説明

安否確認装置、方法、及びコンピュータプログラム

【課題】安否確認対象者の安否を自動的に確認すると共に、連絡対象者ごとに結果報告を行うことのできる技術を提供する。
【解決手段】通信機器2と公衆回線網41を介して音声通話可能に構成されると共に、連絡対象者端末3とネットワーク42を介して通信可能に構成され、安否確認対象者の安否情報を連絡対象者に通知する装置であって、質問情報発信部13は、所定の時刻に、通信機器2の電話番号に自動ダイヤルし、質問情報を発信する。通信機器2から、回答情報として回答候補の押しボタン信号を受信すると、連絡対象者特定部15により、連絡対象者情報記憶部1Cを参照して連絡対象者を特定する。通知要否判別部16は、回答情報として受信した押しボタン信号と、連絡対象者情報記憶部1Cに記憶されている、連絡対象者の通知要否情報に基づき、安否確認結果の通知の要否を判別し、通知を要する場合には、連絡対象者端末3に安否確認結果を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安否確認対象者の安否を確認すると共に、安否確認の結果を連絡対象者に通知する処理を自動化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、社会の高齢化とライフスタイルの多様化に伴い、お年寄りの世帯が増えている。これに対して、お年寄り向けの福祉サービスも多く運営されているが、お年寄りの世帯数が多いことから、サービスが十分に行き渡っているとは言い難く、一人暮らしのお年寄りが孤独死し、長い間、発見されないという最悪のケースとなることも珍しいことではなくなっている。
【0003】
また、このような背景から、遠方の実家等に高齢の親をもつ者等から、その健康状態や生活の様子等、その安否を把握することのできるサービスに対する要望があった。
【0004】
この点、特許文献1には、健在か否か確認するべき健在確認対象者に対し、公衆回線を介して確認コールを行い、健在確認結果をサービス依頼者たる結果報告対象者に報告する装置であって、各健在確認対象者への確認コール予定日時を記憶する確認コール予定記憶手段と、この確認コール予定記憶手段に記憶された健在確認対象者の中から、当日以前の確認コール予定者を検索して一覧表示する確認コール予定者表示手段と、表示された確認コール予定者の中から、コールすべきとして選択された健在確認対象者に対し自動ダイヤルを行う自動ダイヤル手段と、健在確認コール終了時に、該コールにより得られた情報に基づいて行われた総合判定が健在確認結果として入力されたか否か、及び自動算出された又は任意に設定可能な次回確認コール予定日時が入力されたか否か、を監視し、該総合判定及び次回確認コール予定日時の入力設定が行われない限り、対応健在確認対象者への健在確認コール処理の終了を禁止する禁止手段と、を具備する装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3101478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の技術によれば、健在確認対象者が健在であるか否かが、所定の時刻に行われる確認コールにより把握することができる。しかしながら、ある健在確認対象者が健在か否かという結果の報告対象は、必ずしも一人に限られず、複数の対象者、例えば健在確認対象者の複数の子供たちなどに提供される。この際、どのような場合に健在確認結果を報告して欲しいかという要望は、結果報告対象者ごとに異なるため、一の健在確認対象者の確認結果であっても、結果報告対象者ごとの要求に応じた報告が行えると便利である。例えば、結果報告対象者によっては、無事であれば、わざわざ結果の報告を要さないということも考えられる。
【0007】
また、健在確認対象者からみた場合、毎日、機械的なナレーション等により健在か否かの確認コールだけを受けるよりも、気持ちが安らいだり、確認コールを待つ楽しみがあったりするような確認コールであるほうが好ましい。
【0008】
そこで、本発明は、安否確認対象者の安否を自動的に確認すると共に、連絡対象者ごとの要求に応じた結果報告を行うことのできる技術を提供することを目的とする。
また、本発明はさらに、安否確認において、安否確認対象者が連絡対象者との繋がりを感じることのできる機能をもたせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る安否確認装置は、安否確認対象者が利用する通信機器と、公衆回線網を介して音声通話可能に構成されると共に、当該安否確認対象者の安否情報を受け取る連絡対象者が利用する連絡対象者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、当該安否確認対象者の安否情報を当該連絡対象者に通知するための装置であって、上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号とを関連付けて記憶する安否確認対象者情報記憶手段と、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報と、当該質問情報に対する複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号とを関連付けて記憶する質問情報記憶手段と、上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否情報を通知する連絡対象者を識別する連絡対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器から、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報に対する回答情報として、上記複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号のいずれを受信、あるいは受信しなかったときに、上記連絡対象者に対して当該回答情報に基づく安否情報の通知を要するか否かを示す通知要否情報と、を関連付けて記憶する連絡対象者情報記憶手段と、所定の時刻に、上記安否確認対象者情報記憶手段及び上記質問記憶手段を参照して、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルし、質問情報を発信する質問情報発信手段と、上記安否確認対象者の通信機器から、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信する回答情報受信手段と、上記連絡対象者情報記憶手段を参照して、上記回答情報を受信した安否確認対象者と関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する連絡対象者特定手段と、上記回答情報として受信した押しボタン信号と、上記連絡対象者情報記憶手段に記憶されている、上記特定した連絡対象者の通知要否情報に基づき、上記連絡対象者に対して回答情報に基づく安否確認結果の通知を要するか否かを判別する通知要否判別手段と、上記通知要否判別手段による判別の結果、上記連絡対象者に対して安否確認結果の通知を要する場合に、上記特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、上記受信した回答情報に基づく安否確認結果を送信する回答情報送信手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、上記安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否を問うオリジナルの質問情報とを関連付けて記憶するオリジナル情報記憶手段と、上記質問情報発信手段により質問情報を発信する際、上記オリジナル情報記憶手段を参照して、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されているオリジナルの質問情報が存在するか否かを判別するオリジナル情報有無判別手段と、を有し、上記質問情報発信手段はさらに、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されているオリジナルの質問情報が存在した場合、上記オリジナル情報記憶手段を参照して、上記質問情報に代えて、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されているオリジナルの質問情報を発信するものとしてもよい。
【0011】
また、上記連絡対象者端末から、上記安否確認対象者に対する第一のメッセージを、上記安否確認対象者識別情報と共に受信する第一のメッセージ受信手段と、上記受信した第一のメッセージと上記安否確認対象者識別情報とを、互いに関連付けて記憶する第一のメッセージ記憶手段と、上記質問情報発信手段により質問情報を発信する際、上記第一のメッセージ記憶手段を参照して、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されている第一のメッセージが存在するか否かを判別する第一のメッセージ有無判別手段と、を有し、上記質問情報発信手段はさらに、上記第一のメッセージ有無判別手段による判別の結果、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されている第一のメッセージが上記第一のメッセージ記憶手段に記憶されていた場合に、上記安否確認対象者の通信機器に対し、当該第一のメッセージを発信するものとしてもよい。
【0012】
また、上記安否確認対象者の通信機器から受信する、上記連絡対象者に対する第二のメッセージと、上記安否確認対象者識別情報とを、互いに関連付けて記憶する第二のメッセージ記憶手段と、上記回答情報送信手段により回答情報に基づく安否確認結果を送信する際、上記第二のメッセージ記憶手段を参照して、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されている第二のメッセージが存在するか否かを判別する第二のメッセージ有無判別手段と、を有し、上記回答情報受信手段はさらに、上記安否確認対象者の通信機器から、上記連絡対象者に対する第二のメッセージを、上記安否確認対象者識別情報と共に受信し、上記回答情報送信手段はさらに、上記第二のメッセージ有無判別手段による判別の結果、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されている第二のメッセージが上記第二のメッセージ記憶手段に記憶されていた場合に、上記連絡対象者特定手段により特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、当該第二のメッセージを送信するものとしてもよい。
【0013】
また、上記質問情報発信手段により、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルした際、一定時間内に、上記安否確認対象者の通信機器との間で通話路を確立できなかった場合、又は、上記回答情報受信手段により、上記安否確認対象者の通信機器から、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信できなかった場合に、一定時間後、再度、上記質問情報発信手段に対し、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルし、質問情報を発信させるリダイヤル指示手段、を有するものとしてもよい。
【0014】
また、本発明の別の観点に係る安否確認装置は、安否確認対象者が利用するインターネットテレビと、当該安否確認対象者の安否情報を受け取る連絡対象者が利用する連絡対象者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、当該安否確認対象者の安否情報を当該連絡対象者に通知するための装置であって、上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号とを関連付けて記憶する安否確認対象者情報記憶手段と、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報と、当該質問情報に対する複数の回答候補とを関連付けて記憶する質問情報記憶手段と、上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否情報を通知する連絡対象者を識別する連絡対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器から、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報に対する回答情報として、上記複数の回答候補のいずれを受信、あるいは受信しなかったときに、上記連絡対象者に対して当該回答情報に基づく安否情報の通知を要するか否かを示す通知要否情報と、を関連付けて記憶する連絡対象者情報記憶手段と、所定の時刻に、上記安否確認対象者情報記憶手段及び上記質問記憶手段を参照して、上記安否確認対象者のインターネットテレビに質問情報を送信する質問情報発信手段と、上記安否確認対象者のインターネットテレビから、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補を受信する回答情報受信手段と、上記連絡対象者情報記憶手段を参照して、上記回答情報を受信した安否確認対象者と関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する連絡対象者特定手段と、上記回答情報として回答候補と、上記連絡対象者情報記憶手段に記憶されている、上記特定した連絡対象者の通知要否情報に基づき、上記連絡対象者に対して回答情報に基づく安否確認結果の通知を要するか否かを判別する通知要否判別手段と、上記通知要否判別手段による判別の結果、上記連絡対象者に対して安否確認結果の通知を要する場合に、上記特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、上記受信した回答情報を送信する回答情報送信手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の別の観点に係る安否確認方法は、安否確認対象者が利用する通信機器と、公衆回線網を介して音声通話可能に構成されると共に、当該安否確認対象者の安否情報を受け取る連絡対象者が利用する連絡対象者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号とを関連付けて記憶する安否確認対象者情報記憶手段と、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報と、当該質問情報に対する複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号とを関連付けて記憶する質問情報記憶手段と、上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否情報を通知する連絡対象者を識別する連絡対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器から、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報に対する回答情報として、上記複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号のいずれを受信、あるいは受信しなかったときに、上記連絡対象者に対して当該回答情報に基づく安否情報の通知を要するか否かを示す通知要否情報と、を関連付けて記憶する連絡対象者情報記憶手段と、を有するコンピュータにより、当該安否確認対象者の安否情報を当該連絡対象者に通知するための方法であって、所定の時刻に、上記安否確認対象者情報記憶手段及び上記質問記憶手段を参照して、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルし、質問情報を発信する処理と、上記安否確認対象者の通信機器から、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信する処理と、上記連絡対象者情報記憶手段を参照して、上記回答情報を受信した安否確認対象者と関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する処理と、上記回答情報として受信した押しボタン信号と、上記連絡対象者情報記憶手段に記憶されている、上記特定した連絡対象者の通知要否情報に基づき、上記連絡対象者に対して回答情報に基づく安否確認結果の通知を要するか否かを判別する処理と、上記通知要否の判別の結果、上記連絡対象者に対して安否確認結果の通知を要する場合に、上記特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、上記受信した回答情報に基づく安否確認結果を送信する処理と、を実行することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の別の観点に係るコンピュータプログラムは、安否確認対象者が利用する通信機器と、公衆回線網を介して音声通話可能に構成されると共に、当該安否確認対象者の安否情報を受け取る連絡対象者が利用する連絡対象者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号とを関連付けて記憶する安否確認対象者情報記憶手段と、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報と、当該質問情報に対する複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号とを関連付けて記憶する質問情報記憶手段と、上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否情報を通知する連絡対象者を識別する連絡対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器から、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報に対する回答情報として、上記複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号のいずれを受信、あるいは受信しなかったときに、上記連絡対象者に対して当該回答情報に基づく安否情報の通知を要するか否かを示す通知要否情報と、を関連付けて記憶する連絡対象者情報記憶手段と、を有するコンピュータを、当該安否確認対象者の安否情報を当該連絡対象者に通知するための安否確認装置として機能させるためのプログラムであって、所定の時刻に、上記安否確認対象者情報記憶手段及び上記質問記憶手段を参照して、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルし、質問情報を発信する処理と、上記安否確認対象者の通信機器から、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信する処理と、上記連絡対象者情報記憶手段を参照して、上記回答情報を受信した安否確認対象者と関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する処理と、上記回答情報として受信した押しボタン信号と、上記連絡対象者情報記憶手段に記憶されている、上記特定した連絡対象者の通知要否情報に基づき、上記連絡対象者に対して回答情報に基づく安否確認結果の通知を要するか否かを判別する処理と、上記通知要否の判別の結果、上記連絡対象者に対して安否確認結果の通知を要する場合に、上記特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、上記受信した回答情報に基づく安否確認結果を送信する処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、安否確認対象者の安否を自動的に確認することができる共に、連絡対象者ごとの要求に応じた結果報告を行うことができる。
また、安否確認において、安否確認対象者が連絡対象者との繋がりを感じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る安否確認装置によって運営されるサービスの概略を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係る安否確認装置が備える機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る安否確認対象情報記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る質問情報記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る連絡対象者情報記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係るメッセージ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る安否確認結果記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る安否確認装置による一連の処理のうち、通信機器に対し、質問情報を発信するまでの処理の流れを示す処理フロー図である。
【図9】本実施形態に係る安否確認装置による一連の処理のうち、通信機器から回答情報を受信してから、安否確認対象者の安否確認結果を登録するまでの処理の流れを示す処理フロー図である。
【図10】本実施形態に係る安否確認装置による一連の処理のうち、安否確認結果の連絡対象者を特定してから、一連の処理が終了するまでの処理の流れを示す処理フロー図である。
【図11】本発明の別の実施形態において、通信機器がインターネットテレビにより構成された場合の概略を示す模式図である。
【図12】本実施形態において、インターネットテレビ上における、安否確認の画面構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
まず、本実施形態の概略について、図1を参照して説明する。
本実施形態では、安否確認の処理を実行する安否確認装置1と、一人暮らしの老人等の安否確認対象者が利用する固定電話等の通信機器2とが、電話回線等の公衆回線網41を介して接続している。
また、安否確認装置1と、安否確認対象者の安否確認結果を通知する連絡対象者が利用するパーソナルコンピュータ等の連絡対象者端末3とが、インターネット等のネットワーク42を介して接続している。
なお、本例において、通信機器2及び連絡対象者端末3は夫々、複数、安否確認装置1と接続しており、各通信機器2及び連絡対象者端末3を操作する安否確認対象者及び連絡対象者を識別する安否確認対象者IDと連絡対象者IDとによって、安否確認対象者や連絡対象者を特定して一連の処理が実行される。
【0020】
本実施形態の概略では、まず、所定の時刻に安否確認対象者の通信機器2に対して、安否確認装置1から安否を問う質問情報が音声発信される(S1)。安否確認対象者は通信機器2により、これを聞き、通信機器2の押しボタンで質問情報に回答する(S2)。この回答情報は、予め安否確認対象者と関連付けられた連絡対象者の連絡対象者端末3に対して送信される(S3)。
以下、本実施形態を詳述する。
【0021】
安否確認装置1は、通信機器2との間で、安否確認対象者に安否を問い合わせると共に、安否確認対処者から受け付けた回答情報を、連絡対象者端末3に配信することにより、連絡対象者に安否確認対象者の安否を通知する装置である。
この安否確認装置1は、CPU(Central Processing Unit)、CPUが実行するコンピュータプログラム、コンピュータプログラムや所定のデータを記憶するRAM(Random Access Memory)やROM(Reed Only Memory)、及びハードディスクドライブなどの外部記憶装置により、安否確認対象者情報記憶部1A、質問情報記憶部1B、連絡対象者情報記憶部1C、オリジナル情報記憶部1D、メッセージ記憶部1E、安否確認結果記憶部1F、オリジナル情報有無判別部11、第一メッセージ有無判別部12、質問情報発信部13、回答情報受信部14、連絡対象者特定部15、通知要否判別部16、第二メッセージ有無判別部17、リダイヤル指示部18、通信処理部19からなる各機能ブロックを構成する。
【0022】
安否確認対象者情報記憶部1Aは、安否確認対象者に関する情報を記憶した記憶部である。
この安否確認対象者情報記憶部1Aには例えば、図3に示されるように、少なくとも、安否確認対象者を識別する安否確認対象者IDと、連絡先となる通信機器2の電話番号が互いに関連付けて記憶されているほか、安否確認対象者の氏名や住所などの情報が必要に応じて記憶されている。
【0023】
質問情報記憶部1Bは、安否確認対象者に対する安否確認の問い合わせに関する情報を記憶した記憶部である。
この質問情報記憶部1Bには例えば、図4に示されるように、安否確認対象者に対する質問情報、質問に対する回答候補、回答候補に対応した通信機器2の押しボタン信号が互いに関連付けて記憶されている。
【0024】
ここで、質問情報は、安否確認対象者に安否を問うと共に、その回答を求める音声メッセージであり、例えば、「おはようございます。今日の調子はいかがですか。元気にお過ごしの場合は数字の「1」を、連絡が欲しい場合には数字の「2」を押して下さい。」というメッセージや、回答候補である「1」又は「2」の数字が押された後に、「メッセージを入力する場合には数字の「1」を、このまま終了する場合には数字の「2」を押して下さい。」といったメッセージからなる。
また、回答候補は、安否確認に対して択一的に選択可能な回答の内容であり、通信機器2のいずれかのボタンを押下することにより発信される押しボタン信号と関連付けられている。これにより、通信機器2から受信した押しボタン信号に基づいて、安否確認対象者がどの回答候補を選択したか把握することができる。
【0025】
連絡対象者情報記憶部1Cは、安否確認対象者の安否を確認した際に、その結果を通知する対象となる連絡対象者に関する情報を記憶した記憶部である。
この連絡対象者情報記憶部1Cには例えば、図5に示されるように、少なくとも、安否確認対象者IDごとに、安否確認の結果を通知する連絡対象者を識別する連絡対象者IDと、安否確認の結果の内容に応じて通知を要するか否かを示す通知要否情報とが互いに関連付けて記憶されているほか、連絡対象者の氏名や住所等が必要に応じて記憶されている。
連絡対象者IDは、一の安否確認対象者IDに対して複数設定することができ、これにより例えば、親の安否を、別々の居を構える複数の子供の元に、安否確認の結果を通知することができる。
【0026】
通知要否情報は、安否確認の結果に応じて、当該結果を通知するか否かを判別するための情報である。本例では、安否確認の結果には、回答候補1(本例図4では「元気です」との回答)、回答候補2(本例図4では「連絡下さい」との回答)、不通、通信機器2との通話路が確立したが、回答なく通話路が切断した場合(例えば、留守番電話に切り替わった場合)のほか、安否確認対象者からメッセージを受け付けている場合がある。連絡対象者は、これらの組み合わせに基づいて、安否確認の結果の通知を要するか否かを設定登録しておくことができる。例えば、安否確認の結果は全て通知を要するものとしたり、安否確認の結果が回答候補1であった場合には、安否確認の結果の通知を要さないものとしたり、安否確認の結果が回答候補1のときは基本的には安否確認の結果の通知を要さないが、メッセージがある場合には通知を要するものとすることができる。
なお、通知要否情報は、連絡対象者ごとに設定することができ、連絡対象者の要求に応じた安否確認結果の連絡が可能である。
【0027】
オリジナル情報記憶部1Dは、安否確認対象者ごとのオリジナルの質問情報が記憶された記憶部である。
オリジナルの質問情報とは、前述した、安否を問い合わせて回答候補を示す質問情報と同内容の情報であって、連絡対象者等の声により作成された情報である。
質問情報記憶部1Bに記憶されている質問情報は、通常、所定のナレーター等によって予め作成されたものであるが、これを例えば、安否確認対象者の家族などである連絡対象者の声によって作成されたものを準備しておき、この安否確認対象者にとってオリジナルの質問情報で安否確認を行うことで、安否確認対象者にとって、安心感や温かみのある安否確認とすることができる。
【0028】
メッセージ記憶部1Eは、連絡対象者から受け付けた安否確認対象者に対するメッセージであって、連絡対象者端末3を介して、連絡対象者から、安否確認対象者ID及び連絡対象者IDと共に受信したメッセージを記憶することができる記憶部である。
このメッセージ記憶部1Eには例えば、図6に示されるように、メッセージを安否確認装置1に預けた連絡対象者の連絡対象者IDと、メッセージの受取人たる安否確認対象者の安否確認対象者IDと、メッセージの内容と、メッセージを連絡対象者端末3から受信した日時、受け付けたメッセージを安否確認対象者に送ったか否かを示す送信有無フラグとを、互いに関連付けて記憶することができる。
【0029】
メッセージは例えば音声メッセージであり、安否確認対象者に安否確認を行った際に併せて、安否確認対象者に聞かせるようにしたり、所定の電話番号等への安否確認対象者からの問い合わせに応じて、聞かせたりする。
送信有無フラグは、メッセージを安否確認対象者に聞かせたか否かを示すフラグであり、連絡対象者から受け付けた時点では「未送信」となっているが、安否確認を行った際などに、安否確認対象者にメッセージを聞かせると、「送信済みに」に変更される。これにより、安否確認対象者に届けられていないメッセージがあるか否かを判別することができる。
【0030】
安否確認結果記憶部1Fは、安否確認対象者に対して安否確認を行った結果を記憶することができる記憶部である。
この安否確認結果記憶部1Fには例えば、図7に示されるように、安否確認を行った安否確認対象者の安否確認対象者IDと、安否確認を行った日時と、安否確認の結果と、安否確認対象者からのメッセージと、当該メッセージを連絡対象者に送信したか否かを示す送信有無フラグとを互いに関連付けて記憶することができる。
【0031】
安否確認の結果は、通信機器2から、質問情報に対する回答候補の押しボタン信号を受信した場合には、当該回答候補(あるいは押しボタン信号)の種類が記憶される。また、通話路を確立できなかった場合には不通に終わったものとして記憶される。さらに、留守番電話に切り替わるなどして、通話路が確立して通話状態となったが、回答候補の押しボタン信号を受信できなかった場合には、回答が得られずに回線が切断されたものとして記憶される。
【0032】
メッセージは例えば音声メッセージであり、例えば、安否確認対象者に安否確認を行った際に、安否確認対象者から受け付け、連絡対象者に安否確認の結果を通知する際に併せて、当該連絡対象者に聞かせるようにしたり、所定の電話番号等への連絡対象者からの問い合わせに応じて、聞かせたりする。
送信有無フラグは、メッセージを連絡対象者に聞かせたか否かを示すフラグであり、安否確認対象者から受け付けた時点では「未送信」となっているが、安否確認の結果を通知した際などに、連絡対象者にメッセージを聞かせると、「送信済みに」に変更される。これにより、連絡対象者に届けられていないメッセージがあるか否かを判別することができる。
【0033】
オリジナル情報有無判別部11は、通信機器2に対して質問情報を発信することにより安否確認を行う際、オリジナル情報記憶部1Dを参照して、安否確認を行う安否確認対象者の安否確認対象者IDと関連付けられたオリジナルの質問情報が存在するか否かを判別する処理を実行する。
【0034】
第一メッセージ有無判別部12は、通信機器2に質問情報を発信する際、メッセージ記憶部1Eを参照して、安否確認対象者の安否確認対象者IDと関連付けて記憶されているメッセージが存在するか否かを判別する処理を実行する。
【0035】
質問情報発信部13は、所定の時刻に、安否確認対象者情報記憶部1Aを参照して、安否確認を行う安否確認対象者の電話番号を抽出すると共に、当該電話番号に対応したダイヤル信号を生成し、公衆回線41を介して、通信機器2との間で通話路を確立させる。
また、通話路が確立すると、質問情報記憶部1Bから抽出した質問情報や、オリジナル情報記憶部1Dから抽出したオリジナルの質問情報、さらにはメッセージ記憶部1Eから抽出したメッセージを、通信機器2に発信する。
【0036】
回答情報受信部14は、公衆回線41を介し、通信機器2から、安否確認対象者の回等情報として、安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信する処理を実行する。
【0037】
連絡対象者特定部15は、連絡対象者情報記憶部1Cを参照して、安否確認結果を受け付けた安否確認対象者の安否確認対象者IDと関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する処理を実行する。
この処理により、安否確認を行った安否確認対象者の回答情報を通知する連絡対象者が特定される。
【0038】
通知要否判別部16は、連絡対象者特定部15により、安否確認結果を通知する連絡対象者が特定した際に、通信機器2から回答情報を受信したか否か、通信機器2から回答情報を受信した場合にはいずれの押しボタン信号を受信したかの情報と、連絡対象者情報記憶部1Cに記憶されている、当該特定された連絡対象者の通知要否情報に基づき、当該特定された連絡対象者に対して、通信機器2から受信した回答情報に基づく安否確認結果の通知を要するか否かを判別する処理を実行する。
【0039】
第二メッセージ有無判別部17は、通信処理部19により、連絡対象者端末3に対して、安否確認結果を送信する際、安否確認結果記憶部1Fを参照して、安否確認を行った安否確認対象者の安否確認対象者IDと関連付けて記憶されているメッセージが存在するか否かを判別する処理を実行する。
【0040】
リダイヤル指示部18は、質問情報発信部13により、通信機器2の電話番号に自動ダイヤルした際、一定時間内に、通信機器2との間で通話路を確立することができなかった場合、又は、回答情報受信部14により、通信機器2から、質問情報に対する回答情報として、安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信できなかった場合に、一定時間後、再度、質問情報発信部13に対し、通信機器2の電話番号に自動ダイヤルして質問情報を発信させ、安否確認を行わせる。
【0041】
通信処理部19は、連絡対象者端末3とインターネット等の通信回線42を介し、所定のプロトコルに従ってデータの送受信処理を実行する処理部であって、Webブラウザ等により実現される。
この通信処理部19は例えば、連絡対象者端末3に対し、安否確認結果や、安否確認対象者から受け付けたメッセージを送信したり、連絡対象者端末3から、安否確認対象者に対するメッセージを安否確認対象者IDと共に受信したりする。
【0042】
通信機器2は、安否確認対象者が利用する機器であって、本例では固定電話や携帯電話端末である。
この通信機器2は、安否確認に対する回答情報としての押しボタン信号の発信を指示するボタンや、質問情報を出力するスピーカ等からなる入出力処理部21、公衆回線41を介して、安否確認装置1との間で通話路を確立して音声通話を可能とする通信処理部22を備える。
【0043】
連絡対象者端末3は、安否確認結果を通知対象である連絡対象者が利用する端末であり、いわゆるパーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)等により構成され、入出力処理部31、通信処理部32の各機能ブロックを備える。
【0044】
入出力処理部31は、キーボードやタッチパネル、ディスプレイ等により構成され、連絡対象者からメッセージ等のデータの入力を受け付けたり、安否確認装置1から受信した安否確認結果等のデータ等を出力する処理を実行する。
【0045】
通信処理部32は、少なくとも安否確認装置1とインターネット等の通信回線42を介し、所定のプロトコルに従ってデータの送受信処理を実行する処理部であって、Webブラウザ等により実現される。
この通信処理部32は例えば、安否確認対象者に対するメッセージを安否確認装置1に対して送信したり、安否確認装置1から安否確認対象者の安否確認結果を受信したりする。
【0046】
次に、本実施形態に係る安否確認装置1による一連の処理の流れについて、図8から図10を参照して説明する。
安否確認装置1は、所定の時刻になると、安否確認対象者情報記憶部1Aに記憶されている安否確認対象者の安否確認処理を開始する。安否確認装置1は最初に、質問情報発信部13により、安否確認対象者情報記憶部1Aに記憶されている安否確認対象者の電話番号に基づき、通信機器2との間で通話路の確立を試みる。
通話路を確立することができなかった場合には、リダイヤル指示部18により、質問情報発信部13に対し、一定時間後のリダイヤルを指示し(S102)、この結果が安否確認結果として安否確認結果記憶部1Fに登録される(S115)。なお、リダイヤルの指示を受け付けた質問情報発信部13は、一定時間後に、S101からの処理を再度実行する。
【0047】
一方、通話路を確立し、音声通話が可能な状態となった場合には、まず、オリジナル情報有無判別部11により、オリジナル情報記憶部1Dを参照して、安否確認を行う安否確認対象者の安否確認対象者IDと関連付けて記憶されているオリジナルの質問情報が存在するか否かを判別する(S103)。
【0048】
この結果、オリジナルの質問情報が存在した場合には、オリジナル情報記憶部1Dから、当該オリジナルの質問情報を抽出する(S104)。
他方、オリジナルの質問情報が存在しなかった場合には、質問情報記憶部1Bから、質問情報を抽出する(S105)。
【0049】
そして、質問情報発信部13は、質問情報、若しくは、オリジナルの質問情報が存在した場合には当該オリジナルの質問情報を、通信機器2に対して発信することにより、安否確認対象者の安否を確認する(S106)。
ここで、質問情報は例えば、「おはようございます。今日の調子はいかがですか。元気にお過ごしの場合は数字の「1」を、連絡が欲しい場合には数字の「2」を押して下さい。」といった音声データからなり、安否確認対象者が選択可能な回答候補が、押しボタン信号のボタンによって示されている。
【0050】
質問情報を発信すると安否確認装置1は、回答情報を受信可能に待機し(S107)、その結果、通信機器2から回答情報として、回答候補に応じた押しボタン信号を受信しなかった場合には、リダイヤル指示部18により、質問情報発信部13に対し、一定時間後のリダイヤルを指示する(S102)。この結果は安否確認結果として安否確認結果記憶部1Fに登録される(S115)。なお、リダイヤルの指示を受け付けた質問情報発信部13は、一定時間後に、S101からの処理を再度実行する。
【0051】
一方、回答情報を受信可能に待機し(S107)、その結果、回答情報としての押しボタン信号を受信すると、第一メッセージ有無判別部12により、メッセージ記憶部1Eを参照して、安否確認対象者の安否確認対象者IDと関連付けて記憶されているメッセージであって、送信有無フラグが未送信となっているものがあるか否かを判別する(S108)。
【0052】
この結果、未送信のメッセージが存在しなかった場合には、後述する、安否確認対象者からのメッセージを受信可能に待機するS113以降の処理に移行する。
【0053】
他方、S108による判別処理の結果、未送信のメッセージがあった場合には、安否確認対象者に対して例えば、「メッセージが1件あります。お聞きになる場合は数字の「1」を、次に進む場合には数字の「2」を押して下さい」といった案内をすることにより、メッセージの発信要求を受付可能に待機する(S109)。
【0054】
これに応じて、「次に進む」ことが要求された場合には、後述する、安否確認対象者からのメッセージを受信可能に待機するS113以降の処理に移行する。
【0055】
他方、通信機器2からメッセージの発信要求を受信したときは、メッセージ記憶部1Eからメッセージを抽出し(S110)、通信機器2に対して当該メッセージを発信する(S111)。発信したメッセージについては、メッセージ記憶部1Eにおいて、送信有無フラグが「送信済み」に設定される(S112)。
【0056】
さらに、安否確認装置1は、通信機器2からのメッセージを受信可能に待機する(S113)。この場合は例えば、安否確認対象者に対して、「連絡対象者にメッセージを残しますか。メッセージを残す場合には数字の「1」を、このまま終了する場合には数字の「2」を押して下さい」といった案内をする。
【0057】
これに応じて通信機器2から、安否確認対象者IDと共にメッセージを受信すると、当該メッセージは安否確認結果記憶部1Fに安否確認対象者IDと関連付けて登録される(S114)。なお、この際、当該メッセージの送信有無フラグは、「未送信」に設定される。
そして、メッセージが登録されると、安否確認結果として受信した押しボタン信号を、安否確認対象者IDと関連付けて、安否確認結果記憶部1Fに登録する(S115)。なお、メッセージを受信しなかった場合には、メッセージを登録することなく、安否確認結果として受信した押しボタン信号を、安否確認対象者IDと関連付けて、安否確認結果記憶部1Fに登録する(S115)。
以上の操作は安否確認対象者全員に対して実行され、これにより、安否確認対象者の安否の結果が把握される。
【0058】
以上により登録された安否確認の結果は、連絡対象者ごとの通知の要否に基づいて通知される。
まず、安否確認装置1は、連絡対象特定部15により、連絡対象者情報記憶部1Cを参照して、安否確認結果記憶部1Fに記憶されている安否確認対象者IDと関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する(S116)。
【0059】
そして、通知要日判定部16により、安否確認結果と、特定された連絡対象者の通知要否情報とに基づいて、安否確認結果の通知の要否を連絡対象者毎に判別する(S117)。
この処理は例えば、安否確認結果の押しボタン信号(回答候補)が「1」で、通知要否情報が「回答候補1以外は通知要」である場合には、通知は不要と判断する。他の例では、安否確認結果の押しボタン信号(回答候補)が「2」で、通知要否情報が「回答候補2のときのみ通知要」である場合には、通知は必要と判断する。
この通知要否の判別の結果、通知が不要と判断された場合には、一連の処理を終了する。
【0060】
一方、通知要否の判別の結果、通知が必要と判断された場合には、安否確認結果記憶部1Fから、連絡対象者IDと関連付けて記憶されている回答情報に基づく安否確認結果を抽出する(S118)。
【0061】
さらに、第二メッセージ有無判別部17により、安否確認結果記憶部1Fを参照して、連絡対象者IDと関連付けて記憶されているメッセージであって、送信有無フラグが未送信のものがあるか否かを判別する(S119)。
この結果、未送信のメッセージがあった場合には、当該メッセージを安否確認結果記憶部1Fから抽出する(S120)。
一方、未送信のメッセージがなかった場合には、続くS121以降の処理に移行する。
【0062】
安否確認結果記憶部1Fから抽出された安否確認結果、及び、未送信のメッセージがあった場合の当該メッセージは、通信処理部19により、連絡対象者端末3に対して送信される(S121)。
このとき、未送信のメッセージが送信されたか否かが判別され(S122)、当該未送信のメッセージが送信された場合には、安否確認結果記憶部1Fにおいて、当該未送信のメッセージの送信有無フラグが「送信済み」に設定される(S123)。
以上により、連絡対象者に安否確認結果が通知され、連絡対象者は安否確認対象者の安否を把握することができる。
【0063】
なお、以上の本実施形態においては、安否確認対象者や連絡対象者に対するメッセージを、質問情報を発信する際や、安否確認結果を送信する際に併せて発信あるいは送信するようにしているが、これに限らず、所定のタイミングで安否確認対象者や連絡対象者からメッセージの発信あるいは送信の要求を受け付け、これに応じて、当該メッセージを発信あるいは送信するようにすることもできる。
【0064】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
本実施形態では、安否確認対象者が、通信機器5として、インターネットテレビを用いる。
本実施形態においては、図11に示されるように、通信機器5としてのインターネットテレビは、所定のプロトコルに従ってデータの送受信処理を実行するWebブラウザ等を実装し、図2に示される公衆回線網41に代えて、ネットワーク42を介して安否確認装置1とデータの送受が可能に構成されている。
【0065】
また、本実施形態においては、安否確認装置1と通信機器2の間における、質問情報、回答情報、及び、メッセージの送受は全て、ネットワーク42を介して実行され、これらの情報はテキストデータや画像データとして扱われる。これらの情報は、通信機器5が備えるディスプレイやスピーカ、ボタン等の入出力手段によって、安否確認対象者に知覚される。
【0066】
このような本実施形態における通信機器5上では、図12に示されるような形で、安否確認対象者に対して質問情報が送信される。
即ち、通信機器5の画面上では、質問情報が表示されると共に、回答候補が選択可能な形式で表示されている。また、連絡対象者に対するメッセージの入力を要求するボタンや、連絡対象者からの未読メッセージの有無を示す情報などが展開される。
以上の本実施形態によれば、画面上で各種の情報を把握しやすいので、便利である。
【0067】
なお、以上の本発明のさらに別の実施形態では、通信機器2、5や連絡対象者端末3を、スカイプ(登録商標)などのP2P(Peer to Peer)技術を利用したインターネット電話により構成することもできる。
この場合、通信機器2、5や連絡対象者端末3は、いわゆるパーソナルコンピュータ等により構成され、リアルタイム画像の転送が可能なウェブカメラや、音声を出力するスピーカ、音声を入力するマイク等を装備させ、所定のプロトコルに従ってデータの送受信処理を実行するWebブラウザにより安否確認装置1とネットワーク42を介したデータの送受を可能に構成する。
【符号の説明】
【0068】
1 安否確認装置
1A 安否確認対象者情報記憶部
1B 質問情報記憶部
1C 連絡対象者情報記憶部
1D オリジナル情報記憶部
1E メッセージ情報記憶部
1F 安否確認結果記憶部
11 オリジナル情報有無判別部
12 第一メッセージ有無判別部
13 質問情報発信部
14 回答情報受信部
15 連絡対象者特定部
16 通知要否判別部
17 第二メッセージ有無判別部
18 リダイヤル指示部
19 通信処理部
2 通信機器
21 入出力処理部
22 通信処理部
3 連絡対象者端末
31 入出所力処理部
32 通信処理部
41 公衆回線網
42 ネットワーク
5 通信機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安否確認対象者が利用する通信機器と、公衆回線網を介して音声通話可能に構成されると共に、当該安否確認対象者の安否情報を受け取る連絡対象者が利用する連絡対象者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、当該安否確認対象者の安否情報を当該連絡対象者に通知するための装置であって、
上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号とを関連付けて記憶する安否確認対象者情報記憶手段と、
上記安否確認対象者の安否を問う質問情報と、当該質問情報に対する複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号とを関連付けて記憶する質問情報記憶手段と、
上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否情報を通知する連絡対象者を識別する連絡対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器から、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報に対する回答情報として、上記複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号のいずれを受信、あるいは受信しなかったときに、上記連絡対象者に対して当該回答情報に基づく安否情報の通知を要するか否かを示す通知要否情報と、を関連付けて記憶する連絡対象者情報記憶手段と、
所定の時刻に、上記安否確認対象者情報記憶手段及び上記質問記憶手段を参照して、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルし、質問情報を発信する質問情報発信手段と、
上記安否確認対象者の通信機器から、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信する回答情報受信手段と、
上記連絡対象者情報記憶手段を参照して、上記回答情報を受信した安否確認対象者と関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する連絡対象者特定手段と、
上記回答情報として受信した押しボタン信号と、上記連絡対象者情報記憶手段に記憶されている、上記特定した連絡対象者の通知要否情報に基づき、上記連絡対象者に対して回答情報に基づく安否確認結果の通知を要するか否かを判別する通知要否判別手段と、
上記通知要否判別手段による判別の結果、上記連絡対象者に対して安否確認結果の通知を要する場合に、上記特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、上記受信した回答情報に基づく安否確認結果を送信する回答情報送信手段と、を有する、
ことを特徴とする安否確認装置。
【請求項2】
上記安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否を問うオリジナルの質問情報とを関連付けて記憶するオリジナル情報記憶手段と、
上記質問情報発信手段により質問情報を発信する際、上記オリジナル情報記憶手段を参照して、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されているオリジナルの質問情報が存在するか否かを判別するオリジナル情報有無判別手段と、を有し、
上記質問情報発信手段はさらに、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されているオリジナルの質問情報が存在した場合、上記オリジナル情報記憶手段を参照して、上記質問情報に代えて、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されているオリジナルの質問情報を発信する、
請求項1記載の安否確認装置。
【請求項3】
上記連絡対象者端末から、上記安否確認対象者に対する第一のメッセージを、上記安否確認対象者識別情報と共に受信する第一のメッセージ受信手段と、
上記受信した第一のメッセージと上記安否確認対象者識別情報とを、互いに関連付けて記憶する第一のメッセージ記憶手段と、
上記質問情報発信手段により質問情報を発信する際、上記第一のメッセージ記憶手段を参照して、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されている第一のメッセージが存在するか否かを判別する第一のメッセージ有無判別手段と、を有し、
上記質問情報発信手段はさらに、上記第一のメッセージ有無判別手段による判別の結果、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されている第一のメッセージが上記第一のメッセージ記憶手段に記憶されていた場合に、上記安否確認対象者の通信機器に対し、当該第一のメッセージを発信する、
請求項1又は2記載の安否確認装置。
【請求項4】
上記安否確認対象者の通信機器から受信する、上記連絡対象者に対する第二のメッセージと、上記安否確認対象者識別情報とを、互いに関連付けて記憶する第二のメッセージ記憶手段と、
上記回答情報送信手段により回答情報に基づく安否確認結果を送信する際、上記第二のメッセージ記憶手段を参照して、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されている第二のメッセージが存在するか否かを判別する第二のメッセージ有無判別手段と、を有し、
上記回答情報受信手段はさらに、上記安否確認対象者の通信機器から、上記連絡対象者に対する第二のメッセージを、上記安否確認対象者識別情報と共に受信し、
上記回答情報送信手段はさらに、上記第二のメッセージ有無判別手段による判別の結果、上記安否確認対象者識別情報と関連付けて記憶されている第二のメッセージが上記第二のメッセージ記憶手段に記憶されていた場合に、上記連絡対象者特定手段により特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、当該第二のメッセージを送信する、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の安否確認装置。
【請求項5】
上記質問情報発信手段により、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルした際、一定時間内に、上記安否確認対象者の通信機器との間で通話路を確立できなかった場合、又は、上記回答情報受信手段により、上記安否確認対象者の通信機器から、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信できなかった場合に、一定時間後、再度、上記質問情報発信手段に対し、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルし、質問情報を発信させるリダイヤル指示手段、を有する、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の安否確認装置。
【請求項6】
安否確認対象者が利用するインターネットテレビと、当該安否確認対象者の安否情報を受け取る連絡対象者が利用する連絡対象者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、当該安否確認対象者の安否情報を当該連絡対象者に通知するための装置であって、
上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号とを関連付けて記憶する安否確認対象者情報記憶手段と、
上記安否確認対象者の安否を問う質問情報と、当該質問情報に対する複数の回答候補とを関連付けて記憶する質問情報記憶手段と、
上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否情報を通知する連絡対象者を識別する連絡対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器から、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報に対する回答情報として、上記複数の回答候補のいずれを受信、あるいは受信しなかったときに、上記連絡対象者に対して当該回答情報に基づく安否情報の通知を要するか否かを示す通知要否情報と、を関連付けて記憶する連絡対象者情報記憶手段と、
所定の時刻に、上記安否確認対象者情報記憶手段及び上記質問記憶手段を参照して、上記安否確認対象者のインターネットテレビに質問情報を送信する質問情報発信手段と、
上記安否確認対象者のインターネットテレビから、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補を受信する回答情報受信手段と、
上記連絡対象者情報記憶手段を参照して、上記回答情報を受信した安否確認対象者と関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する連絡対象者特定手段と、
上記回答情報として回答候補と、上記連絡対象者情報記憶手段に記憶されている、上記特定した連絡対象者の通知要否情報に基づき、上記連絡対象者に対して回答情報に基づく安否確認結果の通知を要するか否かを判別する通知要否判別手段と、
上記通知要否判別手段による判別の結果、上記連絡対象者に対して安否確認結果の通知を要する場合に、上記特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、上記受信した回答情報を送信する回答情報送信手段と、を有する、
ことを特徴とする安否確認装置。
【請求項7】
安否確認対象者が利用する通信機器と、公衆回線網を介して音声通話可能に構成されると共に、当該安否確認対象者の安否情報を受け取る連絡対象者が利用する連絡対象者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号とを関連付けて記憶する安否確認対象者情報記憶手段と、
上記安否確認対象者の安否を問う質問情報と、当該質問情報に対する複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号とを関連付けて記憶する質問情報記憶手段と、
上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否情報を通知する連絡対象者を識別する連絡対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器から、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報に対する回答情報として、上記複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号のいずれを受信、あるいは受信しなかったときに、上記連絡対象者に対して当該回答情報に基づく安否情報の通知を要するか否かを示す通知要否情報と、を関連付けて記憶する連絡対象者情報記憶手段と、を有するコンピュータにより、
当該安否確認対象者の安否情報を当該連絡対象者に通知するための方法であって、
所定の時刻に、上記安否確認対象者情報記憶手段及び上記質問記憶手段を参照して、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルし、質問情報を発信する処理と、
上記安否確認対象者の通信機器から、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信する処理と、
上記連絡対象者情報記憶手段を参照して、上記回答情報を受信した安否確認対象者と関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する処理と、
上記回答情報として受信した押しボタン信号と、上記連絡対象者情報記憶手段に記憶されている、上記特定した連絡対象者の通知要否情報に基づき、上記連絡対象者に対して回答情報に基づく安否確認結果の通知を要するか否かを判別する処理と、
上記通知要否の判別の結果、上記連絡対象者に対して安否確認結果の通知を要する場合に、上記特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、上記受信した回答情報に基づく安否確認結果を送信する処理と、を実行する、
ことを特徴とする安否確認方法。
【請求項8】
安否確認対象者が利用する通信機器と、公衆回線網を介して音声通話可能に構成されると共に、当該安否確認対象者の安否情報を受け取る連絡対象者が利用する連絡対象者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号とを関連付けて記憶する安否確認対象者情報記憶手段と、
上記安否確認対象者の安否を問う質問情報と、当該質問情報に対する複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号とを関連付けて記憶する質問情報記憶手段と、
上記安否確認対象者を識別する安否確認対象者識別情報と、上記安否確認対象者の安否情報を通知する連絡対象者を識別する連絡対象者識別情報と、上記安否確認対象者の通信機器から、上記安否確認対象者の安否を問う質問情報に対する回答情報として、上記複数の回答候補ごとに割り当てられた押しボタン信号のいずれを受信、あるいは受信しなかったときに、上記連絡対象者に対して当該回答情報に基づく安否情報の通知を要するか否かを示す通知要否情報と、を関連付けて記憶する連絡対象者情報記憶手段と、を有するコンピュータを、
当該安否確認対象者の安否情報を当該連絡対象者に通知するための安否確認装置として機能させるためのプログラムであって、
所定の時刻に、上記安否確認対象者情報記憶手段及び上記質問記憶手段を参照して、上記安否確認対象者の通信機器の電話番号に自動ダイヤルし、質問情報を発信する処理と、
上記安否確認対象者の通信機器から、質問情報に対する回答情報として、上記安否確認対象者の任意選択による回答候補の押しボタン信号を受信する処理と、
上記連絡対象者情報記憶手段を参照して、上記回答情報を受信した安否確認対象者と関連付けて記憶されている連絡対象者を特定する処理と、
上記回答情報として受信した押しボタン信号と、上記連絡対象者情報記憶手段に記憶されている、上記特定した連絡対象者の通知要否情報に基づき、上記連絡対象者に対して回答情報に基づく安否確認結果の通知を要するか否かを判別する処理と、
上記通知要否の判別の結果、上記連絡対象者に対して安否確認結果の通知を要する場合に、上記特定した連絡対象者の連絡対象者端末に対し、上記受信した回答情報に基づく安否確認結果を送信する処理と、を実行する、
コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−95091(P2012−95091A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240607(P2010−240607)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(504421419)ピアース株式会社 (2)
【Fターム(参考)】