定着装置及び画像形成装置
【課題】 簡単な構成でブリスタの発生を防止できる定着装置。
【解決手段】 無端状の定着ベルトを少なくとも二つのローラに張架し、一方のローラである定着ローラを前記定着ベルトを介して加圧する加圧ローラを有し、所定の加熱手段によって加熱された前記定着ベルトと前記加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ベルト、若しくは前記定着ベルト及び前記定着ローラの双方に、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていること。
【解決手段】 無端状の定着ベルトを少なくとも二つのローラに張架し、一方のローラである定着ローラを前記定着ベルトを介して加圧する加圧ローラを有し、所定の加熱手段によって加熱された前記定着ベルトと前記加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ベルト、若しくは前記定着ベルト及び前記定着ローラの双方に、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、記録紙上の未定着トナー像を加熱・加圧して定着する定着装置に関し、詳しくは記録紙にブリスタが発生することを防止する定着装置に関する。本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の画像形成装置に好適である。
【背景技術】
【０００２】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体に形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を記録紙上に転写し、この後、記録紙上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
【０００３】
また、カラー画像を形成する場合には、原稿色に対応したＹ，Ｍ，Ｃ，Ｋの潜像を４個の感光体ドラムに形成し、顕像化された４色のトナー像を無端状ベルトからなる中間転写体に一次転写した後に記録紙上に二次転写して、記録紙上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
【０００４】
このようにトナー像を定着する定着装置としては、ハロゲンヒータ等を内蔵した加熱ローラと、加熱ローラに加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録紙を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
【０００５】
また、無端状の定着ベルトをハロゲンヒータ等を内蔵した加熱ローラと定着ローラとに張架し、定着ベルトを介して定着ローラを加圧する加圧ローラを有し、定着ベルトと加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録紙を挟持・搬送しながら、加熱・加圧するベルト定着方式の定着装置があり、このような定着装置においては定着ベルトの熱容量が小さいので、ウオーミングアップタイムが短縮し、省エネになる。
【０００６】
以上の如き画像形成装置において、特にフルカラーの画像を形成する場合には、定着装置において加熱温度を高くしたり、ニップ幅を広くして加熱時間を長くしたりして、記録紙の表面に光沢を持たせて、トナー像の発色や画像品質を向上させている。また、記録紙の表面若しくは表裏面に合成ゴムや合成樹脂からなるコート層を設けたコート紙を用い、記録紙の表面に光沢を持たせることも行われる。
【０００７】
このような場合に、定着時の加熱によって記録紙の内部の水分が蒸発して水蒸気となり、体積が膨張するが、記録紙が定着ベルトや定着ローラに当接してしていて、水蒸気が記録紙の外部に抜けることができない状態のときは、記録紙やトナー層の内部で気泡が発生して画像品質が劣化するという現象が発生することがある。この現象をブリスタと称し、特に高湿の環境下で記録紙の含水率が高くなったときに顕著に発生する。
【０００８】
このブリスタの発生を防止する発明として、例えば、コート紙であると判別した場合には、定着ニップの通過時間を８０ｍｓｅｃ以上に制御する定着装置がある（特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００４−４９６２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、特許文献１においては、コート紙であるか否かを判別する判別手段、及び定着ニップの通過時間を制御するニップ通過時間制御手段を必要とし、画像形成装置が複雑になって原価高になるという問題がある。
【００１０】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、前述の判別手段やニップ通過時間制御手段を必要とせず、簡単な構成でブリスタの発生を防止できる定着装置及び該定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記目的は下記の手段によって達成される。
【００１２】
［請求項１］無端状の定着ベルトを少なくとも二つのローラに張架し、一方のローラである定着ローラを前記定着ベルトを介して加圧する加圧ローラを有し、所定の加熱手段によって加熱された前記定着ベルトと前記加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ベルト、若しくは前記定着ベルト及び前記定着ローラの双方に、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていることを特徴とする定着装置。
【００１３】
［請求項２］前記定着ベルトの表面に配置した離型層に形成された孔は、水分子より大で、トナーの粒径より小であることを特徴とする請求項１に記載の定着装置。
【００１４】
［請求項３］所定の加熱手段によって加熱された定着ローラと、該定着ローラを加圧する加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ローラに、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていることを特徴とする定着装置。
【００１５】
［請求項４］前記定着ローラの表面に配置した離型層に形成された孔は、水分子より大で、トナーの粒径より小であることを特徴とする請求項３に記載の定着装置。
【００１６】
［請求項５］前記離型層に形成された孔は、０．０１μｍ以上、１μｍ以下であることを特徴とする請求項２又は請求項４に記載の定着装置。
【００１７】
［請求項６］前記定着ローラの弾性層は、連泡タイプの発泡スポンジであることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の定着装置。
【００１８】
［請求項７］前記離型層を清掃する清掃手段を設けたことを特徴とする請求項２，４〜６の何れか１項に記載の定着装置。
【００１９】
［請求項８］請求項１〜７の何れか１項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【００２０】
請求項１，３，６に記載の定着装置によれば、定着時の加熱によって記録紙やトナー層の内部の水分が蒸発して水蒸気が発生しても、その水蒸気が定着ベルト、定着ローラ若しくは加熱ローラに形成した微小な孔を通過することができるので、ブリスタの発生を防止することができる。
【００２１】
請求項２，４，５に記載の定着装置によれば、定着ベルト、定着ローラ若しくは加熱ローラに形成した微小な孔を水蒸気が通過しても、該孔にトナーが侵入することはない。
【００２２】
請求項７に記載の定着装置によれば、清掃手段が定着ベルト若しくは加熱ローラを清掃するので、微小な孔が目詰まりすることがない。
【００２３】
請求項８に記載の画像形成装置によれば、請求項１〜７の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２４】
以下に本発明に関する実施の形態を図を参照して説明する。
【００２５】
先ず、本発明の定着装置を用いた画像形成装置の一例を図１の構成図に基づいて説明する。
【００２６】
本画像形成装置は画像形成装置本体ＧＨと画像読取装置ＹＳとから構成される。
【００２７】
画像形成装置本体ＧＨは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部１０Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋ、ベルト状の中間転写体６、給紙搬送手段及び定着装置９等からなる。
【００２８】
画像形成装置本体ＧＨの上部には、自動原稿送り装置２０１と原稿画像走査露光装置２０２から成る画像読取装置ＹＳが設置されている。自動原稿送り装置２０１の原稿台上に載置された原稿ｄは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置２０２の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサＣＣＤに読み込まれる。
【００２９】
ラインイメージセンサＣＣＤにより光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、Ａ／Ｄ変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段３Ｙ，３Ｍ，３Ｃ，３Ｋに送られる。
【００３０】
イエロー（Ｙ）色の画像を形成する画像形成部１０Ｙは、感光体ドラム１Ｙの周囲に帯電手段２Ｙ、露光手段３Ｙ、現像装置４Ｙ及びクリーニング手段８Ｙを配置している。マゼンタ（Ｍ）色の画像を形成する画像形成部１０Ｍは、感光体ドラム１Ｍの周囲に帯電手段２Ｍ、露光手段３Ｍ、現像装置４Ｍ及びクリーニング手段８Ｍを配置している。シアン（Ｃ）色の画像を形成する画像形成部１０Ｃは、感光体ドラム１Ｃの周囲に帯電手段２Ｃ、露光手段３Ｃ、現像装置４Ｃ及びクリーニング手段８Ｃを配置している。黒（Ｋ）色の画像を形成する画像形成部１０Ｋは、感光体ドラム１Ｋの周囲に帯電手段２Ｋ、露光手段３Ｋ、現像装置４Ｋ及びクリーニング手段８Ｋを配置している。そして、帯電手段２Ｙと露光手段３Ｙ、帯電手段２Ｍと露光手段３Ｍ、帯電手段２Ｃと露光装置３Ｃ、及び帯電手段２Ｋと露光装置３Ｋは、潜像形成手段を構成する。
【００３１】
なお、現像装置４Ｙ，４Ｍ，４Ｃ，４Ｋは、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）及び黒（Ｋ）のトナーとキャリアからなる２成分現像剤を内包する。
【００３２】
中間転写体６は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
【００３３】
定着装置９は、無端状の定着ベルト９１を加熱ローラ９２と定着ローラ９３とに張架し、定着ベルト９１を介して定着ローラ９３を押圧する加圧ローラ９４を有し、定着ベルト９１と加圧ローラ９４との間に形成されたニップ部で記録紙（転写材）Ｐ上のトナー像を加熱・加圧して定着する。
【００３４】
かくして、画像形成部１０Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋより形成された各色の画像は、回動する中間転写体６上に転写手段７Ｙ，７Ｍ，７Ｃ，７Ｋにより逐次転写されて（１次転写）、カラー画像合成されたトナー像が形成される。給紙カセット２０内に収容された記録紙Ｐは、給紙手段２１により給紙され、給紙ローラ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，レジストローラ２３等を経て、転写手段７Ａに搬送され、記録紙Ｐ上にカラー画像が転写される（２次転写）。カラー画像が転写された記録紙Ｐは定着装置９において加熱・加圧され、記録紙Ｐ上のカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ２４に挟持されて機外の排紙トレイ２５上に載置される。
【００３５】
一方、転写手段７Ａにより記録紙Ｐにカラー画像を転写した後、記録紙Ｐを曲率分離した中間転写体６は、クリーニング手段８Ａにより残留トナーが除去される。
【００３６】
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよい。
【００３７】
次に、本発明に係わるベルト定着装置について、図２の拡大断面図に基づいて説明する。
【００３８】
定着ベルト９１は、無端状に形成され、例えば、基体として厚さ７０μｍのＰＩ（ポリイミド）等からなる耐熱性の樹脂ベルトを用い、基体の外周面を弾性層として厚さ２００μｍの耐熱性のシリコンゴムで被覆し、更に、離型層として厚さ３０μｍのＰＦＡ（パーフルオロアルコキシ）チューブで被覆している。なお、外径寸法は例えば８０ｍｍで、幅は例えば３４０ｍｍである。
【００３９】
加熱ローラ９２は、定着ベルト９１を加熱する加熱手段としてのハロゲンランプ９２Ａを内蔵し、例えば、アルミニュウム等から形成された肉厚２ｍｍの円筒状の中空回転体９２Ｂの外周面を、耐熱性のＰＦＡチューブ９２Ｃで被覆し、ハードローラとして構成されている。なお、外径寸法は例えば４７ｍｍである。
【００４０】
定着ローラ９３は、例えば、鉄等の金属から形成された中実の芯金９３Ａを、厚さ４．５ｍｍの耐熱性のシリコンゴム９３Ｂで被覆し、更に、厚さ２．５ｍｍのスポンジ９３Ｃで被覆して、ソフトローラとして構成されている。外径寸法は例えば４０ｍｍである。
【００４１】
加圧ローラ９４は、定着ベルト９１を加熱する加熱手段としてのハロゲンランプ９４Ａを内蔵し、例えば、アルミニュウム等から形成された肉厚３ｍｍの円筒状の中空回転体９４Ｂの外周面を、厚さ３ｍｍの耐熱性のシリコンゴム９４Ｃで被覆し、更に、離型層として厚さ３０μｍのＰＦＡ（パーフルオロアルコキシ）チューブ９４Ｄで被覆し、ソフトローラとして構成されている。なお、外径寸法は例えば５０ｍｍである。
【００４２】
なお、定着ベルト９１を加熱する加熱手段として、どのような加熱手段を用いてもよく、例えば励磁コイルを用いた誘導加熱発熱体を用いてもよい。また、加熱手段は、必ずしも加熱ローラ９２等の中に配置されていなくてもよく、どこに配置されていてもよい。
【００４３】
また、９５は定着ベルト９１を清掃する清掃手段であって、ウエッブ９５Ａ、ウエッブ９５Ａを巻回する元巻軸９５Ｂ、ウエッブ９５Ａを定着ベルト９１に圧着させる圧着ローラ９５Ｃ、ウエッブ９５Ａを巻き取る巻取軸９５Ｄとからなる。ウエッブ９４Ａは不織布等からなり、所定の通紙枚数毎に所定量が間欠的に巻き取られる。なお、清掃手段９５としては、ウエッブ９５Ａの代わりにフェルト等からなり弾性を有するパッドを定着ベルト９１に圧着してもよい。
【００４４】
更に、定着ベルト９１を介して加熱ローラ９２の温度を検知する温度センサＳ１、及び加圧ローラ９４の温度を検知する温度センサＳ２が設けられている。
【００４５】
以上の構成において、不図示の駆動手段によって定着ローラ９３を時計方向に回転させると、定着ベルト９１及び加熱ローラ９２は時計方向に回転し、加圧ローラ９４は反時計方向に回転する。また、加熱ローラ９２に当接する定着ベルト９１はハロゲンランプ９２Ａにより加熱され、加圧ローラ９４もハロゲンランプ９４Ａによって加熱される。そして、不図示の付勢手段によって加圧ローラ９４が定着ローラ９３の方向に付勢されているので、定着ローラ９３に巻回された定着ベルト９１と加圧ローラ９４との間のニップ部Ｎで、給紙された記録紙Ｐが加熱・加圧されて、記録紙Ｐ上のトナー像が定着される。
【００４６】
ここで、定着ベルト９１の基体、弾性層及び離型層には微小な孔が形成されていて、記録紙Ｐの水蒸気が通過可能になっている。水分子の大きさは１．６×１０-4μｍであるので、微小な孔としては例えば０．１μｍ以上に形成されている。従って、ニップ部で加熱されて記録紙Ｐの内部の発生した水蒸気が離型層、弾性層、基体と定着ベルト９１の内部を通過することができるので、ブリスタが発生することがない。
【００４７】
また、記録紙上のトナーが定着ベルト９１に侵入することがないように、前述の微小な孔はトナー粒径より小さくすることが必要がある。トナー粒径は最小７μｍ程度であるので、微小な孔としては例えば１μｍ以下に形成されている。
【００４８】
但し、トナーと接触する離型層に形成する孔は１μｍ以下に設定する必要があるが、弾性層及び基体に関しては、より大きい孔であっても問題ない。
【００４９】
なお、微小な孔の加工方法として、レーザー加工を用いることができる。
【００５０】
また、離型層としては、通気性、耐熱性、離型性を有する多孔質の材料を用いる必要があり、ＰＦＡに代えて例えば超高分子量のＰＴＦＥ（ポリテトラフロロエチレン）を高度に配向させた多孔質構造体としてのゴアテックス（登録商標）を用いてもよい。
【００５１】
弾性層としては、シリコンゴムに代えて連泡タイプの発泡スポンジを用いてもよい。
【００５２】
更に、定着ベルト９１のみならず定着ローラ９３にも微小な孔を形成することによって、記録紙Ｐの水蒸気がより排出し易くなる。定着ローラ９３に対してもレーザー加工を行ったり、連泡タイプのスポンジを用いたりすることが望ましい。
【００５３】
その他に、清掃手段９５のウエッブ９５Ａを定着ベルト９１に圧接することによって、定着ベルト９１に設けた微小な孔が目詰まりすることを防止することができる。
【００５４】
以上は、ベルト定着装置において記録紙のブリスタを防止する構成であったが、熱ローラ定着装置であっても同様に構成することができる。
【００５５】
図３は熱ローラ定着装置の拡大断面図である。
【００５６】
加熱ローラ１９２は、加熱手段としてのハロゲンヒータ１９２Ａを内蔵し、アルミニュウム等から形成された芯金１９２Ｂ、連泡タイプの発泡スポンジから形成された弾性層１９２Ｃ、ゴアテックス（登録商標）等から形成された離型層１９２Ｄから構成される。
【００５７】
加圧ローラ１９４は、アルミニュウム等から形成された芯金１９４Ａ、シリコーンゴム等から形成された弾性層１９４Ｂ、ＰＦＡ等から形成された離型層１９４Ｃから構成される。
【００５８】
清掃手段１９５は前述の清掃手段９５と同様である。
【００５９】
加熱ローラ１９２には定着ベルト９１や定着ローラ９３と同様に微小な孔が形成されていて、記録紙Ｐの水蒸気が通過可能になっている。そして、少なくとも離型層１９２Ｄに形成された孔は、水分子より大（例えば、０．０１μｍ以上）で、トナーの粒径より小（例えば、１μｍ以下）に形成されているので、ニップ部で加熱されて記録紙Ｐの内部の発生した水蒸気が離型層１９２Ｄ、弾性層１９２Ｃ、芯金１９２Ｂと加熱ローラ１９２の内部を通過することができ、ブリスタが発生することがない。また、記録紙上のトナーが加熱ローラ１９２の内部に侵入することもない。
【００６０】
そして、清掃手段１９５によって加熱ローラ１９２が清掃され、微小な孔が目詰まりすることが防止される。
【００６１】
なお、定着ベルト９１や加熱ローラ１９２を加熱する加熱手段として、どのような加熱手段を用いてもよく、例えば励磁コイルを用いた誘導加熱発熱手段を用いてもよい。また、加熱手段は、必ずしも加熱ローラ９２や加熱ローラ１９２の中に配置されていなくてもよく、どこに配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００６２】
【図１】画像形成装置の構成図である。
【図２】ベルト定着装置の拡大断面図である。
【図３】熱ローラ定着装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
【００６３】
９ 定着装置
９１ 定着ベルト
９２，１９２ 加熱ローラ
９３ 定着ローラ
９４，１９４ 加圧ローラ
９５，１９５ 清掃手段
【技術分野】
【０００１】
本発明は、記録紙上の未定着トナー像を加熱・加圧して定着する定着装置に関し、詳しくは記録紙にブリスタが発生することを防止する定着装置に関する。本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の画像形成装置に好適である。
【背景技術】
【０００２】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体に形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を記録紙上に転写し、この後、記録紙上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
【０００３】
また、カラー画像を形成する場合には、原稿色に対応したＹ，Ｍ，Ｃ，Ｋの潜像を４個の感光体ドラムに形成し、顕像化された４色のトナー像を無端状ベルトからなる中間転写体に一次転写した後に記録紙上に二次転写して、記録紙上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
【０００４】
このようにトナー像を定着する定着装置としては、ハロゲンヒータ等を内蔵した加熱ローラと、加熱ローラに加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録紙を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
【０００５】
また、無端状の定着ベルトをハロゲンヒータ等を内蔵した加熱ローラと定着ローラとに張架し、定着ベルトを介して定着ローラを加圧する加圧ローラを有し、定着ベルトと加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録紙を挟持・搬送しながら、加熱・加圧するベルト定着方式の定着装置があり、このような定着装置においては定着ベルトの熱容量が小さいので、ウオーミングアップタイムが短縮し、省エネになる。
【０００６】
以上の如き画像形成装置において、特にフルカラーの画像を形成する場合には、定着装置において加熱温度を高くしたり、ニップ幅を広くして加熱時間を長くしたりして、記録紙の表面に光沢を持たせて、トナー像の発色や画像品質を向上させている。また、記録紙の表面若しくは表裏面に合成ゴムや合成樹脂からなるコート層を設けたコート紙を用い、記録紙の表面に光沢を持たせることも行われる。
【０００７】
このような場合に、定着時の加熱によって記録紙の内部の水分が蒸発して水蒸気となり、体積が膨張するが、記録紙が定着ベルトや定着ローラに当接してしていて、水蒸気が記録紙の外部に抜けることができない状態のときは、記録紙やトナー層の内部で気泡が発生して画像品質が劣化するという現象が発生することがある。この現象をブリスタと称し、特に高湿の環境下で記録紙の含水率が高くなったときに顕著に発生する。
【０００８】
このブリスタの発生を防止する発明として、例えば、コート紙であると判別した場合には、定着ニップの通過時間を８０ｍｓｅｃ以上に制御する定着装置がある（特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００４−４９６２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、特許文献１においては、コート紙であるか否かを判別する判別手段、及び定着ニップの通過時間を制御するニップ通過時間制御手段を必要とし、画像形成装置が複雑になって原価高になるという問題がある。
【００１０】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、前述の判別手段やニップ通過時間制御手段を必要とせず、簡単な構成でブリスタの発生を防止できる定着装置及び該定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記目的は下記の手段によって達成される。
【００１２】
［請求項１］無端状の定着ベルトを少なくとも二つのローラに張架し、一方のローラである定着ローラを前記定着ベルトを介して加圧する加圧ローラを有し、所定の加熱手段によって加熱された前記定着ベルトと前記加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ベルト、若しくは前記定着ベルト及び前記定着ローラの双方に、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていることを特徴とする定着装置。
【００１３】
［請求項２］前記定着ベルトの表面に配置した離型層に形成された孔は、水分子より大で、トナーの粒径より小であることを特徴とする請求項１に記載の定着装置。
【００１４】
［請求項３］所定の加熱手段によって加熱された定着ローラと、該定着ローラを加圧する加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、前記定着ローラに、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていることを特徴とする定着装置。
【００１５】
［請求項４］前記定着ローラの表面に配置した離型層に形成された孔は、水分子より大で、トナーの粒径より小であることを特徴とする請求項３に記載の定着装置。
【００１６】
［請求項５］前記離型層に形成された孔は、０．０１μｍ以上、１μｍ以下であることを特徴とする請求項２又は請求項４に記載の定着装置。
【００１７】
［請求項６］前記定着ローラの弾性層は、連泡タイプの発泡スポンジであることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の定着装置。
【００１８】
［請求項７］前記離型層を清掃する清掃手段を設けたことを特徴とする請求項２，４〜６の何れか１項に記載の定着装置。
【００１９】
［請求項８］請求項１〜７の何れか１項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【００２０】
請求項１，３，６に記載の定着装置によれば、定着時の加熱によって記録紙やトナー層の内部の水分が蒸発して水蒸気が発生しても、その水蒸気が定着ベルト、定着ローラ若しくは加熱ローラに形成した微小な孔を通過することができるので、ブリスタの発生を防止することができる。
【００２１】
請求項２，４，５に記載の定着装置によれば、定着ベルト、定着ローラ若しくは加熱ローラに形成した微小な孔を水蒸気が通過しても、該孔にトナーが侵入することはない。
【００２２】
請求項７に記載の定着装置によれば、清掃手段が定着ベルト若しくは加熱ローラを清掃するので、微小な孔が目詰まりすることがない。
【００２３】
請求項８に記載の画像形成装置によれば、請求項１〜７の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２４】
以下に本発明に関する実施の形態を図を参照して説明する。
【００２５】
先ず、本発明の定着装置を用いた画像形成装置の一例を図１の構成図に基づいて説明する。
【００２６】
本画像形成装置は画像形成装置本体ＧＨと画像読取装置ＹＳとから構成される。
【００２７】
画像形成装置本体ＧＨは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部１０Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋ、ベルト状の中間転写体６、給紙搬送手段及び定着装置９等からなる。
【００２８】
画像形成装置本体ＧＨの上部には、自動原稿送り装置２０１と原稿画像走査露光装置２０２から成る画像読取装置ＹＳが設置されている。自動原稿送り装置２０１の原稿台上に載置された原稿ｄは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置２０２の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサＣＣＤに読み込まれる。
【００２９】
ラインイメージセンサＣＣＤにより光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、Ａ／Ｄ変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段３Ｙ，３Ｍ，３Ｃ，３Ｋに送られる。
【００３０】
イエロー（Ｙ）色の画像を形成する画像形成部１０Ｙは、感光体ドラム１Ｙの周囲に帯電手段２Ｙ、露光手段３Ｙ、現像装置４Ｙ及びクリーニング手段８Ｙを配置している。マゼンタ（Ｍ）色の画像を形成する画像形成部１０Ｍは、感光体ドラム１Ｍの周囲に帯電手段２Ｍ、露光手段３Ｍ、現像装置４Ｍ及びクリーニング手段８Ｍを配置している。シアン（Ｃ）色の画像を形成する画像形成部１０Ｃは、感光体ドラム１Ｃの周囲に帯電手段２Ｃ、露光手段３Ｃ、現像装置４Ｃ及びクリーニング手段８Ｃを配置している。黒（Ｋ）色の画像を形成する画像形成部１０Ｋは、感光体ドラム１Ｋの周囲に帯電手段２Ｋ、露光手段３Ｋ、現像装置４Ｋ及びクリーニング手段８Ｋを配置している。そして、帯電手段２Ｙと露光手段３Ｙ、帯電手段２Ｍと露光手段３Ｍ、帯電手段２Ｃと露光装置３Ｃ、及び帯電手段２Ｋと露光装置３Ｋは、潜像形成手段を構成する。
【００３１】
なお、現像装置４Ｙ，４Ｍ，４Ｃ，４Ｋは、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）及び黒（Ｋ）のトナーとキャリアからなる２成分現像剤を内包する。
【００３２】
中間転写体６は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
【００３３】
定着装置９は、無端状の定着ベルト９１を加熱ローラ９２と定着ローラ９３とに張架し、定着ベルト９１を介して定着ローラ９３を押圧する加圧ローラ９４を有し、定着ベルト９１と加圧ローラ９４との間に形成されたニップ部で記録紙（転写材）Ｐ上のトナー像を加熱・加圧して定着する。
【００３４】
かくして、画像形成部１０Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋより形成された各色の画像は、回動する中間転写体６上に転写手段７Ｙ，７Ｍ，７Ｃ，７Ｋにより逐次転写されて（１次転写）、カラー画像合成されたトナー像が形成される。給紙カセット２０内に収容された記録紙Ｐは、給紙手段２１により給紙され、給紙ローラ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ，２２Ｄ，レジストローラ２３等を経て、転写手段７Ａに搬送され、記録紙Ｐ上にカラー画像が転写される（２次転写）。カラー画像が転写された記録紙Ｐは定着装置９において加熱・加圧され、記録紙Ｐ上のカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ２４に挟持されて機外の排紙トレイ２５上に載置される。
【００３５】
一方、転写手段７Ａにより記録紙Ｐにカラー画像を転写した後、記録紙Ｐを曲率分離した中間転写体６は、クリーニング手段８Ａにより残留トナーが除去される。
【００３６】
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよい。
【００３７】
次に、本発明に係わるベルト定着装置について、図２の拡大断面図に基づいて説明する。
【００３８】
定着ベルト９１は、無端状に形成され、例えば、基体として厚さ７０μｍのＰＩ（ポリイミド）等からなる耐熱性の樹脂ベルトを用い、基体の外周面を弾性層として厚さ２００μｍの耐熱性のシリコンゴムで被覆し、更に、離型層として厚さ３０μｍのＰＦＡ（パーフルオロアルコキシ）チューブで被覆している。なお、外径寸法は例えば８０ｍｍで、幅は例えば３４０ｍｍである。
【００３９】
加熱ローラ９２は、定着ベルト９１を加熱する加熱手段としてのハロゲンランプ９２Ａを内蔵し、例えば、アルミニュウム等から形成された肉厚２ｍｍの円筒状の中空回転体９２Ｂの外周面を、耐熱性のＰＦＡチューブ９２Ｃで被覆し、ハードローラとして構成されている。なお、外径寸法は例えば４７ｍｍである。
【００４０】
定着ローラ９３は、例えば、鉄等の金属から形成された中実の芯金９３Ａを、厚さ４．５ｍｍの耐熱性のシリコンゴム９３Ｂで被覆し、更に、厚さ２．５ｍｍのスポンジ９３Ｃで被覆して、ソフトローラとして構成されている。外径寸法は例えば４０ｍｍである。
【００４１】
加圧ローラ９４は、定着ベルト９１を加熱する加熱手段としてのハロゲンランプ９４Ａを内蔵し、例えば、アルミニュウム等から形成された肉厚３ｍｍの円筒状の中空回転体９４Ｂの外周面を、厚さ３ｍｍの耐熱性のシリコンゴム９４Ｃで被覆し、更に、離型層として厚さ３０μｍのＰＦＡ（パーフルオロアルコキシ）チューブ９４Ｄで被覆し、ソフトローラとして構成されている。なお、外径寸法は例えば５０ｍｍである。
【００４２】
なお、定着ベルト９１を加熱する加熱手段として、どのような加熱手段を用いてもよく、例えば励磁コイルを用いた誘導加熱発熱体を用いてもよい。また、加熱手段は、必ずしも加熱ローラ９２等の中に配置されていなくてもよく、どこに配置されていてもよい。
【００４３】
また、９５は定着ベルト９１を清掃する清掃手段であって、ウエッブ９５Ａ、ウエッブ９５Ａを巻回する元巻軸９５Ｂ、ウエッブ９５Ａを定着ベルト９１に圧着させる圧着ローラ９５Ｃ、ウエッブ９５Ａを巻き取る巻取軸９５Ｄとからなる。ウエッブ９４Ａは不織布等からなり、所定の通紙枚数毎に所定量が間欠的に巻き取られる。なお、清掃手段９５としては、ウエッブ９５Ａの代わりにフェルト等からなり弾性を有するパッドを定着ベルト９１に圧着してもよい。
【００４４】
更に、定着ベルト９１を介して加熱ローラ９２の温度を検知する温度センサＳ１、及び加圧ローラ９４の温度を検知する温度センサＳ２が設けられている。
【００４５】
以上の構成において、不図示の駆動手段によって定着ローラ９３を時計方向に回転させると、定着ベルト９１及び加熱ローラ９２は時計方向に回転し、加圧ローラ９４は反時計方向に回転する。また、加熱ローラ９２に当接する定着ベルト９１はハロゲンランプ９２Ａにより加熱され、加圧ローラ９４もハロゲンランプ９４Ａによって加熱される。そして、不図示の付勢手段によって加圧ローラ９４が定着ローラ９３の方向に付勢されているので、定着ローラ９３に巻回された定着ベルト９１と加圧ローラ９４との間のニップ部Ｎで、給紙された記録紙Ｐが加熱・加圧されて、記録紙Ｐ上のトナー像が定着される。
【００４６】
ここで、定着ベルト９１の基体、弾性層及び離型層には微小な孔が形成されていて、記録紙Ｐの水蒸気が通過可能になっている。水分子の大きさは１．６×１０-4μｍであるので、微小な孔としては例えば０．１μｍ以上に形成されている。従って、ニップ部で加熱されて記録紙Ｐの内部の発生した水蒸気が離型層、弾性層、基体と定着ベルト９１の内部を通過することができるので、ブリスタが発生することがない。
【００４７】
また、記録紙上のトナーが定着ベルト９１に侵入することがないように、前述の微小な孔はトナー粒径より小さくすることが必要がある。トナー粒径は最小７μｍ程度であるので、微小な孔としては例えば１μｍ以下に形成されている。
【００４８】
但し、トナーと接触する離型層に形成する孔は１μｍ以下に設定する必要があるが、弾性層及び基体に関しては、より大きい孔であっても問題ない。
【００４９】
なお、微小な孔の加工方法として、レーザー加工を用いることができる。
【００５０】
また、離型層としては、通気性、耐熱性、離型性を有する多孔質の材料を用いる必要があり、ＰＦＡに代えて例えば超高分子量のＰＴＦＥ（ポリテトラフロロエチレン）を高度に配向させた多孔質構造体としてのゴアテックス（登録商標）を用いてもよい。
【００５１】
弾性層としては、シリコンゴムに代えて連泡タイプの発泡スポンジを用いてもよい。
【００５２】
更に、定着ベルト９１のみならず定着ローラ９３にも微小な孔を形成することによって、記録紙Ｐの水蒸気がより排出し易くなる。定着ローラ９３に対してもレーザー加工を行ったり、連泡タイプのスポンジを用いたりすることが望ましい。
【００５３】
その他に、清掃手段９５のウエッブ９５Ａを定着ベルト９１に圧接することによって、定着ベルト９１に設けた微小な孔が目詰まりすることを防止することができる。
【００５４】
以上は、ベルト定着装置において記録紙のブリスタを防止する構成であったが、熱ローラ定着装置であっても同様に構成することができる。
【００５５】
図３は熱ローラ定着装置の拡大断面図である。
【００５６】
加熱ローラ１９２は、加熱手段としてのハロゲンヒータ１９２Ａを内蔵し、アルミニュウム等から形成された芯金１９２Ｂ、連泡タイプの発泡スポンジから形成された弾性層１９２Ｃ、ゴアテックス（登録商標）等から形成された離型層１９２Ｄから構成される。
【００５７】
加圧ローラ１９４は、アルミニュウム等から形成された芯金１９４Ａ、シリコーンゴム等から形成された弾性層１９４Ｂ、ＰＦＡ等から形成された離型層１９４Ｃから構成される。
【００５８】
清掃手段１９５は前述の清掃手段９５と同様である。
【００５９】
加熱ローラ１９２には定着ベルト９１や定着ローラ９３と同様に微小な孔が形成されていて、記録紙Ｐの水蒸気が通過可能になっている。そして、少なくとも離型層１９２Ｄに形成された孔は、水分子より大（例えば、０．０１μｍ以上）で、トナーの粒径より小（例えば、１μｍ以下）に形成されているので、ニップ部で加熱されて記録紙Ｐの内部の発生した水蒸気が離型層１９２Ｄ、弾性層１９２Ｃ、芯金１９２Ｂと加熱ローラ１９２の内部を通過することができ、ブリスタが発生することがない。また、記録紙上のトナーが加熱ローラ１９２の内部に侵入することもない。
【００６０】
そして、清掃手段１９５によって加熱ローラ１９２が清掃され、微小な孔が目詰まりすることが防止される。
【００６１】
なお、定着ベルト９１や加熱ローラ１９２を加熱する加熱手段として、どのような加熱手段を用いてもよく、例えば励磁コイルを用いた誘導加熱発熱手段を用いてもよい。また、加熱手段は、必ずしも加熱ローラ９２や加熱ローラ１９２の中に配置されていなくてもよく、どこに配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００６２】
【図１】画像形成装置の構成図である。
【図２】ベルト定着装置の拡大断面図である。
【図３】熱ローラ定着装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
【００６３】
９ 定着装置
９１ 定着ベルト
９２，１９２ 加熱ローラ
９３ 定着ローラ
９４，１９４ 加圧ローラ
９５，１９５ 清掃手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
無端状の定着ベルトを少なくとも二つのローラに張架し、一方のローラである定着ローラを前記定着ベルトを介して加圧する加圧ローラを有し、所定の加熱手段によって加熱された前記定着ベルトと前記加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、
前記定着ベルト、若しくは前記定着ベルト及び前記定着ローラの双方に、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていることを特徴とする定着装置。
【請求項２】
前記定着ベルトの表面に配置した離型層に形成された孔は、水分子より大で、トナーの粒径より小であることを特徴とする請求項１に記載の定着装置。
【請求項３】
所定の加熱手段によって加熱された定着ローラと、該定着ローラを加圧する加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、
前記定着ローラに、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていることを特徴とする定着装置。
【請求項４】
前記定着ローラの表面に配置した離型層に形成された孔は、水分子より大で、トナーの粒径より小であることを特徴とする請求項３に記載の定着装置。
【請求項５】
前記離型層に形成された孔は、０．０１μｍ以上、１μｍ以下であることを特徴とする請求項２又は請求項４に記載の定着装置。
【請求項６】
前記定着ローラの弾性層は、連泡タイプの発泡スポンジであることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の定着装置。
【請求項７】
前記離型層を清掃する清掃手段を設けたことを特徴とする請求項２，４〜６の何れか１項に記載の定着装置。
【請求項８】
請求項１〜７の何れか１項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項１】
無端状の定着ベルトを少なくとも二つのローラに張架し、一方のローラである定着ローラを前記定着ベルトを介して加圧する加圧ローラを有し、所定の加熱手段によって加熱された前記定着ベルトと前記加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、
前記定着ベルト、若しくは前記定着ベルト及び前記定着ローラの双方に、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていることを特徴とする定着装置。
【請求項２】
前記定着ベルトの表面に配置した離型層に形成された孔は、水分子より大で、トナーの粒径より小であることを特徴とする請求項１に記載の定着装置。
【請求項３】
所定の加熱手段によって加熱された定着ローラと、該定着ローラを加圧する加圧ローラとの間に形成されたニップ部で記録紙上のトナー像を定着する定着装置において、
前記定着ローラに、水蒸気が通過可能な微小な孔が形成されていることを特徴とする定着装置。
【請求項４】
前記定着ローラの表面に配置した離型層に形成された孔は、水分子より大で、トナーの粒径より小であることを特徴とする請求項３に記載の定着装置。
【請求項５】
前記離型層に形成された孔は、０．０１μｍ以上、１μｍ以下であることを特徴とする請求項２又は請求項４に記載の定着装置。
【請求項６】
前記定着ローラの弾性層は、連泡タイプの発泡スポンジであることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の定着装置。
【請求項７】
前記離型層を清掃する清掃手段を設けたことを特徴とする請求項２，４〜６の何れか１項に記載の定着装置。
【請求項８】
請求項１〜７の何れか１項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−２２１０４１（Ｐ２００６−２２１０４１Ａ）
【公開日】平成１８年８月２４日（２００６．８．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３５７６２（Ｐ２００５−３５７６２）
【出願日】平成１７年２月１４日（２００５．２．１４）
【出願人】（３０３０００３７２）コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年８月２４日（２００６．８．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年２月１４日（２００５．２．１４）
【出願人】（３０３０００３７２）コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Ｆターム（参考）】
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