説明

太陽電池の電極の形成方法及び該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池

【課題】基材との密着性に優れた電極を形成する。導電性に優れた電極を形成する。可視光の反射率が高い電極を形成する。
【解決手段】電極形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して成膜する工程と、上面に成膜された基材を焼成する工程とを含む太陽電池の電極形成方法において、基材にプライマー処理を施すことを特徴とする。電極形成用組成物は金属ナノ粒子が分散媒に分散した組成物であって、金属ナノ粒子が75重量%以上の銀ナノ粒子を含有し、金属ナノ粒子は炭素骨格が炭素数1〜3である有機分子主鎖の保護剤で化学修飾され、金属ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で70%以上含有することが好ましい。また、焼成する工程の焼成温度は130〜400℃、成膜する工程は焼成後の電極の厚さが0.1〜2.0μmになるように成膜することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池の電極を形成する方法及び該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、導電性ペーストなどの金属微粒子を含有する原料を用いて半導体基材上へ金属電極を形成する方法として、酸化銀、炭酸銀、酢酸銀などの粒子状銀化合物と還元剤とバインダを含む導電性組成物を塗布し、加熱して導電性被膜を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1によれば、高温の成膜条件に依らずとも、金属銀に匹敵する低体積抵抗率、高導電性の導電性被膜が得られる。
また、有機バインダーと、溶剤と、ガラスフリットと、導電性粉末とを含んでなる導電性ペーストにおいて、Ti、Bi、Zn、Y、In及びMoから選ばれる少なくとも1種の金属又はその金属化合物の粉末を含み、その平均粒径が0.001μm以上0.1μm未満である導電性ペーストと、この導電性ペーストをシリコン半導体の反射防止層上に印刷又は塗布した後に、焼成することで太陽電池を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。上記特許文献2に示される導電性ペーストでは、この導電性ペーストを印刷又は塗布した基板を550〜850℃の温度で焼成して電極を形成することが好適である。特許文献2によれば、超微粒子の添加剤を均一に分散させたものであって、これを焼成することで、反射防止層を介して存在する半導体と導電性ペーストとの間に安定した高い導通性と優れた接着力を有する表面電極を形成することができる。
【特許文献1】国際公開第2003/085052号パンフレット(請求項1〜3、請求項11、第3頁32行〜33行目)
【特許文献2】特開2005−243500号公報(請求項1,請求項6、段落[0021])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に示される方法では、バルク金属に近い体積抵抗率を有する金属被膜からなる電極が得られるものの、基材との密着性の高い被膜を得ることが困難であった。
また、上記特許文献2に示される方法では、ガラスフリットの溶融が必要となることから、代表的なガラスフリットとして挙げられるホウケイ酸ガラスの軟化温度である300℃以上の温度で焼成する必要があり、特許文献2で好適とされる焼成温度も高く、例えば太陽電池用アモルファスシリコン基材へ接合する場合では、変換効率を悪化させるなどの悪影響を及ぼす問題がある。また、大半の樹脂類の耐熱温度を上回る焼成温度であることから、樹脂類をベースとする基材への適用が困難であった。
【0004】
本発明の目的は、基材との密着性に優れた電極を形成し得る、太陽電池の電極の形成方法及び該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池を提供することにある。
本発明の別の目的は、導電性に優れた電極を形成し得る、太陽電池の電極の形成方法及び該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、可視光の反射率が高い電極を形成し得る、太陽電池の電極の形成方法及び該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、電極形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して成膜する工程と、上面に成膜された基材を焼成する工程とを含む太陽電池の電極を形成する方法の改良である。その特徴ある構成は、基材にプライマー処理を施すところにある。
請求項1に係る発明では、電極形成用組成物を基材上に塗工、焼成して電極を形成する前に、基材に対して下塗りを行うプライマー処理を施すことで、電極と基材との密着性を向上させることができる。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、電極形成用組成物が金属ナノ粒子が分散媒に分散した組成物であって、金属ナノ粒子が75重量%以上の銀ナノ粒子を含有し、金属ナノ粒子は炭素骨格が炭素数1〜3である有機分子主鎖の保護剤で化学修飾され、金属ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で70%以上含有する太陽電池の電極の形成方法である。
請求項2に係る発明では、上記電極形成用組成物を使用することで、導電性に優れ、可視光の反射率が高い電極を400℃以下の低温での焼成で形成することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の太陽電池の電極の形成方法は、電極形成用組成物を基材上に塗工、焼成して電極を形成する前に、基材に対して下塗りを行うプライマー処理を施すことで、形成する電極と基材との密着性を向上させることができる。従って、基材に導電性材料を用いた場合には、プライマー処理に使用する塗布物中の組成や量を調整することで、電気的接合に優れた電極を得ることができる。また本発明の太陽電池の電極の形成方法で用いる電極形成用組成物は、分散媒に分散された金属ナノ粒子が75重量%以上の銀ナノ粒子を含有し、炭素骨格が炭素数1〜3の有機分子主鎖の保護剤で金属ナノ粒子を化学修飾し、更に金属ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で70%以上含有するので、組成物中の金属ナノ粒子の比表面積が比較的減少し、分散媒の占める割合が小さくなる。この電極形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して焼成後の厚さが0.1〜2.0μmとなるように成膜し、この上面に成膜された基材を130〜400℃で焼成すれば、金属ナノ粒子の表面を保護していた分散媒中の有機分子が焼成時の熱により脱離し又は分解し、或いは離脱しかつ分解することにより、実質的に有機物を含有しない銀を主成分とする電極が得られる。この結果、上記電極の形成された太陽電池を長年使用しても、有機物が変質又は劣化するということがなく、導電率及び反射率が高い状態に維持されるので、経年安定性に優れた電極を得ることができる。また400℃以下の低温での焼成により電極を形成できることから、電極形成の際に消費されるエネルギーを削減できる。更に、400℃以上の焼成によって熱損傷が引き起こされる太陽電池用ポリシリコンのような半導体基材や樹脂類のような耐熱温度が低い素材をベースとする基材に対して適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の太陽電池の電極の形成方法は、電極形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して成膜する工程と、上面に成膜された基材を焼成する工程とを含む形成方法である。具体的には、電極形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して焼成後の厚さが0.1〜2.0μmの範囲内となるように成膜する工程と、上面に成膜された基材を130〜400℃で焼成する工程とを含む形成方法である。
【0009】
本発明で使用する電極形成用組成物は、金属ナノ粒子が分散媒に分散した組成物である。上記金属ナノ粒子は75重量%以上、好ましくは80重量%以上の銀ナノ粒子を含有する。銀ナノ粒子の含有量を全ての金属ナノ粒子100重量%に対して75重量%以上の範囲に限定したのは、75重量%未満ではこの組成物を用いて形成された太陽電池の電極の反射率が低下してしまうからである。また金属ナノ粒子は炭素骨格が炭素数1〜3の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾される。金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数を1〜3の範囲に限定したのは、炭素数が4以上であると焼成時の熱により保護剤が脱離或いは分解(分離・燃焼)し難く、上記電極内に有機残渣が多く残り、変質又は劣化して電極の導電性及び反射率が低下してしまうからである。更に金属ナノ粒子は一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で70%以上、好ましくは75%以上含有する。一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子の含有量を、数平均で全ての金属ナノ粒子100%に対して70%以上の範囲に限定したのは、70%未満では金属ナノ粒子の比表面積が増大して有機物の占める割合が大きくなり、焼成時の熱により脱離或いは分解(分離・燃焼)し易い有機分子であっても、この有機分子の占める割合が多いため、電極内に有機残渣が多く残り、この残渣が変質又は劣化して電極の導電性及び反射率が低下したり、或いは金属ナノ粒子の粒度分布が広くなり電極の密度が低下し易くなって、電極の導電性及び反射率が低下してしまうからである。更に上記金属ナノ粒子の一次粒径を10〜50nmの範囲内に限定したのは、統計的手法より一次粒径が10〜50nmの範囲内にある金属ナノ粒子が経時安定性(経年安定性)と相関しているからである。
【0010】
本発明の太陽電池の電極の形成方法の特徴ある構成は、基材にプライマー処理を施すところにある。電極形成用組成物を基材上に塗工、焼成して電極を形成する前に、基材に対して下塗りを行うプライマー処理を施すことで、電極と基材との密着性を向上させることができる。プライマー処理は、以下のような塗布物を基材上に塗布することにより行われる。プライマー処理に使用する塗布物としては、Ag、Cu、Sn、Pd、Zn、Ni、Mo、Cr、Mn、Al、Zr、Ti、Ru、Pt、In及びSiからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属酸化物を含む塗布物が好適である。金属酸化物としては、Ag2O、CuO、PdO、ZnO、NiO、MoO2、Cr23、MnO2、Al23、ZrO、TiO2、In23、SiO2等が挙げられる。また、1種又は2種以上の樹脂類を含む塗布物が好適である。樹脂類としてはアクリル、酢酸ビニル、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、セルロース、ポリビニルピロリドン、これらの変性樹脂、これらを構造単位として含むコポリマー等が挙げられる。また、樹脂類がイソシアネート成分、ポリエステル成分及びポリエーテル成分からなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分を構成成分とすることが好適であり、更に上記3成分がそれぞれ構成成分として含まれていることが特に好ましい。イソシアネート成分としては2,4−トリレンジイソシアネートが、ポリエステル成分としてはポリカプロラクトンが、ポリエーテル成分としてはポリエチレングリコールがそれぞれ挙げられる。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、ポリカプロラクトン及びポリエチレングリコールを構成成分とし、そのモル比が20:50:1の共重合体が挙げられる。また、1種又は2種以上のアルコキシドを含む塗布物が好適である。金属アルコキシドとしてはテトラエトキシシラン、テトラブトキシチタン、チタンイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシド等が挙げられる。また、1種又は2種以上の金属石鹸を含む塗布物が好適である。金属石鹸としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。更に1種又は2種以上のカップリング剤を含む塗布物が好適である。カップリング剤としては3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、トリエタノールアミンチタネート等が挙げられる。
【0011】
一方、電極形成用組成物を構成する金属ナノ粒子のうち、銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子は、Au、Pt、Pd、Ru、Ni、Cu、Sn、In、Zn、Cr、Fe及びMnからなる群より選ばれた1種又は2種以上の混合組成又は合金組成からなる金属ナノ粒子が好ましい。この銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子は全ての金属ナノ粒子100重量%に対して0.02重量%以上かつ25重量%未満、好ましくは0.03重量%〜20重量%含有する。銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子の含有量を全ての金属ナノ粒子100重量%に対して0.02重量%以上かつ25重量%未満の範囲に限定したのは、0.02重量%未満では特に大きな問題はないけれども、0.02〜25重量%の範囲内においては、耐候性試験(温度100℃かつ湿度50%の恒温恒湿槽に1000時間保持する試験)後の電極の導電性及び反射率が耐候性試験前より悪化しないという特徴があり、25重量%以上では焼成直後の電極の導電性及び反射率が低下し、しかも耐候性試験後の電極が耐候性試験前の電極より導電性及び反射率が低下してしまうからである。
【0012】
また電極形成用組成物中の銀ナノ粒子を含む金属ナノ粒子の含有量は、金属ナノ粒子及び分散媒からなる組成物100重量%に対して2.5〜95.0重量%、好ましくは3.5〜90重量%含有することが好適である。銀ナノ粒子を含む金属ナノ粒子の含有量を金属ナノ粒子及び分散媒からなる組成物100重量%に対して2.5〜95.0重量%の範囲としたのは、2.5重量%未満では特に焼成後の電極の特性には影響はないけれども、必要な厚さの電極を得ることが難しく、95.0重量%を越えると組成物の湿式塗工時にインク或いはペーストとしての必要な流動性を失ってしまうからである。
【0013】
また電極形成用組成物を構成する分散媒は、全ての分散媒100重量%に対して、1重量%以上、好ましくは2重量%以上の水と、2重量%以上、好ましくは3重量%以上のアルコール類とを含有することが好適である。例えば、分散媒が水及びアルコール類のみからなる場合、水を2重量%含有するときはアルコール類を98重量%含有し、アルコール類を2重量%含有するときは水を98重量%含有する。更に分散媒、即ち金属ナノ粒子表面に化学修飾している保護分子は、水酸基(−OH)又はカルボニル基(−C=O)のいずれか一方又は双方を含有する。水の含有量を全ての分散媒100重量%に対して1重量%以上の範囲が好適であるとしたのは、1重量%未満では、組成物を湿式塗工法により塗工して得られた膜を低温で焼結し難く、また焼成後の電極の導電性と反射率が低下してしまい、アルコール類の含有量を全ての分散媒100重量%に対して2重量%以上の範囲が好適であるとしたのは、2重量%未満では、上記と同様に組成物を湿式塗工法により塗工して得られた膜を低温で焼結し難く、また焼成後の電極の導電性と反射率が低下してしまうからである。なお、水酸基(−OH)が銀ナノ粒子等の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤に含有されると、組成物の分散安定性に優れ、塗膜の低温焼結にも効果的な作用があり、カルボニル基(−C=O)が銀ナノ粒子等の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤に含有されると、上記と同様に組成物の分散安定性に優れ、塗膜の低温焼結にも効果的な作用がある。分散媒に用いる上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、イソボニルヘキサノール及びエリトリトールからなる群より選ばれた1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0014】
本発明の太陽電池の電極の形成方法に用いる電極形成用組成物を製造する方法は以下の通りである。
(a) 銀ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数を3とする場合
先ず硝酸銀を脱イオン水等の水に溶解して金属塩水溶液を調製する。一方、クエン酸ナトリウムを脱イオン水等の水に溶解させて得られた濃度10〜40%のクエン酸ナトリウム水溶液に、窒素ガス等の不活性ガスの気流中で粒状又は粉状の硫酸第一鉄を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第一鉄イオンを3:2のモル比で含有する還元剤水溶液を調製する。次に上記不活性ガス気流中で上記還元剤水溶液を撹拌しながら、この還元剤水溶液に上記金属塩水溶液を滴下して混合する。ここで、金属塩水溶液の添加量は還元剤水溶液の量の1/10以下になるように、各溶液の濃度を調整することで、室温の金属塩水溶液を滴下しても反応温度が30〜60℃に保持されるようにすることが好ましい。また上記両水溶液の混合比は、金属塩水溶液中の金属イオンの総原子価数に対する、還元剤水溶液中のクエン酸イオンと第一鉄イオンのモル比がいずれも3倍モルとなるようにする。金属塩水溶液の滴下が終了した後、混合液の撹拌を更に10〜300分間続けて金属コロイドからなる分散液を調製する。この分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションや遠心分離法等により分離した後、この分離物に脱イオン水等の水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理し、更に引き続いてアルコール類で置換洗浄して、金属(銀)の含有量を2.5〜50重量%にする。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、金属ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で70%以上含有するように調製する、即ち数平均で全ての金属ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子の占める割合が70%以上になるように調整する。なお、金属ナノ粒子と記載したが、この(a)の場合では、数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの範囲内の銀ナノ粒子の占める割合が70%以上になるように調整している。
【0015】
数平均の測定方法は、先ず、得られた金属ナノ粒子をTEM(Transmission Electron Microscope、透過型電子顕微鏡)により約50万倍程度の倍率で撮影する。次いで、得られた画像から金属ナノ粒子200個について一次粒径を測定し、この測定結果をもとに粒径分布を作成する。次に、作成した粒径分布から、一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子が全金属ナノ粒子で占める個数割合を求める。
【0016】
これにより銀ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数が3である分散体(太陽電池の電極形成用組成物)が得られる。なお、この分散体100重量%に対する最終的な金属含有量(銀含有量)は2.5〜95重量%とするとともに、溶媒の水及びアルコール類をそれぞれ1%以上及び2%以上にそれぞれ調整する。
【0017】
(b) 銀ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数を2とする場合
還元剤水溶液を調製するときに用いたクエン酸ナトリウムをりんご酸ナトリウムに替えること以外は上記(a)と同様にして分散体を調製する。これにより銀ナノ粒子を化学修飾する有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数が2である分散体(太陽電池の電極形成用組成物)が得られる。
(c) 銀ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数を1とする場合
還元剤水溶液を調製するときに用いたクエン酸ナトリウムをグリコール酸ナトリウムに替えること以外は上記(a)と同様にして分散体を調製する。これにより銀ナノ粒子を化学修飾する有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数が1である分散体(太陽電池の電極形成用組成物)が得られる。
(d) 銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数を3とする場合
銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を構成する金属としては、Au、Pt、Pd、Ru、Ni、Cu、Sn、In、Zn、Fe、Cr又はMnが挙げられる。金属塩水溶液を調製するときに用いた硝酸銀を、塩化金酸、塩化白金酸、硝酸パラジウム、三塩化ルテニウム、塩化ニッケル、硝酸第一銅、二塩化錫、硝酸インジウム、塩化亜鉛、硫酸鉄、硫酸クロム又は硫酸マンガンに替えること以外は上記(a)と同様にして分散体を調製する。これにより銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数が3である分散体(太陽電池の電極形成用組成物)が得られる。
なお、銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数を1や2とする場合、金属塩水溶液を調製するときに用いた硝酸銀を、上記種類の金属塩に替えること以外は上記(b)や上記(c)と同様にして分散体を調製する。これにより、銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数が1や2である分散体(太陽電池の電極形成用組成物)が得られる。
【0018】
金属ナノ粒子として、銀ナノ粒子とともに、銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を含有させる場合には、上記(a)の方法で製造した銀ナノ粒子を含む分散体を第1分散体とし、上記(d)の方法で製造した銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を含む分散体を第2分散体とすると、75重量%以上の第1分散体と25重量%未満の第2分散体とを第1及び第2分散体の合計含有量が100重量%となるように混合する。なお、第1分散体は、上記(a)の方法で製造した銀ナノ粒子を含む分散体に留まらず、上記(b)の方法で製造した銀ナノ粒子を含む分散体や上記(c)の方法で製造した銀ナノ粒子を含む分散体を使用しても良い。
【0019】
次に、このように製造された分散体(太陽電池の電極形成用組成物)を用いて電極を形成する方法を説明する。
先ず基材表面にプライマー処理を施す。基材へプライマー処理を施す際の塗布物の塗布方法は、スプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、インクジェットコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法又はダイコーティング法のいずれかであることが特に好ましいが、これに限られるものではなく、あらゆる方法を利用できる。基材上に塗布した塗布物は20〜100℃で10秒間〜30分間保持して乾燥させる。若しくは20〜100℃の送風にて10秒〜30分間保持して乾燥させる。好ましくは40℃の送風にて15秒間保持して乾燥させる。プライマー処理を施し、その後に電極形成用組成物により電極を形成する基材としては、シリコン、ガラス、透明導電材料を含むセラミックス、高分子材料又は金属からなる基板のいずれか、或いはシリコン、ガラス、透明導電材料を含むセラミックス、高分子材料及び金属からなる群より選ばれた2種以上の積層体であることができる。また透明導電膜のいずれか1種を少なくとも含む基材や、透明導電膜を表面に成膜した基材を用いてもよい。透明導電膜としては、酸化インジウム系、酸化スズ系、酸化亜鉛系が挙げられる。酸化インジウム系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zic Oxide)が挙げられる。酸化錫系としては、ネサ(酸化錫SnO2)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫が挙げられる。酸化亜鉛系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。基材は太陽電池素子又は透明電極付き太陽電池素子のいずれかであることが好ましい。透明電極としては、ITO、ATO、ネサ、IZO、AZO等などが挙げられる。高分子基板としては、ポリイミドやPET(ポリエチレンテレフタレート)等の有機ポリマーにより形成された基板が挙げられる。プライマー処理は太陽電池素子の光電変換半導体層の表面や、透明電極付き太陽電池素子の透明電極の表面等に施される。
【0020】
次いで、太陽電池の電極形成用組成物をプライマー処理を施した基材上に湿式塗工法で塗工する。この湿式塗工法での塗工は、焼成後の厚さが0.1〜2.0μm、好ましくは0.3〜1.5μmの範囲内となるように成膜する。湿式塗工法は、スプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、インクジェットコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法又はダイコーティング法のいずれかであることが特に好ましいが、これに限られるものではなく、あらゆる方法を利用できる。スプレーコーティング法は分散体を圧縮エアにより霧状にして基材に塗布したり、或いは分散体自体を加圧し霧状にして基材に塗布する方法であり、ディスペンサコーティング法は例えば分散体を注射器に入れこの注射器のピストンを押すことにより注射器先端の微細ノズルから分散体を吐出させて基材に塗布する方法である。スピンコーティング法は分散体を回転している基材上に滴下し、この滴下した分散体をその遠心力により基材周縁に拡げる方法であり、ナイフコーティング法はナイフの先端と所定の隙間をあけた基材を水平方向に移動可能に設け、このナイフより上流側の基材上に分散体を供給して基材を下流側に向って水平移動させる方法である。スリットコーティング法は分散体を狭いスリットから流出させて基材上に塗布する方法であり、インクジェットコーティング法は市販のインクジェットプリンタのインクカートリッジに分散体を充填し、基材上にインクジェット印刷する方法である。スクリーン印刷法は、パターン指示材として紗を用い、その上に作られた版画像を通して分散体を基材に転移させる方法である。オフセット印刷法は、版に付けた分散体を直接基材に付着させず、版から一度ゴムシートに転写させ、ゴムシートから改めて基材に転移させる、インクの撥水性を利用した印刷方法である。ダイコーティング法は、ダイ内に供給された分散体をマニホールドで分配させてスリットより薄膜上に押し出し、走行する基材の表面を塗工する方法である。ダイコーティング法には、スロットコート方式やスライドコート方式、カーテンコート方式がある。
【0021】
次に上面に成膜された基材を大気中で130〜400℃、好ましくは140〜300℃の温度に、10分間〜1時間、好ましくは15〜40分間保持して焼成する。ここで、基材上に形成された分散体の膜厚を0.1〜2.0μmの範囲に限定したのは、0.1μm未満では太陽電池に必要な電極の表面抵抗値が不十分となり、2.0μmを越えると特 性上の不具合はないけれども、材料の使用量が必要以上に多くなって材料が無駄になるからである。また基材上に形成された分散体の膜の焼成温度を130〜400℃の範囲に限定したのは、130℃未満では金属ナノ粒子同士の焼結が不十分になるとともに保護剤の焼成時の熱により脱離或いは分解(分離・燃焼)し難いため、焼成後の電極内に有機残渣が多く残り、この残渣が変質又は劣化して導電性及び反射率が低下してしまい、400℃を越えると低温プロセスという生産上のメリットを生かせない、即ち製造コストが増大し生産性が低下してしまうからである。更に基材上に形成された分散体の膜の焼成時間を10分間〜1時間の範囲に限定したのは、10分間未満では金属ナノ粒子同士の焼結が不十分になるとともに保護剤の焼成時の熱により脱離或いは分解(分離・燃焼)し難いため、焼成後の電極内に有機残渣が多く残り、この残渣が変質又は劣化して電極の導電性及び反射率が低下してしまい、1時間を越えると特性には影響しないけれども、必要以上に製造コストが増大して生産性が低下してしまうからである。
【0022】
上記太陽電池の電極形成用組成物では、一次粒径10〜50nmとサイズの比較的大きい金属ナノ粒子を多く含むため、金属ナノ粒子の比表面積が減少し、保護剤の占める割合が小さくなる。この結果、上記組成物を用いて太陽電池の電極を形成すると、上記保護剤中の有機分子が焼成時の熱により脱離し又は分解し、或いは離脱しかつ分解することにより、実質的に有機物を含有しない銀を主成分とする電極が得られる。従って、上記電極の形成された太陽電池を長年使用しても、有機物が変質又は劣化するということがなく、電極の導電率及び反射率が高い状態に維持されるので、経年安定性に優れた電極を得ることができる。具体的には、上記電極を、温度を100℃に保ちかつ湿度を50%に保った恒温恒湿槽に1000時間収容した後であっても、波長750〜1500nmの電磁波、即ち可視光領域から赤外線領域までの電磁波を80%以上電極により反射できるとともに、電極の導電性、即ち電極の体積抵抗率を2×10-5Ω・cm(20×10-6Ω・cm)未満と極めて低い値に維持できる。このようにして形成された電極を用いた太陽電池は、長年使用しても高導電率及び高反射率を維持することができ、経年安定性に優れる。
【実施例】
【0023】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1〜35>
次の表1及び表2に示す平均粒径が約20nmの金属ナノ粒子10重量部を水、エタノール及びメタノールの混合溶液に分散させた電極形成用組成物を用意した。なお、実施例1〜35で使用する電極形成用組成物は、銀ナノ粒子のみを使用する場合、金属ナノ粒子中の銀ナノ粒子の含有率は100%であり、銀ナノ粒子と銀以外の金属ナノ粒子の両方を使用している場合、金属ナノ粒子中の銀ナノ粒子の含有率は95%である。また、金属ナノ粒子を化学修飾する有機分子の炭素骨格は炭素数3であり、金属ナノ粒子に含まれる一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子の数平均は80%である。また表1及び表2に示す含有材料1重量部を水、エタノール及びメタノールの混合溶液に分散させたプライマー塗布物を用意した。また表1及び表2に示す基材を用意した。
次に、基材上にプライマー塗布物を次の表1及び表2に示す塗布方法により塗布し、大気中で60℃、30分間乾燥させた。続いてこのプライマー塗布物の塗布を行った基材上に電極形成用組成物を焼成後の厚さが300nmとなるように次の表1及び表2に示す塗布方法により成膜した後に、表1及び表2に示す温度で30分間焼成することにより、基材上に電極を形成した。なお、次の表1中及び表2中に示されるスプレーCはスプレーコーティングを、ディスペンサCはディスペンサコーティングを、インクジェットCはインクジェットコーティングを、スピンCはスピンコーティングを、ダイCはダイコーティングを、ナイフCはナイフコーティングを、スリットCはスリットコーティングをそれぞれ示す。
【0024】
<比較例1〜5>
次の表2に示す平均粒径が約20nmの金属ナノ粒子10重量部を水、エタノール及びメタノールの混合溶液に分散させた電極形成用組成物を用意した。なお、比較例1〜5で使用する電極形成用組成物は、金属ナノ粒子中の銀ナノ粒子の含有率は100%である。また、金属ナノ粒子を化学修飾する有機分子の炭素骨格は炭素数3であり、金属ナノ粒子に含まれる一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子の数平均は80%である。また表2に示す基材を用意した。
次に、基材に対してプライマー処理することなく、電極形成用組成物を基材上に300nmの膜厚となるように次の表2に示す塗布方法により成膜した後に、表2に示す温度で30分間焼成することにより、基材上に電極を形成した。
【0025】
<比較試験1>
実施例1〜35及び比較例1〜5で得られた電極を形成した基材について、導電性及び基材への接着性を評価した。導電性は、四端子法により測定し算出した体積抵抗率(Ω・cm)として求めた。具体的には、電極の体積抵抗率は、先ず焼成後の電極の厚さをSEM(日立製作所社製の電子顕微鏡:S800)を用いて電極断面から電極の厚さを直接計測し、次に四端子法による比抵抗測定器(三菱化学製ロレスタGP)を用い、この測定器に上記実測した電極の厚さを入力して測定した。基材への密着性は、電極を形成した基材への接着テープ引き剥がし試験により定性的に評価し、『良好』とは、基材から接着テープのみが剥がれた場合を示し、『中立』とは、接着テープの剥がれと基材表面が露出した状態が混在した場合を示し、『不良』とは、接着テープ引き剥がしによって基材表面の全面が露出した場合を示す。その結果を、表1及び表2に示す。なお、表2中のPETとはポリエチレンテレフタレートを示す。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】
【表3】

【0029】
表3から明らかなように、プライマー処理を施していない比較例1〜5では、導電率は10-6オーダーの数値を示したが、接着性評価はいずれも例も『不良』を示し、形成した電極が接着テープによって剥がれてしまい、基材表面が露出してしまっていた。一方、実施例1〜35では、優れた導電性を有しており、また接着性評価も、『良好』か『中立』を示しており、プライマー処理を施すことで、導電性を損なうことなく、基材との密着性を向上させることができることが確認された。
【0030】
<実施例36〜41>
次の表4に示す平均粒径が約20nmの金属ナノ粒子10重量部を水、エタノール及びメタノールの混合溶液に分散させた電極形成用組成物を用意した。また表4に示す含有材料1重量部を水、エタノール及びメタノールの混合溶液に分散させたプライマー塗布物を用意した。また基材としてITOを用意した。
次に、基材上にプライマー塗布物をスピンコーティング法により塗布し、大気中で60℃、30分間乾燥させた。続いてこのプライマー塗布物の塗布を行った基材上に電極形成用組成物を300nmの膜厚となるようにスピンコーティング法により成膜した後に、200℃で30分間焼成することにより、基材上に電極を形成した。
【0031】
【表4】

【0032】
<比較試験2>
実施例36〜41で得られた電極を形成した基材について、導電性、反射率及び基材への接着性を評価した。導電性及び基材への密着性評価は上記比較試験1と同様にして行った。塗膜の反射率評価は、紫外可視分光光度計と積分球の組合せにより、波長800nmにおける塗膜の反射率を測定した。その結果を表5に示す。
【0033】
【表5】

【0034】
表5より明らかなように、金属ナノ粒子に含まれる銀ナノ粒子の割合が75重量%より小さくなると、体積抵抗率が上昇し、800nmにおける反射率は低下することが判った。また、銀ナノ粒子を化学修飾する有機分子の炭素骨格の炭素数が3より大きくなると、体積抵抗率が上昇し、800nmにおける反射率が低下することが判った。更に、平均粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める数平均が70%より小さくなると、体積抵抗率が上昇し、800nmにおける反射率が低下することが判った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して成膜する工程と、前記上面に成膜された基材を焼成する工程とを含む太陽電池の電極を形成する方法において、
前記基材にプライマー処理を施すことを特徴とする太陽電池の電極の形成方法。
【請求項2】
電極形成用組成物が金属ナノ粒子が分散媒に分散した組成物であって、
前記金属ナノ粒子が75重量%以上の銀ナノ粒子を含有し、
前記金属ナノ粒子は炭素骨格が炭素数1〜3である有機分子主鎖の保護剤で化学修飾され、
前記金属ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で70%以上含有する請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項3】
焼成する工程の焼成温度が130〜400℃であって、成膜する工程は焼成後の電極の厚さが0.1〜2.0μmになるように成膜する請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項4】
基材がシリコン、ガラス、透明導電材料を含むセラミックス、高分子材料又は金属からなる基板のいずれか、或いは前記シリコン、前記ガラス、前記透明導電材料を含むセラミックス、前記高分子材料及び前記金属からなる群より選ばれた2種以上の積層体である請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項5】
基材として透明導電膜を少なくとも含む基材、若しくは透明導電膜を表面に成膜した基材を用いる請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項6】
プライマー処理がAg、Cu、Sn、Pd、Zn、Ni、Mo、Cr、Mn、Al、Zr、Ti、Ru、Pt、In及びSiからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属酸化物を含む塗布物を塗布することにより行われる請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項7】
プライマー処理が1種又は2種以上の樹脂類を含む塗布物を塗布することにより行われる請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項8】
樹脂類がイソシアネート成分、ポリエステル成分及びポリエーテル成分からなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分を構成成分とする請求項7記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項9】
プライマー処理が1種又は2種以上のアルコキシドを含む塗布物を塗布することにより行われる請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項10】
プライマー処理が1種又は2種以上の金属石鹸を含む塗布物を塗布することにより行われる請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項11】
プライマー処理が1種又は2種以上のカップリング剤を含む塗布物を塗布することにより行われる請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項12】
プライマー処理並びに電極形成用組成物の湿式塗工方法がスプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、インクジェットコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法又はダイコーティング法のいずれかである請求項1記載の太陽電池の電極の形成方法。
【請求項13】
請求項1ないし12いずれか1項に記載の電極の形成方法により形成した電極を用いたことを特徴とする太陽電池。

【公開番号】特開2008−135417(P2008−135417A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307307(P2006−307307)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】