説明

定着装置及び画像形成装置

【課題】複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられた、定着ベルト等の定着部材を局所加熱可能な加熱手段を有する定着装置であって、局所加熱可能な加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、定着画像の質を担保しつつ、防止ないし抑制可能とした定着装置、これを有するかかる画像形成装置の提供。
【解決手段】定着部材64を局所加熱可能な第1の加熱手段66と、定着部材64との間で記録媒体Sを押圧するための加圧部材63を加熱する第2の加熱手段67とを有する定着装置6及びこれを有する画像形成装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられた、定着ベルト等の定着部材を局所加熱可能な加熱手段を有する定着装置、これを有するかかる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられ、用紙等の記録媒体に担持された像をかかる記録媒体に定着するための定着装置であって、定着部材、すなわちベルト定着タイプの定着装置における定着ベルト、あるいは熱ローラ対タイプの定着装置における定着ローラ等の定着部材と、加圧ローラ等の加圧部材と、定着部材を加熱する加熱手段とを備えた定着装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)。
【0003】
加熱手段としては、記録媒体の搬送方向すなわち定着部材の幅方向全体にわたって延在し定着部材を幅方向全体にわたって加熱するなど、定着部材を均一的に加熱するものと、定着部材を局所的に加熱するもの(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)とが知られている。前者の加熱手段としては、たとえばハロゲンヒータが挙げられ、後者の加熱手段としては、たとえばサーマルヘッドが挙げられる。
【0004】
前者の加熱手段では、定着部材を均一的に加熱するため、熱が定着部材から加圧部材に移動して加圧部材にもある程度の蓄熱がなされることから、前者の加熱手段を有する定着装置では、加圧部材を加熱する熱源を有しない場合も多い。
【0005】
しかし、前者の加熱手段を有する定着装置では、記録媒体の全体を加熱することとなるため、記録媒体の像を担持していない部分、いわゆる白地部分も加熱することとなるが、白地部分には本来熱を供給する必要はなく、エネルギーを無駄に消費することとなる。
【0006】
これに対し、後者の加熱手段を有する定着装置では、記録媒体の、像を担持している部分すなわち像担持部分のみを加熱可能であるため、無駄なエネルギー消費が抑制され、前者の定着装置と比較して無駄な消費電力が大幅に削減されることとなる。
献4〕参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、後者の加熱手段を有する定着装置では、加熱手段によって、記録媒体の像担持部分を狙って、定着部材に熱が与えられるがゆえに、加圧部材が昇温しにくく、加圧部材は常時低い温度となっているため、加熱手段によって定着部材に与えられた、定着にのみ消費されるべき熱が、加圧部材によって急速に奪われ、定着不良が発生するという問題がある。
【0008】
よって、無駄な消費電力の削減という観点とは矛盾するが、かかる問題を回避するには、加圧部材の温度はある程度上昇させておくか、加熱手段によって定着部材に与える熱量を増加することが考えられる。しかしながら、後者の方式では、加圧部材の温度が低い状態で加熱手段によって定着部材の温度をやみくもに上昇させると、記録媒体の界面とこれに担持されている像の界面との間での温度差が大きくなり、定着不良の問題は回避可能であるが光沢度が出ない、あるいは光沢度が出すぎるといった、定着性と光沢度とのトレードオフの問題が生ずる。
【0009】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられた、定着ベルト等の定着部材を局所加熱可能な加熱手段を有する定着装置であって、局所加熱可能な加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、定着画像の質を担保しつつ、防止ないし抑制可能とした定着装置、これを有するかかる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、定着部材を局所加熱可能な第1の加熱手段と、前記定着部材との間で記録媒体を押圧するための加圧部材を加熱する第2の加熱手段とを有する定着装置にある。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の定着装置において、第2の加熱手段として、前記加圧部材の外側に配設された加熱手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の定着装置において、前記加圧部材は、中空状の加圧ローラであり、第2の加熱手段として、前記加圧ローラの内側に配設された加熱手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の定着装置において、前記加圧部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段によって検知された温度に基づいて第2の加熱手段を制御して前記加圧部材の温度を制御する温度制御手段とを有し、前記温度制御手段による前記加圧部材の制御温度を、記録媒体の厚みに応じて設定することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の定着装置において、前記加圧部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段によって検知された温度に基づいて第2の加熱手段を制御して前記加圧部材の温度を制御する温度制御手段とを有し、前記温度制御手段による前記加圧部材の制御温度を、記録媒体に担持されたトナー層の厚みに応じて設定することを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の定着装置において、前記温度検知手段は、前記加圧部材の表面温度を検知することを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の定着装置において、第2の加熱手段は、前記加圧部材を局所加熱可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の定着装置を有する画像形成装置にある。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、定着部材を局所加熱可能な第1の加熱手段と、前記定着部材との間で記録媒体を押圧するための加圧部材を加熱する第2の加熱手段とを有する定着装置にあるので、局所加熱可能な第1の加熱手段を用いることで消費エネルギーを抑制しながら、第2の加熱手段によって加圧部材を昇温させることで局所加熱可能な第1の加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、定着画像の質を担保しつつ、防止ないし抑制可能とした定着装置を提供することができる。
【0019】
第2の加熱手段として、前記加圧部材の外側に配設された加熱手段を有することとすれば、局所加熱可能な第1の加熱手段を用いること及び第2の加熱手段によって加圧部材を表面側から昇温させることで消費エネルギーをより高度に抑制しながら、第2の加熱手段によって加圧部材を昇温させることで局所加熱可能な第1の加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、定着画像の質を担保しつつ、防止ないし抑制可能とした定着装置を提供することができる。
【0020】
前記加圧部材は、中空状の加圧ローラであり、第2の加熱手段として、前記加圧ローラの内側に配設された加熱手段を有することとすれば、局所加熱可能な第1の加熱手段を用いることで消費エネルギーを抑制しながら、加圧部材を内側から昇温させる比較的一般的な構成で局所加熱可能な第1の加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、定着画像の質を担保しつつ、防止ないし抑制可能とした定着装置を提供することができる。
【0021】
前記加圧部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段によって検知された温度に基づいて第2の加熱手段を制御して前記加圧部材の温度を制御する温度制御手段とを有し、前記温度制御手段による前記加圧部材の制御温度を、記録媒体の厚みに応じて設定することとすれば、局所加熱可能な第1の加熱手段を用いることで消費エネルギーを抑制しながら、記録媒体の厚みに応じた適切な温度制御により、第2の加熱手段によって記録媒体の厚みに応じて加圧部材を昇温させることで局所加熱可能な第1の加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、幅広い厚みの記録媒体について、定着画像の質を担保しつつ、より高い精度で防止ないし抑制可能とした定着装置を提供することができる。
【0022】
前記加圧部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段によって検知された温度に基づいて第2の加熱手段を制御して前記加圧部材の温度を制御する温度制御手段とを有し、前記温度制御手段による前記加圧部材の制御温度を、記録媒体に担持されたトナー層の厚みに応じて設定することとすれば、局所加熱可能な第1の加熱手段を用いることで消費エネルギーを抑制しながら、記録媒体に担持されたトナー層の厚みに応じた適切な温度制御により、第2の加熱手段によって記録媒体の厚みに応じて加圧部材を昇温させることで局所加熱可能な第1の加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、幅広い種類の画像について、定着画像の質を担保しつつ、より高い精度で防止ないし抑制可能とした定着装置を提供することができる。
【0023】
前記温度検知手段は、前記加圧部材の表面温度を検知することとすれば、局所加熱可能な第1の加熱手段を用いることで消費エネルギーを抑制しながら、定着性能を左右し易い加圧部材の表面温度に基づく適切な温度制御により、第2の加熱手段によって記録媒体の厚みに応じて加圧部材を昇温させることで局所加熱可能な第1の加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、定着画像の質を担保しつつ、より高い精度で防止ないし抑制可能とした定着装置を提供することができる。
【0024】
第2の加熱手段は、前記加圧部材を局所加熱可能であることとすれば、局所加熱可能な第1の加熱手段及び第2の加熱手段を用いることで消費エネルギーをより高度に抑制しながら、第2の加熱手段によって加圧部材の適切な位置を昇温させることで局所加熱可能な第1の加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、定着画像の質を担保しつつ、防止ないし抑制可能とした定着装置を提供することができる。
【0025】
本発明は、かかる定着装置を有する画像形成装置にあるので、局所加熱可能な第1の加熱手段を用いることで消費エネルギーを抑制しながら、第2の加熱手段によって加圧部材を昇温させることで局所加熱可能な第1の加熱手段を備えていることによる加圧部材の吸熱に起因する定着不良を、定着画像の質を担保しつつ、防止ないし抑制可能とした、消費エネルギーを抑制しながら良好な画像形成を行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明を適用した定着装置及び画像形成装置の概略正面図である。
【図2】図1に示した定着装置に備えられた発熱素子の特性を示した図である。
【図3】図1に示した定着装置に備えられた発熱素子の他の特性を示した図である。
【図4】図1に示した定着装置の通紙時の定着ニップ部分の温度の傾向を示した図である。
【図5】図1に示した定着装置の概略構成図である。
【図6】図1に示した画像形成装置に備えられる定着装置の他の構成例の概略構成図である。
【図7】図1に示した画像形成装置に備えられる定着装置のまた他の構成例を示す概略図である。
【図8】図1に示した画像形成装置に備えられる定着装置のさらに他の構成例を示す概略図である。
【図9】図1に示した定着装置の定着ニップ部分の温度の、記録媒体との厚みと関連付けられた傾向を示した図である。
【図10】本発明を適用した定着装置において加圧部材の制御温度を記録媒体の厚みと関連付けたテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能になっているが、他の画像形成装置、すなわち、モノクロ機や、複写機、プリンタ、ファクシミリの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の複合機であっても良い。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
【0028】
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である用紙としての記録体である記録材たる転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
【0029】
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能なドラム状の像担持体としての潜像担持体である感光体たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを、転写ベルト11の張り渡し方向に沿って4連タンデム式に並べて設け平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。
【0030】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、画像形成装置100のプリンタ部として機能する本体99の図示しないフレームに回転自在に支持され、中間転写体である転写体たる中間転写ベルトとしての転写ベルト11の移動方向であって図1において反時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
【0031】
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための作像装置としての画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
【0032】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端のベルトとして構成されたエンドレスの転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に位置している。
【0033】
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写媒体としての転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙Sに一括転写されるようになっている。よって画像形成装置100は中間転写方式の画像形成装置となっている。したがって画像形成装置100はタンデム型間接転写方式の電子写真装置となっている。
【0034】
転写ベルト11は、その下側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向しており、この対向した部分である対向位置が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写領域としての1次転写部58を形成している。
【0035】
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向する位置に配設された第1の転写ローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
【0036】
画像形成装置100は、本体99内に、4つの作像装置としての画像形成ステーションである画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの上方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写装置たる転写ユニットとしての中間転写ユニットである転写ベルトユニット10と、図1における転写ベルト11の右側において転写ベルト11に対向して配設された2次転写装置5と、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKの下方に対向して配設された潜像形成手段としての光書込みユニットである光学ユニットとしての書き込み装置たる露光装置としての光走査装置8とを有している。
【0037】
画像形成装置100はまた、本体99内の光走査装置8の下方に、転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写領域としての2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能な給紙ユニットとしての給紙トレイである給紙装置たるシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた転写紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、2次転写部57に向けて繰り出す搬送ローラとしてのレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
【0038】
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙Sに同トナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着部である定着装置6と、正回転時に定着済みの転写紙Sを本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙装置である排紙ローラ7と、転写ベルトユニット10の上方に配設され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKと、本体99の上側に配設され排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する、胴内排紙部によって形成された排紙トレイ17とを有している。
【0039】
画像形成装置100はまた、本体99の、同図における右側面に取り付けられた両面ユニット51と、本体99の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての画像読取装置である読取装置98とを有している。
【0040】
画像形成装置100はまた、本体99内に、同図における右側に下方から上方に向けて形成され、その中途部に2次転写部57、レジストローラ対4、定着装置6及び排紙ローラ7が設けられ、シート給送装置61から繰り出された転写紙Sが進入する用紙搬送路81と、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向においてレジストローラ対4の上流側で両面ユニット51から用紙搬送路81に合流する給紙路82と、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向において定着装置6の下流側で用紙搬送路81から両面ユニット51に向けて分岐した再給紙搬送路83とを有している。
【0041】
画像形成装置100はまた、本体99内に、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを回転駆動する図示しない駆動装置と、画像形成装置100の動作全般を制御する図示しないCPU、メモリ等を含む図示しない制御手段とを有している。
【0042】
画像形成装置100はまた、本体99の外面に、画像形成開始指示を行うための図示しないスタートスイッチ、転写紙Sの厚みを入力する紙種入力手段としての紙種入力キー等を備え画像形成装置100の動作、作動態様を指定することが可能となっているとともに、所定の表示を行うための表示手段としての図示しない液晶表示装置を備えた図示しない操作パネルを有している。
画像形成装置100は、排紙トレイ17が本体99の上方でかつ読取装置98の下側に位置した胴内排紙型の画像形成装置である。
【0043】
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられ掛けまわした複数のローラとしての、駆動部材である駆動ローラ72と、張架ローラとしてのクリーニング対向ローラ74と、駆動ローラ72及びクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11を張架する支持ローラとしての張架ローラ33、34と、転写ベルト11の外側から転写ベルト11に当接しクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11に所定の張力を与えるためのテンションローラ75とを有している。
【0044】
転写ベルトユニット10はまた、クリーニング対向ローラ74に対向する位置において転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置であるベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13と、駆動ローラ72を回転駆動する図示しない駆動系と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに1次転写バイアスを印加し1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとともに一次転写装置をそれぞれ構成する図示しないバイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段とを有している。
【0045】
クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、34、テンションローラ75は、駆動ローラ72によって回転駆動される転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。この1次転写ニップは、転写ベルト11の、クリーニング対向ローラ74と張架ローラ33との間でほぼ水平に張り渡した部分において形成されている。クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、テンションローラ75は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。
【0046】
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に1次転写される。
【0047】
駆動ローラ72は、転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、2次転写部57を形成している。
クリーニング対向ローラ74は、テンションローラ75とともに、転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与える加圧部材としてのテンションローラたる機能を有している。
【0048】
クリーニング装置13は、図1において転写ベルトユニット10の左下方、具体的にはクリーニング対向ローラ74の下方に配設されている。クリーニング装置13は、図示を省略するが、クリーニング対向ローラ74に対向する位置で転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニング部材と、クリーニング部材をその内部に収容したケースと、図1においてケースの紙面手前側に配設された廃トナー回収ボトルとを有している。
【0049】
クリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニング部材で掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。転写ベルト11から除去されたかかる異物は廃トナー回収ボトルに貯蔵される。廃トナー回収ボトルは前面パネルを開いた状態で図1における紙面手前側に取り出し可能となっており、内部の異物が満杯になったときに新たなものと交換可能になっている。なお、後述するクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKも同様に交換可能な廃トナー回収ボトルを有している。
【0050】
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において光走査装置8の下方に配設されている。シート給送装置61は、複数枚の転写紙Sを紙束の状態で収容可能な鉛直方向に複数重なるように、本形態では2段に備えられた給紙カセット25と、各給紙カセット25に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給紙ローラ24によって送り出された転写紙Sのうちの1枚のみを分離してさらに搬送する図示しない分離ローラとを有しており、給送ローラ24が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
【0051】
シート給送装置23は、給送ローラ24が選択的に図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラが作用することにより、その給紙カセット25に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sを用紙搬送経路81に入れてレジストローラ対4に向けて給送し、搬送された転写紙Sがレジストローラ対4のローラ間に挟まれた状態で突き当られ止められるようになっている。
【0052】
2次転写装置5は、駆動ローラ72に対向して配置されている。2次転写装置5は、図示を省略するが、駆動ローラ72との間で転写ベルト11を挟むようにして配設された転写部材である2次転写ローラを有している。2次転写装置5は、2次転写ローラにより、トナー像を転写された後の転写紙Sを定着装置6へと搬送するシート搬送機能も有している。
【0053】
両面ユニット51は、外側面側に配設された手差し給紙装置53と、手差し給紙装置53から両面ユニット51内を横切るように配設された、給紙路82の一部と、再給紙搬送経路83を経た転写紙Sを給紙路82に向けて反転して搬送する反転搬送経路21と、反転搬送経路21中に配設され転写紙Sを給紙路82に向けて搬送する搬送ローラ23とを有している。
【0054】
手差し給紙装置53は、転写紙Sを積載可能な手差し給紙トレイとしての手差しトレイ27と、手差しトレイ27に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ28と、給送ローラ28により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する図示しない分離ローラとを有している。
【0055】
手差し給紙装置53は、給送ローラ28が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラが作用することにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送し、搬送された転写紙Sがレジストローラ対4のローラ間に挟まれた状態で突き当られ止められるようになっている。
【0056】
定着装置6は、定着部材としての無端ベルト状の定着ベルト64と、定着ベルト64を巻き掛けた架け回した定着ローラ65と、定着ローラ65とともに定着ベルト64を巻き掛け定着ベルト64の張力を一定に保つテンションローラ62と、定着ローラ65との間で定着ベルト64に圧接し転写紙Sを押圧する圧接部である定着部としての定着ニップを形成するための加圧部材としての加圧ローラ63と、定着ベルト64を分割的に局所加熱可能な第1の加熱手段としての第1の熱源であるサーマルヘッド66と、加圧ローラ63を加熱する第2の加熱手段としての第2の熱源であるハロゲンヒータ67と、定着ニップを形成するための付勢手段としての図示しないばねを有している。
【0057】
定着ベルト64の材質は耐熱性に優れ、高耐久であるポリイミドであり、厚さは数10ミクロンである。定着ローラ65と加圧ローラ63との一方の回転軸は固定されているとともに、他方の回転軸は移動可能に支持されることで一方のローラに対して接離可能となっており、ばねで付勢されることで、定着ローラ65と加圧ローラ63との間で定着ベルト64を介して定着ニップが形成されている。テンションローラ62と、定着ベルト64と、定着ローラ65とは、定着ベルト64が無端移動するベルトユニットを構成している。
【0058】
サーマルヘッド66は、定着ベルト64の回転方向である転写紙Sの搬送方向に垂直な定着ベルト64の幅方向すなわち図1における紙面に垂直な方向に、多数の微小発熱体としての発熱素子が、定着ベルト64の幅方向の略全幅にわたって、1インチあたり200ドット、300ドットなどの密度で並設されている。
【0059】
サーマルヘッド66は、定着ベルト64の内側に配設されており、かかる多数の発熱素子は定着ベルト64の内面に接触し当接している。サーマルヘッド66は、定着ベルト64の内面に対して、その延在している定着ベルト64の幅方向言い換えると軸方向における長さ1センチあたり約200グラム程度の圧力で接している。
【0060】
加圧ローラ63は中空状で薄肉の円筒状をなしている。
ハロゲンヒータ67は、かかる円筒状の加圧ローラ63の内側の、加圧ローラ63の中心部に配設されている。ハロゲンヒータ67は、加圧ローラ63の幅方向の全体にわたって延在しており、非接触型で輻射熱を用いた、局所加熱不能な加熱手段となっている。
【0061】
定着装置6は、トナー像を担持した転写紙Sを定着ニップに挟み込む態様で通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙Sの表面に定着するようになっている。
【0062】
このような定着動作におけるサーマルヘッド66によるトナーの加熱について説明する。
サーマルヘッド66は、発生する熱エネルギーにより定着ベルト64を介して転写紙S上のトナーを加熱するが、サーマルヘッド66に対しては、制御手段により、後述するように、発熱素子への発熱制御が行われ、そのエネルギーが定着ベルト64を介して転写紙Sの表面に加わる結果、転写紙Sの先端から順次、80ミクロン程度のピッチで、発熱素子の発熱エネルギーが所定の固定の値に達するまで加えられて、トナーの溶融定着が行われる。
【0063】
サーマルヘッド66は、その発熱温度、具体的には各発熱素子の発熱温度を自己で時々刻々検知可能な方式となっている。各発熱素子はドットごとに独立しており、その金属の組成はAlとCrとBoとの合金で、図2に示すように、その温度に応じて抵抗値が直線的に変化する。この特性から、時々刻々の素子の温度が検知される。すなわち、各発熱素子の発熱温度が、同発熱素子自身で時々刻々検知される。このような構成のサーマルヘッド66おいて、発熱素子それぞれが温度制御され、定着動作を行う。
【0064】
図3に、サーマルヘッド66の加熱時間と測定温度の関係を示す。サーマルヘッド66の発熱素子の温度は加熱時間と共に上昇する。本形態では所定のエネルギー値に到達するまで発熱素子ごとに加熱を行い、到達したら直ちにその発熱素子の加熱を停止する。
【0065】
このようにして、サーマルヘッド66からの発熱量を定着ベルト64が受け、その熱を定着ニップまで輸送しトナー像に熱を与える。
なおここではハロゲンヒータ67を第2の発熱手段の例としたが、第2の発熱手段はセラミックヒータや誘導加熱(IH)など、他の熱源を用いたものでも構わない。
定着装置6のその余については後述する。
【0066】
トナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーは、重合トナーであって、図示しない駆動手段によって回転されることでトナーを吐出し、図示しないパイプ等によって構成された搬送経路を経て、所定の補給量だけ、後述するように画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられた現像装置80Y、80M、80C、80BKに補給される。
【0067】
読取装置98は、詳細な図示を省略するが、原稿を載置するコンタクトガラス、コンタクトガラスに載置された原稿に光を照射する光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体、第1走行体の反射体によって反射された光を反射する第2の反射体を備えた第2走行体、第2走行体からの光を結像するための結像レンズ、結像レンズを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ等を備えている。
【0068】
画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKは互いに同様の構成となっている。画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの周囲に、図1中時計方向であるその回転方向B1に沿って、プロセス手段として、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、クリーニング手段としてのクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKと、除電手段としての図示しない除電装置と、AC帯電を行なう帯電手段としての帯電装置79Y、79M、79C、79BKと、2成分現像剤により現像を行う現像手段としての現像装置80Y、80M、80C、80BKとを有している。
【0069】
感光体ドラム20Y、クリーニング装置71Y、除電装置、帯電装置79Y、現像装置80Yは、一体化されてプロセスカートリッジを構成している。感光体ドラム20M、20C、20BKの周りの各構成も同様にそれぞれ一体化されてプロセスカートリッジを構成している。これらプロセスカートリッジは、前面パネルを開いた状態で図1における手前側である感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの回転軸方向に着脱可能となっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
【0070】
このような構成の画像形成装置100においては、スタートスイッチの押下等により画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKにおいてそれぞれ次の画像形成プロセスが実行されること等によって、画像形成が行われる。すなわち、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力されると、適宜、読取装置98において原稿の読み取りが行われる等して形成すべき画像に対応したデータが取得されるとともに、駆動ローラ72が駆動され、転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、34、テンションローラ75が従動回転するとともに、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKがB1方向に回転駆動される。
【0071】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、B1方向への回転に伴い、帯電装置79Y、79M、79C、79BKにより表面を一様に帯電され、形成すべき画像に対応したデータに基づいて制御手段によって駆動される光走査装置8からのレーザー光の露光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Y、80M、80C、80BKによりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにより現像されて顕像化され、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像によって構成された単色画像が形成される。
【0072】
現像により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像は、順次、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって、A1方向に回転している転写ベルト11上の同じ位置に重ねて転写され、転写ベルト11上には合成カラー画像が形成される。
【0073】
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力に伴い、各給紙カセット25に対応する給紙ローラ24、手差しトレイ27に対応する給送ローラ28の何れかが選択されて回転駆動され、転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離して搬送し、搬送された転写紙Sはレジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。両面画像形成の場合は、定着装置6においてその片面に後述のように画像が定着された転写紙Sが、反転搬送経路21を通って表裏反転された状態で、レジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
【0074】
転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、レジストローラ対4が回転し、2次転写部57では、合成カラー画像が、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sに密着し、ニップ圧の作用によって転写紙Sに2次転写され、記録される。
【0075】
転写紙Sは2次転写装置5およびA1方向に回転する転写ベルト11によって搬送されて定着装置6に送り込まれ、定着装置6において加熱ローラ62と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像すなわち合成カラー画像を定着される。
【0076】
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て本体99外に排出され、本体99の上部の排紙トレイ17上にスタックされる。両面画像形成の場合は、片面に定着済みの転写紙Sは再給紙経路82及び反転搬送経路21を通って再度レジストローラ対4に向けて搬送される。
【0077】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKにより除去され、除電装置によって除電され、帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる次の帯電に供される。
【0078】
2次転写を終えた2次転写部57を通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニング部材によってその表面をクリーニングされ、次の転写に備える。
【0079】
ここで、サーマルヘッド66は、すでに述べたように、定着ベルト64の幅方向の略全幅にわたって多数の発熱素子を有しており、定着ベルト64を介して転写紙S上のトナーを加熱し溶融するようになっているが、転写紙S上に担持されているトナーの位置によらずすべての発熱素子を駆動すると、いわゆる白地部分や非通紙領域も加熱することとなり、エネルギーを無駄に消費することとなる。そこで、各発熱素子は、転写紙S上のトナーの位置に対応する位置の定着ベルト64を加熱するべく、制御手段によって駆動タイミングを制御されるようになっている。具体的には、制御手段は、形成すべき画像に対応したデータに基づいて光走査装置8を駆動するのと同様に、各発熱素子を形成すべき画像に対応したデータに基づいて駆動する。すなわち、定着ベルト64がその回転により定着ニップに至ったときにこの定着ニップに進入して来た転写紙S上のトナーを加熱するように、かかるトナーの位置に合わせて、制御手段により、複数の発熱素子を適切なタイミングで選択的に駆動し、これにより、定着ベルト64は、定着ベルト64の幅方向及び定着ベルト64の回転方向において、転写紙S上のトナーによって構成された像に対応する領域が加熱される。この点、制御手段は、第1の加熱手段駆動制御手段、発熱素子選択駆動制御手段、定着部材加熱制御手段として機能する。
【0080】
複数の発熱素子のピッチや発熱の応答速度にもよるが、サーマルヘッド66は、このようにして、転写紙S上のトナー像に対応した領域すなわち像担持部分のみを狙って、定着ベルト64を加熱するようになっている。そのため、たとえば定着ベルト64の幅方向全体にわたってハロゲンヒータを設け、この局所加熱不能のハロゲンヒータによって定着ベルト64を幅方向における略全幅及び回転方向における比較的大きな幅で加熱した場合に比べて、いわゆる余白部分や非通紙領域の加熱に消費されるエネルギーが大幅に抑制されるという利点があるものの、加圧ローラ63が昇温しにくい。よって、加圧ローラ63が低温であると、サーマルヘッド66によって定着ベルト64に与えられた、定着にのみ消費されるべき熱が、加圧ローラ63によって急速に奪われ、定着不良が発生し得る。
【0081】
このような現象を、図4に沿って説明する。同図において、横軸は、定着ニップにおける定着ベルト64等の厚み方向の位置を示しており、縦軸は、温度を示している。同図は、トナー像を担持した転写紙Sが定着ニップを通過している場合の、定着ベルト64等の厚み方向に沿った、定着ベルト64、転写紙S上のトナー層、転写紙S、加圧ローラ63の温度を示している。同図において、矢印Xで示す位置は、サーマルヘッド66によって加熱される定着ベルト64の裏面位置を、丸印で示した位置は、転写紙Sとトナー像との界面位置である第1の界面位置を、四角印で示した位置は、トナー像と定着ベルト64との界面位置である第2の界面位置を示している。
【0082】
同図(a)に示されているように、定着ベルト64はサーマルヘッド66により加熱されて高い温度となっているが、転写紙S及び加圧ローラ63は定着ベルト64に比べて低温であるため、この場合、定着ベルト64の表面温度すなわち第2の界面位置における温度言い換えるとトナー界面温度から第1の界面位置における温度すなわち用紙トナー界面温度さらには、加圧ローラ63の表面温度に向けて、温度勾配がつく。
【0083】
定着性すなわち、トナーが転写紙Sに固定される度合いは、用紙トナー界面温度と強い相関があり、定着性を確保するには、用紙トナー界面温度を十分に上昇させる必要がある。このため、良好な定着を行うには、用紙トナー界面温度が定着するのに十分な温度となるように、サーマルヘッド66により定着ベルト64の内側から外側へ熱を供給し、さらにその熱を第2の界面位置、トナー層を介して第1の界面位置に付与するなどして、用紙トナー界面温度を上げる必要がある。
【0084】
一方、定着画像の品質を左右する要素の1つとなる光沢度は、第2の界面位置における温度すなわち第2の界面温度と強い相関があり、光沢度を良好にするには、言い換えると許容外光沢度の発生を防止ないし抑制するには、第2の界面温度を適正範囲にする必要がある。
【0085】
さて、用紙トナー界面温度を定着するのに十分な温度とするためには以下の2つの方法が考えられる。
1.同図(b)に示すように、サーマルヘッド66からの供給熱量を増やし定着ベルト64の表面温度を上げる。
2.同図(c)に示すように、加圧ローラ63の表面温度を上げる。
【0086】
「1.」の方法を用いる場合は、同図(b)に示されているように、定着ベルト64の表面温度を上げることで、用紙トナー界面温度を黒塗りの丸印から白塗りの丸印へ上げている。ところがこの場合、トナー表層の温度である第2の界面温度も同時に、黒塗りの四角印から白塗りの四角印へ上昇する。第2の界面温度を上げすぎると光沢度が上がりすぎる、あるいは逆に熱量過多で下がることがある。つまり、定着性を満たそうと用紙トナー界面温度を上げようとしたために、第2の界面温度が上がりすぎ光沢度が要求を満たせないというトレードオフの関係が生ずる。
【0087】
「2.」の方法を用いる場合は、同図(c)に示されているように、加圧ローラ63の温度を上げることで、定着ベルト64から加圧ローラ63に至る温度勾配がなだらかになる態様で、用紙トナー界面温度が黒塗りの丸印から白塗りの丸印へ上昇する。この場合には第2の界面温度はほぼ変わることがないため、光沢度を適正にしつつ、用紙トナー界面温度が上昇することとなり、上記のトレードオフの問題は解決する。
【0088】
これらのことから次のことが分かる。定着ベルト64等の定着部材全体を加熱する従来のタイプの定着方式では定着部材からの熱が回転により加圧ローラ63等の加圧部材へ伝わるため、加圧部材の温度は一定以上の温度となっており、このようなトレードオフの問題は大きな問題としては認識されなかったが、本形態のように定着部材を局所加熱する方式の場合は上記のようなトレードオフの問題が発生する為、加圧部材温度を昇温させることが重要となる。
【0089】
本形態において、加圧ローラ63を加熱するハロゲンヒータ67を有していることは、転写紙S上の画像領域に対応して定着ベルト64を局所加熱するサーマルヘッド66を備えている構成であることに起因して加圧ローラ63を昇温させる必要があるという事情に適っている。
【0090】
ところで、加圧ローラ63は単にハロゲンヒータ67によって加熱すると、過度に昇温する、あるいは昇温不足となるため、ハロゲンヒータ67による加圧ローラ63の加熱は制御する必要がある。
【0091】
そのため、加圧ローラ63の温度は、次のようにして制御されるようになっている。
図5に示すように、定着装置6は、加圧ローラ63の温度を検知する温度検知手段としての接触型のサーミスタ68と、サーミスタ68を駆動する加熱駆動手段としてのPWM駆動回路69と、あらかじめ指定された加圧ローラ63の目標制御温度とサーミスタ68により検知された加圧ローラ63の温度との間の情報を基にPWM駆動回路69を通してハロゲンヒータ67への印加電力を単位時間当たりの通電時間(=DUTY)で制御し加圧ローラ63の温度を制御する加熱駆動制御手段としての温度制御手段である温度コントローラ70とを有している。
【0092】
加圧ローラ63の目標制御温度は、先に述べた用紙トナー界面温度と第2の界面温度とを共に満足するように適切に決められたものである。
サーミスタ68は、加圧ローラ63の表面温度を検知するようになっており、この表面温度に基づいて加圧ローラ63の温度が制御されるため、図4(c)に示したように、定着性に強い相関がある用紙トナー界面温度を決定する、定着ベルト64から加圧ローラ63に至る温度勾配の制御精度が高く、良好な定着性が得られる。
PWM駆動回路69、温度コントローラ70は、制御手段の一機能として実現することが可能である。
【0093】
以上のように、定着装置6は、サーマルヘッド66を用いた定着部材である定着ベルト64の局所加熱定着方式において、加圧部材である加圧ローラ63に熱源であるハロゲンヒータ67を備え、加圧ローラ63を加熱し加圧ローラ63の温度を制御することにより、定着性と光沢度を両立し、かつエネルギーの無駄を抑制したものとなっている。
なお温度検知手段は、接触型のサーミスタに限らず、非接触型のサーミスタ、あるいは非接触型のサーモパイルなどであってもよい。
【0094】
以上述べた構成では、加圧ローラ63の内部にハロゲンヒータ67を配置し、加圧ローラ63の内側から周方向言い換えると回転方向に均一に加熱を行うようになっているが、サーマルヘッド66を用いた局所加熱方式の利点は、余計な熱を加えずに電力消費を抑える点にあるため、加圧ローラ63を均一に加熱することは、電力消費を抑えるという観点からは矛盾する。
【0095】
そこでより電力消費を抑える為に、図6に示すように、加圧ローラ63の外側にハロゲンヒータ67を配置し、加圧ローラ63を表層側から加熱することで、加圧ローラ63内部へ無駄な熱を加えることなく加圧ローラ63を加熱することが可能となる。
【0096】
同図に示した定着装置6は、加圧ローラ63の表層に当接し加圧ローラ63に従動回転する、中空状で薄肉の円筒状の加熱部材としての加熱ローラ84と、かかる円筒状の加熱ローラ84の内側の、加熱ローラ84の中心部に配設された外部熱源としてのハロゲンヒータ67とを備え、ハロゲンヒータ67からの熱を加熱ローラ84を介して加圧ローラ63に伝達し、加圧ローラ63の表面温度を上げる構成となっている。その余の点は上述の定着装置6と同様である。ただし、加圧ローラ63は中空状でなくとも良い。
【0097】
このような定着装置6は、サーマルヘッド66を用いた定着部材である定着ベルト64の局所加熱定着方式において、加圧部材である加圧ローラ63外側に熱源であるハロゲンヒータ67を備え、加圧ローラ63を加熱し加圧ローラ63の温度を制御することにより、定着性と光沢度を両立しているとともに、加圧ローラ63の、その回転方向において加熱を受ける部分から定着ニップに至るまでの部分を昇温により適温とするためエネルギーの無駄をより抑制したものとなっている。
【0098】
以上述べた構成では、加圧ローラ63を加熱する熱源としてハロゲンヒータ67を用い、加圧ローラ63を、その幅方向言い換えると軸方向において均一に加熱しているが、サーマルヘッド66を用いた局所加熱方式の利点は、余計な熱を加えずに電力消費を抑える点にあるため、加圧ローラ63を軸方向に均一に加熱することは、電力消費を抑えるという観点からは矛盾する。
【0099】
そこで、図7に示すように、加圧ローラ63の加熱手段としてもサーマルヘッド85を用いて局所加熱を行うことにより、より電力消費を抑えることが可能となる。同図において、サーミスタ68、PWM駆動回路69、温度コントローラ70の図示は省略している。サーマルヘッド85による加圧ローラ63の加熱位置等の加熱態様は、サーマルヘッド66による定着ベルト64の加熱態様と同様である。サーマルヘッド85は、加圧ローラ63の外側に設けられ、加圧ローラ63を外側から加熱するようになっているが、加圧ローラ63の内側に設け、加圧ローラ63を内側から加熱するようにしても良い。加圧ローラ63は中空状で薄肉の円筒状をなしているが、サーマルヘッド85を本形態のように加圧ローラ63の外側に設ける場合はこれに限らない。その余の点は上述の定着装置6と同様である。
【0100】
このような定着装置6は、サーマルヘッド66を用いた定着部材である定着ベルト64の局所加熱に加えて、加圧部材である加圧ローラ63についてもサーマルヘッド85を用いた局所加熱を行うため、加圧ローラ63の温度をすでに述べたのと同様に制御することとも併せて、定着性と光沢度を両立したのみならず、加圧ローラ63をその幅方向において画像領域に対応して適温まで昇温するとともに、加圧ローラ63の、その回転方向において加熱を受ける部分から定着ニップに至るまでの部分を昇温により適温とするため、エネルギーの無駄をさらに抑制したものとなっている。
【0101】
以上述べた構成では、ベルト定着方式を採用しているが、図8に示すように、熱ローラ定着方式を採用しても良い。同図に示した定着装置6は、定着ローラ65を定着部材として備えており、サーマルヘッド66が定着ニップにおいて定着ローラ65を内側から局所的に加熱するようになっている。そのため、定着ローラ65は、無端ベルト状をなしている。定着ローラ65の材質等は定着ベルト64と実質的に同じにすることが可能である。また、定着装置6は、定着ローラ65の内部の、加圧ローラ63に対向する部分に配設され、サーマルヘッド66の発熱素子が定着ベルト64に当接するようにサーマルヘッド66を支持し且つ定着ニップを構成する支持部材86を有している。テンションローラ62、定着ベルト64は備えられていないが、サーミスタ68、PWM駆動回路69、温度コントローラ70については図示を省略したのみであり、実際には備えられており、上述のような制御が行われる。その余の点は上述の定着装置6と同様である。
【0102】
このような構成であっても、定着装置6は、サーマルヘッド66を用いた定着部材である定着ベルト64の局所加熱定着方式において、加圧部材である加圧ローラ63を加熱し加圧ローラ63の温度を制御することにより、定着性と光沢度を両立し、かつエネルギーの無駄を抑制したものとなっている。なお、加圧ローラ63の加熱手段は、図5に示したものと同様になっているが、これに限らず、図6、図7に示したのと同様の構成とすること等が可能である。
【0103】
温度コントローラ70による、加圧ローラ63の温度制御の態様についてより詳しく述べる。すでに述べたように、加圧ローラ63の目標制御温度は、用紙トナー界面温度と第2の界面温度とを共に満足するように適切に決められたものである。この目標制御温度は、一定温度であってもよいが、転写紙Sの厚みや転写紙Sに担持されたトナー層の厚みに応じて設定するようにしても良い。
【0104】
まず、転写紙Sの厚みに応じて目標制御温度を設定する例について、図9、図10に沿って説明する。
【0105】
図9(a)は、転写紙Sの厚みが薄い場合、図9(b)は、転写紙Sの厚みが厚い場合を示している。同図(a)、(b)を比較すれば明らかなように、転写紙Sの厚みが厚くなると、加圧ローラ63側から用紙トナー界面に供給される熱量が小さくなり、同界面における昇温の程度が低くなる。これは熱浸透深さがあるためである。
したがって、第2の界面温度を上げることなく、用紙トナー界面温度を上げるためには、転写紙Sの厚みが厚いほど、加圧ローラ63の温度を上げる必要がある。
【0106】
そこで本形態では、転写紙Sの厚みに応じて目標制御温度を変更するようになっている。転写紙Sの厚みに関する情報は、操作パネル上の紙種入力キーによって入力された紙種に基づいて得るようになっている。この点、紙種入力キーは、紙厚検知手段として機能するようになっている。一般的な画像形成装置の場合もそうであるが、画像形成装置100では、スタートスイッチの押下等により画像形成の要求がなされると、転写紙Sが定着装置6に進入する前に転写紙Sの厚み情報が得られるようになっている。この厚み情報は、本形態のように紙厚検知手段として機能する紙種入力キーによる入力に基づいて得られるものであってもよいし、シート給送装置61、手差し給紙装置53、あるいはこれらから定着装置6に至るまでの用紙搬送路81、給紙路82等に設けた紙厚検知手段によって得られたものであっても良い。この情報は通常オフィスで使われるような普及機の場合には、薄紙/普通紙/厚紙1・・・といった用紙分類として大雑把な情報として得られる。
【0107】
温度コントローラ70において用いられる加圧ローラ63の目標制御温度は、図10に示すテーブルに基づいて設定される。すなわち、同図に示されているように、用紙分類に対応して加圧ローラ63の目標制御温度を予め決めておき、用紙情報すなわち転写紙Sの厚みに関する情報が得られ次第、同図に従って加圧ローラ63の目標制御温度を決定し、加圧ローラ63の温度が決定された目標制御温度となるように加熱の制御を行う。
【0108】
なお、このように用紙情報を得てから即座に加圧ローラ63の温度を変化させるためには、図6、図7で示したような、加圧ローラ63を外部から加熱する構成の方が、温度上昇のレスポンスが早く、望ましい。また、用紙情報によらず、薄紙など最も加圧ローラ63の温度を低く設定できる温度、例えば60℃まで、前もって加熱しておくことで、ユーザ待ち時間を減らすことも有効である。
【0109】
転写紙Sに担持されたトナー層の厚みに応じて目標制御温度を設定する例について説明する。
【0110】
転写紙Sの厚みと同様に、トナー層厚みが厚くなると、厚み分だけ用紙トナー界面に加わる熱量が低下し、同界面における昇温の程度が低くなる。そこでトナー層厚み情報に応じて加圧ローラ63の目標制御温度を変える。
【0111】
トナー像の厚みは、たとえば、モノクロ画像を形成する場合とカラー画像を形成する場合とで変化する。トナー層の厚みは、モノクロ画像形成の場合1層であり、フルカラー画像形成の場合は2層以上である。画像形成がモノクロで行われるかカラーで行われるかの情報は定着装置6に転写紙Sが進入するより前に制御手段により容易に入手される。よって加圧ローラ63の目標制御温度をモノクロ画像形成の場合とカラー画像形成の場合とで図10で示したのと同様にテーブルを用いて複数設定しておき使い分けることで、良好な定着が行われることとなる。
【0112】
これらのテーブルは制御手段のメモリに記憶させておくことが可能であり、目標設定温度の選択も制御手段によって行うことが可能である。この点、制御手段は、目標設定温度記憶手段、目標設定温度選択手段として機能する。なお、目標設定温度は、転写紙Sの厚みと転写紙Sに担持されたトナー層の厚みとのいずれかに基づいて決定されるのではなく、これらを組み合わせて決定されるようにするのが好ましい。
【0113】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0114】
たとえば、定着部材を加熱する第1の加熱手段は、定着部材を局所加熱可能であれば、サーマルヘッドのような接触型でなく、輻射熱により加熱を行うハロゲンヒータ、セラミックヒータ等を用いた非接触型であっても良いし、IH加熱による自己発熱型であっても良い。第1の加熱手段としてハロゲンヒータを用いる場合、定着部材の幅方向にハロゲンヒータ、セラミックヒータを複数分割した態様で配設し、転写紙S上の画像領域すなわちトナーの担持領域に合わせてハロゲンヒータを選択的に動作させることで定着部材を幅方向及びこれに加えて回転方向である移動方向に分割的に局所加熱する。第1の加熱手段としてIH発熱手段を用いる場合、定着部材の幅方向にコイルを複数分割した態様で配設し、転写紙S上の画像領域すなわちトナーの担持領域に合わせてコイルを選択的に動作させることで定着部材を幅方向及びこれに加えて回転方向である移動方向に分割的に局所加熱する。
【0115】
画像形成装置は、タンデム型であっても、上述した間接転写方式でなく、直接転写方式を採用可能である。直接転写方式の画像形成装置は、上述の転写ベルト11に代えて像担持体としての記録媒体搬送体であるシート搬送ベルトを備え、シート搬送ベルトで搬送されている過程の転写紙に、画像ステーション60BK、60C、60M、60Yで形成した各色のトナー像を順次重ね転写する。
【0116】
また、画像形成装置は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することが可能である。
【0117】
その他、画像形成装置は、近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきているが、画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
【0118】
このような画像形成装置に用いる現像剤は、二成分現像剤に限らず、一成分現像剤であっても良い。さらには、定着装置により記録媒体に定着する画像は、トナーによって形成されたものに限らず、インク等によって形成されたものであっても良く、画像形成装置はこのようにインク等によって画像を形成するものであっても良い。
【0119】
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
【0120】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0121】
63 加圧部材
64、65 定着部材
66 第1の熱源
67、85 第2の熱源
68 温度検知手段
70 温度制御手段
100 画像形成装置
S 記録媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】
【特許文献1】特開平5−6114号公報
【特許文献2】特開2005−181946号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着部材を局所加熱可能な第1の加熱手段と、
前記定着部材との間で記録媒体を押圧するための加圧部材を加熱する第2の加熱手段とを有する定着装置。
【請求項2】
請求項1記載の定着装置において、
第2の加熱手段として、前記加圧部材の外側に配設された加熱手段を有することを特徴とする定着装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の定着装置において、
前記加圧部材は、中空状の加圧ローラであり、
第2の加熱手段として、前記加圧ローラの内側に配設された加熱手段を有することを特徴とする定着装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の定着装置において、
前記加圧部材の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段によって検知された温度に基づいて第2の加熱手段を制御して前記加圧部材の温度を制御する温度制御手段とを有し、
前記温度制御手段による前記加圧部材の制御温度を、記録媒体の厚みに応じて設定することを特徴とする定着装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の定着装置において、
前記加圧部材の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段によって検知された温度に基づいて第2の加熱手段を制御して前記加圧部材の温度を制御する温度制御手段とを有し、
前記温度制御手段による前記加圧部材の制御温度を、記録媒体に担持されたトナー層の厚みに応じて設定することを特徴とする定着装置。
【請求項6】
請求項4または5記載の定着装置において、
前記温度検知手段は、前記加圧部材の表面温度を検知することを特徴とする定着装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1つに記載の定着装置において、
第2の加熱手段は、前記加圧部材を局所加熱可能であることを特徴とする定着装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の定着装置を有する画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−170285(P2011−170285A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36522(P2010−36522)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】