説明

姿勢計算装置及び誘導装置及び姿勢計算装置の姿勢計算方法及び姿勢計算装置の姿勢計算プログラム

【課題】目標物周辺の地面の傾斜を正確に検出することができ、斜面に設定された目標物に対して予め想定された姿勢角で正確に到達することのできるように計算する姿勢計算装置を提供する。
【解決手段】目標座標取得部121が目標の2次元の位置座標である目標座標20を取得し、DEMデータベース122が所定の領域内における複数の点の標高情報を含む3次元位置座標を記憶し、傾斜算出部123がDEMデータベース122に記憶された3次元位置座標の中から、目標座標取得部121により取得された目標座標近傍の複数の3次元位置座標を目標周辺DEMデータ21として取得し、傾斜算出部123が複数の目標周辺DEMデータ21に基づいて、目標の周囲の領域の傾斜角22を処理装置により算出し、姿勢角計算部124が傾斜算出部123により算出された傾斜角22に基づいて、飛翔体の目標に対する姿勢を制御するための飛翔体の姿勢角23を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、飛翔体が地面に到達する際の姿勢を計算する姿勢計算装置、姿勢計算装置を備える誘導装置及び姿勢計算装置の姿勢計算方法及び姿勢計算装置の姿勢計算プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、一定の領域に展開する複数の目標群に対し、目標が存在する地表面に着弾する直前に弾頭を破裂させ、弾頭断片を横方向または斜め前方方向に飛散させることにより、一定の領域に展開する複数の目標群を一度に攻撃することができる飛翔体がある。この技術では、飛翔体に搭載された姿勢角制御器等により、飛翔体と地表面(水平面)のなす角(弾着角)を直角に近い状態に制御して弾着させ、広範囲にわたって断片を飛散させることができる。これにより、広範囲にわたる複数の目標を攻撃することができ、飛翔体の攻撃の有効性を高めることができる。
【0003】
複数目標に対する飛翔体の誘導性能を向上させる技術がある(特許文献1)。
【0004】
また、飛翔体の経路角を制限する方法によってシースキマー目標に対する飛翔体の誘導性能を向上させる技術がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−065925号公報
【特許文献2】特開平11−271000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、飛翔体の弾着角を水平面に対し直角に近い角度に誘導制御し、広範囲にわたって攻撃する方法が用いられている。このとき、地表面は水平であるという仮定のもとで飛翔体の姿勢制御を行っているため、目標が斜面に展開している場合には、従来技術の誘導制御では地表面の傾斜角によって弾着角が地表面に対して直角とならず、その結果、破裂させた断片が斜面によって遮られ、想定した範囲に飛散せずに断片飛散範囲が縮小し、攻撃範囲からはずれた目標ができてしまい、弾頭の威力が低下してしまう恐れがある。
【0007】
なお、複数のレーザ距離センサを飛翔体の斜め前方方向に配置して、地表面までの距離を計測して地表面に対する相対傾斜を検出する手段も容易に考案できるが、姿勢角を制御するために要する時間を考慮すると、高出力のレーザ距離センサを複数搭載することが必要となり、また、地上構造物等を検出した場合には、傾斜を正確に検出することが困難であるという課題がある。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、目標物周辺の地面の傾斜を正確に検出することができ、斜面に設定された目標物に対しても想定した範囲に確実に弾着することのできるように誘導する誘導装置を提供することを目的とする。また、上記誘導装置を提供するために、目標周辺の領域の傾きを正確に算出するとともに、斜面に設定された目標に対して予め想定された物体の姿勢を正確に計算することのできる姿勢計算装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における姿勢計算装置は、
物体の目標に対する姿勢を計算する姿勢計算装置において、
前記目標の少なくとも2次元の位置座標である目標座標を入力する目標座標入力部と、
所定の領域内における複数の点の標高情報を含む3次元位置座標を記憶装置に記憶する位置標高情報記憶部と、
前記位置標高情報記憶部により記憶された前記3次元位置座標の中から、前記目標座標入力部により入力された前記目標座標近傍の複数の3次元位置座標を特定位置座標として処理装置により取得する特定位置座標取得部と、
前記特定位置座標取得部により取得された前記特定位置座標に基づいて、前記目標の周囲の領域の傾きを処理装置により算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された前記目標の周囲の領域の傾きに基づいて、前記物体の目標に対する姿勢を処理装置により計算する姿勢計算部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明における姿勢計算装置は、物体の目標に対する姿勢を計算する姿勢計算装置であって、目標座標入力部が前記目標の少なくとも2次元の位置座標である目標座標を入力し、位置標高情報記憶部が所定の領域内における複数の点の標高情報を含む3次元位置座標を記憶装置に記憶し、特定位置座標取得部が前記位置標高情報記憶部により記憶された前記3次元位置座標の中から、前記目標座標入力部により入力された前記目標座標近傍の複数の3次元位置座標を特定位置座標として処理装置により取得し、傾き算出部が前記特定位置座標取得部により取得された前記特定位置座標に基づいて、前記目標の周囲の領域の傾きを処理装置により算出し、姿勢計算部が前記傾き算出部により算出された前記目標の周囲の領域の傾きに基づいて、前記物体の目標に対する姿勢を処理装置により計算するので、目標周辺の領域の傾きを正確に算出することができ、斜面に設定された目標に対して予め想定された物体の姿勢を正確に計算することのできる姿勢計算装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】飛翔体4と地表面(略水平面)2に展開する目標1(目標群)との関係を示す図である。
【図2】飛翔体4と地表面(斜面8)に展開する目標1(目標群)との関係を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る飛翔体誘導装置100の機能ブロック構成図である。
【図4】実施の形態1におけるDEMデータベース122の情報構成の一例を示すモデル図である。
【図5】実施の形態1における姿勢計算装置120(あるいは姿勢計算装置120を備える誘導装置12)のハードウェア資源の一例を示す図である。
【図6】実施の形態1における姿勢計算装置120の姿勢計算方法を示すフローチャートである。
【図7】図4のDEMデータベース122の情報構造のモデル図において、実線の円Aで囲まれた部分の拡大モデル図である。
【図8】目標周辺DEMデータ21と目標座標20(目標近傍領域)の傾きの関係を示す図である。
【図9】斜面8に直交する飛翔体4と地表面(斜面8)に展開する目標1(目標群)との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
実施の形態1では、例えば、地面に着弾する直前に弾頭を破裂させ広範囲に弾頭断片を飛散させることにより、広範囲にわたって攻撃することを目的とした飛翔体等に搭載される飛翔体誘導装置について説明する。
【0013】
図1は、飛翔体4と地表面(略水平面)2に展開する目標1(目標群)との関係の一例を示す図である。図2は、飛翔体4と傾斜した地表面(斜面8)に展開する目標1(目標群)との関係を示す他の例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、一定の領域に展開する複数の目標1に対し、目標1が存在する地表面(略水平面)2に着弾する直前に弾頭3を破裂させ、弾頭断片を横方向または斜め前方方向に飛散させることにより、一定の領域に展開する複数の目標1を一度に攻撃することができる飛翔体4がある。このとき、飛翔体4に搭載された飛翔体4の姿勢角を制御する姿勢角制御器等が、飛翔体4と地表面(略水平面)2のなす角(弾着角5)を直角に近い状態に制御して弾着させることにより、より広範囲にわたって断片を飛散させることでき、より広範囲にわたる複数の目標1を攻撃することができ、飛翔体4の攻撃の有効性を高めることができる。
【0015】
図2に示すように、地表面が水平面に対して傾いている斜面8のような場合には、たとえ、飛翔体4を水平面に対して略直角方向から斜面8に到達(着弾)させたとしても、斜面8に対しては略直角方向から到達(着弾)することにはならない。つまり、飛翔体4を水平面に対して略直角の方向から誘導制御したとしても、地表面が水平であるという仮定のもとで飛翔体4の姿勢制御を行っているため、目標1が斜面8に展開している場合には、誘導を行うと地表面の傾斜角によって弾着角が地表面に対して直角とならず、その結果、破裂させた断片が地表面によって遮られ、想定した範囲に飛散せずに断片飛散範囲6が縮小し、攻撃範囲からはずれた目標7ができてしまい、弾頭の威力が低下してしまう。
【0016】
このように、一定の領域に展開する複数の目標1に対して、地面に着弾する直前に弾頭を破裂させ目標に対して効果的に弾頭断片を飛散させる飛翔体4の場合には、着弾する直前(すなわち、弾頭断片を飛散させる時)の飛翔体4の姿勢により目標1に対する効果が異なってくる。すなわち、目標1(目標群)が展開している地表面の傾斜等によって、飛翔体4の最適な姿勢(効果的な姿勢)が異なってくる。
【0017】
本実施の形態に係る飛翔体誘導装置、飛翔体誘導装置の備える誘導装置、誘導装置の備える姿勢計算装置は、飛翔体4の到達する地表面の傾斜を正確に検出し、飛翔体4の到達する際の最適な姿勢を導き出し、飛翔体4を誘導するための装置である。本実施の形態では、飛翔体4が着弾する地表面がどのような傾斜面であっても、その地表面に対して略垂直方向から到達するように誘導する飛翔体誘導装置について説明する。また、飛翔体4が地表面に対して垂直方向から到達するとは、飛翔体4が到達する直前において地表面に対して垂直方向から到達する姿勢(以下「地表面に対して垂直方向の姿勢」という)となるための姿勢角であることが必要である。したがって、飛翔体誘導装置は、飛翔体4が地表面に到達する直前において、飛翔体4が地表面に対して垂直方向の姿勢となる姿勢角を導き出すものである。
【0018】
飛翔体4は、物体の一例である。本実施の形態では、物体の一例として飛翔体4について説明するが、物体は飛翔体に限られない。例えば、物体は、人工衛星のアンテナや地上(地表面の上方)に設置されるカメラ等でもよい。また、物体は飛翔していなくともよく、静止している物体でもよい。すなわち、物体は、その物体(物体の軸)が地表面に対してどのような姿勢(姿勢角)となるかを計算できるものであればよい。本実施の形態における姿勢計算装置は、物体(物体の軸)が地表面に対して所定の姿勢(姿勢角)となるように姿勢角を計算することができる装置である。
【0019】
また、本実施の形態では、飛翔体(物体)が地表面に対して垂直方向の姿勢(地表面に対して垂直方向から到達する際の姿勢)を、算出すべき最適な姿勢としているが、それに限られず、どのような姿勢でも最適な姿勢として姿勢角を算出することができる。ここで、飛翔体4の姿勢角とは、例えば、重力の方向あるいは飛翔体4の有する任意の座標系に対する飛翔体4(物体)の軸の相対角度を意味し、ピッチ角θ(前後軸の回転角)とヨー角ψ(左右軸の回転角)とにより特定される角度である。
【0020】
図3は、実施の形態1に係る飛翔体誘導装置100の機能ブロック構成図である。図3を用いて、飛翔体4を最適な姿勢に誘導するための飛翔体誘導装置100について説明する。
【0021】
飛翔体誘導装置100は、シーカ10、目標指令受信部11、誘導装置12、制御装置14、操舵装置15を備える。
【0022】
シーカ10は、目標1を捜索追尾し、目標1に対する相対位置関係である目視線角、目視線角時間変化率および相対距離情報を検知し、検知した情報から目標の位置座標を出力する。あるいは、目標1の目視線角、目視線角時間変化率および相対距離情報等を検知し、検知した情報を目標の測角情報(目標測角情報)として出力する。
【0023】
目標指令受信部11は、地上管制局または飛翔体4を発射する母機からの目標指令情報を受信して出力する。
【0024】
誘導装置12は、シーカ10からの目標の位置座標あるいは目標測角情報、あるいは、目標指令受信部11から目標指令情報を入力し、飛翔体4の最適な姿勢角23を計算し、姿勢角指令値24として出力する。誘導装置12は、姿勢計算装置120、指令出力部13を備える。姿勢計算装置120は、指令出力部13を備えていてもよい。その場合は、姿勢計算装置120は、誘導装置12となる。
【0025】
姿勢計算装置120は、目標座標取得部121(目標座標入力部)、DEMデータベース122(DEM:Degital Elevation Model)(位置標高情報記憶部)、傾斜算出部123(特定位置座標取得部、傾き算出部)、姿勢角計算部124(姿勢計算部)を備える。
【0026】
目標座標取得部121は、シーカ10から目標測角情報を入力すると、例えばカルマンフィルタ等により、目標測角情報からノイズ成分を除去した誘導信号として、目視線角および目視線変化率および目標との相対距離を出力する。そして、出力した誘導信号(目視線角および目視線変化率および目標との相対距離)より目標の位置座標である目標座標20を算出する。また、シーカ10がノイズを除去した誘導信号から目標座標20を求めてもよい。この場合は、目標座標取得部121は、シーカ10から目標座標20を入力する。
【0027】
あるいは、目標座標取得部121は、目標指令受信部11から目標指令情報を入力すると、入力した目標指令情報から母機等より与えられる目標の位置座標である目標座標20を得る。目標座標取得部121は、目標座標20を取得して出力する。ここで、目標座標20は、少なくとも2次元の位置座標であり、3次元の位置座標でも良い。本実施の形態では、説明の簡単のため、目標座標20は2次元であるものとする。
【0028】
DEMデータベース122は、地表面(略水平面)2の標高に関するデータベースであり、測量によって計測された50m間隔の格子点に対する海抜高度のデータベースである。DEMデータベース122は、公開されており利用することが可能である。山間部等の短距離間で高度が大きく変化する地域を除き、このDEMデータベース122を用いることで攻撃目標が展開されている領域の地表面の傾斜角22を計算することができる。また、本実施の形態では、DEMデータベース122を利用しているが、所定の領域内における複数の点の位置情報と対応する標高情報とを含む3次元の位置座標情報(3次元位置座標)を記憶装置に記憶する位置標高情報記憶部であれば、DEMデータベース122でなくても構わない。
【0029】
図4は、実施の形態1におけるDEMデータベース122の情報構成の一例を示すモデル図である。図4に示すようにDEMデータベース122は、各格子点の東方向位置を昇順に格納した1次元配列X〔j〕(j=1,2,...,n)と、北方向位置を昇順に格納した1次元配列Y〔k〕(k=1,2,...,m)と、位置座標(X〔j〕、Y〔k〕)における標高Z〔j,k〕(j=1,2,...,n;k=1,2,...,m)からなる2次元配列Z〔j,k〕とにより構成される。
【0030】
DEMデータベース122の情報構造は、例えば、各座標値を要素とする3次元配列等の他の表現方法が考えられるが、本実施の形態では説明の簡単のため、前記の通り、東方向位置配列X〔j〕、北方向位置配列Y〔k〕、標高方向2次元配列標高Z〔j,k〕を用いる。すなわち、DEMデータベース122は、東方向位置1次元配列Xと北方向位置1次元配列Yと標高方向2次元配列Zとの3次元(X〔j〕,Y〔k〕,Z〔j,k〕)の情報を記憶するといえる。以下の説明では、DEMデータベース122に記憶されている3次元の情報を3次元位置座標情報(3次元位置座標)と呼ぶ。
【0031】
3次元位置座標情報は、位置を表す2次元の位置座標(X〔j〕,Y〔k〕)とその位置座標に対応する標高Z〔j,k〕との2つの情報の組み合わせにより構成されていても良いし、標高を含む3次元の座標(X〔i〕,Y〔k〕,Z〔j,k〕)により表されていてもよい。また、目標座標20の値は、DEMデータベース122の示す座標上の値(情報)として、目標座標20(座標(Xt、Yt))と示される。
【0032】
傾斜算出部123は、目標座標取得部121から2次元情報である目標座標20((座標(Xt、Yt))を入力し、入力した目標座標20をもとにDEMデータベース122から目標周辺の複数の3次元位置座標情報を取得する。傾斜算出部123は、DEMデータベース122に記憶された3次元位置座標情報の中から、目標座標取得部121により取得された目標座標20近傍の複数の3次元位置座標情報を特定位置座標(目標周辺DEMデータ21)として処理装置により取得して、取得された特定位置座標に基づいて、目標の周囲の領域の傾き(傾斜角22)を処理装置により算出する。傾斜算出部123における目標周辺DEMデータ21及び傾斜角22の取得方法の詳細については、後述する。
【0033】
姿勢角計算部124は、傾斜算出部123により算出された目標の周囲(近傍)の領域の傾き(傾斜角22)を入力する。姿勢角計算部124は、入力した傾斜角22に基づいて、飛翔体4の目標1(目標1近傍の領域)に対する最適な姿勢(姿勢角23)を処理装置により計算する。姿勢角計算部124は、計算した姿勢角23を出力する。
【0034】
指令出力部13は、姿勢計算装置120から姿勢角23を入力して姿勢角指令値24として、飛翔体4の回転制御・姿勢制御等を行う制御装置14へ出力する。
【0035】
制御装置14は、姿勢角指令値24を入力し、与えられた姿勢角指令値24をもとに操舵装置15を用いて、飛翔体4(機体)の姿勢角を制御し、地表面(略水平面)2あるいは傾斜した地表面(斜面8)に対し飛翔体4を直交させる。あるいは、制御装置14は、姿勢角指令値24を入力し、操舵装置15を用いて、地表面(略水平面)2あるいは傾斜した地表面(斜面8)に対し、入力した姿勢角指令値24にて指定された姿勢(姿勢角)で飛翔体4を到達させる。
【0036】
図5は、実施の形態1における姿勢計算装置120(あるいは姿勢計算装置120を備える誘導装置12)のハードウェア資源の一例を示す図である。
図5において、誘導装置12/姿勢計算装置120は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりにその他の記憶装置(例えば、RAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリ)を用いてもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶機器、記憶装置あるいは記憶部の一例である。また、入力データが記憶されている記憶機器は入力機器、入力装置あるいは入力部の一例であり、出力データが記憶される記憶機器は出力機器、出力装置あるいは出力部の一例である。
通信ボード915は、入出力機器、入出力装置あるいは入出力部の一例である。
【0037】
通信ボード915は、有線または無線で、LAN(Local Area Network)、インターネット、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)、電話回線などの通信網に接続されている。
【0038】
磁気ディスク装置920には、OS921(オペレーティングシステム)、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、OS921により実行される。
【0039】
上記プログラム群923には、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0040】
ファイル群924には、実施の形態において、「〜部」の機能を実行した際の「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」などの結果データ、「〜部」の機能を実行するプログラム間で受け渡しするデータ、その他の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
【0041】
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、実施の形態において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他の記録媒体に記録される。また、データや信号値は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0042】
また、実施の形態において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスクやその他の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0043】
図6は、実施の形態1における姿勢計算装置120の姿勢計算方法を示すフローチャートである。実施の形態1において、姿勢計算装置120が飛翔体4の最適な姿勢角23を計算する姿勢計算方法について、図6に基づいて以下に説明する。姿勢計算装置120の各部は、以下に説明する処理を処理装置(CPU)を用いて実行する。
【0044】
<目標座標入力(取得)処理:S110>
目標座標取得部121は、シーカ10から目標測角情報(目視線角および目視線変化率および目標との相対距離)を入力する。目標座標取得部121は、処理装置により、カルマンフィルタを用いて目標測角情報からノイズ成分を除去し、ノイズ成分を除去した誘導信号として、目視線角および目視線変化率および目標との相対距離を出力する。そして、目標座標取得部121は、出力した誘導信号(目視線角および目視線変化率および目標との相対距離)より目標の位置座標である目標座標20を処理装置により算出し取得する。また、シーカ10においてノイズを除去した誘導信号から目標座標20を求める場合は、目標座標取得部121は、シーカ10から目標座標20を入力し取得する。
【0045】
目標座標取得部121は、目標指令受信部11から目標指令情報を入力する。目標座標取得部121は、目標指令情報を入力すると、処理装置により、目標指令情報に基づいて母機等より与えられる目標の位置座標である目標座標20を取得する。
【0046】
<傾き算出処理(特定位置座標取得処理:S111)(傾斜角算出処理:S112)>
傾斜算出部123は、目標座標取得部121から2次元の位置座標である目標座標20(座標(Xt、Yt))を入力する。傾斜算出部123は、処理装置を用いて、DEMデータベース122から目標座標20の周辺の複数の3次元位置座標情報である目標周辺DEMデータ21を処理装置により取得する(S111)。傾斜算出部123は、後述するように、目標座標20を囲む3つないし4つの頂点の位置座標とその位置座標に対応する標高情報とを目標周辺DEMデータ21として処理装置を用いて取得するものとする。
【0047】
傾斜算出部123は、取得した3つないし4つの目標周辺DEMデータ21に基づいて、目標の近傍の領域(目標近傍領域)の傾き(傾斜角22)を処理装置により算出する(S112)。
【0048】
すなわち、傾斜算出部123は、シーカ10ないし目標指令受信部11より得られた目標座標20(Xt,Yt)を包含するDEMデータベース122内の格子点を頂点とする3角形領域31ないし4角形領域32を検索する。そして、傾斜算出部123は、検索した領域を特定する頂点座標の高度情報(標高情報)等から目標座標20(Xt、Yt)(目標近傍領域)における傾斜角22を計算する。
【0049】
図7は、図4のDEMデータベース122の情報構造のモデル図において、実線の円Aで囲まれた部分の拡大モデル図である。図8は、目標周辺DEMデータ21と目標近傍領域の傾きの関係を示す図である。図7及び図8を用いて、本実施の形態における傾斜算出部123の目標周辺DEMデータ21(特定位置座標)の取得方法及び目標周辺DEMデータ21から目標近傍領域の傾き(傾斜角22)を計算する傾き計算方法について説明する。
【0050】
図7に示すように、4つの頂点座標(X〔j−1〕、Y〔k−1〕)、(X〔j−1〕、Y〔k〕)、(X〔j〕、Y〔k〕)、(X〔j〕、Y〔k−1〕)により特定される4角形領域32内に目標座標20(Xt,Yt)が位置する場合、4角形領域32の4つの頂点座標(X〔j−1〕、Y〔k−1〕)、(X〔j−1〕、Y〔k〕)、(X〔j〕、Y〔k〕)、(X〔j〕、Y〔k−1〕)と目標座標20(Xt、Yt)とには以下の(式1)(式2)の関係が成り立つ。
X〔j−1〕<= Xt < X〔j〕 (式1)
Y〔k−1〕<= Yt < Y〔k〕 (式2)
【0051】
傾斜算出部123は、目標座標20(Xt、Yt)を包含する4角形領域32(点線領域)を特定するために、処理装置を用いて、上記(式1)(式2)の関係式を満たす配列インデックスの組〔j、k〕を検索(取得)する。すなわち、傾斜算出部123は、目標座標20が位置する4角形領域32を特定する4つの頂点座標(X〔j−1〕、Y〔k−1〕)、(X〔j−1〕、Y〔k〕)、(X〔j〕、Y〔k〕)、(X〔j〕、Y〔k−1〕)を取得する。
【0052】
さらに傾斜算出部123は、処理装置を用いて、検索(取得)した配列インデックスの組〔j、k〕より、目標座標20を包含する4角形領域32の各頂点の標高値Z〔j−1、k−1〕、Z〔j、k−1〕、Z〔j−1、k〕、Z〔j、k〕を取得する。これにより、傾斜算出部123は、目標座標20を包含する4角形領域32を特定する4つの各頂点の3次元位置座標情報(東方向位置1次元配列Xと北方向位置1次元配列Yと標高方向2次元配列Zとの3次元(X〔i〕,Y〔k〕,Z〔j,k〕)の情報)を、目標周辺DEMデータ21(特定位置座標)として取得する。
【0053】
ここでは、傾斜算出部123が目標座標20を包含する領域として4角形領域32(点線領域)を特定する処理について説明したが、図7に示すように目標座標20を包含する領域として3角形領域31(1点鎖線領域)を特定する3次元位置座標情報を取得してもよい。傾斜算出部123が3角形領域31の頂点座標から3つの3次元位置座標領域を求める場合にも、上述した方法と同様の方法により取得することができる。
【0054】
次に、図8を用いて、目標周辺DEMデータ21から目標近傍領域の傾き(傾斜角22)を計算する傾き計算方法について説明する。
【0055】
傾斜算出部123は、処理装置により、目標座標20を包含する4角形領域32を特定する目標周辺DEMデータ21を用いて傾斜角22を計算する。まず、傾斜算出部123は、処理装置により、4角形領域32の4つ頂点座標から4角形領域32の各辺の傾斜dX1、dX2、dY1、dY2を算出する((式3)〜(式6))。
【0056】
dX1=(Z〔j、k−1〕−Z〔j−1、k−1〕)/(X〔j〕−X〔j−1〕)(式3)
dX2=(Z〔j、k〕−Z〔j−1、k〕)/(X〔j〕−X〔j−1〕)(式4)
dY1=(Z〔j−1、k〕−Z〔j−1、k−1〕)/(Y〔k〕−Y〔k−1〕)(式5)
dY2=(Z〔j、k〕−Z〔j、k−1〕)/(Y〔k〕−Y〔k−1〕)(式6)
【0057】
傾斜算出部123は、処理装置により、4角形領域32の各辺の傾斜dX1、dX2、dY1、dY2と、目標座標20(Xt,Yt)における加重平均とによって、目標座標20(目標近傍領域)におけるX方向傾斜dXとY方向傾斜dYを算出する((式7)(式8))。
【0058】
dX=(dX2×(Yt―Y〔k−1〕)+dX1×(Y〔k〕―Yt))/(Y〔k〕―Y〔k−1〕) (式7)
dY=(dY2×(Xt―X〔j−1〕)+dY1×(X〔j〕―Xt))/(X〔j〕―X〔j−1〕) (式8)
【0059】
傾斜算出部123は、処理装置により、算出したX方向傾斜dXとY方向傾斜dYとの傾斜成分を用いて、目標座標20(目標近傍領域)の傾斜角22を計算する。傾斜算出部123は、処理装置により、得られたX方向傾斜ベクトル(1、0、dX)、Y方向傾斜ベクトル(0、1、dY)の外積を計算し、X方向Y方向傾斜ベクトルで張られる面の法線ベクトル(斜面法線ベクトル34)を算出する。
【0060】
傾斜算出部123は、処理装置により、斜面法線ベクトル34と水平面とがなす角の余角を算出し傾斜角22として出力する。具体的には、例えば、傾斜算出部123は、処理装置により、斜面法線ベクトル34と水平面の法線ベクトルとの内積を計算し、斜面法線ベクトル34と水平面の法線ベクトルとのなす角(すなわち、斜面法線ベクトル34と水平面とがなす角の余角)を求める。傾斜算出部123は、処理装置により、求めた斜面法線ベクトル34と水平面の法線ベクトルとのなす角(すなわち、斜面法線ベクトル34と水平面とがなす角の余角)を傾斜角22として出力する。
【0061】
ここでは、傾斜算出部123が目標座標20を包含する4角形領域32を用いて、傾斜角22を求める方法について説明した。傾斜算出部123は、目標座標20を包含する3角形領域31によって傾斜角22を算出してもよい。
【0062】
例えば、傾斜算出部123は、処理装置により、3角形領域31の2辺を表すベクトルの外積を計算することによって3角形領域31の面の法線ベクトルを求める。傾斜算出部123は、処理装置により、3角形領域31の法線ベクトルと水平面とがなす角の余角を求め、3角形領域31の法線ベクトルと水平面とがなす角の余角を傾斜角22として算出する。したがって、傾斜算出部123の傾斜角算出方法においては、4角形領域32を用いる方法の方が、3角形領域31を用いる方法よりも算出される目標座標20(目標近傍領域)の傾斜角22の精度が高くなる。しかし、3角形領域31を用いる方法の方が、姿勢計算装置120の処理速度は早くなると考えられる。
【0063】
<姿勢角計算処理:S113>
姿勢角計算部124は、目標座標20(目標近傍領域)の傾斜角22を入力して、入力した傾斜角22に基づいて、飛翔体4の姿勢が傾斜角22の斜面8に対して直交する姿勢となる姿勢角23を処理装置により計算する。例えば、図8に示すように、姿勢角計算部124は、傾斜角22から求まる傾斜角22の余角のX方向成分、Y方向成分を飛翔体4の姿勢角23として算出してもよい。姿勢角計算部124は、処理装置により計算した飛翔体4の姿勢角23を出力する。
【0064】
以上で、姿勢計算装置120の姿勢計算方法の各処理が終了する。
【0065】
指令出力部13は、処理装置により、姿勢計算装置120より姿勢角23を入力し、入力した姿勢角23に基づいて、飛翔体4の姿勢を制御するための姿勢角指令値24を生成する。指令出力部13は、生成した姿勢角指令値24を飛翔体4の回転制御を行う制御装置14へ出力する。
【0066】
制御装置14は、姿勢角指令値24を入力し、入力した姿勢角指令値24に基づいて、操舵装置15を用いて、飛翔体4の姿勢を最適な姿勢に制御して地表面に着弾させる。
【0067】
図9は、斜面8に直交する飛翔体4と地表面(斜面8)に展開する目標1(目標群)との関係を示す一例を示す図である。これにより、飛翔体4は、傾斜する地表面(斜面8)に到達(着弾)する直前には、斜面8に対し垂直方向から到達する姿勢となる姿勢角に制御され、斜面に対し直交して到達(着弾)する。
【0068】
以上のように、本実施の形態に係る飛翔体誘導装置100によれば、飛翔体4の着弾する目標近傍領域について、DEMデータベース122を用いて精度の高い地表面の傾斜(傾斜角22)を算出することができる。そして、地表面に対して直交する飛翔体の姿勢角23を精度の高い傾斜角22に基づいて算出することができる。したがって、より高精度に弾着角5を垂直にすることができ、効果的に目標を広く断片飛散範囲6に納めることができ、その結果、弾頭の有効性が向上する。
【0069】
また、本実施の形態の姿勢計算装置120において、目標座標取得部121、傾斜算出部123、姿勢角計算部124はそれぞれ独立した機能ブロックとして構成されているが、ひとつの機能ブロックとしてもよいし、どのような組み合わせで構成しても構わない。また、誘導装置12は、姿勢計算装置120と指令出力部13とにより構成されているが、姿勢計算装置120が指令出力部13を備えても構わない。これらの機能ブロックは、他のどのような組み合わせで構成されても構わない。
【符号の説明】
【0070】
1 目標、2 地表面(略水平面)、3 弾頭、4 飛翔体、5 弾着角、6 断片飛散範囲、7 攻撃範囲からはずれた目標、8 斜面、10 シーカ、11 目標指令受信部、12 誘導装置、13 指令出力部、14 制御装置、15 操舵装置、20 目標座標、21 目標周辺DEMデータ、22 傾斜角、23 姿勢角、24 姿勢角指令値、31 3角形領域、32 4角形領域、34 斜面法線ベクトル、120 姿勢計算装置、121 目標座標取得部、122 DEMデータベース、123 傾斜算出部、124 姿勢角計算部、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の目標に対する姿勢を計算する姿勢計算装置において、
前記目標の少なくとも2次元の位置座標である目標座標を入力する目標座標入力部と、
所定の領域内における複数の点の標高情報を含む3次元位置座標を記憶装置に記憶する位置標高情報記憶部と、
前記位置標高情報記憶部により記憶された前記3次元位置座標の中から、前記目標座標入力部により入力された前記目標座標近傍の複数の3次元位置座標を特定位置座標として処理装置により取得する特定位置座標取得部と、
前記特定位置座標取得部により取得された前記特定位置座標に基づいて、前記目標の周囲の領域の傾きを処理装置により算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された前記目標の周囲の領域の傾きに基づいて、前記物体の目標に対する姿勢を処理装置により計算する姿勢計算部と
を備えることを特徴とする姿勢計算装置。
【請求項2】
前記姿勢計算部は、
前記物体である飛翔体の前記目標に対する姿勢であって、前記飛翔体が前記目標に到達するときの特定の姿勢を計算する
ことを特徴とする請求項1に記載の姿勢計算装置。
【請求項3】
前記姿勢計算部は、
前記飛翔体が前記目標の周囲の領域に対して略垂直方向から到達するように、前記特定の姿勢を計算する
ことを特徴とする請求項2に記載の姿勢計算装置。
【請求項4】
前記特定位置座標取得部は、
前記3次元位置座標の中から、前記目標座標を含む領域を特定する少なくとも3つの3次元位置座標を前記特定位置座標として取得することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の姿勢計算装置。
【請求項5】
前記特定位置座標取得部は、
3つの3次元位置座標を頂点とする3角形の前記領域と、4つの3次元位置座標を頂点とする4角形の前記領域とのいずれかを特定する前記位置特定座標を取得することを特徴とする請求項4に記載の姿勢計算装置。
【請求項6】
飛翔体が特定の姿勢で目標に到達するように誘導する誘導装置であって、
前記目標の少なくとも2次元の位置座標である目標座標を入力する目標座標入力部と、
所定の領域内における複数の点の標高情報を含む3次元位置座標を記憶装置に記憶する位置標高情報記憶部と、
前記位置標高情報記憶部により記憶された前記3次元位置座標の中から、前記目標座標入力部により入力された前記目標座標近傍の複数の3次元位置座標を特定位置座標として処理装置により取得する特定位置座標取得部と、
前記特定位置座標取得部により取得された前記特定位置座標に基づいて、前記目標の周囲の領域の傾きを処理装置により算出する傾き算出部と、
前記傾き算出部により算出された前記目標の周囲の領域の傾きに基づいて、前記飛翔体が前記目標の周囲の領域に対して略垂直方向から到達するように、前記特定の姿勢を処理装置により計算する姿勢計算部と、
前記姿勢計算部により計算された前記特定の姿勢を出力する姿勢出力部と
と備えることを特徴とする誘導装置。
【請求項7】
物体の目標に対する姿勢を計算する姿勢計算装置であって、所定の領域内における複数の点の標高情報を含む3次元位置座標を記憶する位置標高情報記憶部を備える姿勢計算装置の姿勢計算方法において、
目標座標入力部が、前記目標の少なくとも2次元の位置座標である目標座標を入力する目標座標入力ステップと、
特定位置座標取得部が、前記位置標高情報記憶部により記憶された前記3次元位置座標の中から、前記目標座標入力ステップにより入力された前記目標座標近傍の複数の3次元位置座標を特定位置座標として処理装置により取得する特定位置座標取得ステップと、
傾き算出部が、前記特定位置座標取得ステップにより取得された前記特定位置座標に基づいて、前記目標の周囲の領域の傾きを処理装置により算出する傾き算出ステップと、
姿勢計算部が、前記傾き算出ステップにより算出された前記目標の周囲の領域の傾きに基づいて、前記物体の目標に対する姿勢を処理装置により計算する姿勢計算ステップと
を備えることを特徴とする姿勢計算装置の姿勢計算方法。
【請求項8】
物体の目標に対する姿勢を計算する姿勢計算装置であって、所定の領域内における複数の点の標高情報を含む3次元位置座標を記憶する位置標高情報記憶部を備えるコンピュータである姿勢計算装置に実行させる姿勢計算プログラムにおいて、
前記目標の少なくとも2次元の位置座標である目標座標を入力する目標座標入力処理と、
前記位置標高情報記憶部に記憶された前記3次元位置座標の中から、前記目標座標入力処理により入力された前記目標座標近傍の複数の3次元位置座標を特定位置座標として取得する特定位置座標取得処理と、
前記特定位置座標取得処理により取得された前記特定位置座標に基づいて、前記目標の周囲の領域の傾きを処理装置により算出する傾き算出処理と、
前記傾き算出処理により算出された前記目標の周囲の領域の傾きに基づいて、前記物体の目標に対する姿勢を処理装置により計算する姿勢計算処理と
を上記コンピュータである姿勢計算装置に実行させることを特徴とする姿勢計算装置の姿勢計算プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−169495(P2010−169495A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11503(P2009−11503)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】