説明

安定なエアロゾル医薬製剤

本発明は、β-アゴニスト、抗コリン薬又はその組み合わせを、共溶媒、及び任意に界面活性剤と併用してなる安定なエアロゾル医薬製剤を提供する。本発明は、安定なエアロゾル医薬製剤の製造方法、並びに気管支収縮、喘息及び関連状態を本発明の安定なエアロゾル医薬製剤で治療する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
喘息は、世界中で約2000万人から3500万人が罹患している慢性炎症性疾患であり、該患者は、可逆的な気道閉塞の発症に苦しむ。喘息は一般的に、抗炎症薬又は気管支拡張薬により治療される。喘息の治療に有用な抗炎症薬は、コルチコステロイド、肥満細胞安定剤、及びロイコトリエン阻害剤を含む。気管支拡張薬は、β-アゴニスト、抗コリン作用薬、及びメチルキサンチンを含む。β-アゴニストは、運動誘発性喘息を治療するために使用することができる。β-アゴニストは、コルチコステロイド、抗コリン作用薬及びロイコトリエン阻害剤のような他のクラスの薬剤と併用できる。アルブテロールなどのβ-アゴニストと、イプラトロピウムなどの抗コリン作用薬との併用は、該薬剤が、異なる作用機構により気管支拡張を提供することにより、高度に効果的であることが証明されている。
【0002】
多くの喘息薬は、吸入を介して投与される。適切な吸入デバイスは、定量吸入器(「MDI」)、乾燥粉末吸入器及び噴霧器を含む。従来、定量吸入器は、噴霧剤として1種以上の液化クロロフルオロカーボン(「CFC」)を含む。当該物質は、適切な蒸気圧を有し(又は、適切な比率で混合して適切な範囲の蒸気圧を達成することができ)、かつ本質的に無味無臭であるので、そのような用途での使用に適する。
【0003】
そのようなCFC含有定量吸入器の1つはCombivent(登録商標)吸入エアロゾルであり、これは、経口吸入投与用の加圧定量エアロゾルユニット中に、臭化イプラトロピウムと硫酸アルブテロールとの微結晶性懸濁液を含む。
【0004】
環境的懸念に起因して、喘息薬を含む定量吸入器には、CFCの代わりにヒドロフルオロアルカン(「HFA」)噴霧剤を使用することが現在では望ましい。例えば、US20040184994は、水中約0.13〜約0.18%(w/w)の量の製品製剤、噴霧剤として少なくとも1種のHFA、1種以上の活性成分、及び1種以上の賦形剤を含み、その好ましい活性成分がイプラトロピウム及びアルブテロールであり、かつ該賦形剤がクエン酸、エタノール、及びポリビニルピロリドン(「PVP」)である製剤に関する。
【0005】
US20050085445は、定量エアロゾル吸入器組成物に関し、これは、a)少なくとも1種の医薬活性成分、b)少なくとも1種の噴霧剤(好ましい噴霧剤はHFA 227及びHFA 134aである)、c)少なくとも1種の天然型又は修飾型シクロデキストリン、d)少なくとも1種の親水性添加剤、及びe)任意にエタノールを含む。
【0006】
US20050089478は、ホルモテロール及びブデソニドを含み、呼吸疾患の治療に使用するための製剤に関する。該組成物はさらに、HFA-227噴霧剤、PVP並びにポリエチレングリコール(「PEG」)、好ましくはPVP K25及びPEG 1000を含む。
【0007】
しかし、HFA噴霧剤含有MDI製剤は、CFC 噴霧剤含有MDI製剤ほど優れた懸濁液特性をもたない。例えば、HFA噴霧剤と共に、β-アゴニスト硫酸アルブテロール、並びに臭化イプラトロピウム又はチオトロピウムなどの抗コリン薬を含むMDI製剤は、安定な懸濁液ではなく、すぐに沈降するか又はエマルジョンを形成する。
【0008】
この理由のために、HFA噴霧剤を使用して安定な懸濁液を得ることは難しい。結果として、水及びアルコール(エタノール)などの共溶媒が、HFA噴霧剤含有製剤において、β-アゴニスト薬及び抗コリン薬と併用して使用されてきた。残念ながら、これらの共溶媒の使用は、同様に望ましくない活性剤の凝集/粒子サイズの増大などの安定性の問題及び他の課題ももたらす。
【発明の概要】
【0009】
(要旨)
本発明の第1の態様によると:抗コリン薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物;β-アゴニスト薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物;共溶媒;及び、ヒドロフルオロアルカン噴霧剤;を含む医薬製剤が提供される。抗コリン薬は、その医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、又は医薬として許容し得るプロドラッグであってもよい。β-アゴニスト薬は、その医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、又は医薬として許容し得るプロドラッグであってもよい。
【0010】
一実施態様において、共溶媒は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、及びイソプロピルミリストレート(isopropyl myristrate)からなる群から選択される。
【0011】
本製剤は、さらに界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、ポリビニルピロリドン、ソルビタントリオレアート、オレイン酸、クエン酸、及びポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルからなる群から選択することができる。
【0012】
一実施態様において、抗コリン薬は、イプラトロピウム又はチオトロピウム、若しくはその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、あるいは医薬として許容し得る水和物から選択される。代替的に、抗コリン薬は、イプラトロピウム又はチオトロピウム、若しくはその医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、あるいは医薬として許容し得るプロドラッグから選択される。適切には、抗コリン薬はイプラトロピウムである。
【0013】
一実施態様において、β-アゴニストは、アルブテロール、ホルモテロール、レバルブテロール、ピルブテロール及びサルメテロール、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物からなる群から選択される。代替的に、β-アゴニストは、アルブテロール、ホルモテロール、レバルブテロール、ピルブテロール及びサルメテロール、又はその医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグからなる群から選択される。適切には、β-アゴニストはアルブテロールである。
【0014】
別の実施態様において、抗コリン薬は、イプラトロピウム、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物であり、かつβ-アゴニストは、アルブテロール、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物である。代替的に、抗コリン薬は、イプラトロピウム、又はその医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグである。代替的に、β-アゴニストは、アルブテロール、又は医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグである。
【0015】
一実施態様において、共溶媒は、製剤の総重量の約0.05%〜約15%の量で存在する。
【0016】
別の実施態様において、界面活性剤は、製剤の総重量の約0.00001%〜約10%の量で存在する。
【0017】
好ましくは、製剤は、実質的にアルコールを含まない。
【0018】
好ましくは、製剤は、実質的に水を含まない。
【0019】
一実施態様において、製剤は、該製剤の重量に対して約0.1%未満の水を含む。
【0020】
製剤は、臭化イプラトロピウム又はその一水和物、硫酸アルブテロール、約0.05%〜約1%のポリエチレングリコール、約0.00001%〜約0.1%のポリビニルピロリドン、及びヒドロフルオロアルカン噴霧剤を含み得る。
【0021】
本発明の第2の態様によると:抗コリン薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物;β-アゴニスト薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物;ポリソルビン酸;及び、ヒドロフルオロアルカン噴霧剤;を含む医薬製剤が提供される。抗コリン薬は、その医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグであってもよい。β-アゴニスト薬は、その医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグであってもよい。
【0022】
ポリソルビン酸は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、及びポリオキシエチレンソルビタンモノイソステアレートから選択できる。適切には、ポリソルビン酸は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween 20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween 40)、ポリオキシエチレン(40)ソルビタンモノステアレート(Tween 60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート(Tween 80)、及びポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノイソステアレート(Tween 120)から選択できる。適切には、ポリソルビン酸は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートである。
【0023】
一実施態様において、ポリソルビン酸、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートは、製剤の重量に対して約0.05%の量で存在する。
【0024】
別の実施態様において、製剤には共溶媒が存在しない。
【0025】
一実施態様において、抗コリン薬は、イプラトロピウム又はチオトロピウム、若しくはその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、あるいは医薬として許容し得る水和物から選択される。代替的に、抗コリン薬は、イプラトロピウム又はチオトロピウム、若しくはその医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、あるいは医薬として許容し得るプロドラッグから選択される。適切には、抗コリン薬はイプラトロピウムである。
【0026】
一実施態様において、β-アゴニストは、アルブテロール、ホルモテロール、レバルブテロール、ピルブテロール及びサルメテロール、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物からなる群から選択される。代替的に、β-アゴニストは、アルブテロール、ホルモテロール、レバルブテロール、ピルブテロール及びサルメテロール、又はその医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグからなる群から選択される。適切には、β-アゴニストはアルブテロールである。
【0027】
別の実施態様において、抗コリン薬は、イプラトロピウム、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物であり、かつβ-アゴニストは、アルブテロール、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物である。代替的に、抗コリン薬は、イプラトロピウム、又はその医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグである。代替的に、β-アゴニストは、アルブテロール、又はその医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグである。
【0028】
好ましくは、製剤は、実質的にアルコールを含まない。
【0029】
好ましくは、製剤は、実質的に水を含まない。
【0030】
一実施態様において、製剤は、該製剤の重量に対して約0.1%未満の水を含む。
【0031】
本発明の第3の態様によると:(a)ヒドロフルオロアルカン噴霧剤を共溶媒と混合して溶液を形成すること;(b)抗コリン薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物;β-アゴニスト、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物;及び、ヒドロフルオロアルカン噴霧剤;の第1の均質懸濁液を形成すること;並びに、(c)前記第1の均質懸濁液を前記溶液に添加して第2の均質懸濁液を形成すること;を含む、医薬製剤の製造方法が提供される。抗コリン薬は、その医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグであってもよい。β-アゴニスト薬は、その医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグであってもよい。
【0032】
一実施態様において、共溶媒は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、及びイソプロピルミリストレートからなる群から選択される。
【0033】
本方法は、共溶媒に界面活性剤を溶解させることをさらに含み得る。界面活性剤は、ポリビニルピロリドン、ソルビタントリオレアート、オレイン酸、クエン酸、及びポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルからなる群から選択できる。
【0034】
本方法は、本発明のはじめの2つの態様に記載される製剤を製造するための方法であり得る。
【0035】
本発明の第4の態様によると:(a)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートをヒドロフルオロアルカン噴霧剤に溶解させて溶液を形成すること;(b)抗コリン薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物;β-アゴニスト薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、若しくは医薬として許容し得る水和物;及び、ヒドロフルオロアルカン噴霧剤;の第1の均質懸濁液を形成すること;並びに、(c)前記第1の均質懸濁液を前記溶液に添加して第2の懸濁液を形成すること;を含む、医薬製剤の製造方法が提供される。抗コリン薬は、その医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグであってもよい。β-アゴニスト薬は、その医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグであってもよい。
【0036】
本方法は、本発明のはじめの2つの態様に記載される製剤を製造するための方法であり得る。
【0037】
本発明の第5の態様によると、請求項1〜18のいずれか1項記載の製剤、及び重合体で被覆された小型容器(canister)を含む定量吸入器が提供される。重合体は、フルオロカーボン重合体、エポキシ共重合体、及びエチレン共重合体からなる群から選択できる。
【0038】
一実施態様において、定量吸入器は、封入ガスケット(sealing gasket)をさらに含む。封入ガスケットは、ブチルエラストマーを含み得る。
【0039】
本発明の第6の態様によると、気管支収縮、気管支痙攣、喘息、及び関連障害の治療方法が提供され、これは、その必要のある患者に、先に記載した製剤の有効量を投与することを含む。
【0040】
本発明の第7の態様によると、医療における先に記載した製剤の使用が提供される。
【0041】
本発明の第8の態様によると、気管支収縮、気管支痙攣、喘息、及び関連障害を治療するための薬剤の製造における、先に記載した製剤の使用が提供される。
【0042】
それゆえ、本発明は、HFA噴霧剤と共に安定な賦形剤を伴う医薬活性剤を含む、安定な定量吸入器(「MDI」)製剤を提供する。驚くべきことに、特定の活性成分と特定の賦形剤との併用は、安定なMDI製剤を提供することを見出した。該活性成分は、抗コリン薬及びβ-アゴニスト薬である。該特定の賦形剤は、アルコール以外の共溶媒であって、ポリエチレングリコール(「PEG」)、プロピレングリコール、イソプロピルミリストレート又はグリセロールのようなものであり、任意に、界面活性剤、HFA噴霧剤、及び他の適切な賦形剤と併用される。本発明の製剤は、凝集体を形成しない。本発明は、定量吸入製剤の製造プロセスも提供する。一実施態様において、共溶媒はアルコールではない。別の実施態様において、共溶媒は水ではない。
【0043】
追加的な共溶媒なしで、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、及びHFA噴霧剤、並びに他の適切な賦形剤が、特定の活性成分を含む安定な製剤を提供することもまた、驚くべき発見である。
【0044】
本発明は、気管支収縮、気管支痙攣、喘息、及びその関連障害の治療方法も提供し、該方法は、その必要のある患者に、本発明による定量吸入製剤の有効量を投与することを含む。
【0045】
本発明の他の態様は、詳細な説明、及び実施例の考察から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0046】
(詳細な説明)
本発明は、安定なエアロゾル医薬製剤を提供する。より具体的には、安定なエアロゾル医薬製剤は、医薬活性剤を、ヒドロフルオロアルカン(「HFA」)噴霧剤及び他の適切な賦形剤との併用で含む。
【0047】
先に検討したように、エアロゾル製剤は、従来、CFC噴霧剤を含んでいた。環境的配慮に起因して、HFA噴霧剤は現在、CFC噴霧剤よりも好ましい。当業者に理解されるように、本発明における使用のための適切なHFA噴霧剤は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134a)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)を含むが、これらに限定されない。
【0048】
本発明の製剤は、MDIにおける使用に適する。MDIはコンパクトな薬物送達系であり、液化噴霧剤を使用して、正確に一定容量の医薬製剤を、患者の肺に深く浸透するのに十分小さい粒子へと微粒化する。MDIは、治療効果の所望部位、すなわち肺への薬剤の標的化送達を可能にする。
【0049】
本発明の製剤は、ポリエチレングリコール(「PEG」)、プロピレングリコール、イソプロピルミリストレート又はグリセロールなどの共溶媒も含む。適切には、共溶媒は、PEG 200又はPEG 400などの液体形態のPEGである。共溶媒は、製剤の重量に対して約0.05%〜約15%の範囲で存在し得る。適切には、共溶媒は、製剤の重量に対して約0.05%〜約1%又は約0.05%〜約0.3%の範囲で存在する。
【0050】
さらに、任意の界面活性剤が共溶媒と共に使用される場合、該界面活性剤が懸濁液の均質性を維持し、MDIのバルブの滑らかな動きのための滑剤としても作用することも見出した。適切な界面活性剤は、ポリビニルピロリドン(「PVP」)、ソルビタントリオレアート、オレイン酸、クエン酸、及びポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(Brij 30(登録商標))を含むが、これらに限定されない。適切には、界面活性剤は、PVP K25又はPVP K30若しくはPVP K17などのPVPである。界面活性剤は、製剤の重量に対して約0.00001%〜約10%の範囲で存在し得る。適切には、界面活性剤は、製剤の重量に対して約0.00001%〜約0.1%又は約0.0001%〜約0.01%の範囲で存在する。
【0051】
適切には、本発明の製剤は、実質的に水及びアルコールを含まない。用語「実質的に含まない」は、製剤が、該製剤の重量に対して約5%未満の水又はアルコールを含むことを意味する。製剤は、約3%未満の水又はアルコールを含み得る。好ましくは、製剤は、約1%未満、より好ましくは約0.5%未満、さらにより好ましくは約0.1%未満、さらにより好ましくは約0.05%未満の水又はアルコールを含む。最も好ましくは、本発明の製剤は、水又はアルコールを含まない。
【0052】
本発明はさらに、抗コリン薬、β-アゴニスト薬、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、及びヒドロフルオロアルカン噴霧剤を含む医薬製剤を提供する。ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートは、製剤の重量に対して約0.00001%〜約10%の範囲で存在し得る。適切には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートは、製剤の重量に対して約0.00001%〜約0.1%又は約0.0001%〜約0.001%の範囲で存在する。最も適切には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートは、製剤の重量に対して約0.05%の量で存在する。
【0053】
本発明の製剤に有用な医薬活性剤は、β-アゴニスト薬及び抗コリン薬のクラスから選択される1種以上の薬剤を含む。用語「β-アゴニスト薬」又は「β-アゴニスト」若しくは「抗コリン薬」は、β-アゴニスト又は抗コリン薬それ自体のみならず、それらの医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、及び医薬として許容し得る水和物も含む広い意味で使用される。また、「β-アゴニスト薬」又は「β-アゴニスト」若しくは「抗コリン薬」が、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る多形体、医薬として許容し得るプロドラッグなども含み得ることも認識されるであろう。
【0054】
本発明の製剤に有用なβ-アゴニスト薬は、アルブテロール、ホルモテロール、レバルブテロール、ピルブテロール及びサルメテロールを含むが、これらに限定されない。アルブテロールの国際名はサルブタモールである。β-アゴニストの適切な医薬として許容し得る塩は、塩酸塩、硫酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、及びクエン酸塩を含むが、これらに限定されない。適切には、β-アゴニストは、アルブテロール又は硫酸アルブテロールである。
【0055】
本発明の製剤に有用な抗コリン薬は、イプラトロピウム及びチオトロピウムを含むが、これらに限定されない。抗コリン薬の適切な医薬として許容し得る塩は、臭化物、塩化物、及びヨウ化物などのハロゲン化物塩を含むが、これらに限定されない。適切には、抗コリン薬は、イプラトロピウム又は臭化イプラトロピウム若しくは臭化イプラトロピウム一水和物である。
【0056】
適切には、製剤中のβ-アゴニストはアルブテロールであり、かつ抗コリン薬はイプラトロピウム又は臭化イプラトロピウム若しくは臭化イプラトロピウム一水和物である。代替的に、製剤中のβ-アゴニストは硫酸アルブテロールであり、かつ抗コリン薬はイプラトロピウム又は臭化イプラトロピウム若しくは臭化イプラトロピウム一水和物である。
【0057】
本発明は、本発明による安定なエアロゾル製剤の製造方法も提供する。使用する場合、界面活性剤は共溶媒に溶解させる。結果として生じた溶液をそれから、HFA噴霧剤と混合する。界面活性剤を使用しない場合、共溶媒はHFA噴霧剤と混合する。医薬活性剤を追加的なHFA噴霧剤と均質化し、均質懸濁液を形成させる。活性成分の均質懸濁液と、共溶媒及びHFA噴霧剤の溶液とを混合して、第2の均質懸濁液を形成させる。均質な第2の懸濁液をそれから、定量吸入器としての使用に適切な予め圧着された小型容器(precrimped canister)又は他の容器に入れる。
【0058】
例えば界面活性剤PVP K25を、共溶媒PEG200又はPEG400に溶解させ、透明溶液を作製する。ある量のHFA-227噴霧剤を、該透明溶液に添加する。臭化イプラトロピウム及び硫酸アルブテロール、並びに追加的なHFA-227噴霧剤の第1の均質懸濁液を調製する。第1の均質懸濁液を、PVP K25、PEG200又はPEG400及びHFA-227の溶液に添加して、第2の均質懸濁液を形成させる。結果として生じた第2の懸濁液をそれから、定量吸入器としての使用に適切な予め圧着された小型容器又は他の容器に入れる。
【0059】
本発明はさらに、気管支収縮、気管支痙攣、喘息、及びその関連障害の治療方法を提供し、これは、それを必要とする患者に、本発明による安定なエアロゾル製剤を投与することを含む。関連障害には、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎及び気腫を含むが、これらに限定されない。
【0060】
本発明の製剤は、1投与につき定量バルブから1種以上の活性剤、例えば2種、3種又は4種の活性剤を、1日あたり1回、2回、3回若しくは4回投与して、気管支収縮、喘息、及びその関連障害を治療することができる。約12回までの本発明の医薬製剤の吸入は、24時間ごとに投与できる。
【0061】
適切には、定量バルブの各動作は、臭化イプラトロピウム一水和物などの約21μgの抗コリン薬、及び硫酸アルブテロールなどの約120μgのβ-アゴニスト薬を定量吸入器から送達する。適切には、各容器又は定量吸入器小型容器は、約200回の吸入分を含む。当業者には承知のように、用量は、活性剤の使用の治療方針、並びに患者の年齢及び状態によって調整できる。
【0062】
発明者らは、いくつかのエアロゾル薬剤が、MDIの内部表面、すなわち缶及びバルブの壁に接着する傾向があることに気づいた。これは、MDIのそれぞれの活性剤について、先に記載したよりも著しく少ない量の活性剤を得る患者をもたらし得る。適切な重合体で容器の内部表面を被覆することは、この接着の問題を低減できる。適切な被覆剤は、FEP-PES (フッ化エチレンプロピレン及びポリエーテルサルフォン)及びPFA-PES (パーフルオロアルコキシアルカン及びポリエーテルサルフォン)などのフルオロカーボン共重合体、エポキシ並びにエチレンを含むが、これらに限定されない。
【0063】
また、貯蔵の間、水分が、主にバルブの圧着部分を介して、及び拡散によって基部を介してMDIに進入し得る。MDIに進入する水分量を低減するために、定量バルブは適切にはブチルエラストマーからなる。
【0064】
置換及び修飾を変更することが、本発明の精神から逸脱せずに本明細書に開示される発明においてなされ得ることは、当業者に容易に認識されるであろう。それゆえ、本発明は好ましい実施態様及び任意の特徴について具体的に開示されているが、本明細書に開示の概念の修飾及び変更が当業者への助けとなり得ること、及びそのような修飾及び変更が本発明の範囲内に含まれると考えられることは理解されるべきである。
【0065】
以下の実施例は、本発明の例示目的のみのためであり、決して本発明の範囲を限定することを意図しない。
【実施例】
【0066】
(実施例1)
以下に一覧化する製剤1〜18を、以下の様式で調製した。
【0067】
界面活性剤を、10分間、超音波処理/均質化することによって共溶媒に溶解させた。この溶液を、該処理単位に必要とされる噴霧剤の総量のおよそ10%〜15%を含む混合容器内で10〜25分間混合した。界面活性剤を使用しなかった場合、共溶媒のみを噴霧剤と混合した。
【0068】
活性剤を、該処理単位に必要とされる噴霧剤の総量のおよそ5%〜15%を含む分離破砕機内で均質化した。均質化速度及び時間は、1000〜1500RPMの範囲で15〜30分間であった。結果として生じた均質懸濁液を、2つのダイアフラムポンプを介して、破砕機から混合容器へと移した。噴霧剤の残量をそれから混合容器に加えた。
【0069】
懸濁液をそれから、200〜300RPMで20分以上の定常撹拌下で混合し、2つのダイアフラムポンプを介して再循環させ続けた。
【0070】
製剤1
【表1】

【0071】
製剤2
【表2】

【0072】
製剤3
【表3】

【0073】
製剤4
【表4】

【0074】
製剤5
【表5】

【0075】
製剤6
【表6】

【0076】
製剤7
【表7】

【0077】
製剤8
【表8】

【0078】
製剤9
【表9】

【0079】
製剤10
【表10】

【0080】
製剤11
【表11】

【0081】
製剤12
【表12】

【0082】
製剤13
【表13】

【0083】
製剤14
【表14】

【0084】
製剤15
【表15】

【0085】
製剤16
【表16】

【0086】
製剤17
【表17】

【0087】
製剤18
【表18】

【0088】
(実施例2)
以下に一覧化した製剤19は、以下の様式で調製した。
【0089】
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween 20)をTFA噴霧剤に溶解し、溶液を形成した。活性成分を、追加的なHFA噴霧剤と共に均質化した。前記溶液をそれから活性成分の均質懸濁液及びHFAと共に混合し、第2の均質懸濁液を形成した。該第2の懸濁液を、MDIとしての使用に適切な予め圧着した小型容器又は他の容器に入れた。該製剤は、良好な安定性を示した。
【0090】
製剤19
【表19】

【0091】
(実施例3)
実施例1において先に記載したプロセスに従って製造した製剤は、安定性について試験した。安定性は、顕微鏡を使用して、活性成分の粒子サイズを解析することにより測定した。結果を以下の表1に示す。
【0092】
例1〜4は、先行技術の製剤を例示する。例5〜7は、本発明の製剤を例示する。
【0093】
例1〜4における粒子サイズの増加は、該活性成分が、本発明の製剤中の活性成分の安定性と比較して、先行技術の製剤においてより安定ではなかったことを示した。
【表20】


【0094】
本明細書で使用する語法及び専門用語は説明のためのものであって、限定とみなされるべきではないことは理解されるべきである。本明細書において、「含む(including)」、「含む(comprising)」又は「有する(having)」、及びそのバリエーションは、後に一覧化される項目、及びその同等物、並びに追加の項目を含むことを意味する。
【0095】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用しているように、単数形「a」、「an」及び「the」は、他にはっきりと指示しない限り、複数の言及を含むことには留意しなければならない。それゆえ、例えば、「噴霧剤(a propellant)」への言及は、1種類の噴霧剤に加えて2種類以上の別の噴霧剤を含み、「共溶媒(cosolvent)」への言及は、1種類の共溶媒、又は2種類以上の共溶媒の組み合わせをいう、などである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗コリン薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグ;β-アゴニスト薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグ;共溶媒;及び、ヒドロフルオロアルカン噴霧剤;を含む、医薬製剤。
【請求項2】
前記共溶媒が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、及びイソプロピルミリストレートからなる群から選択される、請求項1記載の製剤。
【請求項3】
界面活性剤をさらに含む、請求項1又は2記載の製剤。
【請求項4】
前記界面活性剤が、ポリビニルピロリドン、ソルビタントリオレアート、オレイン酸、クエン酸、及びポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルからなる群から選択される、請求項3記載の製剤。
【請求項5】
前記抗コリン薬が、イプラトロピウム又はチオトロピウム、若しくはその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、あるいは医薬として許容し得るプロドラッグから選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の製剤。
【請求項6】
前記抗コリン薬がイプラトロピウムである、請求項5記載の製剤。
【請求項7】
前記β-アゴニストが、アルブテロール、ホルモテロール、レバルブテロール、ピルブテロール及びサルメテロール、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項記載の製剤。
【請求項8】
前記β-アゴニストがアルブテロールである、請求項7記載の製剤。
【請求項9】
前記抗コリン薬が、イプラトロピウム、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグであり、かつβ-アゴニストが、アルブテロール、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグである、請求項1〜4のいずれか1項記載の製剤。
【請求項10】
前記共溶媒が、該製剤の総重量に対して約0.05%〜約15%の量で存在する、請求項1〜9のいずれか1項記載の製剤。
【請求項11】
前記界面活性剤が、該製剤の総重量に対して約0.00001%〜約10%の量で存在する、請求項3記載の製剤。
【請求項12】
前記製剤が、実質的にアルコールを含まない、請求項1〜11のいずれか1項記載の製剤。
【請求項13】
前記製剤が、実質的に水を含まない、請求項1〜12のいずれか1項記載の製剤。
【請求項14】
前記製剤の重量に対して約0.1%未満の水を含む、請求項1〜13のいずれか1項記載の製剤。
【請求項15】
臭化イプラトロピウム又はその一水和物、硫酸アルブテロール、約0.05%〜約1%のポリエチレングリコール、約0.00001%〜約0.1%のポリビニルピロリドン、及びヒドロフルオロアルカン噴霧剤を含む、請求項1記載の製剤。
【請求項16】
抗コリン薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグ;β-アゴニスト薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグ;ポリソルビン酸;及び、ヒドロフルオロアルカン噴霧剤;を含む、医薬製剤。
【請求項17】
前記ポリソルビン酸が、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート、及びポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノイソステアレートから選択される、請求項16記載の製剤。
【請求項18】
前記ポリソルビン酸が、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートである、請求項16又は17記載の製剤。
【請求項19】
前記ポリソルビン酸が、前記製剤の重量に対して約0.05%の量で存在する、請求項16、17又は18記載の製剤。
【請求項20】
前記製剤に共溶媒が存在しない、請求項16〜19のいずれか1項記載の製剤。
【請求項21】
(a)ヒドロフルオロアルカン噴霧剤を共溶媒と混合して溶液を形成すること;
(b)抗コリン薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグ;β-アゴニスト薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグ;及び、ヒドロフルオロアルカン噴霧剤;の第1の均質懸濁液を形成すること;並びに、
(c)前記第1の均質懸濁液を前記溶液に添加して、第2の均質懸濁液を形成すること;を含む、医薬製剤の製造方法。
【請求項22】
前記共溶媒が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、及びイソプロピルミリストレートからなる群から選択される、請求項21記載の製造方法。
【請求項23】
界面活性剤を前記共溶媒に溶解させることをさらに含む、請求項21又は22記載の製造方法。
【請求項24】
前記界面活性剤が、ポリビニルピロリドン、ソルビタントリオレアート、オレイン酸、クエン酸、及びポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルからなる群から選択される、請求項23記載の製造方法。
【請求項25】
(a)ポリソルビン酸をヒドロフルオロアルカン噴霧剤に溶解させて溶液を形成すること;
(b)抗コリン薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグ;β-アゴニスト薬、又はその医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、若しくは医薬として許容し得るプロドラッグ;及び、ヒドロフルオロアルカン噴霧剤;の第1の均質懸濁液を形成すること;並びに、
(c)前記第1の均質懸濁液を前記溶液に添加して第2の懸濁液を形成すること;を含む、医薬製剤の製造方法。
【請求項26】
前記ポリソルビン酸が、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート、及びポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノイソステアレートから選択される、請求項25記載の製造方法。
【請求項27】
前記ポリソルビン酸が、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートである、請求項25又は26記載の製造方法。
【請求項28】
請求項1〜20のいずれか1項記載の製剤、及び重合体で被覆された小型容器を含む、定量吸入器。
【請求項29】
前記重合体が、フルオロカーボン重合体、エポキシ共重合体、及びエチレン共重合体からなる群から選択される、請求項28記載の定量吸入器。
【請求項30】
封入ガスケットをさらに含む、請求項28又は29記載の定量吸入器。
【請求項31】
前記封入ガスケットが、ブチルエラストマーを含む、請求項30記載の定量吸入器。
【請求項32】
気管支収縮、気管支痙攣、喘息、及び関連障害の治療方法であって、請求項1〜20のいずれか1項記載の製剤の有効量を、その必要のある患者に投与することを含む、前記治療方法。
【請求項33】
医療における、請求項1〜20のいずれか1項記載の製剤の使用。
【請求項34】
気管支収縮、気管支痙攣、喘息、及び関連障害の治療用薬剤の製造における、請求項1〜20のいずれか1項記載の製剤の使用。

【公表番号】特表2009−539958(P2009−539958A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514892(P2009−514892)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002183
【国際公開番号】WO2007/144604
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(508364015)メドイスプライ ラボラトリエス ピーブイティー.エルティーディー (1)
【Fターム(参考)】