説明

密封材を用いる治療ドレッシング、システム、および方法

実施例によると、患者の組織部位における創傷を治療するためのシステムが開示されており、当該システムは、減圧を供給する減圧源と、ドレープと組織部位の間に漏れる可能性がある通路が生じうる創傷を覆うために組織部位に接着するドレープと、ドレープと組織部位の間に配置されるシールとを具える。このシールは流体に反応し、減圧が創傷に適用されたときにドレープの外側から通路を通って漏れた空気に反応して通路を実質的に塞ぐ密封材を形成する。他の実施例によると、組織部位における創傷を治療するためにドレープを組織部位に密封する方法も開示されており、当該方法は、ドレープを適用してドレープと組織部位の間に通路が形成される組織部位を覆うステップと、ドレープと組織部位の間にシールを配置するステップとを含んでおり、このシールは流体と反応して、通路を実質的に防ぐ密封材を形成するよう適応している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全ての目的のために参照により本書に組み込まれる、米国特許法119条(e)項の下で2009年9月15日出願の米国仮特許出願第61/242,488号、名称「System and Method for Sealing a Wound(創傷を密封するシステムおよび方法)」の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は概して治療システムに関するものであり、より具体的には、密封材を利用する医療用ドレッシング、システム、および方法に関するものである。
【0003】
臨床研究および臨床診療は、組織部位の近傍に減圧を加えると、組織部位における新しい組織の成長を強化し、促進させるということを明らかにしてきた。この現象の応用例は数多くあるが、減圧の適用は特に創傷治療に効果がある。この治療法(しばしば、医学界では「負圧創傷療法」、「減圧療法」、または「真空療法」と称される)は、治癒促進および肉芽組織の形成の向上を含む多くの利点を提供する。特に指示がない限り、本書で使用する「または」は相互排他性を必要としない。
【発明の概要】
【0004】
実施例によると、患者の組織部位における創傷を治療するためのシステムが開示されており、当該システムは、減圧を供給する減圧源と、ドレープと組織部位の間に漏れる可能性がある通路が生じうる創傷を覆うために組織部位に接着するドレープと、ドレープと組織部位の間に配置されたシールとを具える。このシールは流体に反応し、減圧が創傷に適用されたときにドレープの外側から通路を通って漏れた空気に反応して通路を実質的に塞ぐ密封材を形成するよう適応する。
【0005】
他の実施例によると、この装置は、第1の面と第2の組織対向面とを有するシールを具える。このシールは組織部位に近接して位置するよう適応し、流体がある状態で拡張して組織部位に実質的に密封された空間を形成するよう機能する。この装置はさらに、密封材を覆い、さらに実質的に密封された空間を形成するドレープを具える。
【0006】
他の実施例によると、組織部位における創傷を治療するためにドレープを組織部位に密封する方法も開示されており、当該方法は、ドレープを適用してドレープと組織部位の間に通路が形成される組織部位を覆うステップと、ドレープと組織部位の間にシールを配置するステップとを具えており、このシールは流体に反応し、通路を実質的に塞ぐ密封材を形成するよう適応する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、一実施例による密封材を用いるドレッシングを有する減圧治療システムの概略的な断面図である。
【図2】図2は、図1の実施形態に示す密封材および創傷の概略平面図である。
【図3】図3は、密封材がゲル状また液状に変形した後の、図1に示すドレッシングおよび密封材の概略的な断面図である。
【図4】図4は、図1の減圧治療システムにおける密封材を用いるドレッシングの他の実施形態の概略的な断面図である。
【図5】図5は、一実施例による図4のドレッシングに用いるドレープ、密封材、および剥離ライナの概略透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の実施例の詳述では、その一部を構成する添付の図面について説明がなされている。これらの実施形態は、当該技術分野における当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載されており、他の実施形態が利用可能であり、本発明の精神または範囲を超えることなく、論理構造的、機械的、電気的および化学的な変更が可能であることを理解されたい。当業者が本書に記載した実施形態を実施可能とするのに必要のない細部説明を避けるため、当業者に既知の特定の情報を説明から省略することがある。従って、以下の詳述は限定的な意味に捉えるべきではなく、実施例の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0009】
本書で使用する「減圧」は一般に、治療を受ける組織部位の周囲圧力よりも低い圧力を意味する。殆どの場合、この減圧は患者がいる大気圧よりも低いであろう。代替的に、減圧は組織部位の組織に関係する静水圧よりも低いことがある。用語「真空(vacuum)」および「負圧(negative pressure)」は、組織部位に加える圧力を説明するために使用されるうるが、組織部位に加えられる実際の減圧は、完全真空に一般に関連する減圧よりも著しく小さいことがある。減圧は最初に、組織部位の領域に流体の流れを発生させることができる。組織部位周辺の静水圧が所望の減圧に近付くにつれて、この流れは弱まり、減圧はそこで維持される。特に指示がない限り、本書に記載する圧力値はゲージ圧である。同様に、減圧の増加についての指示は一般に絶対圧力の減少を指し、減圧の減少は一般に絶対圧力の増加を指している。
【0010】
本書で使用する用語「組織部位」は、限定ではないが、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、皮膚組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、靱帯を含む任意の組織上または組織内に位置する創傷または欠損を含むが、これらに限定はされない。用語「組織部位」はさらに、創傷または欠損である必要はなく、その代わりに、付加的な組織の成長を追加または促進させることが望ましい領域である、任意の組織部位の領域を示すことがある。例えば、減圧組織治療は、採取して他の組織部位に移植することができる付加的な組織を成長させるために、特定の組織領域に利用することができる。この組織は、患者として治療される、ネズミ、ラット、うさぎ、猫、犬、または人間を含む霊長類といった動物の組織とすることができる。さらに、組織部位の創傷は、外傷、手術、変性、および他の原因を含む様々な原因によるものであってもよい。
【0011】
図1および2を参照すると、実施例による患者の組織部位101に減圧を適用する減圧治療システム100が記載されており、この組織部位101は、限定はしないが、このような組織の表皮103を含む健全な組織によって囲まれた創傷102を含む。このシステム100は、キャニスタ104内に収容されたフィルタ(図示せず)を有するキャニスタ104と、流体105を組織部位101に送達するための流体供給部106とを具えている。キャニスタ104は、減圧源108と組織部位101に配置された減圧ドレッシング110を流体連通するように配置されている。減圧ドレッシング110は導管112によってキャニスタ104に流体連結されている。この導管112は、管アダプタ114を介して減圧ドレッシング110と流体連通することができる。第2の導管116は、キャニスタ104を減圧源108に流体連結する。
【0012】
キャニスタ104は流体リザーバまたは収集部材であって、組織部位101から除去された滲出液または他の流体を濾過または保持してもよい。一実施形態では、キャニスタ104および減圧源108は、1つのハウジング構造に一体化する。流体供給部106は第3の導管118によって減圧ドレッシング110に流体連結されており、この第3の導管118は、減圧ドレッシング110(図示せず)に直接連結、あるいは減圧源108からの減圧および/または流体供給部106からの流体105の送達をそれぞれ制御するためのバルブ122および124を要する導管112を介して間接的に連結されうる。流体105はいかなる気体または液体であってもよく、組織部位101における創傷102を治療するための成長要素、治癒要素、または他の物質を含みうる。例えば、流体105は、空気、水、生理食塩水、または着色生理食塩水であってもよい。
【0013】
図1に示す実施形態では、減圧源108は電気駆動の真空ポンプである。他の実装例では、減圧源108は、代わりに電力を必要としない手動作動式または手動チャージ型のポンプであってもよい。この減圧源108はその代わりに、如何なる他の種類の減圧ポンプであってもよく、代替的には病院や他の医療施設で使用できるような壁吸引ポートであってもよい。減圧源108は減圧治療ユニット128内に収容されて、あるいは該ユニットと併せて使用することができ、この減圧治療ユニット128はさらに、組織部位101への減圧治療の適用を更に容易にするセンサ、処理ユニット、アラーム表示器、目盛、データベース、ソフトウェア、ディスプレイユニット、およびユーザインタフェースを有しうる。一例では、センサまたはスイッチ(図示せず)が減圧源108またはその近くに配置され、減圧源108によって生成される源圧を決定させることもできる。このセンサは、減圧源108によって送達される減圧をモニタし、制御する処理ユニットと通信することもできる。
【0014】
減圧ドレッシング110は、組織部位101に位置するよう適応した分配マニホールド130と、分配マニホールド130を覆うドレープ132とを有し、ドレープ132の真下の組織部位101に減圧を維持する。ドレープ132は開口134を有し、この開口を通って管アダプタ114が延在して導管112と分配マニホールド130の間に流体連通を設けている。ドレープ132はさらに周辺部136を具えており、周辺部136は、組織部位101の外周を越えて延在し、ドレープ132を組織部位101の周辺の組織に固定する接着剤または結合剤(図示せず)を有しうる。一実施形態では、ドレープ132に配置された接着剤を用いて表皮103とドレープ132の間にシールを設け、組織部位101から減圧が漏れるのを防ぐこともできる。他の実施形態では、例えば、ハイドロゲルまたは他の材料のようなシールの層(図示せず)をドレープ132と表皮103の間に配置して、接着剤の密封特性を増補または代用してもよい。
【0015】
減圧ドレッシング110の分配マニホールド130は、組織部位101と接触するよう適応している。分配マニホールド130は、減圧ドレッシング110によって治療される組織部位101と部分的または完全に接触することができる。分配マニホールド130が組織部位101における創傷102と接触する場合、分配マニホールド130は創傷102を部分的または完全に塞ぐことができる。この分配マニホールド130は、行われる治療の種類、または組織部位101または創傷102の性質や大きさなどの様々な要因に応じて、如何なるサイズ、形状、または厚さであってもよい。例えば、分配マニホールド130のサイズおよび形状は、組織部位101の特定の部分を覆う、あるいは組織部位101または創傷102を塞ぐか部分的に塞ぐように、ユーザによってカスタマイズされてもよい。分配マニホールド130は例えば四角形を有してもよく、あるいは、円形、楕円形、多角形、変則的な形状、または任意の他の形状に形作られてもよい。分配マニホールド130はさらに、減圧が減圧ドレッシング110を介して適用されたときに組織部位101における肉芽化を促進しうる。例えば、分配マニホールド130の表面の一部または全てが、減圧が分配マニホールド130を介して適用されたときに組織部位101に微小歪みや応力を生じさせる、不均一、粗い、またはぎざぎざの形状を有していてもよい。これらの微小歪みや応力は、新たな組織の成長を向上させることが分かっている。
【0016】
一実施例では、分配マニホールド130は、当該分配マニホールド130が組織部位101またはその近くと接触したときに減圧を組織部位101を分配する発泡材である。この発泡材は疎水性であっても親水性であってもよい。非限定的な一例では、分配マニホールド130は、テキサス州サンアントニオのKinetic Concepts社から入手可能なGranuFoam(登録商標)ドレッシングのような、オープンセルの網状ポリウレタン発泡体である。分配マニホールド130が親水性材料から作られる例では、分配マニホールド130はさらに、マニホールドとして減圧を組織部位101に提供し続けながら、組織部位101から流体を吸い上げるように機能する。分配マニホールド130の吸い上げ特性は、毛細管流動または他の吸い上げ機構によって組織部位101から流体を抜き取る。親水性発泡体の例が、テキサス州サンアントニオのKinetic Concepts社から入手可能なV.A.C.WhiteFoam(登録商標)ドレッシングのような、ポリビニルアルコールのオープンセル発泡体である。他の親水性発泡体はポリエーテルから作られた発泡体も含みうる。親水性の特性を呈する他の発泡体は、親水性を提供するように処理または被覆された疎水性発泡体を含む。
【0017】
一実施形態では、分配マニホールド130は、減圧ドレッシング110を使用した後に患者の体から除去する必要がない生体再吸収性材料から構成することができる。適切な生体再吸収性材料は、限定ではないが、ポリ乳酸(PLA)およびポリグリコール酸(PGA)のポリマブレンドを含みうる。このポリマブレンドはさらに、限定ではないが、ポリカーボネート、ポリフマレート、およびカプロラクトンを含みうる。分配マニホールド130はさらに新たなセル成長のためのスキャホールドとして機能しうる、あるいはスキャホールド材料を分配マニホールド130と共に使用してセル成長を促進させることができる。スキャホールドは、セル成長のためのテンプレートを提供する3次元多孔構造などの、セルの成長または組織の形成を増強または促進するために用いられる物質または構造である。スキャホールド材料の実施例は、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、サンゴヒドロキシアパタイト、カーボネート、または処理された同種移植片材料を含む。
【0018】
ドレープ132は、空気圧または流体のシールを提供する如何なる材料であってもよい。ドレープ132は、例えば、不透性、または半透性のエラストマ材料であってもよい。「エラストマの」とは、エラストマの特性を有することを意味しており、一般にゴムのような特性を有するポリマ材料を指す。より具体的には、殆どのエラストマは100%以上の伸長率や著しい量の弾力性を有する。材料の弾力は、弾性変形から回復する材料の能力を指している。エラストマの例は、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマ、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、共ポリエステル、およびシリコーンを含みうるが、これらに限定はされない。ドレープ材料の具体例は、シリコーンドレープ、3M Tegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennison社から入手できるようなアクリルドレープ、または切開ドレープを含む。
【0019】
減圧ドレッシング110はさらにシール140を具えており、このシール140は、概ね環状の形状であって、組織部位101とドレープ132の間に配置され、それにより組織部位101上に配置されたときに組織対向面142とドレープ対向面144とを有している。ドレープ132は、当該ドレープ132の周辺部136がシール140を超えて延在するようにシール140を覆っており、これによりドレープ132の接着部は組織部位101の創傷102周辺の組織に接着する。シール140は実質的に固体の形状であり、組織対向面142が組織部位101の表皮103に近接して位置するように創傷102を実質的に取り囲んでいる。ドレープ132の周辺部136は、上述のようにある程度の密封力を有する接着剤として機能するが、表皮103は表面に周辺部136を越えて延在する凹みや隙間、または他の切れ目、すなわち表皮の不連続部150を有することがある。これらの表皮の不連続部150は通路152を形成し、減圧が分配マニホールド130に送達されたときに、減圧ドレッシング110の外側からの空気(「外気」)がその通路152を通って組織部位101に漏れてしまうことがある。さらに、ドレープ132が組織部位101上に配置されたとき、ドレープ132のひだまたは歪み、すなわちドレープの不連続部154もまた通路152を形成し、減圧が分配マニホールド130に送達されたときに、外気がその通路152を通って組織部位101に漏れてしまうことがある。
【0020】
図1および3を参照すると、シール140は最初に固体の形態をしており、このシールは、例えば、矢印155に示すような外気の流れなどの流体に反応するよう適応した材料から作られている。この反応は、固相から、表皮の不連続部150および/またはドレープの不連続部154によって作られた通路152を塞ぐように流動または膨脹する液体かゲルの何れかにシール140を変形させる。その結果、変形したシール140は、通路152を塞ぎ、減圧が分配マニホールド130に送達されたときに外気が組織部位101に漏れるのを防ぐ密封材160を形成する。この密封材160は通路152を実質的に閉塞して、減圧によって外気が創傷102に吸い込まれるのを防ぎ、その結果、分配マニホールド130によって組織部位101に送達される減圧レベルを維持する。
【0021】
シール140は、外気が含む水蒸気に反応して材料内に炭酸ガスを生成するイソシアネートを含有する材料から製造されてもよく、この炭酸ガスは材料を膨脹させて、表皮の不連続部150とドレープの不連続部154によって作られた通路152を埋める密封材160を形成しながら通路152を塞ぐ。感水ポリマを用いてシール140を形成することもできる。例えば、シール140は架橋結合していない感水ポリマから形成されて、湿気に曝されたときに液化してもよい。シール140は架橋結合した感水ポリマから形成されて、湿気に曝されたときに膨潤してもよい。感水ポリマは、ポリアクリラート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギナート、およびカルボキシメチルセルロースを含む。他の例では、シール140は、金属水素化物および金属炭化物といった気体を発生させる感水材料から形成されてもよい。さらに、無水物などの吸湿性材料を用いて、湿気が吸収されると一部の容積も増加しうるシール140を形成してもよい。密封材160を形成する感水シール140の変形は、シール140の表面を水で湿らすスポンジまたは他の適用デバイスを最初に使用することによって開始あるいは加速させることができる。外気が含む水蒸気がシール140に用いられる感水材料に反応したときに更なる変形が生じる。
【0022】
他の実施形態では、流体供給部106は、上述し、さらに矢印164に示すように、分配マニホールド130を介して流体105を組織部位101に提供することができ、この流体105は、シール140と接触する外気の漏れを受けた場合にシール140を密封材160に容易に変形させる物質を含む。他の実施形態では、流体供給部106は、上述し、さらに矢印164に示すように、分配マニホールド130を介して流体105を組織部位101に提供することができ、この流体105は、シール140と接触する外気の漏れを受けることなくシール140を密封材160に変形させる物質を含む。例えば、シール140を液化または膨潤させる溶液として溶媒を導入してもよい。上述のように、密封材160を形成するための感水シール140の変形は、シール140の表面を水か溶媒の何れかで湿らすスポンジまたは他の適用デバイスを最初に使用することによって開始あるいは加速させることができる。
【0023】
使用できる溶媒の例は、改質ポリウレタン、アクリル樹脂、およびアセテートなどの材料から製造されたシール140に反応するアルコール、グリコール、ポリエチレングリコール、およびグリセリンを含む。水と不親和性の他の溶媒を用いて、シール140によって吸収される乳剤または散剤として導入してもよく、シール140は反応した結果として液化または膨潤する。これらの水不親和性溶媒の例は、エステル、フタラート、トリメリテート、シトレート、および植物油を含む。シール140は、流体105と接触すると膨脹する活性物質を含有するポリウレタンから形成されてもよい。ポリウレタンは接着剤としても機能することができ、これにより密封材160はドレープ132および患者の表皮103により密接に接着する。
【0024】
他の実施形態では、シール140は、イソシアネート、炭酸水素ナトリウム、流体に曝されると膨脹する超吸収繊維、または流体に曝されると膨潤する吸水ポリマも含みうる。シール140が繊維から形成される例では、この繊維は、繊維が少なくとも2方向を向いて、互いに交差するようなメッシュを形成しうる。一実施形態では、シール140の膨張は、密封材160に変形した後にシール140内に気泡を形成することによって生じうる。これらの気泡は、シール140と流体105の間が接触すると二酸化炭素を放出することによって生じうる。シール140に用いられる特有の材料は、シール140の膨脹を活性化させるように決められてもよい。さらに、シール140の形状は、シール140が使用または適用される方法に応じて異なってもよい。
【0025】
シール140の膨張は、利用される実施形態や、以下の幾つもの非限定的な例に応じて、如何なる種類の機構をも用いて活性化させることができる。一例では、上述のように、シール140は、図3の矢印164に示すように、分配マニホールド130を介して流体供給部106から送達された流体105がある状況下で膨脹する。流体105は分配マニホールド130を通って流れてシール140と接触し、上述のように、表皮の不連続部150およびドレープの不連続部154によって作られた通路152を塞ぐようにシール104を膨脹させる。流体105はシール140が膨脹した後も密封材160に供給され続け、創傷102に治療を施すことができる。
【0026】
シール140を活性化し、膨脹させるために用いられる流体は、流体供給部106以外の供給源から生じることもある。一実施形態では、シール140に供給される流体は創傷102からの滲出液であってもよい。この例では、滲出液の流れの矢印157に示すように、滲出液がシール140に流動する。他の例では、減圧ドレッシング110を組織部位101に適用する前に、スポンジまたは他の適用デバイスを用いて、流体を組織部位101、より具体的には表皮103の表層に予め適用することにより、流体をシール140に供給することもできる。この予め適用される流体は、シール140の膨脹を活性化させるのに十分なゲルまたは液体であってもよい。さらに他の例では、減圧ドレッシング110が組織部位101に適用された後に、ドレープ132の周辺部136の下側から流体をシール140に適用することができる。この例では、患者を含む介護人によって、流体がシール140上またはその中へと噴霧、注入、あるいは適用することができる。たとえ介護人はシール140の全てまたは相当な部分を流体に曝すことを望んだとしても、介護人は、通路152が検出された減圧ドレッシング110の領域の評価に基づいて、流体をシール140の対象領域に適用することもできる。この手法を用いて、介護人は、減圧ドレッシング110内の流体導入部が存在する領域を特定し、通路152に近接したシール140のこれらの部分に流体を適用することができる。
【0027】
シール140を流体に曝すことができる機構の他の例では、上述し、矢印155に示すように、減圧を分配マニホールド130に適用することができ、これにより、減圧ドレッシング110の外側から通路152を通って外気がシール140に吸い込まれる。空気内の蒸気または湿気がシール140と接触すると、上述のようにシール140に反応する。このシール140は、空気またはその成分に反応する材料から形成することができる。例えば、シール140は、酸素、二酸化炭素、または気体の他の成分に反応して、シール140を膨脹させてもよい。他の実施形態では、シール140は、シール140を膨脹させる、通路152内に外部から注入できる空気以外の気体に反応する材料から形成されてもよい。気体を吸収したときに容積を増加させる材料の例は、酸素に反応して酸化鉄(Fe)を形成する鉄、および二酸化炭素に反応して炭酸亜鉛を形成する酸化亜鉛を含む。アミン類およびアルコールアミン類をシール140に使用して、二酸化炭素を吸収させることもできる。
【0028】
さらに他の例では、減圧を分配マニホールド130に適用して、シール140を膨脹させるのに十分な程度の圧力差をドレープ132下側に生成することができる。この例では、シール140は、材料の全長にわたって圧力低下がある場合に膨脹する材料から形成される。一実施形態では、シール140は、低沸点の液体が充填されたポリマ球または気泡を含有する材料(Strawinskylaan2555、1077 ZZ Amsterdam、Postbus75730に位置するAkzo Nobel N.V.社から入手できるExpancel(登録商標)など)を含む構成物であってもよい。加熱すると、ポリマは軟化して球が膨脹し、シール140が何れの通路152をも塞ぐ。代替的には、ポリマ球は、球の内圧または対応するサイズを著しく変化させることなく、弾性状態へと軟化しうる。しかしながら、減圧がシール140に適用された場合には、シール140が通路152を塞ぐように、弾性球は当該弾性球を膨脹させる圧力差の影響を受ける。この圧力差は増大し、何れの通路152をも塞いで、密接したシールを形成すべく球を互いに結合させるため、さらに球を膨脹させて、ゲルまたは接着剤のような内容物が放出するように最終的に破裂させる。さらに、露出する内容物は酸素感受性であって、シールの安定性を高めるべく経時的に硬化してもよい。
【0029】
シール140とドレープ132は一ユニットとして組織部位101に適用されてもよく、あるいは、介護人は、シール140を適用した後にドレープ132でシール140を覆うこともできる。他の実施形態では、介護人は、ドレープ132を組織部位101に適用した後に、シール140の全てまたは一部をドレープ132の周辺部136の下側に挿入することもできる。減圧ドレッシング110が組織部位101に適用された後にシール140を減圧ドレッシング110に挿入することにより、シール140を現在ある創傷ドレッシングと共に使用することができる。
【0030】
図4および5を参照すると、ドレープ132と、(図5に示すような)シール240と、分配マニホールド130とを有する減圧ドレッシング210が図示されている。ドレープ132は、第1の面250と、第2の組織対向面252とを有する。このシール240は、形状のみが図1のシール140とは異なっており、シール240はドレープ132の第2の組織対向面252の相当部分を覆っている。シール240がゲル状または液状に変形して図4に示す密封材260を形成した場合、密封材260は表皮103のより広い表面積を覆い、上述のような表皮の不連続部150とドレープの不連続部(図示せず)から生じた通路152(図示せず)をより一層閉塞する。ドレープ132と表皮103の間で接触するより広い領域を覆う密封材を使用すると、両方の不連続部によって生じる通路152の数や程度は更に減少しうる。
【0031】
図5に示すような剥離ライナ254を利用して、減圧ドレッシング210を組織部位101に適用する前にシール240の組織対向面212を覆うこともできる。この剥離ライナ254は、シール240が表皮103と接触する前のシール240の接着性を保持する。剥離ライナ254はさらに、減圧ドレッシング210を組織部位101に適用する前に流体がシール240と接触するのを防ぐ。剥離ライナ254は気体または液体不透過性の材料から形成され、組織部位101に適用される前にシール240が汚染される、あるいはゲル状または液状に変形するのを防ぐこともできる。介護人が希望する時に剥離ライナ254をシール240から簡単に剥がすことができるように、剥離ライナ254はタブ(図示せず)を有していてもよい。
【0032】
代替的な実施形態では、減圧ドレッシング110を組織部位101に適用した後に、シール240をドレープ132と表皮103の間の分離部分に挿入してもよい。ドレープ132は組織部位101に適用され、密封材としても機能しうる接着剤(図示せず)によって定位置に保持されうる。ドレープ132の周辺部には接着剤を付けず、減圧が創傷102に適用された後に検出されうる何れの通路152をも塞ぐために、ドレープ132と表皮103の間にシール240を挿入する部分のための空間を残す。分離部分のシール240は、図1および4に示すように環状の形状である必要はなく、むしろ検出された通路152を閉塞するために必要とされる如何なる形状であってもよい。1以上の分離部分のシール240は所望の位置でドレープ132の下側に挿入され、次いで上述のような何れかの刺激物、例えば減圧または流体に曝されて、シールを図3および4にそれぞれ示すような密封材160、260に変形させる。
【0033】
本発明およびその利点が、特定の例示的、非限定的な実施形態の文中に開示されているが、添付の特許請求の範囲により規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変化、代用、置換、および代替をすることができると理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織部位における創傷を治療するためのシステムにおいて、当該システムが:
減圧を供給する圧力源と;
前記圧力源と流体連通し、減圧を前記創傷に提供するマニホールドと;
前記組織部位に接着して前記創傷および前記マニホールドを覆うドレープであって、前記ドレープと前記組織部位の間には通路があるドレープと;
前記ドレープと前記組織部位の間に配置されるシールであって、流体に反応し、前記マニホールドが減圧を前記創傷に提供したときに前記ドレープの外側から前記通路を通って漏れる空気に反応して前記通路を実質的に塞ぐ密封材を形成するよう適応したシールとを具えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1のシステムにおいて、前記シールがイソシアネート材料を含有し、前記流体は前記ドレープの外側から漏れて前記シールと接触する空気に含まれる水蒸気であることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1のシステムにおいて、前記シールが感水ポリマであり、前記流体は前記ドレープの外側から漏れて前記シールと接触する空気に含まれる水蒸気であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項3のシステムにおいて、前記感水ポリマが、ポリアクリラート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギナート、またはカルボキシメチルセルロースであることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1のシステムにおいて、前記シールが感水ポリマであり、前記流体は前記シールと接触する前記創傷からの滲出液であることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1のシステムにおいて、前記シールが感水ポリマであり、前記流体は前記シールに適用される水であることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1のシステムにおいて、前記シールが気体を発生させて前記密封材を形成する感水材料であり、前記流体は前記ドレープの外側から漏れて前記シールと接触する空気に含まれる水蒸気であることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項7のシステムにおいて、前記感水材料が、金属水素化物または金属炭化物であることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1のシステムがさらに、前記流体を前記組織部位に提供する流体供給部を具えていることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項9のシステムにおいて、前記シールが、ポリウレタン、アクリル樹脂、またはアセテートであり、前記流体は溶媒であることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10のシステムにおいて、前記溶媒が、アルコール、グリコール、ポリエチレングリコール、またはグリセリンであることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1のシステムにおいて、前記流体が、前記組織部位への減圧の適用に反応して前記マニホールドへと吸い込まれる気体であって、前記気体は、前記シールに反応して前記シールを膨脹させて前記密封材を形成することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1のシステムにおいて、前記流体が前記組織部位に予め適用されることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1のシステムにおいて、前記シールが、減圧に反応するポリマ球を含み、前記圧力源によって提供された圧力差に反応して膨脹し前記密封材を形成する材料であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1のシステムにおいて、前記シールが、第1の面と、前記組織部位に面する第2の面とを有し、さらに:
前記シールの前記第1の面および前記第2の面の少なくとも一方を覆う剥離ライナを具えており、当該剥離ライナは、前記シールおよび前記ドレープを前記組織部位に適用する前に前記シールが前記密封材を形成するのを防ぐように適応していることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1のシステムにおいて、前記シールが膨脹して、前記通路を塞ぐ前記密封材を形成することを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項1のシステムにおいて、前記密封材が前記ドレープのひだによって形成された前記通路を少なくとも部分的に塞ぎ、前記通路を実質的に密封することを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項1のシステムにおいて、前記シールが、前記組織部位における前記創傷を少なくとも部分的に取り囲む環形を形成することを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項1のシステムにおいて、前記ドレープが第1の面と前記組織部位に面する第2の面とを有しており、前記シールは前記ドレープの前記第2の面を実質的に覆うことを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項1のシステムにおいて、前記密封材が接着剤であり、前記ドレープを前記組織部位に接着させるよう機能することを特徴とするシステム。
【請求項21】
組織部位における創傷を治療するための装置において、当該装置が:
減圧を前記創傷に提供するよう適応したマニホールドと;
前記組織部位に接着する接着面を有し、前記創傷および前記マニホールドを覆うドレープであって、前記ドレープと前記組織部位の間には通路があるドレープと;
前記ドレープの接着面に近接するシールであって、前記組織部位に適用されるときに前記ドレープと前記組織部位の間に配置され、前記マニホールドが減圧を前記創傷に適用したときに前記ドレープと前記組織部位の間にある前記通路を実質的に塞ぐ密封材を形成するように変形できるシールとを具えており;
前記マニホールドが減圧を前記創傷に提供したときに、前記ドレープの外側からの空気の漏れが減少することを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21の装置において、
前記シールが、水蒸気に反応するイソシアネート材料を含有し、空気が前記ドレープの外側から漏れて前記シールと接触したときに空気に含まれる水蒸気に反応して前記密封材を形成するように変形することを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項21の装置において、前記シールが感水ポリマであり、当該感水ポリマは、空気が前記ドレープの外側から漏れて前記シールに接触したときに、空気に含まれる水蒸気に反応して前記密封材を形成するように変形することを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23の装置において、前記感水ポリマが、ポリアクリラート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギナート、またはカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項21の装置において、前記シールが感水ポリマであり、当該感水ポリマは、前記シールと接触する前記創傷からの滲出液に反応して前記密封材を形成するように変形することを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項21の装置において、前記シールが感水ポリマであり、当該感水ポリマは、前記シールに適用された水蒸気に反応して前記密封材を形成するように変形することを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項21の装置において、前記シールが感水材料であり、当該感水材料は、空気が前記ドレープの外側から漏れて前記シールに接触したときに、空気に含まれる水蒸気に反応して前記密封材を形成するように気体を発生させることを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項27の装置において、前記感水材料が、金属水素化物または金属炭化物であることを特徴とする装置。
【請求項29】
請求項21の装置において、前記マニホールドがさらに流体を前記組織部位に提供するよう適応しており、前記シールは、前記シールと接触する前記流体に反応して前記密封材を形成するように変形することを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項29の装置において、前記シールが、ポリウレタン、アクリル樹脂、またはアセテートであり、前記流体は溶媒であることを特徴とする装置。
【請求項31】
請求項30の装置において、前記溶媒が、アルコール、グリコール、ポリエチレングリコール、またはグリセリンであることを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項29の装置において、前記流体が、前記組織部位への減圧の適用に反応して前記マニホールドへと吸い込まれる気体であって、前記気体は、前記シールに反応して前記シールを膨脹させて前記密封材を形成することを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項29の装置において、前記流体が前記組織部位に予め適用されることを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項21の装置において、前記シールが、減圧に反応するポリマ球を含み、前記圧力源によって提供された圧力差に反応して膨脹し前記密封材を形成する材料であることを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項21の装置において、前記シールが、第1の面と前記組織部位と接触する第2の面とを有し、さらに:
前記シールの前記第1の面および前記第2の面の少なくとも一方を覆う剥離ライナを具えており、当該剥離ライナは、前記シールおよび前記ドレープを前記組織部位に適用する前に前記シールが前記密封材に変形するのを防ぐように適応していることを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項21の装置において、前記シールが膨張して、前記通路を塞ぐ前記密封材を形成することを特徴とする装置。
【請求項37】
請求項21の装置において、前記密封材が前記ドレープのひだによって形成された前記通路を少なくとも部分的に塞ぎ、前記通路を実質的に密封することを特徴とする装置。
【請求項38】
請求項21の装置において、前記シールが、前記組織部位における前記創傷を少なくとも部分的に取り囲む環形を形成することを特徴とする装置。
【請求項39】
請求項21の装置において、前記ドレープが第1の面と前記組織部位と接触する第2の面とを有しており、前記シールは前記ドレープの前記第2の面を実質的に覆うことを特徴とする装置。
【請求項40】
請求項21の装置において、前記密封材が接着剤であり、前記ドレープを前記組織部位に接着させるよう機能することを特徴とする装置。
【請求項41】
前記組織部位における創傷を治療するためにドレープを組織部位に密封する方法において、当該方法が:
前記ドレープを適用して、前記ドレープと前記組織部位の間に通路が形成される前記組織部位を覆うステップと;
前記ドレープと前記組織部位の間にシールを配置するステップであって、前記シールは、流体に反応して前記通路を実質的に塞ぐ密封材を形成するよう適応しているステップと;
減圧を前記組織部位に適用するステップと;
前記流体を前記シールに適用して前記密封材を形成するステップであって、前記密封材は前記通路を実質的に塞ぎ、減圧が前記組織部位に適用されたときに前記ドレープの外側から漏れる空気を減少させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41の方法において、前記シールが感水ポリマであり、前記流体は前記ドレープの外側から漏れて前記シールと接触する空気内の水蒸気であることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項41の方法において、前記シールが感水ポリマであり、前記流体は、減圧が前記組織部位に適用されたときに前記ドレープの外側から漏れる空気内の水蒸気であることを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項43の方法において、前記感水ポリマが、ポリアクリラート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギナート、またはカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項41の方法において、前記シールが感水ポリマであり、前記流体は、減圧が前記組織部位に適用されたときに前記シールに適用される前記創傷からの滲出液であることを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項41の方法において、前記シールが、ポリウレタン、アクリル樹脂、またはアセテートであり、前記流体が溶媒であることを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項41の方法において、前記シールが、ポリウレタン、アクリル樹脂、またはアセテートであり、前記流体は、減圧が前記組織部位に適用されたときに流体供給部によって前記シールに提供される溶媒であることを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項41の方法において、前記シールが、ポリウレタン、アクリル樹脂、またはアセテートであり、前記流体は、減圧が前記組織部位に適用されたときに前記シールに適用される、流体供給部から吸い込まれた気体であることを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項41の方法において、前記シールが減圧に反応するポリマ球を含んでおり、さらに減圧が前記組織部位に適用されたときに圧力差を前記シールに適用するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項41の方法において、前記シールがイソシアネート材料を含有し、前記流体は水蒸気であることを特徴とする方法。
【請求項51】
患者の組織部位を治療する方法において、当該方法が:
ドレッシングを前記組織部位に適用するステップを含んでおり、前記ドレッシングが:
第1の面と第2の組織対向面とを有するシールであって、前記組織部位に近接して位置するよう適応し、流体がある状態で膨脹して前記組織部位に実質的に密封された空間を形成するように機能するシールと;
前記シールを覆い、さらに前記実質的に密封された空間を形成するドレープとを具えることを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項51の方法において、前記ドレッシングを前記組織部位に適用するステップが、前記シールを前記ドレープで覆うステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項51の方法がさらに:
減圧を前記実質的に密封された空間に適用するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項51の方法がさらに:
減圧を前記実質的に密封された空間に適用するステップを含んでおり、前記減圧が蒸気を前記シールの方へと吸い込み、前記シールを膨脹させることを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項51の方法がさらに:
前記流体を前記実質的に密封された空間に適用するステップを含んでおり、前記流体が前記シールと接触して前記シールを膨脹させることを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項51の方法がさらに:
前記ドレッシングを前記組織部位に適用する前に、前記流体を前記組織部位に適用するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項51の方法がさらに:
前記シールを前記ドレープで覆った後に、前記流体を前記シールに適用するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項51の方法において、前記ドレッシングが第1の面と第2の組織対向面とを有しており、当該方法はさらに:
前記ドレッシングを前記組織部位に適用する前に、前記ドレッシングの組織対向面から剥離ライナを除去するステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2013−504385(P2013−504385A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528929(P2012−528929)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/048432
【国際公開番号】WO2011/034789
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】