説明

定着ローラ、その製造方法及び定着装置

【課題】より強度の高い薄肉の定着ローラを提供する。
【解決手段】円筒構造の芯金を有する定着ローラに関する。前記芯金は、内面に複数の円周状のリブ2a、2cを設けた薄肉円筒体2と、薄肉円筒体2の内側の2つの円周状リブ2a間に保持された、少なくとも1つの補強リング3とを備えている。従来のリブ付き薄肉定着ローラのつぶれ強度を更に高めることができるので、加圧力に合わせた過不足のない補強が可能であり、より強度の高い薄肉の定着ローラを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、ファクシミリ、プリンタなどの電子写真プロセスを利用した機器に使用される加熱定着装置、その加熱定着装置に備える定着ローラ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機,プリンタ等の画像形成装置の定着装置において、装置のウォームアップ時間の短縮や省エネルギー化の要求がより強くなってきている。すなわち、装置電源を入れてから、画像形成が完了するまでの時間が短いほど良い訳である。
【0003】
現在の画像形成プロセスは、記録紙上に形成されたトナー像を記録紙とともに定着ローラと加圧ローラとの間に通過させ、その間にトナーに熱を与え、溶融を起こさせ、同時にローラ間の圧力によってトナー像を記録紙上に定着させるのである。
【0004】
これまでは、画像定着を速めるため、定着ローラをあらかじめ予熱しておいたり、加熱源であるハロゲンヒータ等の能力を高めるなどの手段でウォームアップ時間短縮を図れたが、現在では予熱による電力消費0をめざしつつ、待ち時間のない画像定着が望まれている。その対策の一つとして、定着ローラの肉厚を薄くして、ローラ内部の熱源からの表層への熱伝達を早めることが考えられる。
【0005】
しかし、肉厚を薄くすると、以下のような不具合が生じてくる。図7(A)、(B)に示すように、定着ローラ30と加圧ローラ31とは両端において、バネ力によって組み合わされ、互いに押しつけられている。そのため、定着ローラ30の肉厚が薄くなることで、定着ローラ30に変形が生じる。主な変形が、曲げ力による撓み(図7(A)、(B)参照)と薄肉であることによるつぶれ(図7(A)参照)である。これらの変形が合成され下面変位となり、定着ローラ30と加圧ローラ31間の加圧領域である接触部(ニップ部)13に軸方向のムラが生じ、未定着トナー像Tを転写した記録紙Pを通過させたときに定着不良が起こる要因となる。なお、図7中、符号33はヒータを示している。
【0006】
ここで、つぶれと撓みの本明細書中での定義を明確にしておく。つぶれとは、図7(A)に示すように、ローラ断面内での変形(D1−D2)を表わし、例えば、真円の断面を持つパイプがつぶれて、その断面が楕円になったような状態である。これに対し、撓みとは、図7(B)に示すように、曲がりのことであり、まっすぐのパイプが曲がったときの状態である。
【0007】
この撓みやつぶれを抑えるため、定着ローラの内周面に、凸部(リブ)を円周状に設けることにより軸方向の変形(撓み)に関しては効果が小さいが、つぶれの低減効果が大きいことが検証され実用化されている。
【0008】
図8は従来のリブ付き薄肉定着ローラの縦断面図である。図8に示すように、強度向上のため定着ローラ芯金40の内周面に芯金と一体にリブ40aを形成し、定着ローラ芯金40を薄肉化したものがある。
【0009】
しかし、芯金と一体のリブでは製造方法の制約からリブの高さを高くすることが困難で、強度を強くするには、リブの幅を広くしたり本数を増やしたりしているが、この方法では芯金の熱容量も増加し、薄肉のメリットが少なくなってしまうという問題がある。
【0010】
又、定着ローラの芯金の内面に補強部材を保持するものとして、特許文献1〜3が知られている。例えば、特許文献2、3では、定着ローラの内周面に幅を持って当接する円筒状舌部を有する補強部材を用いているので、補強部材の熱容量を小さくするのに限界があり、定着ローラの熱容量を十分に小さくすることができなかった。特許文献1では定着ローラの内面に鍔のない円筒状リングを固定する構造が示されている。
【特許文献1】特開2002−196605号公報
【特許文献2】特開平8−286541号公報
【特許文献3】特開平10−123868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1の構造ではその図18、図19に示されるように、円筒状リングを芯金に食い込ませているので、円筒状リング接合部の定着ローラの肉厚が他の箇所よりも薄くなっている。このため、通紙時に加熱・加圧状態で回転すると円筒状リングと接合する定着ローラの薄肉部に集中応力が掛かり破損するという問題があった。これにより、定着ローラ全体の平均肉厚を充分薄くすることが出来ないと言う問題があった。一方、高画質化と定着性の安定化のためには加圧力の増加が望まれている。
【0012】
そこで、本発明は、より強度の高い薄肉の定着ローラ、その製造方法及びその定着ローラを備えた定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、円筒構造の芯金を有する定着ローラにおいて、前記芯金は、内面に複数の円周状のリブを設けた薄肉円筒体と、該薄肉円筒体の内側の2つの円周状リブ間に保持された、少なくとも1つのリング状の補強部材とを備えていることを特徴とする定着ローラである。
【0014】
また、請求項2に係る発明は、前記リング状の補強部材の外径側断面が、前記リブ間の凹状の曲面に倣う、曲面形状であることを特徴とする請求項1に記載の定着ローラである。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、前記リング状の補強部材材料の縦弾性係数が、薄肉円筒体材料の縦弾性係数と同等もしくは大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着ローラである。
【0016】
また、請求項4に係る発明は、前記薄肉円筒体と、該薄肉円筒体に圧接する加圧体とで形成される加圧領域に、未定着トナー像を転写した記録紙を通過させて加熱定着する定着装置において、前記定着ローラとして、請求項1〜3の何れかに記載の定着ローラを用いたことを特徴とする定着装置である。
【0017】
また、請求項5に係る発明は、円筒構造の芯金を有する定着ローラの製造方法において、前記芯金となる素管の内面にリング状の補強部材を配置した後に、前記素管の外面より回転可能な円盤状の工具を押しつけて、前記補強部材の両側にリブ状の突起を形成し、該リブ状の突起により補強部材を前記素管の内面に固定する工程と、次いで所定の肉厚に前記素管を外径加工する工程とを備えることを特徴とする定着ローラの製造方法である。
【0018】
また、請求項6に係る発明は、電子写真プロセスを用いて記録材上に画像を形成する手段と、該記録材上の画像を定着する手段とを備えた画像形成装置において、前記定着手段として、請求項4に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、従来のリブ付き薄肉定着ローラのつぶれ強度を更に高めることができるので、1本ないし複数のリブのみを補強するので、加圧力に合わせた過不足のない補強が可能であり、より強度の高い薄肉の定着ローラを得ることができるという効果を有する。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、リング状の補強部材の外径側断面が、前記リブ間の凹状の曲面に倣う、曲面形状であるので、局部的な摩耗や応力の集中により破損することはない。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、リング状の補強部材材料の縦弾性係数が、薄肉円筒体材料の縦弾性係数と同等もしくは大きいので、補強部材は薄肉円筒体より変形し易いということは無く、補強部材により外部応力に対する強度を容易に確保することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかの効果を有する定着ローラを用いているので、加圧体との間で加圧領域の加圧力を増加することができ、高画質化と安定した定着性を有する定着装置を得ることができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、より強度の高い薄肉の定着ローラを製造することができる。また、リブ成形時に補強材の両側にも同時に固定用凸部としてのリブ状凸部を成形することで、補強材を容易に固定できる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、高画質化と安定した定着性を有する画像形成装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る一実施形態の薄肉定着ローラの縦断面図である。図1に示すように、この薄肉定着ローラ1は、薄肉円筒体2と、リング状の補強部材としての補強リング3とを備えている。
【0026】
薄肉円筒体2は、円筒状の本体部2dと、本体部2dの内周面に形成された円周上リブとしてのリブ状凸部2a及びリブ2cと、本体部2dの両端部を縮径したジャーナル部2eとを備えている。本体部2dの表面には離型層が形成されており、薄肉定着ローラは加圧ローラと共に加圧領域(ニップ部)を形成する。
【0027】
補強リング3は、薄肉円筒体2の本体部2dの内部に、本体部2dの回転軸と同軸に配置され、2つの円周状リブであるリブ状凸部2a間に保持されている。補強リング3は両側からリブ状凸部2aで挟み込まれているので、容易に外れることはない。
【0028】
図2は図1の薄肉定着ローラにおけるリブと補強リングとの接合面を示す要部拡大図である。図2に示すように、この実施形態では、補強リング3として馬蹄形断面3aのものを用いている。この薄肉定着ローラ1では、リブ状凸部2a間の凹部2bと補強リング3の外周との接合部はR面Rとなっているので、局部的な摩耗や応力の集中により破損することはない。即ち、リブ状凸部2a間の凹状の曲面をなす凹部2bと、この凹部2bの凹状の曲面に倣う、補強リング外周の凸状の曲面3bとから接合面が形成されているので、薄肉円筒体2の内周面と補強リング3の外周面とが点接触や線接触することがない。
【0029】
したがって、薄肉円筒体2の内周面と補強リング3の外周面との間で局部的な摩耗や応力の集中を防止でき、薄肉円筒体2を破損することはないので、高耐久性及び高信頼性を得ることができる。また、接合部は、加圧条件下で回転することで摩擦により若干の摩耗が発生するが、固定用リブとしてのリブ状凸部2aの頂点は摩耗しないので、補強リング3が外れることにはならない。
【0030】
このような補強リング3を装着することにより、薄肉定着ローラは従来以上に補強が可能となり、より薄肉化が可能となって、即ち熱容量の低減が図れ立ち上り時間の短縮が出来る。また、加圧体との間で加圧力を高めることが出来るので高画質、定着性の改善が可能となる。
【0031】
図3は図1の薄肉定着ローラに備える補強リングの変形例を示す図、図4は図1の薄肉定着ローラに備える補強リングのその他の変形例を示す図である。図3に示すように、補強リング3として円形断面3cのものを用いることができる。また、図4に示すように、補強リング3としてU字形断面3dのものを用いることもできる。
【0032】
また、φ30〜φ45、t=0.3〜0.5mmの定着ローラではリブ高さは0.3〜0.6mmが加工性の良い範囲であるが、補強リングの厚さは1〜5mmと厚くすることが出来、高いつぶれ強度が得られる。
【0033】
また、補強リング3等の補強部材による熱容量の増加を最小限にするためには、幅も1〜3m程度とするのが良い。
【0034】
また、補強リング3等の補強部材材料の縦弾性係数を、薄肉円筒体材料の縦弾性係数と同等とすることにより、顕著な補強が可能となる。例えば、薄肉円筒体材料とリング状の補強部材材料とをともに、アルミ合金とすることにより、同等の縦弾性係数とすることができる。このように同一の材料を用いることにより、加熱時の線膨張差による接合部の緩みを防止することができる。なお、同一の材料として、薄肉円筒体材料と補強部材材料とをともに、鉄鋼、ステンレス綱等にしてもよい。
【0035】
また、補強リング3等の補強部材材料の縦弾性係数を、薄肉円筒体材料の縦弾性係数より大きくすることにより、より顕著な補強が可能となる。例えば、薄肉円筒体材料として加工性の良いアルミ合金を用い、補強部材材料として鉄鋼、ステンレス綱を用いることができる。
【0036】
以上のような薄肉円筒体を有するローラ芯金を用いた電子写真用定着ローラの製造方法を以下に示す。図5は電子写真用定着ローラの製造方法を示す図であり、(A)は補強リング装着工程を示す図であり、(B)は補強リブ形成工程を示す図であり、(C)は胴部切削工程を示す図である。
【0037】
先ず、図5(A)に示すように、ローラ芯金となる円筒状の素管4の内部に補強リング3を位置決めする。このとき、補強リング3は素管4の中芯軸と同軸且つ中心軸に直交して配置されている。
【0038】
次に、図5(B)に示すように、この補強リブ形成工程では、素管4を回転保持するチャック(図示せず)により素管4を回転させながら、回転可能な円盤状の成形工具であるスピニングローラ5、6を素管外周面4aに押しつけるスピニング加工により、素管4の内部に補強用のリブ2c及びリブ状凸部2aを形成する工程を行う。このとき、1対のリブ状凸部2aを補強リング3の両側に同時に形成するための複数リブ形成用のスピニングローラ5と、単一リブ形成用のスピニングローラ6を用いることができる。そして、補強リング3の軸方向両側にリブ状凸部2aを形成することで補強リング3を固定する。
【0039】
次に、図5(C)に示すように、素管4を前記チャックにより回転保持して素管4を回転させながら、素管4の胴部外表面4aを、切削用バイト7で切削して、リブ2c及びリブ状凸部2aを形成する際に素管外周面に出来た凹部を切削除去し、所望の薄肉を有する薄肉円筒体2とする。なお、図5及びその説明では、1対のリブ状凸部2aと1つのリブ2cを形成する場合について代表して示したが、実際には、例えば図1に示すように、複数対のリブ状凸部2a及び複数のリブ2cが形成される。
【0040】
このようにして、薄肉且つリブ2c及びリブ状凸部2a並びに補強リング3で補強された高強度のローラ芯金が完成する。次に、図示しないサンドブラスト装置により、ローラ芯金外表面のフッ素樹脂塗装範囲を粗面化するサンドブラスト処理を行う。
【0041】
図示は省略したが、次に、塗装ノズルからフッ素樹脂を塗装後に焼成によるフッ素樹脂層を成膜化するコーティング工程を行う。次に、フッ素樹脂塗装面を研磨テープにより研磨するテープ研磨工程を行い定着ローラが完成する。
【0042】
また、図1に示すような、両端の軸受部(ジャーナル部)が小さく縮径された定着ローラにおいても、軸受部を絞る前に上記の方法で補強リングを固定した後に、軸受部を縮径し、更に追加のリブ成形と所定の薄さに外径切削を行なうことで製造することが出来る。
【0043】
図6は、本発明の薄肉定着ローラを備えた画像形成装置の主要構成を示す説明図である。図6に示すように、この画像形成装置は、静電潜像が形成される感光体ドラム10aと、この感光体ドラム10aに接触又は近接して帯電処理を行う帯電ローラ10bと、感光体ドラム10aの静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ10eと、帯電ローラ10bに直流電圧を印加するための電源10hと、感光体ドラム10a上のトナー像を給紙部から搬送されてきた転写紙としての記録紙Pに転写処理する転写ローラ10fと、感光体ドラム10a表面の残留トナーの除去及び回収を行うクリーニング装置10gと、感光体ドラム10aの表面電位を測定する表面電位計10dと、薄肉定着ローラ1及び加圧ローラ31を有する定着装置10とを備えている。なお、符号10cはレーザ光又は原稿の反射光などの露光を示している。
【0044】
以上のように構成された画像形成装置における作像動作について説明する。先ず、この感光体ドラム10aに接触された帯電ローラ10bに対して直流電圧を電源10hから給電することによって,感光体ドラム10aの表面を一様に高電位に帯電する。
【0045】
その直後、感光体ドラム10a表面に露光10cされると露光された部分は電位が低下する。この露光10cでは、画像の濃度に応じた光量の分布を有するため、露光10cによって感光体ドラム10a面に記録画像に対する電位分布、すなわち静電潜像が形成される。
【0046】
次に、静電潜像が形成された部分が現像ローラ10eを通過すると、その電位の高低に応じてトナーが付着し、静電潜像を可視像化したトナー像が形成される。次に、トナー像が形成された部分に所定のタイミングで記録紙Pが搬送され、上記トナー像に重なる。このトナー像が転写ローラ10fによって記録紙Pに転写された後、この記録紙Pは感光体ドラム10aから分離される。
【0047】
次に、分離された記録紙Pは搬送経路を通って搬送され、薄肉定着ローラ1及び加圧ローラ31により熱加圧定着された後、機外へ排出される。また、上記転写終了後、感光体ドラム10aの表面はクリーニング装置10gによりクリーニング処理され、さらに図示しない残留電荷消去手段により残留電荷が消去され、次の作像処理に備える。
【0048】
このとき、薄肉定着ローラ1として、薄肉化したローラ芯金を有する薄肉定着ローラ1を用いているので、薄肉定着ローラ1の温度上昇率の向上が図れ、立ち上がり時間を大幅に短縮することができ、省電力化も達成することができる。即ち、ウォームアップ時間と、ハロゲンヒータの点灯時間を共に短縮することができる。
【0049】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では加圧体として加圧ローラの場合について説明したが、加圧体としてベルト状のものを圧接するようにしてもよい。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る薄肉定着ローラの縦断面図。
【図2】図1の薄肉定着ローラにおけるリブと補強リングとの接合面を示す要部拡大図。
【図3】図1の薄肉定着ローラに備える補強リングの変形例を示す図。
【図4】図1の薄肉定着ローラに備える補強リングのその他の変形例を示す図。
【図5】本発明に係る薄肉定着ローラの製造方法を示す図。
【図6】本発明の薄肉定着ローラを備えた画像形成装置の主要構成を示す説明図である。
【図7】(A)は定着ローラのつぶれ変形を示す横断面図、(B)は同撓み変形を示す縦断面図。
【図8】従来のリブ付き薄肉定着ローラの縦断面図。
【符号の説明】
【0051】
1 薄肉定着ローラ
2 薄肉円筒体
2a リブ状凸部
2b 凹部
2c リブ
2d 本体部
2e ジャーナル部
3 補強リング(リング状の補強部材)
3a 馬蹄形断面
3b 凸状の曲面
3c 円形断面
3d U字形断面
4 素管
4a 素管外周面
5 リブ状凸部形成用のスピニングローラ
6 リブ形成用のスピニングローラ
7 切削用バイト
R R面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒構造の芯金を有する定着ローラにおいて、
前記芯金は、内面に複数の円周状のリブを設けた薄肉円筒体と、該薄肉円筒体の内側の2つの円周状リブ間に保持された、少なくとも1つのリング状の補強部材とを備えていることを特徴とする定着ローラ。
【請求項2】
前記リング状の補強部材の外径側断面が、前記リブ間の凹状の曲面に倣う、曲面形状であることを特徴とする請求項1に記載の定着ローラ。
【請求項3】
前記リング状の補強部材材料の縦弾性係数が、薄肉円筒体材料の縦弾性係数と同等もしくは大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着ローラ。
【請求項4】
前記薄肉円筒体と、該薄肉円筒体に圧接する加圧体とで形成される加圧領域に、未定着トナー像を転写した記録紙を通過させて加熱定着する定着装置において、
前記定着ローラとして、請求項1〜3の何れかに記載の定着ローラを用いたことを特徴とする定着装置。
【請求項5】
円筒構造の芯金を有する定着ローラの製造方法において、
前記芯金となる素管の内面にリング状の補強部材を配置した後に、前記素管の外面より回転可能な円盤状の工具を押しつけて、前記補強部材の両側にリブ状の突起を形成し、該リブ状の突起により補強部材を前記素管の内面に固定する工程と、次いで所定の肉厚に前記素管を外径加工する工程とを備えることを特徴とする定着ローラの製造方法。
【請求項6】
電子写真プロセスを用いて記録材上に画像を形成する手段と、該記録材上の画像を定着する手段とを備えた画像形成装置において、前記定着手段として、請求項4に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−154591(P2006−154591A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−348130(P2004−348130)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】