説明

家庭電気製品収納庫

【課題】家庭電気製品を収納した状態で使用できるようにした家庭電気製品収納庫において、キャビネット内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することで、騒音を低減する。
【解決手段】キャビネット1内に家庭電気製品2を収納し前面が開口した家庭電気製品収納部3を設け、この家庭電気製品収納部3からキャビネット1前方に連通しファン8を内蔵する排出通路10を有する排出装置6を備える。ファン8の動作を制御手段15により制御し、家庭電気製品2から排出される蒸気量を温度検知手段13により検知するよう構成する。制御手段15は、温度検知手段13により検知した温度(蒸気量)が第1の判定基準を超える場合にはファン8を低い回転数で駆動し、第1の判定基準より高い第2の判定基準を超える場合はファン8を高い回転数で駆動するよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭電気製品を収納した状態で使用できるようにした家庭電気製品収納庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の家庭電気製品収納庫は、キャビネット内に、全面が開口し家庭電気製品を収納する家庭電気製品収納部を設け、この家庭電気製品収納部の天面に家庭電気製品から排出される熱気・蒸気を外部へ排出する排出装置を設け、家庭電気製品から排出される熱気・蒸気を外部へ排出することで、家庭電気製品を収納した状態で使用できるよう構成していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平7−114735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の構成では、キャビネット内に家庭電気製品を収納して使用しているとき、家庭電気製品の蒸気量に関係なく一定風量で駆動する。このとき、蒸気量最大時に問題なく蒸気を排出するために最大排出能力で駆動する。このため、蒸気量が少ない場合は排気能力を低くしても蒸気の排出には問題がないが、騒音が高いという問題を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、キャビネット内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することで、騒音を低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、キャビネット内に家庭電気製品を収納し前面が開口した家庭電気製品収納部を設け、この家庭電気製品収納部からキャビネット前方に連通しファンを内蔵する排出通路を有する排出装置を備え、ファンの動作を制御手段により制御し、家庭電気製品から排出される蒸気量を蒸気量検知手段により検知するよう構成し、制御手段は、蒸気量検知手段により検知した蒸気量が第1の判定基準を超える場合にはファンを低い回転数で駆動し、第1の判定基準より高い第2の判定基準を超える場合はファンを高い回転数で駆動するよう構成したものである。
【0006】
これにより、家庭電気製品から排出される蒸気量が少ない場合は、低い回転数で静かにファンを駆動し、蒸気量が多い場合は、高い回転数で蒸気を排気することができるので、キャビネット内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することができ、騒音を低減することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の家庭電気製品収納庫は、キャビネット内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することで、騒音を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、キャビネットと、このキャビネット内に設け家庭電気製品を収納する前面が開口した家庭電気製品収納部と、この家庭電気製品収納部からキャビネット前方に連通しファンを内蔵する排出通路を有する排出装置と、前記ファンの動作を制御する制御手段と、家庭電気製品から排出される蒸気量を検知する蒸気量検知手段とを備え、前記制御手段は、前記蒸気量検知手段により検知した蒸気量が第1の判定基準を超える場合には前記ファンを低い回転数で駆動し、前記第1の判定基準より高い第2の判定基準を超える場合は前記ファンを高い回転数で駆動するよう構成したものであり、家庭電気製品から排出される蒸気量が少ない場合は、低い回転数で静かにファンを駆動し、蒸気量が多い場合は、高い回転数で蒸気を排気することができるので、キャビネット内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することができ、騒音を低減することができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、蒸気量検知手段は、排出通路内に設けた温度検知手段で構成したものであり、蒸気量が多く排気温度が高いときは高い回転数でファンを動作することができ、蒸気を円滑に外部へ排気することができる。また、必要に応じて、運転開始時に温度検知手段により室温を検知することができる。
【0010】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、家庭電気製品へ給電する給電手段と、この給電手段に流れる電流を検知する電流検知手段とを備え、制御手段は、前記給電手段に流れる電流が所定の電流値を超える場合はファンを駆動するようにしたものであり、家庭電気製品の動作を開始し、給電手段に所定の電流値を超える電流が流れるとファンを駆動するので、家庭電気製品より蒸気が排出されたときにはファンは回転しており、排出された蒸気を円滑に外部へ排気することができ、排出通路などに結露するのを防止することができる。
【0011】
第4の発明は、上記第3の発明において、給電手段に流れる電流が所定の電流値より小さくなった場合にファンを所定時間遅延運転させた後停止する遅延手段を備え、前記遅延手段の遅延時間は、室温が所定の温度より高い場合には短くし、所定の温度より低い場合は長くしたものであり、給電手段に流れる電流が所定の電流値より小さくなってファンを停止させる場合に、室温が低い場合は蒸気が結露しやすいため、遅延時間を長くすることで結露を防止することができ、室温が高い場合は蒸気が結露しにくいので、遅延時間を短くすることで、ファンの動作時間を短くすることができる。
【0012】
第5の発明は、キャビネットと、このキャビネット内に設け家庭電気製品を収納する前面が開口した家庭電気製品収納部と、この家庭電気製品収納部からキャビネット前方に連通しファンを内蔵する排出通路を有する排出装置と、前記ファンの動作を制御する制御手段と、前記家庭電気製品へ給電する給電手段と、この給電手段に流れる電流を検知する電流検知手段とを備え、前記制御手段は、前記給電手段に流れる電流が第3の判定基準を超える場合には前記ファンを低い回転数で駆動し、前記第3の判定基準より高い第4の判定基準を超える場合は前記ファンを高い回転数で駆動するよう構成したものであり、家庭電気製品が第3の判定基準を超える電流が流れて動作し蒸気の排出が少ないか蒸気の排出がほとんどない第1の工程と、第3の判定基準より高い第4の判定基準を超える電流が流れて動作し蒸気の排出が多い第2の工程とを有する場合、第1の工程ではファンを低い回転数で駆動し、第2の工程ではファンを高い回転数で駆動することで、家庭電気製品から排出される蒸気量が多い場合は、高い回転数でファンを駆動して蒸気を排気し、蒸気量が少ないか蒸気の排出がほとんどない場合は、低い回転数で静かにファンを駆動することができるので、キャビネット内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することができ、騒音を低減することができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における家庭電気製品収納庫の断面図を示し、図2は、同家庭電気製品収納庫の正面図を示し、図3は、同家庭電気製品収納庫の要部ブロック図を示すものである。
【0015】
図1および図2に示すように、キャビネット1は、前面が開口し、内部に炊飯器2aやジャーポット2bなど蒸気を発生する家庭電気製品2を収納する家庭電気製品収納部3を有している。家庭電気製品収納部3の下面に家庭電気製品2を載置するスライド台4を収納自在に設けており、必要に応じて家庭電気製品収納部3から家庭電気製品2を引き出して使用できるようにしている。家庭電気製品収納部2の前面に扉5を開閉自在に設けている。また、家庭電気製品収納部3の天面には、収納した家庭電気製品2から排出する蒸気を外部に排出する排出装置6を設けており、家庭電気製品収納部3に蒸気を発生する家庭電気製品2を収納した場合においても、家庭電気製品2を収納したまま使用できるようにしている。
【0016】
排出装置6の下面に1つの大きな開口部をもつ蒸気吸引部7を設けており、排出装置6の内部にファン8を設けている。蒸気吸引部7の内側に蒸気を広い範囲で効率よく吸引するために、複数の穴(図示せず)を有する整流板9を設けており、家庭電気製品収納部3内で発生した蒸気を外気と混合し、整流板9の穴および整流板9の外周より蒸気を吸引する構成としている。吸引された蒸気は排出通路10を通ってファン8に入り、ファン8により吐出されて排出装置6の前方に設けた蒸気排気口11から吐出される。また、排出装置6の前面に表示部12を設けている。
【0017】
温度検知手段13は、家庭電気製品2から排出される蒸気を検知する蒸気量検知手段を構成するもので、サーミスタにより構成し、排出通路10に設けている。家庭電気製品2から排出される蒸気が排出通路10を通って外部へ排出されるとき、温度検知手段13により蒸気による温度上昇を検知することで、蒸気量を検知することができる。給電手段14は、コンセント14a、14bにより構成し、家庭電気製品2を接続して給電するもので、家庭電気製品収納部3に設けている。
【0018】
制御手段15は、ファン8の動作を制御するもので、図3に示すように、温度検知手段13の出力によりファン8を制御するよう構成しており、温度検知手段13により検知した温度(蒸気量)が第1の判定基準(例えば、40℃)を超える場合には、蒸気量が少ないと判断してファン8を低い回転数(例えば、約800r/min)で駆動し、第1の判定基準より高い第2の判定基準(例えば、50℃)を超える場合、蒸気量が多いと判断してファン8を高い回転数(例えば、約1300r/min)で駆動するよう構成している。なお、16は、家庭電気製品2を給電手段14に接続するプラグである。
【0019】
上記構成において動作、作用について説明する。家庭電気製品収納部3の下面に設けたスライド台4に家庭電気製品2を載置して家庭電気製品2を家庭電気製品収納部3内に収納し、家庭電気製品収納部3内のコンセント14a、14bに接続した後、扉5を閉じて動作を開始する。ここで、家庭電気製品2が炊飯器2aである場合は炊飯工程より動作を開始し、ジャーポット2bである場合は湯沸し工程より動作を開始するので、いずれも動作を開始した後、やがて家庭電気製品2より蒸気を排出する。
【0020】
一方、排出通路10に蒸気量を検知する蒸気量検知手段を構成する温度検知手段13を設けており、この温度検知手段13により検知した温度が第1の判定基準(40℃)を超えると、制御手段15は排出装置6内のファン8を低い回転数(約800r/min)で駆動する。ファン8を動作させると、家庭電気製品2より排出されファン8により外気とともに蒸気吸引部7より吸い込まれた蒸気は、内部ダクト10を経由して蒸気排気口11から外部に排出される。
【0021】
このとき、蒸気吸引部7の内側に設置した整流板9には、家庭電気製品収納部3内に収納した家庭電気製品2の蒸気口17に対向した位置に複数の穴を有しているので、蒸気口17より排出される蒸気は、図1の矢印aで示すように、複数の穴を通して排出装置6に吸引されるとともに、図1の矢印bで示すように、一部は整流板9の外周より排出装置6に吸引される。吸引された蒸気は排出通路10を通って蒸気排気口11から排出される。
【0022】
さらに、家庭電気製品2より排出される蒸気量が多くなって温度検知手段13により検知した温度が第1の判定基準より高い第2の判定基準(50℃)を超えると、制御手段15はファン8を高い回転数(約1300r/min)で駆動する。これにより、キャビネット1内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することができる。
【0023】
近年、家庭電気製品2は、美味しさを追求するため、また、電子技術の発達により通電を変化させるものが主流になっている。これにより排出される蒸気も一定ではなく変化している。したがって、蒸気処理に必要な排気能力も一定にする必要はなく、蒸気量が多いときは能力を高くし、また蒸気量が少ないときは能力を低くすることが可能であり、ファン8の騒音の低減を図れるだけでなく、省エネルギにも効果を発揮することができる。
【0024】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段15は、温度検知手段13により検知した温度(蒸気量)が第1の判定基準を超える場合にはファン8を低い回転数で駆動し、第1の判定基準より高い第2の判定基準を超える場合はファン8を高い回転数で駆動するよう構成したので、家庭電気製品2から排出される蒸気量が少ない場合は、低い回転数で静かにファン8を駆動し、蒸気量が多い場合は、高い回転数で蒸気を排気することができ、キャビネット1内に収納した家庭電気製品2の蒸気量に応じて排気能力を可変することができ、騒音を低減することができる。
【0025】
また、蒸気量検知手段は、排出通路10内に設けた温度検知手段13で構成したので、蒸気量が多く排気温度が高いときは高い回転数でファン8を動作することができ、蒸気を円滑に外部へ排気することができる。また、必要に応じて、運転開始時に温度検知手段13により室温を検知することができる。
【0026】
なお、本実施の形態では、ファン8の回転数については2段階の可変としたが、多段にしても問題ない。また、ファン8の回転数制御については、電源の位相制御、モータコイルのタップ切替等で行うことも可能である。
【0027】
また、電源周波数により回転数が変動するモータを使用する場合、周波数を検知して所定の回転数になるようにファン8を制御することも可能である。例えば、隈取コイルモータの場合、(表1)に示すように、強、標準、弱の3種類にタップ切り替えができるように構成しておき、電源周波数により切り替えることで、1つのモータで低回転数と高回転数を得ることができる。
【0028】
【表1】

【0029】
なお、(表1)において、弱は約800r/min、強は約1300r/minである。
【0030】
また、本実施の形態では、家庭電気製品2として炊飯器2aとジャーポット2bの場合について説明したが、コーヒーメーカーなど蒸気が出るものであればよく、同様の作用、効果を得ることができる。
【0031】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における家庭電気製品収納庫の要部ブロック図を示すものである。
【0032】
図4に示すように、電流検知手段18は、給電手段14に流れる電流を検知するもので、その出力を制御手段15に入力している。制御手段15は、給電手段14に流れる電流が所定の電流値(例えば、2A)を超える場合は、家庭電気製品2が炊飯器2aである場合は炊飯工程で動作し、ジャーポット2bである場合は湯沸し工程で動作しているとしてファン8を駆動するようにしている。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
上記構成において動作、作用について説明する。家庭電気製品収納部3の下面に設けたスライド台4に家庭電気製品2を載置して家庭電気製品2を家庭電気製品収納部3内に収納し、家庭電気製品収納部3内のコンセント14a、14bに接続した後、扉5を閉じて家庭電気製品2の動作を開始すると、家庭電気製品2が炊飯器2aである場合は炊飯工程で動作し、ジャーポット2bである場合は湯沸し工程で動作するので、給電手段14に流れる電流が所定の電流値(2A)を超えるため、排出装置6内のファン8が動作する。これにより、家庭電気製品2より排出された蒸気は、上記実施の形態1と同様にして排出通路10を通って蒸気排気口11から排出される。
【0034】
ここで、家庭電気製品2が炊飯器2aである場合の炊飯工程、ジャーポット2bである場合の湯沸し工程では、いずれも動作を開始した後、やがて家庭電気製品2より蒸気を排出する。そこで、温度検知手段13により検知した温度が第1の判定基準(40℃)を超えると、制御手段15は排出装置6内のファン8を低い回転数(約800r/min)で駆動する。
【0035】
さらに、家庭電気製品2より排出される蒸気量が多くなって温度検知手段13により検知した温度が第1の判定基準より高い第2の判定基準(50℃)を超えると、制御手段15はファン8を高い回転数(約1300r/min)で駆動する。これにより、キャビネット1内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することができる。
【0036】
このように、家庭電気製品2が炊飯器2aである場合は炊飯工程で、ジャーポット2bである場合は湯沸し工程で、給電手段14に流れる電流が所定の電流値(2A)を超えている限り、ファン8は連続的に動作する。つぎに、家庭電気製品2が炊飯器2a、ジャーポット2bのいずれであっても、保温工程に入ると、給電手段14に流れる電流が所定の電流値(2A)以下となるため、制御手段15はファン8を停止させる。
【0037】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段15は、給電手段14に流れる電流が所定の電流値(2A)を超える場合は、ファン8を駆動するようにしているので、家庭電気製品2の動作を開始し、給電手段14に所定の電流値を超える電流が流れるとファン8を駆動するので、家庭電気製品2より蒸気が排出されたときにはファン8は回転しており、排出された蒸気を円滑に外部へ排気することができ、排出通路10などに結露するのを防止することができる。
【0038】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における家庭電気製品収納庫の要部ブロック図を示すものである。
【0039】
図5に示すように、遅延手段19は、家庭電気製品2(炊飯器2a、ジャーポット2bのいずれも)が保温工程に入るなどにより、給電手段14に流れる電流が所定の電流値(例えば、2A)より小さくなった場合に、ファン8を所定時間遅延運転させた後停止するもので、この遅延手段19の遅延時間は、室温が所定の温度(例えば、10℃)より高い場合には短い時間(例えば、10分)とし、所定の温度より低い場合は長い時間(例えば、30分)としている。他の構成は上記実施の形態2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
上記構成において動作、作用について説明する。なお、家庭電気製品2が炊飯器2aである場合における炊飯工程での動作、およびジャーポット2bである場合における湯沸し工程での動作は、上記実施の形態2の動作と同じであるので説明を省略する。
【0041】
家庭電気製品2が炊飯器2a、ジャーポット2bのいずれであっても、保温工程に入ると、給電手段14に流れる電流が所定の電流値(2A)以下となるため、制御手段15は遅延手段19の遅延時間が経過するとファン8を停止させる。
【0042】
このとき、室温が低い場合は、蒸気が結露しやすいためファン8を長く運転しておく必要があるので、動作開始時に温度検知手段13により検知した室温が所定の温度(10℃)より低い場合は長い時間(30分)経過した後、ファン8を停止させることにより結露を防止することができる。また、室温が所定の温度(10℃)より高い場合は蒸気が結露しにくいので、短い時間(10分)経過した後、ファン8を停止させることによりファン8の動作時間を短くすることができる。
【0043】
以上のように、本実施の形態においては、給電手段14に流れる電流が所定の電流値(2A)より小さくなった場合にファン8を所定時間遅延運転させた後停止する遅延手段19を備え、遅延手段19の遅延時間は、室温が所定の温度(10℃)より高い場合には短くし、所定の温度より低い場合は長くしたので、給電手段14に流れる電流が所定の電流値より小さくなってファン8を停止させる場合に、室温が低い場合は遅延時間を長くすることで結露を防止することができ、室温が高い場合は遅延時間を短くすることで、ファン8の動作時間を短くすることができる。
【0044】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における家庭電気製品収納庫の要部ブロック図を示すものである。
【0045】
図6に示すように、電流検知手段18は、給電手段14に流れる電流を検知するもので、その出力を制御手段15に入力している。制御手段15は、給電手段14に流れる電流が第3の判定基準(例えば、4A)を超える場合にはファン8を低い回転数(例えば、約800r/min)で駆動し、第3の判定基準より高い第4の判定基準(例えば、8A)を超える場合はファン8を高い回転数(例えば、約1300r/min)で駆動するよう構成している。他の構成は上記実施の形態2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
上記構成において家庭電気製品2が炊飯器2aの場合の動作、作用について説明する。
【0047】
炊飯器2aは、炊飯工程において、第3の判定基準を超える電流が流れて動作し蒸気の排出が少ないか蒸気の排出がほとんどない吸水工程(第1の工程)と、第3の判定基準より高い第4の判定基準を超える電流が流れて動作し蒸気の排出が多い炊き上げ工程(第2の工程)とを有する。
【0048】
家庭電気製品収納部3内に炊飯器2a(家庭電気製品2)を収納し、コンセント14aに接続した後、扉5を閉じて動作を開始すると、炊飯器2aは炊飯工程の吸水工程に入り、給電手段14に流れる電流が第3の判定基準(4A)を超えるため、排出装置6内のファン8を低い回転数(約800r/min)で駆動する。これにより、炊飯器2aより排出された蒸気は、上記実施の形態1と同様にして、排出通路10を通って蒸気排気口11から排出される。
【0049】
つぎに、炊き上げ工程に入ると、給電手段14に流れる電流が第4の判定基準(8A)を超えるため、排出装置6内のファン8を高い回転数(約1300r/min)で駆動する。これにより、炊飯器2aから排出される多量の蒸気を排出することができる。
【0050】
なお、保温工程に入ると、上記実施の形態2と同様に、給電手段14に流れる電流が所定の電流値(2A)以下となるため、制御手段15はファン8を停止させる。
【0051】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段15は、給電手段14に流れる電流が第3の判定基準を超える場合にはファン8を低い回転数(約800r/min)で駆動し、第3の判定基準より高い第4の判定基準を超える場合はファン8を高い回転数(約1300r/min)で駆動するよう構成したので、第3の判定基準を超える電流が流れて動作し蒸気の排出が少ないか蒸気の排出がほとんどない吸水工程ではファンを低い回転数で駆動し、第3の判定基準より高い第4の判定基準を超える電流が流れて動作し蒸気の排出が多い炊き上げ工程ではファン8を高い回転数で駆動することで、家庭電気製品から排出される蒸気量が多い場合は、高い回転数でファン8を駆動して蒸気を排気し、蒸気量が少ないか蒸気の排出がほとんどない場合は、低い回転数で静かにファン8を駆動することができるので、キャビネット1内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することができ、騒音を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明にかかる家庭電気製品収納庫は、キャビネット内に収納した家庭電気製品の蒸気量に応じて排気能力を可変することで、騒音を低減することができるので、家庭電気製品を収納した状態で使用できるようにした家庭電気製品収納庫として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1における家庭電気製品収納庫の断面図
【図2】同家庭電気製品収納庫の正面図
【図3】同家庭電気製品収納庫の要部ブロック図
【図4】本発明の実施の形態2における家庭電気製品収納庫の要部ブロック図
【図5】本発明の実施の形態3における家庭電気製品収納庫の要部ブロック図
【図6】本発明の実施の形態4における家庭電気製品収納庫の要部ブロック図
【符号の説明】
【0054】
1 キャビネット
2 家庭電気製品
3 家庭電気製品収納部
6 排出装置
8 ファン
10 排出通路
13 温度検知手段(蒸気量検知手段)
15 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、このキャビネット内に設け家庭電気製品を収納する前面が開口した家庭電気製品収納部と、この家庭電気製品収納部からキャビネット前方に連通しファンを内蔵する排出通路を有する排出装置と、前記ファンの動作を制御する制御手段と、家庭電気製品から排出される蒸気量を検知する蒸気量検知手段とを備え、前記制御手段は、前記蒸気量検知手段により検知した蒸気量が第1の判定基準を超える場合には前記ファンを低い回転数で駆動し、前記第1の判定基準より高い第2の判定基準を超える場合は前記ファンを高い回転数で駆動するよう構成した家庭電気製品収納庫。
【請求項2】
蒸気量検知手段は、排出通路内に設けた温度検知手段で構成した請求項1記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項3】
家庭電気製品へ給電する給電手段と、この給電手段に流れる電流を検知する電流検知手段とを備え、制御手段は、前記給電手段に流れる電流が所定の電流値を超える場合はファンを駆動するようにした請求項1または2記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項4】
給電手段に流れる電流が所定の電流値より小さくなった場合にファンを所定時間遅延運転させた後停止する遅延手段を備え、前記遅延手段の遅延時間は、室温が所定の温度より高い場合には短くし、所定の温度より低い場合は長くした請求項3記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項5】
キャビネットと、このキャビネット内に設け家庭電気製品を収納する前面が開口した家庭電気製品収納部と、この家庭電気製品収納部からキャビネット前方に連通しファンを内蔵する排出通路を有する排出装置と、前記ファンの動作を制御する制御手段と、前記家庭電気製品へ給電する給電手段と、この給電手段に流れる電流を検知する電流検知手段とを備え、前記制御手段は、前記給電手段に流れる電流が第3の判定基準を超える場合には前記ファンを低い回転数で駆動し、前記第3の判定基準より高い第4の判定基準を超える場合は前記ファンを高い回転数で駆動するよう構成した家庭電気製品収納庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−119418(P2008−119418A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−309812(P2006−309812)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】