定形体群の立体配置状況解析方法
【課題】定形体群の立体的な配置を高精度に把握することができ、これにより定形体群の断面解析、時差比較解析などを高精度に行える定形体群の立体配置状況解析方法を提供する。
【解決手段】定形体群へ測定波を発し、3次元多点群と多数の3次元ポイントデータとを取得し、次に、3次元多点群を構成する3次元ポイントデータの中から定形体と推定される領域を順次抽出し、その後、あらかじめ取得した3次元定形体モデルを、抽出した定形体の推定領域に、画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入する。全挿入後、定形体群の3次元CGを3Dディスプレイまたは2Dディスプレイに立体表示するので、定形体群の立体的な配置を測定誤差の影響を小さくして高精度に把握でき、定形体群の断面解析、時差比較解析などを高精度に行える。
【解決手段】定形体群へ測定波を発し、3次元多点群と多数の3次元ポイントデータとを取得し、次に、3次元多点群を構成する3次元ポイントデータの中から定形体と推定される領域を順次抽出し、その後、あらかじめ取得した3次元定形体モデルを、抽出した定形体の推定領域に、画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入する。全挿入後、定形体群の3次元CGを3Dディスプレイまたは2Dディスプレイに立体表示するので、定形体群の立体的な配置を測定誤差の影響を小さくして高精度に把握でき、定形体群の断面解析、時差比較解析などを高精度に行える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は定形体群の立体配置状況解析方法、詳しくは定型体群を構成する複数の定型体の配置状態を3次元的に把握可能な定形体群の立体配置状況解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
港湾では、防波堤に沿って四脚ブロック、六脚ブロックなどの消波ブロック(定形体)を多数据え付けて消波ブロック群(定形体群)を築き上げ、波のエネルギーを減衰させて防波堤を保護することが行われている。このような護岸工事がなされた港湾施設の劣化状況を詳細に点検し、その健全度を評価する検討基礎資料として消波ブロック群の施工箇所の調査が行われている。
この調査を簡略化し、かつ消波ブロック群の施工箇所の健全度評価を容易とする技術として、例えば特許文献1の「消波ブロックの状態計測方法」が知られている。
【0003】
特許文献1の計測方法では、まず、消波ブロック群を上方の位置からカメラにより撮像した2次元の写真画像データを第1記録装置に格納し、あらかじめ第2記録装置に消波ブロックの寸法、形状の画像データを格納しておく。その後、第2記録装置から読み出した画像データをデータ変形制御部により変形し、変形データと第1記録装置から読出した画像データとを比較照合装置により比較して一致するか否かを判断し、一致しない場合には次のデータ変形制御を行うように帰還信号をデータ変形制御部に送り、その結果を比較照合するという比較と照合のプロセスとを繰り返す。そして、一致した場合のデータ変形制御部の変形データにより、個々の消波ブロックについて、カメラから消波ブロックの中心までの距離と、稜線が向いている方向とを求めるというものである。これにより、築き上げた消波ブロック群だけでなく、個々の消波ブロックについても、正確な測定値が得られると記載されている。
【0004】
なお、特許文献1の実施例に記載があるように、第2記録装置に格納した消波ブロックの画像データは、モデル化した3次元形状の消波ブロック(3次元定形体モデル)の画像データであって、かつデータ変形制御部による変形計算が容易となるように、ワイヤフレームデータ形式に則ったものが記憶されている。これは、実質、3次元形状の消波ブロックを、写真画像に表れる脚の先端であるX,Y,Z軸上の3点(3次元ポイントデータ)で表示することを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平6−87008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された消波ブロックの状態計測方法では、このように消波ブロック群を構成する2次元形状の多数の消波ブロックと、3次元形状の消波ブロックのモデルとを、実質、3点でそれぞれ記憶し、その後、3次元形状の消波ブロックをデータ変形制御部により変形しながら、その変形データと、抽出された消波ブロックの2次元画像データとを比較照合装置を使用して2次元の平面上で対比し、一致するか否かを判断していた。しかしながら、このような3点照合法ともいうべき方法による両消波ブロックの位置合わせの信頼性は低く、大きな照合誤差が発生していた。
【0007】
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、近年、測定機器の低価格化および高精度化に伴い飛躍的に普及している3次元計測機、殊に、地上物を3次元測定する3Dプロファイラー、水中物を3次元測定するマルチビーム測深機に着目した。これらの計測機器は、被測定物に向かってレーザビームまたは音波を発し、被測定物を3次元多点群(X,Y,Z軸上での点群)により立体表示するものである。そこで、3次元計測機を用いて取得した消波ブロック群の3次元多点群データと3次元形状の消波ブロックの3次元画像データとを対比照合すれば、従来法が採用した写真の画像データとモデル化した3次元形状の消波ブロックの3次元画像データとを対比照合する3点照合法の場合より画像データの照合精度が高まり、最終的に求める3次元形状の消波ブロックによって築き上げた消波ブロック群の3次元CGも高精度なものが得られることを知見し、この発明を完成させた。
【0008】
この発明は、定形体群の立体的な配置を高精度に把握することができ、これにより定形体群の断面解析、時差比較解析などを高精度に行うことができる定形体群の立体配置状況解析方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、複数の定形体からなる定形体群に測定波を発射して3次元多点群を収集することで前記定形体群の3次元形状を測定することにより、前記3次元多点群を構成する多数の点のX,Y,Z軸上での3次元ポイントデータを取得し、次に、前記3次元多点群を構成する多数の3次元ポイントデータの中から、前記定形体と推定される領域を順次抽出し、その後、抽出した全ての前記定形体と推定される領域に、あらかじめ取得した前記定形体をモデル化した3次元定形体モデルの3次元CGデータを、それぞれ画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入して行き、前記全ての定形体と推定される領域に前記3次元定形体モデルの3次元CGデータが挿入された前記定形体群の3次元CGデータに基づき、前記定形体群の立体的な配置状況を解析する定形体群の立体配置状況解析方法である。
【0010】
定形体としては、例えば四脚ブロック、六脚ブロック、八脚ブロックなどの消波ブロックを採用することができる。その他、法面被覆ブロック、自動車、コンテナ、異形ブロック、漁礁、建屋、配管、瓦、レンガ、ダンボール箱などでもよい。
定形体群としては、例えば海または河川の護岸用の消波ブロック群を採用することができる。その他、法面保護用の被覆工、自動車の駐車状況、コンテナの配置状況、建屋の建設状況、漁礁の設置、工場の配管設置状況、屋根の形状、レンガの壁などでもよい。
測定波としては、例えば赤外線レーザ、近赤外線レーザなどのレーザ光、超音波などを採用することができる。
3次元多点群とは、多数の点のみで表したものでも、これらの点を仮想線で結んだ三角形または四角形の格子により表現するポリゴン変換を施したものでもよい。
【0011】
3次元多点群(3次元ポイントデータ群)を取得する3次元計測機としては、例えば3次元レーザースキャナ、3次元ソナーなどを採用することができる。その他、航空レーザースキャナ、移動体精密3次元計測システムなどでもよい。
3次元多点群の測定点数(測定点の密度)は、測定される定形体または定形体群の大きさ、形状などによってそれぞれ異なる。
「定形体と推定される領域」とは、定形体群を構成する3次元多点群のうち、3次元多点群を構成する点の分布(点在具合)から判断し、定形体を構成すると考えられる領域である。
定形体と推定される領域の抽出方法としては、例えば、コンピュータグラフィックス処理の自動抽出制御によりデータのみで抽出処理する方法を採用することができる。その他、キーボード、マウスなどの手動入力部を利用し、作業者が3Dディスプレイまたは2D(2次元)ディスプレイの画面上での3D画像を見ながら手動操作により抽出してもよい。
【0012】
ここでいう「画像サイズを3次元的に一致させる」とは、前記3次元多点群を構成する多数の3次元ポイントデータの中から、抽出された定形体と推定される領域と、3次元定形体モデルの3次元CGデータとを対比する際に、抽出された定形体と推定される領域の画像サイズに、3次元定形体モデルの画像サイズを3次元的に(X,Y,Z軸の座標上で)一致させることをいう。
ここでいう「位置を3次元的に一致させる」とは、抽出された定形体と推定される領域と、3次元定形体モデルの3次元CGデータとを対比する際に、抽出された定形体と推定される領域のX,Y,Z軸の座標上での位置と、3次元定形体モデルの3次元CGデータのX,Y,Z軸の座標上での位置とを(略)一致させることをいう。
【0013】
ここでいう「抽出した定形体と推定される領域に、3次元定形体モデルの3次元CGデータを挿入する」とは、例えば、コンピュータグラフィックス処理の自動挿入(嵌め込み)制御による挿入を採用することができる。その他、コンピュータグラフィックス処理のキーボード、マウスなどの手動入力部を利用し、作業者が3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面上での3D画像を見ながら手動操作により挿入(嵌め込む)方法などでもよい。
このような挿入操作は、定形体群の3次元多点群を構成する多数の3次元ポイントデータの中から抽出された「全ての定形体と推定される領域」に対して、順次行われる。
3Dディスプレイの種類は任意である。例えば、液晶シャッターメガネが必要なフレームシーケンシャル方式、液晶シャッターメガネが不要な偏光フィルム方式または裸眼で対応できるレンチキュラーレンズ方式のものなどを採用することができる。3Dディスプレイを採用すれば、3D画像がモニタの画面上から浮き出て見え、2Dディスプレイを採用した場合に比べて、定形体群の解析時の理解力を高める。
定形体群の立体配置状況の解析としては、例えば、施工の管理、検収経年的な変形状態の把握、災害時の変形状態の把握などのための定形体群の断面解析、時差比較解析などを採用することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記定形体群の測定には、前記3次元多点群データが取得可能な3次元計測機を使用する請求項1に記載の定形体群の立体配置状況解析方法である。
3次元計測機としては、例えば、3次元レーザースキャナ(陸上用)、3次元ソナー(水中用または海中用)などが挙げられる。その他、定形体を立体的な多点群として表示可能な計測機器でもよい。
3次元レーザースキャナとしては、例えば、オーストリアのリーグル社製の3Dイメージスキャナなどを採用することができる。また、3次元ソナーとしては、例えば、レソン社製、R2sonic社製のワイドバンドマルチビーム測定機などを採用することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記定形体群の3次元CGデータおよび前記3次元定形体モデルの3次元CGデータは、前記3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換したものである請求項1または請求項2に記載の定形体群の立体配置状況解析方法である。
【0016】
請求項4に記載の発明は、前記3次元多点群の3次元ポイントデータの取得後、該3次元ポイントデータに基づき、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面に前記定形体群のCGを立体表示し、前記定形体と推定される領域の抽出、および、前記3次元定形体モデルの前記定形体と推定される領域への挿入は、前記3Dディスプレイまたは前記2Dディスプレイの画面上でのコンピュータグラフィックス処理における手動操作によってそれぞれ行われる請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の定形体群の立体配置状況解析方法である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、定形体群に向かって測定波を発射することで、3次元多点群とそれを構成する多数の3次元ポイントデータとを取得し、次に、3次元多点群を構成する3次元ポイントデータの中から定形体と推定される領域を順次抽出し、その後、あらかじめ取得した3次元定形体モデルを、抽出した定形体と推定される領域に、それぞれ画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入する。全ての挿入が終了した後、複数の3次元定形モデルからなる定形体群の3次元CGを、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面に立体表示する。これにより、定形体群の立体的な配置を測定誤差の影響を小さくして高精度に把握することができるとともに、この把握した定形体群の状況に基づき、例えば定形体群の断面解析、時差比較解析などを高精度に行うことができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、定形体群の測定時には、3次元計測機を使用して定形体群の3次元多点群データを取得する。例えば、3次元計測機として3次元レーザースキャナを採用した場合には、陸上部で密な点群データを高速度、高精度に取得することができる。また、3次元計測機として3次元ソナーを採用した場合には、レーザ測量機による測量が困難な水中での3次元計測を、超音波を使用して行うことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、定形体群の3次元CGを、3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換するため、3次元CG上で適切に陰線処理を行うことで、モニタ(画面)上で奥行き方向の位置を把握することができる。これにより、複雑な状況を高精度な点群データにより正確に再現することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、3次元多点群の3次元ポイントデータの取得後は、3次元ポイントデータに基づき、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面に定形体群のCGを立体表示する。その後、定形体と推定される領域の抽出と、3次元定形体モデルの定形体と推定される領域への挿入とを、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面上でのコンピュータグラフィックス処理における手動操作によってそれぞれ行う。これにより、実物の成型誤差、変形などによって寸法誤差が生じていても3次元定形体モデルを挿入することができる。また、定形体の一部だけしか測定していない場合でもこれを挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法のフローシートである。
【図2】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法で用いられる3次元レーザースキャナの使用状態の側面図である。
【図3】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法のポリゴン変換した定形体群の3次元CGである。
【図4】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法で用いられる3次元ソナーの使用状態の側面図である。
【図5】(a)は、この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法で用いられる3次元定形体モデルの平面図である。(b)は、この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法で用いられる3次元定形体モデルの正面図である。
【図6】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法において、抽出した消波ブロックと推定される領域への3次元消波ブロックモデルの挿入直前の状態を示す3次元CGである。
【図7】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法において、抽出した消波ブロックと推定される領域への3次元消波ブロックモデルの粗調整挿入状態を示す3次元CGである。
【図8】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法において、抽出した消波ブロックと推定される領域への3次元消波ブロックモデルの精密調整挿入状態を示す3次元CGである。
【図9】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法において、多数の3次元消波ブロックモデルからなる消波ブロック群の3次元CGである。
【図10】この発明の実施例2に係る定形体群の立体配置状況解析方法の前半工程のフローシートである。
【図11】この発明の実施例2に係る定形体群の立体配置状況解析方法の後半工程のフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。なお、ここでは海岸の防波堤に沿って築き上げた消波ブロック群の立体配置状況解析方法について、一部に手動操作を伴う場合と、完全な自動化による定形体群の立体配置状況解析方法との2つの場合を例に説明する。説明の都合上、Y方向を防波堤の長さ方向、X方向を防波堤の幅方向、Z方向を上下方向とする。
【実施例】
【0023】
まず、図1〜図9を参照して、この発明の実施例1に係る一部に手動操作を伴う定形体群の立体配置状況解析方法を説明する。
図1のフローシートに示すように、この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法は、ステップS100において、まず防波堤に沿って築き上げた消波ブロック群の海上部分を3次元レーザースキャナにより測量し、かつ消波ブロック群の海中部分を3次元ソナーにより測量する。これに先立ち、防波堤上の基準点をGPS(全地球測位システム),TS(トータルステーション)などにより測量後、3次元レーザースキャナを防波堤上に設置し、その基準点の位置合わせを行うとともに、3次元ソナー(レソン社製またはR2sonic社製)のワイドバンドマルチビーム測定機)を搭載した測量船を防波堤の近くに配置し、3次元ソナーのGPSを利用した基準点の位置合わせを行う。
【0024】
以下、図2に示す3次元レーザースキャナ(3次元計測機)10による消波ブロック群の海上部分の測量方法を説明する。
あらかじめ、防波堤上に任意点として設置した反射板が写り込むように観測を行う。具体的には、反射板の位置をプログラム上で抽出し、その位置情報により3次元レーザースキャナ(リーグル社製の3Dイメージスキャナ)10の設置位置を確認し、観測データにその座標位置を記入する。
次に、ステップS101では、消波ブロック群11(図3)の観測目標を定め、観測エリアの絞り込みを行った上で、防波堤上に設置した3次元レーザースキャナ10により近赤外線のレーザビームを消波ブロック群11の海上部分の所定範囲に照射し、スキャンする。これにより、消波ブロック群11の海上部分の3次元多点群とそれを構成する多数の3次元ポイントデータとを取得し、その後、3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換した消波ブロック群11を、3Dディスプレイ(2Dディスプレイでも可能)の画面に立体表示する。
【0025】
次に、図4に示す3次元ソナー(3次元計測機)12による消波ブロック群11の海中部分の測量方法を説明する。
図4に示すように、防波堤の近くに観測船16を配置し、基準点の位置合わせ後、消波ブロック群11の観測目標を定め、観測エリアの絞り込みを行った上で、観測船16に搭載した3次元ソナー12により消波ブロック群11の海中部分に向けて超音波を発信して観測を行う(S100)。具体的には、海底のプロファイルも含めて消波ブロック群11の海中部分を計測し、120°×0.5°のフットプリントで3次元多点群を構成する3次元ポイントデータを取得し、その後、ステップS102において、3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換した消波ブロック群11を、3Dディスプレイの画面に立体表示する(図3)。
【0026】
多数本のビームを形成して高密度なデータにより、海底の全エリアをオーバーラップ測深によってカバーし、詳細な消波ブロック群11の海中部分の3次元形状を取得する。また、観測船16の船体の動揺や方向についての補正(ローリング、ピッチング、ヒービング、ヘッディング)は、各センサとRTK/GPS(干渉測位方式)13の高精度位置情報とがリンクして連続して行われる。RTK/GPS13とは、測量地点で、基準受信機を参照基準点(既知)に設置し、移動受信機により電子基準点から受信する電波の位相差を計測し、測位計算するものである。測位時間は1分間以下、誤差は数cmである。このときの観測条件は、周波数が200〜400kHz、ビーム幅(進行方向×直行方向)が1.0°×0.5°kHz、ビーム数が256、スワッス幅が160°、パルス幅50μsである。
【0027】
また、あらかじめ消波ブロック群11を構成する消波ブロックを細かくポリゴン変換して3次元的にモデル化した3次元消波ブロックモデル(3次元定形体モデル、図5(a),(b))14の3次元CGデータを取得し、3Dディスプレイの画面に立体表示する(S102)。なお、各ポリゴンは、コンピュータグラフィックス上でポイントデータとの関係が表示され、かつ適切に陰線処理される。このことは、上述した3次元レーザースキャナ10、3次元ソナー12を使用してそれぞれ取得した3次元多点群の各ポリゴンについても同様である。
次に、ステップS103では、3次元消波ブロックモデル14について、X,Y,Z軸の中心位置と、これらの軸を中心とした回転角(α;X軸回転角,β;Y軸回転角,λ;Z軸回転角)との初期値を、任意に指定(ここでは0°)する。
次いで、ステップS104では、消波ブロックと推定される領域15の中心位置からの距離を基準とし、消波ブロック群11を構成する各消波ブロックと推定される領域15のポイントデータを順次抽出する(図6)。
【0028】
その後、ステップS105では、抽出した消波ブロックと推定される領域15と、3次元消波ブロックモデル14とを、それぞれコンピュータグラフィックス処理上の手動操作により、画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入する。具体的には、マウスまたはキーを操作して、抽出した消波ブロックと推定される領域15の大きさに合わせて3次元消波ブロックモデル14を適宜拡大または縮小する。かつ、抽出した消波ブロックと推定される領域15に合わせて、3次元消波ブロックモデル14を適宜X方向,Y方向,Z方向へ移動させるとともに、適宜X軸を中心とした方向、Y軸を中心とした方向、Z軸を中心とした方向へ回転させて、3次元的な位置合わせを行う。これらの操作は、まず大まかな位置合わせがなされた後(図7)、微細な調整が行われる(図8)。
【0029】
その後、ステップS106では、挿入(嵌め込み)が終了したか否かを3Dディスプレイの画面上で作業者が視認し、それを判断する。挿入終了の場合には次のステップS107へ進み、挿入にずれがある場合には前のステップS105へ戻る。
次のステップS107では、抽出した消波ブロックと推定される領域15に破損変形などがあるか否かを判断する。破損変形がない場合には、次のステップS108に進み、破損変形がある場合にはステップS109に進んで、その抽出した消波ブロックと推定される領域15に対して、「破損変形有り」の関連付けを行う。
次のステップS108では、3次元消波ブロックモデル14の追加が行われ、次に抽出した消波ブロックと推定される領域15への3次元消波ブロックモデル14の挿入作業が行われる。
【0030】
続くステップS110では、全ての抽出した消波ブロックと推定される領域15に対して、3次元消波ブロックモデル14が挿入されたか否かが判断され、全区域が終了した場合にはプログラムが終了し、そうでなければステップS103に戻る。
以上のようにして得られた多数の3次元消波ブロックモデル14からなる消波ブロック群11に基づき、消波ブロック群11の立体的な配置を測定誤差の影響を小さくして高精度に把握することができる(図9)。しかも、この多数の3次元消波ブロックモデル14からなる消波ブロック群11からCDデータを作成し、このCDデータを使用して、例えば消波ブロック群11の断面解析、時差比較解析などを高精度に行うことができる。
【0031】
次に、図10および図11を参照して、この発明の実施例2に係る定形体群の立体配置状況解析方法を説明する。
この発明の実施例2に係る定形体群の立体配置状況解析方法の特徴は、実施例1の一部に手動操作を伴う定形体群の立体配置状況解析方法に対して、これを完全自動化した点を特徴とする。
【0032】
以下、図10および図11のフローシートを参照して実施例2の特徴を詳しく説明する。
図10のフローシートにおいて、ステップS200の消波ブロック群11の3次元計測と、ステップ201の3次元多点群をポリゴン変換した消波ブロック群11の3Dディスプレイへの立体表示と、ステップ202の3次元消波ブロックモデル14の3次元CGデータの3Dディスプレイへの立体表示とは、実施例1の対応する処理(ステップS100〜S102)と同一である。以下、ステップ毎に説明する。
【0033】
ステップS203では、消波ブロック群11のポイントデータの全区域を、1辺の実測値が数mとなる立方体形状の立体格子によって区分する。ただし、格子サイズEは、3次元立体消波ブロックモデル14の実測サイズによって任意に変更される。
ステップS204では、1番目の立体格子内の3次元消波ブロックモデル14について、X,Y,Z軸の中心位置と、これらの軸を中心とした回転角(α;X軸回転角,β;Y軸回転角,λ;Z軸回転角)の初期値を、任意に指定(ここでの回転角は全て0°)する。このとき、座標値は1番目の立体格子の中心座標に設定する。
図11のフローシートにおいて、ステップS205では、1番目の立体格子の中心位置からの距離を基準とし、消波ブロック群11を構成する各消波ブロックと推定されるポイントデータを順次抽出する。なお、前記立体格子の中心位置からの距離は立体格子のサイズを勘案して設定する。
【0034】
ステップS206では、3次元消波ブロックモデル14をX軸,Y軸,Z軸上で移動する範囲と、3次元消波ブロックモデル14を、X軸を中心として,Y軸を中心として,Z軸を中心としてそれぞれ回転する範囲とを設定する。具体的には、その移動の位置範囲Aを格子サイズEとし、位置範囲Aの分割数Bを100(10cm)、角度範囲Cを360、角度範囲Cの分割数36(10°)とする。なお、位置範囲Aの分割数Bおよび角度範囲Cの分割数は任意に変更することができる。この分割数が任意に変更可能なことは、ステップS210の処理でも同じである。
ステップS207では、3次元消波ブロックモデル14の位置および姿勢を示すX軸,Y軸,Z軸上の座標位置、これらの軸を中心とした回転角(X軸回転角α,Y軸回転角β,Z軸回転角λ)について、誤差範囲内のポイント数(ここでは1000ポイント以内)を検出する。具体的には、指定された挿入位置(嵌め込み位置)で、1ポリゴン毎に点群データとの垂直方向についての距離計算を行い、その距離が誤差範囲内(例えば5cm)となるポイント数を検出する。なお、その距離の計算回数はA/Bの3乗×C/Dの3乗である。
【0035】
ステップS208では、抽出した消波ブロックと推定される領域15への3次元消波ブロックモデル14の挿入(嵌め込み)時、あらかじめ設定した誤差範囲内のポイント数が最大となる3次元消波ブロックモデル14の3次元的な位置(X軸,Y軸,Z軸上の位置、X軸回転角α,Y軸回転角β,Z軸回転角λ)を、抽出した消波ブロックと推定される領域15への挿入位置とする。
【0036】
ステップS209では、指定された数だけステップS208の処理が繰り返されたか否かを判断する。ここでいう「指定された数」とは100であり、これは挿入の精度と繰り返しの計算量を勘案したものである。指定数に達した場合には、ステップS211に進み、指定数に達していない場合にはステップS210に進んだ後、ステップS207へ戻ることで、指定数に達するまでステップS207〜S209を繰り返す。なお、このステップS210では、位置範囲AをA/B、分割数Bを100とするとともに、角度範囲CをC/D、分割数を36とする。これらの処理は、1回目で3次元的な位置と角度とを粗く計算して3次元消波ブロックモデル14の姿勢の概略をつかみ、2回目以降のループで詳細にあてはめる計算を行う。すなわち、抽出した消波ブロックと推定される領域15への3次元消波ブロックモデル14の挿入は、大まかな位置合わせがなされた後(図7)、微細な調整が行われる(図8)。
【0037】
次のステップ211では、誤差範囲内のポイント数が、あらかじめ設定された一定以上(200ポイント以上)存在するか否かが判断される。一定数以上の場合にはステップS212に進み、誤差範囲内のポイント数が一定数未満であれば、ステップS213に進む。
ステップS212では、3次元消波ブロックモデル14の追加を行う。また、3次元消波ブロックモデル14の内部(裏ポイント)にポイントデータが密集して一定以上(200ポイント以上)存在する場合は、抽出した消波ブロックに破損の可能性有りと判断し、その情報を該当する3次元消波ブロックモデル14に加入する。
ステップS213では、すべての前記立体格子について上述した計算が終了したか否かを判断する。終了した場合にはステップS213に進み、そうでなければステップS214へ進む。
ステップS214では、3次元消波ブロックモデル14の中心の位置、回転角の初期値を次の立体格子の座標へ移動し、その後、ステップS205に戻り、以降の処理が順次繰り返される。
【0038】
このように、完全な自動化による定形体群11の立体配置状況解析方法を採用したため、定形体群の立体的な配置の把握が人手を介さず完全自動により高精度に行える。また、得られた高精度なデータを利用し、定形体群の断面解析、時差比較解析などをさらに高精度に実施することが可能となる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるため、省略する。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明は、例えば、形状が定まっている物体が群をなして多数存在する場合、3次元でそれを解析する際に有用である。
【符号の説明】
【0040】
10 3次元レーザースキャナ(3次元計測機)、
11 消波ブロック群(定形体群)、
12 3次元ソナー(3次元計測機)、
14 3次元消波ブロックモデル(3次元定形体モデル)、
15 消波ブロックと推定される領域(定形体と推定される領域)。
【技術分野】
【0001】
この発明は定形体群の立体配置状況解析方法、詳しくは定型体群を構成する複数の定型体の配置状態を3次元的に把握可能な定形体群の立体配置状況解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
港湾では、防波堤に沿って四脚ブロック、六脚ブロックなどの消波ブロック(定形体)を多数据え付けて消波ブロック群(定形体群)を築き上げ、波のエネルギーを減衰させて防波堤を保護することが行われている。このような護岸工事がなされた港湾施設の劣化状況を詳細に点検し、その健全度を評価する検討基礎資料として消波ブロック群の施工箇所の調査が行われている。
この調査を簡略化し、かつ消波ブロック群の施工箇所の健全度評価を容易とする技術として、例えば特許文献1の「消波ブロックの状態計測方法」が知られている。
【0003】
特許文献1の計測方法では、まず、消波ブロック群を上方の位置からカメラにより撮像した2次元の写真画像データを第1記録装置に格納し、あらかじめ第2記録装置に消波ブロックの寸法、形状の画像データを格納しておく。その後、第2記録装置から読み出した画像データをデータ変形制御部により変形し、変形データと第1記録装置から読出した画像データとを比較照合装置により比較して一致するか否かを判断し、一致しない場合には次のデータ変形制御を行うように帰還信号をデータ変形制御部に送り、その結果を比較照合するという比較と照合のプロセスとを繰り返す。そして、一致した場合のデータ変形制御部の変形データにより、個々の消波ブロックについて、カメラから消波ブロックの中心までの距離と、稜線が向いている方向とを求めるというものである。これにより、築き上げた消波ブロック群だけでなく、個々の消波ブロックについても、正確な測定値が得られると記載されている。
【0004】
なお、特許文献1の実施例に記載があるように、第2記録装置に格納した消波ブロックの画像データは、モデル化した3次元形状の消波ブロック(3次元定形体モデル)の画像データであって、かつデータ変形制御部による変形計算が容易となるように、ワイヤフレームデータ形式に則ったものが記憶されている。これは、実質、3次元形状の消波ブロックを、写真画像に表れる脚の先端であるX,Y,Z軸上の3点(3次元ポイントデータ)で表示することを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平6−87008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された消波ブロックの状態計測方法では、このように消波ブロック群を構成する2次元形状の多数の消波ブロックと、3次元形状の消波ブロックのモデルとを、実質、3点でそれぞれ記憶し、その後、3次元形状の消波ブロックをデータ変形制御部により変形しながら、その変形データと、抽出された消波ブロックの2次元画像データとを比較照合装置を使用して2次元の平面上で対比し、一致するか否かを判断していた。しかしながら、このような3点照合法ともいうべき方法による両消波ブロックの位置合わせの信頼性は低く、大きな照合誤差が発生していた。
【0007】
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、近年、測定機器の低価格化および高精度化に伴い飛躍的に普及している3次元計測機、殊に、地上物を3次元測定する3Dプロファイラー、水中物を3次元測定するマルチビーム測深機に着目した。これらの計測機器は、被測定物に向かってレーザビームまたは音波を発し、被測定物を3次元多点群(X,Y,Z軸上での点群)により立体表示するものである。そこで、3次元計測機を用いて取得した消波ブロック群の3次元多点群データと3次元形状の消波ブロックの3次元画像データとを対比照合すれば、従来法が採用した写真の画像データとモデル化した3次元形状の消波ブロックの3次元画像データとを対比照合する3点照合法の場合より画像データの照合精度が高まり、最終的に求める3次元形状の消波ブロックによって築き上げた消波ブロック群の3次元CGも高精度なものが得られることを知見し、この発明を完成させた。
【0008】
この発明は、定形体群の立体的な配置を高精度に把握することができ、これにより定形体群の断面解析、時差比較解析などを高精度に行うことができる定形体群の立体配置状況解析方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、複数の定形体からなる定形体群に測定波を発射して3次元多点群を収集することで前記定形体群の3次元形状を測定することにより、前記3次元多点群を構成する多数の点のX,Y,Z軸上での3次元ポイントデータを取得し、次に、前記3次元多点群を構成する多数の3次元ポイントデータの中から、前記定形体と推定される領域を順次抽出し、その後、抽出した全ての前記定形体と推定される領域に、あらかじめ取得した前記定形体をモデル化した3次元定形体モデルの3次元CGデータを、それぞれ画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入して行き、前記全ての定形体と推定される領域に前記3次元定形体モデルの3次元CGデータが挿入された前記定形体群の3次元CGデータに基づき、前記定形体群の立体的な配置状況を解析する定形体群の立体配置状況解析方法である。
【0010】
定形体としては、例えば四脚ブロック、六脚ブロック、八脚ブロックなどの消波ブロックを採用することができる。その他、法面被覆ブロック、自動車、コンテナ、異形ブロック、漁礁、建屋、配管、瓦、レンガ、ダンボール箱などでもよい。
定形体群としては、例えば海または河川の護岸用の消波ブロック群を採用することができる。その他、法面保護用の被覆工、自動車の駐車状況、コンテナの配置状況、建屋の建設状況、漁礁の設置、工場の配管設置状況、屋根の形状、レンガの壁などでもよい。
測定波としては、例えば赤外線レーザ、近赤外線レーザなどのレーザ光、超音波などを採用することができる。
3次元多点群とは、多数の点のみで表したものでも、これらの点を仮想線で結んだ三角形または四角形の格子により表現するポリゴン変換を施したものでもよい。
【0011】
3次元多点群(3次元ポイントデータ群)を取得する3次元計測機としては、例えば3次元レーザースキャナ、3次元ソナーなどを採用することができる。その他、航空レーザースキャナ、移動体精密3次元計測システムなどでもよい。
3次元多点群の測定点数(測定点の密度)は、測定される定形体または定形体群の大きさ、形状などによってそれぞれ異なる。
「定形体と推定される領域」とは、定形体群を構成する3次元多点群のうち、3次元多点群を構成する点の分布(点在具合)から判断し、定形体を構成すると考えられる領域である。
定形体と推定される領域の抽出方法としては、例えば、コンピュータグラフィックス処理の自動抽出制御によりデータのみで抽出処理する方法を採用することができる。その他、キーボード、マウスなどの手動入力部を利用し、作業者が3Dディスプレイまたは2D(2次元)ディスプレイの画面上での3D画像を見ながら手動操作により抽出してもよい。
【0012】
ここでいう「画像サイズを3次元的に一致させる」とは、前記3次元多点群を構成する多数の3次元ポイントデータの中から、抽出された定形体と推定される領域と、3次元定形体モデルの3次元CGデータとを対比する際に、抽出された定形体と推定される領域の画像サイズに、3次元定形体モデルの画像サイズを3次元的に(X,Y,Z軸の座標上で)一致させることをいう。
ここでいう「位置を3次元的に一致させる」とは、抽出された定形体と推定される領域と、3次元定形体モデルの3次元CGデータとを対比する際に、抽出された定形体と推定される領域のX,Y,Z軸の座標上での位置と、3次元定形体モデルの3次元CGデータのX,Y,Z軸の座標上での位置とを(略)一致させることをいう。
【0013】
ここでいう「抽出した定形体と推定される領域に、3次元定形体モデルの3次元CGデータを挿入する」とは、例えば、コンピュータグラフィックス処理の自動挿入(嵌め込み)制御による挿入を採用することができる。その他、コンピュータグラフィックス処理のキーボード、マウスなどの手動入力部を利用し、作業者が3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面上での3D画像を見ながら手動操作により挿入(嵌め込む)方法などでもよい。
このような挿入操作は、定形体群の3次元多点群を構成する多数の3次元ポイントデータの中から抽出された「全ての定形体と推定される領域」に対して、順次行われる。
3Dディスプレイの種類は任意である。例えば、液晶シャッターメガネが必要なフレームシーケンシャル方式、液晶シャッターメガネが不要な偏光フィルム方式または裸眼で対応できるレンチキュラーレンズ方式のものなどを採用することができる。3Dディスプレイを採用すれば、3D画像がモニタの画面上から浮き出て見え、2Dディスプレイを採用した場合に比べて、定形体群の解析時の理解力を高める。
定形体群の立体配置状況の解析としては、例えば、施工の管理、検収経年的な変形状態の把握、災害時の変形状態の把握などのための定形体群の断面解析、時差比較解析などを採用することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記定形体群の測定には、前記3次元多点群データが取得可能な3次元計測機を使用する請求項1に記載の定形体群の立体配置状況解析方法である。
3次元計測機としては、例えば、3次元レーザースキャナ(陸上用)、3次元ソナー(水中用または海中用)などが挙げられる。その他、定形体を立体的な多点群として表示可能な計測機器でもよい。
3次元レーザースキャナとしては、例えば、オーストリアのリーグル社製の3Dイメージスキャナなどを採用することができる。また、3次元ソナーとしては、例えば、レソン社製、R2sonic社製のワイドバンドマルチビーム測定機などを採用することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記定形体群の3次元CGデータおよび前記3次元定形体モデルの3次元CGデータは、前記3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換したものである請求項1または請求項2に記載の定形体群の立体配置状況解析方法である。
【0016】
請求項4に記載の発明は、前記3次元多点群の3次元ポイントデータの取得後、該3次元ポイントデータに基づき、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面に前記定形体群のCGを立体表示し、前記定形体と推定される領域の抽出、および、前記3次元定形体モデルの前記定形体と推定される領域への挿入は、前記3Dディスプレイまたは前記2Dディスプレイの画面上でのコンピュータグラフィックス処理における手動操作によってそれぞれ行われる請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の定形体群の立体配置状況解析方法である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、定形体群に向かって測定波を発射することで、3次元多点群とそれを構成する多数の3次元ポイントデータとを取得し、次に、3次元多点群を構成する3次元ポイントデータの中から定形体と推定される領域を順次抽出し、その後、あらかじめ取得した3次元定形体モデルを、抽出した定形体と推定される領域に、それぞれ画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入する。全ての挿入が終了した後、複数の3次元定形モデルからなる定形体群の3次元CGを、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面に立体表示する。これにより、定形体群の立体的な配置を測定誤差の影響を小さくして高精度に把握することができるとともに、この把握した定形体群の状況に基づき、例えば定形体群の断面解析、時差比較解析などを高精度に行うことができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、定形体群の測定時には、3次元計測機を使用して定形体群の3次元多点群データを取得する。例えば、3次元計測機として3次元レーザースキャナを採用した場合には、陸上部で密な点群データを高速度、高精度に取得することができる。また、3次元計測機として3次元ソナーを採用した場合には、レーザ測量機による測量が困難な水中での3次元計測を、超音波を使用して行うことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、定形体群の3次元CGを、3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換するため、3次元CG上で適切に陰線処理を行うことで、モニタ(画面)上で奥行き方向の位置を把握することができる。これにより、複雑な状況を高精度な点群データにより正確に再現することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、3次元多点群の3次元ポイントデータの取得後は、3次元ポイントデータに基づき、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面に定形体群のCGを立体表示する。その後、定形体と推定される領域の抽出と、3次元定形体モデルの定形体と推定される領域への挿入とを、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面上でのコンピュータグラフィックス処理における手動操作によってそれぞれ行う。これにより、実物の成型誤差、変形などによって寸法誤差が生じていても3次元定形体モデルを挿入することができる。また、定形体の一部だけしか測定していない場合でもこれを挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法のフローシートである。
【図2】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法で用いられる3次元レーザースキャナの使用状態の側面図である。
【図3】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法のポリゴン変換した定形体群の3次元CGである。
【図4】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法で用いられる3次元ソナーの使用状態の側面図である。
【図5】(a)は、この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法で用いられる3次元定形体モデルの平面図である。(b)は、この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法で用いられる3次元定形体モデルの正面図である。
【図6】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法において、抽出した消波ブロックと推定される領域への3次元消波ブロックモデルの挿入直前の状態を示す3次元CGである。
【図7】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法において、抽出した消波ブロックと推定される領域への3次元消波ブロックモデルの粗調整挿入状態を示す3次元CGである。
【図8】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法において、抽出した消波ブロックと推定される領域への3次元消波ブロックモデルの精密調整挿入状態を示す3次元CGである。
【図9】この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法において、多数の3次元消波ブロックモデルからなる消波ブロック群の3次元CGである。
【図10】この発明の実施例2に係る定形体群の立体配置状況解析方法の前半工程のフローシートである。
【図11】この発明の実施例2に係る定形体群の立体配置状況解析方法の後半工程のフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。なお、ここでは海岸の防波堤に沿って築き上げた消波ブロック群の立体配置状況解析方法について、一部に手動操作を伴う場合と、完全な自動化による定形体群の立体配置状況解析方法との2つの場合を例に説明する。説明の都合上、Y方向を防波堤の長さ方向、X方向を防波堤の幅方向、Z方向を上下方向とする。
【実施例】
【0023】
まず、図1〜図9を参照して、この発明の実施例1に係る一部に手動操作を伴う定形体群の立体配置状況解析方法を説明する。
図1のフローシートに示すように、この発明の実施例1に係る定形体群の立体配置状況解析方法は、ステップS100において、まず防波堤に沿って築き上げた消波ブロック群の海上部分を3次元レーザースキャナにより測量し、かつ消波ブロック群の海中部分を3次元ソナーにより測量する。これに先立ち、防波堤上の基準点をGPS(全地球測位システム),TS(トータルステーション)などにより測量後、3次元レーザースキャナを防波堤上に設置し、その基準点の位置合わせを行うとともに、3次元ソナー(レソン社製またはR2sonic社製)のワイドバンドマルチビーム測定機)を搭載した測量船を防波堤の近くに配置し、3次元ソナーのGPSを利用した基準点の位置合わせを行う。
【0024】
以下、図2に示す3次元レーザースキャナ(3次元計測機)10による消波ブロック群の海上部分の測量方法を説明する。
あらかじめ、防波堤上に任意点として設置した反射板が写り込むように観測を行う。具体的には、反射板の位置をプログラム上で抽出し、その位置情報により3次元レーザースキャナ(リーグル社製の3Dイメージスキャナ)10の設置位置を確認し、観測データにその座標位置を記入する。
次に、ステップS101では、消波ブロック群11(図3)の観測目標を定め、観測エリアの絞り込みを行った上で、防波堤上に設置した3次元レーザースキャナ10により近赤外線のレーザビームを消波ブロック群11の海上部分の所定範囲に照射し、スキャンする。これにより、消波ブロック群11の海上部分の3次元多点群とそれを構成する多数の3次元ポイントデータとを取得し、その後、3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換した消波ブロック群11を、3Dディスプレイ(2Dディスプレイでも可能)の画面に立体表示する。
【0025】
次に、図4に示す3次元ソナー(3次元計測機)12による消波ブロック群11の海中部分の測量方法を説明する。
図4に示すように、防波堤の近くに観測船16を配置し、基準点の位置合わせ後、消波ブロック群11の観測目標を定め、観測エリアの絞り込みを行った上で、観測船16に搭載した3次元ソナー12により消波ブロック群11の海中部分に向けて超音波を発信して観測を行う(S100)。具体的には、海底のプロファイルも含めて消波ブロック群11の海中部分を計測し、120°×0.5°のフットプリントで3次元多点群を構成する3次元ポイントデータを取得し、その後、ステップS102において、3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換した消波ブロック群11を、3Dディスプレイの画面に立体表示する(図3)。
【0026】
多数本のビームを形成して高密度なデータにより、海底の全エリアをオーバーラップ測深によってカバーし、詳細な消波ブロック群11の海中部分の3次元形状を取得する。また、観測船16の船体の動揺や方向についての補正(ローリング、ピッチング、ヒービング、ヘッディング)は、各センサとRTK/GPS(干渉測位方式)13の高精度位置情報とがリンクして連続して行われる。RTK/GPS13とは、測量地点で、基準受信機を参照基準点(既知)に設置し、移動受信機により電子基準点から受信する電波の位相差を計測し、測位計算するものである。測位時間は1分間以下、誤差は数cmである。このときの観測条件は、周波数が200〜400kHz、ビーム幅(進行方向×直行方向)が1.0°×0.5°kHz、ビーム数が256、スワッス幅が160°、パルス幅50μsである。
【0027】
また、あらかじめ消波ブロック群11を構成する消波ブロックを細かくポリゴン変換して3次元的にモデル化した3次元消波ブロックモデル(3次元定形体モデル、図5(a),(b))14の3次元CGデータを取得し、3Dディスプレイの画面に立体表示する(S102)。なお、各ポリゴンは、コンピュータグラフィックス上でポイントデータとの関係が表示され、かつ適切に陰線処理される。このことは、上述した3次元レーザースキャナ10、3次元ソナー12を使用してそれぞれ取得した3次元多点群の各ポリゴンについても同様である。
次に、ステップS103では、3次元消波ブロックモデル14について、X,Y,Z軸の中心位置と、これらの軸を中心とした回転角(α;X軸回転角,β;Y軸回転角,λ;Z軸回転角)との初期値を、任意に指定(ここでは0°)する。
次いで、ステップS104では、消波ブロックと推定される領域15の中心位置からの距離を基準とし、消波ブロック群11を構成する各消波ブロックと推定される領域15のポイントデータを順次抽出する(図6)。
【0028】
その後、ステップS105では、抽出した消波ブロックと推定される領域15と、3次元消波ブロックモデル14とを、それぞれコンピュータグラフィックス処理上の手動操作により、画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入する。具体的には、マウスまたはキーを操作して、抽出した消波ブロックと推定される領域15の大きさに合わせて3次元消波ブロックモデル14を適宜拡大または縮小する。かつ、抽出した消波ブロックと推定される領域15に合わせて、3次元消波ブロックモデル14を適宜X方向,Y方向,Z方向へ移動させるとともに、適宜X軸を中心とした方向、Y軸を中心とした方向、Z軸を中心とした方向へ回転させて、3次元的な位置合わせを行う。これらの操作は、まず大まかな位置合わせがなされた後(図7)、微細な調整が行われる(図8)。
【0029】
その後、ステップS106では、挿入(嵌め込み)が終了したか否かを3Dディスプレイの画面上で作業者が視認し、それを判断する。挿入終了の場合には次のステップS107へ進み、挿入にずれがある場合には前のステップS105へ戻る。
次のステップS107では、抽出した消波ブロックと推定される領域15に破損変形などがあるか否かを判断する。破損変形がない場合には、次のステップS108に進み、破損変形がある場合にはステップS109に進んで、その抽出した消波ブロックと推定される領域15に対して、「破損変形有り」の関連付けを行う。
次のステップS108では、3次元消波ブロックモデル14の追加が行われ、次に抽出した消波ブロックと推定される領域15への3次元消波ブロックモデル14の挿入作業が行われる。
【0030】
続くステップS110では、全ての抽出した消波ブロックと推定される領域15に対して、3次元消波ブロックモデル14が挿入されたか否かが判断され、全区域が終了した場合にはプログラムが終了し、そうでなければステップS103に戻る。
以上のようにして得られた多数の3次元消波ブロックモデル14からなる消波ブロック群11に基づき、消波ブロック群11の立体的な配置を測定誤差の影響を小さくして高精度に把握することができる(図9)。しかも、この多数の3次元消波ブロックモデル14からなる消波ブロック群11からCDデータを作成し、このCDデータを使用して、例えば消波ブロック群11の断面解析、時差比較解析などを高精度に行うことができる。
【0031】
次に、図10および図11を参照して、この発明の実施例2に係る定形体群の立体配置状況解析方法を説明する。
この発明の実施例2に係る定形体群の立体配置状況解析方法の特徴は、実施例1の一部に手動操作を伴う定形体群の立体配置状況解析方法に対して、これを完全自動化した点を特徴とする。
【0032】
以下、図10および図11のフローシートを参照して実施例2の特徴を詳しく説明する。
図10のフローシートにおいて、ステップS200の消波ブロック群11の3次元計測と、ステップ201の3次元多点群をポリゴン変換した消波ブロック群11の3Dディスプレイへの立体表示と、ステップ202の3次元消波ブロックモデル14の3次元CGデータの3Dディスプレイへの立体表示とは、実施例1の対応する処理(ステップS100〜S102)と同一である。以下、ステップ毎に説明する。
【0033】
ステップS203では、消波ブロック群11のポイントデータの全区域を、1辺の実測値が数mとなる立方体形状の立体格子によって区分する。ただし、格子サイズEは、3次元立体消波ブロックモデル14の実測サイズによって任意に変更される。
ステップS204では、1番目の立体格子内の3次元消波ブロックモデル14について、X,Y,Z軸の中心位置と、これらの軸を中心とした回転角(α;X軸回転角,β;Y軸回転角,λ;Z軸回転角)の初期値を、任意に指定(ここでの回転角は全て0°)する。このとき、座標値は1番目の立体格子の中心座標に設定する。
図11のフローシートにおいて、ステップS205では、1番目の立体格子の中心位置からの距離を基準とし、消波ブロック群11を構成する各消波ブロックと推定されるポイントデータを順次抽出する。なお、前記立体格子の中心位置からの距離は立体格子のサイズを勘案して設定する。
【0034】
ステップS206では、3次元消波ブロックモデル14をX軸,Y軸,Z軸上で移動する範囲と、3次元消波ブロックモデル14を、X軸を中心として,Y軸を中心として,Z軸を中心としてそれぞれ回転する範囲とを設定する。具体的には、その移動の位置範囲Aを格子サイズEとし、位置範囲Aの分割数Bを100(10cm)、角度範囲Cを360、角度範囲Cの分割数36(10°)とする。なお、位置範囲Aの分割数Bおよび角度範囲Cの分割数は任意に変更することができる。この分割数が任意に変更可能なことは、ステップS210の処理でも同じである。
ステップS207では、3次元消波ブロックモデル14の位置および姿勢を示すX軸,Y軸,Z軸上の座標位置、これらの軸を中心とした回転角(X軸回転角α,Y軸回転角β,Z軸回転角λ)について、誤差範囲内のポイント数(ここでは1000ポイント以内)を検出する。具体的には、指定された挿入位置(嵌め込み位置)で、1ポリゴン毎に点群データとの垂直方向についての距離計算を行い、その距離が誤差範囲内(例えば5cm)となるポイント数を検出する。なお、その距離の計算回数はA/Bの3乗×C/Dの3乗である。
【0035】
ステップS208では、抽出した消波ブロックと推定される領域15への3次元消波ブロックモデル14の挿入(嵌め込み)時、あらかじめ設定した誤差範囲内のポイント数が最大となる3次元消波ブロックモデル14の3次元的な位置(X軸,Y軸,Z軸上の位置、X軸回転角α,Y軸回転角β,Z軸回転角λ)を、抽出した消波ブロックと推定される領域15への挿入位置とする。
【0036】
ステップS209では、指定された数だけステップS208の処理が繰り返されたか否かを判断する。ここでいう「指定された数」とは100であり、これは挿入の精度と繰り返しの計算量を勘案したものである。指定数に達した場合には、ステップS211に進み、指定数に達していない場合にはステップS210に進んだ後、ステップS207へ戻ることで、指定数に達するまでステップS207〜S209を繰り返す。なお、このステップS210では、位置範囲AをA/B、分割数Bを100とするとともに、角度範囲CをC/D、分割数を36とする。これらの処理は、1回目で3次元的な位置と角度とを粗く計算して3次元消波ブロックモデル14の姿勢の概略をつかみ、2回目以降のループで詳細にあてはめる計算を行う。すなわち、抽出した消波ブロックと推定される領域15への3次元消波ブロックモデル14の挿入は、大まかな位置合わせがなされた後(図7)、微細な調整が行われる(図8)。
【0037】
次のステップ211では、誤差範囲内のポイント数が、あらかじめ設定された一定以上(200ポイント以上)存在するか否かが判断される。一定数以上の場合にはステップS212に進み、誤差範囲内のポイント数が一定数未満であれば、ステップS213に進む。
ステップS212では、3次元消波ブロックモデル14の追加を行う。また、3次元消波ブロックモデル14の内部(裏ポイント)にポイントデータが密集して一定以上(200ポイント以上)存在する場合は、抽出した消波ブロックに破損の可能性有りと判断し、その情報を該当する3次元消波ブロックモデル14に加入する。
ステップS213では、すべての前記立体格子について上述した計算が終了したか否かを判断する。終了した場合にはステップS213に進み、そうでなければステップS214へ進む。
ステップS214では、3次元消波ブロックモデル14の中心の位置、回転角の初期値を次の立体格子の座標へ移動し、その後、ステップS205に戻り、以降の処理が順次繰り返される。
【0038】
このように、完全な自動化による定形体群11の立体配置状況解析方法を採用したため、定形体群の立体的な配置の把握が人手を介さず完全自動により高精度に行える。また、得られた高精度なデータを利用し、定形体群の断面解析、時差比較解析などをさらに高精度に実施することが可能となる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるため、省略する。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明は、例えば、形状が定まっている物体が群をなして多数存在する場合、3次元でそれを解析する際に有用である。
【符号の説明】
【0040】
10 3次元レーザースキャナ(3次元計測機)、
11 消波ブロック群(定形体群)、
12 3次元ソナー(3次元計測機)、
14 3次元消波ブロックモデル(3次元定形体モデル)、
15 消波ブロックと推定される領域(定形体と推定される領域)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の定形体からなる定形体群に測定波を発射して3次元多点群を収集することで前記定形体群の3次元形状を測定することにより、前記3次元多点群を構成する多数の点のX,Y,Z軸上での3次元ポイントデータを取得し、
次に、前記3次元多点群を構成する多数の3次元ポイントデータの中から、前記定形体と推定される領域を順次抽出し、
その後、抽出した全ての前記定形体と推定される領域に、あらかじめ取得した前記定形体をモデル化した3次元定形体モデルの3次元CGデータを、それぞれ画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入して行き、
前記全ての定形体と推定される領域に前記3次元定形体モデルの3次元CGデータが挿入された前記定形体群の3次元CGデータに基づき、前記定形体群の立体的な配置状況を解析する定形体群の立体配置状況解析方法。
【請求項2】
前記定形体群の測定には、前記3次元多点群データが取得可能な3次元計測機を使用する請求項1に記載の定形体群の立体配置状況解析方法。
【請求項3】
前記定形体群の3次元CGおよび前記3次元定形体モデルの3次元CGは、前記3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換したものである請求項1または請求項2に記載の定形体群の立体配置状況解析方法。
【請求項4】
前記3次元多点群の3次元ポイントデータの取得後、該3次元ポイントデータに基づき、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面に前記定形体群のCGを立体表示し、
前記定形体と推定される領域の抽出、および、前記3次元定形体モデルの前記定形体と推定される領域への挿入は、前記3Dディスプレイまたは前記2Dディスプレイの画面上でのコンピュータグラフィックス処理における手動操作によってそれぞれ行われる請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の定形体群の立体配置状況解析方法。
【請求項1】
複数の定形体からなる定形体群に測定波を発射して3次元多点群を収集することで前記定形体群の3次元形状を測定することにより、前記3次元多点群を構成する多数の点のX,Y,Z軸上での3次元ポイントデータを取得し、
次に、前記3次元多点群を構成する多数の3次元ポイントデータの中から、前記定形体と推定される領域を順次抽出し、
その後、抽出した全ての前記定形体と推定される領域に、あらかじめ取得した前記定形体をモデル化した3次元定形体モデルの3次元CGデータを、それぞれ画像サイズと位置とを3次元的に一致させて順次挿入して行き、
前記全ての定形体と推定される領域に前記3次元定形体モデルの3次元CGデータが挿入された前記定形体群の3次元CGデータに基づき、前記定形体群の立体的な配置状況を解析する定形体群の立体配置状況解析方法。
【請求項2】
前記定形体群の測定には、前記3次元多点群データが取得可能な3次元計測機を使用する請求項1に記載の定形体群の立体配置状況解析方法。
【請求項3】
前記定形体群の3次元CGおよび前記3次元定形体モデルの3次元CGは、前記3次元多点群を構成する各点を基点としてポリゴン変換したものである請求項1または請求項2に記載の定形体群の立体配置状況解析方法。
【請求項4】
前記3次元多点群の3次元ポイントデータの取得後、該3次元ポイントデータに基づき、3Dディスプレイまたは2Dディスプレイの画面に前記定形体群のCGを立体表示し、
前記定形体と推定される領域の抽出、および、前記3次元定形体モデルの前記定形体と推定される領域への挿入は、前記3Dディスプレイまたは前記2Dディスプレイの画面上でのコンピュータグラフィックス処理における手動操作によってそれぞれ行われる請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の定形体群の立体配置状況解析方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−12095(P2013−12095A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145065(P2011−145065)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【特許番号】特許第4855547号(P4855547)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(503186939)日本ジタン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【特許番号】特許第4855547号(P4855547)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(503186939)日本ジタン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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