容量センサーを用いて自動車シートに着座した乗員の形態を識別する改良方法
【課題】自動車シートに着座している乗員の形態を識別する方法を提供する。
【解決手段】(i)シートの横断面に実質的に及んで複数の容量センサー一式を内蔵する工程、(ii)前記シートに内蔵された複数の前記容量センサーから発せられる出力を収集する工程、(iii)前記シートに対向する標的物の形態を、前記出力から測定される、前記標的物及び前記容量センサーが離れている距離、並びに、前記標的物によって覆われた前記センサーの表面量に基づいて、決定する工程、及び、(iv)決定された前記形態を複数のレファレンス形態から分類するために、決定された前記形態と少なくとも1つのレファレンス形態とを比較する工程を含む。
【解決手段】(i)シートの横断面に実質的に及んで複数の容量センサー一式を内蔵する工程、(ii)前記シートに内蔵された複数の前記容量センサーから発せられる出力を収集する工程、(iii)前記シートに対向する標的物の形態を、前記出力から測定される、前記標的物及び前記容量センサーが離れている距離、並びに、前記標的物によって覆われた前記センサーの表面量に基づいて、決定する工程、及び、(iv)決定された前記形態を複数のレファレンス形態から分類するために、決定された前記形態と少なくとも1つのレファレンス形態とを比較する工程を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、センサーの技術分野に関する。
【0002】
より正確には、この発明は、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態(モルファラジー)を識別する改善されたシステム及び方法に関する。
【0003】
この発明における非限定的な実施態様は、自動車におけるエアバッグの起動を制御することに関する。
【背景技術及び発明の開示】
【0004】
ここ1年、自動車分野におけるエアバッグは、衝突した場合に、加速度計を用いて、起動されていた。この基本的な起動システムは、乗員の形態(子供、小柄な大人、中肉中背の大人及び大柄な大人)を考慮していなかった。
【0005】
一般的に知られているエアバッグは、空席であっても、又は、乗員が「CRS」(チャイルドシート)に固定されていない乳幼児であっても、起動していた。乳幼児の場合は、特に深刻であり、多数の死因となる。
【0006】
これらの理由のために、これ以降、いくつかの車両には、シートにCRSが取り付けられている場合に、エアバッグの起動を規制するスイッチが備えられている。このスイッチは、エアバッグ装置の起動可能状態、すなわち、「起動可能」状態又は「起動規制」状態を表す、ダッシュボード上の光指示器に接続されている。
【0007】
2003年以来、米国(FMVSS 208 規則)では、世界的生産量の少なくとも1/3の自動車に「OCS」(乗員分類装置)と称される乗員検出装置を装着することを自動車製造会社に課すほとんどの規制規則が実施された。
【0008】
エアバッグが次の状態には起動されてならないことに注目される。
・シートが空席であるとき
・シートに取り付けられたCRSに乳幼児が固定されているとき
・6歳未満の子供(体重26kg未満)がシートに着座しているとき
【0009】
世界中での事業制限を課すことになるであろう規則は、自主的に、エアバッグの高性能な起動を規定している。エアバッグの高性能な起動は、すなわち、空席のシート、乳幼児が固定されたCRSが取り付けられているシート、6歳未満の子供(体重26kg未満)が着座したシートに対しては、エアバッグを起動させないことであり、一方、次の場合には、着座した人の形態に応じてエアバッグの膨張力を監視することである。
・小柄な大人に関係する5パーセンタイルクラス(46−53kg、1.4−1.65m)
・50パーセンタイルクラス(68−73kg、1.70−1.8m)
・95パーセンタイルクラス(94−98kg、1.83−1.93m)
【0010】
しかし、現在のところ、これを完全に満足できる解決策を提供するシステムも方法もない。
【0011】
出願人は、2005年7月28日に、フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)をした。この出願には、標的物(ターゲット)によって覆われているか否かにかかわらず検出可能な容量センサーの技術的構造(ストラクチャ)が開示されている。
【0012】
また、出願人は、2006年5月17日に、欧州特許出願(出願番号EP06290806.6号)をした。この出願には、標的物によって覆われた容量センサーの表面量と、前記標的物及び前記容量センサーが離れている距離とを決定する工程を含む方法が開示されている。さらに、出願人は、2006年5月17日に、欧州特許出願(出願番号EP06290807.4号)をした。この出願には、容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態を決定する工程を含む方法が開示されている。これらの方法は、温度及び湿度が通常の範囲にある場合には、その結果には非常に満足できる。
【0013】
しかし、実際には、いくつかの制約があり、乗員を識別する際に、支障を来たすことがある。
【0014】
制限的ではないが、このような制約はシート上の湿った障害物が原因である。このような制約は、例えば、湿ったレインコートを纏ってシートに着座した乗員(大人又は子供)、ビーチから戻ってきてシートに湿ったタオルを置いて着座した乗員、飲料をこぼしてシートの一部が湿った場合、又は、窓ガラスを完全に閉めなかったためにシートが雨で濡れた場合が原因となる。
【0015】
その他の制約は、シートに着座した乗員が原因となるのではなく、例えば、シートに置かれた、金属物、スーツケース、水ボトル一箱等が原因となる。
【0016】
この発明の目的は、シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態をより信頼性高く識別することを可能にする手段を提案することに、ある。
【0017】
この発明の目的は、次の工程を含む方法であるこの発明によって、達成される。次の工程は、シートの横断面に実質的に及んで複数の容量センサー一式を内蔵する工程と、シートに内蔵された複数の前記容量センサーから発せられる出力を収集する工程と、前記シートに対向する標的物の形態を、前記出力から測定される、前記標的物及び前記容量センサーが離れている距離、並びに、前記標的物によって覆われた前記センサーの表面量に基づいて、決定する工程と、決定された前記形態を複数のレファレンス形態から分類するために、決定された前記形態と少なくとも1つのレファレンス形態とを比較する工程である。
【0018】
この発明における別の優先的な特徴によれば、この発明に係る方法における前記比較工程は、レファレンス形態を示す数学関数を有している。
【0019】
この発明における別の優先的な特徴によれば、この発明に係る方法における前記比較工程は、レファレンス形態を示す三次元レファレンスイメージを有している。
【0020】
この発明は、また、前記方法を実行するシステム、及び、このようなシステムを含有する自動車用シートに関連する。
【0021】
この発明におけるその他の技術的特徴、目的及び利点は、添付の図面を参照して、以下の説明によって、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
前述したように、この発明によれば、シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態をより信頼性高く識別する方法が、提案される。この発明によれば、このような形態識別機能でエアバッグの起動を制御することができる。
【0023】
より詳細には、前述したように、この発明によれば、シートの横断面に実質的に及んで複数の容量センサー100一式を内蔵する工程と、シートに内蔵された複数の容量センサー100から発せられる出力を収集する工程と、シートに対向する標的物10の形態を、前記出力から測定される、標的物10及び容量センサー100が離れている距離、並びに、標的物10によって覆われたセンサー100の表面量に基づいて、決定する工程と、決定された形態を複数のレファレンス形態から分類するために、決定された形態と少なくとも1つのレファレンス形態とを比較する工程とを含む方法が、提案される。
【0024】
この発明における容量センサー100の一例、及び、シートに内蔵されたこのような容量センサー100一式の一例が、図1及び図2に示されている。図1に示されるような容量センサー100、及び、図2に示される、シートへのセンサー100の内蔵は、以下の明細書において、より詳細に説明されている。
【0025】
より詳細には、この発明によれば、シートに内蔵された複数の容量センサー100からの出力を収集する工程と、各容量センサー100に対して、前記センサー100から標的物10が離れている距離を示す第1の値di、及び、標的物10によって覆われたセンサー100の表面を示す第2の値Sdiを決定する工程と、標的物10によって覆われたセンサー100の表面を示す第2の値Sdiに、センサー100から標的物10が離れている距離を示しかつ対応する第1の値diに基づいた各重み付けを、適用する工程と、重み付けされた第2の値Sdi×Wiを収集して標的物10の形態を決定する工程を優先的に含む方法が、提案される。
【0026】
各センサー100と標的物10との距離di及び各センサー100を覆っている標的物10の表面Sdiは、有効な手段であればいかなる手段によっても得ることができる。
【0027】
この発明によれば、各センサー100が覆っている標的物10の表面Sdiと共に、各センサー100と標的物10との距離diは、優先的に、温度及び湿度環境によって生じるドリフトを補償する手段を含む方法で、得ることができる。実際には、発明者は、一般に、容量測定は温度及び湿度環境に非常に敏感であることを、見出した。
【0028】
以下に、A)シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態を識別する、この発明に係る方法をまず説明し、次いで、b)距離diと表面Sdiとを得るための、優先的かつ非限定的な方法を説明し、最後に、C)この距離diと表面Sdiとに基づいて乗員の形態を決定する、優先的かつ非限定的な方法を説明する。
【0029】
A.シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態識別
【0030】
この発明に係る方法によれば、シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態を、直接的に、識別することができる。
【0031】
この方法によれば、例えば、「シートに置かれた湿った障害物の上に子供が着座した場合」の問題点を解決することができる。換言すれば、この発明に係る方法によれば、湿ったタオルがシート上に存在していても、このシートに着座した乗員の分類を正確に認識することができる。
【0032】
前記欧州特許出願(出願番号EP06290806.6号及び出願番号EP06290807.4号)に開示された表面−距離決定方法を実施する際に未解決であった問題の一つは、湿った障害物による問題である。実際には、シート上に湿った障害物があると、前記表面−距離決定方法によって得られる結果は間違ったものとなる。この問題を解決するため、表面−距離決定方法を実行する新たな方法を開拓した。この方法を以下に説明する。
【0033】
次の3点を考慮すると、横方向における乗員の臀部プロファイルの測定結果が得られる。
・図2及び図3に示されるように、シートの横断面に実質的に及ぶプローブ100の位置(このプローブの位置については、以下により詳細に説明する。)
・2つの画素110S1及び120S1、110S2及び120S2、110S3及び120S3、110S4及び120S4、110S5及び120S5、並びに、110S6及び120S6をそれぞれ含む各プローブ100(前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)に非限定的な例として開示されている。)
・図20に示される直流電位をかけ、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)及び前記欧州特許出願(出願番号EP06290806.6号)に記載の処理によって、得られる各センサー100における種々の応答(これらについては、以下により詳細に説明する。)
【0034】
乗員はいかなる体形にもなることができないので、距離又は湿った障害物で臀部プロファイルの測定が混乱しても、正確な乗員の臀部プロファイルを認識することができる。さらに、臀部プロファイルは乗員の形態に関連するので、臀部プロファイルから乗員の形態を予測することができるであろう。
【0035】
まず初めに、プロファイルの非現実的な測定結果が拒否される。図4には、引き続き処理が続行されるプロファイルの現実的な測定結果の一例、及び、拒否されるべきプロファイルの非現実的な測定結果の一例が示されている。もちろん、ホールが含まれているプロファイルの測定結果は非現実的であり、拒否される必要がある。
【0036】
ここで、プロファイルの現実的な測定結果はレファレンスに対応する所定の体形(shape)に一致すると、仮定することができる。
【0037】
また、測定された形態に対応する決定されたプロファイル測定結果と、このようなレファレンスとを比較すると、決定された形態を分類することができる。
【0038】
レファレンスは、この発明に従って膨大な態様に対応している。
【0039】
この発明に係る非限定的な例によれば、レファレンスは数学関数S(p)(ここに、pはピクセルインデックスである。)である。
【0040】
レファレンスの形状がこのような数学関数によって選択されると、レファレンスの形状(shape)をプロファイルの測定結果に一致させることによって、プロファイルの測定結果がこのレファレンスの形状に一致する可能性があるか否かを評価することができる。この評価は、例えば、プロファイルの測定結果がこのレファレンスの形状に一致する可能性があるかないかを識別する誤差(間違い)基準(通常は平均二乗基準)を算出することによって、達成される。
【0041】
このような可能性試験(ライクリネス テスト)に加えて、変数値を考慮することによって、測定された形状又はプロファイルを数値化することができる。換言すると、乗員の形態に相関関係を有するプロファイルの測定結果を得ることができる。
【0042】
この発明において、1つの特別な数学関数が考慮される。この数学関数は、乗員の臀部プロファイルに一致する可能性のある形状と共にその特性に基づいて、選択される。
【0043】
考慮される数学関数は、2次又はそれ以上の次数を持つ「つり鐘型関数(ベルライク関数)」(式(1))である。
【0044】
n次のつり鐘型関数として、2次のつり鐘型関数及び4次のつり鐘型関数が図5に示されている。このつり鐘型関数は、下記式(1)で示される。
【0045】
【数1】
【0046】
式(1)において、aはベル関数の変曲に依存し、bはSの最大値であり、mはS(p)が最大となるときのインデックス値pである。
【0047】
もちろん、前記つり鐘型関数S(p)の他に、非限定的な例としてガウス関数等の、その他の、前記つり鐘型関数に等価な関数が用いられてもよい。
【0048】
このつり鐘型関数は、図5に示されるように、その両端部がシャープになっている。つり鐘型関数の両端部がシャープであることは興味深い。その理由は、形態識別に使用される変曲(変数「a」)が両端部のシャープさに依存するからである。加えて、次数が高くなると、つり鐘型関数には、その最大値近傍に興味深い平坦な部分が現れる(図5参照。)。
【0049】
式(1)を考慮すると、変数「m」が前記関数の中心を決定するので、変数「m」は平均値をとることで決定される。
【0050】
変数「b」は、同様に、測定されたプロファイルから容易に推定される。
【0051】
変数bは関数がとりうる最大値であるから、例えば、bとして、b=max(P(round(m)−1),P(round(m)),P(round(m)+1)を使用することができる。その目的は、プロファイルの最大値が必ずしも中間画素(例えば、0〜8で参照される高さ画素を埋め込んで測定する場合における画素番号4の画素)と一致する必要がないことを考慮に入れるためである。
【0052】
変数「a」は、測定されたプロファイルからそう簡単に推定されることはない。
【0053】
変数が一致するものは1つしかないから、それは誤差最小化アルゴリズムによって、算出することができる。
【0054】
この算出を実施するために、変数「a」を推定するための次の処理を行うことができる。
【0055】
測定されたプロファイルにおける表面Sは、式(2)で表される量である。
【0056】
【数2】
【0057】
つり鐘型関数における表面Sbは、式(3)で表される量である。
【0058】
【数3】
【0059】
式(2)と式(3)とを等しくすること、すなわち、S=Sbによって、変数「a」が得られる。Sb用の参照表を用いれば、これらの式を容易に等しくすることができる。この方法には、集束するという問題がない。
【0060】
つり鐘型関数(2次)は、記録されたシートデータベースから選択された測定結果に適用される。ここで再び、選択された測定結果は標準的な体格をした子供のプロファイル(図6参照)、標準的な体格をした大人のプロファイル(図7参照)及び大柄な大人のプロファイル(図8参照)に一致する。
【0061】
図6〜8の3図によれば、これらが正確に一致していることがわかる。すべての場合において、平均二乗誤差は4%未満である。さらに、図9に示された表に記載された変数「a」によって、距離にかかわらず、乗員の形態が分類されることができる。
【0062】
実際には、子供用の変数「a」は3以下であり、大柄な大人用の変数「a」は20を超える。標準的な体格をした大人用の変数「a」は3〜20の間にある(約5)。
【0063】
ロバスト性、すなわち、この発明にかかる前記方法における、「不適当なプロファイル」に対する抵抗力は、図10に示されるように、プロファイル中に間違いポイントを入れることによって、検証されている。より詳細には、図10には、手をボルスタにおいた状態をシミュレートした間違いを有する、標準的な体格をした子供のプロファイルが示されている。
【0064】
この状態において分類は誤りである。この子供は大人として分類される可能性がある。この例によれば、可能性試験における間違いをよく吟味することが重要であることがわかる。実際には、プロファイルの測定結果は現実的ではないから、この場合における間違いは、前述の適当なプロファイルに比して非常に大きな30%以上となる。この間違いによって、分類されない、間違いであるプロファイルの測定結果が拒否される。
【0065】
先に述べたつり鐘型関数を用いる方法を、その性能を評価するために、シートに記録されたデータベースに適用した。その結果を図11に、また、対応するエラー分布を図12に示す。大部分のエラーは6%以下に集中していることが理解できる。これが水準であり、この水準は、図11において、点(ポイント)を拒否するのに使用される。この図において、拒否された点を円で囲んだ。したがって、拒否されたプロファイルを考慮することのみによって、正確な分類を実施することができる。この分類は、子供を小柄な大人ともまた大柄な大人とも分類することができるので、正確である。すべての乗員は、同様に、70kg以上に分類される。
【0066】
この発明の実施には、前述したように、形態レファレンスを表す数学関数を必要とする比較工程が行われる。
【0067】
この発明における優先的な他の実施には、比較工程は、形態レファレンスを表す三次元レファレンスイメージを必要とする。
【0068】
実際には、改善された結果を得る目的で、発明者らは、イメージテンプレートを実行することをさらに提案する。このイメージテンプレート実行は、シートプローブ100をすべて用いた迫真性構想又は可能性構想に適用される。
【0069】
プローブ100すべてを使用することによって、測定結果から得られる情報が失われることはない。
【0070】
三次元(上下左右)で機能する迫真性関数を見出すことは、2次元(プロファイル)で機能する関数を見出すことよりもはるかに困難であるから、発明者らは、次の処理を実行することを提案する。
【0071】
x.y(例えば、10×11)にメッシュ(分割)する方法は、プロファイルを作成するのに使用される。メッシュ工程は、選択的に、図13に示されるプローブの実際の配置に従って選択される。
【0072】
乗員プロファイルのイメージは、センサーから発せられる出力を次のように内挿することによって、認識される。
【0073】
プローブが存在しない場合のメッシュ工程においては、画素値は最も近いプローブから挿入される。例えば、図13におけるピクセル{2,10}(地平座標,鉛直座標)は、調整(測定)されたピクセル110S4と120S1との平均値を算出することによって、得られる。例えば、ピクセル{3,3}、{3,4}及び{3,5}等のように、1つ以上のピクセルを実際のピクセル間に挿入する場合には、中間ピクセル値が、調整されたピクセル110S2及び110S3間に、図14に示されるように、それらピクセルが離れている距離全体にわたって、直線的に挿入される。
【0074】
場合によっては、ピクセル{5,8}に関しては、調整されたピクセル(ここでは、ピクセル110S4)と挿入されたピクセル(ここでは、ピクセル{5,7})との間に、このピクセル{5,8}が挿入される。これによって、挿入はより一層現実的となる。
【0075】
最後に、イメージは、プローブが存在し、測定されたピクセル値に調整され、また、残りのピクセル(図13において灰色に塗りつぶされている。)はゼロに設定される。
【0076】
イメージは考慮可能な3部分を有している。
【0077】
まず、イメージは、前記のようにデータが挿入されて、容易に得られる。この方法から標準的なイメージが得られる。
【0078】
第2に、調整された最小のピクセル値を引くことによって、測定力を強調する動態イメージを創造することもまた可能である。この方法から、その動態部分に限定されたイメージが得られる。
【0079】
最後に、プロファイルを0〜100%に標準化することによって、相対的な動態イメージを算出することができる。
【0080】
これらの3イメージのいずれか又は3イメージすべては、簡単な測定によって、算出することができる。必要に応じて、3種類のイメージのうち1種を使用することができる。例えば、動態プロファイルは、乗員のシートに対する距離にほとんど影響されることはないが、出力強度は低下する。3種類のイメージのうち2種又はそれ以上を同様に使用することができる。標準的なプロファイルの例が図15に示されている。
【0081】
図15に示されるような形状が容易に得られる簡単な数学関数はないので、発明者らは、その他の解決方法を提案する。すなわち、他の解決方法は、以下に詳述する、「テンプレート方法」及び「基準面方法」である。
【0082】
両方法について、目的は、まず第1に、プロファイルの測定結果に一致するイメージが適当であるか否かを決定することにあり、そして、第2に、このイメージから乗員形態の測定結果が適当に得られるかどうかを決定することにある。
【0083】
プロファイルの測定結果に一致するイメージが適切であるかどうかを決定するために、測定されたイメージは、一連のレファレンスイメージと比較される。このレファレンスイメージは、種々の形態についての公知の標準的な姿勢における測定結果から得られる。この比較結果が成績不良である場合には、イメージは適切ではなく、拒否される。この比較結果が適正である場合には、比較結果は、レファレンスイメージを作成するのに使用した形態に対応する形態クラスに、測定されたイメージを分類するのに使用される。
【0084】
前記「テンプレート方法」は、各体重クラス(例えば、0〜36Kg、36〜60Kg、60〜80Kg、80〜120Kg、)用に構成され、テンプレートにおける最大境界値及び最小境界値が詳細に規定される。測定されたイメージは、図16に示されるように、テンプレートに含まれるピクセルの合計数(すなわち、テンプレートにおける最大境界値と最小境界値との間に存在するピクセルの合計数)を計算することによって、テンプレートと比較される。テンプレートに含まれるピクセルの合計数は、全ピクセル数に対する百分率として表される。各イメージにおいて、ピクセルの合計数x.y(例えば、10×11)を考慮すると、1つのピクセルは、全テンプレートの約0.9%になる。
【0085】
他の方法は、「基準面」までの距離を算出することにある。この「基準面」は、測定結果が比較される形態についての平均的なイメージである。
【0086】
例えば、「基準面」までの距離は、下記式(4)で、算出される。
【0087】
【数4】
【0088】
式(4)において、PRP(i)は基準面を構成するピクセルであり、PI(i)は測定されたイメージを構成するピクセルであり、Dは基準面までのイメージの距離である。ここに、この距離は、距離の最大値に対する百分率で表される。これによれば、種々の基準面における比較が容易に行われる。この距離が0%である場合には、測定されたイメージを構成するすべてのピクセルが基準面上にあることを意味し、この距離が100%である場合には、測定されたイメージを構成するすべてのピクセルはゼロか最大の測定値となることを意味する。下記式(5)で表される距離Dについて、古典的な標準化バージョン(クラシカル ノルマライズド バージョン)を使用することができることに着目するべきである。
【0089】
【数5】
【0090】
この方法によれば、前述したテンプレート方法よりもより一層速やかに比較工程を行うことができる。
【0091】
イメージ「テンプレート実行」は、「テンプレート方法」又は「基準面方法」をシートに記録されたデータベースに適用することに、ある。
【0092】
図18には、テンプレート方法を0〜36Kgテンプレートに適用して得られた結果が示されている。この結果から子供は0〜36Kgテンプレートに適合していることがわかる。最終実行において、測定結果は、それよりも重いテンプレートから始まるテンプレートと比較される。
【0093】
テンプレートに一致した測定結果は、そのテンプレートに対応する体重クラスに分類される。テンプレートに一致しない測定結果は分類されない。
【0094】
この発明における前記方法に従って得られた結果が図19に示されている。
【0095】
B. 各センサーから標的物が離れている距離di、及び、センサーを覆う標的物の表面Sdiの決定
【0096】
この発明は、容量センサー構造100を使用する。
【0097】
この容量センサー100は、複数の実施形態に基づいていてもよい。
【0098】
選択的に、この発明に係る容量センサー100は、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)に開示された内容と同様に、少なくとも2つの電極110及び120とを有し、これらの電極は、検知区域の相補的な各領域をカバーし、2つの安定した画素センサーを形成している。これらの2つの電極110及び120並びに対応する安定した画素センサーの機能は、以下に、より詳細に説明する。
【0099】
選択的に、この発明の容量センサー100は、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)の一般的な開示と同様に、図1に示されるように、3つの電極110、120及び130を備えている。もちろん、この発明において、容量センサー100は、図1に示される具体的な態様及び形状に限定されることはない。
【0100】
2つの電極110及び120は主電極に相当する。これらの電極は検出区域又は検知区域の相補的な各領域をカバーする。より詳細には、2つの電極110及び120は優先的に直線路に形成されている。2つの主電極110及び120は優先的に整列されている。優先的に、2つの電極110及び120は同じ表面を有している。なお、検出するにあたって、2つの主電極110及び120の各表面における比率を考慮すれば、この発明は、同じ表面を有しない主電極110及び120を用いて、実施されることもできる。
【0101】
第3の補助電極は、前記2つの主電極110及び120がカバーする2つの相補的な各領域の両方を少なくとも実質的にカバーする。より正確には、図1に示されるように、選択的に、第3の補助電極は、前記2つの主電極110及び120を包囲している。
【0102】
この第3の電極は、その中間部で横断接続路132に連結されている。同様に、前記2つの主電極110及び120は、それらの隣接する各端部で、各横断接続路112及び122に連結されている。
【0103】
たった3つの出力端子112、122及び132を有するこのようなセンサー100は、前記電極110、120及び130の接続に依存する容量(キャパシタ バリュー)に対応する、3よりも多数の出力情報を送信することができる。例えば、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)には、同様の電極110、120及び130から8の出力情報が送信されることが開示されている。
【0104】
これらの容量は、いくつかの電極110、120、130の間に電気制御された直流磁界を的確にかけ、次いで、直流磁界を遮断した後に、専用の電極110、120、130に蓄積された電気量を測定し、計算することによって、測定される。
【0105】
これらの電気量は、例えばしかし非限定的に、特許文献(国際公開番号WO−A−00/25098号)に規定された処理手段に従って、電圧に変換されることができる。
【0106】
換言すると、この発明に係る方法は、制御されたエレクトリカルボルテージ(直流電界)を選択された電極に好適にかける電界印加手段と、容量切替えシステムを備えた積算手段と、選択された周波数において下記2工程の順序を周期的にかつ好適に決定する制御手段とを有し、選択された電極110又は120に蓄積された前記電気量を、優先的に、電気出力シグナルに変換する。
・前記電界印加手段は少なくとも1つの電極に接続され、そして、この電極に電界をかけると共にこの電極に電気量を蓄積させる第1の工程、及び、
・前記電界印加手段は選択された電極に接続されず、この選択された電極は前記積算手段の出力端子に接続されて、前記電気量を前記積算手段に送信する第2の工程
【0107】
より正確には、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)では、同様のセンサーから測定の組み合せ8種を使用することが提言されているが、この発明は、優先的に、前記センサーからの測定の組み合せたった4種で実施することができる。実際に、発明者は、センサーの標的物を正確に位置測定するのに、このような4種の組み合せで十分であることを、明らかにした。図2に概略的に示されたこれらの4種の組み合せを以下に記載する。図20において、「Vf」は直流電位に相当し、「G」は地電位に相当する。
【0108】
(1)フェイズC1は次の工程で得られる。
・電極110及び120に「Vf」をかけ、電極130に「G」をかける。
・電極110及び120から「Vf」を除去し、電極130から「G」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極110に捕獲された電気量を計算する。この結果を「C1」という。
【0109】
(2)フェイズCU1は次の工程で得られる。
・電極110、120及び130に「Vf」をかける。
・電極110、120及び130から「Vf」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極110に捕獲された電気量を計算する。この結果を「CU1」という。
【0110】
(3)フェイズC2は次の工程で得られる。
・電極110及び120に「Vf」をかけ、電極130に「G」をかける。
・電極110及び120から「Vf」を除去し、電極130から「G」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極120に捕獲された電気量を計算する。この結果を「C2」という。
【0111】
(4)フェイズCU2は次の工程で得られる。
・電極110、120及び130に「Vf」をかける。
・電極110、120及び130から「Vf」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極120に捕獲された電気量を計算する。この結果を「CU2」という。
【0112】
図20において、太文字は電気量が測定される電極を示す。
【0113】
完全なセンサーシステムは、各容量分の電気的等価な構成の形式で、図21に示されている。図21において、「CBG」はグラウンド(例えば、車体)と標的物10(例えば、車の座席に着座した乗員)との間における容量分に相当する。「C1B」、「C2B」及び「CUB」はそれぞれ、標的物10と、電極110、120及び130との間における容量分に相当する。「C1G」、「C2G」及び「CUG」はそれぞれ、グラウンドと、電極110、120及び130との間における容量分に相当する。「C1U」、「C12」及び「C2U」はそれぞれ、電極110と130との間、電極110と120との間及び電極120と130との間における容量分に相当する。
【0114】
前記4種の組み合せそれぞれは、図21に示されたセンサーシステムを構成する容量分の下記総和として表現されることができる。
(1)C1=C1U+C1B+C1G
(2)CU1=C1B+C1G
(3)C2=C2U+C2B+C2G
(4)CU2=C2B+C2G
【0115】
莫大な研究及び実験によって、発明者は、前記4種の組み合せから発せられるいくつかの関連ある情報を使用し、これらを組み合わせることによって、連続して、
・1 温度及び湿度によって生じるドリフトに関する情報が得られること、
・2 この情報から、データ上のドリフトを補償することができること、及び、
・3 補償されたデータから、信頼性のある基準に基づいて、センサーを覆う標的物の表面と共に、標的物からセンサーが離れている距離を測定することができることを、明らかにした。
【0116】
より正確には、発明者は、表面被覆量、距離、温度及び湿度変化に対するこれら4種の組み合せの挙動を認識するために、それらを特徴付けるための測定を実行する必要があることを、明らかにした。
【0117】
このため、発明者は、センサー100の長さに等しい(すなわち、図22に示されるように、電極130の長さと等しく、2つの電極110及び120の合計長さの等しい)長さを有する導電性参照標的物10を選択した。
【0118】
発明者は、前記参照標的物10をセンサーに対して引き続き段階的にセンサー100の長手方向に平行に移動する。発明者は、この移動用及び表面変化用として、センサー長さの1/4の解像度、及び、m段階、非限定的な例においてm=7を任意に選択した。しかし、もちろん、その他の解像度及び/又は段階数mが選択されてもよい。
【0119】
この移動は、左側から任意に始まり、表面の長さの1/4ずつ追加していく方法によって、連続m段階で、センサー100を覆う。
【0120】
図22において、
・1/4Lは、センサーの長さの1/4が左側で覆われたことを意味する。
・1/2Lは、センサーの長さの1/2が左側で覆われたことを意味する。
・3/4Lは、センサーの長さの3/4が左側で覆われたことを意味する。
・C(「中心」)は、標的物がセンサー100を完全に覆うことを意味する。
・3/4Rは、センサーの長さの3/4が右側で覆われたことを意味する。
・1/2Rは、センサーの長さの1/2が右側で覆われたことを意味する。
・1/4Rは、センサーの長さの1/4が右側で覆われたことを意味する。
【0121】
さらに、この関連する移動におけるm段階の各段階において、発明者は、参照標的物10をセンサー100から次第に、距離Zが0mm(接触状態)から100mm(無限距離に相当)まで、段階的に遠ざける。非限定的な例において任意に、発明者は、センサー100から標的物10を0mmから100mmまでn=38段階で動かした。
【0122】
そして、相対的な表面被覆(m段階)及び距離(n段階)の各段階に対して、発明者は、温度及び湿度を変化させる。発明者は、任意に、温度に関するo=4の種々の値(25℃、40℃、55℃及び70℃)と、湿度に関するp=3の種々の値(RH=50%、70%及び95%)とを組み合わせ、温度と湿度との組み合わせをo.p=4×3=12の組み合わせにした。
【0123】
前記4種の識別されたフェイズ(C1、CU1、C2及びCU2)に対応するすべての応答は、図4に示されたm=7の相対的な位置のそれぞれに対して記録され、n=38の各距離Zのそれぞれに対して記録され、かつ、o×p=12通りの温度と湿度との組み合わせのそれぞれに対して記録される。
【0124】
発明者は、前記4フェイズC1、CU1、C2及びCU2から3通りの代表的な組み合わせが導かれることを、究明した。
・その第1は、CU1=f(C1)である。
・その第2は、CU2=f(C2)である。
・その第3は、CU1=f(CU2)である。
【0125】
CU1=f(C1)(ピクセル1)とCU2=f(C2)(ピクセル2)とを考慮して(図23参照)、発明者は、センサー表面被覆量、距離、温度及び湿度にかかわらず、傾きα1=ΔCU1/ΔC1及びα2=ΔCU2/ΔC2は実質的に一定であることに気がついた。
【0126】
しかし、無限大に近づく距離に対する各曲線CU0の始点は、温度と湿度に追随し、すなわち、これらに依存する。
【0127】
前記4種のフェイズから温度(T℃)と湿度(RH%)との組:(T℃、RH%)=f(CU0)に関する情報が得られるので、発明者らのこの観察結果によって際立った特徴が導かれる。
【0128】
この特徴は、フェイズレシオCU1/C1=(C1B+C1G)/(C1U+C1B+C1G)によって説明することができる可能性がある。
【0129】
電極110と電極130との間に配置された、温度と湿度とに敏感な特定のコンデンサーを表している項C1U(電極支持体の誘電率の温度及び湿度への影響)が分母にさらに含まれている以外は、同じ項が分子と分母とに含まれている。
【0130】
CU2/C2=(C2B+C2G)/(C2U+C2B+C2G)であるから、前記特徴と同じ特徴がピクセル2にも当てはまる。
【0131】
ところで、CU2=f(CU1)(図24参照)を考慮して、発明者らは、以下の点に注目した。
・CU2とCU1とが成す角度αは、距離、温度及び湿度にかかわらず、参照標的物10によって覆われたセンサー100の表面を表す関数(ここで、解像度の段階はセンサー長さの1/4である。)である。
・曲線CU2及びCU1の始点Oは、わずかに温度と湿度とに影響されるが、発明者らはこのようなオフセットがCU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から得られる情報を用いることによって相殺される可能性があることを、究明した。
・図面CU2=f(CU1)における点Pの位置は、標的物10からセンサー100までの距離Zの関数である。
【0132】
CU2/CU1=(C2B+C2G)/(C1B+C1G)であるから、この特徴は、フェイズレシオCU2/CU1によって説明することができる可能性がある。
【0133】
標的物10がセンサー100の正面にない場合(距離=ほぼ無限大)には、同じ項がCU2/CU1の分子と分母とに含まれる。すなわち、C2G#C1G、C1B=C2B=0である。
【0134】
標的物10がセンサー100を部分的にカバーしている場合には、これらのコンデンサーは各画素電極110又は120をカバーする標的物10の表面に依存するから、C1BはC2Bと異なる。これらの2つのコンデンサーはピクセル110及びピクセル120を覆う不均衡な表面を測定する。
【0135】
発明者らは、これらの3つの顕著な特徴によって、
・温度及び湿度によるセンサードリフトを補償することができ、
・センサー100に対面している標的物によって覆われた表面を計算することができ、そして、
・センサー100と標的物との距離を算出することができる
ことを、見出した。
【0136】
より正確には、前記の確立された事実に基づいて、発明者らによって、2つの部分すなわち「準備」部分と「検出」部分とに分割された方法が提案される。これらの2つの部分を以下に詳細に説明する。
【0137】
1.準備部分
この準備部分は、3つの主要工程に分割され、これらの主要工程は、1)温度及び湿度参照表「LookTRH」の創出工程、2)角度(「LookAngle」)及び曲線Cu=f(C)における始点(OCU1、OCU2)(「LookOCU1」及び「LookOCU2」)に対応する3つの参照表の創出工程、及び、3)距離参照表(「Lookabs」)の創出工程である。
【0138】
11−工程1:温度及び湿度参照表「LookTRH」の創出工程
この参照表の目的は、温度及び湿度によるドリフトを補償するために、実際の容量測定と温度変数及び湿度変数とを一致させることにある。
【0139】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図25における工程1として説明される。
【0140】
2つの曲線:CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から、傾き:α1=ΔC1/ΔCU1、及び、α2=ΔC2/ΔCU2が算出される。
【0141】
その後、これらの2つの曲線における横座標との切片B1及びB2が計算される。
【0142】
・式 CU1=α1C1+β1 横座標 B1=β1/α1
・式 CU2=α2C2+β2 横座標 B2=β2/α2
【0143】
算出された2つの横座標の平均B=(B1+B2)/2を求める。
【0144】
次いで、温度と湿度との各o×p組に対して、B=(B1+B2)/2の参照表を図25に示されるように作成する。温度と湿度との組み合わせo×pによって、参照表「LookTRH」はもちろんo×pの入力(インプット)を有している。換言すると、「LookTRH」参照表の形態は、o×pに対して2、すなわち、各o×p入力それぞれに対する出力(アウトプット)Bになっている。
【0145】
もちろん、図25に示される特定の表は、単なる例であり、限定的に考えられるべきではない。
【0146】
12−工程2:角度及びOCU1、OCU2の参照表の創出工程(図8参照)
角度参照表の目的は、複数の温度変数及び湿度変数に対して、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせとセンサーを覆う標的物の表面量とを一致させることにある。
【0147】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図26について説明する。
【0148】
角度参照表「LookAngle」を構築するためには、温度湿度参照表「LookTRH」の温度と湿度との各組に対して、かつ、参照標的物10と図26bに示されたセンサー100との相対的な各m位置に対して、角度Δm=ΔCU2/ΔCU1が図26aに示された曲線CU2=f(CU1)から算出される。図26bには、参照標的物10の長さに対して1/4の長さずつ変化させたm=7の相対的な位置が示されている。温度と湿度との組み合わせo×p及び相対的な位置mによって、角度参照表「LookAngle」は、o×p×mの入力を有している。換言すると、「LookAngle」参照表の形態は、o×p×mに対して2、すなわち、各o×p×m入力それぞれに対する出力Δmになっている。実際には、このような参照表は、例えば、各m入力を有する、単純なo×p参照表に分割されていてもよい。
【0149】
もちろん、この発明においては、この特定の態様に限定されない。
【0150】
次いで、複数の温度変数及び湿度変数に対して、曲線CU1及びCU2における横座標の始点と縦座標の始点とを一致させることを目的として、発明者らは、「LookOCU1」及び「LookOCU2」の2つの参照表を作成することを計画する。
【0151】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図27について説明される。
【0152】
より正確には、発明者らは、a)m=C(T/RHにおける全てのo×p点)に対して直線CU2=f(CU1)を計算し追跡すること、b)T/RHにおける全てのo×p点に対する各mに対して直線を計算し追跡すること、及び、c)傾きCと、T/RHにおける全てのo×p点に対する他の全ての直線mとの交差点を算出することを、計画する。
【0153】
次いで、各T/RHインデックスに対して、曲線CU2=f(CU1)(図27参照)の横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2における点位置平均を、図27bに示されているように、いわゆる「LookOCU1」及び「LookOCU2」の2つの参照表に記録する。
【0154】
温度と湿度との組み合わせo×pによって、参照表「LookOCU1」及び「LookOCU2」はo×pの入力を有している。換言すると、「LookOCU1」及び「LookOCU2」参照表の形態は、o×pに対して2、すなわち、各o×p入力それぞれに対する「始点OCU1又はOCU2の平均値」になっている。
【0155】
13−工程3:距離参照表「Lookabs」の創出工程
この参照表の目的は、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせと容量センサーから標的物が離れている距離とを一致させることにある。
【0156】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図28における工程3として説明される。
【0157】
この工程は、ピタゴラスの定理として知られる定理に基づく計算工程を必要とする。
【0158】
発明者らは、センサー100から標的物10が離れている距離を、特定の横座標始点OCU1(TRH)及び縦座標始点OCU2(TRH)で補正されたCU1値及びCU2値に関与する三角関数に基づいて、計算することを計画する。
【0159】
CU2=f(CU1)並びに前記参照表「LookTRH」、「LookAngle」、「LookOCU1」及び「LookOCU2」を考慮して、各表面位置m(図示された特定の場合にはm=1〜7)、始点OCU1及びOCU2を決定するT/RHの各組み合わせ(前記の場合には12組)、かつ、各距離(特定のかつ非限定的な場合には38通り)それぞれに対して、下記ABS値が算出される。
【0160】
【数6】
【0161】
このABS値は、標的物10とセンサー100との距離に一致する。
【0162】
ABSとして算出された値は、いわゆる「LookAbs」と称される参照表に記録される。
【0163】
温度と湿度との組み合わせo×p、相対的な移動におけるm工程、及び、距離におけるn工程によって、参照表「LookAbs」はo×p×m×nの入力を有している。換言すると、この参照表の形態は、o×p×m×nに対して2、すなわち、各o×p×m×n入力それぞれに対する出力ABSになっている。実際には、このような参照表は、例えば、各m×n入力を有する、単純なo×p参照表に分割されていてもよい。
【0164】
要約すると、準備部分によって、5つの参照表、すなわち、「LookTRH」、「LookAngle」、「LookOCU1」、「LookOCU2」及び「LookAbs」、並びに、2つの特徴的な変数、すなわち、α1及びα2(曲線CU1=f(C1)及び曲線CU2=f(C2)の傾き)が、得られる。
【0165】
これらの5つの参照表及び2つの特徴的な変数α1及びα2によって、センサー100を覆う標的物10の表面、及び、センサー100と標的物10とを離間する距離が、「検出部分」において「リアルタイム」で算出されることができる。
【0166】
2.検出部分
この検出部分は、4つの主要工程に分割され、これらの主要工程は、1)「LookTRH」用のインデックスポインターの算出工程、2)始点OCU1及びOCU2の算出工程、3)位置mの算出工程、及び、表面被覆に関する情報が得られる角度の算出工程、並びに、4)標的物10とセンサー100との距離の算出工程である。
【0167】
21−工程1:「LookTRH」用のインデックスポインターの算出工程
シグナルCU1、C1、CU2及びC2はリアルタイムでセンサー100に捕捉される。
【0168】
次いで、2つの関係式CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)、α1、α2、並びに、横座標の切片から、対応するインデックスポインター(B1+B2)/2が算出される。このインデックスを用いて(直接又は内挿法によって)、T/RH組み合せの情報が参照表「LookTRH」から選択される。
【0169】
22−工程2:始点OCU1及びOCU2の算出工程
前記T/RH組み合せの情報を用いて、曲線CU2=f(C2)における始点OCU1及びOCU2がそれぞれ参照表「LookOCU1」及び「LookOCU2」から(直接又は内挿法によって)選択される。
【0170】
23−工程3:位置mの算出工程、及び、表面被覆が得られる角度の算出工程
傾きa=(CU2−OCU2)/(CU1−OCU1)が計算され、算出された傾き及び前記工程1で得られたT/RH組み合せの情報から、位置を表す値が参照表「LookAngle」から選択される。この値は、センサー100の正面に位置する標的物10、例えば、乗員によって被覆された表面を表す値である。
【0171】
換言すると、各容量センサー100に対して、参照表「LookAngle」から選択された値は、センサー100を覆う乗員等の標的物10における表面Sdiを示す。
【0172】
24−工程4:標的物10とセンサー100との距離の算出工程
値Dは、下記式から算出される。
【0173】
【数7】
【0174】
次いで、この値D、並びに、前記工程1で得られたT/RH組み合せの情報、及び、前記工程3で得られた角度値に基づいて、推定距離が参照表「LookAbs」から(直接又は内挿法によって)選択される。
【0175】
換言すると、各容量センサー100に対して、参照表「LookAbs」から選択された値は、センサー100から標的物10が離れている距離diを示す。
【0176】
要するに、CU1、C1、CU2及びC2のデータ収集から、説明したこの方法によれば、センサー100の正面に位置する標的物10によって被覆された表面Sdi及び前記センサー100からの距離diをそれぞれ計算し、決定することができる。
【0177】
この完全な検出方法が図29に示されている。
【0178】
また、この方法は図33に示された方法における第1工程200でもある。
【0179】
すべての温度及び湿度範囲において表面を変化させて、発明者らがこの方法を実行することによって得られた結果が図30に示されている。図30において、X軸又は横軸は実際の表面に対応し、Y軸は推定表面(算出表面)Sdiに対応している。
【0180】
これらの結果に基づいて、1インチまで算出された距離diが図31に示されている。
【0181】
図30及び図31には、この方法によれば、センサー100から標的物10が離れている距離diとセンサー100を被覆している標的物10の表面Sdiとの確実な決定法が提供されることが、示されている。
【0182】
特に、この方法によれば、温度及び湿度によって生じるドリフトを補償することができる。
【0183】
C. この発明における、自動車シートに着座した人の形態決定
【0184】
乗員を区別するためには、シートにいくつかのセンサー100を的確に設置する必要がある。工業的制限及び価格問題によって、センサーの数は抑えられる。
【0185】
図2及び図32には、この発明における、シート内へのセンサー100の優先的かつ非限定的な埋設状態が示されている。
【0186】
図2及び図32に示されたセンサー100は、シートにおける、水平方向の座席支持部に備え付けられている。もちろん、必要であれば、追加のセンサー100を、シートにおける、背もたれ部分に備え付けてもよい。
【0187】
図2及び図32に示された優先的かつ非限定的な実施形態においては、6個のセンサー100が備え付けられている。優先的に、各センサー100は、前記したように、3個の電極100、120及び130を有し、その結果、各センサー100は、各主電極110及び120から2個の画素を決定する。
【0188】
図2及び図32において、4個の短い(通常約9cmの長さを有する)センサー100S1、100S2、100S5及び100S6と、2個の長い(通常約29cmの長さを有する)センサー100S3及び100S4とは区別されている。
【0189】
センサー100S1及び100S6は、ボルスタと称される、シートの外側側部に備え付けられている。
【0190】
センサー100S2及び100S5は、前記ボルスタに近接したシートの座部に備え付けられている。
【0191】
優先的に、4個のセンサー100S1、100S2、100S3及び100S4はすべて、シートの奥行き方向の略中央部、すなわち、シートの前部及び後部からほぼ同距離の位置に、シートの左側から右側に向かって配列されている。
【0192】
センサー100S3及び100S4は、シートの座面においてセンサー100S2及び100S5の両側それぞれに備え付けられ、センサー100S3はシートの前方に位置し、センサー100S4はシートの後方に位置している。
【0193】
6個の各センサー(100S1〜100S6)に対して、図33に概念的に示される工程200の通り、表面被覆Sdi及び関連する距離diが決定される。
【0194】
図1に示される特別な実施態様のように、各センサー100が主電極110及び120に対応する2個の画素を有しているときは、6個のセンサー100を使用することによって、12個の情報画素(ピクセル)それぞれが得られる。
【0195】
優先的に、この発明に係る方法は、「無反応(エンプティ)」のセンサー、すなわち、その正面に検出すべき標的物がないセンサーに対応する値Sdi及びdiを決定する選別工程を有している。
【0196】
距離閾値は、センサーが無反応であるか否かを判定するのに用いられる。このような距離閾値は、図17において、「dinf」と称される。
【0197】
di>dinfである場合にはセンサー「i」は無反応とされ、di≦dinfである場合には、センサー「i」は被覆されているとされる。
【0198】
例えば、dinfとして、20mmを選択することができる。
【0199】
このような選別工程は、無反応のセンサーに対応する値Sdi及びdiを無視するために、図33に示される重み付け工程210に先立って実施してもよく、又は、形態に一致しないプロファイル(分析結果)をすべて排斥するために、一致分析に対応する図33の工程220に参照される工程に進むように、実施してもよい。
【0200】
すべてのセンサー100S1〜100S6は、左側から右側まで任意に特徴付けられる。各「被覆」センサー100に対して決定されるSdi値に応じて、対応するSi値が決定される。このSi値は、任意に、0.25刻みで0.25〜1.75の範囲にある。Si=0.25は、図22の最下段に示された状態(センサーの左側1/4が被覆)に対応する。Si=1は、図22の中央に示された状態、すなわち、標的物がセンサーの中心にある状態に対応する。Si=1.75は、図22の最上段に示された状態(センサーの右側1/4が被覆)に対応する。
【0201】
シートにおいて、この特徴を用いるためには、センサー配置は対称で、もちろん左側と右側との変化量は逆であるから、センサーの検出方向を変える必要がある。
【0202】
換言すると、左側の表面検出方向(センサー100S1及び100S2)である場合は、保持されたSiは0.25〜1.75まで変化する。
【0203】
右側の表面検出方向(センサー100S5及び100S6)である場合は、検出される面方向は逆方向である。その結果、保持されたSiは2−S検出になる。
【0204】
乗員を区別する、すなわち、シート上で検出された乗員の形態を決定する非常に簡単な方法は、標的物に被覆されたセンサー100S1〜100S6の画素数を算出することによって直接的に計算を行うことであろう。
【0205】
しかし、このような単純な方法によると、真実が曲げられ、いくつかの間違いが生じる。
【0206】
実際には、センサー100上の表面予測は距離diにかかわらず常に同じ方法で確認される。換言すると、このような単純な計算方法を使用すると、乗員の輪郭は考慮されないことがあり、ときに間違いが生じる可能性がある。
【0207】
この障害を避けるため、この発明に従って、発明者は、対応する各距離di基づく重み付け変数Wiによって算出された表面Siのバランスをとることを、提案する。
【0208】
このため、センサー100S1〜100S6(少なくとも4個のセンサー100S1、100S2、100S5及び100S6)の中で最小距離diが検出される。次いで、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6について、「Wi」と称されるバランス係数が算出される。
【0209】
係数Wiは、複数の関数によって算出されてもよい。
【0210】
優先的に、係数Wiは、Wi=(di−dinf)/[min(d1 to dp)−dinf]である。式中、diはセンサーiについて算出された距離である。dinfは無限距離(例えば、20mm)、すなわち、シートが空席であると推定されるときを意味する。min(d1 to dp)は、p個のセンサー100S1、100S2、100S5及び100S6すべてについて、算出された最小距離である。
【0211】
係数Wiの算出後に、工程210において、各センサーについて算出された各表面Siと、対応するWi係数、及び、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6についてのWi係数とを、掛ける。このような重み付け工程210によれば、乗員の輪郭が考慮され、乗員の一貫した形態表面が得られる。
【0212】
例えば、このような重み付け工程210によれば、図35に示されるように、シートに標準的中央位置に着座している乗員の2つのプロファイルを区別することができる。2つのプロファイルは、一方は狭いプロファイルであり、他方は広いプロファイルである。このような重み付け工程210を実行しなければ、2つの乗員プロファイルについて得られたSi値は、形態を決定する際に、同様の問題点が生じることになるであろう。
【0213】
Wi値は図33の左側に示されている。Wiは最小距離diで最大になる。測定されたdiがdinfよりも大きいときには、di=dinfとすることに注意を要する。
【0214】
この重み付け工程210の後であって、工程240で単純な表面全てを計測する前に、発明者は、一致しないプロファイルを無視する工程220を実施することを提案する。確かに、発明者は、一致しないプロファイルがいくつかの特別な状態によって生じる可能性があることを見出した。
【0215】
一致しない特別なプロファイルとしては、例えば、シートの中央にきちんと着座し、ボルスタに手を置いた子供の場合が挙げられる。もちろん、この場合には、センサー100が子供の幅よりも広い幅を検出し、その結果、誤判別(子供が大人として検出される)を引き起こす可能性があるから、間違いが生じることがある。
【0216】
優先的に、工程220は、第1に「中心検出」工程を含んでいる。この中心検出工程の目的は、全体的に被覆されたと思われるセンサー100に対応する情報のみを保持することにある。確かに、実際のところ、多くの乗員は適性ではない位置に着座するから、これはほとんど達成さることはない。
【0217】
例えばα=0.25であるときに、表面Siが1−α=<Si=<1+αとして定義される範囲内にある場合に、中心検出工程によれば、優先的に、センサー100が全体的に被覆されている(中心位置にある)と、判断することができる。閾値αは、必要に応じて、修正されてもよい。
【0218】
その結果、センサーから発せられる情報は、Si<1−α又はSi>1+αの場合には、保持されない。
【0219】
第2に、一致分析工程220は、1つのセンサーから他のセンサーまでの傾きの連続性を理解するために第2の変数βを考慮して、優先的に、2つの隣接するセンサーの表面SiとSi+1とを区別(大きいか小さいか)する工程を含んでいる。このことは、かりに、表面SiがSi<S(i+1)+β又はSi>S(i+1)−βに従って変動すると、変化が生じ、その変化の傾きが算出され、その傾きが一致分析用の各閾値と比較されることを、意味している。例えば、β=0.125である。
【0220】
バランス係数Wiをすべての表面Siにかけること(Si*Wi)、及び、前述の表面許容誤差を管理することによれば、異常性を検知し、誤判別を避けるために、プロファイルの整合性を確認することができる。
【0221】
これらの処理の後、Wi、α及びβによる単純な表面Siすべてについて、いくつかの非典型的な場合は、工程220によって、無視されてもよい。
【0222】
例えば、図36には、センサー100S4とセンサー100S5との間に下向きの傾きを生じさせる、ボルスタに手を置いている子供の非典型的な状態が示されている。
【0223】
このようなプロファイルは、図35の様に、連続的ではない。このプロファイルは、左手をボルスタに置いてシートの中心に着座した子供の典型的なものであり、工程220で無視されるべきである。
【0224】
その他の不一致状態は、図37に示されている。この図37には、「ホール」(dinf(例えば、非限定的な、20mmよりも大きな距離)よりも大きい検出距離を意味する。)の検出が示されている。ホールをこのように検出する場合には、次に隣接するセンサー又は画素は分類用として使用されない。例えば、ホールがセンサー100S2とセンサー100S6との間で検出された場合には、センサー100S1と100S2のみが分類に使用される。このような操作はセンサー100S6についてSiを強引に0にするのに等しい。したがって、反対の例として、ホールがセンサー100S1とセンサー100S5との間で検出された場合には、センサー100S5と100S6のみが分類に使用される。このような操作はセンサー100S1についてSiを強引に0にするのに等しい。
【0225】
センサーが被覆されているか否か、その結果、ホールが存在しているか否かを決定するための基準αは、あるシステムから他のシステムに変更することができる。
【0226】
図37における最初の2行は、完全に被覆されていないセンサーにホールが対応している状態を示している。
【0227】
図37における最後の2行は、ホールがたった1/2画素、すなわち、1/4が被覆されていないセンサーに対応している状態を示している。この最後の状態は、符号230、232、234及び236で参照される、図33に示された工程によって実行されてもよい。図16において、センサー100S2が3/4以下の被覆量として測定された場合に、センサー100S1のSiは強引に0にされ、また、センサー100S5が3/4以下の被覆量として測定された場合に、センサー100S6のSiは強引に0にされる。
【0228】
一致しないプロファイルの分析中、システムは、優先的に、中心センサー100S1、100S2、100S5及び100S6について、隣接する2つの画素間の傾き変化のサインを検討する。一致しないプロファイルの例として、図21及び図22が挙げられる。図38及び図39には、隣接する2つの画素間の傾きが変化している例外的なサインが示されている。
【0229】
Wi係数による単純な表面Siすべての正常化が終了した後に、「ホール」検出が可能な場合及びそれらの処理のすべて、つまり、隣接する2つのセンサー間における、すべての異常な傾きの変化が(前述した変数α及びβの処理と併せて)、考慮される。
【0230】
このような処理用の「真偽表」の一例は、図40に示されている。
【0231】
この表には32通りの状態が示されている。「左側」の表は左側のセンサー100S1及び100S2に関する。「右側」の表は右側のセンサー100S6及び100S5に関する。図40において、各センサーの状態は、「無反応」状態をE、左側被覆状態をL、中心(完全な被覆)状態をC、及び、右側被覆状態をRとして、表されている。
【0232】
図40において、
・第1行目は、無反応と検出された、隣接する2つのセンサー100S1及び100S2、又は、100S5及び100S6の場合に対応する。この場合には考慮されない。
・第2行目は、外側センサー100S1又は100S6が無反応である場合に対応するが、隣のセンサー100S2及び100S5の隣接する部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、間違いであるとみなされ、考慮されない。
・第3行目及び第4行目は、外側センサー100S1又は100S6は無反応であるが、隣のセンサー100S2及び100S5は完全に被覆されているか前記外側センサーの反対側が被覆されている場合に対応する。この場合には、センサー100S2及び/又はセンサー100S5から得られたSi値は保持される。
【0233】
・第5行目は、外側センサー100S1又は100S6がその外側部分のみが被覆されているが、隣のセンサー100S2又は100S5は無反応である場合に対応する。これは保持されないホール検出である。
・第6行目は、外側センサー100S1又は100S6、及び、その隣の100S2又は100S5が共にその外側部分のみ被覆されている場合に対応する。このような場合も、間違いであるとみなされ、考慮されない。
・第7行目は、外側センサー100S1又は100S6はその外側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は完全に被覆されている場合に対応する。この場合には、センサー100S2及び/又はセンサー100S5から得られたSi値は保持される。
・第8行目は、外側センサー100S1又は100S6はその外側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5はその反対側部分が被覆されている場合に対応する。この場合には、センサー100S2及び/又はセンサー100S5から得られたSi値は保持される。
【0234】
・第9行目は、外側センサー100S1又は100S6は完全に被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は無反応である場合に対応する。これは保持されないホール検出である。
・第10行目は、外側センサー100S1又は100S6は完全に被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は前記外側センサーに隣接する部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、これらのセンサーの組(100S1及び100S2、又は、100S5及び100S6)から得られるシグナルの加算は、反対側の内側センサー(すなわち、各100S5及び100S2)が無反応である場合にのみ処理される。
・第11行目は、センサー100S1及び100S6、又は、100S2及び100S5が共に完全に被覆されている場合に対応する。この場合には、シグナルは加算される。
・第12行目は、外側センサー100S1又は100S6は完全に被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は前記外側センサーの反対側の部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、内側センサー100S5及び/又は100S2から発せられたシグナルは保持されるが、外側センサー100S1及び/又は100S6から発せられたシグナルは、S1<S2+β 又は、S6>S5−βのときのみ、保持される。
【0235】
・第13行目は、外側センサー100S1又は100S6はその内側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は無反応である場合に対応する。これは保持されないホール検出である。
・第14行目は、外側センサー100S1又は100S6はその内側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は前記外側センサーに隣接する部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、これらのセンサーの組(100S1及び100S2、又は、100S5又は100S6)から得られるシグナルの加算は、反対側の内側センサー(すなわち、各100S5及び100S2)が無反応であるときのみ処理される。そうでなければ、シグナルは無視される。
・第15行目は、外側センサー100S1又は100S6はその内側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は完全に被覆されている場合に対応する。この場合には、シグナルは加算される。
・第16行目は、外側センサー100S1又は100S6に加えて、隣のセンサー100S2又は100S5も内側部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、内側センサー100S5及び/又は100S2から発せられたシグナルは保持されるが、外側センサー100S1及び/又は100S6から発せられたシグナルは、S1<S2+β 又は、S6>S5−βのときのみ、保持される。
【0236】
区別の特質に関する情報を得るために、優先的に、関連する「信頼性テスト」が工程240の前に実施される。
【0237】
信頼性テストは、距離検出に優先的に基づいており、次のようにして算出されることもできる。
・空席の場合の信頼率:c=1−(着座シート数/センサーの合計数)
・区別ができない場合(小さなセンサー100S1、100S2、100S3及び100S4がすべて無反応)の信頼率:c=0
・その他の場合(着座シート)の信頼率は距離変数に基づく:c=1−(Δd/dinf)
・0<c<1の信頼性を得るために:Δd>dinfの場合には、Δd=dinf
・後方位置に対して:Δd=|min(d1,d2,d5,d6)−d4|
・前方位置に対して:Δd=|min(d1,d2,d5,d6)−d3|
・左側位置決めに対して:Δd=|min(d1,d2)−d5(又は場合によりd6)|
・右側位置決めに対して:Δd=|min(d5,d6)−d2(又は場合によりd1)|
【0238】
もちろん、一致しないプロファイル、ホール、不一致傾き等の例外が検出されるとすぐに、このテストの信頼性は低下する。
【0239】
これらの種々の処理の後に、乗員の区別が決定されてもよい。
【0240】
優先的に、この区別は、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6の中央鎖における表面Si(画素数又は所望の解決策に基づく半分の画素)の数を算出することによって、実施される。
【0241】
換言すると、区別は下記式で表される。
【0242】
【数8】
【0243】
腰幅対形態クラスに関係する統計に基づく分布を考慮した後、種々の閾値が全クラスに対する画素数として表示される。
【0244】
典型的には、FMVSS 208 規則が図41に示されている。
【0245】
乗員標本の記録に対するデータベースが図42に示されている。
【0246】
このデータベースで得られた結果が図43に示されている。
【0247】
これらの結果を分析すると、閾値によって、子供用のΣSi*Wi値は大人用のΣSi*Wi値から切り離されていることが実証される。図43に示されているように、この典型的な閾値は約1.35である。
【0248】
クラス分離用の閾値配置を図44で提案した。図44に示されたこのような閾値は、もちろん、非限定的な例である。
【0249】
要約すると、図33に示された方法は、
・各センサー100についてのdi及びSiの算出200と、
・各センサー100についてのWiの算出210と、
・一致しないプロファイルの処理220と、
・下記式の計算及び関連する信頼性テストによる乗員の区別240との工程を含んでいる。
【0250】
【数9】
【0251】
もちろん、この発明は、図のみに示された前記説明に限定されるものではない。この発明は、添付の特許請求の範囲に基づくいかなる変形例をも包含する。
【0252】
図45及び図46には、センサーの埋設変形例が示されている。より詳細には、図45及び図46には、図2及び図32の対応するセンサーと同様に、背もたれの近傍のシート差込物に配置された、4つのセンサー100S1、100S2、100S5及び100S6の配線、並びに、前部近傍であって各ボルスタ近傍の、前記シート差込物に配置された、2つの追加の短いセンサー100S7及び100S8が示されている。
【0253】
図47は、センサーの別の埋設変形例が示されている。この変形例において、図2及び図32に示され、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6に平行なセンサー100S3及び100S4は、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6を横断するセンサー100S9及び100S10に、置き換えられている。
【図面の簡単な説明】
【0254】
【図1】図1は、この発明に係る容量センサーの非限定的な態様を示す図である。
【図2】図2は、この発明に係る実施形態に一致する、6個の容量センサーのシートへの埋設形態を示す概略図である。
【図3】図3は、この発明に係る非限定的な実施形態に一致し、それぞれ2つの画素を有する、6個の容量センサーのより正確な埋設形態を示す図である。
【図4】図4は、現実的なプロファイルと非現実的なプロファイルとの一例を示す図である。
【図5】図5は、数学的参照関数としてのつり鐘型関数の一例を示す図である。
【図6】図6は、標準的な体格をした子供のプロファイルに一致する測定結果を示す図である。
【図7】図7は、標準的な体格をした大人のプロファイルに一致する測定結果を示す図である。
【図8】図8は、標準的な大柄の体格をした大人のプロファイルに一致する測定結果を示す図である。
【図9】図9は、つり鐘型関数を必要とする比較工程によって得られる変数で分類される形態分類表を示す図である。
【図10】図10は、この発明に係る処理の高い信頼性を示すために、選択された間違い入力を実行した標準的な体格をした子供のプロファイルを示す図である。
【図11】図11は、つり鐘型関数を実行するこの発明に係る形態分類の結果を示す図である。
【図12】図12は、対応するエラー分布を示す図である。
【図13】図13は、この発明に係る三次元メッシュイメージの構築を示す概略図である。
【図14】図14は、2つの画素センサー間における直線的な挿入を示す図である。
【図15】図15は、標準的な三次元イメージを示す図である。
【図16】図16は、測定された三次元プロファイルとテンプレートにおける最大境界値及び最小境界値とを示す図である。
【図17】図17は、測定された三次元プロファイルと三次元レファレンスとを示す図である。
【図18】図18は、0〜36Kgテンプレートに「テンプレート方法」を適用した結果を示す図である。
【図19】図19は、この発明に係る、測定されたプロファイルを対応する体重クラスに分類した結果を示す図である。
【0255】
【図20】図20は、この発明に係る検出実施の初期工程において、前記容量センサーの電極にかける電位の例を示す図である。
【図21】図21は、この発明におけるセンサーシステムにおいて作用する容量分それぞれを概略的に示す図である。
【図22】図22は、この発明における準備部分において、センサーに対する参照標的物の段階的な移動を示す図である。
【図23】図23は、この発明において、センサーから発信された電気出力の相対的な漸進的変化を概略的に示す図であって、温度及び湿度を表す変数を測定するのに使用される図である。より正確には、図23aは曲線CU1=f(C1)を示す図であり、図23bは曲線CU2=f(C2)を示す図である。
【図24】図24は、この発明において、センサーから発信された他の電気出力の相対的な漸進的変化を概略的に示す図であって、センサーから標的物が離れている距離及び/又は前記標的物によって覆われたセンサーの表面量を測定するのに使用される図である。
【図25】図25は、温度変数及び湿度変数を考慮した参照表の構成を示す図であり、より正確には、図25aは曲線CU=f(C)を示す図であり、図25bは曲線の始点を定義する図であり、図25cは対応する参照表を示す図である。
【図26】図26は、センサーから発信された電気出力の相対的な漸進的変化がセンサーにおける参照標的物の相対的な位置に依存することを示す図であり、より正確には、図26aは曲線CU2=f(CU1)を示す図であり、図26bはセンサーに対する参照標的物の相対的な移動の順序を示す図である。
【図27】図27は、温度変数及び湿度変数に関する、曲線反応の初期オフセットを決定する参照表の構成を示す図であり、より正確には、図27aは曲線CU2=f(CU1)のいくつかの点を示す図であり、図27bは対応する参照表を示す図である。
【図28】図28は、容量センサーから発信された出力の組み合せに基づいて、センサーから標的物が離れている距離を測定することを示す図である。
【図29】図29は、この発明に係る完全な検出方法を概略的に示す図である。
【図30】図30は、標的物によって覆われたセンサーの表面量を測定することにおける、この発明の実績を示す図である。
【図31】図31は、センサーから標的物が離れている距離を測定することにおける、この発明の実績を示す図である。
【図32】図32は、対応するセンサーの配列を示す概略図である。
【図33】図33は、この発明に係る方法における、主要工程を示す概略図である。
【図34】図34は、あるセンサーから他のセンサーまでの測定された距離の評価を示す概略図である。
【図35】図35は、自動車シートに着座した乗員の着座位置の変化2種を示す概略図である。
【図36】図36は、曲線において、不一致に基づく部分的に不適切な出力の例を示す図である。
【図37】図37は、不一致に対する、部分的に不適切な出力の4種の例を示す図である。
【図38】図38は、部分的に不適切な出力の別の例を示す概略図である。
【図39】図39は、部分的に不適切な出力のまた別の例を示す概略図である。
【図40】図40は、一致分析の例が記載された表を示す図である。
【図41】図41は、好適な規則を示す図である。
【図42】図42は、対応するサンプルベースを示す図である。
【図43】図43は、この発明に係る方法によって得られたデータベースを示す図である。
【図44】図44は、このデータベースに適用される閾値の例を示す図である。
【図45】図45は、この発明に一致する、第2の容量センサー埋設変形例を示す図である。
【図46】図46は、シートに埋設されたセンサーの同じ変形例を示す図である。
【図47】図47は、この発明に一致する、別の容量センサー埋設変形例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
この発明は、センサーの技術分野に関する。
【0002】
より正確には、この発明は、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態(モルファラジー)を識別する改善されたシステム及び方法に関する。
【0003】
この発明における非限定的な実施態様は、自動車におけるエアバッグの起動を制御することに関する。
【背景技術及び発明の開示】
【0004】
ここ1年、自動車分野におけるエアバッグは、衝突した場合に、加速度計を用いて、起動されていた。この基本的な起動システムは、乗員の形態(子供、小柄な大人、中肉中背の大人及び大柄な大人)を考慮していなかった。
【0005】
一般的に知られているエアバッグは、空席であっても、又は、乗員が「CRS」(チャイルドシート)に固定されていない乳幼児であっても、起動していた。乳幼児の場合は、特に深刻であり、多数の死因となる。
【0006】
これらの理由のために、これ以降、いくつかの車両には、シートにCRSが取り付けられている場合に、エアバッグの起動を規制するスイッチが備えられている。このスイッチは、エアバッグ装置の起動可能状態、すなわち、「起動可能」状態又は「起動規制」状態を表す、ダッシュボード上の光指示器に接続されている。
【0007】
2003年以来、米国(FMVSS 208 規則)では、世界的生産量の少なくとも1/3の自動車に「OCS」(乗員分類装置)と称される乗員検出装置を装着することを自動車製造会社に課すほとんどの規制規則が実施された。
【0008】
エアバッグが次の状態には起動されてならないことに注目される。
・シートが空席であるとき
・シートに取り付けられたCRSに乳幼児が固定されているとき
・6歳未満の子供(体重26kg未満)がシートに着座しているとき
【0009】
世界中での事業制限を課すことになるであろう規則は、自主的に、エアバッグの高性能な起動を規定している。エアバッグの高性能な起動は、すなわち、空席のシート、乳幼児が固定されたCRSが取り付けられているシート、6歳未満の子供(体重26kg未満)が着座したシートに対しては、エアバッグを起動させないことであり、一方、次の場合には、着座した人の形態に応じてエアバッグの膨張力を監視することである。
・小柄な大人に関係する5パーセンタイルクラス(46−53kg、1.4−1.65m)
・50パーセンタイルクラス(68−73kg、1.70−1.8m)
・95パーセンタイルクラス(94−98kg、1.83−1.93m)
【0010】
しかし、現在のところ、これを完全に満足できる解決策を提供するシステムも方法もない。
【0011】
出願人は、2005年7月28日に、フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)をした。この出願には、標的物(ターゲット)によって覆われているか否かにかかわらず検出可能な容量センサーの技術的構造(ストラクチャ)が開示されている。
【0012】
また、出願人は、2006年5月17日に、欧州特許出願(出願番号EP06290806.6号)をした。この出願には、標的物によって覆われた容量センサーの表面量と、前記標的物及び前記容量センサーが離れている距離とを決定する工程を含む方法が開示されている。さらに、出願人は、2006年5月17日に、欧州特許出願(出願番号EP06290807.4号)をした。この出願には、容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態を決定する工程を含む方法が開示されている。これらの方法は、温度及び湿度が通常の範囲にある場合には、その結果には非常に満足できる。
【0013】
しかし、実際には、いくつかの制約があり、乗員を識別する際に、支障を来たすことがある。
【0014】
制限的ではないが、このような制約はシート上の湿った障害物が原因である。このような制約は、例えば、湿ったレインコートを纏ってシートに着座した乗員(大人又は子供)、ビーチから戻ってきてシートに湿ったタオルを置いて着座した乗員、飲料をこぼしてシートの一部が湿った場合、又は、窓ガラスを完全に閉めなかったためにシートが雨で濡れた場合が原因となる。
【0015】
その他の制約は、シートに着座した乗員が原因となるのではなく、例えば、シートに置かれた、金属物、スーツケース、水ボトル一箱等が原因となる。
【0016】
この発明の目的は、シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態をより信頼性高く識別することを可能にする手段を提案することに、ある。
【0017】
この発明の目的は、次の工程を含む方法であるこの発明によって、達成される。次の工程は、シートの横断面に実質的に及んで複数の容量センサー一式を内蔵する工程と、シートに内蔵された複数の前記容量センサーから発せられる出力を収集する工程と、前記シートに対向する標的物の形態を、前記出力から測定される、前記標的物及び前記容量センサーが離れている距離、並びに、前記標的物によって覆われた前記センサーの表面量に基づいて、決定する工程と、決定された前記形態を複数のレファレンス形態から分類するために、決定された前記形態と少なくとも1つのレファレンス形態とを比較する工程である。
【0018】
この発明における別の優先的な特徴によれば、この発明に係る方法における前記比較工程は、レファレンス形態を示す数学関数を有している。
【0019】
この発明における別の優先的な特徴によれば、この発明に係る方法における前記比較工程は、レファレンス形態を示す三次元レファレンスイメージを有している。
【0020】
この発明は、また、前記方法を実行するシステム、及び、このようなシステムを含有する自動車用シートに関連する。
【0021】
この発明におけるその他の技術的特徴、目的及び利点は、添付の図面を参照して、以下の説明によって、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
前述したように、この発明によれば、シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態をより信頼性高く識別する方法が、提案される。この発明によれば、このような形態識別機能でエアバッグの起動を制御することができる。
【0023】
より詳細には、前述したように、この発明によれば、シートの横断面に実質的に及んで複数の容量センサー100一式を内蔵する工程と、シートに内蔵された複数の容量センサー100から発せられる出力を収集する工程と、シートに対向する標的物10の形態を、前記出力から測定される、標的物10及び容量センサー100が離れている距離、並びに、標的物10によって覆われたセンサー100の表面量に基づいて、決定する工程と、決定された形態を複数のレファレンス形態から分類するために、決定された形態と少なくとも1つのレファレンス形態とを比較する工程とを含む方法が、提案される。
【0024】
この発明における容量センサー100の一例、及び、シートに内蔵されたこのような容量センサー100一式の一例が、図1及び図2に示されている。図1に示されるような容量センサー100、及び、図2に示される、シートへのセンサー100の内蔵は、以下の明細書において、より詳細に説明されている。
【0025】
より詳細には、この発明によれば、シートに内蔵された複数の容量センサー100からの出力を収集する工程と、各容量センサー100に対して、前記センサー100から標的物10が離れている距離を示す第1の値di、及び、標的物10によって覆われたセンサー100の表面を示す第2の値Sdiを決定する工程と、標的物10によって覆われたセンサー100の表面を示す第2の値Sdiに、センサー100から標的物10が離れている距離を示しかつ対応する第1の値diに基づいた各重み付けを、適用する工程と、重み付けされた第2の値Sdi×Wiを収集して標的物10の形態を決定する工程を優先的に含む方法が、提案される。
【0026】
各センサー100と標的物10との距離di及び各センサー100を覆っている標的物10の表面Sdiは、有効な手段であればいかなる手段によっても得ることができる。
【0027】
この発明によれば、各センサー100が覆っている標的物10の表面Sdiと共に、各センサー100と標的物10との距離diは、優先的に、温度及び湿度環境によって生じるドリフトを補償する手段を含む方法で、得ることができる。実際には、発明者は、一般に、容量測定は温度及び湿度環境に非常に敏感であることを、見出した。
【0028】
以下に、A)シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態を識別する、この発明に係る方法をまず説明し、次いで、b)距離diと表面Sdiとを得るための、優先的かつ非限定的な方法を説明し、最後に、C)この距離diと表面Sdiとに基づいて乗員の形態を決定する、優先的かつ非限定的な方法を説明する。
【0029】
A.シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態識別
【0030】
この発明に係る方法によれば、シート上に湿った障害物が存在する場合等の厳しい制約があっても、いくつかの容量センサーを内蔵した自動車シートに着座した乗員の形態を、直接的に、識別することができる。
【0031】
この方法によれば、例えば、「シートに置かれた湿った障害物の上に子供が着座した場合」の問題点を解決することができる。換言すれば、この発明に係る方法によれば、湿ったタオルがシート上に存在していても、このシートに着座した乗員の分類を正確に認識することができる。
【0032】
前記欧州特許出願(出願番号EP06290806.6号及び出願番号EP06290807.4号)に開示された表面−距離決定方法を実施する際に未解決であった問題の一つは、湿った障害物による問題である。実際には、シート上に湿った障害物があると、前記表面−距離決定方法によって得られる結果は間違ったものとなる。この問題を解決するため、表面−距離決定方法を実行する新たな方法を開拓した。この方法を以下に説明する。
【0033】
次の3点を考慮すると、横方向における乗員の臀部プロファイルの測定結果が得られる。
・図2及び図3に示されるように、シートの横断面に実質的に及ぶプローブ100の位置(このプローブの位置については、以下により詳細に説明する。)
・2つの画素110S1及び120S1、110S2及び120S2、110S3及び120S3、110S4及び120S4、110S5及び120S5、並びに、110S6及び120S6をそれぞれ含む各プローブ100(前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)に非限定的な例として開示されている。)
・図20に示される直流電位をかけ、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)及び前記欧州特許出願(出願番号EP06290806.6号)に記載の処理によって、得られる各センサー100における種々の応答(これらについては、以下により詳細に説明する。)
【0034】
乗員はいかなる体形にもなることができないので、距離又は湿った障害物で臀部プロファイルの測定が混乱しても、正確な乗員の臀部プロファイルを認識することができる。さらに、臀部プロファイルは乗員の形態に関連するので、臀部プロファイルから乗員の形態を予測することができるであろう。
【0035】
まず初めに、プロファイルの非現実的な測定結果が拒否される。図4には、引き続き処理が続行されるプロファイルの現実的な測定結果の一例、及び、拒否されるべきプロファイルの非現実的な測定結果の一例が示されている。もちろん、ホールが含まれているプロファイルの測定結果は非現実的であり、拒否される必要がある。
【0036】
ここで、プロファイルの現実的な測定結果はレファレンスに対応する所定の体形(shape)に一致すると、仮定することができる。
【0037】
また、測定された形態に対応する決定されたプロファイル測定結果と、このようなレファレンスとを比較すると、決定された形態を分類することができる。
【0038】
レファレンスは、この発明に従って膨大な態様に対応している。
【0039】
この発明に係る非限定的な例によれば、レファレンスは数学関数S(p)(ここに、pはピクセルインデックスである。)である。
【0040】
レファレンスの形状がこのような数学関数によって選択されると、レファレンスの形状(shape)をプロファイルの測定結果に一致させることによって、プロファイルの測定結果がこのレファレンスの形状に一致する可能性があるか否かを評価することができる。この評価は、例えば、プロファイルの測定結果がこのレファレンスの形状に一致する可能性があるかないかを識別する誤差(間違い)基準(通常は平均二乗基準)を算出することによって、達成される。
【0041】
このような可能性試験(ライクリネス テスト)に加えて、変数値を考慮することによって、測定された形状又はプロファイルを数値化することができる。換言すると、乗員の形態に相関関係を有するプロファイルの測定結果を得ることができる。
【0042】
この発明において、1つの特別な数学関数が考慮される。この数学関数は、乗員の臀部プロファイルに一致する可能性のある形状と共にその特性に基づいて、選択される。
【0043】
考慮される数学関数は、2次又はそれ以上の次数を持つ「つり鐘型関数(ベルライク関数)」(式(1))である。
【0044】
n次のつり鐘型関数として、2次のつり鐘型関数及び4次のつり鐘型関数が図5に示されている。このつり鐘型関数は、下記式(1)で示される。
【0045】
【数1】
【0046】
式(1)において、aはベル関数の変曲に依存し、bはSの最大値であり、mはS(p)が最大となるときのインデックス値pである。
【0047】
もちろん、前記つり鐘型関数S(p)の他に、非限定的な例としてガウス関数等の、その他の、前記つり鐘型関数に等価な関数が用いられてもよい。
【0048】
このつり鐘型関数は、図5に示されるように、その両端部がシャープになっている。つり鐘型関数の両端部がシャープであることは興味深い。その理由は、形態識別に使用される変曲(変数「a」)が両端部のシャープさに依存するからである。加えて、次数が高くなると、つり鐘型関数には、その最大値近傍に興味深い平坦な部分が現れる(図5参照。)。
【0049】
式(1)を考慮すると、変数「m」が前記関数の中心を決定するので、変数「m」は平均値をとることで決定される。
【0050】
変数「b」は、同様に、測定されたプロファイルから容易に推定される。
【0051】
変数bは関数がとりうる最大値であるから、例えば、bとして、b=max(P(round(m)−1),P(round(m)),P(round(m)+1)を使用することができる。その目的は、プロファイルの最大値が必ずしも中間画素(例えば、0〜8で参照される高さ画素を埋め込んで測定する場合における画素番号4の画素)と一致する必要がないことを考慮に入れるためである。
【0052】
変数「a」は、測定されたプロファイルからそう簡単に推定されることはない。
【0053】
変数が一致するものは1つしかないから、それは誤差最小化アルゴリズムによって、算出することができる。
【0054】
この算出を実施するために、変数「a」を推定するための次の処理を行うことができる。
【0055】
測定されたプロファイルにおける表面Sは、式(2)で表される量である。
【0056】
【数2】
【0057】
つり鐘型関数における表面Sbは、式(3)で表される量である。
【0058】
【数3】
【0059】
式(2)と式(3)とを等しくすること、すなわち、S=Sbによって、変数「a」が得られる。Sb用の参照表を用いれば、これらの式を容易に等しくすることができる。この方法には、集束するという問題がない。
【0060】
つり鐘型関数(2次)は、記録されたシートデータベースから選択された測定結果に適用される。ここで再び、選択された測定結果は標準的な体格をした子供のプロファイル(図6参照)、標準的な体格をした大人のプロファイル(図7参照)及び大柄な大人のプロファイル(図8参照)に一致する。
【0061】
図6〜8の3図によれば、これらが正確に一致していることがわかる。すべての場合において、平均二乗誤差は4%未満である。さらに、図9に示された表に記載された変数「a」によって、距離にかかわらず、乗員の形態が分類されることができる。
【0062】
実際には、子供用の変数「a」は3以下であり、大柄な大人用の変数「a」は20を超える。標準的な体格をした大人用の変数「a」は3〜20の間にある(約5)。
【0063】
ロバスト性、すなわち、この発明にかかる前記方法における、「不適当なプロファイル」に対する抵抗力は、図10に示されるように、プロファイル中に間違いポイントを入れることによって、検証されている。より詳細には、図10には、手をボルスタにおいた状態をシミュレートした間違いを有する、標準的な体格をした子供のプロファイルが示されている。
【0064】
この状態において分類は誤りである。この子供は大人として分類される可能性がある。この例によれば、可能性試験における間違いをよく吟味することが重要であることがわかる。実際には、プロファイルの測定結果は現実的ではないから、この場合における間違いは、前述の適当なプロファイルに比して非常に大きな30%以上となる。この間違いによって、分類されない、間違いであるプロファイルの測定結果が拒否される。
【0065】
先に述べたつり鐘型関数を用いる方法を、その性能を評価するために、シートに記録されたデータベースに適用した。その結果を図11に、また、対応するエラー分布を図12に示す。大部分のエラーは6%以下に集中していることが理解できる。これが水準であり、この水準は、図11において、点(ポイント)を拒否するのに使用される。この図において、拒否された点を円で囲んだ。したがって、拒否されたプロファイルを考慮することのみによって、正確な分類を実施することができる。この分類は、子供を小柄な大人ともまた大柄な大人とも分類することができるので、正確である。すべての乗員は、同様に、70kg以上に分類される。
【0066】
この発明の実施には、前述したように、形態レファレンスを表す数学関数を必要とする比較工程が行われる。
【0067】
この発明における優先的な他の実施には、比較工程は、形態レファレンスを表す三次元レファレンスイメージを必要とする。
【0068】
実際には、改善された結果を得る目的で、発明者らは、イメージテンプレートを実行することをさらに提案する。このイメージテンプレート実行は、シートプローブ100をすべて用いた迫真性構想又は可能性構想に適用される。
【0069】
プローブ100すべてを使用することによって、測定結果から得られる情報が失われることはない。
【0070】
三次元(上下左右)で機能する迫真性関数を見出すことは、2次元(プロファイル)で機能する関数を見出すことよりもはるかに困難であるから、発明者らは、次の処理を実行することを提案する。
【0071】
x.y(例えば、10×11)にメッシュ(分割)する方法は、プロファイルを作成するのに使用される。メッシュ工程は、選択的に、図13に示されるプローブの実際の配置に従って選択される。
【0072】
乗員プロファイルのイメージは、センサーから発せられる出力を次のように内挿することによって、認識される。
【0073】
プローブが存在しない場合のメッシュ工程においては、画素値は最も近いプローブから挿入される。例えば、図13におけるピクセル{2,10}(地平座標,鉛直座標)は、調整(測定)されたピクセル110S4と120S1との平均値を算出することによって、得られる。例えば、ピクセル{3,3}、{3,4}及び{3,5}等のように、1つ以上のピクセルを実際のピクセル間に挿入する場合には、中間ピクセル値が、調整されたピクセル110S2及び110S3間に、図14に示されるように、それらピクセルが離れている距離全体にわたって、直線的に挿入される。
【0074】
場合によっては、ピクセル{5,8}に関しては、調整されたピクセル(ここでは、ピクセル110S4)と挿入されたピクセル(ここでは、ピクセル{5,7})との間に、このピクセル{5,8}が挿入される。これによって、挿入はより一層現実的となる。
【0075】
最後に、イメージは、プローブが存在し、測定されたピクセル値に調整され、また、残りのピクセル(図13において灰色に塗りつぶされている。)はゼロに設定される。
【0076】
イメージは考慮可能な3部分を有している。
【0077】
まず、イメージは、前記のようにデータが挿入されて、容易に得られる。この方法から標準的なイメージが得られる。
【0078】
第2に、調整された最小のピクセル値を引くことによって、測定力を強調する動態イメージを創造することもまた可能である。この方法から、その動態部分に限定されたイメージが得られる。
【0079】
最後に、プロファイルを0〜100%に標準化することによって、相対的な動態イメージを算出することができる。
【0080】
これらの3イメージのいずれか又は3イメージすべては、簡単な測定によって、算出することができる。必要に応じて、3種類のイメージのうち1種を使用することができる。例えば、動態プロファイルは、乗員のシートに対する距離にほとんど影響されることはないが、出力強度は低下する。3種類のイメージのうち2種又はそれ以上を同様に使用することができる。標準的なプロファイルの例が図15に示されている。
【0081】
図15に示されるような形状が容易に得られる簡単な数学関数はないので、発明者らは、その他の解決方法を提案する。すなわち、他の解決方法は、以下に詳述する、「テンプレート方法」及び「基準面方法」である。
【0082】
両方法について、目的は、まず第1に、プロファイルの測定結果に一致するイメージが適当であるか否かを決定することにあり、そして、第2に、このイメージから乗員形態の測定結果が適当に得られるかどうかを決定することにある。
【0083】
プロファイルの測定結果に一致するイメージが適切であるかどうかを決定するために、測定されたイメージは、一連のレファレンスイメージと比較される。このレファレンスイメージは、種々の形態についての公知の標準的な姿勢における測定結果から得られる。この比較結果が成績不良である場合には、イメージは適切ではなく、拒否される。この比較結果が適正である場合には、比較結果は、レファレンスイメージを作成するのに使用した形態に対応する形態クラスに、測定されたイメージを分類するのに使用される。
【0084】
前記「テンプレート方法」は、各体重クラス(例えば、0〜36Kg、36〜60Kg、60〜80Kg、80〜120Kg、)用に構成され、テンプレートにおける最大境界値及び最小境界値が詳細に規定される。測定されたイメージは、図16に示されるように、テンプレートに含まれるピクセルの合計数(すなわち、テンプレートにおける最大境界値と最小境界値との間に存在するピクセルの合計数)を計算することによって、テンプレートと比較される。テンプレートに含まれるピクセルの合計数は、全ピクセル数に対する百分率として表される。各イメージにおいて、ピクセルの合計数x.y(例えば、10×11)を考慮すると、1つのピクセルは、全テンプレートの約0.9%になる。
【0085】
他の方法は、「基準面」までの距離を算出することにある。この「基準面」は、測定結果が比較される形態についての平均的なイメージである。
【0086】
例えば、「基準面」までの距離は、下記式(4)で、算出される。
【0087】
【数4】
【0088】
式(4)において、PRP(i)は基準面を構成するピクセルであり、PI(i)は測定されたイメージを構成するピクセルであり、Dは基準面までのイメージの距離である。ここに、この距離は、距離の最大値に対する百分率で表される。これによれば、種々の基準面における比較が容易に行われる。この距離が0%である場合には、測定されたイメージを構成するすべてのピクセルが基準面上にあることを意味し、この距離が100%である場合には、測定されたイメージを構成するすべてのピクセルはゼロか最大の測定値となることを意味する。下記式(5)で表される距離Dについて、古典的な標準化バージョン(クラシカル ノルマライズド バージョン)を使用することができることに着目するべきである。
【0089】
【数5】
【0090】
この方法によれば、前述したテンプレート方法よりもより一層速やかに比較工程を行うことができる。
【0091】
イメージ「テンプレート実行」は、「テンプレート方法」又は「基準面方法」をシートに記録されたデータベースに適用することに、ある。
【0092】
図18には、テンプレート方法を0〜36Kgテンプレートに適用して得られた結果が示されている。この結果から子供は0〜36Kgテンプレートに適合していることがわかる。最終実行において、測定結果は、それよりも重いテンプレートから始まるテンプレートと比較される。
【0093】
テンプレートに一致した測定結果は、そのテンプレートに対応する体重クラスに分類される。テンプレートに一致しない測定結果は分類されない。
【0094】
この発明における前記方法に従って得られた結果が図19に示されている。
【0095】
B. 各センサーから標的物が離れている距離di、及び、センサーを覆う標的物の表面Sdiの決定
【0096】
この発明は、容量センサー構造100を使用する。
【0097】
この容量センサー100は、複数の実施形態に基づいていてもよい。
【0098】
選択的に、この発明に係る容量センサー100は、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)に開示された内容と同様に、少なくとも2つの電極110及び120とを有し、これらの電極は、検知区域の相補的な各領域をカバーし、2つの安定した画素センサーを形成している。これらの2つの電極110及び120並びに対応する安定した画素センサーの機能は、以下に、より詳細に説明する。
【0099】
選択的に、この発明の容量センサー100は、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)の一般的な開示と同様に、図1に示されるように、3つの電極110、120及び130を備えている。もちろん、この発明において、容量センサー100は、図1に示される具体的な態様及び形状に限定されることはない。
【0100】
2つの電極110及び120は主電極に相当する。これらの電極は検出区域又は検知区域の相補的な各領域をカバーする。より詳細には、2つの電極110及び120は優先的に直線路に形成されている。2つの主電極110及び120は優先的に整列されている。優先的に、2つの電極110及び120は同じ表面を有している。なお、検出するにあたって、2つの主電極110及び120の各表面における比率を考慮すれば、この発明は、同じ表面を有しない主電極110及び120を用いて、実施されることもできる。
【0101】
第3の補助電極は、前記2つの主電極110及び120がカバーする2つの相補的な各領域の両方を少なくとも実質的にカバーする。より正確には、図1に示されるように、選択的に、第3の補助電極は、前記2つの主電極110及び120を包囲している。
【0102】
この第3の電極は、その中間部で横断接続路132に連結されている。同様に、前記2つの主電極110及び120は、それらの隣接する各端部で、各横断接続路112及び122に連結されている。
【0103】
たった3つの出力端子112、122及び132を有するこのようなセンサー100は、前記電極110、120及び130の接続に依存する容量(キャパシタ バリュー)に対応する、3よりも多数の出力情報を送信することができる。例えば、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)には、同様の電極110、120及び130から8の出力情報が送信されることが開示されている。
【0104】
これらの容量は、いくつかの電極110、120、130の間に電気制御された直流磁界を的確にかけ、次いで、直流磁界を遮断した後に、専用の電極110、120、130に蓄積された電気量を測定し、計算することによって、測定される。
【0105】
これらの電気量は、例えばしかし非限定的に、特許文献(国際公開番号WO−A−00/25098号)に規定された処理手段に従って、電圧に変換されることができる。
【0106】
換言すると、この発明に係る方法は、制御されたエレクトリカルボルテージ(直流電界)を選択された電極に好適にかける電界印加手段と、容量切替えシステムを備えた積算手段と、選択された周波数において下記2工程の順序を周期的にかつ好適に決定する制御手段とを有し、選択された電極110又は120に蓄積された前記電気量を、優先的に、電気出力シグナルに変換する。
・前記電界印加手段は少なくとも1つの電極に接続され、そして、この電極に電界をかけると共にこの電極に電気量を蓄積させる第1の工程、及び、
・前記電界印加手段は選択された電極に接続されず、この選択された電極は前記積算手段の出力端子に接続されて、前記電気量を前記積算手段に送信する第2の工程
【0107】
より正確には、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)では、同様のセンサーから測定の組み合せ8種を使用することが提言されているが、この発明は、優先的に、前記センサーからの測定の組み合せたった4種で実施することができる。実際に、発明者は、センサーの標的物を正確に位置測定するのに、このような4種の組み合せで十分であることを、明らかにした。図2に概略的に示されたこれらの4種の組み合せを以下に記載する。図20において、「Vf」は直流電位に相当し、「G」は地電位に相当する。
【0108】
(1)フェイズC1は次の工程で得られる。
・電極110及び120に「Vf」をかけ、電極130に「G」をかける。
・電極110及び120から「Vf」を除去し、電極130から「G」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極110に捕獲された電気量を計算する。この結果を「C1」という。
【0109】
(2)フェイズCU1は次の工程で得られる。
・電極110、120及び130に「Vf」をかける。
・電極110、120及び130から「Vf」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極110に捕獲された電気量を計算する。この結果を「CU1」という。
【0110】
(3)フェイズC2は次の工程で得られる。
・電極110及び120に「Vf」をかけ、電極130に「G」をかける。
・電極110及び120から「Vf」を除去し、電極130から「G」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極120に捕獲された電気量を計算する。この結果を「C2」という。
【0111】
(4)フェイズCU2は次の工程で得られる。
・電極110、120及び130に「Vf」をかける。
・電極110、120及び130から「Vf」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極120に捕獲された電気量を計算する。この結果を「CU2」という。
【0112】
図20において、太文字は電気量が測定される電極を示す。
【0113】
完全なセンサーシステムは、各容量分の電気的等価な構成の形式で、図21に示されている。図21において、「CBG」はグラウンド(例えば、車体)と標的物10(例えば、車の座席に着座した乗員)との間における容量分に相当する。「C1B」、「C2B」及び「CUB」はそれぞれ、標的物10と、電極110、120及び130との間における容量分に相当する。「C1G」、「C2G」及び「CUG」はそれぞれ、グラウンドと、電極110、120及び130との間における容量分に相当する。「C1U」、「C12」及び「C2U」はそれぞれ、電極110と130との間、電極110と120との間及び電極120と130との間における容量分に相当する。
【0114】
前記4種の組み合せそれぞれは、図21に示されたセンサーシステムを構成する容量分の下記総和として表現されることができる。
(1)C1=C1U+C1B+C1G
(2)CU1=C1B+C1G
(3)C2=C2U+C2B+C2G
(4)CU2=C2B+C2G
【0115】
莫大な研究及び実験によって、発明者は、前記4種の組み合せから発せられるいくつかの関連ある情報を使用し、これらを組み合わせることによって、連続して、
・1 温度及び湿度によって生じるドリフトに関する情報が得られること、
・2 この情報から、データ上のドリフトを補償することができること、及び、
・3 補償されたデータから、信頼性のある基準に基づいて、センサーを覆う標的物の表面と共に、標的物からセンサーが離れている距離を測定することができることを、明らかにした。
【0116】
より正確には、発明者は、表面被覆量、距離、温度及び湿度変化に対するこれら4種の組み合せの挙動を認識するために、それらを特徴付けるための測定を実行する必要があることを、明らかにした。
【0117】
このため、発明者は、センサー100の長さに等しい(すなわち、図22に示されるように、電極130の長さと等しく、2つの電極110及び120の合計長さの等しい)長さを有する導電性参照標的物10を選択した。
【0118】
発明者は、前記参照標的物10をセンサーに対して引き続き段階的にセンサー100の長手方向に平行に移動する。発明者は、この移動用及び表面変化用として、センサー長さの1/4の解像度、及び、m段階、非限定的な例においてm=7を任意に選択した。しかし、もちろん、その他の解像度及び/又は段階数mが選択されてもよい。
【0119】
この移動は、左側から任意に始まり、表面の長さの1/4ずつ追加していく方法によって、連続m段階で、センサー100を覆う。
【0120】
図22において、
・1/4Lは、センサーの長さの1/4が左側で覆われたことを意味する。
・1/2Lは、センサーの長さの1/2が左側で覆われたことを意味する。
・3/4Lは、センサーの長さの3/4が左側で覆われたことを意味する。
・C(「中心」)は、標的物がセンサー100を完全に覆うことを意味する。
・3/4Rは、センサーの長さの3/4が右側で覆われたことを意味する。
・1/2Rは、センサーの長さの1/2が右側で覆われたことを意味する。
・1/4Rは、センサーの長さの1/4が右側で覆われたことを意味する。
【0121】
さらに、この関連する移動におけるm段階の各段階において、発明者は、参照標的物10をセンサー100から次第に、距離Zが0mm(接触状態)から100mm(無限距離に相当)まで、段階的に遠ざける。非限定的な例において任意に、発明者は、センサー100から標的物10を0mmから100mmまでn=38段階で動かした。
【0122】
そして、相対的な表面被覆(m段階)及び距離(n段階)の各段階に対して、発明者は、温度及び湿度を変化させる。発明者は、任意に、温度に関するo=4の種々の値(25℃、40℃、55℃及び70℃)と、湿度に関するp=3の種々の値(RH=50%、70%及び95%)とを組み合わせ、温度と湿度との組み合わせをo.p=4×3=12の組み合わせにした。
【0123】
前記4種の識別されたフェイズ(C1、CU1、C2及びCU2)に対応するすべての応答は、図4に示されたm=7の相対的な位置のそれぞれに対して記録され、n=38の各距離Zのそれぞれに対して記録され、かつ、o×p=12通りの温度と湿度との組み合わせのそれぞれに対して記録される。
【0124】
発明者は、前記4フェイズC1、CU1、C2及びCU2から3通りの代表的な組み合わせが導かれることを、究明した。
・その第1は、CU1=f(C1)である。
・その第2は、CU2=f(C2)である。
・その第3は、CU1=f(CU2)である。
【0125】
CU1=f(C1)(ピクセル1)とCU2=f(C2)(ピクセル2)とを考慮して(図23参照)、発明者は、センサー表面被覆量、距離、温度及び湿度にかかわらず、傾きα1=ΔCU1/ΔC1及びα2=ΔCU2/ΔC2は実質的に一定であることに気がついた。
【0126】
しかし、無限大に近づく距離に対する各曲線CU0の始点は、温度と湿度に追随し、すなわち、これらに依存する。
【0127】
前記4種のフェイズから温度(T℃)と湿度(RH%)との組:(T℃、RH%)=f(CU0)に関する情報が得られるので、発明者らのこの観察結果によって際立った特徴が導かれる。
【0128】
この特徴は、フェイズレシオCU1/C1=(C1B+C1G)/(C1U+C1B+C1G)によって説明することができる可能性がある。
【0129】
電極110と電極130との間に配置された、温度と湿度とに敏感な特定のコンデンサーを表している項C1U(電極支持体の誘電率の温度及び湿度への影響)が分母にさらに含まれている以外は、同じ項が分子と分母とに含まれている。
【0130】
CU2/C2=(C2B+C2G)/(C2U+C2B+C2G)であるから、前記特徴と同じ特徴がピクセル2にも当てはまる。
【0131】
ところで、CU2=f(CU1)(図24参照)を考慮して、発明者らは、以下の点に注目した。
・CU2とCU1とが成す角度αは、距離、温度及び湿度にかかわらず、参照標的物10によって覆われたセンサー100の表面を表す関数(ここで、解像度の段階はセンサー長さの1/4である。)である。
・曲線CU2及びCU1の始点Oは、わずかに温度と湿度とに影響されるが、発明者らはこのようなオフセットがCU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から得られる情報を用いることによって相殺される可能性があることを、究明した。
・図面CU2=f(CU1)における点Pの位置は、標的物10からセンサー100までの距離Zの関数である。
【0132】
CU2/CU1=(C2B+C2G)/(C1B+C1G)であるから、この特徴は、フェイズレシオCU2/CU1によって説明することができる可能性がある。
【0133】
標的物10がセンサー100の正面にない場合(距離=ほぼ無限大)には、同じ項がCU2/CU1の分子と分母とに含まれる。すなわち、C2G#C1G、C1B=C2B=0である。
【0134】
標的物10がセンサー100を部分的にカバーしている場合には、これらのコンデンサーは各画素電極110又は120をカバーする標的物10の表面に依存するから、C1BはC2Bと異なる。これらの2つのコンデンサーはピクセル110及びピクセル120を覆う不均衡な表面を測定する。
【0135】
発明者らは、これらの3つの顕著な特徴によって、
・温度及び湿度によるセンサードリフトを補償することができ、
・センサー100に対面している標的物によって覆われた表面を計算することができ、そして、
・センサー100と標的物との距離を算出することができる
ことを、見出した。
【0136】
より正確には、前記の確立された事実に基づいて、発明者らによって、2つの部分すなわち「準備」部分と「検出」部分とに分割された方法が提案される。これらの2つの部分を以下に詳細に説明する。
【0137】
1.準備部分
この準備部分は、3つの主要工程に分割され、これらの主要工程は、1)温度及び湿度参照表「LookTRH」の創出工程、2)角度(「LookAngle」)及び曲線Cu=f(C)における始点(OCU1、OCU2)(「LookOCU1」及び「LookOCU2」)に対応する3つの参照表の創出工程、及び、3)距離参照表(「Lookabs」)の創出工程である。
【0138】
11−工程1:温度及び湿度参照表「LookTRH」の創出工程
この参照表の目的は、温度及び湿度によるドリフトを補償するために、実際の容量測定と温度変数及び湿度変数とを一致させることにある。
【0139】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図25における工程1として説明される。
【0140】
2つの曲線:CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から、傾き:α1=ΔC1/ΔCU1、及び、α2=ΔC2/ΔCU2が算出される。
【0141】
その後、これらの2つの曲線における横座標との切片B1及びB2が計算される。
【0142】
・式 CU1=α1C1+β1 横座標 B1=β1/α1
・式 CU2=α2C2+β2 横座標 B2=β2/α2
【0143】
算出された2つの横座標の平均B=(B1+B2)/2を求める。
【0144】
次いで、温度と湿度との各o×p組に対して、B=(B1+B2)/2の参照表を図25に示されるように作成する。温度と湿度との組み合わせo×pによって、参照表「LookTRH」はもちろんo×pの入力(インプット)を有している。換言すると、「LookTRH」参照表の形態は、o×pに対して2、すなわち、各o×p入力それぞれに対する出力(アウトプット)Bになっている。
【0145】
もちろん、図25に示される特定の表は、単なる例であり、限定的に考えられるべきではない。
【0146】
12−工程2:角度及びOCU1、OCU2の参照表の創出工程(図8参照)
角度参照表の目的は、複数の温度変数及び湿度変数に対して、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせとセンサーを覆う標的物の表面量とを一致させることにある。
【0147】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図26について説明する。
【0148】
角度参照表「LookAngle」を構築するためには、温度湿度参照表「LookTRH」の温度と湿度との各組に対して、かつ、参照標的物10と図26bに示されたセンサー100との相対的な各m位置に対して、角度Δm=ΔCU2/ΔCU1が図26aに示された曲線CU2=f(CU1)から算出される。図26bには、参照標的物10の長さに対して1/4の長さずつ変化させたm=7の相対的な位置が示されている。温度と湿度との組み合わせo×p及び相対的な位置mによって、角度参照表「LookAngle」は、o×p×mの入力を有している。換言すると、「LookAngle」参照表の形態は、o×p×mに対して2、すなわち、各o×p×m入力それぞれに対する出力Δmになっている。実際には、このような参照表は、例えば、各m入力を有する、単純なo×p参照表に分割されていてもよい。
【0149】
もちろん、この発明においては、この特定の態様に限定されない。
【0150】
次いで、複数の温度変数及び湿度変数に対して、曲線CU1及びCU2における横座標の始点と縦座標の始点とを一致させることを目的として、発明者らは、「LookOCU1」及び「LookOCU2」の2つの参照表を作成することを計画する。
【0151】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図27について説明される。
【0152】
より正確には、発明者らは、a)m=C(T/RHにおける全てのo×p点)に対して直線CU2=f(CU1)を計算し追跡すること、b)T/RHにおける全てのo×p点に対する各mに対して直線を計算し追跡すること、及び、c)傾きCと、T/RHにおける全てのo×p点に対する他の全ての直線mとの交差点を算出することを、計画する。
【0153】
次いで、各T/RHインデックスに対して、曲線CU2=f(CU1)(図27参照)の横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2における点位置平均を、図27bに示されているように、いわゆる「LookOCU1」及び「LookOCU2」の2つの参照表に記録する。
【0154】
温度と湿度との組み合わせo×pによって、参照表「LookOCU1」及び「LookOCU2」はo×pの入力を有している。換言すると、「LookOCU1」及び「LookOCU2」参照表の形態は、o×pに対して2、すなわち、各o×p入力それぞれに対する「始点OCU1又はOCU2の平均値」になっている。
【0155】
13−工程3:距離参照表「Lookabs」の創出工程
この参照表の目的は、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせと容量センサーから標的物が離れている距離とを一致させることにある。
【0156】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図28における工程3として説明される。
【0157】
この工程は、ピタゴラスの定理として知られる定理に基づく計算工程を必要とする。
【0158】
発明者らは、センサー100から標的物10が離れている距離を、特定の横座標始点OCU1(TRH)及び縦座標始点OCU2(TRH)で補正されたCU1値及びCU2値に関与する三角関数に基づいて、計算することを計画する。
【0159】
CU2=f(CU1)並びに前記参照表「LookTRH」、「LookAngle」、「LookOCU1」及び「LookOCU2」を考慮して、各表面位置m(図示された特定の場合にはm=1〜7)、始点OCU1及びOCU2を決定するT/RHの各組み合わせ(前記の場合には12組)、かつ、各距離(特定のかつ非限定的な場合には38通り)それぞれに対して、下記ABS値が算出される。
【0160】
【数6】
【0161】
このABS値は、標的物10とセンサー100との距離に一致する。
【0162】
ABSとして算出された値は、いわゆる「LookAbs」と称される参照表に記録される。
【0163】
温度と湿度との組み合わせo×p、相対的な移動におけるm工程、及び、距離におけるn工程によって、参照表「LookAbs」はo×p×m×nの入力を有している。換言すると、この参照表の形態は、o×p×m×nに対して2、すなわち、各o×p×m×n入力それぞれに対する出力ABSになっている。実際には、このような参照表は、例えば、各m×n入力を有する、単純なo×p参照表に分割されていてもよい。
【0164】
要約すると、準備部分によって、5つの参照表、すなわち、「LookTRH」、「LookAngle」、「LookOCU1」、「LookOCU2」及び「LookAbs」、並びに、2つの特徴的な変数、すなわち、α1及びα2(曲線CU1=f(C1)及び曲線CU2=f(C2)の傾き)が、得られる。
【0165】
これらの5つの参照表及び2つの特徴的な変数α1及びα2によって、センサー100を覆う標的物10の表面、及び、センサー100と標的物10とを離間する距離が、「検出部分」において「リアルタイム」で算出されることができる。
【0166】
2.検出部分
この検出部分は、4つの主要工程に分割され、これらの主要工程は、1)「LookTRH」用のインデックスポインターの算出工程、2)始点OCU1及びOCU2の算出工程、3)位置mの算出工程、及び、表面被覆に関する情報が得られる角度の算出工程、並びに、4)標的物10とセンサー100との距離の算出工程である。
【0167】
21−工程1:「LookTRH」用のインデックスポインターの算出工程
シグナルCU1、C1、CU2及びC2はリアルタイムでセンサー100に捕捉される。
【0168】
次いで、2つの関係式CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)、α1、α2、並びに、横座標の切片から、対応するインデックスポインター(B1+B2)/2が算出される。このインデックスを用いて(直接又は内挿法によって)、T/RH組み合せの情報が参照表「LookTRH」から選択される。
【0169】
22−工程2:始点OCU1及びOCU2の算出工程
前記T/RH組み合せの情報を用いて、曲線CU2=f(C2)における始点OCU1及びOCU2がそれぞれ参照表「LookOCU1」及び「LookOCU2」から(直接又は内挿法によって)選択される。
【0170】
23−工程3:位置mの算出工程、及び、表面被覆が得られる角度の算出工程
傾きa=(CU2−OCU2)/(CU1−OCU1)が計算され、算出された傾き及び前記工程1で得られたT/RH組み合せの情報から、位置を表す値が参照表「LookAngle」から選択される。この値は、センサー100の正面に位置する標的物10、例えば、乗員によって被覆された表面を表す値である。
【0171】
換言すると、各容量センサー100に対して、参照表「LookAngle」から選択された値は、センサー100を覆う乗員等の標的物10における表面Sdiを示す。
【0172】
24−工程4:標的物10とセンサー100との距離の算出工程
値Dは、下記式から算出される。
【0173】
【数7】
【0174】
次いで、この値D、並びに、前記工程1で得られたT/RH組み合せの情報、及び、前記工程3で得られた角度値に基づいて、推定距離が参照表「LookAbs」から(直接又は内挿法によって)選択される。
【0175】
換言すると、各容量センサー100に対して、参照表「LookAbs」から選択された値は、センサー100から標的物10が離れている距離diを示す。
【0176】
要するに、CU1、C1、CU2及びC2のデータ収集から、説明したこの方法によれば、センサー100の正面に位置する標的物10によって被覆された表面Sdi及び前記センサー100からの距離diをそれぞれ計算し、決定することができる。
【0177】
この完全な検出方法が図29に示されている。
【0178】
また、この方法は図33に示された方法における第1工程200でもある。
【0179】
すべての温度及び湿度範囲において表面を変化させて、発明者らがこの方法を実行することによって得られた結果が図30に示されている。図30において、X軸又は横軸は実際の表面に対応し、Y軸は推定表面(算出表面)Sdiに対応している。
【0180】
これらの結果に基づいて、1インチまで算出された距離diが図31に示されている。
【0181】
図30及び図31には、この方法によれば、センサー100から標的物10が離れている距離diとセンサー100を被覆している標的物10の表面Sdiとの確実な決定法が提供されることが、示されている。
【0182】
特に、この方法によれば、温度及び湿度によって生じるドリフトを補償することができる。
【0183】
C. この発明における、自動車シートに着座した人の形態決定
【0184】
乗員を区別するためには、シートにいくつかのセンサー100を的確に設置する必要がある。工業的制限及び価格問題によって、センサーの数は抑えられる。
【0185】
図2及び図32には、この発明における、シート内へのセンサー100の優先的かつ非限定的な埋設状態が示されている。
【0186】
図2及び図32に示されたセンサー100は、シートにおける、水平方向の座席支持部に備え付けられている。もちろん、必要であれば、追加のセンサー100を、シートにおける、背もたれ部分に備え付けてもよい。
【0187】
図2及び図32に示された優先的かつ非限定的な実施形態においては、6個のセンサー100が備え付けられている。優先的に、各センサー100は、前記したように、3個の電極100、120及び130を有し、その結果、各センサー100は、各主電極110及び120から2個の画素を決定する。
【0188】
図2及び図32において、4個の短い(通常約9cmの長さを有する)センサー100S1、100S2、100S5及び100S6と、2個の長い(通常約29cmの長さを有する)センサー100S3及び100S4とは区別されている。
【0189】
センサー100S1及び100S6は、ボルスタと称される、シートの外側側部に備え付けられている。
【0190】
センサー100S2及び100S5は、前記ボルスタに近接したシートの座部に備え付けられている。
【0191】
優先的に、4個のセンサー100S1、100S2、100S3及び100S4はすべて、シートの奥行き方向の略中央部、すなわち、シートの前部及び後部からほぼ同距離の位置に、シートの左側から右側に向かって配列されている。
【0192】
センサー100S3及び100S4は、シートの座面においてセンサー100S2及び100S5の両側それぞれに備え付けられ、センサー100S3はシートの前方に位置し、センサー100S4はシートの後方に位置している。
【0193】
6個の各センサー(100S1〜100S6)に対して、図33に概念的に示される工程200の通り、表面被覆Sdi及び関連する距離diが決定される。
【0194】
図1に示される特別な実施態様のように、各センサー100が主電極110及び120に対応する2個の画素を有しているときは、6個のセンサー100を使用することによって、12個の情報画素(ピクセル)それぞれが得られる。
【0195】
優先的に、この発明に係る方法は、「無反応(エンプティ)」のセンサー、すなわち、その正面に検出すべき標的物がないセンサーに対応する値Sdi及びdiを決定する選別工程を有している。
【0196】
距離閾値は、センサーが無反応であるか否かを判定するのに用いられる。このような距離閾値は、図17において、「dinf」と称される。
【0197】
di>dinfである場合にはセンサー「i」は無反応とされ、di≦dinfである場合には、センサー「i」は被覆されているとされる。
【0198】
例えば、dinfとして、20mmを選択することができる。
【0199】
このような選別工程は、無反応のセンサーに対応する値Sdi及びdiを無視するために、図33に示される重み付け工程210に先立って実施してもよく、又は、形態に一致しないプロファイル(分析結果)をすべて排斥するために、一致分析に対応する図33の工程220に参照される工程に進むように、実施してもよい。
【0200】
すべてのセンサー100S1〜100S6は、左側から右側まで任意に特徴付けられる。各「被覆」センサー100に対して決定されるSdi値に応じて、対応するSi値が決定される。このSi値は、任意に、0.25刻みで0.25〜1.75の範囲にある。Si=0.25は、図22の最下段に示された状態(センサーの左側1/4が被覆)に対応する。Si=1は、図22の中央に示された状態、すなわち、標的物がセンサーの中心にある状態に対応する。Si=1.75は、図22の最上段に示された状態(センサーの右側1/4が被覆)に対応する。
【0201】
シートにおいて、この特徴を用いるためには、センサー配置は対称で、もちろん左側と右側との変化量は逆であるから、センサーの検出方向を変える必要がある。
【0202】
換言すると、左側の表面検出方向(センサー100S1及び100S2)である場合は、保持されたSiは0.25〜1.75まで変化する。
【0203】
右側の表面検出方向(センサー100S5及び100S6)である場合は、検出される面方向は逆方向である。その結果、保持されたSiは2−S検出になる。
【0204】
乗員を区別する、すなわち、シート上で検出された乗員の形態を決定する非常に簡単な方法は、標的物に被覆されたセンサー100S1〜100S6の画素数を算出することによって直接的に計算を行うことであろう。
【0205】
しかし、このような単純な方法によると、真実が曲げられ、いくつかの間違いが生じる。
【0206】
実際には、センサー100上の表面予測は距離diにかかわらず常に同じ方法で確認される。換言すると、このような単純な計算方法を使用すると、乗員の輪郭は考慮されないことがあり、ときに間違いが生じる可能性がある。
【0207】
この障害を避けるため、この発明に従って、発明者は、対応する各距離di基づく重み付け変数Wiによって算出された表面Siのバランスをとることを、提案する。
【0208】
このため、センサー100S1〜100S6(少なくとも4個のセンサー100S1、100S2、100S5及び100S6)の中で最小距離diが検出される。次いで、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6について、「Wi」と称されるバランス係数が算出される。
【0209】
係数Wiは、複数の関数によって算出されてもよい。
【0210】
優先的に、係数Wiは、Wi=(di−dinf)/[min(d1 to dp)−dinf]である。式中、diはセンサーiについて算出された距離である。dinfは無限距離(例えば、20mm)、すなわち、シートが空席であると推定されるときを意味する。min(d1 to dp)は、p個のセンサー100S1、100S2、100S5及び100S6すべてについて、算出された最小距離である。
【0211】
係数Wiの算出後に、工程210において、各センサーについて算出された各表面Siと、対応するWi係数、及び、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6についてのWi係数とを、掛ける。このような重み付け工程210によれば、乗員の輪郭が考慮され、乗員の一貫した形態表面が得られる。
【0212】
例えば、このような重み付け工程210によれば、図35に示されるように、シートに標準的中央位置に着座している乗員の2つのプロファイルを区別することができる。2つのプロファイルは、一方は狭いプロファイルであり、他方は広いプロファイルである。このような重み付け工程210を実行しなければ、2つの乗員プロファイルについて得られたSi値は、形態を決定する際に、同様の問題点が生じることになるであろう。
【0213】
Wi値は図33の左側に示されている。Wiは最小距離diで最大になる。測定されたdiがdinfよりも大きいときには、di=dinfとすることに注意を要する。
【0214】
この重み付け工程210の後であって、工程240で単純な表面全てを計測する前に、発明者は、一致しないプロファイルを無視する工程220を実施することを提案する。確かに、発明者は、一致しないプロファイルがいくつかの特別な状態によって生じる可能性があることを見出した。
【0215】
一致しない特別なプロファイルとしては、例えば、シートの中央にきちんと着座し、ボルスタに手を置いた子供の場合が挙げられる。もちろん、この場合には、センサー100が子供の幅よりも広い幅を検出し、その結果、誤判別(子供が大人として検出される)を引き起こす可能性があるから、間違いが生じることがある。
【0216】
優先的に、工程220は、第1に「中心検出」工程を含んでいる。この中心検出工程の目的は、全体的に被覆されたと思われるセンサー100に対応する情報のみを保持することにある。確かに、実際のところ、多くの乗員は適性ではない位置に着座するから、これはほとんど達成さることはない。
【0217】
例えばα=0.25であるときに、表面Siが1−α=<Si=<1+αとして定義される範囲内にある場合に、中心検出工程によれば、優先的に、センサー100が全体的に被覆されている(中心位置にある)と、判断することができる。閾値αは、必要に応じて、修正されてもよい。
【0218】
その結果、センサーから発せられる情報は、Si<1−α又はSi>1+αの場合には、保持されない。
【0219】
第2に、一致分析工程220は、1つのセンサーから他のセンサーまでの傾きの連続性を理解するために第2の変数βを考慮して、優先的に、2つの隣接するセンサーの表面SiとSi+1とを区別(大きいか小さいか)する工程を含んでいる。このことは、かりに、表面SiがSi<S(i+1)+β又はSi>S(i+1)−βに従って変動すると、変化が生じ、その変化の傾きが算出され、その傾きが一致分析用の各閾値と比較されることを、意味している。例えば、β=0.125である。
【0220】
バランス係数Wiをすべての表面Siにかけること(Si*Wi)、及び、前述の表面許容誤差を管理することによれば、異常性を検知し、誤判別を避けるために、プロファイルの整合性を確認することができる。
【0221】
これらの処理の後、Wi、α及びβによる単純な表面Siすべてについて、いくつかの非典型的な場合は、工程220によって、無視されてもよい。
【0222】
例えば、図36には、センサー100S4とセンサー100S5との間に下向きの傾きを生じさせる、ボルスタに手を置いている子供の非典型的な状態が示されている。
【0223】
このようなプロファイルは、図35の様に、連続的ではない。このプロファイルは、左手をボルスタに置いてシートの中心に着座した子供の典型的なものであり、工程220で無視されるべきである。
【0224】
その他の不一致状態は、図37に示されている。この図37には、「ホール」(dinf(例えば、非限定的な、20mmよりも大きな距離)よりも大きい検出距離を意味する。)の検出が示されている。ホールをこのように検出する場合には、次に隣接するセンサー又は画素は分類用として使用されない。例えば、ホールがセンサー100S2とセンサー100S6との間で検出された場合には、センサー100S1と100S2のみが分類に使用される。このような操作はセンサー100S6についてSiを強引に0にするのに等しい。したがって、反対の例として、ホールがセンサー100S1とセンサー100S5との間で検出された場合には、センサー100S5と100S6のみが分類に使用される。このような操作はセンサー100S1についてSiを強引に0にするのに等しい。
【0225】
センサーが被覆されているか否か、その結果、ホールが存在しているか否かを決定するための基準αは、あるシステムから他のシステムに変更することができる。
【0226】
図37における最初の2行は、完全に被覆されていないセンサーにホールが対応している状態を示している。
【0227】
図37における最後の2行は、ホールがたった1/2画素、すなわち、1/4が被覆されていないセンサーに対応している状態を示している。この最後の状態は、符号230、232、234及び236で参照される、図33に示された工程によって実行されてもよい。図16において、センサー100S2が3/4以下の被覆量として測定された場合に、センサー100S1のSiは強引に0にされ、また、センサー100S5が3/4以下の被覆量として測定された場合に、センサー100S6のSiは強引に0にされる。
【0228】
一致しないプロファイルの分析中、システムは、優先的に、中心センサー100S1、100S2、100S5及び100S6について、隣接する2つの画素間の傾き変化のサインを検討する。一致しないプロファイルの例として、図21及び図22が挙げられる。図38及び図39には、隣接する2つの画素間の傾きが変化している例外的なサインが示されている。
【0229】
Wi係数による単純な表面Siすべての正常化が終了した後に、「ホール」検出が可能な場合及びそれらの処理のすべて、つまり、隣接する2つのセンサー間における、すべての異常な傾きの変化が(前述した変数α及びβの処理と併せて)、考慮される。
【0230】
このような処理用の「真偽表」の一例は、図40に示されている。
【0231】
この表には32通りの状態が示されている。「左側」の表は左側のセンサー100S1及び100S2に関する。「右側」の表は右側のセンサー100S6及び100S5に関する。図40において、各センサーの状態は、「無反応」状態をE、左側被覆状態をL、中心(完全な被覆)状態をC、及び、右側被覆状態をRとして、表されている。
【0232】
図40において、
・第1行目は、無反応と検出された、隣接する2つのセンサー100S1及び100S2、又は、100S5及び100S6の場合に対応する。この場合には考慮されない。
・第2行目は、外側センサー100S1又は100S6が無反応である場合に対応するが、隣のセンサー100S2及び100S5の隣接する部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、間違いであるとみなされ、考慮されない。
・第3行目及び第4行目は、外側センサー100S1又は100S6は無反応であるが、隣のセンサー100S2及び100S5は完全に被覆されているか前記外側センサーの反対側が被覆されている場合に対応する。この場合には、センサー100S2及び/又はセンサー100S5から得られたSi値は保持される。
【0233】
・第5行目は、外側センサー100S1又は100S6がその外側部分のみが被覆されているが、隣のセンサー100S2又は100S5は無反応である場合に対応する。これは保持されないホール検出である。
・第6行目は、外側センサー100S1又は100S6、及び、その隣の100S2又は100S5が共にその外側部分のみ被覆されている場合に対応する。このような場合も、間違いであるとみなされ、考慮されない。
・第7行目は、外側センサー100S1又は100S6はその外側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は完全に被覆されている場合に対応する。この場合には、センサー100S2及び/又はセンサー100S5から得られたSi値は保持される。
・第8行目は、外側センサー100S1又は100S6はその外側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5はその反対側部分が被覆されている場合に対応する。この場合には、センサー100S2及び/又はセンサー100S5から得られたSi値は保持される。
【0234】
・第9行目は、外側センサー100S1又は100S6は完全に被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は無反応である場合に対応する。これは保持されないホール検出である。
・第10行目は、外側センサー100S1又は100S6は完全に被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は前記外側センサーに隣接する部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、これらのセンサーの組(100S1及び100S2、又は、100S5及び100S6)から得られるシグナルの加算は、反対側の内側センサー(すなわち、各100S5及び100S2)が無反応である場合にのみ処理される。
・第11行目は、センサー100S1及び100S6、又は、100S2及び100S5が共に完全に被覆されている場合に対応する。この場合には、シグナルは加算される。
・第12行目は、外側センサー100S1又は100S6は完全に被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は前記外側センサーの反対側の部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、内側センサー100S5及び/又は100S2から発せられたシグナルは保持されるが、外側センサー100S1及び/又は100S6から発せられたシグナルは、S1<S2+β 又は、S6>S5−βのときのみ、保持される。
【0235】
・第13行目は、外側センサー100S1又は100S6はその内側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は無反応である場合に対応する。これは保持されないホール検出である。
・第14行目は、外側センサー100S1又は100S6はその内側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は前記外側センサーに隣接する部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、これらのセンサーの組(100S1及び100S2、又は、100S5又は100S6)から得られるシグナルの加算は、反対側の内側センサー(すなわち、各100S5及び100S2)が無反応であるときのみ処理される。そうでなければ、シグナルは無視される。
・第15行目は、外側センサー100S1又は100S6はその内側部分のみ被覆され、隣のセンサー100S2又は100S5は完全に被覆されている場合に対応する。この場合には、シグナルは加算される。
・第16行目は、外側センサー100S1又は100S6に加えて、隣のセンサー100S2又は100S5も内側部分のみが被覆されている場合に対応する。この場合には、内側センサー100S5及び/又は100S2から発せられたシグナルは保持されるが、外側センサー100S1及び/又は100S6から発せられたシグナルは、S1<S2+β 又は、S6>S5−βのときのみ、保持される。
【0236】
区別の特質に関する情報を得るために、優先的に、関連する「信頼性テスト」が工程240の前に実施される。
【0237】
信頼性テストは、距離検出に優先的に基づいており、次のようにして算出されることもできる。
・空席の場合の信頼率:c=1−(着座シート数/センサーの合計数)
・区別ができない場合(小さなセンサー100S1、100S2、100S3及び100S4がすべて無反応)の信頼率:c=0
・その他の場合(着座シート)の信頼率は距離変数に基づく:c=1−(Δd/dinf)
・0<c<1の信頼性を得るために:Δd>dinfの場合には、Δd=dinf
・後方位置に対して:Δd=|min(d1,d2,d5,d6)−d4|
・前方位置に対して:Δd=|min(d1,d2,d5,d6)−d3|
・左側位置決めに対して:Δd=|min(d1,d2)−d5(又は場合によりd6)|
・右側位置決めに対して:Δd=|min(d5,d6)−d2(又は場合によりd1)|
【0238】
もちろん、一致しないプロファイル、ホール、不一致傾き等の例外が検出されるとすぐに、このテストの信頼性は低下する。
【0239】
これらの種々の処理の後に、乗員の区別が決定されてもよい。
【0240】
優先的に、この区別は、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6の中央鎖における表面Si(画素数又は所望の解決策に基づく半分の画素)の数を算出することによって、実施される。
【0241】
換言すると、区別は下記式で表される。
【0242】
【数8】
【0243】
腰幅対形態クラスに関係する統計に基づく分布を考慮した後、種々の閾値が全クラスに対する画素数として表示される。
【0244】
典型的には、FMVSS 208 規則が図41に示されている。
【0245】
乗員標本の記録に対するデータベースが図42に示されている。
【0246】
このデータベースで得られた結果が図43に示されている。
【0247】
これらの結果を分析すると、閾値によって、子供用のΣSi*Wi値は大人用のΣSi*Wi値から切り離されていることが実証される。図43に示されているように、この典型的な閾値は約1.35である。
【0248】
クラス分離用の閾値配置を図44で提案した。図44に示されたこのような閾値は、もちろん、非限定的な例である。
【0249】
要約すると、図33に示された方法は、
・各センサー100についてのdi及びSiの算出200と、
・各センサー100についてのWiの算出210と、
・一致しないプロファイルの処理220と、
・下記式の計算及び関連する信頼性テストによる乗員の区別240との工程を含んでいる。
【0250】
【数9】
【0251】
もちろん、この発明は、図のみに示された前記説明に限定されるものではない。この発明は、添付の特許請求の範囲に基づくいかなる変形例をも包含する。
【0252】
図45及び図46には、センサーの埋設変形例が示されている。より詳細には、図45及び図46には、図2及び図32の対応するセンサーと同様に、背もたれの近傍のシート差込物に配置された、4つのセンサー100S1、100S2、100S5及び100S6の配線、並びに、前部近傍であって各ボルスタ近傍の、前記シート差込物に配置された、2つの追加の短いセンサー100S7及び100S8が示されている。
【0253】
図47は、センサーの別の埋設変形例が示されている。この変形例において、図2及び図32に示され、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6に平行なセンサー100S3及び100S4は、センサー100S1、100S2、100S5及び100S6を横断するセンサー100S9及び100S10に、置き換えられている。
【図面の簡単な説明】
【0254】
【図1】図1は、この発明に係る容量センサーの非限定的な態様を示す図である。
【図2】図2は、この発明に係る実施形態に一致する、6個の容量センサーのシートへの埋設形態を示す概略図である。
【図3】図3は、この発明に係る非限定的な実施形態に一致し、それぞれ2つの画素を有する、6個の容量センサーのより正確な埋設形態を示す図である。
【図4】図4は、現実的なプロファイルと非現実的なプロファイルとの一例を示す図である。
【図5】図5は、数学的参照関数としてのつり鐘型関数の一例を示す図である。
【図6】図6は、標準的な体格をした子供のプロファイルに一致する測定結果を示す図である。
【図7】図7は、標準的な体格をした大人のプロファイルに一致する測定結果を示す図である。
【図8】図8は、標準的な大柄の体格をした大人のプロファイルに一致する測定結果を示す図である。
【図9】図9は、つり鐘型関数を必要とする比較工程によって得られる変数で分類される形態分類表を示す図である。
【図10】図10は、この発明に係る処理の高い信頼性を示すために、選択された間違い入力を実行した標準的な体格をした子供のプロファイルを示す図である。
【図11】図11は、つり鐘型関数を実行するこの発明に係る形態分類の結果を示す図である。
【図12】図12は、対応するエラー分布を示す図である。
【図13】図13は、この発明に係る三次元メッシュイメージの構築を示す概略図である。
【図14】図14は、2つの画素センサー間における直線的な挿入を示す図である。
【図15】図15は、標準的な三次元イメージを示す図である。
【図16】図16は、測定された三次元プロファイルとテンプレートにおける最大境界値及び最小境界値とを示す図である。
【図17】図17は、測定された三次元プロファイルと三次元レファレンスとを示す図である。
【図18】図18は、0〜36Kgテンプレートに「テンプレート方法」を適用した結果を示す図である。
【図19】図19は、この発明に係る、測定されたプロファイルを対応する体重クラスに分類した結果を示す図である。
【0255】
【図20】図20は、この発明に係る検出実施の初期工程において、前記容量センサーの電極にかける電位の例を示す図である。
【図21】図21は、この発明におけるセンサーシステムにおいて作用する容量分それぞれを概略的に示す図である。
【図22】図22は、この発明における準備部分において、センサーに対する参照標的物の段階的な移動を示す図である。
【図23】図23は、この発明において、センサーから発信された電気出力の相対的な漸進的変化を概略的に示す図であって、温度及び湿度を表す変数を測定するのに使用される図である。より正確には、図23aは曲線CU1=f(C1)を示す図であり、図23bは曲線CU2=f(C2)を示す図である。
【図24】図24は、この発明において、センサーから発信された他の電気出力の相対的な漸進的変化を概略的に示す図であって、センサーから標的物が離れている距離及び/又は前記標的物によって覆われたセンサーの表面量を測定するのに使用される図である。
【図25】図25は、温度変数及び湿度変数を考慮した参照表の構成を示す図であり、より正確には、図25aは曲線CU=f(C)を示す図であり、図25bは曲線の始点を定義する図であり、図25cは対応する参照表を示す図である。
【図26】図26は、センサーから発信された電気出力の相対的な漸進的変化がセンサーにおける参照標的物の相対的な位置に依存することを示す図であり、より正確には、図26aは曲線CU2=f(CU1)を示す図であり、図26bはセンサーに対する参照標的物の相対的な移動の順序を示す図である。
【図27】図27は、温度変数及び湿度変数に関する、曲線反応の初期オフセットを決定する参照表の構成を示す図であり、より正確には、図27aは曲線CU2=f(CU1)のいくつかの点を示す図であり、図27bは対応する参照表を示す図である。
【図28】図28は、容量センサーから発信された出力の組み合せに基づいて、センサーから標的物が離れている距離を測定することを示す図である。
【図29】図29は、この発明に係る完全な検出方法を概略的に示す図である。
【図30】図30は、標的物によって覆われたセンサーの表面量を測定することにおける、この発明の実績を示す図である。
【図31】図31は、センサーから標的物が離れている距離を測定することにおける、この発明の実績を示す図である。
【図32】図32は、対応するセンサーの配列を示す概略図である。
【図33】図33は、この発明に係る方法における、主要工程を示す概略図である。
【図34】図34は、あるセンサーから他のセンサーまでの測定された距離の評価を示す概略図である。
【図35】図35は、自動車シートに着座した乗員の着座位置の変化2種を示す概略図である。
【図36】図36は、曲線において、不一致に基づく部分的に不適切な出力の例を示す図である。
【図37】図37は、不一致に対する、部分的に不適切な出力の4種の例を示す図である。
【図38】図38は、部分的に不適切な出力の別の例を示す概略図である。
【図39】図39は、部分的に不適切な出力のまた別の例を示す概略図である。
【図40】図40は、一致分析の例が記載された表を示す図である。
【図41】図41は、好適な規則を示す図である。
【図42】図42は、対応するサンプルベースを示す図である。
【図43】図43は、この発明に係る方法によって得られたデータベースを示す図である。
【図44】図44は、このデータベースに適用される閾値の例を示す図である。
【図45】図45は、この発明に一致する、第2の容量センサー埋設変形例を示す図である。
【図46】図46は、シートに埋設されたセンサーの同じ変形例を示す図である。
【図47】図47は、この発明に一致する、別の容量センサー埋設変形例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車シートに着座している乗員の形態を識別する方法であって、
(i)シートの横断面に実質的に及んで複数の容量センサー(100)一式を内蔵する工程、
(ii)前記シートに内蔵された複数の前記容量センサー(100)から発せられる出力を収集する工程、
(iii)前記シートに対向する標的物(10)の形態を、前記出力から測定される、前記標的物(10)及び前記容量センサー(100)が離れている距離、並びに、前記標的物(10)によって覆われた前記センサー(100)の表面量に基づいて、決定する工程、及び、
(iv)決定された前記形態を複数のレファレンス形態から分類するために、決定された前記形態と少なくとも1つのレファレンス形態とを比較する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
プロファイルの非現実的な測定結果すべてを拒否する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較する工程は、形態レファレンスを表す数学関数S(p)を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記比較する工程は、ガウスの数学関数を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記比較する工程は、n次の下記つり鐘型関数S(p)を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【数1】
関数S(p)において、aはベル関数の変曲に依存し、bはSの最大値であり、mはS(p)が最大となるときのインデックス値pである。
【請求項6】
前記比較する工程は、測定結果が数学関数の形状に一致するか否かを決定する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
プロファイル測定結果が数学関数の形状に一致するか否かを決定する前記工程は、平均二乗基準等の誤差基準を算出する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
下記ステップによって、各プロファイルの測定結果それぞれについての変数「a」を計算する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
・プロファイルの前記測定結果における表面Sを下記式より決定するステップ、
【数2】
・前記つり鐘型関数における表面Sbを下記式より決定するステップ、及び、
【数3】
・2つの前記表面を等価S=Sbにして、変数「a」を得るステップ
【請求項9】
前記等価ステップは、Sb用の参照表を用いて、実施されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記比較する工程は、形態レファレンスを示す三次元レファレンスイメージを用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記比較する工程は、プロファイルの測定結果を挿入してn×mメッシュを構築し、プロファイルを創造することを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記n×mメッシュの構築は、以下の規則に基づいて、実行されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
・プローブが存在しない場合におけるメッシュの画素については、画素値は最も近いプローブから挿入される
・2つの調整された画素間に挿入される1つ以上の画素が存在する場合におけるメッシュの領域については、中間ピクセル値は、前記ピクセル間に、それらピクセルが離れている距離全体にわたって、直線的に挿入される
【請求項13】
前記n×mメッシュの構築は、調整された前記画素及び前記挿入された画素の間への挿入によって、前記メッシュの画素を形成するステップを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記比較する工程は、プロファイルの測定結果を、テンプレートにおける最大境界値及びその最小境界値と比較するステップを含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記比較する工程は、プロファイルの測定結果における、テンプレートに含まれるピクセルの合計数を計算するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記比較する工程は、プロファイルの測定結果と基準面との距離を算出するステップを含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記基準面までの前記距離は、下記式から算出されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【数4】
前記式において、PRP(i)は基準面を構成するピクセルであり、PI(i)は測定されたイメージを構成するピクセルであり、Dは基準面までのイメージの距離である。
【請求項18】
前記基準面までの前記距離は、前記距離に対する下記式で表されるノルマライズド バージョンを使用することで、算出されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【数5】
【請求項19】
前記比較する工程は、(1)テンプレートに関するプロファイルの測定結果、及び、(2)基準面に関するプロファイルの測定結果を評価するステップと、最小誤差基準になる評価結果を選択するステップとを含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
2つの安定した画素センサーを形成するために、検知区域の各領域を相補的にカバーする少なくとも2つの電極(110、120)を含有する容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
検出区域の各領域を相補的にカバー2つの主電極(110、120)、及び、前記相補的な領域の両方をカバーする第3の補助電極(130)の3つの電極を含有する容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第3の補助電極(130)が前記主電極(110、120)を包囲している容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
シートに内蔵された複数の容量センサー(100)からの出力を収集する工程(200)と、各容量センサー(100)に対して、前記センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を示す第1の値(di)、及び、標的物(10)によって覆われたセンサー(100)の表面を示す第2の値(Sdi)を決定する工程と、標的物(10)によって覆われたセンサー(100)の表面を示す第2の値(Sdi)に、センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を示しかつ対応する第1の値(di)に基づいた各重み付け(Wi)を、適用する工程(210)と、重み付けされた第2の値(Sdi×Wi)を収集して標的物(10)の形態を決定する工程(240)を含むことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
シートの左側から右側に向かって実質的に配列された少なくとも4つのセンサー(100S1、100S2、100S5及び100S6)を使用することを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記容量センサーから発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記センサー(100)から前記標的物(10)が離れている距離(di)を表す値を参照表から選択する工程と、前記容量センサーから発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記標的物(10)で覆われた前記センサー(100)の表面量(Sdi)を表す値を参照表から選択する工程とを実施することを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、複数の温度及び湿度に対する、前記センサー(100)から前記標的物(10)が離れている距離(di)を表す値、及び/又は、前記標的物(10)で覆われた前記センサー(100)の表面量(Sdi)を表す値が記載された参照表を使用し、かつ、実際の温度及び湿度を表す前記容量センサーから発せられた出力の組み合せに依存する出力値を前記参照表から選択する工程を含むことを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法を実行する手段を含むことを特徴とする自動車用シート。
【請求項1】
自動車シートに着座している乗員の形態を識別する方法であって、
(i)シートの横断面に実質的に及んで複数の容量センサー(100)一式を内蔵する工程、
(ii)前記シートに内蔵された複数の前記容量センサー(100)から発せられる出力を収集する工程、
(iii)前記シートに対向する標的物(10)の形態を、前記出力から測定される、前記標的物(10)及び前記容量センサー(100)が離れている距離、並びに、前記標的物(10)によって覆われた前記センサー(100)の表面量に基づいて、決定する工程、及び、
(iv)決定された前記形態を複数のレファレンス形態から分類するために、決定された前記形態と少なくとも1つのレファレンス形態とを比較する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
プロファイルの非現実的な測定結果すべてを拒否する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較する工程は、形態レファレンスを表す数学関数S(p)を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記比較する工程は、ガウスの数学関数を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記比較する工程は、n次の下記つり鐘型関数S(p)を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【数1】
関数S(p)において、aはベル関数の変曲に依存し、bはSの最大値であり、mはS(p)が最大となるときのインデックス値pである。
【請求項6】
前記比較する工程は、測定結果が数学関数の形状に一致するか否かを決定する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
プロファイル測定結果が数学関数の形状に一致するか否かを決定する前記工程は、平均二乗基準等の誤差基準を算出する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
下記ステップによって、各プロファイルの測定結果それぞれについての変数「a」を計算する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
・プロファイルの前記測定結果における表面Sを下記式より決定するステップ、
【数2】
・前記つり鐘型関数における表面Sbを下記式より決定するステップ、及び、
【数3】
・2つの前記表面を等価S=Sbにして、変数「a」を得るステップ
【請求項9】
前記等価ステップは、Sb用の参照表を用いて、実施されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記比較する工程は、形態レファレンスを示す三次元レファレンスイメージを用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記比較する工程は、プロファイルの測定結果を挿入してn×mメッシュを構築し、プロファイルを創造することを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記n×mメッシュの構築は、以下の規則に基づいて、実行されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
・プローブが存在しない場合におけるメッシュの画素については、画素値は最も近いプローブから挿入される
・2つの調整された画素間に挿入される1つ以上の画素が存在する場合におけるメッシュの領域については、中間ピクセル値は、前記ピクセル間に、それらピクセルが離れている距離全体にわたって、直線的に挿入される
【請求項13】
前記n×mメッシュの構築は、調整された前記画素及び前記挿入された画素の間への挿入によって、前記メッシュの画素を形成するステップを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記比較する工程は、プロファイルの測定結果を、テンプレートにおける最大境界値及びその最小境界値と比較するステップを含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記比較する工程は、プロファイルの測定結果における、テンプレートに含まれるピクセルの合計数を計算するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記比較する工程は、プロファイルの測定結果と基準面との距離を算出するステップを含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記基準面までの前記距離は、下記式から算出されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【数4】
前記式において、PRP(i)は基準面を構成するピクセルであり、PI(i)は測定されたイメージを構成するピクセルであり、Dは基準面までのイメージの距離である。
【請求項18】
前記基準面までの前記距離は、前記距離に対する下記式で表されるノルマライズド バージョンを使用することで、算出されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【数5】
【請求項19】
前記比較する工程は、(1)テンプレートに関するプロファイルの測定結果、及び、(2)基準面に関するプロファイルの測定結果を評価するステップと、最小誤差基準になる評価結果を選択するステップとを含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
2つの安定した画素センサーを形成するために、検知区域の各領域を相補的にカバーする少なくとも2つの電極(110、120)を含有する容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
検出区域の各領域を相補的にカバー2つの主電極(110、120)、及び、前記相補的な領域の両方をカバーする第3の補助電極(130)の3つの電極を含有する容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第3の補助電極(130)が前記主電極(110、120)を包囲している容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
シートに内蔵された複数の容量センサー(100)からの出力を収集する工程(200)と、各容量センサー(100)に対して、前記センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を示す第1の値(di)、及び、標的物(10)によって覆われたセンサー(100)の表面を示す第2の値(Sdi)を決定する工程と、標的物(10)によって覆われたセンサー(100)の表面を示す第2の値(Sdi)に、センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を示しかつ対応する第1の値(di)に基づいた各重み付け(Wi)を、適用する工程(210)と、重み付けされた第2の値(Sdi×Wi)を収集して標的物(10)の形態を決定する工程(240)を含むことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
シートの左側から右側に向かって実質的に配列された少なくとも4つのセンサー(100S1、100S2、100S5及び100S6)を使用することを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記容量センサーから発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記センサー(100)から前記標的物(10)が離れている距離(di)を表す値を参照表から選択する工程と、前記容量センサーから発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記標的物(10)で覆われた前記センサー(100)の表面量(Sdi)を表す値を参照表から選択する工程とを実施することを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、複数の温度及び湿度に対する、前記センサー(100)から前記標的物(10)が離れている距離(di)を表す値、及び/又は、前記標的物(10)で覆われた前記センサー(100)の表面量(Sdi)を表す値が記載された参照表を使用し、かつ、実際の温度及び湿度を表す前記容量センサーから発せられた出力の組み合せに依存する出力値を前記参照表から選択する工程を含むことを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法を実行する手段を含むことを特徴とする自動車用シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
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【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
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【図28】
【図29】
【図30】
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【図32】
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【図34】
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【図37】
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【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
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【図45】
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【図47】
【図2】
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【図19】
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【図28】
【図29】
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【図32】
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【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【公開番号】特開2008−46114(P2008−46114A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−164562(P2007−164562)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(507161927)ヒタチ コンピューター プロダクツ(ヨーロッパ)エス.アー.エス. (3)
【氏名又は名称原語表記】HITACHI COMPUTER PRODUCTS(EUROPE)S.A.S.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164562(P2007−164562)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(507161927)ヒタチ コンピューター プロダクツ(ヨーロッパ)エス.アー.エス. (3)
【氏名又は名称原語表記】HITACHI COMPUTER PRODUCTS(EUROPE)S.A.S.
【Fターム(参考)】
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