(小開口104)内を通過する目標(図示せず)からの入射ビーム201b(光ビーム201b)を受光している状態で示されている。ビーム201bは次に、一次鏡106(例えば一次非球面凹面鏡106)により反射され、この一次鏡はビーム201bをビーム202bへと収束させる。ビーム202bは、二次鏡108(例えば二次非球面凸面鏡108)上に入射し、この二次鏡はビーム203bを反射する。ビーム203bは、ビームスプリッタ110を通過し、三次鏡112(例えば三次非球面鏡112)上に入射し、この三次鏡は収束ビーム204bを反射して中間画像206bを形成する。中間画像206bから、ビーム204bは発散し、四次鏡114(例えば四次非球面凹面鏡114)上に入射し、この四次鏡は実質的にビーム205bを視準し、これを射出瞳122へと反射する。射出瞳122に結合された1つまたは複数の多重視野結像装置124は、ビーム205bを分析し、目標を結像することができるように、広視野で作動するように設定されている。図2Bには、明確さを期して、超狭視野200aに付随する入射ビーム201aを示さず、レーザー118が発出するレーザービーム201c’、201c’’および201c’’’も示さなかった(図2Aおよび2C〜2Eを参照のこと)。
【0012】
図2Cにおいては、この例では反射凸面鏡120’である光学部品120’に向かってレーザー118(例えば比較的高エネルギーの近赤外線レーザー118)が平行レーザービーム201cを発出している反射望遠鏡100が示されている。反射凸面鏡120’(例えばダイヤモンド旋削された凸面鏡120’)は、傾動され偏心されて結像ビーム203aおよび203bの経路からのクリアランスを提供する必要があるかもしれない(図2Fを参照のこと)。作動中、反射凸面鏡120’は、レーザー118が発出するレーザービーム201c’を受光し、ビームスプリッタ110に発散レーザービーム202c’を反射する。ビームスプリッタ110は、発散レーザービーム202c’を受光し、発散レーザービーム203c’を二次鏡108に向かって反射する。二次鏡108は、発散レーザービーム203c’を受光し、発散レーザービーム204c’を一次鏡106に向かって反射する。一次鏡106は発散レーザービーム204c’を受光し、平行レーザービーム205c’を目標(例えば標的)に向かって反射する。
【0013】
例示的利用分野においては、目標(例えば標的)に導かれたレーザービーム205c’の一部分が目標(例えば標的)により反射され、その後第1の入射瞳102で受光され、一次鏡106、二次鏡108、ビームスプリッタ110および反射凸面鏡120’(これは反射されたレーザービームを再視準する)に導かれそこから反射されてから、レーザー118内部の検出器によって受光される(注:以下に記述する光学素子120’’および120’’’も同様に反射されたレーザービームを再視準する)。こうして、目標(例えば標的)から反射されたレーザービームは、レーザー118から発出されたレーザービーム201c’、202c’、203c’、204c’および205c’の経路とは逆の経路を効果的にたどる。この特定の利用分野は、レーザービーム205c’がレーザー118から目標(例えば標的)までそしてレーザー118に戻るまでの往復行程を走行するのに必要な時間を測定することによって目標(例えば標的)を測距するために用いることができる。別の例示的利用分野において、アセット(例えばレーザー誘導型兵器)がハイライト表示された目標(例えば標的)を認識することができるように、反射望遠鏡100が発出したレーザービーム205c’は、目標(例えば標的)を指定しハイライト表示するために使用可能である。これらの利用分野は両方共、図4〜5に関して以下でさらに詳述される。
【0014】
図2Dにおいては、この例では屈折再視準用光学ユニット120’’である光学部品120’’に向かってレーザー118が平行レーザービーム201c’’を発出している反射望遠鏡100が示されている。図示されている通り、屈折再視準用光学ユニット120’’は、傾動ウェッジプレート130aおよび再視準用屈折アクロマートダブレット130bを含む。あるいは、傾動ウェッジプレート130aを、軸外レンズ、または傾動屈折非球面レンズまたは軸外レンズと傾動屈折非球面レンズの組合せにより置換することができる。作動中、屈折再視準用光学ユニット120’’そして詳細には再視準用屈折アクロマートダブレット130bは、レーザー118が発出したレーザービーム201c’’を受光しこれを傾動ウェッジプレート130aに導き、この傾動ウェッジプレートは発散レーザービーム202c’’をビームスプリッタ110に向かって導く。ビームスプリッタ110は、発散レーザービーム202c’’を受光し、発散レーザービーム203c’’を二次鏡108に向かって反射する。二次鏡108は、発散レーザービーム203c’’を受光し、発散レーザービーム204c’’を一次鏡106に向かって反射する。一次鏡106は発散レーザービーム204c’’を受光し、平行レーザービーム205c’’を目標(例えば標的)に向かって反射する。屈折再視準用光学ユニット120’’を伴う反射望遠鏡100は、前述の測距の利用分野および/または前出の指定−ハイライト表示の利用分野を実施するために使用可能である。
【0015】
図2Eにおいては、この例では屈折(または反射)光学機械レンズ132aとガスセル132bを含む光学ユニット120’’’に向かってレーザー118が平行レーザービーム201c’’’を発出している反射望遠鏡が示されている。作動中、光学ユニット120’’’そして詳細には屈折(または反射)光学機械レンズ132aは、レーザー118が発出した平行レーザービーム201c’’’を受光し、ガスセル132bの内部に位置設定された中間画像134を形成する集束レーザービーム202c’’’を出力する。ガスセル132bは、集束レーザービーム202c’’’が空気中で中間画像134を形成して、空気をプラズマへと分解させた場合に発生する可能性のある、視界を制限し潜在的に結像機能を損うと思われる空気のイオン化を防ぐ気体を収納している。ガスセル132bは、発散レーザービーム203c’’’をビームスプリッタ110に向かって導く。ビームスプリッタ110は、発散レーザービーム203c’’’を受光し、発散レーザービーム204c’’’を二次鏡108に向かって反射する。二次鏡108は、発散レーザービーム204c’’’を受光し、発散レーザービーム205c’’’を一次鏡106に向かって反射する。一次鏡106は発散レーザービーム205c’’’を受光し、平行レーザービーム206c’’’を目標(例えば標的)に向かって反射する。屈折再視準用光学ユニット120’’’を伴う反射望遠鏡100は、前述の測距の利用分野および/または前出の指定−ハイライト表示の利用分野を実施するために使用可能である。
【0016】
再び図2A〜2Bを参照すると、反射望遠鏡100内へのレーザー118の挿入は、中間画像206aおよび206bの前にビームスプリッタ110(例えばダイクロイックビームスプリッタ110)を設置することによって達成可能である。ビームスプリッタ110は、二次ビーム202aおよび202bと出力ビーム205aおよび205bの間の部域内に挿入されることによって、問題のあるレーザーフルエンスレベルを劇的に削減し、このときこれによってビームスプリッタ110上に設置できるコーティングのタイプに対する制約が削減される。ビームスプリッタ110は、収束ビームと相互作用する傾動プレートが非点収差およびコマ収差を作り出すことから、全く傾動の無い状態で示されている。しかしながら、レーザービーム201’、201c’’および201c’’’のクリアランスを得るために、ビームスプリッタ110は、結像性能を有意な影響を及ぼすことなく僅かに数度だけ傾動させることができると思われる。ビームスプリッタ110は、光ビーム203aおよび203bに付随する可視光および赤外線などのその他の波長域を透過させる一方で、特定の波長を有するレーザービーム202’、202c’’および202c’’’を反射する。ビームスプリッタ110上のレーザーフットプリントは広く、1つまたは複数のレーザー波長を透過させる代りに反射することから、コーティングは、より容易に製造可能で、遭遇するレーザーフルエンスレベルは著しく削減される可能性がある。
【0017】
図2Fには、可動折畳み鏡116が非バイパスモードに位置づけされた場合に互いに重ね合わされている、それぞれ超狭視野200aおよび中視野200bの両方についてのビーム201a、202a、203a、204a、205a、および201b、202b、203b、204b、205b(明確さを期してこの図面ではビーム201a、205a、201bおよび205bのみが標識されているが、これらのビーム全てを見るためには図2Aおよび2Bを参照のこと)ならびにレーザービーム201c’、202c’、203c’、204c’、205c’または201c’’、202c’’、203c’’、204c’’、205c’’または201c’’’、202c’’’、203c’’’、204c’’’、205c’’’、206c’’’(明確さを期して、この図面ではレーザービーム201c’、201c’’、201c’’’、205c’、205c’’および206c’’’のみが標識されているが、これらのレーザービームを全て見るためには図2C−2Eを参照のこと)を示す反射望遠鏡100の線図がある。所望の場合には、1つの多重視野結像装置124を使用し、1つの目標を結像する目的で別個にビーム205aまたは205bを分析するために狭視野モードかまたは広視野モードのいずれかで作動するようにこれを制御することができる。しかしながら、変形実施形態においては、2つの別個の結像装置124を用いて、ビーム205aおよび205bを同時に分析して、その目標の2つの画像を形成することができる。図2Gは、ビーム201aおよび201bそしてレーザービーム204c’、204c’’または205c’’が一次鏡106上に作るサイズを示している。一実施形態において、一次鏡106は、収差の観点から見て最適な形状である競馬場様の「楕円」形状を有する。あるいは、一次鏡106は、円形または矩形の形状を有することができる。
【0018】
図3A〜3Cを参照すると、本発明に係る超狭視野300a(図3A)または広視野300b(図3B)に対応するバイパスモードに可動折畳み鏡116が位置づけられている反射望遠鏡100の線図がある。この特定のセットアップにおいては、レーザー118が一次鏡106により視準されないと考えられることから、可動折畳み鏡116がバイパスモードにある場合、レーザー118は使用されないと思われる。図3Aでは、入射ビーム301aが狭視野300aと結びつけられている、目標(図示せず)からの入射ビーム301a(光ビーム301a)を受光している状態の反射望遠鏡100が示されている。ビーム301aは、ビーム302aを射出瞳122に導く可動折畳み鏡116によって受光される。射出瞳122に結合された1つまたは複数の多重視野結像装置124は、ビーム302aを分析し目標を結像することができるように、狭視野モードで作動するように設定されている。図3Bでは、入射ビーム301bが広視野300bと結びつけられている、目標(図示せず)からの入射ビーム301b(光ビーム301b)を受光している状態の反射望遠鏡100が示されている。ビーム301bは、ビーム302bを射出瞳122に導く折畳み鏡116によって受光される。射出瞳122に結合された1つまたは複数の多重視野結像装置124は、ビーム302bを分析し目標を結像することができるように、広視野モードで作動するように設定されている。
【0019】
図3Cには、可動折畳み鏡116がバイパスモードに位置づけされた場合に互いに重ね合わされている、それぞれ狭視野300aおよび広視野300bの両方についてのビーム301a、302a、301bおよび302bを示す反射望遠鏡100の線図がある。所望の場合には、1つの多重視野結像装置124を使用し、目標を結像させる目的で別個にビーム302aまたは302bを分析するために狭視野モードかまたは広視野モードのいずれかで作動するようにこれを制御することができる。しかしながら、変形実施形態においては、2つの別個の結像装置124を用いて、ビーム302aおよび302bを同時に分析して、目標を結像させることもできる。実際、本明細書中で論述された反射望遠鏡100は、4つの異なる視野すなわち超狭視野FOV200aおよび中視野FOV200b(図2A〜2B)および狭視野FOV300aおよび広視野FOV300b(図3A〜3B)を有する。こうして、所望の場合には、2視野の赤外線結像装置124を用いることにより4つの「夜間」視野を得ることができる。そして4つの「昼間」視野を得るためには、2視野可視カメラ124を使用することができると考えられる。これらの結像装置124は両方共、2視野赤外線結像装置124および2視野可視カメラ124が受光する前に可視画像から赤外線画像を分割するべく射出瞳122の後にビームスプリッタ(図示せず)を設置することにより、同時に実施することも可能であると考えられる。
【0020】
再び図1を参照すると、鏡106、108、112および114の各々の軸が示されている。短破線170、172、174および176は、それぞれ鏡106、108、112および114の表面の仮想曲率延長を示す。長破線178、180、182および184は、それぞれ鏡106、108、112および114の軸を表わす。好ましい実施形態において、軸182は同軸ではない。この非同軸性は、鏡106、108、112および114の最適化された屈折力分布および設置と合わせて、画像の明瞭化を提供し、最適な画質を達成する。しかしながら、一次鏡106および二次鏡108は特に、具体的な設計要件に応じて同軸であってよく、それでも本発明の範囲内に入る。また、四次鏡114は、本発明の変形実施形態において、鏡106および108の反射軸(三次鏡112を通して反射される)と同軸にすることができる。
【0021】
反射望遠鏡100は、鏡106、108、112、114および116の曲率半径の比率およびそれらの相対的場所によって決定される倍率を有する。例示的な4倍の反射望遠鏡100についての詳細が、表1〜5に関連して以下で提供されており、ここで鏡106、108、112、114および116の形状はそれぞれ凹面、凸面、平面、凹面および平面である。表1は、反射望遠鏡100の4:1の画像縮小実施形態についての表面仕様データを提示している。表1において、「偏心」(D(j))は、反射望遠鏡100の表面を定義するために用いられる新しい座標系(移動および/または回転)を定義している。偏心に続く表面は、新しい座標系の局所的機械軸(z軸)上に心合せされる。そしてこの新しい機械軸は、別の偏心により変更されるまで使用され続ける。移動および傾動が所与の表面に適用される順序は、異なる新しい座標系を生成する異なる偏心タイプを使用することにより特定される。
【0022】
表1において、全ての寸法は、ミリメートル単位で示されている。そして正の曲率半径は、曲率中心が右にあることを意味し、負の曲率半径は、曲率中心が左にあることを意味している。さらに、厚みは、隣接する表面までの軸方向距離を表わしている。最後に表1において、A(i)は、以下の等式により定義される非球面鏡iを表わしている。
【数1】

【0023】
なおここで、基本曲率(CURV)および非球面定数K、A、B、CおよびDは表2に示されている。
【0024】
表3では、開口直径はC−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6およびC−7として記されており、直径、偏心系および回転の観点からみた開口データも示されている。表4には、偏心系のデータが示されており、ここで傾動構成は、標準的なデカルト座標系の用語にしたがうように角度アルファ、ベータおよびガンマ(度)により定義されている。トレイリングコード(trailing code)RETUは、偏心に先行する座標系への復帰を意味し、BENDは、問題の表面の傾動に等しい量だけ反射に後続して座標系を傾動させることを意味する。最後に、表5は、位置2における大きな入射瞳102(小さい視野)から小さい入射瞳104(より大きい視野)までの、そして位置3におけるレーザーパラメータの挿入を伴う直径の変化を記している。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【0025】
図4を参照すると、図1に示されている反射望遠鏡100を使用して本発明の一実施形態にしたがって目標(例えば標的)を測距するための方法400の基本的ステップを示す流れ図がある。ステップ402において、反射望遠鏡100が提供される。ステップ404では、反射望遠鏡100は、第1の光ビーム201a、第2の光ビーム201b、第3の光ビーム301aまたは第4の光ビーム301bの1つを受光し、これは次に分析されて目標(例えば標的)を結像する。ステップ406では、必要な場合に非バイパスモードへと可動折畳み鏡116を移動させるような形で、反射望遠鏡100が構成される(図2A−2F参照)。ステップ408では、反射望遠鏡100は、レーザー118が目標(例えば標的)にレーザービーム205c’、205c’’または206’’’を導くことができるような形で位置づけされる。ステップ410では、レーザーそして詳細にはその中に位置設定された検出器は、目標(例えば標的)から反射されたレーザービームの少なくとも一部分を受光する。ステップ412では、処理ユニット(図示せず)を用いてレーザービームがレーザー118から目標(例えば標的)までそしてレーザー118に戻るまでの往復行程を走行するのに必要な時間が測定され、ここで、測定された時間は、反射望遠鏡100から目標(例えば標的)までの距離を表わしている。ステップ414(任意)では、レーザー118は、発出したレーザービーム205c’、205c’’または206’’’の波長を変更するように構成されている。ステップ416(任意)では、レーザー118は、変更された波長をもつレーザービームを目標(例えば標的)に導いて、目標(例えば標的)を指定しハイライト表示し、こうしてアセット(例えばレーザー誘導型兵器)が指定−ハイライト表示された目標(例えば標的)を認識できるようにしている。
【0026】
図2C〜2Eに示された反射望遠鏡100では、目標(例えば標的)が反射したレーザービームがステップ410中でひとたび受光された場合、反射されたレーザービームは光ビーム203aおよび203bの結像チャンネルの下にクリアランスを得ることができ、再視準された後にレーザー118にある検出器により受光される、ということがわかる。1つのケースでは、反射されたレーザービームは、ダイヤモンド旋削された凸面鏡120’によって再視準され得、この鏡は同様に、傾動され偏心されて、図2Cに示されているような光ビーム203aおよび203bの結像経路からのクリアランスを提供してよい。あるいは、反射されたレーザービームを、図2Dに示されている傾動ウェッジプレート130a(非点収差およびコマ収差を補償するために使用される)および屈折アクロマートダブレット130b(2つの近赤外線波長での視準に使用される)を含む屈折再視準用光学ユニット120’’により再視準できると考えられる。あるいは、レーザー経路のための再結像用望遠鏡を効果的に作り出す図2Eに示された屈折(または反射)光学機械レンズ132aおよびガスセル132bを含む光学ユニット120’’’を使用することによって、反射されたレーザービームを再視準できると考えられる。
【0027】
図5を参照すると、図1に示されている反射望遠鏡100を使用して本発明の一実施形態にしたがって目標(例えば標的)を指定−ハイライト表示するための方法500の基本的ステップを示す流れ図がある。ステップ502において、反射望遠鏡100が提供される。ステップ504では、反射望遠鏡100は、第1の光ビーム201a、第2の光ビーム201b、第3の光ビーム301aまたは第4の光ビーム301bの1つを受光し、これは次に分析されて目標(例えば標的)を結像する。ステップ506では、必要な場合に、非バイパスモードへと可動折畳み鏡116を移動させるような形で、反射望遠鏡100が構成される(図2A−2F参照)。ステップ508では、反射望遠鏡100は、レーザー118が目標(例えば標的)にレーザービーム205c’、205c’’または206’’’を導き、目標(例えば標的)を指定しハイライト表示し、こうしてアセット(例えばレーザー誘導型兵器)が指定−ハイライト表示された目標(例えば標的)を認識できるような形で位置づけされる。
【0028】
レーザー測距方法400およびレーザー指定方法500の上述の機能性は、反射望遠鏡100に対するレーザー118の付加によって可能になっている。これらの機能性について以下でさらに詳細に記述する:
・ レーザー測距方法400は、オペレータが標的または関心を引きつけられるその他の目標を発見できるように、反射望遠鏡100を夜間(赤外線)または昼間(可視)のどちらでも作動できるために望ましい。このとき、オペレータは、この目標にレーザー118を放射することができる。レーザービームは反射望遠鏡100外を走行し、標的から反射または散乱され、エネルギーの小さな部分が次に反射望遠鏡100に戻り、レーザーユニット118内の検出器上へ結像する。レーザービームが、レーザー−標的−レーザーの往復行程を走行するのに必要とされる時間を測定することで、標的までの射程(または距離)を容易に計算することができる。標的までの射程を知ることで、オペレータは、標的の脅威を特徴づけし、交戦の筋書きを決定し、レーザー誘導型兵器システムのための標的パラメータを設定することができる。
【0029】
・ レーザー指定方法500は、オペレータが標的または関心を引きつけられるその他の目標を発見できるように、反射望遠鏡100が夜間(赤外線)または昼間(可視)のどちらでも作動できるために望ましい。このとき、オペレータは、視野内のその他のアセット(例えばレーザー誘導型兵器)のための目標を識別するため、この目標にレーザー118を放射することができる。所望される場合、オペレータは、標的にレーザービームの閃光をあてることにより、選択された標的をハイライト表示または標示することができる。レーザービームの指定波長に応答するアセット(例えば局在化したアセット)は、このとき、標的から反射または散乱させられた光を結像させ、同じ標的を認識することができる。アセットの1つの具体例は、レーザー誘導型兵器である。例えば、無力化(neutralization)のために標的を選択する場合には、オペレータはその標的にレーザービームを放射することで標的をハイライト表示することができる。レーザー誘導型兵器の結像システムは、標的からの反射光または散乱光と結びつけられた波長に応答する。レーザー誘導型兵器システムはこのとき、兵器を直接標的まで誘導できるように、セントロイドアルゴリズムを用いて、そのセンサーの視野の中心に標的を置くことができる。1つまたは複数のレーザー誘導型兵器は、オペレータと同じ場所に配置するか、またはその他のアセットにより遠隔放出させることができる。
【0030】
・ レーザー測距方法400は、両方の方法が典型的に、眼の安全性の問題のためわずかに異なる波長に設定されたレーザー118を用いて実施される場合、レーザー指定方法500を含むことができる。例えば、レーザー測距方法400は、オペレータおよび視野内のその他の味方のアセットを防御するため眼に安全な波長で実施されると考えられる。これとは対照的に、レーザー指定方法500は、多くの場合、レーザー誘導型兵器システムを良好に作動させためにはるかに多くのエネルギーを要し、典型的には眼に安全な波長を使用しない。したがって、無色化(achromatize)が可能であり、または多重波長で作動できる反射望遠鏡100は著しい利点をもつ。その上、全反射光学素子を伴う反射望遠鏡100はいかなる色収差も導入しないと考えられる。実装上の問題から反射望遠鏡100が図2Dに示されている光学部品120’’のような屈折解決法を使用する場合には、導入される色収差を補正するために2倍以上の倍率のレンズ群が必要となるかもしれない。
【0031】
反射望遠鏡100内へのビームスプリッタ110(例えばダイクロイックビームスプリッタ110)の挿入は、夜間および昼間結像システム124と同時に、開放レーザー受光器/指定器の使用を可能にする。一実施形態では、ビームスプリッタ110は、1つまたは複数のレーザー波長(典型的には近赤外1〜2マイクロメートル)を反射し、光ビーム203aおよび203bの結像用波長を透過させる材料でコーティングされている(図2A−2Bを参照のこと)。昼間可視CCDカメラ124と夜間中波および長波赤外線結像装置124の両方が使用される場合には、ビームスプリッタの基板のために無色透明の硫化亜鉛(Cleartran)またはフッ化カルシウムのような材料を使用することができ、ビームスプリッタ110をコーティングするために例示的多層ノッチコーティング(notch coating)を適用することができる。ビームスプリッタ110は同様に、一次鏡106から出て二次鏡108に衝突する光ビーム202aおよび202bのためのビームにクリアランスを与えながら可能なかぎり二次鏡108に近いところに設置されなくてはならない。レーザービーム202c’、202c’’および203c’’’が、二次鏡108を出た結像用光ビーム203aおよび203bの下で反射できるようにするためにオフセットされた望遠鏡の開口の平面内でビームスプリッタ110をわずかに傾動させる必要があるかもしれない。ひとたびクリアランスが達成されたならば、上述の光学ユニット120’、120’’および120’’’のいずれかを用いてレーザー光を再視準することができる(図2C〜2Eを参照のこと)。
【0032】
図6を参照すると、本発明の別の実施形態に係る反射望遠鏡100’がある。この反射望遠鏡100’は、可動折畳み鏡116を有していないという点を除き、図1に示された反射望遠鏡100と類似している。図示した通り、反射望遠鏡100’は、第1の(大きい)入射瞳102、第2の(小さい)入射瞳104、一次鏡106、二次鏡108、ビームスプリッタ110(例えばダイクロイックビームスプリッタ110)、三次鏡112、四次鏡114、レーザー118、1つ以上の光学部品120(レーザー118に結びつけられたもの)および射出瞳122を含む。所望の場合、反射望遠鏡100’を、電気光学ジンバルアセンブリ101’の内部に実装することができる。反射望遠鏡100’は1つ以上の多重視野結像装置124とインタフェース接続され、これらの結像装置は射出瞳122に結合されている。反射望遠鏡100’を用いて、目標(例えば標的)を測距しかつ/または目標(例えば標的)を指定−ハイライト表示することができる。
【0033】
以上のことから、当業者であれば、反射望遠鏡100および100’は、目標(例えば標的)の測距または目標(例えば標的)の指定−ハイライト表示などの異なる利用分野で性能を発揮できるという点において、望ましいものであることを直ちに認識できる。以上では本発明のいくつかの異なる実施形態を記述してきたが、特に以上の教示に照らして当業者により修正を加えられてもよいことから、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではないということを理解すべきである。これを例証する目的で、以下では、多重視野反射望遠鏡内にレーザー経路を挿入することが考えられる異なる方法の一部をさらに例証するための複数の追加の変形形態について論述する。まず第1に、ビームスプリッタの使用を削除し、レーザーを、反射望遠鏡全体を通して伝送させることができるが、これは中間画像における空気の絶縁破壊とプラズマ発生をひき起こすと考えられる。空気を除去しレーザービームによるプラズマ発生を防止するために中間画像の近くにガスセルを挿入しても、結像チャンネル内での伝送の不明瞭化、収差および損失が結果としてもたらされることから、この問題に対処することはできないと思われる。第2にビームスプリッタを使用せずに、その代りに折畳み鏡内にレーザーチャンネルを通すための中央孔を開けることができるが、これは、結像チャンネルの視野の中心に大きな不明瞭化を作り出すと考えられる。さらに、結像チャンネルとレーザーの照準を同時に合わせなければならないと考えられ、したがってレーザーのための角度オフセットの使用は不可能と思われる。
【0034】
以下に記すのは、本発明の実施形態に係る反射望遠鏡100および100’のいくつかの追加の特徴、利点および使用である:
・ 全反射(または反射光学)型反射望遠鏡100および100’は、レンズを通した場合に存在するような反射表面からの分散が一切ないことから色収差を回避する。そのため、反射望遠鏡100および100’では、赤外線から紫外線までの広範囲の電磁放射を幾何光学限界内で同一の形で拡大することができる。
【0035】
・ 入射瞳102および104は、入射ビーム201a、201b、301aおよび301bに沿ってどこに配置されてもよく、その一方または両方を一次鏡106に配置して、射出瞳122が確実に同一平面内にくるようにしてよい。
【0036】
・ 無限焦点の全反射(反射光学)型反射望遠鏡100および100’は、収差を最小限におさえかつ高い波面品質で全範囲のカバレッジを提供しながら、多大な拡大能を提供する。
【0037】
・ 反射望遠鏡100および100’は、非球面鏡106、108、112および114を備えることができる。また、バイパス鏡116が使用される場合、それは平面鏡である。
【0038】
・ 反射望遠鏡100および100’は、有利にも電気光学ジンバルアセンブリ101および101’内に実装するのに適したボール状の形態を有する(図1および6)。このようなアセンブリーにおいては、反射望遠鏡100および100’は、大気中および大気圏外空間での利用分野に充分適していると考えられる。
【0039】
・ 多重視野結像装置124は、2つ、3つまたはそれ以上の視野を分析することができる。例えば、本発明において幾分かの小さい修正を加えた上で使用可能な市販の多重視野結像装置124が、Oregon Camera SystemsによりSC5500という商標名で販売されている。
【0040】
・ 反射望遠鏡100は同様に、以下の利点をも有している:
・ 結像経路内の屈折構成要素を最小限におさえる。
【0041】
・ レーザー光はビームスプリッタコーティングを通して透過するのではなく反射される。
【0042】
・ レーザーフットプリントはビームスプリッタ110上で大きく、そのためレーザーフルエンスおよび損傷閾値が削減される。
【0043】
・ レーザー経路のために屈折型または反射型のいずれかの再視準用レンズを使用することができる。
【0044】
・ 非再結像オプションはレーザービームの画像を生成せず、そのため、レーザー経路内にガスセルを設置する必要がない(図2C〜2Dを参照)、
・ 再結像オプションは、小さい中間画像を作り出すが、結像用ビームではなくレーザー波長のみを通過する超小型ガスセルしか必要としない(図2Eを参照のこと)。
【0045】
・ 反射型再視準用レンズは色収差を導入せず、したがって、同じ設計で任意のレーザー波長を使用すること、あるいは多重レーザーを使用することができる。
【0046】
本発明の多数の実施形態が添付図面で示され以上の詳細な説明において記述されてきたが、本発明は開示された実施形態に限定されず、以下のクレームにより規定され定義されている通りの本発明の精神から逸脱することなく、数多くの再構成、修正および置換を加えることのできるものである、ということを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 第1の入射瞳(102)と;
− 第2の入射瞳(104)と;
− それぞれ前記第1の入射瞳と前記第2の入射瞳を通過した第1の光ビーム(201a)と第2の光ビーム(201b)を受光し反射する一次鏡(106)と;
− 前記一次鏡から反射された前記第1および第2の光ビームを受光し反射する二次鏡(108)と;
− 前記二次鏡から反射された前記第1および第2の光ビームを通過させるビームスプリッタ(110)と;
− 前記ビームスプリッタを通過した前記第1および第2の光ビームを受光し反射する三次鏡(112)と;
− 射出瞳(122)と;
− 前記三次鏡から反射された前記第1および第2の光ビームを受光し、前記射出瞳に前記第1および第2の光ビームを反射する四次鏡(114)と;
− 少なくとも1つの光学部品(120、120’、120’’、120’’’)により受光され、次に前記ビームスプリッタにより受光されそこから前記第2の鏡に向かって反射されるレーザービーム(201c’、201c’’、201’’’)を発出するレーザー(118)であって、前記第2の鏡が前記レーザービームを受光しそれを前記一次鏡に向かって反射し、前記一次鏡が前記レーザービームを受光し反射し視準する、レーザー(118)と;
− 前記レーザーが使用されている非バイパスモードから前記レーザーが使用されていないバイパスモードまで移動させることのできる可動折畳み鏡(116)であって、前記バイパスモードにある場合に第3の光ビーム(301a)と第4の光ビーム(301b)を受光し、前記第3の光ビームおよび前記第4の光ビームが、前記射出瞳に向かって前記一次鏡、前記二次鏡、前記三次鏡および前記四次鏡により反射される代りに、前記射出瞳に向かって前記第3の光ビームおよび前記第4の光ビームを直接反射する、可動折畳み鏡(116)と;
を含むことを特徴とする反射望遠鏡(100)。
【請求項2】
前記可動折畳み鏡が非バイパスモードに位置づけされている場合に前記射出瞳において前記第1の光ビームまたは前記第2の光ビームのいずれかを分析するための多重視野結像装置(124)をさらに含み、ここで前記第3の光ビームおよび前記第4の光ビームが前記射出瞳に向かって反射されないことを特徴とする請求項1に記載の反射望遠鏡。
【請求項3】
前記可動折畳み鏡がバイパスモードに位置づけされている場合に前記射出瞳において前記第3の光ビームまたは前記第4の光ビームのいずれかを分析するための多重視野結像装置(124)をさらに含み、ここで前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームが前記射出瞳に向かって反射されないことを特徴とする請求項1に記載の反射望遠鏡。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光学部品が反射凸面鏡(120’)を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射望遠鏡。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光学部品が、傾動ウェッジプレート(130a)と再視準用屈折アクロマートダブレット(130b)とを含む屈折再視準用光学機械レンズユニット(120’’)を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射望遠鏡。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光学部品(120’’’)が、ガスセル(132b)および再視準用光学機械レンズ(132b)を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射望遠鏡。
【請求項7】
反射望遠鏡(100)を使用するための方法(400)において、
−・ 第1の入射瞳(102)と;
・ 第2の入射瞳(104)と;
・ それぞれ前記第1の入射瞳と前記第2の入射瞳を通過した第1の光ビーム(201a)と第2の光ビーム(201b)を受光し反射する一次鏡(106)と;
・ 前記一次鏡から反射された前記第1および第2の光ビームを受光し反射する二次鏡(108)と;
・ 前記二次鏡から反射された前記第1および第2の光ビームを通過させるビームスプリッタ(110)と;
・ 前記ビームスプリッタを通過した前記第1および第2の光ビームを受光し反射する三次鏡(112)と;
・ 射出瞳(122)と;
・ 前記三次鏡から反射された前記第1および第2の光ビームを受光し、前記射出瞳に前記第1および第2の光ビームを反射する四次鏡(114)と;
・ 少なくとも1つの光学部品(120、120’、120’’、120’’’)により受光され、次に前記ビームスプリッタにより受光されそこから前記第2の鏡に向かって反射されるレーザービーム(201c’、201c’’、201’’’)を発出するレーザー(118)であって、前記第2の鏡が前記レーザービームを受光しそれを前記一次鏡に向かって反射し、前記一次鏡が前記レーザービームを受光し反射し視準する、レーザー(118)と;
・ 前記レーザーが使用されている非バイパスモードから前記レーザーが使用されていないバイパスモードまで移動させることのできる可動折畳み鏡(116)であって、前記バイパスモードにある場合に第3の光ビーム(301a)と第4の光ビーム(301b)を受光し、前記第3の光ビームおよび前記第4の光ビームが、前記射出瞳に向かって前記一次鏡、前記二次鏡、前記三次鏡および前記四次鏡により反射される代りに、前記射出瞳に向かって前記第3の光ビームおよび前記第4の光ビームを直接反射する、可動折畳み鏡(116)と;
を含む反射望遠鏡を提供するステップ(402)と;
− 前記第1の光ビーム、前記第2の光ビーム、前記第3の光ビームまたは前記第4の光ビームのうち少なくとも1つを分析して目標を発見するステップ(404)と;
− 必要な場合、前記可動折畳み鏡を前記非バイパスモードへと移動させるステップ(406)と;
− 前記レーザーを操作して前記レーザービームを前記目標に導くステップ(408)と;
− 前記レーザー内の検出器において前記目標から反射された前記レーザービームの少なくとも一部分を受光するステップ(410)と;
− 前記レーザービームが前記レーザーから前記目標までおよび前記レーザーに戻るまでの往復行程を走行するのに必要な時間を測定するステップ(412)であって、前記測定された時間が、前記反射望遠鏡から前記目標までの距離を表わすステップと;
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
− 前記レーザーから発出される前記レーザービームの波長を変更するステップ(414)と;
− 前記レーザーを操作して、前記変更した波長をもつ前記レーザービームを前記目標に導いて前記目標をハイライト表示し、このハイライト表示された目標をアセットが認識できるようにするステップ(416)と;
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アセットがレーザー誘導型兵器であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
− 第1の入射瞳(102)と;
− 第2の入射瞳(104)と;
− それぞれ前記第1の入射瞳と前記第2の入射瞳を通過した第1の光ビーム(201a)と第2の光ビーム(201b)を受光し反射する一次鏡(106)と;
− 前記一次鏡から反射された前記第1および第2の光ビームを受光し反射する二次鏡(108)と;
− 前記二次鏡から反射された前記第1および第2の光ビームを通過させるビームスプリッタ(110)と;
− 前記ビームスプリッタを通過した前記第1および第2の光ビームを受光し反射する三次鏡(112)と;
− 射出瞳(122)と;
− 前記三次鏡から反射された前記第1および第2の光ビームを受光し、前記射出瞳に前記第1および第2の光ビームを反射する四次鏡(114)と;
− 少なくとも1つの光学部品(120、120’、120’’、120’’’)により受光され、次に前記ビームスプリッタにより受光されそこから前記第2の鏡に向かって反射されるレーザービーム(201c’、201c’’、201’’’)を発出するレーザー(118)であって、前記第2の鏡が前記レーザービームを受光しそれを前記一次鏡に向かって反射し、前記一次鏡が前記レーザービームを受光し反射し視準する、レーザー(118)と;
を含むことを特徴とする反射望遠鏡(101’)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−529201(P2011−529201A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520024(P2011−520024)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/004117
【国際公開番号】WO2010/011267
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】