説明

定着装置及び画像形成装置

【課題】簡易な構成により、加熱回転ベルトの温度が過度に上昇することを抑制することができる定着装置を提供すること。
【解決手段】加熱回転ベルト9aと、加熱回転ベルト9aの内面側に配置され加熱回転ベルト9aの内面に当接する押圧部材92と、加熱回転ベルト9aとの間に定着ニップFを形成する加圧回転体9bと、誘導コイル71と、誘導コイル71により発生された磁束の磁路を形成する磁性体コア部72と、加熱回転ベルト9aの内面に当接して加熱回転ベルト9aの回転をガイドするベルトガイド部材91とを備え、ベルトガイド部材91は、加熱回転ベルト9aの内面に当接する面と反対側の面で且つ押圧部材92に対向すると共に加熱回転ベルト9aの幅方向の両端部に対応する部分に形成される熱放射面914であって加熱回転ベルト9aの幅方向の中央部に対応する部分よりも熱放射率が高い熱放射面914を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、熱容量を小さくすることができるベルト方式を備えた定着装置が注目されている。また、近年、急速加熱や高効率加熱の可能性をもった電磁誘導加熱(IH;induction heating)方式が注目されている。
【0003】
電磁誘導加熱方式の定着装置においては、定着装置に搬送(通紙)される被転写材としての用紙の幅(用紙の搬送方向に垂直な方向の用紙の幅:通紙幅)に合わせて、用紙が通過する通紙領域の外側の領域(非通紙領域)の温度が過度に上昇することを抑制するために、非通紙領域と通紙領域とにおける加熱回転体の発熱量を調整することができる技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
特許文献1に記載される定着装置は、加熱回転体と、加圧回転体と、用紙の幅方向に並べられた複数の励磁コイルユニットと、を備え、各サイズの用紙の通紙幅に対応する複数の励磁コイルユニットにより発生される磁束をそれぞれ調整することにより、加熱回転体の非通紙領域の温度が過度に上昇することを抑制するものである。
また、特許文献2に記載される定着装置は、加熱回転体と、加圧回転体と、加熱回転体に接触又は離間可能な用紙の幅方向に長い均熱ローラーと、を備え、小さいサイズの用紙が通紙された場合に、熱が用紙の幅方向に均一になるように均熱ローラーを加熱回転体に接触させて、加熱回転体の非通紙領域の温度が過度に上昇することを抑制するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−16006号公報
【特許文献2】特開2000−137399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載される定着装置においては、複数の励磁コイルユニットを備えており、且つ、動作させる複数の励磁コイルユニットを用紙のサイズに応じて選択するため、構成が複雑となる。
また、特許文献2に記載される定着装置においては、均熱ローラーを加熱回転体に接触又は離間させる構成が必要となるため、構成が複雑となる。
この問題は、特許文献1及び2に記載される定着装置において、これら特許文献に記載の加熱回転体に代えて熱容量を小さくすることができる加熱回転ベルトを適用した場合においても生じ得る。
【0007】
本発明は、簡易な構成により、加熱回転ベルトの温度が過度に上昇することを抑制することができる定着装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、加熱回転ベルトと、前記加熱回転ベルトの内面側に配置され、前記加熱回転ベルトの内面に当接する押圧部材と、前記加熱回転ベルトに対向して配置される加圧回転体であって、前記押圧部材との間に前記加熱回転ベルトを挟み込んで前記加熱回転ベルトとの間に定着ニップを形成する加圧回転体と、前記加熱回転ベルトの外面に対向して配置され、前記加熱回転ベルトを発熱させるための磁束を発生させる誘導コイルと、前記誘導コイルにより発生された磁束の磁路を形成する磁性体コア部と、前記加熱回転ベルトの内面側に前記加熱回転ベルトを挟んで前記誘導コイルに対向して配置され、前記加熱回転ベルトの内面に当接して前記加熱回転ベルトを位置決めすると共に前記加熱回転ベルトの回転をガイドするベルトガイド部材とを備え、前記ベルトガイド部材は、前記加熱回転ベルトの内面に当接する面と反対側の面で且つ前記押圧部材に対向すると共に前記加熱回転ベルトの幅方向の両端部に対応する部分に形成される熱放射面であって、前記加熱回転ベルトの幅方向の中央部に対応する部分よりも熱放射率が高い熱放射面を有する定着装置に関する。
【0009】
また、前記熱放射面は、前記加熱回転ベルトの幅方向の両端部側に向かうにしたがって前記押圧部材側に向かうように傾いていることが好ましい。
【0010】
また、前記押圧部材は、前記加熱回転ベルトに当接する面と反対側の面で且つ前記ベルトガイド部材に対向すると共に前記加熱回転ベルトの幅方向の中央部に対応する部分に形成される熱吸収面であって、前記加熱回転ベルトの幅方向の両端部に対応する部分よりも熱吸収率が高い熱吸収面を有することが好ましい。
【0011】
また、前記熱吸収面は、前記加熱回転ベルトの幅方向の中央部側に向かうにしたがって前記ベルトガイド部材側に向かうように傾き、前記熱吸収面は、前記熱放射面に対応して対向するように傾くことが好ましい。
【0012】
また、本発明は、表面に静電潜像が形成される1又は複数の像担持体と、前記1又は複数の像担持体に形成された静電潜像をトナー画像として現像する現像器と、前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、前記定着装置と、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構成により、加熱回転ベルトの温度が過度に上昇することを抑制することができる。
また、本発明によれば、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態のプリンター1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】第1実施形態のプリンター1の定着装置9の各構成要素を説明するための断面図である。
【図3】図2に示す定着装置9を用紙Tの搬送方向D1から視た図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】第2実施形態のプリンター1の定着装置9Aの構成を示す断面図である。
【図6】第3実施形態のプリンター1の定着装置9Bの構成を示す断面図である。
【図7】第4実施形態のプリンター1の定着装置9Cの構成を示す断面図である。
【図8】実施例1、2及び比較例の加熱回転ベルト9aの温度の実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1により、第1実施形態の画像形成装置としてのプリンター1の全体構造を説明する。図1は、本発明の第1実施形態のプリンター1の各構成要素の配置を説明するための図である。なお、以下の説明において、図1における上下方向を単に「垂直方向」と記す場合がある。
【0016】
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置としてのプリンター1は、装置本体Mを備える。装置本体Mは、画像情報に基づいて被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mの外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0017】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2と、帯電部10と、露光ユニットとしてのレーザースキャナーユニット4と、現像器16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給部6と、ドラムクリーニング部11と、除電器12と、転写部としての転写ローラー8と、定着装置9とを備える。
【0018】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラー対80と、排紙部50とを備える。
【0019】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に沿って順に、図1において矢印で示した感光体ドラム2の回転方向に沿って上流側から下流側に順に、帯電部10による帯電、レーザースキャナーユニット4による露光、現像器16による現像、転写ローラー8による転写、除電器12による除電、及びドラムクリーニング部11によるクリーニングが行われる。
【0020】
感光体ドラム2は、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2は、搬送路Lにおける用紙Tの搬送方向に対して直交する方向に延びる回転軸を中心に、図1に示した矢印の方向に回転可能である。感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成され得る。
【0021】
帯電部10は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。帯電部10は、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0022】
レーザースキャナーユニット4は、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2の表面から離間して配置される。
【0023】
レーザースキャナーユニット4は、PC(パーソナルコンピューター)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光することで感光体ドラム2の表面に静電潜像を形成することができる。
【0024】
現像器16は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。現像器16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像を単色(通常はブラック)のトナーを用いて現像して、単色のトナー画像を感光体ドラム2の表面に形成する。現像器16は、感光体ドラム2の表面に対向配置された現像ローラー17、トナー攪拌用の攪拌ローラー18等を有している。
【0025】
トナーカートリッジ5は、現像器16に対応して設けられており、現像器16に対して供給されるトナーを収容する。
【0026】
トナー供給部6は、トナーカートリッジ5及び現像器16に対応して設けられており、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを現像器16に対して供給する。
【0027】
転写ローラー8は、感光体ドラム2の表面に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させる。転写ローラー8は、感光体ドラム2に対して当接した状態で回転可能である。
【0028】
感光体ドラム2と転写ローラー8との間には、転写ニップNが形成される。転写ニップNにおいて、感光体ドラム2に形成されたトナー画像が用紙Tに転写される。
除電器12は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。
ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。
【0029】
定着装置9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。
定着装置9の詳細については後述する。
【0030】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する給紙カセット52が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが積層された状態で載置される載置板60が配置される。載置板60に載置された用紙Tは、カセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラー対63とからなる重送防止機構を備える。
【0031】
装置本体Mの上部には、排紙部50が設けられる。排紙部50は、第3ローラー対53により用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50の詳細については後述する。
【0032】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から転写ニップNまでの第1搬送路L1と、転写ニップNから定着装置9までの第2搬送路L2と、定着装置9から排紙部50までの第3搬送路L3と、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻し搬送路Lbとを備える。
【0033】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。第1分岐部Q1は、戻し搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部で、第1ローラー対54a及び第2ローラー対54bを有する。第1ローラー対54aの一方のローラーと第2ローラー対54bの一方のローラーとは兼用される。
【0034】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第1合流部P1と転写ニップNとの間)には、用紙Tを検出するためのセンサー(不図示)と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成と用紙Tの搬送のタイミングを合わせるためのレジストローラー対80とが配置される。
【0035】
第3搬送路L3の用紙搬送方向側の端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mの上部に配置される。排紙部50は、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを第3ローラー対53によって装置本体Mの外部に排紙する。
【0036】
排紙部50の開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mの上面(外面)に設けられている。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサー(不図示)が配置される。
【0037】
次に、本実施形態のプリンター1の特徴部分である定着装置9に係る構成について詳細に説明する。図2は、第1実施形態のプリンター1の定着装置9の各構成要素を説明するための断面図である。図3は、図2に示す定着装置9を用紙Tの搬送方向D1から視た図である。図4は、図2のA−A線断面図である。
【0038】
図2に示すように、定着装置9は、加熱回転ベルト9aと、加熱回転ベルト9aに圧接(当接)される加圧回転体としての加圧ローラー9bと、加熱ユニット70と、ベルトガイド部材91と、押圧部材92と、温度センサ95と、を備える。
【0039】
加熱回転ベルト9aは、その回転軸J1側から見た場合に環状(無端ベルト状)である。加熱回転ベルト9aは、熱容量が小さいベルトにより形成される。加熱回転ベルト9aは、後述する加熱ユニット70を用いることで、電磁誘導を利用した電磁誘導加熱(IH;induction heating)により発熱される。
【0040】
加熱回転ベルト9aは、第1周方向R1に直交する方向D2に平行な第1回転軸J1を中心に、第1周方向R1に回転可能である。加熱回転ベルト9aは、第1回転軸J1方向に所定幅を有する。本実施形態においては、加熱回転ベルト9aの幅方向、第1周方向R1の接線に直交する直交方向又は第1回転軸J1方向を「用紙幅方向D2」ともいう。用紙幅方向D2と第1回転軸J1方向とは、略一致している。
【0041】
加熱回転ベルト9aの内面側には、後述するベルトガイド部材91と、後述する押圧部材92と、が配置される。加熱回転ベルト9aは、所定の張力が付与された状態で、ベルトガイド部材91と、押圧部材92とに掛け渡される。
【0042】
加熱回転ベルト9aの内周面(内面)には、後述する加圧ローラー9b側(加熱回転ベルト9aの内部の垂直方向の下方側)において押圧部材92が当接すると共に、後述するアーチコア部74側(加熱回転ベルト9aの内部の垂直方向の上方側)においてベルトガイド部材91が当接する。
ベルトガイド部材91及び押圧部材92の詳細については後述する。
【0043】
本実施形態においては、加熱回転ベルト9aの基材は、ニッケル等の強磁性材料により形成される。加熱回転ベルト9aは、後述する加熱ユニット70の誘導コイル71により発生される磁束が通る領域に配置されると共に、その基材が強磁性材料により構成されることで、加熱ユニット70の誘導コイル71により発生される磁束の磁路を形成する。誘導コイル71により発生される磁束は、磁路を形成する加熱回転ベルト9aに沿って通過する(導かれる)。また、加熱回転ベルト9aは、基材の外周面に形成される弾性層と、弾性層の外周面に形成される離型層と、をさらに有する。
【0044】
加熱回転ベルト9aには、後述する誘導コイル71により発生された加熱回転ベルト9aを通過する磁束による電磁誘導によって、渦電流(誘導電流)が発生する。加熱回転ベルト9aに渦電流が流れることで、加熱回転ベルト9aが有する電気抵抗により、加熱回転ベルト9aにはジュール熱が発生する。
【0045】
加圧ローラー9bは、円筒状(円環状)に形成される。加圧ローラー9bは、加熱回転ベルト9aの垂直方向下方側に加熱回転ベルト9aに対向して配置される。加圧ローラー9bは、用紙幅方向D2に平行な第2回転軸J2を中心に、第2周方向R2に回転可能である。加圧ローラー9bは、第2回転軸J2方向に長い。
【0046】
加圧ローラー9bは、その外周面が加熱回転ベルト9aの外周面(外面)に当接するように配置される。加圧ローラー9bは、加熱回転ベルト9aを介して押圧部材92(後述)を押圧するように配置される。加圧ローラー9bは、押圧部材92との間に加熱回転ベルト9aの一部を挟み込んで、加熱回転ベルト9aとの間に定着ニップFを形成する。定着ニップFは、用紙Tを挟み込むと共に、用紙Tを搬送する。
【0047】
加圧ローラー9bは、加圧ローラー本体941と、第2回転軸J2と同軸の一対の軸部材942、942(図2及び図3参照)と、を有する。加圧ローラー本体941は、円筒状の金属部材と、金属部材の外周面に形成される弾性層と、弾性層の外周面に形成される離型層と、を有する。
【0048】
加圧ローラー9bの一方の軸部材942には、加圧ローラー9bを回転駆動させる回転駆動部(不図示)が接続される。この回転駆動部により、加圧ローラー9bが第2周方向R2に所定速度で回転駆動されると共に、加圧ローラー9bの回転に従動して、加圧ローラー9bの外周面に当接する加熱回転ベルト9aが回転される。
【0049】
定着ニップFに搬送される用紙Tは、定着装置9の通紙領域内を通過して搬送された場合に、トナー画像が定着される。「通紙領域」とは、用紙Tが定着ニップFに搬送される場合において、定着ニップFに搬送される用紙Tが加熱回転ベルト9aと加圧ローラー9bとに挟まれて通過する領域のことである。また、通紙領域から見て用紙幅方向D2の外側の領域である用紙Tが通過しない領域を「非通紙領域」という。非通紙領域は、複数のサイズの用紙Tに対応して形成される。
【0050】
図3に示すように、用紙幅方向D2の長さが最大の用紙Tが定着ニップFに搬送される場合の通紙領域として、最大通紙領域901を設定する。最大通紙領域901は、プリンター1ごとにそれぞれ設定される。最大通紙領域901の用紙幅方向D2の外側の領域は、最大非通紙領域901dである。
【0051】
具体的には、加熱回転ベルト9aの外周面には、加熱回転ベルト9aの最大通紙領域901として、加熱側最大通紙領域901aが形成(設定)される。加圧ローラー9bの外周面には、加熱回転ベルト9aの加熱側最大通紙領域901aに対応して、加圧ローラー9bの最大通紙領域901として、加圧側最大通紙領域901bが形成(設定)される。加熱側最大通紙領域901aの用紙幅方向D2に平行な方向の長さを、「最大通紙幅W1」という。
【0052】
また、用紙幅方向D2の長さが最小の用紙Tが定着ニップFに搬送される場合の通紙領域として、最小通紙領域903を設定する。最小通紙領域903の用紙幅方向D2の外側の領域は、最小非通紙領域903dである。
【0053】
具体的には、加熱回転ベルト9aの外周面には、加熱回転ベルト9aの最小通紙領域903として、加熱側最小通紙領域903aが形成(設定)される。加圧ローラー9bの外周面には、加熱回転ベルト9aの加熱側最小通紙領域903aに対応して、加圧側最小領域903bが形成(設定)される。加熱側最小通紙領域903aの用紙幅方向D2に平行な方向の長さを、「最小通紙幅W3」という。
【0054】
また、本実施形態の定着装置9においては、用紙幅方向D2の長さが最大長さよりも短く且つ最小長さ(最小幅)よりも長い長さである中間長さ(中間幅)の用紙Tが定着ニップFに搬送される場合の通紙領域として、中間通紙領域902(加熱側中間通紙領域902a、加圧側中間領域902b)を設定する。中間通紙領域902の用紙幅方向D2の外側の領域は、中間非通紙領域902dである。加熱側中間通紙領域902aの用紙幅方向D2に平行な方向の長さを、「中間通紙幅W2」という。
なお、用紙Tの通紙領域は、これに制限されず、各サイズの用紙Tに対応して適宜設定することができる。
【0055】
加熱ユニット70について説明する。図2及び図3に示すように、加熱ユニット70は、誘導コイル71と、磁性体コア部72と、を備える。
誘導コイル71は、加熱回転ベルト9aの外周面から所定距離だけ離間すると共に、加熱回転ベルト9aの外周面に沿って配置される。本実施形態においては、誘導コイル71を、あらかじめ線材を巻き回した形状に形成している。誘導コイル71は、その長手方向が用紙幅方向D2と平行になるように加熱ユニット70に配置される。なお、誘導コイル71を、平面視(図2の上方から視た場合)において、用紙幅方向D2に長い形状に線材を巻き回して形成してもよい。
【0056】
誘導コイル71は、用紙幅方向D2において加熱回転ベルト9aの長さよりも長く形成される。誘導コイル71は、加熱回転ベルト9aの垂直方向の上方側の外周面に対向して配置される。誘導コイル71は、用紙幅方向D2に延びる中央領域718を囲むように配置される。中央領域718は、加熱回転ベルト9aの垂直方向の最も上方に位置する部分(搬送方向D1における略中央)の上方側において、誘導コイル71の線材が配置されない用紙幅方向D2に長い領域である。
【0057】
誘導コイル71は、誘導コイル71が加熱ユニット70に配置された際に、以下のような配置になるように形成されている。すなわち、誘導コイル71の内周縁(線材711Aが配置されている部位)は、中央領域718を囲む。誘導コイル71を構成する線材は、用紙幅方向D2に延びる。また、誘導コイル71を構成する線材は、誘導コイル71の内周縁から加熱回転ベルト9aの周方向に沿って並ぶ。誘導コイル71の外周縁(線材711Bが配置されている部位)は、加熱回転ベルト9aの外周面に対向する。
本実施形態においては、誘導コイル71は、耐熱性の樹脂材料により形成された不図示の支持部材の上に固定される。
【0058】
誘導コイル71は、不図示の誘導加熱用回路部に接続される。誘導コイル71には、誘導加熱用回路部から交流電流が印加される。誘導コイル71は、誘導加熱用回路部から交流電流が印加されることにより、加熱回転ベルト9aを発熱させるための磁束を発生させる。例えば、誘導コイル71には、周波数が30kHz程度の交流電流が印加される。
【0059】
誘導コイル71により発生された磁束は、加熱回転ベルト9a及び磁性体コア部72(後述)により形成された磁束の経路である磁路に導かれる。
【0060】
磁路は、誘導コイル71により発生された磁束が周回方向R3に周回するように、加熱回転ベルト9a及び磁性体コア部72(後述)により形成される。周回方向R3とは、誘導コイル71の内周縁711Aの内側と外周縁711Bの外側とを通り誘導コイル71の線材の部分を囲むように周回する方向である。誘導コイル71により発生された磁束は、磁路を通過する。
【0061】
誘導コイル71により発生される磁束は、誘導加熱用回路部(不図示)から交流電流が印加されるため、交流電流のプラス又はマイナスへの周期的な変動により、その大きさ及び方向が変化する。加熱回転ベルト9aには、この磁束の変化により誘導電流(渦電流)が発生する。
【0062】
磁性体コア部72は、図2に示すように、周回方向R3に周回する磁路を形成する。磁性体コア部72は、誘導コイル71により発生される磁束が通る領域に配置されると共に、強磁性材料を主体として形成されるため、誘導コイル71により発生される磁束の経路である磁路を形成する。
【0063】
磁性体コア部72は、図2及び図3に示すように、複数のアーチコア部74と、一対のサイドコア部76とを有する。アーチコア部74及びサイドコア部76は、例えば、フェライト粉末を焼結して成形される強磁性材料からなるフェライト製の磁性体コアを主体として構成される。
【0064】
複数のアーチコア部74は、誘導コイル71から離間して配置される。複数のアーチコア部74それぞれは、誘導コイル71の上方側の外方において、加熱回転ベルト9aの外周面に沿うように、用紙Tの搬送方向D1の下流側から上流側にわたって一体的に形成されており、アーチ状に延びている。アーチコア部74は、水平部742と、傾斜部743とを有する。
【0065】
複数のアーチコア部74は、誘導コイル71を構成する線材を挟んで加熱回転ベルト9aの外周面に対向する部分と、誘導コイル71を挟まずに加熱回転ベルト9aの外周面から所定距離だけ離間して加熱回転ベルト9aの外周面に対向する部分と、を有する。
複数のアーチコア部74の誘導コイル71を挟まずに加熱回転ベルト9aの外周面に対向する部分は、中央領域718の上方において、誘導コイル71の内周縁711Aの近傍に形成され、加熱回転ベルト9aの垂直方向上方側の外周面に対向する。
【0066】
複数のアーチコア部74は、図2に示すように、用紙幅方向D2の所定位置において、磁路の周回方向R3に沿って形成される。複数のアーチコア部74それぞれは、磁路の周回方向R3において、誘導コイル71に対して加熱回転ベルト9aとは反対側(誘導コイル71の外側)の磁路を形成する。
【0067】
また、複数のアーチコア部74それぞれは、図3に示すように、用紙幅方向D2に所定距離だけ離間して配置される。複数のアーチコア部74それぞれは、用紙幅方向D2に離間して周回方向R3において周回する複数の磁路を形成する。
【0068】
一対のサイドコア部76は、図2に示すように、磁路の周回方向R3において、加熱回転ベルト9aとアーチコア部74との間における磁路を形成する。一対のサイドコア部76それぞれは、磁路の周回方向R3において、複数のアーチコア部74それぞれに並んで配置される。
【0069】
一対のサイドコア部76それぞれは、誘導コイル71の外周縁711Bの近傍において、誘導コイル71を挟まずに、加熱回転ベルト9aの外周面から所定距離だけ離間して加熱回転ベルト9aの外周面に対向して配置される。
【0070】
一対のサイドコア部76それぞれは、用紙幅方向D2に長い略直方体形状で、且つ最大通紙領域901よりも長い。
【0071】
次に、ベルトガイド部材91及び押圧部材92について詳細に説明する。
ベルトガイド部材91は、図2及び図4に示すように、加熱回転ベルト9aの内面側に配置される。ベルトガイド部材91は、加熱回転ベルト9aの内周面側に、加熱回転ベルト9aを挟んで誘導コイル71に対向して配置される。
【0072】
ベルトガイド部材91は、図2に示すように、用紙幅方向D2に見た場合に、断面が円弧状で板状に形成される。ベルトガイド部材91は、図4に示すように、用紙幅方向D2に長く形成され、最大通紙領域901よりも長い。ベルトガイド部材91は、誘導コイル71に対して加熱回転ベルト9aを位置決めすると共に、第1回転軸J1を中心に回転する加熱回転ベルト9aの回転をガイドする。
【0073】
ベルトガイド部材91は、基材層と、基材層の加熱回転ベルト9a側に形成される表層と、を有する。本実施形態においては、ベルトガイド部材91の基材層は、例えば、厚みが0.5mm程度のアルミニウム合金により形成される。
【0074】
ベルトガイド部材91は、第1当接面911と、第1対向面912とを有する。第1当接面911及び第1対向面912は、図2に示すように、用紙幅方向D2に見た場合に、互いに略平行な円弧状である。第1当接面911は、加熱回転ベルト9aの垂直方向の上方側の略3分の1において、加熱回転ベルト9aの内周面に沿って当接する面である。第1対向面912は、ベルトガイド部材91の第1当接面911と反対側の面であり、且つ、押圧部材92と対向する面である。
【0075】
第1当接面911及び第1対向面912は、図4に示すように、用紙Tの搬送方向D1に見た場合に、水平に直線状に延びている。第1当接面911及び第1対向面912は、ベルトガイド部材91の用紙幅方向D2の全域にわたって形成される。
【0076】
第1対向面912の用紙幅方向D2の両端部には、熱放射面914が形成される。熱放射面914は、第1対向面912の最小非通紙領域903dに対応する部分に形成される。
【0077】
熱放射面914の熱放射率は、第1対向面912の用紙幅方向D2の中央部に形成される第1対向中央面913の熱放射率よりも高い。第1対向中央面913は、第1対向面912の最小通紙領域903に対応する部分である。
【0078】
本実施形態においては、熱放射面914は、放射率(熱放射率)が0.98程度の熱放射塗料がベルトガイド部材91の表面に塗布されて形成されている。なお、熱放射面914は、ベルトガイド部材91の表面に塗料を塗布して形成してもよいし、ベルトガイド部材91の表面に熱放射部材を貼り付けて構成してもよい。第1対向中央面913は、放射率(熱放射率)が0.1程度のアルミニウム合金が露出されたアルミ鏡面となっている。
【0079】
このように、第1対向面912においては、熱放射面914の熱放射率が第1対向中央面913の熱放射率よりも高い。そのため、熱放射面914は、加熱回転ベルト9aからベルトガイド部材91に伝導された熱を、押圧部材92側へ向けて放射する。
詳述すると、小サイズの用紙Tを連続して印刷すると、用紙Tが通過しない非通紙領域において加熱回転ベルト9aの温度が上昇する。そして、温度が上昇した加熱回転ベルト9aの非通紙領域の熱は、ベルトガイド部材91に伝導されて、熱放射面914から押圧部材92側へ向けて放射される。
【0080】
押圧部材92は、加熱回転ベルト9aの内面側に配置される。押圧部材92は、加熱回転ベルト9aの内周面側に、加熱回転ベルト9aを挟んで加圧ローラー9bに対向して配置される。
【0081】
押圧部材92は、図2に示すように、用紙幅方向D2に見た場合に、断面が略直方体状で板状に形成される。押圧部材92は、図4に示すように、用紙幅方向D2に長く形成され、最大通紙領域901よりも長い。押圧部材92は、加熱回転ベルト9aを加圧ローラー9bとの間に挟み込んで、加熱回転ベルト9aと加圧ローラー9bとの間に定着ニップFを形成する。
【0082】
押圧部材92は、基材層と、基材層の加熱回転ベルト9a側に形成される表層と、を有する。本実施形態においては、押圧部材92の基材層は、例えば、厚さ2mm程度のアルミニウム合金により形成される。
【0083】
押圧部材92は、第2当接面921と、第2対向面922とを有する。第2当接面921及び第2対向面922は、図2に示すように、用紙幅方向D2に見た場合に、用紙Tの搬送方向D1に平行な直線状である。第2当接面921は、加熱回転ベルト9aの内部の加圧ローラー9b側において、加熱回転ベルト9aの内周面に当接する面である。第2対向面922は、ベルトガイド部材91の第1対向面912と対向する面である。
【0084】
第2当接面921及び第2対向面922は、図4に示すように、用紙Tの搬送方向D1に見た場合に、水平に直線状に延びている。第2当接面921及び第2対向面922は、押圧部材92の用紙幅方向D2の全域にわたって形成される。
【0085】
第2対向面922の用紙幅方向D2の中央部には、熱吸収面923が形成される。熱吸収面923は、第2対向面922における最小通紙領域903に対応する部分に形成される。
【0086】
熱吸収面923の熱吸収率は、第2対向面922の用紙幅方向D2の両端部に形成される第2対向端面924の熱吸収率よりも高い。第2対向端面924は、第2対向面922の最小非通紙領域903dに対応する部分である。
【0087】
本実施形態においては、熱吸収面923の放射率(熱吸収率)は、熱放射面914の放射率(熱放射率)と同じである。具体的には、熱吸収面923は、放射率(熱吸収率)が0.98程度の熱吸収塗料が押圧部材92の表面に塗布されて形成されている。なお、熱吸収面923は、押圧部材92の表面に黒色の塗料を塗布することで、熱吸収率を高くしてもよい。第2対向端面924は、放射率(熱吸収率)が0.1程度のアルミニウム合金が露出されたアルミ鏡面となっている。
【0088】
このように、第2対向面922においては、熱吸収面923の熱吸収率が第2対向端面924の熱吸収率よりも高い。そのため、熱吸収面923は、ベルトガイド部材91から放射された熱を吸収する。
詳述すると、小サイズの用紙Tを連続して印刷すると、用紙Tが通過しない非通紙領域において加熱回転ベルト9aの温度が上昇する。そして、加熱回転ベルト9aの温度が上昇した非通紙領域である用紙幅方向D2の両端部の熱は、第1対向面912の熱放射面914から押圧部材92側へ向けて放射される。熱放射面914から放射された熱は、通紙領域に対応して形成された熱吸収面923に吸収される。
【0089】
温度センサ95は、加熱回転ベルト9aの外周面の温度を検知する。温度センサ95は、加熱回転ベルト9aの外周面に対向して非接触の状態で配置される。
【0090】
次に、本実施形態の定着装置9を含むプリンター1の動作について説明する。
まず、プリンター1の受け付け部(不図示)は、プリンター1の電源がONの状態において、例えばプリンター1の外部に配置されている操作部(不図示)が操作されたことに基づいて発生する画像形成指示情報を受け付ける。
【0091】
次に、プリンター1は、印刷動作を開始する。
【0092】
そして、駆動制御部への電力の供給が開始されると、回転駆動部(不図示)により加圧ローラー9bが回転駆動される。加圧ローラー9bの回転駆動に伴って加熱回転ベルト9aは、従動して回転される。
【0093】
次に、定着装置9は、発熱動作を開始する。
これにより、誘導コイル71には、誘導加熱用回路部(不図示)から交流電流が印加される。誘導コイル71は、加熱回転ベルト9aを発熱させるための磁束を発生させる。
【0094】
誘導コイル71により発生された磁束は、図2に示すように、加熱回転ベルト9aへ導かれる。加熱回転ベルト9aに導かれた磁束は、磁路としての加熱回転ベルト9a、サイドコア部76、アーチコア部74を通る。
【0095】
そして、磁路を通過する磁束の大きさと方向が変化することにより、加熱回転ベルト9aには、電磁誘導により渦電流(誘導電流)が発生する。加熱回転ベルト9aには、通紙領域及び非通紙領域において、渦電流が流れることで、加熱回転ベルト9aが有する電気抵抗によりジュール熱が発生する。
【0096】
次に、加熱回転ベルト9aの回転により、加熱回転ベルト9aの電磁誘導加熱(IH)により発熱された部分は、定着装置9の加熱回転ベルト9aと加圧ローラー9bとにより形成される定着ニップFに向けて順次移動される。定着装置9は、定着ニップFにおいて、所定の温度になるように、誘導加熱用回路部(不図示)を制御している。
【0097】
そして、トナー画像が形成された用紙Tは、定着装置9の定着ニップFに導入される。定着ニップFにおいて、用紙Tに転写されたトナー像を構成するトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0098】
ここで、用紙Tが通過する通紙領域においては、加熱回転ベルト9aの外周面に用紙Tが接触することにより、加熱回転ベルト9aから熱が奪われる。一方、用紙Tが通過しない非通紙領域においては、加熱回転ベルト9aの外周面に用紙Tが接触しないため、加熱回転ベルト9aの温度が過度に上昇する場合がある。特に小さいサイズの用紙Tが連続して印刷された場合には、非通紙領域が広範囲にわたっており、その広範囲な非通紙領域において加熱回転ベルト9aの温度が過度に上昇しやすくなる。
つまり、小さいサイズの用紙Tを連続して印刷した場合には、加熱回転ベルト9aは、用紙幅方向D2の両端部側では温度が高くなり、用紙幅方向D2の中央部側では温度が低くなる。
【0099】
本実施形態においては、図4に示すように、熱放射面914は、ベルトガイド部材91の第1対向面912において、用紙幅方向D2の両端部に形成されている。熱放射面914の熱放射率は、第1対向中央面913の熱放射率よりも高い。また、熱吸収面923は、押圧部材92の第2対向面922において、用紙幅方向D2の中央部に形成されている。熱吸収面923の熱吸収率は、第2対向端面924の熱吸収率よりも高い。熱放射面914及び熱吸収面923は、用紙幅方向D2に水平に直線状に延びている。
【0100】
そのため、加熱回転ベルト9aからベルトガイド部材91に伝達された熱は、ベルトガイド部材91の熱放射面914から放射されて、押圧部材92の熱吸収面923に吸収される。
詳細には、加熱回転ベルト9aの非通紙領域の熱は、ベルトガイド部材91の用紙幅方向D2の両端部に伝達されて、ベルトガイド部材91の用紙幅方向D2の両端部に対応する部分に形成された熱放射面914から放射される。熱放射面914から放射された熱は、押圧部材92の用紙幅方向D2の通紙領域に対応する部分に形成された熱吸収面923に吸収される。熱吸収面923に吸収された熱は、押圧部材92を介して加熱回転ベルト9aの通紙領域に移動する。
【0101】
このように、熱放射面914は、用紙Tを印刷することにより上昇した加熱回転ベルト9aの非通紙領域の熱を、ベルトガイド部材91の第1対向面912の用紙幅方向D2の両端部において、押圧部材92側に放射する。熱放射面914から放射された熱は、押圧部材92の熱吸収面923に吸収されて、押圧部材92の用紙幅方向D2の中央部を介して加熱回転ベルト9aの通紙領域に移動する。これにより、加熱回転ベルト9aの非通紙領域の過度の温度上昇を抑制することができる。
また、小さいサイズの用紙を印刷した後に大きなサイズの用紙を印刷した場合でも、画像オフセットを低減することができ、画像形成不良を低減することができる。
【0102】
第1実施形態のプリンター1によれば、例えば、以下の効果が奏される。
第1実施形態のプリンター1においては、加熱回転ベルト9aと、加熱回転ベルト9aの内面側に配置され加熱回転ベルト9aの内面に当接する押圧部材92と、加熱回転ベルト9aとの間に定着ニップFを形成する加圧ローラー9bと、誘導コイル71と、誘導コイル71により発生された磁束の磁路を形成する磁性体コア部72と、加熱回転ベルト9aの内周面に当接して加熱回転ベルト9aの回転をガイドするベルトガイド部材91とを備え、ベルトガイド部材91は、加熱回転ベルト9aの内周面に当接する面と反対側の面で且つ押圧部材92に対向すると共に用紙幅方向D2の両端部に形成される熱放射面914を有する。熱放射面914は、用紙幅方向D2の中央部よりも熱放射率が高い。
【0103】
そのため、熱放射面914は、加熱回転ベルト9aの非通紙領域からベルトガイド部材91の用紙幅方向D2の両端部に伝達された熱を、押圧部材92側に放射する。これにより、簡易な構成により、加熱回転ベルト9aの非通紙領域の過度の温度上昇を抑制することができる。
【0104】
また、第1実施形態のプリンター1においては、押圧部材92は、加熱回転ベルト9aに当接する面と反対側の面で且つベルトガイド部材91に対向すると共に用紙幅方向D2の中央部に形成される熱吸収面923を有する。熱吸収面923は、用紙幅方向D2の両端部よりも熱吸収率が高い。
そのため、熱吸収面923は、押圧部材92の第2対向面922の用紙幅方向D2の中央部において、ベルトガイド部材91から放射される熱を吸収することができる。熱吸収面923に吸収された熱は、押圧部材92を伝導して加熱回転ベルト9aの通紙領域に移動する。従って、加熱回転ベルト9aの非通紙領域の過度の温度上昇を抑制することができ、かつ、用紙Tが通過することにより低下した加熱回転ベルト9aの通紙領域の温度を上昇させることができる。
【0105】
次に、本発明のプリンター1の他の実施形態としての第2実施形態から第4実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第2実施形態から第4実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一の構成要件については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0106】
第2実施形態のプリンター1について説明する。図5は、第2実施形態のプリンター1の定着装置9Aの構成を示す断面図である。
第2実施形態の定着装置9Aは、第1実施形態の変形形態であり、第1実施形態と比べて、主として、押圧部材92Aの第2対向面922Aにおいて、熱吸収面923Aが形成される用紙幅方向D2の範囲が異なる。
ベルトガイド部材91の構成は、第1実施形態のベルトガイド部材91の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
押圧部材92Aの第2対向面922Aの熱吸収面923Aは、図5に示すように、押圧部材92Aの用紙幅方向D2の全域にわたって形成される。本実施形態においては、熱吸収面923Aの放射率(熱吸収率)は、ベルトガイド部材91の第1対向中央面913の放射率(熱吸収率)よりも高く、熱放射面914の放射率(熱吸収率)と同じである。具体的には、熱吸収面923は、放射率(熱吸収率)が0.98程度の熱吸収塗料が押圧部材92Aの表面に塗布されて形成されている。
【0108】
第2実施形態のプリンター1によれば、以下のような効果が奏される。
第2実施形態のプリンター1においては、熱吸収面923Aは、押圧部材92Aの用紙幅方向D2の全域にわたって形成される。そのため、熱吸収面923Aは、押圧部材92Aの第2対向面922Aの全域において、ベルトガイド部材91から放射された熱を吸収することができる。これにより、加熱回転ベルト9aの用紙幅方向D2の温度ムラを抑制することができる。
【0109】
次に、本発明のプリンター1の他の実施形態としての第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第3実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一の構成要件については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0110】
第3実施形態のプリンター1について説明する。図6は、第3実施形態のプリンター1の定着装置9Bの構成を示す断面図である。
第3実施形態の定着装置9Bは、第1実施形態と比べて、主として、熱放射面914B及び熱吸収面923Bの構成が異なる。
【0111】
図6に示すように、第3実施形態の熱放射面914Bは、第1実施形態の熱放射面914と同様に、ベルトガイド部材91Bの第1対向面912Bの用紙幅方向D2の両端部に形成される。
第3実施形態の熱放射面914Bは、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、ベルトガイド部材91Bの用紙幅方向D2の中央部側から両端部側に向かうにしたがって押圧部材92B側に向かうように傾く熱放射傾斜面により構成される。つまり、熱放射面914Bは、押圧部材92Bの用紙幅方向D2の中央部側に向くように傾斜する。熱放射面914Bは、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、ベルトガイド部材91Bの最小非通紙領域903dの全域にわたって傾斜した直線状に延びる。
【0112】
また、熱放射面914Bの熱放射率は、第1対向中央面913の熱放射率よりも高い。
【0113】
また、第3実施形態の熱吸収面923Bは、図6に示すように、第1実施形態の熱吸収面923と同様に、押圧部材92Bの第2対向面922Bの用紙幅方向D2の中央部に形成される。
第3実施形態の熱吸収面923Bは、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、押圧部材92Bの用紙幅方向D2の両端部側から中央部側に向かうにしたがってベルトガイド部材91B側に向かうように傾く熱吸収傾斜面により構成される。つまり、熱吸収面923Bは、ベルトガイド部材91Bの用紙幅方向D2の両端部側それぞれに向くように傾斜する。詳細には、熱吸収面923Bは、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、最小通紙領域903の範囲において、最小通紙領域903の用紙幅方向D2の中央部に対して対称にして、押圧部材92Aの用紙幅方向D2の中央部から両端部側それぞれに向かうにしたがって加圧ローラー9b側に向かうように傾斜した直線状に延びる。
【0114】
熱吸収面923Bは、熱放射面914Bに対応して対向するように傾く。具体的には、図6の用紙幅方向D2の左側において、一方側に形成される一方の熱吸収面923Bと、一方の熱吸収面923Bと同じ側に形成される一方の熱放射面914Bとは、互いに向き合っている。また、図6の用紙幅方向D2の右側において、他方側に形成される他方の熱吸収面923Bと、他方の熱吸収面923Bと同じ側に形成される他方の熱放射面914Bとは、互いに向き合っている。
【0115】
また、熱吸収面923Bの熱吸収率は、第2対向端面924の熱放射率よりも高い。
【0116】
第3実施形態のプリンター1によれば、第1実施形態の効果のほかに、例えば、以下のような効果が奏される。
第3実施形態のプリンター1においては、熱放射面914Bは、ベルトガイド部材91Bの用紙幅方向D2の中央部側から両端部側に向かうにしたがって押圧部材92B側に向かうように傾く。そのため、熱放射面914Bは、ベルトガイド部材91Bの用紙幅方向D2の端部側の熱を、押圧部材92Bの用紙幅方向D2の中央部側に効率よく放射することができる。これにより、加熱回転ベルト9aの非通紙領域の過度の温度上昇を効率よく抑制することができる。
【0117】
また、熱吸収面923Bは、押圧部材92Bの用紙幅方向D2の中央部側に向かうにしたがってベルトガイド部材91B側に向かうように傾く。そのため、熱吸収面923Bは、ベルトガイド部材91Bから放射された熱を、押圧部材92Bの用紙幅方向D2の中央部側において効率よく吸収することができる。これにより、用紙Tが通過することにより低下した加熱回転ベルト9aの通紙領域の温度を上昇させることができる。
また、熱吸収面923Bは、熱放射面914Bに対応して対向するように傾く。そのため、熱吸収面923Bは、熱放射面914Bにより放射された熱を、より効率よく吸収することができる。これにより、用紙Tが通過することにより低下した加熱回転ベルト9aの温度を効率よく上昇させることができる。
【0118】
第4実施形態のプリンター1について説明する。図7は、第4実施形態のプリンター1の定着装置9Cの構成を示す断面図である。
第4実施形態の定着装置9Cは、第3実施形態の変形形態であり、第3実施形態と比べて、主として、熱放射面914C及び熱吸収面923Cが複数設けられている点において異なる。
【0119】
第4実施形態の熱放射面914Cは、図7に示すように、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、ベルトガイド部材91Cの最小非通紙領域903dにおいて、複数設けられる。複数の熱放射面914Cそれぞれは、第3実施形態の熱放射面914Bと同様に、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、ベルトガイド部材91Cの用紙幅方向D2の中央部側から両端部側に向かうにしたがって押圧部材92B側に向かうように傾く。また、複数の熱放射面914Cは、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、最小非通紙領域903dの範囲において、用紙幅方向D2に水平方向に並んで形成される。
【0120】
複数の熱放射面914Cの熱放射率は、第1対向中央面913の熱放射率よりも高い。
【0121】
また、第4実施形態の熱吸収面923Cは、図7に示すように、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、押圧部材92Cの最小非通紙領域903dにおいて、複数設けられる。複数の熱吸収面923Cそれぞれは、第3実施形態の熱吸収面923Bと同様に、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、押圧部材92Aの用紙幅方向D2の両端部側から中央部側に向かうにしたがってベルトガイド部材91B側に向かうように傾く。
【0122】
熱吸収面923Bは、用紙Tの搬送方向D1に視た場合に、最小通紙領域903の範囲において、用紙幅方向D2の中央部に対して対称にして、押圧部材92Aの用紙幅方向D2の中央部から両端部側それぞれに、用紙幅方向Dに水平方向に並んで形成される。
【0123】
複数の熱吸収面923Cそれぞれは、複数の熱放射面914Cそれぞれに対応して対向するように傾く。本実施形態においては、複数の熱吸収面923Cそれぞれは、対応する複数の熱放射面914Cそれぞれに対向するように傾く。つまり、熱吸収面923Bと、熱吸収面923Bに対応する熱放射面914Bとは、互いに向き合っている。
【0124】
複数の熱吸収面923Cの熱放射率は、第2対向端面924の熱吸収率よりも高い。
【0125】
第4実施形態のプリンター1によれば、以下のような効果が奏される。
第4実施形態のプリンター1においては、複数の熱吸収面923Cそれぞれは、複数の熱放射面914Cそれぞれに対応して対向するように傾く。これにより、複数の熱放射面914Cから放射された熱を、それぞれ、対応する複数の熱吸収面923Cに効率よく吸収させることができる。従って、加熱回転ベルト9aの非通紙領域の過度の温度上昇を一層効率よく抑制することができ、かつ、用紙Tが通過することにより低下した加熱回転ベルト9aの温度を一層効率よく上昇させることができる。
【実施例】
【0126】
以下、本発明の実施例及び比較例を用いて、本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものでない。図8は、実施例1、2及び比較例の加熱回転ベルト9aの温度の実験結果を示すグラフである。
【0127】
実施例1は、図2に示す定着装置9において、図4に示す前述の第1実施形態の定着装置9の構成を適用したものである。つまり、実施例1の定着装置9の熱放射面914は、図4に示すように、ベルトガイド部材91の第1対向面912において、用紙幅方向D2の両端部に形成されている。また、実施例1の定着装置9の熱吸収面923は、図4に示すように、押圧部材92の第2対向面922において、用紙幅方向D2の中央部に形成されている。実施例1の定着装置9の熱放射面914及び熱吸収面923は、傾斜しておらず、用紙幅方向D2に水平に直線状に延びている。
実施例2は、図2に示す定着装置9において、図6に示す前述の第3実施形態の定着装置9Bの構成を適用したものである。つまり、実施例2の定着装置9Bの熱放射面914Bは、図6に示すように、ベルトガイド部材91Bの第1対向面912Bにおいて、用紙幅方向D2の両端部に形成され、加熱回転ベルト9aの幅方向の中央部側から両端部側に向かうにしたがって押圧部材92B側に向かうように傾く。また、実施例2の定着装置9Bの熱吸収面923Bは、図6に示すように、押圧部材92Bの第2対向面922Bにおいて、用紙幅方向D2の中央部に形成され、加熱回転ベルト9aの幅方向の中央部側に向かうにしたがってベルトガイド部材91B側に向かうように傾く。熱放射面914Bと熱吸収面923Bとは、互いに向き合っている。
比較例は、図2に示す定着装置9において、ベルトガイド部材91の第1対向面912に熱放射面が形成されておらず且つ押圧部材92の第2対向面922に熱吸収面が形成されていない構成である。
【0128】
実施例1、2及び比較例について、以下の評価を行った。
実施例1、2及び比較例において、最小通紙幅W3の用紙T(小さいサイズの用紙T)を連続して印刷したときの加熱回転ベルト9aの温度の比較評価と、最小通紙幅W3の用紙T(小さいサイズの用紙T)を連続して印刷した後に最大通紙幅W1の用紙T(大きいサイズの用紙T)を印刷した際の画像オフセットの発生の有無の評価とを行った。
【0129】
その結果、実施例1、2及び比較例において、最小通紙幅W3の用紙T(小さいサイズの用紙T)を連続して印刷したときに、図8に示す加熱回転ベルト9aの用紙幅方向D2の温度分布のグラフが得られた。
具体的には、図8に示すように、比較例において、加熱回転ベルト9aの最小非通紙領域903dの温度は、230℃程度であり、加熱回転ベルト9aの最小通紙領域903の温度は、175℃程度であった。
一方、実施例1において、加熱回転ベルト9aの最小非通紙領域903dの温度は、210℃程度であり、加熱回転ベルト9aの最小通紙領域903の温度は、175℃程度であった。また、実施例2において、加熱回転ベルト9aの最小非通紙領域903dの温度は、190℃程度であり、加熱回転ベルト9aの最小通紙領域903の温度は、175℃程度であった。
これにより、加熱回転ベルト9aの最小非通紙領域903dにおいて、実施例1及び2の温度(210℃程度、190℃程度)は、比較例における温度(230℃程度)よりも低いという結果が得られた。
【0130】
また、最小通紙幅W3の用紙T(小さいサイズの用紙T)を連続して印刷した後において、最大通紙幅W1の用紙Tに印刷を行った際の画像オフセットの発生について確認した。実施例1及び実施例2においては、画像オフセットは発生しなかった。比較例においては、画像オフセットが発生した。
【0131】
以上の結果により、実施例1、2においては、比較例に比べて、加熱回転ベルト9aの非通紙領域の過度の温度上昇が抑制されていることが確認された。更に、実施例1及び実施例2においては、小サイズ用紙の連続印刷後の大サイズ用紙における画像オフセットの発生がなく、画像形成不良を抑制することができることが確認された。
【0132】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の第1実施形態においては、熱放射面914を、ベルトガイド部材91の第1対向面912において、最小非通紙領域903dに形成したが、これに制限されない。例えば、熱放射面914を、ベルトガイド部材91の第1対向面912において、中間非通紙領域902dに形成してもよい。
【0133】
本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、プリンター以外に、コピー機、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0134】
2……感光体ドラム(像担持体)、8……転写ローラー(転写部)、9……定着装置、9a……加熱回転ベルト、9b……加圧ローラー(加圧回転体)、16……現像器、70……加熱ユニット、71……誘導コイル、72……磁性体コア部、91……ベルトガイド部材、92……押圧部材、914……熱放射面、914B,914C……熱放射面、923……熱吸収面、923B,923C……熱吸収面、F……定着ニップ、T……用紙(被転写材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱回転ベルトと、
前記加熱回転ベルトの内面側に配置され、前記加熱回転ベルトの内面に当接する押圧部材と、
前記加熱回転ベルトに対向して配置される加圧回転体であって、前記押圧部材との間に前記加熱回転ベルトを挟み込んで前記加熱回転ベルトとの間に定着ニップを形成する加圧回転体と、
前記加熱回転ベルトの外面に対向して配置され、前記加熱回転ベルトを発熱させるための磁束を発生させる誘導コイルと、
前記誘導コイルにより発生された磁束の磁路を形成する磁性体コア部と、
前記加熱回転ベルトの内面側に前記加熱回転ベルトを挟んで前記誘導コイルに対向して配置され、前記加熱回転ベルトの内面に当接して前記加熱回転ベルトを位置決めすると共に前記加熱回転ベルトの回転をガイドするベルトガイド部材とを備え、
前記ベルトガイド部材は、前記加熱回転ベルトの内面に当接する面と反対側の面で且つ前記押圧部材に対向すると共に前記加熱回転ベルトの幅方向の両端部に対応する部分に形成される熱放射面であって、前記加熱回転ベルトの幅方向の中央部に対応する部分よりも熱放射率が高い熱放射面を有する
定着装置。
【請求項2】
前記熱放射面は、前記加熱回転ベルトの幅方向の両端部側に向かうにしたがって前記押圧部材側に向かうように傾いている
請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記加熱回転ベルトに当接する面と反対側の面で且つ前記ベルトガイド部材に対向すると共に前記加熱回転ベルトの幅方向の中央部に対応する部分に形成される熱吸収面であって、前記加熱回転ベルトの幅方向の両端部に対応する部分よりも熱吸収率が高い熱吸収面を有する
請求項1又は2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記熱吸収面は、前記加熱回転ベルトの幅方向の中央部側に向かうにしたがって前記ベルトガイド部材側に向かうように傾き、
前記熱吸収面は、前記熱放射面に対応して対向するように傾く
請求項3に記載の定着装置。
【請求項5】
表面に静電潜像が形成される1又は複数の像担持体と、
前記1又は複数の像担持体に形成された静電潜像をトナー画像として現像する現像器と、
前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、
請求項1から4のいずれかに記載の定着装置と、を備える
画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−61379(P2013−61379A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197980(P2011−197980)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】