太陽電池モジュール収納箱及びそれを用いた太陽電池モジュール収納・取り出し方法
【課題】長尺の太陽電池モジュールを確実に収納することができると共に、取り出しや再収納の作業が容易である太陽電池モジュール収納箱及びそれを用いた太陽電池モジュール収納・取り出し方法を提供すること。
【解決手段】太陽電池モジュール収納箱１には、留め金具４により着脱自在に上蓋２及び横蓋３が取り付けられている。太陽電池モジュール収納箱１には、太陽電池モジュールの表面に対して略直交する面に対向する面及び太陽電池モジュールの表面に対して略平行な面に対向する面に、太陽電池モジュール収納箱１を支持する脚５，６が設けられている。太陽電池モジュール収納箱１の内部には、個々の太陽電池モジュール７の表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュール７の少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュール７が収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材８が配置されている。
【解決手段】太陽電池モジュール収納箱１には、留め金具４により着脱自在に上蓋２及び横蓋３が取り付けられている。太陽電池モジュール収納箱１には、太陽電池モジュールの表面に対して略直交する面に対向する面及び太陽電池モジュールの表面に対して略平行な面に対向する面に、太陽電池モジュール収納箱１を支持する脚５，６が設けられている。太陽電池モジュール収納箱１の内部には、個々の太陽電池モジュール７の表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュール７の少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュール７が収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材８が配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、屋根などに設置する太陽電池モジュールの収納箱及びそれを用いた太陽電池モジュール収納・取り出し方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
太陽電池発電は、最近新エネルギーの一環として導入されている発電方式である。太陽電池モジュールは、受光両側にガラスを用いたモジュールタイプと、ガラスの代わりにフッ素系のフイルムを用いたフレキシブルなモジュールタイプとが開発されている。このフレキシブルなモジュールにおいては、その裏面に補強材として薄い鋼板を用いた長尺モジュールがある。このような太陽電池モジュールは、長尺で薄いために、長さ方向に曲がり易いために取り扱いが面倒である。
【０００３】
このような長尺の太陽電池モジュールを梱包する方法として、例えば、特許文献１に開示されている方法がある。この方法においては、複数の嵌合部を有するコネクタを用いて複数の太陽電池モジュールを結合して梱包する。
【特許文献１】特開２００２−２６３４２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記梱包方法においては、一度梱包した太陽電池モジュールを取り出したり収納し直したりすることは想定されておらず、取り出しや再収納を行うとすると、所望の太陽電池モジュールの上下のコネクタを外す必要があり、作業が非常に煩雑となる。
【０００５】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、長尺の太陽電池モジュールを確実に収納することができると共に、取り出しや再収納の作業が容易である太陽電池モジュール収納箱及びそれを用いた太陽電池モジュール収納・取り出し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の太陽電池モジュール収納箱は、複数の板状の太陽電池モジュールを収容する収容領域を有する略直方体形状の収納箱本体と、前記収納箱本体における前記太陽電池モジュールの表面に対して略直交する第１面及び前記太陽電池モジュールの表面に対して略平行な第２面に、前記収納箱本体に設けられた蓋材と、個々の太陽電池モジュールの表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュールの少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュールが前記収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材と、を具備することを特徴とする。
【０００７】
この構成によれば、太陽電池モジュールの表面が鉛直方向に沿うように収納された状態でも、太陽電池モジュールの表面が水平方向に沿うように収納された状態でも作業することができるように蓋が設けられているので、作業内容に応じて太陽電池モジュールの収納状態を適宜選択することが可能となる。これにより、太陽電池モジュールの完成品を傷つけることなく安全に保管や移動、又は輸送することができると共に、太陽電池モジュールの取り出し・再収納などの作業を確実に容易に行うことができる。
【０００８】
本発明の太陽電池モジュール収納箱は、前記収納箱本体において、前記第１面に対向する面及び前記第２面に対向する面に前記収納箱を支持する脚材が設けられていることが好ましい。
【０００９】
本発明の太陽電池モジュールの収納・取り出し方法は、上記太陽電池モジュール収納箱の前記第２面を上に向けて前記第１面の蓋材を開ける工程と、前記第１面の蓋材を開けた状態で前記太陽電池モジュールの表面が水平方向に沿うようにして前記太陽電池モジュールを前記緩衝材に収納する工程と、を具備することを特徴とする。
【００１０】
この方法によれば、太陽電池モジュールの表面が水平方向に沿うように収納された状態で作業することができるので、太陽電池モジュールの収納作業を確実に容易に行うことができる。
【００１１】
本発明の太陽電池モジュールの収納・取り出し方法においては、前記太陽電池モジュール収納箱の前記第１面を上に向ける工程と、前記第２面の蓋材を開ける工程と、前記第２面の蓋材を開けた状態で前記太陽電池モジュールの表面が鉛直方向に沿うようにして前記太陽電池モジュールを前記緩衝材に対して取り出し又は再収納する工程と、を具備することが好ましい。
【００１２】
この方法によれば、太陽電池モジュールの表面が鉛直方向に沿うように収納された状態で作業することができるので、太陽電池モジュールの完成品を傷つけることなく安全に保管や移動、又は輸送することができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の太陽電池モジュール収納箱は、複数の板状の太陽電池モジュールを収容する収容領域を有する略直方体形状の収納箱本体と、前記収納箱本体における前記太陽電池モジュールの表面に対して略直交する第１面及び前記太陽電池モジュールの表面に対して略平行な第２面に、前記収納箱本体に設けられた蓋材と、個々の太陽電池モジュールの表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュールの少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュールが前記収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材と、を具備するので、長尺の太陽電池モジュールを確実に収納することができると共に、取り出しや再収納の作業が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図１は、本発明の実施の形態に係る太陽電池モジュール収納箱を示す外観図である。また、図２（ａ）は、太陽電池モジュールの長手方向を鉛直方向に沿って配置して収納した状態を示す図であり、図２（ｂ）は、太陽電池モジュールの長手方向を水平方向に沿って配置して収納した状態を示す図である。
【００１５】
図１に示す太陽電池モジュール収納箱１は、略直方体形状を有し、その内部に複数の板状の太陽電池モジュールを収容する収容領域を有する。太陽電池モジュール収納箱１は、太陽電池モジュールの表面に対して略直交する第１面に、太陽電池モジュール収納箱１に設けられた上蓋２を有し、太陽電池モジュールの表面に対して略平行な第２面に、太陽電池モジュール収納箱１に設けられた横蓋３を有する。上蓋２及び横蓋３は、太陽電池モジュール収納箱１に対して留め金具４により着脱自在に取り付けられている。すなわち、この太陽電池モジュール収納箱１は、太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うように収納された状態でも、太陽電池モジュール７の表面が水平方向に沿うように収納された状態でも作業することができるように上蓋２及び横蓋３が設けられている。なお、太陽電池モジュール収納箱１は、木や金属などにより構成することができる。
【００１６】
太陽電池モジュール収納箱１には、太陽電池モジュールの表面に対して略直交する面に対向する面及び太陽電池モジュールの表面に対して略平行な面に対向する面に、太陽電池モジュール収納箱１を支持する脚５，６が設けられている。すなわち、太陽電池モジュール収納箱１における太陽電池モジュールの表面に対して略直交する面に対向する面に脚５が設けられ、太陽電池モジュール収納箱１における太陽電池モジュールの表面に対して略平行な面に対向する面に脚６が設けられている。したがって、図２（ａ）に示すように、脚５で太陽電池モジュール収納箱１を支持する場合に、上蓋２が上部に配置され、図２（ｂ）に示すように、脚６で太陽電池モジュール収納箱１を支持する場合に、横蓋３が上部に配置されるようになっている。
【００１７】
太陽電池モジュール収納箱１の内部には、図２（ａ），（ｂ）に示すように、複数の板状の太陽電池モジュール７を収容する収容領域が設けられている。この収容領域には、個々の太陽電池モジュール７の表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュール７の少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュール７が収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材８が配置されている。緩衝材８は、太陽電池モジュール７の幅方向において、図２（ａ）に示すように、両端部を支持しており、太陽電池モジュール７の長手方向において、図２（ｂ）に示すように、両端部及び中央部を支持している。
【００１８】
この緩衝材８は、太陽電池モジュール７を養生する機能と、太陽電池モジュール収納箱１の移動及び輸送時に太陽電池モジュール７を固定し保護する機能とを備えている。ここでは、緩衝材８は、上蓋２及び横蓋３を開放したときに太陽電池モジュール７の取り出し・再収納を容易にするために、一枚の太陽電池モジュール７に１組（両端部及び中央部を支持するための緩衝材片の組）ずつ分割して設けている。なお、緩衝材８を構成する材料としては、再利用可能な材料を用いることが好ましい。
【００１９】
次に、上記構成を有する太陽電池モジュール収納箱を用いて太陽電池モジュールの収納・取り出しを行う場合について説明する。まず、太陽電池モジュール７を収納する場合には、図２（ｂ）に示すように、太陽電池モジュール収納箱１の第２面の横蓋３を上に向けて第１面の上蓋２を開け、その状態で太陽電池モジュール７の表面が水平方向に沿うようにして太陽電池モジュール７を緩衝材８に収納する。このようにして、太陽電池モジュール収納箱１の収容領域に、太陽電池モジュール７を積層した状態で収納し、保管する。
【００２０】
次に、太陽電池モジュールを取り出し・再収納する場合には、図２（ａ）に示すように、太陽電池モジュール収納箱１の第１面の上蓋２を上に向けて、すなわちここでは収納箱１を９０°回転させて、第２面の横蓋３を開け、その状態で太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うようにして太陽電池モジュール７を緩衝材８から取り出す又は緩衝材８に再収納する。太陽電池モジュール収納箱１を移動及び輸送する場合にも、図２（ａ）に示す状態で行う。このように、太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うように収納された状態で、太陽電池モジュール７の取り出し・再収納を行うことにより、太陽電池モジュール７の取り出し・再収納を効率良く容易に行うことができる。また、太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うように収納された状態で、太陽電池モジュール収納箱１を移動及び輸送ことにより、図２（ｂ）に示すような太陽電池モジュール７の表面が水平方向に沿う状態の際の太陽電池モジュール７に加わる荷重を軽減することが可能となる。特に、太陽電池モジュール７が長尺で大型のものである場合に効果がある。
【００２１】
上述したように、本発明の太陽電池モジュール収納箱によれば、太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うように収納された状態でも、太陽電池モジュール７の表面が水平方向に沿うように収納された状態でも作業することができるように蓋が設けられているので、作業内容に応じて太陽電池モジュール７の収納状態を適宜選択することが可能となる。これにより、太陽電池モジュール７の完成品を傷つけることなく安全に保管や移動、又は輸送することができると共に、太陽電池モジュール７の取り出し・再収納などの作業を確実に容易に行うことができる。
【００２２】
本発明は上記実施の形態に限定されず種々変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態で説明した数値、寸法、部材の位置関係、材質については特に制限はない。例えば、本発明において、太陽電池モジュール収容箱１に設ける蓋の数については特に制限はない。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【００２３】
本発明は、例えば建物の屋根に設置される太陽電池モジュールに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の実施の形態に係る太陽電池モジュール収納箱を示す外観図である。
【図２】（ａ）は、太陽電池モジュールの長手方向を鉛直方向に沿って配置して収納した状態を示す図であり、（ｂ）は、太陽電池モジュールの長手方向を水平方向に沿って配置して収納した状態を示す図である。
【符号の説明】
【００２５】
１…太陽電池モジュール収納箱、２…上蓋、３…横蓋、４…留め金具、５，６…脚、７…太陽電池モジュール、８…緩衝材。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、屋根などに設置する太陽電池モジュールの収納箱及びそれを用いた太陽電池モジュール収納・取り出し方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
太陽電池発電は、最近新エネルギーの一環として導入されている発電方式である。太陽電池モジュールは、受光両側にガラスを用いたモジュールタイプと、ガラスの代わりにフッ素系のフイルムを用いたフレキシブルなモジュールタイプとが開発されている。このフレキシブルなモジュールにおいては、その裏面に補強材として薄い鋼板を用いた長尺モジュールがある。このような太陽電池モジュールは、長尺で薄いために、長さ方向に曲がり易いために取り扱いが面倒である。
【０００３】
このような長尺の太陽電池モジュールを梱包する方法として、例えば、特許文献１に開示されている方法がある。この方法においては、複数の嵌合部を有するコネクタを用いて複数の太陽電池モジュールを結合して梱包する。
【特許文献１】特開２００２−２６３４２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上記梱包方法においては、一度梱包した太陽電池モジュールを取り出したり収納し直したりすることは想定されておらず、取り出しや再収納を行うとすると、所望の太陽電池モジュールの上下のコネクタを外す必要があり、作業が非常に煩雑となる。
【０００５】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、長尺の太陽電池モジュールを確実に収納することができると共に、取り出しや再収納の作業が容易である太陽電池モジュール収納箱及びそれを用いた太陽電池モジュール収納・取り出し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の太陽電池モジュール収納箱は、複数の板状の太陽電池モジュールを収容する収容領域を有する略直方体形状の収納箱本体と、前記収納箱本体における前記太陽電池モジュールの表面に対して略直交する第１面及び前記太陽電池モジュールの表面に対して略平行な第２面に、前記収納箱本体に設けられた蓋材と、個々の太陽電池モジュールの表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュールの少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュールが前記収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材と、を具備することを特徴とする。
【０００７】
この構成によれば、太陽電池モジュールの表面が鉛直方向に沿うように収納された状態でも、太陽電池モジュールの表面が水平方向に沿うように収納された状態でも作業することができるように蓋が設けられているので、作業内容に応じて太陽電池モジュールの収納状態を適宜選択することが可能となる。これにより、太陽電池モジュールの完成品を傷つけることなく安全に保管や移動、又は輸送することができると共に、太陽電池モジュールの取り出し・再収納などの作業を確実に容易に行うことができる。
【０００８】
本発明の太陽電池モジュール収納箱は、前記収納箱本体において、前記第１面に対向する面及び前記第２面に対向する面に前記収納箱を支持する脚材が設けられていることが好ましい。
【０００９】
本発明の太陽電池モジュールの収納・取り出し方法は、上記太陽電池モジュール収納箱の前記第２面を上に向けて前記第１面の蓋材を開ける工程と、前記第１面の蓋材を開けた状態で前記太陽電池モジュールの表面が水平方向に沿うようにして前記太陽電池モジュールを前記緩衝材に収納する工程と、を具備することを特徴とする。
【００１０】
この方法によれば、太陽電池モジュールの表面が水平方向に沿うように収納された状態で作業することができるので、太陽電池モジュールの収納作業を確実に容易に行うことができる。
【００１１】
本発明の太陽電池モジュールの収納・取り出し方法においては、前記太陽電池モジュール収納箱の前記第１面を上に向ける工程と、前記第２面の蓋材を開ける工程と、前記第２面の蓋材を開けた状態で前記太陽電池モジュールの表面が鉛直方向に沿うようにして前記太陽電池モジュールを前記緩衝材に対して取り出し又は再収納する工程と、を具備することが好ましい。
【００１２】
この方法によれば、太陽電池モジュールの表面が鉛直方向に沿うように収納された状態で作業することができるので、太陽電池モジュールの完成品を傷つけることなく安全に保管や移動、又は輸送することができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の太陽電池モジュール収納箱は、複数の板状の太陽電池モジュールを収容する収容領域を有する略直方体形状の収納箱本体と、前記収納箱本体における前記太陽電池モジュールの表面に対して略直交する第１面及び前記太陽電池モジュールの表面に対して略平行な第２面に、前記収納箱本体に設けられた蓋材と、個々の太陽電池モジュールの表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュールの少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュールが前記収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材と、を具備するので、長尺の太陽電池モジュールを確実に収納することができると共に、取り出しや再収納の作業が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図１は、本発明の実施の形態に係る太陽電池モジュール収納箱を示す外観図である。また、図２（ａ）は、太陽電池モジュールの長手方向を鉛直方向に沿って配置して収納した状態を示す図であり、図２（ｂ）は、太陽電池モジュールの長手方向を水平方向に沿って配置して収納した状態を示す図である。
【００１５】
図１に示す太陽電池モジュール収納箱１は、略直方体形状を有し、その内部に複数の板状の太陽電池モジュールを収容する収容領域を有する。太陽電池モジュール収納箱１は、太陽電池モジュールの表面に対して略直交する第１面に、太陽電池モジュール収納箱１に設けられた上蓋２を有し、太陽電池モジュールの表面に対して略平行な第２面に、太陽電池モジュール収納箱１に設けられた横蓋３を有する。上蓋２及び横蓋３は、太陽電池モジュール収納箱１に対して留め金具４により着脱自在に取り付けられている。すなわち、この太陽電池モジュール収納箱１は、太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うように収納された状態でも、太陽電池モジュール７の表面が水平方向に沿うように収納された状態でも作業することができるように上蓋２及び横蓋３が設けられている。なお、太陽電池モジュール収納箱１は、木や金属などにより構成することができる。
【００１６】
太陽電池モジュール収納箱１には、太陽電池モジュールの表面に対して略直交する面に対向する面及び太陽電池モジュールの表面に対して略平行な面に対向する面に、太陽電池モジュール収納箱１を支持する脚５，６が設けられている。すなわち、太陽電池モジュール収納箱１における太陽電池モジュールの表面に対して略直交する面に対向する面に脚５が設けられ、太陽電池モジュール収納箱１における太陽電池モジュールの表面に対して略平行な面に対向する面に脚６が設けられている。したがって、図２（ａ）に示すように、脚５で太陽電池モジュール収納箱１を支持する場合に、上蓋２が上部に配置され、図２（ｂ）に示すように、脚６で太陽電池モジュール収納箱１を支持する場合に、横蓋３が上部に配置されるようになっている。
【００１７】
太陽電池モジュール収納箱１の内部には、図２（ａ），（ｂ）に示すように、複数の板状の太陽電池モジュール７を収容する収容領域が設けられている。この収容領域には、個々の太陽電池モジュール７の表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュール７の少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュール７が収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材８が配置されている。緩衝材８は、太陽電池モジュール７の幅方向において、図２（ａ）に示すように、両端部を支持しており、太陽電池モジュール７の長手方向において、図２（ｂ）に示すように、両端部及び中央部を支持している。
【００１８】
この緩衝材８は、太陽電池モジュール７を養生する機能と、太陽電池モジュール収納箱１の移動及び輸送時に太陽電池モジュール７を固定し保護する機能とを備えている。ここでは、緩衝材８は、上蓋２及び横蓋３を開放したときに太陽電池モジュール７の取り出し・再収納を容易にするために、一枚の太陽電池モジュール７に１組（両端部及び中央部を支持するための緩衝材片の組）ずつ分割して設けている。なお、緩衝材８を構成する材料としては、再利用可能な材料を用いることが好ましい。
【００１９】
次に、上記構成を有する太陽電池モジュール収納箱を用いて太陽電池モジュールの収納・取り出しを行う場合について説明する。まず、太陽電池モジュール７を収納する場合には、図２（ｂ）に示すように、太陽電池モジュール収納箱１の第２面の横蓋３を上に向けて第１面の上蓋２を開け、その状態で太陽電池モジュール７の表面が水平方向に沿うようにして太陽電池モジュール７を緩衝材８に収納する。このようにして、太陽電池モジュール収納箱１の収容領域に、太陽電池モジュール７を積層した状態で収納し、保管する。
【００２０】
次に、太陽電池モジュールを取り出し・再収納する場合には、図２（ａ）に示すように、太陽電池モジュール収納箱１の第１面の上蓋２を上に向けて、すなわちここでは収納箱１を９０°回転させて、第２面の横蓋３を開け、その状態で太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うようにして太陽電池モジュール７を緩衝材８から取り出す又は緩衝材８に再収納する。太陽電池モジュール収納箱１を移動及び輸送する場合にも、図２（ａ）に示す状態で行う。このように、太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うように収納された状態で、太陽電池モジュール７の取り出し・再収納を行うことにより、太陽電池モジュール７の取り出し・再収納を効率良く容易に行うことができる。また、太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うように収納された状態で、太陽電池モジュール収納箱１を移動及び輸送ことにより、図２（ｂ）に示すような太陽電池モジュール７の表面が水平方向に沿う状態の際の太陽電池モジュール７に加わる荷重を軽減することが可能となる。特に、太陽電池モジュール７が長尺で大型のものである場合に効果がある。
【００２１】
上述したように、本発明の太陽電池モジュール収納箱によれば、太陽電池モジュール７の表面が鉛直方向に沿うように収納された状態でも、太陽電池モジュール７の表面が水平方向に沿うように収納された状態でも作業することができるように蓋が設けられているので、作業内容に応じて太陽電池モジュール７の収納状態を適宜選択することが可能となる。これにより、太陽電池モジュール７の完成品を傷つけることなく安全に保管や移動、又は輸送することができると共に、太陽電池モジュール７の取り出し・再収納などの作業を確実に容易に行うことができる。
【００２２】
本発明は上記実施の形態に限定されず種々変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態で説明した数値、寸法、部材の位置関係、材質については特に制限はない。例えば、本発明において、太陽電池モジュール収容箱１に設ける蓋の数については特に制限はない。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【００２３】
本発明は、例えば建物の屋根に設置される太陽電池モジュールに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の実施の形態に係る太陽電池モジュール収納箱を示す外観図である。
【図２】（ａ）は、太陽電池モジュールの長手方向を鉛直方向に沿って配置して収納した状態を示す図であり、（ｂ）は、太陽電池モジュールの長手方向を水平方向に沿って配置して収納した状態を示す図である。
【符号の説明】
【００２５】
１…太陽電池モジュール収納箱、２…上蓋、３…横蓋、４…留め金具、５，６…脚、７…太陽電池モジュール、８…緩衝材。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数の板状の太陽電池モジュールを収容する収容領域を有する略直方体形状の収納箱本体と、前記収納箱本体における前記太陽電池モジュールの表面に対して略直交する第１面及び前記太陽電池モジュールの表面に対して略平行な第２面に、前記収納箱本体に設けられた蓋材と、個々の太陽電池モジュールの表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュールの少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュールが前記収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材と、を具備することを特徴とする太陽電池モジュール収納箱。
【請求項２】
前記収納箱本体において、前記第１面に対向する面及び前記第２面に対向する面に前記収納箱を支持する脚材が設けられていることを特徴とする請求項１記載の太陽電池モジュール収納箱。
【請求項３】
請求項１又は請求項２記載の太陽電池モジュール収納箱の前記第２面を上に向けて前記第１面の蓋材を開ける工程と、前記第１面の蓋材を開けた状態で前記太陽電池モジュールの表面が水平方向に沿うようにして前記太陽電池モジュールを前記緩衝材に収納する工程と、を具備することを特徴とする太陽電池モジュールの収納・取り出し方法。
【請求項４】
前記太陽電池モジュール収納箱の前記第１面を上に向ける工程と、前記第２面の蓋材を開ける工程と、前記第２面の蓋材を開けた状態で前記太陽電池モジュールの表面が鉛直方向に沿うようにして前記太陽電池モジュールを前記緩衝材に対して取り出し又は再収納する工程と、を具備することを特徴とする請求項３記載の太陽電池モジュールの収納・取り出し方法。
【請求項１】
複数の板状の太陽電池モジュールを収容する収容領域を有する略直方体形状の収納箱本体と、前記収納箱本体における前記太陽電池モジュールの表面に対して略直交する第１面及び前記太陽電池モジュールの表面に対して略平行な第２面に、前記収納箱本体に設けられた蓋材と、個々の太陽電池モジュールの表面を部分的に覆うと共に個々の太陽電池モジュールの少なくとも端部を支持し、これらの太陽電池モジュールが前記収容領域において積層されるように着脱可能に設けられた緩衝材と、を具備することを特徴とする太陽電池モジュール収納箱。
【請求項２】
前記収納箱本体において、前記第１面に対向する面及び前記第２面に対向する面に前記収納箱を支持する脚材が設けられていることを特徴とする請求項１記載の太陽電池モジュール収納箱。
【請求項３】
請求項１又は請求項２記載の太陽電池モジュール収納箱の前記第２面を上に向けて前記第１面の蓋材を開ける工程と、前記第１面の蓋材を開けた状態で前記太陽電池モジュールの表面が水平方向に沿うようにして前記太陽電池モジュールを前記緩衝材に収納する工程と、を具備することを特徴とする太陽電池モジュールの収納・取り出し方法。
【請求項４】
前記太陽電池モジュール収納箱の前記第１面を上に向ける工程と、前記第２面の蓋材を開ける工程と、前記第２面の蓋材を開けた状態で前記太陽電池モジュールの表面が鉛直方向に沿うようにして前記太陽電池モジュールを前記緩衝材に対して取り出し又は再収納する工程と、を具備することを特徴とする請求項３記載の太陽電池モジュールの収納・取り出し方法。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００９−７６６９１（Ｐ２００９−７６６９１Ａ）
【公開日】平成２１年４月９日（２００９．４．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２４４４６７（Ｐ２００７−２４４４６７）
【出願日】平成１９年９月２０日（２００７．９．２０）
【出願人】（５９１０８３２４４）富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年４月９日（２００９．４．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年９月２０日（２００７．９．２０）
【出願人】（５９１０８３２４４）富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Ｆターム（参考）】
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