説明

容量結合型プラズマを増強して局在化させるための方法および装置ならびに磁石アセンブリ

本発明においては、半導体ウェハ処理装置(10)の真空処理チャンバ(11)内において、ラジオ波周波数(RF)によってバイアスされたウェハ支持電極(24)に隣接して配置された永久磁石アセンブリ(30)を使用することによって、磁気的に増強されたプラズマが形成される。ウェハ支持体には、被処理ウェハ(15)の周縁のところに、環状周縁領域(24b)が、設けられている。複数の磁石リング(33,34,35)を使用した磁石構成によって、周縁領域のところに磁気トンネルが形成され、この磁気トンネルのところにおいてプラズマが形成される。よって、プラズマは、ウェハからは離間している。磁界は、環状周縁領域のところにおいて、基板支持体の表面に対して平行な成分を有しているものの、ウェハからは、全体的に離間している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に半導体ウェハ基板といったような基板のプラズマ処理に関するものであり、また、そのような処理に関し、特に容量結合型プラズマといったようなプラズマを、生成したり増強したりおよび制御したりすることに関するものである。
【0002】
米国特許法に従い、本発明は、2002年12月20日付けで出願された米国特許出願シリアル番号第10/324,213号明細書の一部継続出願である。この文献の記載内容は、参考のため、その全体がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
プラズマは、例えばプラズマエッチングやイオン化された物理的気相蒸着(iPVD)やプラズマによって増強された化学気相蒸着(PECVD)といったようなプロセスでの半導体の製造において、使用される。プラズマは、多くの場合、それら応用において、真空チャンバ内において処理ガスへと容量結合的にエネルギーを供給することにより、生成される。その場合、ガスが、反応性的な自由ラジカルおよび原子へと分離され、これにより、ガス中の分子およびラジカルおよびイオンを、より高い電子状態へ励起して、反応性ガスおよび不活性ガスの分子および原子をイオン化し、イオンを、基板の表面に対して垂直な軌道に沿って基板上に向けて加速する。
【0004】
PECVDプラズマ処理応用においては、容量型結合を使用することによって、処理ガスの分子を分解して励起させて、反応性自由ラジカルを生成することができる。これにより、所望の薄膜を、基板上において成長させることができる。プラズマエッチング応用においては、プラズマの容量型結合を使用することによって、プロセスガスを活性化することができ、反応性イオンエッチング(RIE)として公知のプロセスにおいては反応性原子あるいはラジカルをイオン化することにより、あるいは、スパッタエッチングとして一般には参照されるプロセスにおいては不活性ガスの原子をイオン化することにより、基板から材料を除去することができる。iPVDにおいては、容量結合型プラズマ(CCP)は、一次プラズマ源として使用されコーティング材料のイオンを生成することができる、あるいは、基板のところにおいてコーティング材料イオンのフラックスを平行化するために使用することができる、あるいは、成膜後のスパッタエッチングステップにおいて、不活性ガス原子をイオン化させて、基板に向けてのイオンを加速するために使用することができる。
【0005】
単純なCCP処理応用においては、ラジオ周波数(RF)電源によってバイアスされた電極上に、基板を配置する。電極と基板とは、対向電極として機能する接地された真空チャンバの中に、収容される。この配置は、効率的にプロセスを行い得るよう十分なプラズマ密度を生成するために、大きな、そして多くの場合に過度であるような、RF電圧を必要とする。そのような高電圧は、集積回路中のデバイスを破損し得るものであり、また、チャンバ内にアークを形成し得るものである。また、そのようなシステムにおいては、プラズマの均一性と、基板上におけるその後のエッチングまたは成膜の均一性とが、予測不可能であり、多くの場合、不満足なものである。典型的には、エッチングおよび成膜の均一性は、例えばシールドの形状や複数のガス導入ポートの配置や他のチャンバ特性といったようなプロセス環境の細部に依存する。さらに、電極として繊細な基板を使用した場合には、通常は、基板温度が過度なものとなる。
【0006】
上記CCPの制限を克服するための試みにおいては、基板支持電極の近傍において、磁気による増強が使用される。このような増強は、適切な大きさの磁界であってRFバイアスされた基板支持体に対して平行な向きとされた磁界を使用することにより、行うことができる。これにより、電極表面近傍の電子を、電極表面から離間移動させることに代えて、電子がそうする傾向のあるように、電極がなす平面の近傍でサイクロイド軌道に沿って移動させることができる。その結果、プラズマ中の電子は、チャンバ壁との衝突によって消滅してしまう前に、複数回にわたって、RFプラズマシースと相互作用を行う。磁界が閉ループを形成している場合には、電子は、磁界からの固定的な導出ポイントを有しておらず、可能性としては、磁界の影響下に無限的に拘束される。電極表面の近傍においてこのようにして電子を拘束することにより、RFシース電圧の1ボルトあたりにつき電子に対して供給されるエネルギー量が、より大きなものとなる。したがって、与えられたプラズマ密度を得るに際して必要とされる電圧が、はるかに小さなものとなる。
【0007】
集積回路の従来技術によるプラズマ処理における磁気増強の主な欠点は、基板の不均一な帯電効果に基づく、デバイスダメージである。絶縁された基板表面に沿った不均一な帯電分布は、基板上の複数のデバイスを横断しての電圧勾配をもたらす。これが、電圧ブレークダウンを引き起こし得る。そのような不均一な帯電分布は、基板表面を横断しての直角という支配的な入射角でもって基板表面と交差する磁束ラインによって、引き起こされ得るものである。
【0008】
従来技術において基板支持体のところで磁気増強を行っている例は、米国特許第5,449,977号明細書に開示されている。この文献による構成においては、基板表面と平行であるような磁束ラインであり、かつ、基板支持体のうちのサイクロイド領域と称される局所的領域上においてサイクロイド軌道を誘起するように作用するような磁束ラインが形成される。生成される不均一なプラズマは、ウェハの処理時に構成を回転させることにより、時間平均的な面においては、軸対称なものとすることができる。このスキームの主な欠点は、回転ハードウェアが必要であることにより、高価でありかつ複雑であることである。
【0009】
したがって、プラズマ処理に際して、半導体ウェハ基板の近傍における実質的に一様な低電圧プラズマを維持し得るような、方法および装置が要望されている。
【特許文献1】米国特許出願シリアル番号第10/324,213号明細書
【特許文献2】米国特許第5,449,977号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、特に半導体ウェハの製造のための真空プラズマプロセスといったようなプロセス時に、基板の表面を横切って低電圧プラズマの一様な分布を提供することである。本発明のより格別の目的は、ウェハを横切っての帯電分布の不均一さを最小なものとしてウェハダメージを回避し得るものとされた低電圧かつ高密度なプラズマを供給し得るような、方法およびプラズマ源ならびに処理装置を提供することである。
【0011】
本発明さらなる目的は、限定するものではないけれども例えばPECVDやiPVDやRIEやスパッタエッチングを含めた様々な半導体製造プロセスにおいて有効であるような、ウェハ表面のところにおいて磁気的に増強されたプラズマを提供することである。
【0012】
本発明の原理によれば、磁気的に増強されたプラズマ、すなわち、マグネトロンプラズマ、が形成される。このようなプラズマは、RFエネルギーを、ウェハ支持体の中央領域上に支持されたウェハを囲んでいる環状周縁領域のところに形成された環状磁気トンネル内へと、容量的に結合させる。これにより、環状周縁領域のところにプラズマを形成し、ここから、ウェハ上へと向けて、プラズマを内向きに拡散させる。トンネルは、ウェハが支持されている中央領域から離間したところにおいて、環状周縁領域に隣接して配置された複数の磁石によって、形成される。これら磁石は、環状周縁領域のところに、支持体の表面に対して全体的に平行であるようなあるいは支持体の表面に対して実質的に平行な成分を有しているような、磁界を形成する。また、この磁界は、支持体の中央領域に対して全体的に垂直であり、支持体の中央領域に対して全体的に離間されている。
【0013】
本発明の一実施形態においては、プラズマ処理装置は、真空チャンバを具備し、この真空チャンバ内には、ウェハ支持体が配置されている。ウェハ支持体は、中央ウェハ支持表面と、この中央ウェハ支持表面を囲む環状周縁表面と、を備えている。RF電源が、ウェハ支持体に対して接続されている。環状永久磁石アセンブリが、ウェハ支持体の環状周縁表面に隣接して配置されている。環状永久磁石アセンブリは、2つ以上のリング形状磁石を備えているとともに、環状周縁表面に隣接したところに中央ウェハ支持表面を囲むような環状磁気トンネルを形成し得るよう構成されている。これにより、中央ウェハ支持表面上のウェハから離間したところにおいて、磁気トンネル内にプラズマ形成用電子を拘束することができる。プラズマが、磁気トンネル内に形成され、このプラズマが、磁気トンネルから、中央ウェハ支持表面上に支持されたウェハに向けて、内方へと拡散する。
【0014】
本発明のある種の実施形態においては、環状永久磁石アセンブリは、ウェハ支持体の環状周縁表面の背面側に配置されており、環状永久磁石アセンブリの磁極からウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、磁気トンネルが形成される。代替可能な実施形態においては、環状永久磁石アセンブリは、ウェハ支持体の環状周縁表面に対して対向して配置されておりかつウェハ支持体の環状周縁表面から離間して配置されており、
環状永久磁石アセンブリの磁極からウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、磁気トンネルが形成される。好ましくは、環状永久磁石アセンブリは、ウェハ支持体の表面上に合成磁界を形成し得るよう構成され、この合成磁界は、ウェハ支持体の環状周縁表面に対して全体的に平行であるような、かつ、ウェハ支持体の中央ウェハ支持表面に対して全体的に垂直であるような、合計磁束ラインを誘起する。よって、磁界は、ウェハ支持体の中央ウェハ支持表面から全体的に離間して位置することとなる。
【0015】
本発明のある種の実施形態においては、環状永久磁石アセンブリは、高透磁率材料からなる部材と、外周環状磁石リングと、内周環状磁石リングと、を備え、両リングの各々は、それぞれN極とS極とを有し、両リングは、互いに異なる極性の磁極を高透磁率材料部材に対して接触または近接させて配置される。
【0016】
内周環状磁石リングおよび内周環状磁石リングは、ウェハ支持体の両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有することができ、各リングのN極/S極軸は、互いにぎゃくむきとすることができる。これに代えて、外周環状磁石リングは、ウェハ支持体の両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、外周環状磁石リングの第1磁極は、ウェハ支持体の環状周縁表面に対向しており、一方、内周環状磁石リングは、ウェハ支持体の両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、内周環状磁石リングの、外周環状磁石リングの第1磁極と同じ極性を有した磁極は、中央ウェハ支持表面から離間する向きを向いているものとされる。環状永久磁石アセンブリは、好ましくは、さらに、中間磁石リングを備え、この中間磁石リングは、ウェハ支持体の両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、中間磁石リングの外側を向いた磁極は、外周環状磁石リングのうちの、支持体に対向している磁極とは、逆の極性とされる。
【0017】
環状永久磁石アセンブリは、好ましくは、支持体上のウェハの周縁よりも径方向外側に位置した環状周縁表面の少なくとも一部にわたって、全体的にフラットであるような磁界を形成し得るよう構成される。
【0018】
本発明の他の実施形態においては、複数の環状領域を備えることができ、これら領域は、環状ギャップによって、あるいは、それら環状領域どうしの間に配置された電気絶縁体によって、互いに電気的に絶縁することができる。中央領域および環状領域に関し、任意の一方が、磁石を備えることができる。また、中央領域および環状領域は、例えばRF電源やDC電源といったようなバイアス電源に対して、個別的に接続することも、そうしないことも、できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の上記のおよび他の目的や利点は、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより、明瞭となるであろう。
【0020】
図1は、基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているような、従来技術によるウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態に基づき、基板支持体表面の背面側に配置された磁石構成を使用することによって、基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【0022】
図3は、図2と同様の断面図であって、本発明の他の実施形態に基づき、基板支持体表面の背面側に配置された磁石構成を使用することによって、基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【0023】
図4は、図2および図3と同様の断面図であって、本発明の一実施形態に基づき、基板支持体表面に対して対向しつつチャンバの外部に配置された磁石構成を使用することによって、基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【0024】
図5は、図4と同様の断面図であって、本発明の他の実施形態に基づき、基板支持体表面に対して対向しつつチャンバの外部に配置された磁石構成を使用することによって、基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【0025】
図6は、図2と同様の断面図であって、本発明のさらに他の実施形態に基づき、基板支持体を使用したウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【0026】
図7は、図2と同様の断面図であって、本発明のなおも他の実施形態に基づき、基板支持体を使用したウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【0027】
図1に示すような従来技術によるプラズマ処理装置(10)においては、プラズマ処理チャンバ(11)が、チャンバ壁(12)を横断しての断面図によって図示されている。基板支持体(14)の基板支持表面(13)の上においては、処理のために、半導体ウェハ(15)が、中央に配置される。チャンバ(11)の外部に配置し得る磁石構造(19)が、基板支持体表面(13)に対して全体的に平行な磁界(16)を生成している。支持体(14)に対して接続されたRF電源(図示せず)は、容量的に結合されていて、チャンバ(11)内のガスに対してRFエネルギーを供給する。これにより、プラズマを励起することができる。プラズマは、サイクロイド領域(17)内において生成される傾向がある。サイクロイド領域(17)においては、電子のサイクロイド軌道が、磁界(16)の存在下においてRFエネルギーによって、誘起される。プラズマは、軸方向に非対称である、そうでなければ、不均一なものである。このような装置(10)においては、多くの場合、プラズマは、磁石構成を回転駆動することによって、時間平均的な意味合いにおいて、軸対称なものとされる。この場合、高価で複雑な回転ハードウェアが必要となる。
【0028】
図2は、真空処理チャンバ(21)内に、磁気的に増強されたプラズマ源(22)を備えているような、プラズマ処理装置(20)を示している。プラズマ源(22)は、部分的には、半導体ウェハ基板支持体(24)の中に組み込まれている。基板支持体の表面(28)は、半導体ウェハ(25)を上面上に支持するための同軸的な中央表面領域(38)と、この中央表面領域(38)の周縁に位置して同軸的なものとされた環状周縁表面領域(39)と、を備えている。支持体(24)と、接地されたチャンバ壁(27)と、の間に接続されたRF電源(26)が、RFエネルギーを、基板支持体(24)に対して供給している。これにより、支持体(24)は、プラズマに対して負のDCバイアスを受ける。中央領域(38)と環状周縁領域(39)とは、互いに個別の2つの部材とすることができ、これら2つの部材は、互いに接続することも、また、互いに近傍に配置することも、できる。2つの個別部材は、上面上に中央領域(38)を有している環状中央部材(24a)と、上面上に環状周縁表面領域(39)を有している周囲の環状部材(24b)と、を備えている。このような2部材構成は、インピーダンスマッチングを容易なものとし、これにより、基板とマグネトロン放電とに対して電力を供給することができる。
【0029】
プラズマ源(22)の磁気増強は、支持体(24)のウェハ支持表面(28)の環状周縁領域(39)の背面側において基板支持体(24)内に設けられた環状永久磁石アセンブリ(30)によって行われる。この環状永久磁石アセンブリ(30)は、実際は、連続した環状のリングではなく、複数のセグメントへと分割されている環状のリングである。これら複数のセグメントは、磁石部分と非磁石部分とが交互に配置されている。これにより、プラズマを、より容易にウェハに向けて拡散させることができる。例えば軟鋼といったような高透磁率材料からなる円形部材(31)は、環状リム部分(32)を備えている。環状リム部分(32)は、内周リング(33)や外周リング(35)や中間リング(34)も含めたような複数の環状磁石リングと相互作用し得るように構成されている。内周リング(33)は、N極/S極軸が径方向を向くようなかつ表面(28)に対して平行な向きを向くような、配向状態とされている。一方、外周リング(35)は、N極/S極軸が表面(28)に対して垂直な向きを向くような、配向状態とされている。磁石(35)のうちの、表面(28)に対して最も接近している極は、磁石(33)のうちの、支持体(24)の中心を向いている方の極とは、反対の極性である。磁性材料部材(31)は、各磁石(33,34,35)のN極/S極軸が磁性材料部材(31)に対して垂直であるように、構成されている。磁性材料部材(31)は、磁石リング(33,35)の間において磁気回路を形成し、磁界(40)を形成している。磁界(40)の磁束(41)がなすラインは、各磁石(33,35)のそれぞれ対応する反対極性の極から、チャンバ(11)の処理スペース内へと、突出している。これら磁束ライン(41)は、表面(28)に対して平行な成分を有しているものの、表面(28)上へと円弧状をなしている。
【0030】
中間磁石リング(34)は、磁性材料部材(31)上においてかつ磁石リング(33,35)間において、磁石(33,35)からの磁束ラインを迂回させるようにして、構成されかつ配置されている。これにより、表面(28)に対して全体的にフラットでありかつ平行であるような合成磁束ライン(42)を形成している。中間磁石リング(34)のN極/S極軸は、表面(28)に対して平行であり、支持体(24)に関する径方向を向くようなかつ磁石(33)のN極/S極軸とは逆極性となるような向きを向くような、配向状態とされている。
【0031】
図3は、一実施形態をなす装置(20a)を図示している。この装置(20a)は、中間磁石リング(34)を有していない磁石アセンブリ(30a)を備えたような、かつ、プラズマ源(22)と同様とされた、プラズマ源(22a)を具備している。この実施形態は、基板支持体(24)の表面(28)に対して垂直なN極/S極軸を有した内周リング(33a)を備えている。磁石リング(35,33a)は、同一平面状外部領域を備えた全体的にフラットなディスク形状とされた高透磁率磁性材料部材(31a)上において、支持されている。磁石(33a,35)のN極/S極軸は、全体的に逆向きとされている。これら磁石は、磁界(40a)を形成する。この磁界(40a)は、支持体(24)の周縁表面領域(29)上に作用し、この磁界(40a)の磁束ライン(41a)は、表面(28)に対して平行な成分を有しているものの、ライン(42a)に沿った部分においてのみ、表面(28)に対して完全に平行となっている。
【0032】
図4は、一実施形態をなす装置(20b)を図示している。この装置(20b)は、プラズマ源(22)と同様ではあるものの磁石アセンブリ(30b)がチャンバ(11)の外部に配置されているような、プラズマ源(22b)を具備している。この実施形態は、基板支持体(24)の表面(28)に対して垂直なN極/S極軸を有した内周リング(33b)を備えている。磁石リング(33b,34,35)は、全体的にフラットなディスク形状とされた高透磁率材料(31b)上に、支持されている。磁石(33a,35)のN極/S極軸は、全体的に逆向きとされている。これら磁石は、磁界(40b)を形成している。この磁界(40b)は、対向するチャンバ壁から、環状周縁表面領域(39)に向けて円弧状のものとして作用する。この磁界(40b)の磁束(41b)は、表面(28)に対して平行な成分を有している。この構成は、iPVD処理装置の場合とは違って、チャンバ壁のところにあるいはチャンバ(11)の外部に磁石アセンブリのための取付スペースを有しているような、エッチング応用や他の応用において、有効である。
【0033】
図5は、一実施形態をなす装置(20c)を図示している。この装置(20c)は、プラズマ源(22a)における磁石アセンブリと同様の磁石アセンブリであるもののプラズマ源(22b)の場合と同様に外部に配置された磁石アセンブリを備えているような、プラズマ源(22c)を具備している。
【0034】
図6は、代替可能な実施形態をなす装置(20d)を図示している。この装置(20d)は、真空処理チャンバ(21)内に、プラズマ源(22d)を具備している。プラズマ源(22d)は、図2の場合と同様に、半導体ウェハ基板支持体(24)内に部分的に組み込まれている。しかしながら、この場合には、円形中央部材(24a)は、ギャップ(60)を介して、環状周縁部材(24b)に対して電気的に絶縁されている。ギャップ(60)には、電気絶縁体を設けることも、あるいは、設けないことも、できる。そのような2つの部材構成に対しては、互いに個別に制御可能なバイアス電源(26a,26b)が付設されている。RF電源が図示されているけれども、これら電源(26)のうちの任意のものを、省略することができる、あるいは、DC電源によって代替することができる。ギャップ(60)の半径は、支持されたウェハ(25)の半径と比較して、より大きなものとも、また、より小さなものとも、することができる。この実施形態においては、、また、ここに例示された他の実施形態のうちの任意の実施形態においては、部材(24a,24b)のうちのどちらに磁石アセンブリを設置するかについては、任意である。
【0035】
図6に図示された支持体(24)においては、中央領域(24a)および環状周縁領域(24b)は、互いから完全に絶縁されたものとして図示されており、互いに個別のRF電源(26a,26b)によって互いに独立的にバイアスされている。このような個別的なバイアス手法は、より複雑なものではあるものの、上述したバイアス手法と比較して、プラズマ生成に関してよりソフトな手法である。この実施形態は、デバイスダメージやトレンチングやノッチングやまたフィールド部分とボトムとの間のエッチング選択性に対して関心がある場合に、エッチング応用における使用において特に好適である。この場合の利点は、基板(25)を衝撃するイオンのエネルギーを、テーブルバイアス電力によって制御し得ることであり、これとともに、周縁領域(24b)を適切な高電力によって駆動することにより、適切に大きなプラズマ密度を得ることができることである。
【0036】
一方の領域(24a,24b)に対するバイアス電力は、ゼロという周波数(DC)とすることも、また、ラジオ波周波数(RF)とすることも、できる。RF電力の場合には、ギャップ(60)内の絶縁は、接地された金属シールド(図示せず)から構成することができる、あるいは、例えばセラミックや真空といったような絶縁媒体から構成することができる。接地された金属シールドの目的は、一方の領域と他方の領域との間のRF電力の容量結合を防止することである。これにより、各領域の独立的なバイアスを維持することができる。接地された金属シールドは、小さなギャップを介して、すなわち、プラズマ放電を引き起こし得ないような十分に小さなダークスペースを介して、バイアスされた電極から隔離される。
【0037】
図7は、他の実施形態をなす装置(20e)を図示している。この装置(20e)は、3つ以上の領域(24a,24b,24c)を備えている。これら領域は、互いに個別的にバイアスされるものとして図示されている。この場合、2つの環状周縁領域(24b,24c)が設けられており、各領域は、それぞれ対応する電源(26b,26c)によって互いに個別的にバイアスされている。領域(24b,24c)の間のバイアス印加は、必須ではないものの、プッシュプル方式とすることができる。このタイプの構成は、接地されたチャンバが誘電体によって徐々に被覆されてしまい電極として効率的に機能しなくなるような、誘電体のプラズマ増強化学気相蒸着(PECVD)プロセスにおいて、有利である。本発明の特別の実施形態は、任意の数のそのような環状周縁領域から構成することができ、その場合、各領域を、DC電力またはRF電力によってバイアスすることができる。
【0038】
上記説明は、本発明のある種の実施形態である。当業者であれば、本発明の原理を逸脱することなく、様々な追加や修正を行い得ることは、理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているような、従来技術によるウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に基づき、基板支持体表面の背面側に配置された磁石構成を使用することによって、基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【図3】図2と同様の断面図であって、本発明の他の実施形態に基づき、基板支持体表面の背面側に配置された磁石構成を使用することによって、基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【図4】図2および図3と同様の断面図であって、本発明の一実施形態に基づき、基板支持体表面に対して対向しつつチャンバの外部に配置された磁石構成を使用することによって、基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【図5】図4と同様の断面図であって、本発明の他の実施形態に基づき、基板支持体表面に対して対向しつつチャンバの外部に配置された磁石構成を使用することによって、基板支持体のところにおいてプラズマの磁気増強を使用しているウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【図6】図2と同様の断面図であって、本発明のさらに他の実施形態に基づき、基板支持体を使用したウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【図7】図2と同様の断面図であって、本発明のなおも他の実施形態に基づき、基板支持体を使用したウェハ処理チャンバを示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
20 プラズマ処理装置
20a プラズマ処理装置
20b プラズマ処理装置
20c プラズマ処理装置
20d プラズマ処理装置
20e プラズマ処理装置
21 真空処理チャンバ
22 プラズマ源
22a プラズマ源
22b プラズマ源
22c プラズマ源
22d プラズマ源
24 基板支持体
24a 中央領域
24b 環状周縁領域
25 半導体ウェハ
26 RF電源
26a バイアス電源
26b バイアス電源
26c バイアス電源
28 基板支持体の表面
30 環状永久磁石アセンブリ
30a 環状永久磁石アセンブリ
30b 環状永久磁石アセンブリ
31 高透磁率材料からなる円形部材
31a 高透磁率材料からなる円形部材
31b 高透磁率材料からなる円形部材
32 環状リム部分
33 内周リング
33a 内周リング
33b 内周リング
34 中間リング
35 外周リング
38 中央表面領域
39 環状周縁表面領域
40 磁界
40a 磁界
40b 磁界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量結合型プラズマを増強して局在化させるための方法であって、
真空処理チャンバ内において、ウェハ支持体の周縁回りに、前記支持体の中央領域上に支持されたウェハの外周エッジを囲むような、環状磁気トンネルを形成し;
前記磁気トンネル内にRFエネルギーを容量結合させて、このRFエネルギーによって、前記基板支持体のうちの、前記磁気トンネルによって実質的に拘束されている環状周縁領域のところに、プラズマを形成し、これにより、前記環状周縁領域内に形成された前記プラズマが、前記支持体の前記中央領域上に支持されたウェハに向けて、内方へと拡散し、これにより、ウェハに対するプラズマ処理が実行される;
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記ウェハ支持体の表面の周縁に隣接させて、複数の磁石を配置し、これにより、前記環状周縁領域のところにおけるプラズマの形状を調節し、これにより、前記支持体の前記中央領域上に支持された基板に隣接させて全体的に一様なプラズマを形成することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、
前記ウェハ支持体の表面の周縁に隣接させて、複数の磁石を配置し、これにより、前記環状周縁領域のところに、前記支持体の前記表面に対して全体的に平行な磁界でありかつ前記中央領域においては前記支持体から隔離されているような磁界を形成することを特徴とする方法。
【請求項4】
プラズマ処理装置であって、
真空チャンバと;
このチャンバ内に配置されているとともに、中央ウェハ支持表面と、この中央ウェハ支持表面を囲む環状周縁表面と、を備えている、ウェハ支持体と;
このウェハ支持体に対して接続されたバイアス電源と;
前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に隣接して配置されているとともに、前記環状周縁表面に隣接したところに前記中央ウェハ支持表面を囲むような環状磁気トンネルを形成し得るよう構成された少なくとも2つの磁極を備えているような、環状永久磁石アセンブリと;
を具備し、
これにより、前記中央ウェハ支持表面上のウェハから離間したところにおいて、前記磁気トンネル内にプラズマ形成用電子を拘束し、これにより、前記磁気トンネル内に形成されたプラズマを、前記磁気トンネルから、前記中央ウェハ支持表面上に支持されたウェハに向けて、内方へと拡散させることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面の背面側に配置されており、
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項4記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対して対向して配置されておりかつ前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面から離間して配置されており、
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項4記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の表面上に合成磁界を形成し得るよう構成され、
この合成磁界が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対して全体的に平行であるような、かつ、前記ウェハ支持体の前記中央ウェハ支持表面から全体的に離間して位置するような、合計磁束ラインを誘起することを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項4記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、高透磁率材料からなる部材と、外周環状磁石リングと、内周環状磁石リングと、を備え、
前記両リングの各々が、それぞれN極とS極とを有し、
前記両リングが、互いに異なる極性の磁極を前記高透磁率材料部材に対して接触または近接させて配置されていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有していることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項8記載の装置において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記内周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされかつ前記外周環状磁石リングの前記N極/S極軸とは逆向きとされたN極/S極軸を有していることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項8記載の装置において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記外周環状磁石リングの第1磁極が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対向しており、
前記内周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記内周環状磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面から離間する向きを向いていることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、中間磁石リングを備え、
この中間磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記中間磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面を向いていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項8記載の装置において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記外周環状磁石リングの第1磁極が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対向しており、
前記環状永久磁石アセンブリが、中間磁石リングを備え、
この中間磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記中間磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面を向いていることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項4記載の装置において、
前記ウェハ支持体が、前記中央ウェハ支持表面を取り囲んで、複数の環状周縁表面を備えていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項4記載の装置において、
前記ウェハ支持体の前記両表面が、互いに電気的に絶縁されていることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項4記載の装置において、
前記バイアス電源が、互いに個別的に制御可能とされた複数のRFまたはDCバイアス電源を備え、
前記ウェハ支持体の前記両表面が、互いに電気的に絶縁されているとともに、それら表面の各々が、互いに異なるバイアス電源に対して接続されていることを特徴とする装置。
【請求項17】
プラズマ源であって、
中央ウェハ支持表面と、この中央ウェハ支持表面を囲む環状周縁表面と、を備えているウェハ支持体と;
このウェハ支持体に対して接続されたバイアス電源と;
前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に隣接して配置されているとともに、第1極性を有した内周磁石と逆極性を有した外周磁石とを含めた少なくとも2つの磁石を備えているような、環状永久磁石アセンブリと;
を具備し、
前記少なくとも2つの磁石が、前記環状周縁表面に対して平行でありかつ前記中央ウェハ支持表面に対して垂直であるような磁界を形成し得るよう構成されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項18】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記中央ウェハ支持表面上のウェハから離間したところにおいて、内部で励起されたプラズマ形成用電子を拘束し得るものとされた磁気トンネルを形成し、
これにより、前記磁気トンネル内に形成されたプラズマを、前記磁気トンネルから、前記中央ウェハ支持表面上に支持されたウェハに向けて、内方へと拡散させることを特徴とするプラズマ源。
【請求項19】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、高透磁率材料からなる部材と、外周環状磁石リングと、内周環状磁石リングと、を備え、
前記両リングの各々が、それぞれN極とS極とを有し、
前記両リングが、互いに異なる極性の磁極を前記高透磁率材料部材に対して接触または近接させて配置されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項20】
請求項19記載のプラズマ源において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有していることを特徴とするプラズマ源。
【請求項21】
請求項19記載のプラズマ源において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記内周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされかつ前記外周環状磁石リングの前記N極/S極軸とは逆向きとされたN極/S極軸を有していることを特徴とするプラズマ源。
【請求項22】
請求項19記載のプラズマ源において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記外周環状磁石リングの第1磁極が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対向しており、
前記内周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記内周環状磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面から離間する向きを向いていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項23】
請求項22記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、中間磁石リングを備え、
この中間磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記中間磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面を向いていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項24】
請求項19記載のプラズマ源において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記外周環状磁石リングの第1磁極が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対向しており、
前記環状永久磁石アセンブリが、中間磁石リングを備え、
この中間磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記中間磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面を向いていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項25】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記環状周縁表面の少なくとも一部にわたって全体的にフラットであるような磁界を形成し得るよう構成されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項26】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面の背面側に配置されており、
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項27】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対して対向して配置されておりかつ前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面から離間して配置されており、
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項28】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記ウェハ支持体が、前記中央ウェハ支持表面を取り囲んで、複数の環状周縁表面を備えていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項29】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記ウェハ支持体の前記両表面が、互いに電気的に絶縁されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項30】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記プラズマ源が、互いに個別的に制御可能とされた複数のRFまたはDCバイアス電源を備え、
前記ウェハ支持体の前記両表面が、互いに電気的に絶縁されているとともに、それら表面の各々が、互いに異なるバイアス電源に対して接続されていることを特徴とするプラズマ源。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量結合型プラズマを増強して局在化させるための方法であって、
真空処理チャンバ内において、ウェハ支持体の周縁回りに、前記支持体の中央領域上に支持されたウェハの外周エッジを囲むような、環状磁気トンネルを形成し;
前記磁気トンネル内にRFエネルギーを容量結合させて、このRFエネルギーによって、前記基板支持体のうちの、前記磁気トンネルによって実質的に拘束されている環状周縁領域のところに、プラズマを形成し、これにより、前記環状周縁領域内に形成された前記プラズマが、前記支持体の前記中央領域上に支持されたウェハに向けて、内方へと拡散し、これにより、ウェハに対するプラズマ処理が実行される;
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記ウェハ支持体の表面の周縁に隣接させて、複数の磁石を配置し、これにより、前記環状周縁領域のところにおけるプラズマの形状を調節し、これにより、前記支持体の前記中央領域上に支持された基板に隣接させて全体的に一様なプラズマを形成することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、
前記ウェハ支持体の表面の周縁に隣接させて、複数の磁石を配置し、これにより、前記環状周縁領域のところに、前記支持体の前記表面に対して全体的に平行な磁界でありかつ前記中央領域においては前記支持体から隔離されているような磁界を形成することを特徴とする方法。
【請求項4】
プラズマ処理装置であって、
真空チャンバと;
このチャンバ内に配置されているとともに、中央ウェハ支持表面と、この中央ウェハ支持表面を囲む環状周縁表面と、を備えている、ウェハ支持体と;
このウェハ支持体に対して接続されたバイアス電源と;
前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に隣接して配置されているとともに、前記環状周縁表面に隣接したところに前記中央ウェハ支持表面を囲むような環状磁気トンネルを形成し得るよう構成された少なくとも2つの磁極を備えているような、環状永久磁石アセンブリと;
を具備し、
これにより、前記中央ウェハ支持表面上のウェハから離間したところにおいて、前記磁気トンネル内にプラズマ形成用電子を拘束し、これにより、前記磁気トンネル内に形成されたプラズマを、前記磁気トンネルから、前記中央ウェハ支持表面上に支持されたウェハに向けて、内方へと拡散させることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面の背面側に配置されており、
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項4記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対して対向して配置されておりかつ前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面から離間して配置されており、
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項4記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の表面上に合成磁界を形成し得るよう構成され、
この合成磁界が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対して全体的に平行であるような、かつ、前記ウェハ支持体の前記中央ウェハ支持表面から全体的に離間して位置するような、合計磁束ラインを誘起することを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項4記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、高透磁率材料からなる部材と、外周環状磁石リングと、内周環状磁石リングと、を備え、
前記両リングの各々が、それぞれN極とS極とを有し、
前記両リングが、互いに異なる極性の磁極を前記高透磁率材料部材に対して接触または近接させて配置されていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有していることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項8記載の装置において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記内周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされかつ前記外周環状磁石リングの前記N極/S極軸とは逆向きとされたN極/S極軸を有していることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項8記載の装置において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記外周環状磁石リングの第1磁極が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対向しており、
前記内周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記内周環状磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面から離間する向きを向いていることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、中間磁石リングを備え、
この中間磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記中間磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面を向いていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項8記載の装置において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記外周環状磁石リングの第1磁極が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対向しており、
前記環状永久磁石アセンブリが、中間磁石リングを備え、
この中間磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記中間磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面を向いていることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項4記載の装置において、
前記ウェハ支持体が、前記中央ウェハ支持表面を取り囲んで、複数の環状周縁表面を備えていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項4記載の装置において、
前記ウェハ支持体の前記両表面が、互いに電気的に絶縁されていることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項4記載の装置において、
前記バイアス電源が、互いに個別的に制御可能とされた複数のRFまたはDCバイアス電源を備え、
前記ウェハ支持体の前記両表面が、互いに電気的に絶縁されているとともに、それら表面の各々が、互いに異なるバイアス電源に対して接続されていることを特徴とする装置。
【請求項17】
プラズマ源であって、
中央ウェハ支持表面と、この中央ウェハ支持表面を囲む環状周縁表面と、を備えているウェハ支持体と;
このウェハ支持体に対して接続されたバイアス電源と;
前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に隣接して配置されているとともに、第1極性を有した内周磁石と逆極性を有した外周磁石とを含めた少なくとも2つの磁石を備えているような、環状永久磁石アセンブリと;
を具備し、
前記少なくとも2つの磁石が、前記環状周縁表面に対して平行でありかつ前記中央ウェハ支持表面に対して垂直であるような磁界を形成し得るよう構成されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項18】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記中央ウェハ支持表面上のウェハから離間したところにおいて、内部で励起されたプラズマ形成用電子を拘束し得るものとされた磁気トンネルを形成し、
これにより、前記磁気トンネル内に形成されたプラズマを、前記磁気トンネルから、前記中央ウェハ支持表面上に支持されたウェハに向けて、内方へと拡散させることを特徴とするプラズマ源。
【請求項19】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、高透磁率材料からなる部材と、外周環状磁石リングと、内周環状磁石リングと、を備え、
前記両リングの各々が、それぞれN極とS極とを有し、
前記両リングが、互いに異なる極性の磁極を前記高透磁率材料部材に対して接触または近接させて配置されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項20】
請求項19記載のプラズマ源において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有していることを特徴とするプラズマ源。
【請求項21】
請求項19記載のプラズマ源において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記内周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされかつ前記外周環状磁石リングの前記N極/S極軸とは逆向きとされたN極/S極軸を有していることを特徴とするプラズマ源。
【請求項22】
請求項19記載のプラズマ源において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記外周環状磁石リングの第1磁極が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対向しており、
前記内周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記内周環状磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面から離間する向きを向いていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項23】
請求項22記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、中間磁石リングを備え、
この中間磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記中間磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面を向いていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項24】
請求項19記載のプラズマ源において、
前記外周環状磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して垂直とされたN極/S極軸を有し、
前記外周環状磁石リングの第1磁極が、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対向しており、
前記環状永久磁石アセンブリが、中間磁石リングを備え、
この中間磁石リングが、前記ウェハ支持体の前記両表面に対して平行とされたN極/S極軸を有し、
前記中間磁石リングの、前記外周環状磁石リングの前記第1磁極と同じ極性を有した磁極が、前記中央ウェハ支持表面を向いていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項25】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記環状周縁表面の少なくとも一部にわたって全体的にフラットであるような磁界を形成し得るよう構成されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項26】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面の背面側に配置されており、
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項27】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対して対向して配置されておりかつ前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面から離間して配置されており、
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項28】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記ウェハ支持体が、前記中央ウェハ支持表面を取り囲んで、複数の環状周縁表面を備えていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項29】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記ウェハ支持体の前記両表面が、互いに電気的に絶縁されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項30】
請求項17記載のプラズマ源において、
前記プラズマ源が、互いに個別的に制御可能とされた複数のRFまたはDCバイアス電源を備え、
前記ウェハ支持体の前記両表面が、互いに電気的に絶縁されているとともに、それら表面の各々が、互いに異なるバイアス電源に対して接続されていることを特徴とするプラズマ源。
【請求項31】
プラズマ処理装置であって、
真空チャンバと;
このチャンバ内に配置されているとともに、中央ウェハ支持表面と、この中央ウェハ支持表面を囲む環状周縁表面と、を備えている、ウェハ支持体と;
このウェハ支持体に対して接続されたRF電源と;
前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に隣接して配置されているとともに、互いに逆極性をなす配向状態で配置された少なくとも2つの全体的にリング形状をなす磁石を備えているような、環状永久磁石アセンブリと;
を具備し、
前記両磁石が、前記環状周縁表面に隣接したところに前記中央ウェハ支持表面を囲むような環状磁気トンネルをなす全体的に径方向を向いた磁界を形成し得るよう構成され、
これにより、前記中央ウェハ支持表面上のウェハから離間したところにおいて、前記磁気トンネル内にプラズマ形成用電子を拘束し、これにより、前記磁気トンネル内に形成されたプラズマを、前記磁気トンネルから、前記中央ウェハ支持表面上に支持されたウェハに向けて、内方へと拡散させることを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項31記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面の背面側に配置されており、
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項31記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面に対して対向して配置されておりかつ前記ウェハ支持体の前記環状周縁表面から離間して配置されており
前記環状永久磁石アセンブリの前記磁極から前記ウェハ支持体の表面へと円弧状をなすような磁界によって、前記磁気トンネルが形成されていることを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項31記載の装置において、
前記環状永久磁石アセンブリが、高透磁率材料からなる部材と、外周環状磁石リングと、内周環状磁石リングと、を備え、
前記両リングの各々が、それぞれN極とS極とを有し、
前記両リングが、互いに異なる極性の磁極を前記高透磁率材料部材に対して接触または近接させて配置されていることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−511945(P2006−511945A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563804(P2004−563804)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040528
【国際公開番号】WO2004/059712
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【出願人】(598133768)トーキョー エレクトロン アリゾナ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】