説明

媒体排出装置および画像形成装置

【課題】簡素な構成で利用者の安全性を向上させること。
【解決手段】画像が形成された媒体(S)が積載される積載部(TRh2)と、前記積載部(TRh2)に前記媒体(S)を排出する排出部材(Rh2)と、媒体(S)の搬送方向に直交する媒体(S)の厚さおよび幅に応じた大きさに形成され且つ排出される媒体(S)が通過可能な開口(2a)を有し、前記排出部材(Rh2)の媒体排出方向下流側に配置され、且つ、前記開口(2a)の周縁部により前記排出部材(Rh2)の露出を妨げる露出規制部(2)と、を備えた媒体排出装置(U3)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体排出装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像が記録された媒体を排出トレイに排出する排出ロールについて、例えば、下記の特許文献1、2に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2005−292274号公報には、媒体を排出する排出部材(28)が外部に露出した状態で配置される構成が記載されている。
また、特許文献2としての特開2005−75565号公報には、軽度障害を持つオペレータの安全性を確保するために、手差しで給紙するための開口部(50)に、給紙手段(21D,30)を遮蔽して露出させないようにする遮蔽カバー(40)を配置する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−292274号公報(図5、図24)
【特許文献2】特開2005−75565号公報(「0018」〜「0021」、図1〜図3、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡素な構成で利用者の安全性を向上させることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の媒体排出装置は、
画像が形成された媒体が積載される積載部と、
前記積載部に前記媒体を排出する排出部材と、
媒体の搬送方向に直交する媒体の厚さおよび幅に応じた大きさに形成され且つ排出される媒体が通過可能な開口を有し、前記排出部材の媒体排出方向下流側に配置され、且つ、前記開口の周縁部により前記排出部材の露出を妨げる露出規制部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の媒体排出装置において、
媒体の排出方向が、水平方向に対して下方に傾斜する方向に設定された前記排出部材、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の媒体排出装置において、
媒体の排出方向に対して下流側に行くに連れて上方に傾斜する主積載面と、前記排出部材による排出方向の延長線と前記積載部の積載面とが交差する位置であって排出される媒体の排出方向前端が接触する位置に配置され且つ前記主積載面に比べて傾斜角度が前記延長線に沿う方向に近い前端接触部と、を有する前記積載部、
ことを特徴とする。
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項4記載の発明の画像形成装置は、
媒体に画像を記録する画像記録装置と、
前記画像記録装置により画像が記録された媒体を排出する請求項1ないし3のいずれかに記載の媒体排出装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、4に記載の発明によれば、開口が媒体の厚さおよび幅に応じた大きさよりも大きく形成された場合に比べて、簡素な構成で利用者の安全性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、水平方向に対して上方に傾斜する方向に媒体が排出される場合に比べて、媒体の排出方向後端が残ることが低減できる。
請求項3に記載の発明によれば、前端接触部が設けられない構成に比べて、排出される媒体の整合不良を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の媒体排出装置の要部説明図である。
【図3】図3は実施例1の媒体排出装置の一例としてのオプション排出ユニットの斜視説明図である。
【図4】図4は実施例1の媒体排出装置のオフセット機構の説明図であり、図4Aは上方から見た状態の説明図、図4Bは図4Aの矢印IVB方向から見た図である。
【図5】図5は実施例1のずらし排出機構の説明図であり、図5Aは基準位置に移動した状態の説明図、図5B前側ずらし位置に移動した状態の説明図、図5Cは後側ずらし位置に移動した状態の説明図である。
【図6】図6は従来の構成における媒体の後端が壁部に残った状態の説明図である。
【図7】図7は従来のフェイスダウントレイを使用した場合の説明図であり、図7Aは媒体の前端が丸まった状態の説明図、図7Bは媒体がZ字状に折れ曲がった状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0013】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像形成装置本体の一例としてのプリンタ本体U1を有し、プリンタ本体U1の上面に第1の積載部の一例であって、第1の排出部の一例としての排紙トレイTRhが設けられている。プリンタ本体U1の下部には画像が記録される媒体の一例としての記録シートSが収容される給紙容器の一例としての給紙トレイTR1が収容される。また、プリンタ本体U1の前面中央部には、内部の交換可能な部材の交換時に開閉される開閉部材の一例としてのサイドカバーU2が図示しない回転中心を中心として回転可能に支持されている。
【0014】
また、実施例1の前記プリンタ本体U1は、使用者であるユーザが入力操作する操作部UI、制御部C、および、前記制御部Cにより制御される潜像書込装置駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路DLや、画像処理部GS、電源回路E等を有している。
前記画像処理部GSは、外部の情報処理装置等から入力された画像情報、いわゆる、画像データを書込用の画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定の時期、いわゆる、タイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。前記レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じてレーザ駆動信号を潜像形成装置ROSに出力する。前記潜像形成装置ROSは、レーザ駆動信号に応じて画像書き込み用の画像書込光、いわゆる、レーザビームLを照射する。なお、操作部UI、画像処理部GSおよびレーザ駆動回路DLと、後述する現像ロールGRy〜GRk、転写ロールT1,T2bに電圧を印加する電源回路E等の動作は制御部Cにより制御される。
【0015】
前記潜像形成装置ROSの上方に配置された回転駆動する像保持体PRは、その表面が帯電器の一例としての帯電ロールCRにより一様に帯電された後、潜像書込位置Q1において前記潜像形成装置ROSのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。フルカラー画像を形成する場合は、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の4色の画像に対応した静電潜像が順次形成され、モノクロ画像の場合はK:黒の画像に対応した静電潜像のみが形成される。
前記静電潜像が形成された像保持体PR表面は回転移動して現像領域Q2、1次転写領域Q3を順次通過する。
【0016】
前記潜像形成装置ROSの上方には、回転式、いわゆるロータリ式の現像装置Gが配置されている。前記現像装置Gは、回転軸Gaの回転に伴って前記現像領域Q2に順次回転移動するY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の4色の現像器GY,GM,GC,GKを有している。前記各色の現像器GY〜GKは、前記現像領域Q2に現像剤を搬送する現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkを有しており、現像領域Q2を通過する像保持体PR上の静電潜像を可視像の一例としてのトナー像に現像する。前記各現像器GY〜GKの現像器本体にはそれぞれ現像剤補給容器の一例としてのトナーカートリッジTCy,TCm,TCc,TCkから各色の現像剤、すなわち、トナーが補給されるように構成されている。
【0017】
前記像保持体PRの上方には、中間転写体の一例としての無端状の中間転写ベルトBが配置されている。前記中間転写ベルトBは、回転駆動するための駆動部材の一例としての駆動ロールRdと、1次転写電圧が印加される一次転写器の一例としての1次転写ロールT1と、中間転写ベルトBに張力を発生させる張力発生部材の一例としてのテンションロールRtと、対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、中間転写ベルトBを支持する支持部材の一例としてのフリーロールRfとにより支持されている。前記各ロールRd,T1,Rf,Rt,T2aにより中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持部材Rd,T1,Rf,Rt,T2aが構成されている。そして、前記中間転写ベルトBは前記駆動ロールRdにより回転移動可能に支持されており、画像形成動作時には矢印Yb方向に回転する。
【0018】
多色画像、すなわち、フルカラー画像を形成する場合、潜像書込位置Q1において第1色目の静電潜像が形成され、現像領域Q2において1色目のトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写領域Q3を通過する際に、1次転写ロールT1によって中間転写ベルトB上に静電的に1次転写される。その後同様にして、第1色目のトナー像を保持した中間転写ベルトB上に、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像が順次重ねて1次転写され、最終的にフルカラーの多重トナー像が中間転写ベルトB上に形成される。
単色のモノカラー画像を形成する場合には1個の現像器のみを使用し、単色トナー像が中間転写ベルトB上に1次転写される。
1次転写後、像保持体PR表面は、像保持体清掃器の一例としての像保持体クリーナCL1により清掃、すなわち、クリーニングされる。前記像保持体クリーナCL1により表面に付着した残留トナーが回収された像保持体PRは、前記帯電ロールCRにより再帯電される。
【0019】
前記バックアップロールT2aに対向する位置には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが前記バックアップロールT2aに対して離隔した位置と接触した位置との間で移動可能に配置されている。前記バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより2次転写器T2が構成されている。また、前記バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bの接触領域により2次転写領域Q4が形成されている。
前記2次転写ロールT2bには、現像装置Gで使用するトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が電源回路Eから供給される。
前記1次転写ロールT1と、前記2次転写器T2と、前記中間転写ベルトB等とによって実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
【0020】
前記給紙トレイTR1は、前記2次転写領域Q4に搬送するための記録シートSを収容しており、その左右両側に前後方向に沿って配置された一対の案内部材の一例としてのレールに沿って移動可能に支持されている。前記給紙トレイTR1の給紙側上部に支持された取り出し部材の一例としてのピックアップロールRpは、予め設定された給紙時期、すなわち、給紙タイミングに合わせて前記給紙トレイTR1に積載された記録シートSを取り出す。前記記録シートSは、捌き用の搬送部材の一例としてのフィードロールRs1および捌き用の押し当て部材の一例としてのリタードロールRs2を有する捌き部材の一例としてのさばきロールRsの圧接領域で1枚づつ分離されて、給紙路SH1に搬送される。給紙路SH1上の記録シートSは、複数の媒体搬送部材の一例としてのシート搬送ロールRaにより、調節搬送部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。レジロールRrは、記録シートSを前記給紙路SH1の下流側の搬送路の一例としての主搬送路SH2に搬送し、前記2次転写領域Q4に所定のタイミングで搬送する。
前記ピックアップロールRp、前記さばきロールRs等により、実施例1の給紙装置Rp+Rsが構成されている。
【0021】
また、手差し給紙部の一例としての手差トレイTR0から給紙された記録シートSも、手差し用の媒体搬送路の一例としての手差しシート搬送路SH0から手差し用の搬送部材の一例としての手差シート搬送ロールRp0によりプリンタ本体U1内に搬送され、前記シート搬送路SHに沿って配置されたシート搬送ロールRa、レジロールRrにより前記2次転写領域Q4に搬送される。
2次転写領域Q4を通過する記録シートSには、2次転写器T2により、中間転写ベルトB上のトナー像が2次転写される。2次転写後の中間転写ベルトBの表面に残留したトナーは、中間転写体清掃部材の一例としてのベルトクリーナCLBにより回収され、クリーニングされる。また、前記2次転写ロールT2bは、2次転写器清掃器の一例としての2次転写ロールクリーナCLtにより付着した紙粉等が除去される。
【0022】
前記2次転写領域Q4において未定着のトナー像が転写された記録シートSは、トナー像が未定着の状態で定着装置Fに搬送される。前記定着装置Fは、加熱部材の一例としての加熱ロールFhと加圧部材の一例としての加圧ロールFpとが接触する定着領域Q5でトナー像を加熱・加圧し、定着する。
前記像保持体PR、現像装置G、転写装置T1+T2+B、定着装置F等により、実施例1の画像記録装置PR+G+T1+T2+B+Fが構成されている。
【0023】
また、前記定着装置Fの搬送方向下流側である上方には、記録シートSを排紙トレイTRhに搬送する場合に第1の媒体排出路の一例としての排紙路SH3と、反転や画像記録面を上側にして排出される記録シートSが搬送される分岐搬送路の一例としての上方接続路SH4が配置されている。前記排紙路SH3と上方接続路SH4とが接続されている分岐部B1には、記録シートSの搬送先に応じて搬送路を切り替える搬送路切り替え部材の一例としての第1ゲートGT1が配置されている。したがって、排紙トレイTRhに排出される場合には、定着された記録シートSが排紙路SH3を搬送され、第1の排出部材の一例としての排紙ロールRhにより排紙トレイTRhに排出される。
【0024】
図2は実施例1の媒体排出装置の要部説明図である。
図1、図2において、前記定着装置Fの上方には、追加媒体排出装置の一例としてのオプション排出ユニットU3が支持されており、前記オプション排出ユニットU3は、前記排紙トレイTRhの上方に配置され、排紙トレイTRhと同様に画像記録面が下側になる状態で積載される第2の積載部の一例であって、第2の排出部の一例としてのフェイスダウントレイTRh2と、画像記録面が上側になる状態で積載される第3の積載部の一例であって、第3の排出部の一例としてのフェイスアップトレイTRh3とを有する。
【0025】
前記オプション排出ユニットU3内部には、前記上側接続路SH4に接続される搬送路の一例としての反転・排出共通路SH5と、前記反転・排出共通路SH5に接続され且つフェイスダウントレイTRh2に記録シートSを送る第2の媒体排出路の一例としてのフェイスダウン排出路SH6と、前記反転・排出共通路SH5に接続され且つフェイスアップトレイTRh3に記録シートSを送る第3の媒体排出路の一例としてのフェイスアップ排出路SH7とを有する。前記フェイスダウン排出路SH6には、第2の排出部材の一例であって、媒体反転部材の一例としての正逆回転可能な排紙反転ロールRh2が配置されており、前記フェイスアップ排出路SH7には、第3の排出部材の一例としてのフェイスアップ排紙ロールRh3が配置され、各排出路SH6,SH7の記録シートSを搬送する。
【0026】
前記反転・排出共通路SH5、フェイスダウン排出路SH6およびフェイスアップ排出路SH7の分岐部B2には、記録シートSの搬送路を切り替える搬送路切り替え部材の一例としての第2ゲートGT2が配置されている。前記第2ゲートGT2は、記録シートSがフェイスダウントレイTRh2に排出される場合と両面印刷のために反転される場合にフェイスダウン排出路SH6に搬送路を切り替え、記録シートSがフェイスアップトレイTRh3に排出される場合にはフェイスアップ排出路SH7に搬送路を切り替える。
ここで、前記上方接続路SH4、反転・排出共通路SH5及びフェイスダウン排出路SH6により、実施例1の第2の排紙路SH4+SH5+SH6が構成されている。
また、前記上方接続路SH4、反転・排出共通路SH5及びフェイスアップ排出路SH7により、実施例1の第3の排紙路SH4+SH5+SH7が構成されている。
【0027】
また、図1において、前記プリンタ本体U1の左側部には、追加ユニットの一例としての反転ユニットU4が設置されている。前記反転ユニットU4には、反転・排出共通路SH5の下端部に接続され、両面印刷時に記録シートSが搬送される搬送路の一例としての反転路SH8が設けられている。前記反転路SH8は、重力方向に沿って直線上に延びる主反転路SH8aと、前記主反転路SH8aと反転・排出共通路SH5とを接続する上流側反転路SH8bと、前記主反転路SH8aとレジロールRrとを接続する下流側反転路SH8cとを有する。前記上流側反転路SH8bと反転・排出共通路SH5との接続部B3には、記録シートSが反転時に上方接続路SH4に搬送されないよう搬送路を切り替える搬送路切り替え部材の一例としての第3ゲートGT3が配置されている。前記反転・排出共通路SH5やフェイスダウン排出路SH6の搬送方向下流側の搬送路である反転路SH8には、反転路SH8内の記録シートSを搬送する反転路搬送部材の一例としての反転路搬送ロールRa2が配置されている。
【0028】
したがって、両面印刷がされる記録シートSは、前記反転・排出共通路SH5を搬送されて、排紙反転ロールRh2により記録シートSの後端部が挟まれた状態になるまでフェイスダウントレイTRh2に排出された後、排紙反転ロールRh2が逆回転し、記録シートSが反転路SH8に搬送される。前記反転路SH8を搬送された記録シートSは、反転路搬送ロールRa2により搬送され、表裏が反転した状態で、レジロールRrに搬送される。
また、図1において、前記給紙路SH1には、各給紙トレイTR1から給紙された記録シートSを検出するための第1の媒体検知部材の一例としての第1給紙路センサSN1が配置されている。また、前記上方接続路SH4、反転・排出共通路SH5、主反転路SH8b、各排出路SH3,SH6,SH7にも、記録シートSを検知するための第2の媒体検知部材の一例としての接続路センサSN2、第3の媒体検知部材の一例としての共通路センサSN3、第4の媒体検知部材の一例としての反転路センサSN4、排出路用の媒体検知部材の一例としての排出路センサSN5a〜SN5cが配置されている。
【0029】
また、前記手差しトレイTR0の上部には、媒体反転装置の一例としてのシート反転装置U4が装着されている。前記シート反転装置U4の内部には、前記主反転路SH8aが形成されている。したがって、両面印刷時には、前記定着領域Q5でトナー像が定着されたシートSが、前記上流側反転路SH8b、前記主反転路SH8a、前記下流側反転路SH8cを通過して、前記レジロールRrに搬送され、シートSの表裏が反転した状態で前記2次転写領域Q4に再送される。
各符号SH1〜SH8,Rp,Rp0,Rs,Ra,Ra2,Rr,Rh〜Rh3等の部材により、実施例1の媒体搬送装置BHSが構成されている。
【0030】
(オプション排出ユニットU3の説明)
図3は実施例1の媒体排出装置の一例としてのオプション排出ユニットの斜視説明図である。
図4は実施例1の媒体排出装置のオフセット機構の説明図であり、図4Aは上方から見た状態の説明図、図4Bは図4Aの矢印IVB方向から見た図である。
図2、図3において、実施例1のオプション排出ユニットU3は、排出装置本体1を有する。前記排出装置本体1の露出規制部の一例としての右壁2には、第2の排出口の一例として、前記排紙反転ロールRh2が配置されるフェイスダウン排出口2aが形成されている。実施例1のフェイスダウン排出口2aは、シート幅方向に延びる長方形状、いわゆるスリット状の開口により構成されている。
【0031】
図2〜図4において、前記排紙反転ロールRh2は、重力方向上側に配置された駆動排出部材の一例としての駆動排出ロール4と、前記駆動排出ロール4に対向して配置されて駆動排出ロール4の回転に従動回転する従動排出部材の一例としての従動排出ロール6とを有する。
図1、図2において、実施例1の排紙反転ロールRh2は、従動排出ロール6に比べて、駆動排出ロール4が右方に配置されており、駆動排出ロール4と従動排出ロール6とにより搬送される記録シートSは、図1の破線L1で示す排出方向に沿ってフェイスダウントレイTRh2に排出される。
【0032】
なお、図1において、実施例1のフェイスダウントレイTRh2は、上面に排出された記録シートSが積載される積載面5を有し、前記積載面5は、右壁2の下部から右方に行くに連れて上方に延びる第1の主積載面5aを有する。前記第1の主積載面5aの右端には、前端接触部の一例として、排紙反転ロールRh2による排出方向の延長線である破線L1と交差する位置であって、排出される記録シートSの先端が接触する位置に、傾斜角度が第1の主積載面5aよりも破線L1に近い、すなわち、水平に近い前端着地面5bが連続して形成されている。また、前端着地面5bの右端には、前端着地面5bよりも水平に対する傾斜角度が大きな第2の主積載面5cが連続して形成されている。
【0033】
図4において、前記駆動排出ロール4は、前後方向に延びる回転軸の一例としての駆動軸7と、前記駆動軸7に固定支持された駆動側回転体の一例としての4つの駆動ロール本体8とを有する。図4Bにおいて、前記駆動軸7は、前後両端部で排出装置本体1の軸受部9により回転可能且つ軸方向に沿って移動可能な状態で支持されている。前記駆動軸7の後端には、被駆動歯車の一例としての被駆動ギア10が支持されている。前記被駆動ギア10には、伝達歯車の一例としての伝達ギア11が噛み合っており、前記伝達ギア11には排出駆動源の一例としての排出モータM0からの駆動が伝達されている。実施例1の伝達ギア11は、軸方向の長さが前記被駆動ギア10に比べて長く形成されており、駆動軸7が軸方向にスライド移動可能な範囲移動しても駆動軸7と共にスライドする被駆動ギア10に噛み合い続けて駆動を伝達可能な長さに設定されている。
【0034】
前記駆動軸7の下方には、従動側枠体の一例として、前後方向に延びる従動ロール支持フレーム16が配置されている。前記従動ロール支持フレーム16は、前後方向に延びる従動フレーム本体17と、前記従動フレーム本体17の前後両端部に支持され且つ前記駆動軸7の軸受部9の内側に支持される連結部の一例としての連結アーム18とを有する。したがって、従動ロール支持フレーム16は、駆動軸7の前後方向への移動に伴って一体的に前後方向に移動する。
また、前記従動フレーム本体17の後端には、後方に延びるずらし連結部の一例としてのオフセット連結部19が形成されており、前記オフセット連結部19の後端には、被連結部の一例として、図4Aに示すように左右方向に延びる長孔状の連結孔19aが形成されている。
【0035】
図4Aにおいて、前記従動フレーム本体17には、左方に延びて、フェイスダウン排出路SH6を搬送された記録シートSを排紙反転ロールRh2に案内する移動案内部の一例としてのフェイスダウン排出ガイド17aが形成されている。
前記従動フレーム本体17の前後方向中央部には、前記駆動ロール本体8の位置に対応して、前後一対の従動ロール支持部17bが形成されている。前記従動ロール支持部17bには、従動排出ロール6を回転可能に支持し且つ従動排出ロール6を駆動排出ロール4側に付勢する前後一対の従動ロール支持部材21が支持されている。前記従動ロール支持部材21は、板バネ状の部材により構成されているが、板バネ状の部材は、例えば、特開2006−21843号公報に記載されており従来公知であるため、詳細な説明は省略する。なお、前記従動ロール支持部材21は、板バネ状の部材に限定されず、従来公知の種々の構成を採用可能である。
【0036】
前記従動排出ロール6は、前後一対の従動ロール支持部材21により回転可能に支持される従動軸部6aを有する。前記従動軸部6aの前後方向中央部には、フェイスダウントレイTRh2に排出される記録シートSに直進性を高めるための湾曲を付与する湾曲付与部材の一例としての樽型形状のコリュゲーションロール6bが支持されている。前記従動軸部6aの前後両端部には、前記駆動ロール本体8に対向して配置された従動側回転体の一例としての4つの従動ロール本体6cが支持されている。前記従動ロール本体6cは、板バネ状の従動ロール支持部材21により、通常時は、駆動ロール本体8に接触した状態で保持される。
【0037】
図4A、図4Bにおいて、前記オフセット連結アーム19の後方には、排出装置本体1に固定支持された駆動源の一例であって、ずらし駆動源の一例としてのオフセットモータ22が支持されている。前記オフセットモータ22は、下方に延びるオフセットモータ軸22aを有し、前記モータ軸22aには、モータギア23が支持されている。なお、実施例1の前記オフセットモータ22は、矩形状の信号である矩形信号の一例としてのパルス信号の入力に応じて正逆回転駆動する駆動源の一例としてのパルスモータ、いわゆる、ステッピングモータにより、正逆回転可能に構成されている。ここで、前記ステッピングモータは、1個の矩形波の一例としての1パルスが入力された際に、予め設定された角度だけ回転するモータであり、単位時間当たりのパルスの個数[PPS:Pulses Per Seconds]を制御することにより、単位時間当たりの回転回数、すなわち、回転速度が制御される。
【0038】
前記オフセットモータ22とオフセット連結部19との間には、駆動伝達部材の一例としてのセクターギア24が配置されている。前記セクターギア24は、回転中心24aを中心として装置本体1に回転可能に支持されており、回転中心24aのオフセットモータ22側には、歯車部の一例としての扇形形状のギア部24bが形成されている。前記ギア部24bの外周には前記モータギア23に噛み合う図示しないギア歯が形成されている。前記セクターギア24は、前記回転中心24aからオフセット連結部19側に延びる連結アーム24cを有する。図4Bにおいて、前記連結アーム24cの先端には、前記連結孔19aに嵌る連結部の一例としての連結突起24dが支持されている。
【0039】
したがって、前記オフセットモータ22を正逆回転させると、前記セクターギア24が回転中心24aを中心として回転し、連結突起24dが回転中心24aを中心として前後方向の成分を含む円弧状に移動する。このとき、前記連結突起24dが嵌る連結孔19aにより、回転が伝達され、前後方向に移動可能な駆動軸7に沿って、駆動軸7および駆動軸7に支持された従動ロール支持フレーム16等が前後方向に移動する。したがって、前記オフセットモータ22が正逆回転すると、駆動排出ロール4および従動排出ロール6が一体的に媒体幅方向としての軸方向、すなわち、前後方向に移動する。
【0040】
図5は実施例1のずらし排出機構の説明図であり、図5Aは基準位置に移動した状態の説明図、図5B前側ずらし位置に移動した状態の説明図、図5Cは後側ずらし位置に移動した状態の説明図である。
図4Aにおいて、前記オフセットモータ22の回転は、基準位置検出部材の一例としてのホームポジションセンサSNaがオフセット連結部19の被検出部19bを検出することにより設定される基準位置、いわゆる、ホームポジションに基づいて制御される。すなわち、実施例1では、各排出ロール4,6の媒体幅方向である前後方向への移動が、図4、図5Aに示す基準位置と、基準位置から前方にずれた第1のずらし排出位置の一例としての図5Bに示す前側ずらし位置と、基準位置から後方にずれた第2のずらし排出位置の一例としての図5Cに示す後側ずらし位置との間で制御される。
【0041】
ここで、実施例1では、前記各排出ロール4,6の移動範囲が、前側ずらし位置から後側ずらし位置までとなるように予め設定されている。すなわち、前記各排出ロール4,6の前後方向の移動可能な範囲が、前記連結突起24dが前記連結孔19aを移動可能な範囲に限定され、前記各排出ロール4,6が、前側ずらし位置より前方や後側ずらし位置より後方に移動できないように予め設計されている。
前記符号7〜24を付した部材等により、排出部材移動体の一例であって、ずらし排出機構の一例としてのオフセット排出機構ZHが構成されている。
【0042】
したがって、図5において、実施例1のフェイスダウン排出口2aの前後方向、すなわちシート幅方向の大きさH1は、オフセット排出機構ZHによる排出ロール4,6の可動範囲に応じて排出される最大サイズのシートの幅Laの幅方向一端から他端までの長さLbに対応して設定されている。すなわち、長さLbに対して、必要最小限の余裕、いわゆるマージンを付加した長さH1がフェイスダウン排出口2aの前後方向の長さに設定されている。また、フェイスダウン排出口2aの上下方向、すなわちシート厚さ方向の大きさH2も同様に、コリュゲーションロール6bにより付与される最大の湾曲の振幅に対応した長さに設定されている。
【0043】
したがって、実施例1では、フェイスダウン排出口2aの周縁の右壁2が、排出ロール4,6の一部を覆う形で露出を妨げており、特に、実施例1では、駆動軸7や従動軸部6aの一部が右壁2で覆われて露出が妨げられている。
また、実施例1では、その他の排出部材である前記排紙ロールRhおよび前記フェイスアップ排紙ロールRh3についても、前記排紙反転ロールRh2と同様に、前記オフセット排出機構ZHと同様のオフセット排出機構ZHによって、基準位置と前側ずらし位置と後側ずらし位置との間でのオフセット排出が可能となっている。
【0044】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、画像形成動作が開始されると画像記録装置PR+G+T1+T2+B+Fで記録シートSに画像が記録され、利用者の設定に応じて、各排出トレイTRh〜TRh3に排出される。
実施例1のプリンタUでは、フェイスダウントレイTRh2に排出される記録シートSが排出されるフェイスダウン排出口2aが、記録シートSがオフセット動作で移動する範囲とコリュゲーションロール6bによる湾曲に応じた大きさのスリット状の開口により構成されている。すなわち、フェイスダウン排出口2aは、記録シートSが通過する最大の範囲に対応して、必要最小限の大きさに形成されている。
【0045】
ここで、特許文献1に記載されているような従来の構成では、排出口の部分では、排出ローラ4,6が露出しており、利用者が誤って触れて指を挟んだり、髪が巻き込まれる等の事故が発生することも考えられる。そして、特許文献2記載の技術のように、排出口にカバーを設けると構成が複雑化し、費用の上昇や故障しやすくなる等の問題もある。
これらに対して、実施例1のプリンタUでは、オフセット排出口2aの大きさが、記録シートSが通過する最小限の大きさに設定されており、排出ロール4,6の外部への露出が必要最小限に制限されている。したがって、利用者が誤ってオフセット排出口2aを通じて排出ロール4,6に触れることが低減されると共に、カバーを使用する場合に比べて、構成が簡素化されている。
【0046】
図6は従来の構成における媒体の後端が壁部に残った状態の説明図である。
図6において、従来の構成のように、排出される記録シート01の排出方向が斜め上方に向かうように設定されている場合は、下側のローラ02の方が、上側のローラ03に比べて、排出方向の下流側に配置されており、上側のローラ03を抜けた記録シート01が落下する際に、記録シート01の排出方向の後端01aが、下側のローラ02の近傍の排出口04の縁に引っかかったり、図6に示すように、壁面06に立てかかった状態となることがある。したがって、記録シート01の整合性が悪化することがある。
これに対して、実施例1では、下側の従動ローラ6が内側、すなわち、排出方向の上流側に配置されており、斜め下方に向けて排出されている。したがって、斜め上方に向いている場合に比べて、排出された記録シートSが右壁2に掛かりにくくなっており、整合性が向上する。
【0047】
図7は従来のフェイスダウントレイを使用した場合の説明図であり、図7Aは媒体の前端が丸まった状態の説明図、図7Bは媒体がZ字状に折れ曲がった状態の説明図である。
図7において、従来の構成のように記録シート01の排出方向が斜め上方に向かっている場合に、記録シート01の排出方向前端部が排出トレイ07に接触して引っ掛かった状態で記録シート01が排出されると、図7Aに示すように、記録シート01の先端部分が丸まった状態となることがある。また、記録シート01がある程度排出された状態で、前端が引っ掛かったり、静電的な吸着や摩擦抵抗の増大があると、図7Bに示すように前方から見た状態でZ字状に折れ曲がることがある。これは、実施例1のように斜め下方に向けて記録シートSを排出する場合でも発生することがあり、特に、斜め上方に排出する場合に比べて、記録シートSの排出方向に対してフェイスダウントレイTRh2の傾斜角度が大きくなりやすい。したがって、記録シートSの排出方向前端がフェイスダウントレイTRh2に接触する角度が90度に近くなりやすく、記録シートSの丸まりやZ折れが発生する恐れがある。
これに対して、実施例1では、フェイスダウントレイTRh2に着地面5bが設けられており、記録シートSの排出方向前端が接触する際の引っ掛かりが低減されており、丸まり等の整合不良が低減されている。
【0048】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H010)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。また、回転式の現像装置Gに限定されず、各色毎に像保持体、帯電器、潜像形成装置、現像器等が設けられた構成、いわゆるタンデム式の構成とすることも可能である。
(H02)前記実施例において、プリンタ本体U1やオプション排出ユニットU3に配置された各排紙ロールRh〜Rh3に本発明の構成を適用したが、これに限定されず、例えば、排紙反転ロールRh2の構成を他の排出ロールRh、Rh3に適用したりすることも可能である。また、特開2006−069748号公報等に記載の後処理装置に配置された排紙ロールに本発明の構成を適用することも可能である。同様に、フェイスダウン排出口2aの構成を他の排出口に適用することも可能である。
【0049】
(H03)前記各実施例において、オフセット排出を実行する排紙ロールRh〜Rh3が前後方向にずれる際に、従動排出ロール6等が、駆動軸7と共に一体的に媒体幅方向に移動する構成を例示したが、特開2005−96889号公報に示すように、駆動軸7が媒体幅方向に移動せずに、駆動軸7に滑り移動可能に支持される中空の中空軸が移動し、オフセット排出を行う構成にすることが可能である。また、前記実施例における各排紙ロールRh〜Rh3において、従動軸部6aにコルゲーションロール6bが支持されていたが、特開2005−96889号公報に示すように、コルゲーションロール6bが従動軸部6aに回転自在に支持されたり、駆動軸7側に支持されたり、コルゲーションロール6b自体を省略する構成にすることも可能である。
【0050】
(H04)前記各実施例において、各排紙ロールRh〜Rh3は、同様に構成されているが、これに限定されず、例えば、フェイスアップ排紙ロールRh3については変更例(H03)で例示した構成にするなど、各排紙ロールRh〜Rh3をそれぞれ異なる構成にすることが可能である。
(H05)前記実施例において、ホームポジションセンサSNaを用いて、各排出ロールRh〜Rh3の基準位置を検知したが、これに限定されず、例えば、前記ホームポジションセンサSNaを省略し、オフセットモータ22の回転量の制御のみで各排紙ロールRh〜Rh3の媒体幅方向の移動量を制御する構成も可能である。
【0051】
(H06)前記実施例のように、各排紙ロールRh〜Rh3がそれぞれ媒体幅方向に平行移動可能となるように構成することが好ましいが、これに限定されず、例えば、媒体幅方向に平行移動しない構成でも、本発明の作用効果を奏することが可能である。例えば、前記オフセット排出機構ZHが、媒体幅方向である前後方向に媒体搬送方向である左右方向の成分が加わって、右斜め前方向と、左斜め後方向とに移動可能とする構成も可能である。(H07)前記実施例において、各排紙ロールRh〜Rh3は、オフセット排出機構ZHの制御により、基準位置・前側ずらし位置・後側ずらし位置の3つの位置に移動可能に構成されていたが、これに限定されず、2つの位置や4以上の位置に移動する構成とすることも可能である。例えば、前側ずらし位置または後側ずらし位置のいずれか一方を省略して、基準位置・前側ずらし位置、または、基準位置・後側ずらし位置の2つの位置に移動する構成とすることも可能である。さらに、オフセット排出機構ZHを省略することも可能である。なお、本発明では、オフセット排出機構ZHによる記録シートSの移動の幅Lbに応じてオフセット排出口2aの長さH1が設定され、オフセット排出機構ZHが省略された場合には、使用可能な記録シートSの最大の大きさに合わせて長さH1が設定される。
【0052】
(H08)前記実施例において、オフセット排出機構ZHは、ステッピングモータによって構成されたオフセットモータ22の回転駆動を制御することにより、各排紙ロールRh〜Rh3を前後方向にずらしていたが、これに限定されず、例えば、通常のモータの回転駆動を制御したり、電磁ソレノイドのオン・オフを制御したりして、各排紙ロールRh〜Rh3を前後方向にずらす構成も可能である。
(H09)前記実施例において、フェイスダウントレイTRh2に着地面5bを設ける構成を例示したが、他のトレイTRh,TRh2に設けることも可能である。また、着地面5bを設けることが望ましいが、主積載面5a,5cの傾斜角度が緩く、元々延長線に近い構成等では省略することも可能である。
【0053】
(H010)前記実施例において、排紙反転ロールRh2は、記録シートSを斜め下方に排出する構成とすることが望ましいが、これに限定されず、水平方向や斜め上方に向けて排出する構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0054】
2…露出規制部、
2a…開口、
5a,5c…主積載面、
5b…前端接触部、
L1…延長線、
PR+G+T1+T2+B+F…画像記録装置、
Rh2…排出部材、
S…媒体、
TRh2…積載部、
U…画像形成装置、
U3…媒体排出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成された媒体が積載される積載部と、
前記積載部に前記媒体を排出する排出部材と、
媒体の搬送方向に直交する媒体の厚さおよび幅に応じた大きさに形成され且つ排出される媒体が通過可能な開口を有し、前記排出部材の媒体排出方向下流側に配置され、且つ、前記開口の周縁部により前記排出部材の露出を妨げる露出規制部と、
を備えたことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項2】
媒体の排出方向が、水平方向に対して下方に傾斜する方向に設定された前記排出部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の媒体排出装置。
【請求項3】
媒体の排出方向に対して下流側に行くに連れて上方に傾斜する主積載面と、前記排出部材による排出方向の延長線と前記積載部の積載面とが交差する位置であって排出される媒体の排出方向前端が接触する位置に配置され且つ前記主積載面に比べて傾斜角度が前記延長線に沿う方向に近い前端接触部と、を有する前記積載部、
ことを特徴とする請求項2に記載の媒体排出装置。
【請求項4】
媒体に画像を記録する画像記録装置と、
前記画像記録装置により画像が記録された媒体を排出する請求項1ないし3のいずれかに記載の媒体排出装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−203465(P2011−203465A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70345(P2010−70345)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】