太陽光利用システム
【課題】 屋根固定金具を屋根上に固定するために木ねじや釘で瓦材に穴を開けても、そこに雨水が侵入せず、風雨による吹込みによる侵入にも対応し、雨水によって屋根の腐食などを引き起こさず、しかも施工が簡単で熟練を要さない屋根設置架台の防水構造を提供する。
【解決手段】 傾斜した屋根の上に太陽光利用機器を設置する屋根設置架台を配設し、この屋根設置架台により太陽光利用機器を固定した太陽光利用システムであって、前記屋根設置架台は、低部カバー体と貫通穴を有した上部カバー体とを備える防水カバーと、この防水カバーを屋根の上に設置する固定手段とから成り、この固定手段は、板状体と、この板状体を前記屋根に固定する棒状支持部と、上部カバー部の上面に対し押圧すべく、貫通穴に通した棒状支持部に取付けた締付部材とから成り、さらに低部カバー体に対し、屋根上を流下する雨水のうち、前記板状体に向かう分を阻止すべく、止水路を形成した太陽光利用システムである。
【解決手段】 傾斜した屋根の上に太陽光利用機器を設置する屋根設置架台を配設し、この屋根設置架台により太陽光利用機器を固定した太陽光利用システムであって、前記屋根設置架台は、低部カバー体と貫通穴を有した上部カバー体とを備える防水カバーと、この防水カバーを屋根の上に設置する固定手段とから成り、この固定手段は、板状体と、この板状体を前記屋根に固定する棒状支持部と、上部カバー部の上面に対し押圧すべく、貫通穴に通した棒状支持部に取付けた締付部材とから成り、さらに低部カバー体に対し、屋根上を流下する雨水のうち、前記板状体に向かう分を阻止すべく、止水路を形成した太陽光利用システムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽熱集熱温水器や太陽光発電装置などの太陽光利用機器を傾斜屋根上に設置した太陽光利用システムの改良に関するものであり、たとえば、それら太陽光利用機器を固定する架台を金属屋根上に設ける際の防水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光を光に変換する太陽電池を用いて、住宅の屋根などを発電部とする太陽光発電装置が普及している。また、太陽光を熱に変換する太陽熱集熱温水器も、すでに多く使用されているが、これら太陽光利用機器については、さらにさまざまな構造が展開されている。
【0003】
たとえば、屋根に取り付ける太陽光利用機器の一例として、その様々な屋根形状に合わせて太陽電池素子を複数接続した太陽電池モジュールが提示されている。また、太陽電池モジュールを組合せて、配置する太陽熱集熱機も、すでに提示されている。
【0004】
そして、この太陽光利用機器を屋根に取り付け方法も、様々な構造にて提案されている。
【0005】
たとえば、屋根部材と一体的に製造された屋根一体型太陽電池モジュールが提案されている。また、図11と図12に示す取り付け構造も提案されている。
【0006】
図11は、従来の屋根設置架台を屋根上に配し、太陽光発電アレイを支持する様子を示す一部拡大断面図である。図12は、従来の太陽光発電アレイを住宅の屋根上に設置する様子を模式的に説明する斜視図である。
【0007】
図12によれば、Jは太陽光発電装置であり、この太陽光発電装置Jにおいて、屋根40上に縦桟41を配し、この縦桟41上に、その方向に対し直交するように横桟42を配置し、架台として組み、そして、横桟42上に太陽電池モジュール44を設置する屋根置き型と呼ばれる設置方法などが知られている。
【0008】
この設置方法を図11にて、さらに詳しく説明する。
【0009】
同図において、39は屋根40を構成する構造材である野地板であり、さらに垂木などを含む場合もある。38は野地板39の上に配する瓦材である。そして、縦桟41を野地板39に固定するために、木ねじ18(その他に釘を用いる)と屋根固定金具43を使用する。
【0010】
すなわち、野地板39の上に瓦材38を配し、さらに屋根固定金具43を配置し、そして、木ねじ18を、瓦材38を通して野地板39に接合し、屋根固定金具43を屋根上に強固に固定する。
【0011】
そして、屋根固定金具43の上に縦桟41を固定する構造である。
【0012】
しかしながら、上記提案の構造によれば、木ねじ18や釘を、屋根40上の瓦材38を打ち抜き、その屋根40の構造材に固定することで、瓦材38に穴ができ、その穴の部分から雨水が浸入するという問題があった。
【0013】
その他、図13に示すような太陽光利用機器を屋根に取り付け方法も提案されている。
【0014】
同図に示すごとく、屋根材である金属製の板金に対し、それを折り曲げ加工した板金45に成し、その折り曲げにて生じる線状の突起部46の所定の部位に固定装置47を配し、そして、この固定装置47でもって突起部46を挟むように成した構造とし、これら複数個の突起部46の上に太陽電池モジュール44を配置する構成である。
【0015】
このような構成にしたことで、屋根に穴を開けないで、太陽電池モジュール44を屋根上に固定することができる。
【0016】
さらに他の取り付け方法も提案されている。
【0017】
図13に示す前記の取り付け方法においては、金属製の板金を折り曲げ加工した板金45を用いたが、これに代えて、同様に金属製の板金を用いても、その金属屋根に、前記突起部46のような形状にできない場合もある。
【0018】
たとえば、前述した図11に示す瓦材38においては、挟み込み構造にすることがむずかしくなるが、そのような構造であっても、金属屋根上に螺子や釘で打ちつけて固定し、その後、螺子や釘の頭部に雨水の侵入を防止する覆い板を被せるようにした構成も提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平09−184264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、前述した取り付け方法においては、以下のような課題がある。
【0020】
屋根固定金具を屋根上に固定するために、木ねじや釘を用いて、瓦材に穴を開ける必要があり、これにより、屋根の防水性能が低下し、その穴を通して侵入した雨水によって、屋根に対し腐食などを引き起こしていた。
【0021】
このような腐食を防止するために、コーキングなど防水処理を行う技術が提案されたが考えられるが、これに伴って施工の工数が増え、さらに作業者の熟練度による仕上がりのバラツキ(防水性能のバラツキ)が生じていた。そして、作業後の検査確認というような手間が、新たに生じるという問題もある。
【0022】
また、螺子や釘の頭部に雨水の侵入を防止する覆い板を被せるようにした場合においても、覆い板の上端部が上段の瓦材の下部に潜り込む構成であり、これにより、大半の雨水は覆い板上を通過し、耐候性を向上させることはできるが、その反面、覆い板と瓦材の間の隙間から侵入する横方向から流れ込む雨水があり、さらに風によって吹き込む雨水もあり、これら課題に対し、解消されない。
【0023】
しかも、覆い板と瓦材の隙間によって生じる毛細管現象によって自ら雨水を引き込む場合もある。また、これを防止するために接着などのコーキングを用いれば、前述した施工仕上がりのバラツキというような問題が生る。
【0024】
したがって本発明の目的は、傾斜した屋根の上に太陽光利用機器を設置するに際し、雨水が屋根内に浸入しないようにした高品質な太陽光利用システムを提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的は、コーキングなど防水処理を行うこともなく、簡単な施工でもって、屋根に対する防水性能が高められ、施工コストを低減した太陽光利用システムを提供することにある。
【0026】
本発明のさらに他の目的は、防水性能のバラツキのなくした高信頼性の太陽光利用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、傾斜した屋根の上に太陽光利用機器を設置する屋根設置架台を配設し、この屋根設置架台により太陽光利用機器を固定した太陽光利用システムであり、そして、前記屋根設置架台は、低部カバー体と貫通穴を有した上部カバー体とを備える防水カバーと、この防水カバーを屋根の上に設置する固定手段とから成り、この固定手段は、板状体と、この板状体を前記屋根に固定する棒状支持部と、上部カバー部の上面に対し押圧すべく、前記貫通穴に通した上記棒状支持部に取付けた締付部材とから成り、さらに前記低部カバー体に対し、屋根上を流下する雨水のうち、前記板状体に向かう分を阻止すべく、止水路を形成したことを特徴とする。
【0028】
本発明の他の太陽光利用システムは、前記止水路を前記屋根に当接したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明の太陽光利用システムは、上記構成のごとく、前記屋根設置架台は、低部カバー体と貫通穴を有した上部カバー体とを備える防水カバーと、この防水カバーを屋根の上に設置する固定手段とから成り、この固定手段は、板状体と、この板状体を前記屋根に固定する棒状支持部と、上部カバー部の上面に対し押圧すべく、前記貫通穴に通した上記棒状支持部に取付けた締付部材とから成り、さらに前記低部カバー体に対し、屋根上を流下する雨水のうち、前記板状体に向かう分を阻止すべく、止水路を形成したことで、止水構造となり、その結果、屋根上を流下する雨水側部(横)からの雨の吹込みに対しても、それを阻止する構成になる。しかも、毛細管現象による雨水の引き込みが生じないという利点もある。
【0030】
さらに前記止水路を屋根に当接したことで、その効果をいっそう高めることができる。
【0031】
また、本発明によれば、板状体と棒状支持部と締付部材との組合せによる固定手段と、止水路を形成した低部カバー体とを用いて、締付部材にて締め付ける工程により、容易に施工できることから、止水性能が作業者の熟練度に左右されなくなり、これにより、コーキングなど防水処理を行うこともなく、簡単な施工でもって、屋根に対する防水性能が高められ、施工コストを低減した高品質かつ高信頼性の太陽光利用システムが得られる。
【0032】
さらに本発明の太陽光利用システムにおいては、前記止水路を屋根に当接するように、締付部材にて締め付けることで、たとえば、締付部材を、ある所定の規定値を越えて締め付けることで、屋根に当接した止水路において、そこを支点として低部カバー体の外縁が上方に移動するようになり、その変形でもって、屋根上にたわみなどが生じることがあり、このような変形構造であっても、低部カバー体と屋根表面との間の空隙の確保ができる。
【0033】
さらに前述した止水路を形成した低部カバー体については、その他、さまざまな構成にすることで、その止水性能を高めることができる。
【0034】
たとえば、止水路の端部、もしくはその端部が分岐した補助止水路について、これらを固定部材の周囲を取り囲むように配することで、軒方向や、それに直交する左右からの風雨の吹き込みに対し、さらに止水性能を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の太陽光利用システムについて、その太陽光利用機器が太陽光発電装置である場合を例にして、詳細に説明する。
【0036】
(例1)
以下、その太陽光発電装置に係る屋根設置架台において、この防水構造の一実施形態について、模式的に図示した図面に基づいて説明する。
【0037】
図1は傾斜した屋根の上に、屋根設置架台を取り付ける様子を示す斜視図であり、図2はその組立て完成状態を示す斜視図である。
【0038】
また、図3は縦桟、横桟た太陽電池モジュールの組付けの様子を示す一部拡大断面図であり、図4は止水構造が生じる様子を説明する一部拡大断面図である。
【0039】
図1に示すように、本発明の屋根設置架台の防水構造によれば、前記固定手段である固定金具5については、棒状支持部6と、前記板状体である固定部7と、締付部材8から成る。
【0040】
この固定金具5の上に、低部カバー体2と上部カバー体3と、この上部カバー体3に設けた貫通穴4とから成る防水カバー1を覆い被さる様に配置する。
【0041】
そして、棒状支持部6を貫通穴4に貫通させ、締付部材8で締付固定することにより、低部カバー体2に設けられた止水路9が、屋根上に密着し、止水構造となる。
【0042】
さらに具体的な構成を述べる。
【0043】
従来の技術として図11に示す構成を例示したが、本発明によれば、そこに用いた瓦材38(屋根上に配された金属屋根材)の上に固定金具5を固定するようにしてよい。
【0044】
図1に示すごとく、固定金具5の固定部7には木ねじや釘を通すねじ穴10が設けられ、この穴10に木ねじや釘を打ち付けて、瓦材38ごと屋根の構造材に固定する。
【0045】
一方、固定金具5には縦桟などを支持するための棒状支持部6が上方に向けて設けられ、棒状支持部6を、防水カバー1の貫通穴4に通し、そして、棒状支持部6に締付部8を取り付ける。
【0046】
固定金具5は、鉄やステンレスなどの金属板で構成され、長期間にわたる風雨などで支持強度が低下しないよう耐候性の良いものが用いられる。
【0047】
本例においては、棒状支持部6にはねじが切られており、一方、締付部材8をナットとして締付固定ができる構成である。
【0048】
なお、締付部材8をプッシュナットにして棒状支持部のねじ加工を不要としてもよい。
【0049】
防水カバー1は鉄やステンレス、などの板金のプレス加工品や、ポリカーボネイトなどの樹脂成型品が適用できる。
【0050】
その材質については板金は耐候性に優れ、樹脂は金属屋根との間に電触を起こさないような性質の材料を選択し、各々の利点に合わせて使用する。
【0051】
本例においては、鉄板をプレス加工した板金品を用いて説明する。
【0052】
防水カバー1は底部カバー体2と上部カバー体3とから構成されるが、上部カバー体3の高さは固定金具5が防水カバー1の裏面に当たらない高さであれば良いが、雨水の流れを考慮すると、固定部7の高さに合わせて最抵高にするよりも、ある程度高低差を持たせたほうが良い。本発明者が行った実験によれば、一般的な住宅の屋根の傾斜角度とそこを流れ落ちる雨の流速を考慮すると、上部カバー3の高さは少なくても1cm程度の高さを有するようにしたほうが良く、このようにすることで後述する図5の雨水の流れのように高低差によって出来た壁面によって雨水が左右に分かれ、上部カバー3の上部に雨水が流れることが少なくなり、貫通穴4から内部への雨水の浸入が少なく好適である。
【0053】
固定金具5の棒状支持部6は、上部カバー体3の貫通穴4から抜けるので、基本的には固定部7の高さ分だけでよい。
【0054】
しかしながら、雨水の流れを考慮すると、固定部7の高さに合わせて低くするよりも、ある程度高低差を持たせたほうが良い。
【0055】
本発明者が行った実験によれば、1cm程度の高さが有ったほうが雨水の浸入が少なかった。
【0056】
一方、低部カバー体2には屋根面に向かって突出した止水路9が設けられ、このような溝構造の止水路9は、上部カバー体3の外周を取り囲むように設けられ、屋根の軒先側(A方向)だけ開口している。
【0057】
以上のようにして、固定金具5の棒状支持部6に、防水カバー1の貫通穴4を通した後、棒状支持部6に締付部材8を取り付け、締付固定した状態を図2に示す。
【0058】
なお、締付部材8と防水カバー1との間に、保護ワッシャーや防水パッキン11などを噛ませて、板金の塗装はがれを防止するように、さらに防水を高めるようにすれば、より好適である。
【0059】
つぎに固定金具5を用いることによる締付部材8の締付状態変化を図4(a)(b)により説明する。
【0060】
同図(a)は、図2の状態の締付部材8の締付前の状態を示す断面図である。同図(b)は、図2の状態の締付部材8の締付後の状態を示す断面図である。なお、これら図4(a)(b)は、双方とも、図1にて示す軒側方向(A)から見た断面図である。
【0061】
図4(a)に示すように、締付部材8が支持部6上をフリーな状態においては、防水カバー1も取付金具5上に被さっているだけであり、止水路9と瓦材38の間には隙間が生じている。
【0062】
一方、図4(b)に示すように、締付部材8を締め付けてゆくと、防水カバー1が押さえつけられ下降し、その一番底部にある止水路9が瓦材38に当接し、さらに密着する。
【0063】
このような構成においては、防水カバー1の低部カバー体2と瓦材38との間には空隙12が生じており、左右から吹き込む雨水が表面張力で留まらないように、また、毛細管現象による雨水の引き込みが生じないようにしている。
【0064】
本発明者が行った実験によると、傾斜のある金属屋根上に設置した場合、雨水の留まりや毛細管現象を生じさせない好適な空隙距離として、2mm以上に設定するとよいことを確認した。
【0065】
また、屋根のたわみ等によって空隙が2mm以上に確保できない場合、本装置においては、締付部材8を規定以上に締め付けることによって防水カバー1が、さらに押し潰されて変形する。このような変形を利用して、底面でその変形の支点となる止水路9を基点として低部カバー体2の内周側が下方(図4にて矢印Bを示す)に向かって押し下げられ、逆に外周側が上方(図4にて矢印Cを示す)に向かって持ち上がるように動き、その結果、空隙12が増加して最適な空隙距離を得ることができる。
【0066】
なお、この変形の度合いについては止水カバー1の材質、厚み、止水路の高さによって変化するので、予め屋根のたわみの程度に合わせた設計としておくと良い。
【0067】
締め付け位置を規定する方法としては、たとえば図3に示すように、棒状支持部6の上に防水カバー1の屋根への締付位置を規定するナット11を配してもよく、これにより、締付部材8をそれ以上締め付けることができず、その結果、締め付け過ぎが生じにくく、また、ナット同士で強固に締付合うので締付部材8のゆるみ止めの効果も得られる。前述した屋根のたわみによる空隙不足の際にはナット11の位置を下げてやればよい。
【0068】
かくして図1、図2、図4に示すごとく、前述した取り付け方法を、太陽光発電装置に適用した場合を図3に示す。
【0069】
すなわち、図3に示すごとく、屋根40上に固定された固定金具と防水カバーとから成る屋根設置架台S上には、棒状支持部6によって、縦桟41が支持され、この縦桟41上に直交するように横桟42が固定され、その横桟42上に多数の太陽電池モジュール44が取り付けられ、そして、屋根上に太陽光発電アレイが完成する。
【0070】
以上、本例の太陽光利用システムについては、その太陽光利用機器が太陽光発電装置(太陽光発電アレイ)である場合でもって説明したが、これに代えて、その太陽光利用機器が太陽熱集熱温水器(太陽熱集熱アレイ)にしても、本発明に係る屋根設置架台が適用できる。
【0071】
次に屋根設置架台Sとして太陽光発電アレイや太陽熱集熱アレイなどを支持するようになった状態での動きを説明する。
【0072】
図5と図6は、双方とも雨天時に屋根設置架台Sを流れる雨水の様子を示す。
【0073】
図5は屋根設置架台Sと屋根面との間を流れる雨水の様子を上面から見た一部透視平面図である。図6は屋根設置架台の上面を流れる雨水の様子を模式的に示す斜視図である。
【0074】
なお、これらの図において、上が屋根の棟側、下が軒側を示す。
【0075】
図5に示すように、屋根上を流れてきた雨水20は屋根表面(瓦材)と屋根設置架台Sとの間に入り込むが、止水路9によって進行を阻まれ、横方向に進路を変更する。
【0076】
このとき、図中のように止水路9を左右に傾斜させて、雨水が抵抗無く左右に振り分けられるようにすると、雨水の流れの圧力を逃がすことができ、これにより、屋根設置架台Sへのストレスを軽減でき、好適である。
【0077】
また、左右から風等によって流し込まれた雨水21についても、同様に止水路9によって進路を変更され、その結果、屋根設置架台Sの固定金具部分には雨水が浸入しなくなる。
【0078】
万一、止水路9の途切れている下部の開口部15からの吹き込みがあったとしても、開口部15側は屋根の傾斜の軒側なので、雨水は重力によって引き戻され、開口部15から排出され、これにより、屋根設置架台Sの固定金具部分が濡れることはほとんどない。
【0079】
一方、屋根設置架台Sの表側においては、図6に示すように、雨水20は低部カバー体2と上部カバー体3の段差による壁によって左右に振り分けられ、多くは低部カバー体2上を流れる。
【0080】
このとき、防水カバー1が金属のプレス成型などである場合には、止水部9の部分が溝となるので、雨水量が少ないときの雨水20aは前述した壁に到達する前に、止水部9の表面側に生じた溝に誘導されて排出される。
【0081】
逆に、雨水量が多くて壁(段差)を乗り越えてしまう雨水22は、多くはそのまま上部カバー体3上を流れ落ちるが、微量ながら貫通穴4から侵入することがある。この場合も開口部15によって溜まった水滴や気化した蒸気をスムーズに排出することができるので、屋根設置架台Sの固定金具部分へのダメージを最小限にできる。
【0082】
次に本発明に係る他の実施例について、模式的に示す図を基に説明する。
【0083】
(例2)
本例によれば、図7に示すように屋根設置架台Sの上部カバー体3の上面において、棒状支持部6を通すための貫通穴4の周囲3aをもう一段高く段差を設けた構成である。
【0084】
このように上部カバー体3の上面に、さらに段差を設けることで、屋根上を流れる雨水量が多いときに、上部カバー体3上に乗り上げる雨水が生じたとしても、さらにもう一度段差を乗り越えなければならないので、雨水が貫通穴4から内部に侵入することを、さらに優位に無くすることができる。
【0085】
(例3)
本例によれば、図8(a)に示すように、止水路9の軒側の端部9aおよび9bを内側に折り曲げたことにより、下方(軒側)からの風による雨水の吹き込みに対抗するようにすれば、図5で述べたような広い開口部15とした場合には風による吹き込みで侵入する雨水が屋根の傾斜に逆らえず再び下降を始めるのに必要な距離(長さ)を反し部分として低部カバー体2の軒側に設けておく必要があるのに対し、止水路9の軒側の端部9aおよび9bが吹き込み自体を物理的に遮断するので、低部カバー体2の軒側長さを短くすることができ、小型化に貢献する。また、たとえば、このとき端部9aよりも端部9bを長く外側に延ばすとともに、端部9a−9b間に開口部15aを確保するようにすることで、雨水の侵入を妨げると同時に内部に侵入した水滴や蒸気を排出することができる。
【0086】
なお、本例においては、端部9aよりも端部9bを長く外側に延ばしたが、これに代えて、端部9bよりも端部9aを長く外側に延ばしてもよい。
【0087】
(例4)
本例によれば、さらに図8(b)のように、止水路9の端部はそのまま軒側に貫通させておき、止水路9の途中から補助止水路9c、9dを延ばした構成にしてもよい。
【0088】
かかる構成にしたことで、横からの雨水の吹き込みに対する耐性が向上する。さらに雨水量の少ない時には止水路9を伝って水滴が流れるようにできる。
【0089】
(例5)
本例によれば、図9に示すように、止水路9の外周に、同様の構造の第二止水路19を設け、二重構造として、より防水性能を向上させてもよい。
【0090】
また、本例によれば、屋根のゆがみ等で止水路9だけでは屋根面との密着が保てない個所を補うことができる。
【0091】
さらにまた、第二止水路19は屋根面との密着が保てなくても、吹き込みの雨水を減速させたり、雨水の表面張力を利用して、止水効果を得ることができ、その結果、止水路9の止水を確実なものとする効果がある。
【0092】
(例6)
本例においては、(例5)に示すごとき、第二止水路19を有する止水カバー1について、その断面形状の例を示す。
【0093】
図10(a)は第二止水路19を有する止水カバー1の断面図を記す。
【0094】
本例によれば、前述したように第二止水路19は必ずしも屋根面と密着しなくても良いので、最初から止水路9よりも突出量を少なく(高さを低く)して止水路9の密着性を阻害しないようにしてもよい。
【0095】
(例7)
本例においては、図10(b)のように止水路9を先端が鋭角的な形状とすれば、屋根面への接触圧が局部集中するので、平坦な屋根面への密着性を向上させる。
【0096】
(例8)
また、本例においては、図10(c)のように、横断面において、止水路9を、曲面を有する半円形や半楕円形状とすれば、屋根面が上下に歪んでいる場所においても、止水路9の曲面上のどこかの位置が屋根面に接触して接触点を確保することができ、これにより、屋根の歪みに対する密着性が良い。
【0097】
(例9)
さらにまた、本例においては、図10(d)に示すように、止水の突起部を別体として、防水カバー1下部に止水部材29を取付ることとしても良い。
【0098】
この場合、止水部材29だけ材質を変更できるので、ゴムやパッキンなど屋根の歪み状況に応じた止水構造に変更することが容易である。
【0099】
さらに止水部材29に磁石を用いれば屋根設置架台の締付部材のみによる押圧を補助でき、屋根の経年変化に伴う歪みの変化にも自動的に追従できる。
【0100】
以上、記述したように本発明によれば、締付部材8を締め付けることで、防水カバー1が押さえつけられ下降し、その一番底部にある止水路9が瓦材38に密着することで、低部カバー体2と瓦材38との間に空隙12を生じさせ、左右から吹き込む雨水が表面張力で留まらないように、また、毛細管現象による雨水の引き込みが生じないようにし、雨水の止水と排水性を両立させた。
【0101】
また、貫通穴4から侵入した雨水も、開口部15によって溜まった水滴や気化した蒸気をスムーズに排出することができるので、屋根設置架台Sの固定金具部分へのダメージを最小限にできる。
【0102】
また、止水路9の軒側の端部9aおよび9bを内側に折り曲げることにより、下方(軒側)からの風による雨水の吹き込みに対する止水性能を向上させ、低部カバー体2の軒側長さを短くすることができ、小型化に貢献する。
【0103】
さらにまた、止水路9の外周に同様の構造の第二止水路19を設け、二重構造とすることにより、防水性能を向上させると共に、屋根のゆがみ等で止水路9だけでは、屋根面との密着が保てない個所を補うことができる。また、第二止水路19は屋根面との密着が保てなくても吹き込みの雨水を減速させたり、雨水の表面張力を利用して止水効果を得ることができるので、止水路9の止水を確実なものとできる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明に係る屋根設置架台を屋根上に設置する様子を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明に係る屋根設置架台を組み立てた完成状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る屋根設置架台を用いて太陽光発電アレイを支持する様子を模式的に示した一部断面図である。
【図4】(a)、(b)は本発明に係る屋根設置架台を屋根上に密着させる様子を模式的に示す断面図であり、(a)は締め付け前、(b)は締め付け後である。
【図5】本発明に係る屋根設置架台と屋根面との間を流れる雨水の様子を上面から見た一部透視平面図である。
【図6】本発明に係る屋根設置架台の上面を流れる雨水の様子を模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明に係る屋根設置架台の防水カバーの他の実施例を示す一部拡大断面図である。
【図8】(a)、(b)は本発明に係る屋根設置架台の止水路の他の実施例を模式的に示す平面図である。
【図9】本発明に係る屋根設置架台の他の実施例を模式的に示す平面図である。
【図10】(a)〜(d)は本発明に係る屋根設置架台の止水路の形状の他の実施例を示す一部拡大断面図である。
【図11】従来の屋根設置架台を屋根上に配し、太陽光発電アレイを支持する様子を示す一部拡大断面図である。
【図12】従来の太陽光発電アレイを住宅の屋根上に設置する様子を模式的に説明する斜視図である。
【図13】従来の太陽電池モジュールを金属屋根上に挟み込み金具を用いて設置する様子を模式的に説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
1:防水カバー
2:低部カバー体
3:上部カバー体
4:貫通穴
5:固定金具
6:棒状支持部
7:固定部
8:締付部材
9:止水路
9a、9b:端部
9c、9d:補助止水路
10:ねじ穴
11:ナット
12:空隙
15:開口部
18:木ねじ
19:第二止水路
20、20a、21、22:雨水
29:止水部材
38:瓦材
39:野地板
40:屋根
41:縦桟
42:横桟
43:屋根固定金具
44:太陽電池モジュール
45:板金
46:突起部
47:固定装置
J:太陽光発電装置
S:屋根設置架台
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽熱集熱温水器や太陽光発電装置などの太陽光利用機器を傾斜屋根上に設置した太陽光利用システムの改良に関するものであり、たとえば、それら太陽光利用機器を固定する架台を金属屋根上に設ける際の防水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光を光に変換する太陽電池を用いて、住宅の屋根などを発電部とする太陽光発電装置が普及している。また、太陽光を熱に変換する太陽熱集熱温水器も、すでに多く使用されているが、これら太陽光利用機器については、さらにさまざまな構造が展開されている。
【0003】
たとえば、屋根に取り付ける太陽光利用機器の一例として、その様々な屋根形状に合わせて太陽電池素子を複数接続した太陽電池モジュールが提示されている。また、太陽電池モジュールを組合せて、配置する太陽熱集熱機も、すでに提示されている。
【0004】
そして、この太陽光利用機器を屋根に取り付け方法も、様々な構造にて提案されている。
【0005】
たとえば、屋根部材と一体的に製造された屋根一体型太陽電池モジュールが提案されている。また、図11と図12に示す取り付け構造も提案されている。
【0006】
図11は、従来の屋根設置架台を屋根上に配し、太陽光発電アレイを支持する様子を示す一部拡大断面図である。図12は、従来の太陽光発電アレイを住宅の屋根上に設置する様子を模式的に説明する斜視図である。
【0007】
図12によれば、Jは太陽光発電装置であり、この太陽光発電装置Jにおいて、屋根40上に縦桟41を配し、この縦桟41上に、その方向に対し直交するように横桟42を配置し、架台として組み、そして、横桟42上に太陽電池モジュール44を設置する屋根置き型と呼ばれる設置方法などが知られている。
【0008】
この設置方法を図11にて、さらに詳しく説明する。
【0009】
同図において、39は屋根40を構成する構造材である野地板であり、さらに垂木などを含む場合もある。38は野地板39の上に配する瓦材である。そして、縦桟41を野地板39に固定するために、木ねじ18(その他に釘を用いる)と屋根固定金具43を使用する。
【0010】
すなわち、野地板39の上に瓦材38を配し、さらに屋根固定金具43を配置し、そして、木ねじ18を、瓦材38を通して野地板39に接合し、屋根固定金具43を屋根上に強固に固定する。
【0011】
そして、屋根固定金具43の上に縦桟41を固定する構造である。
【0012】
しかしながら、上記提案の構造によれば、木ねじ18や釘を、屋根40上の瓦材38を打ち抜き、その屋根40の構造材に固定することで、瓦材38に穴ができ、その穴の部分から雨水が浸入するという問題があった。
【0013】
その他、図13に示すような太陽光利用機器を屋根に取り付け方法も提案されている。
【0014】
同図に示すごとく、屋根材である金属製の板金に対し、それを折り曲げ加工した板金45に成し、その折り曲げにて生じる線状の突起部46の所定の部位に固定装置47を配し、そして、この固定装置47でもって突起部46を挟むように成した構造とし、これら複数個の突起部46の上に太陽電池モジュール44を配置する構成である。
【0015】
このような構成にしたことで、屋根に穴を開けないで、太陽電池モジュール44を屋根上に固定することができる。
【0016】
さらに他の取り付け方法も提案されている。
【0017】
図13に示す前記の取り付け方法においては、金属製の板金を折り曲げ加工した板金45を用いたが、これに代えて、同様に金属製の板金を用いても、その金属屋根に、前記突起部46のような形状にできない場合もある。
【0018】
たとえば、前述した図11に示す瓦材38においては、挟み込み構造にすることがむずかしくなるが、そのような構造であっても、金属屋根上に螺子や釘で打ちつけて固定し、その後、螺子や釘の頭部に雨水の侵入を防止する覆い板を被せるようにした構成も提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平09−184264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、前述した取り付け方法においては、以下のような課題がある。
【0020】
屋根固定金具を屋根上に固定するために、木ねじや釘を用いて、瓦材に穴を開ける必要があり、これにより、屋根の防水性能が低下し、その穴を通して侵入した雨水によって、屋根に対し腐食などを引き起こしていた。
【0021】
このような腐食を防止するために、コーキングなど防水処理を行う技術が提案されたが考えられるが、これに伴って施工の工数が増え、さらに作業者の熟練度による仕上がりのバラツキ(防水性能のバラツキ)が生じていた。そして、作業後の検査確認というような手間が、新たに生じるという問題もある。
【0022】
また、螺子や釘の頭部に雨水の侵入を防止する覆い板を被せるようにした場合においても、覆い板の上端部が上段の瓦材の下部に潜り込む構成であり、これにより、大半の雨水は覆い板上を通過し、耐候性を向上させることはできるが、その反面、覆い板と瓦材の間の隙間から侵入する横方向から流れ込む雨水があり、さらに風によって吹き込む雨水もあり、これら課題に対し、解消されない。
【0023】
しかも、覆い板と瓦材の隙間によって生じる毛細管現象によって自ら雨水を引き込む場合もある。また、これを防止するために接着などのコーキングを用いれば、前述した施工仕上がりのバラツキというような問題が生る。
【0024】
したがって本発明の目的は、傾斜した屋根の上に太陽光利用機器を設置するに際し、雨水が屋根内に浸入しないようにした高品質な太陽光利用システムを提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的は、コーキングなど防水処理を行うこともなく、簡単な施工でもって、屋根に対する防水性能が高められ、施工コストを低減した太陽光利用システムを提供することにある。
【0026】
本発明のさらに他の目的は、防水性能のバラツキのなくした高信頼性の太陽光利用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、傾斜した屋根の上に太陽光利用機器を設置する屋根設置架台を配設し、この屋根設置架台により太陽光利用機器を固定した太陽光利用システムであり、そして、前記屋根設置架台は、低部カバー体と貫通穴を有した上部カバー体とを備える防水カバーと、この防水カバーを屋根の上に設置する固定手段とから成り、この固定手段は、板状体と、この板状体を前記屋根に固定する棒状支持部と、上部カバー部の上面に対し押圧すべく、前記貫通穴に通した上記棒状支持部に取付けた締付部材とから成り、さらに前記低部カバー体に対し、屋根上を流下する雨水のうち、前記板状体に向かう分を阻止すべく、止水路を形成したことを特徴とする。
【0028】
本発明の他の太陽光利用システムは、前記止水路を前記屋根に当接したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明の太陽光利用システムは、上記構成のごとく、前記屋根設置架台は、低部カバー体と貫通穴を有した上部カバー体とを備える防水カバーと、この防水カバーを屋根の上に設置する固定手段とから成り、この固定手段は、板状体と、この板状体を前記屋根に固定する棒状支持部と、上部カバー部の上面に対し押圧すべく、前記貫通穴に通した上記棒状支持部に取付けた締付部材とから成り、さらに前記低部カバー体に対し、屋根上を流下する雨水のうち、前記板状体に向かう分を阻止すべく、止水路を形成したことで、止水構造となり、その結果、屋根上を流下する雨水側部(横)からの雨の吹込みに対しても、それを阻止する構成になる。しかも、毛細管現象による雨水の引き込みが生じないという利点もある。
【0030】
さらに前記止水路を屋根に当接したことで、その効果をいっそう高めることができる。
【0031】
また、本発明によれば、板状体と棒状支持部と締付部材との組合せによる固定手段と、止水路を形成した低部カバー体とを用いて、締付部材にて締め付ける工程により、容易に施工できることから、止水性能が作業者の熟練度に左右されなくなり、これにより、コーキングなど防水処理を行うこともなく、簡単な施工でもって、屋根に対する防水性能が高められ、施工コストを低減した高品質かつ高信頼性の太陽光利用システムが得られる。
【0032】
さらに本発明の太陽光利用システムにおいては、前記止水路を屋根に当接するように、締付部材にて締め付けることで、たとえば、締付部材を、ある所定の規定値を越えて締め付けることで、屋根に当接した止水路において、そこを支点として低部カバー体の外縁が上方に移動するようになり、その変形でもって、屋根上にたわみなどが生じることがあり、このような変形構造であっても、低部カバー体と屋根表面との間の空隙の確保ができる。
【0033】
さらに前述した止水路を形成した低部カバー体については、その他、さまざまな構成にすることで、その止水性能を高めることができる。
【0034】
たとえば、止水路の端部、もしくはその端部が分岐した補助止水路について、これらを固定部材の周囲を取り囲むように配することで、軒方向や、それに直交する左右からの風雨の吹き込みに対し、さらに止水性能を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の太陽光利用システムについて、その太陽光利用機器が太陽光発電装置である場合を例にして、詳細に説明する。
【0036】
(例1)
以下、その太陽光発電装置に係る屋根設置架台において、この防水構造の一実施形態について、模式的に図示した図面に基づいて説明する。
【0037】
図1は傾斜した屋根の上に、屋根設置架台を取り付ける様子を示す斜視図であり、図2はその組立て完成状態を示す斜視図である。
【0038】
また、図3は縦桟、横桟た太陽電池モジュールの組付けの様子を示す一部拡大断面図であり、図4は止水構造が生じる様子を説明する一部拡大断面図である。
【0039】
図1に示すように、本発明の屋根設置架台の防水構造によれば、前記固定手段である固定金具5については、棒状支持部6と、前記板状体である固定部7と、締付部材8から成る。
【0040】
この固定金具5の上に、低部カバー体2と上部カバー体3と、この上部カバー体3に設けた貫通穴4とから成る防水カバー1を覆い被さる様に配置する。
【0041】
そして、棒状支持部6を貫通穴4に貫通させ、締付部材8で締付固定することにより、低部カバー体2に設けられた止水路9が、屋根上に密着し、止水構造となる。
【0042】
さらに具体的な構成を述べる。
【0043】
従来の技術として図11に示す構成を例示したが、本発明によれば、そこに用いた瓦材38(屋根上に配された金属屋根材)の上に固定金具5を固定するようにしてよい。
【0044】
図1に示すごとく、固定金具5の固定部7には木ねじや釘を通すねじ穴10が設けられ、この穴10に木ねじや釘を打ち付けて、瓦材38ごと屋根の構造材に固定する。
【0045】
一方、固定金具5には縦桟などを支持するための棒状支持部6が上方に向けて設けられ、棒状支持部6を、防水カバー1の貫通穴4に通し、そして、棒状支持部6に締付部8を取り付ける。
【0046】
固定金具5は、鉄やステンレスなどの金属板で構成され、長期間にわたる風雨などで支持強度が低下しないよう耐候性の良いものが用いられる。
【0047】
本例においては、棒状支持部6にはねじが切られており、一方、締付部材8をナットとして締付固定ができる構成である。
【0048】
なお、締付部材8をプッシュナットにして棒状支持部のねじ加工を不要としてもよい。
【0049】
防水カバー1は鉄やステンレス、などの板金のプレス加工品や、ポリカーボネイトなどの樹脂成型品が適用できる。
【0050】
その材質については板金は耐候性に優れ、樹脂は金属屋根との間に電触を起こさないような性質の材料を選択し、各々の利点に合わせて使用する。
【0051】
本例においては、鉄板をプレス加工した板金品を用いて説明する。
【0052】
防水カバー1は底部カバー体2と上部カバー体3とから構成されるが、上部カバー体3の高さは固定金具5が防水カバー1の裏面に当たらない高さであれば良いが、雨水の流れを考慮すると、固定部7の高さに合わせて最抵高にするよりも、ある程度高低差を持たせたほうが良い。本発明者が行った実験によれば、一般的な住宅の屋根の傾斜角度とそこを流れ落ちる雨の流速を考慮すると、上部カバー3の高さは少なくても1cm程度の高さを有するようにしたほうが良く、このようにすることで後述する図5の雨水の流れのように高低差によって出来た壁面によって雨水が左右に分かれ、上部カバー3の上部に雨水が流れることが少なくなり、貫通穴4から内部への雨水の浸入が少なく好適である。
【0053】
固定金具5の棒状支持部6は、上部カバー体3の貫通穴4から抜けるので、基本的には固定部7の高さ分だけでよい。
【0054】
しかしながら、雨水の流れを考慮すると、固定部7の高さに合わせて低くするよりも、ある程度高低差を持たせたほうが良い。
【0055】
本発明者が行った実験によれば、1cm程度の高さが有ったほうが雨水の浸入が少なかった。
【0056】
一方、低部カバー体2には屋根面に向かって突出した止水路9が設けられ、このような溝構造の止水路9は、上部カバー体3の外周を取り囲むように設けられ、屋根の軒先側(A方向)だけ開口している。
【0057】
以上のようにして、固定金具5の棒状支持部6に、防水カバー1の貫通穴4を通した後、棒状支持部6に締付部材8を取り付け、締付固定した状態を図2に示す。
【0058】
なお、締付部材8と防水カバー1との間に、保護ワッシャーや防水パッキン11などを噛ませて、板金の塗装はがれを防止するように、さらに防水を高めるようにすれば、より好適である。
【0059】
つぎに固定金具5を用いることによる締付部材8の締付状態変化を図4(a)(b)により説明する。
【0060】
同図(a)は、図2の状態の締付部材8の締付前の状態を示す断面図である。同図(b)は、図2の状態の締付部材8の締付後の状態を示す断面図である。なお、これら図4(a)(b)は、双方とも、図1にて示す軒側方向(A)から見た断面図である。
【0061】
図4(a)に示すように、締付部材8が支持部6上をフリーな状態においては、防水カバー1も取付金具5上に被さっているだけであり、止水路9と瓦材38の間には隙間が生じている。
【0062】
一方、図4(b)に示すように、締付部材8を締め付けてゆくと、防水カバー1が押さえつけられ下降し、その一番底部にある止水路9が瓦材38に当接し、さらに密着する。
【0063】
このような構成においては、防水カバー1の低部カバー体2と瓦材38との間には空隙12が生じており、左右から吹き込む雨水が表面張力で留まらないように、また、毛細管現象による雨水の引き込みが生じないようにしている。
【0064】
本発明者が行った実験によると、傾斜のある金属屋根上に設置した場合、雨水の留まりや毛細管現象を生じさせない好適な空隙距離として、2mm以上に設定するとよいことを確認した。
【0065】
また、屋根のたわみ等によって空隙が2mm以上に確保できない場合、本装置においては、締付部材8を規定以上に締め付けることによって防水カバー1が、さらに押し潰されて変形する。このような変形を利用して、底面でその変形の支点となる止水路9を基点として低部カバー体2の内周側が下方(図4にて矢印Bを示す)に向かって押し下げられ、逆に外周側が上方(図4にて矢印Cを示す)に向かって持ち上がるように動き、その結果、空隙12が増加して最適な空隙距離を得ることができる。
【0066】
なお、この変形の度合いについては止水カバー1の材質、厚み、止水路の高さによって変化するので、予め屋根のたわみの程度に合わせた設計としておくと良い。
【0067】
締め付け位置を規定する方法としては、たとえば図3に示すように、棒状支持部6の上に防水カバー1の屋根への締付位置を規定するナット11を配してもよく、これにより、締付部材8をそれ以上締め付けることができず、その結果、締め付け過ぎが生じにくく、また、ナット同士で強固に締付合うので締付部材8のゆるみ止めの効果も得られる。前述した屋根のたわみによる空隙不足の際にはナット11の位置を下げてやればよい。
【0068】
かくして図1、図2、図4に示すごとく、前述した取り付け方法を、太陽光発電装置に適用した場合を図3に示す。
【0069】
すなわち、図3に示すごとく、屋根40上に固定された固定金具と防水カバーとから成る屋根設置架台S上には、棒状支持部6によって、縦桟41が支持され、この縦桟41上に直交するように横桟42が固定され、その横桟42上に多数の太陽電池モジュール44が取り付けられ、そして、屋根上に太陽光発電アレイが完成する。
【0070】
以上、本例の太陽光利用システムについては、その太陽光利用機器が太陽光発電装置(太陽光発電アレイ)である場合でもって説明したが、これに代えて、その太陽光利用機器が太陽熱集熱温水器(太陽熱集熱アレイ)にしても、本発明に係る屋根設置架台が適用できる。
【0071】
次に屋根設置架台Sとして太陽光発電アレイや太陽熱集熱アレイなどを支持するようになった状態での動きを説明する。
【0072】
図5と図6は、双方とも雨天時に屋根設置架台Sを流れる雨水の様子を示す。
【0073】
図5は屋根設置架台Sと屋根面との間を流れる雨水の様子を上面から見た一部透視平面図である。図6は屋根設置架台の上面を流れる雨水の様子を模式的に示す斜視図である。
【0074】
なお、これらの図において、上が屋根の棟側、下が軒側を示す。
【0075】
図5に示すように、屋根上を流れてきた雨水20は屋根表面(瓦材)と屋根設置架台Sとの間に入り込むが、止水路9によって進行を阻まれ、横方向に進路を変更する。
【0076】
このとき、図中のように止水路9を左右に傾斜させて、雨水が抵抗無く左右に振り分けられるようにすると、雨水の流れの圧力を逃がすことができ、これにより、屋根設置架台Sへのストレスを軽減でき、好適である。
【0077】
また、左右から風等によって流し込まれた雨水21についても、同様に止水路9によって進路を変更され、その結果、屋根設置架台Sの固定金具部分には雨水が浸入しなくなる。
【0078】
万一、止水路9の途切れている下部の開口部15からの吹き込みがあったとしても、開口部15側は屋根の傾斜の軒側なので、雨水は重力によって引き戻され、開口部15から排出され、これにより、屋根設置架台Sの固定金具部分が濡れることはほとんどない。
【0079】
一方、屋根設置架台Sの表側においては、図6に示すように、雨水20は低部カバー体2と上部カバー体3の段差による壁によって左右に振り分けられ、多くは低部カバー体2上を流れる。
【0080】
このとき、防水カバー1が金属のプレス成型などである場合には、止水部9の部分が溝となるので、雨水量が少ないときの雨水20aは前述した壁に到達する前に、止水部9の表面側に生じた溝に誘導されて排出される。
【0081】
逆に、雨水量が多くて壁(段差)を乗り越えてしまう雨水22は、多くはそのまま上部カバー体3上を流れ落ちるが、微量ながら貫通穴4から侵入することがある。この場合も開口部15によって溜まった水滴や気化した蒸気をスムーズに排出することができるので、屋根設置架台Sの固定金具部分へのダメージを最小限にできる。
【0082】
次に本発明に係る他の実施例について、模式的に示す図を基に説明する。
【0083】
(例2)
本例によれば、図7に示すように屋根設置架台Sの上部カバー体3の上面において、棒状支持部6を通すための貫通穴4の周囲3aをもう一段高く段差を設けた構成である。
【0084】
このように上部カバー体3の上面に、さらに段差を設けることで、屋根上を流れる雨水量が多いときに、上部カバー体3上に乗り上げる雨水が生じたとしても、さらにもう一度段差を乗り越えなければならないので、雨水が貫通穴4から内部に侵入することを、さらに優位に無くすることができる。
【0085】
(例3)
本例によれば、図8(a)に示すように、止水路9の軒側の端部9aおよび9bを内側に折り曲げたことにより、下方(軒側)からの風による雨水の吹き込みに対抗するようにすれば、図5で述べたような広い開口部15とした場合には風による吹き込みで侵入する雨水が屋根の傾斜に逆らえず再び下降を始めるのに必要な距離(長さ)を反し部分として低部カバー体2の軒側に設けておく必要があるのに対し、止水路9の軒側の端部9aおよび9bが吹き込み自体を物理的に遮断するので、低部カバー体2の軒側長さを短くすることができ、小型化に貢献する。また、たとえば、このとき端部9aよりも端部9bを長く外側に延ばすとともに、端部9a−9b間に開口部15aを確保するようにすることで、雨水の侵入を妨げると同時に内部に侵入した水滴や蒸気を排出することができる。
【0086】
なお、本例においては、端部9aよりも端部9bを長く外側に延ばしたが、これに代えて、端部9bよりも端部9aを長く外側に延ばしてもよい。
【0087】
(例4)
本例によれば、さらに図8(b)のように、止水路9の端部はそのまま軒側に貫通させておき、止水路9の途中から補助止水路9c、9dを延ばした構成にしてもよい。
【0088】
かかる構成にしたことで、横からの雨水の吹き込みに対する耐性が向上する。さらに雨水量の少ない時には止水路9を伝って水滴が流れるようにできる。
【0089】
(例5)
本例によれば、図9に示すように、止水路9の外周に、同様の構造の第二止水路19を設け、二重構造として、より防水性能を向上させてもよい。
【0090】
また、本例によれば、屋根のゆがみ等で止水路9だけでは屋根面との密着が保てない個所を補うことができる。
【0091】
さらにまた、第二止水路19は屋根面との密着が保てなくても、吹き込みの雨水を減速させたり、雨水の表面張力を利用して、止水効果を得ることができ、その結果、止水路9の止水を確実なものとする効果がある。
【0092】
(例6)
本例においては、(例5)に示すごとき、第二止水路19を有する止水カバー1について、その断面形状の例を示す。
【0093】
図10(a)は第二止水路19を有する止水カバー1の断面図を記す。
【0094】
本例によれば、前述したように第二止水路19は必ずしも屋根面と密着しなくても良いので、最初から止水路9よりも突出量を少なく(高さを低く)して止水路9の密着性を阻害しないようにしてもよい。
【0095】
(例7)
本例においては、図10(b)のように止水路9を先端が鋭角的な形状とすれば、屋根面への接触圧が局部集中するので、平坦な屋根面への密着性を向上させる。
【0096】
(例8)
また、本例においては、図10(c)のように、横断面において、止水路9を、曲面を有する半円形や半楕円形状とすれば、屋根面が上下に歪んでいる場所においても、止水路9の曲面上のどこかの位置が屋根面に接触して接触点を確保することができ、これにより、屋根の歪みに対する密着性が良い。
【0097】
(例9)
さらにまた、本例においては、図10(d)に示すように、止水の突起部を別体として、防水カバー1下部に止水部材29を取付ることとしても良い。
【0098】
この場合、止水部材29だけ材質を変更できるので、ゴムやパッキンなど屋根の歪み状況に応じた止水構造に変更することが容易である。
【0099】
さらに止水部材29に磁石を用いれば屋根設置架台の締付部材のみによる押圧を補助でき、屋根の経年変化に伴う歪みの変化にも自動的に追従できる。
【0100】
以上、記述したように本発明によれば、締付部材8を締め付けることで、防水カバー1が押さえつけられ下降し、その一番底部にある止水路9が瓦材38に密着することで、低部カバー体2と瓦材38との間に空隙12を生じさせ、左右から吹き込む雨水が表面張力で留まらないように、また、毛細管現象による雨水の引き込みが生じないようにし、雨水の止水と排水性を両立させた。
【0101】
また、貫通穴4から侵入した雨水も、開口部15によって溜まった水滴や気化した蒸気をスムーズに排出することができるので、屋根設置架台Sの固定金具部分へのダメージを最小限にできる。
【0102】
また、止水路9の軒側の端部9aおよび9bを内側に折り曲げることにより、下方(軒側)からの風による雨水の吹き込みに対する止水性能を向上させ、低部カバー体2の軒側長さを短くすることができ、小型化に貢献する。
【0103】
さらにまた、止水路9の外周に同様の構造の第二止水路19を設け、二重構造とすることにより、防水性能を向上させると共に、屋根のゆがみ等で止水路9だけでは、屋根面との密着が保てない個所を補うことができる。また、第二止水路19は屋根面との密着が保てなくても吹き込みの雨水を減速させたり、雨水の表面張力を利用して止水効果を得ることができるので、止水路9の止水を確実なものとできる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明に係る屋根設置架台を屋根上に設置する様子を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明に係る屋根設置架台を組み立てた完成状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る屋根設置架台を用いて太陽光発電アレイを支持する様子を模式的に示した一部断面図である。
【図4】(a)、(b)は本発明に係る屋根設置架台を屋根上に密着させる様子を模式的に示す断面図であり、(a)は締め付け前、(b)は締め付け後である。
【図5】本発明に係る屋根設置架台と屋根面との間を流れる雨水の様子を上面から見た一部透視平面図である。
【図6】本発明に係る屋根設置架台の上面を流れる雨水の様子を模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明に係る屋根設置架台の防水カバーの他の実施例を示す一部拡大断面図である。
【図8】(a)、(b)は本発明に係る屋根設置架台の止水路の他の実施例を模式的に示す平面図である。
【図9】本発明に係る屋根設置架台の他の実施例を模式的に示す平面図である。
【図10】(a)〜(d)は本発明に係る屋根設置架台の止水路の形状の他の実施例を示す一部拡大断面図である。
【図11】従来の屋根設置架台を屋根上に配し、太陽光発電アレイを支持する様子を示す一部拡大断面図である。
【図12】従来の太陽光発電アレイを住宅の屋根上に設置する様子を模式的に説明する斜視図である。
【図13】従来の太陽電池モジュールを金属屋根上に挟み込み金具を用いて設置する様子を模式的に説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
1:防水カバー
2:低部カバー体
3:上部カバー体
4:貫通穴
5:固定金具
6:棒状支持部
7:固定部
8:締付部材
9:止水路
9a、9b:端部
9c、9d:補助止水路
10:ねじ穴
11:ナット
12:空隙
15:開口部
18:木ねじ
19:第二止水路
20、20a、21、22:雨水
29:止水部材
38:瓦材
39:野地板
40:屋根
41:縦桟
42:横桟
43:屋根固定金具
44:太陽電池モジュール
45:板金
46:突起部
47:固定装置
J:太陽光発電装置
S:屋根設置架台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜した屋根の上に太陽光利用機器を設置する屋根設置架台を配設し、この屋根設置架台により太陽光利用機器を固定した太陽光利用システムであって、前記屋根設置架台は、低部カバー体と貫通穴を有した上部カバー体とを備える防水カバーと、この防水カバーを屋根の上に設置する固定手段とから成り、この固定手段は、板状体と、この板状体を前記屋根に固定する棒状支持部と、上部カバー部の上面に対し押圧すべく、前記貫通穴に通した上記棒状支持部に取付けた締付部材とから成り、さらに前記低部カバー体に対し、屋根上を流下する雨水のうち、前記板状体に向かう分を阻止すべく、止水路を形成したことを特徴とする太陽光利用システム。
【請求項2】
前記止水路を前記屋根に当接したことを特徴とする請求項1に記載の太陽光利用システム。
【請求項3】
前記太陽光利用機器が太陽光発電装置であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽光利用システム。
【請求項4】
前記太陽光利用機器が太陽熱集熱温水器であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽光利用システム。
【請求項1】
傾斜した屋根の上に太陽光利用機器を設置する屋根設置架台を配設し、この屋根設置架台により太陽光利用機器を固定した太陽光利用システムであって、前記屋根設置架台は、低部カバー体と貫通穴を有した上部カバー体とを備える防水カバーと、この防水カバーを屋根の上に設置する固定手段とから成り、この固定手段は、板状体と、この板状体を前記屋根に固定する棒状支持部と、上部カバー部の上面に対し押圧すべく、前記貫通穴に通した上記棒状支持部に取付けた締付部材とから成り、さらに前記低部カバー体に対し、屋根上を流下する雨水のうち、前記板状体に向かう分を阻止すべく、止水路を形成したことを特徴とする太陽光利用システム。
【請求項2】
前記止水路を前記屋根に当接したことを特徴とする請求項1に記載の太陽光利用システム。
【請求項3】
前記太陽光利用機器が太陽光発電装置であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽光利用システム。
【請求項4】
前記太陽光利用機器が太陽熱集熱温水器であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽光利用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−52529(P2006−52529A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−232659(P2004−232659)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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