説明

太陽電池用リード線半田付け装置

【課題】リード線を効率良く加熱して半田の融解に必要な熱量を確実に確保せしめることにより、リード線の太陽電池への半田付け作業の質を低コストで向上させた太陽電池用リード線半田付け装置を提供することを課題とする。
【解決手段】光を受けることにより発電する太陽電池9の配線に用いるリード線12が繰出される繰出し部13と、該繰出されたリード線12を太陽電池9に押付けるとともに加熱してリード線12を配線方向に沿って太陽電池9に半田付けする半田付けユニット11とを備え、リード線12による太陽電池9の配線作業の少なくとも一部を自動的に行う太陽電池用リード線半田付け装置において、リード線12に通電させて抵抗熱を発生させることによりリード線12を補助的に加熱する補助加熱手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、太陽電池用リード線半田付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境悪化を防止する発電方式の一つとして、太陽電池を用いた太陽光発電が実用化されてきている。太陽電池は、P型半導体とN型半導体との2種類の半導体を積層してなる半導体層に光を照射することにより生ずる起電力を利用して光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。
【0003】
太陽電池は、通常、本体がパネル状に成形され、この本体の一面又は両面にリード線(リボン線,導線)を半田付けして配線を行うことにより、発電した電力が効率良く取出し可能(利用可能)な状態になるが、このリード線の半田付けを手作業で行うと手間が増加してコストを低く抑えることが困難になるため、太陽電池の配線に用いるリード線が繰出される繰出し部と、該繰出されたリード線を太陽電池に押付けるとともに加熱してリード線を配線方向に沿って太陽電池に半田付けする半田付けユニットとを備え、リード線による太陽電池の配線作業の少なくとも一部を自動的に行う特許文献1に示す太陽電池用リード線半田付け装置が公知になっている。
【特許文献2】特開2001−177131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献の太陽電池用リード線半田付け装置は、半田付けユニットを配線方向に沿って移動させてリード線の太陽電池への半田付け作業を行うが、半田付けユニットが移動する過程で、半田付けユニットからリード線に伝導された熱が太陽電池側に順次伝えられ、その一部が拡散され、半田を融解させるために必要な熱量が得られず、リード線の半田付け作業に支障をきたす場合がある。
【0005】
上記熱量不足に備えてリード線等を補助的に加熱する補助加熱手段が設けることが望ましいが、例えば、リード線に熱風を吹付けることによりリード線を補助加熱する熱風装置により補助加熱手段を構成した場合には、不要な部分も加熱してしまい、効率良く低コストでリード線を加熱するという観点から課題があるとともに、不要な部分の加熱により太陽電池の破損等、不測の事態が生ずるおそれがあるという課題もある。
本発明は、上記課題を解決し、リード線を効率良く加熱して半田の融解に必要な熱量を確実に確保せしめることにより、リード線の太陽電池への半田付け作業の質を低コストで向上させた太陽電池用リード線半田付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の太陽電池用リード線半田付け装置は、第1に、光を受けることにより発電する太陽電池9の配線に用いるリード線12が繰出される繰出し部13と、該繰出されたリード線12を太陽電池9に押付けるとともに加熱してリード線12を配線方向に沿って太陽電池9に半田付けする半田付けユニット11とを備え、リード線12による太陽電池9の配線作業の少なくとも一部を自動的に行う太陽電池用リード線半田付け装置において、リード線12に通電させて抵抗熱を発生させることによりリード線12を補助的に加熱する補助加熱手段を備えたことを特徴としている。
【0007】
第2に、リード線12繰出し時にリード線12と当接して回転作動されることによりリード線12をガイド又は送出すローラ19A,19Bを備えたことを特徴としている。
【0008】
第3に、前記ローラ19A,19Bと半田付けユニット11との間に電圧を印加する印加回路33を形成することにより前記補助加熱手段を構成し、該印加回路33によってリード線12に通電させることを特徴としている。
【0009】
第4に、リード線12を挟持してガイド又は送出しするように前記ローラ19A,19Bを一対備え、一対のローラ19A,19Bの少なくとも一方と半田付けユニット11との間に電圧を印加する印加回路33を形成したことを特徴としている。
【0010】
第5に、繰出されたリード線12を保持する保持機構24を半田付けユニット11よりも繰出し下流側に設け、前記ローラ19A,19Bと保持機構24との間に電圧を印加する印加回路32を形成することにより前記補助加熱手段を構成し、該印加回路32によってリード線12に通電させることを特徴としている。
【0011】
第6に、保持機構24が、リード線12を挟持するクランプ装置よりなることを特徴としている。
【0012】
第7に、繰出し部13から繰出されるリード線12が半田コーティングされてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
以上のように構成される本発明によれば、リード線を通電させることによりリード線のみを抵抗熱によって加熱することができるため、半田の融解に必要な熱量を効率良く確実に確保し、低コストで半田付け作業の質を向上させることが可能になるという効果がある。
【0014】
また、リード線繰出し時にリード線と当接して回転作動されることによりリード線をガイド又は送出すローラを備え、該ローラと半田付けユニットとの間に電圧を印加する印加回路を形成することにより前記補助加熱手段を構成し、該印加回路によってリード線に通電させれば、作業中、リード線と常時当接するローラと半田付けユニットによってリード線に確実に通電させることが可能になるため、より効率良くリード線を加熱することが可能になるという効果がある。
【0015】
また、繰出されたリード線を保持する保持機構を半田付けユニットよりも繰出し下流側に設け、前記ローラと保持機構との間に電圧を印加する印加回路を形成することにより前記補助加熱手段を構成し、該印加回路によってリード線に通電させれば、作業中、リード線と常時当接するローラと保持機構によってリード線に確実に通電させることが可能になるため、より効率良くリード線を加熱することが可能になるという効果がある。
【0016】
さらに、繰出し部から繰出されるリード線が半田コーティングされてなることにより、作業中に半田を別途用意する必要がなくなるため、より効率の良い半田付け作業を行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した太陽電池用リード線半田付け装置の要部構成を示す模式図である。同図に示す太陽電池用リード線半田付け装置1は、基台2と、基台2に支持されて左右方向(同図における紙面に対して垂直な方向)に延びる前後一対のベルトコンベヤ(搬送装置)3と、基台2から上方に向かって突設されて上記2つのベルトコンベヤ3,3を前後で挟むように配置された前後一対の支持フレーム4,4と、2つの支持フレーム4,4の上部間に架設固定されて前後方向及び上下方向に広がり且つ前後方向に長い方形状の固定プレート(固定体)6と、固定プレート6の一方面(表面)に固定設置(固設)されて互いが平行になるように前後方向に延びる上下一対の横レール7,7と、横レール7にスライド自在に係合支持された可動プレート(可動体)8とを備えている。
【0018】
上記一対のベルトコンベヤ3、3上には太陽電池9が位置決め載置され、ベルトコンベア3,3を駆動することにより、可動プレート8に対して太陽電池9の左右位置調整を行う。
【0019】
上記可動プレート8には、可動プレート8側に回転自在に支持されて横レール7に当接することにより可動プレート8を横レール7に沿って前後方向に往復スライド移動させる駆動ローラ及びこの駆動ローラを回転駆動させるモータ等を有する水平駆動装置(図示しない)と、ベルトコンベヤ3に位置決め載置された太陽電池9に対して半田付け作業を行う半田付けユニット11と、表面に半田がコーティングされたリード線(導線)12が繰出される繰出し部13と、を備えている。
【0020】
半田付けユニット11は、可動プレート8に固設される上下方向の縦レール14と、縦レール14にスライド自在に係合支持される支持部材16と、支持部材16を縦レール14に沿って上下スライド移動駆動させる鉛直駆動装置(図示しない)と、支持部材16に取付支持される導体よりなる超音波ホーン17と、超音波ホーン17内部に収容されて超音波ホーン17を加熱するヒータ(図示しない)とを備えている。
【0021】
超音波振動が増幅されて伝えられる超音波ホーン17は、下方スライド移動されることにより、繰出し部13から繰出されたリード線12を、太陽電池9上面の半田付けユニット11真下位置(半田付け位置)Pに押付ける。この際、ヒータによって加熱された状態で高速に振動している超音波ホーン17は、リード線12表面にコーティングされた半田を融解させ、リード線12を太陽電池上面に効率良く半田付けしていく。
【0022】
繰出し部13には、リード線12が巻付けられるボビン18と、可動プレート8におけるボビン18よりも下方且つ半田付け位置P寄り位置に回転自在に支持されてボビン18から引出されたリード線12を挟持する一対の導体よりなるローラ19A,19Bと、この一対のガイドローラ19A,19Bの間から繰出されるリード線12が挿通されるガイド筒(ガイド体)21とが設けられている。
【0023】
一対のローラ19A,19Bは、リード線12繰出し時に、当接されたリード線12によって回転作動され、リード線12をガイド筒21(半田付け位置P側)にガイドするガイドローラとして機能する。なお、一対のローラ19A,19Bを、モータ等によって回転駆動させてローラ19A,19B自体によって挟持したリード線12をガイド筒21側に強制的に送出す一対の送りローラによって構成してもよい。
【0024】
ガイド筒21は、ローラ19A,19近傍から半田付け位置P近傍に至り平面視前後方向を向いた状態で繰出し側に向かって下降傾斜する直線状に延びる両端が開放された筒状部材であり、ローラ19A、19Bからのリード線12を半田付け位置Pに向かって案内するように構成されている。
【0025】
以上のように可動プレート8に設置された各種機器等は、ハーネス22によって、固定プレート6の裏面側等に設置されたマイコン等からなる図示しない制御基盤(制御部)に電気的に接続され、この制御基盤によって、上記温度検出や位置検出や駆動制御等の各種制御が行われる。
【0026】
上記固定プレート6の繰出し下流側端部(始端部)には、ブラケット23を介して、クランプ装置(保持機構)24が取付けられている。クランプ装置24は、互いが離間・近接するように上下動する導体よりなる一対の挟持体26A,26Bを備え、この一対の挟持体26A,26Bが近接することにより、繰出し部13から繰出されて半田付け位置Pを通過して太陽電池9からはみ出した状態のリード線の繰出し下流側端部(先端部)12aを挟持して保持固定する一方で、この一対の挟持体26A,26Bが離間することにより、リード線12の先端部12aのクランプ装置24による保持固定が解除される。
【0027】
次に、図2に基づき、太陽電池9の構成について簡単に説明する。
図2(A)は太陽電池の全体平面図であり、(B)は太陽電池の構成を示す要部断面図である。太陽電池9は、従来公知の方形状の薄型ソーラーパネルであり、同形状の方形板状に成形された複数の太陽電池セル(発電モジュール)27を複数有している。各太陽電池セル27の表面には正極集電極(集電極)27aが形成され、裏面には負極集電極(集電極)27bが形成されている。
【0028】
複数の太陽電池セル27が前後左右方向に並列配置されて格子状をなしており、隣接する一対の太陽電池セル27における一方側太陽電池セル27の正極集電極27aと他方側太陽電池セル27の負極集電極27bとに半田付けされたリード線12によって、隣接する太陽電池セル27同士が順次電気的に直列接続される。
【0029】
そして、リード線12によって電気的に直列接続された状態で格子状に配置された複数の太陽電池セル27を、表面側に位置する単一の透明な(透光性を有する)表面保護ガラス(表面保護パネル,保護パネル)28と、裏面側に位置する単一の裏面保護パネル(保護パネル)29とで挟み込み、この一対の保護パネル28,29の間に透明な充填剤(図示しない)を充填することにより、一対の保護パネル28,29、充填剤及び複数の太陽電池セル27が一体化され、この一体化された方形状部材の外縁部に枠体31を組付けることにより太陽電池9の完成品が製造される。
【0030】
以上、太陽電池セル27の表裏面にリード線12を直接半田付けすることにより太陽電池9の配線を行う例につき示しているが、集電極27a,27bに電気的な接続されたバンプ等の導体(図示しない)を保護パネル28,29外面まで導出させ、保護パネル28,29外面にリード線12を半田付けして保護パネル28,29外面の上記導体同士を電気的に接続することにより、太陽電池9の配線を行ってもよい。
【0031】
上記太陽電池用リード線半田付け装置1は、製造過程の太陽電池9にリード線12を半田付けして、配線作業を行うように構成されている。
【0032】
次に、図1に基づいて、太陽電池用リード線半田付け装置1の半田付け作業について説明する。
太陽電池用リード線半田付け装置1は、まず、可動プレート8を始端部に位置させた状態で、繰出し部13から繰出されたリード線12の先端部12aをクランプ装置24によって保持固定する。
【0033】
続いて、一対のコンベヤ3,3を駆動させ、半田付けユニット11の真下に、太陽電池9のリード線12配線箇所が位置するように、太陽電池9の左右位置調整を行った後、超音波ホーン17によってリード線12を太陽電池9に押付けるように、支持部材16を下方スライド駆動させる。
【0034】
続いて、超音波ホーン17をヒータによって加熱するとともに高速振動させた状態で、可動プレート8を、固定プレート6の始端と反対側の端部(終端部)に移動させる。この過程で、繰出し部13からリード線12が引出され(繰出され)、太陽電池9における半田付けユニット11との対向箇所に、リード線12が前後方向を向いた状態で半田付けされる。すなわち、可動プレート8のスライド方向が太陽電池9の配線方向となる。
【0035】
続いて、切断刃等の図示しない任意の切断手段によって、太陽電池9に半田付けされたリード線9を、繰出し部13側から繰出されているリード線9から切断処理するとともに、太陽電池9に半田付けされたリード線12の先端部12aのクランプ装置24による保持を解除し、半田付けユニット11を上方スライド移動させ、現工程の作業を終了させる。
【0036】
続いて、可動プレート8を始端部に移動させ、繰出し部13から繰出されたリード線12の先端部12aをクランプ装置24によって保持固定し、コンベヤ3によって、太陽電池9の半田付けユニット11に対する相対的な左右位置を再度調整することにより、次工程に移行し、前述の処理を再度繰返す。
【0037】
上記構成の太陽電池用リード線半田付け装置1には、ヒータや振動熱によって半田を融解させるために必要な熱量が得られない場合に備えて、リード線12を補助的に加熱する補助加熱手段が設けられており、この補助加熱手段によってスムーズで質の高い半田付け作業を行うことが可能になる。
【0038】
次に、図1及び3に基づき、上記補助加熱手段の構成について説明する。
図3(A),(B)は、それぞれ補助加熱手段の一例を示す概念図である。補助加熱手段は、同図(A)に示す通り、クランプ装置24と繰出し部13と間に電位差を生じさせる交流式又は直流式の電源装置Vを備えている。
【0039】
電源装置Vの両電極の内、一方側の電極は繰出し部13の一対のローラ19A,19Bの両方又は一方に電気的に接続され、他方側の電極はクランプ装置24の一対の挟持体26A,26Bの両方又は一方に電気的に接続されている。各ローラ19A,19B及び挟持対26A,26Bは、導体により構成されているため、リード線12における一対のローラ19A,19Bによる挟持箇所と、一対の挟持体26A,26Bによる挟持箇所との間には、電圧が印加され、電流が流れる。
【0040】
すなわち、電源装置Vと、一対のローラ19A,19Bと、一対の挟持体26A,26Bとによって、リード線12に通電させる印加回路32が形成される。リード線12に電流が流れると、リード線12が抵抗熱を発生する抵抗Rになり、リード線12自体が発熱する。このようにして、前述の補助加熱手段が構成される。
【0041】
また、補助加熱手段は、同図(B)に示すように、半田付けユニット11と繰出し部13と間に電位差を生じさせる交流式又は直流式の電源装置Vを設けることにより構成してもよい。この場合には、電源装置Vの両電極の内、一方側の電極は繰出し部13の一対のローラ19A,19Bの両方又は一方に電気的に接続され、他方側の電極は超音波ホーン17に電気的に接続されている。各ローラ19A,19B及び超音波ホーン17は、導体で構成されているため、リード線12における一対のローラ19A,19Bによる挟持箇所と、超音波ホーン17で押圧される箇所との間には、電圧が印加され、電流が流れる。
【0042】
すなわち、電源装置Vと、一対のローラ19A,19Bと、超音波ホーン17とによって、リード線12に通電させる印加回路33が形成される。リード線12に電流が流れると、リード線12が抵抗熱を発生する抵抗Rになり、リード線12自体が発熱する。このようにして、前述の補助加熱手段が構成される。
【0043】
以上、リード線12の外周面に半田をコーティングする例につき説明したが、バンプ等を形成してこれを用いてリード線12の半田付けを行ってもよい。くわえて、ヒータ及び超音波ホーン17に代えて、通常の半田鏝を用いてもよい。また、上記2つの印加回路32,33を両方設けてもよい。
【0044】
次に、図4に基づき、太陽電池9の他の実施形態について説明する。
図4(A),(B)は、別形態の太陽電池の構成を概念的に示す平面図及び要部断面図である。図示する太陽電池9は、ガラス等の透光性を有する板状の基盤34の一方側面に、裏面電極層(裏面電極)36と半導体層37と表面電極層(表面電極)38とを、この順序で積層化することによりなり、全体として方形板状に成形されている。一対の電極層36,38の内、少なくとも光を照射する側は、透光性を有する透明電極により構成されており、太陽電池9に向かって照射した光が透明電極を透過して半導体層に届くことにより、電力が発電される。
【0045】
太陽電池9の方形状の表面電極層38の一対の各長辺部38a,38bには、半田よりなるバンプ(端子)39が列状に複数形成されている。くわえて、一方の長辺部38aには、裏面電極層36に至る深さを有して長辺部38aに沿う溝9a,9a,9aがレーザ処理によって3列形成されている。この3列の溝9a,9a,9aの内、真ん中の溝9aに、裏面電極層36と電気的に接続されるように、上記バンプ39が所定間隔を介して複数形成されている。
【0046】
そして、本太陽電池用リード線半田付け装置1を用いて、長辺部38a,38bに列状形成された複数の各バンプ39aを順次融解させ、太陽電池9の一対の長辺部38a,38bに1本のリード線12をそれぞれ長辺部38a,38bに沿って半田付けすることにより、各リード線12が対応する電極層36,38とそれぞれ電気的に接続される。以上のようにして、裏面電極層36に電気的に接続された1本のリード線12と、表面電極層38に電気的に接続された1本のリード線12との計2本のリード線12により、発電された電力を効率良く取出すことが可能になる。
【0047】
ちなみに、リード線12の配線が完了した段階で、前述した例と同様に、一対の保護パネル28,29及び透明な充填剤によって、太陽電池9のラミネートを行うことにより、製品を完成させる。また、上記3つの溝9a,9a,9aの内、端側2つの溝9a,9aは、裏面電極層36に電気的に接続されたバンプ39と、表面電極層38とを電気的に切断するために機能している。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を適用した太陽電池用リード線半田付け装置の要部構成を示す模式図である。
【図2】(A)は太陽電池の全体平面図であり、(B)は太陽電池の構成を示す要部断面図である。
【図3】(A),(B)は、それぞれ補助加熱手段の一例を示す概念図である。
【図4】(A),(B)は、別形態の太陽電池の構成を概念的に示す平面図及び要部断面図である。
【符号の説明】
【0049】
9 太陽電池(薄型ソーラーパネル)
11 半田付けユニット
12 リード線(導線)
13 繰出し部
19A ローラ(ガイドローラ,送りローラ)
19B ローラ(ガイドローラ,送りローラ)
24 クランプ装置(保持機構)
27 太陽電池セル(発電モジュール)
32,33 印加回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を受けることにより発電する太陽電池(9)の配線に用いるリード線(12)が繰出される繰出し部(13)と、該繰出されたリード線(12)を太陽電池(9)に押付けるとともに加熱してリード線(12)を配線方向に沿って太陽電池(9)に半田付けする半田付けユニット(11)とを備え、リード線(12)による太陽電池(9)の配線作業の少なくとも一部を自動的に行う太陽電池用リード線半田付け装置において、リード線(12)に通電させて抵抗熱を発生させることによりリード線(12)を補助的に加熱する補助加熱手段を備えた太陽電池用リード線半田付け装置。
【請求項2】
リード線(12)繰出し時にリード線(12)と当接して回転作動されることによりリード線(12)をガイド又は送出すローラ(19A),(19B)を備えた請求項1の太陽電池用リード線半田付け装置。
【請求項3】
前記ローラ(19A),(19B)と半田付けユニット(11)との間に電圧を印加する印加回路(33)を形成することにより前記補助加熱手段を構成し、該印加回路(33)によってリード線(12)に通電させる請求項2の太陽電池用リード線半田付け装置。
【請求項4】
リード線(12)を挟持してガイド又は送出しするように前記ローラ(19A),(19B)を一対備え、一対のローラ(19A),(19B)の少なくとも一方と半田付けユニット(11)との間に電圧を印加する印加回路(33)を形成した請求項3の太陽電池用リード線半田付け装置。
【請求項5】
繰出されたリード線(12)を保持する保持機構(24)を半田付けユニット(11)よりも繰出し下流側に設け、前記ローラ(19A),(19B)と保持機構(24)との間に電圧を印加する印加回路(32)を形成することにより前記補助加熱手段を構成し、該印加回路(32)によってリード線(12)に通電させる請求項2,3又は4の太陽電池用リード線半田付け装置。
【請求項6】
保持機構(24)が、リード線(12)を挟持するクランプ装置よりなる請求項5の太陽電池用リード線半田付け装置。
【請求項7】
繰出し部(13)から繰出されるリード線(12)が半田コーティングされてなる請求項1,2,3,4,5又は6の太陽電池用リード線半田付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−142838(P2010−142838A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322006(P2008−322006)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(501109253)黒田テクノ株式会社 (16)
【Fターム(参考)】