説明

安息香酸アリールアルキル誘導体およびビス−レソルシニルトリアジン化合物を用いたジベンゾイルメタン誘導体を光防護する方法、ならびに光防護組成物

【課題】 本発明は、ジベンゾイルメタン誘導体を、紫外線放射に対して光防護する方法に関し、ジベンゾイルメタン誘導体のUV光線に対する安定を改良した局所的使用のための化粧品組成物または皮膚科学的組成物に関する。
【解決手段】 ジベンゾイルメタン誘導体のUV光線に対する安定を改良するために、少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体を含む化粧用または皮膚科学的組成物において、安息香酸アリールアルキル誘導体およびビス-レソルシニルトリアジン化合物を使用する。ジベンゾイルメタン誘導体のUV光線に対する安定を改良した局所的使用のための化粧品組成物または皮膚科学的組成物は、
(a)少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体型のUV-スクリーニング剤、
(b)少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体、および、
(c)少なくとも1つのビス-レソルシニルトリアジン化合物、
を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体および少なくとも1つのビス-レソルシニルトリアジン化合物を用いた、少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体を、紫外線放射に対して光防護する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、また、新規の組成物、特に局所的に使用するための化粧用組成物に関する。
【0003】
280nmと400nmの間の波長をする光の放射は、ヒト表皮のタンニングを可能にし、かつUV-B光線として知られる、より具体的には280nmと320nmの間の波長を有する光線は、自然な小麦色とするのを妨げる皮膚の日焼けおよび紅斑を引き起こすことが知られている。これらの理由と同様に、美的な理由により、皮膚の色を制御するために、自然な日焼けを制御する手段に対する絶え間ない要求が存在する;それゆえ、このUV-B光線は遮蔽されるべきである。
【0004】
320nmと400nmの間の波長を有するUV-A光線は、皮膚のタンニングを引き起こし、特に敏感の皮膚の場合または太陽光放射に絶えず暴露している皮膚の場合、皮膚に悪影響をもたらす傾向がある。UV-A光線は、特に皮膚の弾力性の損失およびしわの出現を引き起こし、早期皮膚老化をもたらす。UV-A光線は、紅斑反応の誘発を促進しまたはある種の個人においては紅斑反応を増幅させ、かつ光毒性または光アレルギー反応を引き起こす可能性さえある。例えば、皮膚の自然な弾性の保護のような、美的なおよび化粧品的な理由のため、多くの人が、次第に、自身の皮膚に対するUV-A光線の影響を制御することを望むようになっている。したがって、UV-A光線もまた、遮蔽されることが望ましい。
【0005】
UV放射から皮膚およびケラチン物質を保護する目的のために、UV-Aの範囲およびUV-Bの範囲で活性である有機スクリーニング剤を含む日焼け防止組成物が一般的に使用されている。これらのスクリーニング剤の大部分は、親油性である。
【0006】
この点において、UV-Aスクリーニング剤の1つの特に有用なファミリーは、現在のところ、ジベンゾイルメタン誘導体であり、特に、高い固有の吸収能を有する、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンである。UV-Aの範囲で活性であるスクリーニング剤として現在良く知られている製品である、これらのジベンゾイルメタン誘導体は、特に、仏国特許出願FR-A-2 326 405およびFR-A-2 440 933と、欧州特許出願EP-A-0 114 607に記載されている;更に、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンは、現在、「Parsol 1789」の商品名でRoche Vitaminsにより販売されている。
【0007】
不幸なことに、ジベンゾイルメタン誘導体は、紫外線放射(特にUV-A)に対して比較的に影響を受けやすい製品であり、すなわち、より具体的には、このUVの活性下で多かれ少なかれ迅速に分解するという悩ましい傾向を有することが見出されている。それゆえ、紫外線放射(本来曝されることを意図しているわけであるが)への、ジベンゾイルメタン誘導体の光化学的安定性の実質的な欠如により、太陽への長い曝露にわたっての一定の保護を保障することはできない。それゆえ、UV光線に対する皮膚の効果的な保護を得るために、使用者は、定期的に短い時間間隔で繰り返し塗布しなければならない。
【0008】
ジベンゾイルメタン誘導体は、油可溶性の固体スクリーニング剤である。これらのUV-スクリーニング剤を効果的に溶かすことができる油には、安息香酸アルキル、特に安息香酸C12/C15アルキル、例えばWitcoにより製造・販売されている市販製品Finsolv TnまたはWitconol APMが知られている。
【0009】
しかしながら、これまでに知られている安息香酸アルキルは、UV放射に対するジベンゾイルメタン誘導体の光安定性の問題を解決しない。
【特許文献1】特許出願FR-A-2 326 405
【特許文献2】特許出願FR-A-2 440 933
【特許文献3】特許出願EP-A-0 114 607
【特許文献4】特許PL 55230
【特許文献5】特許出願EP-A-0 775 698
【特許文献6】特許EP 669 323
【特許文献7】特許US 2 463 264
【特許文献8】特許出願US 5 237 071
【特許文献9】特許出願US 5 166 355
【特許文献10】特許出願GB 2 303 549
【特許文献11】特許出願DE 197 26 184
【特許文献12】特許出願EP 893 119
【特許文献13】特許出願EP 0 832 642
【特許文献14】特許出願EP 1 027 883
【特許文献15】特許出願EP 1 300 137
【特許文献16】特許出願DE 101 62 844
【特許文献17】特許出願WO 93/04665
【特許文献18】特許出願DE 198 55 649
【特許文献19】特許出願EP 0 967 200
【特許文献20】特許出願DE 197 46 654
【特許文献21】特許出願DE197 55 649
【特許文献22】特許出願EP-A-1 008 586
【特許文献23】特許出願EP 1 133 980
【特許文献24】特許出願EP 133 981
【非特許文献1】Cosmetics & Toiletries、February 1990、Vol.105、53〜64頁
【特許文献25】GB-A-2 206 339
【特許文献26】WO-A-92/06778
【非特許文献2】Bangham、Standish and Watkins、J. Mol. Biol.、13、238 (1965)
【特許文献27】FR 2 315 991
【特許文献28】FR 2 416 008
【特許文献29】特許US 4 077 441
【特許文献30】特許US 4 850 517
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この度、出願人は、驚いたことに、前記したジベンゾイルメタン誘導体を、効果的な量の安息香酸アリールアルキル誘導体およびビス-レソルシニルトリアジン化合物と組み合わせることによって、これら同じジベンゾイルメタン誘導体の光化学安定性(または光安定性)を実質的に顕著な程度に改良することができることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この最も重要な発見が本発明の基礎をなしている。
【0012】
それゆえ、この度、本発明の課題の1つにしたがって、少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体のUV放射に対する安定性を改良するための方法を提案する。この方法は、前記ジベンゾイルメタン誘導体を、少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体および少なくとも1つのビス-レソルシニルトリアジン化合物と組み合わせることからなる。
【0013】
本発明のもう1つの課題は、
(a)少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体型のUV-スクリーニング剤、
(b)少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体、および、
(c)少なくとも1つのビス-レソルシニルトリアジン化合物、
を、化粧品的に許容できる支持体中に含むことを特徴とする、局所的使用のための化粧用組成物または皮膚科学的組成物に関する。
【0014】
最後に、本発明の課題は、また、UV光線に対するジベンゾイルメタン誘導体の安定性を改良するための、少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体を含む化粧用組成物または皮膚科学的組成物における、安息香酸アリールアルキルの使用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の他の性質、側面および利点は、以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【0016】
特に挙げることができるジベンゾイルメタン誘導体は、非制限的であるが、
− 2-メチルジベンゾイルメタン
− 4-メチルジベンゾイルメタン
− 4-イソプロピルジベンゾイルメタン
− 4-tert-ブチルジベンゾイルメタン
− 2,4-ジメチルジベンゾイルメタン
− 2,5-ジメチルジベンゾイルメタン
− 4,4’-ジイソプロピルジベンゾイルメタン
− 4,4’-ジメトキシジベンゾイルメタン
− 4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2-メチル-5-イソプロピル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2-メチル-5-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2,4-ジメチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2,6-ジメチル-4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
である。
【0017】
前記のジベンゾイルメタン誘導体の中では、下記の式:
【0018】
【化1】

【0019】
に対応する化合物であって、「Eusolex 8020」の名でMerckにより販売されている、4-イソプロピルジベンゾイルメタンを特に使用することができる。
【0020】
特に具体的には、「Parsol 1789」の商品名でRoche Vitaminsにより販売されている、4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンすなわちブチル メトキシ ジベンゾイルメタンが好ましい;このスクリーニング剤は、下記の式:
【0021】
【化2】

【0022】
に相当する。
【0023】
ジベンゾイルメタン誘導体は、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して好ましくは0.01重量%から10重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%から6重量%の範囲の濃度で存在することができる。
【0024】
本発明の安息香酸アリールアルキル誘導体は、好ましくは下記の式(I)または(II)の安息香酸アリールアルキル誘導体から選択される:
【0025】
【化3】

【0026】
[式中、
Xは、O、SまたはNを示し、
nは1から10、より好ましくは2から6の整数であり、
R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基(好ましくはメトキシまたはエトキシ)、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示し、
R3、R4およびR5は、同一でも異なっていてもよく、式:
【0027】
【化4】

【0028】
(式中、
nは上述と同一の意味を有し;R6は、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基(好ましくはメトキシまたはエトキシ)、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示す)
の基を示す]。
【0029】
本発明の安息香酸アリールアルキル誘導体およびその合成は、以前より化学文献、特に特許PL 55230において知られている。
【0030】
前述の安息香酸アリールアルキル誘導体の中で、式:
【0031】
【化5】

【0032】
の安息香酸2-フェニルエチル、例えばISP社により販売されているX-Tend 226(登録商標)などの市販品、がより好ましくは用いられるであろう。
【0033】
本発明の安息香酸アリールアルキル誘導体は、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して0.1重量%から40重量%、より好ましくは0.1重量%から30重量%の範囲の濃度で存在することができる。
【0034】
本発明によるビス-レソルシニルトリアジン化合物は、下記の式(III)に相当する:
【0035】
【化6】

【0036】
[式中、
(i)R1基およびR2基は、同一でも異なっていてもよく、C3〜C18アルキル基、C2〜C18アルケニル基または-CH2-CH(OH)-CH2-OT1{式中、T1は、水素原子またはC1〜C8アルキル基である}を示し、
(ii)R1基およびR2基は、同一でも異なっていてもよく、下記の式(1):
【0037】
【化7】

【0038】
{式中、
− R6は、共有結合、直鎖または分枝状C1〜C4アルキル基または-Cm1H2m1-O-(式中、m1は1から4の数である)を示し、
− p1は0から5の数であり、
− R7基、R8基およびR9基は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アルコキシ基または式:
【0039】
【化8】

【0040】
(式中、R10はC1〜C5アルキル基である)を示す}の基も示すことができ、
− A1は、下記の式:
【0041】
【化9】

【0042】
{式中、
− R3は、水素原子、C1〜C10アルキル基、式:-(CH2CHR5-O)n1R4(式中、n1は、1から16の数である)の基、または上述と同一の意味のT1を有する構造CH2-CH-(OH)-CH2OT1の基を示し、
− R4は、水素、金属カチオンM、C1〜C5アルキル基、または式-(CH2)m2-OT1(式中、m2は1から4の数であり、T1は上述と同一の意味を有する)の基を示し、
− Q1は、C1〜C18アルキル基である}の1つに相当する基を示す]。
【0043】
前記した式(III)および(1)から(5)において、
− アルキル基は、直鎖または分枝状であり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、アミル、イソアミル、tert-アミル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルから選択することができ、
− アルケニル基は、例えば、アリル、メタリル、イソプロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、イソブテニル、n-ペンタ-2,4-ジエニル、3-メチルブタ-2-エニル、n-オクタ-2-エニル、n-ドデカ-2-エニル、イソドデセニルおよびn-オクタデカ-4-エニルから選択することができ、
− アルコキシ基は、直鎖または分枝状であり、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、アミロキシ、イソアミロキシおよびtert-アミロキシから選択することができ、
− C1〜C5モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ基は、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、n-ブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノおよびメチルエチルアミノから選択することができ、
− 金属カチオンは、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、銅および亜鉛から選択されるアルカリ金属、アルカリ土類金属または金属カチオンである。
【0044】
本発明の式(II)のビス-レソルシニルトリアジン誘導体は、それ自身既に知られているスクリーニング剤である。それらは特許出願EP-A-0 775 698に記載されており、その出願において示された合成によって調製される。
【0045】
使用することができる式(II)の化合物の例として、
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[4-(2-メトキシエチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2’’-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’-ヘプタメチルトリシロキシ-2’’-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[(4-エチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン;
を挙げることができる。
【0046】
より特に本発明に好ましいビス-レソルシニルトリアジン由来化合物は、
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-トリス(2-トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’-ヘプタメチルトリシロキシ-2’’-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
から選択される。
【0047】
より具体的には、「Tinosorb S」の商品名でCiba Geigyにより販売されている製品のような、化合物2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、すなわちビス-エチルヘキシルオキシフェノール メトキシフェニル トリアジン(INCI名)を使用するであろう。
【0048】
式(III)のビス-レソルシニルトリアジン化合物は、一般的には、本発明のスクリーニング組成物中に、組成物の全重量に対して0.1重量%から20重量%、より好ましくは1重量%から10重量%、より具体的には2重量%から8重量%の範囲の濃度で存在する。
【0049】
本発明に従えば、安息香酸アリールアルキル誘導体/ビス-レソルシニルトリアジンの光安定性混合物は、任意の組成物中のジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を感知できる程度に顕著に改良することができる十分な量で使用されるであろう。この光安定化因子の最少量は、組成物の最初に存在するジベンゾイルメタンの量によって、および、組成物のために導入された化粧品的に許容できる支持体の性質によって変化する。それは、光安定を測定する標準的な試験によって、如何なる困難性もなしに求めることができる。
【0050】
本発明の組成物はまた、水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である他の追加のUVA-活性および/またはUVB-活性の有機または無機光防護剤をも含む。
【0051】
追加の有機光防護剤は、特許EP 669 323およびUS 2 463 264に記載されているような、アントラニルレート、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、カンファー誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリル酸誘導体、ビス-レソルシニルトリアジン型のトリアジン誘導体以外のトリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロネート誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾリン、ビスベンザゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;特許出願US 5 237 071、US 5 166 355GB 2 303 549DE 197 26 184EP 893 119に記載されているような、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;特許出願EP 0 832 642、EP 1 027 883、EP 1 300 137およびDE 101 62 844に記載されているような、ベンゾキサゾール誘導体;特に特許出願WO 93/04665に記載されているような、スクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン;特許出願DE 198 55 649に記載されているような、α-アルキルスチレン由来のダイマー;特許出願EP 0 967 200、DE 197 46 654、DE197 55 649、EP-A-1 008 586、EP 1 133 980およびEP 133 981に記載されているような、4,4-ジアリールブタジエン、ならびにこれらの混合物から特に選択される。
【0052】
追加の有機スクリーニング剤の例として、言及は以下にINCI名により示したものになされてよい:
(para-アミノ安息香酸誘導体)
PABA、
Ethyl PABA(エチルPABA)、
Ethyl dihidroxypropyl PABA(エチルジヒドロキシプロピルPABA)、
特に「Escalol 507」の名称でISPにより販売されているEthylhexyl dimethyl PABA(エチルヘキシルジメチルPABA)、
Glyceryl PABA(グリセリルPABA)、
「Uvinul P25」の名称でBASFにより販売されているPEG-25 PABA。
(サリチル酸誘導体)
「Eusolex HMS」の名称でRona/EM Industriesにより販売されているHomosalate(ホモサレート)、
「Neo Heliopan OS」の名称でHaarmann and Reimerにより販売されているEthylhexyl salicylate(エチルヘキシルサリチル酸)、
「Dipsal」の名称でScherにより販売されているDipropylene glycol salicylate(サリチル酸ジプロピレングリコール)、
「Neo Heliopan TS」の名称でHaarmann and Reimerにより販売されているTEA salicylate(サリチル酸TEA)。
(β,β-ジフェニルアクリル酸誘導体)
「Uvinul N539」の商品名でBASFにより販売されているOctocrylene(オクトクリレン)、
「Uvinul N35」の商品名でBASFにより販売されているEtocrylene(エトクリレン)。
(ベンゾフェノン誘導体)
「Uvinul 400」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-1(ベンゾフェノン-1)、
「Uvinul D50」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-2(ベンゾフェノン-2)、
「Uvinul M40」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-3(ベンゾフェノン-3)またはOxybenzone(オキシベンゾン)、
「Uvinul MS40」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-4(ベンゾフェノン-4)、
Benzophenone-5(ベンゾフェノン-5)、
「Helisorb 11」の商品名でNorquayにより販売されているBenzophenone-6(ベンゾフェノン-6)、
「Spectra-Sorb UV-24」の商品名でAmerican Cyanamidにより販売されているBenzophenone-8(ベンゾフェノン-8)、
「Uvinul DS-49」の商品名でBASFにより販売されているBenzophenone-9(ベンゾフェノン-9)、
Benzophenone-12(ベンゾフェノン-12)、
n-hexyl 2-(4-diethylamino-2-hydroxybenzoyl)benzoate(n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸。
(ベンジリデンカンファー誘導体)
「Mexoryl SD」の名称でChimexにより製造されている3-Benzylidenecamphor(3-ベンジリデンカンファー)、
「Eusolex 6300」の名称でMerckにより販売されている4-Methylbenzylidenecamphor(4-メチルベンジリデンカンファー)、
「Mexoryl SL」の名称でChimexにより製造されているBenzylidenecamphorsulfonic acid(ベンジリデンカンファースルホン酸)、
「Mexoryl SO」の名称でChimexにより製造されているCamphor benzalkonium methosulfate(カンファーメト硫酸ベンザルコニウム)、
「Mexoryl SX」の名称でChimexにより製造されているTerephtalylidenedicamphorsulfonic acid(テレフタリリデンジカンファースルホン酸)、
「Mexoryl SW」の名称でChimexにより製造されているPolyacrylamidomethylbenzylidenecamphor(ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー)。
(フェニルベンズイミダゾール誘導体)
特に「Eusolex 232」の商品名でMerckにより販売されているPhenylbenzimidazolesulfomic acid(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸)、
「Neo Heliopan AP」の商品名でHaarmann and Reimerにより販売されているDisodium phenyldibenzimidazoletetrasulfonate(フェニルベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム)。
(フェニルベンゾトリアゾール誘導体)
「Silatrizole」の名称でRhodia Chimieにより販売されているDrometrizole trisiloxiane(ドロメトリゾールポリシロキサン)、
「MIXXIM BB/100」の商品名でFairmount Chemicalにより販売されているMethylenebis(benzotriazolyl)tetramethylbutylphenol(メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール)、または「Tinosorb M」の商品名でCiba Specialty Chemicalsにより水性ディスパージョンとして販売されている微粒子形態のもの。
(トリアジン誘導体)
「Uvinul T 150」の商品名でBASF社により販売されているEthylhexyl Triazone(エチルヘキシルトリアゾン)、
「Uvasorb HEB」の商品名でSigma 3Vにより販売されているDiethylhexyl Butamido Triazone(ジエチルヘキブタミドトリアゾン)、
2,4,6-tris(diisobutyl 4’-aminobenzalmalonate)-s-triazine(2,4,6-トリス(ジイソブチル 4’-アミノベンズアルマロネート)-s-トリアジン)。
(アントラニル酸誘導体)
「Neo Heliopan MA」の商品名でHaarmann and Reimerにより販売されているMenthyl anthranilate(アントラニル酸メチル)。
(イミダゾリン誘導体)
Ethylhexyldimethoxybenzylidenedioxoimidazoline propionate(プロピオン酸エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリン)。
(ベンザルマロネート誘導体)
ベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば「Parasol SLX」の商品名でHoffmann LaRocheにより販売されているPolysilicone-15(ポリシリコーン-15)。
(4,4-ジアリールブタジエン誘導体)
1,1-Dicarboxy(2,2'-dimethylpropyl)-4,4-diphenylbutadiene(1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン)。
(ベンゾキサゾール誘導体)
Uvasorb K2Aの名称でSigma 3Vにより販売されている2,4-bis[5-1(dimethylpropyl)benzoxazol-2-yl(4-phenyl)imino]-6-(2-ethylhexyl)imino-1,3,5-triazine(2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン)。
およびこれらの混合物。
【0053】
好ましい追加の有機UVスクリーニング剤は、
ホモサラート、
サリチル酸エチルヘキシル、
オクトクリレン、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
4-メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタマイドトリアゾン
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
ブタジエン、
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
およびこれらの混合物、
から選択される。
【0054】
追加の無機光防護剤は、顔料、さらにより好ましくは、例えば、(非晶質またはルチルおよび/またはアナターゼ型の結晶である)酸化チタンのナノ顔料、または酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムのナノ顔料などの、処理または無処理の金属酸化物のナノ顔料(一次粒子の平均サイズ:一般に5nmと100nmの間、好ましくは10nmと50nmの間)から選択される。
【0055】
処理ナノ顔料は、例えば、Cosmetics & Toiletries、February 1990、Vol.105、53〜64頁に記載されているような、アミノ酸、ミツロウ、脂肪酸、脂肪アルコール、アニオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄またはアルミニウム塩、金属(チタニウムまたはアルミニウム)アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲンまたはエラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、ヘキサメタリン酸ナトリウム、アルミナまたはグリセリンなどの化合物による化学的、電気的、メカノケミカルおよび/または機械的性質の1つまたは複数の表面処理を受けた顔料である。
【0056】
処理ナノ顔料は、より好ましくは、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 SA」および「Microtitanium Dioxide MT 500 SA」、ならびにTioxide社の製品「Tioveil Fin」、「Tioveil OP」、「Tioveil MOTG」および「Tioveil IPM」などのシリカおよびアルミナ、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 T」などの、アルミナおよびステアリン酸アルミニウム、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 S」などの、アルミナおよびラウリン酸アルミニウム、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 F」などの、鉄およびステアリン酸鉄、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 600 SAS」および「Microtitanium Dioxide MT 500 SAS」などの、シリカ、アルミナおよびシリコーン、
− Tayca社の製品「Microtitanium Dioxide MT 150 W」などの、ヘキサメタリン酸ナトリウム、
− Degussa社の製品「T-805」などの、オクチルトリメチルシラン、
− Kemira社の製品「UVT-M160」などのアルミナおよびステアリン酸、
− Kemira社の製品「UVT-M212」などのアルミナおよびグリセリン、
− Kemira社の製品「UVT-M262」などのアルミナおよびシリコーン、
で処理された酸化チタンであってよい。
【0057】
シリコーン処理された他の酸化チタンは、好ましくは、「T 805」の商品名でDegussa Silices社により販売されている製品など、オクチルトリメチルシランで処理され、かつ基本粒子のサイズが25と40nmの間であるTiO2、「70250 Cardre UF TiO2SI3」の商品名でCardre社により販売されている製品など、ポリジメチルシロキサンで処理され、かつ基本粒子のサイズが21nmであるTiO2、「Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic」の商品名でColour Techniques社により販売されている製品など、ポリジメチルハイドロジェンシロキサンで処理され、かつ基本粒子のサイズが25nmであるアナターゼ/ルチルTiO2である。
【0058】
無被覆酸化チタンナノ顔料は、例えば、「Microtitanium Dioxide MT 500 B」または「Microtitanium Dioxide MT 600 B」の商品名でTayca社により、「P 25」の名称でDegussa社により、「Oxyde de titane transparent PW」の名称でWackher社により、「UFTR」の名称でMiyoshi Kaseiにより、「ITS」の名称でTomen社により、および「Tioveil AQ」の名称でTioxide社により、販売されている。
【0059】
無被覆の酸化亜鉛ナノ顔料は、例えば、
− 「Z-Cote」の名称でSunsmart社により販売されているもの、
− 「Nanox」の名称でElementis社により販売されているもの、
− 「Nanogard WCD 2025」の名称でNanophase Technologies社により販売されているもの、
である。
【0060】
被覆酸化亜鉛ナノ顔料は、例えば、
− 「Zinc Oxide CS-5」の名称でToshibi社により販売されているもの(ポリジメチルハイドロジェンシロキサンで被覆されたZnO)、
− 「Nanogard Zinc Oxide FN」の名称でNanophase Technologies社により販売されているもの(Finsolv TN、C12〜C15アルキル安息香酸中40%ディスパージョンとして)
− 「Daitopersion ZN-30」および「Daitopersion ZN-50」の名称でDaito社により販売されているもの(30%または50%のシリカおよびポリメチルハイドロジェンシロキサンで被覆されたナノ酸化亜鉛を含む、シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサンへのディスパージョン)、
− 「NFD Ultrafine ZNO」の名称でDaikin社により販売されているもの(シクロペンタシロキサンへのディスパージョンとしてのパーフルオロアルキルリン酸で被覆されたZnOおよびパーフルオロアルキルエチル系コポリマー)、
− 「SPD-Z1」の名称でShin-Etsu社により販売されているもの(シクロジメチルシロキサンに分散したシリコーングラフト化アクリルポリマーで被覆されたZnO)、
− 「Escalol Z100」の名称でISP社により販売されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコン混合物に分散したアルミナ処理ZnO)、
− 「Fuji ZNO-SMS-10」の名称でFuji Pigment社により販売されているもの(シリカおよびポリメチルシルセスキオキサンで被覆されたZnO)、
− 「Nanox Gel TN」の名称でElementis社により販売されているもの(C12〜C15アルキル安息香酸とヒドロキシステアリン酸との重縮合物中に55%濃度で分散したZnO)、
である。
【0061】
無被覆酸化セリウムナノ顔料は、「Colloidal Cerium Oxide」の名称でRhone-Poulenc社により販売されている。
【0062】
無被覆酸化鉄ナノ顔料は、例えば、「Nanogard WCD 2002 (FE 45B)」および「Nanogard Iron FE 45 BL AQ」、「Nanogard FE 45R AQ」、「Nanogard WCD 2006 (FE 45R)」の名称でArnaud社により、または「TY-200」の名称でMitsubishi社により販売されている。
【0063】
被覆酸化鉄ナノ顔料は、例えば、「Nanogard WCD 2008 (FE 45B FN)」、「Nanogard WCD 2009 (FE 45B 556)」、「Nanogard FE 45 BL 345」、「Nanogard FE 45 BL」の名称でArnaud社により、または「Transparent Iron Oxide」の名称でBASF社により販売されている。
【0064】
言及はまた、金属酸化物、特に、「Sunveil A」の名称でIkeda社により販売されている、二酸化チタンと二酸化セリウムのシリカ被覆の同重量混合物を含む、二酸化チタンおよび二酸化セリウムの混合物、ならびにまた、「M 261」の名称でKemira社により販売されている製品など、二酸化チタンと二酸化セリウムのアルミナ、シリカおよびシリコーン被覆混合物、または「M 211」の名称でKemira社により販売されている製品など、二酸化チタンと二酸化セリウムのアルミナ、シリカおよびグリセリン被覆混合物になされてもよい。
【0065】
ナノ顔料は、非修飾形態でまたは顔料ペーストの形態で、すなわち、例えば、文献GB-A-2 206 339に記載されているように、分散剤との混合物として、本発明の組成物に導入されてよい。
【0066】
追加の光防護剤は、一般に本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して0.01重量%から20重量%の範囲、好ましくは組成物の全重量に対して0.1重量%から10重量%の範囲の比率で存在する。
【0067】
本発明の組成物はまた、皮膚の人工的タンニングおよび/またはブラウニング(セルフタンニング剤)およびより特にジヒドロキシアセトン(DHA)をも含んでよい。これらは、好ましくは組成物の全重量に対して、0.1重量%から10重量%の範囲の量で存在する。
【0068】
本発明の組成物はまた、特に脂肪物質、有機溶媒、イオン性または非イオン性の、親水性または親油性増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定化剤、エモリエント、シリコーン、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双極性または両性界面活性剤、活性剤、フィラー、ポリマー、噴射剤、酸性化剤または塩基性化剤あるいは化粧品および/または皮膚科学において通常使用される他のあらゆる成分から選択される標準的な化粧用アジュバントをも含んでよい。
【0069】
脂肪物質は、油またはワックスまたはこれらの混合物からなってよい。用語「油」は、室温で液体である化合物を意味する。用語「ワックス」は、室温で固体またはほとんど固体である化合物で、融点が一般に35℃超であるものを意味する。
【0070】
言及されてよい油は、鉱油(パラフィン)、植物油(スイートアーモンド油、マカデミア油、ブドウ種子油またはホホバ油)、合成油、例えばペルヒドロスクワレン、脂肪アルコール、脂肪酸または脂肪酸エステル(例えば「Finsolv TN」の商品名でWitcoにより販売されているC12〜C15アルキル安息香酸、パルミチン酸オクチル、ラノリン脂肪酸イソプロピルおよびトリ(カプリル酸/カプリン酸)トリグリセリドを含むトリグリセリド)、オキシエチレン化またはオキシプロピレン化脂肪酸エステルおよびエーテル、シリコーン油(シクロメチコンおよびポリジメチルシロキサン、すなわちPDMS)またはフッ素油、およびポリアルキレンを含む。
【0071】
言及されてよいワックス化合物は、パラフィン、カルナウバロウ、ミツロウおよび水添ヒマシ油を含む。
【0072】
言及されてよい有機溶媒は、低級アルコールおよび多価アルコールである。これらの多価アルコールは、グリコールおよびグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはジエチレングリコールから選択されてよい。
【0073】
言及されてよい親水性増粘剤は、Carbopol製品(カルボマー)およびPemulen製品(アクリル酸/アクリル酸アルキルC10〜C30コポリマー)などのカルボキシビニルポリマー;ポリアクリルアミド、例えばSepigel 305(CTFA名:polyacrylamide/C13-14 isoparaffin/Laureth 7)(ポリアクリルアミド/C13-14イソパラフィン/ラウレス7)またはSimulgel 600(CTFA名:acrylamide/sodium acryloyldimethyltaurate copolymer/isohexadecane/polysorbate 80)(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名称でSEPPIC社により販売されている架橋コポリマー;任意選択で架橋および/または中和されている、2-アクリルアミノ-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー、例えば「Hostacerin AMPS」(CTFA名: ammonium polyarcyldimethyltauramide)(アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド)の商品名でHoechst社により販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸);ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系誘導体;多糖類、特にキサンタンガムなどのガム類、ならびにこれらの混合物を含む。
【0074】
言及されてよい親油性増粘剤は、ヘクトライトおよびその誘導体などの修飾クレイ、例えばBentoneの名称で販売されている製品を含む。
【0075】
活性剤の中で言及されてよいものは、
− 汚染防止剤および/またはフリーラジカル捕捉剤、
− 脱色剤および/またはプロピグメント剤、
− 糖化防止剤、
− NO-シンターゼ阻害剤、
− 真皮または表皮高分子の合成促進および/またはその分解防止のための作用物質、
− 線維芽細胞増殖を促進するための作用物質、
− ケラチノサイト増殖を促進するための作用物質、
− 筋弛緩剤、
− 緊張剤、
− 落屑促進剤、
− 保湿剤、
− 抗炎症剤、
− 細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤、
− 昆虫忌避剤、
− サブスタンスPまたはCGRP拮抗剤、
である。
【0076】
言うまでもなく、当業者であれば、本発明の組成物に本来付随する優位性が、想定される添加によって悪影響を全く、または実質上受けることがないように、前述の任意選択の追加的化合物、および/またはその量を選択するよう注意するであろう。
【0077】
本発明の組成物は、当業者によく知られた技術、具体的には水中油または油中水型のエマルションを調製を意図した技術、に基づき調製されてよい。組成物は具体的には、クリームまたはミルクなどの、単一または複合エマルション(O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/W型エマルション)の形態、ゲルまたはクリーム-ゲルの形態、あるいはローション、パウダーまたは固体スティックの形態であってよく、任意選択でエアロゾルとして充填されてもよく、かつムースまたはスプレーの形態であってもよい。
【0078】
本発明の組成物は、好ましくは水中油型または油中水型エマルションの形態である。
【0079】
エマルションは一般に、両性、アニオン性、カチオン性および非イオン性乳化剤から選択される少なくとも1つの乳化剤で、単独または混合物として使用され乳化剤を含む。乳化剤は得ようとするエマルション(W/OまたはO/W)に応じて適切に選択される。
【0080】
W/O型エマルションの調製のために使用してよい乳化界面活性剤として、言及されてよい例は、ソルビタン、グリセリンまたは糖アルキルエステルまたはエーテル;シリコーン界面活性剤、例えば、「DC 5225 C」の名称でDow Corning社により販売されているシクロメチコンとジメチコンコポリオールの混合物などのジメチコンコポリオール、および「Dow Corning 5200 Formulation Aid」の名称でDow Corning社により販売されているラウリルメチコンコポリオールなどのアルキルメチコンコポリオール;Abil EM 90Rの名称でGoldschmidt社により販売されている製品などのセチルジメチコンコポリオール、ならびにAbil WE 09の名称でGoldschmidt社により販売されている、セチルジメチコンコポリマー、イソステアリン酸ポリグリセリル(4モル)およびラウリン酸ヘキシルの混合物を含む。1つまたは複数の乳化補助剤もまたさらに加えてよく、これらは有利には多価アルコールアルキルエステルを含む群から選択される。特に言及されてよい多価アルコールアルキルエステルは、グリセリンおよび/またはソルビタンエステル、例えばIsolan GI 34の名称でGoldschmidt社により販売されている製品などのイソステアリン酸ポリグリセリル、Arlacel 987の名称でICI社により販売されている製品などのイソステアリン酸ソルビタン、Arlacel 986の名称でICI社により販売されている製品などのソルビタンイソステアリン酸グリセリル、ならびにこれらの混合物を含む。
【0081】
O/W型エマルションに関して、言及されてよい乳化剤の例は、オキシアルキレン化(より特にはポリオキシエチレン化)されたグリセリンの脂肪酸エステル; オキシアルキレン化されたソルビタンの脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)された脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)された脂肪アルキルエステル;糖エステル、例えばステアリン酸スクロース;糖の脂肪アルキルエステル、特に、例えばそれぞれPlantaren 2000およびPlantaren 1200の名称でHenkel社により販売されているデシルグルコシドおよびラウリルグルコシドなどのアルキルポリグルコシド(APG)、例えば、Montanov 68の名称でSEPPIC社により、Tegocare CG90の名称でGoldschmidt社によりかつEmulgade KE330の名称でHenkel社により販売されている、任意選択でセトステアリルアルコールとの混合物としてのセトステアリルグルコシド、およびまた、例えばアラキジルアルコール、ベヘニルアルコールおよびアラキジルグルコシドとの混合物の形態で、Montanov202の名称でSEPPIC社により販売されているアラキジルグルコシドをも含む。本発明の特定の一実施形態に基づき、上に定義したようなアルキルポリグルコシドの対応する脂肪アルコールとの混合物は、例えば文献WO-A-92/06778に記載されているような自己乳化組成物の形態であってよい。
【0082】
エマルションである場合、このエマルションの水相は、既知のプロセス(Bangham、Standish and Watkins、J. Mol. Biol.、13、238 (1965)、FR 2 315 991およびFR 2 416 008)によって調製された非イオン性小胞性ディスパージョンを含んでよい。
【0083】
本発明の組成物は、特に皮膚、唇および/または頭髪を保護するためおよび/またはケアするため、および/または皮膚および/または唇をメークアップするために、数多くの処理、特に皮膚、唇および頭髪を含む毛髪の美容的処理にその応用を見出す。
【0084】
本発明のもう1つの課題は、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛および/または頭皮を美容的に処理する製品、特にケア製品およびメークアップ製品を製造するための上に定義した本発明の組成物の使用である。
【0085】
本発明の化粧用組成物は、例えば、ミルク、程度の差はあれリッチなクリーム、クリーム-ゲルおよびペーストなどの液体から半液体の粘稠性を有する、フェイスおよび/またはボディ用のケア製品および/または日焼け防止製品として、使用されてよい。組成物は、任意選択でエアロゾルとして充填されてもよく、かつムースまたはスプレーの形態であってもよい。
【0086】
本発明の蒸発性液体ローションの形態の本発明の化粧用組成物は、与圧装置を用いて微粒子の形態で皮膚または毛髪に適用される。本発明の装置は、当業者にはよく知られており、非エアロゾルポンプすなわち「アトマイザー」、噴射剤を含むエアロゾル容器および噴射剤として圧縮空気を用いるエアロゾルポンプをもまた含む。後者のポンプは、特許US 4 077 441およびUS 4 850 517(記載内容の不可欠な部分を形成)に記載されている。
【0087】
本発明のエアロゾル形態に充填された組成物は、一般に慣例的な噴射剤、例えばハイドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパンまたはトリクロロフルオロメタンを含む。噴射剤は、好ましくは、組成物の全重量に対し、15重量%から50重量%の範囲の量で存在する。
【実施例】
【0088】
本発明を例証する具体的なしかし全く限定的ではない実施例を次に示す。
【0089】
下記の日焼け防止組成物を調製した。量は重量%で表示されている。
【0090】
【表1】

【0091】
成分全てを含む水相(B相)をウォーターバス中で80℃まで加熱する。成分全てを含む脂肪相(A相)をウォーターバス中で80℃まで加熱する。ローターステータ型(Moritz社の装置)で攪拌しながらAをBに乳化させる。C相を配合し、混合物を穏やかに攪拌しながら室温まで冷却する。pHを所望の値にあわせるために、製造の最後に、トリエタノールアミンを加える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体を、紫外線放射に対して光安定化する方法であって、前記ジベンゾイルメタン誘導体を、少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体および少なくとも1つのビス-レソルシニルトリアジン化合物と組み合せることかなることを特徴とする方法。
【請求項2】
ジベンゾイルメタン誘導体が、
− 2-メチルジベンゾイルメタン
− 4-メチルジベンゾイルメタン
− 4-イソプロピルジベンゾイルメタン
− 4-tert-ブチルジベンゾイルメタン
− 2,4-ジメチルジベンゾイルメタン
− 2,5-ジメチルジベンゾイルメタン
− 4,4’-ジイソプロピルジベンゾイルメタン
− 4,4’-ジメトキシジベンゾイルメタン
− 4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2-メチル-5-イソプロピル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2-メチル-5-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2,4-ジメチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2,6-ジメチル-4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ジベンゾイルメタン誘導体が、4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンすなわちブチル メトキシ ジベンゾイルメタンである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
安息香酸アリールアルキル誘導体が、下記の式(I)または(II):
【化1】

[式中、
Xは、O、SまたはNを示し、
nは1から10、より好ましくは2から6の整数であり、
R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示し、
R3、R4およびR5は、同一でも異なっていてもよく、式:
【化2】

(式中、
nは上述と同一の意味を有し、R6は、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示す)の基を示す]
の化合物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
安息香酸アリールアルキル誘導体が、式:
【化3】

の安息香酸2-フェニルエチルである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ビス-レソルシニルトリアジン化合物が、下記の式(III):
【化4】

[式中、
(i)R1基およびR2基は、同一でも異なっていてもよく、C3〜C18アルキル基、C2〜C18アルケニル基または式-CH2-CH(OH)-CH2-OT1{式中、T1は、水素原子またはC1〜C8アルキル基である}の基を示し、
(ii)R1基およびR2基は、同一でも異なっていてもよく、下記の式(1):
【化5】

{式中、
− R6は、共有結合、直鎖または分枝状C1〜C4アルキル基または式-Cm1H2m1-O-(式中、m1は1から4の数である)の基を示し、
− p1は0から5の数であり、
− R7基、R8基およびR9基は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アルコキシ基または式:
【化6】

(式中、R10はC1〜C5アルキル基である)の基を示す}の基も示すことができ、
− A1は、下記の式:
【化7】

{式中、
− R3は、水素原子、C1〜C10アルキル基、式-(CH2CHR5-O)n1R4(式中、n1は、1から16の数である)の基、または上述と同一の意味のT1を有する構造CH2-CH-(OH)-CH2OT1の基を示し、
− R4は、水素、金属カチオンM、C1〜C5アルキル基、または式-(CH2)m2-OT1(式中、m2は1から4の数であり、T1は上述と同一の意味を有する)の基を示し、
− Q1は、C1〜C18アルキル基である}の1つに相当する基を示す]
に相当する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
式(III)のビス-レソルシニルトリアジン化合物が、
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[4-(2-メトキシエチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2’’-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’-ヘプタメチルトリシロキシ-2’’-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[(4-エチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン;
から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(III)のビス-レソルシニルトリアジン化合物が、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(ビス-エチルヘキシルオキシフェノール メトキシフェニル トリアジン)から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(a)少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体型のUV-スクリーニング剤、および
(b)少なくとも1つの安息香酸アリールアルキル誘導体、および
(c)少なくとも1つのビス-レソルシニルトリアジン化合物、
を化粧品的に許容できる支持体に含むことを特徴とする、化粧用または皮膚科学的組成物。
【請求項10】
ジベンゾイルメタン誘導体が、
− 2-メチルジベンゾイルメタン
− 4-メチルジベンゾイルメタン
− 4-イソプロピルジベンゾイルメタン
− 4-tert-ブチルジベンゾイルメタン
− 2,4-ジメチルジベンゾイルメタン
− 2,5-ジメチルジベンゾイルメタン
− 4,4’-ジイソプロピルジベンゾイルメタン
− 4,4’-ジメトキシジベンゾイルメタン
− 4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2-メチル-5-イソプロピル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2-メチル-5-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2,4-ジメチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
− 2,6-ジメチル-4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
ジベンゾイルメタン誘導体が、4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンすなわちブチル メトキシ ジベンゾイルメタンである、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
ジベンゾイルメタン誘導体が、組成物の全重量に対して、0.01重量%から10重量%、より好ましくは0.1重量%から6重量%の範囲の濃度で存在する、請求項9から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
安息香酸アリールアルキル誘導体が、下記の式(I)または(II):
【化8】

[式中、
Xは、O、SまたはNを示し、
nは1から10、より好ましくは2から6の整数であり、
R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示し、
R3、R4およびR5は、同一でも異なっていてもよく、式:
【化9】

(式中、
nは上述と同一の意味を有し、R6は、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖または分枝状C1〜C4アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、C6H6SO2基を示す)の基を示す]
の化合物から選択される、請求項9から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
安息香酸アリールアルキル誘導体が、式:
【化10】

の安息香酸2-フェニルエチルである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
安息香酸アリールアルキル誘導体が、組成物の全重量に対して、0.1重量%から40重量%、より好ましくは1重量%から30重量%の範囲の濃度で存在する、請求項12から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
ビス-レソルシニルトリアジン化合物が、下記の式(III):
【化11】

[式中、
(i)R1基およびR2基は、同一でも異なっていてもよく、C3〜C18アルキル基、C2〜C18アルケニル基または式-CH2-CH(OH)-CH2-OT1{式中、T1は、水素原子またはC1〜C8アルキル基である}の基を示し、
(ii)R1基およびR2基は、同一でも異なっていてもよく、下記の式(1):
【化12】

{式中、
− R6は、共有結合、直鎖または分枝状C1〜C4アルキル基または式-Cm1H2m1-O-(式中、m1は1から4の数である)の基を示し、
− p1は0から5の数であり、
− R7基、R8基およびR9基は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アルコキシ基または式:
【化13】

(式中、R10はC1〜C5アルキル基である)の基を示す}の基も示すことができ、
− A1は、下記の式:
【化14】

{式中、
− R3は、水素原子、C1〜C10アルキル基、式-(CH2CHR5-O)n1R4(式中、n1は、1から16の数である)の基、または上述と同一の意味のT1を有する構造CH2-CH-(OH)-CH2OT1の基を示し、
− R4は、水素、金属カチオンM、C1〜C5アルキル基、または式-(CH2)m2-OT1(式中、m2は1から4の数であり、T1は上述と同一の意味を有する)の基を示し、
− Q1は、C1〜C18アルキル基である}の1つに相当する基を示す]
に相当する、請求項9から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
式(III)のビス-レソルシニルトリアジン化合物が、
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[4-(2-メトキシエチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2’’-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’-ヘプタメチルトリシロキシ-2’’-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[(4-エチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン;
から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
式(III)のビス-レソルシニルトリアジン化合物が、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(ビス-エチルヘキシルオキシフェノール メトキシフェニル トリアジン)から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
ビス-レソルシニルトリアジン化合物が、組成物の全重量に対して、0.1重量%から20重量%、より好ましくは1重量%から10重量%、より具体的には2重量%から8重量%の範囲の濃度で存在する、請求項9から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
水溶性、脂溶性または通常使用される化粧用溶媒に不溶である他のUV-A活性および/またはUV-B活性有機または無機光防護剤も含むことを特徴とする、請求項9から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
追加の有機光防護剤が、ケイ皮酸誘導体、アントラニルレート、サリチル酸誘導体、カンファー誘導体、ビス-レソルシニルトリアジン型のトリアジン誘導体以外のトリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリル酸誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロネート誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾリン、ビスベンザゾリル誘導体、p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、ベンゾキサゾール誘導体、スクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン、α-アルキルスチレン誘導体、4,4-ジアリールブタジエン、ならびにこれらの混合物から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
有機UV-スクリーニング剤が、
ホモサラート、
サリチル酸エチルヘキシル、
オクトクリレン、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
4-メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
エチルヘキシルトリアゾン
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
およびこれらの混合物、
から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
追加の無機光防護剤が、処理または無処理の金属酸化物の顔料またはナノ顔料であることを特徴とする、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
前記顔料またはナノ顔料が、処理または無処理の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウム、ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
皮膚の人工的タンニングおよび/またはブラウニングのための少なくとも1つの作用物質も含むことを特徴とする、請求項9から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
脂肪物質、有機溶媒、イオン性または非イオン性の、親水性または親油性増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定化剤、エモリエント、シリコーン、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双極性または両性界面活性剤、活性剤、フィラー、ポリマー、噴射剤および酸性化剤または塩基性化剤から選択される少なくとも1つのアジュバントも含むことを特徴とする、請求項9から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛および/または頭皮を美容的に処理する製品を製造するための、請求項9から26のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項28】
皮膚、唇、爪、毛髪および/または頭皮をケアする製品を製造するための、請求項9から26のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項29】
メークアップ製品を製造するための、請求項9から26のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項30】
ジベンゾイルメタン誘導体のUV光線に対する安定性を改良することを目的とする、請求項1から29のいずれか一項に記載の少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体を含む化粧用または皮膚科学的組成物における、請求項1から29のいずれか一項に記載の安息香酸アリールアルキル誘導体およびビス-レソルシニルトリアジン化合物の使用。


【公開番号】特開2006−52207(P2006−52207A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−194388(P2005−194388)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】