説明

天井扇風機

【課題】金属製の羽根フレームが繰り返し荷重により破損しても、破断した羽根フレームと羽根板が分離しないように本体側に係留できるようにして、安全性を確保することを目的とする。
【解決手段】中心に固定軸1を備えた円盤状の固定子2および円環状の回転子3と、この回転子3に固定され、固定軸1に回転自在に軸支される支持枠4の周側部に着脱可能に設けた金属製の羽根組5を有し、この羽根組5は平板状の羽根板6の回転中心側に結合した羽根フレーム7を備え、この羽根フレーム7は折り曲げによる段差部7aが形成され、一端を羽根フレーム7を介して支持枠4に固定し、他端を羽根板6側の羽根フレーム7に係止する係止具9を設けることにより、羽根フレーム7が破損した場合でも、係止具9により羽根フレーム7の落下を防ぐ天井扇風機を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主として屋内の天井面に取り付けて使用される天井扇風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の天井扇風機は、羽根の取付部近傍が破損した場合でも、安全性を保つものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その天井扇風機について図8を参照しながら説明する。
【0004】
図に示すように、天井扇風機は回転するカウリング110に羽根101と係止具103とを備え、羽根101の取付部101aに係止具103の一端を重ねて一体とした状態で、カウリング110にねじ止めして取り付ける。係止具103は羽根101の先端方向に長い帯状の金属板で形成され、係止具103の他端は取付部101aから所定距離をもって羽根101の表面に係止される。羽根101の取付部101a近傍は経時疲労により次第に劣化するものであるが、羽根101の取付部101a近傍が破損した場合でも、羽根101の破片は係止具103によってカウリング110に係留されるので、本体から離脱して落下することはなく、周囲の安全性が確保されるものである。
【特許文献1】特許第3803475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の天井扇風機では、羽根板の素材に合成樹脂を用いているため、羽根フレームにかかる負荷は比較的少ないものである。しかし金属製の羽根組の場合は、軽量化するために薄い板厚の羽根板と、羽根板よりは板厚大の羽根フレームで構成しているが、羽根フレームの材料削減と軽量化のため薄板化していくと、羽根フレームの強度が低下するとともに、羽根フレームは翼面で空気を下方へ押し下げる応力が羽根板を介して働き、羽根フレームの根元側に集中し、長期使用においては繰返し荷重により金属疲労を生じて破損する場合もあるという課題があり、羽根フレームが破損した場合でも本体から離脱しないことが要求されている。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、金属製の羽根フレームが繰り返し荷重により破損しても、破断した羽根フレームと羽根板が分離しないように本体側に係留できるようにして、安全性を確保できる天井扇風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の天井扇風機は、上記目的を達成するために、中心に固定軸を備えた円盤状の固定子と、この固定子の周囲に近接して設けた円環状の回転子と、この回転子に固定され、前記固定軸に回転自在に軸支される支持枠と、この支持枠の周側部に着脱可能に設けた金属製の羽根組を有し、この羽根組は平板状の羽根板の回転中心側に結合した羽根フレームを備え、この羽根フレームは折り曲げによる段差部が形成され、一端を前記羽根フレームを介して支持枠に固定し、他端を前記羽根板側の羽根フレームに係止する係止具を設けてなるものである。
【0008】
また、他の手段は、羽根フレームの羽根支持側に、先端に拡大部を備えた突起片を設け、係止具の先端に前記突起片にルーズに係合する係合穴部を備えたものである。
【0009】
また、他の手段は、係止具の係合穴部は略鍵穴形状の径大部と径小部を連結した形状となし、突起片の拡大部は前記係合穴部の径大部より小寸法で、かつ前記径小部より大寸法に設け、係止具の先端側でクリアランスを有して係合可能に設けたものである。
【0010】
また、他の手段は、突起片を羽根フレームに形成した切起し形状となし、前記突起片の拡大部は係止具に設けた係合穴部の径大部を貫通可能とするとともに、前記突起片の根元側は前記係止具の径小部に収納可能に設けたものである。
【0011】
また、他の手段は、羽根フレームは羽根板を傾けて固定するための傾斜した段差部を有し、この段差部の曲げ角度を90度以上の鈍角としたものである。
【0012】
また、他の手段は、羽根フレームに設けた段差部の高低差小なる低段差部側を跨ぐように係止具を配置してなるものである。
【0013】
また、他の手段は、羽根フレームの段差部に沿う屈曲部を係止具に形成したものである。
【0014】
また、他の手段は、係止具は、曲げの応力集中の少ないフレキシブルワイヤーを備えたものである。
【0015】
また、他の手段は、係止具のフレキシブルワイヤーの先端を折り返して加工したループ部を設け、このループ部を羽根フレームの突起部に係合可能に設けたものである。
【0016】
これにより、金属製の羽根フレームが繰り返し荷重により破損しても、破断した羽根フレームと羽根板が分離しないように本体側に係留できるようにして、安全性を確保できる天井扇風機が得られる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、羽根フレームの根元もしくは段差部で破損した場合でも、係止具により本体側に係留して、破断した羽根フレームなどの落下を防ぐことができるという効果のある天井扇風機を提供することができる。
【0018】
また、羽根フレームの破損しやすい箇所より羽根板側に突起片を配置することで、羽根フレームが破損した場合、破断した羽根フレームおよび羽根板を支持枠に係留することができる。
【0019】
また、破損した羽根フレームと羽根板は、係止具で本体側に係留され吊り下がった状態になるため、羽根板が飛散しないように安全を確保できるとともに、使用者が目視で簡単に破損に気付く事ができ、破損した状態での誤使用を未然に防ぐことができる。
【0020】
また、クリアランスを保ちつつ係止具を容易に装着することができ、係止具の仮固定もできるので、取付けの作業性と信頼性を保つことができる。
【0021】
また、羽根フレームの段差部を鈍角にすることで、羽根回転時の羽根フレームへの繰り返し荷重に対する耐久性を向上して、金属疲労による破損に至るまでの期間を長くすることができる。
【0022】
また、係止具を平板で作成でき、羽根回転時の空気抵抗を軽減でき、形状を簡素化して製造コストを軽減できる。
【0023】
また、係止具に屈曲部を形成することにより、羽根回転時の空気抵抗を軽減でき、係止具が羽根フレームからの分離や変形を防いで、係止具の機能を維持することができる。
【0024】
また、フレキシブルワイヤーを備えた係止具は、羽根フレームの段差部の高さや形状に拘束されないので、係止具として標準化が可能であり、また繰り返し変形による応力破損が起きにくいので、羽根フレーム破損時の係止具として充分機能を発揮することができる。
【0025】
また、フレキシブルワイヤーの先端に設けたループ部を、突起片に簡易に取付ができ、取付作業性が向上するとともに、部品点数を削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の請求項1記載の天井扇風機は、中心に固定軸を備えた円盤状の固定子と、この固定子の周囲に近接して設けた円環状の回転子と、この回転子に固定され、前記固定軸に回転自在に軸支される支持枠と、この支持枠の周側部に着脱可能に設けた金属製の羽根組を有し、この羽根組は平板状の羽根板の回転中心側に結合した羽根フレームを備え、この羽根フレームは折り曲げによる段差部が形成され、一端を前記羽根フレームを介して支持枠に固定し、他端を前記羽根板側の羽根フレームに係止する係止具を設けたものであり、天井扇風機の運転にともない、羽根板へ上下方向の風力の反作用が加わり、羽根フレームの段差部または支持枠との取付部付近に内部応力が集中しやすくなり、金属疲労により羽根フレームの途中で折損した場合でも、破断した羽根フレームと羽根板は係止具によって支持枠に係留できるという作用を有する。
【0027】
また、羽根フレームの羽根支持側に、先端に拡大部を備えた突起片を設け、係止具の先端に前記突起片にルーズに係合する係合穴部を備えたものであり、突起片を係止具の係合穴部にルーズに係合させることにより、係止具に引張応力が生じないように連結することができ、段差部などの羽根フレームが破損しやすい箇所より羽根板側に突起片を配置することで、羽根フレームが破損した場合、係止具の係合穴部が突起片と確実に係合され、破断した羽根フレームおよび羽根板は本体側に係留できるという作用を有する。
【0028】
また、係止具の係合穴部は略鍵穴形状の径大部と径小部を連結した形状となし、突起片の拡大部は前記係合穴部の径大部より小寸法で、かつ前記径小部より大寸法に設け、係止具の先端側でクリアランスを有して係合可能に設けたものであり、羽根フレームが破損した場合は、クリアランス分の距離を羽根が外周円周方向に動ので、係止具の係合穴の径小部と突起片の拡大部が確実に係合することになり、破損した羽根フレームおよび羽根板は係止具によって吊り下がる形で支持枠に係留できるという作用を有する。
【0029】
また、突起片を羽根フレームに形成した切起し形状となし、前記突起片の拡大部は係止具に設けた係合穴部の径大部を貫通可能とするとともに、前記突起片の根元側は前記係止具の径小部に収納可能に設けたものであり、切起こされた突起片の拡大部を、係止具に設けた係合穴部の径大部に貫通させ、さらに突起片の根元側が係止具の径小部内に収納できるので、クリアランスを有した寸法関係を保ちつつ、突起片に係止具を容易に装着することができ、係止具を装着後に突起片を倒すことにより、係止具の仮固定ができるという作用を有する。
【0030】
また、羽根フレームは羽根板を傾けて固定するための傾斜した段差部を有し、この段差部の曲げ角度を90度以上の鈍角としたものであり、羽根フレームは回転子に確実に固定されているため、羽根板を介して生じる応力は、傾けて固定するための段差部の曲げ角度に集中するため、その曲げ角度を90度以上の鈍角に形成することで、羽根フレーム全体に応力が加わることになり、曲げ部への応力集中が緩和されるという作用を有する。
【0031】
また、羽根フレームに設けた段差部の高低差小なる低段差部側を跨ぐように係止具を配置したものであり、段差部の高低差が少ない位置に係止具を跨がせる配置とすることにより、係止具を平板形状で作成することができ、またその外観形状も簡素化して単純な部品形状とすることができるという作用を有する。
【0032】
また、羽根フレームの段差部に沿う屈曲部を係止具に形成したものであり、羽根の取付角度を大きく取るために、段差部の高低差の大きな羽根フレームであっても、段差部の形状に沿うように係止具に屈曲部を形成することにより、回転時の空気抵抗を軽減して係止具の離脱や変形を防ぐという作用を有する。
【0033】
また、係止具は、曲げの応力集中の少ないフレキシブルワイヤーを備えたものであり、フレキシブルワイヤーは、取り付け方法に自由度があり、羽根フレームの形状に拘束されず汎用的な使用が可能であり、また、フレキシブルワイヤーは線状束で構成されているので、繰り返し変形の発生する場所に設置された使用に対しても、柔軟性を備えているので応力緩和が可能であり、羽根フレームが破断した場合でも、フレキシブルワイヤーを備えた係止具によって、支持枠に係留できるという作用を有する。
【0034】
また、係止具のフレキシブルワイヤーの先端を折り返して加工したループ部を設け、このループ部を羽根フレームの突起部に係合可能に設けたものであり、フレキシブルワイヤー先端のループ部は、羽根フレームの突起部に引っ掛けて簡単に取付ができるとともに、フレキシブルワイヤーの先端に係合のための別部品が不要であるという作用を有する。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1〜図5に示すように、天井扇風機の本体は中心に固定軸1を備えた円盤状の固定子2と、この固定子2の周囲に近接して設けた円環状の回転子3と、この回転子3に固定され、固定軸1に回転自在に軸支される支持枠4と、この支持枠4の周側部に着脱可能に設けた金属製の羽根組5を有している。この羽根組5は金属製の平板を加工した羽根板6の回転中心側に金属製の羽根フレーム7を結合したものであり、羽根フレーム7は折り曲げによる段差部7aが形成されている。羽根フレーム7の表面には係止具9が取り付けられ、係止具9の一端は羽根フレーム7を介して支持枠4にねじ止め固定され、係止具9の他端は羽根板6側の羽根フレーム7に設けた突起片8に係止される。すなわち、突起片8は先端に拡大部8aを備え、係止具9の先端には突起片8にルーズに係合する係合穴部9aを備え、係止具9の係合穴部9aは略鍵穴形状の径大部10と径小部11を連結した形状として、突起片8の拡大部8aは係合穴部9aの径大部10より小寸法で、かつ径小部11より大寸法に設け、係止具9の先端側でクリアランスを有して係合可能に設けている。
【0037】
また、突起片8は羽根フレーム7を加工して起伏可能な切起しを形成したものであり、突起片8の拡大部8aは係止具9に設けた係合穴部9aの径大部10を貫通可能とするとともに、突起片8の根元側は係止具9の径小部11に収まる位置に設けている。本実施の形態では、突起片8の拡大部8aは5.5mmの幅寸法、その根元部分は3mmの幅寸法に設定しており、係合穴部9aの径大部10は6.3mmの幅寸法、径小部11は4mmの幅寸法に設定している。
【0038】
また、羽根フレーム7に設けた傾斜した段差部7aは、羽根板6を傾けて固定するためのものであり、段差部7aの曲げ角度を90度以上の鈍角とするとともに、係止具9は段差部7aの高低差小なる部位を跨ぐように配置されている。
【0039】
上記構成により、天井扇風機を運転すると、羽根板6へ上下方向の風力の反作用が加わり、羽根フレーム7の段差部7aまたは支持枠4との取付部付近に内部応力が集中して疲労破壊を生じやすくなる。しかし、長期間の使用において、金属疲労により羽根フレーム7が段差部7a等で折損した場合でも、破断した羽根フレーム7と羽根板6は係止具9によって本体から分離することなく、支持枠4に係留させることができる。
【0040】
また、突起片8を係止具9の係合穴部9aにルーズに係合させることにより、係止具9に引張応力が生じないように連結することができ、段差部7aなどの羽根フレーム7が破損しやすい箇所より羽根板6側に突起片8を配置することで、羽根フレーム7が破損した場合、係止具9の係合穴部9aが突起片8と確実に係合され、破断した羽根フレーム7および羽根板6は支持枠4に係留することができる。
【0041】
また、羽根フレーム7が破損した場合は、クリアランス分の距離を羽根板6が外周円周方向に動ので、係止具9の係合穴部9aの径小部11と突起片8の拡大部8aが確実に係合することになり、破損した羽根フレーム7および羽根板6は係止具9によって吊り下がる形で支持枠4に係留できるものである。
【0042】
また、切り起こされた突起片8の拡大部8aを、係止具9に設けた係合穴部9aの径大部10に貫通させ、さらに突起片8の根元側が係止具9の径小部11内に収納できるので、クリアランスを有した寸法関係を保ちつつ、突起片8に係止具9を容易に装着することができ、係止具9を装着後に突起片8を倒すことにより、係止具9の仮固定ができる。
【0043】
また、羽根フレーム7は回転子3に確実に固定されているため、送風の反作用として羽根板6へ加わる圧力は、羽根板6を傾けて固定している段差部7aに集中するため、その曲げ角度をそれぞれ90度以上の鈍角に形成することで、羽根フレーム7全体に応力が分散されることになり、段差部7aへの応力集中が緩和され、段差部7aの耐久性を向上することができる。
【0044】
また、羽根フレーム7の段差部7aは幅方向に高低差を有しており、段差部7aの高低差が少ない位置に係止具9を跨がせる配置とすることにより、係止具9を平板形状で作成することができ、また外観形状も簡素化して係止具9の製造コストを低減することができる。
【0045】
(実施の形態2)
図6に示すように、羽根フレーム7の段差部7aに沿う屈曲部を係止具9に形成した構成としている。
【0046】
上記構成により、段差部7aの高低差の大きな羽根フレーム7として、羽根の取付角度を大きく取る場合であっても、段差部7aの形状に沿うように係止具9に屈曲部を形成することにより、回転時の空気抵抗を軽減して係止具9の離脱や変形を防ぐことができる。
【0047】
このように本発明の実施の形態2の天井扇風機によれば、段差部7aに沿う屈曲部を係止具9に形成することにより、羽根回転時の空気抵抗を軽減でき、係止具9が羽根フレーム7から分離しないように取り付けできるとともに、係止具9の変形を防ぐことができ、羽根フレーム7が破損した場合の安全性を確保することができる。
【0048】
(実施の形態3)
図7に示すように、係止具9Aは、曲げの応力集中の少ないフレキシブルワイヤー12の両端に端子部14を備え、羽根フレーム7の突起部8に係合可能に設けたものである。
【0049】
また、係止具9Bは、フレキシブルワイヤー12の一端に端子部14を設け、フレキシブルワイヤー12の他端を折り返して加工したループ部12aを設け、このループ部12aを羽根フレーム7の突起片8に係合可能に設けた構成としている。
【0050】
上記構成により、係止具9A,9Bのフレキシブルワイヤー12は、取り付け方法に自由度があり、羽根フレーム7の形状に拘束されず汎用的な使用が可能であり、また、フレキシブルワイヤー12は線状束で構成されているので、繰り返し変形の発生する場所で使用された場合でも、柔軟性を備えているので応力緩和が可能となる。また羽根フレーム7が破断した場合でも、フレキシブルワイヤー12を備えた係止具9A,9Bによって、破断した羽根フレーム7を支持枠4に係留することができる。
【0051】
係止具9Bは、フレキシブルワイヤー12の先端に設けたループ部12aにより、羽根フレーム7の突起片8に引っ掛けて簡単に取付ができるとともに、フレキシブルワイヤー12の一端には係合のための端子部14が不要となり、部品点数の削減ができる。
【0052】
このように本発明の実施の形態3の天井扇風機によれば、フレキシブルワイヤー12を備えた係止具9A、9Bは、羽根フレーム7の段差部7aの高さや形状に拘束されないので、標準化が可能であり、また繰り返し変形による応力破損が起きにくいので、羽根フレーム7破損時の係止具として充分機能を発揮する。また、係止具9Bはフレキシブルワイヤー12の先端に設けたループ部12aにより簡易に取付ができ、取付作業性が向上するとともに、部品点数を削減できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0053】
金属製の羽根板と羽根フレームに取り付けた係止具を用いて、羽根フレームの破断時に落下しないように本体側に保持することができるものであり、屋外使用の大型扇風機や大型換気扇などの、金属製の羽根板を支持するの羽根フレームに係止具を取り付けることにより、羽根フレームに大きな負荷のかかる送風機器の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態1の天井扇風機の要部断面の側面図
【図2】同、羽根組と係止具の分解斜視図
【図3】同、羽根組の外観図((イ)羽根組と係止具の組み立て時の外観斜視図、(ロ)突起片と係止具の関係を示す要部拡大図)
【図4】同、羽根組と係止具の組み立て時の平面図
【図5】同、突起片と係止具の関係を示す要部断面図
【図6】本発明の実施の形態2の羽根組と係止具の関係を示す分解斜視図
【図7】本発明の実施の形態3の係止具の平面図((イ)フレキシブルワイヤーを備えた係止具の平面図、(ロ)片方にループ部を備えた係止具の平面図)
【図8】従来の天井扇風機の羽根組と係止具の組み立て時の分解斜視図
【符号の説明】
【0055】
1 固定軸
2 固定子
3 回転子
4 支持枠
5 羽根組
6 羽根板
7 羽根フレーム
7a 段差部
8 突起片
8a 拡大部
9 係止具
9A 係止具
9B 係止具
9a 係合穴部
10 径大部
11 径小部
12 フレキシブルワイヤー
12a ループ部
13 リベット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に固定軸を備えた円盤状の固定子と、この固定子の周囲に近接して設けた円環状の回転子と、この回転子に固定され、前記固定軸に回転自在に軸支される支持枠と、この支持枠の周側部に着脱可能に設けた金属製の羽根組を有し、この羽根組は平板状の羽根板の回転中心側に結合した羽根フレームを備え、この羽根フレームは折り曲げによる段差部が形成され、一端を前記羽根フレームを介して支持枠に固定し、他端を前記羽根板側の羽根フレームに係止する係止具を設けてなる天井扇風機。
【請求項2】
羽根フレームの羽根支持側に、先端に拡大部を備えた突起片を設け、係止具の先端に前記突起片にルーズに係合する係合穴部を備えた請求項1記載の天井扇風機。
【請求項3】
係止具の係合穴部は略鍵穴形状の径大部と径小部を連結した形状となし、突起片の拡大部は前記係合穴部の径大部より小寸法で、かつ前記径小部より大寸法に設け、係止具の先端側でクリアランスを有して係合可能に設けた請求項2記載の天井扇風機。
【請求項4】
突起片を羽根フレームに形成した切起し形状となし、前記突起片の拡大部は係止具に設けた係合穴部の径大部を貫通可能とするとともに、前記突起片の根元側は前記係止具の径小部に収納可能に設けた請求項3記載の天井扇風機。
【請求項5】
羽根フレームは羽根板を傾けて固定するための傾斜した段差部を有し、この段差部の曲げ角度を90度以上の鈍角とした請求項1〜4のいずれかに記載の天井扇風機。
【請求項6】
羽根フレームに設けた段差部の高低差小なる低段差部側を跨ぐように係止具を配置してなる請求項1〜5のいずれかに記載の天井扇風機。
【請求項7】
羽根フレームの段差部に沿う屈曲部を係止具に形成した請求項1〜6のいずれかに記載の天井扇風機。
【請求項8】
係止具は、曲げの応力集中の少ないフレキシブルワイヤーを備えた請求項1〜7のいずれかに記載の天井扇風機。
【請求項9】
係止具のフレキシブルワイヤーの先端を折り返して加工したループ部を設け、このループ部を羽根フレームの突起部に係合可能に設けた請求項8記載の天井扇風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−41392(P2009−41392A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205288(P2007−205288)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】