説明

容器保管設備

【課題】保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部において、ガス供給管の劣化とパーティクルの発生を極力防止することができながら、容器内に不活性ガスを供給することができる容器保管設備を提供すること。
【解決手段】容器保管部は、保管位置及び搬送手段との間で容器を授受する授受位置とに亘って固定枠体29に対して移動自在に設けられた容器支持体28を備え、保管位置の容器支持体にて支持された容器に対して不活性ガスを供給するガス供給手段60におけるガス供給管は、固定側部分及び容器支持体と一体移動自在な移動側部分を備え、授受位置から保管位置への容器支持体28の移動により固定側部分と移動側部分とを連結し、保管位置から授受位置への容器支持体28の移動により固定側部分と移動側部分との連結を解除して固定側部分から移動側部分を離間する連結体63が設けられている容器保管設備。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を収容した容器を搬送する搬送手段と、その搬送手段にて搬送される容器を保管する容器保管部とが設けられた容器保管設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような容器保管設備では、例えば、容器から基板を取り出して基板に対する処理を行う処理装置の間で容器を搬送するように搬送手段が設けられている。容器保管部は、処理装置に搬送する容器を一時的に保管するため、或いは、処理装置での処理が終了して設備の外部に出庫する容器を保管しておくため等に設けられており、搬送手段との間で容器を授受自在に構成されている。
【0003】
この容器保管設備では、従来、容器を保管自在な容器収納部が縦横に複数並べて配置された保管棚が設けられ、この保管棚が容器保管部として構成されているものがある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の設備では、保管棚が、床面に設置された固定式に構成されており、搬送手段が固定状態の複数の容器収納部との間で容器を授受するように構成されている。
【0004】
また、他の容器保管設備として、容器保管部が、搬送手段の移動経路に沿って並ぶ状態で複数設けられているものもある(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に記載の設備では、容器保管部が、固定状態で設けられた固定枠体と、容器を保管する保管位置及び搬送手段との間で容器を授受する授受位置とに亘って固定枠体に対して移動自在に設けられた容器支持体とを備えて構成されている。搬送手段と容器保管部との間で容器を授受する際には、保管位置に位置する容器支持体を保管位置から授受位置に移動させ、搬送手段が授受位置に位置する容器支持体との間で容器を授受し、その授受が完了すると、容器支持体を授受位置から保管位置に戻すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−338971号公報
【特許文献2】特開2009−253162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、容器保管部としては、特許文献1における固定状態の容器保管部と、特許文献2における保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部とがある。従来の容器保管設備では、通常、容器保管部として、固定状態の容器保管部と保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部との双方が設けられている。搬送手段は、固定状態の容器保管部に対して移動自在であり、固定状態の容器保管部との間で容器を授受自在に構成されるとともに、保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部に対しても移動自在であり、保管位置から授受位置に移動させた容器保管部との間で容器を授受自在に構成されている。
【0007】
ここで、容器内の基板(例えば、半導体ウェハ)の表面に空気中の酸素による酸化膜が形成されることを防止するために、容器内の空間を窒素やアルゴンなどの不活性ガス、もしくはCDA(Clean Dry Air)により充満させることが行われている。そこで、特許文献1に記載の設備では、固定状態の容器保管部に保管されている容器に対して、不活性ガスを供給するガス供給手段が設けられている。容器には、内部に窒素ガスを供給するための供給口と容器内部の酸素を含む空気を排出する排気口とが設けられている。ガス供給手段は、保管棚に保管されている容器の供給口から不活性ガスを供給し、内部の空気との交換を行い、容器内を不活性ガスにより充満させるようにしている。
【0008】
このように、容器内に不活性ガスを供給する箇所として、容器保管部を利用することが考えられている。しかしながら、特許文献1に記載の如く、固定状態の容器保管部に対しては、ガス供給手段が設けられているが、特許文献2に記載の如く、保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部に対しては、ガス供給手段が設けられておらず、容器内の空間を不活性ガスにより充満させることが行えない。そのため、従来においては、不活性ガスの充填が必要な容器については、保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部には搬送せずに、容器内に不活性ガスを供給することができる固定状態の容器保管部まで搬送手段にて搬送して、容器内の空間を不活性ガスにより充満させることを行っている。
【0009】
ところが、床面には、実際に基板の生産に直接寄与する処理装置等他の装置の設置スペースとの関係で、処理装置の近くに複数の保管棚を設置することが難しい。そのため、容器内に不活性ガスを供給する箇所を固定状態の容器保管部のみとすると、処理装置での処理が完了してから搬送手段が保管のために容器保管部まで容器を搬送する距離が長くなり、搬送手段の搬送能力を費やしてしまい、搬送手段の搬送能力を有効に活用できないという問題がある。
【0010】
また、保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部は、固定状態の容器保管部に比べて、設置スペースが小さく、比較的大きなスペースが存在する天井側に設置できる。そのために、最近、固定状態の容器保管部に代えて或いは固定状態の容器保管部を省略して、保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部を多数設置するような設備も考えられている。このような設備では、容器内に不活性ガスを供給することができる固定状態の容器保管部の数が少なくなることから、保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部においても、容器内に不活性ガスを供給できるようにすることが望まれている。
【0011】
そこで、保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部に、容器支持体が授受位置と保管位置との間に亘って移動しても、その移動に連動して伸縮自在なガス供給管を備えることで、容器内に不活性ガスを供給することが考えられる。しかしながら、この場合には、容器支持体が授受位置と保管位置との間で移動されるたびに、ガス供給管が伸縮されるので、ガス供給管が劣化し易いものとなる。また、ガス供給管が伸縮する際に、パーティクルが発生し、基板の品質を確保する上で好ましくない。
【0012】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部において、ガス供給管の劣化、及び、パーティクルの発生を極力防止することができながら、容器内に不活性ガスを供給することができる容器保管設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するために、本発明に係る容器保管設備の第1特徴構成は、基板を収容した容器を搬送する搬送手段と、その搬送手段にて搬送される容器を保管する容器保管部とが設けられた容器保管設備において、
前記容器保管部は、固定状態で設けられた固定枠体と、前記容器を保管する保管位置及び前記搬送手段との間で前記容器を授受する授受位置とに亘って前記固定枠体に対して移動自在に設けられた容器支持体とを備えて構成され、前記保管位置に位置する前記容器支持体にて支持された前記容器に対してガス供給管を通して不活性ガスを供給するガス供給手段が設けられ、前記ガス供給管は、前記固定枠体側に設けられた固定側部分、及び、前記容器支持体と一体移動自在に前記容器支持体側に設けられた移動側部分を備えて構成され、前記授受位置から前記保管位置への前記容器支持体の移動により前記固定側部分と前記移動側部分とを連結し、かつ、前記保管位置から前記授受位置への前記容器支持体の移動により前記固定側部分と前記移動側部分との連結を解除して前記固定側部分から前記移動側部分を離間する連結体が設けられている点にある。
【0014】
本特徴構成によれば、容器支持体が授受位置に位置していると、物品搬送装置との間で容器の授受を行うことでできる。また、容器支持体が保管位置に位置していると、容器を保管することができる。したがって、搬送手段にて搬送される容器を容器保管部にて保管することができる。そして、保管位置に位置する容器支持体にて支持された容器に対してガス供給管を通して不活性ガスを供給するガス供給手段が設けられているので、容器を容器保管部にて保管しているときに容器に対して不活性ガスを供給することができる。
【0015】
そして、ガス供給管は、固定枠体側に設けられた固定側部分、及び、容器支持体と一体移動自在に容器支持体側に設けられた移動側部分を備えており、容器支持体が授受位置から保管位置へ移動すると、連結体が、固定側部分と移動側部分とを連結し、容器支持体が保管位置から授受位置へ移動すると、連結体が、固定側部分と移動側部分との連結を解除して固定側部分から移動側部分を離間するので、容器支持体が授受位置と保管位置との間で移動しても、固定側部分及び移動側部分のそれぞれの形状は維持される。そのため、ガス供給管が容器支持体の移動量ほど大きく変形することはないので、容器支持体が繰り返し移動しても、ガス供給管が変形により劣化する恐れがない。したがって、ガス供給管の劣化によるパーティクルの発生を極力防止できる。
【0016】
このように、本特徴構成によれば、保管位置と授受位置との間で移動自在な容器保管部において、ガス供給管の劣化、及び、パーティクルの発生を極力防止することができながら、容器内に不活性ガスを供給することができる容器保管設備を得るに至った。
【0017】
本発明に係る容器保管設備の第2特徴構成は、前記容器支持体が前記保管位置に位置することを検出する保管位置検出手段と、前記容器支持体に容器が支持されていることを検出する支持状態検出手段と、前記保管位置検出手段及び前記支持状態検出手段の検出情報に基づいて、前記容器支持体が前記保管位置に位置し、かつ、前記容器支持体に容器が支持されている場合には、前記ガス供給管による不活性ガスの供給を許容し、前記容器支持体が前記保管位置に位置しない又は前記容器支持体に容器が支持されていない場合には、前記ガス供給管による不活性ガスの供給を禁止する不活性ガス供給制御手段とが設けられている点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、容器支持体が保管位置に位置し、かつ、容器支持体に容器が支持されている場合には、不活性ガス供給制御手段が、ガス供給管による不活性ガスの供給を許容する。一方、容器支持体が保管位置に位置しない又は容器支持体に容器が支持されていない場合には、不活性ガス供給制御手段が、ガス供給管による不活性ガスの供給を禁止する。したがって、容器保管部に容器が実際に保管されている場合にだけ不活性ガスが容器に対して供給され、容器を支持しない状態の容器支持体が保管位置に位置している場合や、容器を支持している容器支持体が保管位置に位置しておらず、ガス供給管の固定側部分と移動側部分との連結が解除されている場合にまで不活性ガスが無駄に供給されることを防止できる。
【0019】
本発明に係る容器保管設備の第3特徴構成は、前記連結体は、前記固定側部分及び前記移動側部分の一方側に設けられ、前記保管位置と前記授受位置との間での前記容器支持体の移動方向に出退移動自在でかつ付勢手段により突出側に復帰付勢された可動ノズルと、前記固定側部分及び前記移動側部分の他方側に設けられ、前記可動ノズルを挿脱自在な凹入部とを備えて構成され、前記可動ノズルには、前記凹入部に前記可動ノズルが挿入された状態において、前記固定側部分の固定側ガス流路と前記移動側部分の移動側ガス流路とを連通して前記容器支持体の移動方向に沿って不活性ガスを通流自在な内部流路が備えられ、前記凹入部に前記可動ノズルが挿入された状態で、前記凹入部と前記可動ノズルとの間をシールするシール体が備えられている点にある。
【0020】
本特徴構成によれば、容器支持体が保管位置に位置すると、連結体における可動ノズルが凹入部に挿入されることで、固定側部分と移動側部分とが連結される。ここで、可動ノズルは、固定側部分及び移動側部分の一方側に設けられ、保管位置と授受位置との間での容器支持体の移動方向に出退移動自在でかつ付勢手段により突出側に復帰付勢されており、凹入部は、固定側部分及び移動側部分の可動ノズルが設けられている側とは反対側に設けられている。したがって、可動ノズルは付勢手段による突出側への付勢力により凹入部に押し付けられた状態で挿入されることになり、可動ノズルが凹入部に確実に挿入される。したがって、ガス供給管の固定側部分と移動側部分とが確実に連結される。
【0021】
そして、可動ノズルには、凹入部に可動ノズルが挿入された状態において、固定側部分の固定側ガス流路と移動側部分の移動側ガス流路とを連通して容器支持体の移動方向に沿って不活性ガスを通流自在な内部流路が備えられているので、容器支持体が保管位置に位置すると、固定側ガス流路と移動側ガス流路とが内部流路により連通して、容器に至るガス供給管が確実に形成される。しかも、凹入部に可動ノズルが挿入された状態で、シール体が、凹入部と可動ノズルとの間をシールすることで、容器に至るガス供給管の流路の気密性が向上する。
【0022】
本発明に係る容器保管設備の第4特徴構成は、前記内部流路は、前記容器支持体の移動方向で前記可動ノズルの内部を貫通する直線状の流路にて構成されている点にある。
【0023】
本特徴構成によれば、可動ノズルの不活性ガスの流路における通流抵抗が小さくなるので、可動ノズルの内部において不活性ガスを円滑に通流させることができる。
【0024】
本発明に係る容器保管設備の第5特徴構成は、前記内部流路は、前記容器支持体の移動方向で前記可動ノズルの突出側端部から引退側端部の手前部までを連通する直線状の第1流路部分と、前記容器支持体の移動方向で前記可動ノズルの引退側において前記可動ノズルの径方向で前記第1流路部分と前記可動ノズルの外部とを連通する第2流路部分とを備えて構成され、前記容器支持体が前記授受位置に位置する場合には、前記第2流路部分を封止し、かつ、前記容器支持体が前記保管位置に位置する場合には、前記第2流路部分を開放する封止開放手段が備えられている点にある。
【0025】
本特徴構成によれば、容器支持体が保管位置に位置する場合には、封止開放手段が、第2流路部分を開放するので、第1流路部分と可動ノズルの外部とを連通する第2流路部分が開放されることで、可動ノズルの突出側端部から引退側端部の手前部までを連通する直線状の第1流路部分が外部と連通する。これにより、可動ノズルの内部流路に不活性ガスを通流させて容器に対して不活性ガスを通流させることができる。容器支持体が授受位置に位置する場合には、封止開放手段が、第2流路部分を封止するので、可動ノズルの突出側端部から引退側端部の手前部までを連通する直線状の第1流路部分の引退側が外部と遮断される。したがって、容器支持体が授受位置に位置して、可動ノズルと凹入部とが離間しているときに、第1流路部分が外部と遮断されることで、固定側部分と移動側部分との連結を解除されて固定側部分から移動側部分を離間しても、可動ノズルの突出側の端部から固定側部分に外気が進入することを極力防止できる。
【0026】
本発明に係る容器保管設備の第6特徴構成は、前記搬送手段が、前記容器保管部に対する容器授受箇所を経由する移動経路に沿って移動自在でかつ容器を保持する保持部を備えた物品搬送用の移動車にて構成され、前記保管位置が、前記移動経路に対して離間した位置に設定され、前記授受位置が、前記移動経路に対して接近した位置に設定され、前記容器支持体を前記保管位置と前記授受位置とに位置変更自在に支持する容器支持体支持手段と、前記容器授受箇所に停止した前記移動車に接近した接近位置と離間した離間位置とに移動自在な被操作体とが設けられ、前記被操作体が、前記接近位置では前記容器支持体を前記保管位置に操作し、かつ、前記離間位置では前記容器支持体を前記授受位置に操作するように、前記容器支持体支持手段に連係され、前記移動車が、前記移動車から突出する側の移動により前記被操作体を前記接近位置から前記離間位置に押し操作し、かつ、前記移動車に引退する側の移動により前記被操作体を前記離間位置から前記接近位置に引き操作する押し引き操作式の操作手段を備えて構成されている点にある。
【0027】
本特徴構成によれば、物品搬送手段としての移動車が、容器授受箇所に停止した状態で押し引き操作式の操作手段にて、被操作体を移動車に接近した接近位置と離間した離間位置とに移動操作すると、被操作体が、容器支持体を保管位置と授受位置とに位置変更自在に支持する容器支持体支持手段に連係されていることから、被操作体が接近位置に操作されると容器支持体が保管位置に操作され、かつ、被操作体が離間位置に操作されると容器支持体が授受位置に操作される。このように、移動体が備える操作手段により、容器保管部の容器支持体を移動操作できるので、容器保管部を複数設ける場合、移動体の操作手段を用いて複数の容器保管部における容器支持体を移動操作できるので、各容器保管部の夫々に容器支持体を移動駆動する駆動手段を備える必要がない。そのため、容器保管部に対する配線を極力少なくして構成の簡素化を図りつつ、複数の容器搬送部に共用の駆動手段を移動車に設けてコストの抑制を図ることができる。
【0028】
本発明に係る容器保管設備の第7特徴構成は、前記移動経路及び前記固定枠体が天井側に設けられ、前記容器支持体支持手段が、前記固定枠体に対して前記容器支持体の上端部をスライド移動自在に吊り下げ支持するスライド案内機構にて構成され、前記容器支持体は、容器を載置支持自在に構成され、かつ、その移動方向視で左右方向での中央部を前記スライド案内機構により吊り下げ支持された状態で移動自在に構成され、前記固定枠体は、前記容器支持体の移動方向視で左右方向の長さが前記容器支持体の同方向での長さよりも短く形成され、前記被操作体が、前記容器支持体の移動方向視で前記固定枠体の左右方向の一方側に配置され、前記ガス供給管の前記連結体が、前記容器支持体の移動方向視で前記固定枠体の左右方向の他方側に配置され、前記ガス供給管の前記移動側部分が、前記容器支持体の移動方向視で前記容器支持体の左右方向の他方側の横脇に配置されている
点にある。
【0029】
本特徴構成によれば、容器支持体の上端部が、容器支持体支持手段としてのスライド案内機構にて固定枠体に対してスライド移動自在に吊り下げ支持され、容器支持体は、移動方向視で左右方向での中央部が吊り下げ支持された状態で移動するので、容器支持体はバランスよく安定した状態で固定枠体に対してスライド移動することになる。そのため、容器支持体を的確に保管位置と授受位置とに移動させることができる。
【0030】
そして、容器支持体の移動方向視で固定枠体の左右方向の一方側には、被操作体が配置され、容器支持体の移動方向視で固定枠体の左右方向の他方側には、ガス供給管の連結体が配置される。したがって、被操作体と連結体とが固定枠体の左右に分散配置されるので、容器支持体の移動方向視で左右方向の長さが容器支持体の同方向での長さよりも短く形成された固定枠体が天井側に設けられることで形成される天井側における固定枠体の左右のスペースを有効に利用して、被操作体と連結体とが互いに干渉しにくいように配置することができる。
【0031】
しかも、ガス供給管の移動側部分は、容器支持体の移動方向視で容器支持体の左右方向の他方側の横脇に配置されているので、容器支持体の移動方向視に関して、連結体と同じ側に配置されることになり、連結体及び移動側部分の全体の構成のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】物品保管設備の全体平面図
【図2】物品搬送車の側面図
【図3】容器保管部の斜視図
【図4】容器保管部の斜視図
【図5】容器支持体の支持構造を示す分解斜視図
【図6】容器支持体が保管位置に位置するときの容器保管部の側面図
【図7】容器支持体が授受位置に位置するときの容器保管部の側面図
【図8】連結体の縦断側面図
【図9】リレー回路に対する入出力を示すブロック図
【図10】別実施形態に係る連結体の縦断側面図
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明に係る容器保管設備の実施形態について、図面に基づいて説明する。この容器保管設備は、例えば、浄化空気を天井側から下方側に通風させるダウンフロー式の浄化空気通風手段を備えたクリーンルーム内に設けられている。
【0034】
図1に示すように、容器保管設備は、複数の処理装置1を経由する状態で走行レール2(移動経路に相当する)が天井側に設置され、この走行レール2に沿って移動自在な物品搬送車3(移動車に相当する)が設けられている。物品搬送車3が、半導体基板(基板の一例)を収納した容器Wを複数の処理装置1の間で搬送するように構成されている。処理装置1では、半導体基板の製造途中での半製品等に対して所定の処理を行うように構成されている。
【0035】
物品搬送車3は、図2に示すように、車体本体部5と、走行レール2上を走行する走行部6と、容器Wを吊り下げ状態で把持する把持部7(保持部に相当する)とを備えている。走行部6は、物品搬送車3の前後方向に間隔を隔てて車体本体部5の前端部に相当する位置と後端部に相当する位置とに前後一対設けられており、前後一対の走行部6の夫々が、連結軸8により車体本体部5に対して上下軸心周りで回転自在に連結されている。把持部7は、車体本体部5に対して昇降自在に備えられている。
【0036】
前後一対の走行部6の夫々には、電動式の駆動モータ9にて回転駆動されて左右一対の走行レール2夫々の水平面に沿う上面を転動する走行輪10と、左右一対の走行レール2夫々の対向する上下方向に沿う側面に当接して自由回転自在な案内輪11とが備えられている。走行輪10は、物品搬送車3の横幅方向(図2の紙面表裏方向)の両端部に1つずつ配設されている。また、案内輪11は、物品搬送車3の横幅方向の両端部に物品搬送車3の前後方向に並ぶ状態で2つずつ配設されている。そして、走行部6は、駆動モータ9により走行輪10が水平軸心周りで回転駆動され、上下軸心周りで回転自在な案内輪11が一対の走行レール2に当接して水平方向で案内されることにより、走行レール2に案内されて走行するように構成されている。
【0037】
前後一対の走行部6の夫々は、連結軸8により車体本体部5に対して上下軸心周りで回転自在に連結されている。連結軸8は、物品搬送車3の横幅方向で左右一対の走行レール2の間隙の中央部に配設されており、物品搬送車3の横幅方向で車体本体部5の中央部と走行部6の中央部とを連結している。
【0038】
物品搬送車3の前後方向で前後一対の連結軸8の間には、平面視で長方形状の受電部13が配設されている。図示は省略するが、受電部13は、物品搬送車3の横幅方向で車体本体部5の中央部に配設されており、物品搬送車3の前後方向に沿う方向での断面形状がエ字状に形成されている。そして、一対の走行レール2に沿って設けられた一対の給電線12に交流電流を通電することで磁界を発生させ、この磁界により駆動用電力を受電部13に発生させて、無接触状態で給電を行うように構成されている。これにより、給電線12から無接触で駆動用電力を受電部13に給電することで、物品搬送車3がその駆動用電力により走行部6の走行及び把持部7の昇降等を行うようになっている。
【0039】
車体本体部5は、物品搬送車3の前後方向の前端側と後端側とが下方側に延びて下方側が開放したコ字状に形成された枠体21を備えており、枠体21における下方側に延びる前後一対の縦枠体22の間に把持部7が配設されている。そして、車体本体部5には、把持部7を昇降させるための電動式の昇降用モータ14、把持部7を上下軸心周りで旋回させるための電動式の旋回用モータ15が備えられている。
【0040】
昇降用モータ14は、ベルト16(ベルトに限らず、例えばワイヤを適応することも可能である)が巻回された回転ドラム17を回転駆動することで、ベルト16を巻き取り又は繰り出すことにより、上昇位置と下降位置とに把持部7を昇降自在に構成されている。ここで、図示は省略するが、上昇位置とは、車体本体部5に近接させる位置であり、下降位置とは、床面側に設置された処理装置1の夫々に対応する容器移載用のステーション1aとの間で容器Wの移載を行うための位置である。
【0041】
ステーション1aは、容器Wを載置支持する床部に設けられた載置台にて構成されている。ステーション1aは、処理装置1にて所定の処理を行う容器Wを物品搬送車3から受け取る又は処理装置1にて所定の処理を行った容器Wを物品搬送車3に受け渡すためのものであり、複数の処理装置1の夫々に対応して配置されている。物品搬送車3は、把持部7を上昇位置に位置させた状態で走行レール2に沿って移動し、複数のステーション1aのうち、移載対象のステーション1aに対応する容器授受箇所に停止した状態で把持部7を上昇位置と下降位置との間で昇降させることにより、ステーション1aとの間で容器Wの授受を行うように構成されている。
【0042】
把持部7は、車体本体部5の上端部から下方側に延びる旋回軸18により車体本体部5に対して上下軸心周りで回転自在に連結されている。そして、旋回用モータ15は、回転駆動力伝達部19を介して旋回軸18を上下軸心周りに回転駆動することで、把持部7を上下軸心周りに旋回自在に構成されている。
【0043】
把持部7は、容器Wを把持するための把持具20、及び、容器Wを把持する把持姿勢とその把持を解除する把持解除姿勢とに把持具20を姿勢切換操作するための図外の電動式の把持用モータを備えている。図2では、把持具20を把持姿勢に切り換えた状態を示している。
【0044】
ステーション1aに搬送する容器Wを一時的に保管するために、走行レール2の側脇には、図1に示すように、走行レール2に対して左右一方側に容器保管部4が設けられている。そして、容器保管部4は、走行レール2に沿って隣接して並ぶ状態で複数設けられている。
【0045】
以下、図3〜図7に基づいて、容器保管部4について説明する。
複数の容器保管部4は、天井側に固定状態で設けられた固定枠体29と、容器Wを保管する保管位置及び物品搬送車3との間で容器Wを授受する授受位置とに亘って固定枠体29に対して移動自在に設けられた容器支持体28とを備えて構成されている。
【0046】
容器支持体28は、容器保管部4に対する容器授受箇所に停止した物品搬送車3の把持部7からの容器Wの受け取り及び把持部7への容器Wの受け渡しを行う走行レール2に接近する側に突出する容器授受用の授受位置(図7参照)と走行レール2から離間する側に引退する保管位置(図6参照)とに位置変更自在に設けられている。
【0047】
つまり、物品搬送車3は、容器保管部4に対する容器授受箇所を経由する移動経路としての走行レール2に沿って移動自在でかつ容器Wを保持する保持部としての把持部7を備えた物品搬送用の移動車であり、本発明の搬送手段として機能する。
【0048】
以下、容器支持体28の保管位置及び授受位置とに亘る移動方向、つまり、図1等において矢印Xにて示す方向を支持体移動方向と略称し、この支持体移動方向視での左右方向、つまり、図1等において矢印Yにて示す方向を左右方向と略称して説明する。
【0049】
容器支持体28は、図3〜図7に示すように、保管位置に対応して天井側に設置された固定枠体29に対して、容器支持体支持手段としてのスライド移動機構により保管位置と授受位置とに位置変更自在に容器支持体28の上端部をスライド移動自在に吊り下げ支持されている。また、容器支持体28は、容器Wを載置支持自在に構成され、かつ、左右方向での中央部をスライド案内機構により吊り下げ支持された状態で移動自在に構成されている。
【0050】
容器授受箇所は、複数の容器保管部4の夫々に対応して定められている。左右方向における容器支持体28の幅は物品搬送車3における前後一対の縦枠体22の間隔よりも小さくなるように形成されている。したがって、容器授受箇所に物品搬送車3が停止した状態において、物品搬送車3における前後一対の縦枠体22の間に容器支持体28を挿脱できるように構成されている。
【0051】
保管位置は、容器支持体28が保管位置に位置するときに、自己及び自己が載置支持する容器Wが物品搬送車3の移動や把持部7の昇降の邪魔にならないように、走行レール2の存在箇所から支持体移動方向に外れた走行レール2の側脇に定められている。授受位置は、容器支持体28が授受位置に位置するときに、容器授受箇所に停止した物品搬送車3において上昇位置に近接する位置に位置する把持部7との間で容器Wを授受できるように、容器授受箇所に停止した物品搬送車3における把持部7と水平方向において重複する位置に定められている。
【0052】
容器支持体28は、固定枠体29に対して支持体移動方向に移動自在に支持され且つ固定枠体29から下方に延びる形状に形成された移動体30と、移動体30の下端部から支持体移動方向の走行レール2に接近する側に延びるように設けられた載置体31とを備えている。
【0053】
固定枠体29は、支持体移動方向に間隔を隔てた一対の固定枠体支持用の支持レール体32に亘る状態で吊り下げ支持されている。固定枠体29は、吊り下げ支持部33として、支持体移動方向の一方側及び他方側の夫々において固定枠体29から上方に延びる立壁部分33aと、立壁部分33aの上端部同士を連結する水平連結部分33bとを備えている。水平連結部分33bにおける支持体移動方向の一端部及び他端部の夫々は、一対の支持レール体32の夫々に形成された受け止め支持部32aにより受け止め支持されている。固定枠体29は、一対の支持レール体32の夫々における受け止め支持部32aにて受け止め支持された状態で固定することにより、天井側に設けられた一対の支持レール体32に吊り下げ支持されるように構成されている。
【0054】
移動体30は、上方よりも下方の方が支持体移動方向での幅が幅狭となる状態で下方に延びる形状に形成された左右一対の支持アーム体34と、左右一対の支持アーム体34の上端部同士を連結する上部連結体35と、左右一対の支持アーム体34の上端部から下方に延びる部分同士を連結する中間連結体36とから構成されている。
【0055】
左右一対の支持アーム体34の一方側には、保管位置検出用の被検出体23が立設されている。被検出体23は上端部に平面視凸状の水平部分23aを形成するべく固定枠体29向きに折り曲げ加工されたL字状部材にて構成されている。
【0056】
上部連結体35には、図5に示すように、左右方向の中央部に上方に突出する突出部37が設けられ、左右方向の一端部に棒状の連係用被操作体39が上部連結体35の上面に立設する状態で設けられている。突出部37には、その側面部に水平軸心周りで回転自在に支持された左右一対の第1ガイドローラ38aが支持体移動方向に間隔を隔てて2組設けられ、且つ、その上面部に上下軸心周りで回転自在に支持された左右一対の第2ガイドローラ38bが支持体移動方向に間隔を隔てて2組設けられている。
【0057】
固定枠体29は、下方から移動体30の突出部37を内部に挿入させた状態で移動体30の突出部37の支持体移動方向での移動を許容するように下方を開放させた筒状に形成されている。固定枠体29の下方は、左右方向の全長に亘って開放されているのではなく、その中央部のみ開放されており、両側の側壁部29aから水平方向に延びる底部29bが設けられている。固定枠体29の底部29bは、固定枠体29の内部に挿入される突出部37に支持された第1ガイドローラ38aを支持体移動方向に案内するように構成されている。固定枠体29の上部には、下方側に突出する案内レール部29cが支持体移動方向に沿って設けられている。この案内レール部29cは、固定枠体29の内部に挿入された突出部37に支持された第2ガイドローラ38bを支持体移動方向に案内するように構成されている。これにより、移動体30は、固定枠体29に対して支持体移動方向にスライド移動自在に支持されている。
【0058】
このように、固定枠体29の底部29b及び案内レール部29c並びに第1ガイドローラ38a及び第2ガイドローラ38bを備えた突出部37により容器支持体支持手段としてのスライド移動機構が構成されている。なお、図6及び図7に示すように、固定枠体29は、容器支持体28を自重により保管位置側に移動付勢させるために、容器支持体28が授受位置側に位置するほど高さが高くなる傾斜姿勢にて取り付けられている
【0059】
載置体31は、左右方向において容器Wの幅内の幅狭で移動体30の下端部から支持体移動方向の走行レール2に接近する側に延びるように設けられた当接載置部40と、当接載置部40から左右方向に延びるように設けられて容器Wの側面部に当接する立壁部分41aを備え且つ支持体移動方向において容器Wよりも幅狭に形成された左右移動規制部41とから構成されている。左右移動規制部41は、当接載置部40において容器Wの左右方向の中央部に相当する箇所から支持体移動方向の一端側及び他端側に延びるように一対設けられている。
【0060】
当接載置部40には、当接載置部40から支持体移動方向に延びるように設けられて容器Wの側面部に当接する立壁部分42aを備え且つ左右方向において当接載置部40よりも幅狭に形成された前後移動規制部42が設けられている。前後移動規制部42は、左右方向において当接載置部40の両端部に設けられている。これにより、支持体移動方向での容器Wの移動を規制して容器Wを載置支持することができる。当接載置部40には、容器Wを位置決めした状態で載置するために複数の位置決めピンKが設けられている。位置決めピンKの配設箇所は、平面視において三角形の各角部となるように設けられている。
【0061】
当接載置部40における支持体移動方向で移載位置側の端部にある位置決めピンKの近傍には、当接載置部40に載置支持される容器Wの有無を検出する支持状態検出手段としての左右一対の第1着座センサ25a及び第2着座センサ25bが取り付けられている。これらの着座センサは、突出状態に復帰付勢された押しボタン26を備えており、この押しボタン26が容器Wの底面にて押下されて内臓する光センサの検出光が押しボタン26にて遮光されることで、容器Wの着座を検出することができるようになっている。容器Wが容器支持体28に適正に載置支持されていれば、左右に分散配置した2つの着座センサ25a・25bがいずれも着座を検出するので、第1着座センサ25a及び第2着座センサ25bの検出状態に基づいて容器Wが容器支持体28に適正に載置支持されていることを検出できる。
【0062】
移動体30と当接載置部40とは、支持体移動方向に連続する状態で設けられ、且つ、左右方向での幅が同じ又は略同じ幅となるように構成されている。固定枠体29は、左右方向において移動体30の中央部に設けられており、移動体30をバランスよく安定した状態で支持体移動方向に移動自在に支持することができる。固定枠体29は、保管位置の容器支持体28と左右方向及び支持体移動方向において重複するように配設され、且つ、左右方向において当接載置部40よりも幅狭に形成されている。つまり、固定枠体29は、容器支持体28の移動方向視で左右方向の長さが容器支持体28の同方向での長さよりも短く形成されている。
【0063】
固定枠体29には、支持体移動方向において容器授受箇所に停止した物品搬送車3に接近する接近位置(図3及び図6参照)と容器授受箇所に停止した物品搬送車3から離間する離間位置(図7参照)とに移動自在に支持された被操作体43が、固定枠体29の左右方向の一方側に設けられている。被操作体43は、接近位置では容器支持体28を保管位置に操作し、且つ、離間位置では容器支持体28を授受位置に操作するように、前述のスライド案内機構に連係されている。
【0064】
被操作体43は、その長手方向の中央部が固定枠体29の上部に設けられたコ字状の基体44に枢支連結されて、その連結箇所である第1揺動軸心P1周りに揺動自在に設けられている。被操作体43は、接近位置に位置する状態において、第1揺動軸心P1から物品搬送車3に接近する側に延びる第1被操作部分43aと第1揺動軸心P1から物品搬送車3から離れる側に延びる第2被操作部分43bとを上下に段差をつけて一体的に形成されている。
【0065】
被操作体43は、第1揺動軸心P1周りでの揺動により接近位置と離間位置とに切換自在で且つ接近位置においては第1被操作部分43aが第1揺動軸心P1よりも容器授受箇所に停止した物品搬送車3に接近する姿勢となるように設けられている。被操作体43の第1被操作部分43aには、被操作体43が接近位置に位置する状態において、支持体移動方向に対して交差する方向に沿って第1揺動軸心P1側に延びる溝部45が設けられている。この溝部45は、容器授受箇所に停止した物品搬送車3に接近する側の先端を支持体移動方向に沿って開口させた形状に形成されている。
【0066】
被操作体43が接近位置に位置すると、図6に示すように、容器支持体28を保管位置に位置させ、且つ、被操作体43が離間位置に位置すると、図7に示すように、容器支持体28を授受位置に位置させるように、被操作体43の動きと容器支持体28の動きとを連係させる連係機構46が設けられている。
【0067】
連係機構46は、図3、図4及び図6に示すように、上下軸心周りに揺動自在な第1リンクアーム47、第2リンクアーム48及び第3リンクアーム49の3つのリンクアームから構成されている。第1リンクアーム47は、一端部が被操作体43の第2操作部分43bの一端部に枢支連結され且つ他端部が第2リンクアーム48の長手方向の途中部分に枢支連結されている。第2リンクアーム48は、一端部が基体44に枢支連結され且つ他端部が第3リンクアーム49の一端部に枢支連結されている。第3リンクアーム49は、他端部が固定枠体29に立設された連係用被操作体39に枢支連結されている。
【0068】
固定枠体29の左右方向の一方側(被操作体43が設けられている側)には、容器支持体28が保管位置に位置することを検出する保管位置検出手段としての保管位置検出センサ24が、固定枠体29の左右方向の一方側に延設されたセンサ取り付けブラケット27により取り付けられている。保管位置検出センサ24は、コの字形状において対抗する位置となる一対の先端部に投受光部を備えたフォトマイクロセンサにて構成されおり、対抗する一対の先端部が上下に並ぶ向きに取り付けられている。対抗する一対の先端部の上下方向の中間高さに被検出体23の平面視凸状の水平部分23aが位置するように、被検出体23及び保管位置検出センサ24の相対高さが調整されている。
【0069】
前述の第1着座センサ25a及び第2着座センサ25b並びに上記保管位置検出センサ24は、図9に示すように、電磁弁54を開閉制御するリレー回路55に接続されている。電磁弁54及びリレー回路55は、固定枠体29の支持体移動方向で引退位置側の端部に取り付けられた取り付けパネル56の背面側に設けられている。なお、第1着座センサ25a及び第2着座センサ25bの信号線は図外のケーブルガイドに内装されており、容器支持体28の移動に応じた適切な配線経路に沿わせることで断線などを防止している。
【0070】
図2及び図7に示すように、物品搬送車3には、容器支持体28を保管位置と授受位置とに変更操作するための操作手段50が設けられている。操作手段50は、図2に示すように、物品搬送車3の車体本体部5において、左右方向で一方側に設けられており、図7に示すように、物品搬送車3に固定されて支持体移動方向に長尺状のベース51と、そのベース51に対して支持体移動方向に移動自在に設けられた長尺状の操作体52と、その操作体52の先端部の下面側に設けられた係合ローラ53とから構成されている。操作手段50は、図示を省略したアクチュエータの作動によりベース51に対して操作体52を出退させて、係合ローラ53を支持体移動方向に移動させる突出作動及び引退作動を行うように構成されている。
【0071】
係合ローラ53は、左右方向において被操作体43の溝部45の幅と同じ又はその幅よりも小さい直径に形成されている。これにより、係合ローラ53が、支持体移動方向での移動により被操作体43の溝部45に係脱自在に構成されている。操作手段50が、突出作動により係合ローラ53を溝部45に係合させて被操作体43を接近位置から離間位置に押し操作し、且つ、引退作動により係合ローラ53を溝部45に係合させて被操作体43を離間位置から接近位置に引き操作し、その後係合ローラ53を溝部45から離脱させる押し引き式に構成されている。
【0072】
図3、図6及び図7に示すように、容器保管部4には、保管位置に位置する容器支持体28にて載置支持された容器Wに対してガス供給管を通して不活性ガスとしての窒素(その他、アルゴンなどでもよい。)を供給するガス供給手段60が設けられている。
【0073】
ガス供給手段60は、固定枠体29側に設けられガス供給源57に接続された固定側部分61、及び、容器支持体28と一体移動自在に容器支持体28側に設けられた移動側部分62を備えて構成されている。授受位置から保管位置への容器支持体28の移動により、図6に示すように固定側部分61と移動側部分62とを連結し、かつ、保管位置から授受位置への容器支持体28の移動により、図7に示すように固定側部分61と移動側部分62との連結を解除して固定側部分61から移動側部分62を離間する連結体63が設けられている。
【0074】
連結体63は、固定側部分61に設けられ保管位置と授受位置との間での容器支持体28の移動方向に出退移動自在でかつ付勢手段により突出側に復帰付勢された可動ノズル63aと、移動側部分62に設けられ、可動ノズル63aを挿脱自在な凹入部63bとを備えて構成されている。
【0075】
ガス供給手段60の移動側部分62は、図3、図6及び図7に示すように、両端部に移動側第1継手66a及び移動側第2継手66bを備えて複数箇所が屈曲形成された移動側第1ステンレス管68と、両端部に移動側第3継手66c及び移動側第4継手66dを備えて2箇所が屈曲形成された移動側第2ステンレス管69と、これらの間に配置される圧力センサ接続部72及びフィルタ73がガス通流方向に沿って直列に接続されて構成されている。圧力センサ接続部72には圧力センサを取り付け可能となっており、取り付けパネル56に設けられた圧力センサコントローラ(図示せず)にて、窒素ガスの供給圧をモニタリング可能となっている。
【0076】
移動側第1ステンレス管68の上流側端部における移動側第1継手66aの上流側には凹入部63bが接続され、下流側端部における移動側第2継手66bの上流側にはオリフィス70が介装されている。移動側第2ステンレス管69の下流側端部に接続における移動側第4継手66dの下流側には、閉じ側に付勢された開閉弁を有するノズルキャップ71が接続されている。
【0077】
移動側部分62は、移動側第1継手66aの下流側部分が移動側上流ブラケット64に設けられたウレタンブロック67に弾性支持され、ノズルキャップ71が平板状のノズル取り付けプレート65に支持されることにより、移動側部分62は、容器支持体28の移動方向視で容器支持体28の左右方向の他方側(被検出体23や被操作体43が配置されている側とは反対側)の横脇に配置されている。容器支持体28が保管位置と授受位置とに移動するに伴って凹入部63bが固定枠体29の横脇で支持体移動方向に沿って移動する。説明を加えると、移動側上流ブラケット64は、左右一対の支持アーム体34のうち容器支持体28の他方側(被検出体23や被操作体43が配置されている側とは反対側)に固定されており、この移動側上流ブラケット64に設けられた上下2層構造のウレタンブロック67の間に、移動側第1ステンレス管68の端部を挟み込むことで、移動側部分62の上流側端部を弾性支持している。一方、ノズル取り付けプレート65は、載置体31における当接載置部40の先端部の容器支持体28の他方側部分から左右一対の前後移動規制部42のうち容器支持体28の他方側に位置するものに亘って水平面に沿って配置されている。ノズル取り付けプレート65には、ノズル取り付け用の円形の開口が形成されており、平面視円形のノズルキャップ71がこの開口に中心が一致した状態で固定されている。
【0078】
容器Wが容器支持体28の載置体31に載置されると、ノズルキャップ71と容器Wの底面に設けられた供給口Winとが嵌合することで、閉じ側に付勢された供給口Winにおける開閉弁がノズルキャップ71により押し上げられ、かつ、閉じ側に付勢されたノズルキャップ71における開閉弁が供給口Winにより押し下げられる。これにより、容器Wの内部とガス供給手段60の移動側部分62における窒素ガスの流路とが連通する。なお、容器Wの底面には、閉じ側に付勢された開閉弁を備えた排気口が形成されており、窒素ガスの供給により容器Wの内圧が増大した場合には排気口の開閉弁が当該内圧に応じた開度となり、容器W内のガスが排出される。これにより、容器Wに対して供給口Winから窒素ガスを供給することで容器Wの内部の気圧を一定に保ちながら窒素ガスを充満させることができる。
【0079】
ガス供給手段60の固定側部分61は、図3、図6及び図7に示すように、ガス供給源57に接続されたステンレス管、このステンレス管に接続され、取り付けパネル56の背面に取り付けられた電磁弁54、電磁弁54に接続された固定側第1継手74a及びハウジング76に接続された固定側第2継手74bに両端部が接続された固定側ステンレス管75、ハウジング76に挿入され、支持体移動方向に出退移動自在でかつ付勢手段としてのコイルばね77により突出側に復帰付勢された可動ノズル63aがガス通流方向に沿って直列に接続されて構成されている。ハウジング76は、取り付けパネル56の正面に取り付けられているが、固定側第2継手74bが取り付けパネル56に形成された開口を貫通する状態で設けられているため、固定側部分61の固定側ガス流路が、取り付けパネル56の背面側から正面側に亘って形成され、可動ノズル63aは、取り付けパネル56の正面側において固定枠体29の左右方向の横脇に配置されている。
【0080】
このような構成から、ガス供給手段60の連結体63は、容器支持体28の移動方向視で固定枠体29の左右方向の他方側(保管位置検出センサ24及び被操作体43が配置されている側とは反対側)に配置されている。保管位置検出センサ24及び被操作体43を固定枠体29の左右方向の一方側に配置し、連結体63を固定枠体29の左右方向の他方側に配置し、ガス供給手段60の移動側部分62を、容器支持体28の移動方向視で容器支持体28の左右方向の他方側の横脇に配置することで、ガス供給手段60の設置作業の作業性の確保と天井側におけるスペースの有効利用を図っている。
【0081】
図8に示すように、可動ノズル63aは、引退側に位置する直線状のロッド部と突出側の端部に位置するドーム状のヘッド部を備えて構成されている。可動ノズル63aの内部には、凹入部63bに可動ノズル63aが挿入された状態において、固定側部分61の固定側ガス流路と移動側部分62の移動側ガス流路とを連通して容器支持体28の移動方向に沿って窒素ガスを通流自在な内部流路84がロッド部の後端からヘッド部の先端に亘って形成されている。
【0082】
本実施形態では、内部流路84は、容器支持体28の移動方向で可動ノズル63aの内部を貫通する直線状の流路にて構成されている。これにより、可動ノズル63aの窒素ガスの流路における通流抵抗が小さくなるので、可動ノズル63aの内部において窒素ガスを円滑に通流させることができる。
【0083】
ハウジング76は、リニアブッシュ80を備えて可動ノズル63aを出退自在に支持するノズル支持ハウジング76aと、取り付けパネル56に固着されたベースハウジング76bとを、ノズル支持ハウジング76における引退側端部の外周部に嵌着されたOリング78にてシールした状態で、嵌合させて構成されている。固定側第2継手74b及び可動ノズル63aの内部流路84の流路が、ハウジング76内部に形成される空間に連通している。これにより、ガス供給源57から電磁弁54及び管固定側ステンレス管75を経由して可動ノズル63aの先端までに亘り固定側ガス流路が形成されている。
【0084】
ノズル支持ハウジング76の突出側端部には、可動ノズル63aとノズル支持ハウジング76との隙間をシールする環状のパッキン81が嵌装されており、リニアブッシュ80に挿入された可動ノズル63aは気密状態で出退自在となっている。ノズル支持ハウジング76の突出側の最外端には、パッキン81の脱落を防止する外れ止め用のフランジ82が取り付けられている。ノズル支持ハウジング76の引退側の端部には、突出側端部において中心側に向くフランジ部が形成された円筒状のカラー79が嵌挿れている。フランジ部の内径は、可動ノズル63aのロッド部の外形より大きい略同じ寸法となっており、可動ノズル63aの突出側端部の外周部に嵌着されたC型の止め輪83が、カラー79のフランジ部に当接することで可動ノズル63aの突出側の限度位置が規制されている。
【0085】
凹入部63bには、内周面が、挿入方向(支持体移動方向)で奥側ほど内径が小さくなるテーパー状に形成された環状のウレタンブロック85が、可動ノズル63aと対向する側に嵌挿され、ウレタンブロック85の外周部分に当接する外れ止め用のフランジ86が取り付けられている。環状のウレタンブロック85は、凹入部63bに可動ノズル63aが挿入された状態で、凹入部63bと可動ノズル63aにおけるドーム状先端部との間をシールするシール体として機能する。
【0086】
物品搬送車3には、走行部6の走行作動、把持部7の昇降作動や把持具20の姿勢切換作動等を制御して、物品搬送車3の運転を制御する台車側制御部が備えられている。そして、台車側制御部は、複数の物品搬送車3の運行を管理する設備管理用コンピュータから搬送元及び搬送先を指定する搬送指令を受けると、その搬送指令にて指定された搬送元から搬送先に容器Wを搬送する搬送処理を行うように構成されている。搬送元及び搬送先としては、ステーション1aや容器保管部4が指定される。
【0087】
台車側制御部は、あるステーション1aを搬送元とし、容器保管部4を搬送先とする搬送指令を受けると、当該搬送元のステーション1aに対応する目標停止位置を検出するためのセンサや基準点からの物品搬送車3の走行距離を検出するためのセンサ等の各種センサの検出情報に基づいて、指定された搬送元のステーション1aまで走行すべく、走行部6の走行作動を制御した後、把持部7の昇降作動や把持具20の姿勢切換作動を制御することにより、搬送元のステーション1aから容器Wを受け取るように、物品搬送車3の運転を制御する。その後、台車側制御部は、各種センサの検出情報に基づいて、指定された搬送先の容器保管部4まで走行すべく、物品搬送車3の走行を制御する。
【0088】
物品搬送車3が搬送先の容器保管部4に対応する容器授受箇所に到着すると、台車側制御部は、操作手段50の出退作動及び把持具20の姿勢切換作動を制御して、物品搬送車3を停止させた状態で、操作手段50を突出作動させて当該容器保管部4における被操作体43を接近位置から離間位置に押し操作することで、保管位置に位置している容器支持台28を授受位置に移動させ、容器Wを容器支持台28に載置する。そして、操作手段50を引退作動させて当該容器保管部4における被操作体43を離間位置から接近位置に引き操作することで、授受位置に位置している容器支持台28を保管位置に移動させる。
【0089】
物品搬送車3により容器支持体28が保管位置から授受位置へ移動操作されると、連結体63を構成する可動ノズル63a及び凹入部63bが離間する(図8(b)参照)ことで、ガス供給手段60の固定側部分61から移動側部分62が離間して、ガス供給手段60の固定側部分61と移動側部分62との連結が解除される。また、物品搬送車3により容器支持体28が授受位置から保管位置へ移動操作されると、連結体63を構成する可動ノズル63a及び凹入部63bが連結(図8(a)参照)することで、ガス供給手段60の固定側部分61と移動側部分62とが連結され、固定側部分61の固定側ガス流路と移動側部分62の移動側ガス流路とが連通する。
【0090】
容器支持体28には、不活性ガス供給制御手段としてのリレー回路55が設けられている(図9参照)。リレー回路55は、第1着座センサ25a及び第2着座センサ25bの双方がオンしており、かつ、保管位置検出センサ24がオンしているときには、電磁弁54を開状態にする。つまり、リレー回路55は、容器Wが容器支持体28に載置支持されており、かつ、容器支持体28が保管位置に位置しているときに電磁弁54を開状態にする。容器Wが保管されていない容器保管部4においては、容器支持体28が保管位置であれば保管位置検出センサ24がオンするが、第1着座センサ25a及び第2着座センサ25bがオンしないため、当該容器保管部4における電磁弁54は閉じたままである。このため、容器支持体28が保管位置に位置することで固定側部分61の固定側ガス流路と移動側部分62の移動側ガス流路とが連通していても、窒素ガスは通流せず、ノズルキャップ71から窒素ガスは放出されない。
【0091】
リレー回路55についての詳しい説明は省略するが、例えば、各センサの出力を入力とする3つのリレー出力を直列に接続して電磁弁5への電源供給ラインを開閉制御するように構成すればよい。
【0092】
このように、リレー回路55は、第1着座センサ25a及び第2着座センサ25b並びに保管位置検出センサ24の検出情報に基づいて、容器支持体28が保管位置に位置し、かつ、容器支持体28に容器Wが支持されている場合には、ガス供給手段60による窒素ガスの供給を許容し、容器支持体28が保管位置に位置しない又は容器支持体28に容器Wが支持されていない場合には、ガス供給手段60による窒素ガスの供給を禁止するようになっている。
【0093】
以上のような構成により、物品搬送車3により容器保管部4に容器Wが搬送された場合には、当該容器保管部4にて容器Wを保管しながら容器Wに対して窒素ガスを供給して容器W内を所定圧の窒素ガスで充満させることができる。しかも、第1着座センサ25a及び第2着座センサ25b並びに保管位置検出センサ24の検出情報に基づいて、リレー回路55が電磁弁54の開閉を制御することにより、窒素ガスの無駄な放出を防止できる。
【0094】
〔別実施形態〕
以上、本願発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。以下、本願発明の別実施形態について説明する。
【0095】
(1)上記実施形態では、可動ノズルとして、内部流路が容器支持体の移動方向で可動ノズルの内部を貫通する直線状の流路にて構成されているものを例示したが、可動ノズルの内部流路としては、種々の形態により実施可能である。例えば、図10に示すように、容器支持体28の移動方向(図10中のX方向)で可動ノズル63aの突出側端部から引退側端部の手前部までを連通する直線状の第1流路部分84aと、容器支持体28の移動方向で可動ノズル63aの引退側において可動ノズル63aの径方向で第1流路部分84aと可動ノズル63aの外部とを連通する第2流路部分84bとを備えさせて内部流路84を構成してもよい。
【0096】
この場合、第2流路部分84bの支持体移動方向での位置を、図10(b)に示すように、可動ノズル63aが突出側の限度位置に位置するときに、支持体移動方向でリニアブッシュ80の存在範囲と重複する位置に設定するのが好ましい。このように構成することで、容器支持体28が授受位置に位置する場合(図7に示す位置)には、第2流路部分84bを封止し、かつ、容器支持体28が保管位置(図6に示す位置)に位置する場合には、第2流路部分84bを開放する封止開放手段を構成できる。また、第2流路部分84bが封止されたときの気密性を向上させるためにウレタン等の弾性材料にて構成された環状のOリング87が、カラー79のフランジ部に設けられている。
【0097】
容器支持体28が保管位置から授受位置に移動操作されることで、凹入部63bが支持体移動方向に沿って可動ノズル63aから離間する側に移動するに伴って、コイルばね77にて突出側に復帰付勢された可動ノズル63aが支持体移動方向に沿って突出側に移動する。これにより、可動ノズル63aの引退側端部に設けられたC型の止め輪83がカラー79に設けられたOリング87に当接することで、可動ノズル63aの突出側の移動が規制されるとともに、第2流路部分84bとハウジング76の内部空間とをシールした状態で遮断することができる。
【0098】
また、Oリング87を設ける場合、第2流路部分84bの支持体移動方向での位置を、可動ノズル63bが突出側の限度位置に位置するときに、支持体移動方向でリニアブッシュ80の存在範囲より引退側の位置に設定してもよい。この場合、止め輪83を環状のOリングにて構成すればよい。このように構成した場合、止め輪83及びOリング87にて封止開放手段が構成される。
【0099】
このように封止開放手段を設けることで、容器Wの移載のために容器支持体28が保管位置から授受位置に移動操作された場合に、ハウジング76の内部に可動ノズル63aの先端部から外部空気が進入することを極力防止できる。
【0100】
(2)上記実施形態では、容器保管部4が走行レール2に対して左右一方側に設けられたものを例示したが、容器保管部4を走行レール2に対して左右両側に設置することも可能である。また、容器保管部4を案内レール2に沿って並ぶ状態で複数設けているが、
容器支持体28を設置する数については適宜変更が可能である。
【0101】
容器保管部4を走行レール2に対して左右両側に設置する場合、物品搬送車3に、走行方向において一方側に位置する容器支持体28を変更操作するための操作手段50と、物品搬送車3の走行方向において他方側に位置する容器支持体28を変更操作するための操作手段50との2つの操作手段50を設けてもよい。また、操作手段50が、物品搬送車3の走行方向に対して右側及び左側の両側に係合ローラを出退自在に備えることにより、物品搬送車3に1つの操作手段を設けて実施することもできる。
【0102】
(3)上記実施形態では、容器保管部4を天井側に設置したものを例示したが、これに限らず、例えば、容器保管部4を床面側に設置したものであってもよい。搬送手段としては、例示した物品搬送車3に限らず、基板を収容した容器を搬送自在でかつ授受位置に位置する容器支持体との間で容器を授受自在に構成されたものであればよい。
【0103】
(4)上記実施形態では、容器保管部が、搬送手段としての移動体が備える操作手段にて接近位置と離間位置とに押し引き操作される被操作体と、被操作体に連係された容器支持体支持手段とを備えて、移動体の操作手段にて被操作部が押し引き操作されることで容器支持体が保管位置と授受位置とに移動操作されるものを例示したが、これに代えて、容器保管部に容器支持体を移動駆動する移動駆動手段を設けて、移動体が容器授受箇所に停止した状態で移動駆動手段を作動させて、容器支持体を保管位置と授受位置との間で移動作動させるものであってもよい。
【符号の説明】
【0104】
3 搬送手段(移動車)
4 容器保管部
7 保持部
24 保管位置検出手段
25a、25b 支持状態検出手段
28 容器支持体
29 固定枠体
37 上端部、中央部
29b、29c、37 スライド案内機構(容器支持体支持手段)
43 被操作体
50 操作手段
55 不活性ガス供給制御手段
60 ガス供給手段
61 固定側部分
62 移動側部分
63 連結体
63a 可動ノズル
63b 凹入部
67 シール体
77 付勢手段
84 内部流路
84a 第1流路部分
84b 第2流路部分
80、84b 封止開放手段
83、87 封止開放手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容した容器を搬送する搬送手段と、
その搬送手段にて搬送される容器を保管する容器保管部とが設けられた容器保管設備であって、
前記容器保管部は、固定状態で設けられた固定枠体と、前記容器を保管する保管位置及び前記搬送手段との間で前記容器を授受する授受位置とに亘って前記固定枠体に対して移動自在に設けられた容器支持体とを備えて構成され、
前記保管位置に位置する前記容器支持体にて支持された前記容器に対してガス供給管を通して不活性ガスを供給するガス供給手段が設けられ、
前記ガス供給管は、前記固定枠体側に設けられた固定側部分、及び、前記容器支持体と一体移動自在に前記容器支持体側に設けられた移動側部分を備えて構成され、
前記授受位置から前記保管位置への前記容器支持体の移動により前記固定側部分と前記移動側部分とを連結し、かつ、前記保管位置から前記授受位置への前記容器支持体の移動により前記固定側部分と前記移動側部分との連結を解除して前記固定側部分から前記移動側部分を離間する連結体が設けられている容器保管設備。
【請求項2】
前記容器支持体が前記保管位置に位置することを検出する保管位置検出手段と、
前記容器支持体に容器が支持されていることを検出する支持状態検出手段と、
前記保管位置検出手段及び前記支持状態検出手段の検出情報に基づいて、前記容器支持体が前記保管位置に位置し、かつ、前記容器支持体に容器が支持されている場合には、前記ガス供給管による不活性ガスの供給を許容し、前記容器支持体が前記保管位置に位置しない又は前記容器支持体に容器が支持されていない場合には、前記ガス供給管による不活性ガスの供給を禁止する不活性ガス供給制御手段とが設けられている請求項1記載の容器保管設備。
【請求項3】
前記連結体は、前記固定側部分及び前記移動側部分の一方側に設けられ、前記保管位置と前記授受位置との間での前記容器支持体の移動方向に出退移動自在でかつ付勢手段により突出側に復帰付勢された可動ノズルと、前記固定側部分及び前記移動側部分の他方側に設けられ、前記可動ノズルを挿脱自在な凹入部とを備えて構成され、
前記可動ノズルには、前記凹入部に前記可動ノズルが挿入された状態において、前記固定側部分の固定側ガス流路と前記移動側部分の移動側ガス流路とを連通して前記容器支持体の移動方向に沿って不活性ガスを通流自在な内部流路が備えられ、
前記凹入部に前記可動ノズルが挿入された状態で、前記凹入部と前記可動ノズルとの間をシールするシール体が備えられている請求項1又は2記載の容器保管設備。
【請求項4】
前記内部流路は、前記容器支持体の移動方向で前記可動ノズルの内部を貫通する直線状の流路にて構成されている請求項3記載の容器保管設備。
【請求項5】
前記内部流路は、前記容器支持体の移動方向で前記可動ノズルの突出側端部から引退側端部の手前部までを連通する直線状の第1流路部分と、前記容器支持体の移動方向で前記可動ノズルの引退側において前記可動ノズルの径方向で前記第1流路部分と前記可動ノズルの外部とを連通する第2流路部分とを備えて構成され、
前記容器支持体が前記授受位置に位置する場合には、前記第2流路部分を封止し、かつ、前記容器支持体が前記保管位置に位置する場合には、前記第2流路部分を開放する封止開放手段が備えられている請求項3記載の容器保管設備。
【請求項6】
前記搬送手段が、前記容器保管部に対する容器授受箇所を経由する移動経路に沿って移動自在でかつ容器を保持する保持部を備えた物品搬送用の移動車にて構成され、
前記保管位置が、前記移動経路に対して離間した位置に設定され、
前記授受位置が、前記移動経路に対して接近した位置に設定され、
前記容器支持体を前記保管位置と前記授受位置とに位置変更自在に支持する容器支持体支持手段と、
前記容器授受箇所に停止した前記移動車に接近した接近位置と離間した離間位置とに移動自在な被操作体とが設けられ、
前記被操作体が、前記接近位置では前記容器支持体を前記保管位置に操作し、かつ、前記離間位置では前記容器支持体を前記授受位置に操作するように、前記容器支持体支持手段に連係され、
前記移動車が、前記移動車から突出する側の移動により前記被操作体を前記接近位置から前記離間位置に押し操作し、かつ、前記移動車に引退する側の移動により前記被操作体を前記離間位置から前記接近位置に引き操作する押し引き操作式の操作手段を備えて構成されている請求項1〜5の何れか1項記載の容器保管設備。
【請求項7】
前記移動経路及び前記固定枠体が天井側に設けられ、
前記容器支持体支持手段が、前記固定枠体に対して前記容器支持体の上端部をスライド移動自在に吊り下げ支持するスライド案内機構にて構成され、
前記容器支持体は、容器を載置支持自在に構成され、かつ、その移動方向視で左右方向での中央部を前記スライド案内機構により吊り下げ支持された状態で移動自在に構成され、
前記固定枠体は、前記容器支持体の移動方向視で左右方向の長さが前記容器支持体の同方向での長さよりも短く形成され、
前記被操作体が、前記容器支持体の移動方向視で前記固定枠体の左右方向の一方側に配置され、
前記ガス供給管の前記連結体が、前記容器支持体の移動方向視で前記固定枠体の左右方向の他方側に配置され、
前記ガス供給管の前記移動側部分が、前記容器支持体の移動方向視で前記容器支持体の左右方向の他方側の横脇に配置されている請求項6記載の容器保管設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−44033(P2012−44033A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184827(P2010−184827)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】