説明

容器ホルダ

【課題】 一箇所からの光源の照射で収納ケースの上面開口周縁の全体を綺麗に照らし、夜間の視認性を高めるだけでなく装飾性を高めて見栄えを良くする容器ホルダを提供する。
【解決手段】 容器を収納するホルダ本体1と、透光性を有する環状盤にして、ホルダ本体1の収納穴10の上面開口に環孔20がくるようにして該ホルダ本体上に配される環状部21と該環状部からその接線方向に突出する導入部25とが一体成形されると共に、該環状部の外周側面には厚み方向にわたって等しい断面形状の窪み22が複数繰り返し配設され、且つ該導入部の外側面25にも窪み26が複数繰り返し配設されるか、又は環状部21の厚み方向に貫通する複数の透孔23が間隔をおいて該環状部を周回するよう繰り返し配設される導光部材2と、を具備し、導入部25から環状部21へ光を入射することにより窪み22,26又は透孔26の形成で光反射の縦縞模様を出現させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車室内などに装備される容器ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車室内のコンソールボックスやインストルメントパネルの前面等には、ペットボトルや飲料缶などの飲料容器を一時保管するのに便利な容器ホルダが設けられている。容器ホルダの上面開口からホルダ収納穴へ飲料容器を収納することで、走行中の振動や急停止等によっても飲料容器が転倒しないよう保持される。
ところで、夜間走行中は容器ホルダの位置確認が難しくなる。そこで、夜間でも光源からの光をホルダ収納部に照射して見やすくし、さらに照射によって見栄えを向上させた容器ホルダが提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−297811公報
【0004】
特許文献1の特許請求の範囲には、「操作部材が透明性を有する素材によって形成され、照射時の光道となる所定箇所には凹凸形状が形成されており、前記操作部材の回動操作を行うと、この回動運動に伴って、前記所定箇所に形成された凹凸形状が順に照射位置を通過する」技術内容が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、特許文献1は、「把持部22の内側側面22aに円弧方向にわたって凹凸形状26が複数設けられている。したがって、操作部材20の回動操作を行うことにより、これら凹凸形状26がLED91を順に通過する。このとき、照射された際の光の透過量、凹凸形状26のそれぞれの厚みの違いによって異なる。したがって、操作部材20の回動操作を行うと、この回動運動に伴って操作部材20を透過する光の明るさが変化する。」構成である。さらに、LEDからの光がリング状の操作部材の円形の中心を通る法線方向に照射される構成である。そのため、「照射された光は、半透明の操作部材20を透過して、把持部22の上面22b側に現れる。」が、「このとき、LED91から照射された光は、操作部材20に形成された凹凸形状26によって明暗がぼやけて現れる。」にすぎないとする。LEDから操作部材のリング状円形の中心を通るように照射される光は、LEDを通過する操作部材の内側に形成された凹凸形状を一部が素通りし、残りが該凹凸形状に当たって反射する。該凹凸形状によって反射されても、そこからリング状操作部材の外方に向け放散してしまうため、光の減衰が大きくなることが予想される。操作部材の回動操作によって、LEDの前を通過する箇所及びその周辺でしか明るさが得られない虞がある。勿論、複数の箇所にLEDを設置し数を増やせば良いが、その分、コスト増,消費電力増になる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するもので、低コストにして、一箇所からの光源の照射で収納ケースの上面開口周縁の全体を綺麗に照らし、夜間の視認性を高めるだけでなく、装飾性を高めて見栄えを良くし、さらに日中でも日の光でその装飾模様を出現させることのできる容器ホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、容器を収納するホルダ本体と、透光性を有する樹脂製環状盤にして、前記ホルダ本体の収納穴の上面開口に環孔がくるようにして該ホルダ本体上に配される環状部と該環状部からその接線方向に突出する導入部とが一体成形されると共に、該環状部の外周側面には厚み方向にわたって等しい断面形状の窪みが複数繰り返し配設され、且つ該導入部の外側面にも窪みが複数繰り返し配設されるか、又は環状部の厚み方向に貫通する複数の透孔が間隔をおいて該環状部を周回するよう繰り返し配設される導光部材と、を具備し、前記導入部から前記環状部へ光を入射することにより、前記窪み又は前記透孔の形成で光反射の縦縞模様を出現させることを特徴とする容器ホルダにある。
請求項2の発明たる容器ホルダは、請求項1で、環状部の外周側面及び前記導入部の外側面に配設される複数の前記窪みを同形状とし、さらに各窪みが一定間隔で繰り返し配設されることを特徴とする。請求項3の発明たる容器ホルダは、請求項1又は2で、ホルダ本体上で前記導光部材が配される部位に、該導光部材の平面視大きさよりも大きくして該導光部材の外周を囲い、且つ該導光部材の厚みよりも高く隆起させたリブ状ガイド堤を、さらに具備することを特徴とする。請求項4の発明たる容器ホルダは、請求項3で、環状部の外周側面側に又はガイド堤の内壁面側に、さらに反射構造膜を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の容器ホルダは、低コスト且つ比較的簡便な構造にして、一箇所からの光源の照射で、収納ケースたるホルダ本体の収納穴及びその上に配する導光部材の環孔内を鮮やかな環状縦縞模様の光で明るく照らし、夜間における飲料容器を収納する収納穴の視認性を高めるだけでなく、装飾性を高めて見事な光の演出を提供でき、さらに日中でも日の光でその縦縞装飾模様を出現させることができるなど優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る容器ホルダについて詳述する。図1〜図8は本発明の容器ホルダの一形態を示したもので、図1はその全体斜視図、図2は導光部材の斜視図、図3は導光部材に接続部材を組付けた斜視図、図4は(イ)が図2の導光部材の外周側面に反射構造膜を付加した平面図、(ロ)が(イ)のII−II線断面図である。図5は(イ)が図4とは他態様の導光部材の外周側面に反射構造膜を付加した平面図、(ロ)が(イ)のIII−III線断面図である。図6は(イ)が図4,図5とはまた別態様の導光部材の外周側面に反射構造膜を付加した平面図、(ロ)が(イ)のIV−IV線断面図である。図7は奥方のホルダ本体の受面に図6の導光部材を載置した斜視図、図8は図7の状態からさらに手前のホルダ本体の受面に図2の導光部材を載置した斜視図である。
【0010】
容器ホルダはホルダ本体1と導光部材2と接続部材3と光源4と上蓋7とを具備する(図8)。これら各構成部品を組立てた容器ホルダは、図1のごとく車室内の運転席と助手席との間に設置されるコンソールボックス9の前部に取付けられる。
【0011】
ホルダ本体1は、容器ホルダの外形主要部たる収納ケースで、ペットボトル等の飲料容器を収納する収納穴10が設けられた樹脂成形品である(図1)。ここでのホルダ本体1は、平坦な上板部11と該上板部の外周縁から下降延設する側板部12とで図7のような平面視オーバル形の筒体にし、その上板部11に収納穴10を二箇所設ける。該収納穴が形成する収納部は、上板部11の上面開口縁から下方へ延設される円筒壁13とその下面開口を塞ぐ底壁14とで有底筒体にする。収納穴10の上面開口10aは導光部材2の環状部21の環孔20の大きさに合わせた大きさである。本実施形態は上面開口10aと導光部材2の環孔20の口径を一致させる。上面開口10aに環孔20がくるようにしてホルダ本体1上に導光部材2の環状部21が配されるが、ホルダ本体1上で両導光部材2が配される部位にはリブ状ガイド堤15が設けられる。
【0012】
前記ガイド堤15はホルダ本体1の上板部11で導光部材2が配される部位に設けられる(図7,図8)。ガイド堤15は導光部材2の平面視大きさよりも若干大きくして該導光部材の外周を囲い、且つ該導光部材の厚みよりも高く隆起させた囲い塀のようになっている。図7のごとく上板部11に導光部材2が載置される受面11aを確保して、その載置された導光部材2の外周側面21bを、該ガイド堤が当接又は近接するように囲う。ホルダ本体1の上板部11に起立するガイド堤15は、導光部材2を容易にセットできるように設けられ、且つセットされた該導光部材の環孔20が上面開口10aから横ズレするのを防止する。ガイド堤15は環状部用堤15aと導入部用堤15bとからなるが、該ガイド堤に係止,セットされた導光部材2の導入部25の端面25e側を開放しており、この箇所の入口には図7のような通孔19が形成される。
符号16は係合リブで、ガイド堤15と同様、ホルダ本体1上に立設するリブ状堤である。係合リブ16は、上板部11の外周縁に沿って上板部11から隆起し、上板部11に蓋をする上蓋7の外周鍔部72に係合して、該上蓋が横ズレしないよう保持する。
【0013】
前記ガイド堤15及び係合リブ16はホルダ本体1の成形時に一体成形される。ここでのホルダ本体1は反射率の高い白色系(又は淡色系)樹脂成形品で、ガイド堤15も白色系(又は淡色系)樹脂成形部にして、該ガイド堤の内壁面に反射面の役割を担わせる。あるいは、前記ガイド堤の内壁面側にアルミ蒸着や白色塗装等の反射構造膜VDを設けて、反射面としてもよい。導光部材2の環状部21から外方向へ抜け出た光の一部は、ガイド堤15で反射され環状部21へ戻される。ガイド堤15の高さを環状盤の導光部材2よりも一段高くして、該ガイド堤が外塀のごとく導光部材2を囲み、さらに該導光部材の上面を上蓋7で蓋をして、導光部材2に入った光の大半を環孔20内、収納穴10内に向けて放つ本発明品の目的に寄与する。符号13aは弾性付勢力で収納穴10内へ突出する係合片、符号13bは収納穴10の円筒壁13に設けられ、係合片13aが押されて納まる切欠孔を示す。
【0014】
導光部材2は透光性を有するアクリル樹脂(又は塩化ビニル樹脂等)の樹脂製環状盤で、環状部21と導入部25とを備える(図2)。環状部21は前記ホルダ本体1の収納穴10の上面開口10aに環孔20を合わすようにして該ホルダ本体上に配される円盤部である。導入部25は環状部21からその接線方向に突出する舌片状盤部とする。環状部21と導入部25は一体成形される。そして、環状部21の外周側面21bには厚み方向にわたって等しい断面形状の窪み22が複数繰り返し配設され、且つ導入部25の外側面25bにも窪み26が複数繰り返し配設される(図2〜図5)。又は、両窪み22,26に代え、環状部21の厚み方向に貫通する複数の透孔23が間隔をおいて環状部21を周回するよう繰り返し配設される(図6)。
【0015】
本実施形態の導光部材2は図3のような一定厚みWの環状盤で、その環状部21が図示のごとくの円盤体になっている。
環状部21は、断面が図4(ロ)ごとくの矩形で、その内周側面21cを滑らかな円筒面とする。一方、環状部21の外周側面21bは図2の丸印から矢印で示した先の拡大図(拡大図は環状部21の外周部分の平面図)にあるように、厚み方向にわたって等しい断面形状の円弧形窪み22が繰り返し配設される。窪み22は、導入部25に接続する環状部21の部分及び該導入部の内側面25cの付け根に近い環状部21の一部分αの両部分を除いて、環状部21の外周側面21bの全域に形成する。この形成された各窪み22によって、図2のごとく導入部25から環状部21へ接線方向に入射する光vを効果的に反射し、環孔20内(収納穴10内)を照らす光v,vへと方向転換する。ここでは、隣り合う円弧形窪み22との間に空きスペースをとらずに各窪み22を連続的に設けて、より効果的に反射させる。と同時に、該窪み22がつくる縦縞模様に係る縦ラインの輝き24を多く形成する。各窪み22で波状になるが、各窪み22の最も深い部分mに光が集中することで、そこが強く発光し、あたかも多数のLED4が発光しているように見せる。環状部21の外周側面21bに形成する窪み22は、円弧形窪み22に限らず、例えば図5のごとく、厚み方向にわたって等しい断面形状の窪み22をV字形にすることもできる。
【0016】
導入部25は、既述のごとく環状部21に接線方向に入る帯状盤部である。導入部25の厚みt,幅Wは、環状部21の厚みt,幅Wと同じで、断面が図4(ロ)のような長四角になっている。導入部25の外側面にも厚み方向にわたって等しい断面形状の円弧形窪み26が繰り返し配設される。窪み26は環状部21に設けた窪み22と同形状である。導入部25の窪み26は、図2のごとく環状部21との接続部分から端面に至る距離のほぼ中間地点にまで形成される。少なくともこの中間地点まで窪み26を設けなければ、導光部材2を組み込んだ容器ホルダを光源4で照らした後、図4の白抜き矢印方向に眺めた場合、矢印方向の先の部分だけが抜け落ちた環状縦縞模様になってしまう。導入部25に接続する環状部21の部分及び該導入部25の内側面25cの付け根に近い環状部21の一部分αの両部分に窪み22を設けなかったことに起因する。窪み26を導入部25の該中間地点まで設けることで、これを解消する。図1のごとく、環状部21の全ての内周側面21cから環孔20内に向けて光り輝く環状縦縞模様が現れる。
符号27は導入部25の端面寄りの上面に設ける接続部材3との係合用小突起、符号28は導入部25の端面寄りの側面に設ける接続部材3との係合用小突起である。導光部材2の下面は平坦面で、また小突起27を除けば、導光部材2の上面も図示のごとく平坦面になっている。尚、図3は小突起27を、図7,図8は小突起28の図示を省略する。
【0017】
ここでは、上述した図2の導光部材2を一方の収納穴10の上面開口周りにセットし、他方の収納穴10の上面開口周りに図6の導光部材2をセットする。図8に示すように、図2の導光部材2aを手前のホルダ本体1の受面11aに載置するが、図6の導光部材2bを奥方のホルダ本体1の受面11aに載置する。
【0018】
図6の導光部材2bは、前記窪み22,26に代えて、その環状部21の厚み方向に貫通する複数の透孔23が一定間隔をおいて該環状体部を周回するよう繰り返し配設される。環状部21の幅Wのほぼ中間点で、環状部21の上下面を貫通する円柱孔の透孔23が形成される。透孔23の孔径は反射効率を良くするため1mmφ〜1.5mmφの範囲とする。環状部21を一定ピッチで一周する透孔23が設けられる。透孔23のピッチ間隔は前記窪み22のピッチ間隔にほぼ等しい。窪み22の場合と同じような縦縞模様を得るためである。図6の導光部材2は透孔23が環状部21を一周するので、図6の白抜き矢印方向に眺めても縦縞模様を見ることができる。従って、図2のごとく導入部25に透孔23を設けてはいない。一方、図6の導光部材2bは、環状部21の外周側面21b、さらに導入部25の外側面25bにアルミ蒸着(又は白色塗装等)による反射構造膜VDを設ける。または、前述のガイド堤の内壁面側にアルミ蒸着や白色塗装等を行って反射構造膜VDを設ける。透孔23の場合、図2の窪み22の場合に比べて反射効率が劣るので、反射構造膜VDで反射効率を高める。図2の導光部材2においても、図4のように反射効率を高めるべく環状部21の外周側面21b、さらに導入部25の外側面25bに反射構造膜VDを設けてもよい。他の構成は図2の導光部材2aと同様で、その説明を省く。
既述のごとく、本容器ホルダの導光部材2として、図2と図6の二種類の導光部材2a,2bを用いるが、図2の導光部材2aを二つ用いることもできる。図示を省略するが図2の導光部材2aだけの容器ホルダにすれば、製造コストを低くして、一層の低コスト化が図れる。
【0019】
接続部材3は、前記導光部材2の導入部25へ組付けて、LED4,プリント基板5等のLEDモジュールを導入部端面25eに取付け易くする部品である。ここでの接続部材3は、図3のようなボックス形樹脂成形品で、箱形のフレーム本体30と、該フレーム本体の上部から四角筒状に前方に突出する嵌合部35とからなる。フレーム本体30は矩形前壁部31の周囲を上壁部33,下壁部34,両側壁部32で取り囲むボックス形状にして、下壁部34の中央部分に配線用切欠34aを設ける。嵌合部35の筒孔形状は導入部25の断面形状に略等しい。嵌合部35には前記小突起27,28の対応部位に切欠36,37が設けられ、導入部25の端面25eから該導入部に嵌合部35の四角筒口を嵌入すると、それぞれの切欠36,37に小突起27,28が係合して、導光部材2に接続部材3が一体的に取着される。このとき、導光部材2の端面25eは図3のごとくフレーム本体30の前壁部31に設けた四角孔32aから顔を出すが、箱形フレーム本体30に係る前壁部31の底面と導光部材2の端面25eとがほぼ面一になる。導入部25に取着した接続部材3は、その下半部をホルダ本体1の上板部11に形成した前記通孔19に挿着セットできる。また、該接続部材の挿着セットにあわせて、導光部材2をホルダ本体1の受面11aにセットできるようになっている。尚、図3は小突起27の切欠36,図7,図8は小突起28の切欠37の図示を省略する。
【0020】
光源4は発光ダイオードからなり、本実施形態は三色LED4を用いる。図7のごとく、前記フレーム本体30に嵌まる大きさのプリント基板5を用意し、その前面に三色LED4を実装する。該プリント基板の裏面には制御用ICチップ5aを実装する。LED4,ICチップ5aの実装プリント基板5を組付けた接続部材3は、LED4が導入部端面25eに対向できるよう四角孔32aに近づく状態で、導光部材2に取着される。このLED4は配線6で自動車の電気系統に接続し、スイッチを入れると電流が流れ、LED4が点灯する。本実施形態は、さらにプリント基板5から配線6が延び、ホルダ本体1の収納部内に設けた温度センサ(図示せず)につながる。該センサが感知した温度によってLED4が赤、緑、青等へと変化する。三色LED4,プリント基板5等を含めたLEDモジュールと接続部材3は、二つの導光部材2を設けるので、2セット用意する。
【0021】
上蓋7は平面視大きさがホルダ本体1と同じ大きさのオーバル形の被い蓋である(図1,図8)。上蓋7の上板部71で、収納穴10に対向する部位には開口部70が形成される。該開口部の大きさは上面開口10a,環孔20の大きさに一致する。上板部71の外周縁からは略直角に屈曲して外周鍔部72を延設し、前記開口部70の周縁からは略直角に屈曲して内周鍔部73を延設する。ホルダ本体1に導光部材2を載置した後、ホルダ本体1の上板部11を上蓋7で被うことによって蓋がされる。このとき、外周鍔部72の内側に前記係合リブ16が納まり、上蓋7は横ズレしないよう保持される。
【0022】
前記各構成部品は、例えば次のように組立てて容器ホルダにする。三色LED4,制御用ICチップ5a等を実装したプリント基板5から延びる配線6を自動車の電気系統につなぐ。プリント基板5がホルダ本体1の下側から通孔19をくぐり抜け、図7の手前側のプリント基板5のように、ホルダ本体1の上板部11よりも該プリント基板を上方へ引き上げる。これと相前後して、図3のように導入部25へ嵌合部35を差し込んで、導光部材2に接続部材3を取着しておく。次いで、導光部材2を装着した図3の接続部材3に係るフレーム本体30の四角孔32aに三色LED4を向けるようにして、プリント基板5をフレーム本体30に装着する。斯かる状態にした後、図8のごとく、接続部材3の下半部を通孔19に挿着すると共に、導光部材2をホルダ本体1の受面11a上に載置する。その後、ホルダ本体1の上板部11に上蓋7を載せると、本容器ホルダの完成となる。LED4は、導入部25の端面25eに近接又は当接し、該LEDから発する光が図2のごとく環状部21に接線入射するよう設置される。導入部25から環状部20へ光vを入射することにより、窪み22,26又は透孔23の形成で、光反射の縦縞模様を出現させる容器ホルダが出来上がる。該容器ホルダは、例えば図1のごとく車室内のコンソールボックス9に組み込まれる。
【0023】
このように構成した容器ホルダは、光源4としての三色LED4が点灯すると、該LEDの発する光vが導入部25の端面25eから、図2のごとく環状部21に接線方向に入る。環状部21に対して法線状に入る光と違って、接線方向に入った光vは、環状部21の外周側面21bで、環孔20内に向けて効率良く反射される。しかも、環状部21の外周側面21bに各窪み22を波状配設したことによって、接線方向に入った光vは、図2の拡大図のごとく窪み22が効果的な反射面となって、全反射に近づく形で環孔20内へと方向転換する。かくして、夜間走行中の容器ホルダの収納穴10の視認がし易くなり、飲料容器の出し入れが楽になる。
【0024】
環状部21の内周側面21cに窪み22を設けたときに比べ、本発明のごとく環状部21の外周側面21bに設ける方が反射効率を高め、環孔20内へ向かう光v〜vの輝きが増す。環状部21に接線方向に入ったLED4の光vの多くが各窪み22で順次反射されて、それらの光が環孔20へと向かう。導入部25から環状部21へ接線方向に入射する光vを、環状部21の外周側面21bに設けた各窪み22、さらに導入部25の外側面25bに設けた各窪み26が次々と反射し、環孔20内(収納穴10内)を照らす光v〜vへと方向転換する。
各窪み22,26は繰り返し配設されて波状となり、各窪み22,26の最も深い部分に光が集中して、その箇所が強く発光24し、あたかも多数のLEDが発光しているように輝く。各窪み22,26の波形状が、光を拡散させ乱反射させる作用を生み、環孔20内(収納穴10内)を照らす光を一層明るくする。そして、各窪み22は環状部21の外周側面21bで厚み方向にわたって等しい断面形状になっているので、各窪み22が縦縞模様に係る縦ラインの光(輝き24)を環孔20内に向ける。
窪み22に代えて透孔23の場合も、同じような縦縞模様に係る縦ラインの光(輝き24)を環孔20内に向ける。
【0025】
こうして、環状部21の全ての内周側面21cから環孔20内に向けて縦ラインの光24があやなす環状縦縞模様が現れる。環状部21の内周面から一様に環孔20内(収納穴10内)を照らす環状の縦縞模様の輝き24は、夜間走行中の容器ホルダの位置確認が容易になるだけでなく、装飾効果を高めて見栄えを良くする。縦縞模様を形成するための別部品や特許文献1における導光部材2の回転動作等を要しない。導光部材2を静止させたままでも、見事な光の演出を楽しむことができる。
【0026】
環状部21の外周側面21b及び導入部25の外側面25に配設される複数の窪み22,26を同形状とし、さらに各窪み22,26が一定間隔で繰り返し配設されるので、その規則正しい縦縞模様の輝き24で鮮やかさが際立ち、装飾効果が増大する。また、環状部21に接線方向に照射する一個のLED4の光で、ホルダ本体1(収納ケース)の上面開口周縁の全体を綺麗に照らす。シンプルにして、容器ホルダの低コスト化,消費電力の節約につながる。
【0027】
また、本導光部材2は日中の太陽の光でも窪み22,26(又は透孔23)で反射するので、収納穴10を覗くと綺麗な縦縞模様の輝き24を発するのが見える。本容器ホルダは車室内装の装飾性を高めるうえで優れものになっている。
加えて、本容器ホルダは、既述のごとく部品点数が少なく且つコンパクトな構成にして、さらに導光部材2の成形が容易で、低コスト化できる。とりわけ図2のような窪み22を設ける導光部材2は、射出成形で極めて容易に成形できるので、容器ホルダの低廉化に一層貢献する。
【0028】
ところで、容器ホルダにはペットボトル等の飲料容器だけでなく、キー等の金属品を収納する容器として使用されるケースも多い。導光部材2の内周側面21cに窪み22があれば、それらの出し入れで削れたり欠けたりする虞がある。縦縞模様の輝き24を形成する本発明の窪み22は本導光部材2の外周側面21bに設けるので、収納穴10への飲料容器等の物の出し入れで、該窪みが傷つくことがない。透孔23も導光部材2の内周側面21cに設けていないので、収納穴10への飲料容器等の物の出し入れで傷つくことがない。窪み22がつくる綺麗な縦縞模様の輝き24を永く安定維持できる。さらにいえば、本導光部材2の内周側面21cには凹凸を設ける必要がなく、滑らかな円筒面になっているので、収納穴10への飲料容器等の物の出し入れも容易となる。収納穴10,導光部材2等が汚れた時にも、綺麗に且つ簡単に拭くことができる。
【0029】
また、白色系(又は淡色系)樹脂成形部のリブ状ガイド堤15をさらに設けることによって、組立て性の向上、導光部材2の安定性向上だけでなく、この内壁が反射面を担い、縦縞模様の輝きをさらに増大させることができる。さらに環状部21の外周側面21bまたはガイド堤の内壁面15bに、反射構造膜VDを設けることによって、縦縞模様の輝きを一段と増大させることができる。かくのごとく、本容器ホルダは数々の優れた効果を発揮する。
【0030】
尚、本発明においては、前記実施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。ホルダ本体1,導光部材2,接続部材3,光源4,上蓋7等の形状,大きさ,個数などは用途に応じて適宜選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の容器ホルダの一形態で、その全体斜視図である。
【図2】導光部材の斜視図である。
【図3】図2の導光部材に接続部材を組付けた斜視図である。
【図4】(イ)が図2の導光部材の外周側面に反射構造膜を付加した平面図、(ロ)が(イ)のII−II線断面図である。
【図5】(イ)が図4とは他態様の導光部材の外周側面に反射構造膜を付加した平面図、(ロ)が(イ)のIII−III線断面図である。
【図6】図6は(イ)が図4,図5とはまた別態様の導光部材の外周側面に反射構造膜を付加した平面図、(ロ)が(イ)のIV−IV線断面図である。
【図7】図7は奥方のホルダ本体の受面に図6の導光部材を載置した斜視図である。
【図8】図7の状態からさらに手前のホルダ本体の受面に図2の導光部材を載置した斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ホルダ本体
10 収納穴
10a 上面開口
15 ガイド堤
2,2a,2b 導光部材
20 環孔
21 環状部
21b 外周側面
22,26 窪み
23 透孔
25 導入部
25b 外側面
VD 反射構造膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を収納するホルダ本体と、透光性を有する樹脂製環状盤にして、前記ホルダ本体の収納穴の上面開口に環孔がくるようにして該ホルダ本体上に配される環状部と該環状部からその接線方向に突出する導入部とが一体成形されると共に、該環状部の外周側面には厚み方向にわたって等しい断面形状の窪みが複数繰り返し配設され、且つ該導入部の外側面にも窪みが複数繰り返し配設されるか、又は環状部の厚み方向に貫通する複数の透孔が間隔をおいて該環状部を周回するよう繰り返し配設される導光部材と、を具備し、
前記導入部から前記環状部へ光を入射することにより、前記窪み又は前記透孔の形成で光反射の縦縞模様を出現させることを特徴とする容器ホルダ。
【請求項2】
前記環状部の外周側面及び前記導入部の外側面に配設される複数の前記窪みを同形状とし、さらに各窪みが一定間隔で繰り返し配設される請求項1記載の容器ホルダ。
【請求項3】
前記ホルダ本体上で前記導光部材が配される部位に、該導光部材の平面視大きさよりも大きくして該導光部材の外周を囲い、且つ該導光部材の厚みよりも高く隆起させたリブ状ガイド堤を、さらに具備する請求項1又は2に記載の容器ホルダ。
【請求項4】
前記環状部の外周側面側に又は前記ガイド堤の内壁面側に、さらに反射構造膜を設ける請求項3記載の容器ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−132201(P2010−132201A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311579(P2008−311579)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】