説明

容器制動装置

【課題】簡素な構造で容器の大きさの変更に対応できる容器制動装置を提供する。
【解決手段】容器制動装置4は、コンベア2にて搬送される壜BTを制動できる複数の係合部25が一定のピッチで外周に設けられ、かつ回転中心Cから複数の係合部25のそれぞれの先端までの距離が不変であるスターホイール21を持つホイール装置18と、ホイール装置18の回転を制限できる回転制限機構19と、回転中心Cからコンベア2の中心線CLまでの距離Zを変更できるようにホイール装置18を移動させる移動機構7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベアにて搬送中の容器を制動させる容器制動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンベアにて搬送されているビール壜等の容器に対して回転体に設けられた係合部を係合させて容器を制動させる容器制動装置が知られている。このような容器制動装置は、容器を確実に制動できるようにするため、対象となる容器の大きさ、例えば容器胴部の外径に合わせて回転体の係合部が位置決めされている。このため、容器の大きさが変わった場合には、容器と係合部との位置関係が変化して係合部にて容器を確実に制動できない場合がある。
【0003】
そこで、容器の大きさの変更に対応できる容器制動装置として、コンベアの側方に配置される回転体と、この回転体の回転中心から放射状に出没自在な状態で回転体に設けられた複数のストッパ部材とを有し、回転体からのストッパ部材の突出量を容器の種類に合わせて変更するとともに、コンベアに対する回転体の相対位置を変更するものがある(特許文献1)。この容器制動装置は、ストッパ部材の突出量を変更すると、回転体の回転中心からストッパ部材の先端までの距離が変わると同時に隣り合う二つのストッパ部材の間隔が変わるので、容器の大きさの変更に柔軟に対応することができる。
【0004】
また、回転体の周縁部に等間隔で並べられ、かつ回転体に対して揺動自在に設けられた複数の係合爪を有し、隣り合う二つの係合爪の間隔を調整できるようにそれらの係合爪の傾きを変化させて容器の大きさの変更に対応できるようにした容器制動装置も知られている(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】特開平9−12144号公報
【特許文献2】特開平7−41164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの文献に記載された容器制動装置は、容器を制動する係合部としてのストッパ部材や係合爪を回転体に対して相対移動させる機構が不可欠であるため構造が複雑化する問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、簡素な構造で容器の大きさの変更に対応できる容器制動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明の容器制動装置について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0009】
本発明の容器制動装置(4)は、コンベア(2)にて搬送される容器(BT)を制動できる複数の係合部(25)が一定のピッチで外周に設けられ、かつ回転中心(C)から前記複数の係合部のそれぞれの先端までの距離が不変である回転体(18)と、前記回転体の回転を制限できる回転制限手段(19)と、前記回転体の前記回転中心から前記コンベアの中心線(CL)までの距離(Z)を変更できるように前記回転体を移動させる回転体移動手段(7)と、を備えることにより、上述した課題を解決する。
【0010】
この容器制動装置によれば、回転体の移動によりその回転中心からコンベアの中心線までの距離が変わるので、コンベアに対する係合部の先端の相対位置を変更できる。これにより、容器の大きさが変わった場合でも、その相対位置を変更することで容器に対する係合状態を調整できるため、回転制限手段にて回転体の回転を制限することにより容器を確実に制動できる。回転体は複数の係合部が一定のピッチで外周に並べられ、かつ回転中心から複数の係合部の先端までの距離が不変であればよいので、簡素な構造で回転体を実現できる。つまり、この容器制動装置によれば、複数の係合部を回転体に対して相対移動できるようにするための格別な構造が不要である。なお、本発明において制動とは搬送中の容器の移動速度を減速させることを意味し、容器を停止させることも含む概念である。
【0011】
回転体はどのような態様で実現してもよいが、例えば本発明の一態様として、前記回転体は、隣り合う二つの前記係合部がそれらの先端よりも前記回転中心側へ後退する湾曲面(26)にて繋がれたスターホイール(21)を備えていてもよい。この場合、隣り合うの係合部が湾曲面にて繋がれているのでそれぞれの係合部の強度が向上し、その結果回転体の耐久性が向上する。
【0012】
回転体を移動させる手段はどのような態様で実現してもよい。例えば、回転中心がコンベアに対して直交する方向に回転体を直線移動させるように回転体移動手段を構成してもよい。また、本発明の一態様においては、前記コンベアの側方に配置されたベース(5)と、前記回転体を回転可能に支持し、かつ前記回転体の回転軸線(Ax2)と平行な所定の軸線(Ax1)の回りに回転可能な状態で前記ベースに設けられた支持部材(15、16、17、22)と、を更に備え、前記回転体移動手段は、前記支持部材を前記所定の軸線回りに回転させる支持部材駆動手段(31)と、を備えてもよい。
【0013】
本発明において回転体の回転を制限するとは、回転体の自由な回転を妨げることを意味し、回転体を完全に停止させることも、回転体の回転は許容するが回転体を所定速度を超えて回転しないようにすることも含まれる。本発明の一態様において、前記回転制限手段は、前記回転体の前記回転中心よりも径方向外側に、前記回転体と一体回転可能な状態で設けられた制動部材(27)と、前記制動部材の通過範囲から離れる解除位置(図1の実線の位置)と前記通過範囲に干渉する制動位置(図1の想像線の位置)との間で移動する可動部材(28)と、前記可動部材を移動させる可動部材駆動手段(29)とを備えてもよい。この態様によれば、可動部材が制動位置に移動すると、可動部材が制動部材の通過範囲に干渉するため回転体と一体回転する制動部材が可動部材に突き当たり回転体の回転が停止される。そして、可動部材が解除位置に移動すると、制動部材の通過範囲から離れるため回転体の回転が許容される。
【0014】
この態様においては、前記制動部材として、一定のピッチで前記回転中心を中心とした同一円周上に並べられた複数の制動部材が設けられており、前記可動部材が前記制動位置で保持される時間が調整されるように、前記可動部材駆動手段を制御する可動部材制御手段(32)を更に備えてもよい。この場合、複数の制動部材が同一円周上に一定ピッチで並べられているため、可動部材が制動位置で保持される時間を調整することで、回転体を所望のピッチで間欠的に回転させることができる。これにより、コンベアにて複数の容器が連続的に搬送される場合には、回転体を間欠的に動作させることで容器相互間の間隔を整えて下流側に送り出すことができるようになる。
【0015】
支持部材駆動手段及び可動部材駆動手段はどのような態様でもよく、例えば、前記支持部材駆動手段及び前記可動部材駆動手段の少なくとも一つが、圧縮空気にてそのピストンロッド(29a、31a)を進退させるとともに、前記ピストンロッドを所定の位置で保持できるエアシリンダ装置(29、31)として構成されていてもよい。一般にエアシリンダ装置は電動機などと比べて動作速度が速く、しかもピストンロッドを所定の位置で保持できるため、本発明に係る支持部材駆動手段や可動部材駆動手段の一態様として適している。なお、これらの駆動手段の少なくとも一つがエアシリンダ装置であればよいが、両方の駆動手段をエアシリンダ装置で構成した場合には、圧縮空気の供給源を共用できる利点がある。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、回転体の移動によりその回転中心からコンベアの中心線までの距離が変わるので、コンベアに対する係合部の先端の相対位置を変更できる。これにより、容器の大きさが変わった場合でも、その相対位置を変更することで容器に対する係合状態を調整できるため、回転制限手段にて回転体の回転を制限することにより容器を確実に制動できる。回転体は複数の係合部が一定のピッチで外周に並べられ、かつ回転中心から複数の係合部の先端までの距離が不変であればよいので、簡素な構造で回転体を実現できる。また、容器の大きさに合わせた回転体をそれぞれ専用で用意し、容器の大きさが変わる場合に回転体を交換するという型替作業が不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の一形態に係る容器制動装置が組み込まれた容器搬送装置を示し、図2は図1の容器搬送装置を同図の矢印IIの方向から見た状態を示している。容器搬送装置1は円筒状の胴部の下端に底部が形成されたガラス製の壜BTを搬送対象の容器とし、その壜として大中小の三種類の大きさを持つ大壜、中壜及び小壜を搬送することができる。図1及び図2は、容器搬送装置1が壜BTとして最も大きい大壜を搬送する状態を示している。
【0018】
容器搬送装置1は図1の左側から右側へ向かって一定速度で走行するコンベア2と、コンベア2の上方に配置され、搬送中の壜BTをコンベア2の走行方向と同方向に案内する上下一対の壜ガイド3と、コンベア2の側方(図1の下方)に配置されて搬送中の壜BTを制動する容器制動装置4とを備えている。容器制動装置4としては例えばロータリストッパが使用され、コンベア2の下流に位置する次工程に送り出される壜BTの導入タイミングや、連続的に搬送される壜BTの相互の間隔を調整するために搬送中の壜BTに制動を加えることができるように構成されている。このような機能を実現するため、容器制動装置4は、コンベア2との位置関係が固定された状態でコンベア2の側方に配置されるベース5と、ベース5に回転可能な状態で取り付けられて壜BTに制動を加える制動ユニット6と、制動ユニット6を移動させる回転体移動手段としての移動機構7とを備えている。ベース5は上下に水平に配置された上板10及び下板11が3本の円柱状の支柱12(図2は両側の2本のみ示す。)にて連結されることにより構成されている。
【0019】
図2に示すように、制動ユニット6はベース5の上板10と下板11との間に配置され、かつ図の左側に位置する支柱12の軸線Ax1の回りに回転可能な状態で上下一対の軸受14を介してベース5に取り付けられている。制動ユニット6は上下に水平に配置された上板15及び下板16を有し、上板15及び下板16は2本の円柱状の支柱17(図2は右端の1本のみ示す。)にて連結されている。また、図1及び図2に示すように、制動ユニット6は搬送中の壜BTを制動するための回転体としてのホイール装置18と、ホイール装置18の回転を制限するための回転制限手段としての回転制限機構19とを備えている。なお図2では回転制限機構19の主要部分の図示を省略した。
【0020】
ホイール装置18は、上板15と下板16の間に配置されて上下方向に延びる回転軸20と、その回転軸20対して固定された上下一対のスターホイール21とを備えている。回転軸20は軸線Ax2の回りを回転可能な状態で、その両端部が上板15及び下板16に取り付けられた一対の軸受ユニット22により支持されている。回転軸20は断面六角形のホイール取付部20aを有し、そのホイール取付部20aはスターホイール21に形成された六角穴21aと嵌り合うように構成されている。一対のスターホイール21は回転軸20の中央部に設けられた後述の制動部材27を挟み込むようにして回転軸20のホイール取付部20aに嵌め込まれており、ホイール取付部20aと六角穴21aとが嵌り合うことで回り止めされている。図2に詳しく示したように、一対のスターホイール21の上下には押え板23が設けられる。それらの押え板23は回転軸20と軸受けユニット22との間に介在するスペーサ24に突き当たり、これによりスターホイール21の軸線Ax2方向への移動が阻止される。上板15、下板16、支柱17及び軸受ユニット22の組み合わせにより本発明に係る支持手段が構成される。
【0021】
図1に示すように、スターホイール21は、回転中心Cに関する中心角が60°である一定のピッチで外周に設けられた6つの係合部25を有している。これらの係合部25の先端は回転中心Cを中心とした同一円周上に並ぶ。つまりスターホイール21は回転中心Cから各係合部25の先端までの距離が不変となるように構成されている。隣り合う二つの係合部25はこれらの先端よりも回転中心C側へ後退する湾曲面26にて繋がれている。湾曲面26は壜BTを保持するポケットとして機能することもできる。図1に示すように、係合部25の先端から壜ガイド3までの距離が壜BTの外径よりも十分に狭くなるように位置決めされているため、コンベア2にて搬送された壜BTは係合部25に係合して制動される。
【0022】
回転制限機構19は、ホイール装置18の回転を停止させることと、その回転を許容することとを切り替えて壜BTの制動状態を制御する。この機能を実現するため、回転制限機構19はホイール装置18の回転中心Cよりも径方向外側に位置し、かつ一体回転可能な状態で回転軸20に取り付けられた6つの制動部材27と、これらの制動部材27の通過範囲に出没するように移動する可動部材としての制動レバー28と、制動レバー28を移動させる可動部材駆動手段としての制動用エアシリンダ装置29とを備えている。6つの制動部材27は回転中心Cに関する中心角が60°となる一定のピッチで、かつ回転中心Cを中心とする同一円周上に並べられるようにしてボルト等の締結手段を介して回転軸20に取り付けられている。
【0023】
図1に示すように、制動レバー28は、上板15と下板16とを連結する支柱17の軸線Ax3の回りに回転できるように取り付けられるとともに、一対のスターホイール21間に形成された隙間G(図2)に挿入できる板厚を持ち、かつその隙間Gに挿入できる高さに設置されている。制動用エアシリンダ装置29は圧縮空気にてそのピストンロッド29aを進退させるとともに、そのピストンロッド29aを所定の位置で保持できる周知のものである。制動用エアシリンダ装置29は、その一端部(図1の左側)が上板15と下板16との間に取り付けられたブラケット30に、その他端部(図1の右側)が制動レバー28の端部にそれぞれ回転自在に取り付けられている。制動用エアシリンダ装置29のピストンロッド29aは図1の実線の位置と想像線の位置との間で進退する。これにより、制動レバー28は制動部材27の通過範囲から離れる図1の実線で示す解除位置と、その通過範囲に干渉する制動位置との間で移動する。制動レバー28が制動位置に保持された場合、制動部材27が制動レバー28に突き当たるためホイール装置18の回転が停止する。この場合、係合部25の先端から壜ガイド3までの距離が最も狭くなる位置でホイール装置18が停止するため、搬送中の壜BTと係合部25とが係合して壜BTが停止する。制動レバー28が制動位置から解除位置へ切り替えられると、ホイール装置18の回転が許容されるので壜BTの移動が再開される。コンベア2にて壜BTが次々に搬送される場合、制動レバー28が制動位置に保持される時間を調整することにより、容器制動装置4の下流側に送り出される壜BTの間隔を整えることができる。
【0024】
図1の状態では、搬送対象の壜BTが大壜から中壜に変わった場合でも、その中壜の外径よりも係合部25の先端から壜ガイド3までの距離が十分に狭いため、コンベア2にて搬送中の中壜を制動することができる。しかし、壜BTが小壜に変わった場合には係合部25の先端から壜ガイド3までの距離が小壜の外径よりも十分に狭くないためその小壜を制動することができない。そこで、移動機構7は、制動ユニット6を軸線Ax1の回りに回転移動させることにより、ホイール装置18の回転中心Cからコンベア2の中心線CLまでの距離Zを短くし、係合部25の先端から壜ガイド3までの距離を小壜の外径よりも十分に狭くする。この機能を実現するため、移動機構7は支持部材駆動手段としての移動用エアシリンダ装置31を備えている。移動用エアシリンダ装置31は制動用エアシリンダ装置29と同様に、圧縮空気にてピストンロッド31aを進退させるとともに、そのピストンロッド31aを所定の位置で保持できる周知のものである。移動用エアシリンダ装置31は、その一端部(図1の下側)がベース5の上板10に取り付けられたブラケット35(図2)に、その他端部(図1の上側)が制動ユニット6の上板15にそれぞれ回転自在に取り付けられている。なお、図1に示すように、移動用エアシリンダ装置31と制動ユニット6との連結部と、ベース5の上板10との干渉を避けるため、その上板10には切り欠き部10aが形成されている。移動用エアシリンダ装置31は図1に示した状態と図3に示した状態との間でピストンロッド31aを進退させる。これにより、制動ユニット6は図1に示した大壜及び中壜用の第1の位置と、図3に示した小壜用の第2の位置との間で軸線Ax1の回りに回転移動する。図3に示した第2の位置は制動ユニット6が図1に示した第1の位置よりもコンベア2側に近い。つまり、第2の位置はホイール装置18の回転中心Cからコンベア2の中心線CLまでの距離Zが第1の位置の距離Zよりも短くなるため、係合部25の先端から壜ガイド3までの距離が小壜である壜BTの外径よりも十分に狭くなる。従ってコンベア2にて搬送された小壜である壜BTを係合部25にて制動できるようになる。
【0025】
図1に示すように、制動用エアシリンダ装置29及び移動用エアシリンダ装置31の動作は制御ユニット32にて制御される。制御ユニット32は所定の圧力供給源100から供給された圧縮空気を制動用エアシリンダ装置29及び移動用エアシリンダ装置31のそれぞれへ適宜分配し、かつ圧縮空気の供給状態を調整できるエア供給部33と、エア供給部33を操作してこれらのエアシリンダ装置29、31への圧縮空気の供給状態を制御する動作制御部34とを備えている。動作制御部34はハードウエア制御回路によって実現されてもよいし、コンピュータユニットによって実現されてもよい。動作制御部34には搬送対象の壜BTの壜種(大壜、中壜、小壜)に応じた壜種信号Saが入力されるとともに、壜BTを制動ユニット6にて停止させるべき停止時間に応じた停止信号Sbが入力される。
【0026】
動作制御部34は、壜種信号Saが入力されると、その壜種信号Saに基づいて制動ユニット6が図1に示した第1の位置又は図3に示した第2の位置のいずれかに保持されるように、エア供給部33を操作して移動用エアシリンダ装置31の動作を制御する。壜種信号Saが壜種として大壜又は中壜を示している場合には制動ユニット6が第1の位置に保持され、壜種信号Saが壜種として小壜を示している場合には制動ユニット6が第2の位置に保持される。また、動作制御部34は、停止信号Sbが入力されると、停止信号Sbが指定する停止時間だけ回転制限機構19の制動レバー28が制限位置に保持され、かつその停止時間が過ぎれば制限位置から解除位置に切り替えられるように、エア供給部33を操作して制動用エアシリンダ装置29の動作を制御する。これにより制御ユニット32は本発明に係る可動部材制御手段として機能する。動作制御部34に対して停止信号Sbが所定の周期で逐次入力されることで、ホイール装置18の所望のピッチでの間欠的な回転運動が実現される。これによって搬送中の壜BTの停止時間を調整することができるため、連続的に搬送される壜BTの相互の間隔を調整することができる。
【0027】
本発明は以上の形態に限定されず、種々の形態で実現できる。回転体移動手段は種々の形態で実現してよい。例えば、送りねじとそのねじに噛み合うナットを備えたねじ機構と、その送りねじを回転駆動する駆動手段とを移動機構7に置き換えてもよい。このような置換を行うことで、図1に示した第1の位置及び図3に示した第2の位置の二つの位置に限定されずに制動ユニット6を任意の位置に移動させることができる。また、図示の形態のように制動ユニット6を軸線Ax1の回りに回転移動させる代りに、直線移動させてもよい。制動ユニット6を直線移動させる場合にはこれを一方向に案内する案内手段を設けることが望ましい。
【0028】
回転制限手段は上述した形態のように機械的な接触を生じさせて回転体を制動するものに限定されず、例えば、回転制限手段として、回転軸20を回転駆動する電動機と、回転軸20が所定の回転速度を超えて回転しないように電動機を制御する制御手段とを設けてもよい。この場合の回転軸20の回転速度は、コンベア2にて搬送される壜BTを制動できるように、係合部25の先端の接線方向の速度がコンベア2の走行速度よりも遅くすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一形態に係る容器制動装置が組み込まれた容器搬送装置を示した図。
【図2】図1の容器搬送装置を同図の矢印IIの方向から見た状態を示した図。
【図3】図1の移動機構によって制動ユニットが第2の位置に移動した状態を示した図。
【符号の説明】
【0030】
2 コンベア
4 容器制動装置
5 ベース
7 移動機構(回転体移動手段)
18 ホイール装置(回転体)
19 回転制限機構(回転制限手段)
21 スターホイール
25 係合部
26 湾曲面
27 制動部材
28 制動レバー(可動部材)
29 制動用エアシリンダ装置(可動部材駆動手段)
31 移動用エアシリンダ装置(支持部材駆動手段)
32 制御ユニット(可動部材制御手段)
BT 壜(容器)
CL コンベアの中心線
C 回転中心
Ax1 軸線(所定の軸線)
Ax2 軸線(回転軸線)
Z 回転中心からコンベアの中心線までの距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアにて搬送される容器を制動できる複数の係合部が一定のピッチで外周に設けられ、かつ回転中心から前記複数の係合部のそれぞれの先端までの距離が不変である回転体と、前記回転体の回転を制限できる回転制限手段と、前記回転体の前記回転中心から前記コンベアの中心線までの距離を変更できるように前記回転体を移動させる回転体移動手段と、を備えることを特徴とする容器制動装置。
【請求項2】
前記回転体は、隣り合う二つの前記係合部がそれらの先端よりも前記回転中心側へ後退する湾曲面にて繋がれたスターホイールを備えていることを特徴とする請求項1に記載の容器制動装置。
【請求項3】
前記コンベアの側方に配置されたベースと、前記回転体を回転可能に支持し、かつ前記回転体の回転軸線と平行な所定の軸線の回りに回転可能な状態で前記ベースに設けられた支持部材と、を更に備え、
前記回転体移動手段は、前記支持部材を前記所定の軸線回りに回転させる支持部材駆動手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器制動装置。
【請求項4】
前記回転制限手段は、前記回転体の前記回転中心よりも径方向外側に、前記回転体と一体回転可能な状態で設けられた制動部材と、前記制動部材の通過範囲から離れる解除位置と前記通過範囲に干渉する制動位置との間で移動する可動部材と、前記可動部材を移動させる可動部材駆動手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器制動装置。
【請求項5】
前記制動部材として、一定のピッチで前記回転中心を中心とした同一円周上に並べられた複数の制動部材が設けられており、
前記可動部材が前記制動位置で保持される時間が調整されるように、前記可動部材駆動手段を制御する可動部材制御手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の容器制動装置。
【請求項6】
前記支持部材駆動手段及び前記可動部材駆動手段の少なくとも一つが、圧縮空気にてそのピストンロッドを進退させるとともに、前記ピストンロッドを所定の位置で保持できるエアシリンダ装置として構成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の容器制動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−120463(P2008−120463A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302617(P2006−302617)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(392032100)キリンエンジニアリング株式会社 (54)
【Fターム(参考)】