説明

大腸菌熱不安定性エンテロトキシンサブユニットに融合した志賀毒素サブユニットまたは志賀毒素様毒素サブユニットを含むハイブリッド毒素およびそのワクチン

本発明は、ハイブリッド細菌毒素サブユニット、ハイブリッド二成分細菌毒素、およびそのような細菌毒素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子に関する。さらに、本発明は、該細菌毒素を含むワクチン、およびワクチンにおけるその使用に関する。最後に、本発明は、そのようなワクチンの製造方法、およびそのようなワクチンの製造のためのそのような細菌毒素の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド細菌毒素サブユニット、ハイブリッド二成分細菌毒素、およびそのような細菌毒素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子に関する。さらに、本発明は、該細菌毒素を含むワクチン、ワクチンにおけるその使用、そのようなワクチンの製造方法、およびそのようなワクチンの製造のためのそのような細菌毒素の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
シゲラ(Shigella)および大腸菌(Escherichia coli)のようなエンテロバクテリア科(Enterobacteriaceae)の多数のメンバーは1以上の毒素を産生することが公知である。これらのなかには、いくつかの強力な細胞毒および神経毒がある。シゲラ・ディセンテリエ(Shigella dysenteriae)はいわゆる志賀毒素を産生することが公知である(Sandvig,K.,Toxicon 39:1629−1635(2001))。一群の非常に密接に関連した大腸菌(Escherichia coli)毒素はアフリカミドリザル(ベロ)細胞に対して毒性であり、したがってそれらはベロ毒素として知られるようになった。これらの毒素は、シゲラ・ディセンテリエ(Shigella dysenteriae)1型において既に見出されていた細胞毒性毒素に対する著しい類似性を示し、このことが、それらの現在用いられている名称である志賀毒素様毒素(SLT)の由縁である。志賀毒素様毒素は、とりわけ、Agbodaze,D.(Comp.Immunol.,Microbiol. & infectious diseases 22:221−230(1999))による総説およびO’Brian,.D.およびHolmes,R.K.(Microbiol.Review 51:206−220(1987))による総説に記載されている。
【0003】
言うまでもなく、本発明は、志賀毒素および志賀毒素様毒素の両方に適用可能である。志賀毒素様毒素は、現在では、とりわけ、ヒトにおける出血性大腸炎および溶血性尿毒症症候群(Karmaliら,Lancet I:1299−1300(1983))、子ウシにおける下痢(Chanter,N.,Vet.Microbiol.12:241−253(1986)およびMainilら,Am.J.Vet.Res.48:734−748(1987))およびブタにおける水腫疾患(Dobrescu,L.,Am.J.Vet.Res.44:31−34(1983),Cannon,V.P.J.ら,Can.J.Vet.Res.53:306−312(1989),Marques,L.R.M.ら,FEMS Microbiol.Letters 44:33−38(1987),Smith,H.W.ら,J.Gen.Microbiol.129:3121−3137(1983)およびSmith,H.W.ら,J.Med.Microbiol.1:45−59(1968))の原因であることが公知である。
【0004】
ブタにおける水腫の臨床徴候、とりわけ、神経機能不全は、特異的志賀毒素様毒素変異体Stx2eにより引き起こされる小血管症および血管壊死から生じる(Neilsen,N.O.,Edema Disease,p.528−540(1986) in A.D.Lchman,Straw,B.,Glock R.D.ら(編),Diseases of swine,6th ed.Iowa State University Press,Ames.USA)、(Gannon,V..J.ら,Can.J.Vet.Res.53:306−312(1989),Kurtz,H.J.ら,Am.J.Vet.Res.30:791−806(1969)およびMarques,L.R.M.ら,FEMS Microbiol.Letters 44:33−38(1987))。この変異体Stx2eは、当技術分野においてはSLT−IIe、SLT−IIv、ベロ細胞毒素2eおよびVT2eとしても公知であり、離乳の約1週間後に生じる疾患を引き起こす。該疾患は、それが引き起こす水腫およびそれに続く特異的神経障害により特徴づけられ、一般には、離乳後水腫(PWE)または水腫疾患として公知である。
【0005】
志賀毒素および全ての志賀毒素様毒素は、同じ全体構造を共有する。それらは、Bサブユニットの複数のコピーに結合した単一のAサブユニットよりなる。通常、単一のAサブユニットがBサブユニットの五量体に結合している。Aサブユニットが実際の毒素部分であり、それは宿主のタンパク質合成の抑制において何らかの役割を果たしている。Bサブユニット(より詳しくは、その五量体形態)は受容体結合に関連している。単一のBサブユニットは約7.5kDであり、Aサブユニットは約32kDである。
【0006】
志賀毒素様毒素変異体Stx2eのA1部分(後記を参照されたい)のDNA配列を配列番号1に示す。多数の他の志賀毒素様毒素変異体の完全配列は、National Center for Biotechnology Informationのウェブサイトwww.NCBI.NLM.NIH.GOVにおいて容易に見出されうる。検索方法は当業者に公知であり、単なる一例として挙げると、ヌクレオチドバンクにおいて、すべての公知変異体およびそれらの説明を見つけるためには検索語として「shiga like toxin(志賀毒素様毒素)」と打ち込むだけで十分である。あるいは、配列番号1の志賀毒素様毒素のA1部分の配列を単に使用し、それを、National Center for Biotechnology Informationのウェブサイトの細菌遺伝子のバンクに対してブラスト操作(blast)することが可能である。これは他の公知志賀毒素様毒素変異体を同様に提供するであろう。
【0007】
図1は典型的な志賀毒素様毒素の概要図;その全体構造、AサブユニットのA1/2部分の位置(後記を参照されたい)およびBサブユニットの位置を示す。
【0008】
したがって、全毒素が、単一のAサブユニットと5個のBサブユニットにより形成される単一の五量体とを含む二成分毒素(すなわち、2つの成分よりなる毒素)として最良に記載されている。ついで、Aサブユニット自体は、実際の酵素部分であるA1部分と、Bサブユニットの五量体の結合に関与するAサブユニット部分であるA2部分とに、機能的に分割されうる。AサブユニットのA2部分を介した、BサブユニットへのAサブユニットの結合は鍵と鍵穴説に従って生じる。すなわち、志賀毒素様毒素のAサブユニットのA2部分は、志賀毒素様毒素のBサブユニットのみに適合(fit)し、例えば大腸菌(Escherichia coli)の熱不安定性エンテロトキシン(LT)のBサブユニットのような密接に関連したBサブユニットを除く他のものには適合しない。
【0009】
志賀毒素様毒素を産生する大腸菌(E.coli)株により引き起こされる疾患を予防するためには、不活化毒素でのワクチン接種を用いうることが公知である(Awad−Masalmeh,M.,In Proc of the 10th Int.Pig Vet.Soc.Congress,Rio de Janeiro,Brazil(1988),Awad−Masalmeh,M.,Dtsch.Tieraertzl.Wochenschr.96:419−421(1989),Howard,J.G.,Br.J.Exp.Pathol.36:439−4476(1955),Islam,M.S.およびStimson,W.H.,J.Clin.Lab.Immunol 33:11−16(1990),MacLeod,D.LおよびGyles,D.L.,Vet.Microbiol.29:309−318(1991),Wadolkowsky,E.A.ら,Infect. & Immun.58:3959−3965(1990),Bosworth,B.T.Infect. & Immun.64:55−60(1996))。
【0010】
志賀毒素様毒素に関するゲノム体制ならびにAおよびBサブユニットをコードする遺伝子の位置および配列は公知である(Spicer E.K.ら,J.Biol.Chem,.257:5716−5721(1982),Calderwood,S.B.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4364−4368(1987),Dallas W.S.およびFalkow S.,Nature 288:499−501(1980),Leong J.ら,Infect.Immun.48:73−77 (1985))。
【0011】
したがって、原理上は、必要な遺伝情報が手元にあり、志賀毒素様毒素を産生する大腸菌(E.coli)株により引き起こされる疾患を予防するために不活化毒素でのワクチン接種を用いうることが公知であれば、AおよびBサブユニットをコードする遺伝子の大規模なインビトロ発現はワクチンの製造のための良好な出発点であると考えられる。
【0012】
しかし、予想に反して、比較しうる大腸菌(Escherichia coli)熱不安定性エンテロトキシン(LT)のAサブユニットおよびBサブユニットの両方の製造およびそれに続く精製は非常に効率的であったものの(後記を参照されたい)、志賀毒素および志賀毒素様毒素の発現/精製は非常に困難であることが判明した。
【0013】
まず第1に、細菌発現系における志賀毒素様毒素Bサブユニットの発現は問題ではないが(Achesonら,Infect. & Immun.63:301−308(1995))、志賀毒素様毒素Aサブユニットは細菌発現系において発現され得ないか、または微量で発現されたに過ぎない。
【0014】
さらに、二成分志賀毒素および志賀毒素様毒素の精製は(LTの精製とは対照的に)困難であり、高い経費を要する。PCT特許出願WO98/54215は、精製において遭遇する問題を克服するための方法を提供しているが、それは、二糖を含む高価なアフィニティーリガンドを使用するアフィニティーカラムの使用に基づくものである。志賀毒素または志賀毒素様毒素に基づくワクチンの製造のためには、この精製方法は、経済的な観点からは、それほど望ましいものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、志賀毒素または志賀毒素様毒素の発現および精製は共に、依然として問題を伴う。
【0016】
前記の問題を伴わない新規ハイブリッド志賀毒素および志賀毒素様毒素を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そのような新規ハイブリッド志賀毒素および志賀毒素様毒素は、それらが、大腸菌(Escherichia coli)の熱不安定性エンテロトキシン(LT)のA2部分に融合した志賀毒素様毒素のA1部分を含む点で、公知志賀毒素様毒素とは異なる。野生型の場合には、志賀毒素様毒素のA1部分は志賀毒素様毒素のA2部分に融合している。
【0018】
驚くべきことに、このハイブリッド志賀毒素または志賀毒素様毒素Aサブユニットは、その天然対応体とは対照的に、細菌発現系において効率的に発現されうることが、本発明において見出された。また、それは容易に、かつ経済的な方法により精製されうる。さらに、志賀毒素または志賀毒素様毒素のA1部分を含むが本発明においてはLTのA2部分に融合しているこのハイブリッド志賀毒素または志賀毒素様毒素サブユニットは、より一層驚くべきことに、野生型志賀毒素または志賀毒素様毒素に対する防御を誘導する能力を十分に有している。
【0019】
大腸菌(Escherichia coli)の熱不安定性エンテロトキシン(LT)は、大腸菌(Escherichia coli)の志賀毒素様毒素と同様に、AB5多量体構造を有する細菌タンパク質毒素であり、そのB五量体は膜結合機能を有し、Aサブユニットは酵素活性に必要である(Fukuta,S.ら,Inf. & Immun.56:1748−1753(1988),Pickett,C.L.ら,J.Bacteriol.165:348−352(1986),Okamoto,K.ら,J.Bacteriol.180:1368−1374(1998)およびLea,N.ら,Microbiology 145:999−004(1999))。
【0020】
「融合」なる表現は、A1部分を構成するアミノ酸配列が、A2部分を構成するアミノ酸配列に共有結合していることを意味する。これは、最終的なサブユニットが、野生型の場合と同様に単一タンパク質を形成することを意味する。
【0021】
したがって、本発明の1つの実施形態は、大腸菌(Escherichia coli)熱不安定性エンテロトキシン(LT)のA2部分に融合した志賀毒素様毒素のA1部分を含んでなるハイブリッド細菌毒素Aサブユニットに関する。
【0022】
AサブユニットのA1部分とA2部分との境界は、志賀毒素様毒素およびLTの両方に関して、非常に厳密に決められうる。A1部分およびA2部分は、2つのジスルフィドにより連結されたシステインの間の短いループにより互いに連結される。このループがA1部分とA2部分とを連結する。哺乳類細胞内へのLTまたは志賀毒素様毒素の進入後、このループ内に切断が生じ、この間に、(志賀毒素様毒素27.5kDの場合には)A1部分および(志賀毒素様毒素4.5kDの場合には)A2部分が分離される(Okamoto,K.ら,J.Bacteriol.180:1368−1374(1998)およびLea,N.ら,Microbiology 145:999−004(1999))。
【0023】
配列番号1に示す配列においては、Stx2e A1部分とLT−A2部分とを含む本発明のハイブリッドAサブユニットの核酸配列の一例を示す。この配列によりコードされるハイブリッド細菌毒素のアミノ酸配列を配列番号2に示す。ハイブリッドAサブユニットをコードする核酸配列は1位で始まり、95位で終わる。この例においては、AサブユニットのStx2e A1部分は核酸の1位で始まり、789位で終わり、したがって、これは第1のジスルフィド連結システインの直上流に位置する。AサブユニットのLT−A2部分は核酸の790位で始まり、951位で終わる。ジスルフィド連結システイン残基は、それぞれ790−792位および826−828位にコードされている。
【0024】
したがって、A1部分は、ループのN末端側に位置する部分と呼ぶことも可能であり、一方、A2部分は、ループのC末端側に位置する部分と呼ぶことが可能である。原理上は、A1部分とA2部分との間の移行点は決定的なものではないことが明らかである。前記の例においては、該移行点は、第1のジスルフィド連結システインの直上流に位置する。しかし、2つのシステイン残基の間のいずれかの位置または826−828位の第2のジスルフィド連結システインの直下流にも同様に位置しうるであろう。実際には、前提条件は、ただ1つ存在するのみである。すなわち、A1部分は、志賀毒素様毒素に対する免疫を付与しうるものでなければならず、A2部分は、LT五量体に結合しうるものでなければならない。さらに、本発明のハイブリッドAサブユニットにおいては、Aサブユニット内にタンパク質切断部位が維持される必要はない。なぜなら、これは、免疫の誘導において何の役割も果たさないからである。
【0025】
また、LT−Bサブユニットが位置する位置は配列番号3に示されている。このサブユニットをコードするヌクレオチド配列は951位で始まり、1322位で終わる。勿論、この例と同様に、本発明のハイブリッドAサブユニットをコードするヌクレオチド配列およびLT−Bサブユニットを、同一のプラスミド内に維持するのが好都合である。そのようなプラスミドは、同時に、本発明の二成分細菌毒素のAサブユニットおよびBサブユニットの両方の遺伝情報を与える。コード配列は、配列番号1の場合と同様に、同一のプロモーターの制御下に置かれうる。ハイブリッドAサブユニット対LT−Bサブユニットの比の更なる微調整が要求される場合には、両方の発現を2つの異なるプロモーターの制御下に置くのが好都合であり得る。
【0026】
本発明は志賀毒素および全ての志賀毒素様毒素変異体に適用可能である。これらの変異体には、ヒトにおいて疾患を引きこすことが判明しているもの、および前記のとおりに動物において疾患を引き起こすものが含まれる。志賀毒素様毒素変異体Stx2eはブタにおいて離乳後疾患を引き起こすことが公知であるため、この変異体は、明らかに、養豚業用のワクチンにおける使用のための魅力的な候補である。したがって、この実施形態の好ましい形態は、AサブユニットのA1部分がStx2eのA1部分であるハイブリッドAサブユニットに関する。
【0027】
特に有益なのは、熱不安定性エンテロトキシンのBサブユニットをコードする遺伝子の存在下での本発明のハイブリッド毒素Aサブユニットの発現である。これは既に前記で説明されている。本発明のハイブリッドAサブユニットハイブリッド志賀毒素様毒素および熱不安定性エンテロトキシンの両方の、同一細胞内での発現は、ハイブリッド二成分細菌毒素(すなわち、LTのA2部分に融合しておりLTのBサブユニットに結合している志賀毒素様毒素のA1部分を有する毒素)の自発的形成を招きうる。
【0028】
このようにして得られたハイブリッド二成分毒素は、まず第1に、容易に発現されることが可能であり、第2に、それが志賀毒素様毒素に対する防御の誘導に使用しうるという点において志賀毒素様毒素の免疫原性を有し、第3に、それがLTの精製のための公知方法に従い容易に精製されうるという利点を有する(Uesaka,Y.ら,Microb.Pathog.16:71−76(1994))。
【0029】
したがって、この実施形態の、より好ましい形態は、大腸菌(Escherichia coli)熱不安定性エンテロトキシン(LT)の5個のBサブユニットと本発明のハイブリッド細菌毒素Aサブユニットとを含んでなるハイブリッド二成分細菌毒素に関する。
【0030】
志賀毒素様毒素およびLTの両方のAサブユニットおよびBサブユニットをコードする遺伝子のヌクレオチド配列は公知であるため、本発明のハイブリッド毒素サブユニットAをコードするヌクレオチド配列を構築するためには、遺伝子操作のための標準的な技術で十分であることは明らかである。そのようなヌクレオチド配列を操作するための1つの方法を実施例に記載する。当業者は、必要に応じて、本発明の他の志賀毒素様毒素変異体をコードする比較しうるヌクレオチド配列を製造するための十分な指針をこの実施例において見出す。
【0031】
したがって、本発明のもう1つの実施形態は、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子に関する。
【0032】
そのようなヌクレオチド配列に、LTのBサブユニットをコードするヌクレオチド配列を更に加えることが、より一層有益であろう。細胞内でのそのような組合せヌクレオチド配列の発現は、本発明のハイブリッド毒素AサブユニットおよびLT Bサブユニットの自発的産生を招くであろう。そしてHisは本発明のハイブリッド二成分細菌毒素の自己形成を招く。以下に、コード化タンパク質の発現を実際に如何に行いうるかを示す。
【0033】
ハイブリッドAサブユニットおよびBサブユニットをコードする遺伝情報を同一ヌクレオチド配列上に配置することは、効率的ではあるが、必ずしも必要ではない。単なる一例として示すと、それらの2つのサブユニットのそれぞれに関する遺伝情報はそれ自身のプラスミド上に位置することが可能であろう。両方のプラスミドを含む宿主細胞は、本発明のハイブリッド二成分細菌タンパク質を形成しうるであろう。さらに、異なる細菌内で両方のサブユニットを合成すること、それらを単離すること、およびそれらを一緒に、単離後に再生条件下に置くことが可能である。
【0034】
ハイブリッド細菌毒素サブユニットの発現は、例えば、商業的に入手可能な発現系を使用することにより行うことが可能である。したがって、この実施形態の、より好ましい形態においては、本発明は、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含んでなるDNA断片に関する。DNA断片は、本発明のヌクレオチド配列を含む核酸分子の担体として機能するヌクレオチドの伸長である。そのようなDNA断片は、例えば、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子がクローニングされたプラスミドでありうる。後記のとおり、そのようなDNA断片は、例えば、DNAの量を増加させるのに、および本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を発現させるのに有用である。
【0035】
ハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子の発現のための必須要件は、そのヌクレオチド配列を含む核酸分子に機能的に連結された適当なプロモーターであり、該ヌクレオチド配列を含む核酸分子が該プロモーターの制御下に置かれていることである。プロモーターの選択は、タンパク質の発現のための宿主細胞として使用する細胞内での遺伝子の転写を導きうる任意の真核性、原核性またはウイルス性プロモーターに拡張されることが当業者に明らかである。したがって、この実施形態の、より一層好ましい形態は、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子(ここで、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子は、機能的に連結されたプロモーターの制御下に置かれる)および/またはDNA断片を含む組換えDNA分子に関する。これは、例えば標準的な分子生物学的技術(Maniatis/Sambrook(Sambrook,J.Molecular cloning:a laboratory manual,1989.ISBN 0−87969−309−6)により得ることが可能である。機能的に連結されたプロモーターは、それが連結されているヌクレオチド配列を含む核酸分子の転写を制御しうるプロモーターである。そのようなプロモーターは、志賀毒素様毒素の天然プロモーター、または大腸菌(E.coli)の別のプロモーターでありうる(ただし、そのプロモーターは、発現に使用する細胞内で機能的でなければならない)。また、それは異種プロモーターでありうる。宿主細胞が細菌である場合には、使用可能な有用な発現制御配列には、Trpプロモーターおよびオペレーター(Goeddelら,Nucl.Acids Res.,8,4057,1980);lacプロモーターおよびオペレーター(Changら,Nature,275,615,1978);外膜タンパク質プロモーター(Nakamura,K.およびInouge,M.,EMBO J.,1,771−775,1982);バクテリオファージλプロモーターおよびオペレーター(Remaut,E.ら,Nucl,Acids Res.,11,4677−4688,1983);α−アミラーゼ(ビー・サチリス(B.subtilis))プロモーターおよびオペレーター、終結配列および他の発現増強および制御配列(選択した宿主細胞に適したもの)が含まれる。宿主細胞が酵母である場合、有用な発現制御配列には、例えば、α接合因子が含まれる。昆虫細胞の場合には、バキュロウイルスのポリヘドリンまたはp10プロモーターを使用することが可能である(Smith,G.E.ら,Mol.Cell.Biol.3,2156−65,1983)。宿主細胞が脊椎動物由来である場合には、例示される有用な発現制御配列には、(ヒト)サイトメガロウイルス最初期プロモーター(Seed,B.ら,Nature 329,840−842,1987;Fynan,E.F.ら,PNAS 90,11478−11482,1993;Ulmer,J.B.ら,Science 259,1745−1748,1993)、ラウス肉腫ウイルスLTR(RSV,Gorman,C.M.ら,PNAS 79,6777−6781,1982;Fynanら,前掲;Ulmerら,前掲)、MPSV LTR(Staceyら,J.Virology 50,725−732,1984)、SV−40最初期プロモーター(Sprague J.ら,J.Virology 45,773,1983)、SV−40プロモーター(Berman,P.W.ら,Science, 222,524−527,1983)、メタロチオネインプロモーター(Brinster,R.L.,Nature,296,39−42,1982)、熱ショックプロモーター(Voellmyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,4949−53,1985)、Ad2の主要後期プロモーターおよびβアクチンプロモーター(Tangら,Nature 356,152−154,1992)が含まれる。調節配列には、ターミネーターおよびポリアデニル化配列も含まれうる。使用しうる配列には、よく知られたウシ成長ホルモンポリアデニル化配列、SV40ポリアデニル化配列、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)ターミネーターおよびポリアデニル化配列が含まれる。
【0036】
細菌、酵母、真菌、昆虫および脊椎動物細胞発現系は、非常に頻繁に使用される系である。そのような系は当技術分野でよく知られており、一般に入手可能であり、例えばClontech Laboratories,Inc.4030 Fabian Way,Palo Alto,California 94303−4607,USAから商業的に入手可能である。これらの発現系に次ぐものとしては、寄生生物に基づく発現系が魅力的な発現系である。そのような系は、例えば、公開番号2 714 074のフランス国特許出願、およびUS−NTIS公開US 08/043109(Hoffman,SおよびRogers,W.:1993年12月1日付け公開)に記載されている。
【0037】
本発明のこの実施形態の更により一層好ましい形態は、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子、本発明のDNA断片または本発明の組換えDNA分子を含んでなる生組換え担体(Live Recombinant Carriers(LRC))に関する。これらのLRCは、追加的な遺伝情報(この場合には、本発明のハイブリッドサブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子)がクローニングされている微生物またはウイルスである。そのようなLRCに感染したブタは、該担体の免疫原に対してだけでなく該タンパク質の免疫原性部分(それに関する遺伝暗号が該LRC内に追加的にクローニングされているもの、例えば、本発明の新規ハイブリッド細菌毒素サブユニット)に対しても免疫応答を産生することとなる。
【0038】
細菌LRCの一例として、当技術分野で公知の弱毒化サルモネラ(Salmonella)株が非常に魅力的に使用されうる。また、生組換え担体寄生生物は、とりわけ、Vermeulen,A.N.(Int.Journ.Parasitol.28:1121−1130(1998)により記載されている。さらに、LRCウイルスは、ヌクレオチド配列を含む核酸分子を標的細胞内に輸送する手段として使用することが可能である。また、生組換え担体ウイルスは、ベクターウイルスとも称される。ベクターとしてしばしば使用されるウイルスとしては、ワクシニアウイルス(Panicaliら;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79:4927(1982))、ヘルペスウイルス(E.P.A.0473210A2)およびレトロウイルス(Valerio,D.ら;in Baum,S.J.,Dicke,K.A.,Lotzova,E.およびPluznik,D.H.(編),Experimental Haematology today−1988.Springer Verlag,New York:pp.92−99(1989))が挙げられる。
【0039】
本発明の挿入されたヌクレオチド配列の発現を宿主動物において誘導しうる選択した細菌、寄生生物またはウイルスのゲノム内に組換え核酸分子を導入するためには、当技術分野でよく知られているインビボ相同組換えの技術を用いることが可能である。
【0040】
最後に、本発明のこの実施形態のもう1つの形態は、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子、そのような核酸分子を含むDNA断片、または機能的に連結されたプロモーターの制御下でそのような核酸分子を含む組換えDNA分子を含んでなる宿主細胞に関する。この形態はまた、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む生組換え担体を含有する宿主細胞に関する。宿主細胞は、pBR322のような細菌に基づくプラスミドまたはpGEXのような細菌発現ベクターまたはバクテリーファージと組合された、例えば大腸菌(Escherichia coli)、バシラス・サチリス(Bacillus subtilus)およびラクトバシラス(Lactobacillus)種などの細菌由来の細胞でありうる。また、宿主細胞は、真核生物由来であることが可能であり、例えば、酵母特異的ベクター分子と組合された酵母細胞、あるいはベクターまたは組換えバキュロウイルスと組合された昆虫細胞(Luckowら;Bio−technology 6:47−55(1988))、例えばTi−プラスミドに基づくベクターまたは植物ウイルスベクター(Barton,K.A.ら;Cell 32:1033(1983))と組合された植物細胞、同様に適当なベクターまたは組換えウイルスと組合されたHela細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、クランデル・フェリン腎細胞(Crandell Feline Kidney−cells)などの哺乳類細胞などの高等真核細胞でありうる。
【0041】
本発明の十分な量のハイブリッド毒素サブユニットAおよびハイブリッド二成分毒素をインビトロ発現系において製造することが本発明において初めて可能となったため、これらのハイブリッド毒素に基づくワクチンを製造することが可能となった。
【0042】
これらの遺伝子の発現産物に基づくワクチンは、本発明の毒素を、後記の製薬上許容される担体と混合することにより容易に製造することが可能である。
【0043】
必要に応じて、当技術分野で公知の技術、例えばホルマリン処理により、毒素を解毒することが可能である。
【0044】
したがって、本発明のもう1つの実施形態は、本発明のハイブリッド細菌毒素または本発明のハイブリッド二成分細菌毒素と製薬上許容される担体とを含んでなるワクチンに関する。
【0045】
本発明のもう1つの実施形態は、シゲラ(Shigella)または大腸菌(Escherichia coli)感染に対するワクチンの製造のための、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットまたはハイブリッド二成分細菌毒素の使用に関する。
【0046】
あるいは、本発明のワクチンは、本発明のタンパク質を発現しうる前記の生組換え担体を含みうる。そのようなワクチン、例えばサルモネラ(Salmonella)担体またはウイルス担体(例えばヘルペスウイルスベクター)に基づくものは、それらが、シゲラ(Shigella)または大腸菌(Escherichia coli)の感染の天然態様をより良く模擬する点で、サブユニットワクチンより優れている。さらに、それらの自己増殖は利点である。なぜなら、免疫には、少量の該組換え担体が必要とされるに過ぎないからである。
【0047】
ワクチンは、本発明の細菌毒素を含む前記の宿主細胞に基づくことも可能である。
【0048】
したがって、ワクチン実施形態のもう1つの形態は、本発明の生組換え担体または本発明の宿主細胞と製薬上許容される担体とを含んでなるワクチンに関する。
【0049】
本発明の更にもう1つの実施形態は、シゲラ(Shigella)または大腸菌(Escherichia coli)感染に対するワクチンの製造のための、本発明の生組換え担体または宿主細胞の使用に関する。
【0050】
本発明の更にもう1つの実施形態は、ワクチンにおける使用のための本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットまたはハイブリッド二成分毒素に関する。
【0051】
本発明の更にもう1つの実施形態は、ワクチンにおける使用のための本発明の生組換え担体または宿主細胞に関する。
【0052】
前記のすべてのワクチンは能動ワクチン接種に寄与する。すなわち、それらは宿主の防御系を惹起する。あるいは、抗体を例えばウサギにおいて産生させることが可能であり、あるいは後記の抗体産生細胞系から得ることが可能である。ついでそのような抗体を、防御すべきヒトまたは動物に投与することが可能である。このワクチン接種方法、すなわち受身免疫は、動物が既に感染しており自然免疫応答を惹起させる時間が無い場合に選択されるワクチン接種である。また、それは、急な高い感染の圧力を受ける傾向にある動物をワクチン接種するための好ましい方法である。本発明のタンパク質またはその免疫原性断片に対する投与された抗体は、これらの場合、志賀毒素様毒素に直接的に結合しうる。これは、それがシゲラ毒素様毒素産生シゲラ(Shigella)または大腸菌(E.coli)による感染の有害な作用を軽減または阻止するという利点を有する。したがって、本発明のこの実施形態の1つの他の形態は、本発明のハイブリッド細菌毒素に対する抗体と製薬上許容される担体とを含んでなる、シゲラ(Shigella)または大腸菌(Escherichia coli)感染に対するワクチンに関する。
【0053】
本発明の更にもう1つの実施形態は、本発明のハイブリッド毒素に対する抗体に関する。
【0054】
本発明の抗体の大規模製造のための方法も当技術分野で公知である。そのような方法は、ファージディスプレイのための線維状ファージにおける本発明のタンパク質をコードする遺伝情報の(断片の)クローニングに基づく。そのような技術は、とりわけ、http://aximtl.imt.uni−marburg.de/〜rek/aepphage.html.における“filamentous phage display”の“Antibody Engineering Page”、およびCortese,R.ら,(1994),Trends Biotechn.12:262−267、Clackson,T.& Wells,J.A.(1994),Trends Biotechn.12:173−183、Marks,J.D.ら,(1992),J.Biol.Chem.267:16007−16010、Winter,G.ら,(1994),Annu.Rev.Immunol.12:433−455、およびLittle,M.ら,(1994),Biotechn.Adv.12:539−555の総説に記載されている。ついで該ファージを使用して、ラクダ科動物重鎖抗体を発現するラクダ科動物発現ライブラリーをスクリーニングする(Muyldermans,S.およびLauwereys,M.,Journ.Molec.Recogn.12:131−140(1999)ならびにGhahroudi,M.A.ら,FEBS Letters 414:512−526(1997))。所望の抗体を発現するライブラリーからの細胞を増殖させ、ついで抗体の大規模発現に使用することが可能である。
【0055】
さらにもう1つの実施形態は、本発明のハイブリッド細菌毒素に対する抗体と製薬上許容される担体とを混合することを含んでなる、本発明のワクチンの製造方法に関する。
【0056】
ワクチン接種のための代替的な効率的方法は、関連抗原をコードするDNAでの直接的ワクチン接種である。タンパク質をコードするDNAでの直接的ワクチン接種は多種多様なタンパク質において成功している(例えば、Donnellyら,The lmmunologist 2:20−26(1993)において概説されている)。このワクチン接種方法は、志賀毒素様毒素を産生するシゲラ(Shigella)または大腸菌(Escherichia coli)株による感染に対するヒトおよび動物のワクチン接種にも魅力的なものである。
【0057】
したがって、本発明のこの実施形態の更に他の形態は、本発明のハイブリッド毒素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子、本発明のDNA断片または本発明の組換えDNA分子と製薬上許容される担体とを含んでなるワクチンに関する。
【0058】
本発明のDNAワクチンにおける使用に適したDNAプラスミドの例としては、細菌、真核生物および酵母宿主細胞のための通常のクローニングまたは発現プラスミドが挙げられ、該プラスミドの多くは商業的に入手可能である。そのようなプラスミドのよく知られた例としては、pBR322およびpcDNA3(Invitrogen)が挙げられる。本発明のDNA断片または組換えDNA分子は、ヌクレオチド配列を含む核酸分子のタンパク質発現を誘導しうるはずである。該DNA断片または組換えDNA分子は本発明の1以上のヌクレオチド配列を含みうる。また、該DNA断片または組換えDNA分子は、非メチル化CpGジ−ヌクレオチドを有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドのようなヌクレオチド配列または他の抗原タンパク質もしくはアジュバント性サイトカインをコードするヌクレオチド配列を含む他の核酸分子を含みうる。
【0059】
本発明のワクチンにおいて使用する、本発明のヌクレオチド配列を含む核酸分子、または本発明のヌクレオチド配列を含む核酸分子を含むDNAプラスミド(好ましくは、転写調節配列に機能的に連結されたもの)は、裸形態であることが可能であり、あるいは運搬系に組込まれていることが可能である。適当な運搬系は、脂質小胞、イスコム(iscoms)、デンドロマー(dendromer)、ニオソーム(niosome)、多糖マトリックスなど(後記を参照されたい)であり、これらは全て、当技術分野で公知である。また、運搬系として非常に適しているのは、弱毒化生細菌、例えばサルモネラ(Salmonella)種、および弱毒化生ウイルス、例えばヘルペスウイルスベクター(前記のとおり)である。
【0060】
DNAワクチンは、皮内適用により、例えば無針注射器を使用することにより容易に投与することが可能である。この投与方法は、ワクチン接種すべき動物の細胞内に該DNAを直接的に運搬する。10pg〜1000μgの範囲のDNA量が良好な結果を与える。好ましくは、1〜100μgのマイクログラム範囲の量を用いる。
【0061】
本発明のもう1つの実施形態は、ワクチンにおける使用のための、本発明のヌクレオチド配列、本発明のDNA断片または本発明の組換えDNA分子を含む核酸分子に関する。
【0062】
本発明の更にもう1つの実施形態は、シゲラ(Shigella)または大腸菌(Escherichia coli)感染に対するワクチンの製造のための、本発明のヌクレオチド配列、DNA断片または組換えDNA分子を含む核酸分子の使用に関する。
【0063】
もう1つの実施形態においては、本発明のワクチンは更に、病原生物およびウイルスに由来する1以上の抗原、それらの抗原に対する抗体またはそのような抗原をコードする遺伝情報を含む。
【0064】
勿論、そのような抗原は、例えば他のシゲラ(Shigella)または大腸菌(Escherichia coli)抗原でありうる。それはまた、もう1つの他のブタ病原生物またはウイルスから選ばれる抗原でありうる。ブタのワクチン接種に該ワクチンを使用する場合には、そのような生物およびウイルスは、好ましくは、仮性狂犬病ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、ロタウイルス、エリジペロスリックス・ルジオパシエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、ブラキスピラ・ヒオジセンテリエ(Brachyspira hyodysenteriae)、シゲラ属種(Shigella sp.)、サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)、マイコプラズマ・ヒオニュウモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)、アクチノバシラス・プリゥロニュウモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、スタヒロコッカス・ヒイカス(Staphylococcus hyicus)およびクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)の群から選ばれる。
【0065】
本発明の全てのワクチンは、製薬上許容される担体を含む。製薬上許容される担体は、例えば無菌水または無菌生理食塩水でありうる。より複雑な形態においては、該担体は、例えばバッファーでありうる。
【0066】
ワクチンの製造方法は、本発明のタンパク質および/またはそのタンパク質もしくはその免疫原性断片に対する抗体および/またはヌクレオチド配列を含む核酸分子および/またはDNA断片、組換えDNA分子、生組換え担体または宿主細胞と、製薬上許容される担体とを混合することを含む。
【0067】
本発明のワクチンは、好ましい形態においては、免疫刺激性物質、いわゆるアジュバントを含有しうる。アジュバントは、一般には、宿主の免疫応答を非特異的に増強する物質を含む。多種多様なアジュバントが当技術分野で公知である。ブタワクチンにおいて頻繁に使用されるアジュバントの具体例としては、ムラミルジペプチド、リポ多糖、いくつかのグルカンおよびグリカンならびにカルボポル(Carbopol(登録商標))(ホモポリマー)が挙げられる。該ワクチンはまた、いわゆる「ビヒクル」を含みうる。ビヒクルは、該タンパク質が、それに共有結合することなく、付着している化合物である。そのようなビヒクルとしては、とりわけ、バイオマイクロカプセル(bio−microcapsule)、マイクロアルギナート(micro−alginate)、リポソームおよびマクロゾル(macrosol)が挙げられ、これらの全ては当技術分野で公知である。該抗原がビヒクル内に部分的に包埋されている、そのようなビヒクルの特別な形態が、いわゆる、ISCOM(EP 109.942、EP 180.564、EP 242.380)である。
【0068】
また、該ワクチンは、1以上の適当な界面活性化合物または乳化剤、例えばスパン(Span)もしくはトゥイーン(Tween)を含みうる。
【0069】
しばしば、該ワクチンを安定剤と混合して、例えば易分解性タンパク質の分解を防ぎ、該ワクチンの貯蔵寿命を増加させ、あるいは凍結乾燥効率を改善する。有用な安定剤としては、とりわけ、SPGA(Bovarnikら;J.Bacteriology 59:509(1950))、炭水化物、例えばソルビトール、マンニトール、トレハロース、デンプン、スクロース、デキストランまたはグルコース、タンパク質、例えばアルブミンまたはカゼインまたはそれらの分解産物、およびバッファー、例えばリン酸アルカリ金属が挙げられる。また、該ワクチンを、生理的に許容される希釈剤に懸濁させることが可能である。言うまでもなく、アジュバント化、ビヒクル化合物または希釈剤の添加、タンパク質の乳化または安定化のための他の方法も本発明に包含される。
【0070】
本発明の細菌毒素および/またはサブユニットに基づくワクチンは、非常に適切には、動物当たりタンパク質1〜100マイクログラムの量で投与されうるが、原理上はそれより少量を用いることも可能である。100マイクログラムを超える用量は、免疫学的には非常に適しているが、商業的理由からはそれほど魅力的ではないであろう。
【0071】
前記のLRC−ウイルスおよび細菌のような生弱毒化組換え担体に基づくワクチンは、はるかに低い用量で投与されうる。なぜなら、それらは感染中に増殖するからである。したがって、非常に適した量は、それぞれ細菌およびウイルスに関して、10および10 CFU/PFUの間の範囲であろう。
【0072】
本発明のワクチンは、例えば皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内または粘膜表面、例えば経口的もしくは鼻腔内に投与されうる。
【0073】
本発明の更にもう1つの実施形態は、本発明のハイブリッド細菌毒素サブユニットまたはハイブリッド二成分細菌毒素と製薬上許容される担体とを混合することを含んでなる、本発明のワクチンの製造方法に関する。
【0074】
本発明の更にもう1つの実施形態は、本発明の核酸配列、DNA断片または組換えDNA分子を製薬上許容される担体と混合することを含んでなる、本発明のワクチンの製造方法に関する。
【0075】
最後に、本発明のもう1つの実施形態は、本発明の生組換え担体もしくは宿主細胞または本発明のハイブリッド(二成分)細菌毒素に対する抗体と製薬上許容される担体とを混合することを含んでなる、本発明のワクチンの製造方法に関する。
【0076】
実施例
【実施例1】
【0077】
発現プラスミドの構築
細菌株およびプラスミド
大腸菌(E.coli)宿主株BL21(DE3)star、HMS174(DE3)およびBL21コドン+RIL(DE3)をNovagen(Madison,Wisconsin,USA)から購入した。大腸菌(E.coli)株TOP1OF’ならびにプラスミドpCR2.1−TOPO TAおよびpCR−bluntII−TOPOをInvitrogen(Groningen,the Netherlands)から購入した。プラスミドpMMB66HEはFurste,J.P.ら,Gene 48:119−131(1986)に記載されている。
【0078】
PCR増幅およびPCR産物のクローニング
大腸菌(E.coli)染色体DNA上でのPCRをSupertaq plus DNAポリメラーゼで行った。該PCR混合物は、20U/ml Supertaq plus(HT Biotechnology Ltd,Cambridge,UK)、8mM dNTP(Promega,Wisconsin,USA)、10pmolのプライマーおよびDNA鋳型としての大腸菌(E.coli)の15ngの染色体DNAを含有するSupertaqバッファー(HT Biotechnology Ltd,Cambridge,UK)を含有していた。DNAの増幅に使用する全てのプライマーのオリゴヌクレオチド配列を表1に示す。PCR産物をアガロースゲル上で分離し、Qiagen PCR精製キット(Qiagen Inc.,California,USA)を使用してゲル精製した。Sambrookら(Maniatis/Sambrook(Sambrook,J.Molecular cloning:a laboratory manual,1989.ISBN 0−87969−309−6))に記載されているとおりに、重複伸長PCRを行った。TOPOクローニングキット(Invitrogen.,Groningen,the Netherlands)を使用して、PCR産物をpCR−bluntII−topo内にクローニングした。クローニング反応は、製造業者の指示に従い行った。
【0079】
pMMB Stx2eALTABの構築
高忠実度ポリメラーゼを使用し、鋳型としてのEDNL50染色体DNAと共にプライマー#1832および#1833(表1を参照されたい)を使用するPCRにより、Stx2eAを増幅した。離乳後水腫疾患と診断されたブタからEDNL50を単離した。これに関しては、志賀毒素様毒素を産生する任意の他の株も同様に使用可能であったであろう。高忠実度ポリメラーゼを使用し、鋳型としてのプラスミドpMMB66−LTと共にプライマー#1834および#1835(表1を参照されたい)を使用して、ジスルフィド架橋を含むLTALTBを増幅した。これに関しては、この場合にも、LTを産生する任意の他の株も同様に使用可能であったであろう。プライマー#1832および#1835を使用して得た重複伸長PCR産物においては、1マイクロリットルの各PCR液を使用した。得られたPCR産物およびpMMB66HEをPstIおよびBamHIで消化し、ついで連結して、pMMB Stx2eALTABを得た。該プラスミドをヌクレオチド配列分析により調べたところ、人工産物は見出されなかった。図2は、pMMB Stx2eALTABの構築スキームを示す。
【0080】
【表1】

【実施例2】
【0081】
Stx2eALTABの発現および精製
組換えタンパク質の発現
tacプロモーターに基づく発現ベクターを含有する大腸菌(E.coli)発現株を、適当な抗生物質および10mM MgSOを含有する5mlのTB中、37℃、200rpmで一晩増殖させた。翌朝、該一晩培養物を、適当な抗生物質を含有する5mlのTBで1:100希釈した。NovaspecII分光光度計(Pharmacia,Woerden,the Netherlands)による測定でOD600が0.5に達するまで、これらの培養物を同一条件下で成長させた。この時点で、該培養物を、最終濃度1mMまでのIPTGの添加により誘導し、ついで更に37℃で3時間インキュベートした。適当な対照の及び最終インキュベーションの開始時および終了時に、分析のために、100μlのサンプルを採取した。該サンプルをSDS PAGEおよびそれに続くクーマシーブリリアントブルー染色により分析した。残りの培養物を5,000rpmで遠心分離し、ペレットを更なる使用まで−20℃で保存した。
【0082】
ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびウエスタンブロット法
NuPAGE電気泳動系(Novex,San Diego,USA)からの4〜12% Bis−Trisゲルを使用して、SDS−PAGEを行った。変性タンパク質プロフィールを得るために、分離前に、サンプルを、β−メルカプトエタノールの存在下、サンプルバッファー(サンプル:バッファー=2:1)と共に5分間煮沸した。非変性タンパク質の分離のためには、β−メルカプトエタノールを含有しないサンプルバッファーをサンプルに加えた。これらのサンプルは、加熱することなくゲル上にローディングした。ゲルをクーマシーブリリアントブルーで染色し、または標準的な半乾燥ウエスタンブロット法によりImmobulon−P−メンブレン(Millipore,Bedford,USA)上にブロットした。ウサギ抗LTポリクローナルα0508/09HRPおよびウサギ抗LTポリクローナルα0506/07をホルマリン不活化LTに対して産生させた。抗LT−Aモノクローナル抗体をBiotrend(Koln,Germany)から購入した。陽性対照として使用したLT(K8425)は製造バッチからのものであった。該LTは、培養上清から精製されたガラクトース−シリカであった。溶出に使用したガラクトースは透析により除去した。最終産物は156mg/lのLTを含有していた。
【0083】
発現タンパク質のガラクトース精製
誘導された5mlの培養物をデューティーサイクル50%およびマイクロティップ(microtip)で超音波処理(Branson sonifier,Geneva,Switzerland)して完全に細胞溶解した。ライセートを6,000rpmで5分間遠心分離して不溶性タンパク質を除去した。清澄化上清を1ml ガラクトース−シリカカラムに適用した。カラム物質はOrganon(Oss,the Netherlands)により供給されたものである。このカラムを10容量のTEANバッファー(50mM Tris,1mM EDTA,3mM Na−アジド,200mM NaCl,pH 7.5)で予め平衡化した。該上清の結合後、該カラムを5容量のTEANバッファーで洗浄した。精製タンパク質を0.5M ガラクトースで溶出し、更なる使用まで4℃で保存した。
【0084】
結果
Stx2eALTAB融合タンパク質の発現
3つの大腸菌(E.coli)発現株を該融合タンパク質の発現に関して試験した。構築物pMMB Stx2eALTABをBl21star(DE3)、HMS174(DE3)およびJA221にさらし、記載されているとおりに誘導した。発現株Bl21star(DE3)が最高発現レベルを示した(データ非表示)。
【0085】
ウエスタンブロット法を用いるStx2eALTAの同定
前記のSDS−PAAGE−ゲルを標準的な半乾燥ウエスタンブロット法によりImmobulon−P−メンブレン(Millipore,Bedford,USA)上にブロットした。該ブロットを現像するためのウサギ抗LTポリクローナルα0506/07は、ホルマリン不活化LTに対して産生させた。陽性対照として使用したLTは、アフィニティークロマトグラフィー(ガラクトース−シリカ)を用いて培養上清から精製したものであった。図3、レーン2から理解されうるとおり、両方のLTサブユニットがポリクローナル抗血清と反応した(LTA(26kDa)およびLTB(14.1kDa))。この後者のバンドは、予想どおり、pMMB Stx2eALTABの発現産物を含有するレーン1においても認められる。Stx2eALTAにおけるLTA2断片の存在は、予想サイズ(35.1kDa)のレーン1における明らかに可視性のStx2eALTAバンドを得るのに十分なものであった。
【0086】
Stx2eALTABのガラクトース精製
pMMB Stx2eALTABを、記載されているとおりに誘導し、Stx2eALTAB融合タンパク質をガラクトース精製により細菌ペレットから精製した。結果を図4に示す。この図は該ガラクトース−シリカカラムの種々の画分中のStx2eALTAB発現産物の量および純度を示している:レーン1:前染色マーカー;レーン2:誘導前の全培養pMMB Stx2eALTAB;レーン3:未結合画分;レーン4:洗浄容量1;レーン5:洗浄容量5;レーン6:精製されたStx2eALTAB溶出物1;レーン7:精製されたStx2eALTAB溶出物2;レーン8:精製されたStx2eALTAB溶出物3;レーン9:精製されたStx2eALTAB溶出物4;レーン10:精製されたStx2eALTAB溶出物5;レーン11:精製されたStx2eALTAB溶出物6;レーン12:精製されたStx2eALTAB溶出物7;レーン13:精製されたStx2eALTAB溶出物8。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】典型的な志賀毒素様毒素の概要図;その全体構造、AサブユニットのA1/2部分の位置およびBサブユニットの位置を示す。
【図2】pMMB Stx2eALTABの構築。
【図3】抗LT血清で現像したウエスタンブロット。レーン1:Stx2eALTAB;レーン2:LTA/B;レーン3:前染色マーカー。
【図4】ガラクトース−シリカ精製。PAAGE−ゲル、クーマシー染色。レーン1:前染色マーカー;レーン2:誘導前の全培養pMMB Stx2eALTAB;レーン3:未結合画分;レーン4:洗浄容量1;レーン5:洗浄容量5;レーン6:精製されたStx2eALTAB溶出物1;レーン7:精製されたStx2eALTAB溶出物2;レーン8:精製されたStx2eALTAB溶出物3;レーン9:精製されたStx2eALTAB溶出物4;レーン10:精製されたStx2eALTAB溶出物5;レーン11:精製されたStx2eALTAB溶出物6;レーン12:精製されたStx2eALTAB溶出物7;レーン13:精製されたStx2eALTAB溶出物8。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大腸菌(Escherichia coli)熱不安定性エンテロトキシンのA2部分に融合した志賀毒素または志賀毒素様毒素のA1部分を含んでなるハイブリッド細菌毒素サブユニット。
【請求項2】
該A1部分がStx2eのA1部分である、請求項1記載のハイブリッド細菌毒素サブユニット。
【請求項3】
大腸菌(Escherichia coli)熱不安定性エンテロトキシンの5個のBサブユニットと請求項1または2記載のハイブリッド細菌毒素サブユニットとを含んでなるハイブリッド二成分細菌毒素。
【請求項4】
請求項1または2記載のハイブリッド細菌毒素サブユニットをコードするヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子。
【請求項5】
請求項4記載の核酸分子を含んでなるDNA断片。
【請求項6】
請求項4記載の核酸分子または請求項5記載のDNA断片を、機能的に連結されたプロモーターの制御下で含んでなる組換えDNA分子。
【請求項7】
請求項4記載の核酸分子、請求項5記載のDNA断片または請求項6記載の組換えDNA分子を含んでなる生組換え担体(live recombinant carrier)。
【請求項8】
請求項4記載の核酸分子、請求項5記載のDNA断片、請求項6記載の組換えDNA分子または請求項7記載の生組換え担体を含んでなる宿主細胞。
【請求項9】
ワクチンにおいて使用するための、請求項1または2記載のハイブリッド細菌毒素サブユニット、請求項3記載のハイブリッド二成分細菌毒素、請求項4記載の核酸分子、請求項5記載のDNA断片、請求項6記載の組換えDNA分子、請求項7記載の生組換え担体あるいは請求項8記載の宿主細胞。
【請求項10】
請求項1または2記載のハイブリッド細菌毒素サブユニットあるいは請求項3記載のハイブリッド二成分細菌毒素と、製薬上許容される担体とを含んでなるワクチン。
【請求項11】
請求項4記載の核酸分子、請求項5記載のDNA断片または請求項6記載の組換えDNA分子と、製薬上許容される担体とを含んでなるワクチン。
【請求項12】
請求項7記載の生組換え担体または請求項8記載の宿主細胞と、製薬上許容される担体とを含んでなるワクチン。
【請求項13】
請求項1または2記載のハイブリッド細菌毒素サブユニットあるいは請求項3記載のハイブリッド二成分細菌毒素に対する抗体と、製薬上許容される担体とを含んでなるワクチン。
【請求項14】
ヒトまたは動物に病原性であるウイルスまたは微生物に由来する追加的な抗原、該抗原に対する抗体あるいは該抗原をコードする遺伝情報を含む、請求項10から13のいずれか1項記載のワクチン。
【請求項15】
該ウイルスまたは微生物が、仮性狂犬病ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、ロタウイルス、ブラキスピラ・ヒオジセンテリエ(Brachyspira hyodysenteriae)、大腸菌(Escherichia coli)、エリジペロスリックス・ルジオパシエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、ブラキスピラ・ヒオジセンテリエ(Brachyspira hyodysenteriae)、シゲラ属種(Shigella sp.)、サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)、マイコプラズマ・ヒオニュウモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)、アクチノバシラス・プリゥロニュウモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、スタヒロコッカス・ヒイカス(Staphylococcus hyicus)およびクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)の群から選ばれる、請求項14記載のワクチン。
【請求項16】
シゲラ(Shigella)または大腸菌(Escherichia coli)感染に対するワクチンの製造のための、請求項1または2記載のハイブリッド細菌毒素サブユニット、請求項3記載のハイブリッド二成分細菌毒素、請求項4記載の核酸分子、請求項5記載のDNA断片、請求項6記載の組換えDNA分子、請求項7記載の生組換え担体あるいは請求項8記載の宿主細胞の使用。
【請求項17】
請求項1もしくは2記載のハイブリッド細菌毒素サブユニット、請求項3記載のハイブリッド二成分細菌毒素、請求項4記載の核酸分子、請求項5記載のDNA断片、請求項6記載の組換えDNA分子、請求項7記載の生組換え担体、請求項8記載の宿主細胞または請求項1から3のいずれか1項記載の毒素に対する抗体と製薬上許容される担体とを混合することを含んでなる、請求項10から15のいずれか1項記載のワクチンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−527990(P2006−527990A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520828(P2006−520828)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051522
【国際公開番号】WO2005/011733
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(394010986)アクゾ・ノベル・エヌ・ベー (31)
【Fターム(参考)】