説明

安全装置

自動車内で使用される安全装置は、制止ユニット(6)と、ダッシュボード(4)と面一となっている位置から座席(1)の乗員の膝の動きを制止する前方位置へと制止ユニット(6)を駆動する駆動装置(7,8,9,10)とを有する。所定時間後に制止ユニットを初期位置に戻すように駆動装置を制御するタイミング装置(17)が設けられている。例えばエアバッグ(12)であるエネルギ吸収要素が座席の乗員の膝によって制止ユニットに与えられた力によって制止ユニット(6)が作用位置から移動せしめられたときにエネルギを吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全装置、特に、自動車内で使用される安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事故が起こったときに自動車内の乗員を保護するために自動車内で使用される安全装置を設けることが提案されており、こうした安全装置は、自動車内の乗員の膝の近くに配置される。事故が起こったとき、安全装置が作動して乗員の膝の前方への動きを制止する。このように安全装置が乗員の膝の動きを制止することができれば、潜在的に怪我を負わせる可能性のある乗員の移動による自動車の一部への衝突を防止することができる。
【0003】
こうしたタイプの安全装置が特許文献1に記載されている。ここでの安全装置は、自動車の乗員の膝に隣接した自動車ボディの部分にある可動プレートの裏側に配置されたエアバッグを有する。事故が起こると、エアバッグが膨張せしめられ、可動プレートを外方へ移動させ、可動プレートが自動車の乗員の膝に接触する。そして、エアバッグは、乗員の膝が可動プレートに押し付けられたときにエネルギを消散させてエアバッグを縮ませることができるクッションを形成する。ところが、こうした安全装置の作動後は、費用がかかり、また、自動車の所有者には不便であるが、エアバッグを交換しなければならない。また、こうした安全装置は、エアバッグの膨張の初期段階においてエアバッグが急速に拡張して可動プレートを乗員の膝に向って素早く加速されるので、潜在的に自動車の乗員に怪我を負わせる可能性がある。この場合、可動プレートが相当な速度で乗員の膝に衝突することになる。
【0004】
別の安全装置が特許文献2に記載されている。ここでの安全装置は、事故が起こりそうなことを検出するプレクラッシュセンサからの信号に応答して自動車の乗員の膝の近くの位置へと移動せしめられるように電気モータによって駆動されるプレートを有する。ここで、電気モータが比較的遅いものであるが、事故が起こる前に膝を制止することができる位置にプレートを移動させなければならないので、こうしたことが必要なのである。特許文献2に記載されたタイプのプレクラッシュセンサは、信頼性が高くなく、また、潜在的な事故を誤って検出してしまうことが多い。また、この安全装置に組み込まれたプレートは、事故の際に乗員からのエネルギを吸収する緩衝効果を提供することができない。
【特許文献1】米国特許第6338501号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10058430号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、改良型の安全装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、自動車内で使用される安全装置であって、制止ユニットと、第1の信号に応答して初期位置から作用位置に前記制止ユニットを駆動する可逆動作可能な駆動装置とを具備し、所定時間後に前記制止ユニットを初期位置に戻すように前記可逆動作可能な駆動装置を制御するタイミング装置に該可逆動作可能な駆動装置が連携されており、付与された力によって前記制止ユニットが作用位置から移動せしめられたときにエネルギを吸収するように働くエネルギ吸収要素をさらに具備する安全装置が提供される。
上記エネルギ吸収要素が第2の信号に応答して膨張せしめられる膨張可能な要素であると有利である。
【0007】
また、本発明の別の形態では、自動車内で使用される安全装置であって、制止ユニットと、第1の信号に応答して初期位置から作用位置に前記制止ユニットを駆動する可逆動作可能な駆動装置とを具備し、所定時間後に前記制止ユニットを初期位置に戻すように前記可逆動作可能な駆動装置を制御するタイミング装置に該可逆動作可能な駆動装置が連けちされており、付与された力によって前記制止ユニットが作用位置から移動せしめられたときにエネルギを吸収するように働くエネルギ吸収要素をさらに具備し、該エネルギ吸収要素が第2の信号に応答して膨張せしめられる膨張可能な要素である安全装置が提供される。
また、プレクラッシュセンサが設けられており、該プレクラッシュセンサによる潜在的な衝突の検出に応答して上記第1の信号が生成されると好ましい。
また、1つの実施形態では、上記可逆動作可能な駆動装置がラックを有する。
また、別の実施形態では、上記可逆動作可能な駆動装置がピストン・シリンダユニットを有する。
また、上記制止要素が移動せしめられて物体に接触したときに作用位置への上記制止ユニットの更なる駆動を停止するための信号を供給する接触センサを有すると好ましい。
【0008】
また、クラッシュセンサが設けられており、該クラッシュセンサによる衝突の検出に応答して上記第2の信号が生成されると好ましい。
また、上記クラッシュセンサが衝突の深刻度合を表示するセンサであると有利である。
また、安全装置が衝突発生時に座席の乗員に正面からの保護を提供すると有利である。
また、上記座席にパラメータを検出するセンサが設けられていると有利である。
また、上記センサが座席の乗員の存在と該乗員の重量とを検出することができると有利である。
また、上記センサが自動車の長手軸線の方向に沿った座席の位置を検出することができる座席位置センサであると好ましい。
【0009】
また、上記膨張可能な要素が多段式のガスジェネレータによって膨張せしめられ、該ガスジェネレータが検出されたパラメータに応答してコントローラによって制御されると有利である。
また、上記検出されたパラメータは、衝突の深刻度合、座席の乗員の存在と該乗員の重量、自動車の長手軸線の方向における座席の位置の1つ又は1つ以上を含む。
また、本発明の1つの実施形態では、上記エネルギ吸収要素が上記可逆動作可能な駆動装置の一部である。したがって、本発明の好適な実施形態では、例えば、上記可逆動作可能な駆動装置に組み込まれたラック、または、可逆動作可能な駆動装置に組み込まれたピストン・シリンダユニットによってエネルギが吸収される。こうした実施形態によれば、エアバッグをなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明をより理解し、更なる特徴を認識することができるように、以下、図面を参照して例を挙げて本発明の実施形態を説明する。
【0011】
図面の図1を参照すると、自動車の座席1は、座席1の乗員の存在と該乗員の重量とを検出することができる重量センサ2を有し、また、座席1は、自動車の長手軸線に関する自動車の座席の位置を検出することができる座席位置センサ3も有する。座席1は、ダッシュボード4の正面に位置している。
ダッシュボード4は、安全装置5を備えている。安全装置5は、可動フロントパネル6を有し、この可動フロントパネル6は、図1に示したように、初期段階では、ダッシュボード4の表面と面一になっている。
【0012】
また、安全装置5は、ダッシュボード4の裏側の所定位置に取り付けられた可逆モータ7を有し、この可逆モータ7は、同じくダッシュボード4の裏側の所定位置に取り付けられた2つの互いに離間した歯車9に駆動チェーン8によって機械的に接続された出力シャフトを有する。なお、駆動チェーンに代えて、駆動ベルトを使用してもよい。各歯車9は、対応するラック10に駆動関係をもって係合しており、各ラック10の一端は、フロントパネル6の内壁面に固定されている。また、フロントパネル6とラック10とは、座席の乗員の膝の動きを制止する位置に移動可能な可動制止ユニットを構成する。
【0013】
使用時、モータ7は、駆動チェーン8を介して歯車9を回転させる。歯車9が回転すると、これら歯車9は、ラック10を水平方向に移動させる。そして、ラック10は、図1に示されている初期位置から、フロントパネル6が座席の乗員の膝に係合して該座席の乗員の前方への移動に抵抗する作用位置に、座席1に向う方向へとダッシュボード4から外方へフロントパネル6を移動させる。
また、ダッシュボード4およびフロントパネル6の裏側の所定位置に中空円錐形状の保持部材11が取り付けられている。また、保持部材11とフロントパネル6の内壁面との間であって保持部材11の前壁面の中心にエアバッグユニット12が固定されている。
【0014】
また、単段式のガスジェネレータを使用してもよいが、本実施形態では、エアバッグユニット12は、エアバッグを膨張させる二段式のガスジェネレータを有する。2つの段は、それぞれ、作動された段に応じてエアバッグを異なる圧力に膨張させることができる異なる容積のガスを生成する。
また、フロントパネル6が作用位置に向って移動してフロントパネル6が座席の乗員の膝に触れたときに信号を生成する接触センサ13がフロントパネル6の外壁面に取り付けられている。
接触センサ13の出力部は、コントローラ14に接続されている。コントローラ14は、座席1に取り付けられた重量センサ2および座席位置センサ3からの信号を受信するように電気的に接続されてもいる。また、コントローラは、プレクラッシュセンサ15からの信号を受信するように接続されてもいる。プレクラッシュセンサ15は、衝突が起こりそうか否かを検出することができるように自動車の前方部分に取り付けられたカメラの形態をとる。
【0015】
さらに、コントローラ14は、例えば、加速度センサであるクラッシュセンサ16に接続されている。クラッシュセンサ16からの信号は、衝突の深刻度合を表示している。
コントローラ14は、タイマー17を有する。
また、コントローラ14は、モータ7の作動とエアバッグの展開とを制御することができるようにモータ7に接続された出力部とエアバッグユニット12に接続された出力部とを有する。
使用時、プレクラッシュセンサ15は、衝突が起こりそうなことを検出したときにコントローラ14に第1の信号を送信する。ここで、重量センサ2からの信号が座席に乗員が座っていることを表示している場合、コントローラ14は、モータ7を作動する。
【0016】
モータ7は、作動されると、歯車9を回転させ、これにより、ラック10を座席1に向って水平方向に駆動する。そして、ラック10とフロントパネル6とによって構成された制止ユニットが座席の乗員の膝に向ってダッシュボード4から外方へ移動せしめられる。
コントローラ14は、座席位置センサ3からの信号に応答して、ダッシュボード4から外方への制止ユニットの駆動距離を選択する。ここで、座席1が前方位置にあるときには、制止ユニットはダッシュボード4から外方へ短い距離だけ駆動せしめられ、座席1が後方位置にあるときには、制止ユニットは、ダッシュボード4から外方へ長い距離に亘って駆動せしめられる。
【0017】
制止ユニットの外方への移動中に接触センサ13が座席の乗員の膝に接触したときには、接触センサ13は、コントローラ14に信号を送信する。このとき、コントローラ14は、モータ7を停止し、制止ユニットの更なる駆動を停止する。このことは、座席の乗員の膝に制止ユニットが相当な力を加えてしまうことを防止するのに寄与し、さもなければ、(座席の乗員が運転者であった場合)座席の乗員の足の裏を自動車のペダルから外してしまい、危険な状態に陥らせてしまう。
図2に示したように、制止ユニットが作用位置に到達すると、コントローラ14内のタイマー17がスタートする。
【0018】
クラッシュセンサ16によって衝突が検出されないときには、コントローラ14は、制止ユニットが図1に示されている初期位置に引き戻されるように、タイマー17が予め定められた時間を計測する前にモータ7を逆回転させる。そして、プレクラッシュセンサ15が別の潜在的な衝突を検出したときには、こうした作動サイクルが繰り返される。
しかしながら、タイマー17が予め定められた時間を計測する前にクラッシュセンサ16によって衝突が検出されたときには、コントローラ14は、クラッシュセンサ16からコントローラ14に送信された深刻な衝突を表示している信号に応答する。
【0019】
コントローラ14は、衝突の深刻さを表示する信号に応答すると共に、座席1の重量センサ2からの信号に応答して、二段式ガスジェネレータのどの段を作動させるかと展開の好ましいタイミングを決定する。そして、コントローラ14は、適切な1つの信号または複数の信号を生成し、この信号またはこれら信号は、エアバッグユニット12に送信される。こうして、エアバッグが膨張せしめられる。
【0020】
エアバッグが膨張せしめられると、該エアバッグは、エアバッグユニット12から外方へ拡張し、前方位置にあるフロントパネル6に向って保持部材11によって前方に向けられる。エアバッグは、膨張せしめられると、図3に示されているように、保持部材11とフロントパネル6の内壁面との間の所定位置に保持される。したがって、膨張せしめられたエアバッグは、座席の乗員の膝が前方へと移動して制止ユニットに力をかけて該制止ユニットをその作用位置から移動させるときにエネルギを吸収するエネルギ吸収要素を形成する。また、ラック10は、座席の乗員の膝によって制止要素に力がかかったときに変形してエネルギを吸収する。
【0021】
重量センサ2が座席の乗員が軽量であることを表示しているときには、エアバッグは、低い圧力に膨張せしめられる。このことは、ガスジェネレータの1つの段のみを作動させて少量のガスのみを生成することによって達成される。一方、重量センサ2が座席の乗員が中程度の重量であることを表示しているときには、エアバッグは、中程度の圧力に膨張せしめられる。このことは、ガスジェネレータの別の段のみを作動させて比較的多量のガスを生成することによって達成される。さらに、重量センサ2が座席の乗員が非常に重いことを表示しているときには、エアバッグは、高い圧力に膨張せしめられる。このことは、ガスジェネレータの両方の段を作動させて非常に多量のガスを生成することによって達成される。こうしたことは、エアバッグが座席の乗員の重量に対して適切なエネルギ吸収特性を提供することを確実ならしめることに寄与する。
【0022】
クラッシュセンサ16が衝突が深刻なものであることを表示しているときには、コントローラ14は、エアバッグユニットを即座に作動し、事故の発生中、エアバッグを比較的素早く膨張させる。一方、クラッシュセンサ16が衝突がほんの緩やかなものであることを表示しているときには、コントローラ14は、事故の発生中、エアバッグユニットを遅いタイミングで作動する。こうしたことは、座席の乗員が前方に移動して制止ユニットに衝突したときにエネルギを吸収する正確なタイミングでエアバッグが膨張せしめられることを確実ならしめることに寄与する。
【0023】
衝突が発生し、安全装置5が座席の乗員に保護を提供した後、乗員を動かして自動車から出すために制止ユニットを引き戻すようにモータ7が作動される。したがって、タイマー17によって適切な時間が計測された後に、コントローラ14は、モータ7を逆回転させて制止ユニットを初期位置に引き戻す。
【0024】
本発明の別の実施形態が図4および図5に示されている。この実施形態では、安全装置5は、ダッシュボード4の裏側に取り付けられたポンプ18を有する。ポンプ18は、入口ポート19と出口ポート20とを有する。これら入口ポート19と出口ポート20とは、四方制御弁21の2つのポートに接続されており、四方制御弁21は、ロータ22を有し、このロータ22は、2つの別個の流体通路23,24を画成している。
【0025】
四方制御弁は、さらに2つのポートを有し、これらポートは、一対のダブルアクションピストン・シリンダユニット25,26に接続されている。これらピストン・シリンダユニットの構成は、同一であり、各ピストン・シリンダユニットは、外側のシリンダ27と内側のピストン28とを有し、内側のピストン28は、可動なフロントパネル6に接続されている。各シリンダは、一端に第1の出入口29を有すると共に、他端に第2の出入口30を有する。
【0026】
図示されているように、四方制御弁21の回転要素22が或る1つの位置にあるときには、各ピストン・シリンダユニットの出入口29がポンプ18の入口19に接続されていると共に、出入口30がポンプ18の出口20に接続されている。四方制御弁がこうした状態にあるときには、ポンプ18は、ピストンを図面で見て左側に駆動し、可動フロントパネル6を図示されている引き込まれた位置に維持する。
【0027】
図5に示されているように、可動要素22が90°回転されると、ポンプの入口19が各ピストン・シリンダユニットの出入口30に接続されると共に、ポンプの出口20が各ピストン・シリンダユニットの出入口29に接続される。したがって、ポンプは、ピストン28をシリンダ27から外方へと駆動してフロントパネル6を前方へと移動させるように作動する。なお、ポンプの作動および四方制御弁の位置を制御することによって、フロントパネル6が選択的に前方へ駆動されたり後方へ駆動されたりすることは明らかである。
【0028】
図4および図5に示されている実施形態は、図1〜図3に示されている実施形態と同様に機能する。事故が発生したときには、エアバッグおよびピストン・シリンダユニットによってエネルギが吸収される。
また、図4および図5に示されている安全装置5は、エアバッグユニット12を有しているが、エアバッグユニット12がなくてもよい。その代わりに、座席の乗員の膝によって制止ユニットが作用位置から移動されたときにエネルギを吸収するエネルギ吸収要素をシリンダ27およびピストン28のみが形成してもよい。
【0029】
本発明のさらに別の実施形態が図6に示されており、ここでの安全装置5は、衝突発生時に座席の乗員の足と足首とを保護するために、自動車の床板の下側に配置されている。この選択可能な実施形態の安全装置5の機能は、上記好適な実施形態の安全装置5の機能と非常に似ているが、フロントパネル6が自動車の床の上方のパネルであり、自動車の足元の空間に一致する形状を有している。図6は、初期位置にある制止ユニット(フロントパネル6およびラック10)を示しており、図7は、作用位置にある制止ユニットを示している。
【0030】
図8は、この選択可能な実施形態に従った安全装置5を示しており、ここでは、制止ユニットの裏側にエネルギ吸収要素を形成するためにエアバッグが膨張されている。エアバッグは、衝突発生時に自動車の床に沿って伝わる衝撃波からエネルギを吸収し、エネルギが座席の乗員の足に伝わることを防止するのに寄与する。
【0031】
なお、本発明に従った安全装置を座席の乗員に正面からの保護を与えたり、座席の乗員の足の下方に保護を与えたりするものとして示してきたが、本発明に従った安全装置は、側方から衝撃がある状況において座席の乗員を保護することを補助するために使用されてもよく、したがって、座席に隣接した自動車の側部に取り付けられてもよいし、座席の側方部分に取り付けられてもよい。また、1つ実施形態として、座席の乗員が下側にもぐりこんでしまうことから保護するために自動車の座席の正面部分に安全装置を取り付けてもよい。また、衝突発生時に歩行者を保護することを補助するために、本発明に従った安全装置を自動車の外部に配置してもよい。
【0032】
以上、可逆動作可能な駆動装置がラックまたはピストン・シリンダユニットを有する実施形態を参照して本発明を説明した。しかしながら、別の実施形態として、可逆動作可能な駆動装置が遠心要素または駆動リンクを有していてもよい。
また、本明細書において、「を具備する」とは、「を有する、または、からなる」を意味し、「を具備し」とは、「を有し、または、からなり」を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の安全装置を備えたダッシュボードと自動車の座席とを示した略図であり、ここでは、制止要素が初期位置にある。
【図2】制止要素が作用位置にある安全装置の略図である。
【図3】安全装置の略図であり、ここでは、制止要素が作用位置にあり、膨張可能な要素が膨張されている。
【図4】可逆動作可能な駆動装置を形成するシリンダ・ピストン装置を備えた本発明の選択可能な実施形態の略図であり、ここでは、制止要素が初期位置で示されている。
【図5】図4に示した実施形態の略図であり、ここでは、制止要素が作用位置にある。
【図6】本発明の別の実施形態の略図であり、ここでは、安全装置が自動車の床板の下側に配置されており、制止要素が初期位置にある。
【図7】図6に示した実施形態の略図であり、ここでは、制止要素が作用位置にある。
【図8】図6に示した実施形態の略図であり、ここでは、膨張可能な要素が膨張されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車内で使用される安全装置であって、制止ユニットと、第1の信号に応答して初期位置から作用位置に前記制止ユニットを駆動する可逆動作可能な駆動装置とを具備し、所定時間後に前記制止ユニットを初期位置に戻すように前記可逆動作可能な駆動装置を制御するタイミング装置に前記可逆動作可能な駆動装置が連携しており、付与された力によって前記制止ユニットが作用位置から移動せしめられたときにエネルギを吸収するように働くエネルギ吸収要素をさらに具備する安全装置。
【請求項2】
プレクラッシュセンサが設けられており、該プレクラッシュセンサによる潜在的な衝突の検出に応答して上記第1の信号が生成される請求項1に記載の安全装置。
【請求項3】
上記可逆動作可能な駆動装置がラックを有する請求項1または2に記載の安全装置。
【請求項4】
上記可逆動作可能な駆動装置がピストン・シリンダユニットを有する請求項1または2に記載の安全装置。
【請求項5】
上記制止要素が移動せしめられて物体に接触したときに作用位置へと向う該制止ユニットの更なる駆動を停止するための信号を供給する接触センサを上記制止要素が有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の安全装置。
【請求項6】
上記エネルギ吸収要素が第2の信号に応答して膨張せしめられる膨張可能な要素である請求項1〜5のいずれか1つに記載の安全装置。
【請求項7】
自動車内で使用される安全装置であって、制止ユニットと、第1の信号に応答して初期位置から作用位置に前記制止ユニットを駆動する可逆動作可能な駆動装置とを具備し、所定時間後に前記制止ユニットを初期位置に戻すように前記可逆動作可能な駆動装置を制御するタイミング装置に前記可逆動作可能な駆動装置が連携されており、付与された力によって前記制止ユニットが作用位置から移動せしめられたときにエネルギを吸収するように働くエネルギ吸収要素をさらに具備し、該エネルギ吸収要素が第2の信号に応答して膨張せしめられる膨張可能な要素である安全装置。
【請求項8】
プレクラッシュセンサが設けられており、該プレクラッシュセンサによる潜在的な衝突の検出に応答して上記第1の信号が生成される請求項7に記載の安全装置。
【請求項9】
上記可逆動作可能な駆動装置がラックを有する請求項7または8に記載の安全装置。
【請求項10】
上記可逆動作可能な駆動装置がピストン・シリンダユニットを有する請求項7または8に記載の安全装置。
【請求項11】
上記制止要素が移動せしめられて物体に接触したときに作用位置へと向う該制止ユニットの更なる駆動を停止するための信号を供給する接触センサを上記制止要素が有する請求項7〜10のいずれか1つに記載の安全装置。
【請求項12】
クラッシュセンサが設けられており、該クラッシュセンサによる衝突の検出に応答して上記第2の信号が生成される請求項6〜11のいずれか1つに記載の安全装置。
【請求項13】
上記クラッシュセンサが衝突の深刻度合を表示するセンサである請求項12に記載の安全装置。
【請求項14】
衝突発生時に座席の乗員に正面からの保護を提供する前記請求項のいずれか1つに記載の安全装置。
【請求項15】
上記座席にパラメータを検出するセンサが設けられている前記請求項のいずれか1つに記載の安全装置。
【請求項16】
上記センサが座席の乗員の存在と該乗員の重量とを検出することができる請求項15に記載の安全装置。
【請求項17】
上記センサが自動車の長手軸線の方向に沿った座席の位置を検出することができる座席位置センサである請求項15または16に記載の安全装置。
【請求項18】
前記膨張可能な要素が多段式のガスジェネレータによって膨張せしめられ、該ガスジェネレータが検出されたパラメータに応じてコントローラによって制御される請求項6〜17のいずれか1つに記載の安全装置。
【請求項19】
上記エネルギ吸収要素が上記可逆動作可能な駆動装置の一部である請求項1〜18のいずれか1つに記載の安全装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−511418(P2007−511418A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541083(P2006−541083)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001655
【国際公開番号】WO2005/049387
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(500404203)オートリブ ディベロップメント アクティエボラーグ (54)
【Fターム(参考)】