説明

天然色素含有歯垢染色材及び食用歯垢染色材

【課題】本発明は口腔内の状態を確認する為の方法及びその材料に関する。 特に口腔内に残った歯垢や食物残を染色させ、口腔内の清潔状態確認や歯磨き後の磨き残しの確認、歯磨き前の磨き場所の表示などに使用することができる方法や歯垢染色材に関する。
【解決手段】発色性がよく、人体に優しい歯垢染色材であり、また染色材の飛び散り等による汚染を容易に除去できる天然色素を用いた歯垢染色材の提供。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯垢を選択的に染色し、染色後に染色材が短時間で脱色する天然色素含有歯垢染色材に関する。
本発明は口腔内の状態を確認する為の方法及びその食品や材料に関する。
特に口腔内に残った歯垢や食物残を染色させ、口腔内の清潔状態確認や歯磨き後の磨き残しの確認、歯磨き前の磨き場所の表示などに使用することができる方法や歯垢染色材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の歯垢染色材料は、口腔内で歯垢を染色する場合に歯肉や唇といった他の部分も同時に染色してしまう為に、外出予定や面会予定などがある場合には用いる事ができなかった。
従来、歯垢付着状態を確認する方法としては、歯垢歯石染色液、歯垢染色タブレット、歯垢染色ペースト、歯垢染色材料などが使用されている。
歯垢歯石染色液は、染色液を特殊スポンジに適量しみこませてあり、歯垢や歯石を染色する。歯質に対する親和性が高いため、歯面に塗布した場合も均等に拡散される。
しかし、染め出し液を口腔外から口腔内に運ばないといけない為に、口腔外の頬や顎、唇を染めてしまうことや、床や洗面所などを汚してしまうことがあった。また、歯垢や歯石のたまり易いところに要領よく、塗布しなければならないため、高度な技術が必要であった。
【0003】
歯垢歯石染色液の一製品である「ハミガキ上手PRO(松風社製)」は歯垢のチェックと歯磨きが同時におこなえる歯科医院専用の歯垢染色液体歯磨きである。歯磨き成分の中に、みがき残し(歯垢)を赤く染色する成分を配合しており、どこにみがき残しがあるか目で見ながら、子どもがひとりでみがき残さずに歯磨きができる。
しかし、染色後口腔外に染め出し液を吐き出さなければならず、口腔外の頬や顎、唇を染めてしまうことや、床や洗面所などを汚してしまうことがあった。
【0004】
歯垢染色ペーストは、ゼリー状で歯ブラシに付けてブラッシングするだけで、手軽にプラークのチェックができる製品である。特に集団指導時には、術者の手間が省け効率的である。
歯垢染色ペーストの一製品である「デントクラブ歯垢染色ジェル(発売元ヘルステック)」は、歯の汚れを赤く染めて、みがき残しをチェックできる歯磨きチェック剤である。歯ブラシにジェルをつけて、歯の表面全体を磨くように塗り、水ですすぐ。みがき残した歯垢の残っている部分が赤く染め出される。歯のすみずみまで、家庭で簡単に磨き残しのチェックができる。
他製品同様に染色後口腔外に染め出し液を吐き出さなければならず、口腔外の頬や顎、唇を染めてしまうことや、床や洗面所などを汚してしまうことがあった。
【0005】
歯垢染色錠剤の使い方は、錠剤を1錠口の中に入れて、奥歯で噛み砕き、唾液に溶かした上で、舌を使って歯面全体に行きわたらせる様にする。軽く口をすすぎ、歯垢の付着部分が赤紫色に染まっているのを確認し、赤紫色に染まった部分を歯磨きで磨くものである。
しかし、噛み方が不足すると、口腔中にそのままの形で残るので、染め出しが不十分になることがある。また、途中で唾液を吐き出すと、歯面全体に行きわたらせることができないことがある。
【0006】
また、従来の歯垢染色製品は味が悪く、どの製品も苦痛をともなうものであった。
従来の歯垢染色成分は食品添加物である赤色3号、赤色104号、赤色105号、青色1号などが用いられている。これらの色素は発色も良く、歯垢等を良く染色するが歯肉や舌面、唇面、唇も同時に染色してしまい、色が取れるまでに時間を要した。
また、衣類等を汚してしまった場合などは、これらの色素は取れにくいために洗濯等で苦労するものである。
【0007】
【非特許文献1】トレース28(ヘレウスデンタルマテリアル社製)の使用説明書
【非特許文献2】レッドコート(バトラー社製)の使用説明書
【非特許文献3】デントプラークテスター錠(ライオン社製)の使用説明書
【非特許文献4】カラーテスター(サンスター社製)の使用説明書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
歯垢染色材料によって、歯垢を染色する時に同時に歯肉や舌面、唇面、唇も同時に染色することを軽減し、仮に染色した場合であっても、容易に落すことができるものが求められていた。
タール色素でなく、天然色素を用い、発色性の良く、人体に優しい歯垢染色材料が求められていた。
誤まって、床などに歯垢染色材料を落してしまし、床を汚したとしても容易に清掃できる歯垢染色材料が求められていた。
【0009】
食用歯垢染色材であって、染色後口腔外に染め出し液を吐き出すことが無く、口腔外の頬や顎、唇を染めてしまうことや、床や洗面台などを汚してしまうことがないものが求められていた。更に、味が良い物が求められていた。
従来の歯垢染色製品を幼児等に用いると、誤飲を起こす危険性があり、使用することが難しかった。また、味が悪い為に歯垢等が十分に染まること無く、口腔外に吐き出すことがあり、十分な効果が得られないことがあった。突然の歯垢染色製品の吐き出しなどにより、洋服などを汚すことが多かった。
吐き出しや口腔内を水ですすぐ場合などに、染色液が飛び散ることが多かった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ベニコウジ色素、ナシ赤色素、ベニバナ赤色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブルーベリー色素、トウガラシ色素、アナトー色素、クチナシ青色素、スピルリナ色素から選ばれる1または2以上の色素を含むことを特徴とする天然色素含有歯垢染色材である。
本発明は、ベニコウジ色素、クチナシ青色素、銅クロロフィリンNaから選ばれる1または2以上の色素を含むことを特徴とする天然色素含有歯垢染色材である。
【0011】
本発明は、好ましくはベニコウジ色素を含むことを特徴とする天然色素含有歯垢染色材である。
本発明は、天然色素含有歯垢染色材であって、天然色素含有歯垢染色材を口腔内に入れる工程、天然色素含有歯垢染色材を口腔内で保持する工程、口腔内を観察する工程を含む歯垢染色方法に用いる天然色素含有歯垢染色材である。
本発明は、天然色素含有歯垢染色材の形状がタタブレット状、顆粒状、液状、であることを特徴とする天然色素含有歯垢染色材である。
本発明は天然色素含有歯垢染色材の周りを唾液が浸潤可能な壁材で覆った壁材付天然色素含有歯垢染色材である。
【0012】
本発明は、歯垢を染色する方法において、染色成分を含む食用歯垢染色材を用い、食用歯垢染色材を口腔内に入れる工程、食用歯垢染色材を口腔内で保持する工程、食用歯垢染色材を飲み込む工程、口腔内を観察する工程を含む歯垢染色方法である。
【0013】
本発明は歯垢を染色する方法において、染色成分を含む食用歯垢染色材を用い、食用歯垢染色材を口腔内に入れる工程、食用歯垢染色材を口腔内で保持する工程、食用歯垢染色材を飲み込む工程、口腔内を観察する工程、口腔内を歯刷子で磨く工程、を含む歯垢染色方法である。
【0014】
本発明は、食用歯垢染色材が飴、ガム、タブレット、グミ、ゼラチン菓子、砂糖菓子である歯垢染色方法である。
本発明は、糖アルコールと染色成分を含むことを特徴とする食用歯垢染色材である。
本発明は、飴、ガム、タブレット、グミ、ゼラチン菓子、砂糖菓子である食用歯垢染色材である。
【0015】
本発明は、歯垢を染色する方法に用いる食用歯垢染色材において、食用歯垢染色材を口腔内に入れる工程、食用歯垢染色材を口腔内で保持する工程、食用歯垢染色材を飲み込む工程、口腔内を観察する工程を含む歯垢染色方法に用いる食用歯垢染色材である。
本発明は、歯垢を染色する方法に用いる食用歯垢染色材において、食用歯垢染色材を口腔内に入れる工程、食用歯垢染色材を口腔内で保持する工程、食用歯垢染色材を飲み込む工程、口腔内を観察する工程、口腔内の歯面を歯刷子で磨く工程を含む歯垢染色方法に用いる食用歯垢染色材である。
【発明の効果】
【0016】
天然色素含有歯垢染色材によって、歯垢を染色する時に同時に歯肉や舌面、唇面、唇も同時に染色することが少なく、仮に染色した場合であっても、容易に汚れを落すことができる。タール色素でなく、天然色素を用い、発色性の良く、人体に優しい天然色素含有歯垢染色材である。
誤まって、床などに天然色素含有歯垢染色材を落してしまし、床を汚したとしても容易に清掃できる天然色素含有歯垢染色材である。
染め出し液を口腔内から出す必要が無く、口腔外を汚すことが無く、歯垢や歯石を染色することができる。床や洗面所などを汚すこともなくなった。
幼児などの染色が難しかった方々に容易に染色することができる。吐き出す必要が無いので染色材が飛び散り、衣服等を汚すことも無くなった。
本発明の食用歯垢染色材は食品として食する事ができる。
【0017】
歯垢染色時において、うがいや染色過程において口をゆすぐことなく、染色できるものであり、容易に歯垢の有無を確認することができる。
集団検診においても、容易に染色ができ、容易に落すことができるため、大人の指導にも容易に用いることができる。
天然色素含有歯垢染色材の周りを、唾液が浸潤可能な壁材で覆うことにより、水や唾液で浸潤させ、口腔内でのの塗布を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
天然色素含有歯垢染色材について、説明する。
本発明の天然色素含有歯垢染色材に用いる染色性分は、ベニコウジ色素、ナシ赤色素、ベニバナ赤色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブルーベリー色素、トウガラシ色素、アナトー色素、クチナシ青色素、スピルリナ色素から選ばれる1または2以上の色素であるり、ベニコウジ色素、クチナシ青色素、銅クロロフィリンNaから選ばれる1または二以上の色素を含むことを特徴とする天然色素含有歯垢染色材である。
好ましくはベニコウジ色素を含むことを特徴とする天然色素含有歯垢染色材である。
【0019】
本発明は、天然色素含有歯垢染色材であって、天然色素含有歯垢染色材を口腔内に入れる工程、天然色素含有歯垢染色材を口腔内で保持する工程、口腔内を観察する工程を含む歯垢染色方法に用いる天然色素含有歯垢染色材である。
本発明は、天然色素含有歯垢染色材の形状がタブレット状、顆粒状、粉末状、液状であることを特徴とする天然色素含有歯垢染色材である。好ましくは、タブレット状、顆粒状、液状である。
染色成分の配合量は、1.0〜0.01gであり、好ましくは0.5〜0.05、更に好ましくは0.3〜0.1である。
染色成分の配合割合は、99.0〜1.0%であり、好ましくは40.0〜5.0%、更に好ましくは15.0〜8.0%である。
その他の成分はタブレットや顆粒など、形体に合わせて、助剤を選定することおできる。
【0020】
助剤として好ましいものは、重炭酸ナトリウムなどの発泡剤、界面活性剤などの溶解促進剤、天然色素含有歯垢染色材を口腔内に長く溜めて置く為の甘味料や香料、形体を付与する為の造粒材などが挙げられる。
好ましいものは発泡剤を含むものが好ましい。発泡剤の種類としては、重炭酸ナトリウムが好ましい。
天然色素含有歯垢染色材をタブレット形状とした場合は、表面をコーティングすることが好ましい。コーティングは、糖衣、ノンシュガー糖衣、シェラック、ツエインコーティング、イーストラップコーティングであり、好ましくは、シェラック、ツエインコーティング、イーストラップコーティングである。
タブレット形状は、丸型、異形型、三角型、キャラクター型など何でも良い。
タブレットの大きさは最大粒径が、2.0〜20.0mmであり、好ましくは5.0〜10.0mmである。
【0021】
保湿剤として、グリセリン、ソリビトール、1,3−ブチレングリコールを含むと良い。好ましくは1,3−ブチレングリコールである。
界面活性剤として、ラウリル硫酸ナトリウムを含むことが好ましい。
防腐剤として、エチルパラベンを含むことが好ましい。甘味料として、キシリトール、サッカリン・2Na、グリチルリチン酸2カリウムの内1つ以上が含まれることが好ましい。増粘材として、PVP(ポリビニルピロリドン)、ハイドロキシエチルセルロースを含むことが好ましい。キレート剤として、EDTA・2Naを含むことが好ましい。
顆粒状の形状は一般的な形状であればよい。
天然色素含有歯垢染色材の周りを、唾液が浸潤可能な壁材で覆うことは好ましい。
壁材とは、布、綿、不織布(フェルト)、繊維材であり、布、綿、不織布(フェルト)が好ましく更に、綿、不織布(フェルト)が好ましい。
次に食用歯垢染色材について説明する。
糖アルコールとは、ソルビトール、キシリトール、マルチトール(還元麦芽糖)、パラチニット(還元パラチノース)、ラクチトール(還元乳糖)、還元水あめ、エリスリトール、マンニトール、キシロビイトールなどである。
染色成分とは、食品添加物に用いられる食用色素であれば何でも良いが、好ましくは、食用赤色では2号、3号、102号、104号、105号、106号、食用黄色では、4号、5号、食用緑色では3号、食用青色では、1号、2号である。
【0022】
更に、食用赤色では3号、104号、105号、106号、食用緑色では3号、食用青色では、1号、2号であることが好ましく、また更に食用赤色では104号食用青色では2号であることが好ましい。
染色成分の配合量は、染色程度により、適宜配合することが好ましい。
【0023】
食用歯垢染色材への配合成分としては、香料や甘味料、着色料、増粘材、乳化剤、酸味料、ゲル化材などを用いることができる。また、濃縮ヨーグルトや澱粉、濃縮いちご果汁パウダー、乳酸菌、ゼラチン、乳糖を配合しても良い。
食用歯垢染色材が飴、ガム、タブレット、グミ、ゼラチン菓子、砂糖菓子であることが好ましい。
ビフィズス菌、乳酸菌が含まれていることが好ましい。
カルシウム成分やカリウム成分が含まれていることが好ましい。
ビフィズス菌とカルシウム成分が含まれていることが好ましい。
【0024】
歯垢染色方法において食用歯垢染色材を口腔内に入れる工程とは、食用歯垢染色材を口腔内に運ぶ手段であれば何でも良く、食用歯垢染色材を手で口腔内に入れても良く、ピンセットで入れても良い。また、食用歯垢染色材がゼリーなどの場合はチューブや容器から直接口腔内に運ぶことが好ましい。また、個包装になっている場合は更に好ましい。
歯垢染色方法において食用歯垢染色材を口腔内で保持する工程とは、この工程は口腔内に食用歯垢染色材を滞在させて、歯垢を染色させる工程であり、歯質表面に染色材が馴染めば特に問題ない。好ましくは口腔内に広がる様に口腔内で材料を動かすことが好ましい。
更に、染色効果を高める為に、歯牙の舌側面と頬側面に食用歯垢染色材を動かすことが好ましい。
【0025】
歯垢染色方法においての食用歯垢染色材を飲み込む工程とは、食する工程であり食用歯垢染色材を口腔外に出すことなく歯垢染色材を飲み込む工程である。引き続き、うがいなどを行い、歯垢染色材を口腔外に出してもよい。
染色をした後に、歯刷子でブラッシングすることは好ましい。
歯垢染色方法においての口腔内を観察する工程とは、口腔内の歯垢やその染まり具合を観察する工程である。鏡を使用することが好ましい。
口腔内を観察する工程の前後に歯刷子でブラッシングする工程が含まれることが好ましい。
天然色素含有歯垢染色材が食用歯垢染色材の使用工程を経ることが好ましい。
天然色素含有歯垢染色材が、食用歯垢染色材であることがことは好ましい。
天然色素含有歯垢染色材に用いる染色性分を食用歯垢染色材に用いることは好ましい。即ち、天然色素含有歯垢染色材であって、食用歯垢染色材である天然色素入食用歯垢染色材は、両方の特徴を備え、最も好ましい。
【0026】
壁材付き天然色素含有歯垢染色材の好適な形体として、以下に説明する。
包装容器中に水溶体保管室と壁材付き天然色素含有歯垢染色材保管室を有し、壁材付き天然色素含有歯垢染色材には手持ち棒が設定されており、手持ち棒から壁材付き天然色素含有歯垢染色材の方向に包装容器を突き破ることにより、水容体保管室まで貫通し、壁材付き天然色素含有歯垢染色材に水溶体が浸潤し、歯垢染色に適した液体が形成できることを特徴とする壁材付き天然色素含有歯垢染色材が好ましい。
手持ち棒を利用して、そのまま口腔内で歯垢を染色することができ、簡便であり衛生的環境を守ることができる。保存性にも優れている。
包装容器とは熱や加圧シールにより接着されるシート状の容器やタブレット状の容器が好ましい。水溶体の成分は、90%以上水であることが好ましい。主成分が水であることは更に好ましい。手持ち棒の素材は、プラスチック製が好ましく、柱状であることが更に好ましい。長さは2cm〜25cmであり、好ましくは3cm〜7cmである。
本発明の天然色素含有歯垢染色材及び食用歯垢染色材の配合するものとしては塩、キレート剤、殺菌剤、界面活性剤、多価アルコール、メチオナーゼ活性阻害剤、プロテアーゼ活性阻害剤及びこれらの混合物からなる群より選択される1または2以上を配合しても良い。
塩としては、酢酸塩、オルソリン酸塩、リン酸水素塩、ピロリン酸塩及びトリポリリン酸塩である。特にpH7〜9に調整することが好ましい。
キレート剤としては、エデト酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、クエン酸、及びそれらの塩類等が挙げられる。キレート剤を配合する場合には、組成物全量に対して、通常、0.01〜1質量%が好ましい。
殺菌剤としては、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、ヒノキチオール、トリクロサン、塩化リゾチーム等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、POE硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
メチオナーゼ活性阻害剤及びプロテアーゼ活性阻害剤としては、公知のものが使用でき、ジュ抽出物、ジンジャー抽出物、ホップ抽出物、ユキノシタ抽出物等のメチオナーゼ活性阻害剤が好ましく挙げられる。
他の配合物としては、エタノール、エチレングリコール、ブタンジオール、イソプロパノール、グリセリン等の、分子内に2〜10個の炭素及びヒドロキシ基を有する有機化合物を配合することもできる。
歯垢染色組成物のpHは、歯頚、舌等への色素染着性を更に考慮し、6.5〜10に調整することが好ましい。
本発明に、ムタナーゼやデキスタナーゼを含むことは好ましい。
【実施例】
【0027】
(ゼリー状食用歯垢染色材)
【0028】
【表2】

【0029】
上記の成分を下記方法で作成した。
1.いちごはフォークの背などでつぶしてレモン汁を加る。
2.鍋に水、粉寒天を入れて火にかけ、かき混ぜながら煮溶かす。沸騰させ、砂糖と食用赤色104号を加え溶かす。
3.火を止め、1.を加え混ぜ、手早く型に流し入れ、固める。
【0030】
(飴状食用歯垢染色材)
配合表
【0031】
【表2】

【0032】
1.耐熱容器に砂糖と食用青色2号、水を入れよく混ぜる(水飴を加えると固まりやすくる)。
2.電子レンジまたは火にかけ加熱します。色が少し変わり始めたところで火から外す。
3.ぬき型とアルミホイルに予めサラダオイルをぬっておき受け皿にアルミホイルとぬき型を置く。
4.ぬき型の中にゆっくりと飴を流し込む。
5.少し冷えて固まってきたら型をはずす。
6.飴が固まったら完成。
【0033】
(染色テスト及び効果)
上述に従い、ゼリー状食用歯垢染色材と飴状食用歯垢染色材を完成させ、同様に食用赤色104号及び食用青色2号をを除いたゼリー状材と飴状材を完成させ食べ比べた。結果、ゼリー状食用歯垢染色材と飴状食用歯垢染色材は歯垢を染色した。
染色材の飛び散りや衣服等を汚すことも無く、歯垢染色することができ、容易に歯垢を取り除くことができた。
【0034】
(マルチトールを使用したゼリー状食用歯垢染色材)
【0035】
配合表
【表3】

【0036】
上記の成分を下記方法で作成した。
1.いちごはフォークの背などでつぶしてレモン汁を加る。
2.鍋に水、粉寒天を入れて火にかけ、かき混ぜながら煮溶かす。沸騰させ、マルチトールと食用赤色104号を加え溶かす。
3.火を止め、1.を加え混ぜ、手早く型に流し入れ、固める。
【0037】
(染色テスト及び効果)
上述に従い、ゼリー状食用歯垢染色材を完成させ、食用歯垢染色材を口腔内に入れる工程、食用歯垢染色材を口腔内で保持する工程、食用歯垢染色材を飲み込む工程、口腔内を観察する工程、口腔内を歯刷子で磨く工程を行った。
結果、染色材の飛び散りや衣服等を汚すことも無く、歯垢染色することができ、容易に歯垢を検出することができた。
【0038】
(タブレット状天然色素含有歯垢染色材)
【表4】

紅麹色素−モナスコレッドSP−3000(キリヤ化学(株)製)
(成型方法)
上記成分を乳鉢で混合し、8mm楕円状型に充填し、600kg/cmで成型した。
【0039】
(壁材付き天然色素含有歯垢染色材)
【表5】

(作製方法)
上記成分を乳鉢で混合し、球形にした綿の中に、極細ストローを用いて注入した。
【0040】
(顆粒状の天然色素含有歯垢染色材)
【表6】

【0041】
乳鉢でグラニュー糖を粉末にした後、スーパーミキサー800回転にて撹拌する。
目視での確認をしながら、造粒した。
【0042】
(染色テスト及び効果)
タブレット状天然色素含有歯垢染色材について:
試作したタブレット状天然色素含有歯垢染色材を以下方法で歯垢染色が良好なことを確認した。
【0043】
(着色方法)
以下の工程で染色試験を行った。
▲1▼口腔内を観察する工程
▲2▼タブレット状天然色素含有歯垢染色材を口腔内に入れる工程、
▲3▼タブレット状天然色素含有歯垢染色材を口腔内で保持する工程、
▲4▼タブレット状天然色素含有歯垢染色材を飲み込む工程、
▲5▼口腔内の染色状態を観察する工程、
▲6▼口腔内をゆすぐ工程、
▲7▼口腔内の脱色状態を観察する工程、
(コントロールの着色方法)
▲1▼「歯磨き上手(松風社製)」で染色する工程
▲2▼口腔内の染色状態を観察する工程、
▲3▼口腔内をゆすぐ工程、
▲4▼口腔内の脱色状態を観察する工程、
【0044】
(評価基準)
染色性については、コントロール▲2▼の染色されている口腔内の状態を基準に、▲5▼の染色状態を評価した。評価内容は、強い染色:◎、同等の染色:○、少し弱い染色:×、染色不足:××で評価した。
脱色性については、▲1▼の染色されていない口腔内の観察を基準に、▲7▼よりコントロールの▲4▼の脱色状態を評価した。評価内容は、完全脱色:◎、脱色:○、少し着色残り:×、多く残り:××で評価した。
【0041】
【表7】

【0042】
壁材付き天然色素含有歯垢染色材について:
試作した壁材付き天然色素含有歯垢染色材を以下の方法で歯垢染色が良好なことを確認した。
(着色方法)
以下の工程で染色試験を行った。
▲1▼口腔内を観察する工程
▲2▼顆粒状の天然色素含有歯垢染色材に水を付けを咬合面上に塗布する工程、
▲3▼口腔内の染色状態を観察する工程、
▲4▼口腔内をゆすぐ工程、
▲5▼口腔内の脱色状態を観察する工程、
(コントロールの着色方法)
▲1▼「歯磨き上手(松風社製)」で染色する工程
▲2▼口腔内の染色状態を観察する工程、
▲3▼口腔内をゆすぐ工程、
▲4▼口腔内の脱色状態を観察する工程、
【0043】
(評価基準)
染色性については、コントロール▲2▼の染色されている口腔内の状態を基準に、▲3▼の染色状態を評価した。評価内容は、強い染色:◎、同等の染色:○、少し弱い染色:×、染色不足:××で評価した。
脱色性については、▲1▼の染色されていない口腔内の観察を基準に、▲5▼とコントロール▲4▼の脱色状態を評価した。評価内容は、完全脱色:◎、脱色:○、少し着色残り:×、多く残り:××で評価した。
【0044】
【表8】

【0045】
顆粒状の天然色素含有歯垢染色材について:
試作した顆粒状の天然色素含有歯垢染色材を以下方法で歯垢染色が良好なことを確認した。
(着色方法)
以下の工程で染色試験を行った。
▲1▼口腔内を観察する工程
▲2▼顆粒状の天然色素含有歯垢染色材を口腔内に入れる工程、
▲3▼顆粒状の天然色素含有歯垢染色材を口腔内で保持する工程、
▲4▼顆粒状の天然色素含有歯垢染色材を飲み込む工程、
▲5▼口腔内の染色状態を観察する工程、
▲6▼口腔内をゆすぐ工程、
▲7▼口腔内の脱色状態を観察する工程、
(コントロールの着色方法)
▲1▼「歯磨き上手(松風社製)」で染色する工程
▲2▼口腔内の染色状態を観察する工程、
▲3▼口腔内をゆすぐ工程、
▲4▼口腔内の脱色状態を観察する工程、
【0046】
(評価基準)
染色性については、コントロール▲2▼の染色されている口腔内の状態を基準に、▲5▼の染色状態を評価した。評価内容は、強い染色:◎、同等の染色:○、少し弱い染色:×、染色不足:××で評価した。
脱色性については、▲1▼の染色されていない口腔内の観察を基準に、▲7▼とコントロール▲4▼の脱色状態を評価した。評価内容は、完全脱色:◎、脱色:○、少し着色残り:×、多く残り:××で評価した。
【0047】
【表9】

【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】壁材付き天然色素含有歯垢染色材の概略図
【図2】持手付きの壁材付き天然色素含有歯垢染色材が好ましい包装容器に包まれた概略図
【符号の説明】
【0049】
1 天然色素含有歯垢染色材
2 壁材
3 包装容器
4 壁材付き天然色素含有歯垢染色材保管室
5 手持ち棒
6 壁材付き天然色素含有歯垢染色材
7 水溶体保管室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベニコウジ色素、ナシ赤色素、ベニバナ赤色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、アカネ色素、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブルーベリー色素、トウガラシ色素、アナトー色素、クチナシ青色素、スピルリナ色素から選ばれる一または二以上の色素を含むことを特徴とする天然色素入歯垢染色材。
【請求項2】
ベニコウジ色素、クチナシ青色素、銅クロロフィリンNaから選ばれる一または二以上の色素を含むことを特徴とする天然色素入歯垢染色材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の歯垢染色材であって、
歯垢染色材を口腔内に入れる工程、
歯垢染色材を口腔内で保持する工程、
口腔内を観察する工程
を含む歯垢染色方法に用いる天然色素入歯垢染色材。
【請求項4】
歯垢染色材の形状がタタブレット状、顆粒状、液状、であることを特徴とする請求項1又は2に記載の天然色素入歯垢染色材。
【請求項5】
歯垢を染色する方法に用いる歯垢染色材において、
歯垢染色材を口腔内に入れる工程、
歯垢染色材を口腔内で保持する工程、
歯垢染色材を飲み込む工程、
口腔内を観察する工程
を含む歯垢染色方法に用いる食用歯垢染色材。
【請求項6】
歯垢染色材に糖アルコールと染色成分を含むことを特徴とする請求項5記載の食用歯垢染色材。
【請求項7】
飴、ガム、タブレット、グミ、ゼラチン菓子、砂糖菓子である請求項6記載の食用歯垢染色材。
【請求項8】
請求項1〜3記載の天然色素入歯垢染色材の周りを唾液が浸潤可能な壁材で覆った外壁付天然色素入歯垢染色材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−28152(P2006−28152A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−237804(P2004−237804)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(390011143)株式会社松風 (125)
【Fターム(参考)】