説明

定着装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】 記録媒体に紙しわを発生させることなく、短時間でウォームアップできる加圧ローラを備えた定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 加圧ローラ21のスポンジゴム層23は、中央部が所定の発泡倍率のスポンジゴム層23−1であって、その隣から軸端部に向かって順次発泡倍率が軸端部に向かって小さくなる、即ち密度が軸端部に向かって大きくなる、異なる発泡倍率(密度)のスポンジゴム層23−2、23−3、23−4が配列されている。軸端部のスポンジゴム層23−4は、ソリッド状態のゴム層とする。スポンジゴム層の発泡倍率を連続的に変化させることで、記録媒体に紙しわを発生させず、短時間でウォームアップできる加圧ローラを提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やその複合機などに使用される定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体(感光体)上に形成された画像潜像をトナーで現像し、形成されたトナー像を中間転写ベルト等の中間転写体に転写した後、更に記録媒体に転写し、或いは直接記録媒体に転写し、トナー像が転写された記録媒体を定着装置で定着処理して画像を形成する工程をとる。
【0003】
図8は、従来公知の画像形成装置の構成の一例を説明する図で、画像形成装置100は、感光体101の周辺に帯電装置102、露光装置103、現像装置104、転写装置105、クリーニング装置106が配置されている。
【0004】
また、画像形成装置100の本体下側には、記録媒体Pを収納した給紙カセット107が配置されており、転写装置105に向けて記録媒体Pを搬送する搬送路108が形成され、転写装置105の記録媒体Pの搬送方向下流側には、後述する定着装置120が配置されている。
【0005】
画像形成装置100の動作を簡単に説明する。電源の投入により感光体101が矢印a方向に一定速度で回転を開始すると、感光体101の表面は帯電装置102により均一に帯電され、帯電された感光体101の表面に露光装置103から画像信号で変調されたレーザ光が投射され、画像潜像が形成される。
【0006】
感光体101表面の画像潜像は、現像装置104に装填されているトナーで現像される。感光体101表面に形成されたトナー像が転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙カセット107から記録媒体Pが給紙され、転写位置において転写装置105の作用によりトナー像が記録媒体Pに転写される。
【0007】
トナー像が転写された記録媒体Pは、定着装置120に搬送されて定着処理され、定着処理された記録媒体Pは排出部109に排出される。この後、感光体101表面の残留トナーはクリーニング装置106により清掃され、画像形成動作は終了する。
【0008】
図9は、従来公知の定着装置120の構成の一例を説明する断面図で、芯金の内部に熱源、たとえばハロゲンランプを備え、芯金122の外側に耐熱ゴム層123を設け、その表層に離型層124を設けた加熱ローラ121と、芯金の外側に耐熱ゴム層132を設け、その表層に離型層134を設けた加圧ローラ131とを圧接配置し、両者の間のニップ部にトナー像が転写された記録媒体を通過させて定着処理するヒートローラ形式のものである。
【0009】
この他、定着装置には、セラミックヒータの外側に可撓性スリーブを配置した加熱体と、芯金の外側に耐熱ゴム層を設けた加圧ローラとを圧接配置し、両者の間のニップ部にトナー像が転写された記録媒体を通過させて定着処理するオンデマンド形式のもの、その他が使用されている。
【0010】
定着装置で使用される加圧ローラは、芯金の外側に耐熱ゴムからなるスポンジゴム層を設けて構成されるものがあり、この場合、中央部がスポンジゴムであり、軸方向両端がソリッドゴムで構成されるものが知られている(特許文献1、特許文献3参照)。
【0011】
また、加圧ローラの中央部の硬度が軸方向両端部の硬度よりも低いもの、加圧ローラをスポンジゴムで構成するものが知られている(特許文献2参照)
【特許文献1】特開平6−67560号公報。
【特許文献2】特開平7−219374号公報。
【特許文献3】特開2002−258651号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
定着装置では、加熱ローラと加圧ローラとを圧接して定着ニップ部を形成するが、圧接力は、定着ニップ部よりも外側の加熱ローラ軸と加圧ローラ軸とに作用するから、ローラ軸が湾曲し、定着ニップ部の幅が狭くなる。圧接力を高めることで定着ニップ部の幅を拡げようとしてもローラ軸の湾曲が大きくなり十分に拡げることができない。また、芯金の外側に配置される耐熱ゴム層の硬度を下げると、記録媒体がカールするという不都合がある。
【0013】
この対策として、前記したように、芯金の外側に配置される耐熱ゴム層をスポンジゴム層としたものが提案されている。しかしながら、加圧ローラのゴム層をスポンジゴムで構成すると、定着ニップ部でスポンジゴムの気泡部分が潰れて体積変化が生じるから、加圧ローラの中央部と軸方向両端部とで記録媒体の搬送速度に差が発生し、定着処理された記録媒体に紙しわが発生するという不都合がある。
【0014】
この対策として、加圧ローラの軸方向両端部のゴム層をソリッドゴムで構成すると、熱容量が大きくなり、所定の定着温度まで上昇させるウォームアップ時間が長くなるという不都合がある。
【0015】
この発明は、ウォームアップ時間に影響を与えることなく、加圧ローラのゴム層の発泡率を徐々に変化させるようにして、上記した不都合を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、一対の定着ローラを使用した熱定着方式の定着装置において、前記定着ローラは一方のローラが芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層が配置されており、当該スポンジゴム層はローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さく設定されていることを特徴とする定着装置である。
【0017】
そして、前記定着ローラのスポンジゴム層はローラの軸端部がソリッドゴム層で構成されているものとする。
【0018】
また、前記定着ローラのスポンジゴム層のゴム硬度はローラの中央部から軸端部まで略等しいものとしてもよい。
【0019】
また、前記定着ローラは少なくとも一方のローラ外径が中央部と軸端部とで異なるものとしてもよい。
【0020】
そして、前記定着ローラは、一方が芯金の内部に熱源を備えた加熱ローラで、他方が芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層を備え、ローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さく設定されている加圧ローラである。
【0021】
請求項6の発明は、定着ベルトと加圧ローラを使用した熱定着方式の定着装置において、前記加圧ローラは芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層が配置されており、当該スポンジゴム層はローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さく設定されていることを特徴とする定着装置である。
【0022】
そして、前記加圧ローラのスポンジゴム層はローラの軸端部がソリッドゴム層で構成されているものとする。
【0023】
また、前記加圧ローラのスポンジゴム層のゴム硬度はローラの中央部から軸端部まで略等しいものとしてもよい。
【0024】
また、前記加圧ローラは少なくとも一方のローラ外径が中央部と軸端部とで異なるものとしてもよい。
【0025】
請求項10の発明は、加圧ベルトと加熱ローラを使用した熱定着方式の定着装置において、前記加熱ローラは芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層が配置されており、当該スポンジゴム層はローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さく設定されていることを特徴とする定着装置である。
【0026】
請求項10の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の定着装置を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0027】
以上この発明によれば、ローラは芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層が配置されており、当該スポンジゴム層はローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さくなるように設定されているから、従来のローラのように熱容量を大きくすることなく、また紙しわを発生させることもなく、短時間で所定の定着温度まで上昇させることができる定着装置及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の実施の形態の定着装置の構成を説明する。
【0029】
図1は、この発明の実施の形態の定着装置10の構成を説明する断面図である。定着装置10は、加熱ローラ11と加圧ローラ21とを圧接配置し、両者の間のニップ部にトナー像が転写された記録媒体Pを通過させて定着処理するヒートローラ形式の定着装置である。
【0030】
加熱ローラ11は、芯金12の内部に熱源、例えばハロゲンランプ15を備え、芯金12の外側に耐熱ゴム層13を設け、その表層に離型層14を設けたもので、加熱ローラ11の外径は任意であるが、例えば外径20〜50mm程度とする。
【0031】
芯金12は、アルミニウム、鉄などの金属で構成され、外径や厚みは任意であるが、例えば外径20〜45mm、厚み0.1〜5mm程度であり、外径は軸方向の両端に向かって一定の形状、軸方向の両端に向かって大きい逆クラウン形状、中央部の外径が大きく軸方向の両端に向かって次第に細くなるクラウン形状など適宜の形状とする。外径の最大値と最小値の差は0.001〜3mm程度とするとよい。芯金の断面形状は、円筒状のほか三角形状など異形であってもよい。
【0032】
耐熱ゴム層13は、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性の高い弾性材料を使用し、その厚みは例えば0.05〜5mm程度とするとよい。また、離型層14は、フッ素チューブを被覆するか、フッ素コーティングにより形成され、その厚みは、例えば5〜100μmとするとよい。
【0033】
加圧ローラ21は、芯金22の外側に耐熱ゴムのスポンジゴム層23を設け、その表層に離型層24を設けたもので、加圧ローラ21の外径は任意であるが、例えば外径20〜50mm程度とする。
【0034】
芯金22は、アルミニウム、鉄などの金属で構成され、外径や厚みは任意であるが、例えば外径20〜45mm、厚さ0.1〜5mm程度であり、外径は軸方向の両端に向かって一定の形状、軸方向の両端に向かって大きい逆クラウン形状、中央部の外径が大きく軸方向の両端に向かって次第に細くなるクラウン形状など適宜の形状とする。外径の最大値と最小値の差は0.001〜3mm程度とするとよい。
【0035】
離型層24は、フッ素チューブを被覆するか、フッ素コーティングにより形成され、その厚さは例えば5〜100μmとするとよい。導電性が付与される場合もある。
【0036】
芯金22が中央部の外径が大きく軸方向の両端に向かって次第に細くなるクラウン形状、或いは逆クラウン形状の場合、耐熱ゴム層13及び離型層24を設けた加圧ローラ21の外径は、中央部から軸端部に向かって異なるものとなる。
【0037】
加圧ローラ21のスポンジゴム層23の構成には複数の第1実施例がある。以下、順次説明する。
【0038】
[第1実施例]
図2は第1実施例の加圧ローラ21のスポンジゴム層23の構成と、発泡倍率(密度)の変化を説明する図で、図2(a)はスポンジゴム層23の構成を説明する図、図2(b)は、加圧ローラ21の軸方向位置と、発泡倍率(密度)の関係を説明する図である。
【0039】
図2(a)及び図2(b)を参照して加圧ローラ21のスポンジゴム層23の構成の第1実施例について説明する。スポンジゴム層23は、中央部が所定の発泡倍率のスポンジゴム層23−1であって、その隣から軸端部に向かって順次発泡倍率が軸端部に向かって小さくなる、即ち密度が軸端部に向かって大きくなる、異なる発泡倍率(密度)のスポンジゴム層23−2、23−3、23−4が配列されている。軸端部のスポンジゴム層23−4は、ソリッド状態のゴム層とする。スポンジゴム層の厚みは1〜20mm程度とするとよい。
【0040】
スポンジゴム層の発泡倍率とは、ゴムの発泡の程度を示す値であり、ソリッド状態のゴム層の密度をXg/cm2 、スポンジの見掛け密度をYg/cm2 としたとき、発泡倍率は、Y/Xで表される。見掛け密度とは、材料の中に正常に存在する通気性及び不通気性の空隙の双方を含む材料の体積によってその質量を除算した値(JIS−K6900)である。例えば、ソリッド状態で比重1.5g/cm2 のシリコーンゴムの場合、中央部を発泡倍率3倍、即ち見掛け密度0.5g/cm2 とし、軸端部に向かって徐々に発泡倍率を小さくし、軸端部でソリッド状態、即ち発泡倍率1倍とすることができる。
【0041】
発泡倍率は任意に決定することができるが1〜5倍の範囲であり、耐久性を考慮するときはある程度の強度が必要となるので1〜3倍の範囲が望ましい。また、発泡倍率を、発泡セル数で表してもよい。つまり、中央部を発泡セル数が多いスポンジとし、軸端部を発泡セル数が少ないスポンジとしてもよい。なお、上記した発泡倍率等の数値範囲は、定着装置に応じて適宜変更してもよい。
【0042】
スポンジゴムの材料は、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性の高い弾性材料を使用し、添加剤を加えてもよい。また、発泡セルの形状は、独立気泡、連続気泡のいずれでもよく、両方が混在していてもよい。発泡方法は任意であるが、発泡剤を使用する方法、機械的に作る方法などがある。気泡の大きさは任意であって、中央部と軸端部で気泡の大きさを変えてもよい。
【0043】
スポンジゴム層の硬度も任意であるが、中央部と軸端部とでゴム材料を変えてもよい。例えば、中央部には軸端部よりも硬度の高いベースゴム材料を使用することにより、軸端部に比較して発泡倍率が高くてもスポンジゴム層の硬度を高くすることができる。このほか、フィラーを添加することにより、スポンジゴム層の硬度を最適硬度に調整することもできる。また、ゴム層の硬度を中央部から軸端部まで略同等としてもよい。
【0044】
[第2実施例]
図3は第2実施例の加圧ローラ21のスポンジゴム層23の構成と、発泡倍率(密度)の変化を説明する図で、図3(a)はスポンジゴム層23の構成を説明する図、図3(b)は、加圧ローラ21の軸方向位置と、発泡倍率(密度)の関係を説明する図である。
【0045】
図3(a)及び図3(b)を参照して加圧ローラ21のスポンジゴム層23の構成の第2実施例について説明する。スポンジゴム層23は、中央部が所定の発泡倍率のスポンジゴム層23−N0であって、軸端部に向かって次第に発泡倍率が連続的に小さくなる、即ち密度が軸端部に向かって連続的に大きくなるスポンジゴム層23−Nから構成され、軸端部のスポンジゴム層23−Nnは、ソリッド状態のゴム層とする。スポンジゴム層の厚みは1〜20mm程度とするとよい。第2実施例では発泡倍率(密度)が連続的に変化するとき、曲線を描いて連続的に変化するものとする。
【0046】
スポンジゴム層の発泡倍率、発泡方法、スポンジゴムの材料、スポンジゴム層の硬度等は第1実施例と変わらないので説明を省略する。
【0047】
[第3実施例]
図4は第3実施例の加圧ローラ21のスポンジゴム層23の構成と、発泡倍率(密度)の変化を説明する図で、図4(a)はスポンジゴム層23の構成を説明する図、図4(b)は、加圧ローラ21の軸方向位置と、発泡倍率(密度)の関係を説明する図である。
【0048】
図4(a)及び図4(b)を参照して加圧ローラ21のスポンジゴム層23の構成の第2実施例について説明する。スポンジゴム層23は、中央部が所定の発泡倍率のスポンジゴム層23−M0であって、軸端部に向かって次第に発泡倍率が連続的に小さくなる、即ち密度が軸端部に向かって連続的に大きくなるスポンジゴム層23−Mから構成され、軸端部のスポンジゴム層23−Mnは、ソリッド状態のゴム層とする。スポンジゴム層の厚みは1〜20mm程度とするとよい。第3実施例では発泡倍率(密度)が連続的に変化するとき、直線を描いて連続的に変化するものとする。
【0049】
スポンジゴム層の発泡倍率、発泡方法、スポンジゴムの材料、スポンジゴム層の硬度等は第1実施例と変わらないので説明を省略する。
【0050】
以上、この発明の加圧ローラについて説明したが、ここで説明した構成は、加圧ローラに限られるものではなく、加熱ローラにも適用できるものである。
【0051】
また、前記した加圧ローラは、先に図1に示す定着装置の加圧ローラとして説明したが、前記した加圧ローラはこの他の構成の定着装置にも適用することができる。以下、これについて説明する。
【0052】
図5は、ベルト定着装置30の構成を説明する断面図である。加熱ローラ31と定着ローラ32との間に定着ベルト33が架設され、定着ローラ32に対向する位置には定着ベルト33を挟んで加圧ローラ34が圧接配置されている。定着ベルト33は加熱ローラ31の表面に接触することで所定の定着温度に加熱される。
【0053】
トナー像が形成された記録媒体Pは、定着ベルト33と加圧ローラ34との間に形成されるニップ部に搬送され、ニップ部を通過することで定着処理される。
【0054】
加圧ローラ34には、前記第1乃至3実施例で説明した加圧ローラ21を使用する。定着ベルト33は、ニッケル、ステンレススチール等の金属材料、PA、PI、PPS等の耐熱合成樹脂から構成される。加圧ローラ34の表面はフッ素コーティングなどにより離型層を形成するとよい。
【0055】
加熱ローラ31は、円筒形の芯金の表面をフッ素チューブを被覆するかフッ素コーティングなどして離型層を形成するか、ニッケルメッキ等を施し、摺動性を付与するとよい。加熱ローラ31には、熱源として芯金の内部にハロゲンランプなどを配置する。
【0056】
定着ローラ32には、前記第1乃至3実施例で説明した加圧ローラ21を使用することができる。
【0057】
図6もベルト定着装置40の構成を説明する断面図で、この構成では、加熱ローラ41とパッド42との間に定着ベルト43が架設され、パッド42に対向する位置には定着ベルト43を挟んで加圧ローラ44が圧接配置されている。定着ベルト43は加熱ローラ41の表面に接触することで所定の定着温度に加熱される。
【0058】
トナー像が形成された記録媒体Pは、定着ベルト43と加圧ローラ44との間に形成されるニップ部に搬送され、ニップ部を通過することで定着処理される。
【0059】
加圧ローラ44には、前記第1乃至3実施例で説明した加圧ローラ21を使用する。定着ベルト43は、ニッケル、ステンレススチール等の金属材料、PA、PI、PPS等の耐熱合成樹脂から構成される。加圧ローラ44の表面はフッ素コーティングなどにより離型層を形成するとよい。
【0060】
図7もベルト定着装置50の構成を説明する断面図で、この構成では加熱ローラ51と支持部材52の外周に嵌装された加圧ベルト53から構成され、加熱ローラ51と加圧ベルト53とは圧接されている。
【0061】
加熱ローラ51は、前記第1乃至3実施例で説明した加圧ローラ21の内部に熱源を配置して構成される。
【0062】
加圧ベルト53は、ニッケル、ステンレススチール等の金属材料、PA、PI、PPS等の耐熱合成樹脂から構成される。加圧ベルト53の表面はフッ素コーティングなどにより離型層を形成するとよい。
【0063】
トナー像が形成された記録媒体Pは、加熱ローラ51と加圧ベルト53との間に形成されるニップ部に搬送され、ニップ部を通過することで定着処理される。
【0064】
次に、上記第1乃至第3実施例の加圧ローラを使用した定着装置10を備えた画像形成装置、或いは上記第1乃至第3実施例の加圧ローラを使用した定着装置30乃至50を備えた画像形成装置について説明する。この画像形成装置の構成は、先に図8を参照して説明した画像形成装置100と同様で、その定着装置120を上記定着装置10或いは定着装置30乃至50としたものであり、その特徴部分は前記した定着装置の加圧ローラにある。従って、ここでは詳細な説明は省く。
【産業上の利用可能性】
【0065】
ローラは芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層が配置され、スポンジゴム層はローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さくなるように設定されている。紙しわを発生させることもなく、短時間で所定の定着温度まで上昇させることができる定着装置及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】この発明の実施の形態の定着装置の構成を説明する断面図。
【図2】第1実施例の加圧ローラのスポンジゴム層の構成と発泡倍率(密度)の変化を説明する図。
【図3】第2実施例の加圧ローラのスポンジゴム層の構成と発泡倍率(密度)の変化を説明する図。
【図4】第3実施例の加圧ローラのスポンジゴム層の構成と発泡倍率(密度)の変化を説明する図。
【図5】ベルト定着装置の構成を説明する断面図(その1)。
【図6】ベルト定着装置の構成を説明する断面図(その2)。
【図7】ベルト定着装置の構成を説明する断面図(その3)。
【図8】従来公知の画像形成装置の構成の一例を説明する図。
【図9】従来公知の定着装置構成の一例を説明する断面図。
【符号の説明】
【0067】
10 定着装置
11 加熱ローラ
12 芯金
13 耐熱ゴム層
14 離型層
15 ハロゲンランプ
21 加圧ローラ
22 芯金
23 スポンジゴム層
24 離型層
30 ベルト定着装置
31 加熱ローラ
32 定着ローラ
33 定着ベルト
34 加圧ローラ
40 ベルト定着装置
41 加熱ローラ
42 パッド
43 定着ベルト
44 加圧ローラ
50 ベルト定着装置
51 加熱ローラ
52 支持部材
53 加圧ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の定着ローラを使用した熱定着方式の定着装置において、前記定着ローラは一方のローラが芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層が配置されており、当該スポンジゴム層はローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さく設定されていること
を特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記定着ローラのスポンジゴム層はローラの軸端部がソリッドゴム層であること
を特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記定着ローラのスポンジゴム層のゴム硬度はローラの中央部から軸端部まで略等しいこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記定着ローラは少なくとも一方のローラ外径が中央部と軸端部とで異なること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置。
【請求項5】
前記定着ローラは、一方が芯金の内部に熱源を備えた加熱ローラで、他方が芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層を備え、ローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さく設定されている加圧ローラであること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置。
【請求項6】
定着ベルトと加圧ローラを使用した熱定着方式の定着装置において、前記加圧ローラは芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層が配置されており、当該スポンジゴム層はローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さく設定されていること
を特徴とする定着装置。
【請求項7】
前記加圧ローラのスポンジゴム層はローラの軸端部がソリッドゴム層であること
を特徴とする請求項6に記載の定着装置。
【請求項8】
前記加圧ローラのスポンジゴム層のゴム硬度はローラの中央部から軸端部まで略等しいこと
を特徴とする請求項6又は7に記載の定着装置。
【請求項9】
前記加圧ローラは少なくとも一方のローラ外径が中央部と軸端部とで異なること
を特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の定着装置。
【請求項10】
加圧ベルトと加熱ローラを使用した熱定着方式の定着装置において、前記加熱ローラは芯金の周囲に耐熱性スポンジゴム層が配置されており、当該スポンジゴム層はローラの軸端部に向かうほど発泡倍率が小さく設定されていること
を特徴とする定着装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の定着装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−328109(P2007−328109A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158689(P2006−158689)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】